JP2016156975A - 偏光無依存型光アイソレータ - Google Patents

偏光無依存型光アイソレータ Download PDF

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Abstract

【課題】逆方向損失特性に優れた偏光無依存型光アイソレータを提供する。
【解決手段】前後方向をz軸として、前後点対称に配置された第1と第2の複屈折素子間(11a−12a)および第3と第4の複屈折素子間(11a−12a)に第1および第2のファラデー回転子(20a、20b)が介在し、第1と第2の複屈折素子および第3と第4の複屈折素子はxy面内の光学軸(13a、14aおよび13b、14b)が互いにz軸周りに45°傾き、yz面内の傾斜面(31a、34aおよび31b、34b)の角度がθおよびθで、第1と第2のファラデー回転子はファラデー回転方向が逆であり、第2および第3の複屈折素子は、傾斜方向が互いに180°となるように対面するように配置されているとともに、互いの光学軸がz軸周りに90°で交差するように配置され、傾斜角度θとθが異なっている偏光無依存型光アイソレータ100としている。
【選択図】図5

Description

本発明は偏光無依存型光アイソレータに関する。
周知のごとく、光アイソレータは、光通信や光計測などの分野において、光源の不安定性および損傷の原因となる戻り光から光源を保護するために使用され、一方向(順方向)の光ビームを透過させるとともに、逆方向からの光ビームを遮断するように動作する。本発明が対象としている偏光無依存型光アイソレータは、入射光の偏光状態を問わず使用できるため汎用性が高く、例えば、光ファイバを介した光通信システムを構成する光部品の一つとして用いられている。
図1に偏光無依存型の光アイソレータ10の基本構成を示した。図1(A)は光アイソレータ10を構成する光学素子(11、20、12)の配置と各光学素子(11、20、12)の光学特性(13、21、14)を示す図であり、図1(B)は順方向に進む光ビームの光路を示しており、図1(B)は逆方向に進む光ビームの光路を示している。ここで前方から後方へ向かう方向を順方向とし、この順方向をz軸方向として便宜的にx、y、z直交座標系を規定すると、光アイソレータ10は、前方から後方に向かってz軸に沿って楔型の複屈折結晶(以下、第1の楔型複屈折素子11)、45°ファラデー回転子20、楔型複屈折結晶(以下、第2の楔型複屈折素子12)がこの順に配置された構成となっている。
上記構成において、第1および第2の楔型複屈折素子(11、12)は、実質的に同じものであり、前後一方の面がxy面に平行な垂直面であり、他方の面がyz面内でのみ傾斜し、zx面内では傾斜していない。ここで、第1および第2の楔型複屈折素子(11、12)におけるyz面の形状について、前後方向の幅が狭い側から広い幅側へ向かう下り方向を傾斜方向とすると、第1と第2の楔型複屈折素子(11、12)は垂直面側が対面し、互いに前後反対方向に面する傾斜面は、その傾斜方向が互いに逆方向となっている。すなわち第1および第2の複屈折素子(11、12)は、前後方向で互いに点対称となるように配置されている。また第1と第2の楔型複屈折素子(11、12)はxy面内に光学軸(13、14)を有し、互いの光学軸(13、14)がz軸に対して時計回りに45°の角度となるように交差している。前方から見ると、第1の楔型複屈折素子11の光学軸13はy軸に対して反時計回りの方向に22.5°傾いており、第2の楔型複屈折素子11の光学軸14はy軸に対して時計回りの方向に22.5°傾いている。そしてファラデー回転子20におけるファラデー回転方向21とその回転角度は、前方から見て時計回りに45°となっている。
