JP2016162124A - 調理法決定方法及び調理法決定装置 - Google Patents

調理法決定方法及び調理法決定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016162124A
JP2016162124A JP2015039435A JP2015039435A JP2016162124A JP 2016162124 A JP2016162124 A JP 2016162124A JP 2015039435 A JP2015039435 A JP 2015039435A JP 2015039435 A JP2015039435 A JP 2015039435A JP 2016162124 A JP2016162124 A JP 2016162124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooking
fish
information
cooking method
determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015039435A
Other languages
English (en)
Inventor
脇田 由実
Yumi Wakita
由実 脇田
小澤 順
Jun Ozawa
順 小澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2015039435A priority Critical patent/JP2016162124A/ja
Publication of JP2016162124A publication Critical patent/JP2016162124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Meat And Fish (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】魚の状況に応じて適切な調理情報(例えば調理法、メニュー等の情報)を出力する調理法決定方法を提供する。【解決手段】調理法決定装置100において実行される調理法決定方法は、魚眼に紫外光を照射して紫外線カメラ11で魚眼の紫外線画像を撮影し、コンピュータ14で、紫外線画像を解析して、魚眼の虹彩部等の輝度に基づいて魚の調理法を決定し、決定した調理法に関連する調理情報(調理法、レシピ等の情報)をディスプレイ15に出力する方法である。【選択図】図2

Description

本発明は、魚の状態に応じた調理法を決定する調理法決定方法及び調理法決定装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレット等の携帯情報機器の普及に伴い、電子化された料理レシピ(例えば調理法の手順書)等のニーズが増加しつつある。本ニーズの増加に伴い、一般的な料理レシピの紹介のみではなく、個人の嗜好、年齢、生活習慣等に応じた料理レシピの紹介、季節に旬な食材メニューの紹介等、個人や食材に応じた調理メニュー紹介機能が開発されている。
特許文献1は、手持ちの食材を与えると、その食材を利用したメニューを優先的に提案する調理メニュー提示システムを示す。このシステムは、消費期限、賞味期限等の食材に付加された情報に基づき、賞味期限の早い食材を利用したメニューを高い優先順位で紹介する。
また特許文献2は、食材を代替するメニューを提案する。
特開2002−092120号公報 特開2006−277410号公報
しかしながら、上記特許文献の技術では、手持ちの食材名と既に食材に付加されている消費期限や産地等の情報を利用するに過ぎないため、個々の食材の実際の状態に応じた調理法を適切に決定することができない。実際に食材の状態(新鮮度等)は、消費期限等が定められた後のお店での保管状況、購入後のユーザの手元での保管状況等に依存して変化する。このため、上記特許文献の技術では、実際の状態に依れば刺身や焼き魚として食することが可能な魚に、しっかり加熱する煮魚メニューのみを提案する等といった不具合が生じ得る。
そこで、本発明は、実際の魚の状況に応じて適切な調理情報(例えば調理法、レシピ等の情報)を出力する調理法決定方法、調理法決定装置等を提供する。
本発明の一態様に係る調理法決定方法は、紫外光が照射された魚の魚眼の輝度を示す情報を取得し、当該情報に基づいて当該魚の調理法を決定し、決定した当該調理法に関連する調理情報を出力する調理法決定方法である。
また、本発明の一態様に係る調理法決定装置は、紫外光が照射された魚の魚眼の輝度を示す情報を取得する取得部と、当該情報に基づいて決定した当該魚の調理法に関連する調理情報を出力する出力部とを有する調理法決定装置である。
本発明の調理法決定方法及び調理法決定装置は、魚の状況に応じて適切な調理情報(調理法等)を提示(出力)することができる。
実施形態1に係る調理法決定装置の機能ブロック図である。 実施形態1に係る調理法決定装置のハードウェア構成図である。 実施形態1に係る調理法決定装置の動作を示すフローチャートである。 魚眼における虹彩及び水晶体の位置を示す断面図である。 魚眼の中心の算出方法を示す図である。 紫外線カメラで撮影して得られた魚眼の画像を示す図である。 魚眼の虹彩部の輝度及び水晶体部の輝度についての時間的変化を示すグラフである。 複数の魚についての虹彩部の平均輝度値と水晶体部の平均輝度値との差の時間的変化を示すグラフである。 調理指標値Aの範囲と常温での死後の経過時間及び調理法とを対応付けたテーブルを示す図である。 気温4℃の冷蔵庫にて保存した魚4匹分の虹彩の輝度の時間的変化を示すグラフである。 調理指標値Aの範囲と常温での死後の経過時間及び調理法と提示事項とを対応付けたテーブルを示す図である。 調理法決定装置を具体化したスマートフォンのイメージ図である。 スマートフォン及びアダプタを用いた魚眼の撮影方法を示す図である。 スマートフォンに装着するアダプタについての概略図である。 スマートフォンとアダプタとの接続を示すイメージ図である。 スマートフォンの動作例を示すフローチャートである。 スマートフォンに表示された調理情報の一例を示す図である。 実施形態2に係る調理法決定装置の機能ブロック図である。 実施形態2に係る調理法決定装置のハードウェア構成図である。 実施形態2に係る調理法決定装置の動作を示すフローチャートである。 赤外線カメラで撮影して得られた魚眼の画像を示す図である。 紫外線画像及び赤外線画像のそれぞれにおける虹彩部の輝度の時間的変化を示すグラフである。 複数の魚についての紫外線画像及び赤外線画像における虹彩部の平均輝度値の差の時間的変化を示すグラフである。 調理指標値Bの範囲と常温での死後の経過時間及び調理法とを対応付けたテーブルを示す図である。 他の実施形態に係る調理法決定装置の機能ブロック図である。
魚の状況に応じて適切な調理情報を出力すべく、本発明の一態様に係る調理法決定方法は、紫外光が照射された魚の魚眼の輝度を示す情報を取得し、当該情報に基づいて当該魚の調理法を決定し、決定した当該調理法に関連する調理情報を出力する調理法決定方法である。この調理情報は、決定結果である調理法を示す情報であり、また、調理情報は、調理法を示す情報の他に(或いは調理法を示す情報の代わりに)、調理手順、時間等を示す情報、調理に必要な用具、調味料、材料を示す情報、レシピを示す情報、調理された魚を含む献立(例えば魚と合わせる副菜等を含むメニュー)を示す情報等の少なくとも1つを含んでいてもよい。また、調理情報は、魚の死後経過時間を示す情報を含んでいてもよい。これにより、紫外光照射により得られた魚眼の輝度測定(画像撮影等)により得られる魚眼(例えば魚眼全体或いは虹彩部、水晶体部等)の輝度を用いて実際の魚の状況に応じた適切な調理情報が出力されるようになる。
ここで、例えば、前記調理法決定方法における魚眼の輝度は、虹彩部の輝度であることとしてもよい。これにより、魚眼の中で、顕著に輝度が変化する虹彩部を用いることで、光源の照射強度が小さくても高性能に調理法を決定することができる。
ここで、例えば、前記調理法決定方法は、紫外光が照射された前記魚の眼の紫外線画像を撮影する撮影ステップと、前記紫外線画像から虹彩部の輝度値を抽出して、当該虹彩部の輝度値に基づいて前記魚の調理法を決定して前記調理情報を出力する決定ステップとを含むこととしてもよい。これにより、カメラ等の撮影手段を用いて比較的容易に、魚を侵襲せず短時間で魚の調理法を決定することができる。
また、前記決定ステップでは、前記紫外線画像から水晶体部の輝度値を抽出して、前記虹彩部の輝度値を当該水晶体部の輝度値を用いて正規化してなる調理指標値に応じて前記決定を行うこととしてもよい。また、前記決定ステップにおける前記調理指標値は、虹彩部の輝度値と水晶体部の輝度値との差、当該差を水晶体部の輝度値で除した値、又は、虹彩部の輝度値の水晶体部の輝度値に対する比であることとしてもよい。これらにより、魚の個体差や撮影条件の差等の影響を抑えて適切に魚の調理法を決定することができる。
