JP2016156982A - 投写用光学系および投写型表示装置 - Google Patents

投写用光学系および投写型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】中間像を形成する投写用光学系において、コストを抑えつつ、広角で諸収差が良好に補正された高い投写性能を有する投写用光学系およびこの投写用光学系を備えた投写型表示装置を提供する。
【解決手段】縮小側から順に、複数のレンズにより構成され、画像表示素子上の画像を中間像として結像させる第1光学系G1と、複数のレンズにより構成され、中間像を拡大側共役面上に結像する第2光学系G2から実質的になり、下記条件式(1)を満足するものとする。
0.020<enP/TL2<0.160 …(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、投写用光学系および投写型表示装置に関し、特に、液晶表示素子やDMD( Digital Micromirror Device:登録商標)等のライトバルブを搭載した投写型表示装置に用いられるのに好適な投写用光学系およびこれを用いた投写型表示装置に関するものである。
近年、液晶表示素子やDMD( Digital Micromirror Device:登録商標)等のライトバルブを搭載した投写型表示装置(プロジェクタともいう)が広く普及し、かつ高性能化してきている。
また、近年のライトバルブの性能向上を受けて、投写用光学系には、ライトバルブの解像度に見合った良好な収差補正が求められている。さらに、プレゼンテーション用など比較的狭い室内空間で使用されることを考慮して、より広角な投写用光学系が強く要望されるようになっている。
このような要望に応えるべく、複数枚のレンズからなる第1光学系で中間像を形成し、同じく複数枚のレンズからなる第2光学系で再結像させる投写用光学系が提案されている。(特許文献1、2参照)
通常の中間像を結ばない光学系のみで構成された投写用光学系は、焦点距離を短くして広角化をしようとすると、どうしても拡大側のレンズが大きくなりすぎてしまうが、上記のように中間結像させる方式の投写用光学系では、第2光学系のバックフォーカスを短縮できるとともに、第2光学系の拡大側のレンズ径を小さくすることが可能であり、焦点距離を短くして広角化するのにも適している。
特許第4210314号明細書 特開2006−330410号公報
しかしながら、特許文献1は、第1光学系で中間像を形成し、それを非球面ミラーで拡大反射して投写する光学系であり、非球面ミラーを使うことで広角化には適しているが、ミラーサイズが大きくなるためコスト的に非常に不利となる。また、特許文献2は、中間像を境に第1光学系と第2光学系で独立して収差補正を行っているため、昨今要求されているレベルの広角化には達しきれていない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、中間像を形成する投写用光学系において、コストを抑えつつ、広角で諸収差が良好に補正された高い投写性能を有する投写用光学系およびこの投写用光学系を備えた投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明の投写用光学系は、縮小側共役面上に配置された画像表示素子に表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写する投写用光学系であって、縮小側から順に、複数のレンズにより構成され、画像表示素子上の画像を中間像として結像させる第1光学系と、複数のレンズにより構成され、中間像を拡大側共役面上に結像する第2光学系から実質的になり、下記条件式(1)を満足することを特徴とする。
0.020<enP/TL2<0.160 …(1)
ただし、
enP:第2光学系の最も拡大側面から拡大側を入射側とした場合の入射瞳位置までの光軸上の距離
TL2:第2光学系の最も縮小側面から最も拡大側面までの光軸上の距離
本発明の投写用光学系においては、下記条件式(1−1)を満足することが好ましい。
0.050<enP/TL2<0.145 …(1−1)
また、下記条件式(2)を満足することが好ましい。なお、下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
0.125<Imφ/TL2<0.240 …(2)
0.130<Imφ/TL2<0.200 …(2−1)
ただし、
Imφ:縮小側における有効像円直径
TL2:第2光学系の最も縮小側面から最も拡大側面までの光軸上の距離
また、第2光学系中の光軸上の最大空気間隔を挟んで、縮小側を第1レンズ群、拡大側を第2レンズ群とし、下記条件式(3)を満足することが好ましい。なお、下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.30<f22/f21<2.00 …(3)