つぎに上述した基本構成に係る光アイソレータ10の動作原理について説明すると、図1(B)に示したように前方の光ファイバF1は後端にて開口し、後方の光ファイバF2は前端にて開口している。そして前方の光ファイバF1の開口端(以下、光ファイバポートP1ともいう)からz軸方向に沿って出射した光ビームB1はコリメートレンズc1にてコリメート光に変換され、このコリメート光からなる光ビームB1が光アイソレータ10に順方向に入射する。光ビームB1は、まず第1の楔型複屈折素子11の前方の傾斜面31に入射し、常光Boと異常光Beの二つの直線偏光に分離し、この常光Boと異常光Beは第1の楔型複屈折素子11の後面32からy軸方向に互いに離間した2本の光ビームB2としてファラデー回転子20に入射する。ファラデー回転子20は、入射した光ビームの偏波面を前方から見て時計回りに45°回転させる。そのため第2の楔型複屈折素子12の前面33には第2の楔型複屈折素子12における常光Boと異常光Beが第2の楔型複屈折素子12においても常光Boと異常光Beとして振る舞う。したがって第2の楔型複屈折素子12に入射した2本の光ビームB3はz軸に平行な2本の光ビームB4として第2の楔型複屈折素子12の後面34から出射する。そしてこのz軸に沿って互いに平行となる2本の光ビームB4はコリメータレンズc2を介して後方側の光ファイバポートP2に結合する。このようにして順方向では光透過状態となる。
一方図1(C)に示したように、光アイソレータ10に逆方向に入射した光ビームB5については第2の楔型複屈折素子12にて分離した常光Boと異常光Beがファラデー回転子20を経て第1の楔型複屈折素子11の後面32から入射する。ファラデー回転子20は後方から前方に向かって入射した直線偏光からなる2本の光ビームB6に対しても前方から見て時計回りに45゜の方向に回転させるため、第2の楔型複屈折素子12における常光Boと異常光Beは、第1の楔型複屈折素子11ではそれぞれ異常光Beと常光Boとして振る舞う。そのため第1の楔型複屈折素子11の後面32に入射した2本の光ビームB7は当該第1の楔型複屈折素子11の前面31から出射するときにさらに離間する方向に屈折する。すなわち第1の楔型複屈折素子11の前面31から逆方向に出射した2本の光ビームB8はコリメートレンズc1によって光ファイバポートP1に結合することができず結合損失が生じる。このようにして逆方向では光が遮断された状態となる。
また上記の基本の構成に係る光アイソレータではファラデー回転子における旋光分散の影響により逆方向損失(アイソレーション)特性が劣化する可能性があることから、上記基本構成に係る光アイソレータを一つのユニットとして、二つのユニットを光路に沿って直列に配置した2段構成の光アイソレータとすることがある。この2段構成の光アイソレータでは1段目のユニットによって生じた旋光分散を2段目のユニットによって相殺させている。そして従来の2段構成の光アイソレータでは1段目のユニットに対して2段目のユニットがz軸周りに90゜回転した状態で配置されている。すなわち1段目のユニットにおける楔型複屈折素子と2段目のユニットにおける楔型複屈折素子の傾斜方向が互いに90゜の角度で交差している。なお2段構成の光アイソレータについては以下の特許文献1などに記載されている。
特開平11−174382号公報
光通信における大容量伝送への要求などから、複数本の光ファイバを並べた光ファイバアレイを用いたマルチチャンネル光伝送路中に上記の2段構成の光アイソレータを介在させる場合などでは、複数本の光ファイバからの光ビームが一つの光アイソレータに一括して入射されることになる。そのため光アイソレータには、各チャンネルに対応する逆方向の光ビームを確実に遮断するとともに、隣り合うチャンネル間でクロストークが発生しないようにすることが必要となる。
ところが従来の2段構成の光アイソレータでは、2段目のユニットが1段目のユニットに対して前後方向を軸にして90°回転した状態で配置されているため1段目のユニットと2段目のユニットでは、常光と異常光の分離方向が直交することになる。すなわち光ファイバアレイにおける各光ファイバの配列方向がどの方向であっても、常光と異常光に対応する2本の光ビームはその光路上で必ず光ファイバの配列方向に一致する方向に離間することなりクロストークが発生する。
