JP2016155874A - フェニルピルビン酸の抗糖尿病エノール型グルコシド - Google Patents
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Abstract
Description
現在、T1D患者はインスリンで治療される。残念ながら、現在、インスリンの使用は1日に複数回の投与を必要とし、通常は自己注射により投与され、インスリンの適切な投与量を決定するには、患者または投与する医師のいずれかが尿糖または血糖の推定を頻繁に行う必要がある。意図せずに過剰量のインスリンを投与してしまうと低血糖を引き起こすおそれがあり、その有害作用は軽度の血糖値異常から昏睡または死亡にまで及ぶ。
認識されない。従って、リスクのある人、とりわけ高齢者、および肥満児(T1DまたはT2Dを発症するリスクが高い)の、糖尿病の新規な治療の開発に対する関心も高まっている。T2Dは、高トリグリセリド血症または異脂肪血症などの症候群X(「メタボリックシンドローム」)の症状を伴うことが多いため、本発明の化合物は症候群Xの治療または予防にも有用である。
式中、
Arは、芳香族または複素環式芳香族の単環系または縮合二環系もしくは三環系であり;
nは0、1または2であり;
R1、R2、R3、およびR4は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アリール、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルキニル、C2〜6−アルケニル、C3〜10−シクロアルキル、C3〜10−シクロアルキル−C1〜3−アルキル、C5〜10−シクロアルケニル、C5〜10−シクロアルケニル−C1〜3−アルキル、C1〜4−アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、モルホリン−4−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1〜4−アルキル)ピペリジン−1−イルカルボニル、C1〜4−アルコキシカルボニル、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、4−(C1〜4−アルキル)ピペラジン−1−イル、C1〜4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜6−アルキルオキシ、C3〜10−シクロアルキルオキシ、C5〜10−シクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、C1〜4−アルキルスルファニル、C1〜4−アルキルスルフィニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C3〜10−シクロアルキルスルファニル、C3〜10−シクロアルキルスルフィニル、C3〜10−シクロアルキルスルホニル、C5〜10−シクロアルケニルスルファニル、C5〜10−シクロアルケニルスルフィニル、C5〜10−シクロアルケニルスルホニル、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
X1は、−OH、−CH2OR5、H、−OR5、および−C(O)R5からなる群から独立して選択され;
X2は、−OH、−CH2OR5、H、−OR5および−C(O)R5からなる群から選択され;
X3は、−O−、および−CH(X1)−からなる群から独立して選択され;
X4は、−O−および(−CH2)m−からなる群から選択され;
X5=−O−または(−CH2)m−であり;
mは、0、1、2または3であり;
Aは、−H、−CH3、−CO2H、−CO2R5、−SO3H;−SO2HNR5;−PO(OH)2;−CONH(CO)R5;−CONH(CO)H、−CONHSO2R5;−CONHCN;および
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキル、C2〜C6の直鎖または分岐鎖アルケニルまたはアルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、炭素環、および複素環からなる群から選択されるが;
但し:
・X3が−O−であり、少なくとも1つのX1がOHであるとき、X2は−OHと異なり;
・X1が−OHであり、X3およびX4が−O−であり、X2が−CH2OHであり、nが1であり、X5が(−CH2)m−(式中、mは0である)であるとき、R1、R2、R3、およびR4が−Hである場合、Aは−CO2Hまたは−CO2R5ではなく;
・R1、R2またはR3がC1〜6−アルキルオキシ、C3〜10−シクロアルキルオキシ、C5〜10−シクロアルケニルオキシ、アリールオキシおよびヒドロキシから選択される場合、R1、R2またはR3はX5に対してパラ位にない。
本発明の文脈における動物は、ヒトを含む哺乳動物であってもよい。ヒト以外の哺乳動物の好ましい例としては、イヌ、ネコ、モルモット、(ジャック)ウサギ、野ウサギ、フェレット、ウマ、および反芻動物(ウシ、ヒツジおよびヤギ)がある。
(式中、
Arはベンゼンであり;
n=1であり;
R1、R2、R3、およびR4は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルキニル、C2〜6−アルケニル、C3〜10−シクロアルキル、C3〜10−シクロアルキル−C1〜3−アルキル、C5〜10−シクロアルケニル、C5〜10−シクロアルケニル−C1〜3−アルキル、C1〜4−アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、モルホリン−4−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1〜4−アルキル)ピペリジン−1−イルカルボニル、C1〜4−アルキコキシカルボニル、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、4−(C1〜4−アルキル)ピペラジン−1−イル、C1〜4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜6−アルキルオキシ、C3〜10−シクロアルキルオキシ、C5〜10−シクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、C1〜4−アルキルスルファニル、C1〜4−アルキルスルフィニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C3〜10−シクロアルキルスルファニル、C3〜10−シクロアルキルスルフィニル、C3〜10−シクロアルキルスルホニル、C5〜10−シクロアルケニルスルファニル、C5〜10−シクロアルケニルスルフィニル、C5〜10−シクロアルケニルスルホニル、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
