JP2016157635A - 燃料電池セパレータ用接着材 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池セパレータとの密着性、耐熱性、外部荷重に対する応力緩和性に優れた燃料電池セパレータ用接着材を提供すること。【解決手段】モノマー成分として芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートを含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を含有することを特徴とする燃料電池セパレータ用接着材であって、燃料電池セパレータ用接着材10gを純水50ml中、120℃で20時間保管した後の、イオンクロマトグラフにより測定したNH4+及びCl−の濃度がそれぞれ0.5ppm以下である燃料電池セパレータ用接着材。【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池セパレータ用接着材に関する。
固体高分子形燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜の一方にアノード電極を、他方にカソード電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)を、セパレータによって挟んだ構成となっている。燃料電池セパレータのシール用材料として、例えば特許文献1には、アルケニル基及びSi−H官能基を含有する液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を用いて形成された弾性シールを有するシール用材料が提案されている。
しかしながら、特許文献1のシール用材料では、燃料電池セパレータに適用した際にシール用材料が燃料電池セパレータから剥離してしまうという懸念があった。また、液状付加硬化型シリコーンゴムは長い硬化時間を要するため、生産性に劣る懸念もあった。
特開2009−231272号公報
本発明は、燃料電池セパレータとの密着性、耐熱性、外部荷重に対する応力緩和性に優れた燃料電池セパレータ用接着材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のモノマー成分を含み、かつ、特定の重量平均分子量を有する(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を含有し、かつ、イオン性不純物の濃度が特定の値以下である組成物が、燃料電池セパレータとの密着性、耐熱性、外部荷重に対する応力緩和性に優れ、燃料電池セパレータ用接着材として好適に用いられることを見出した。
すなわち、本発明は以下に関する:
[1]
モノマー成分として芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートを含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を含有することを特徴とする接着材を含有する接着層を備えることを特徴とするシール材。
本発明の燃料電池セパレータ用接着材は、特定のモノマー成分を含み、かつ、特定の重量平均分子量を有する(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を含有し、かつ、イオン性不純物の濃度が特定の値以下であるため、燃料電池セパレータとの密着性、耐熱性、外部荷重に対する応力緩和性に優れ、燃料電池セパレータ用接着材として好適に用いられる。
そして、このような燃料電池セパレータ用接着材を用いた燃料電池は、例えば、燃料電池自動車に好適に使用することができるため、本発明によればCO削減に貢献することができる。
<<燃料電池セパレータ用接着材>>
まず、本発明の燃料電池セパレータ用接着材について説明する。
本発明の燃料電池セパレータ用接着材は、モノマー成分として芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートを含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を含有することを特徴とし、
燃料電池セパレータ用接着材10gを純水50ml中、120℃で20時間保管した後の、イオンクロマトグラフにより測定したNH 及びClの濃度がそれぞれ0.5ppm以下である。
<(メタ)アクリル酸エステル系樹脂>
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、モノマー成分として芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートを含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である限り特に限定されない。なお、本明細書では、アクリル酸及びメタクリル酸を合わせて(メタ)アクリル酸と記載したり、アクリレート及びメタクリレートを合わせて(メタ)アクリレートと記載したりすることがある。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートのアルキル基は、特に限定されず、直鎖状であっても分岐していても良い。アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、1〜18であることが好ましく、1〜8であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂において、各モノマー成分の共重合量は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートを5〜40:5〜90:5〜90の重量比で含むことが好ましい。芳香族ビニル化合物の共重合量が5重量%未満であると、耐熱密着性が低下することがあり、40重量%を超えると、可撓性が失われる結果、密着性が低下することがある。アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートの各共重合量が5重量%未満であると、可撓性が失われる結果、密着性が低下することがあり、90重量%を超えると、耐熱密着性が低下することがある。