そこでマルチチャンネル光伝送路への対応も可能な2段構成の光アイソレータとして、1段目と2段目のユニットにおける楔型複屈折素子の傾斜方向を互いに平行にするとともに、1段目のユニットの後方の楔型複屈折素子と2段目の前方の楔型複屈折素子の光学軸の方向を互いに90゜の角度で交差させることが考えられる。すなわち常光と異常光の分離方向や光ビームの屈折方向を一つの傾斜方向にのみ規定しつつ、光アイソレータとして機能させるために1段目と2段目のユニットにおける楔型複屈折素子の光学軸の方向のみを調整するのである。
しかしながら、このような光アイソレータでは、楔型複屈折素子の傾斜方向が平行で、光学軸の方向のみが互いに90゜となる異なる2種類の複屈折素子が必要となる。楔型複屈折素子はルチルなどの結晶から切り出されたものであり、極めて高い加工精度が要求され、そのため2種類の楔型複屈折素子を設計通りに作製することが極めて難しく、実質的には2種類の楔型複屈折素子の光学軸は90゜からずれることになる。そしてこの光学軸のずれは逆方向を辿る光ビームの一部に異常光に分離しない成分を残存させ、アイソレーション特性を劣化させる原因となる。
そこで本発明は、高い組み立て精度や加工精度を不要にしつつ、高いアイソレーション特性を備えた偏光無依存型光アイソレータを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、
前後方向をz軸としたx、y、z直交座標系を規定したときに、
z軸方向に進行する光ビームの光路上に、前方から、第1の楔型複屈折素子、第1の45°ファラデー回転子、第2の楔型複屈折素子、第3の楔型複屈折素子、第2の45°ファラデー回転子、第4の楔型複屈折素子がこの順に配置され、
前記第1〜第4の楔型複屈折素子は、前後一方の面がxy面に平行な垂直面で、他方の面が当該垂直面に対してyz面内で所定の角度で傾斜する傾斜面であるとともに、xy面内に光学軸を有し、
前記傾斜面を下る方向を傾斜方向として、
前記第1の楔型複屈折素子と前記第2の楔型複屈折素子は、xy面に対して傾斜角度θの傾斜面を有し、前後方向で点対称となるように配置されているとともに、互いの前記光学軸がz軸周りに45°の角度で交差するように配置され、
前記第1のファラデー回転子と前記第2のファラデー回転子は、前方から見たときのファラデー回転方向が逆方向であり、
前記第3の楔型複屈折素子と前記第4の楔型複屈折素子は、y軸方向を傾斜方向とした同じ傾斜角度θの傾斜面を有して前後方向で点対称となるように配置されているとともに、互いの前記光学軸がz軸周りに45°の角度で交差するように配置され、
前記第2および第3の楔型複屈折素子は、前記傾斜方向が互いに180°となるように対面するように配置されているとともに、互いの前記光学軸がz軸周りに90°の角度で交差するように配置され、
前記傾斜角度θとθとが異なるように設定されている、
ことを特徴とする偏光無依存型光アイソレータとしている。
また前記第1の楔型複屈折素子の前方、および前記第4の楔型複屈折素子の後方に複数本の光ファイバがx軸方向に並べられてなる光ファイバアレイが配置されることを特徴とする偏光無依存型光アイソレータとすることもできる。
前記傾斜角度θとθとが1゜以上異なるように設定されていることを特徴とする偏光無依存型光アイソレータとすれば好適である。また前記傾斜角度θとθをxy面に対する角度として、当該傾斜角度θとθは4゜以上6゜以下に設定されていることを特徴とする偏波無依存型光アイソレータとしてもよい。
本発明に係る偏光無依存型光アイソレータによれば、高い組み立て精度や加工精度を不要にしつつ、高いアイソレーション特性を有している。また光ファイバアレイを用いたマルチチャンネル光伝送路中に介在させた場合にはクロストークを大きく低減させることが可能となる。
基本的な偏光無依存型光アイソレータの構成と動作を示す図である。 従来の2段型偏光無依存型光アイソレータの構造を示す図である。 上記2段型偏光無依存型光アイソレータの動作を示す図である。 上記2段型偏光無依存型光アイソレータの問題点を説明するための図である。 本発明の実施例に係る偏光無依存型光アイソレータの構成と動作を示す図である。 本発明の実施例に係る偏光無依存型光アイソレータの逆方向結合損失特性を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===2段構成の光アイソレータの構成===