また、前記撮影ステップでは、紫外光の照射による前記紫外線画像の撮影及び赤外光の照射による前記魚の眼の赤外線画像の撮影を行い、前記決定ステップでは、前記紫外線画像から抽出した虹彩部の輝度値を前記赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値を用いて正規化してなる調理指標値に応じて前記決定を行うこととしてもよい。また、前記決定ステップにおける前記調理指標値は、紫外線画像から抽出した虹彩部の輝度値と赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値との差、当該差を赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値で除した値、又は、紫外線画像から抽出した虹彩部の輝度値の、赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値に対する比であることとしてもよい。これらによっても、魚の個体差や撮影条件の差等の影響を抑えて適切に魚の調理法を決定することができる。
また、前記決定ステップでは、複数の異なる調理法それぞれと調理指標値の範囲とを対応付けて予め定められた決定用情報を参照して、前記決定を行うこととしてもよい。これにより、経験、実験結果等を活用して決定用情報を定めておくことで、適切に魚の調理法を決定することができる。
また、前記調理法は、前記決定用情報において魚の死後の経過時間と対応付けられ、前記決定用情報は、魚の死後の経過時間が長い程、高い調理指標値の範囲と対応付けられた情報であり、かつ、魚の死後の経過時間が長い程、加熱度が大きい調理法と対応付けられた情報であることとしてもよい。これにより、適切に魚の調理法を決定することができる。
また、前記決定ステップでは、決定した調理法を示す情報を前記調理情報に含ませて前記調理情報を出力することとしてもよい。これにより、魚の調理法を知ることができるようになる。
また、前記決定ステップでは、決定した調理法による調理において用いられる調味料又は材料を前記調理情報に含ませて前記調理情報を出力することとしてもよい。これにより、スーパーマーケット等の店で買い物をしている際に魚を選んで調理法を知り、調理に必要な調味料、材料等(付け合せる食材等)を知って魚と一緒に調味料等を買うことができるようになる。
また、前記決定ステップでは、決定した調理法よりも加熱度を大きくした調理法を、一定時間経過後に調理する場合に用いられるべき調理法として前記調理情報に含ませて前記調理情報を出力することとしてもよい。これにより、直ぐに調理しないで後で調理する場合においても適切な調理法を知ることができるようになる。
また、本発明の一態様に係る調理法決定装置は、紫外光が照射された魚の魚眼の輝度を示す情報を取得する取得部と、当該情報に基づいて決定した当該魚の調理法に関連する調理情報を出力する出力部とを有する調理法決定装置である。魚眼の輝度の情報は、魚を侵襲せずに短時間に取得することができるため、この装置のユーザは、魚を損なうことなく、迅速に魚の調理法に関する調理情報(例えばレシピ等)を知ることができるようになる。
ここで、例えば、前記取得部が取得する魚眼の輝度を示す情報は、虹彩部の輝度を示す情報であることとしてもよい。魚眼の中で顕著に輝度が変化する虹彩部を用いることで、光源の照射強度が小さくても高性能に調理法を決定できて調理情報を出力できる。
ここで、例えば、前記調理法決定装置は、紫外光を照射する紫外光照射部と、携帯情報機器とを備え、前記携帯情報機器は、前記紫外光照射部により紫外光の照射がなされたときの画像を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像から抽出した虹彩部の輝度値に基づいて前記魚の調理法を決定し、決定した当該調理法に関連する調理情報を表示する決定部とを有することとしてもよい。なお、取得部は例えば撮影部により撮影された画像から魚の虹彩部の輝度を示す情報を取得し、また、出力部は、例えば決定部を含み、決定部の表示により出力を実現する。これにより、スマートフォン、タブレット等の携帯情報機器を用いてユーザは様々な場所において魚の調理法等を知ることができるようになる。
また、本発明の一態様に係る制御プログラムは、プロセッサを備える機器に、魚の調理法を決定するための調理法決定処理を実行させるための制御プログラムであって、前記調理法決定処理は、紫外光が照射された前記魚の眼の紫外線画像を撮影する撮影ステップと、前記紫外線画像から魚眼の輝度値を抽出して、当該魚眼の輝度値に基づいて前記魚の調理法を決定して、決定した当該調理法に関連する調理情報を出力する決定ステップとを含む制御プログラムである。また、前記決定ステップでは、前記魚の調理法を、前記紫外線画像から虹彩部の輝度値を抽出して、当該虹彩部の輝度値に基づいて決定することとしてもよい。これらの制御プログラムをコンピュータにインストールして実行することにより、魚の調理法に関する調理情報(例えばレシピ等)が出力されるようになる。
また、本発明の一態様に係る情報機器は、紫外光が照射された魚の魚眼を撮影する撮影部と、前記撮影部により魚の魚眼が撮影された場合に、当該魚の調理法に関連する調理情報を表示するディスプレイを有する情報機器である。これにより、例えばスマートフォン等の情報機器を用いてユーザが魚を撮影して調理情報を確認できるようになる。
ここで、例えば、前記調理情報は、刺身、焼き魚及び煮魚のいずれかを示す調理法の情報、又は、調理の手順若しくは時間を示す情報、又は、レシピの情報であることとしてもよい。これにより、魚を撮影したユーザはディスプレイにより、例えば、魚を生食にするか焼くか煮るか等の調理法、魚の加熱のための火加減(弱火、中火等)、加熱時間、魚の調理レシピ等といった情報を知り得るようになる。
なお、これらの包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組合せが含まれる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
本実施の形態では、特に、魚眼を紫外光にて撮影し、撮影した魚眼画像の輝度に基づいて魚の調理法を決定し、決定した魚の調理法に関連した調理情報を出力する調理法決定方法を実行する、一態様としての調理法決定装置について説明する。
(実施形態1)
以下、本発明の一実施態様としての調理法決定装置100について、適宜図面を用いて説明する。
(構成)
図1は、実施形態1に係る調理法決定装置100の機能ブロック図である。同図に示すように、調理法決定装置100は、撮影部1及び決定部2を有する。ここで、撮影部1は、魚(試料)9を撮影して魚眼を含む画像(つまり画像情報)を生成する。また、決定部2は、撮影部1により生成された画像情報に基づいて魚9の調理法を決定しその調理法に関連する情報である調理情報を出力する。決定部2は、魚眼の虹彩部及び水晶体部の各部分に対応する画像データを抽出する解析部3と、その画像データから調理に関する所定の指標値(以下、「調理指標値A」という。)を算定する算定部4と、調理情報を出力する出力部5とを含む。また、決定部2は、調理指標値Aに応じて魚の調理法を決定するための決定用情報8を取得する。なお、決定用情報8を決定部2が予め保持していてもよい。
図2は、実施形態1に係る調理法決定装置100のハードウェア構成図である。同図に示すように、調理法決定装置100は、紫外線光源10、紫外線カメラ11、コンピュータ14、ディスプレイ15及びスピーカ16を備える。撮影部1に相当する構成が、紫外線光源10及び紫外線カメラ11であり、決定部2に相当する構成がコンピュータ14、ディスプレイ15及びスピーカ16である。解析部3及び算定部4に相当する構成がコンピュータ14であり、出力部5に相当する構成が例えばディスプレイ15及びスピーカ16等といった提示装置である。なお出力部5は、例えばディスプレイ15だけであってもよいし、スピーカ16だけであってもよく、情報の出力(提示)が可能な構成であれば足りる。ここで、コンピュータ14は、メモリ、プロセッサ、入力装置、機器接続用インタフェース等を備え、メモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより、決定部2の機能を実現するための装置として働く。なお、コンピュータ14は、メモリ(主記憶装置)以外にハードディスク装置等の補助記憶装置を備えていてもよい。
撮影部1は、試料設置部19に設置された魚9に対して紫外線光源10から紫外線(紫外光)を照射し、魚9からの反射光を紫外線カメラ11で受光して魚眼を含む画像情報を生成する。ここで、試料設置部19は、魚眼の撮影が可能なように魚体を安定して設置できる部材(例えばトレイ)である。紫外線光源10及び紫外線カメラ11は、紫外線領域(例えば300nm〜400nmの波長帯域)に対応したものである。
