JP2016156746A - 線幅誤差取得方法、線幅誤差取得装置および検査システム - Google Patents

線幅誤差取得方法、線幅誤差取得装置および検査システム Download PDF

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Abstract

【課題】正確な線幅誤差を取得する方法、線幅誤差取得装置および検査システムを提供する。
【解決手段】光源103aからの光をマスクMaに形成されたパターンに照明し、このパターンの光学画像データを取得する。参照画像データの信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値に等しい光学画像データの信号量の位置をパターンのエッジとし、このパターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出し、これを用いて光学画像データのパターンの線幅を求め、この線幅と、光学画像データに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られるパターンの線幅との差である線幅誤差を取得する。光源103aの光量が変動した場合には、閾値を新たに指定し、光学画像データにおいて、新たな閾値に等しい信号量の位置をパターンのエッジとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、線幅誤差取得方法、線幅誤差取得装置および検査システムに関する。
半導体素子の製造工程では、ステッパまたはスキャナと呼ばれる縮小投影露光装置により、回路パターンが形成された原画パターン(マスクまたはレチクルを指す。以下では、マスクと総称する。)がウェハ上に露光転写される。多大な製造コストのかかるLSIにとって、製造工程における歩留まりの向上は欠かせない。マスクパターンの欠陥は、半導体素子の歩留まりを低下させる大きな要因になるので、マスクを製造する際には欠陥を検出する検査工程が重要となる。
また、マスク面内におけるパターンの線幅(CD)を測定し、これと設計パターンの線幅とのずれ量(線幅誤差ΔCD)の分布をマップ化して、マスクの製造工程にフィードバックすることも重要である。従来法においては、パターンの光学画像と、設計データから作成される参照画像とから、画素毎に線幅の測定を行っている。例えば、ラインパターンの場合、その光学画像の輝度分布から、線幅測定の始点となる一方のエッジと、線幅測定の終点であって、これと対になる他方のエッジとを、それぞれ画素以下の精度で検出する。次いで、これらのエッジ間の距離を測定することによって線幅を求めている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−214820号公報
近年の大規模集積回路(Large Scale Integration;LSI)の高集積化および大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路寸法は狭小化の一途を辿っており、マスクに形成されるパターンにおいても微細化が進んでいる。しかしながら、パターンが微細になると線幅を正確に求めることが困難となり、線幅誤差の値が実際より大きくなることが起こり得る。また、マスクパターンの光学画像は、光源からの光をマスクに照射し、マスクを透過またはマスクで反射した光をセンサに入射させることにより撮像される。このとき、光源の光量が変動しても、線幅誤差の値は実際とは異なるようになる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、正確な線幅誤差を取得する方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、正確な線幅誤差を取得することのできる線幅誤差取得装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、正確な線幅誤差を取得する機能を備えた検査システムを提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、光源からの光を試料に形成されたパターンに照明し、試料を透過または試料で反射した光をセンサに入射させて、パターンの光学画像データを取得する工程と、
パターンの設計データから、光学画像データに対応する参照画像データを生成する工程と、
参照画像データにおいて、信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値を指定し、この閾値の信号量に対応する位置をパターンのエッジとする工程と、
光学画像データにおいて、上記の閾値に等しい信号量の位置をパターンのエッジとし、このパターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出する工程と、
光学画像データからエッジペアを用いてパターンの線幅を求め、この線幅と、光学画像データのエッジペアに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られるパターンの線幅との差である線幅誤差を取得する工程とを有し、
光源の光量が変動した場合または光学画像データのコントラストが低下した場合には、閾値を新たに指定し、光学画像データにおいて、この新たな閾値に等しい信号量の位置をパターンのエッジとすることを特徴とする線幅誤差取得方法に関する。
本発明の第1の態様においては、光源の光量の変動量と閾値の最適値との関係、および、コントラストの低下量と閾値の最適値との関係の少なくとも一方を実験によって求め、これらの関係の少なくとも1つにしたがって新たな閾値を指定することが好ましい。
本発明の第2の態様は、光源からの光を試料に形成されたパターンに照明し、試料を透過または試料で反射した光をセンサに入射させて、パターンの光学画像データを取得する工程と、
パターンの設計データから、光学画像データに対応する参照画像データを生成する工程と、
参照画像データにおいて、信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値を指定し、この閾値の信号量に対応する位置をパターンのエッジとする工程と、
光学画像データにおいて、上記の閾値に等しい信号量の位置をパターンのエッジとし、このパターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出する工程と、
光学画像データからエッジペアを用いて前記パターンの線幅を求める工程と、
パターンの線幅のいずれかを含む線幅範囲を指定する工程と、
上記の線幅範囲に含まれる線幅を有するパターンを抽出し、このパターンの線幅と、このパターンの光学画像データに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られるパターンの線幅との差である線幅誤差を取得する工程とを有し、
光源の光量が変動した場合または光学画像データのコントラストが低下した場合には、線幅範囲を新たに指定し、光学画像データにおいて、この新たな線幅範囲に含まれる線幅を有するパターンを抽出することを特徴とする線幅誤差取得方法に関する。
本発明の第2の態様においては、光源の光量の変動量と線幅範囲の最適値との関係、および、コントラストの低下量と線幅範囲の最適値との関係の少なくとも一方を実験によって求め、これらの関係の少なくとも1つにしたがって新たな線幅範囲を指定することが好ましい。
本発明の第3の態様は、X軸方向およびY軸方向に移動可能なテーブルと、
テーブルの位置座標を測定する位置測定部と、
光源からの光をテーブルに載置された試料に照明する照明光学系と、
試料を透過または試料で反射した光をセンサに入射させて、試料に形成されたパターンの光学画像データを取得する撮像部と、