図2はマルチチャンネル光伝送路への対応も可能な2段構成の光アイソレータ(以下、2段型光アイソレータとも言う)の構成を示す図である。図2(A)は2段型光アイソレータ1を構成する各種光学素子の配置を示す図であり、図2の(B)と(C)は2段型光アイソレータ1を構成する各種光学素子の光学特性を示す図である。なお図2では、図1と同様に便宜的に前後方向をz軸としたx、y、z直交座標系を規定している。そして2段型光アイソレータ1は、先に図1に示した光アイソレータ10と同様の構成を一つのユニット(10a、10b)とし、その二つのユニット(10a、10b)をz軸に沿って直列に配置したものである。しかしこの二つのユニット間(10a−10b)で対応関係にある光学素子(11a―11b、20a−20b、12a−12b)の光学特性が互いに異なっている。
ここで2段型光アイソレータ1について、前方のユニット10aを第1ユニット10a、後方のユニット10bを第2ユニット10bと称するとともに、第1ユニット10aにおける前方の楔型複屈折素子11aを第1複屈折素子11a、後方の楔型複屈折素子12aを第2複屈折素子12a、ファラデー回転子20aを第1ファラデー回転子20aと称することとする。第2ユニット10bを構成する光学素子(11b、20b、12b)については、前方から後方に向かって第3複屈折素子11b、第2ファラデー回転子20b、第4複屈折素子12bと称することとする。
図2(B)は第1ユニット10aを構成する光学素子(11a、20a、12a)の光学特性を示しており、前方から見たときの第1および第2複屈折素子(11a、12a)の光学軸(13a、14a)の方向と第1ファラデー回転子20aにおけるファラデー回転方向21aを示している。図2(C)は第2ユニット10bを構成する光学素子(11b、20b、12b)の光学特性を示しており、前方から見たときの第3および第4複屈折素子(11b、12b)の光学軸(13b、14b)の方向と第2ファラデー回転子20bによるファラデー回転方向21bを示している。
図2(B)に示したように、第1ユニット10aでは、第1複屈折素子11aと第2複屈折素子12aはxy面に光学軸(13a、14a)を有し、互いの光学軸(13a、14a)がz軸周りに45°の角度で交差するように配置されている。この例では、前方から見るとy軸に対称となるように第1複屈折素子11aの光学軸13aに対し、第2複屈折素子12aの光学軸14aが時計回りに45°方向に傾いている。また第1ファラデー回転子20aにおけるファラデー回転方向21aは前方から見て時計回りである。そしてファラデー回転角は45°となっている。すなわち第1ユニット10aにおける光学素子(11a、20a、12a)の構成や光学特性(13a、21a、14a)は図1に示した光アイソレータ10と同様である。
図2(C)に示したように、第2ユニット10bでは、第3複屈折素子11bと第4複屈折素子12bはxy面に光学軸(13b、14b)を有し、互いの光学軸(13b、14b)がz軸周りに45°の角度で交差するように配置されている。この例では、前方から見るとx軸に対称であり、第3複屈折素子11bの光学軸13bに対して第4複屈折素子12bの光学軸14bが反時計回りに45°方向に傾いている。また第2ファラデー回転子20bにおけるファラデー回転方向21bとファラデー回転角は、前方から見て反時計回りに45°となっている。すなわち第1ファラデー回転子20aと第2ファラデー回転子20bとではファラデー回転角の方向(21a、21b)が逆方向となっている。