また決定部2の機能は、コンピュータ14、ディスプレイ15及びスピーカ16により実現される。決定部2は、機器接続用インタフェース等を介して紫外線カメラ11で撮影された魚眼を含む画像情報を取得し、取得した画像情報を解析して調理指標値Aを算定し、調理指標値Aに基づいて魚の調理法を決定し、決定結果に関連する調理情報を出力部5に出力させる(つまり調理情報をディスプレイ15に表示する或いはスピーカ16から音声を出力させる)。魚の調理法の決定にはコンピュータ14のメモリ等の記憶装置に蓄積された決定用情報8が用いられる。決定用情報8が、コンピュータ14の外部のデータベースに蓄積されることとし、決定部2がそのデータベースを参照して決定用情報8を取得することとしてもよい。なお、画像情報を解析する処理として、コンピュータ14では、画像情報から魚眼部分を抽出する処理、魚眼の虹彩部及び水晶体部を区別する処理、各部の平均輝度値を算出してその差異に基づき調理指標値Aを算定する処理等が実行される。
(動作)
図3は、調理法決定装置100の動作を示すフローチャートである。
以下、上述の構成を備える調理法決定装置100の動作について、図3のフローチャートに沿って、図4〜図11に基づき各手順の解説を加えながら説明する。
魚9が試料設置部19に設置されている状態で、撮影部1は、紫外線光源10を発光させ紫外線カメラ11で魚を撮影することにより魚眼を含む画像情報(紫外線画像)を生成する(処理ステップS1)。この生成される画像情報は、2次元画像空間を構成する各画素位置における画像データ(輝度値)の集合体である。輝度値は、例えば8ビットデータ(256階調)で表現される。なお、魚の調理法の決定を、より適切に行うために、例えば、紫外線カメラ11の光軸の向き、画角、生成する画像サイズ等を調整して、魚眼全体及びその周辺部分の解像度を高くするように撮影(設定)することが、ある程度有効となる。
次に、決定部2は、撮影部1により生成された画像を取得し、解析部3により、その画像から魚眼の虹彩部及び水晶体部の画像データを抽出する(処理ステップS2)。虹彩部及び水晶体部の画像データの抽出は、どのような方法で実現してもよいが、例えば、次のような方法で行ってもよい。
即ち、まず、魚眼を含む魚の画像に対して1次微分フィルタを適用し、画像のデータ値(輝度値)の空間的勾配が急峻(例えば所定閾値より急峻)な部分、つまりコントラストが強く変化している部分(所謂エッジ部分)を表す画像を得る。このエッジ部分の中から、魚眼部分とその周辺部分との境界線と、魚眼部分における虹彩部分と水晶体部分との境界線とを表す2重円のパターンに最も類似する部分(2重円のパターンに相当する位置)をパターンマッチング等により検出する。そして、検出された2重円のパターンに相当する位置を用いて、撮影された画像について、2重円のパターンにおける内側の円内部を水晶体部と特定し、2重円のパターンにおける内側の円と外側の円との間の部分を虹彩部と特定する。図4に示すように虹彩は水晶体の周りに存在し、虹彩部は、魚眼における虹彩の部分であり、水晶体部は魚眼における水晶体の部分である。
なお、パターンマッチングについては、1次微分フィルタの適用で得られたエッジ部分が形成する境界線から円弧が特定される場合には、その円弧から円の中心を算定し、その中心を有する同心円を2重円のパターンとの当てはめ候補として、行ってもよい。ここで、エッジ部分から円の中心を算定する方法について、図5を用いて説明する。まず、取得した画像(図5の例では魚の死後20分経過時点の紫外線画像)に対して、1次微分フィルタの適用で得られたエッジ部分(輝度の空間的勾配が大きい部分)を接続して得られる1以上の断続的な曲線を計算する。そして各曲線上の点について接線(図5中の破線)を計算し、その点を通りその接線に対して垂直となる法線(図5中の実線)を計算する。この法線の計算を各点に対して実施し、法線が重なる部分を円の中心(魚眼の中心座標)として算定する。魚眼は、人間の眼球とは異なり、まつ毛やまぶたが存在しないため、この方法で画像上の魚眼の中心を特定することができる。また、2重円のパターン等により魚眼内の虹彩部と水晶体部とを区別するに際して、輝度分布に基づき虹彩部と水晶体部とに所定量以上の輝度差分(各領域の平均輝度値の差分)があるように境界を定めて区別してもよい。
解析部3により、魚眼の虹彩部及び水晶体部の画像データが抽出されると、決定部2における算定部4は、抽出された虹彩部の平均輝度値及び水晶体部の平均輝度値に基づいて、魚の調理法を決定するための指標である調理指標値Aを算定する(処理ステップS3)。ここで、虹彩部の平均輝度値は、画像における虹彩部を構成する各画素の輝度値についての平均値であり、水晶体部の平均輝度値は、画像における水晶体部を構成する各画素の輝度値についての平均値である。但し、虹彩部の平均輝度値の算出の基礎とする部分は、必ずしも虹彩部全域でなくてもよく、例えば虹彩部と水晶体部との間の境界に近い部分を除外した残りの部分であってもよい。同様に、水晶体部の平均輝度値の算出の基礎とする部分は、必ずしも水晶体部全域でなくてもよく、例えば虹彩部と水晶体部との間の境界に近い部分を除外した残りの部分であってもよい。
調理指標値Aは、虹彩部の平均輝度値を、水晶体部の平均輝度値を用いて正規化したものであり、例えば、虹彩部の平均輝度値から水晶体部の平均輝度値を減算した値(虹彩部及び水晶体部の平均輝度値の差)である。また、調理指標値Aは、例えば、虹彩部及び水晶体部の平均輝度値の差を水晶体部の平均輝度値で除した値でもよく、虹彩部の平均輝度値の水晶体部の平均輝度値に対する比でもよい。ここで、本発明者らによる魚を用いた実験の結果を示す図6〜8を用いて、調理指標値Aの基礎となる虹彩部及び水晶体部の輝度について説明する。
図6は、常温(気温20℃)、湿度95%以上の保存環境で保存された魚について、紫外線カメラで撮影して得られた魚眼の画像を示す。同図では、魚の死後20分経過時、死後4時間経過時及び死後7時間経過時の各時点で撮影された画像を並べて示している。同図に示されるように、死後4時間以降においては魚眼の中で虹彩部のみが時間経過に従い白く変色してくる。
図7は、常温(気温20℃)、湿度95%以上の保存環境で保存された魚についての魚眼の虹彩部の輝度及び水晶体部の輝度についての時間的変化を示すグラフである。死後6時間以降においては時間経過に伴う水晶体部分の輝度の変化が少ないのに対し、虹彩部分の輝度は時間経過に伴って上昇する傾向がある。なお、本発明者らの実験により、魚種が異なれば、時間経過に対する輝度の変化の上昇度合いは異なり得ることが判明している。また、本発明者らの実験により、同種の魚においては魚の個体差により輝度の絶対値は異なる場合もあるが虹彩部が時間経過に伴って白く変色している度合いは、どの個体も類似していることが判明している。
図8は、常温(気温20℃)、湿度95%以上の保存環境で保存された複数(4体)の魚についての虹彩部の平均輝度値と水晶体部の平均輝度値との差の時間的変化を示すグラフである。魚の個体が異なっても、平均輝度値の差は、いずれも時間経過に対して同程度の上昇傾向を示す。この平均輝度値の差は、虹彩部の平均輝度値を水晶体部の平均輝度値を用いて正規化したものである。この正規化により、画像に現れる、魚の個体差の影響をある程度取り除くことができる。なお、この魚の個体差の影響には、魚眼自体の明るさの相違以外にも、魚の形状やサイズの個体差等から生じ得る撮影距離等の撮影条件の相違の影響も含まれる。このように、虹彩部の平均輝度値を水晶体部の平均輝度値を用いて正規化したものである調理指標値Aは、魚の死後の時間経過と相関を有する有効な指標となる。
算定部4により調理指標値Aが算定されると、決定部2は、その調理指標値Aに応じて、決定用情報8に基づいて魚の調理法を決定し、出力部5により調理情報(決定結果である調理法を示す情報或いはその調理法に関連する情報)を出力する(処理ステップS4)。この決定用情報8は、例えば、魚の調理法を魚の死後の経過時間に対応させる場合において、調理指標値Aと死後の経過時間との対応を示す数式やテーブルである。この場合、魚の調理法の決定は、決定用情報8を参照して、調理指標値Aに応じて死後の経過時間を特定して、対応する調理法を特定することにより実現される。なお、決定用情報8(例えば調理指標値Aと死後の経過時間との対応を示す数式又はテーブル)は、図8のグラフやその他の実験結果に基づいて予め作成しておくことができる。また、魚の死後の経過時間に応じて適切な調理法(例えば死後の経過時間が比較的短い場合には魚を刺身にする調理法、死後の経過時間が比較的長い場合には、十分に加熱するために煮魚にする調理法等)を予め経験等に基づいて定めておくことができる。
