JP2016156776A - 放射線遮蔽室の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業時間の短縮化を図ることが可能な放射線遮蔽室の構築方法を提供する。
【解決手段】放射線遮蔽室の構築方法は、壁用遮蔽材11よりも室内側の壁部を構成する内側壁31と、天井用遮蔽材12よりも室内側の天井部を構成する下部天井32とを構築する工程、内側壁31の室外側に壁用遮蔽材11を固定し、下部天井32の室外側に天井用遮蔽材12を固定する工程、及び、壁用遮蔽材11よりも室外側の壁部を構成する外側壁41と、天井用遮蔽材12よりも室外側の天井部を構成する上部天井42とを構築する工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線遮蔽室の構築方法に関する。
近年、がんなどの治療のために、高エネルギーの放射線を患部に照射する、リニアックと呼ばれる放射線治療装置が使用されている。この装置は、レントゲン装置に比べて非常に高エネルギーの放射線を照射するので、厚さが厚い遮蔽材が壁及び天井内に埋設された放射線遮蔽室に設置される。
従来、例えば特許文献1(明細書段落0003及び図6)に開示されているように、遮蔽材は、鋼板などからなり、遮蔽室の壁及び天井の内部に設置される。そして、遮蔽材を支持するために室内側に鉄筋コンクリート構造体が設けられる。
このような遮蔽室を構築する場合、通常、壁用遮蔽材を基礎上に鉛直に設置した後、この壁用遮蔽材の転倒を防ぐために、壁用の遮蔽材と基礎との間に斜めに亘る支持材を設置する。この状態で壁及び下部天井(天井用遮蔽材より下側の天井部分)の配筋と型枠の設置を行い、コンクリートを打設して壁全体及び下部天井を構築する。コンクリートが硬化した後、支持材を解体し、下部天井上端のコンクリートの不陸を調整して天井用遮蔽材を設置し、その後、配筋と型枠の設置を行い、コンクリートを打設して上部天井を構築する。
なお、特許文献2にも、放射線遮蔽用コンクリート構造物が開示されている。この構造物では、予め低放射化コンクリートで製造した低放射化プレキャストコンクリートパネルで放射線発生源を包囲している。
特許第5227160号公報 特開2004−333345号公報
しかしながら、上記従来の構築方法では、支持材を設置した状態でコンクリートを打設して壁を構築するので、支持材を切断除去して解体した後に、基礎の上面及び壁の補修作業が必要になる。遮蔽材は厚さが厚く重量が大きいので、支持材も断面積が大きく且つ本数も多く、補修作業に時間がかかる。
また、壁用遮蔽材を設置してから天井用遮蔽材を設置するまでに、壁及び下部天井の配筋と型枠を設置し、コンクリートを打設した後、コンクリートの硬化を待ち、その後、コンクリート表面の不陸を調整するという作業が必要となる。
このため、壁用遮蔽材を設置してから天井遮蔽材を設置するまで長期間クレーン作業ができないので、クレーン作業を集中して行うことができない。また、天井用遮蔽板の設置後でなければ、遮蔽室の上階の梁や床の設置工事を行うことができないので、上階の中で遮蔽室の周囲だけ作業が遅れるおそれがある。
本発明は、以上の点に鑑み、作業時間の短縮化を図ることが可能な放射線遮蔽室の構築方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも壁部と天井部とからなる構造体の内部に、壁用と天井の遮蔽材が埋設されて形成される放射線遮蔽室の構築方法であって、前記壁用の遮蔽材よりも室内側の壁部を構成する内側壁と、前記天井用の遮蔽材よりも室内側の天井部を構成する下部天井とを構築する工程と、前記内側壁の室外側に前記壁用の遮蔽材を固定し、前記下部天井の室外側に前記天井用の遮蔽材を固定する工程と、前記壁用の遮蔽材よりも室外側の壁部を構成する外側壁と、前記天井用の遮蔽材よりも室外側の天井部を構成する上部天井とを構築する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、室内側の壁部を構成する内側壁の室外側に壁用の遮蔽材を固定し、室内側の天井部を構成する下部天井の室外側に天井用の遮蔽材を固定している。これにより、内側壁及び下部天井がそれぞれの遮蔽材の支持材として機能する。そして、これら内側壁及び下部天井は放射線遮蔽室の壁部及び天井部の一部を構成する。
よって、上記従来の構築方法のように遮蔽材の設置後に除去される支持材を必要としないので、このような支持材の設置、解体、補修などに係る作業も不要となる。これにより、放射線遮蔽室を構築するための作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
