JP2016155728A - ガラス基板製造装置およびガラス基板製造方法 - Google Patents

ガラス基板製造装置およびガラス基板製造方法 Download PDF

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【課題】 確実に透過光量の低下を防止しつつ、ガラス基板に防眩性を備えさせるガラス基板製造装置およびガラス基板製造方法を提供する。【解決手段】 ガラス基板製造方法は、基板表面にブラスト剤を噴射することによって凹凸を形成するステップと、ガラス基板表面の凹凸に向かって、少なくともフッ化水素酸を含むエッチング液を噴射するステップとを含む。ガラス基板製造方法を実現するためのガラス基板製造装置は、搬送手段、ブラスト部およびエッチングスプレー部を備える。ブラスト部で処理されたガラス基板をエッチングスプレー部に順次的に搬送するようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイやタッチパネル等の表示装置に使用されるガラス基板を製造する装置および方法に関し、特に防眩性の機能を備えたガラス基板の製造装置および製造方法に関する。
ディスプレイやタッチパネル等の表示装置に用いられるガラス基板は、表示画面に周囲の光や背景が映りこむことで表示画像の視認性が低下してしまう。そのため、従来、ガラス基板表面に防眩性や反射防止等の機能を付与する工夫が施されてきた。例えば、防眩機能や反射防止機能を備えたフィルムをガラス基板に貼り付けたり、防眩機能や反射防止機能を得るためのコーティングを施したりすることにより、簡易に防眩性や反射防止機能を得る試みがなされている。
ところが、これらの方法によって防眩機能や反射防止機能を付加した場合、ガラス基板の光透過性が低下することが多い。ガラス基板の光透過性が低下すると、表示装置の輝度が見かけ上低下するという不都合が生じる。
そこで、従来技術の中には、防眩機能や反射防止機能を得るためのフィルムやコーティングを施すのではなく、ガラス基板を直接加工することにより防眩機能を得ようとする技術が存在する。具体的には、ガラス基板表面に圧縮空気等の圧縮気体と共にブラスト剤を噴射し微細な傷の凹凸をつけ、その後エッチング液に浸漬させることでガラス表面の形成した凹凸における起伏(振幅)を増大させるという技術が存在する(例えば、特許文献1参照。)。この技術によれば、表面に形成された凹凸によって防眩性が付与されたものでありながら、光透過性の低下を防止することが可能であるとされている。
特開2014−237558号公報
特許文献1に係る技術においては、エッチング工程でエッチング液に浸漬させ、ブラスト工程でできた凹凸の波長λに対する波高hのアスペクト比を大きくすることによって、透過光量の低下を防止している。しかしながら、エッチング液に浸漬させる方法であれば、エッチングの等方性により凹凸の高さを想定しているように大きくすることは困難であると言える。なぜなら、ガラス基板の凹凸部に接触したエッチング液は、凹凸部を高さ方向に削るとともに、高さ方向に直交する水平方向にも削る結果、凹凸の頂上部も削られてしまう。しかも、凹部内におけるエッチング液の滞留も考慮すると、エッチング液による凹凸の高さを大きくする作用は限定的である。その結果、微細でかつ鋭角な頂点を持つような凹凸を形成することは困難となる。
さらに、凹部の内部にブラスト剤が滞留している場合、このブラスト剤がスラッジとして凹部に残留し、凹凸の高さが十分に得られないだけでなく、凹凸部における光の透過量が低下するという不都合も想定される。
この発明の目的は、確実に透過光量の低下を防止しつつ、ガラス基板に防眩性を備えさせることが可能なガラス基板製造装置およびガラス基板製造方法を提供することにある。
本発明に係るガラス基板製造方法は、ガラス基板に防眩性を持たせるための方法である。この方法は、ガラス基板表面にブラスト剤を噴射することによって凹凸を形成するステップと、ガラス基板表面の凹凸に向かって、少なくともフッ化水素酸を含むエッチング液を噴射するステップとを少なくとも含む。例えば、ガラス基板表面にブラスト剤を噴射し微細な傷の凹凸を形成するステップと、この微細な傷の凹凸を形成したガラス基板表面にスプレーによりフッ化水素酸を含むエッチング液を噴射するステップを含む方法等が挙げられる。
スプレーによるエッチング液を噴射しエッチングする方法であれば、その水圧により、エッチング液に浸漬しエッチングする方法では除去できなかった凹部に滞留したブラスト剤や凹部深部の気泡を除去し凹部深部までエッチングすることが可能である。また、エッチングスプレーを上方または下方(好ましくは真上または真下)からエッチング液を噴射することでガラス基板表面の凹部分に直接液が当たり、エッチングの等方性による水平方向のエッチングが生じにくい。このため、凸部よりもよりエッチングすることができるので、微細でかつ鋭角な頂点を持つような凹凸を形成することが可能である。
以上のようなガラス基板製造方法を実現させるためのガラス基板製造装置の例として、搬送手段と、ブラスト部と、スプレーエッチング部を少なくとも備えるガラス基板製造装置が挙げられる。搬送手段は、ガラス基板を搬送する搬送路を構成する。ブラスト部は、搬送路を搬送されるガラス基板に対してブラスト剤を噴射することによってガラス基板の表面に凹凸を形成するように構成される。スプレーエッチング部は、搬送路におけるブラスト部の下流に配置され、ガラス基板の表面の凹凸に対してエッチング液を噴射するように構成される。