図9に、決定用情報8の例としての、調理指標値Aとして虹彩部の平均輝度値と水晶体部の平均輝度値との差を用いた場合における調理指標値Aの範囲と常温での死後の経過時間及び調理法とを対応付けたテーブルを示す。このテーブルは、輝度差を用いた調理指標値Aが大きくなるにつれて死後の経過時間が長くなり、調理法の加熱度が大きくなるような対応関係を示している。加熱度が大きい調理法は、つまり加熱時間が長い調理法或いは加熱の温度が高い調理法である。このテーブルの例によれば、魚が常温で保存されていたという前提では、魚について算定された調理指標値Aが例えば40以下であれば「死後6時間未満」という、まだ生食可能な魚の状態であると決定されるため、生食可能な「刺身」、「表面あぶり」等の調理法が適切であると決定されることになる。なお、この状態の魚は、「焼き魚」、「煮魚」等の調理法も有効ではあるので、「刺身」、「表面あぶり」よりも優先順位は下がるが「焼き魚」、「煮魚」も決定用情報8に基づいて決定された調理法として出力(提示)されることとしてもよい。また、算定された調理指標値Aが例えば110、120等であれば、決定部2は、「死後12時間以上18時間未満」という魚の死後の経過時間から、食べるためには十分な加熱が必要な魚の状態であると決定し、十分に加熱することを前提とした例えば「煮魚」等の調理法が適切であると決定し、「煮魚」等の調理法等の情報(調理情報)を出力する。この場合には、「刺身」、「表面あぶり」等の調理法に関する情報は出力されない。
なお、調理指標値Aとして、虹彩部の平均輝度値と水晶体部の平均輝度値との差を水晶体部の平均輝度値で除した値又は虹彩部の平均輝度値の水晶体部の平均輝度値に対する比を用いる場合にも、それぞれに応じたテーブルを作成して、調理法の決定に利用すればよい。また、決定用情報8については、魚の死後の経過時間に関する項目を省略して、調理指標値Aと調理法とを対応付けた情報であることとしてもよい。
また、魚を撮影して調理法をより適切に決定するためには、決定用情報8を、その魚の種別や保存状況(温度、湿度等)に適したテーブルとして実現するとよい。例えば、予め各魚種の魚について各種保存状況で時間経過に応じた調理指標値Aを測定して、魚種別、保存状況別の複数のテーブルを作成してコンピュータ14のメモリ等に格納しておき、撮影対象の魚や保存状況に合わせてテーブルを適宜選択して利用してもよい。この場合、撮影対象の魚の種類(魚種)や保存状況については、調理法決定装置100のユーザが魚の撮影の際等に、コンピュータ14に入力装置を介して入力することとしてもよく、決定部2は、その入力に応じてテーブルを選択することとしてもよい。これにより、魚種別のテーブルを作成しておけば、各魚に応じた調理法の決定が可能となる。図10は、魚の死後、気温4℃の冷蔵庫にて保存した魚4匹分の虹彩の輝度の時間的変化を示す。図10では、図8の常温(20℃)で保存した場合と比べて、時間に対する輝度の変化度合いが緩やかになっている。この結果から、上記テーブルを保存温度の違いにより複数持つこととしてもよい。例えば、冬、春秋、夏のそれぞれにおける冷蔵庫外での保存、及び冷蔵庫内での保存といった4種類の保存温度に対した4つのテーブルを準備し、魚の保存状況に応じて利用するテーブルを選択してもよい。
上記の例は魚を保存する環境温度の違いによる輝度変化速度の違いを述べたが、環境温度のみではなく、他の様々な要因で輝度変化速度や魚の腐敗速度は異なると考えられる。従って、上述した保存状況(温度、湿度)や魚の種類に加えて、魚の捕獲後の処理の仕方(例えば、氷締め、活け締め等の締め方)を区別するようにテーブルを作成して、調理法の決定に利用してもよい。
なお、決定部2による調理情報(決定結果等を示す情報)の出力は、出力部5を用いてディスプレイ15に表示すること或いはスピーカ16から出力することで実行される。この調理情報は、例えば、上述した図9に例示するような調理法(刺身、あぶり、焼き魚、煮魚等)を示す情報であり、また、調理法を示す情報の他に、調理手順、時間(例えば焼く時間)等を示す情報、調理に必要な用具、調味料、材料を示す情報、レシピを示す情報、調理された魚を含む献立(例えば魚と合わせる副菜等を含むメニュー)を示す情報等であってもよい。なお、更に、調理情報には、図9に例示する魚の死後経過時間(例えば、「死後12時間以上18時間未満」等)を示す情報を含ませてもよい。これにより、調理法決定装置100のユーザは、魚の調理法、魚の状態、魚の調理に役立つ情報等を知ることができるようになる。
図9に例示した上述の決定用情報8としてのテーブルを用いると、現時点の魚の状態(死後の経過時間)及び魚の調理法だけでなく、今後の魚の腐敗状況の決定も可能となる。例えば、調理指標値Aが90であれば、図9のテーブルによると、魚の死後経過時間は6時間以上12時間未満と決定され、現時点では調理法が「焼き魚」であるが、あと3〜4時間経つと、死後経過時間が12時間以上になり調理法が「煮魚」となることが予測される。
図11に、調理指標値Aと調理情報とを対応付けたテーブルの一例を示す。同図の調理法、提示事項及び死後経過時間は、調理情報の一例である。提示事項は、予測される将来の魚の状態に基づいた調理に役立つ事項(情報)である。図9のテーブルの代わりに、図11に例示するように、将来の魚の状態を踏まえた提示事項(調理に役立つ情報等)を示すテーブルを用いると、決定部2(出力部5)は、例えばディスプレイ15に現時点で「焼き魚」という調理法を表示すると共に、例えば「焼き魚にする場合は、2時間以内に調理するようにしてください」とか、「2時間を過ぎた場合には煮魚にしてください」等など、現時点以降の魚の状態の予測結果を踏まえた追加情報の提示が可能になる。
また、出力部5により出力(つまりディスプレイに表示等)される調理情報には、魚の保存環境を示す情報を含んでもよい。例えば、調理指標値Aが90で、現時点で「焼き魚」として食べることができるが、今ではなく6時間後に調理をしたい場合には、より保存温度を下げた状態での保存を促してもよい。例えば、テーブル等で予め調理指標値Aと情報とを対応付けておき、「本日の夕食時に焼き魚料理をするのであれば、それまで4℃以下のチルド室にて保存してください」のような情報を提示することも可能である。
更に、調理法毎に代表的なレシピを対応付けたデータベース等を用いて、決定部2は決定した調理法に対応する単数又は複数のレシピを検索して出力することとしてもよい。
このように、調理法決定装置100は、紫外線カメラ11で魚の眼及びその周辺を撮影し、撮影により得られた画像情報を用いて、コンピュータ14で魚眼の虹彩部の平均輝度値等に基づいて調理法を決定するので、魚を侵襲せずに短時間に、現在の魚の状態に応じた魚の調理法等を提示(出力)できる。
(実施例)
以下、調理法決定装置100を、携帯可能なスマートフォン(携帯情報機器)101に含ませるよう具体化した例について説明する。
図12は、調理法決定装置100を具体化したスマートフォン101のイメージ図である。同図に示すスマートフォン101は内部に、コンピュータ14を備えている。また、同図の(a)に示すディスプレイ15は、スマートフォン101の筐体表面に実装された液晶ディスプレイ(又は例えば有機ELディスプレイ等)である。また、同図の(b)に示す紫外線カメラ11はスマートフォン101の筐体に実装されたカメラであり、紫外線光源10は、カメラ周辺に実装された紫外線LED(Light Emitting Diode)である。
スマートフォン101は、カメラを魚9の眼に近付けて利用され、ユーザの操作に応じて紫外線LEDから紫外線を魚眼に対して照射し、その反射光をカメラ(イメージセンサ)で受光することで画像(紫外線画像)を生成する。また、スマートフォン101のメモリ及びプロセッサ等であるコンピュータ14及びディスプレイ15が決定部2(解析部3、算定部4及び出力部5)として機能し、魚眼を含む画像に基づいて、魚の死後の経過時間、魚の調理法等を決定し、調理法に関連する情報である調理情報を液晶ディスプレイに表示する。なお、スマートフォン101は生成した画像も液晶ディスプレイに表示するように構成されている。これにより、ユーザは魚眼が撮影されていることを確認でき、更に、魚の調理法等を認識できる。図12の(a)の例では、魚の死後の経過時間が6時間以上12時間未満であり、調理法として焼き魚等の加熱食が決定され、この場合に対応して予め定められている「既にお刺身では食べられません。焼き魚等の加熱した料理がおすすめです。」というメッセージが表示された例を示している。
