JP2016160958A - クロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩擦損失を効果的に低減することができるようにした、クロスヘッド軸受のガイドを提供する。【解決手段】クロスヘッド型ディーゼル機関において、ピストンと一体に往復動するクロスヘッド軸受と摺接し、前記クロスヘッド軸受との摺接面に潤滑油が供給されるとともに複数の凹部6dが設けられた、クロスヘッド軸受のガイド6であって、前記摺接するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域6cmには、前記速度が遅い領域6cu,6clよりも高い形成密度で前記凹部が形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、クロスヘッド型ディーゼル機関において、クロスヘッド軸受と摺接し、クロスヘッド軸受との摺接面に潤滑油が供給されるとともに複数の凹部が設けられた、クロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関に関する。
従来、船舶推進用機関の主機として、2サイクルのクロスヘッド型ディーゼル機関が用いられている。クロスヘッド型ディーゼル機関は、ピストン棒の一端と連接棒の一端とを回動可能に接続するクロスヘッド軸受を備えており、このクロスヘッド軸受は機関本体側に固定されたガイド上を摺接しつつ往復動する(特許文献1参照)。
クロスヘッド型ディーゼル機関をはじめとするエンジンでは、機械損失の大半が摺接面で発生する摩擦損失で占められている。このため、摩擦損失を低減することが燃費を向上させる上で重要となってくる。
そこで、クロスヘッド型ディーゼル機関にも適用可能な技術として、エンジンの摺接面に潤滑油を保持するディンプルを設けることで摩擦損失を低減するようにした技術が種々提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
クロスヘッド型ディーゼル機関をはじめとするエンジンでは、機械損失の大半が摺接面で発生する摩擦損失で占められている。このため、摩擦損失を低減することが燃費を向上させる上で重要となってくる。
そこで、クロスヘッド型ディーゼル機関にも適用可能な技術として、エンジンの摺接面に潤滑油を保持するディンプルを設けることで摩擦損失を低減するようにした技術が種々提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
ところで、ガイドに対するクロスヘッド軸受の速度(以下、摺接速度ともいう)は、ピストンの往復運動の位相に応じて変化し、ガイドとクロスヘッド軸受との間に形成される潤滑油の膜厚も、摺接速度に応じて変化する。ガイドの摺接面にディンプルを設けると、潤滑油を保持できる反面、摺接面に形成される潤滑油の膜厚が薄くなるため、ガイドの摺接面にディンプルを設けても、ピストンの往復運動の位相によっては却って膜厚が適切な厚さよりも薄くなって摩擦損失を低減できないおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、摩擦損失を効果的に低減できるようにした、クロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明のクロスヘッド軸受のガイドは、クロスヘッド型ディーゼル機関において、ピストンと一体に往復動するクロスヘッド軸受と摺接し、前記クロスヘッド軸受との摺接面に潤滑油が供給されるとともに複数の凹部が設けられた、クロスヘッド軸受のガイドであって、前記摺接するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域には、前記速度が遅い領域よりも高い形成密度で前記凹部が形成されている。
ここで、形成密度とは、前記摺接面の単位面積当たりの前記凹部の総開口面積の比率である。
ここで、形成密度とは、前記摺接面の単位面積当たりの前記凹部の総開口面積の比率である。
(2)前記ピストンが上死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む上部領域と、前記ピストンが下死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む下部領域と、前記上部領域と前記下部領域との間の中間領域とに区分され、前記速度が速い前記中間領域には前記凹部が配置されている一方、前記速度が遅い前記上部領域及び前記下部領域には前記凹部が配置されていないことが好ましい。
(3)前記凹部の形成密度は、前記の摺接するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域ほど高めに設定されていることが好ましい。
(4) 前記ピストンが上死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む上部領域と、前記ピストンが下死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む下部領域と、前記上部領域と前記下部領域との間の中間領域とに区分され、前記凹部が、前記上部領域,前記中間領域及び前記下部領域のそれぞれに形成され、前記凹部の形成密度は、前記速度が遅い前記上部領域及び前記下部領域よりも、前記速度が速い前記中間領域のほうが高めに設定されていることが好ましい。
(4) 前記ピストンが上死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む上部領域と、前記ピストンが下死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む下部領域と、前記上部領域と前記下部領域との間の中間領域とに区分され、前記凹部が、前記上部領域,前記中間領域及び前記下部領域のそれぞれに形成され、前記凹部の形成密度は、前記速度が遅い前記上部領域及び前記下部領域よりも、前記速度が速い前記中間領域のほうが高めに設定されていることが好ましい。
(5)前記凹部がディンプルにより形成されることが好ましい。
(6)前記ディンプルの開口の幅に対する前記ディンプルの深さの比が0.01〜0.03の範囲で設定されることが好ましい。
(6)前記ディンプルの開口の幅に対する前記ディンプルの深さの比が0.01〜0.03の範囲で設定されることが好ましい。
(7)前記凹部が溝により形成されることが好ましい。
