JP2016155726A - 石膏焼成炉及び石膏焼成方法 - Google Patents

石膏焼成炉及び石膏焼成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炉内の原料石膏堆積層の流動性を改善し、焼成石膏の「焼きむら」発生を防止するとともに、焼成炉の燃料消費量を削減する。【解決手段】石膏焼成炉(1)は、平面視円形又は環状の炉内壁面を有する炉体(3-7)と、炉体の中心部に配置された燃焼管(2)とを備え、燃焼管の下部から噴出する高温ガス噴流(Hg)によって炉内の原料石膏(M)を焼成し又は乾燥させる。焼成炉は、燃焼管の下端部外周域に角度間隔を隔てて周方向に配列した複数の固定羽根(10)を有する。隣り合う固定羽根は、炉底部に噴流した高温ガスの上昇流を燃焼管の径方向外方且つ周方向に偏向する原料石膏の流動路(P)を形成する。高温ガス及び原料石膏の流動体の偏向により、炉内壁面近傍の原料石膏は炉体の周方向に付勢され、或いは、その周方向の運動が助勢される。【選択図】図4

Description

本発明は、石膏焼成炉及び石膏焼成方法に関するものであり、より詳細には、一般に炉体の中心部に配置され且つ炉頂部から鉛直下方に延びる燃焼管によって炉底部に高温ガス噴流を噴出させて、炉内の原料石膏を焼成し又は乾燥させる石膏焼成炉及び石膏焼成方法に関するものである。
石膏を原料として製造される石膏ボード、石膏板等の石膏系面材が、建築物の内装材料等の用途に広く普及している。石膏は、結晶水の存在形態に応じて、二水石膏、半水石膏及び無水石膏に大別されるが、石膏系面材の原料としては、二水石膏を焼成してなる半水石膏が一般に使用されている。半水石膏等を製造する石膏焼成炉としては、特許文献1及び2(欧州特許出願公開公報0230793号公報、特許第2571374号公報)等に記載される如く、直火式焼成炉(直接加熱式焼成炉)や、間接加熱式焼成炉等が用いられる。一般には、二水石膏を半水石膏にする焼成炉の場合、炉温は、100℃〜250℃程度の温度域に設定される。また、特許文献3(特開2005−15263号公報)に記載される如く、二水石膏を無水石膏に焼成する石膏焼成炉も知られている。一般に、二水石膏を無水石膏に焼成する場合、炉温は、300℃〜950℃程度の温度域に設定される。
この種の石膏焼成炉として、逆円錐状又はすり鉢状の炉底部を有するコニカルケトル形式の焼成炉と、全高に亘って概ね均一な円形断面を有する円筒状形態の焼成炉とが知られている。近年においては、炉底部が縮径したコニカルケトル形式の石膏焼成炉が半水石膏等の製造において採用される傾向もあるが、いずれの形態の焼成炉においても、炉頂部から炉内中央領域に垂下する燃焼管又は内筒が炉内に配設されるとともに、原料石膏供給手段及び排気管等が炉頂壁に接続される。
このような焼成炉の燃焼管には、燃料供給管及び燃焼用空気供給管が接続され、燃料及び燃焼用空気の燃焼反応により生成した高温の燃焼ガス又は熱ガス(以下、「高温ガス」という。)が、燃焼管の下部から炉底部に噴出する。炉内に堆積した二水石膏等の固形原料は、炉底部に噴出した高温ガスの高速噴流によって流動化し、高温ガスとの伝熱接触によって化合水を失い、これにより、半水石膏(又は無水石膏)に焼成される。かくして得られた焼成石膏は、炉内壁面の特定部位に配置された焼成石膏導出口から炉外に導出される。
欧州特許出願公開公報0230793号公報 特許第2571374号公報 特開2005−15263号公報
一般に、石膏焼成炉においては、焼成石膏の所謂「焼きむら」を確実に防止し、石膏焼成炉から導出される焼成石膏の化合水量を均一化するとともに、石膏焼成炉の運転に要する炭化水素系燃料の消費量を削減し、エネルギー効率を改善することが望まれる。本発明者等は、このような観点より、炉内の流動化現象を解析すべく、石膏焼成炉のスケルトンモデルを製作し、炉内の原料石膏堆積層の流動性に関する各種実験を実施し、この結果、以下の現象を認識するに至った。
(1)炉底部に噴出した高温ガス噴流の多くが燃焼管の外周面に沿って上方に流動し、原料石膏堆積層の上面中央領域から噴出する傾向がある。
(2)高温ガス噴流を炉底部中央領域に噴射する石膏焼成炉では、燃焼管の外周面近傍に位置する原料石膏は比較的良好に流動化する一方、高温ガス噴流は、燃焼管から離間した炉壁面近傍の炉内外周帯域に位置する原料石膏に作用し難く、この結果、炉内外周帯域の原料石膏が十分に流動化し難い。
(3)焼成石膏は、炉内外周帯域の特定部位から炉外に導出されるので、炉内の原料石膏は、全体的に炉の周方向に流動する必要があるが、炉内外周帯域の原料石膏は、逆円錐状の炉壁面に沿って下方に流動し易い反面、炉壁面の周方向には、比較的流動し難い。
石膏焼成炉としては、特許文献1〜3に記載される如く、燃焼管の下部に多数のスリット又はスロットを形成して各スリット又はスロットから高温ガス噴流を噴射する方式の焼成炉や、燃焼管の下端開口に部分的に延入する円錐状突出部を炉底面に配設して高温ガス噴流を径方向外方に拡散する方式の焼成炉等が知られているが、この他、燃焼管の下端部を多数の小径管に分割し、各小径管の下端から下向きの高温ガス噴流を噴出させるマルチチューブ(多重管)方式の焼成炉も又、近年において比較的多くの事例で採用されている。
