JP2016077520A - 神経刺激装置 - Google Patents

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勝 杉町
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Abstract

【課題】神経刺激装置において留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができるようにする。
【解決手段】神経刺激装置1は、刺激電極6a〜6dと、これら刺激電極に印加する刺激信号を生成する刺激信号生成部101と、刺激電極6a〜6dのうちから、刺激信号を印加する刺激電極の対を選択する電極選択部102と、患者の反応を検出する検出センサ7および検出部103と、電極選択部102および刺激信号生成部101の動作を制御して電気刺激を行う制御部104と、を備え、制御部104は、電気刺激時に検出部103によって検出された患者の反応の検出値に基づいて電気刺激の効果を判定する判定量を求め、この判定量が予め決められた許容範囲に入らない場合に、電極選択部102を制御して、刺激信号を印加する刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することができる構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は神経刺激装置に関する。例えば、脈管(血管、リンパ管)、消化管、気道、尿路等の管腔内から、隣接する神経を間接的に刺激する、神経刺激装置に関する。
従来、例えば、血管などの管腔内に配置した刺激電極によって、管壁を介して隣接する神経を間接的に刺激するための神経刺激装置が知られている。
このような神経刺激装置としては、例えば、特許文献1には、血管内に長期的に埋込み可能な膨張可能な電極であって、神経幹の近傍の血管の脈管内表面と当接するように構成されている膨張可能な電極と、この電極と結合された電気導線と、この電気導線と結合され、かつ電気導線を通して電極へ電気的刺激信号を送るように構成された埋込み可能なパルス発生器とを備え、血管を通して神経幹を経脈管刺激するように構成されている埋込み可能な装置が記載されている。
特表2008−535624号公報
特許文献1に記載の技術では、電極が血管内で膨張することにより血管の脈管内表面に押しつけられている。
しかし、このような電極を実際に使用する場合、例えば、患者の体位、体動、あるいは呼吸などによる周辺組織の動きによっては、留置位置の脈管が変形したり、脈管に対する電極の位置が変化したりすることがある。
このような脈管の変形や電極位置の変動が生じると、刺激対象となる神経と電極との相対的な位置関係も変化するため、神経への刺激効果に影響を及ぼす恐れがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができる神経刺激装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の態様の神経刺激装置は、患者の管腔構造を有する臓器内から隣接する神経に電気刺激を与える神経刺激装置であって、電気刺激を与えるため、互いに離間して設けられた3つ以上の刺激電極と、該刺激電極に印加する刺激信号を生成する刺激信号生成部と、前記3つ以上の刺激電極のうちから、前記刺激信号を印加する刺激電極の対を選択する電極選択部と、電気刺激を与えられた患者の反応を検出する反応検出部と、前記電極選択部および前記刺激信号生成部の動作を制御して、前記3つ以上の刺激電極から選択された前記刺激電極の対に前記刺激信号を印加して電気刺激を行う電気刺激制御部と、を備え、該電気刺激制御部は、電気刺激時に前記反応検出部によって検出された前記患者の反応の検出値に基づいて電気刺激の効果を判定する判定量を求め、該判定量が予め決められた許容範囲に入らない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することができる構成とする。
上記神経刺激装置においては、前記電気刺激制御部は、刺激位置が異なるすべての刺激電極の対を選択しても、前記判定量が前記許容範囲に入らない場合には、電気刺激を停止することが好ましい。
上記神経刺激装置においては、前記検出値を記憶する反応記憶部を備え、前記電気刺激制御部は、前記判定量として、前記反応検出部によって検出された最新の検出値と、前記反応記憶部に記憶された前の検出値とに基づいて、検出値の変化量を算出することが好ましい。
上記神経刺激装置においては、前記検出値を記憶する反応記憶部を備え、前記電気刺激制御部は、前記刺激信号生成部の動作を制御することにより、複数のパルス状の信号からなる波形群が発生するオン時間帯と、信号が発生しないオフ時間帯とが、交互に繰り返される断続的な刺激信号を、前記刺激電極の対に印加して電気刺激を行い、前記判定量として、前記反応記憶部に記憶された、前記オフ時間帯における検出値と、前記オフ時間帯に続く前記オン時間帯の検出値とに基づいて、前記オフ時間帯の検出値に対する前記オン時間帯の検出値の変化量を算出することが好ましい。
上記神経刺激装置においては、前記刺激信号生成部は、前記電気刺激制御部からの制御信号に基づいて、前記刺激信号の信号波形を変更することが可能であり、前記電気刺激制御部は、前記判定量が前記許容範囲に入らない場合に、前記刺激信号生成部に、前記信号波形を変更する制御信号を送出して電気刺激を行い、前記信号波形の変更のみによって、前記判定量を前記許容範囲に入れることができない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することが好ましい。
上記神経刺激装置においては、前記刺激信号生成部は、前記電気刺激制御部からの制御信号に基づいて、前記刺激信号の信号波形を変更することが可能であり、前記電気刺激制御部は、前記刺激信号生成部の動作を制御することにより、神経の刺激に必要な刺激強度よりも刺激強度が高い信号波形を有する刺激信号を前記刺激電極の対に印加して、判定用の電気刺激を行い、判定用の電気刺激時に前記反応検出部によって検出された前記患者の反応の検出値に基づいて電気刺激の効果を判定する判定量を求め、該判定量が予め決められた許容範囲に入らない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することができることが好ましい。
上記神経刺激装置においては、前記刺激信号生成部は、前記電気刺激制御部からの制御信号に基づいて、前記刺激信号の信号波形を変更することが可能であり、前記電気刺激制御部は、前記判定量が前記許容範囲に入らない場合に、前記刺激信号生成部に、前記信号波形を変更する制御信号を送出して電気刺激を行い、前記信号波形の変更を、予め決められた回数だけ行っても、前記判定量を前記許容範囲に入れることができない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することを、繰り返し行えることが好ましい。
本発明の神経刺激装置は、反応検出部によって検出された患者の反応に基づいて、電気刺激の効果の判定量を求め、判定量が許容範囲に入らない場合には、複数の刺激電極のうちから刺激信号を印加する刺激電極の対を変更することができるため、留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の全体構成を示す模式的な構成図である。 本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の電極ユニットの主要部の構成を示す模式的な正面図である。 本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の刺激信号波形の例を示す模式的なグラフ、およびそのF部の拡大図である。 本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の神経刺激装置の制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の神経刺激装置の刺激信号波形の例を示す模式的なグラフ、およびそのG部の拡大図である。 本発明の第4の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第5の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第6の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第7の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第8の実施形態の神経刺激装置の全体構成を示す模式的な構成図である。 本発明の第8の実施形態の神経刺激装置の制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の第8の実施形態の神経刺激装置の電極ユニットの主要部の構成を示す模式的な正面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の全体構成を示す模式的な構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の電極ユニットの主要部の構成を示す模式的な正面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の制御ユニットの機能ブロック図である。図4(a)は、本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の刺激信号波形の例を示す模式的なグラフである。図4(b)は、図4(a)におけるF部の拡大図である。図4(a)、(b)における横軸は時間、縦軸は電流を表す。
図1に示すように、神経刺激装置1は、内頚静脈P3に併走する迷走神経(図示略)に電気刺激を与える装置であって、例えば、頻脈や慢性心不全等の治療に用いることができるものである。
神経刺激装置1は、刺激信号を発生する装置本体2と、装置本体2に接続されて患者Pの内頚静脈P3内に留置される電極ユニット5と、電気刺激が与えられた患者Pの反応を検出するための検出センサ7(反応検出部)とを備えている。
電極ユニット5は、刺激信号を印加するため3以上の刺激電極を有する電極群6と、電極群6と装置本体2とを電気的に接続するリード部5aとを備えている。
なお、電極ユニット5は、電極群6を血管の内壁に押圧するため、電極群6の裏面側などに、弾性部材などを用いた図示略の電極係止部材を設けることが可能である。
図2に示すように、本実施形態における電極群6は、リード部5aの先端側の表面に、リード部5aの長手方向に沿って互いに離間して設けられた刺激電極6a、6b、6c、6dを備える。以下では、簡単のため、「刺激電極6a、6b、6c、6d」を、「刺激電極6a〜6d」と略記する場合がある。
刺激電極6a、6b、6c、6dは、リード部5aの先端部からこの順に、リード部5aの長手方向に沿って、ピッチdで等間隔に配列されている。
刺激電極6a〜6dのリード部5aの表面に露出した形状は、特に限定されず、例えば、矩形状、円状、楕円状など形状が可能であるが、本実施形態では、一例として、リード部5aの長手方向にわずかに長い略矩形状を採用している。
刺激電極6a〜6dのピッチdは、例えば、それぞれの露出部分の大きさ、生体インピーダンス、装置本体2の最大出力などを考慮して、刺激対象の神経に適正な電気刺激を与えることができるように設定する。
このように、本実施形態では、一例として、電極群6が4つの刺激電極6a〜6dで構成されている。しかし、電極群6の刺激電極の個数は、3以上の適宜個数が可能である。
電極群6における刺激電極の個数Nは、例えば、患者Pの体位、体動、あるいは呼吸などによる留置部位の周辺組織の動きによって生じ得る刺激対象の神経に対する相対位置のずれを考慮して決める。
患者Pの体動等によって電極群6が神経に対してLだけ相対的な位置ずれを起こす可能性がある場合、例えば、N×dを2×L以上にすればよい。
刺激電極6a〜6dの材料としては、生体適合性に優れた金属材料が好ましく、例えば、白金イリジウム合金等の貴金属材料を挙げることができる。