(8)上記の目的を達成するために、本発明のクロスヘッド型ディーゼル機関は、ピストンに上端を接続されたピストン棒の下端と、クランク軸に下端を接続された連接棒の上端とが、上記のクロスヘッド軸受により回転可能に接続されている。
(8)上記の目的を達成するために、本発明のクロスヘッド型ディーゼル機関は、ピストンに上端を接続されたピストン棒の下端と、クランク軸に下端を接続された連接棒の上端とが、上記のクロスヘッド軸受により回転可能に接続されている。
本発明によれば、摺接するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域には、前記速度が遅い領域よりも高い形成密度で記凹部が形成されているので、潤滑油の膜厚を適切な厚さに維持できる。つまり、クロスヘッド軸受の往復動の速度が速いほど、クロスヘッド軸受とガイドとの間に形成される潤滑油の膜厚は厚くなる傾向にあるが、摺設するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域ほど凹部の形成密度が高いので、凹部により潤滑油が保持される分だけ潤滑油の膜厚を薄くすることができ、クロスヘッド軸受の往復動の速度にかかわらず潤滑油の膜厚を摩擦損失の少ない適切な厚さに維持できる。したがって、摩擦損失を効果的に低減できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関について、図1〜図4を用いて説明する。
本発明の第1実施形態に係るクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関について、図1〜図4を用いて説明する。
[1−1.クロスヘッド型ディーゼル機関の全体構成]
先ず、本発明の第1実施形態に係るクロスヘッド軸受のガイドが適用されるクロスヘッド型ディーゼル機関(以下、単にディーゼル機関ともいう)の全体構成及びクロスヘッド軸受周りの構成を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明に係るクロスヘッド型ディーゼル機関の構成を示す模式的な縦断面図である。
図2は、本発明に係るクロスヘッド軸受周りの構成を示した模式的な斜視図である。
図1に示すディーゼル機関は、主に船舶推進用機関の主機として用いられ、下方に位置する台板20と、台板20上に設けられたフレーム5と、フレーム5上に設けられたジャケット21とを備えている。
先ず、本発明の第1実施形態に係るクロスヘッド軸受のガイドが適用されるクロスヘッド型ディーゼル機関(以下、単にディーゼル機関ともいう)の全体構成及びクロスヘッド軸受周りの構成を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明に係るクロスヘッド型ディーゼル機関の構成を示す模式的な縦断面図である。
図2は、本発明に係るクロスヘッド軸受周りの構成を示した模式的な斜視図である。
図1に示すディーゼル機関は、主に船舶推進用機関の主機として用いられ、下方に位置する台板20と、台板20上に設けられたフレーム5と、フレーム5上に設けられたジャケット21とを備えている。
ジャケット21にはシリンダライナ22が設けられており、このシリンダライナ22の上端にはシリンダカバー23が設けられている。シリンダライナ22およびシリンダカバー23によって形成された空間内にピストン1が往復動可能に設けられている。ピストン1の下端には、ピストン棒24の上端が回動可能に取り付けられている。
台板20及び台板20上のフレーム5によりクランクケースが形成されており、この内部にクランク軸4が設けられている。クランク軸4の上端には、連接棒3の下端が回動可能に接続されている。
フレーム5にはクロスヘッド軸受2が設けられている。クロスヘッド軸受2には、ピストン棒24の下端および連接棒3の上端が回転可能に接続されている。クロスヘッド軸受2の両側(図1において左右)には、上下方向に延在する一対のガイド6がフレーム5側に固定された状態で設けられている。クロスヘッド軸受2は、連接棒3がクランク軸4の回転位相に応じて傾斜することによって生じるスラスト力を受けるが、ガイド6により案内され、ガイド6と摺接しつつピストン2と共に上下に往復動する。
クロスヘッド軸受2にはテレスコピック管(以下、テレスコ管という)7が接続されている。このテレスコ管7より、クロスヘッド軸受2に設けられた後述の給油口(図示略)から、クロスヘッド軸受2とガイド6との間に潤滑油が供給される。
テレスコ管7は、弾性変形が可能な固定管7aと可動管7bとを備えている。可動管7bの一端は、固定管7a内に挿入され固定管7a内を往復動する。可動管7bの他端は、クロスヘッド軸受2の外壁に接続されている。そのため、ピストン1の上下運動に伴いクロスヘッド軸受2に接続されている可動管7bが往復動し、テレスコ管7が伸縮する。
テレスコ管7は、弾性変形が可能な固定管7aと可動管7bとを備えている。可動管7bの一端は、固定管7a内に挿入され固定管7a内を往復動する。可動管7bの他端は、クロスヘッド軸受2の外壁に接続されている。そのため、ピストン1の上下運動に伴いクロスヘッド軸受2に接続されている可動管7bが往復動し、テレスコ管7が伸縮する。
図2に示すように、ガイド6は、上下方向に延在する長尺の平板状部材である。ガイド6は、その一側端である固定端6aが、フレーム5の隔壁9に対して固定され、その他側端は、隔壁9に固定されない自由端6bとされている。
クロスヘッド軸受2は、ピン14と、連結板13と、クロスヘッドシュー(以下、単にシューともいう)8とを備えている。
ピン14は、水平姿勢とされ、ピストン棒24の下端と連接棒3の上端とが回動可能に接続される。連結板13は、ピン14の軸方向両端部にそれぞれ鉛直姿勢で取り付けられる。シュー8は、連結板13の各ガイド6に向かい合う両端面に設けられ、ガイド6と摺接し、摩耗しにくいように鋳鉄の母材にホワイトメタルがライニングされている。
ピン14は、水平姿勢とされ、ピストン棒24の下端と連接棒3の上端とが回動可能に接続される。連結板13は、ピン14の軸方向両端部にそれぞれ鉛直姿勢で取り付けられる。シュー8は、連結板13の各ガイド6に向かい合う両端面に設けられ、ガイド6と摺接し、摩耗しにくいように鋳鉄の母材にホワイトメタルがライニングされている。
[1−2.ガイドの構成]
本発明の第1実施形態に係るガイド6の構成について図3及び図4を参照して説明する。