Aは、−CO2H、−CO2R5、−SO3H;−SO2HNR5;−PO(OR5)2;−CN;−OR5;−NHCOR5;−CONZ(R5);−CONH(CO)R5;−CONHSO2R5;−COHNSO2R5;−CONR5CN;および
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキル、C2〜C6の直鎖または分岐鎖アルケニルまたはアルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、炭素環、および複素環からなる群から選択され;
X1は、−OHであり;
X2は、−CH2OH、−OH、H、OMe、およびOAcであり;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
および/または
m=1である)
の化合物であって、
・X3が−O−であり、少なくとも1つのX1がOHであるとき、X2は−OHと異なり;
・X1が−OHであり、X3およびX4が−O−であり、X2が−CH2OHであり、nが1であり、X5が(−CH2)m−(式中、mは0である)であるとき、R1、R2、R3、およびR4がHである場合、Aは−CO2Hまたは−CO2R5ではなく;
・R1、R2またはR3がC1〜6−アルキルオキシ、C3〜10−シクロアルキルオキシ、C5〜10−シクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、およびヒドロキシから選択される場合、R1、R2またはR3は、X5に対してパラ位にない、
化合物を除くものは、ヒトを含む動物、とりわけヒトを含む哺乳動物の非自己免疫性T2D、肥満症および/または症候群Xの予防、コントロールおよび/または治療に特に有効な薬剤となることを見出した。
Aは−COOHであり;
n=1であり;
Arはベンゼンであり;
R1、R2、R3、およびR4は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、好ましくは水素であり;
X1は、−OHであり;
X2は、−CH2OHであり;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
および/または
m=1である。
好ましい実施形態では、本発明は、医薬として使用される式IIの光学異性体、即ち、式IIIの化合物に関する。
本発明は、また、医薬として使用される式IVの化合物にも関し:
式中、
Arは芳香族または複素環式芳香族の、単環系または縮合二環系もしくは三環系であり;
nは0、1または2であり;
R1、R2、R3、およびR4は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アリール、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルキニル、C2〜6−アルケニル、C3〜10−シクロアルキル、C3〜10−シクロアルキル−C1〜3−アルキル、C5〜10−シクロアルケニル、C5〜10−シクロアルケニル−C1〜3−アルキル、C1〜4−アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、モルホリン−4−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1〜4−アルキル)ピペリジン−1−イルカルボニル、C1〜4−アルコキシカルボニル、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、4−(C1〜4−アルキル)ピペラジン−1−イル、C1〜4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜6−アルキルオキシ、C3〜10−シクロアルキルオキシ、C5〜10−シクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、C1〜4−アルキルスルファニル、C1〜4−アルキルスルフィニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C3〜10−シクロアルキルスルファニル、C3〜10−シクロアルキルスルフィニル、C3〜10−シクロアルキルスルホニル、C5〜10−シクロアルケニルスルファニル、C5〜10−シクロアルケニルスルフィニル、C5〜10−シクロアルケニルスルホニル、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
X1は、−OH、−CH2OR5、H、−OR5、および−C(O)R5からなる群から独立して選択され;
X2は、−OH、−CH2OR5、H、−OR5、および−C(O)R5からなる群から選択され;
X3は、−O−および−CH(X1)−からなる群から独立して選択され;
X4は、−O−および(−CH2)m−からなる群から選択され;
X5=−O−または(−CH2)m−であり;
mは、0、1、2または3であり;
Aは、−H、−CH3、−CO2H、−CO2R5、−SO3H;−SO2HNR5;−PO(OH)2;−CONH(CO)R5;−CONH(CO)H、−CONHSO2R5;−CONHCN;および
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキル、C2〜C6の直鎖または分岐鎖アルケニルまたはアルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、炭素環、および複素環からなる群から選択され;
但し、X3が−O−のとき、X2は−OHと異なり;少なくとも1つのX1は−OHである。
(式中、
Arはベンゼンであり;
n=1であり;
R1、R2、R3、およびR4は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルキニル、C2〜6−アルケニル、C3〜10−シクロアルキル、C3〜10−シクロアルキル−C1〜3−アルキル、C5〜10−シクロアルケニル、C5〜10−シクロアルケニル−C1〜3−アルキル、C1〜4−アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、モルホリン−4−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1〜4−アルキル)ピペリジン−1−イルカルボニル、C1〜4−アルコキシカルボニル、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜3−アルキル)アミノ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、4−(C1〜4−アルキル)ピペラジン−1−イル、C1〜4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜6−アルキルオキシ、C3〜10−シクロアルキルオキシ、C5〜10−シクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、C1〜4−アルキルスルファニル、C1〜4−アルキルスルフィニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C3〜10−シクロアルキルスルファニル、C3〜10−シクロアルキルスルフィニル、C3〜10−シクロアルキルスルホニル、C5〜10−シクロアルケニルスルファニル、C5〜10−シクロアルケニルスルフィニル、C5〜10−シクロアルケニルスルホニル、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
