JP2016154664A - 神経刺激電極の移動検知方法および神経刺激システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】神経刺激電極の移動検知方法は、神経刺激電極10を血管Sv内で位置決めし、基準時刻に検出した生体信号の測定値を基準生体信号測定値として記憶し、神経刺激電極10を血管内に留置しつつ、検出する生体信号の測定値と記憶した基準生体信号測定値とを比較して、神経刺激電極10が血管Svに沿って移動したか否かを判定する。
【選択図】図2
Description
この神経刺激電極は、リード本体の先端部にリードアンカーと電極(刺激電極)を備えて構成されている。リード本体は、ワイヤやコイルなどを含む複数の導体に、シリコーンやポリウレタンなどの生体適合性絶縁ポリマーなどの絶縁体を設けて形成されている。
リードアンカーは複数のストラットを有していて、折り畳み形状から拡張形状に拡がるように構成されている。拡張形状のとき、リードアンカーは電極を血管の管壁に押しつける。
神経刺激電極は、患者の体動や、患者による意識的あるいは無意識的な抜去動作等により、留置後に移動してしまうことがある。神経刺激電極が移動してしまうと、神経との位置関係が変化することにより好適な電気刺激が行えなくなるため、留置位置の修正等の適切な措置が早急に取られるべきである。しかしながら、特許文献1に記載の神経刺激電極では、留置後に移動しても当該移動を検知することができないという問題がある。
本発明の神経刺激電極の移動検知方法は、生体の血管内に留置される神経刺激電極の移動検知方法であって、前記神経刺激電極を前記血管内で位置決めし、基準時刻に検出した生体信号の測定値を基準生体信号測定値として記憶し、前記神経刺激電極を前記血管内に留置しつつ、検出する前記生体信号の測定値と記憶した前記基準生体信号測定値とを比較して、前記神経刺激電極が前記血管に沿って移動したか否かを判定することを特徴としている。
本発明の神経刺激システムは、弾性変形可能な付勢部材を有し、生体の血管内に係止される留置部、前記付勢部材に設けられ、神経を刺激する刺激信号が印加される一対の刺激電極を有する刺激部、および、前記血管内に留置されたときに生体信号を検出する検出部を備える神経刺激電極と、指示が入力された基準時刻における前記検出部が検出した前記生体信号の測定値である基準生体信号測定値を記憶する記憶部と、前記検出部が検出する前記生体信号の測定値と前記基準生体信号測定値とを比較して、前記留置部が前記血管に沿って移動したか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴としている。
本発明の他の神経刺激システムは、弾性変形可能な付勢部材を有し、生体の血管内に係止される留置部、前記付勢部材に設けられ、神経を刺激する刺激信号が印加される一対の刺激電極を有する刺激部、および、前記血管内に留置されたときに前記付勢部材の変形量を検出する検出部を備える神経刺激電極と、指示が入力された基準時刻における前記検出部が検出した前記変形量の測定値である基準変形量測定値を記憶する記憶部と、前記検出部が検出する前記変形量の測定値と前記基準変形量測定値とを比較して、前記留置部が前記血管に沿って移動したか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴としている。
本発明の他の神経刺激システムは、弾性変形可能な付勢部材を有し、生体の血管内に係止される留置部、前記付勢部材に設けられ、神経を刺激する刺激信号が印加される一対の刺激電極を有する刺激部、および、前記血管内に留置されたときに前記留置部の加速度を検出する検出部を備える神経刺激電極と、前記留置部が前記血管に対して移動したか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴としている。
前記検出部は、前記生体信号として生体インピーダンスを検出するための一対以上の測定電極を有することを特徴としている。
本発明の神経刺激システムは、前記検出部は、前記生体信号として血管内圧を検出するための圧力センサを有することを特徴としている。