搬送手段は、例えば、複数の搬送ローラがベルトコンベアのようにガラス基板を搬送するように構成され、ブラスト部、スプレーエッチング部に順次的にガラス基板を搬送する。ブラスト部は、搬送されるガラス基板上面に圧縮空気等の圧縮気体と共にブラスト剤を噴射することで、ガラス基板表面に微細な傷の凹凸を形成するように構成すると良い。スプレーエッチング部は、ブラスト部でガラス基板表面に形成された凹凸に対してエッチング液を噴射するように構成される。上方または下方(好ましくは、真上または真下)からスプレーエッチングを噴射する。このような構成を採用することで、上述のガラス基板製造方法を効率的に実現させやすくなり、凹部にエッチング液が侵入し堀の深いエッチングをすることで微細でかつ鋭角な頂点を持つような凹凸を有するガラス基板を製造することが可能になる。
本発明によれば、確実に透過光量の低下を防止しつつ、ガラス基板に防眩性を備えさせることが可能である。
本発明の一実施形態に係るブラストエッチングシステムの側面図である。 本発明のガラス基板製造方法における各ステップで処理されるガラス基板を表した図である。 ブラスト工程を経たガラス基板にエッチング液をスプレーで噴射したときの図である。 エッチング液をスプレーで噴射してガラス基板表面に凹凸を形成したときの図である。 ブラスト工程を経たガラス基板をエッチング液に浸漬したときの図である。
以下の図を用いて本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明のブラスト工程およびエッチング工程の両方を一度に処理可能なブラストエッチングシステム10の側面図である。ブラストエッチングシステム10は、搬送機構2、ブラストユニット4、およびエッチングユニット8を少なくとも備える。搬送機構2は、ガラス基板100を搬送するための搬送路を構成する複数の搬送ローラ20を備える。ここでは、ローラ搬送形式を採用しているが、ベルトコンベアのようなベルト搬送方式を採用することも可能である。ブラストユニット4は、搬送路の上流側に配置されており、少なくともブラスト槽12を備える。エッチングユニット8は、搬送路におけるブラストユニット4の下流側に配置されており、少なくともエッチング槽14を備える。ブラスト槽12およびエッチング槽14の間と、エッチング槽14の出口とには、水洗槽160、162、164が設置されている。これらの水洗槽160、162、164においてガラス基板100に付着したブラスト剤42またはエッチング液30を洗い流すようになっている。この実施形態では、搬送機構2が本発明の搬送手段、ブラストユニット4が本発明のブラスト部、エッチングユニット8が本発明のスプレーエッチング部に対応している。
ブラスト槽12では、搬送されるガラス基板100の上面に向かってブラスト剤42を噴射するように構成される。圧縮空気等の圧縮気体と共にブラスト剤42をガラス基板100に噴射することでガラス基板100表面に微細な傷の凹凸を形成することができる。ガラス基板100表面には浅い傷や比較的深い傷、中にはブラスト剤42が突き刺さったままのものまである。ここでのブラスト槽12では圧縮気体、液体と共にブラスト剤42を噴射するウェットブラストを採用することも可能である。またガラス基板100の下面は傷がつく可能性があるので保護剤等で保護してやることが好ましい。
ブラスト槽12の出口にはブラスト剤42を後段に持ち出さないようにエアカッタ24が配置してある。圧縮空気をガラス基板100に噴出することでブラスト剤42を取り除くことができる。適切に取り除いてやることで後段の水洗槽160に持ち出されることなくノズルを詰まらせることがなくなる。
ブラスト槽12の後段に配置してある水洗槽160はブラスト槽12から出てきたガラス基板100を受け入れるよう構成され、ブラスト槽12で形成された表面の凹凸に侵入したガラスカスや塵埃等が付着したガラス基板100を洗浄する。
また、ブラスト槽12後段の水洗槽160とエッチング槽14前段の水洗槽162の間にはエッチング槽14からブラスト槽12へ酸雰囲気が進入しないようにするための仕切り26がある。仕切り26は、耐酸性を有する部材で構成されており、ガラス基板100が通るだけのスリット状の隙間が開いている。水洗槽160と水洗槽162はガラス基板100の通過用の隙間からブラスト槽12に酸雰囲気が進入しないようにする効果もある。
水洗槽162の後段に構えたエッチング槽14は搬送ローラ20を挟んだ上下に複数のスプレーノズル22を有し、ガラス基板100に向かってエッチング液30を噴射するように構成される。ここでのスプレーノズル22は左右前後に揺動する機構を設けてもよいが今回はスプレーノズル22を真下にむけて噴射するように配置するのが好ましい。またブラスト槽12でガラス基板100表面に深く傷が入ってしまったものや、ブラスト剤42が突き刺さったままになったものも、スプレーの圧力で傷の深部までエッチングでき、さらにブラスト剤42も除去可能である。
エッチング槽14出口にはエッチング液30を後段の水洗槽164に持ち出しをしないためにエアカッタ25を設けてある。エアカッタ25でエッチング液30をできるだけ除去することで装置外に酸雰囲気が漏れることを防ぐことができる。