Aは、−CO2H、−CO2R5、−SO3H;−SO2HNR5;−PO(OR5)2;−CN;−OR5;−NHCOR5;−CONZ(R5);−CONH(CO)R5
;−CONHSO2R5;−COHNSO2R5;−CONR5CN;および
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキル、C2〜C6の直鎖または分岐鎖アルケニルまたはアルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、炭素環、および複素環からなる群から選択され;
X1は、−OHであり;
X2は、−CH2OH、−OH、H、OMe、およびOAcであり;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
および/または
m=1である)
の化合物が、ヒトを含む動物、とりわけヒトを含む哺乳動物の非自己免疫性T2D、肥満症および/または症候群Xの予防、コントロールおよび/または治療に特に有効な薬剤となることを見出した。
Aは−COOHであり;
n=1であり;
Arはベンゼンであり;
R1、R2、R3、およびR4は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、好ましくは水素であり;
X1は、−OHであり;
X2は、−CH2OHであり;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
および/または
m=1である。
・血糖値の管理を助ける、即ち、血糖値のバランスを取ることにより体調を整える;バランスの取れた血糖値、特に糖尿病のヒトのバランスの取れた血糖値を保つことを助ける;細胞によるグルコースの取り込みを亢進することにより、および血糖値を低下させることにより助ける、従って耐糖能を改善または回復する;血糖値を低下させる;血糖応答を最適化する;耐糖能を正常化する;即ち、式Iの化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤、高血糖症治療剤および/またはコントロール剤および血糖低下剤となり得る;およびT1Dの寛解;
・甘味欲求を低下させる;
・食欲を低下させる;
・膵臓β細胞機能を維持または改善する、従って、健常な膵臓機能を促進する;即ち、
式Iの化合物は膵臓β細胞機能改善薬となる;
・例えば、インスリン感受性の回復/亢進を助けることにより、インスリン感受性を治療またはコントロールする;即ち、式Iの化合物はインスリン増感剤となり得る;
・非自己免疫性T2Dを遅延、予防またはコントロールする、従って前述のものなどの糖尿病に伴う障害/合併症も予防する、即ち、式Iの化合物はT2D予防剤となり得る。
式I−IVの化合物は、疾患、特に、代謝障害、またはT1DおよびT2Dなどの症状、糖尿病の合併症(例えば、網膜症、腎症または神経障害、糖尿病性足潰瘍、糖尿病性大血管障害など)、代謝性アシドーシスまたはケトーシス、反応性低血糖症、高インスリン血症、グルコース代謝障害、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、起源の異なる異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症および関連疾患、肥満症、高血圧、慢性心不全、浮腫および高尿酸血症(hyperuricaemia)の予防または治療に特に好適である。これらの物質は、また、例えば、膵臓β細胞のアポトーシスまたは壊死などのβ細胞の変性の予防にも好適である。これらの物質は、膵臓細胞の機能性の改善または回復、および膵臓β細胞の数およびサイズの増加にも好適である。本発明の化合物は、また、利尿剤または降圧剤として使用されてもよく、急性腎不全の予防および治療に好適である。
対応する治療作用または予防作用を達成するのに必要な用量は、通常、投与される化合物、患者、疾患または症状の性質および重症度、ならびに投与方法および頻度に依存し、患者の医師がそれを決定する。熟練した開業医は、これを、とりわけ、吸収効率、代謝率、および排泄によって決めるであろう。さらに、消化管環境が、本発明の化合物の取り込みおよび安定性に影響を及ぼす可能性がある。この目的で、本発明により製造される式Iの化合物を、任意選択により、他の薬理活性物質と一緒に、1種以上の不活性な従来の担体および/または希釈剤と一緒に、例えば、コーンスターチ、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロースまたは硬質脂肪などの脂肪物質またはこれらの好適な混合物と一緒に製剤化し、素錠またはコーティング錠、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、または坐剤などの従来のガレヌス製剤を製造してもよい。
らしてそれらを使用する場合、2種類の薬理活性物質を12時間以下、特に6時間以下の時間内に順次投与する。
本発明の一態様は、糖尿病および/または肥満症などの代謝障害または症状の治療(予防を含む)に使用される本発明の化合物である。
本発明の一態様は、本発明の化合物の投与を含む、糖尿病または肥満症などの代謝障害または症状の治療(予防を含む)方法である。
薬学的に許容される担体および式I−IVの少なくとも1種の化合物の他に、本発明の
医薬組成物は、従来の医薬品添加物および補助剤、以下に限定されるものではないが、水、任意の起源のゼラチン、植物ガム、リグニンスルホネート、タルク、糖類、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコールを含む賦形剤または希釈剤、香味剤、保存剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、滑沢剤、着色剤、湿潤剤、および充填剤等をさらに含有してもよい。担体材料は、経口投与/非経口投与/注射投与に好適な、不活性な有機または無機担体材料であってもよい。