本発明の神経刺激システムは、前記検出部は、前記生体信号として血液の流速を検出するための流速センサを有することを特徴としている。
本発明の神経刺激システムは、前記検出部は、前記付勢部材に設けられたひずみセンサを有することを特徴としている。
本発明の神経刺激システムは、前記検出部は、前記留置部に設けられた加速度センサを有することを特徴としている。
以下、本発明に係る神経刺激システムの第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、本神経刺激システム1は、刺激リード(神経刺激電極)10と、刺激リード10に接続された刺激発生装置40とを備えている。
本実施形態では、付勢部材21は、刺激リード10の長手方向に平行な基準線C周りに互いに間隔を空けて複数備えられている。付勢部材21は、詳細には図示しないが、支持ワイヤと、支持ワイヤの外周面を覆う被膜とを有している。支持ワイヤは、各種形状記憶合金等から生体適合性を考慮して選択することができる。被膜は、例えば、ポリウレタンなどの樹脂で形成され、生体適合性を高めたり血栓形成を抑制したりする目的で用いられる。このように、付勢部材21は弾性変形可能な材料で形成されている。
各付勢部材21は、イントロデューサー等に挿通させるときには基準線Cに近づくように弾性的に変形可能である。そして、イントロデューサーを超えて挿入されたときに、自身の弾性力により基準線Cから離間するように変形することができる。
なお、本実施形態では一対の刺激電極26、27は1つの付勢部材21に取付けられているが、一対の刺激電極26、27が互いに異なる付勢部材21にそれぞれ取付けられていてもよい。
測定電極31は付勢部材21の先端部に取付けられ、測定電極32は導線部35の先端部に取付けられている。
一対の測定電極31、32の基本構造および付勢部材21、導線部35との接続態様は、おおむね刺激電極26、27と同様であり、4つの電極のすべてにおいて他の電極との絶縁性が確保されている。測定電極31、32は、基準線Cに沿う方向において、刺激電極26、27を挟むように配置されている。
なお、測定電極32は、必ずしも導線部35に取付けられる必要はなく、付勢部材21に取付けられるようにしてもよい。測定電極31、32は、基準線Cに沿う方向において、刺激電極26、27を挟まないように配置されていてもよい。
なお、導線部35において、留置部20との接続部位から測定電極32が設けられた部位までの範囲の内部には、不図示の芯棒が配置されている。これにより、導線部35のこの範囲の部分が容易に曲がらず、概ね直線状態が保持される。その結果、生体信号取得部30は、留置部20および留置部20に設けられた刺激部25に対して、付勢部材21の変形に伴うわずかな変位を除き実質的に相対移動しない。
刺激生成部43は、定電流方式または定電圧方式による電気的刺激である刺激信号を発生させることができる。刺激生成部43で発生した刺激信号は、刺激リード10の刺激部25に送られる。
判定部45は、不図示の演算素子およびメモリーなどを有している。メモリーには、演算素子の制御プログラムや、生体インピーダンスについての正の数である閾値などが記憶されている。判定部45の演算素子は、測定電極31、32が検出する生体インピーダンスの測定値と、記憶部44に記憶された基準生体インピーダンス測定値とを比較して、留置部20が上大静脈Svに沿って移動したか否かを判定する。判定部45が判断した結果は、ケーシング41の外面に取付けられた液晶パネルなどの表示部47に表示される。
判定部45によるこの判定は、例えば数秒などのような刻み時間ごとに繰り返し行われる。
上大静脈Svに留置部20を導入すると、留置部20の外径が前述のように設定されているため、上大静脈Svの内壁に留置部20の各付勢部材21および刺激電極26、27が接触する。
使用者は、心拍数が最も低下するように、すなわち、刺激電極26、27が迷走神経Vn側に向き、刺激電極26、27が迷走神経Vnに近づくように、上大静脈Svに対する留置部20の基準線C周りの向きおよび上大静脈Svに沿った位置を位置決めする。