さらに、上記従来の構築方法に比べて天井用の遮蔽材の設置作業を早い段階で行うことができるので、上階の梁や床の設置工事を早く行うことが可能となる。また、壁用及び天井用の遮蔽材の設置作業を集中して行うことができるので、クレーンを使用した揚重作業を集中することが可能となる。これらにより、遮蔽室を備えた建物を構築するための作業時間全体の短縮化を図ることが可能となる。
本発明において、前記内側壁及び前記下部天井には、それぞれ、溶接面が室外側に露出した埋込みプレートが埋設されており、前記内側壁に埋設された前記埋込みプレートの溶接面に前記壁用の遮蔽材を溶接することにより前記内側壁に前記壁用の遮蔽材を固定し、前記下部天井に埋設された前記埋込みプレートの溶接面に前記天井用の遮蔽材を溶接することにより前記下部天井に前記天井用の遮蔽材を固定することが好ましい。
この場合、壁用の遮蔽材を内側壁に、天井用の遮蔽材を下部天井にそれぞれ強固に固定することができる。
さらに、本発明において、前記壁用及び前記天井用の遮蔽材はそれぞれ複数の遮蔽層が積層されてなり、各層の前記遮蔽層は、複数枚の遮蔽板が隙間を隔てて配置されて構成され、最も室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、前記埋込みプレートの溶接面に溶接によって固定し、最も室内側の前記遮蔽層以外の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の室外側の面に溶接によって固定することが好ましい。
この場合、壁用及び天井用の遮蔽材がそれぞれ1枚の厚さの厚い遮蔽板から構成されている場合、さらには、各層の遮蔽層が1枚の遮蔽板から構成される場合と比較して、遮蔽板の重量は軽くなる。よって、遮蔽板を揚重するクレーンを小型なものとすることが可能となる。
さらに、本発明において、前記各遮蔽層の隙間は、各前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の厚さ方向に重ならないように位置しており、複数の前記遮蔽層を積層して固定した後、さらに室外側に全ての前記隙間に亘る範囲を覆うように、最も室外側の前記遮蔽層の前記遮蔽板の室外側に補助遮蔽板を溶接によって固定することが好ましい。
この場合、遮蔽板を隙間が存在する部分でも各遮蔽層を溶接によって固定している。よって、最も室内側の遮蔽層の遮蔽板と内側壁及び下部天井、及び遮蔽層が隣り合う遮蔽板同士を強固に一体化することができる。
また、本発明において、前記下部天井は、前記天井用の遮蔽材の荷重と、前記壁用の遮蔽材に室外側への転倒が生じた場合の荷重とを支えることができる配筋量を有することが好ましい。
この場合、万が一壁用の遮蔽材が室外側に転倒しても、下部天井によって壁用の遮蔽材を支えることができる。
図1Aは本発明の実施形態に係る構築方法で構築される放射線遮蔽室の模式的縦断面図であり、図1Bは図1AのB−B線模式的断面図。 図2Aは実施形態に係る構築方法で基盤を構築した状態を示す模式的縦断面図であり、図2Bは先行躯体を構築した状態を示す模式的縦断面図。 遮蔽材を構築した状態を示す模式的縦断面図。 本発明の実施形態に係る構築方法の変形を示す模式的縦断面図であり、遮蔽材を構築した状態を示す。
本発明の実施形態に係る放射線遮蔽室の構築方法で構築される放射線遮蔽室(シールドルーム)について図面を参照して説明する。
図1A及び図1Bに示すように、放射線遮蔽室には、室内に設置された放射線装置の放射線発生源Aから放射される放射線が室外に漏洩することを防止するための放射線遮蔽材(以下、単に遮蔽材という)10を備えている。
放射線装置は、例えば、リニアックと呼ばれ、高エネルギーの放射線を患者の患部に照射する放射線治療装置であるが、これに限定されず、リニアック以外の放射線治療装置、又は放射線治療装置以外の放射線を放射する装置であってもよく、何ら限定されない。
遮蔽材10は、放射線装置から放射される放射線が室外に漏洩することを防止すればよいので、放射線遮蔽室全体ではなく、放射線が照射され得る範囲を含む範囲だけに設置すればよい。
ここでは、遮蔽材10は、左右の隣室に放射線が漏洩することを防止する対向する一対の壁用の遮蔽材(以下、壁用遮蔽材という)11と、天井から上室に放射線が漏洩することを防止し、左右の壁用遮蔽材11と連続してこれらを接続する天井用遮蔽材(以下、天井用遮蔽材という)12とからなり、全体として門型となっている。遮蔽材11,12は、放射線の遮蔽に有効な鉄鋼、鉛、合金など金属からなる。
以下、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽室の構築方法について図面を参照して説明する。
まず、図2Aに示すように、鉄筋コンクリート構造体(RC構造体)からなる底盤20を構築する工程を行う。底盤20は、基盤21上に設置された免震装置22上に構築する。底盤20は、詳細は図示しないが、型枠を組み立て、鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設するという、通常の鉄筋コンクリートの現場打ちによって施工される。