0.40<f22/f21<1.70 …(3−1)
ただし、
f21:第1レンズ群の焦点距離
f22:第2レンズ群の焦点距離
また、下記条件式(4)を満足することが好ましい。なお、下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
4.0<Bf/|f| …(4)
5.0<Bf/|f|<20.0 …(4−1)
ただし、
Bf:全系のバックフォーカス
f:全系の焦点距離
また、第1光学系と第2光学系は、共通の光軸を有することが好ましい。
また、第2光学系中の光軸上の最大空気間隔部分において、最大画角の主光線と第2光学系の光軸が交わることが好ましい。
また、中間像は、光軸中心より周辺部が第1光学系側に像面湾曲しているように構成してもよい。
また、第1光学系の最も拡大側の面が凹面であり、第2光学系の最も縮小側の面が凸面であることが好ましい。
本発明の投写型表示装置は、光源と、光源からの光が入射するライトバルブと、ライトバルブにより光変調された光による光学像をスクリーン上に投写する投写用光学系としての上記本発明の投写用光学系とを備えたことを特徴とする。
なお、上記「拡大側」とは、被投写側(スクリーン側)を意味し、縮小投写する場合も、便宜的にスクリーン側を拡大側と称するものとする。一方、上記「縮小側」とは、画像表示素子側(ライトバルブ側)を意味し、縮小投写する場合も、便宜的にライトバルブ側を縮小側と称するものとする。
また、上記「〜から実質的になる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、パワーを有さないミラーや絞りやマスクやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素等を含んでもよいことを意図するものである。
また、上記「レンズ群」とは、必ずしも複数のレンズから構成されるものだけでなく、1枚のレンズのみで構成されるものも含むものとする。
また、「バックフォーカス」については、拡大側、縮小側をそれぞれ一般的な撮像レンズの物体側、像側に相当するものとして考え、拡大側、縮小側それぞれをフロント側、バック側とするものとする。
また、上記「Imφ」は、例えば、投写用光学系の仕様や、投写用光学系が搭載される装置の仕様によって求めることができる。
また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれている場合は近軸領域で考えるものとする。
本発明の投写用光学系は、縮小側共役面上に配置された画像表示素子に表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写する投写用光学系であって、縮小側から順に、複数のレンズにより構成され、画像表示素子上の画像を中間像として結像させる第1光学系と、複数のレンズにより構成され、中間像を拡大側共役面上に結像する第2光学系から実質的になり、下記条件式(1)を満足するものとしたので、コストを抑えつつ、広角で諸収差が良好に補正された高い投写性能を有する投写用光学系とすることが可能となる。
0.020<enP/TL2<0.160 …(1)
また、本発明の投写型表示装置は、本発明の投写用光学系を備えているため、装置を低コスト化できるとともに、広角で高画質の画像を投写することができる。
本発明の一実施形態にかかる投写用光学系(実施例1と共通)の構成を示す断面図 本発明の実施例2の投写用光学系の構成を示す断面図 本発明の実施例3の投写用光学系の構成を示す断面図 本発明の実施例4の投写用光学系の構成を示す断面図 本発明の実施例5の投写用光学系の構成を示す断面図 本発明の実施例6の投写用光学系の構成を示す断面図 本発明の実施例7の投写用光学系の構成を示す断面図 本発明の実施例1の投写用光学系の各収差図 本発明の実施例2の投写用光学系の各収差図 本発明の実施例3の投写用光学系の各収差図 本発明の実施例4の投写用光学系の各収差図 本発明の実施例5の投写用光学系の各収差図 本発明の実施例6の投写用光学系の各収差図 本発明の実施例7の投写用光学系の各収差図 本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる投写用光学系の構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1の投写用光学系の構成と共通である。図1においては、画像表示面Sim側が縮小側、第2光学系G2の最終レンズL32側が拡大側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。また、図1では軸上光束waおよび最大画角の光束wbも合わせて示している。
