JP2016159298A - アンダーカット欠陥の検出方法、アンダーカット欠陥の検出装置、及び、隅肉アーク溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶接トーチをウィービングさせながら隅肉アーク溶接する際の溶接中にアンダーカット欠陥を検出する方法であって、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲をカメラで撮像し、アーク光の反射光を監視し、ウィービングの反転位置に相当する箇所に観測される当該箇所の周囲より高輝度のアーク光の反射光を検出したときに、アンダーカット欠陥が生じたと判断することを特徴とするアンダーカット欠陥の検出方法。
【選択図】図2
Description
(1)溶接トーチをウィービングさせながら隅肉アーク溶接する際の溶接中にアンダーカット欠陥を検出する方法であって、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲をカメラで撮像し、アーク光の反射光を監視し、ウィービングの反転位置に相当する箇所に観測される当該箇所の周囲より高輝度のアーク光の反射光を検出したときに、アンダーカット欠陥が生じたと判断することを特徴とするアンダーカット欠陥の検出方法。
(2)溶接トーチをウィービングさせながら隅肉アーク溶接する際の溶接中にアンダーカット欠陥を検出する装置であって、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲を撮像するカメラと、前記カメラにより撮像された像を表示し、アーク光の反射光の有無を監視できる表示装置とを有することを特徴とするアンダーカット欠陥の検出装置。
(3)溶接トーチをウィービングさせながら自動で隅肉アーク溶接する方法であって、前記隅肉アーク溶接中に、前記(1)に記載のアンダーカット欠陥の検出方法により、アンダーカット欠陥が生じたことを検出したところで、前記隅肉アーク溶接を中止し、溶接トーチの溶接位置を変更して隅肉アーク溶接することを特徴とする隅肉アーク溶接方法。
本発明の検出方法は、2枚の板の合せ部や交差部などを隅肉アーク溶接する際の隅肉アーク溶接中に生じるアンダーカット欠陥を検出する方法である。特に、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲のウィービングの反転位置を含む周囲をカメラで撮像して、アーク光の反射光を監視し、ウィービングの反転位置に相当する箇所からの高輝度のアーク光の反射光を検出したときにアンダーカットが生じたと判断する検出方法である。
また、高速度カメラやバンドパスフィルターは高価であるため、市販のホームデジタルカメラにバンドパスフィルターの代わりに減光フィルタを取り付け、同様の実験を行った。その結果、市販のホームデジタルカメラでも同様にアンダーカット欠陥が検出されることを確認した。
本発明の検出方法は、溶接継手の溶接トーチをウィービングさせながら隅肉アーク溶接する際の溶接中に生じるアンダーカット欠陥を検出する方法であり、隅肉アーク溶接中の溶接部のうち、凝固直後の溶接部周囲の鋼板のウィービングの反転位置を含む周囲をカメラで撮像して、当該鋼板から反射するアーク光を監視し、鋼板のウィービングの反転位置に相当する箇所に観測される当該箇所の周囲より高輝度のアーク光の反射光を検出したときに溶接欠陥が生じたと判断する方法である。図1における鋼板1側、鋼板2側のどちらから発生するアンダーカットも観測できる。
本発明の検出方法は、鋼板と鋼板の交差部などを隅肉アーク溶接する際に行う方法である。隅肉アーク溶接の溶接方法は、特に限定されるものでなく、溶接トーチをウィービングさせながら溶接する方法であれば、通常用いられる溶接方法を採用することができる。溶接用ワイヤもワイヤの成分によらず使用できる。電流、電圧などの溶接条件についても通常用いられている条件で良い。シールドガスを使用する場合、シールドガスは、Arガス、CO2ガス、及びそれらの混合ガスなどとすることができる。
溶接しようとする鋼板の板厚は、特に限定されない。ただし、板厚6mm以上の鋼板の隅肉アーク溶接では、溶接トーチをウィービングしながら徐々に溶接進行方向に移動させて、積層する溶接方法が採用されることがある。本発明の検出方法は、ウィービングの中心の溶接狙い位置が適切でない場合に、ウィービングの反転位置に近接して形成されるアンダーカット欠陥を検出する方法であるため、板厚6mm以上の鋼板の隅肉アーク溶接において、採用すると有効である。溶接しようとする鋼板の形状は、少なくとも板状部分があればよく、全体が板でなくともよく、例えば、形鋼や鋼管なども含むものである。
カメラを、凝固直後の溶接部周囲のウィービングの反転位置を含む周囲を撮像できるように、溶接部の溶接の逆進行方向に設置することで、アンダーカット欠陥を撮像できる。凝固直後の溶接部とは、溶融池後方から約5cmの範囲の溶接部のことである。そして、カメラは、凝固直後の溶接部周囲に生じるアンダーカット欠陥を撮像できる位置に設置され、アーク光、溶融池、及び、溶接ビードの監視を必ずしも行う必要はない。よって、カメラの視野内に鋼板のウィービングの反転位置を含む周囲が入るように溶接部と溶接カメラとの距離(例えば、150mm〜300mm)を調整すればよい。また、溶接部周囲の鋼板に対し、カメラを溶接部の溶接の逆進行方向の斜め上方に設置すると、アンダーカット欠陥を検出しやすいため好ましい。