このとき、壁用遮蔽材11の底部が支持されるように、底盤20には穴部20aを設けておく。また、後述する内側壁31及び外側壁41(図1A参照)内の鉄筋を配筋するために鉄筋23が上方に突出するように埋設されている。
次に、図2Bに示すように、鉄筋コンクリート構造体からなり、遮蔽材10(図1A参照)を支持する先行躯体30を構築する工程を行う。
前述したように遮蔽材10は門型であるので、遮蔽材10を支持する先行躯体30も門型に形成される。先行躯体30は、図1Aも参照して、壁用遮蔽材11よりも室内側の壁部を構成する内側壁31と、天井用遮蔽材12よりも室内側の天井部を構成する下部天井32とが連続してなる。先行躯体30は、詳細は図示しないが、型枠を組み立て、鉄筋23を用いて鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設するという、通常の鉄筋コンクリートの現場打ちによって施工される。
内側壁31と下部天井32とには、それぞれ、室外側に複数の埋込みプレート33が設置されている。図4を参照して、埋込みプレート33は、平面状の溶接面33aと内側壁31又は下部天井32の中に埋設されるアンカー33bとを有しており、溶接面33aは室外側に露出している。
埋込みプレート33の溶接面33aは遮蔽材10を固定することが可能な溶接長が確保できる面積を有している。また、埋込みプレート33のアンカー33bは、遮蔽材10から応力が作用した場合でも引抜きが生じない構造となっている。
なお、下部天井32は、万が一壁用遮蔽材11が転倒した場合に備えて、天井用遮蔽材12の荷重と壁用遮蔽材11に室外側への転倒が生じた場合の荷重との合計を支えることができる配筋量を有している。
次に、図3に示すように、先行躯体30を支持材として、先行躯体30に遮蔽材10を固定する工程を行う。壁用遮蔽材11は内側壁31の室外側に固定され、天井用遮蔽材12は下部天井32の室外側に固定される。それぞれの遮蔽材11,12は、埋込みプレート33の溶接面33a(図4参照)に溶接で接合することにより、先行躯体30に固定される。
このように、先行躯体30自体が遮蔽材10を支持する支持材となるので、別個の支持材を必要としない。よって、上記従来の構築方法のように、壁用遮蔽材11の室内側面と底盤20上との間に斜めに亘る支持材を必要としないので、このような支持材の設置、解体、補修などに係る作業が不要になる。これにより、遮蔽室を構築するための作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
さらに、従来の構築方法に比べて天井用遮蔽材12の設置作業を早い段階で行うことができ、上階の梁や床の設置工事を早く行うことが可能となる。また、壁用遮蔽材11と天井用遮蔽材12との設置作業を集中して行うことができるので、クレーンを使用した揚重作業を集中することが可能となる。これらにより、遮蔽室を備えた建物を構築するための作業時間全体の短縮化を図ることが可能となる。
ここでは、壁用遮蔽材11は複数の遮蔽層13が積層されたものから構成されている。そして、天井用遮蔽材12も複数の遮蔽層14が積層されたものから構成されている。そして、各遮蔽層13,14は、それぞれ1枚の鋼板から構成されている。
まず、壁用遮蔽材11を内側壁31の室外側に固定する工程を行う。具体的には、図4に示すように、最初に、内側壁31に埋設した埋込みプレート33の溶接面33aに壁用遮蔽材11の最も室内側の遮蔽層13を溶接する。埋込みプレート33は、内側壁31の外周端部に埋設されている。
室内側から2番目以降の遮蔽層13は、それよりも室内側の遮蔽層13に溶接する。この溶接作業を所定の層数だけ繰り返すことで、所定の厚さを有する壁用遮蔽材11が内側壁31の室外側に固定される。
その後、天井用遮蔽材12を下部天井32の室外側(上側)に固定する工程を行う。具体的には、下部天井32に埋設した埋込みプレート33の溶接面33aに天井用遮蔽材12の最も室内側(下側)の遮蔽層14を溶接する。埋込みプレート33は、下部天井32の外周端部に埋設されている。
室内側から2番目以降の遮蔽層14は、それよりも室内側の遮蔽層14に溶接する。この溶接作業を所定の層数だけ繰り返すことで、所定の厚さを有する天井用遮蔽材12が下部天井32の室外側に固定される。なお、天井用遮蔽材12を設置する際、下部天井32を支持する支柱を設けてもよい。
上記特許文献1に記載のように壁用遮蔽材11及び天井用遮蔽材12が1枚の厚さが厚い遮蔽材からなる場合、これらは重量が大きくなり、揚重に大型のクレーンを使用する必要がある。原子力発電所などの超大型施設を建設する場合、施設の建設自体に大型のクレーンを使用するので、このクレーンを使用した遮蔽材を揚重することができる。しかし、病院等を建設する際には、重量が大きな遮蔽材を揚重可能な大型のクレーンを用意しても、クレームの性能を他の作業では生かせず、損料が大きく、燃費も悪いため、無駄になる。