図3は、本発明の第1実施形態としてのガイドの構成を示す模式図であって、(a)は図2のA矢視図、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。なお、図3(a)では、便宜上、ガイド6の幅寸法(図中左右方向)に対する長さ寸法(図中上下方向)比を小さくして示してある。
図4は、ガイド6とクロスヘッド軸受2との間の摩擦係数fと、潤滑油の粘度η,クロスヘッド軸受2の速度V及びガイド6とクロスヘッド軸受2との間に作用する荷重FNとの関係を示すストライベック線図である。
図3(a),(b)に示すように、ガイド6のシュー8との摺接面(以下、ガイド摺接面ともいう)6cに複数のディンプル(凹部)6dが形成されている。各ディンプル6dは、扁球を長手方向に沿って半分に切断したような形状の窪みである。ディンプル6dの各寸法は、例えば、幅(直径)Wdは数100[μm]、深さDdは数[μm]〜数10[μm]である。なお、図3(a)では便宜上ディンプル6を実際の大きさよりも拡大して示している。
本発明の第1実施形態に係るガイド6の構成について図3及び図4を参照して説明する。
図3は、本発明の第1実施形態としてのガイドの構成を示す模式図であって、(a)は図2のA矢視図、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。なお、図3(a)では、便宜上、ガイド6の幅寸法(図中左右方向)に対する長さ寸法(図中上下方向)比を小さくして示してある。
図4は、ガイド6とクロスヘッド軸受2との間の摩擦係数fと、潤滑油の粘度η,クロスヘッド軸受2の速度V及びガイド6とクロスヘッド軸受2との間に作用する荷重FNとの関係を示すストライベック線図である。
図3(a),(b)に示すように、ガイド6のシュー8との摺接面(以下、ガイド摺接面ともいう)6cに複数のディンプル(凹部)6dが形成されている。各ディンプル6dは、扁球を長手方向に沿って半分に切断したような形状の窪みである。ディンプル6dの各寸法は、例えば、幅(直径)Wdは数100[μm]、深さDdは数[μm]〜数10[μm]である。なお、図3(a)では便宜上ディンプル6を実際の大きさよりも拡大して示している。
ディンプル6dは、ガイド摺接面6cにおいて、中間領域6cmにのみ設けられ、上部領域6cu及び下部領域6clには設けられていない。中間領域6cmにおいてディンプル6dは千鳥配列されている。
上部領域6cu,中間領域6cm及び下部領域6clとは、ガイド摺接面6cを仮想的に上下に3分割した領域である。上部領域6cuは、ピストン1(図1参照)が上死点にあるときにシュー8と対面する(摺設する)領域を含む上部の領域である。下部領域6clは、ピストン1が下死点にあるときにシュー8と対面する(摺設する)領域を含む下部の領域である。中間領域6cmは、上部領域6cuと下部領域6clとの間の中間の領域である。
上部領域6cu,中間領域6cm及び下部領域6clとは、ガイド摺接面6cを仮想的に上下に3分割した領域である。上部領域6cuは、ピストン1(図1参照)が上死点にあるときにシュー8と対面する(摺設する)領域を含む上部の領域である。下部領域6clは、ピストン1が下死点にあるときにシュー8と対面する(摺設する)領域を含む下部の領域である。中間領域6cmは、上部領域6cuと下部領域6clとの間の中間の領域である。
図4はストライベック線図と呼ばれるものであり、横軸は、シュー8とガイド摺接面6cとの間に介在している潤滑油の粘度ηと、ガイド摺接面6cに対するクロスガイド軸受2の往復動の速度(つまりガイド摺接面6cと摺接するシュー8の速度、以下、摺接速度ともいう)Vとの積を、ガイド摺接面6cに作用する荷重FNで割ったものであり(=η×V/FN)、縦軸はガイド摺接面6cとシュー8との間の摩擦係数fを示す。
ここで、横軸の要素である潤滑油の粘度ηと荷重FNとは一定であることから、摺接速度Vに着目すると、摺接速度Vが速くなるにしたがって、シュー8とガイド摺接面6cとの間の潤滑油の状態は、境界潤滑領域III,混合潤滑領域II及び流体潤滑領域Iの順に遷移する。境界潤滑領域IIIとは、固体(ガイド摺接面6c及びシュー8)同士の接触に基づく固体摩擦成分が、摩擦力の主体成分となる領域である。混合潤滑領域IIとは、固体摩擦成分と、固体(ガイド摺接面6c及びシュー8)の間に流体(潤滑油)が介在した状態の流体摩擦成分とが混在した領域である。流体潤滑領域Iとは、流体摩擦成分が主体となる領域である。
ここで、横軸の要素である潤滑油の粘度ηと荷重FNとは一定であることから、摺接速度Vに着目すると、摺接速度Vが速くなるにしたがって、シュー8とガイド摺接面6cとの間の潤滑油の状態は、境界潤滑領域III,混合潤滑領域II及び流体潤滑領域Iの順に遷移する。境界潤滑領域IIIとは、固体(ガイド摺接面6c及びシュー8)同士の接触に基づく固体摩擦成分が、摩擦力の主体成分となる領域である。混合潤滑領域IIとは、固体摩擦成分と、固体(ガイド摺接面6c及びシュー8)の間に流体(潤滑油)が介在した状態の流体摩擦成分とが混在した領域である。流体潤滑領域Iとは、流体摩擦成分が主体となる領域である。
摺接速度Vと潤滑油の膜厚((以下、油膜厚さともいう))hとは相関関係があり、摺接速度Vが遅い境界潤滑領域IIIでは、潤滑油の膜厚hが0(ゼロ)に近くなり摩擦係数fが大きくなる。摺接速度Vが速い混合潤滑領域IIでは、潤滑油の膜厚hがガイド摺接面6cの表面粗さRと略等しくなって、摩擦係数fが境界潤滑領域IIIよりも低くなる。摺接速度Vが混合潤滑領域IIよりもさらに速い流体潤滑領域Iでは、潤滑油の膜厚hがガイド摺接面6cの表面粗さRよりもはるかに大きくなって、摩擦係数fが、混合潤滑領域IIの流体潤滑領域I側の領域よりも高くなる。
ここで、ピストン1が上死点から下死点に向かう際には、ピストン1の移動速度は、上死点から離れるにつれ高速となり、上死点と下死点との中間点で最も高速となり、下死点に近づくにつれ低速となる。逆にピストン1が下死点から上死点に向かう際には、ピストン1の移動速度は、下死点から離れるにつれ高速となり、上記中間点で最も高速となり、上死点に近づくにつれ低速となる。すなわち、ピストン1は、上死点を含む位相範囲(以下、上死点域という)及び下死点を含む位相範囲(以下、下死点域という)で低速域となり、上死点域と下死点域との間の中間位相(以下、中間域という)で高速域となる。
通常、クロスヘッド軸受2(詳細にはシュー8)とガイド摺接面6cとの間の潤滑状態は流体潤滑となるため摺動速度Vが低速になるほど摩擦係数fは小さくなる。