この上大静脈Svに留置部20を接触させ係止させた状態で、上大静脈Sv内に刺激リード10を留置する。この例では、留置時において刺激発生装置40は患者Pの体外に配置される。
これと並行して、測定電極31、32は刻み時間ごとに生体インピーダンスを検出する。判定部45は、生体インピーダンスの測定値と、記憶部44に記憶された基準生体インピーダンス測定値とを比較して、留置部20が上大静脈Svに沿って移動したか否かを判定する。
一方で、上大静脈Svに沿って留置部20が右心房Ht1とは反対側、すなわち頭側に移動したときには、留置部20の近傍に収容される血液の量が少なくなるため生体インピーダンスの測定値が大きくなる。判定部45は、生体インピーダンスの測定値が基準生体インピーダンス測定値から自身のメモリーに記憶された閾値を加えた値以上になったときに、表示部47に生体インピーダンスの測定値が大きすぎること、すなわち、留置部20が頭側に移動したことを表す警告を表示させる。
判定部45が、測定電極31、32による生体インピーダンスの測定値と記憶部44に記憶された基準生体インピーダンス測定値とを比較し、刺激リード10が上大静脈Svに沿って移動したか否かを判定するため、刺激リード10の上大静脈Svに沿った移動を好適に検知することができる。
このように構成することで、測定電極32が基準となり、該測定電極32と血管内壁との間の距離が体動などにより変化することによる、生体インピーダンスの変化を測定することができる。
神経刺激システム1Bをこのように構成することで、生体信号取得部50が有する測定電極の数は4つとなるが、生体インピーダンスをより正確に測定することができる。
例えば図5に示す神経刺激システム1Cの測定電極31、51の組合せによる2端子法による測定、もしくは測定電極32、52の組合せによる2端子法による測定を用いてもよい。そして4端子法を用いて測定した生体インピーダンスへの血液組成の変化による影響を補正する。血液導電度の変化を測定するための測定電極の距離は、血液以外のインピーダンスによる影響を避けるため、できるだけ近い距離であることが望ましい。具体的には、測定電極31と測定電極51との距離、測定電極32と測定電極52との距離は、できるだけ近い距離であることが望ましい。
神経刺激システム1Cが測定電極51、52を備えずに、刺激電極26、27が測定電極を兼ねるように構成してもよい。このように構成することで、神経刺激システム1Cを小型化することができる。
公知の二重周波数法を用いて留置部20の周囲の血液の量を測定し、その測定結果に基づいて測定電極31、32で測定する生体インピーダンスの補正を行ってもよい。
次に、本発明の第2実施形態について図6および図7を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図6に示すように、本神経刺激システム2は、第1実施形態の神経刺激システム1の生体信号取得部30に代えて、血管内圧(血液の圧力、生体信号)を検出するための圧力センサ56、ケーシング41に内蔵された圧力変換部57、および圧力センサ56と圧力変換部57とを接続する接続チューブ58を有する生体信号取得部55を備えている。
圧力センサ56および接続チューブ58を介して圧力変換部57に作用する圧力により、圧力変換部57は圧力センサ56が取付けられた部分における血管内圧を測定することができる。
なお、一般的に上大静脈Svは、心臓Htの右心房Ht1に近づくにしたがって、静脈圧が低くなり、静脈圧の圧力変動が大きくなる。
上大静脈Sv内に刺激リード60を留置すると、生体信号取得部55は刻み時間ごとに静脈圧を検出する。判定部45は、静脈圧の測定値と、記憶部44に記憶された基準静脈圧測定値とを比較して、留置部20が上大静脈Svに沿って移動したか否かを判定する。
より詳しく説明すると、判定部45は、静脈圧の測定値が基準静脈圧測定値から自身のメモリーに記憶された閾値を引いた値以下になったときに、表示部47に静脈圧の測定値が低すぎること、すなわち、留置部20が右心房Ht1側に移動したことを表す警告を表示させる。一方で、判定部45は、静脈圧の測定値が基準静脈圧測定値から自身のメモリーに記憶された閾値を加えた値以上になったときに、表示部47に静脈圧の測定値が高すぎること、すなわち、留置部20が頭側に移動したことを表す警告を表示させる。