水洗槽164はエッチング槽14から送りだされるガラス基板100を受け入れ、洗浄している。エアカッタ24でエッチング液30はできるだけ除去してあるが、表面に凹凸が形成してあるため除去しきれていない可能性がある。水洗槽164のスプレーの圧力で表面を洗浄してやることでエッチング液30を除去することが可能である。
以下にブラスト処理によって凹凸を形成したガラス基板100にエッチング液30をスプレーで噴射したときと、ガラス基板100をエッチング液30に浸漬したときの違いを説明する。
図2(A)、図2(B)、図2(C)は処理前、ブラストユニット4、エッチングユニット8のそれぞれの工程でのガラス基板100の様子を表した図である。図2(A)のガラス基板100は図2(B)に示したように表面に微細な傷の凹凸を形成するためにブラストユニット4にて処理される。ガラス基板100表面に圧縮空気等の圧縮気体と共にブラスト剤42を噴射することによって、ガラス基板100表面に微細な傷の凹凸が形成される。その後、図2(C)に示したようにエッチング液30を真上からスプレーすることで微細でかつ鋭角な頂点を持つような凹凸が形成される。
図3は図2(C)のXの部分を拡大した図である。エッチング液30を真上から噴射することで、凸部に当たったエッチング液は凹部に流れ落ち、また、凹部には直接エッチング液30が侵入するため、凹部により多くのエッチング液30が集まる。そのためエッチングの等方性による水平方向のエッチングが生じにくく、凸部よりもよりエッチングすることができる。さらに凹部に残留したブラスト剤42や気泡44にスプレーによるエッチング液30が直接当たるため除去することが可能である。ノズルに揺動機構をつけてしまうと、凸部分にエッチング液30が当たる時間は増えるが、凹部分の深部に直接エッチング液30が当たる時間が減ってしまうため真上からエッチング液を噴射することが好ましい。
図4は図3に示したようなエッチングにより形成された凹凸を表した図である。凸部より凹部のエッチング量が増えることで、凸部の頂点を鋭角に保ちながら凹部を深く掘り下げることができ、凹凸が小さなものであっても凹凸の形成が可能である。そのため、微細でかつ鋭角な頂点を持つような凹凸を形成することが可能である。また凹部の深部までエッチングすることができるため、深部に傷が残ることがなく、透光性が高い。
図5(A)は凹凸を形成したガラス基板100をエッチング液30に浸漬したときの様子を表している。図5(B)は図5(A)のYの部分を拡大した図である。エッチング液30はガラス基板100の周囲に滞留し、凸部および凹部をエッチングする。浸漬法ではエッチングの等方性による水平方向のエッチングが生じ、凹部をエッチングすると共に凸部の頂上部までエッチングしてしまうため、微細でかつ鋭角な頂点を持つ凹凸を形成することはできない。また、ガラス基板100に対しエッチング液の圧力等がないため、ブラスト剤42や気泡44が残留していても取り除くことが難しい。その結果、凹凸の形成の妨害をするだけではなく、凹部の深部の傷が残ったままになり、透光性を低下させてしまう。
上述の実施形態では、連続してブラスト処理およびエッチング処理を行う例を説明したが、これには限定されない。例えば、互いに独立したブラスト装置およびエッチング装置を用いて別々の場所にてブラスト処理およびエッチング処理を行うようにしても本発明のガラス基板製造方法を実施することが可能である。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2−搬送機構
4−ブラストユニット
8−エッチングユニット
10−ブラストエッチングシステム
12−ブラスト槽
14−エッチング槽
20−搬送ローラ
22−スプレーノズル
24、25−エアカッタ
26−仕切り
30−エッチング液
42−ブラスト剤
44−気泡
100−ガラス基板
160、162、164−水洗槽

Claims (2)

  1. ガラス基板に防眩性を持たせるためのガラス基板製造方法であって、
    前記ガラス基板表面にブラスト剤を噴射することによって凹凸を形成するステップと、
    前記ガラス基板表面の凹凸に向かって、少なくともフッ化水素酸を含むエッチング液を噴射するステップと、
    を含むガラス基板製造方法。
  2. ガラス基板を搬送する搬送路を構成する搬送手段と、
    前記搬送路を搬送されるガラス基板に対してブラスト剤を噴射することによって前記ガラス基板の表面に凹凸を形成するように構成されたブラスト部と、
    前記般送路におけるブラスト部の下流に配置され、前記ガラス基板の表面の凹凸に対してエッチング液を噴射するように構成されたスプレーエッチング部と、
    を備えたガラス基板製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11730004B2 (en) 2016-07-20 2023-08-15 Sony Group Corporation Solid-state imaging element and solid-state imaging apparatus

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