ーン、溶解性、および融点などの様々な物理的特性により区別することができる。
好ましい合成方法についての以下の説明は、β−D−グルコピラノシル型およびβ−D−ガラクトピラノシル型の最終生成物に関する。α−D−グルコピラノシル型またはα−L−グルコピラノシル型の対応する化合物(または他の任意のピラノースまたはフラノース)の合成は類推により当業者には明らかとなり、このため、分かり易くするために、これ以上説明および合成図を記載しない。
一般的合成経路1(RX−2およびRX−3)
工程3:加水分解
ol)をTHF(0.4ml)に溶解し、水0.3mLにLiOH(8.44mg、0.352mmol)を溶解した溶液を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、反応混合物を、0.1%TFA水溶液を使用することにより、pH<5まで酸性化させた。溶液を濾過し、凍結乾燥してRX−2を淡黄色の固体としてトリフルオロ酢酸リチウム塩と共に得、これを、分取HPLCでアセトニトリル−水を溶離液として使用してさらに精製し、凍結乾燥後、生成物を白色固体として定量的収量で単離した:1H
NMR(400MHz,MeOH−d4):δ8.22(d,J=7.9Hz,1H),7.90(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),7.70−7.56(m,1H),7.52−7.38(m,1H),7.03(s,1H),5.04(d,J=7.4Hz,1H),3.74(dd,J=12.0,2.4Hz,1H),3.63(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),3.44−3.34(m,3H),3.21(m,1H);ESI−HRMS m/z:C15H17NO10Na+の計算値:394.0745、実測値394.0755。
RX−4〜RX−30の合成
(中間体B18は代替の経路で合成した。)
3.56(m,2H),3.47−3.36(m,2H);13C NMR(101MHz,MeOH−d4):δ167.75,164.06(d,1JC,F=243.1Hz),137.21(d,3JC,F=8.6Hz),130.79(d,3JC,F=8.3Hz),127.62,127.59,123.12,117.71(d,2JC,F=23.0Hz),116.29(d,2JC,F=21.6Hz),103.66,77.27,75.15,72.99,70.03,61.99;ESI−HRMS m/z:C15H17FO8Na+の計算値:367.0800、実測値367.0796。
、0.441mmol)、水素化ナトリウム(11.65mg、0.485mmol)および2,3,4,6−テトラ−O−アセチルα−D−ガラクトースブロマイド(181mg、0.441mmol)を使用してC4について記載したように調製した。得られた化合物を白色固体の形態で66%の収量で単離した。
.05(s,1H),6.86(dd,J=7.1,2.3Hz,1H),5.14(d,J=7.7Hz,1H),3.89−3.80(m,5H),3.66(ddd,J=25.2,11.2,6.2Hz,2H),3.54(dd,J=9.6,3.4Hz,1H),3.48(t,J=6.0Hz,1H);13C NMR(101MHz,MeOH−d4):δ167.38,160.97,142.92,135.86,130.10,126.16,124.56,117.14,115.56,103.57,77.19,75.01,73.09,70.00,62.08,55.98;ESI−HRMS m/z:C16H20O9Na+の計算値:379.1107、実測値379.1010。
−(2−クロロフェニル)−3−エトキシ−3−オキソプロプ−1−エン−2−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(C11)。標記化合物を、エチル3−(2−クロロフェニル)−2−オキソプロパノエートB11(100mg、0.441mmol)、水素化ナトリウム(11.65mg、0.485mmol)および2,3,4,6テトラ−O−アセチル−α−D−グルコースブロマイド(181mg、0.441mmol)を使用してC4について記載したように調製した。得られた化合物を白色固体の形態で16%の収量で単離した。
NMR(400MHz,MeOH−d4):δ8.24(t,J=1.7Hz,1H),7.70−7.58(m,3H),7.53−7.47(m,1H),7.38−7.29(m,3H),7.26−7.19(m,1H),7.06(s,1H),5.05(d,J=7.8Hz,1H),3.78(m,2H),3.56(ddd,J=32.3,11.2,6.1Hz,2H),3.46(dd,J=9.7,3.4Hz,1H),3.41(td,J=6.1,0.9Hz,1H);13C NMR(101MHz,MeOH−d4):δ167.41,143.18,142.36,141.97,135.12,130.78,130.17,129.94(2C),129.81,128.52,128.41,128.17(2C),126.29,103.89,77.23,75.06,73.08,69.99,62.09;ESI−HRMS m/z:C21H22O8Na+の計算値:425.1207、実測値425.1216。
で単離し、すぐに次の工程に使用した。
3.69(m,2H),3.57(ddd,J=29.4,11.2,6.2Hz,2H),3.41(m,2H);ESI−HRMS m/z:C15H17BrO8Na+の計算値:427.0000、実測値427.8897。
中間体メチル(4−ブロモフェニル)ピルベート(B18)の合成
合成は、ブスカ(Busca)ら(有機および生物有機化学(Org.Bioorg.Chem.)2004年、2、2684〜2691頁)により記載されたものに対応する経路で行った。
z,MeOH−d4)δ7.69(d,J=8.5Hz,2H),7.41(d,J=8.6Hz,2H),6.91(s,1H),5.12(d,J=7.5Hz,1H),3.66(dd,J=12.0,2.3Hz,1H),3.52(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),3.32(m,3H),3.17−3.11(m,1H);ESI−HRMS m/z:C15H17BrO8Na+の計算値:427.0000、実測値427.0016。
(実施例)
以下の実施例により本発明をさらに説明する。
実施例1
3−フェニル−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)アクリル酸(RX1)