本実施形態では、建物自体を建設する際の作業に必要な性能からクレーンの能力を決定したうえで、そのクレーンが揚重可能な重量の遮蔽層13,14に分割し、これを複数層積み重ねて遮蔽材11,12を形成している。
その後、図1Aに示すように、壁用遮蔽材11よりも室外側の壁部を構成する外側壁41と、天井用遮蔽材12よりも室外側の天井部を構成する上部天井42とを構築する工程を行う。
外側壁41及び上部天井42は、鉄筋コンクリート構造体からなる。外側壁41及び上部天井42は、詳細は図示しないが、型枠を組み立て、鉄筋23(図2B参照)を用いて鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設するという、通常の鉄筋コンクリートの現場打ちによって施工される。
以下、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽室の構築方法の変形例について図面を参照して説明する。上述した実施形態の場合、各遮蔽層13,14は外周部の埋込みプレート33の設置位置でしか溶接されていないので、充分な溶接強度を確保できない場合がある。そこで、各遮蔽層13,14の中央部でも溶接することが好ましい。
以下、図4を参照して、壁用遮蔽材11を構築する方法の変形例について具体的に説明する。特に述べない限り、天井用遮蔽材12についても同様に構築すればよい。
壁用遮蔽材11を構成する遮蔽層13は、それぞれ、同じ厚さの複数の遮蔽板13A,13Bから構成されている。これらの遮蔽板13A,13Bは、それぞれ、幅方向に隙間15を隔てて配置される。遮蔽板13A,13Bの間には、水平方向に延びる隙間15が存在している。なお、天井用遮蔽材12を構成する遮蔽層14の遮蔽板14A,14Bの間には、左右の壁用遮蔽板11の幅方向に平行な方向に延びる隙間15が存在している。
ここでは、壁用遮蔽材11の各遮蔽層13はそれぞれ2枚の遮蔽板13A,13Bから構成されている。ただし、各遮蔽層13を構成する遮蔽板は3枚以上の遮蔽板から構成されてもよいし、各遮蔽層13を構成する遮蔽板の枚数が層によって相違していてもよい。遮蔽板13A,13Bの厚さ及び最大長さは、クレーンが揚重可能な重量から決めればよい。
そして、遮蔽板13A,13B間の隙間15は他の遮蔽層13の隙間15と遮蔽板13A,13Bの厚さ方向において重ならないように、例えば隙間15と同程度ずらして配置されている。ここでは、隙間15の位置が順次ずれるように階段状に配置されている。隙間15の位置が遮蔽板13A,13Bの厚さ方向で重ならないのであれば、隙間15の位置は任意である。ただし、後述する補助遮蔽板16の全長が短くなるように、隙間15の位置はある程度密集していているほうが好ましい。
壁用遮蔽材11の各遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bは、溶接作業が可能な隙間15を隔てた状態で対向して位置しており、対向面の下端部を室内側の遮蔽板13A,13B又は埋込みプレート33の溶接面33aと隅肉溶接で固定される。隙間15の幅は、この溶接作業に必要な空間が確保できると共に、遮蔽板13A,13Bの位置が多少ずれても溶接可能となるように設定すればよい。
以下、壁用遮蔽材11の溶接手順について説明する。
まず、壁用遮蔽材11の最も室内側の遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bを埋込みプレート33の溶接面33aに溶接する。壁用遮蔽材11の各遮蔽層13を構成する2枚の遮蔽板13A,13Bは隙間15を隔てて鉛直方向に配置されており、埋込みプレート33の溶接面33aはこの隙間15を含む部分と各遮蔽板13A,13Bの端部を含む部分に配置されている。このように2枚の遮蔽板13A,13Bが埋込みプレート33と溶接されることにより、最も室内側の遮蔽層13を構成する遮蔽板13は、内側壁31に固定される。
2番目の遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bは最も内側の遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bに溶接される。このように、室内側から(N+1)番目の遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bは、室内側からN番目の遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bに溶接される。なお、Nは1以上の整数である。