パターンの設計データから作成された参照画像データと、参照画像データに対応する光学画像データにおいて、参照画像データの信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値に等しい光学画像データの信号量の位置をパターンのエッジとし、このパターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出し、このエッジペアを用いて光学画像データのパターンの線幅を求め、この線幅と、上記のエッジペアに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られるパターンの線幅との差である線幅誤差を取得する線幅誤差取得部と、
光源の光量の変動を検知する光量センサとを有し、
線幅誤差取得部は、光量センサが光源の光量の変動を検知すると、閾値を新たに指定し、光学画像データにおいて、この新たな閾値に等しい信号量の位置をパターンのエッジとすることを特徴とする線幅誤差取得装置に関する。
本発明の第3の態様の線幅誤差取得装置は、位置測定部から出力されたテーブルの位置座標の情報を用いて、線幅誤差を試料上の位置座標と対応させた線幅誤差マップを作成するマップ作成部を有することが好ましい。
本発明の第4の態様は、X軸方向およびY軸方向に移動可能なテーブルと、
テーブルの位置座標を測定する位置測定部と、
光源からの光でテーブルに載置された試料を照明する照明光学系と、
試料を透過または試料で反射した光をセンサに入射させて、試料に形成されたパターンの光学画像データを取得する撮像部と、
パターンの設計データから光学画像データに対応する参照画像データを作成する参照画像データ生成部と、
パターンの光学画像データと参照画像データを比較して、これらの差分値が所定の閾値を超える場合に欠陥と判定する比較部と、
参照画像データの信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値に等しい光学画像データの信号量の位置をパターンのエッジとし、このパターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出し、このエッジペアを用いて光学画像データのパターンの線幅を求め、この線幅と、光学画像データに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られるパターンの線幅との差である線幅誤差を取得する線幅誤差取得部と、
光源の光量の変動を検知する光量センサとを有し、
線幅誤差取得部は、光量センサが光源の光量の変動を検知すると、閾値を新たに指定し、光学画像データにおいて、この新たな閾値に等しい信号量の位置をパターンのエッジとすることを特徴とする検査システムに関する。
本発明の第1の態様の線幅誤差取得方法によれば、正確な線幅誤差を取得することが可能となる。
本発明の第2の態様の線幅誤差取得方法によれば、正確な線幅誤差を取得することが可能となる。
本発明の第3の態様によれば、正確な線幅誤差を取得することのできる線幅誤差取得装置が提供される。
本発明の第4の態様によれば、正確な線幅誤差を取得する機能を備えた検査システムが提供される。
実施の形態1における線幅誤差取得装置の概略構成図である。 実施の形態1の線幅誤差取得方法を示すフローチャートの一例である。 マスクの被検査領域と、ストライプおよびフレームとの関係を説明する図である。 図1の線幅誤差取得装置におけるデータや指示の流れを示す図である。 実施の形態1の線幅誤差取得装置におけるデータや指示の流れを示す他の例である。 図1のフォトダイオードアレイに入射する光の強度の一例である。 光学画像データについて、パターンの線幅の設計値とコントラストとの関係を示す一例である。 図1のフォトダイオードアレイに入射する光の強度を示す他の例である。 測定パターンの一例となるライン・アンド・スペースパターンの一部平面図である。 測定パターンの他の例となるライン・アンド・スペースパターンの一部平面図である。 マスクに形成されたパターンの一部平面図である。 実施の形態2における線幅誤差取得装置の概略構成図である。 実施の形態2の線幅誤差取得方法を示すフローチャートの一例である。 実施の形態3の検査システムの構成図である。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における線幅誤差取得装置100の概略構成図である。線幅誤差取得装置100は、被検査対象の光学画像を取得し、この光学画像を用いて被検査対象の線幅誤差(ΔCD)を求めて線幅誤差マップ(ΔCDマップ)を作成する。線幅誤差取得装置100の主たる構成部は、次の通りである。
線幅誤差取得装置100は、水平方向(X方向、Y方向)および回転方向(θ軸方向)に駆動可能なテーブル101と、テーブル101の位置を測定するレーザ測長システム102と、テーブル101上に載置されたマスクMaを照明する照明光学系103と、マスクMaの光学画像データを生成する撮像部104と、照明光学系103における光源103aの光量を検知する光量センサ140とを有する。マスクMaは、例えば、透明なガラス基板などの基材の主面に、線幅測定の対象となるパターン(以下では単に測定パターンと称することがある。)が形成されたものである。
テーブル101は、テーブル制御部114によって制御されるX軸モータM1、Y軸モータM2、およびθ軸モータM3によって駆動される。
レーザ測長システム102は、本発明の位置測定部を構成する。詳細な図示は省略するが、レーザ測長システム102は、ヘテロダイン干渉計などのレーザ干渉計を有する。このレーザ干渉計は、テーブル101に設けられたX軸用とY軸用の各ミラーとの間でレーザ光を照射および受光することによって、テーブル101の位置座標を測定する。この測定データは、位置情報部113へ送られる。尚、テーブル101の位置座標を測定する方法は、レーザ干渉計を用いるものに限られず、磁気式や光学式のリニアエンコーダを用いるものであってもよい。
照明光学系103は、光源103aと、拡大光学系103bとを有しており、照明光学系103から所定のビームがマスクMaに照射される。尚、拡大光学系103bは、光源103aから出射した照明光のビームを、必要に応じて、マスクMaに対し透過照明する光路と反射照明する光路に分割する手段や、円偏光や直線偏光などに変える手段、点光源や輪帯などの光源形状に変える手段などを備える。
撮像部104は、マスクMaを通過または反射した照明光を集束させてマスクMaのパターンの光学像を結像させる集束レンズ104aと、この光学像を光電変換するフォトダイオードアレイ104bと、フォトダイオードアレイ104bから出力されるアナログ信号を光学画像データとしてのデジタル信号に変換して出力するセンサ回路104cとを有する。撮像部104には、例えば、TDI(Time Delay Integration)センサを用いることができる。尚、撮像部104は、図示しない自動焦点機構によって自動的に焦点調整がなされるように構成されていてもよい。
また、線幅誤差取得装置100は、線幅誤差取得装置100の全体の制御を司る全体制御部110と、データ伝送路となるバス111と、バス111を介して全体制御部110に接続された閾値決定部125、線幅誤差取得部126、マップ作成部127、および記憶装置の一例となる磁気ディスク装置119とを有する。尚、前述の位置情報部113とテーブル制御部114も、バス111を介して全体制御部110に接続されている。
次に、図1の線幅誤差取得装置100を用いて、マスクMaのパターンの線幅誤差を取得する方法の一例を述べる。
図2は、本実施の形態の線幅誤差取得方法を示すフローチャートの一例である。この図に示すように、本実施の形態による線幅誤差取得方法は、光学画像データ取得工程S1、参照画像データ生成工程S2、閾値決定工程S3、エッジペア検出工程S4、線幅誤差(ΔCD)取得工程S5、ΔCDマップ作成工程S6を有する。これらの工程について、図1を用いて説明する。
<光学画像データ取得工程S1>
図2の光学画像データ取得工程S1では、マスクMaのパターンの光学画像を取得し、次いで、この光学画像をデジタル変換して光学画像データを得る。
まず、テーブル101上にマスクMaが載置される。このとき、マスクMaは、真空チャックなどの手段でテーブル101に固定される。
マスクMaがテーブル101に載置されると、マスクMaに形成されたパターンに照明光学系103から光が照射される。具体的には、光源103aから照射される光束が、拡大光学系103bを介してマスクMaに照射される。そして、マスクMaを透過または反射した照明光が集束されて、マスクMaのパターンの光学画像が得られる。