本発明者等の認識によれば、いずれのガス噴射方式の石膏焼成炉においても、上記(1)〜(3)に記載した傾向の流動化現象が生じると考えられ、このような流動化現象は、「焼きむら」の発生や、炭化水素系燃料の消費量と比較的密接に関連すると考えられる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、炉底部に高温ガス噴流を噴射する方式の石膏焼成炉及び石膏焼成方法において、炉内の原料石膏堆積層の流動性を改善し、焼成石膏の「焼きむら」発生を防止するとともに、焼成炉の燃料消費量を削減することにある。
本発明は、上記目的を達成すべく、円形又は環状の水平断面又は水平輪郭の炉内壁面を有する炉体と、該炉体の中心部に配置され、高温ガスを生成する燃焼管とを備え、該燃焼管の下部に配設された高温ガス出口部から高温ガス噴流を炉内領域に噴出し、炉内領域に連続的又は断続的に供給される原料石膏を高温ガスによって焼成し又は乾燥させ、焼成又は乾燥した石膏を炉外に排出する石膏焼成炉において、
前記燃焼管の外周域に角度間隔を隔てて周方向に配列した複数の固定羽根を有し、
隣り合う前記固定羽根は、炉底部に噴流した前記高温ガスの上昇流を前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に偏向する前記高温ガス及び原料石膏の流動路を形成することを特徴とする石膏焼成炉を提供する。
本発明は又、上記構成の石膏焼成炉を用いた石膏焼成方法において、
炉底部に噴流した高温ガスの上昇流を前記固定羽根によって前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に案内し、該上昇流の偏向によって前記原料石膏を前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に流動せしめ、これにより、炉内壁面近傍の原料石膏を炉体の周方向に付勢し、或いは、炉内壁面近傍の原料石膏の周方向の運動を助勢することを特徴とする石膏焼成方法を提供する。
他の観点より、本発明は、平面視円形又は環状の炉内壁面を有する炉体と、該炉体の中心部に配置された燃焼管とを備え、前記燃焼管の下部から噴出する高温ガス噴流によって炉内の原料石膏を焼成し又は乾燥させる石膏焼成方法において、
前記燃焼管の外周域に角度間隔を隔てて複数の固定羽根を配列し、
炉底部に噴流した前記高温ガス噴流の上昇流を前記固定羽根によって前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に案内するとともに、該上昇流によって前記原料石膏を前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に流動せしめ、これにより、炉内壁面近傍の原料石膏を炉体の周方向に付勢し、或いは、炉内壁面近傍の原料石膏の周方向の運動を助勢することを特徴とする石膏焼成方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、炉底部に噴流した高温ガスの上昇流は、固定羽根の偏向作用又は案内作用によって燃焼管の径方向外方且つ周方向に偏向して炉内外周域に流動し、炉内壁面近傍の原料石膏を炉体の周方向に付勢し、或いは、炉内壁面近傍の原料石膏の周方向の運動を助勢する。上記構成の焼成炉の実機を使用した本発明者等の実験によれば、上記固定羽根を備えない焼成炉に比べて、焼成石膏の化合水量が全体的に低下するとともに、焼成石膏に含まれる半水石膏及び無水石膏の割合が安定し、全体的に所謂「焼きむら」の少ない均一な焼成石膏を製造し得ることが判明した。また、本発明者等の実験によれば、このような原料石膏の均一焼成効果と関連して、炉内温度の設定値を5度以上低下させることができ、これにより、燃料消費量を大きく低減し得る。従って、本発明の上記構成によれば、炉内の原料石膏堆積層の流動性を改善し、焼成石膏の「焼きむら」発生を防止するとともに、焼成炉の燃料消費量を削減することができる。
本発明の石膏焼成炉及び石膏焼成方法によれば、炉底部に高温ガス噴流を噴射する方式の石膏焼成炉及び石膏焼成方法において、炉内の原料石膏堆積層の流動性を改善し、焼成石膏の「焼きむら」発生を防止するとともに、焼成炉の燃料消費量を削減することができる。
図1は、石膏焼成炉を含む石膏焼成システムの要部構成を示すシステムフロー図である。 図2は、図1に示す焼成炉の構造を概略的に示す縦断面図である。 図3は、固定羽根及び堆積層の図示を省略して示す焼成炉の部分縦断面図である。 図4は、固定羽根及び堆積層を記載した図3と同様の縦断面図である。 図5は、固定羽根の配置、形状及び構造を示す焼成炉の部分破断斜視図である。 図6は、固定羽根の配置、形状及び構造を示す焼成炉の部分破断斜視図である。 図7は、固定羽根の配置、形状及び構造を示す焼成炉の概略横断面図である。 図8は、固定羽根の構造を示す部分拡大平面図である。 図9は、固定羽根の構造を示す部分拡大正面図である。