刺激電極6a〜6dにはそれぞれ図示略の配線が接続されている。これらの配線はリード部5aの内部に挿通されて基端部まで延ばされ、基端部に設けられたコネクタ5b(図1参照)を介して、装置本体2と電気的に接続されている。
リード部5aは、挿通あるいは留置される血管の内径よりも外径が小さく可撓性を有する長尺部材から構成されている。
リード部5aの内部には、刺激電極6a〜6dに接続され互いに絶縁された配線が挿通されている。
リード部5aの最外周面には、刺激電極6a〜6dの露出部分を除いて、絶縁性被覆が施されている。
検出センサ7は、電気刺激の効果が得られているかどうかを患者Pの反応によって検出するためのものである。本実施形態では、神経刺激装置1は、迷走神経に電気刺激を与えることにより、患者Pの心拍数を適正な範囲に収めることを目的としているため、患者Pの反応も心拍数で検出するようにしている。
本実施形態の検出センサ7は、患者Pの心電信号を取得する検出用電極リード7A、7Bを備える。
検出用電極リード7A、7Bの構成としては、例えば、患者Pの体内に留置して心電信号を取得するタイプの電極や、患者Pの体表に配置して心電信号を取得するタイプの電極を採用することができる。
本実施形態では、検出用電極リード7A、7Bは、一例として、患者Pの体表に配置する検出電極7aをそれぞれの先端に備え、各検出電極7aに電気的に接続された図示略の配線がリード本体7bの内部にそれぞれ挿通されている。
検出用電極リード7A、7Bの基端側には、各リード本体7bを集束し、図示略の配線を装置本体2に電気的に接続するコネクタ7cが設けられている。
図1に示すように、装置本体2は、各種情報を表示する表示部4と、装置本体2の各種操作を行う操作部3とを、外面に備えている。
表示部4としては、例えば、液晶やLED等の表示素子を用いた適宜の表示デバイスを採用することができる。
装置本体2の内部には、図3に示す制御ユニット100が設けられている。
制御ユニット100は、刺激信号生成部101、電極選択部102、検出部103(反応検出部)、および制御部104(電気刺激制御部)を備える。
刺激信号生成部101は、電気刺激を与えるため、刺激電極6a〜6dのうちから選択された刺激電極の対に印加する刺激信号を生成するものである。
刺激信号生成部101は、後述する電極選択部102、制御部104と通信可能に接続されており、制御部104からの制御信号に基づいて刺激信号を生成し、生成された刺激信号を電極選択部102に送出する。
ここで、本実施形態で用いる刺激信号の信号波形について説明する。
刺激信号の信号波形は、電気刺激の目的に応じて、種々の波形を採用することができる。例えば、定電流方式または定電圧方式の、矩形波パルス波形、バイフェージック波形などの例を挙げることができる。バイフェージック波形の二相のパルスの振幅は均等でよいし不均等でもよい。また、二相のパルスの相間にはディレイがなくてもよいし、ディレイがあってもよい。
本実施形態における刺激信号は、図4(a)、(b)に波形200として模式的に示すように、一定の繰り返し周波数fS1(図4(b)参照)を有し、パルス幅がTP1(ただし、2・TP1<TS1=1/fS1)である二相矩形波によるバイフェージック波形が、停止制御されるまで中断されずに続く連続的な信号パターンを有する。
なお、図4(a)、(b)は、一例として、電流の振幅Aが一定の定電流方式の信号波形を示している(以下も同じ)。
振幅Aは、プラス側とマイナス側とで振幅値が異なる波形も可能であるが、本実施形態では、一例として、プラス側とマイナス側の振幅値が等しい場合の例で説明する。
1回の刺激治療における刺激期間Tは、操作部3によって入力される。このため、後述する制御によって停止されるか、もしくは操作部3の操作によって停止されない限りは、刺激信号は、刺激期間Tの間、生成され続ける。
波形200の設定パラメータである振幅A、繰り返し周波数fS1、パルス幅TP1は、操作部3から操作入力することにより、必要に応じて変更することできる。
ただし、本実施形態では、治療を目的とする電気刺激を行う時には、各設定パラメータの値は、刺激開始前に設定された値に固定される。
また、神経刺激装置1では、電極ユニット5を留置する際の位置を探索するため電気刺激(以下、「探索用電気刺激」と称する)を行う探索モードを備えている。
探索モードでは、適正な留置位置を迅速に見つけるため、患者Pの心拍数が短時間で大きく低下するように、治療を目的とする電気刺激における刺激信号の設定パラメータとは異なる探索用電気刺激のための設定パラメータが自動的に設定される。
以下では、治療を目的とする電気刺激のための機能を中心として説明する。このため、誤解のおそれがない場合には、治療を目的とする電気刺激を、単に「電気刺激」と称する場合がある。
電極選択部102は、刺激電極6a〜6dのうちから、刺激信号を印加する刺激電極の対を選択するものである。
電極選択部102は、刺激信号生成部101からの刺激信号を受信する正極と負極とを有する入力ポートと、図示略の配線を介して、刺激電極6a〜6dにそれぞれ電気的に接続された出力ポートと、入力ポートを出力ポートのうちの2つのポートに電気的に接続する切替回路とを備える。
電極選択部102は、制御部104と通信可能に接続され、制御部104からの制御信号に応じて、切替回路における切替動作が行われる。
本実施形態における切替回路は、入力ポートの正極および負極に、それぞれ刺激電極6a、6b、刺激電極6b、6c、刺激電極6c、6dの三組の電極対E1、E2、E3(刺激電極の対)を選択的に切り替えて接続する。
電極対E2は、電極群6の配列方向における中心に位置する電極対である。これに対して、電極対E1は電極対E2に対して先端側に距離dだけずれた電極対になっている。また、電極対E3は電極対E2に対して基端側に距離dだけずれた電極対になっている。
このため、電極対E1、E2、E3は、互いに刺激位置が異なる。
検出部103は、検出センサ7とともに、電気刺激を与えられた患者Pの反応を検出する反応検出部を構成する装置部分であり、検出センサ7および制御部104と通信可能に接続されている。
本実施形態では、検出センサ7から患者Pの心電信号を取得し、心電信号を解析することによって、心拍数を測定し、心拍数の情報を制御部104に送出する。
心拍数の測定は、例えば、R波の到来を検知して、単位時間当たりのR波の個数を計数したり、R波の周期を測定してその逆数から算出したりすることができる。
なお、心拍数の測定値は、測定誤差を低減するため、適宜のサンプリング間隔の間の平均を取るなどした数値を制御部104に送出することが好ましい。
なお、検出部103は、探索モードにおいて探索用電気刺激が与えられた場合の患者Pの心拍数も同様にして検出することが可能である。このため、検出部103は、留置位置を探索する際に用いる心電計の代わりに用いることも可能である。
制御部104は、装置本体2の動作全体を制御する装置部分であり、操作部3、表示部4、刺激信号生成部101、電極選択部102、および検出部103とそれぞれ通信可能に接続されている。
制御部104は、留置位置を決定するための探索モードと、治療を目的として神経の電気刺激を行う刺激実行モードとを有しており、これらは操作部3からの操作によって切り替え可能である。
制御部104は、電極選択部102および刺激信号生成部101の動作を制御して、電極群6のうちから選択された刺激電極の対に刺激信号を印加し、探索モードでは探索用電気刺激を、刺激実行モードでは治療を目的とする電気刺激を行う。
特に刺激実行モードにおいては、制御部104は、電気刺激時に検出センサ7および検出部103によって検出された患者Pの反応の検出値である心拍数に基づいて電気刺激の効果を判定する判定量を求める。そして、制御部104は、この判定量が予め決められた許容範囲に入らない場合に、電極選択部102を制御して、刺激信号を印加する刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更する制御を行う。
本実施形態では、判定量として、心拍数自体を用いており、制御部104には、心拍数の許容範囲の下限値Hminと上限値Hmaxとが記憶されている。
制御部104が行う制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
以上に機能構成を説明した制御ユニット100の装置構成は、ハードウェアのみで構成してもよいし、適宜のハードウェアと、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などからなるコンピュータとから構成して、上記の制御機能を、コンピュータで制御プログラムを実行することで実現してもよい。
次に、神経刺激装置1の動作について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
神経刺激装置1を用いて、電気刺激を行うには、図1に示すように、まず患者Pの鎖骨下静脈P2に小切開を加えて開口P1を形成し、図示略の筒状のイントロデューサー等を血管内に挿入する。そして、イントロデューサー等を経由して鎖骨下静脈P2内に電極ユニット5を挿入し、その先端側の電極群6を迷走神経と併走する血管内の適切な位置に留置する。
本実施形態では、図1に示すように、例えば、内頚静脈P3に留置する。
その際、適切な留置位置を探索するために周知の探索動作を行う。
探索動作は、図示略の心電計あるいは神経刺激装置1の検出センサ7および検出部103などにより患者Pの心拍数を検出しながら行う。
操作部3によって動作モードを探索モードに切り替えると、神経刺激装置1は、電極群6のうちから選択された刺激電極の対に予め設定された探索用刺激信号に基づく探索用電気刺激を印加する。
本実施形態では、デフォルトの設定では、制御部104から電極選択部102に電極対E2を選択する制御信号が送出される。
制御部104は、探索用刺激信号の設定パラメータに基づいて、刺激信号を生成する制御信号を刺激信号生成部101に送出する。これにより、電極対E2に探索用刺激信号が印加される。
このようにして、電極対E2から探索用電気刺激が迷走神経に伝わると患者Pの心拍数が低下するため、患者Pの心拍数が最も低下する位置が最適な留置位置になる。そこで、術者は、電極ユニット5における電極群6の位置を内頚静脈P3内で移動して、そのような最適位置が特定されたら、その位置に電極群6を留置し、操作部3を通して探索用電気刺激の印加を終了する操作を行う。
以上で、探索モードが終了する。
このように留置位置が決定されるため、探索モード終了直後には、電極対E2に電気刺激を印加すると最も治療効果が得られることになる。
しかし、治療を目的とする電気刺激の刺激期間Tは、探索モードに必要な時間に比べると長い。また、治療期間中、間をあけて複数回にわたり電気刺激が行われることも多い。
したがって、電気刺激の印加中または休止中に、例えば、患者Pの体動などが発生したり、患者の体位を変えたりするによって、留置位置の脈管が変形したり、脈管に対する電極の位置が変化したりすることがある。また、電極ユニット5が頚部や胸部の脈管に留置されている場合には、患者Pの呼吸による周辺組織の動きの影響によっても同様のことが起こる場合がある。
電極対E2が、最適な留置位置からずれた状態で、電気刺激を続けると、神経に印加される電気刺激エネルギーが不足して、十分な治療効果が得られなくなる。
そこで、神経刺激装置1では、治療を目的とする電気刺激を行う間に、患者Pの反応を検出し、適正な患者Pの反応が得られない場合には、刺激信号を印加する電極対を、適正な反応が得られる他の電極対に変更する制御が行われる。
以下では、簡単のため、治療期間中に、刺激期間Tの連続的な電気刺激を1回行う場合の例を中心として説明する。刺激期間Tの連続的な電気刺激を複数回行う場合(以下、「リピート刺激動作」と称する)には、基本的には、以下に説明するフローを所定のスケジュールで繰り返すようにすればよい。
操作部3によって、神経刺激装置1の動作モードが刺激実行モードに切り替えられると、図5に示すステップS1〜S10が、図5に示すフローにしたがって実行される。
ステップS1は、電気刺激に用いる刺激電極と、刺激信号とを初期設定するステップである。