正確に線幅測定をするためには、測定対象であるマスクMaのパターンがテーブル101上で所定の位置に位置合わせされている必要がある。そこで、例えば、マスクMaに位置合わせ用のアライメントマークを形成し、このアライメントマークを実際に撮像部104で撮影して、テーブル101上でマスクMaのパターンを位置合わせする。
尚、マスクMaには、アライメントマークがなくてもよい。その場合は、マスクMaのパターンのうちで、できるだけマスクMaの外周に近くてXY座標が同一であるコーナーの頂点やエッジパターンの辺を使って、位置合わせを行うことができる。テーブル101は、水平方向に移動するXYテーブルと、このXYテーブル上に配置されて回転方向に移動するθテーブルとによって構成され、位置合わせ工程は、具体的には、マスクMaをテーブル101上に載置した状態で、測定パターンのX軸およびY軸と、XYテーブルの走行軸とを合わせる工程になる。
マスクMaの線幅測定領域(測定パターンが形成された領域)は、図3の概念図に示されているように、短冊状の複数の領域(St1〜St4)に仮想的に分割される。尚、この短冊状の領域はストライプと称される。各ストライプは、例えば、幅が数百μmであって、長さが被検査領域のX方向の全長に対応する100mm程度の領域とすることができる。
さらに、各ストライプには、格子状に分割された複数の被撮像単位F(以下、個々の被撮像単位を「フレーム」と表記する。)が仮想的に設定される。個々のフレームのサイズは、ストライプの幅、または、ストライプの幅を4分割した程度の正方形とするのが適当である。
マスクMaの光学画像は、ストライプ毎に撮像される。すなわち、図3の例で光学画像を撮像する際には、各ストライプSt1,St2,St3,St4が連続的に走査されるように、テーブル101の動作が制御される。具体的には、まず、テーブル101が図3の−X方向に移動しながら、ストライプSt1の光学画像がX方向に順に撮像されていく。そして、図1のフォトダイオードアレイ104bに光学画像が連続的に入力される。ストライプSt1の光学画像の撮像を終えると、ストライプSt2の光学画像が撮像される。このとき、テーブル101は、−Y方向にステップ移動した後、ストライプSt1における光学画像の取得時の方向(−X方向)とは逆方向(X方向)に移動していく。撮像されたストライプSt2の光学画像も、フォトダイオードアレイ104bに連続的に入力される。ストライプSt3の光学画像を取得する場合には、テーブル101が−Y方向にステップ移動した後、ストライプSt2の光学画像を取得する方向(X方向)とは逆方向、すなわち、ストライプSt1の光学画像を取得した方向(−X方向)に、テーブル101が移動する。同様にしてストライプSt4の光学画像も撮像される。
マスクMaを通過した光は、撮像部104によって、マスクMaのパターンの光学像として結像した後、A/D(アナログデジタル)変換され、光学画像データとして線幅誤差取得部126へ出力される。具体的には、フォトダイオードアレイ104bがマスクMaの光学像を撮像し、得られた光学画像に対応するアナログ信号をセンサ回路104cに順次出力する。センサ回路104cは、フォトダイオードアレイ104bが出力した各アナログ信号をそれぞれ光学画像データであるデジタル信号に変換して出力する。
尚、光学画像データは、センサ回路104cに設けられて画素毎にオフセット・ゲイン調整可能なデジタルアンプ(図示せず)に入力される。デジタルアンプの各画素用のゲインは、キャリブレーションによって決定される。例えば、透過光用のキャリブレーションでは、撮像部104が撮像する面積に対して十分に広いマスクMaの遮光領域を撮影中に黒レベルを決定する。次いで、撮像部104が撮像する面積に対して十分に広いマスクMaの透過光領域を撮影中に白レベルを決定する。このとき、検査中の光量変動を見越して、例えば、白レベルと黒レベルの振幅が8ビット階調データの約4%から約94%に相当する10〜240に分布するよう、画素毎にオフセットとゲインを調整する。
<参照画像データ生成工程S2>
図2の参照画像データ生成工程S2では、マスクMaの設計パターンデータを基に参照画像データが生成される。尚、参照画像データは、ダイ−トゥ−データベース比較方式による検査において、光学画像データと比較して欠陥判定するための基準となるものである。
図4は、参照画像データの生成工程S2を説明するための概念図である。
図4に示される参照画像データ生成部116は、線幅誤差取得装置100の外部装置である。参照画像データ生成部116は、展開回路116aと参照回路116bを有している。展開回路116aに設計パターンデータが入力されると、展開回路116aは、この設計パターンデータを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。次いで、イメージデータは、展開回路116aから参照回路116bに送られる。参照回路116bでは、イメージデータに適切なフィルタ処理が施される。その理由は、次の通りである。
一般に、マスクのパターンは、その製造工程でコーナーの丸まりや線幅の仕上がり寸法などが加減されており、設計パターンと完全には一致しない。また、例えば、図1の撮像部104で得られた光学画像データは、拡大光学系103bの解像特性やフォトダイオードアレイ104bのアパーチャ効果などによってぼやけた状態、言い換えれば、空間的なローパスフィルタが作用した状態にある。
そこで、マスクMaの設計パターンデータや光学画像データを基に、マスクMaの製造プロセスや線幅誤差取得装置100の光学系による変化を模擬した参照画像生成関数を決定する。そして、この参照画像生成関数を用いて、設計パターンデータに2次元のデジタルフィルタをかける。このようにして、参照画像データに対して光学画像データに似せる処理を行う。図4においては、参照回路116bにおいて、展開回路116aから出力されたイメージデータに参照画像生成関数を用いたフィルタ処理が施され、参照画像データが生成される。
参照画像データ生成部116で生成された参照画像データは、線幅誤差取得装置100の磁気ディスク装置119に入力される。
尚、本実施の形態では、図5に示すように、線幅誤差取得装置100が参照画像データ生成部116を有していてもよい。その場合、例えば、マスクMaの設計パターンデータは、線幅誤差取得装置100の磁気ディスク装置119に格納される。この設計パターンデータは、磁気ディスク装置119から読み出されて参照画像データ生成部116に送られる。参照画像データ生成部116での参照画像データの生成方法は、図4を用いて説明した通りである。
<閾値決定工程S3>
マスクMaに形成されたパターンの線幅(CD)を測定する際は、測定の基準位置となるパターンのエッジ位置を決める必要がある。本実施の形態では、公知の閾値法によってエッジ位置を定める。例えば、まず、参照画像データの黒レベルの信号量(輝度)と白レベルの信号量(輝度)との間で任意の値(閾値)を指定する。閾値は、信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する値である。そして、参照画像データにおいて、閾値の信号量に対応する位置をエッジ位置とする。また、光学画像データにおいても、この閾値と一致する信号量の位置をエッジ位置とする。かかる閾値は、図2の閾値決定工程S3で決定される。例えば、ライン・アンド・スペースパターンでの場合、閾値は、ラインパターンとスペースパターンの境界になる。
図6に、図1のフォトダイオードアレイ104bに入射される光の強度の一例を示す。図6の横軸はフォトダイオードアレイ104b上におけるX方向の位置であり、縦軸は光の強度である。また、この図において、細線のカーブは、参照画像データを示している。参照画像データは、光学画像データの手本となるものであるので、本来は、光学画像データも参照画像データと同様のカーブを描くはずであるが、例えば、図1の光源103aの光量が増大すると、光学画像データの信号量は、図6の太線のカーブのようになる。
パターンのエッジ位置を決定する閾値Th1は、例えば、図6に示す細線の参照画像データから、式(1)によって決定される。
Figure 2016156746