この投写用光学系は、例えば投写型表示装置に搭載されて、ライトバルブに表示された画像情報をスクリーンへ投写するものとして使用可能である。図1では、投写型表示装置に搭載される場合を想定して、色合成部または照明光分離部に用いられるフィルタやプリズム等を想定した光学部材PPと、光学部材PPの縮小側の面に位置するライトバルブの画像表示面Simも合わせて図示している。投写型表示装置においては、画像表示面Simで画像情報を与えられた光束が、光学部材PPを介して、この投写用光学系に入射され、この投写用光学系により不図示のスクリーン上に投写されるようになる。
図1に示すように、この投写用光学系は、縮小側から順に、複数のレンズにより構成され、画像表示素子上の画像を中間像として結像させる第1光学系G1と、複数のレンズにより構成され、中間像を拡大側共役面上に結像する第2光学系G2から実質的に構成される。
通常の中間像を結ばない光学系のみで構成された投写用光学系は、焦点距離を短くして広角化をしようとすると、どうしても拡大側のレンズが大きくなりすぎてしまうが、本実施形態のように中間結像させる方式の投写用光学系では、第2光学系G2のバックフォーカスを短縮できるとともに、第2光学系G2の拡大側のレンズ径を小さくすることが可能であり、焦点距離を短くして広角化するのに適している。また、コストが高い非球面ミラーを必要としないので、コストを抑えることができる。
なお、本実施形態の投写用光学系は、縮小側がテレセントリックに構成されている。ここで「縮小側がテレセントリック」とは、拡大側から縮小側へ向かう方向に光束を見たとき、縮小側共役面である画像表示面Simの任意の点に集光する光束の断面において、上側の最大光線と下側の最大光線との二等分角線が光軸Zと平行に近い状態を指すものである。ただし、完全にテレセントリックな場合、すなわち上記二等分角線が光軸Zに対して完全に平行な場合に限るものではなく、多少の誤差がある場合も含む。ここで「多少の誤差がある場合」とは、光軸Zに対する上記二等分角線の傾きが−3°〜+3°の範囲内の場合を意味する。
また、下記条件式(1)を満足するように構成されている。条件式(1)は、第2光学系G2の最も拡大側面から拡大側を入射側とした場合の入射瞳位置までの光軸上の距離と第2光学系G2のレンズ全長の比を規定したもので、一度中間像を形成しない通常の光学系では長いバックフォーカスを確保する必要があるが、本実施形態では一度中間像を形成することで、第2光学系G2に長いバックフォーカスを確保する必要がないため、一度中間像を形成しない通常の光学系と比較して入射瞳位置をより拡大側にもっていくことができ、第2光学系G2の最も拡大側のレンズ径を小さくしながら広角化を達成することが可能であり、条件式(1)はそれを満足させるためのものである。条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、入射瞳位置をより拡大側に位置させることができ、所望の画角を確保することが容易となる。条件式(1)の下限以下とならないようにすることで、第2光学系G2のレンズ全長が大きくなり過ぎるのを抑えるとともに、第2光学系G2の最も拡大側のレンズ径の大型化を抑えることができる。なお、下記条件式(1−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.020<enP/TL2<0.160 …(1)
0.050<enP/TL2<0.145 …(1−1)
ただし、
enP:第2光学系の最も拡大側面から拡大側を入射側とした場合の入射瞳位置までの光軸上の距離
TL2:第2光学系の最も縮小側面から最も拡大側面までの光軸上の距離
本実施形態の投写用光学系においては、下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)は、縮小側における有効像円直径と第2光学系G2のレンズ全長の比を規定したもので、条件式(2)の上限以上とならないようにすることで、過度の小型化による第2光学系G2内のレンズ単品の誤差感度が上がり過ぎるのを抑え、製造性を維持することができる。条件式(2)の下限以下とならないようにすることで、所望の有効像円直径の大きさを得ることができるとともに、第2光学系G2のレンズ全長が大きくなり過ぎるのを抑えることができる。なお、下記条件式(2−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.125<Imφ/TL2<0.240 …(2)
0.130<Imφ/TL2<0.200 …(2−1)
ただし、
Imφ:縮小側における有効像円直径
TL2:第2光学系の最も縮小側面から最も拡大側面までの光軸上の距離