制御部104は、電極選択部102に制御信号を送出して、探索モードにおいて用いた電極対E2を構成する刺激電極6b、6cを、電気刺激に用いる刺激電極として選択させる。
また、制御部104は、刺激信号生成部101に制御信号を送出して、電極選択部102に電気刺激を行うための設定パラメータの設定を行う。
この設定パラメータは、操作部3から入力した値を用いることができる。特に、操作部3から入力されない場合には、予め制御部104に記憶されたデフォルト値が用いられる。
これらの初期設定が終了したら、制御部104は、刺激期間Tの終了を判定するための計時を開始する。
以上で、ステップS1が終了する。
なお、リピート刺激動作のフローの場合には、各刺激期間Tの刺激信号の設定パラメータや、刺激期間Tの長さは、それぞれ同一でもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。刺激信号の設定パラメータや刺激期間Tの長さが各回とも同一の場合には、2回目以降の上記ステップS1は省略することが可能である。
次に、ステップS2を行う、本ステップは、刺激出力を開始するステップである。
制御部104は、刺激信号生成部101に刺激出力を開始する制御信号を送出する。
これにより、ステップS1で初期設定された設定パラメータに基づく刺激信号が、刺激信号生成部101から電極選択部102に送出される。
電極選択部102は、受信した刺激信号を、本ステップを実行するまでに設定された現在の電極対に印加する。例えば、本ステップを最初に実行する場合には、ステップS1で初期設定された電極対E2に印加する。本ステップを2回目以降に実行する場合には、後述するステップS8にて選択された電極対に印加する。
このようにして、選択済みの電極対から、図4(a)に波形200として示すような刺激信号に基づく電気刺激の出力が開始される。
また、制御部104は、検出部103に制御信号を送出して、検出部103の動作を開始させる。
これにより、検出部103は、検出センサ7から心電信号を取得して、心拍数の測定を開始する。
以上で、ステップS2が終了する。
次に、ステップS3を行う、本ステップは、患者Pの反応を検出するステップである。
制御部104は、予め決められたサンプリング間隔で、検出部103から患者Pの心拍数の測定値を取得する。以下では、この測定値を検出値Hと称する。
以上で、ステップS3が終了する。
次に、ステップS4を行う、本ステップは、ステップS3で取得された心拍数の検出値Hが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
制御部104は、ステップS3で取得した検出値Hが、制御部104に予め記憶された許容範囲である、Hmin以上Hmax以下の範囲にあるかどうか判定する。
検出値Hが、Hmin以上Hmax以下の場合は、現在選択されている電極対によって適正な効果が得られているため、この条件で電気刺激を継続すべくステップS9に移行する。
検出値Hが、Hmin未満またはHmaxを超える場合は、ステップS5に移行する。
ステップS9は、刺激期間内かどうか判定するステップである。
制御部104は、ステップS1で計時を開始した経過時間を参照し、経過時間が刺激期間T未満であるかどうか判定する。
経過時間が刺激期間T未満の場合には、刺激出力を停止することなくステップS3に移行する。
経過時間が刺激期間T以上の場合には、ステップS10に移行する。
ステップS10は、刺激出力を停止するステップである。
本ステップに移行するのは、検出値Hが許容範囲内の状態であって、計時された経過時間が刺激期間T以上に到達した場合であるため、予定された電気刺激が完了している正常な状態である。
このため、制御部104は、刺激信号生成部101に刺激出力を停止する制御信号を送出する。これにより、刺激信号生成部101は、刺激信号の電極選択部102への出力を停止する。
本ステップでは、制御部104は、刺激出力を停止する制御信号を送出した後、表示部4に、予定された電気刺激が正常終了したことを示す適宜のメッセージを表示させることが好ましい。
本ステップが終了すると、刺激期間Tの電気刺激が終了する。
ステップS5は、刺激出力を停止するステップである。
本ステップに移行するのは、計時された経過時間が刺激期間Tに達していないが、ステップS4によって心拍数の検出値Hが許容範囲外と判定された場合である。検出値Hが、許容範囲外になっていると患者Pの負荷になる。神経刺激装置1では、患者Pの負荷を最小限にとどめるために、一旦、刺激出力を停止する。
すなわち、制御部104は、刺激信号生成部101に刺激出力を停止する制御信号を送出する。これにより、刺激信号生成部101は、刺激信号の電極選択部102への出力を停止する。
以上で、ステップS5が終了する。
次に、ステップS6を行う。本ステップは、刺激電極の選択が可能かどうか判定するステップである。
本実施形態では、電極群6において、電極対E1、E2、E3が選択可能である。本ステップが最初に実行される場合には、ステップS1において電極対E2が選択済みである。
制御部104は、これらの電極対の選択順序の情報を記憶するとともに、刺激出力を開始してからの電極対の選択履歴の情報を記憶できるようになっている。
電極対の選択順序の情報は、変更すべき電極対が順序づけられており、テーブルなどの形で記憶されている。本実施形態では、電極対の選択順序は、一例として、変更の基準となる電極対から近い順になっている。
ここで、「変更の基準となる電極対」とは、検出値Hが許容範囲外となる状態が続いている間において、最初に許容範囲外になった際に選択されていた電極対EXのことである。
例えば、電極対EXが電極対E2の場合には、他の電極対は、電極対E1、E3の順に選択する。ただし、この場合は、電極対E2に対するどちらの離間距離もdであるため、他の電極対は、電極対E3、E1の順に選択してもよい。
電極対EXが電極対E1の場合には、他の電極対は、電極対E2、E3の順に選択する。
電極対EXが電極対E3の場合には、他の電極対は、電極対E2、E1の順に選択する。
電極対の選択履歴は、電極対の変更によって、検出値Hが許容範囲外となった場合に選択可能な他の電極対をすべて試すことができるように記憶される。
このため、ステップS4にて検出値Hが許容範囲になった場合には、制御部104は、ステップS9に移行する際に、それまでの選択履歴をリセットする動作を行っておく。
ステップS6では、制御部104は、電極対EXの情報と、すでに選択された電極対の情報を取得することができる。
そこで、本ステップでは、制御部104は、選択履歴の情報を参照し、すでに選択された電極対が電極数の総数よりも少ない場合には、未選択の他の電極対が選択可能であるため、ステップS8に移行する。
すでに選択された電極対が電極数の総数に一致する場合には、選択可能なすべての電極対を選択済みであるから、未選択の他の電極対を選択することができないため、ステップS7に移行する。
ステップS8は、刺激電極の対を変更するステップである。
本ステップでは、制御部104は、電極対の選択順序の情報および選択履歴の情報に基づいて、電極選択部102に、選択する電極対の設定を行う。
例えば、ステップS8が、ステップS1の実行後に最初に実行される場合には、電極対EXが電極対E2であるため、選択順序の次位の電極対E1を設定する。
ステップS8が続いて2回目に実行される場合には、同様に電極対EXが電極対E2であって、電極対E1が選択済みのため、選択順序の次位の電極対E3を設定する。
これに対して、例えば、電極対E1が選択されて、その直後に検出値Hが許容範囲に入った後に、再度検出値Hが許容範囲外となってステップS8が実行される場合には、ステップS4からステップS9に移行する際に、電極対E1より前の選択履歴がリセットされている。このため、選択履歴を査証すると、電極対EXは電極対E1になっている。この場合、制御部104は、電極対EXが電極対E1の場合の選択順序のテーブルを参照して、次位の電極対E2を設定する。
このようにして、変更する電極対が設定されると、ステップS8が終了し、ステップS2に移行する。
ステップS7は、警告メッセージを表示するステップである。
本ステップに移行するのは、ステップS2〜S6、S8のループを繰り返すことにより、選択可能なすべての電極対を選択しても、検出値Hが許容範囲外になっている場合である。
すなわち、刺激位置が異なる電極対を選択しても、どの電極対からも適正な電気刺激が神経に印加されなかった場合である。
この場合、電極対と神経との相対位置関係がずれすぎているか、または、他の要因による異常が生じていることが考えられる。ただし、電気刺激は、本ステップに先行して、ステップS5で停止されているため、患者Pに対する負荷がかかることは回避されている。
そこで、本ステップでは、制御部104は、神経刺激装置1によって自動的には回復できない異常が生じたことを警告したり、操作者による点検や留置位置の再調整等の処置を促したりするための適宜の警告メッセージを表示部4に表示させる。
警告メッセージが表示部4に表示されたら、刺激実行モードを終了する。
このように、神経刺激装置1では、初期設定された電極対E2からの電気刺激によって、検出値Hが許容範囲内に入る適正な電気刺激の効果が得られる間は、ステップS3〜S4、S9で構成されるループにしたがって、連続的に電気刺激が印加される。そして、経過時間が刺激期間Tに達すると電気刺激が終了する。
ところが、ステップS4において、検出値Hが許容範囲外となったと判定されると、ステップS5、S6、S8、S2〜S4で構成されるループが実行される。これにより、検出値Hが許容範囲内となるまでは、選択可能なすべての電極対を順次自動的に選択して、電気刺激の印加位置を変更する動作が行われる。
このため、刺激信号が印加される刺激電極と神経との相対位置がずれるなどして、電気刺激の効果が低下した場合に、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、電極ユニット5の留置位置を再調整することなく、適正な電気刺激を継続することができる。
したがって、複数の刺激電極の対を備えない場合に比べて、電極ユニット5の留置位置の再調整の頻度を、格段に低減することができるため、再調整の際にかかる患者Pの負荷を低減することができる。
また、本実施形態では、電極対が変更されて検出値Hが許容範囲内になった後、再び、検出値Hが許容範囲外になると、同様のアルゴリズムが実行されて、刺激信号を印加する電極対が他の適正な電極対に自動的に変更される。
このため、刺激期間Tが終了するまでの間に刺激電極と神経との相対位置が何度変化しても、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、電極対が変更されることで、適正な電気刺激を継続することができる。
このように、本実施形態の神経刺激装置1によれば、電気刺激の効果の判定量として、検出センサ7および検出部103によって検出された患者の心拍数の検出値Hを求め、検出値Hが許容範囲に入らない場合には、刺激信号を印加する電極対を変更することができる。このため、留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができる。
特に、患者Pの体位、体動、あるいは呼吸などによる留置部位の周辺組織の動きによって生じ得る刺激電極と神経との相対位置ずれは、ずれ量としては小さくても、体位や体動の変化によっては、頻繁に変化する。神経刺激装置1によれば、このような変化に自動的に対応して、安定した電気刺激を継続することができる。
このように、自動的に安定した電気刺激を継続することができるため、医師や患者が四六時中神経刺激効果を監視し、電極の調整などの操作を行う必要が無くなる。このため、医療従事者の手間が省くことができ、かつ頻回に神経刺激装置1の操作を行わなくてもよいため、操作によって患者の休息が妨げられない。
また、本実施形態では、選択されている電極対から近い順に、電極対を変更していくため、位置ずれが小さい場合には、迅速に適正な電気刺激を印加できる電極対を見つけることができる。
また、本実施形態では、留置位置を探索する際に、電極群6の中心部に位置する電極対E2を用いるため、電極対E1側への位置ずれも、電極対E3側への位置ずれも同様にして対応することができる。