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートの他に、任意に他のモノマー成分を共重合させたものであっても良い。他のモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー;、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;メタクリロキシプロピルメトキシシラン等のアルコキシ基含有モノマー;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有モノマー等が挙げられる。また、芳香族ビニル化合物以外のビニル系モノマー成分、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メタ)アクリロニトリル等のモノマー成分等も挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、密着性を改善する目的で、モノマー成分として、さらにグリシジル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が他のモノマー成分としてグリシジル(メタ)アクリレートを共重合させたものである場合、グリシジル(メタ)アクリレートの共重合量は、特に限定されないが、全モノマー成分中1〜15重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートの共重合量が1重量%未満であると、十分に密着性を改善できない場合があり、15重量%を超えると、可撓性が失われる結果、密着性が低下することがある。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量は、100,000〜1,000,000である限り特に限定されないが、100,000〜800,000であることが好ましい。重量平均分子量が100,000未満であると、耐熱密着特性が低下することがあり、1,000,000を超えると、溶媒に不溶となり、取り扱いが困難となることがある。本発明において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されたスチレン換算の重量平均分子量をいう。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、−40〜40℃であることが好ましく、−20〜20℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると、タックが発現したり、ハンドリング性が著しく低下することがあり、40℃を超えると、可撓性が失われる結果、密着性が低下することがある。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂について、重量平均分子量と数平均分子量との比は、特に限定されないが、4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。重量平均分子量と数平均分子量との比が4を超えると、耐熱密着力が低下することがある。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の重合方法としては、特に限定されず、従来公知の重合方法を採用することができるが、重量平均分子量と数平均分子量との比を下げる点からは、懸濁重合が好ましい。
モノマー成分を分散媒に分散させる際、必要に応じて、分散剤を添加しても良い。分散剤としては、特に限定されず、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、(メタ)アクリル酸塩、ポリアクリルアミド、部分ケン化ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等の水溶性高分子、リン酸カルシウム類、炭酸カルシウム等の無機塩粉体等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合開始剤としては、分解後の重合開始ラジカル種が油溶性であるものが好ましい。このようなラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化2−クロロベンゾイル、過酸化3−クロロベンゾイル、過酸化4−クロロベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化4−ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過ギ酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過4−メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル、キュメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の重合において、連鎖移動剤を加えることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されず、メルカプト化合物といった当該分野にて通常使用されるものを使用することができ、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトプロパンジオール、メルカプトブタンジオール、ヒドロキシベンゼンチオール及びその誘導体等の水酸基を有する連鎖移動剤;1−ブタンチオール、ブチル−3−メルカプトプロピオネート、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2,2−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4−メチルベンゼンチオール、ドデシルメルカプタン、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、1−オクタンチオール、シクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール、チオグリセロール、4,4−チオビスベンゼンチオール等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、NH やClといったイオン性不純物や残留モノマー成分を低減する点からは、懸濁重合の後、水洗による洗浄工程を経て得られたものであることが好ましく、重量平均分子量と数平均分子量との比を上述の数値範囲とするためには、懸濁重合の後、減圧下での乾燥処理を経て得られたものであることが好ましい。