本発明の好適な実施形態によれば、隣り合う固定羽根は、炉内外周帯域に向かって開放し且つ鉛直方向に対して全体的に傾斜して上下方向に延びる流動路を形成する。好ましくは、燃焼管の中心軸線を中心とした固定羽根の下部外端及び下部内端の角度位置に関し、高温ガス噴流の偏向方向において後方に位置する固定羽根の下部外端が、高温ガス噴流の偏向方向において前方に位置する固定羽根の下部内端よりも偏向方向前方の角度位置に位置するように位置決めされ、これにより、原料石膏の炉体周方向の運動を妨げるような径方向外方の高温ガス噴流の運動が抑制される。更に好ましくは、燃焼管に取付けられる固定羽根の基端部は、隣接する固定羽根の基端部と平面視において互いに重なり合い、隣り合う固定羽根の重なり領域(η)を燃焼管の下端部外周域に形成する。固定羽根の重なり領域(η)は、高温ガスの上昇流が燃焼管の外周面近傍の領域を上方に吹き抜けるのを阻止し又は妨げる。
本発明の好適な実施形態において、固定羽根の角度間隔は、10〜60度の範囲内の角度、好ましくは、15〜30度の範囲内の角度に設定され、各固定羽根の最上部は、炉内領域に堆積した原料石膏の堆積層上面(設計レベル)の下方に位置決めされる。なお、固定羽根の数が過少であると、各々の固定羽根の負荷又は応力が大きく、固定羽根の基部の破損又は損傷等が発生することが懸念され、他方、固定羽根の数が過大であると、隣接する固定羽根の間の間隔が縮小する結果、固定羽根に対する石膏の付着が発生することが懸念される。このため、固定羽根の枚数は、固定羽根の負荷又は応力や、固定羽根に対する石膏の付着等を考慮して適切な数に設定する必要がある。
好ましくは、堆積層上面の設計レベル(ha)は、固定羽根最上部の設計レベル(hb)×1.0〜1.2の範囲内に設定される。なお、堆積層上面及び固定羽根最上部の設計レベルは、炉底面から測定した高さ方向の寸法である。また、堆積層上面は、燃焼炉の作動中に不規則に挙動するが、堆積層上面の設計レベルは、定常運転時又は通常運転時における設計上又は理論上の設定レベル又は平均レベルである。即ち、固定羽根は、堆積層上面(設計レベル)の下方に好ましく配置することができ、従って、固定羽根は、設計上は、炉内領域に堆積した原料石膏の堆積層に実質的に完全に埋没する高さ位置に好ましく配置し得る。
更に好ましくは、固定羽根は、湾曲した流動路を形成する湾曲板からなり、流動路は、上昇流とともに上方に流動する原料石膏を周方向且つ径方向外方に偏向する。好適には、固定羽根の上縁部は、平面視において湾曲するとともに、燃焼管の径方向外方に向かって全体的に下方に傾斜し、固定羽根の下縁部は、平面視において湾曲するとともに、実質的に水平に延びる。固定羽根の下部外端の直径(炉体又は燃焼管の中心軸線を中心とした直径(db))は、同一レベルにおける炉内壁面の直径よりも小さく、固定羽根及び炉内壁面は、所定の水平距離(dc)を隔てて離間する。固定羽根の下端縁のレベルにおいて、固定羽根の直径(db)は、好ましくは、炉内壁面の内径(da)×0.8〜1.0の範囲内、更に好ましくは、炉内壁面の内径(da)×0.9〜1.0の範囲内に設定される。
好適には、固定羽根を備えた焼成炉においては、固定羽根を備えない同一条件の焼成炉に比べ、焼成温度の設定値が5度以上低下される。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、石膏焼成炉を含む石膏焼成システムの要部構成を示すシステムフロー図である。
石膏焼成システムは、二水石膏を焼成するコニカルケトル型の石膏焼成炉1(以下、「焼成炉1」)という。)と、二水石膏を原料石膏Mとして焼成炉1に供給するための原料石膏供給装置I(仮想線で全体を概略的に示す。)と、原料石膏供給装置Iの原料石膏Mを焼成炉1の炉内領域αに投入又は装入する原料石膏供給路Sと、炉内領域αの燃焼排ガスeを炉頂部から排気する排ガス管Eと、排ガス管Eに接続されたサイクロン式の粉体分離装置Bと、圧縮空気供給管Kを介して焼成炉1に接続されたコンプレッサCとを備える。粉体分離装置Bは、排気路Gを介してバグフィルタ等の集塵装置(図示せず)に接続され、集塵装置は、燃焼排ガスeを大気解放等により系外に排気するための排気ファン(図示せず)に接続される。粉体分離装置B及び集塵装置によって分離又は捕捉された粉体又はダストは、排出路Jを介して系外に排出され、或いは、粉体回収路Rを介して焼成炉1に再循環される。なお、図1において、原料石膏及び焼成石膏の搬送装置及び搬入・搬出装置の具体的構成や、排気系を構成する各種機器の具体的構成等は、図示を省略されている。
焼成炉1は、反応容器形又は反応炉形の一体的な炉体を有し、乾燥炉又は焼成ケトル(calcination kettle)とも呼ばれる。原料石膏Mは、原料石膏供給路Sを介して連続的又は断続的に炉内領域に供給され、焼成石膏Wは、搬出路Vによって連続的又は断続的に炉外に送出される。焼成炉1は、炉体の中心部に鉛直下向きに配置された燃焼管2と、燃焼管2を鉛直方向に貫通せしめた水平な炉頂壁3と、円筒壁5及び円錐壁6を一体的に連接してなる環状炉壁4と、炉頂壁3に比べて直径が縮小した水平な炉底壁7とを有する。円筒壁5及び円錐壁6は、真円形又は環状の水平断面又は水平輪郭を有する。燃焼管2は、燃焼管2の中心軸線(鉛直軸線)に沿って配置された燃料供給路21及び燃焼用空気供給路22と、燃料及び燃焼用空気を混合する混合器23とを備える。燃料供給管Fが燃料供給路21に接続され、燃焼用空気供給管Aが、燃焼用空気供給路22に接続される。燃料供給路21は、燃料供給管Fを介して都市ガス供給源等の燃料供給源(図示せず)に接続される。燃焼用空気供給路22は、燃焼用空気供給管Aを介して給気装置Qに接続される。給気装置Qは、大気等の外気OAを燃焼用空気供給路22に圧送する遠心ファン又はブロワ等からなる。また、排気再循環用のファンNを介装した再循環空気供給路Uが燃焼管2に接続され、排気路Gの燃焼排ガスの一部が、燃焼管2に導入される。なお、燃料供給系機器等の具体的構成は、図1において図示を省略されている。また、必要に応じて二次燃焼空気を燃焼管2に供給する二次空気供給系等についても、図1において図示を省略されている。