また第1ユニット10aと第2ユニット10bとの間の幾何学的な配置については、第2複屈折素子12aおよび第3複屈折素子11bの傾斜方向が互いに180°となるように対面している。そして第1ユニット10aと第2ユニット10bとの間の光学的な配置については、第2屈折素子12aおよび第3複屈折素子11bの互いの光学軸(14a、13b)がz軸周りに90°の角度で交差するように配置されている。なおこの2段型光アイソレータ1をマルチチャンネル光伝送路に対応させる場合は、複数本の光ファイバをx軸方向に並べた光ファイバアレイを第1複屈折素子11aの前方と第4複屈折素子12bの後方に配置することになる。また各ユニット(10a、10b)における二つの複屈折素子(11aと12a、および11bと12b)は垂直面同士ではなく傾斜面同士を対面させるように配置してもよい。いずれにしても一つのユニット(10a、10b)において二つの複屈折素子(11aと12a、および11bと12b)が前後方向で点対称となるように配置すればよい。そして第1ユニット10aと第2ユニット10bのそれぞれにおける光学素子(11aと11b、20aと20b、12aと12b)の幾何学的な配置が同じであればよい。つぎに上記2段型光アイソレータ1の動作について説明する。
===2段型光アイソレータの動作原理===
図3は2段型光アイソレータ1の動作原理を示す図であり、図2(A)に示した2段型光アイソレータ1のyz面を示している。そして図3(A)は前方から後方に向かう順方向に進行する光ビームの光路を示しており、図3(B)は逆方向に進行する光ビームの光路を示している。以下、図2を参照しつつ図3に基づいて2段型光アイソレータ1の動作原理を説明する。図3(A)に示したように、前方の光ファイバポートP1から順方向に出射したコリメート光B10が2段型光アイソレータ1に入射すると、その光ビームB10は、第1複屈折素子11aの傾斜面31aの傾斜角度θに応じて屈折するとともに、常光B1oと異常光B1eの二つの直線偏光に分離する。そして常光B1oと異常光B1eは、屈折率が異なるため互いに離間する方向に屈折する。なお傾斜角度θは4°〜6°程度が一般的であり、傾斜角度θがそれよりも小さい場合は大きな分離角度が得られず、大きい場合は分離角度が大きいため複屈折素子のy軸方向のサイズを大きくする必要があり2段型光アイソレータの外形サイズが大きくなってしまう。
第1複屈折素子11aの後面32aから出射した常光B1oに対応する光ビームB11と、異常光B1eに対応するB21は、その偏波面が第1ファラデー回転子20aにより前方から見て時計周りに45°回転する。それによって第2複屈折素子12aに入射する光ビーム(B12、B22)は当初の常光B1oと異常光B1eの関係を維持することになる。すなわち当初の常光B1oおよび異常光B1eは、第2複屈折素子12b内でも常光B2oおよび異常光B2eとして振る舞う。そして第2複屈折素子12bに入射した二本の光ビーム(B12、B22)は、y軸方向に離間しつつz軸方向に平行な2本の光ビーム(B13、B23)として第2複屈折素子12bの後面32bから出射する。
上述した光路を辿って第1ユニット10aから後方に出射した2本の光ビーム(B13、B23)は第3複屈折素子11bの前面(傾斜面)31bに入射する。第3複屈折素子11bの光学軸13bは第2複屈折素子12aの光学軸14aに対してz軸周りに90°傾いている。そのため第2複屈折素子12aにおける常光B2oと異常光B2eは第3複屈折素子11b内ではそれぞれ異常光B3eと常光B3oとして振る舞い、第2複屈折素子12aからy軸方向に離間して出射した2本の平行な光ビーム(B13、B23)は第3複屈折素子11b内で互いに近接する方向に屈折する。そして第2ファラデー回転子20bは前方から入射した2本の光ビーム(B14、B24)の偏波面を前方から見て反時計回りに45°の方向に回転させる。
第2ファラデー回転子20bから後方に出射した2本の光ビーム(B15、B25)は第4複屈折素子12bの前面33bに入射する。第4複屈折素子12bの光学軸14bは前方から見ると第3複屈折素子11bの光学軸13bに対して反時計回りに45°傾いている。したがって第3複屈折素子11bにおける常光B3oと異常光B3eは第4複屈折素子12b内においても常光B4oと異常光B4eとして振る舞う。その結果、第1ユニット10aにおける順方向の光路(B1o〜B2o、B1e〜B2e)と第2ユニット10bにおける順方向光路(B3o〜B4o、B3e〜B4e)が前後方向で点対称となり、第2ユニット10bに順方向に入射した2本の光ビーム(B13、B23)は第4複屈折素子12bの後面34bの同じ位置からz軸方向に出射する。そしてこの出射光B30の進行方向に光ファイバポートP2を配置しておけば、この出射光B30はコリメートレンズc2を介して光ファイバポートP2に結合する。すなわちこの2段型光アイソレータ1は順方向から入射されて光ビームB10を透過させるように動作する。