ピストン1が上死点域及び下死点域(すなわち低速域)にあるときには、ピストン1と一体に往復動するクロスヘッド軸受2の速度(=摺接速度)Vも低速となるから、摩擦係数fも低めの値となる。一方、ピストン1が中間域(すなわち高速域)にあるときには、クロスヘッド軸受2の速度Vも高速となるから、ディンプルを設けない場合には、シュー8とガイド摺接面6cとの潤滑状態は、図4に点Aで示すような膜厚hが厚く摩擦係数fが高めの状態となる。
ピストン1が上死点域及び下死点域(すなわち低速域)にあるときには、ピストン1と一体に往復動するクロスヘッド軸受2の速度(=摺接速度)Vも低速となるから、摩擦係数fも低めの値となる。一方、ピストン1が中間域(すなわち高速域)にあるときには、クロスヘッド軸受2の速度Vも高速となるから、ディンプルを設けない場合には、シュー8とガイド摺接面6cとの潤滑状態は、図4に点Aで示すような膜厚hが厚く摩擦係数fが高めの状態となる。
そこで、ガイド摺接面6cの上部領域6cu,中間領域6cm及び下部領域6clのうち、ピストン1が中間域にあって高速状態のクロスヘッド軸受2と摺接する中間領域6cmに、上述したようにディンプル6dを設けている。
すなわち、摺接するクロスヘッド軸受2の往復動の速度Vが速い領域6cmには、前記速度Vが遅い領域6cu,6clよりも高い形成密度Rsでディンプル6dが形成されている。
ここでディンプル6dの形成密度Rsとは、単位面積あたりのディンプル6dの総開口面積Stの比率である。図3(a),(b)を参照して、形成密度Rsについて具体的に説明する。中間領域6cmの面積Smはその幅W×長さLとなる。ディンプル6dの1つあたりの開口面積Sdは、ガイド摺接面6cの表面に形成される直径Wdの円形開口の面積であって(π×Wd2/4)である。ここで、中間領域6cmには35個のディンプル6dがあるから、中間領域6cmにおけるディンプル6dの総開口面積Stは、(π×Wd2/4)×35となり、中間領域6cmにおける形成密度Rsは、(π・Wd2/4)×35/(W×L)となる。
ディンプル6d内に潤滑油が保持されるようになるので、このディンプル6d内に保持された潤滑油分だけガイド摺接面6cの表面に形成される油膜厚さhが低減するとともに、中間領域6cmに設けたディンプル6cの総開口面積Stだけ中間領域6cmの摺接面積が低減する。さらに後述するようにディンプル比Rdを所定範囲に収めている。これらにより、シュー8とガイド摺接面6cとの潤滑状態を図4に矢印で示すように点Aから点Bに遷移させて摩擦係数fを0.001付近まで低下させている。
すなわち、摺接するクロスヘッド軸受2の往復動の速度Vが速い領域6cmには、前記速度Vが遅い領域6cu,6clよりも高い形成密度Rsでディンプル6dが形成されている。
ここでディンプル6dの形成密度Rsとは、単位面積あたりのディンプル6dの総開口面積Stの比率である。図3(a),(b)を参照して、形成密度Rsについて具体的に説明する。中間領域6cmの面積Smはその幅W×長さLとなる。ディンプル6dの1つあたりの開口面積Sdは、ガイド摺接面6cの表面に形成される直径Wdの円形開口の面積であって(π×Wd2/4)である。ここで、中間領域6cmには35個のディンプル6dがあるから、中間領域6cmにおけるディンプル6dの総開口面積Stは、(π×Wd2/4)×35となり、中間領域6cmにおける形成密度Rsは、(π・Wd2/4)×35/(W×L)となる。
ディンプル6d内に潤滑油が保持されるようになるので、このディンプル6d内に保持された潤滑油分だけガイド摺接面6cの表面に形成される油膜厚さhが低減するとともに、中間領域6cmに設けたディンプル6cの総開口面積Stだけ中間領域6cmの摺接面積が低減する。さらに後述するようにディンプル比Rdを所定範囲に収めている。これらにより、シュー8とガイド摺接面6cとの潤滑状態を図4に矢印で示すように点Aから点Bに遷移させて摩擦係数fを0.001付近まで低下させている。
ディンプル比Rdは0.01〜0.03の範囲内とすることが好ましい。後述する実施例が示すように、ディンプル比Rdをこの範囲内とすることにより摩擦係数fを低く抑えることができるからである。ディンプル比Rdとは、ディンプル6dの幅Wdに対する深さDdの比である(Rd=Dd/Wd,ディンプル6dの深さDd及び幅Wdについては図3(b)参照)。
また、ディンプル6dの幅Wdは、100[μm]〜500[μm]が好ましい。幅Wdが100[μm]未満では、ディンプル6dの面積が小さいためその分ディンプル6dの数を増やす必要があるが、加工上の制約から必要な数だけ加工できない可能性が生じる。一方、幅Wdが500[μm]を越えると、油膜厚さhが薄くなりすぎて油膜を保持できず、油膜圧力が立ち難くなってしまう(換言すれば油膜が形成され難くなってしまう)。
また、ディンプル6dの深さDdは、1[mμ]〜15[μm]が好ましい。深さDdが1μm未満になると、ディンプル6dが、摺接面積を低減させる効果を実質的に発揮できない。一方、深さDdが15μmを超えるとディンプル6dが深くなりすぎる結果、油膜厚さhが薄くなりすぎて油膜圧力が立ち難くなってしまう(換言すれば油膜が形成され難くなってしまう)。
また、ディンプル6dの深さDdは、1[mμ]〜15[μm]が好ましい。深さDdが1μm未満になると、ディンプル6dが、摺接面積を低減させる効果を実質的に発揮できない。一方、深さDdが15μmを超えるとディンプル6dが深くなりすぎる結果、油膜厚さhが薄くなりすぎて油膜圧力が立ち難くなってしまう(換言すれば油膜が形成され難くなってしまう)。
なお、ディンプル6dを設ける領域の目安としては、油膜厚さhが表面粗さの3倍以上になる領域である。
ディンプルの形成方法としてはショットブラスト(又はショットピーニング)による形成方法が例示される。
ショットブラストによる形成方法は、略球状の投射粒子をガイド摺接面6cに投射する。この際には、ガイド摺接面6cに、ディンプル6dを形成したい所定領域にだけ投射粒子が到達するようにマスキングを施す。この方法はマイクロブラストと呼ばれる。
ディンプルの形成方法は、マイクロブラストによる形成方法に限定されず、例えば、突起を有する硬質な金型を押し付けて転写させる方法、レーザビームにより形成する方法、細径のドリルを使用した機械加工により形成する方法を使用することもできる。