洗浄工程において、水洗の回数は特に限定されないが、4回以上が好ましく、6回以上がより好ましい。水洗の回数が4回未満であると、NH やClといったイオン性不純物や残留モノマー成分が十分に除去されないことがある。
乾燥処理の圧力条件は、減圧条件である限り特に限定されないが、−0.1〜−0.05MPaであることが好ましく、−0.1〜−0.08MPaであることがより好ましい。乾燥処理の温度条件は、特に限定されないが、20〜120℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。乾燥処理の処理時間は、特に限定されないが、6時間以上であることが好ましく、8時間以上であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂において、残留モノマー成分の含有量は、特に限定されないが、2重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがより好ましい。残留モノマー成分の含有量が2重量%を超えると、耐熱密着性が不十分となることがある。
<任意成分>
本発明の燃料電池セパレータ用接着材は、上述した(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、任意に他の成分を含有していても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、溶媒、架橋剤、接着性付与剤、レベリング剤、消泡剤、無機フィラー等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、芳香族系溶媒(例えばトルエン、キシレン等)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂(例えばハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エポキシ樹脂等)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
接着性付与剤としては、特に限定されないが、例えば、カップリング剤等が挙げられる。
無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、シリカ等が挙げられる。
本発明の燃料電池セパレータ用接着材は、燃料電池に適用した際に溶出するNH の濃度が低いことが好ましい。具体的には、燃料電池セパレータ用接着材10gを純水50ml中、120℃で20時間保管した後の、イオンクロマトグラフにより測定したNH の濃度が0.5ppm以下である限り特に限定されないが、0.3ppm以下であることが好ましい。NH の濃度が0.5ppmを超えると、電極劣化の原因となることがある。
本発明の燃料電池セパレータ用接着材は、燃料電池に適用した際に溶出するClの濃度が低いことが好ましい。具体的には、燃料電池セパレータ用接着材10gを純水50ml中、120℃で20時間保管した後の、イオンクロマトグラフにより測定したClの濃度が0.5ppm以下である限り特に限定されないが、0.3ppm以下であることが好ましい。Clの濃度が0.5ppmを超えると、燃料電池中の白金等の触媒が腐食する結果、燃料電池の性能低下の原因となることがある。
<<燃料電池セパレータ用シール材>>
次に、本発明の燃料電池セパレータ用接着材を含有する接着層を備える燃料電池セパレータ用シール材について説明する。
燃料電池セパレータ用シール材において、接着層の厚みは特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。厚みが10μm未満であると、接着層の強度が低下し、ハンドリングが困難となることがあり、100μmを超えると、接着層形成工程における溶剤留去が困難となることがある。なお、本発明においては、接着層を積層し、厚膜シール材を作ることもできる。
接着層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、本発明の燃料電池セパレータ用接着材をロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等により塗布した後、加熱処理することでフィルム化する方法等が挙げられる。
本発明の燃料電池セパレータ用接着材を塗布した後、加熱処理する条件は、特に限定されず公知の方法により行えば良く、例えば、送風オーブン、赤外線オーブン、真空オーブン等を用いて行えば良い。燃料電池セパレータ用接着材が溶媒を含有する場合、溶媒は加熱処理により除去される。加熱処理の温度は、特に限定されないが、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
燃料電池セパレータ用シール材は、本発明の燃料電池セパレータ用接着材を含有する接着層を備えるため、燃料電池セパレータとの密着性、耐熱性、外部荷重に対する応力緩和性に優れる。
<<燃料電池>>
次に、上述の燃料電池セパレータ用シール材を用いて得られた燃料電池について説明する。燃料電池は、特に限定されないが、リン酸形燃料電池及び固体高分子形燃料電池であることが好ましい。
燃料電池は、燃料電池セパレータとの密着性、耐熱性、外部荷重に対する応力緩和性に優れる燃料電池セパレータ用シール材を用いて得られたため、燃料電池としての性能を長期間維持することができる。
燃料電池の用途としては、特に限定されないが、例えば、燃料電池自動車に好適に用いることができる。よって、本発明はCO削減等に貢献することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(実施例1)