燃料供給路21及び燃焼用空気供給路22の燃料及び燃焼用空気は、混合器23において混合接触して燃焼反応し、燃焼管2の管内領域βに高温の燃焼ガスを生成する。燃焼管2は、管内領域βの出口部を多数の狭小断面流路に分割したマルチチューブ(多重管)方式の燃焼管であり、多数の小径管24を有する。小径管24は、炉底壁7の近傍において炉底部に下向きに開口する。筒内領域βの燃焼ガスは、高温の熱ガスH(以下、「高温ガスH」という。)として各小径管24に流入し、小径管24の下端開口から炉底壁7に向かって噴出する。
炉内領域αには、原料石膏供給路Sによって供給された原料石膏Mが堆積層Msとして堆積する。堆積層Msの上面Maは、燃焼管2の下部よりも若干上方に位置し、炉内領域α内に位置する燃焼管2の部分は、概ね、その1/4程度が原料石膏Mの堆積層Ms内に埋入する。高温ガスHは、燃焼管2及び小径管24の管壁を介して炉内領域αに放熱して温度降下するが、概ね200〜300℃のガス温度を依然として保有する高温ガス噴流Hgとして小径管24の下端開口から下向きに噴流する。原料石膏Mは、炉底部に噴出した高温ガス噴流Hgによって流動化するとともに、高温ガス噴流Hgとの伝熱接触によって化合水を失い、主として半水石膏に焼成される。
焼成石膏導出口8が、概ね上面Maのレベルha(炉底面から測定した高さ位置)において円錐壁6に開口する。焼成石膏導出口8には、開閉制御弁(図示せず)が配設される。炉底部の焼成石膏を焼成石膏導出口8に導くための導出路70が、円錐壁6の傾斜面に沿って配設され、エアーランス装置80を構成する圧縮空気噴射管81が、導出路70の流路部分を貫通して斜め下方に延びる。エアーランス装置80は、圧縮空気供給管Kを介してコンプレッサCに接続される。エアーランス装置80は、圧縮空気噴射管81の管壁に配設された多数の空気噴射口(図示せず)から圧縮空気を噴射し、炉底部の焼成石膏は、圧縮空気の噴射圧力に助勢されて焼成石膏導出口8から炉外に流動する。焼成石膏導出口8の外側には、オーバーフロー装置9が配設される。オーバーフロー装置9は、オーバーフローゲート90を備える。焼成石膏導出口8及びオーバーフロー装置9を介して炉外に送出された焼成石膏Wは、搬出路Vによって後続工程の装置(ホモジナイザー、粉砕機等)又はサイロに供給される。
温度検出器Tの検出部が、導出路70の下端部に配設される。温度検出器Tは、炉外に導出される焼成石膏の温度(品温)を検出する。本例の石膏焼成システムは、温度検出器Tによって焼成温度を計測して、システム内の各種装置又は機器の作動を制御する制御系(図示せず)を有する。
このように構成された焼成炉1においては、原料石膏Mの流動化を促進するとともに、原料石膏M(又は焼成石膏W)を周方向に付勢して、焼成石膏Wを焼成石膏導出口8から円滑に炉外に導出せしめることが望ましい。このため、焼成炉1は、流動化促進手段且つ周方向付勢手段として、周方向に間隔を隔てて燃焼管2の下端部に配設された複数又は多数の固定羽根10を備える。
図2は、焼成炉1の構造を概略的に示す縦断面図である。図3は、燃焼管2の下部の構造を示すために固定羽根10及び堆積層Msの図示を省略して示す焼成炉1の部分縦断面図であり、図4は、固定羽根10及び堆積層Msを記載した図3と同様の縦断面図である。また、図5〜図7は、固定羽根10の配置、形状及び構造を示す焼成炉1の部分破断斜視図及び概略横断面図である。図5〜図7においては、固定羽根10の構造を明瞭に示すために、小径管24及び堆積層Msは、図示を省略されている。更に、図8及び図9は、固定羽根10の構造を示す部分拡大平面図及び部分拡大正面図である。
図2には、図1に示す焼成炉1の構造が概略的に示されている。図2に示す如く、焼成炉1の炉体は、円筒壁5の外面に突設した顎部又は脚部51を介して支持フレーム52(図2に部分的に示す)に支持される。原料石膏供給路Sを構成する管路53が炉頂壁3を貫通し、炉内領域αにおいて下方に延びる。原料石膏Mの堆積層上面Ma(レベルha)は、管路53の下端開口54の下方に位置する。
図3に示す如く、燃焼管2は、直径が拡大した拡大下端部26を有し、拡大下端部26は、直管部分27の下端に接続される。拡大下端部26の外周面は、真円形の水平断面を有する。拡大下端部26の底板25には、前述のマルチチューブを構成する多数の小径管24が接続される。各小径管24は、流路断面を縮小した流路を形成する。各小径管24は、例えば、燃焼管2の流路断面積の1/50以下、例えば、100分の1程度の流路断面積を有する。小径管24の上端部は、管内領域βに開口し、小径管24の下端部は、炉底壁7の近傍において炉底部に下向きに開口する。所望により、前述の混合器23を拡大下端部26内に配置しても良い。