なお、図13に示すように、スマートフォン101から紫外線LEDを除いて構成されるスマートフォン101aに、魚眼に紫外光を照射するための紫外線LEDを有するアダプタ102を装着して、スマートフォン101aのカメラで魚眼を撮影するようにしてもよい。この場合、アダプタ102は、スマートフォン101aに具体化された調理法決定装置100の撮影部1の機能の一部を切り出してなる紫外光照射部(紫外光の照射を担う部分)として機能する。図14Aは、スマートフォン101aに装着するアダプタ102についての概略図である。同図に示すように、アダプタ102は筒状の形状で、筒の内壁には、紫外線光源10としての紫外線LEDが配置されている。また、図14Bに示すように、アダプタ102は、スマートフォン101aの外部インタフェース部と接続し、外部インタフェース部を介してスマートフォン101aからアダプタ102への制御信号及び電力の供給がなされる。また、スマートフォン101aのカメラのイメージセンサは、従来一般にスマートフォンのカメラに用いられる波長300nm〜800nm程度を受光可能なものでよく、アダプタ102の紫外線LEDは波長300nm〜400nmの範囲内の近紫外線を発するものであれば適切に紫外線画像が撮影される。そして、スマートフォン101aへのユーザ操作に応じてスマートフォン101aからアダプタ102に制御信号が出されこれに応じてアダプタ102は紫外光照射を行い、スマートフォン101aではカメラで撮影がなされ、魚の画像及び魚の調理法等を示す情報が液晶ディスプレイに表示される。
なお、上述したスマートフォン101、101aではカメラ(イメージセンサ)により紫外線画像を撮影して輝度値を得ることとしたが、イメージセンサの代わりに、紫外光検出器を用いてもよい。この場合には、紫外光検出器が魚眼からの反射光を受光して検出する光の強度を輝度値の代わりに用いて調理指標値Aを算定することができる。
図15は、調理法決定装置100を具体化したスマートフォン101a及びアダプタ102におけるスマートフォン101aの動作例を示すフローチャートである。ユーザがスマートフォン101aにおいて魚の調理法決定用のアプリ(調理法決定処理のプログラム)の起動のための操作をすると図15の動作が開始される。
ユーザが魚の眼にアダプタ102を当ててスマートフォン101aのカメラで魚眼を撮影する操作を行うと、スマートフォン101aからアダプタ102の紫外線LEDの照射のための制御信号が発され、カメラで撮影がなされる(処理ステップS11)。
続いて、スマートフォン101aは、撮影された画像から輝度変化が大きい部分(輝度の空間的勾配が急峻な所謂エッジ部分)を抽出し(処理ステップS12)、抽出したエッジ部分から魚眼の中心座標を計算する(処理ステップS13)。
次に、スマートフォン101aは、画像中の魚眼領域において虹彩部と水晶体部とを区別できるか否かを判定し(処理ステップS14)、区別できるならば、虹彩部の輝度値と水晶体部の輝度値とを抽出する(処理ステップS15)。なお、画像中の魚眼領域は、抽出した中心座標に基づき魚眼と照合するために予め準備した2重円のパターン(輝度パターン)を用いたパターンマッチング等により求められる。魚眼が2重円のパターンに合致する等、虹彩側から水晶体側への輝度変化が十分であって虹彩部と水晶体部との境界が特定できる場合には、虹彩部と水晶体部との区別ができることになる。そして、抽出された虹彩部の輝度値と水晶体部の輝度値との差である調理指標値Aを算出し(処理ステップS16)、決定用情報8としてのテーブル(図9、図11参照)に基づいて調理指標値Aに対応する魚の死後の経過時間及び魚の調理法を決定する(処理ステップS17)。
また、処理ステップS14において、虹彩部と水晶体部とを区別できない場合には、テーブル(図9、図11参照)における短期間を表す死後の経過時間及び調理法を決定する(処理ステップS18)。この虹彩部と水晶体部とが区別できないときにおいて、調理指標値Aをゼロと看做してテーブルから調理指標値Aに応じた死後の経過時間及び調理法を決定してもよい。
次にスマートフォン101aは、処理ステップS17或いは処理ステップS18における決定結果(魚の死後の経過時間及び魚の調理法)に応じてテーブル(図9、図11参照)を参照することにより、或いは調理法に基づいてデータベースを検索する等により、調理情報を特定して調理情報を液晶ディスプレイに表示する(処理ステップS19)。
例えば処理ステップS16で算出された調理指標値Aが90であった場合には、ステップS19により、スマートフォン101aの液晶ディスプレイに、図12の(a)で示したような調理情報が表示される(図9、図11参照)。そして、レシピの表示を行ってもよい。図16は、スマートフォン101aの液晶ディスプレイにレシピである調理情報が表示された例を示す図である。調理情報の中には、例えば、すぐに調理するのではなく2時間後に調理する場合の魚の調理法として、例えば処理ステップS17で決定した魚の調理法よりも一段階加熱の度合いを高めた調理法を含めてもよい。即ち、処理ステップS17で決定した調理法よりも加熱度を大きくした調理法を、一定時間(例えば2時間)経過後に調理する場合に用いられるべき調理法として調理情報に含ませて出力(表示)することとしてもよい。例えば、図16の「焼き魚」のレシピの画面から「2時間後に調理」のボタンが操作されると、より加熱がなされる「煮魚」のレシピが表示されることとしてもよい。
このようにして、スマートフォン101aにより魚眼を撮影することで、ユーザは、スマートフォン101aの液晶ディスプレイを見て、魚の調理法、魚の死後の経過時間、レシピ等の魚の調理に役立つ調理情報を知ることができるようになる。
(実施形態2)
以下、本発明の一実施態様としての調理法決定装置200について、適宜図面を用いて説明する。調理法決定装置200は、実施形態1に係る調理法決定装置100の一部を変形したものであり、調理法決定装置100と同一の構成要素については適宜説明を省略する。
(構成)
図17は、実施形態2に係る調理法決定装置200の機能ブロック図である。同図に示すように、調理法決定装置200は、機能的な構成要素として撮影部1a及び決定部2aを有する。ここで、撮影部1aは、実施形態1で示した撮影部1と同様に魚(試料)を撮影して魚眼を含む画像を生成する機能を担うが、撮影部1とは異なり、紫外線画像だけではなく赤外線画像をも生成する。また、決定部2aは、撮影部1aにより生成された紫外線画像及び赤外線画像に基づいて魚の調理法を決定しその調理法に関連する情報である調理情報を出力する機能を有する。決定部2aは、紫外線画像及び赤外線画像から魚眼の虹彩部に対応する各画像データを抽出する解析部3aと、それらの画像データから特定の指標値(以下、「調理指標値B」という。)を算定する算定部4aと、調理情報を出力する出力部5とを含む。また、決定部2aは、調理指標値Bに応じて魚の調理法を決定するための決定用情報8aを蓄積している。
図18は、実施形態2に係る調理法決定装置200のハードウェア構成図である。同図に示すように、調理法決定装置200は、実施形態1に係る調理法決定装置100と同一の、紫外線光源10、紫外線カメラ11、ディスプレイ15及びスピーカ16に加え、実施形態1に係るコンピュータ14の機能動作を変更してなるコンピュータ24、赤外線光源20及び赤外線カメラ21を備える。このコンピュータ24は、コンピュータ14と同様にメモリ、プロセッサ、入力装置、機器接続用インタフェース等を備え、メモリ内の実施形態1とは異なる制御プログラムをプロセッサが実行することにより、決定部2aの機能を実現するための装置として働く。
撮影部1aの機能は、試料設置部19に設置された魚を紫外線カメラ11及び赤外線カメラ21により撮影することで魚眼を含む紫外線画像及び赤外線画像を生成することで実現される。この紫外線画像は、魚に紫外線光源10から紫外線を照射し、魚からの反射光を紫外線カメラ11で受光することで生成される。また、赤外線画像は、魚に対して赤外線光源20から赤外線(赤外光)を照射し、魚からの反射光を赤外線カメラ21で受光することで生成される。赤外線光源20及び赤外線カメラ21は、赤外線領域(例えば700nm〜1000nmの波長帯域)に対応したものである。
また決定部2aの機能は、コンピュータ24、ディスプレイ15及びスピーカ16により実現される。即ち、機器接続用インタフェース等を介して紫外線カメラ11及び赤外線カメラ21で撮影された魚眼を含む画像を取得し、画像を解析して調理指標値Bを算定し、算定結果に基づいて魚の調理法を決定し決定結果等を示す調理情報をディスプレイ15に表示することで実現される。なお、魚の調理法の決定にはコンピュータ24のメモリ等の記憶装置に蓄積された決定用情報8aが用いられる。なお、解析部3a及び算定部4aに相当する構成がコンピュータ24であり、出力部5に相当する構成が例えばディスプレイ15及びスピーカ16等といった提示装置である。なお出力部5は、例えばディスプレイ15だけであってもよいし、スピーカ16だけであってもよく、情報の出力(提示)が可能な構成であれば足りる。
(動作)
以下、上述の構成を備える調理法決定装置200の動作について、図19のフローチャートに沿って、図20〜図23に基づき各手順の解説を加えながら説明する。
図19は、調理法決定装置200の動作を示すフローチャートである。