ルイボス(アスパタトゥス・リネアリス(Aspalathus linearis))のバッチから溶媒抽出した後、SPEおよび半分取HPLCを行うことにより、フェニルピルビン酸のエノール型グルコシド(ここではRX1)を単離した。あるいは、マレー(Marais)ら(テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、1996年)により記載されたように、化合物を単離することができる。
実施例2
未処置のおよびRX−1処置された前糖尿病サルのグルコース刺激インスリン分泌率AUC値
前糖尿病のサバンナザル(空腹時血漿グルコース濃度4.0〜5.5mM)を10ug/kg RX−1で1日3回食事と共に7日間処置した。0分、5分、10分、15分、30分、60分、90分、120分および180分の時点で、1.75g/kg経口グルコース刺激を行った後、血液サンプルを採取した。算出したAUC値は、0〜120分の時間間隔にわたるグルコース刺激インスリン分泌値を意味する。各群(未処置、RX−1処置)に4匹のサルを使用した。図2から分かるように、RX−1処置によりインスリン分泌が46%減少し、より良好な血糖コントロールが達成された。
実施例3
形質転換した3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込み量
インスリン、デキサメタゾンおよびイソブチルメチルキサンチンを補った改変DMEM分化培地を使用した培養物中で3T3−L1細胞を形質転換し、3日間培養した。次いで、形質転換された3T3−L1脂肪細胞を、インスリン、メトホルミンおよび本発明の化合物(表1参照)に暴露する前に、10%FCSを補った改変DMEM中でさらに5日間培養した。5日間処置した後、比色(colourometric)グルコースオキシダーゼ法(バイオビジョン社(Biovision Inc)、米国)を使用して、3時間にわたるグルコース取り込み量を測定した。
肥満、インスリン抵抗性ウィスターラットにおけるRx−1のグルコース低下特性の分析
この試験の目的は、Rx−1のグルコース低下特性が、肝臓および筋肉におけるグルコース取り込み、インスリンシグナル伝達、脂肪酸酸化、サイトカインシグナル伝達およびグルカゴン受容体に関与する遺伝子の発現、ならびに膵臓におけるグルカゴンプロセシング、インスリン発現およびβ細胞の発生に重要な転写因子に関与する遺伝子の発現に関係するかどうかを調べることであった。
方法および結果
3週齢の雄性ラットに高脂肪食を24週間与え、肥満症およびインスリン抵抗性を誘発させた。その後、ラットを0.3mg/kgのRx−1で毎日2週間、その後、3mg/kgのRx−1で毎日7週間処置した。処置前、0.3mg/kgのRx−1で2週間処置した後、および、その後再度3mg/kgのRx−1で7日間処置した後に空腹時グルコース濃度を測定した。3mg/kgのRx−1で処置した後、ラットを屠殺し(terminated)、肝臓、筋肉および膵臓の生検材料を採取した。定量的実時間PCRを使用して、肝臓および筋肉サンプル中の12種類の遺伝子および膵臓サンプル中の10種類の遺伝子の発現を測定した。
−肝臓組織からのRNA抽出
組織をRNAレイター(RNAlater)から取り出し、重量を測定し(80〜100mg)、トリゾール(Trizol)(インビトロジェン(Invitrogen))1mlおよびステンレス鋼製ビーズ(キアゲン(Qiagen))が入った2mlマイクロチューブに入れた。組織をティシュー・ライザー(TissueLyser)(キアゲン(Qiagen))内で25Hzにて6分間ホモジナイズし、12,000gで10分間、4℃で遠心分離し、上清を取り出し、室温で5分間インキュベートした。その後、クロロホルム(シグマ(Sigma))0.2mlを添加し、15秒間激しく振盪させた後、室温で3分間、時々混合してインキュベートした。サンプルを12,000gで15分間4℃にて遠心分離し、水相を新しいチューブに移した。RNAを、イソプロパノール0.5mlを添加することにより沈殿させ、30秒間十分混合し、−20℃で終夜放置した。翌日、チューブを12,000gで20分間、4℃で遠心分離した。ペレットを75%エタノール1mlで洗浄し、12,000gで15分間4℃で遠心分離した。洗浄工程を繰り返した。2回目の洗浄後、チューブを、その蓋を開放した状態で(冷蔵し)PCRキャビネット内に2時間置くことによりペレットを空気乾燥させた。このインキュベーション中、時々チューブをペーパータオルで拭き取ることにより余分な液体を除去した。RNアーゼ非含有水100μlを添加し、55℃で10分間インキュベートすることによりペレットを再懸濁させた。分光光度計(ナノドロップ・テクノロジーズ(Nanodrop
Technologies))を使用してRNA濃度を測定した。その後、RNイージー・ミニ・キット(RNeasy Mini Kit)を用いて製造業者の指示(キアゲン(Qiagen))に従ってRNAを精製し、再度、ナノドロップ(Nanodrop)で濃度を測定した。キットが推奨するDNアーゼの単位およびインキュベーション時間の1.5倍を使用したこと以外、製造業者の指示に従って、ターボ・DNA非含有DNアーゼ(Turbo DNA−free DNase)(アンビオン(Ambion))でRNAを処理し、37℃で90分間インキュベートすることにより、ゲノムDNAを除去した。簡潔に言えば、RNA20μgを、DNアーゼ1.5μl(3単位)、DNアーゼ緩衝液5μl、およびヌクレアーゼ非含有水と共に最終反応容量50μlで45分間、37℃でインキュベートし、その後、DNアーゼをさらに3単位添加し、さらに45分間インキュベートした。キットと共に提供されたDNアーゼ不活化試薬を1/5の容量(10μl)添加することにより、DNアーゼを不活化させた。反応を室温で2分間インキュベートし、14,000rpmで1.5分間遠心分離した。上清を取り出し、ナノドロップ(Nanodrop)を使用してRNA濃度を測定した。RNA6000ナノキット(RNA 6000 Nano kit)を用い、2100バイオアナライザー・ラボ・オン・ア・チップ・システム(2100 Bioanalyser Lab−on−a−Chip system)を使用して、製造業者(アジレント・テクノロジーズ(Agilent technologies))の推奨に従いDNアーゼ処理RNAの品質を測定した。
−逆転写
高容量逆転写キット(High Capacity Reverse Transcription kit)を使用し、製造業者(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems))の推奨に従い、肝臓組織、筋肉組織および膵臓組織から抽出したRNAをcDNAに変換した。簡潔に言えば、DNアーゼで処理したRNA2μgを10μlの容量のヌクレアーゼ非含有水に添加した。その後、反応緩衝液2μl、dNTPs0.8μl、ランダムプライマー2μl、RNアーゼ阻害剤1μl、逆転写酵素1μlおよびヌクレアーゼ非含有水3.2μlを添加した。逆転写酵素なしで同じ反応(マイナスRT反応)を行い、ゲノムDNA混入を調べた。反応を25℃で10分間、37℃で120分間、85℃で5秒間インキュベートし、逆転写酵素を不活化させた。発現分析を行うまでcDNAサンプルを−20℃で保存した。