また、第2光学系G2中の光軸上の最大空気間隔を挟んで、縮小側を第1レンズ群G21、拡大側を第2レンズ群G22とし、下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)は、第2光学系G2の第1レンズ群G21と第2レンズ群G22の焦点距離の比を規定したもので、条件式(3)の上限以上とならないようにすることで、第2レンズ群G22に対して第1レンズ群G21のパワーが強くなり過ぎるのを抑え、第1光学系G1に入射するための入射角が大きくなるのを防ぐことができるため、第1光学系G1での収差補正を容易にすることができる。条件式(3)の下限以下とならないようにすることで、第1レンズ群G21に対して第2レンズ群G22のパワーが強くなり過ぎるのを抑えることができるため、第2レンズ群G22での歪曲収差の補正が容易となる。なお、下記条件式(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.30<f22/f21<2.00 …(3)
0.40<f22/f21<1.70 …(3−1)
ただし、
f21:第1レンズ群の焦点距離
f22:第2レンズ群の焦点距離
また、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)は、全系のバックフォーカスを規定するもので、全系の縮小側に色合成用のプリズム等を配置する空間のための必要十分なバックフォーカスを設定するものである。条件式(4)の下限以下とならないようにすることで、バックフォーカスが短くなり過ぎるのを抑えることができるため、色合成プリズム等の配置が容易となる。なお、下記条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。条件式(4−1)の上限以上とならないようにすることで、バックフォーカスが長くなり過ぎるのを抑えることができるため、小型化を図ることができる。
4.0<Bf/|f| …(4)
5.0<Bf/|f|<20.0 …(4−1)
ただし、
Bf:全系のバックフォーカス(空気換算距離)
f:全系の焦点距離
また、第1光学系と第2光学系は、共通の光軸を有することが好ましい。このような構成とすることで光学系全体の構造が簡略化できるので、低コスト化に寄与することが可能である。
また、中間像は、光軸中心より周辺部が第1光学系側に像面湾曲しているように構成してもよい。このように、第1光学系G1と第2光学系G2が独立して収差補正を行うのでなく、第1光学系G1で歪曲収差、非点収差などを残存させておいて、それを第2光学系G2で相殺させるような収差補正を行うことで、少ないレンズ枚数でも広角化を図りながら諸収差を良くすることが可能となる。
また、第1光学系の最も拡大側の面が凹面であり、第2光学系の最も縮小側の面が凸面であることが好ましい。このような構成とすることで、高い像高における軸外光線に対して歪曲収差補正を行うことが可能となる。
なお、図1に示すように、本実施の形態の投写用光学系は、第1光学系G1と第2光学系G2の間に、平面の反射面で光路を折り曲げる第1光路折り曲げ手段R1を備えるとともに、第2光学系G2の第1レンズ群G21と第2レンズ群G22の間に、平面の反射面で光路を折り曲げる第2光路折り曲げ手段R2を備えたものとしてもよい。
このように、投写用光学系の中間位置に光路折り曲げ手段を配置することにより、投写用光学系の拡大側に光路折り曲げ手段を配置する場合と比較して、光路折り曲げ手段を小型にすることができる。また、投写用光学系中に2つの光路折り曲げ手段を設けることにより、投写用光学系全体の小型化や投写方向の制御が容易となる。また、各光路折り曲げ手段の反射面を平面とすることで、非球面ミラーのような非球面の反射面を持つ光路折り曲げ手段を用いる場合と比較してコストを抑えることができる。
このような態様とした場合、第2光学系中の光軸上の最大空気間隔部分において、最大画角の主光線と第2光学系の光軸が交わることが好ましい。このような構成とすることで第2光路折り曲げ手段R2のサイズを小型化することができる。
また、第1光路折り曲げ手段および/または第2光路折り曲げ手段は、ミラーであることが好ましい。このようにミラーを用いることで、プリズムと比較して、部材の透過率に起因する光量低下を招くことなく、熱の影響も受けにくく、さらに重量についても軽量にすることができる。また、この様な理由から、各光路折り曲げ手段の部分で水平方向振りや垂直方向振りを行う構成とする場合にも、特性や製造性で有利となる。
また、第1光路折り曲げ手段および/または第2光路折り曲げ手段は、光路を90度折り曲げる向きに配置されることが好ましい。このような構成とすることで、効率的に投写用光学系全体の小型化を図ることができる。