撮影部1aは、紫外線光源10を発光させ紫外線カメラ11で魚を撮影することにより魚眼を含む紫外線画像を生成し、赤外線光源20を発光させ赤外線カメラ21で魚を撮影することにより魚眼を含む赤外線画像を生成する(処理ステップS61)。この生成される紫外線画像及び赤外線画像は、いずれも2次元画像空間を構成する各画素位置における画像データ(輝度値)の集合体である。輝度値は、例えば8ビットデータ(256階調)で表現される。なお、魚の調理法の決定を、より適切に行うために、例えば、紫外線カメラ11及び赤外線カメラ21の光軸の向き、画角、生成する画像サイズ等を調整して、魚眼全体及びその周辺部分の解像度を高くするように撮影(設定)することが、ある程度有効となる。
次に、決定部2aは、撮影部1aにより生成された紫外線画像及び赤外線画像を取得し、解析部3aにより、それらの画像から魚眼の虹彩部の画像データを抽出する(処理ステップS62)。虹彩部の画像データの抽出は、どのような方法で実現してもよいが、例えば、実施形態1で示した方法で行ってもよい。
解析部3aにより、紫外線画像及び赤外線画像における魚眼の虹彩部の画像データが抽出されると、算定部4aは、抽出された両画像における虹彩部の平均輝度値に基づいて、魚の調理法を決定するための指標である調理指標値Bを算定する(処理ステップS63)。ここで、虹彩部の平均輝度値は、画像における虹彩部を構成する各画素の輝度値についての平均値である。調理指標値Bは、紫外線画像での虹彩部の平均輝度値を、赤外線画像での虹彩部の平均輝度値を用いて正規化したものであり、例えば、紫外線画像の虹彩部の平均輝度値から赤外線画像の虹彩部の平均輝度値を減算した値(両虹彩部の平均輝度値の差)である。また、調理指標値Bは、例えば、両虹彩部の平均輝度値の差を赤外線画像における虹彩部の平均輝度値で除した値でもよく、紫外線画像における虹彩部の平均輝度値の赤外線画像における虹彩部の平均輝度値に対する比でもよい。ここで、魚を用いた実験の結果を示す図20〜22を用いて、調理指標値Bの基礎となる紫外線画像及び赤外線画像における虹彩部の輝度について説明する。
図20は、常温(気温20℃)、湿度95%以上の保存環境で保存された魚について、赤外線カメラで撮影して得られた魚眼の画像を示す。同図では、魚の死後20分経過時、死後4時間経過時及び死後7時間経過時の各時点で撮影された画像を並べて示している。図6に示した紫外線画像では、死後4時間以降においては魚眼の虹彩部が時間経過に従い白く変色していたが、図20の赤外線画像では、虹彩部にもそれ以外の魚眼部分にも時間経過による顕著な輝度変化は現れていない。
図21は、常温(気温20℃)、湿度95%以上の保存環境で保存された魚についての紫外線画像及び赤外線画像のそれぞれにおける虹彩部の輝度の時間的変化を示すグラフである。同図に示すように、紫外線画像における虹彩部の輝度が時間経過に伴い顕著に変化するのに対し、赤外線画像における虹彩部分の輝度は時間経過に伴う変化が少ない。
図22は、常温(気温20℃)、湿度95%以上の保存環境で保存された複数(4体)の魚についての紫外線画像における虹彩部の平均輝度値と赤外線画像における虹彩部の平均輝度値との差の時間的変化を示すグラフである。魚の個体が異なっても、両画像間での平均輝度値の差は、いずれも時間経過に対して同程度の上昇傾向を示す。この両画像間の平均輝度値の差は、紫外線画像における虹彩部の平均輝度値を赤外線画像における虹彩部の平均輝度値を用いて正規化したものである。この正規化により、画像に現れる、魚の個体差の影響をある程度取り除くことができる。なお、この魚の個体差の影響には、魚眼自体の明るさの相違以外にも、魚の形状やサイズの個体差等から生じ得る撮影距離等の撮影条件の相違の影響も含まれる。このように、紫外線画像における虹彩部の平均輝度値を赤外線画像における虹彩部の平均輝度値を用いて正規化したものである調理指標値Bは、魚の死後の時間経過と相関を有する有効な指標となる。
算定部4aにより調理指標値Bが算定されると、決定部2aは、その調理指標値Bに応じて、決定用情報8aに基づいて魚の調理法を決定し、決定結果等を示す調理情報を出力する(処理ステップS64)。調理情報は、実施の形態1で示したものと同様であり、調理法に関連した各種情報が調理情報に該当する。決定用情報8aは、例えば、魚の調理法を魚の死後の経過時間に対応させる場合において、調理指標値Bと死後の経過時間との対応を示す数式やテーブルである。この場合、魚の調理法の決定は、決定用情報8aを参照して、調理指標値Bに応じて死後の経過時間を特定して、対応する調理法を特定することにより実現される。なお、決定用情報8a(例えば調理指標値Bと死後の経過時間との対応を示す数式又はテーブル)は、実験結果に基づいて予め作成しておくことができる。また、魚の死後の経過時間に応じて適切な調理法(例えば死後の経過時間が比較的短い場合には魚を刺身にする調理法、死後の経過時間が比較的長い場合には、十分に加熱するために煮魚にする調理法等)を予め経験等に基づいて定めておくことができる。
図23に、決定用情報8aの例としての、調理指標値Bとして紫外線画像における虹彩部の平均輝度値と赤外線画像における虹彩部の平均輝度値との差を用いた場合における調理指標値Bの範囲と常温での死後の経過時間及び調理法とを対応付けたテーブルを示す。このテーブルは、輝度差を用いた調理指標値Bが大きくなるにつれて死後の経過時間が長くなるような対応関係、及び調理指標値Bが大きくなるにつれて、加熱度が大きくなる調理法(つまり長時間或いは高温での加熱を行う調理法)を示すような対応関係を示している。このテーブルの例によれば、魚が常温で保存されていたという前提では、魚について算定された調理指標値Bが例えば30以下であれば「死後6時間未満」という、まだ生食可能な魚の状態であると決定されるため、生食可能な「刺身」、「表面あぶり」等の調理法が適切であると決定されることになる。なお、この状態の魚は、「焼き魚」、「煮魚」等の調理法も有効ではあるので、「刺身」、「表面あぶり」よりも優先順位は下がるが「焼き魚」、「煮魚」も決定用情報8aに基づいて決定された調理法として出力(提示)されることとしてもよい。また、算定された調理指標値Bが例えば90、100等であれば、決定部2aは、「死後12時間以上18時間未満」という魚の死後の経過時間から、食べるためには十分な加熱が必要な魚の状態であると決定し、十分に加熱することを前提とした例えば「煮魚」等の調理法が適切であると決定し、「煮魚」等の調理法等の情報(調理情報)を出力する。この場合には、「刺身」、「表面あぶり」等の調理法に関する情報は出力されない。
なお、調理指標値Bとして、紫外線画像及び赤外線画像の両虹彩部の平均輝度値の差を赤外線画像における虹彩部の平均輝度値で除した値又は紫外線画像における虹彩部の平均輝度値の赤外線画像における虹彩部の平均輝度値に対する比を用いる場合にも、それぞれに応じたテーブルを作成して、決定に利用すればよい。また、実施形態1と同様に、魚を撮影して調理法をより適切に決定するためには、決定用情報8aを、その魚の種別や保存状況(温度、湿度等)に適したテーブルとして実現するとよい。例えば、予め各魚種の魚について各種保存状況で時間経過に応じた調理指標値Bを測定して、魚種別、保存状況別の複数のテーブルを作成してコンピュータ24のメモリ等に格納しておき、撮影対象の魚や保存状況に合わせてテーブルを適宜選択して利用してもよい。この場合、撮影対象の魚の種類(魚種)や保存状況については、調理法決定装置200のユーザが魚の撮影の際等に、コンピュータ24に入力装置を介して入力することとしてもよく、決定部2aは、その入力に応じてテーブルを選択することとしてもよい。このように魚種毎に対応した内容の調理指標値B及び調理法等のテーブルを作成しておけば、各魚に応じた調理法の決定が可能となる。
決定部2aによる調理情報(決定結果等を示す情報)の出力は、出力部5を用いてディスプレイ15に表示すること或いはスピーカ16から出力することで実行される。例えば、「死後12時間以上18時間未満」等と魚の死後の経過時間を示す情報、決定された魚の調理法等の調理情報をディスプレイ15に表示することにより実現される。これにより、調理法決定装置200のユーザは、魚の状態とそれに応じた調理法等を知ることができるようになる。
なお、調理法毎に代表的なレシピを対応付けたデータベース等を用いて、決定部2aは決定した調理法に対応する単数又は複数のレシピを検索して出力することとしてもよい。
なお、上述した解析部3aは、取得した魚眼を含む紫外線画像及び赤外線画像から虹彩部の画像データを抽出することとしたが、魚眼から虹彩部を区別することが困難な場合もあるため、虹彩部を含む魚眼全体の画像データを抽出することとしてもよい。この場合には、算定部4aは、抽出された紫外線画像における魚眼全体の平均輝度値を虹彩部の平均輝度値と看做し、抽出された赤外線画像における魚眼全体の平均輝度値を虹彩部の平均輝度値と看做して、調理指標値Bを算定することとしてもよい。ここで、各画像における魚眼全体の平均輝度値は、各画像中の魚眼を構成する各画素の輝度値についての平均値である。
このように、調理法決定装置200は、紫外線カメラ11及び赤外線カメラ21で魚眼を含む紫外線画像及び赤外線画像を取得し、コンピュータ24で各画像の虹彩部の平均輝度値等に基づいて調理法を決定するので、魚を侵襲せずに短時間に、現在の魚の状態に応じた魚の調理法等を提示(出力)できる。