判定部45は、表示部47に警告を表示させると同時に、刺激生成部43が発生する刺激信号を停止させる。
また、体位によっても静脈圧の変動が発生する。体位変動による静脈圧の変動をキャンセルするために、神経刺激システム2が加速度センサを備えてもよい。加速度センサにより患者Pの体位が同一であることを検知し、同一体位での静脈圧の変化を比較することで、留置部20の移動による静脈圧の変化をより正確に検知することができる。
なお、本実施形態では、留置部20の移動を静脈圧の測定値で検出したが、静脈圧の圧力変動で検出してもよい。
第2圧力センサ59は、刺激リード60を留置したときに、患者Pの頸部P1の皮膚直下の部分の血管内に配される。生体信号取得部55は、圧力センサ56、第2圧力センサ59により、それぞれ静脈圧を測定することができる。
神経刺激システム2が加速度センサにより体位を検知し、例えば立位と臥位での第1圧力センサと第2圧力センサの差を記憶してもよい。記憶した差に基づいて体位による圧力変化をキャンセルすることで、留置部20の移動による圧力変動を正確に検知することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図8を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本神経刺激システム3は、第1実施形態の神経刺激システム1の生体信号取得部30に代えて、血液の流速(生体信号)を検出するための流速センサ66を有する生体信号取得部65を備えている。流速センサ66としては、血液の流速を検出可能な公知の構成のものを適宜選択して用いることができる。
流速センサ66は、留置部20の各付勢部材21の基端部に取付けられている。
なお、一般的に上大静脈Sv内では、心臓Htの右心房Ht1に近づくにしたがって血液の流速が遅くなる。
上大静脈Sv内に刺激リード70を留置すると、生体信号取得部65は刻み時間ごとに血液の流速を検出する。判定部45は、血液の流速の測定値と、記憶部44に記憶された基準血流速測定値とを比較して、留置部20が上大静脈Svに沿って移動したか否かを判定する。
判定部45は、表示部47に警告を表示させると同時に、刺激生成部43が発生する刺激信号を停止させる。
また、体位によっても静脈内の血液の流速の変動が発生する。体位変動による血液の流速の変動をキャンセルするために、神経刺激システム3が加速度センサを備えてもよい。加速度センサにより患者Pの体位が同一であることを検知し、同一体位での血液の流速の変化を比較することで、留置部20の移動による血液の流速の変化をより正確に検知することができる。
なお、本実施形態では、刺激リード70を留置したときに、患者Pの頸部P1の皮膚直下の部分の血管内に配される第2流速センサを生体信号取得部65が備えてもよい。この頸部P1の皮膚直下の部分の血管における血液の流速は、血管に沿った移動による影響をほとんど受けない。一方で、患者Pが驚いた場合などには、患者Pの血液の流速は一時的ではあるが全体的にほぼ等しく上昇する。流速センサ66による血液の流速の測定値に代えて、流速センサ66による血液の流速の測定値と第2流速センサによる血液の流速の測定値との差を用いることで、血液の流速の一時的な上昇による影響を抑え、刺激リード70の上大静脈Svに沿った移動をより好適に検知することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図9を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、本神経刺激システム4は、第1実施形態の神経刺激システム1の生体信号取得部30に代えて、付勢部材21の変形量を検出するひずみセンサ76を有する検出部75を備えている。
ひずみセンサ76は、公知の構成のものを適宜選択して用いることができる。ひずみセンサ76は、付勢部材21に接着剤などで取付けられている。
上大静脈Svに対する留置部20の位置決めを終えたら、使用者はスイッチ42を押す。検出部75は付勢部材21の変形量(ひずみ)を検出し、使用者がスイッチ42を押して指示を入力した基準時刻における付勢部材21の変形量の測定値が、基準変形量測定値として記憶部44に記憶される。