一方図3(B)に示したように、後方の光ファイバポートP2から逆方向に出射したコリメート光B40が2段型光アイソレータ1に入射すると、その光ビームB40は、第4複屈折素子12bの傾斜面34bにより常光B5oと異常光B5eの二つの直線偏光に分離しつつ互いに離間する方向に屈折する。第4複屈折素子12bの後面33bから出射した常光B5oに対応する光ビームB51と、異常光B5eに対応するB61は、その偏波面が第2ファラデー回転子20bにより前方から見て反時計周りに45°回転する。それによって第4複屈折素子12bにおける常光B5oと異常光B6eに対応して第2ファラデー回転子20bが出射した2本の光ビーム(B52、B62)は、第3楔型複屈折素子11b内では異常光B6eおよび常光B6oとして振る舞う。そのため第3楔型複屈折素子11bから後方に出射する二本の光ビーム(B53、B63)は、互いにさらに離間する方向に屈折する。
第2複屈折素子12aの光学軸14aは第3複屈折素子11bの光学軸13bに対してz軸周りに90°傾いている。そのため第3複屈折素子12bにおける常光B6oと異常光B6eは第2複屈折素子12b内ではそれぞれ異常光B7eと常光B7oとして振る舞い、第3複屈折素子12aからy軸方向に離間して前方に出射した2本の光ビーム(B53、B63)は第2複屈折素子12aの前面33aから出射するときには、さらに離間することになる。そして第1ファラデー回転子20aは後方から入射した2本の光ビーム(B54、B64)の偏波面を前方から見て時計回りに45°の方向に回転させ、その第1ファラデー回転子20aから前方に出射した2本の光ビーム(B55、B65)が第1複屈折素子11aの後面32aに入射する。
第1複屈折素子11aの光学軸13aは前方から見ると第2複屈折素子12aの光学軸14aに対して反時計回りに45°傾いている。したがって第2複屈折素子12aにおける常光B7oと異常光B7eの関係が第1複屈折素子11a内で入れ替わる。すなわちこの2段型光アイソレータ1に逆方向から入射した光ビームB40は、第4、第3、第2、第1の各複屈折素子(12b、11b、12a、11a)に順次入射するごとにその常光と異常光の関係が入れ替わる(B5o→B6e→B7o→B8e、B5e→B6o→B7e→B8o)。その結果、第1複屈折素子11aの前面31aからは、y軸方向に大きく離間した二つの光ビーム(B56、B66)が、さらに離間していく角度で前方に出射する。それによって前方の光ファイバポートP1には光が結合せず、光が遮断された状態となる。
===2段型光アイソレータの問題点===
図3に示した2段型光アイソレータ1の動作原理は、当該光アイソレータ1を構成する光学素子(11a、20a、12a、11b、20b、12b)の光学特性(13a、21a、14a、13b、21b、14b)が精密に調整されていることを前提としている。しかし2段型光アイソレータ1の組み立て精度や各光学素子(11a、20a、12a、11b、20b、12b)の加工精度には誤差が必ず存在する。そしてそれらの誤差は順方向に入射した光ビームB10の結合特性や逆方向に入射した光ビームB40の逆方向光損失特性の劣化に繋がる。とくに戻り光を遮断するという光アイソレータの目的を考えれば、逆方向損失特性の劣化が大きな問題となる。そして2段型光アイソレータ1の逆方向損失特性を劣化させる主要な要因としては、第2複屈折素子12aの光学軸14aと第3複屈折素子11bの光学軸13bの交差角度ずれがある。