本実施形態の説明では、一例として、検出値Hの許容範囲の境界を示す、上限値Hmaxと下限値Hminとは、予め記憶された数値であるとした。しかし、検出値Hの許容範囲は、刺激開始前の検出値から計算して求めても良い。例えば、検出値Hは、刺激前の心拍数の80%〜95%の範囲となるように、上限値Hmaxと下限値Hminとが計算される。それによって、刺激前の心拍数が非常に高い場合に懸念される、急激な心拍数変化による循環動態の不安定化が防止できる。
刺激開始前の心拍数は、手動により入力しても良いし、刺激開始の操作を行った時に出力開始に先立って、自動的に検出されても良い。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の神経刺激装置の制御ユニットの機能ブロック図である。
図6に示すように、本実施形態の神経刺激装置1Aは、上記第1の実施形態の神経刺激装置1の制御ユニット100に代えて、制御ユニット100Aを備える。
制御ユニット100Aは、上記第1の実施形態の制御ユニット100の制御部104に代えて、制御部104A(電気刺激制御部)を備え、記憶部105A(反応記憶部)を追加したものである。ただし、本実施形態では、検出部103は、記憶部105Aと通信可能に接続されており、制御部104Aからの制御信号に基づいて、検出した検出値Hを、検出順序を保って、記憶部105Aに記憶させることができるようになっている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御部104Aは、検出部103から送出された検出値Hを用いて、電気刺激の効果を判定することに加えて、最新の検出値Hと、前の検出値Hpastとに基づいて、検出値の変化量を算出し、検出値の変化量による電気刺激の効果の判定も行う点が、上記第1の実施形態の制御部104と異なる。
制御部104Aが行う制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
記憶部105Aは、検出部103が検出した検出値Hを時系列に沿って記憶する装置部分であり、検出部103および制御部104Aと通信可能に接続されている。
次に、神経刺激装置1Aの動作について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
神経刺激装置1Aを用いて、治療を目的とする電気刺激を行うには、まず、上記第1の実施形態と同様に探索動作を行って、図1に示すように、電極ユニット5を、内頚静脈P3に留置する。
神経刺激装置1Aの動作は、治療を目的とする電気刺激を行う間に、患者Pの反応を判定する際に検出値の変化量を用いる点が、神経刺激装置1の動作と異なる。
以下、上記第1の実施形態における動作と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の動作においては、上記第1の実施形態と同様のステップで制御部104が行う制御動作は、制御部104Aによって行われる。
操作部3によって、神経刺激装置1Aの動作モードが刺激実行モードに切り替えられると、図7に示すステップS11〜S23が、図7に示すフローにしたがって実行される。
ステップS11〜S13は、上記第1の実施形態におけるステップS1〜S3(図5参照)と同様のステップである。
次に、ステップS14を行う、本ステップは、上記第1の実施形態におけるステップS4と同様、ステップS13で取得された心拍数の検出値Hが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。ただし、判定後の移行先が異なる。
検出値Hが、Hmin以上Hmax(ただし、Hmax>Hmin)以下の場合は、ステップS15に移行する。
検出値Hが、Hmin未満またはHmaxを超える場合は、ステップS18に移行する。
ステップS15は、検出値Hを記憶するステップである。
本ステップでは、制御部104Aは、検出部103に制御信号を送出して、許容範囲にあると判定された検出値Hを、記憶部105Aに記憶させる。
これにより、記憶部105Aには、許容範囲に入った検出値Hが、検出された順序を保って記憶される。
以上で、ステップS15が終了する。
次に、ステップS16を行う。本ステップは、最新の検出値Hと、記憶部105Aに記憶された前の検出値Hpastとから、検出値の変化量を算出するステップである。
本実施形態の場合、電気刺激の効果があれば、心拍数は低下していくはずである。そこで、本ステップでは、前の検出値Hpastとして、直前のサンプリング時に検出された検出値を記憶部105Aから読み込み、変化量ΔH(判定量)として、ΔH=H−Hpastを算出する。
以上で、ステップS16が終了する。
次に、ステップS17を行う、本ステップは、変化量ΔHが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
変化量ΔHの許容範囲としては、サンプリング間隔の間の適正な心拍数の低下量に基づいて、下限値ΔHminと、上限値ΔHmax(ただし、ΔHmax>ΔHmin)とを、予め制御部104Aに記憶しておく。
ここで、上限値ΔHmaxは、検出値Hが低下する変化が小さすぎることを判定する数値である。このため、検出値Hが検出値Hpastよりも増大する場合を許容範囲外として検出する場合には、ΔHmaxは0未満の値を設定する。ただし、位置ずれによる急速な心拍数の上昇が検出される場合には、ΔHmaxは0以上の値としてもよい。ここで、心拍数の上昇が急速かどうかは、例えば、一定の判定時間内における心拍数の上昇率が一定の閾値以上であるかどうかによって判定できる。一定の判定期間としては、例えば、10秒〜20秒のうちから選ぶことが好ましい。上昇率の一定の閾値としては、例えば、10%〜15%のうちから選ぶことが好ましい。
検出値の変化量ΔHが、ΔHmin以上ΔHmax以下の場合は、ステップS22に移行する。
検出値の変化量ΔHが、ΔHmin未満またはΔHmaxを超える場合は、ステップS18に移行する。
ステップS22、S23は、上記第1の実施形態におけるステップS9、S10と同様なステップである。
このため、ステップS22において、経過時間が刺激期間T未満と判定されている間は、ステップS13に移行し、経過時間が刺激期間T以上の場合には、ステップS23に移行して、電気刺激が終了される。
ステップS18〜S21は、上記第1の実施形態におけるステップS5〜S8と同様なステップである。
ただし、ステップS21の実行後は、ステップS12に移行する。
このように、神経刺激装置1Aでは、初期設定された電極対E2からの電気刺激によって、検出値Hおよび検出値の変化量ΔHが許容範囲内に入る適正な電気刺激の効果が得られる間は、ステップS13〜S17、S22で構成されるループにしたがって、連続的に電気刺激が印加され、経過時間が刺激期間Tに達すると電気刺激が終了する。
ところが、ステップS14において検出値Hが許容範囲外となったことが判定されるか、または、ステップS17において変化量ΔHが許容範囲外となったことが判定されると、ステップS18、S19、S21、S12〜S17で構成されるループが実行される。これにより、検出値Hおよび変化量ΔHがそれぞれの許容範囲内となるまでは、選択可能なすべての電極対を順次自動的に選択して、電気刺激の印加位置を変更する動作が行われる。
このため、上記第1の実施形態と同様に、刺激電極と神経との相対位置がある程度ずれても、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、電極ユニット5の留置位置を再調整することなく、適正な電気刺激を継続することができる。
したがって、複数の刺激電極の対を備えない場合に比べて、電極ユニット5の留置位置の再調整の頻度を、格段に低減することができるため、再調整の際にかかる患者Pの負荷を低減することができる。
また、本実施形態においても、電極対を変更されて検出値Hおよび変化量ΔHがそれぞれの許容範囲内になった後、再び、検出値Hまたは変化量ΔHが許容範囲外になると、同様のアルゴリズムによって、刺激信号を印加する電極対が他の適正な電極対に自動的に変更される。
このため、上記第1の実施形態と同様に、刺激期間Tが終了するまでの間に刺激電極と神経との相対位置が何度変化しても、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、同様に適正な電気刺激を継続することができる。
このように、本実施形態の神経刺激装置1Aによれば、電気刺激の効果の判定量として、検出センサ7および検出部103によって検出された患者の心拍数の検出値Hおよびその変化量ΔHを求め、検出値Hまたは変化量ΔHが許容範囲に入らない場合には、刺激信号を印加する電極対を変更することができる。このため、第1の実施形態の場合と同様に、留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができる。
また本実施形態では、検出値の変化量ΔHによって、電気刺激の効果が十分でないと判定される場合にも、電極対を自動的に変更するため、上記第1の実施形態に比べてより効果的な電気刺激を確実に継続することができる。
本実施形態の説明では、一例として、変化量ΔHの許容範囲の境界を示す、上限値ΔHmaxと下限値ΔHminとが、予め記憶された数値であるとした。しかし、変化量ΔHの許容範囲は刺激開始前の検出値から計算して求めても良い。例えば、変化量ΔHは、刺激前の心拍数の5%〜20%の範囲となるように、上限値ΔHmaxと下限値ΔHminとが計算される。この場合、ΔHmin=−Hpast×0.2、ΔHmin=−Hpast×0.05となる。これによって、刺激前の心拍数が低い場合に懸念される、急激な心拍数変化による循環動態の不安定化が防止できる。
刺激開始前の心拍数は、手動により入力しても良いし、刺激開始の操作を行った時に出力開始に先立って、自動的に検出されても良い。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図3に示すように、本実施形態の神経刺激装置1Bは、上記第1の実施形態の神経刺激装置1の制御ユニット100に代えて、制御ユニット100Bを備える。
制御ユニット100Bは、上記第1の実施形態の制御ユニット100に制御部104に代えて、制御部104B(電気刺激制御部)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御部104Bは、検出値Hにより電気刺激の効果が許容範囲外と判定された場合に、刺激信号の信号波形を変更して電気刺激を行えるようにした点が、上記第1の実施形態の制御部104と異なる。
制御部104Bによる刺激信号の信号波形は、振幅A、繰り返し周波数fS1、パルス幅TP1の少なくとも一つを変更することも可能であるが、本実施形態では、一例として、振幅Aの大きさ、すなわち刺激強度を変更する場合の例で説明する。
制御部104Bが行う制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
次に、神経刺激装置1Bの動作について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
神経刺激装置1Bを用いて、治療を目的とする電気刺激を行うには、まず、上記第1の実施形態と同様に探索動作を行って、図1に示すように、電極ユニット5を、内頚静脈P3に留置する。
神経刺激装置1Bの動作は、治療を目的とする電気刺激を行う間に、検出値Hが許容範囲外になった場合に、電流対を変更する他にも、刺激信号の信号波形を変更するようにした点が、神経刺激装置1の動作と異なる。
以下、上記第1の実施形態における動作と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の動作においては、上記第1の実施形態と同様のステップで制御部104が行う制御動作は、制御部104Bによって行われる。
操作部3によって、神経刺激装置1Aの動作モードが刺激実行モードに切り替えられると、図8に示すステップS31〜S42が、図8に示すフローにしたがって実行される。
ステップS31〜S35、S41、S42は、それぞれ、上記第1の実施形態におけるステップS1〜S5、S9、S10(図5参照)と同様のステップである。