モノマー成分としてスチレン5部、エチルアクリレート90部、メチルメタクリレート5部を用い、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.5部とイオン交換水500部、ポリビニルアルコール0.3部を含む均一混合液をセパラブルフラスコに投入した。該混合液を65℃に昇温し、8時間懸濁重合させた。次いで、デカンテーションによって懸濁液から水分を除いた。固形物を吸引ろ過しながら4回水洗し、水分を除去した後で、60℃で8時間真空乾燥を行うことにより(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を得た。
この(メタ)アクリル酸エステル系樹脂100部に対し、メチルエチルケトンを400部混合することにより、接着材溶液を得た。
得られた接着材を、ポリエチレンテレフタラート製の基材上にアプリケーターを用いて塗布し、オーブンを用いて120℃で10分間加熱処理することにより接着層を形成し、試験片とした。
(実施例2〜10、比較例1〜6)
表1、2に示すモノマー成分を用いた点を除き、実施例1と同様にして(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を重合した。
1.評価方法
1−1.重量平均分子量
各実施例及び比較例で得られた(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の重量平均分子量は、GPC法により標準ポリスチレン換算で求めた。測定条件を以下に示す。
・装置:Waters 2695 HPLC システム(Waters社製)
・カラム:Shodex GPC KD−806M(昭和電工株式会社製)3本
・ガードカラム:KF−G(昭和電工株式会社製)
・サンプル濃度:0.1重量%になるようにテトラヒドロフランで希釈した。
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
1−2.密着性試験
各実施例及び比較例で得られた試験片に対し、カッターナイフを用いて、幅5mmの間隔で基材に達する深さの切り傷を合計22本付け、5mm×5mmの碁盤目を100個形成した。碁盤目部分にセロテープ(登録商標)を圧着させた後、45°の角度で一気に引き剥がした。その後、碁盤目部分のうち接着層が剥離した部分の面積(%)を算出し、下記の基準で評価した。
◎:5%未満
○:5%以上35%未満
△:35%以上65%未満
×:65%以上
1−3.耐熱密着性試験
ビーカーに沸騰水を準備し、各実施例及び比較例で得られた試験片をビーカーの底に接しないように沸騰水中に浸漬し、加熱しながら沸騰状態を1時間維持した。その後、試験片を取り出し、水分を拭き取り、接着層が剥離した部分の面積(%)を算出し、下記の基準で評価した。
◎:5%未満
○:5%以上35%未満
△:35%以上65%未満
×:65%以上
1−4.溶剤溶解性試験
各実施例及び比較例で得られた(メタ)アクリル酸エステル系樹脂5重量部を、メチルエチルケトン(MEK)95重量部と混合した後60℃に保ち、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が完全に溶解するまでに要した時間を計測し、下記の基準で評価した。
◎:5時間未満
○:5時間以上24時間未満
△:24時間以上
×:不溶
1−5.イオン性不純物1(NH
各実施例及び比較例で得られた接着材10gをテフロン(登録商標)容器に採取し、120℃で2時間乾燥させた。その後、室温まで放冷し、メスシリンダーで計量した純水50mlを添加した。テフロン(登録商標)容器の内蓋を入れ、外蓋をしっかりと閉め、120℃で20時間加熱した。室温まで放冷した後、蓋を開け、抽出液を採取した。この抽出液を測定試料としてイオンクロマトグラフにてイオン性不純物(NH )の濃度を測定し、下記の基準で評価した。
○:NH イオン 0.5ppm以下
×:NH イオン 0.5ppmを超える
1−6.イオン性不純物2(Cl
各実施例及び比較例で得られた接着材10gをテフロン(登録商標)容器に採取し、120℃で2時間乾燥させた。その後、室温まで放冷し、メスシリンダーで計量した純水50mlを添加した。テフロン(登録商標)容器の内蓋を入れ、外蓋をしっかりと閉め、120℃で20時間加熱した。室温まで放冷した後、蓋を開け、抽出液を採取した。この抽出液を測定試料としてイオンクロマトグラフにてイオン性不純物(Cl)の濃度を測定し、下記の基準で評価した。
○:Clイオン 0.5ppm以下
×:Clイオン 0.5ppmを超える
1−7.残留モノマー成分
アクリル酸エステル系樹脂中の残留モノマー成分の含有量をガスクロマトグラフィー(GC)法により求めた。測定条件を以下に示す。
・装置:GC−2010(島津製作所株式会社製)
・カラム:DB−WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・サンプル濃度:0.25重量%になるようにアセトンで希釈した。
・注入量:1.0μL
・カラム温度:30℃で5分保持した後で10℃/分で昇温して110℃に到達した後、
さらに30℃/分で昇温し、250℃で3分保持した。
残留モノマー成分の含有量は下記の基準で評価した。
○:1重量%以下
×:1重量%を超える
上記1−1.〜1−7.の評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2016157635
Figure 2016157635

Claims (1)

  1. モノマー成分として芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートを含み、かつ、重量平均分子量が100,000〜1,000,000である(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を含有することを特徴とする接着材を含有する接着層を備えることを特徴とするシール材。
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