閾値Th1が決定されると、パターンのエッジ位置が定まるので、パターンの線幅Wrefが分かる。線幅Wrefは、パターンの線幅の設計値にあたる。この値と、実際のパターンに対応する光学画像データの線幅との差を求めることにより、線幅誤差(ΔCD)が得られる。尚、光学画像データにおいて、閾値Th1に等しい信号量(強度)の位置がパターンのエッジになる。
ここで、マスクMa上のパターンに設計値通りのパターンが形成されている場合、参照画像データと光学画像データとが一致し、光学画像データの線幅は、線幅Wrefに等しくなるはずである。しかし、図1の光源103aの光量が増大した場合、光学画像データの信号量は、図6の太線のカーブのようになるので、閾値Th1を用いて光学画像データにおけるパターンのエッジ位置を定めると、線幅Woptが得られ、線幅Wrefとの間に線幅誤差ΔCD(Wopt−Wref)が生じる。つまり、本来は、光学画像データから求められるパターンの線幅がWrefと一致して、線幅誤差ΔCDはゼロになるものが、(Wopt−Wref)の線幅に誤差が生じることになってしまい、誤った線幅の誤差が計測されてしまう。
そこで、本実施の形態では、光源の光量変化に合わせて閾値を変える。図6の例であれば、太線の光学画像データから、新たな閾値を式(1)と同様の方法である式(2)によって決定する。そして、閾値Th2に等しい信号量(強度)の位置をパターンのエッジとする。
Figure 2016156746
尚、新たな閾値は、式(2)以外によっても求めることができる。例えば、閾値を変えて線幅を測定する実験を行い、光学画像データにおけるパターンの線幅がWrefに一致するような閾値を求め、これを新たな閾値として指定してもよい。
次いで、閾値Th2を用いて、光学画像データにおけるパターンのエッジ位置を新たに定める。これにより、新たな線幅Wopt’が得られる。この線幅Wopt’を用いて、参照画像データから得られる線幅Wrefとの差分を算出することで、正確な線幅誤差を得ることができるようになる。
図1の線幅誤差取得装置100では、例えば、磁気ディスク装置119に入力された参照画像データを全体制御部110が読み出して閾値決定部125へ送る。閾値決定部125は、参照画像データから、例えば式(1)を用いて閾値を決定する。そして、測定パターンの光学画像データを取得していくうちに、光源103aの光量に変動が生じると、その変動は光量センサ140を通じて検知される。具体的には、光量センサ140によって検知された光源103aの光量データが閾値決定部125へ送られる。閾値決定部125は、光量センサ140から送られたデータから光量の変動を検知すると、磁気ディスク装置119に格納された光量変動と閾値との関係を用いて、新たな閾値を指定する。一方、光量変動がなければ、閾値を新たに指定する必要はなく、最新の閾値が維持される。
尚、光量変動と閾値との関係は、実験によって予め求めておくことができる。例えば、図6で述べた光学画像データが取得されたときの光量とこのときの最適閾値Th2のように、光源の光量変動によって変化した光学画像データについて、光量の変動量毎に最適な閾値が実験により求められて磁気ディスク装置119に格納される。
図7は、光学画像データについて、パターンの線幅の設計値と、最も明るいところと最も暗いところとの輝度の差(コントラスト)との関係を示す一例である。この図から分かるように、線幅が微細になるにしたがって、コントラストが低下する。具体的には、光学画像データにおける白レベルが低下する。このことを図8に示す例を用いて説明する。
図8は、図1のフォトダイオードアレイ104bに入射される光の強度を示す他の例である。この図において、細線のカーブは、参照画像データを示している。既に述べたように、参照画像データは、光学画像データの手本となるものであるので、光学画像データも参照画像データと同様のカーブを描くはずであるが、図7で述べたように、パターンの線幅が細くなるとコントラストは低下する。すなわち、本来は、線幅にかかわらず一定のコントラストであるべきパターンが、線幅の微細化とともにコントラストが低下するようになる。ここで、コントラストの低下は主として白レベルの低下によるものである。このため、図8における測定パターンが微細であると、光学画像データにおける白レベルは参照画像データのものより低下して、信号量のグラフは、例えば、図8における点線のカーブのようになる。
前述したように、パターンのエッジ位置を決定する閾値Th1は、例えば、図8に示す細線の参照画像データから、式(1)によって決定される。
Figure 2016156746
閾値Th1が決定されると、パターンのエッジ位置が定まるので、パターンの線幅Wrefが分かる。線幅Wrefは、パターンの線幅の設計値にあたるので、測定パターンが設計値通りのものであれば、光学画像データは参照画像データに一致し、光学画像データの線幅は、線幅Wrefに等しくなるはずである。しかし、微細なパターンでは、コントラストが低下して、光学画像データの信号量は、図8の点線のカーブのようになる。このため、閾値Th1を用いて光学画像データにおけるパターンのエッジ位置を定めると、線幅Woptとなって、線幅Wrefとの間に線幅誤差ΔCD(Wopt−Wref)が生じる。つまり、本来は、光学画像データから求められるパターンの線幅がWrefと一致して、線幅誤差ΔCDはゼロになるものが、(Wopt−Wref)の線幅に誤差が生じることになってしまい、誤った線幅の誤差が計測されてしまう。
そこで、この場合にも、コントラストの低下に合わせて閾値を変える。図8の例であれば、点線の光学画像データから、新たな閾値Th3を式(1)と同様の方法である式(3)によって決定する。そして、閾値Th3に等しい信号量(強度)の位置をパターンのエッジとする。
Figure 2016156746
尚、新たな閾値は、式(3)以外によっても求めることができる。例えば、閾値を変えて線幅を測定する実験を行い、光学画像データにおけるパターンの線幅がWrefに一致するような閾値を求め、これを新たな閾値として指定してもよい。
次いで、閾値Th3を用いて、光学画像データにおけるパターンのエッジ位置を新たに定める。これにより、新たな線幅Wopt’’が得られる。この線幅Wopt’’を用いて、参照画像データから得られる線幅Wrefとの差分を算出することで、正確な線幅を得ることができるようになる。
図1の線幅誤差取得装置100では、例えば、閾値決定部125において、図8のような光学画像データと参照画像データとの信号量の関係を示すグラフを作成する。一方、磁気ディスク装置119には、図7に示すような光学画像データのグラフ、すなわち、パターンの線幅の設計値とコントラストとの関係を示すグラフが格納されている。また、磁気ディスク装置119には、予め実験によって求めた、コントラストと閾値の関係も格納されている。例えば、図8で述べた光学画像データのコントラストとこの光学画像データの最適閾値Th3のように、線幅の微細化によってコントラストが低下した光学画像データについて、コントラスト毎に最適な閾値が実験により求められて磁気ディスク装置119に格納される。閾値決定部125は、光学画像データの白レベルが低下すると、磁気ディスク装置119から全体制御部110を通じて読み出された上記のグラフを参照する。そして、微細パターンであるために起きたコントラストの低下と判断すると、磁気ディスク装置119からコントラストと閾値の関係を読み出し、これを用いて、低下したコントラストに応じた新たな閾値を指定する。一方、コントラストの低下がなければ、閾値を新たに指定する必要はなく、最新の閾値が維持される。
<エッジペア検出工程S4>
図2のエッジペア検出工程S4では、光学画像データ取得工程S1で得られた光学画像データと、参照画像データ生成工程S2で得られた参照画像データとを用いて、線幅(CD)の測定の基準となるエッジペアを検出する。具体的には、閾値決定工程S3で得られた最新の閾値を用いて、光学画像データにおけるパターンのエッジの位置を定める。そして、参照画像データにおけるパターンのエッジの位置とペアになる光学画像データのエッジの位置を検出する。検出されたエッジのうち、線幅測定の始点となるエッジと、同じ線幅測定の終点となるエッジとで、エッジペアが構成される。エッジペアは、例えば、画素単位で検出される。例えば、Y方向に2つのエッジが延びるラインパターンの場合、両エッジ上に画素単位でエッジペアが検出される。また、X方向に2つのエッジが延びるラインパターンの場合にも、両エッジ上に画素単位でエッジペアが検出される。