ただし、ステップS41において、経過時間が刺激期間T未満の場合には、刺激出力を停止することなくステップS33に移行し、経過時間が刺激期間T以上の場合には、ステップS42に移行する。
本実施形態では、上記第1の実施形態におけるステップS5と同様のステップS35の次に、ステップS36を行う、本ステップは、刺激信号が変更可能かどうか判定するステップである。
ステップS36が実行されるのは、ステップS34において、検出値Hが許容範囲外と判定された場合である。
本実施形態では、検出値Hは心拍数であるから、検出値Hが、上限値Hmaxを超えた場合には、電気刺激が弱すぎたことを意味する。このため、電気刺激エネルギーを増大することにより、他の電極対を選択することなく電気刺激の効果を改善できる可能性がある。
また、検出値Hが、下限値Hmin未満の場合には、電気刺激が強すぎたことを意味する。このため、電気刺激エネルギーを低減することにより、他の電極対を選択することなく電気刺激の効果を改善できる可能性がある。
本実施形態では、一例として、電気刺激エネルギーの大きさを、波形200の振幅Aの大きさで変更する。振幅Aは、例えば、Amin以上、Amax(ただし、Amax>Amin)以下の範囲に設定可能である。
そこで、本ステップでは、制御部104Bは、検出値Hが上限値Hmaxを超えている場合には現在の振幅Aが上限値Amax未満かどうか、検出値Hが下限値Hminを下回っている場合には振幅Aが下限値Aminより大きいかどうかを判定する。
検出値Hが上限値Hmaxを超えている場合(下限値Hminを下回っている場合)であって、A<Amax(A>Amin)の場合には、振幅Aが変更可能であるため、ステップS39に移行する。
検出値Hが上限値Hmaxを超えている場合(下限値Hminを下回っている場合)であって、A=Amax(A=Amin)の場合には、振幅Aが変更可能でないため、ステップS37に移行する。
ステップS39は、刺激信号を変更するステップである。
本ステップでは、制御部104Bは、設定パラメータのうち、現在設定されている振幅Aの変更値である振幅A’を求める。
振幅A’は、例えば、予め一定の変更量ΔAを設定しておき、電気刺激エネルギーを増減の必要に応じて、現在の振幅AにΔAを加減した値とすることができる。
また、振幅A’は、変更量を固定することなく、検出値Hの大きさに応じて設定することも可能である。例えば、検出値Hにおいて許容範囲を逸脱した量を逸脱値δHとし、この逸脱値δHに応じて適正な変更量を求める補正係数α(δH)を予め求めておき、計算式やテーブルなどとして制御部104Bに記憶しておく。
ここで逸脱値δHは、検出値HがHmaxを超えた場合は、δH=H−Hmax、検出値HがHminを下回った場合は、δH=H−Hminとして求める。
補正係数α(δH)は、少なくとも、δHの正負と同じ正負の値を取る関数であり、例えば、比例定数にδHの正負に対応して±1を乗じた値でもよい。
この場合、振幅A’は、例えば、A’=A{1+α(δH)}などのように求めることが可能である。
制御部104Bは、このような振幅A’を求めたら、設定パラメータの振幅Aを振幅A’に変更する制御信号を刺激信号生成部101に送出する。
これにより、ステップS39が終了する。
ステップS39が終了したら、ステップS32に移行し、ステップS32〜S36を繰り返す。
このようにして、本実施形態では、振幅Aが変更可能な間は、電極対を変更することなく、振幅Aを変更して、電気刺激の適正化を図っている。
ステップS34によって、検出値Hが許容範囲内になると、刺激期間T内では、ステップS41、S33、S34からなるループが実行され、電気刺激が継続される。
ステップS37、S38、S40は、それぞれ、上記第1の実施形態におけるステップS6、S7、S8(図5参照)と同様のステップである。ただし、ステップS40の実行後は、ステップS33に移行する。
ステップS37が実行されるのは、ステップS36において刺激信号の変更による電気刺激の効果の改善が望めなくなったと判定された場合である。
この場合に、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様にして、電極対を変更することによって電気刺激の適正化を図る。すべての選択可能な電極対に変更しても検出値Hが許容範囲外となった場合には、ステップS38を実行して、電気刺激を終了する。
このように、神経刺激装置1Bでは、初期設定された電極対E2からの電気刺激によって、検出値Hが許容範囲内に入る適正な電気刺激の効果が得られる間は、ステップS33〜S34、S41で構成されるループにしたがって、連続的に電気刺激が印加され、経過時間が刺激期間Tに達すると電気刺激が終了する。
ところが、ステップS34において検出値Hが許容範囲外となったことが判定される場合には、ステップS35、S36、S39、S32〜S34で構成されるループが実行される。これにより、検出値Hが許容範囲内となるまでは、設定可能な刺激信号に変更していく。
設定可能な刺激信号の範囲で、検出値Hが許容範囲内にならない場合には、ステップS36に続いて、ステップS37、S40が実行される。
このようにして、刺激信号の変更と電極対の変更とを繰り返すことにより、電気刺激が適正となると、電気刺激が継続する。
このため、上記第1の実施形態と同様に、刺激電極と神経との相対位置がある程度ずれても、刺激信号の変更可能な範囲または位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、電極ユニット5の留置位置を再調整することなく、適正な電気刺激を継続することができる。
したがって、複数の刺激電極の対を備えない場合に比べて、電極ユニット5の留置位置の再調整の頻度を、格段に低減することができるため、再調整の際にかかる患者Pの負荷を低減することができる。
また、上記第1の実施形態と同様に、刺激期間Tが終了するまでの間に刺激電極と神経との相対位置が何度変動しても、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、同様に適正な電気刺激を継続することができる。
このように、本実施形態の神経刺激装置1Bによれば、電気刺激の効果の判定量として、検出センサ7および検出部103によって検出された患者の心拍数の検出値Hを求め、検出値Hが許容範囲に入らない場合には、刺激信号の信号波形または刺激信号を印加する電極対を変更することができる。このため、第1の実施形態の場合と同様に、留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができる。
また本実施形態では、刺激信号の信号波形を変更することで、ある程度神経と刺激電極とがずれていても、電極対を変えることなく適正な電気刺激を行うことが可能であるため、上記第1の実施形態に比べて、刺激電極の数が少なくても同様の効果を奏することができる。
本実施形態の説明では、一例として、検出値Hが許容範囲に入らない場合に、刺激信号の波形を変更し、波形変更の全てのパターンが終了しても検出値Hが許容範囲に入らない場合に、刺激電極を変更するパターンを例示した。しかし、波形の変更と電極の変更との順序は、適宜組み合わせることが可能である。
例えば、心拍数が高くて検出値Hが許容範囲に入らない場合には、刺激信号の波高(振幅)を1ステップ上げ(増大し)、元の電極へパルスを印加する。それでも許容範囲に入らない場合には、別の電極にパルスを印加し、検出値Hが許容範囲に入るまで繰り返す。全ての電極で検出値Hが許容範囲に入らない場合に、波高を1ステップ上げ、同じ動作を繰り返す。一方、心拍数が低い方向で、検出値Hが許容範囲に入らない場合には、許容範囲に入るまで波高を下げる調整を繰り返す。このような変更パターンでは、患者に副作用を発生する可能性のある、高い波高の刺激出力の使用を回避することが可能となる。
なお、本例のように、刺激信号の波高を上げ下げすることは、刺激信号の波形の変更の一例である。刺激信号の波形は、電気刺激の大きさを変更するため、振幅、繰り返し周波数、およびパルス幅のいずれ1つを変更することが可能である。あるいは、刺激信号の波形は、振幅、繰り返し周波数、およびパルス幅のうち2以上を組み合わせて変更することが可能である。
また、本例のように、刺激信号の波形を、1回変更して検出値Hが許容範囲に入らない場合に、他の刺激電極に変更することは、一例である。他の刺激電極に変更する前に、刺激信号の波形を予め決められた複数回変更することが可能である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図9(a)は、本発明の第4の実施形態の神経刺激装置の刺激信号波形の例を示す模式的なグラフである。図9(b)は、図9(a)におけるG部の拡大図である。図9(a)、(b)における横軸は時間、縦軸は電流を表す。
図6に示すように、本実施形態の神経刺激装置1Cは、上記第2の実施形態の神経刺激装置1Aの制御ユニット100Aに代えて、制御ユニット100Cを備える。
制御ユニット100Cは、上記第2の実施形態の制御ユニット100Aの制御部104Aに代えて、制御部104C(電気刺激制御部)を備える。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御部104Cは、刺激信号生成部101に、図9(a)、(b)に示すような断続的な刺激信号を設定する点と、検出値Hの変化量として、断続的な刺激における刺激前の検出値に対すると刺激後の検出値の変化量を用いるようにした点とが、上記第2の実施形態の制御部104Aと異なる。
本実施形態において、制御部104Cが設定する刺激信号の信号波形は、図9(a)に、波形201として模式的に示すように、波形群Wが、時間T1だけ連続的に続いてから、時間T2の間休止する断続的な繰り返しパターンを有する。
ここで、波形群Wは、一例として、図9(b)に示すように、一定の繰り返し周波数fS2を有する振幅B、パルス幅TP2の二相矩形波によるバイフェージック波形である。
以下では、波形群Wが発生している時間帯をオン時間帯、波形群Wが休止している時間帯をオフ時間帯と称する。
オフ時間帯は、最初の波形群Wに先行する時間T0の第1のオフ時間帯と、波形群W同士の間の時間T2の第2のオフ時間帯とが設定されている。
第1のオフ時間帯は、電気刺激を印加する前の患者Pの心拍数の検出値Hoffを検出するために設けられるオフ時間帯である。第1のオフ時間帯の長さは、電気刺激を行う前の患者Pの心拍数を測定するために、十分な長さに設定される。
第2のオフ時間帯は、波形群Wによる電気刺激を印加された後の患者Pの心拍数の検出値Hoffを検出するために設けられるオフ時間帯である。
オン時間帯、オフ時間帯の長さは、電気刺激の治療目的に合わせて適宜の長さに設定することができる。
例えば、T0=T1=T2=30(sec)のように、オン時間帯の長さとオフ時間帯の長さを同じにしてもよいし、例えば、T1=10(sec)、T0=T2=50(sec)などのように、オン時間帯の長さとオフ時間帯の長さとを変えてもよい。
また、第1のオフ時間帯の長さおよび第2のオフ時間帯の長さが同じであることは必須ではなく、互いに異なる長さを採用することもできる。
制御部104Cが行う上記信号波形の設定以外の制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
次に、神経刺激装置1Cの動作について説明する。
図10は、本発明の第4の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
神経刺激装置1Cを用いて、治療を目的とする電気刺激を行うには、まず、上記第2の実施形態と同様に探索動作を行って、図1に示すように、電極ユニット5を、内頚静脈P3に留置する。
神経刺激装置1Cの動作は、刺激信号が波形201のような断続的な信号パターンを有する点と、この刺激信号の場合の検出値Hの変化量ΔHの算出方法とが、神経刺激装置1Aの動作と異なる。
以下、上記第2の実施形態における動作と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の動作においては、上記第2の実施形態と同様のステップで制御部104Aが行う制御動作は、制御部104Cによって行われる。