ショットブラストによる形成方法は、略球状の投射粒子をガイド摺接面6cに投射する。この際には、ガイド摺接面6cに、ディンプル6dを形成したい所定領域にだけ投射粒子が到達するようにマスキングを施す。この方法はマイクロブラストと呼ばれる。
ディンプルの形成方法は、マイクロブラストによる形成方法に限定されず、例えば、突起を有する硬質な金型を押し付けて転写させる方法、レーザビームにより形成する方法、細径のドリルを使用した機械加工により形成する方法を使用することもできる。
[1−3.実施例]
ディンプル比Rdを上記の好ましい範囲に設定した根拠となる実験結果を実施例として説明する。
実験には、リングオンディスク式の摩擦試験装置を用いた。この試験装置は、試験片の格納部が大気と区画された耐圧容器になっており、冷媒雰囲気下で摩擦試験を行えるようになっている。耐圧容器内には、ディスク状の固定試験片が配置されており、回転試験片は外部に設けられた駆動モータによって回転運動を行う。固定試験片は油圧シリンダにより軸方向に進退が可能であり、回転試験片に押し付けることができる。固定試験片と回転試験片との間の摺動面に発生する摩擦力は、油圧シリンダと固定試験片の間に設けられるトーションバーに設置される歪みケージによって計測される。
ディンプル比Rdを上記の好ましい範囲に設定した根拠となる実験結果を実施例として説明する。
実験には、リングオンディスク式の摩擦試験装置を用いた。この試験装置は、試験片の格納部が大気と区画された耐圧容器になっており、冷媒雰囲気下で摩擦試験を行えるようになっている。耐圧容器内には、ディスク状の固定試験片が配置されており、回転試験片は外部に設けられた駆動モータによって回転運動を行う。固定試験片は油圧シリンダにより軸方向に進退が可能であり、回転試験片に押し付けることができる。固定試験片と回転試験片との間の摺動面に発生する摩擦力は、油圧シリンダと固定試験片の間に設けられるトーションバーに設置される歪みケージによって計測される。
固定試験片及び回転試験片は鋳鉄により作成した。ディンプルを除く摺接面は、表面粗さがRa(平均)で0.3[μm]程度である。
耐圧容器内は冷媒(R410A)の雰囲気下とし、潤滑油にはポリオールエステル系冷凍機油を使用した。また、回転試験片の回転数は1700[rpm]で一定とし、油圧シリンダの圧力を一定間隔で増加させることで負荷荷重を変化させた。各々の荷重で10分間保持し、最後の一分間の平均値で摩擦係数を評価した。
耐圧容器内は冷媒(R410A)の雰囲気下とし、潤滑油にはポリオールエステル系冷凍機油を使用した。また、回転試験片の回転数は1700[rpm]で一定とし、油圧シリンダの圧力を一定間隔で増加させることで負荷荷重を変化させた。各々の荷重で10分間保持し、最後の一分間の平均値で摩擦係数を評価した。
実験結果を図5に示す。
図5は、実験結果を示す図であり、縦軸を摩擦係数fとし横軸をディンプル比Rdとするグラフに、実測値を菱形でプロットするとともに近似曲線Ldを破線でプロットした図である。
図5に示すように、擦係数fの実測値によれば、ディンプル比Rdが、0.01〜0.03の範囲であれば、摩擦係数fを略一定して0.02以下に抑制することができる。
図5は、実験結果を示す図であり、縦軸を摩擦係数fとし横軸をディンプル比Rdとするグラフに、実測値を菱形でプロットするとともに近似曲線Ldを破線でプロットした図である。
図5に示すように、擦係数fの実測値によれば、ディンプル比Rdが、0.01〜0.03の範囲であれば、摩擦係数fを略一定して0.02以下に抑制することができる。
[1−4.効果]
本発明の第1実施形態のクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関によれば、ガイド摺接面6cにおいて、摺接するクロスガイド軸受2が高速となる中間領域6cmにのみディンプル6dを設けて、形成密度Rsを、クロスガイド軸受2の速度が速い領域ほど多めになるように設定している。
これにより、ガイド摺接面6cの上部領域6cu及び下部領域6clに較べて、クロスガイド軸受2の速度が速く油膜厚さhが厚めになって摩擦係数fが高めになりがちな中間領域6cmについて、ディンプル6dを設けることで油膜厚さhを減少させるとともに実質的な摺接面積を低減して摩擦係数fを減少させることができる。
したがって、クロスヘッド型ディーゼル機関の摩擦損失を効果的に低減できる。
また、ディンプル6dを設けることで、油膜厚さhが薄くなるためクロスヘッド軸受2の負荷能力は低下するものの、ガイド摺接面6cの潤滑油の保持能力が向上してクロスヘッド軸受2やガイド6の焼き付きを防止できる。
したがって、ディンプル6dを設けずにクロスヘッド軸受2とガイド6との摺接面積を下げて摩擦損失を低減するよりも、クロスヘッド軸受2の信頼性を向上できる。
本発明の第1実施形態のクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関によれば、ガイド摺接面6cにおいて、摺接するクロスガイド軸受2が高速となる中間領域6cmにのみディンプル6dを設けて、形成密度Rsを、クロスガイド軸受2の速度が速い領域ほど多めになるように設定している。
これにより、ガイド摺接面6cの上部領域6cu及び下部領域6clに較べて、クロスガイド軸受2の速度が速く油膜厚さhが厚めになって摩擦係数fが高めになりがちな中間領域6cmについて、ディンプル6dを設けることで油膜厚さhを減少させるとともに実質的な摺接面積を低減して摩擦係数fを減少させることができる。
したがって、クロスヘッド型ディーゼル機関の摩擦損失を効果的に低減できる。
また、ディンプル6dを設けることで、油膜厚さhが薄くなるためクロスヘッド軸受2の負荷能力は低下するものの、ガイド摺接面6cの潤滑油の保持能力が向上してクロスヘッド軸受2やガイド6の焼き付きを防止できる。
したがって、ディンプル6dを設けずにクロスヘッド軸受2とガイド6との摺接面積を下げて摩擦損失を低減するよりも、クロスヘッド軸受2の信頼性を向上できる。
また、ガイド摺接面6cにおいて、摺接するクロスヘッド軸受2の速度が遅い上部領域6cu及び下部領域6clではディンプル6dが設けられていないので摺接面積を十分な面積とすることができ損傷を抑制できる。
さらに、ディンプル6dを中間領域6cmにのみ設けているので、ディンプル6dを加工する範囲が狭くて済み、ディンプル加工の手間及び費用を抑制できる。
さらに、油保持用の凹部を、開口面積の比較的小さな窪みであるディンプル6dにより形成することで、ガイド摺接面6cにおける凹部の形成密度Rsを細かく調整できる。