エッジペア検出工程S4は、図1の線幅誤差取得部126で行われる。線幅誤差取得部126へは、位置情報部113から、レーザ測長システム102によって測定されたテーブル101の位置座標の測定値が送られ、それによって、各エッジの位置座標が把握される。具体的には、次の通りである。まず、ストライプ単位で取得された光学画像データは、所定のサイズ、例えば、フレーム毎のデータに分割される。そして、光学画像データの所定領域と、この所定領域に対応する参照画像データとを比較し、パターンマッチングによってこれらの画像データの差分値の絶対値、または、差分の二乗和が最小となる位置にテーブル101を平行移動させる。このときの平行移動量と、そのフレームに記録されたレーザ測長システム102のデータとから測定パターンの位置座標が決定され、エッジの位置座標が把握できる。
<線幅誤差(ΔCD)取得工程S5>
図1の線幅誤差取得部126では、エッジペア検出工程S4に続いて、線幅誤差取得工程S5が行われる。
例えば、Y方向に2つのエッジが延びるラインパターンが、所定の間隔(スペース)をおいてX方向に配列するライン・アンド・スペースパターンを考える。線幅誤差は、ラインパターンの線幅と、スペースパターンの線幅のそれぞれについて測定される。具体的には、まず、エッジペア検出工程S4で検出されたエッジペアを用いて、各ラインパターンおよび各スペースパターンの線幅が測定される。
図9は、測定パターンの一例となるライン・アンド・スペースパターンの一部平面図である。この図において、斜線部はラインパターンを示しており、ラインパターンの間に設けられた部分はスペースパターンを示している。例えば、各ラインパターンのY方向に同じ位置において、X方向に線幅W12,W14,・・・を測定する。同様に、各スペースパターンについても、X方向に線幅W11,W13,W15,・・・を測定する。そして、−Y方向に1画素ずれた位置で、各ラインパターンのY方向に同じ位置において、X方向に線幅W22,W24,・・・を測定する。同様に、各スペースパターンについても、X方向に線幅W21,W23,W25,・・・を測定する。
図10もライン・アンド・スペースパターンの一部平面図であり、図9と同様に、斜線部はラインパターンを示しており、ラインパターンの間に設けられた部分はスペースパターンを示している。図10の例では、X方向に2つのエッジが延びるラインパターンが、所定の間隔(スペース)をおいてY方向に配列している。この場合にも、線幅誤差は、ラインパターンの線幅と、スペースパターンの線幅のそれぞれについて測定される。すなわち、エッジペア検出工程S4で検出されたエッジペアを用いて、各ラインパターンおよび各スペースパターンの線幅が測定される。
具体的には、各ラインパターンのX方向に同じ位置において、Y方向に線幅W21’,W41’,・・・を測定する。同様に、各スペースパターンについても、Y方向に線幅W11’,W31’,W51’,・・・を測定する。そして、X方向に1画素ずれた位置で、各ラインパターンのX方向に同じ位置において、Y方向に線幅W22’,W42’,・・・を測定する。同様に、各スペースパターンについても、Y方向に線幅W12’,W32’,W52’,・・・を測定する。
以上のようにして測定された各パターンの線幅を、参照画像データの対応するエッジペアを用いて得られる線幅と比較して差を求める。得られた差が、線幅誤差である。線幅誤差は、例えば、フレーム毎に求められる。図9および図10の例であれば、フレーム毎に、ラインパターンについて、X方向の線幅誤差とY方向の線幅誤差が線幅の測定値を用いて求められる。同様に、スペースパターンについても、X方向の線幅誤差とY方向の線幅誤差が線幅の測定値を用いて求められる。
<ΔCDマップ作成工程S6>
図2のΔCDマップ作成工程S6は、図1のマップ作成部127で行われる。具体的には、線幅誤差取得部126からマップ作成部127へ、線幅誤差(ΔCD)の値と、(位置情報部113から送られた)テーブル101の位置座標の測定値が送られる。マップ作成部127では、線幅誤差(ΔCD)を、マスクMa上の位置座標と対応させてプロットすることにより、ΔCDマップが作成される。
例えば、測定パターンの全体を、所定領域とその近傍にありこの所定領域と同じ大きさの複数の領域とからなる複数の単位領域に分割する。次いで、単位領域毎に、測定パターンの光学画像の所定領域とこの所定領域に対応する参照画像との差分(ΔCD)の絶対値または差分の二乗和が最小となる値を求める。また、所定領域の近傍にありこの所定領域と同じ大きさの複数の領域についても領域毎に光学画像とこの光学画像に対応する参照画像との差分(ΔCD)の絶対値または該差分の二乗和が最小となる値を求める。次に、これらの値の平均値を取得し、この平均値を単位領域毎の平均ΔCDとしてマップを作成する。尚、単位領域は、例えばフレームとすることができる。
本実施の形態によれば、光源の光量変動やパターンの微細化によって、本来の光学画像データとは異なる光学画像データが取得された場合であっても、線幅測定の基準となるエッジを定めるための閾値を、取得された光学画像データに合わせて変えるので、測定パターンの線幅を正確に測定することが可能となる。これにより、正確な線幅誤差を取得することができ、また、正確なΔCDマップが得られる。
また、本実施の形態では、光学画像データを撮像している際の光源の光量をモニタし、変動が生じた場合には直ちに新たな閾値を設定するので、光量変動によって変化した光学画像データに合わせた閾値の決定を、光学画像データの取得とともに行うことができる。すなわち、パターンの光学画像を取得しながら、リアルタイムで正確な線幅誤差を取得することが可能である。
実施の形態2.
実施の形態1では、マスクに形成された測定パターンについて、光学画像データの取得とともに線幅を測定して線幅誤差を取得する例を述べた。この場合、線幅誤差は、例えば、全てのパターンについて取得される。一方、マスク上のパターンから特定のパターンを抽出し、かかるパターンについてのみ線幅誤差を調べたい場合がある。こうしたとき、例えば、所望とする任意の線幅範囲を指定して登録する。そして、登録した範囲の値のいずれかに一致する線幅を有するパターンを抽出して、かかるパターンの線幅誤差を取得する。
図11は、マスクに形成されたパターンの一部を示す平面図である。各パターンのX方向の設計線幅は、それぞれ、パターンAでは200nm、パターンBでは80nm、パターンCでは40nmである。そして、マスク上に描画された実際のパターンの線幅は、いずれも設計値から±1nmの範囲内にあるとする。このとき、登録されたX方向の線幅が80nm±3nmであれば、線幅誤差取得の対象となるのは、パターンBのみである。パターンAとパターンCは、どちらも登録された線幅の範囲に含まれないため、線幅誤差取得の対象外になる。
ところで、実施の形態1で図6を用いて説明したように、測定パターンの光学画像を取得する工程で光源の光量が変動すると、測定パターンの線幅も変動する。
例えば、光源の光量が増大することによって、光学画像データの信号量が実施の形態1で説明した図6の太線のカーブのようになると、光学画像データから得られる線幅は太くなる。その結果、図11の各パターンについて、X方向の線幅が、例えば表1のように変化したとする。
Figure 2016156746
線幅誤差取得の対象となるのは、線幅が80nm±3nm、すなわち、77nm以上で83nm以下のパターンである。上述の通り、本来は、パターンBがその対象となるはずであるが、線幅が85nm±0.1nmであるために、線幅誤差取得の対象外になってしまう。また、実施の形態1で図7および図8を用いて説明したように、パターンが微細化するとコントラストの低下が起こる。こうした場合にも、光学画像データから得られる線幅は光量が変化する前の線幅とは異なるようになるので、上記と同様の問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、光学画像データにおいてパターンのエッジ位置を決定する閾値は変更せずに、線幅誤差取得の対象となるパターンを抽出するための線幅の範囲を変更する。上記例であれば、光源の光量の変動に伴って、線幅範囲を80nm±3nmから85nm±3nmに変更する。予め実験により定めた光量の変動に伴う線幅範囲の変更データに基づく変更である。これにより、パターンBを線幅誤差取得の対象とすることができるようになる。