また、画像表示素子に表示された画像を、180度反転した向きに拡大像として投写することが好ましい。このような構成とすることで、スクリーンから投写用光学系を含めたシステム全体のサイズを小型化できる。
次に、本発明の投写用光学系の数値実施例について説明する。
まず、実施例1の投写用光学系について説明する。実施例1の投写用光学系の構成を示す断面図を図1に示す。なお、図1および後述の実施例2〜7に対応した図2〜7においては、画像表示面Sim側が縮小側、第2光学系G2の最終レンズL32(実施例5のみ最終レンズL34)側が拡大側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。また、図1〜7では軸上光束waおよび最大画角の光束wbも合わせて示している。
実施例1の投写用光学系は、縮小側から順に、第1光学系G1と、第1光路折り曲げ手段R1と、第2光学系G2から構成され、第1光学系G1がレンズL1〜L10の10枚のレンズから構成され、第2光学系G2がレンズL21〜L32の12枚のレンズから構成されている。また、第2光学系G2は、縮小側から順に、第1レンズ群G21と、第2光路折り曲げ手段R2と、第2レンズ群G22から構成され、第1レンズ群G21がレンズL21〜L26の6枚のレンズから構成され、第2レンズ群G22がレンズL27〜L32の6枚のレンズから構成されている。
実施例1の投写用光学系の基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、非球面係数に関するデータを表3に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜7についても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も拡大側の構成要素の面を1番目として縮小側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、ndの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)に対するアッベ数を示す。ここで、曲率半径の符号は、面形状が拡大側に凸の場合を正、縮小側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、開口絞りSt、光学部材PPも含めて示している。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。
表2の諸元に関するデータに、焦点距離f、バックフォーカスBf、F値FNo、全画角2ωの値を示す。
なお、基本レンズデータおよび諸元に関するデータに示す数値は、全系の焦点距離の絶対値が1となるように規格化されたものである。また、各表の数値は、所定の桁でまるめたものである。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表3の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3〜17)の値である。
Zd=C・h/{1+(1−KA・C・h1/2}+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数(m=3〜17)
実施例1の投写用光学系の各収差図を図8に示す。なお、図8中の左側から順に球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)についての収差をそれぞれ実線、長破線、短破線の実線で示す。非点収差図にはサジタル方向、タンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線と短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)についての収差をそれぞれ長破線、短破線で示す。球面収差図のFNo.はF値、その他の収差図のωは半画角を意味する。
なお、基本レンズデータおよび諸元に関するデータに示す数値や、各収差図は全て有限の投写距離におけるものであり、実施例1では、投写距離:121.950の場合のデータを示している。
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
次に、実施例2の投写用光学系について説明する。実施例2の投写用光学系の構成を示す断面図を図2に示す。実施例2の投写用光学系は、第1光学系G1がレンズL1〜L9の9枚のレンズから構成されている以外は、実施例1と同様の構成である。また、実施例2の投写用光学系の基本レンズデータを表4に、諸元に関するデータを表5に、非球面係数に関するデータを表6に、各収差図を図9に示す。実施例2では、投写距離:121.933の場合のデータを示している。