そして、所定の層数の遮蔽板13A,13Bを溶接した後、その室外側に全ての隙間15を覆う形状に形成した補助遮蔽板16を設置する。隙間15には遮蔽板13A,13Bが存在せず、その部分だけ全体としての遮蔽板13A,13Bの厚さが不足することになるため、補助遮蔽板16でその不足分を補う。よって、補助遮蔽板16は、最も厚い遮蔽板13A,13Bと同じ又はそれ以上の厚さを有する。
このように、各遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bをその外周部だけでなく隙間15が存在する中央部でも溶接しているので、最も室内側の遮蔽層13の遮蔽板13A,13Bと内側壁31、及び遮蔽層13が隣り合う遮蔽板13A,13B同士を強固に一体化することができる。
さらに、各遮蔽層13の遮蔽板13A,13Aが1枚の遮蔽板から構成される場合と比較して、遮蔽板13A,13Bの重量が軽くなる。よって、遮蔽板13A,13Bを揚重するクレーンを小型なものとすることが可能となる。
なお、遮蔽板13A,13Bは各遮蔽層13ごとに設置してもよいし、各遮蔽層13を構成する遮蔽板13A,13Bのうち一方の側の遮蔽板13Aを先に全層又は複数層、階段状に設置してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遮蔽材10が、一対の壁用遮蔽材11と天井用遮蔽材12とからなり、全体として門型である場合について説明した。しかし、遮蔽室の階下に部屋などがある場合には、床用遮蔽材を追加すればよく、この場合、遮蔽材10は全体として口型となる。また、底盤20と基盤21は一体であってもよく、本建物は免震構造である必要はない。
10…遮蔽材(放射線遮蔽材)、 11…壁用遮蔽材(壁用の遮蔽材)、 12…天井用遮蔽材(天井用の遮蔽材)、 13,14…遮蔽層、 13A,13B,14A,14B…遮蔽板、 15…隙間、 16…補助遮蔽板、 20…底盤、 30…先行躯体、 31…内側壁、 32…下部天井、 33…埋込みプレート、 33a…溶接面、 33b…アンカー、 41…外側壁、 42…上部天井、 A…放射線発生源。

Claims (5)

  1. 少なくとも壁部と天井部とからなる構造体の内部に、壁用と天井用の遮蔽材が埋設されて形成される放射線遮蔽室の構築方法であって、
    前記壁用の遮蔽材よりも室内側の壁部を構成する内側壁と、前記天井用の遮蔽材よりも室内側の天井部を構成する下部天井とを構築する工程と、
    前記内側壁の室外側に前記壁用の遮蔽材を固定し、前記下部天井の室外側に前記天井用の遮蔽材を固定する工程と、
    前記壁用の遮蔽材よりも室外側の壁部を構成する外側壁と、前記天井用の遮蔽材よりも室外側の天井部を構成する上部天井とを構築する工程とを備えることを特徴とする放射線遮蔽室の構築方法。
  2. 前記内側壁及び前記下部天井には、それぞれ、溶接面が室外側に露出した埋込みプレートが埋設されており、
    前記内側壁に埋設された前記埋込みプレートの溶接面に前記壁用の遮蔽材を溶接することにより前記内側壁に前記壁用の遮蔽材を固定し、前記下部天井に埋設された前記埋込みプレートの溶接面に前記天井用の遮蔽材を溶接することにより前記下部天井に前記天井用の遮蔽材を固定することを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽室の構築方法。
  3. 前記壁用及び前記天井用の遮蔽材はそれぞれ複数の遮蔽層が積層されてなり、
    各層の前記遮蔽層は、複数枚の遮蔽板が隙間を隔てて配置されて構成され、
    最も室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、前記埋込みプレートの溶接面に溶接によって固定し、
    最も室内側の前記遮蔽層以外の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の室外側の面に溶接によって固定することを特徴とする請求項2に記載の放射線遮蔽室の構築方法。
  4. 前記各遮蔽層の隙間は、各前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の厚さ方向に重ならないように位置しており、
    複数の前記遮蔽層を積層して固定した後、さらに室外側に全ての前記隙間に亘る範囲を覆うように、最も室外側の前記遮蔽層の前記遮蔽板の室外側に補助遮蔽板を溶接によって固定することを特徴とする請求項3に記載の放射線遮蔽室の構築方法。
  5. 前記下部天井は、前記天井用の遮蔽材の荷重と、前記壁用の遮蔽材に室外側への転倒が生じた場合の荷重とを支えることができる配筋量を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の放射線遮蔽室の構築方法。
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