図12は、本実施の形態における線幅誤差取得装置200の概略構成図である。尚、この図において、図1と同じ符号を付した部分は、図1と同じであるので説明を省略する。
また、図13は、本実施の形態の線幅誤差取得方法を示すフローチャートの一例である。本実施の形態による線幅誤差取得方法は、図12の線幅誤差取得装置200を用いて実施することができる。
図13において、光学画像データ取得工程S11、参照画像データ生成工程S12は、それぞれ、実施の形態1で説明した図2の光学画像データ取得工程S1、参照画像データ生成工程S2と同様であるので説明を省略する。
<エッジペア検出工程S13>
図13のエッジペア検出工程S13では、光学画像データ取得工程S11で得られた光学画像データと、参照画像データ生成工程S12で得られた参照画像データとを用いて、線幅(CD)の測定の基準となるエッジペアを検出する。
具体的には、まず、参照画像データから、閾値を用いてパターンのエッジの位置を定める。閾値は、参照画像データから求められる。例えば、実施の形態1の図6に示す細線の参照画像データから、閾値Th1を式(1)によって決定することができる。決定された閾値は、例えば、磁気ディスク装置119に格納される。
Figure 2016156746
次いで、参照画像データにおけるエッジの位置とペアになる光学画像データのエッジの位置を検出する。光学画像データにおいて、閾値Th1に等しい信号量(強度)の位置がパターンのエッジになる。
検出された各エッジのうち、線幅測定の始点となるエッジと、同じ線幅測定の終点となるエッジとで、エッジペアが構成される。エッジペアは、例えば画素単位で検出される。例えば、Y方向に2つのエッジが延びるラインパターンの場合、両エッジ上に画素単位でエッジペアが検出される。また、X方向に2つのエッジが延びるラインパターンの場合にも、両エッジ上に画素単位でエッジペアが検出される。
かかるエッジペア検出工程S13は、図12の線幅誤差取得部226で行われる。線幅誤差取得部226は、センサ回路104cから出力された光学画像データと、全体制御部110によって磁気ディスク装置119から読み出された参照画像データおよび閾値とから、上記のようにしてエッジペアを検出する。また、線幅誤差取得部226へは、位置情報部113から、レーザ測長システム102によって測定されたテーブル101の位置座標の測定値が送られ、それによって、各エッジの位置座標が把握される。
<線幅測定工程S14>
図12の線幅誤差取得部226では、エッジペア検出工程S13に続いて、線幅測定工程S14が行われる。この工程は、実施の形態1で図9および図10を用いて説明したものと同様であるので説明を省略する。
<線幅範囲決定工程S15>
本実施の形態では、以上のようにして測定された各パターンの線幅のうち、指定された特定の線幅を有するパターンのみを抽出して線幅誤差を取得する。そのため、線幅範囲決定工程S15において、所望とする任意の線幅範囲を指定して登録する。この工程は、図12の線幅範囲決定部225で行われる。
マスクMaのパターン(測定パターン)の光学画像データを取得していくうちに、光源103aの光量に変動が生じると、その変動は光量センサ140を通じて検知される。具体的には、光量センサ140によって検知された光源103aの光量データが線幅範囲決定部225へ送られる。線幅範囲決定部225は、光量センサ140から送られたデータから光量の変動を検知すると、磁気ディスク装置119に格納された光量変動と線幅範囲との関係を用いて、新たな線幅範囲を決定する。一方、光量変動がなければ、新たな線幅範囲を決定する必要はなく、最新の線幅範囲が維持される。
上記の光量変動と線幅範囲との関係は、実験によって予め求めておくことができる。例えば、表1において、光量変動後の光学画像データが取得されたときの光量と、このときの最適線幅範囲(85nm±3nm)のように、光源の光量変動によって変化した光学画像データについて、光量の変動量毎に最適な線幅範囲が実験により求められて磁気ディスク装置119に格納される。
また、実施の形態1で図7および図8を用いて説明したように、パターンの微細化によって起こるコントラストの低下に起因して、光学画像データから得られる線幅が光量変動に基づく線幅とは異なるようになった場合にも、線幅範囲決定部225で新たな線幅範囲を設定することで、パターンの抽出が正確に行えるようになる。
例えば、図12の線幅誤差取得装置200では、線幅範囲決定部225において、図8のような光学画像データと参照画像データとの信号量の関係を示すグラフを作成する。一方、磁気ディスク装置119には、図7に示すような光学画像データのグラフ、すなわち、パターンの線幅の設計値とコントラストとの関係を示すグラフが格納されている。また、磁気ディスク装置119には、予め実験によって求めた、コントラストと線幅範囲の関係も格納されている。例えば、表1において、光量変動後の光学画像データのコントラストとこの光学画像データの最適範囲(85nm±3nm)のように、線幅の微細化によってコントラストが低下した光学画像データについて、コントラスト毎に最適な線幅範囲が実験により求められて磁気ディスク装置119に格納される。線幅範囲決定部225は、光学画像データの白レベルが低下すると、磁気ディスク装置119から全体制御部110を通じて読み出された上記のグラフを参照する。そして、微細パターンであるために起きたコントラストの低下と判断すると、磁気ディスク装置119からコントラストと線幅範囲の関係を読み出し、これを用いて、低下したコントラストに応じた新たな線幅範囲を決定する。一方、コントラストの低下がなければ、新たな線幅範囲を決定する必要はなく、最新の線幅範囲が維持される。
<線幅誤差(ΔCD)取得工程S16>
次に、線幅誤差取得部226において、線幅範囲決定部225に登録された線幅範囲に含まれる線幅を有するパターンが抽出される。そして、抽出されたパターンの線幅と、かかるパターンの参照画像データの対応するエッジペアを用いて得られる線幅との差が求められる。得られた差が、線幅誤差である。線幅誤差は、例えばフレーム毎に求められる。
線幅範囲決定部225で新たな線幅範囲が決定されると、線幅誤差取得部226にこの新たな線幅誤差範囲に関する情報が送られる。すると、線幅誤差取得部226は、新たな線幅範囲にしたがってパターンを抽出し、抽出されたパターンについて線幅誤差を取得する。一方、光量変動がなければ、最新の線幅範囲にしたがってパターンが抽出されて線幅誤差が取得される。
<ΔCDマップ作成工程S17>
図13のΔCDマップ作成工程S17は、図12のマップ作成部127で行われる。具体的には、線幅誤差取得部226からマップ作成部127へ、線幅誤差(ΔCD)の値と、(位置情報部113から送られた)テーブル101の位置座標の測定値が送られる。マップ作成部127では、線幅誤差(ΔCD)を、マスクMa上で抽出されたパターンの位置座標と対応させてプロットすることにより、ΔCDマップが作成される。
以上述べたように、本実施の形態によれば、光源の光量変動やパターンの微細化によって、本来の光学画像データとは異なる光学画像データが取得された場合であっても、特定のパターンを抽出するための基準となる線幅範囲を、取得された光学画像データに合わせて変えるので、所望とするパターンを正確に抽出することが可能となる。これにより、正確な線幅誤差を取得することができ、また、正確なΔCDマップが得られる。
また、本実施の形態では、光学画像データを撮像している際の光源の光量をモニタし、変動が生じた場合には直ちに新たな線幅範囲を設定するので、光量変動によって変化した光学画像データに合わせた線幅範囲の決定を、光学画像データの取得とともに行うことができる。すなわち、パターンの光学画像を取得しながら、リアルタイムで正確な線幅誤差を取得することが可能である。
実施の形態3.