調理法の決定は、虹彩部のみを抽出しなくても、魚眼全体の紫外線輝度値と赤外線輝度値を用いて、上述した処理を行うことで、調理法決定が可能であると考えるが、顕著に輝度が変化する虹彩部のみ用いることで、光源の照度が小さくても高性能に調理法を決定することができる。たとえば、ラップやショーケースなど、基本的には光を透過するが、100%は透過しないものが魚眼とカメラの間に設置された場合などは、魚眼から虹彩部を抽出し、虹彩部分のみの輝度を用いて調理法を決定した方が、より高性能に調理法決定を行うことができる。
(他の実施形態等)
以上、調理法決定装置の各実施形態について説明したが、上述した各実施形態は一例にすぎず、各種の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、実施形態1、2での魚眼の撮影において、ハレーション等による撮影画像の歪みを軽減するために偏光フィルタを利用することとしてもよい。
また、実施形態1、2では虹彩部の平均輝度値及び水晶体部の平均輝度値を調理指標値の算定の基礎としたが、必ず正確な平均である必要はなく、虹彩部の輝度を示す輝度値及び水晶体部の輝度を示す輝度値を調理指標値の算定の基礎としてもよい。
また、実施形態1では魚眼の虹彩部の輝度値を正規化してなる調理指標値Aを算定して、魚の死後の経過時間が長い程(又は調理法における加熱度が大きくなる程)、大きな調理指標値Aの範囲と対応付けられたテーブルに基づいて、算定結果に応じた死後の経過時間の決定を行ったが、正規化を省略してもよい。即ち、虹彩部の輝度値と魚の死後の経過時間とを輝度値が高い程死後の経過時間が長いように対応付けたテーブルに基づいて、紫外線画像から得られた魚眼の虹彩部の輝度値に応じて、死後の経過時間を決定してもよい。また、虹彩部の輝度値と魚の調理法とを輝度値が高い程、加熱度が大きくなるような調理法(つまり加熱時間が長くなるような調理法或いは加熱の温度が高くなるような調理法)と対応するように構成したテーブルに基づいて、紫外線画像から得られた魚眼の虹彩部の輝度値に応じて、調理法を決定してもよい。
さらに、正規化を省略する場合は、虹彩部分のみを用いなくても、魚眼全体の輝度を用いてもよい。魚眼全体の輝度を用いる場合には、虹彩を抽出する手間が省け、より簡単な処理で調理法を決定することができる。
図7では、特に最初の6時間は、水晶体部分の輝度も若干高く変化しており、図11の表と見比べると、生食が可能か、焼くなどの火を通す料理が必要かの判断には、水晶体部分の輝度の変化も利用可能と考える。
また、実施形態1、2において、魚の調理法等を示す調理情報の出力をディスプレイ15への表示或いはスピーカ16からの音声の出力により実現する例を示したが、ディスプレイ15への表示に代えてプロジェクタにより投影された画面に表示することとしてもよい。また、調理情報の出力を、調理情報を印刷すること、調理情報を他の機器へと送信すること等といった表示(又は音声出力)以外の手段により実現してもよい。
また、実施形態2で示す調理法決定装置200についても、実施形態1の実施例で示したようなスマートフォンへの応用をしてもよい。そしてこの場合、撮影部から紫外光照射部のみならず赤外光照射部(赤外線光源としての赤外線LED)を切り出してアダプタに実装させ、スマートフォンからの制御により順次各LEDを発光させて紫外線画像及び赤外線画像を撮影することとしてもよい。
また、上述した調理法の決定に係る処理(調理法決定処理)の手順(図3、図15又は図19に示す処理等)の全部又は一部は、各種機器の機構及び回路(ハードウェア)のみにより実行されても、ソフトウェアにより実行されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理の実行は、機器に含まれるプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させてもよい。例えば、頒布された制御プログラムを機器にインストールして、機器のプロセッサに実行させることで、機器に処理手順(図3、図5又は図19に示す処理等)を行わせることが可能となる。
また、調理法決定装置100及び調理法決定装置200が主として1台のコンピュータ14(コンピュータ24)により構成される例を示したが、調理法決定装置は、複数の装置(機器やコンピュータ等)により構成されることとしてもよい。この複数の装置は通信を行うことで連携して調理法を決定する機能を実現することができる。
また、調理法決定装置は、図24に示すように、紫外光が照射された魚の虹彩部の輝度を示す情報(例えば紫外線画像)を取得する取得部301と、当該情報に基づいて魚の調理法を決定し、決定した調理法に関連する情報である調理情報を出力する出力部302とを有する構成としてもよい。なお、取得部301及び出力部302は、例えば上述したコンピュータ14(図2参照)で実現され、取得部301は、例えば決定部2(図1参照)の機能を紫外線画像の入力側と調理情報の出力側とに2分した場合における入力側の少なくとも一部(例えば解析部3等)に相当し、出力部302は出力側の少なくとも一部(例えば算定部4及び出力部5等)に相当する。なお、出力部302は、ディスプレイ15(図2参照)を含んで実現されるものとしてもよい。
その他、上述した各実施形態に対して当業者が当然に思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、各実施形態で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
本発明は、魚の流通経路、店、家庭等において、魚の状態に適した調理法を決定するために利用可能である。
1、1a 撮影部
2、2a 決定部
3、3a 解析部
4、4a 算定部
5、302 出力部
8、8a 決定用情報
9 魚(試料)
10 紫外線光源
11 紫外線カメラ
14、24 コンピュータ
15 ディスプレイ
16 スピーカ
19 試料設置部
20 赤外線光源
21 赤外線カメラ
100、200 調理法決定装置
101、101a スマートフォン
102 アダプタ
301 取得部

Claims (19)

  1. 紫外光が照射された魚の魚眼の輝度を示す情報を取得し、当該情報に基づいて当該魚の調理法を決定し、決定した当該調理法に関連する調理情報を出力する調理法決定方法。
  2. 前記調理法決定方法における魚眼の輝度は、虹彩部の輝度である請求項1記載の調理法決定方法。
  3. 前記調理法決定方法は、
    紫外光が照射された前記魚の眼の紫外線画像を撮影する撮影ステップと、
    前記紫外線画像から虹彩部の輝度値を抽出して、当該虹彩部の輝度値に基づいて前記魚の調理法を決定して前記調理情報を出力する決定ステップとを含む
    請求項2記載の調理法決定方法。
  4. 前記決定ステップでは、前記紫外線画像から水晶体部の輝度値を抽出して、前記虹彩部の輝度値を当該水晶体部の輝度値を用いて正規化してなる調理指標値に応じて前記決定を行う
    請求項3記載の調理法決定方法。
  5. 前記決定ステップにおける前記調理指標値は、虹彩部の輝度値と水晶体部の輝度値との差、当該差を水晶体部の輝度値で除した値、又は、虹彩部の輝度値の水晶体部の輝度値に対する比である
    請求項4記載の調理法決定方法。
  6. 前記撮影ステップでは、紫外光の照射による前記紫外線画像の撮影及び赤外光の照射による前記魚の眼の赤外線画像の撮影を行い、
    前記決定ステップでは、前記紫外線画像から抽出した虹彩部の輝度値を前記赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値を用いて正規化してなる調理指標値に応じて前記決定を行う
    請求項3記載の調理法決定方法。
  7. 前記決定ステップにおける前記調理指標値は、紫外線画像から抽出した虹彩部の輝度値と赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値との差、当該差を赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値で除した値、又は、紫外線画像から抽出した虹彩部の輝度値の、赤外線画像から抽出した虹彩部の輝度値に対する比である
    請求項6記載の調理法決定方法。
  8. 前記決定ステップでは、複数の異なる調理法それぞれと調理指標値の範囲とを対応付けて予め定められた決定用情報を参照して、前記決定を行う
    請求項4〜7のいずれか一項に記載の調理法決定方法。
  9. 前記調理法は、前記決定用情報において魚の死後の経過時間と対応付けられ、
    前記決定用情報は、魚の死後の経過時間が長い程、高い調理指標値の範囲と対応付けられた情報であり、かつ、魚の死後の経過時間が長い程、加熱度が大きい調理法と対応付けられた情報である