さらに、油保持用の凹部を、開口面積の比較的小さな窪みであるディンプル6dにより形成することで、ガイド摺接面6cにおける凹部の形成密度Rsを細かく調整できる。
ディンプル比Rdを0.01〜0.03の範囲とすることで、摩擦係数fを低く抑えることができるとともに、この範囲では摩擦係数fは略一定していることから、この範囲内であれば厳格にディンプル比Rdを調整しなくとも安定して摩擦係数fを低く抑えることがきる。
[1−5.変形例]
図6(a),(b)はディンプルの構成を拡大して示す模式的断面図であり、図3(b)に対応する図である。
上記実施形態では、ディンプル6dの形状を、扁球を長手方向に沿って半分に切断したような形状としたが、ディンプル6dの形状はこの形状に限定されない。例えば、図6(a)に示すような矩形の断面形状を有する凹部(例えば角柱な円柱)や、図6(b)に示すような三角形の断面形状を有する凹部(例えば四角錐や円錐)であっても良い。
ディンプル6dの形状が、図6(a),(b)又はその他の形状であっても、上記実施形態と同様の効果が得られることから、ディンプル比Rd,ディンプル6dの幅Wdは上記実施形態と同様の範囲内で設定するのが好ましい。すなわち、ディンプル比Rdは0.010〜0.030の範囲内に、ディンプル6dの幅Wdは、100[μm]〜500[μm]の範囲内であることが好ましい。
図6(a),(b)はディンプルの構成を拡大して示す模式的断面図であり、図3(b)に対応する図である。
上記実施形態では、ディンプル6dの形状を、扁球を長手方向に沿って半分に切断したような形状としたが、ディンプル6dの形状はこの形状に限定されない。例えば、図6(a)に示すような矩形の断面形状を有する凹部(例えば角柱な円柱)や、図6(b)に示すような三角形の断面形状を有する凹部(例えば四角錐や円錐)であっても良い。
ディンプル6dの形状が、図6(a),(b)又はその他の形状であっても、上記実施形態と同様の効果が得られることから、ディンプル比Rd,ディンプル6dの幅Wdは上記実施形態と同様の範囲内で設定するのが好ましい。すなわち、ディンプル比Rdは0.010〜0.030の範囲内に、ディンプル6dの幅Wdは、100[μm]〜500[μm]の範囲内であることが好ましい。
[2.第2実施形態]
本発明の第2実施形態としてクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関について、図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本発明の第2実施形態としてのガイドの構成を示す模式的正面図(図2のA矢視図)である。
本実施形態に係るディーゼル機関は、第1実施形態に対しガイドの構成のみが異なるので、ガイドの構成のみ説明する。
本発明の第2実施形態としてクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関について、図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本発明の第2実施形態としてのガイドの構成を示す模式的正面図(図2のA矢視図)である。
本実施形態に係るディーゼル機関は、第1実施形態に対しガイドの構成のみが異なるので、ガイドの構成のみ説明する。
[2−1.ガイドの構成]
上記第1実施形態では、ガイド摺接面6cの中間領域6cmにのみディンプル6dが設けられていた。これに対し、本実施形態では、ガイド摺接面6cの中間領域6cmのみならず、上部領域6cu及び下部領域6clにも、中間領域6cmよりも形成密度Rsが小さくなる範囲でディンプル6dが設けられている(換言すれば、中間領域6cmの形成密度Rsが、上部領域6cu及び下部領域6clにおけるディンプル6dの形成密度Rsよりも高めに設定されている)。
上記第1実施形態では、ガイド摺接面6cの中間領域6cmにのみディンプル6dが設けられていた。これに対し、本実施形態では、ガイド摺接面6cの中間領域6cmのみならず、上部領域6cu及び下部領域6clにも、中間領域6cmよりも形成密度Rsが小さくなる範囲でディンプル6dが設けられている(換言すれば、中間領域6cmの形成密度Rsが、上部領域6cu及び下部領域6clにおけるディンプル6dの形成密度Rsよりも高めに設定されている)。
第1実施形態と同様に、ディンプル比Rdは0.01〜0.03の範囲内に、ディンプル6dの幅Wdは、100[μm]〜500[μm]の範囲内であることが好ましい。
また、第1実施形態と同様に、ディンプル6dの形状は、図6(a),(b)又はその他の形状であっても良い。この場合も、形成密度Rsは0.1〜0.45の範囲内に、ディンプル比Rdは0.01〜0.03の範囲内に、ディンプル6dの幅Wdは、100[μm]〜500[μm]の範囲内であることが好ましい。
なお、ここでは、各ディンプル6dの大きさ(面積)は同じであり、ディンプル6dの配置個数によってガイド摺接面6cの各領域における形成密度Rsを調整しているが、ディンプルの大きさ(面積)を変えることで形成密度Rsを調整してもよい。
また、第1実施形態と同様に、ディンプル6dの形状は、図6(a),(b)又はその他の形状であっても良い。この場合も、形成密度Rsは0.1〜0.45の範囲内に、ディンプル比Rdは0.01〜0.03の範囲内に、ディンプル6dの幅Wdは、100[μm]〜500[μm]の範囲内であることが好ましい。
なお、ここでは、各ディンプル6dの大きさ(面積)は同じであり、ディンプル6dの配置個数によってガイド摺接面6cの各領域における形成密度Rsを調整しているが、ディンプルの大きさ(面積)を変えることで形成密度Rsを調整してもよい。
[2−2.効果]
本発明の第2実施形態のクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関によれば、中間領域6cmの形成密度Rsが、上部領域6cu及び下部領域6clにおけるディンプル6dの形成密度Rsよりも高めに設定されているので、第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、ガイド摺接面6cの上部領域6cu及び下部領域6clにおいてもディンプル6dにより潤滑油を保持することができ、安定して潤滑性能が得られる。