図14は、本実施の形態の検査システム300の構成図である。この検査システムは、図1に示す実施の形態1の線幅誤差取得装置100と同様の構成を有する。尚、線幅誤差取得装置100に代えて、図12に示す実施の形態2の線幅誤差取得装置200と同様の構成を有していてもよい。
また、検査システム300は、線幅誤差取得装置100と共通する部分に加えて、被検査パターンの光学画像を基に、ダイ−トゥ−データベース比較方式による検査に必要な処理を行う部分として、参照画像データ生成部128と比較部108を有する。さらに、検査システム300は、補助記憶装置の一例となる磁気テープ装置120、補助記憶装置の他の例となるフレキシブルディスク装置121、表示装置の一例となるモニタディスプレイ122、表示装置の他の例となるITVカメラによる顕微鏡パターンモニタ123、およびプリンタ124を有する。
被検査対象となるマスクMaの光学画像データは、実施の形態1における線幅誤差取得装置100の場合と同様であるので説明を省略する。
光学画像データに対応する参照画像データは、参照画像データ生成部128で生成される。ここで、参照画像データ生成部128は、展開回路128aと参照回路128bを有している。
例えば、磁気ディスク装置119に格納された設計パターンデータを全体制御部110が読み出して参照画像データ生成部128に送る。すると、展開回路128aにおいて、設計パターンデータが2値ないしは多値のイメージデータに変換される。次いで、イメージデータは、展開回路128aから参照回路128bへ送られる。参照回路128bでは、イメージデータに参照画像生成関数を用いたフィルタ処理が施され、参照画像データが生成される。
検査システム300では、上記の光学画像データと参照画像データとを用いて、比較部108でマスクMaのパターンの欠陥検出検査が行われる。また、線幅誤差取得装置100と共通する部分である、線幅誤差取得部126でマスクMaの線幅誤差(ΔCD)が取得され、さらに、マップ作成部127でΔCDマップが作成される。線幅誤差の取得方法およびΔCDマップの作成方法は、実施の形態1と同様である。
比較部108では、撮像部104から出力された光学画像データが、所定のサイズ、例えばフレーム毎のデータに分割される。また、参照画像データ生成部128から出力された参照画像データも、光学画像データに対応するフレーム毎のデータに分割される。尚、以下では、フレーム毎に分割された光学画像データの各々を「光学フレームデータ」と称し、フレーム毎に分割された参照画像データの各々を「参照フレームデータ」と称する。
下記で詳述するように、比較部108では、光学フレームデータと参照フレームデータとが比較されることによって、光学フレームデータの欠陥が検出される。また、位置情報部113より送られた、レーザ測長システム102による測定データを用いて、欠陥の位置座標データが作成される。
比較部108には、数十個の比較ユニットが装備されている。これにより、複数の光学フレームデータが、それぞれ対応する参照フレームデータと並列して同時に処理される。そして、各比較ユニットは、1つの光学フレームデータの処理が終わると、未処理の光学フレームデータと、これに対応する参照フレームデータを取り込む。このようにして、多数の光学フレームデータが順次処理されて欠陥が検出されていく。
比較ユニットでの処理は、具体的には次のようにして行われる。
まず、光学フレームデータと、この光学フレームデータに対応する参照フレームデータとがセットになって、各比較ユニットへ出力される。そして、比較ユニットにおいて、光学フレームデータと参照フレームデータとの位置合わせ(フレームアライメント)が行われる。このとき、パターンのエッジ位置や、輝度のピーク位置が揃うように、(フォトダイオードアレイ104bの)画素単位で平行シフトさせる他、近隣の画素の輝度値を比例配分するなどして、画素未満の合わせ込みも行う。
光学フレームデータと参照フレームデータとの位置合わせを終えた後は、適切な比較アルゴリズムにしたがった欠陥検出が行われる。例えば、光学フレームデータと参照フレームデータとの画素毎のレベル差の評価や、パターンエッジ方向の画素の微分値同士の比較などが行われる。そして、光学画像データと参照画像データの差異が所定の閾値を超えると、その箇所が欠陥と判定される。
例えば、線幅欠陥として登録される場合の閾値は、光学画像データと参照画像データとの線幅(CD:Critical Dimension)の寸法差(nm)および寸法比率(%)単位で指定される。例えば、線幅の寸法差が16nm、寸法比率が8%というように2通りの閾値が指定される。光学画像データのパターンが200nmの線幅を有するとき、参照画像データとの寸法差が20nmであれば、寸法差の閾値と寸法比率の閾値のいずれよりも大きいため、このパターンには欠陥があると判定される。
尚、欠陥判定の閾値は、線幅が参照画像データよりも太い場合と細い場合とについて、それぞれ別々に指定することも可能である。また、線幅でなく、線間のスペース幅(パターン間の距離)が、参照画像データよりも太い場合と細い場合とについて、それぞれ閾値を指定してもよい。さらに、ホール形状のパターンに対しては、ホールの直径の寸法や直径の寸法比率の閾値を指定することができる。この場合、閾値は、ホールのX方向の断面とY方向の断面のそれぞれについて指定され得る。
欠陥検出に用いられるアルゴリズムは、上記の他にも、例えば、レベル比較法や微分比較法などがある。レベル比較法では、例えば、光学フレームデータにおける画素単位の輝度値、すなわちフォトダイオードアレイ104bの画素に対応する領域の輝度値が算出される。そして、算出された輝度値と参照フレームデータでの輝度値とが比較されることによって、欠陥が検出される。また、微分比較法では、光学フレームデータ上での微細パターンのエッジに沿った方向、例えば、ラインパターンのエッジに沿った方向における画素単位の輝度値の変化量が微分によって求められる。この変化量と参照フレームデータでの輝度値の変化量とが比較されることによって、欠陥が検出される。
比較部108で光学フレームデータに欠陥があると判定されると、その光学フレームデータ、欠陥の位置座標データ、比較された参照フレームデータなどの欠陥の情報が、磁気ディスク装置119に登録される。
尚、比較部108は、光学フレームデータとこれに対応する参照フレームデータとのセット毎であって且つ比較アルゴリズム毎に、フレームデータの位置合わせ、欠陥検出、および欠陥検出数の集計という一連の比較判定動作を、フレームデータの位置合わせの条件を変えて複数回行い、欠陥検出数が最も少なかった比較判定動作での欠陥検出結果を欠陥登録部に登録することができる。
以上のようにして、比較部108に光学画像データと参照画像データが順次取り込まれ、比較処理されることによって、光学画像データにおける欠陥検出が行われていく。
本実施の形態の検査システム300によれば、マスクMaに形成されたパターンの欠陥検出と、線幅誤差の取得およびΔCDマップの作成とを併行して行うことが可能である。特に、線幅誤差の取得においては、光源の光量変動やパターンの微細化によって、本来の光学画像データとは異なる光学画像データが取得された場合であっても、線幅測定の基準となるエッジを定めるための閾値を、取得された光学画像データに合わせて変えるので、被検査パターンの線幅を正確に測定することが可能となる。これにより、正確な線幅誤差を取得することができ、また、正確なΔCDマップが得られる。また、本実施の形態では、光学画像データを撮像している際の光源の光量をモニタし、変動が生じた場合には直ちに新たな閾値を設定するので、光量変動によって変化した光学画像データに合わせた閾値の決定を、光学画像データの取得とともに行うことができる。すなわち、パターンの光学画像を取得しながら、リアルタイムで正確な線幅誤差を取得することが可能である。
以上、本発明の線幅誤差取得装置、線幅誤差取得方法および検査システムの各実施の形態について説明したが、本発明は実施の形態で説明した線幅誤差取得装置、線幅誤差取得方法および検査システムに限定されるものではない。本発明については種々の変更、改良、組合せ等が可能である。本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての線幅誤差取得装置、線幅誤差取得方法および検査システムは、本発明の範囲に包含される。