次に、実施例3の投写用光学系について説明する。実施例3の投写用光学系の構成を示す断面図を図3に示す。実施例3の投写用光学系は、第1光学系G1がレンズL1〜L9の9枚のレンズから構成されている以外は、実施例1と同様の構成である。また、実施例3の投写用光学系の基本レンズデータを表7に、諸元に関するデータを表8に、非球面係数に関するデータを表9に、各収差図を図10に示す。実施例3では、投写距離:121.682の場合のデータを示している。
次に、実施例4の投写用光学系について説明する。実施例4の投写用光学系の構成を示す断面図を図4に示す。実施例4の投写用光学系は、実施例1と同様の構成である。また、実施例4の投写用光学系の基本レンズデータを表10に、諸元に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、各収差図を図11に示す。実施例4では、投写距離:121.811の場合のデータを示している。
次に、実施例5の投写用光学系について説明する。実施例5の投写用光学系の構成を示す断面図を図5に示す。実施例5の投写用光学系は、第1光学系G1がレンズL1〜L8の8枚のレンズから構成され、第2光学系G2の第1レンズ群G21がレンズL21〜L27の7枚のレンズから構成され、第2レンズ群G22がレンズL28〜L34の7枚のレンズから構成されている。また、実施例4の投写用光学系の基本レンズデータを表13に、諸元に関するデータを表14に、非球面係数に関するデータを表15に、各収差図を図12に示す。実施例5では、投写距離:193.485の場合のデータを示している。
次に、実施例6の投写用光学系について説明する。実施例6の投写用光学系の構成を示す断面図を図6に示す。実施例6の投写用光学系は、第1光学系G1がレンズL1〜L9の9枚のレンズから構成されている以外は、実施例1と同様の構成である。また、実施例6の投写用光学系の基本レンズデータを表16に、諸元に関するデータを表17に、非球面係数に関するデータを表18に、各収差図を図13に示す。実施例6では、投写距離:193.308の場合のデータを示している。
次に、実施例7の投写用光学系について説明する。実施例7の投写用光学系の構成を示す断面図を図7に示す。実施例7の投写用光学系は、第1光学系G1がレンズL1〜L8の8枚のレンズから構成されている以外は、実施例1と同様の構成である。また、実施例7の投写用光学系の基本レンズデータを表19に、諸元に関するデータを表20に、非球面係数に関するデータを表21に、各収差図を図14に示す。実施例7では、投写距離:193.142の場合のデータを示している。
実施例1〜7の投写用光学系の条件式(1)〜(4)に対応する値を表22に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表22に示す値はこの基準波長におけるものである。
以上のデータから、実施例1〜7の投写用光学系は全て、条件式(1)〜(4)を満たしており、コストを抑えつつ、135°以上の広角で諸収差が良好に補正された高い投写性能を有する投写用光学系であることが分かる。
次に、本発明に係る投写型表示装置の実施形態について、図15を用いて説明する。図15は本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。
図15に示す投写型表示装置100は、本発明の実施形態にかかる投写用光学系10と、光源20と、各色光に対応したライトバルブとしての透過型表示素子11a〜11cと、光源20からの光束をライトバルブへ導く照明光学部30とを備えている。照明光学部30は、色分解のためのダイクロイックミラー12、13と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14と、コンデンサレンズ16a〜16cと、全反射ミラー18a〜18cとを有する。なお、図15では、投写用光学系10は概略的に図示されている。また、光源20とダイクロイックミラー12の間にはフライアイ等のインテグレータが配されているが、図15ではその図示を省略している。
光源20からの白色光は、照明光学部30において、ダイクロイックミラー12、13で3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解された後、それぞれ全反射ミラー18a〜18cにより光路を偏向されてコンデンサレンズ16a〜16cを経て各色光光束にそれぞれ対応する透過型表示素子11a〜11cに入射して光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により色合成された後、投写用光学系10に入射する。投写用光学系10は透過型表示素子11a〜11cにより光変調された光による光学像を不図示のスクリーン上に投写する。