操作部3によって、神経刺激装置1Cの動作モードが刺激実行モードに切り替えられると、図10に示すステップS51〜S63が、図10に示すフローにしたがって実行される。
ステップS51は、刺激信号の信号波形として、図9(a)、(b)に示すような波形201を初期設定する点が、ステップS11(図7参照)と異なる。
ステップS52は、上記第2の実施形態におけるステップS12(図7参照)と同様のステップである。
次に、ステップS53を行う。本ステップは、オフ時間帯の患者Pの反応を検出して、検出値Hoffを取得するステップである。
本ステップをステップS52の直後に実行する場合のオフ時間帯は第1のオフ時間帯であり、上記第2の実施形態におけるステップS22(図7参照)と同様のステップS62の直後に実行する場合のオフ時間帯は、第2のオフ時間帯である。
制御部104Cは、オフ時間帯の間に、検出部103から患者Pの心拍数の測定値を取得し、検出値Hoffとして記憶部105Aに記憶する。
このとき、検出値Hoffは、測定誤差を低減するため、複数の値を取得して、平均をとることが好ましい。
また、第2のオフ時間帯において検出値Hoffを取得するタイミングは、波形群Wによる電気刺激の効果を安定して検出するため、各オフ時間帯ともオフ時間帯の開始時に対して、同じタイミングで取得するようにすることが好ましい。
以上で、ステップS53が終了する。
次に、ステップS54を行う。本ステップは、オン時間帯の患者Pの反応を検出して、検出値Honを取得するステップである。
本ステップは、ステップS53を実行した直後のオン時間帯において行う。
制御部104Cは、オン時間帯の間に、検出部103から患者Pの心拍数の測定値を取得し、検出値Honとして記憶部105Aに記憶する。
このとき、検出値Honは、測定誤差を低減するため、複数の値を取得して、平均をとることが好ましい。
また、オン時間帯において検出値Honを取得するタイミングは、波形群Wによる電気刺激の効果を安定して検出するため、各オン時間帯ともオン時間帯の開始時に対して、同じタイミングで取得するようにすることが好ましい。
以上で、ステップS54が終了する。
次に、ステップS55を行う。本ステップは、上記第2の実施形態におけるステップS14の検出値Hに代えて、心拍数の検出値Hon、Hoffが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
検出値Hon、Hoffが、Hmin以上Hmax以下の場合は、ステップS56に移行する。
検出値Hon、Hoffの少なくとも一方が、Hmin未満またはHmaxを超える場合は、ステップS58に移行する。
次に、ステップS56を行う。本ステップは、記憶部105Aに記憶された最新の検出値Hoffに対する最新の検出値Honの変化量を算出するステップである。
本実施形態の場合、電気刺激の効果があれば、オン時間帯の心拍数の方が低下していくはずである。そこで、本ステップでは、記憶部105Aから最新の検出値Hoff、Honを読み込み、変化量ΔHとして、ΔH=Hon−Hoffを算出する。
以上で、ステップS56が終了する。
次に、ステップS57を行う、本ステップは、変化量ΔHが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
変化量ΔHの許容範囲としては、波形群Wによるオン時間帯での適正な心拍数の低下量に基づいて、下限値ΔHminと、上限値ΔHmaxとを、予め制御部104Aに記憶しておく。ここで、上限値ΔHmaxは、0、または測定誤差を考慮して、0よりもわずかに大きな値とすることができる。
検出値の変化量ΔHが、ΔHmin以上ΔHmax以下の場合は、ステップS62に移行する。
検出値の変化量ΔHが、ΔHmin未満またはΔHmaxを超える場合は、ステップS58に移行する。
ステップS62、S63は、上記第2の実施形態におけるステップS22、S23と同様なステップである。
このため、ステップS62において、経過時間が刺激期間T未満と判定されている間は、ステップS53に移行し、経過時間が刺激期間T以上の場合には、ステップS63に移行して、電気刺激が終了される。
ステップS58〜S61は、上記第2の実施形態におけるステップS18〜S21と同様なステップである。
ただし、ステップS61の実行後は、ステップS52に移行する。
このように、神経刺激装置1Cでは、初期設定された電極対E2からの電気刺激によって、検出値Hon、Hoffの値、およびそれらの間の変化量ΔHが、それぞれの許容範囲内に入る適正な電気刺激の効果が得られる間は、ステップS53〜S57、S62で構成されるループにしたがって、断続的に電気刺激が印加され、経過時間が刺激期間Tに達すると電気刺激が終了する。
ところが、ステップS55において検出値Hon、Hoffの少なくとも一方が許容範囲外となったことが判定されるか、または、ステップS57において変化量ΔHが許容範囲外となったことが判定される場合には、ステップS58、S59、S61、S52〜S57で構成されるループにしたがって、検出値Hon、Hoffと、変化量ΔHとがそれぞれの許容範囲内となるまでは、選択可能なすべての電極対を順次自動的に選択して、電気刺激の印加位置を変更していく。
このため、上記第2の実施形態と同様に、刺激電極と神経との相対位置がある程度ずれても、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、電極ユニット5の留置位置を再調整することなく、適正な電気刺激を継続することができる。
したがって、複数の刺激電極の対を備えない場合に比べて、電極ユニット5の留置位置の再調整の頻度を、格段に低減することができるため、再調整の際にかかる患者Pの負荷を低減することができる。
また、本実施形態においても、電極対を変更することにより、検出値Hon、Hoffと、変化量ΔHとがそれぞれの許容範囲内になった後、再び、検出値Hon、Hoffの少なくとも一方、または変化量ΔHが許容範囲外になると同様のアルゴリズムによって、刺激信号を印加する電極対が他の適正な電極対に自動的に変更される。
このため、刺激期間Tが終了するまでの間に刺激電極と神経との相対位置が何度変動しても、位置ずれが選択可能な電極対の位置の範囲内であれば、同様に適正な電気刺激を継続することができる。
このように、本実施形態の神経刺激装置1Cによれば、電気刺激の効果の判定量として、検出センサ7および検出部103によって検出された患者の心拍数の検出値Hon、Hoffおよび変化量ΔHを求め、検出値Hon、Hoff、または変化量ΔHが、それぞれの許容範囲に入らない場合には、刺激信号を印加する電極対を変更することができる。このため、刺激信号が断続的に変化する場合でも、第2の実施形態の場合と同様に、留置後の刺激電極の位置がある程度ずれても、安定して神経刺激を継続することができる。
変化量ΔHの許容範囲は、検出値Hpffの値に対する変化量ΔHの割合から算出されても良い。たとえば、ΔH/Hoffに対して、−0.2〜−0.05を許容範囲とすることが可能である。これによって、刺激前の心拍数(Hoff)が低い場合などに考えられる、心拍数の急変などのリスクが軽減される。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図6に示すように、本実施形態の神経刺激装置1Dは、上記第4の実施形態の神経刺激装置1Cの制御ユニット100Cに代えて、制御ユニット100Dを備える。
制御ユニット100Dは、上記第4の実施形態の制御ユニット100Cの制御部104Cに代えて、制御部104D(電気刺激制御部)を備える。
制御部104Dは、上記第4の実施形態における制御部104Cに、上記第3の実施形態における制御部104Bの機能を組み合わせた制御機能を有する。
以下、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御部104Dは、上記第3の実施形態と同様に、電気刺激の効果が不十分と判定された場合に、刺激信号の信号波形を変更して電気刺激を行えるようになっている点が、上記第4の実施形態の制御部104Cと異なる。
制御部104Dの制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
次に、神経刺激装置1Dの動作について説明する。
図11は、本発明の第5の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
神経刺激装置1Dを用いて、治療を目的とする電気刺激を行うには、まず、上記第4の実施形態と同様に探索動作を行って、図1に示すように、電極ユニット5を、内頚静脈P3に留置する。
神経刺激装置1Dの動作は、治療を目的とする電気刺激を行う間に、検出値Hon、off、または変化量ΔHが許容範囲外になった場合に、電極対以外にも刺激信号の信号波形を変更する点が、神経刺激装置1Cの動作と異なる。
以下、上記第4の実施形態における動作と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の動作においては、上記第4の実施形態と同様のステップで制御部104Cが行う制御動作は、制御部104Dによって行われる。
操作部3によって、神経刺激装置1Dの動作モードが刺激実行モードに切り替えられると、図11に示すステップS71〜S85が、図11に示すフローにしたがって実行される。
ステップS71〜S78、S84、S85、S80、S81、S83は、上記第4の実施形態におけるステップS51〜S58、S62、S63、S59、S60、S61(図10参照)と同様のステップである。
ステップS78の次に行われるステップS79は、上記第3の実施形態におけるステップS36(図8参照)と略同様のステップである。
本実施形態では、電気刺激エネルギーの大きさを、波形201の振幅Bの大きさで変更する。振幅Bは、例えば、Bmin以上、Bmax(ただし、Bmax>Bmin)以下の範囲に設定可能である。
そこで、本ステップでは、制御部104Dは、検出値Hon、Hoff、変化量ΔHのいずれが許容範囲外になったか、さらに許容範囲の上限値を超えたか、下限値を下回ったかに応じて、変更すべき振幅Bの変更方向を判定する。そして、現在の振幅Bと、変更可能範囲とを参照して、振幅Bが変更可能かどうか判定する。
振幅Bが変更可能である場合には、ステップS82に移行する。
振幅Bが変更可能でない場合には、ステップS80に移行する。
ステップS82は、上記第3の実施形態におけるステップS39(図8参照)と略同様のステップである。
本ステップでは、制御部104Dは、設定パラメータのうち、現在設定されている振幅Bの変更値である振幅B’を求める。
振幅B’は、検出値Hon、Hoffが許容範囲外になっている場合には、上記ステップS39にて、振幅Aから振幅A’を求めたのと同様にして求めることができる。
変化量ΔHが許容範囲外になっている場合にも、変更量や補正係数などが異なるのみで、同様にして振幅B’を求めることが可能である。
制御部104Dは、振幅B’を求めたら、設定パラメータの振幅Bを振幅B’に変更する制御信号を刺激信号生成部101に送出する。
これにより、ステップS82が終了する。
ステップS82が終了したら、ステップS72に移行し、ステップS72〜S79を繰り返す。
このようにして、本実施形態では、上記第3の実施形態と同様に、振幅Bが変更可能な間は、電極対を変更することなく、振幅Bを変更して、電気刺激の適正化を図っている。
ステップS77によって、変化量ΔHが許容範囲内になると、刺激期間T内では、ステップS84、S73〜S77からなるループが実行され、電気刺激が継続される。
また、ステップS80が実行されるのは、ステップS79において刺激信号の変更による電気刺激の効果の改善が望めなくなったと判定された場合である。
この場合に、本実施形態では、上記第4の実施形態と同様にして、電極対を変更することによって電気刺激の適正化を図る。すべての選択可能な電極対に変更しても検出値Hが許容範囲外となった場合には、ステップS81を実行して、電気刺激を終了する。