図2及び図4に示すように、固定羽根10は、上面Maの下側において拡大下端部26の外周域に配置される。固定羽根10の最上部(図9に示す固定羽根10の上部内端18)は、レベルhbの高さ位置(炉底面から測定した高さ寸法hbの位置)に位置決めされる。図2及び図4に示すレベルhaを上面Maの設定レベル又は設計レベルとすると、レベルhaは、レベルhb×1.0〜レベルhb×1.2の範囲内に好ましく設定し得る。即ち、固定羽根10は、堆積層Msに実質的に完全に埋没する高さ位置に好ましく配置し得る。但し、焼成炉1の作動中は、堆積層Msの上面Maは、比較的激しく挙動し、上面Maには、起伏、隆起、沈降等の現象が発生するので、多くの場合、固定羽根10の上部は、上面Maの上方域に部分的に露出する。従って、レベルha、hbの上記位置関係は、あくまで、設計上又は初期設定上の位置関係を意味するものと理解すべきである。
図2及び図4に示すように、燃焼管2の中心軸線を中心とした固定羽根10の下部外端の直径dbは、同一レベルにおける円錐壁6の内径daよりも小さく、固定羽根10及び円錐壁6は、水平距離dcを隔てて離間する。直径dbは、好ましくは、内径da×0.8〜1.0の範囲内、更に好ましくは、内径da×0.9〜1.0の範囲内に設定され、従って、水平距離dcは、好ましくは、内径da×0.1以下、更に好ましくは、内径da×0.5以下の寸法に設定される。なお、本例において、燃焼管2及び円錐壁6の中心軸線は、実質的に一致する。
図7に示す如く、固定羽根10は、燃焼管2の中心軸線CL廻りに均一な角度間隔θ1を隔てて周方向に配列される。角度間隔θ1は、好ましくは、10〜60度の範囲内の角度、更に好ましくは、15〜30度の範囲内の角度(本例では、22.5度)に設定され、固定羽根10の数は、好ましくは、6〜36体の範囲内の数、更に好ましくは、12〜24体の範囲内の数(本例では、16体)に設定される。固定羽根10の基端部は、拡大下端部26の外周面に一体的に取付けられ、概ね拡大下端部26の径方向外方に延びる。なお、固定羽根10の角度間隔は、必ずしも全周に亘って均一な値に設定しなくとも良く、焼成炉1及び燃焼管2の構造等に相応して任意に設定することができる。
図8及び図9に示す如く、各固定羽根10は、湾曲した内縁11、外縁12、上縁13及び下縁14を有する金属製の湾曲板からなる。内縁11を含む固定羽根10の基端部は、ブラケット及びボルト等の取付手段(図示せず)、或いは、溶接等の接合手段によって拡大下端部26に固定され、固定羽根10は、拡大下端部26の外表面と実質的に連続する面を形成する。内縁11、外縁12、上縁13及び下縁14は、所定の曲率半径で湾曲しており、斜め上方に向いた凸状曲面15と、斜め下方に向いた凹状曲面16とが、各固定羽根10によって形成される。上縁13は、外方に向かって下方に傾斜しており、下縁14は、概ね水平に延びる。
隣り合う固定羽根10の間には、平面視において燃焼管2の周方向且つ径方向外方に湾曲して延びる流動路Pが形成される。流動路Pは、炉内外周帯域に向かって開放するとともに、鉛直方向に対して全体的に傾斜した湾曲流路の形態で上下方向に延びる。後述する如く、流動路Pは、高温ガス噴流Hgの上昇流を燃焼管2の径方向外方且つ周方向に偏向せしめる。
図8には、中心軸線CL及び上部外端17を通る燃焼管2の直径方向(平面視)の線分DL1が、一点鎖線で示されている。図8に示すように、固定羽根10の上部外端17の接線Th(水平面内)は、線分DL1に対して角度θ2をなす方向に配向される。また、図9に示す如く、固定羽根10の上部内端18及び上部外端17の接線Tv、Tv'(鉛直面内)は、鉛直方向VLに対して角度θ3、θ4をなす方向に配向される。好ましくは、角度θ2は、20〜60度の範囲内、好ましくは、30〜50度の範囲内の角度に設定され、角度θ3、θ4は、20〜60度の範囲内、好ましくは、30〜55度の範囲内の角度に設定される。
図8に示す如く、隣接する固定羽根10は、平面視において、基端部が互い重なり合い且つ先端部が相互離間するように配置される。固定羽根10の下部内端19及び下部外端20が、図8に示されている。また、図8には、燃焼管2の直径方向(平面視)の線分DL2、DL3が、一点鎖線で示されている。線分DL2は、高温ガス噴流Hgの偏向方向前方(本例では、平面視時計廻り方向)に位置する固定羽根10の下部内端19と、中心軸線CLとを通る。線分DL3は、高温ガス噴流Hgの偏向方向後方に位置する固定羽根10の下部外端20と、中心軸線CLとを通る。また、固定羽根10の重なり領域η(平面視)が、図8に斜線で示されている。
偏向方向後方に位置する固定羽根10の下部外端20は、偏向方向前方に位置する固定羽根10の下部内端19に対し、偏向方向前方に偏倚した角度位置に位置決めされており、下部内端19及び下部外端20は、中心軸線CL廻りに中心角θ5の角度間隔を隔てて配置される。即ち、偏向方向後方の固定羽根10の下部外端20の角度位置は、偏向方向前方の固定羽根10の下部内端19の角度位置に対し、中心軸線CLを中心として、偏向方向前方に角度θ5の位相差を有する。