上大静脈Sv内に刺激リード80を留置すると、検出部75は刻み時間ごとに付勢部材21の変形量を検出する。判定部45は、付勢部材21の変形量の測定値と、記憶部44に記憶された基準変形量測定値とを比較して、留置部20が上大静脈Svに沿って移動したか否かを判定する。
一方で、判定部45は、付勢部材21の変形量の測定値が基準変形量測定値から自身のメモリーに記憶された閾値を加えた値以上になったときに、表示部47に付勢部材21の変形量の測定値が大きすぎること、すなわち、留置部20が頭側に移動したことを表す警告を表示させる。
判定部45は、表示部47に警告を表示させると同時に、刺激生成部43が発生する刺激信号を停止させる。
次に、本発明の第5実施形態について図10を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図10に示すように、本神経刺激システム5は、第1実施形態の神経刺激システム1の生体信号取得部30、スイッチ42および記憶部44に代えて、留置部20の加速度を検出する加速度センサ86を有する検出部85を備えている。すなわち、本神経刺激システム5には、スイッチ42および記憶部44は備えられていない。
加速度センサ86は、6分力を測定可能な公知の構成のものを用いることが好ましい。6分力とは、加速度センサ86に固定された互いに直交する3軸に平行な力、および、各軸周りのモーメントのことを意味する。
加速度センサ86は、留置部20の付勢部材21に接着剤などで取付けられている。
上大静脈Svに対する留置部20の位置決めを終えたら、使用者は上大静脈Sv内に刺激リード90を留置する。
検出部85は刻み時間ごとに留置部20の加速度を検出する。判定部45は、留置部20の加速度の測定値と自身のメモリーに記憶された閾値とを比較して、留置部20が上大静脈Svに対して移動したか否かを判定する。例えば、3つの力を合成したものの大きさ、または、3つのモーメントを合成したものの大きさのいずれかが閾値以上であれば、留置部20が上大静脈Svに対して移動したと判定する。
この場合、判定部45は、表示部47に留置部20の加速度の測定値が大きすぎること、すなわち、留置部20が上大静脈Svに対していずれかの軸方向、または軸周りに移動したことを表す警告を表示させる。
判定部45は、表示部47に警告を表示させると同時に、刺激生成部43が発生する刺激信号を停止させる。
以上説明したように、本実施形態の刺激リード90の移動検知方法および神経刺激システム5によれば、刺激リード90の上大静脈Svに対する任意の方向の移動や回転を好適に検知することができる。
加速度センサ86による留置部20の加速度の測定値に代えて、加速度センサ86による留置部20の加速度の測定値と第2加速度センサによる加速度の測定値との差を用いることで、体動による刺激リード90の加速度を、上大静脈Svに対する刺激リード90の加速度から分離することができる。したがって、上大静脈Svに対する刺激リード90の加速度をより正確に検出することができる。
例えば、前記第1実施形態から第5実施形態では、神経刺激システムに表示部47を備え、判定部45の判定結果に応じて表示部47に警告を表示することで使用者に注意を促すとともに、刺激生成部43が発生する刺激信号を停止させた。しかし、神経刺激システム1に表示部47に代えてスピーカーを備え、このスピーカーが発する音により使用者に注意を促してもよい。また、神経刺激システム1に表示部47を備えずに、刺激生成部43が発生する刺激信号を停止させるだけでもよい。
生体インピーダンス、血圧、血液の流速である生体信号を検出して、刺激リードが上大静脈Svに対して移動したか否かを判定した。しかし、刺激リードに移動の判定に用いられる生体信号はこれに限られず、心電波形など生体が発する任意の生体信号を用いることができる。
10、60、70、80、90 刺激リード(神経刺激電極)
20 留置部
21 付勢部材
25 刺激部
26、27 刺激電極
30、50、55、65 生体信号取得部(検出部)
31、32、51、52 測定電極
44 記憶部