    請求項8記載の調理法決定方法。
  10. 前記決定ステップでは、決定した調理法を示す情報を前記調理情報に含ませて前記調理情報を出力する
    請求項8又は9記載の調理法決定方法。
  11. 前記決定ステップでは、決定した調理法による調理において用いられる調味料又は材料を前記調理情報に含ませて前記調理情報を出力する
    請求項8〜10のいずれか一項に記載の調理法決定方法。
  12. 前記決定ステップでは、決定した調理法よりも加熱度を大きくした調理法を、一定時間経過後に調理する場合に用いられるべき調理法として前記調理情報に含ませて前記調理情報を出力する
    請求項8〜11のいずれか一項に記載の調理法決定方法。
  13. 紫外光が照射された魚の魚眼の輝度を示す情報を取得する取得部と、当該情報に基づいて決定した当該魚の調理法に関連する調理情報を出力する出力部とを有する調理法決定装置。
  14. 前記取得部が取得する魚眼の輝度を示す情報は、虹彩部の輝度を示す情報である
    請求項13記載の調理法決定装置。
  15. 前記調理法決定装置は、
    紫外光を照射する紫外光照射部と、
    携帯情報機器とを備え、
    前記携帯情報機器は、
    前記紫外光照射部により紫外光の照射がなされたときの画像を撮影する撮影部と、
    前記撮影部により撮影された画像から抽出した虹彩部の輝度値に基づいて前記魚の調理法を決定し、決定した当該調理法に関連する調理情報を表示する決定部とを有する
    請求項14記載の調理法決定装置。
  16. プロセッサを備える機器に、魚の調理法を決定するための調理法決定処理を実行させるための制御プログラムであって、
    前記調理法決定処理は、
    紫外光が照射された前記魚の眼の紫外線画像を撮影する撮影ステップと、
    前記紫外線画像から魚眼の輝度値を抽出して、当該魚眼の輝度値に基づいて前記魚の調理法を決定して、決定した当該調理法に関連する調理情報を出力する決定ステップとを含む
    制御プログラム。
  17. 前記決定ステップでは、前記魚の調理法を、前記紫外線画像から虹彩部の輝度値を抽出して、当該虹彩部の輝度値に基づいて決定する
    請求項16記載の制御プログラム。
  18. 紫外光が照射された魚の魚眼を撮影する撮影部と、
    前記撮影部により魚の魚眼が撮影された場合に、当該魚の調理法に関連する調理情報を表示するディスプレイを有する情報機器。
  19. 前記調理情報は、刺身、焼き魚及び煮魚のいずれかを示す調理法の情報、又は、調理の手順若しくは時間を示す情報、又は、レシピの情報である
    請求項18記載の情報機器。
JP2015039435A 2015-02-27 2015-02-27 調理法決定方法及び調理法決定装置 Pending JP2016162124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039435A JP2016162124A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 調理法決定方法及び調理法決定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039435A JP2016162124A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 調理法決定方法及び調理法決定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016162124A true JP2016162124A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56845042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015039435A Pending JP2016162124A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 調理法決定方法及び調理法決定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016162124A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019096096A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 株式会社ぐるなび 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP2021064261A (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト 献立提供システムおよびコンピュータプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019096096A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 株式会社ぐるなび 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP7095267B2 (ja) 2017-11-24 2022-07-05 株式会社ぐるなび 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP2021064261A (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト 献立提供システムおよびコンピュータプログラム
JP7433833B2 (ja) 2019-10-16 2024-02-20 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト 献立提供システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6499430B2 (ja) 鮮度情報出力方法、鮮度情報出力装置、制御プログラム
US11506395B2 (en) Tailored food preparation with an oven
JP6098326B2 (ja) 情報処理装置および記憶媒体
JP6299744B2 (ja) 情報処理装置および記憶媒体
US9844119B2 (en) Dynamic lighting for head mounted device
JP6139017B2 (ja) 光源の特性を決定する方法及びモバイルデバイス
JP6418552B2 (ja) 保存環境情報出力方法、保存環境情報出力装置、及び、制御プログラム
US10423946B2 (en) POS terminal device, commodity recognition method, and non-transitory computer readable medium storing program
CN107209551A (zh) 通过眼具的注视跟踪
JP2017531288A (ja) 活動に適した照明を決定する方法
CN107077203A (zh) 照明控制
JP2016162124A (ja) 調理法決定方法及び調理法決定装置
JP2017083378A (ja) 魚情報提示方法及び魚情報提示装置
EP3481261B1 (en) An apparatus for providing semantic information and a method of operating the same
CN111448847B (zh) 基于源图像控制多个光源的照明控制系统及其方法
WO2016113963A1 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
CN113631094A (zh) 身心状态的判定系统、判定装置、方法及计算机程序
JP7060355B2 (ja) 情報処理システムおよび情報処理方法
JP5751479B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP6721827B2 (ja) 表示制御装置および表示制御プログラム
JP2016209259A (ja) 冷蔵庫
WO2020261028A1 (ja) 情報処理システム、および情報処理方法
US20240029395A1 (en) Systems and methods for detection of a surface material on optical components
JP5088189B2 (ja) カメラ装置、及び撮影補助光制御方法、撮影補助光制御プログラム
WO2020240989A1 (ja) 撮像装置、撮像制御方法および撮像制御プログラム