ここで第2複屈折素子12aと第3複屈折素子11bの光学軸(図2:符号14a、13b)の交差角度ずれに起因する逆方向損失の劣化メカニズムについて説明する。図4に当該劣化メカニズムを説明するための図を示した。この図4では2段型光アイソレータ1を逆方向に透過する光ビームの光路を示している。ここでは第2複屈折素子12aと第3複屈折素子11bの光学軸(図2:符号14a、13b)の交差角度が90°からずれているものとする。図4において、2段型光アイソレータ1に逆方向に入射した光ビーム40が第2ユニット10bから出射するまでの光路(B40〜B53、B40〜B63)は図3(B)に示した光路と同様である。しかし第2ユニット10bから第1ユニット10aへ光ビーム(B53、B63)が入射する際、第2複屈折素子12aと第3複屈折素子11bの光学軸(図2:符号14a、13b)の交差角度が正しく90°であれば、第3複屈折素子11bにおいて異常光B6eまたは常光B6oであった光ビーム(B53またはB63)は、第2複屈折素子12aではそれぞれ常光B7oまたは異常光B7eとして振る舞い、以後は図3(B)に示した光路と同様に、図中太線で示した光路(B54〜B56、B64〜B66)を辿ることになる。
しかし第2複屈折素子12aと第3複屈折素子11bの光学軸の交差角度が90°からずれていると、第3複屈折素子11bにおいて異常光B6eまたは常光B6oであった光ビーム(B53またはB63)は、第2複屈折素子12aに入射するとそれぞれの光ビーム(B53、B63)一部に異常光B17eまたは常光B17oとして振る舞う成分が含まれることになる。そのためその常光B17oと異常光B17e(以下、漏れ光とも言う)は、以後、図中細線で示した光路(B154→B155→B18o、B164→B165→B18e)を辿り、第1複屈折素子11aの前面31aから、z軸方向に平行な2本の光ビーム(B156、B166)として出射することになる。そして互いに平行な2本の光ビーム(B156、B166)はコリメートレンズc1によって前方の光ファイバポートP1に結合することができる。すなわち逆方向損失特性が劣化する。
===実施例===
本発明の実施例に係る2段型光アイソレータは高精度の調整や加工を施さなくても、第2複屈折素子と第3複屈折素子の光学軸のずれに起因する逆方向損失の劣化を抑えることができる構成を備えている。図5に実施例に係る2段型光アイソレータ100の構成と動作を示した。この図5は、実施例に係る2段型光アイソレータのyz面を示しており、図4に示した従来の2段型光アイソレータ(以下、従来例1とも言う)における上記漏れ光の光路(B17e→B154→B155→B18o→B156、B17o→B164→B165→B18e→B166)と、本実施に係る2段型光アイソレータ(以下、実施例100とも言う)における漏れ光の光路(B27e→B254→B255→B28o→B256、B27o→B264→B265→B28e→B266)とを示している。そして実施例100では、第1ユニット10aを構成する二つの複屈折素子(11a、12a)の傾斜面(31a、34a)の傾斜角度θと、第2ユニット10bを構成する二つの複屈折素子(11b、12b)の傾斜面(31b、34b)の傾斜角度θとが異なるように設定されている。これは、従来例1における上記漏れ光(B17e、B17o)の屈折角度(α、β)と実施例100における漏れ光(B27e、B27o)の屈折角度(α、β)とが異なることを意味している。
そして従来例1では最終的にz軸に平行な2本の光ビーム(B156、B166)が出射していたのに対し、実施例100では上記の屈折角度(α、β)と従来例1における屈折角度(α、β)の差が最終的な出射光(B256、B266)の出射角度の差となり、この最終的な出射光(B256、B266)はz軸方向(図中、一点鎖線300)に対して傾いた方向に出射する。すなわちz軸方向300に対して傾いた光ビーム(B256、B266)はコリメートレンズc1によって屈折しても光ファイバポートP1には結合せず、逆方向結合損失特性が向上する。