本発明者の実験によれば、拡大下端部26の底板25は、上昇する高温ガス噴流Hgを拡大下端部26の径方向外方に差し向けるように作用する。このため、炉内壁面近傍における原料石膏Mの炉体周方向の運動は、径方向外方に差し向けられた高温ガス噴流Hgの運動によって妨げられる傾向がある。また、本発明者の実験によれば、炉底部に流出した高温ガス噴流Hgは、図3に上向き矢印で示す如く小径管24の管群に沿って上昇し、拡大下端部26の外周面近傍の帯域において上面Maに噴出する傾向がある。これは、金属管(小径管24)と原料石膏Mとの境界域において高温ガス噴流Hgの流動抵抗が相対的に小さく、高温ガス噴流Hgが小径管24に沿って上昇し易いことに起因する現象であると考えられる。
しかしながら、偏向方向後方の固定羽根10の下部外端20は、偏向方向前方の固定羽根10の下部内端19に対し、中心角θ5の位相差を有し、偏向方向後方の固定羽根10の下部外端20は、偏向方向前方の固定羽根10の下部内端19よりも偏向方向前方の角度位置に配置されるので、底板25によって径方向外方に差し向けられた高温ガス噴流Hgは、固定羽根10によって確実に偏向される。従って、径方向外方に向かう高温ガス噴流Hgの運動によって原料石膏Mの炉体周方向の運動が妨げられる現象は、確実に防止することができる。なお、角度θ5は、0度よりも大きく、固定羽根10の角度間隔θ1に対し、好ましくは、θ1×0.3以下の範囲内、更に好ましくは、θ1×0.2以下の範囲内に設定される。また、上記の如く固定羽根10の重なり領域ηを確保することにより、拡大下端部26の外周面近傍における高温ガス噴流Hgの上昇が効果的に妨げられ、高温ガス噴流Hgの上昇流は、固定羽根10によって偏向される。かくして、上記位相差(角度θ5)及び重なり領域ηは、以下に説明する高温ガス噴流Hgの炉内循環を促し、原料石膏Mの均一な焼成に寄与する。なお、特定の固定羽根10の上部内端18と、これに隣接する固定羽根10の下部内端19とがなす角度を角度θ6とし、重なり領域ηの径方向外端νと下部内端19との間の距離(平面視)を寸法L1とし、固定羽根10の平面視対角線方向の長さ(即ち、固定羽根10の平面視最大長)を寸法L2とすると、重なり領域ηは、角度θ6>0且つL1/L2≦1/2の範囲内に好ましく設定し得る。
図4〜図9に矢印で示す如く、固定羽根10は、流動路P内を上昇する高温ガス噴流Hgを径方向外方且つ周方向に案内し、高温ガス噴流Hgによって流動化した原料石膏Mの流動体を高温ガス噴流Hgとともに径方向外方且つ周方向に差し向ける。流動路P内の高温ガス噴流Hg及び原料石膏Mは、上縁13及び外縁12の近傍から概ね拡大下端部26の接線方向に流出して、炉内外周帯域に流動する。固定羽根10は、全体的に湾曲しており、しかも、固定羽根10の上縁13は、外方に向かって下方に傾斜しているので、このような高温ガス噴流Hg及び原料石膏Mの運動は、固定羽根10の上側角部領域の存在によっては妨げられない。炉内外周帯域に流動した高温ガス噴流Hgは、炉内壁面近傍の石膏原料Mに伝熱接触する。また、周方向に差し向けられた高温ガス噴流Hg及び原料石膏Mは、炉内外周帯域の石膏原料Mを周方向に付勢し、或いは、炉内外周帯域の石膏原料Mの周方向運動を助勢する。
次に、上記構成の焼成炉1の作動について説明する。
図1に示す石膏焼成システムの使用においては、原料石膏供給装置Iにおいて調製された原料石膏Mが、原料石膏供給路Sによって燃焼領域αに供給され、燃焼領域αの下部に堆積する。燃焼用空気が、給気装置Qの給気圧力下に燃焼用空気供給管Aによって燃焼用空気供給路22に供給され、都市ガス等の炭化水素系燃料が、燃料供給管Fによって燃料供給路21に供給される。混合器23において接触混合した空気及び燃料は、燃焼管2内において高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、高温ガスHとして小径管24に流入し、高温ガス噴流Hgとして小径管24の下端開口から炉底部に噴流する。
高温ガス噴流Hgは、図4〜図9に矢印で示す如く小径管24の管群に沿って上昇し、上記の如く、固定羽根10によって径方向外方且つ周方向に偏向される。堆積層Msの原料石膏Mは、高温ガス噴流Hgによって流動化するとともに、高温ガス噴流Hgとの伝熱接触によって加熱される。高温ガス噴流Hgは、原料石膏Mを加熱して冷却した後、上面Maから炉内上部域に噴出し、燃焼排ガスeとして炉頂部から排ガス管Eに流入し、粉体分離装置B及び集塵装置を介して系外に排気される。
高温ガス噴流Hgの圧力によって堆積層Msの中心部を上昇した原料石膏Mの多くは、堆積層Msの上層部において径方向外方に移動し、円錐壁6の炉内壁面に沿って降下し、炉底部に循環する。固定羽根10によって径方向外方且つ周方向に差し向けられた高温ガス噴流Hg及び原料石膏Mの流動体は、円錐壁6の近傍に位置する原料石膏Mを円錐壁6の周方向に付勢し、原料石膏Mに対して炉体周方向の運動を与え、或いは、原料石膏Mの炉体周方向の運動を助勢する。即ち、炉内壁面近傍を炉体周方向に流動する原料石膏M又は焼成石膏Wの流れ又は移動層が、固定羽根10の受動的偏向作用によって堆積層Ms内に形成される。なお、この流れ又は移動層は、独立した流れ又は移動層として必ずしも明確でなくとも良い。即ち、固定羽根10は、炉内壁面近傍の原料石膏M又は焼成石膏Wの少なくとも一部を炉体周方向に流動せしめる炉内循環流を形成し、或いは、このような炉内循環流を堆積層Msに形成することを意図したものである。