45 判定部
56 圧力センサ
66 流速センサ
75、85 検出部
76 ひずみセンサ
86 加速度センサ
P 患者(生体)
Sv 上大静脈(血管)
Claims (11)
- 生体の血管内に留置される神経刺激電極の移動検知方法であって、
前記神経刺激電極を前記血管内で位置決めし、
基準時刻に検出した生体信号の測定値を基準生体信号測定値として記憶し、
前記神経刺激電極を前記血管内に留置しつつ、検出する前記生体信号の測定値と記憶した前記基準生体信号測定値とを比較して、前記神経刺激電極が前記血管に沿って移動したか否かを判定することを特徴とする神経刺激電極の移動検知方法。 - 生体の血管内に留置される神経刺激電極の移動検知方法であって、
前記神経刺激電極を前記血管内で位置決めし、
前記神経刺激電極が有する弾性変形可能な付勢部材について基準時刻に検出した変形量の測定値を基準変形量測定値として記憶し、
前記神経刺激電極を前記血管内に留置しつつ、検出する前記付勢部材の変形量の測定値と記憶した前記基準変形量測定値とを比較して、前記神経刺激電極が前記血管に沿って移動したか否かを判定することを特徴とする神経刺激電極の移動検知方法。 - 生体の血管内に留置される神経刺激電極の移動検知方法であって、
前記神経刺激電極を前記血管内で位置決めし、前記神経刺激電極が有する留置部の加速度を検出して、前記神経刺激電極が前記血管に対して移動したか否かを判定することを特徴とする神経刺激電極の移動検知方法。 - 弾性変形可能な付勢部材を有し、生体の血管内に係止される留置部、
前記付勢部材に設けられ、神経を刺激する刺激信号が印加される一対の刺激電極を有する刺激部、
および、前記血管内に留置されたときに生体信号を検出する検出部を備える神経刺激電極と、
指示が入力された基準時刻における前記検出部が検出した前記生体信号の測定値である基準生体信号測定値を記憶する記憶部と、
前記検出部が検出する前記生体信号の測定値と前記基準生体信号測定値とを比較して、前記留置部が前記血管に沿って移動したか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする神経刺激システム。 - 弾性変形可能な付勢部材を有し、生体の血管内に係止される留置部、
前記付勢部材に設けられ、神経を刺激する刺激信号が印加される一対の刺激電極を有する刺激部、
および、前記血管内に留置されたときに前記付勢部材の変形量を検出する検出部を備える神経刺激電極と、
指示が入力された基準時刻における前記検出部が検出した前記変形量の測定値である基準変形量測定値を記憶する記憶部と、
前記検出部が検出する前記変形量の測定値と前記基準変形量測定値とを比較して、前記留置部が前記血管に沿って移動したか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする神経刺激システム。 - 弾性変形可能な付勢部材を有し、生体の血管内に係止される留置部、
前記付勢部材に設けられ、神経を刺激する刺激信号が印加される一対の刺激電極を有する刺激部、
および、前記血管内に留置されたときに前記留置部の加速度を検出する検出部を備える神経刺激電極と、
前記留置部が前記血管に対して移動したか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする神経刺激システム。 - 請求項4に記載の神経刺激システムにおいて、
前記検出部は、前記生体信号として生体インピーダンスを検出するための一対以上の測定電極を有する。 - 請求項4に記載の神経刺激システムにおいて、
前記検出部は、前記生体信号として血管内圧を検出するための圧力センサを有する。 - 請求項4に記載の神経刺激システムにおいて、
前記検出部は、前記生体信号として血液の流速を検出するための流速センサを有する。 - 請求項5に記載の神経刺激システムにおいて、
前記検出部は、前記付勢部材に設けられたひずみセンサを有する。 - 請求項6に記載の神経刺激システムにおいて、
前記検出部は、前記留置部に設けられた加速度センサを有する。
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