本発明の第2実施形態のクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関によれば、中間領域6cmの形成密度Rsが、上部領域6cu及び下部領域6clにおけるディンプル6dの形成密度Rsよりも高めに設定されているので、第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、ガイド摺接面6cの上部領域6cu及び下部領域6clにおいてもディンプル6dにより潤滑油を保持することができ、安定して潤滑性能が得られる。
[3.第3実施形態]
本発明の第3実施形態としてクロスヘッド軸受のガイドについて、図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、本発明の第3実施形態としてのガイドの構成を示す模式的正面図(図2のA矢視図)である。なお、図8では、便宜上、ガイド6Bの幅寸法(図中左右方向の寸法)に対する長さ寸法(図中上下方向の寸法)の比を小さく示してある。
本実施形態に係るディーゼル機関は、第1実施形態に対しガイドの構成のみが異なるので、ガイドの構成のみ説明する。
本発明の第3実施形態としてクロスヘッド軸受のガイドについて、図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、本発明の第3実施形態としてのガイドの構成を示す模式的正面図(図2のA矢視図)である。なお、図8では、便宜上、ガイド6Bの幅寸法(図中左右方向の寸法)に対する長さ寸法(図中上下方向の寸法)の比を小さく示してある。
本実施形態に係るディーゼル機関は、第1実施形態に対しガイドの構成のみが異なるので、ガイドの構成のみ説明する。
[3−1.ガイドの構成]
図8に示すように、本実施形態に係るガイド6Bは、第1実施形態のガイド6Aに対し、ディンプル6dに替えて、左右(クロスヘッドピン2の往復動方向に垂直な方向)に延びる横溝(凹部)6eを形成したものである。詳細には、ガイド6Bの摺接面6cには、中間領域6cmにのみ、複数の横溝6eが上下に並べて設けられている。
本実施形態では、横溝6eは、ガイド6Bの左右の長辺に対し間隔を空けて配置されているが、このような配置に限定されない。例えば、各横溝6eを左右全幅に亘って形成しても良い。
図8に示すように、本実施形態に係るガイド6Bは、第1実施形態のガイド6Aに対し、ディンプル6dに替えて、左右(クロスヘッドピン2の往復動方向に垂直な方向)に延びる横溝(凹部)6eを形成したものである。詳細には、ガイド6Bの摺接面6cには、中間領域6cmにのみ、複数の横溝6eが上下に並べて設けられている。
本実施形態では、横溝6eは、ガイド6Bの左右の長辺に対し間隔を空けて配置されているが、このような配置に限定されない。例えば、各横溝6eを左右全幅に亘って形成しても良い。
[3−2.効果]
本発明の第3実施形態のクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる他、ディンプル6dを設ける場合には微細な加工が必要となるのに較べ、溝6eを設ければ良いので加工が容易になるメリットがある。
本発明の第3実施形態のクロスヘッド軸受のガイド及びクロスヘッド型ディーゼル機関によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる他、ディンプル6dを設ける場合には微細な加工が必要となるのに較べ、溝6eを設ければ良いので加工が容易になるメリットがある。
[3−3.変形例]
図9は、本発明の第3実施形態のガイドの変形例の構成を示す模式的正面図(図2のA矢視図)である。
上記実施形態のガイド6Bでは、ガイド摺接面6cの中間領域6cmにのみ横溝6eが設けられていたのに対し、本変形例のガイド6Cは、図9に示すように、ガイド摺接面6cの中間領域6cmのみならず、上部領域6cu及び下部領域6clにも、中間領域6cmよりも横溝6eの形成密度Rsが小さくなる範囲で横溝6eが設けられている。換言すれば、本変形例のガイド6Cは、図7に示す第2実施形態のガイド6Aに対し、ディンプル6dに替えて横溝6eを設けた構成となっている。
図9は、本発明の第3実施形態のガイドの変形例の構成を示す模式的正面図(図2のA矢視図)である。
上記実施形態のガイド6Bでは、ガイド摺接面6cの中間領域6cmにのみ横溝6eが設けられていたのに対し、本変形例のガイド6Cは、図9に示すように、ガイド摺接面6cの中間領域6cmのみならず、上部領域6cu及び下部領域6clにも、中間領域6cmよりも横溝6eの形成密度Rsが小さくなる範囲で横溝6eが設けられている。換言すれば、本変形例のガイド6Cは、図7に示す第2実施形態のガイド6Aに対し、ディンプル6dに替えて横溝6eを設けた構成となっている。
本変形例でも、横溝6eは、ガイド6Bの左右の長辺に対し間隔を空けて配置されているが、このような配置に限定されず、例えば、各横溝6eを左右全幅に亘って形成しても良い。
[4.その他]
(1)上記実施形態では、ガイド6〜6Cを仮想的に3分割して、凹部(ディンプル6d,溝6e)の形成密度Rsを段階的に変化させたが、クロスヘッド軸受2の往復動の速度Vが速い領域ほど凹部の形成密度Rsが高めになるものであれば、このような態様に限定されない。例えば、ガイド6〜6Cを4つ以上の領域に仮想的に分割して、この領域毎に凹部の形成密度を設定することでさらに多段階に凹部の形成密度Rsを変更するようにしても良い。
これにより、クロスヘッド軸受2の往復動の速度Vに応じてさらにきめ細かく凹部の形成密度Rsを設定することができるので、潤滑油の膜厚を均等にして適切な厚さに維持できる。
(1)上記実施形態では、ガイド6〜6Cを仮想的に3分割して、凹部(ディンプル6d,溝6e)の形成密度Rsを段階的に変化させたが、クロスヘッド軸受2の往復動の速度Vが速い領域ほど凹部の形成密度Rsが高めになるものであれば、このような態様に限定されない。例えば、ガイド6〜6Cを4つ以上の領域に仮想的に分割して、この領域毎に凹部の形成密度を設定することでさらに多段階に凹部の形成密度Rsを変更するようにしても良い。
これにより、クロスヘッド軸受2の往復動の速度Vに応じてさらにきめ細かく凹部の形成密度Rsを設定することができるので、潤滑油の膜厚を均等にして適切な厚さに維持できる。
(2)上記の第1及び第2実施形態では、ディンプル6dを千鳥状に配置したが、ディンプル6dの配置はこの配置に限定されない。例えば、ディンプル6dを格子状に配置しても良いしランダムに配置しても良い。
(3)上記実施形態では、ガイド摺接面6cに設ける凹部を、ディンプル6d又は横溝6eとしたが、ディンプル6dと溝6eとを混在させても良い。また、ディンプル6d又は横溝6eの配置も上記実施形態に限定されない。