−定量的実時間PCR、データ収集および評価
RT反応のqRT−PCRを行うことにより、ゲノムDNA混入の程度を調べた。肝臓
、筋肉および膵臓から調製した未希釈のcDNA(プラスおよびマイナスRT反応)を、SYBRグリーン・ミックス(SYBR Green mix)(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems))12.5μl、10μMのGapdhフォワード・プライマー(Gapdh Forward Primer)(900nM)2.25μl、10μMのGapdhリバース・プライマー(Gapdh Reverse Primer)(900nM)2.25μl、およびH2Oと、最終容量25μlとなるように混合した。試薬を全て添加した後、PCRチューブを短時間遠心分離し、溶液が全てチューブの底部にあることを確実にした。ABI 7500配列検出システム装置(ABI 7500 Sequence Detection System Instrument)(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems))で絶対定量(AQ)ソフトウェア(Absolute Quantification(AQ)Software)(SDS V1.4)を使用し、全てのサンプルを未知試料として標識してPCR反応を行った。50℃で2分間、95℃で10分間の後、95℃で15秒間と60℃で1分間とを1サイクルとして40サイクルの共通サイクル条件を使用した。解離曲線を加えた。延長段階(60℃で1分間)でデータを取得した。この実験の後、閾値サイクル(CT)およびベースラインのデフォルト設定値を使用し、Ct値をエクセル(Excel)にエクスポートして解析を行った。
−統計解析
処置前後の正規化された遺伝子発現データの統計解析は、両側独立検定(グラプパッド・プリズム・バージョン3.02ソフトウェア(GraphPad Prism ver
sion 3.02 Software)、米国、カリフォルニア州、サンディエゴ)を使用して行った。統計学的有意性は、P値≦0.05で示した。
t2遺伝子中の一塩基多型(SNP)は、3倍のT2D発症リスクを伴った(ロウカネン(Laukkanen)ら、2005年)。
ス媒介ノックダウンにより、肥満の糖尿病マウスのインスリン抵抗性が逆転するが、これは肥満症関連インスリン抵抗性におけるSOCSタンパク質の役割を強く裏付ける(Uekiら、2005)。この研究で得られた矛盾する結果は、サイトカインシグナル伝達、インスリン抵抗性およびT2Dに関与する複雑な遺伝子ネットワークを強調する。SOCSタンパク質の主要な機能はサイトカインシグナル伝達の負の調節因子としての機能であり、従って、これらの遺伝子の発現の上昇によりサイトカインシグナル伝達が低下し得るが、これはインスリン抵抗性およびT2D時には有益である(クレブス(Krebs)およびヒルトン(Hilton)、2001年)。
E(Callon KE)、トング・PC(Tong PC)、ダンフォード・JE(Dunford JE)、ファン・デル・ドーズ・Y(van der Does Y)、ウィリアムズ・GA(Williams GA)、グレイ・AB(Grey AB)、ナオト・D(Naot D)、リード・IR(Reid IR)、脂肪酸による破骨細胞発生の調節(Modulation of osteoclastogenesis by
fatty acids)、内分泌学(Endocrinology)、2008年11月;149(11):5688〜95頁、電子出版、2008年7月10日。
cell line.))(オマリー・D(O’Malley D)、ライマン・F(Reimann F)、シンプソン・AK(Simpson AK)、グリブル・FM(Gribble FM)、糖尿病(Diabetes、)2006年12月;55(12):3381〜6頁。ナトリウム結合グルコース共輸送体は視床下部グルコース感知に寄与する(Sodium−coupled glucose cotransporters contribute to hypothalamic glucose sen
sing))。(クリミ・RB(Krimi RB)、レテロン・P(Letteron
P)、チェディッド・P(Chedid P)、ナザレ・C(Nazaret C)、デュークロック・R(Ducroc R)、マリー・JC(Marie JC.)、レジスチン様分子−βはSGLT−1活性を阻害し、GLUT2依存性空腸グルコース輸送を亢進する(Resistin−like molecule−beta inhibits SGLT−1 activity and enhances GLUT2−dependent jejunal glucose transport.)、糖尿病(Diabetes)2009年9月;58(9):2032〜8頁)。
NA濃度が上昇した。グルカゴンは、肝臓に発現するホルモンであり、それは肝臓でのグルコース産生を刺激する。IsI1は膵臓内分泌細胞の胚発生において重要な役割を有する(アーグレン(Ahlgren)ら、1997年)。2008年、コウヤ(Koya)らは、ストレプトゾシン誘発糖尿病マウスを組み換え型Pdx−1で処置すると、β細胞の再生および肝臓細胞の分化が亢進され、正常血糖が回復することを報告した。彼らはさらに、組み換え型Pdx−1で処置した後、これらのマウスの肝臓および膵臓でのIsi1およびGcg mRNA濃度がアップレギュレートされることを示した。シャルボノ(Charbonneau)ら(2007年)は、高脂肪食を与えたラットでは全肝臓GcgRタンパク質含有量が減少し、運動後、GcgRタンパク質濃度がわずかに上昇することを示した。
結論
遺伝子発現解析は、Rx−1のグルコース低下作用機序に洞察を与え得る有用な方法で
ある。本研究の結果から、Rx−1は肝臓で作用し、肝臓でRx−1がグルコース取り込み、インスリンシグナル伝達および脂肪酸酸化を刺激することが示唆される。さらに、Rx−1は、インスリン抵抗性および2型糖尿病の特徴であるサイトカインシグナル伝達を抑制すると思われる。膵臓では、Rx−1処置により、インスリン、転写因子であるIsl1およびPdx1、ならびにGLP1Rをコードする遺伝子の発現が上昇した。興味深いことに、これらのラットの血液中でもGLP1濃度が上昇した。考え合わせると、本発明者らの結果から、Rx−1は、肥満のインスリン抵抗性ラットのインスリン抵抗性を逆転させ、グルコース取り込み量および脂肪酸酸化を増加させ得ることが示唆される。
実施例5
形質転換した3T3−L1脂肪細胞におけるRX−1類似体のグルコース取り込み量