鋼板から反射するアーク光をカメラにより撮像し、表示装置に表示して監視する。鋼板のウィービングの反転位置に相当する箇所に観測される当該箇所の周囲より高輝度のアーク光の反射光を確認したときに、アンダーカット欠陥が生じたと判断する。前記箇所からのアーク光の反射光は高輝度のため、容易に確認でき、熟練作業者でなくともアンダーカット欠陥の発生を判断できる。また、溶接部の接合強度に影響を与えるアンダーカット欠陥は、最終パスにおいて形成されるアンダーカット欠陥であるので、鋼板と鋼板の交差部などを多層盛り溶接する場合は、最終パスの隅肉アーク溶接の際に、また、鋼板と鋼板の交差部などを1パス溶接する場合は、1パスの隅肉アーク溶接の際に、アーク光の反射光の監視を行えばよい。
本発明の検出装置は、隅肉アーク溶接中に生じるアンダーカット欠陥を検出する装置であり、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲の鋼板のウィービングの反転位置を含む周囲を撮像するカメラと、カメラにより撮像された像を表示する表示装置とを有する装置である。
本発明の検出装置は、隅肉アーク溶接中に溶接部のうち、凝固直後の溶接部周囲の鋼板のウィービングの反転位置を含む周囲を撮像するカメラを有し、カメラは、CCDカメラや高速度デジタルビデオカメラなど赤外領域まで感度を有するカメラとすることができる。カメラは、撮像するためのレンズを備え、このレンズに、減光フィルタなどを取り付けることが好ましい。アーク光は、強度が強すぎるからである。また、隅肉アーク溶接において、パルス電流を用いて行うときは、パルスの周波数で放出されるアーク光を撮像できるように、パルスの周波数の2倍以上のコマ数で観察できるカメラを用いることが好ましい。例えば、50Hzでウィービングさせて隅肉アーク溶接を行う場合、カメラの撮像条件を2000フレーム/秒で行うことが例示される。
バンドパスフィルターをカメラに取り付けて、特定の波長の光のみを通して、カメラで撮像することも好ましい。しかしながら、この高輝度部からの放射は、600nm以下の波長域の光が主体であることから、赤色より長波長の領域を選択的に透過するバンドパスフィルターを用いて撮影すると、アーク周辺プラズマの部分が相対的に抑制されて、溶接部周囲の様子をよりよく観察することができる。また、バンドパスフィルターが赤外線も透過するものであれば、CCDカメラなど赤外領域まで感度を有する撮像装置を用いたときに、アンダーカットからのアーク光の反射光を検出してより明瞭な画像を得ることができる。市販のホームデジタルカメラを用いる場合は減光フィルタを用いても、明瞭な画像を得ることができる。
カメラによって撮像された像は、たとえば、液晶ディスプレイなどの表示装置に表示させる。表示装置は、特に限定されるものでなく、作業者が、表示された像を確認できればよい。
本発明の溶接方法は、溶接トーチをウィービングさせながら予め決められた溶接狙い位置に基づいて自動で隅肉アーク溶接中に、本発明の検出方法により、アンダーカット欠陥が生じたことを検出したとき、隅肉アーク溶接を中止し、溶接トーチの溶接狙い位置を変更して隅肉アーク溶接する方法である。
2 鋼板
3 溶接トーチ
4 溶接狙い位置
5 ワイヤ
6 アーク
7 溶融池
8 溶接ビード
9 高輝度の光を発する部分(アンダーカット)
Claims (3)
- 溶接トーチをウィービングさせながら隅肉アーク溶接する際の溶接中にアンダーカット欠陥を検出する方法であって、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲をカメラで撮像し、アーク光の反射光を監視し、ウィービングの反転位置に相当する箇所に観測される当該箇所の周囲より高輝度のアーク光の反射光を検出したときに、アンダーカット欠陥が生じたと判断することを特徴とするアンダーカット欠陥の検出方法。
- 溶接トーチをウィービングさせながら隅肉アーク溶接する際の溶接中にアンダーカット欠陥を検出する装置であって、隅肉アーク溶接中の溶接部周囲のうち、凝固直後の溶接部周囲を撮像するカメラと、前記カメラにより撮像された像を表示し、アーク光の反射光の有無を監視できる表示装置とを有することを特徴とするアンダーカット欠陥の検出装置。
- 溶接トーチをウィービングさせながら自動で隅肉アーク溶接する方法であって、前記隅肉アーク溶接中に、請求項1に記載のアンダーカット欠陥の検出方法により、アンダーカット欠陥が生じたことを検出したところで、前記隅肉アーク溶接を中止し、溶接トーチの溶接位置を変更して隅肉アーク溶接することを特徴とする隅肉アーク溶接方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115210035A (zh) * | 2020-03-05 | 2022-10-18 | 松下知识产权经营株式会社 | 焊道外观检查装置、焊道外观检查方法、程序和焊道外观检查系统 |
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2015
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