例えば、上記の第1及び第2実施形態では、ディンプル6dを千鳥配列に配置したが、ディンプル6dをランダムに配置しても良い。
例えば、上記の第1及び第2実施形態では、ディンプル6dを千鳥配列に配置したが、ディンプル6dをランダムに配置しても良い。
また、上記第3実施形態では凹部を左右(クロスヘッドピン2の往復動方向に垂直な方向)に延びる横溝6eとしたが、横溝6eに替えて上下(クロスヘッドピン2の往復動方向)に延びる縦溝としても良いし、溝をクロスヘッドピン2の往復動方向に対して斜めに配置しても良い。また、横溝と縦溝とを混在させても良い。さらには、溝とディンプルとを混在させても良い。
要するに、ガイドの摺接面における凹部の総開口面積の占める比が、摺接するクロスヘッドシューの往復動の速度が速い領域ほど多めになるように設定されているのであれば、凹部の形状や配置は何ら限定されない。
要するに、ガイドの摺接面における凹部の総開口面積の占める比が、摺接するクロスヘッドシューの往復動の速度が速い領域ほど多めになるように設定されているのであれば、凹部の形状や配置は何ら限定されない。
1 ピストン
2 クロスヘッド軸受
3 連接棒
4 クランク軸
5 フレーム
6,6A,6B,6C ガイド
6c ガイド6の摺接面(ガイド摺接面)
6cu 摺接面6cの上部領域
6cm 摺接面6cの中間領域
6cl 摺接面6cの下部領域
6d ディンプル(凹部)
6e 横溝(凹部)
8 クロスヘッドシュー(シュー)
14 ピン
24 ピストン棒
I 流体潤滑領域
II 混合潤滑領域
III 境界潤滑領域
Dd ディンプルの深さ
FN ガイド摺接面6cに作用する荷重
f 摩擦係数
h 潤滑油の膜厚(油膜厚さ)
L 中間領域6cmの長さ
Ld 摩擦係数の近似曲線
W 中間領域6cmの幅
Wd ディンプルの幅
2 クロスヘッド軸受
3 連接棒
4 クランク軸
5 フレーム
6,6A,6B,6C ガイド
6c ガイド6の摺接面(ガイド摺接面)
6cu 摺接面6cの上部領域
6cm 摺接面6cの中間領域
6cl 摺接面6cの下部領域
6d ディンプル(凹部)
6e 横溝(凹部)
8 クロスヘッドシュー(シュー)
14 ピン
24 ピストン棒
I 流体潤滑領域
II 混合潤滑領域
III 境界潤滑領域
Dd ディンプルの深さ
FN ガイド摺接面6cに作用する荷重
f 摩擦係数
h 潤滑油の膜厚(油膜厚さ)
L 中間領域6cmの長さ
Ld 摩擦係数の近似曲線
W 中間領域6cmの幅
Wd ディンプルの幅
Claims (8)
- クロスヘッド型ディーゼル機関において、ピストンと一体に往復動するクロスヘッド軸受と摺接し、前記クロスヘッド軸受との摺接面に潤滑油が供給されるとともに複数の凹部が設けられた、クロスヘッド軸受のガイドであって、
前記摺接するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域には、前記速度が遅い領域よりも高い形成密度で前記凹部が形成されている
ことを特徴とする、クロスヘッド軸受のガイド。 - 前記ピストンが上死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む上部領域と、
前記ピストンが下死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む下部領域と、
前記上部領域と前記下部領域との間の中間領域とに区分され、
前記速度が速い前記中間領域には前記凹部が配置されている一方、前記速度が遅い前記上部領域及び前記下部領域には前記凹部が配置されていない
ことを特徴とする、請求項1記載のクロスヘッド軸受のガイド。 - 前記凹部の形成密度は、前記の摺接するクロスヘッド軸受の往復動の速度が速い領域ほど高めに設定されている
ことを特徴とする、請求項1記載のクロスヘッド軸受のガイド。 - 前記ピストンが上死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む上部領域と、
前記ピストンが下死点にあるときに前記クロスヘッド軸受と摺接する部分を含む下部領域と、
前記上部領域と前記下部領域との間の中間領域とに区分され、
前記凹部が、前記上部領域,前記中間領域及び前記下部領域のそれぞれに形成され、
前記凹部の形成密度は、前記速度が遅い前記上部領域及び前記下部領域よりも、前記速度が速い前記中間領域のほうが高めに設定されている
ことを特徴とする、請求項3記載のクロスヘッド軸受のガイド。 - 前記凹部がディンプルにより形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項記載のクロスヘッド軸受のガイド。 - 前記ディンプルの開口の幅に対する前記ディンプルの深さの比が0.01〜0.03の範囲で設定されている
ことを特徴とする、請求項5記載のクロスヘッド軸受のガイド。 - 前記凹部が溝により形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項記載のクロスヘッド軸受のガイド。 - ピストンに上端を接続されたピストン棒の下端と、クランク軸に下端を接続された連接棒の上端とが、請求項1〜7の何れか一項記載のクロスヘッド軸受により回転可能に接続されている
ことを特徴とする、クロスヘッド型ディーゼル機関。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009186000A (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | クロスヘッド軸受装置 |
JP2012102630A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | クロスヘッド型ディーゼル機関のクロスヘッド |
WO2013005394A1 (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-10 | パナソニック株式会社 | 摺動部材 |
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2015
- 2015-02-26 JP JP2015037344A patent/JP2016160958A/ja active Pending
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