試験化合物をチャン(Chang)細胞培養物に投与した後のRX−1および選択された類似体のグルコース取り込み量を2−デオキシ−[3H]−D−グルコースの作業手順で測定した。この手順についてはより詳細に後述するが、これはRX−1(およびRX−1類似体)媒介グルコース取り込み量を試験するように設計されたものである。表に、RX−1および代表的な類似体に関する取り込み量のEC50値を示す。
粉末状のRX−1およびRX−1類似体は、室温(20〜24℃)で真空乾燥下、暗所にて保存する。
保存溶液
RX−1保存溶液(1.0mM)。
1.0mMのRX−1保存溶液では、RX−1、3.3mgを、0.1%BSAを補ったDMEM10ml(フェノールレッド、グルコースL−グルタミンおよびピルベート非含有)に溶解する。
RX−1類似体保存溶液(5mMまたは4mM)
クライオバイアル(ドラッグ・モード(DrugMode))で供給されるRX−1類似体の保存溶液は、化合物を200滅菌組織培養用水で希釈することにより調製した。これにより、5mM保存溶液が得られる。類似体が完全に溶解する場合、メタノールをさら
に50μl添加する(これは来歴シートに明確に記録する)。これにより、4mM保存溶液が得られる。保存溶液は常時冷蔵し、類似体は、後で使用するために20μlずつ−80℃で保存する。解凍したチューブはラベルにはっきりと印を付ける。
検量線用溶液
RX−1(10μM)陽性対照溶液
・10μMのRX−1溶液を陽性対照として調製するために、30μlを、8mMグルコースを補った改変DMEM培地2970μlに添加する。
RX−1類似体(31.6μM)試験溶液
・31.6μMのRX−1類似体試験溶液を調製するために、5mM、19μlを、8mMのグルコースを補った改変DMEM培地2981μlに添加する。4mM保存溶液から31.6μMのRX−1類似体試験溶液を調製するために、24μlを、8mMグルコースを補った改変DMEM培地2976μlに添加する。
24ウェルプレートへの細胞播種
・チャン(Chang)細胞をMRC細胞培養SOPに記載の手順:TC−B2a細胞の解凍およびTC−B1a細胞株の維持−一般原則に準拠して培養する。
細胞が対数期にあり(即ち、<70%コンフルエント)、継代数が20未満となるようにする。
・細胞を計数し、10%FBS(ギブコ(Gibco)、英国)を含有するEMEM(ピルベートおよびNEAAを含有するが、L−グルタミン酸は含有しない(ロンザ(Lonza)、米国)中に、30000細胞/ml(24ウェルプレートのチャン(Chang)細胞播種密度=30000細胞/ml)となるように再懸濁させ、1ml/ウェルの細胞懸濁液を24ウェルプレートにピペットで移すが、これは30000細胞/ウェルに対応する。
2−デオキシ−[3H]−D−グルコース取り込み量アッセイ
・3日間細胞を増殖させた後、培地を吸引する
・37℃に予熱したDPBSで1回細胞を洗浄する
・37℃に予熱したDMEM/0.1%BSA(フェノールレッド、グルコースおよびピルベート非含有)500μlを血清不足細胞に添加し、残留グルコースおよびFBSを除去する
・37℃、加湿空気および5%CO2中で30分間インキュベートする
・DMEM/0.1%BSA(フェノールレッド、グルコースおよびピルベート非含有)を吸引する
・試験希釈溶液をプレート・レイアウト(下記参照)に記載のように調製する
・プレート・レイアウトに従い、37℃に予熱した試験希釈溶液を1ウェル当たり500μl添加する
・37℃、加湿空気および5%CO2中で3時間インキュベートする
・試験培地を除去し、DPBS(37℃)で1回細胞を洗浄する
・0.5μCi/mlの3H−2−DOGを含有する試験培地250μlを、使用する各ウェルに添加する(培地1mlに3H0.5μl)
・細胞を37℃、加湿空気および5%CO2中で15分間インキュベートする
・培地を吸引する
・反応を停止するために、氷冷DPBSで2回洗浄する
・DPBSを吸引し、ウェルができるだけ乾燥するようにする
・0.3N NaOH/1%SDSを1ml添加することにより細胞を溶解し、37℃で少なくとも45分間インキュベートする
・後でLSCおよびブラッドフォード(Bradford)タンパク質測定に使用する前に細胞可溶化物を十分混合する
Claims (12)
- 代謝疾患の治療のために用いる化合物またはその生理学的に許容される塩であって、式I
(式中、
Arはベンゼンであり;
nは1であり;
R1、R2、およびR3は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アリール、C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルオキシ、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
R4は水素であり、
X1は、−OH、および−OR5からなる群から独立して選択され;
X2は、−CH2OHであり;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
mは0であり;
Aは−CO2H、および−CO2R5からなる群から選択され;
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群から選択されるが;
但し:
・R1、R2、R3、およびR4が−Hであり、X1が−OHであり、X3およびX4が−O−であり、nが1であり、かつX5が(−CH2)m−(式中、mは0である)であるときを除き;
・R1、R2またはR3がヒドロキシである場合、R1、R2またはR3はX5に対してパラ位にない。) - X1が−OHである、請求項1に記載の化合物。
- Aが−COOHである、請求項1に記載の化合物。
- R1、R2、R3、およびR4が、水素、フッ素、塩素、および臭素からなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
- R1およびR2が水素である、請求項1記載の化合物。
- 糖尿病、肥満症およびメタボリックシンドロームのうちの少なくとも1つを含む代謝疾患を治療するための医薬を製造するために使用される、式IV
(式中、
Arは、ベンゼンであり;
nは、1であり;
R1、R2、およびR3は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アリール、C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルオキシ、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
R4は水素であり、
X1は−OHであり;
X2は、−OH、および−CH2OR5からなる群から選択され;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
mは0であり;
Aは−CO2H、および−CO2R5からなる群から選択され;