原料石膏Mは、このような流動過程で高温ガスと熱交換して加熱され、化合水を喪失して半水石膏等に焼成された後、オーバーフロー装置9によって焼成石膏導出口8から炉外に導出され、搬出路Vにより焼成石膏Wとして次工程の装置系等に供給される。
このような焼成炉1の実機を使用した本発明者の実験によれば、本実施例に係る焼成炉1において二水石膏を半水石膏に焼成した場合、固定羽根10を備えない従来の焼成炉に比べて焼成石膏W中の二水石膏の割合が低下し、化合水量が全体的に低下した焼成石膏であって、所謂「焼きむら」の少ない均一な半水石膏を製造し得ることが判明した。また、このように原料石膏Mを均一に焼成し得ることから、焼成温度の設定値を約6〜7度低下させ、例えば、温度検出器Tによって検出される焼成温度に関し、その目標値又は設定値=150度を目標値又は設定値=143度又は144度に低下させることが可能となった。例えば、都市ガスを焼成炉1の燃料として使用する場合、燃料消費量は、炉内温度設定値を6.5度低下させることにより、約5%低下する。従って、上記構成の固定羽根10の使用は、焼成炉1の燃料消費量を削減する上で、極めて有効な手段であると考えられる。
以上、本発明の好適な実施形態及び実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態又は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施例では、上記実施例は、マルチチューブ型の燃焼管に対して本発明の構成を適用した石膏焼成炉に関するものであるが、燃焼管の下端部にスリット等を形成した形式の燃焼管等に本発明を適用しても良い。
また、上記実施例は、コニカルケトル型の石膏焼成炉に関するものであるが、円筒状形態の焼成炉等の他の形態の石膏焼成炉において、本発明の構成を適用することも可能である。
更に、上記実施例は、二水石膏を半水石膏に焼成する石膏焼成炉に関するものであるが、二水石膏を無水石膏に焼成する石膏焼成炉や、石膏廃材を原料石膏として用いる石膏焼成炉等に本発明の構成を適用しても良い。
また、上記実施例においては、堆積層上面及び固定羽根の設計上の相対位置をレベルha=レベルhb×1.0〜1.2に設定しているが、所望より、堆積層上面及び固定羽根の設計上の相対位置をレベルha<レベルhbの関係に設定することも可能である。
更には、固定羽根及び燃焼管の相対位置を調節するための位置調節手段を介して固定羽根の基端部を燃焼管に取付け、固定羽根の位置を可変設定し得るように固定羽根及び燃焼管を構成しても良い。また、上記実施例では、固定羽根は、燃焼管の外表面と実質的に連続する面を形成しているが、所望により、固定羽根の基端部と燃焼管の外表面との間に若干の隙間又はクリアランスを形成することも可能である。
本発明は、石膏焼成炉及び石膏焼成方法に適用される。本発明は殊に、石膏系面材の原料として使用される半水石膏等を製造すべく、原料石膏を焼成又は乾燥させる石膏焼成炉及び石膏焼成方法に好ましく適用される。本発明によれば、炉内の原料石膏堆積層の流動性を改善し、焼成石膏の「焼きむら」発生を防止するとともに、焼成炉の燃料消費量を削減することができるので、その実用的価値は、顕著である。また、本発明の構成は、新設の焼成炉のみならず、既設の焼成炉の改修に対しても比較的容易に適用し得るので、実務的に有利である。
1 石膏焼成炉
2 燃焼管
3 炉頂壁
4 炉壁
5 円筒壁
6 円錐壁
7 炉底壁
8 焼成石膏導出口
9 オーバーフロー装置
10 固定羽根
11 内縁
12 外縁
13 上縁
14 下縁
15 凸状曲面
16 凹状曲面
17 上部外端
18 上部内端
19 下部内端
20 下部外端
21 燃料供給路
22 燃焼用空気供給路
23 混合器
24 小径管
25 底板
26 拡大下端部
27 直管部分
α 炉内領域
β 管内領域
η 重なり領域
ν 重なり領域の径方向外端
A 燃焼用空気供給管
F 燃料供給管
H 高温ガス(高温の熱ガス)
Hg 高温ガス噴流
M 原料石膏
Ma 堆積層の上面
Ms 原料石膏の堆積層
P 流動路
S 原料石膏供給路
W 焼成石膏

Claims (13)

  1. 円形又は環状の水平断面又は水平輪郭の炉内壁面を有する炉体と、該炉体の中心部に配置され、高温ガスを生成する燃焼管とを備え、該燃焼管の下部に配設された高温ガス出口部から高温ガス噴流を炉内領域に噴出し、炉内領域に連続的又は断続的に供給される原料石膏を高温ガスによって焼成し又は乾燥させ、焼成又は乾燥した石膏を炉外に排出する石膏焼成炉において、
    前記燃焼管の外周域に角度間隔を隔てて周方向に配列した複数の固定羽根を有し、
    隣り合う前記固定羽根は、炉底部に噴流した前記高温ガスの上昇流を前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に偏向する前記高温ガス及び原料石膏の流動路を形成することを特徴とする石膏焼成炉。