このように、神経刺激装置1Dでは、上記第4の実施形態と同様にして、断続的な刺激信号における変化量ΔHを判定量として、電極対を選択できるとともに、上記第3の実施形態と同様にして、電極対を変更する前に、刺激信号の波形を変更することにより電気刺激の適正化を図ることができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図3に示すように、本実施形態の神経刺激装置1Eは、上記第1の実施形態の神経刺激装置1の制御ユニット100に代えて、制御ユニット100Eを備える。
制御ユニット100Eは、上記第1の実施形態の制御ユニット100の制御部104に代えて、制御部104E(電気刺激制御部)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御部104Eは、上記第1の実施形態における探索用電気刺激、治療を目的とする電気刺激の他に、治療を目的とする電気刺激に比べてより大きな刺激となる判定用電気刺激を行う設定パラメータを刺激信号生成部101に設定できるようになっている。
例えば、神経刺激装置1Eによって、迷走神経を刺激する場合、患者Pの病態によっては、治療を目的とする電気刺激では直ちに現れる心拍数の低下量が小さすぎて、検出値Hや上記第2の実施形態の変化量ΔHなどでは電気刺激の効果を精度よく判定できない場合がある。
本実施形態は、このような場合にも確実に電気刺激の効果を判定できるようにするため、上記第1の実施形態の検出値Hによる判定とは別に、判定用電気刺激を行えるようにしている。
判定用電気刺激に用いる刺激信号の信号波形としては、特に図示しないが、例えば、患者Pにとって過大な負荷とならない程度に、振幅Aあるいはパルス幅TP1を大きくしたバイフェージック波形からなる波形群を時間Tの間、出力する信号波形を採用することができる。
判定用電気刺激の印加タイミングは、刺激期間T内で定期的に印加するように設定することが可能である。判定用電気刺激が行われる場合には、治療を目的とする電気刺激は一時的に停止される。
ここで、時間Tの長さや印加タイミングの時間間隔は、患者Pの負荷が大きくならないように適宜の値に設定する。
本実施形態では、定期的に印加する以外にも、操作部3からの操作によって判定用電気刺激を実行し、その結果に応じて電極対の選択を行う刺激効果確認モードを設けている。
制御部104Eが行う制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
次に、神経刺激装置1Eの動作について、判定用電気刺激の動作を中心として説明する。
図12は、本発明の第6の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
神経刺激装置1Eでは、上記第1の実施形態と同様にして、探索モード、刺激実行モードが行われる。
ただし、判定用電気刺激を行うように設定されたタイミングが到来したり、操作部3によって刺激効果確認モードが選択されたりすると、図12に示すステップS91〜S97が、図12に示すフローにしたがって実行される。
ステップS91は、判定用刺激出力を開始するステップである。
制御部104Eは、刺激信号生成部101に、判定用電気刺激を行うための設定パラメータを設定し、刺激出力を開始する制御信号を送出する。
これにより、判定用電気刺激のための設定パラメータに基づく刺激信号が、刺激信号生成部101から電極選択部102に送出される。
電極選択部102は、受信した刺激信号を、本ステップを実行するまでに設定された現在の電極対に印加する。
このようにして、選択済みの電極対から判定用電気刺激の印加が開始される。
また、制御部104Eは、検出部103に制御信号を送出して、検出部103の動作を開始させる。
検出部103では、検出センサ7から心電信号を取得し、心拍数の測定を開始する。
以上で、ステップS91が終了する。
次に、ステップS92を行う。本ステップは、上記第1の実施形態におけるステップS3(図5参照)と同様のステップである。
本ステップで検出される検出値をHと表すと、検出値Hは、判定用電気刺激に応じて生じた心拍数である。
検出値Hを取得するタイミングは、判定用電気刺激が印加される時間T内の適宜のタイミングが予め設定されている。測定誤差を低減するには、検出値Hは、適宜の測定時間内の検出値を平均処理して求めることが好ましい。
以上で、ステップS92が終了する。
次に、ステップS93を行う。本ステップは、判定用刺激出力を停止するステップである。
制御部104Eによって刺激信号生成部101に設定された時間Tが経過すると、判定用電気刺激の刺激信号が停止される。
以上で、ステップS93が終了する。
次に、ステップS94を行う。本ステップは、ステップS92で取得された心拍数の検出値Hが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
制御部104Eは、ステップS92で取得した検出値Hが、制御部104Eに予め記憶された許容範囲である、HJmin以上HJmax(ただし、HJmax>HJmin)以下の範囲にあるかどうか判定する。
検出値Hが、HJmin以上HJmax以下の場合は、選択されている電極対によって適正な効果が得られていることになるため、電極対を変更することなく判定用電気刺激動作を終了し、刺激実行モードに戻る。
検出値Hが、HJmin未満またはHJmaxを超える場合は、ステップS95に移行する。
ステップS95〜S97は、上記第1の実施形態におけるステップS6〜S8(図5参照)と同様のステップである。
ただし、ステップS97の実行後は、ステップS91に移行し、検出値Hが許容範囲に入るか、または選択できる電極対がなくなるまで、ステップS91〜S95を繰り返す。
このように、本実施形態の神経刺激装置1Eによれば、判定用電気刺激を行うことで、電気刺激の効果が適正となる電極対に切り替えることができる。このため、治療を目的とする電気刺激では、患者Pの反応が小さくて、電気刺激の効果を精度よく測定できない場合にも、安定して神経刺激を継続することができる。
本実施形態の説明では、一例として、検出値Hの許容範囲の下限値HJminと上限値HJmaxとは、予め記憶された数値であるとした。しかし、検出値Hの許容範囲は刺激開始前の検出値に対する割合等として計算して求めても良い。それにより、心拍数が非常に多い場合や、少ない場合の判定効果の判定がより確実に行える。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図6に示すように、本実施形態の神経刺激装置1Fは、上記第2の実施形態の神経刺激装置1Aの制御ユニット100Aに代えて、制御ユニット100Fを備える。
制御ユニット100Fは、上記第2の実施形態の制御ユニット100Aの制御部104Aに代えて、制御部104F(電気刺激制御部)を備える。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御部104Fは、上記第2の実施形態における探索用電気刺激、治療を目的とする電気刺激の他に、上記第6の実施形態と同様の判定用電気刺激を行う設定パラメータを刺激信号生成部101に設定できるようになっている。
すなわち、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様の電気刺激を印加した場合の検出値Hおよび変化量ΔHによる判定とは別に、判定用電気刺激が行うことができる。
本実施形態における判定用電気刺激に用いる刺激信号の信号波形およびその印加タイミングは、上記第6の実施形態と同様であり、判定用電気刺激が行われる場合には、治療を目的とする電気刺激は一時的に停止される。
制御部104Fが行う制御動作の詳細については、動作説明とともに説明する。
次に、神経刺激装置1Fの動作について、上記第6の実施形態と異なる判定用電気刺激の動作を中心として説明する。
図13は、本発明の第7の実施形態の神経刺激装置の動作を説明するフローチャートである。
本実施形態の動作においては、上記第6実施形態と同様のステップで制御部104Eが行う制御動作は、制御部104Fによって行われる。
神経刺激装置1Fでは、上記第2の実施形態と同様にして、探索モード、刺激実行モードが行われる。
ただし、判定用電気刺激を行うように設定されたタイミングが到来したり、操作部3によって刺激効果確認モードが選択されたりすると、図13に示すステップS101〜S114が、図13に示すフローにしたがって実行される。
ステップS101は、電気刺激停止時の患者Pの反応を検出するステップである。
本ステップが実行される場合には治療を目的とする電気刺激はすでに停止されている。
このため、制御部104Fは、検出部103から患者Pの心拍数の測定値を取得すると、電気刺激停止時の測定値になっている。以下では、この測定値を検出値HJpre(前の検出値)と称する。
以上で、ステップS101が終了する。
次に、ステップS102を行う、本ステップは、ステップS101で取得された心拍数の検出値HJpreが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
制御部104Fは、ステップS101で取得した検出値HJpreが、制御部104Fに予め記憶された許容範囲である、HJpremin以上HJpremax以下の範囲にあるかどうか判定する。
ここで、検出値HJpreの許容範囲は、上記第4の実施形態における第1のオン時間帯の検出値の許容範囲と同様にして設定することができる。ただし、本実施形態では、治療を目的とする電気刺激よりも強い判定用電気刺激が印加されるため、治療を目的とする電気刺激よりも心拍数低下量が大きくなる可能性が高い。
そこで、特に、検出値HJpreの許容範囲うちの下限値HJpreminの値は判定用電気刺激によって、患者Pの心拍数が低下しすぎることがないような大きさに設定しておく。
検出値Hが、HJpremin未満またはHJpremaxを超える場合は、判定用刺激を行うことは好ましくないため、ステップS114に移行する。
検出値HJpreが、HJpremin以上HJpremax以下の場合は、ステップS103に移行する。
ステップS114は、警告メッセージを表示するステップである。
本ステップに移行するのは、ステップS102において、検出値HJpreが許容範囲外になっている場合であり、判定用電気刺激を行うことは好ましくない。
そこで、本ステップでは、制御部104Fは、例えば、現在の心拍数では判定用電気刺激を行うことは好ましくないため判定用電気刺激を実行しない、といった適宜の警告メッセージを表示部4に表示させる。
警告メッセージが表示部4に表示されたら、判定用電気刺激を行うことなく、刺激実行モードに戻る。
ステップS103は、検出値HJpreを記憶するステップである。
本ステップでは、制御部104Fは、検出部103に制御信号を送出して、許容範囲にあると判定された検出値HJpreを、記憶部105Aに記憶させる。
以上で、ステップS103が終了する。
次に、ステップS104〜S106を行う。これらの本ステップは、上記第6の実施形態におけるステップS91〜S93(図12参照)と同様のステップである。
次に、ステップS107を行う。本ステップは、判定後の移行先が異なるのみで、上記第6の実施形態におけるステップS94(図12参照)と同様のステップである。
本実施形態では、検出値Hが、HJmin以上HJmax以下の場合は、ステップS108に移行する。
検出値Hが、HJmin未満またはHJmaxを超える場合は、ステップS111に移行する。
ステップS108は、検出値Hを記憶するステップである。
本ステップでは、制御部104Fは、検出部103に制御信号を送出して、許容範囲にあると判定された検出値Hを、記憶部105Aに記憶させる。
これにより、記憶部105Aには、許容範囲に入った検出値Hが、検出された順序を保って記憶される。
以上で、ステップS108が終了する。
次に、ステップS109を行う。本ステップは、最新の検出値Hと、記憶部105Aに記憶された前の検出値とから、検出値の変化量を算出するステップである。
本実施形態の場合、電気刺激の効果があれば、心拍数は低下していくはずである。そこで、本ステップでは、前の検出値HJpreを記憶部105Aから読み込み、変化量ΔH(判定量)として、ΔH=H−HJpreを算出する。
以上で、ステップS109が終了する。
次に、ステップS110を行う、本ステップは、変化量ΔHが、許容範囲にあるかどうかを判定するステップである。