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群から選択される) - 1型糖尿病(T1D)、非自己免疫性2型糖尿病(T2D)、肥満症およびメタボリックシンドロームのうちの少なくとも1つを治療するための医薬を製造するために使用される、式IV
(式中、
Arは、ベンゼンであり;
nは、1であり;
R1、R2、およびR3は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アリール、C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルオキシ、ヒドロキシ、シアノ、およびニトロからなる群から独立して選択され、
R4は水素であり、
X1は−OHであり;
X2は、−CH2OHであり;
X3は、−O−であり;
X4は、−O−であり;
X5は、(−CH2)m−であり;
mは0であり;
Aは−CO2H、および−CO2R5からなる群から選択され;
R5は、C1〜C6の直鎖または分岐鎖アルキルからなる群から選択される) - Aが−COOHである、請求項6または7に記載の化合物の使用方法。
- R1、R2、R3、およびR4が、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、シアノおよびニトロからなる群から独立して選択され、好ましくは水素である、請求項6または7に記載の化合物の使用方法。
- 1型糖尿病(T1D)、非自己免疫性2型糖尿病(T2D)、肥満症およびメタボリックシンドロームのうちの少なくとも1つを治療するための医薬を製造するために使用される、式II
- 1型糖尿病(T1D)、非自己免疫性2型糖尿病(T2D)、肥満症およびメタボリックシンドロームのうちの少なくとも1つを治療するための医薬を製造するために使用される、式III
- 請求項1に記載の化合物であって、以下からなる群から選択される化合物:
(Z)−3−(2−ニトロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2
−イル)オキシ)アクリル酸(RX−2);
(Z)−3−(2−ニトロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−3);
(Z)−3−(2−フルオロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−4);
(Z)−3−(3−フルオロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−5);
(Z)−3−フェニル−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−6);
(Z)−3−(4−クロロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−7);
(Z)−3−(2−ブロモフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−8);
(Z)−3−(3−メトキシフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−9);
(Z)−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−10);
(Z)−3−(2−クロロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−11);
(Z)−3−(4−クロロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−12);
(Z)−3−(2−フルオロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−13);
(Z)−3−([1,1’−ビフェニル]−3−イル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−14);
(Z)−3−(チオフェン−2−イル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−15);
(Z)−3−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−16);
(Z)−3−(3−フルオロフェニル)−2−(((S2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−17);
(Z)−3−(m−トルイル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−18);
(Z)−3−(m−トルイル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,
5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−19);
(Z)−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−20);
(Z)−3−(2−クロロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−21);
(Z)−3−(3−メトキシフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−22);
(Z)−3−([1,1’−ビフェニル]−3−イル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−23);
(Z)−3−(3−ブロモフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−24);
(Z)−3−(3−フルオロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−25);
(Z)−3−(2−ブロモフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−26);
(Z)−3−(チオフェン−2−イル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−27);
(Z)−3−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5R,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−28);および
(Z)−3−(4−ブロモフェニル)−2−(((2R,3S,4R,5S,6S)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)アクリル酸(RX−30)。
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