また、本願で図示された線幅誤差取得装置および検査システムについては、実施の形態で必要な構成部が記載されており、これら以外にも線幅誤差や検査に必要な他の公知の構成部が含まれていてもよい。さらに、本願において、「〜部」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができるが、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せやファームウェアとの組合せによって実施されるものであってもよい。プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置などの記録装置に記録される。例えば、図1のテーブル制御部114は、電気的回路で構成されてもよく、全体制御部110によって処理することのできるソフトウェアとして実現されてもよい。また、電気的回路とソフトウェアの組合せによって実現されてもよい。
100,200 線幅誤差取得装置
101 テーブル
102 レーザ測長システム
103 照明光学系
104 撮像部
108 比較部
110 全体制御部
113 位置情報部
114 テーブル制御部
116,128 参照画像データ生成部
116a,128a 展開回路
116b,128b 参照回路
119 磁気ディスク装置
125 閾値決定部
126,226 線幅誤差取得部
127 マップ作成部
140 光量センサ
225 線幅範囲決定部
Ma マスク
St ストライプ
F フレーム

Claims (7)

  1. 光源からの光を試料に形成されたパターンに照明し、前記試料を透過または前記試料で反射した光をセンサに入射させて、前記パターンの光学画像データを取得する工程と、
    前記パターンの設計データから、前記光学画像データに対応する参照画像データを生成する工程と、
    前記参照画像データにおいて、信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値を指定し、前記閾値の信号量に対応する位置を前記パターンのエッジとする工程と、
    前記光学画像データにおいて、前記閾値に等しい信号量の位置を前記パターンのエッジとし、該パターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出する工程と、
    前記光学画像データから前記エッジペアを用いて前記パターンの線幅を求め、該線幅と、該エッジペアに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られる該パターンの線幅との差である線幅誤差を取得する工程とを有し、
    前記光源の光量が変動した場合または前記光学画像データのコントラストが低下した場合には、前記閾値を新たに指定し、前記光学画像データにおいて、該新たな閾値に等しい信号量の位置を前記パターンのエッジとすることを特徴とする線幅誤差取得方法。
  2. 前記光源の光量の変動量と前記閾値の最適値との関係、および、前記コントラストの低下量と前記閾値の最適値との関係の少なくとも一方を実験によって求め、
    前記関係の少なくとも1つにしたがって前記新たな閾値を指定することを特徴とする請求項1に記載の線幅誤差取得方法。
  3. 光源からの光を試料に形成されたパターンに照明し、前記試料を透過または前記試料で反射した光をセンサに入射させて、前記パターンの光学画像データを取得する工程と、
    前記パターンの設計データから、前記光学画像データに対応する参照画像データを生成する工程と、
    前記参照画像データにおいて、信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値を指定し、前記閾値の信号量に対応する位置を前記パターンのエッジとする工程と、
    前記光学画像データにおいて、前記閾値に等しい信号量の位置を前記パターンのエッジとし、該パターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出する工程と、
    前記光学画像データから前記エッジペアを用いて前記パターンの線幅を求める工程と、
    前記パターンの線幅のいずれかを含む線幅範囲を指定する工程と、
    前記線幅範囲に含まれる線幅を有するパターンを抽出し、該パターンの線幅と、該パターンの光学画像データに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られる該パターンの線幅との差である線幅誤差を取得する工程とを有し、
    前記光源の光量が変動した場合または前記光学画像データのコントラストが低下した場合には、前記線幅範囲を新たに指定し、前記光学画像データにおいて、該新たな線幅範囲に含まれる線幅を有するパターンを抽出することを特徴とする線幅誤差取得方法。
  4. 前記光源の光量の変動量と前記線幅範囲の最適値との関係、および、前記コントラストの低下量と前記線幅範囲の最適値との関係の少なくとも一方を実験によって求め、
    前記関係の少なくとも1つにしたがって前記新たな線幅範囲を指定することを特徴とする請求項3に記載の線幅誤差取得方法。
  5. X軸方向およびY軸方向に移動可能なテーブルと、
    前記テーブルの位置座標を測定する位置測定部と、
    光源からの光を前記テーブルに載置された試料に照明する照明光学系と、
    前記試料を透過または前記試料で反射した光をセンサに入射させて、前記試料に形成されたパターンの光学画像データを取得する撮像部と、
    前記パターンの設計データから作成された参照画像データと、前記参照画像データに対応する光学画像データにおいて、参照画像データの信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値に等しい光学画像データの信号量の位置をパターンのエッジとし、該パターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出し、前記エッジペアを用いて光学画像データのパターンの線幅を求め、該線幅と、前記エッジペアに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られるパターンの線幅との差である線幅誤差を取得する線幅誤差取得部と、
    前記光源の光量の変動を検知する光量センサとを有し、
    前記線幅誤差取得部は、前記光量センサが前記光源の光量の変動を検知すると、前記閾値を新たに指定し、前記光学画像データにおいて、該新たな閾値に等しい信号量の位置を前記パターンのエッジとすることを特徴とする線幅誤差取得装置。
  6. 前記位置測定部から出力された前記テーブルの位置座標の情報を用いて、前記線幅誤差を前記試料上の位置座標と対応させた線幅誤差マップを作成するマップ作成部を有することを特徴とする請求項5に記載の線幅誤差取得装置。
  7. X軸方向およびY軸方向に移動可能なテーブルと、
    前記テーブルの位置座標を測定する位置測定部と、
    光源からの光で前記テーブルに載置された試料を照明する照明光学系と、
    前記試料を透過または前記試料で反射した光をセンサに入射させて、前記試料に形成されたパターンの光学画像データを取得する撮像部と、
    前記パターンの設計データから前記光学画像データに対応する参照画像データを作成する参照画像データ生成部と、
    前記パターンの光学画像データと参照画像データを比較して、これらの差分値が所定の閾値を超える場合に欠陥と判定する比較部と、
    前記参照画像データの信号量の最小値と最大値を所定の比率で内分する閾値に等しい前記光学画像データの信号量の位置を前記パターンのエッジとし、該パターンの線幅の一方のエッジと他方のエッジとを構成するエッジペアを検出し、前記エッジペアを用いて該光学画像データのパターンの線幅を求め、該線幅と、該光学画像データに対応する参照画像データのエッジペアを用いて得られる該パターンの線幅との差である線幅誤差を取得する線幅誤差取得部と、
    前記光源の光量の変動を検知する光量センサとを有し、
    前記線幅誤差取得部は、前記光量センサが前記光源の光量の変動を検知すると、前記閾値を新たに指定し、前記光学画像データにおいて、該新たな閾値に等しい信号量の位置を前記パターンのエッジとすることを特徴とする検査システム。

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