透過型表示素子11a〜11cとしては、例えば透過型液晶表示素子等を用いることができる。なお、図15ではライトバルブとして透過型表示素子を用いた例を示したが、本発明の投写型表示装置が備えるライトバルブは、これに限られるものではなく、反射型液晶表示素子あるいはDMD等の他の光変調手段を用いてもよい。
本実施形態の投写型表示装置100は、本発明の投写用光学系10を備えたものであるから、装置を低コスト化できるとともに、広角で高画質の画像を投写することができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
10 投写用光学系
11a〜11c 透過型表示素子
12、13 ダイクロイックミラー
14 クロスダイクロイックプリズム
16a〜16c コンデンサレンズ
18a〜18c 全反射ミラー
20 光源
30 照明光学部
100 投写型表示装置
G1 第1光学系
G2 第2光学系
G21 第1レンズ群
G22 第2レンズ群
L1〜L34 レンズ
PP 光学部材
R1 第1光路折り曲げ手段
R2 第2光路折り曲げ手段
Sim 画像表示面
St 開口絞り
Z 光軸

Claims (13)

  1. 縮小側共役面上に配置された画像表示素子に表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写する投写用光学系であって、
    縮小側から順に、複数のレンズにより構成され、前記画像表示素子上の画像を中間像として結像させる第1光学系と、複数のレンズにより構成され、前記中間像を前記拡大側共役面上に結像する第2光学系から実質的になり、
    下記条件式(1)を満足する
    ことを特徴とする投写用光学系。
    0.020<enP/TL2<0.160 …(1)
    ただし、
    enP:前記第2光学系の最も拡大側面から拡大側を入射側とした場合の入射瞳位置までの光軸上の距離
    TL2:前記第2光学系の最も縮小側面から最も拡大側面までの光軸上の距離
  2. 下記条件式(1−1)を満足する
    請求項1記載の投写用光学系。
    0.050<enP/TL2<0.145 …(1−1)
  3. 下記条件式(2)を満足する
    請求項1または2記載の投写用光学系。
    0.125<Imφ/TL2<0.240 …(2)
    ただし、
    Imφ:縮小側における有効像円直径
  4. 下記条件式(2−1)を満足する
    請求項3記載の投写用光学系。
    0.130<Imφ/TL2<0.200 …(2−1)
  5. 前記第2光学系中の光軸上の最大空気間隔を挟んで、縮小側を第1レンズ群、拡大側を第2レンズ群とし、
    下記条件式(3)を満足する
    請求項1から4のいずれか1項記載の投写用光学系。
    0.30<f22/f21<2.00 …(3)
    ただし、
    f21:前記第1レンズ群の焦点距離
    f22:前記第2レンズ群の焦点距離
  6. 下記条件式(3−1)を満足する
    請求項5記載の投写用光学系。
    0.40<f22/f21<1.70 …(3−1)
  7. 下記条件式(4)を満足する
    請求項1から6のいずれか1項記載の投写用光学系。
    4.0<Bf/|f| …(4)
    ただし、
    Bf:全系のバックフォーカス
    f:全系の焦点距離
  8. 下記条件式(4−1)を満足する
    請求項7記載の投写用光学系。
    5.0<Bf/|f|<20.0 …(4−1)
  9. 前記第1光学系と前記第2光学系は、共通の光軸を有する
    請求項1から8のいずれか1項記載の投写用光学系。
  10. 前記第2光学系中の光軸上の最大空気間隔部分において、最大画角の主光線と前記第2光学系の光軸が交わる
    請求項1から9のいずれか1項記載の投写用光学系。
  11. 前記中間像は、光軸中心より周辺部が前記第1光学系側に像面湾曲している
    請求項1から10のいずれか1項記載の投写用光学系。
  12. 前記第1光学系の最も拡大側の面が凹面であり、前記第2光学系の最も縮小側の面が凸面である
    請求項1から11のいずれか1項記載の投写用光学系。
  13. 光源と、該光源からの光が入射するライトバルブと、該ライトバルブにより光変調された光による光学像をスクリーン上に投写する投写用光学系としての請求項1から12のいずれか1項記載の投写用光学系とを備えたことを特徴とする投写型表示装置。
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