図6に実施例100の逆方向光損失特性を示した。ここでは図5に示した実施例100におけるコリメートレンズ(c1、c2)の焦点距離fをパラメーターとして、第2複屈折素子12aの傾斜面34aにおける傾斜角度θと第3複屈折素子11bの傾斜面31bにおける傾斜角度θとの差Δθ=|θ−θ|と逆方向光損失(dB)との関係を数値計算(シミュレーション)によって求めた結果を示した。
図6に示したシミュレーション結果では、Δθ=0°のときの逆方向光損失を0dBとしており、Δθ≠0°とすることで逆方向損失特性が向上していることが分かる。またコリメートレンズ(c1、c2)の焦点距離fが長いほど逆方向損失特性が向上している。そしてΔθ≧1°であれば焦点距離fによらず−10dB以下の十分な逆方向光損失が得られていることも分かる。以上より、実施例に係る2段型光アイソレータでは、極めて高い精度で組み立てたり複屈折結晶を加工したりしなくても逆方向損失特性を大きく向上させることができるということが確認された。
1,100 2段型光アイソレータ、10 光アイソレータ、
10a、10b ユニット、
11,12,11a, 12a,11b,12b 楔型複屈折素子、
13,14,13a,14a 13b、14b 楔型複屈折素子の光学軸、
20、20a、20b ファラデー回転子、
32,33,32a,33a,32b,33b 楔型複屈折素子の垂直面、
31,34,31a、34a、31b,34b 楔型複屈折素子の傾斜面、
c1,c2 コリメートレンズ、
P1,P2 光ファイバポート

Claims (4)

  1. 前後方向をz軸としたx、y、z直交座標系を規定したときに、
    z軸方向に進行する光ビームの光路上に、前方から、第1の楔型複屈折素子、第1の45°ファラデー回転子、第2の楔型複屈折素子、第3の楔型複屈折素子、第2の45°ファラデー回転子、第4の楔型複屈折素子がこの順に配置され、
    前記第1〜第4の楔型複屈折素子は、前後一方の面がxy面に平行な垂直面で、他方の面が当該垂直面に対してyz面内で所定の角度で傾斜する傾斜面であるとともに、xy面内に光学軸を有し、
    前記傾斜面を下る方向を傾斜方向として、
    前記第1の楔型複屈折素子と前記第2の楔型複屈折素子は、xy面に対して傾斜角度θの傾斜面を有し、前後方向で点対称となるように配置されているとともに、互いの前記光学軸がz軸周りに45°の角度で交差するように配置され、
    前記第1のファラデー回転子と前記第2のファラデー回転子は、前方から見たときのファラデー回転方向が逆方向であり、
    前記第3の楔型複屈折素子と前記第4の楔型複屈折素子は、y軸方向を傾斜方向とした同じ傾斜角度θの傾斜面を有して前後方向で点対称となるように配置されているとともに、互いの前記光学軸がz軸周りに45°の角度で交差するように配置され、
    前記第2および第3の楔型複屈折素子は、前記傾斜方向が互いに180°となるように対面するように配置されているとともに、互いの前記光学軸がz軸周りに90°の角度で交差するように配置され、
    前記傾斜角度θとθとが異なるように設定されている、
    ことを特徴とする偏光無依存型光アイソレータ。
  2. 請求項1において、前記第1の楔型複屈折素子の前方、および前記第4の楔型複屈折素子の後方に複数本の光ファイバがx軸方向に並べられてなる光ファイバアレイが配置されることを特徴とする偏光無依存型光アイソレータ。
  3. 請求項1または2において、前記傾斜角度θとθは1゜以上異なるように設定されていることを特徴とする偏波無依存型光アイソレータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかおいて、前記傾斜角度θとθをxy面に対する角度として、当該傾斜角度θとθは4゜以上6゜以下に設定されていることを特徴とする偏波無依存型光アイソレータ。
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CN110737098A (zh) * 2018-07-19 2020-01-31 上海微电子装备(集团)股份有限公司 一种分光装置

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