  2. 隣り合う前記固定羽根は、炉内外周帯域に向かって開放し且つ鉛直方向に対して全体的に傾斜して上下方向に延びる前記流動路を形成することを特徴とする請求項1に記載の石膏焼成炉。
  3. 前記燃焼管の中心軸線を中心とした前記固定羽根の下部外端及び下部内端の角度位置に関し、前記高温ガス噴流の偏向方向において後方に位置する前記固定羽根の下部外端が、前記高温ガス噴流の偏向方向において前方に位置する前記固定羽根の下部内端よりも偏向方向前方の角度位置に位置するように位置決めされ、或いは、前記燃焼管に取付けられる前記固定羽根の基端部は、隣接する前記固定羽根の基端部と平面視において互いに重なり合い、隣り合う前記固定羽根の重なり領域(η)を前記燃焼管の下端部外周域に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の石膏焼成炉。
  4. 前記角度間隔は、10〜60度の範囲内の角度に設定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の石膏焼成炉。
  5. 前記固定羽根は、炉内領域に堆積した前記原料石膏の堆積層に少なくとも部分的に埋没する高さ位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の石膏焼成炉。
  6. 前記固定羽根は、湾曲した前記流動路を形成する湾曲板からなり、該流動路は、前記上昇流とともに上方に流動する前記原料石膏を周方向且つ径方向外方に偏向することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の石膏焼成炉。
  7. 前記固定羽根の上縁部は、平面視において湾曲するとともに、前記燃焼管の径方向外方に向かって全体的に下方に傾斜していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の石膏焼成炉。
  8. 前記固定羽根の下縁部は、平面視において湾曲し、前記下縁部の外端部は、前記炉内壁面から所定の水平距離(dc)を隔てて離間しており、前記水平距離(dc)は、前記外端部のレベルにおける前記炉内壁面の内径(da)に対し、該内径(da)×0.1以下の寸法に設定されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の石膏焼成炉。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載された石膏焼成炉を用いた石膏焼成方法において、
    炉底部に噴流した高温ガスの上昇流を前記固定羽根によって前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に案内し、該上昇流の偏向によって前記原料石膏を前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に流動せしめ、これにより、炉内壁面近傍の原料石膏を炉体の周方向に付勢し、或いは、炉内壁面近傍の原料石膏の周方向の運動を助勢することを特徴とする石膏焼成方法。
  10. 前記固定羽根を備えることにより、焼成温度の設定値を5度以上低下させることを特徴とする請求項9に記載の石膏焼成方法。
  11. 平面視円形又は環状の炉内壁面を有する炉体と、該炉体の中心部に配置された燃焼管とを備え、前記燃焼管の下部から噴出する高温ガス噴流によって炉内の原料石膏を焼成し又は乾燥させる石膏焼成方法において、
    前記燃焼管の外周域に角度間隔を隔てて複数の固定羽根を配列し、
    炉底部に噴流した前記高温ガス噴流の上昇流を前記固定羽根によって前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に案内するとともに、該上昇流によって前記原料石膏を前記燃焼管の径方向外方且つ周方向に流動せしめ、これにより、炉内壁面近傍の原料石膏を炉体の周方向に付勢し、或いは、炉内壁面近傍の原料石膏の周方向の運動を助勢することを特徴とする石膏焼成方法。
  12. 前記燃焼管の中心軸線を中心とした前記固定羽根の下部外端及び下部内端の角度位置に関し、前記高温ガス噴流の偏向方向において後方に位置する前記固定羽根の下部外端が、前記高温ガス噴流の偏向方向において前方に位置する前記固定羽根の下部内端よりも偏向方向前方の角度位置に位置するように位置決めされ、これにより、前記原料石膏の炉体周方向の運動を妨げるような径方向外方の高温ガス噴流の運動が抑制され、或いは、隣接する前記固定羽根の基端部が平面視において互いに重なり合うように該固定羽根が配置され、隣り合う前記固定羽根の重なり領域(η)が、前記燃焼管の下端部外周域に形成され、該重なり領域(η)は、前記上昇流が前記燃焼管の外周面近傍の領域を上方に吹き抜けるのを妨げることを特徴とする請求項11に記載の石膏焼成方法。
  13. 前記固定羽根を備えることにより、焼成温度の設定値を5度以上低下させることを特徴とする請求項11又は12に記載の石膏焼成方法。
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