変化量ΔHの許容範囲としては、判定用電気刺激を印加した場合の適正な心拍数の低下量に基づいて、下限値ΔHJminと、上限値ΔHJmax(ただし、ΔHJmax>ΔHJmin)とを、予め制御部104Fに記憶しておく。
ここで、上限値ΔHJmaxは、検出値Hが低下する変化が小さすぎることを判定する数値である。このため、検出値Hが検出値HJpreよりも増大する場合を許容範囲外として検出できるように、ΔHJmaxは0未満の値を設定する。
検出値の変化量ΔHが、ΔHJmin以上ΔHJmax以下の場合は、判定用電気刺激に対する心拍数の変化量が適正であるため、電極対を変更することなく判定用電気刺激動作を終了し、刺激実行モードに戻る。
検出値の変化量ΔHが、ΔHJmin未満またはΔHJmaxを超える場合は、ステップS111に移行する。
ステップS111〜S112は、上記第6の実施形態のステップS95〜S97(図12参照)と同様のステップである。
ただし、ステップS113の実行後は、ステップS104に移行し、変化量ΔHが許容範囲に入るか、または選択できる電極対がなくなるまで、ステップS104〜S111を繰り返す。
このように、本実施形態の神経刺激装置1Fによれば、判定用電気刺激を行って、上記第6の実施形態と同様の検出値Hと、判定用電気刺激前の心拍数の検出値HJpreに対する検出値Hの変化量ΔHを求め、検出値Hまたは変化量ΔHが許容範囲に入らない場合には、刺激信号を印加する電極対を変更することができる。このため、治療を目的とする電気刺激では、患者Pの反応が小さくて、電気刺激の効果を精度よく測定できない場合にも、安定して神経刺激を継続することができる。
本実施形態の説明では、一例として、変化量ΔHが予め定められたΔHJminとΔHJmaxとが判定に用いられた。しかし、ΔHJminとΔHJmaxとは、判定用電気刺激前の心拍数HJpreに対する変化の割合によって、計測の都度計算されても良い。刺激前の心拍数が非常に高い場合や低い場合に懸念される、刺激に対する心拍数変化の過小評価、あるいは過大評価の可能性を低くすることができる。
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態の神経刺激装置について説明する。
図14は、本発明の第8の実施形態の神経刺激装置の全体構成を示す模式的な構成図である。図15は、本発明の第8の実施形態の神経刺激装置の制御ユニットの機能ブロック図である。図16は、本発明の第8の実施形態の神経刺激装置の電極ユニットの主要部の構成を示す模式的な正面図である。
図14に示すように、神経刺激装置11は、内頚静脈P3および上大静脈P5に併走する迷走神経(図示略)に電気刺激を与える装置であって、上記第1の実施形態の神経刺激装置1と同様に、例えば、頻脈や慢性心不全等の治療に用いることができるものである。
神経刺激装置11は、上記第1の実施形態の神経刺激装置1の電極ユニット5に代えて、電極ユニット15を備える。
神経刺激装置11の装置本体2の内部には、図15に示すように、上記第1の実施形態の制御ユニット100に代えて、制御ユニット110を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図14に示すように、電極ユニット15は、電極保持部17と、リード部15aとを備える。
電極保持部17は、電極ユニット15の先端部において、刺激信号を印加するため3以上の刺激電極を保持し、電極ユニット15が血管内に挿入された場合に、各刺激電極を血管の内壁に押しつける装置部分である。
図16に示すように、電極保持部17は、互いに離間して配置された先端留め具18および基端留め具19と、端部が先端留め具18および基端留め具19にそれぞれ接続された4本のワイヤ部17A、17B、17C、17Dと、4本のワイヤ部17A、17B、17C、17Dにそれぞれ設けられた刺激電極6a、6b、6c、6dとを備える。以下、簡単のため、「ワイヤ部17A、17B、17C、17D」を、「ワイヤ部17A〜17D」と略記する場合がある。
ワイヤ部17A〜17Dは、例えば、超弾性ワイヤや形状記憶合金ワイヤなどが被覆材で被覆された構成を有し、全体として弾性を有する部材からなる。
ワイヤ部17A〜17Dの形状は、図16に示すように、いずれも中心角度が180°程度の略円弧状(円弧状の場合を含む)に湾曲して形成されている。ワイヤ部17A〜17Dの湾曲の半径は、留置される血管の内径に応じて設定される。例えば、上大静脈P5に留置する場合の湾曲の半径は、10mm〜20mm程度に設定される。
本実施形態では、4本のワイヤ部17A〜17Dは、軸線C1周りに90°の等角度ごとに配置されている。すなわち、ワイヤ部ワイヤ部17A〜17Dは、軸線C1方向の中間部分が軸線C1から離間するように湾曲するとともに、この中間部分が軸線C1周りに互いに離間するように配置されている。このため、4本のワイヤ部17A〜17Dは、略球面上(球面状の場合を含む)に配置されている。
刺激電極6a〜6dは、設けられた位置が異なるのみで、上記第1の実施形態の刺激電極6a〜6dと同様の構成を有する。
ただし、本実施形態の刺激電極6a〜6dに接続された図示略の配線は、それぞれが設けられたワイヤ部17A〜17Dおよびリード部15aの内部に挿通されて、電極ユニット15の基端部まで延ばされている。
図14に示すように、電極ユニット15の基端部では、各配線は後述するコネクタ15bを介して、装置本体2と電気的に接続されている。
各刺激電極6a〜6dは、刺激信号が印加される場合に、上記第1の実施形態と同様に電極対E1、E2、E3の切り替えが可能になっている。
各刺激電極6a、6b、6c、6dは、軸線C1と反対側の表面に一部が露出するように設けられ、それぞれ、先端側から基端側に向かって、この順に配列されている。
以下では、図16に示すように、ワイヤ部17A〜17Dに設けられた刺激電極6a、6b、6c、6dを電極群として区別する必要がある場合には、それぞれ第1電極群16A、第2電極群16B、第3電極群16C、第4電極群16Dと称する。
リード部15aは、電極保持部17の各刺激電極6a〜6dと装置本体2とを電気的に接続する線状部材であり、基端部には、リード部15aの内部に挿通される図示略の配線を装置本体2に電気的に接続するコネクタ15bが設けられている。
リード部15aの長手方向の中間部には、電極保持部17よりも基端側の位置で3以上の刺激電極を保持する電極保持部15cが設けられている。
本実施形態では、電極保持部15cは、上記第1の実施形態と同様の構成を有する刺激電極6a〜6dを有する。
また、電極保持部15cには、上記第1の実施形態と同様に、刺激電極6a〜6dを血管の内壁に押圧するため、弾性部材などを用いた図示略の電極係止部材を設けることが可能である。
リード部15aの長手方向における電極保持部15cの配置位置は、電極保持部17を、迷走神経に併走する上大静脈P5に留置した際に、電極保持部15cの刺激電極6a〜6dが、内頚静脈P3における迷走神経の併走位置の近傍になる位置とする。
電極保持部15cにおける刺激電極6a、6b、6c、6dは、リード部15aの先端側から基端側に向かって、この順に配列されている。
また、刺激電極6a〜6dにおいてリード部15aの表面に露出した電極面は、電極保持部17のいずれかの電極群の電極面と同方向に配置されている。例えば、図16に示す例では、一例として、第1電極群16Aの電極面と同方向に露出して配置されている。
以下では、電極保持部15cにおける刺激電極6a〜6dを電極群として、第1電極群16A等と区別する必要がある場合には、第5電極群16Eと称する。
図15に示すように、制御ユニット110は、上記第1の実施形態の制御ユニット100の電極選択部102、制御部104に代えて、電極選択部112、制御部114(電気刺激制御部)を備える。
電極選択部112は、電極ユニット15が有する第1電極群16A、第2電極群16B、第3電極群16C、第4電極群16D、第5電極群16Eのすべてにおいて、各刺激電極6a〜6dのうちから、電極対E1、E2、E3を選択できる点が、上記第1の実施形態の電極選択部102と異なる。
すなわち、各電極群の中では、電極対E1、E2、E3を選択することができ、さらに電極群を切り替えて、同様の電極対の選択を行うことができる。
制御部114は、本実施形態では、選択可能な電極対が、第1電極群16A、第2電極群16B、第3電極群16C、第4電極群16D、第5電極群16Eにまたがって存在することに対応して、電極対の選択順序の情報が異なる点が、上記第1の実施形態の制御部104と異なる。
制御部114に記憶される、電極対の選択順序は、各電極群の中では、上記第1の実施形態と同様の選択順序が適用される。
1つの電極群に選択可能な電極対がなくなったら、まず、電極保持部17内における他の電極群のうち、最も近い電極群から選択し、順次より離れた電極群から選択する。
例えば、電極保持部17の内部では、例えば、第1電極群16Aにおいて選択できる電極対がなくなった場合には、第2電極群16B、第3電極群16C、第4電極群16Dの順で、それぞれの中の電極対から選択する。
電極保持部17内で適正な電極対が選択できなった場合には、第5電極群16Eの中の電極対を選択する。
ただし、第5電極群16Eの電極対によって、治療を目的とする電気刺激を行うようにしている場合には、第5電極群16E内の電極対を選択できなくなった場合に、電極保持部17内の電極対を上記のような選択順序で選択する。更に、上記電極群内での電極対の組み合わせで適正な電極対が選択できなかった場合には、異なる電極群間での電極対の組み合わせも可能である。
次に、神経刺激装置11の動作について説明する。
神経刺激装置11を用いて、電気刺激を行うには、図14に示すように、まず患者Pの内頚静脈P3に小切開を加えて開口P4を形成し、図示略の筒状のイントロデューサー等を血管内に挿入する。そして、イントロデューサー等を経由して内頚静脈P3内に電極ユニット15を挿入し、その先端側の電極保持部17を迷走神経と併走する上大静脈P5内の適切な位置に留置する。
本実施形態では、探索モードによって、第1電極群16Aの電極対E2から探索用電気刺激を印加して、上大静脈P5の近傍の迷走神経を適正に刺激できるように電極保持部17の留置位置を決める。
このとき、第5電極群16Eは、内頚静脈P3において、迷走神経を刺激可能な位置に配置される。
本実施形態の探索モードでは、電極保持部17の留置位置を決めた後、第5電極群16Eの電極対E2から探索用電気刺激を印加して、内頚静脈P3の近傍の迷走神経を適正に刺激できるように、リード部15aの位置を調整して、電極保持部15cの留置位置を決める。
以上で、本実施形態の探索モードが終了する。
このようにして、神経刺激装置11では、留置位置を決めた直後では、第1電極群16Aの電極対E2および第5電極群16Eの電極対E2のいずれかから電気刺激を印加することで、迷走神経に対して、適正な電気刺激を印加することが可能となる。
操作部3によって、神経刺激装置11の動作モードが刺激実行モードに切り替えられると、図5に示すフローにおいて、ステップS1、S6、S8を、それぞれステップS121、S126、S128に置き換えたフローが実行される。
以下、上記第1の実施形態と異なるステップの動作について簡単に説明する。
本実施形態の動作においては、上記第1の実施形態と同様のステップで制御部104が行う制御動作は、制御部114によって行われる。
ステップS121は、制御部114によって、初期設定される電極対が第1電極群16Aの電極対E2、または第5電極群16Eの電極対E2を選択する点が、上記第1の実施形態におけるステップS1と異なる。
ステップS126は、制御部114が選択可能な電極対の数が上記第1の実施形態と異なる点が、上記第1の実施形態におけるステップS6と異なる。
ステップS128は、制御部114が電極対を選択する際の選択順序の情報が異なる点が、上記第1の実施形態におけるステップS8と異なる。
このように、本実施形態の神経刺激装置11によれば、各電極群において、電気刺激を印加する長手方向の電極対の位置が患者Pの反応に応じて切り替えらえる。このため、上記第1の実施形態と同様に、電極対と迷走神経との間に、電極対が配列された血管の軸方向における相対的な位置ずれがある程度生じても、より安定した電気刺激を継続することが可能である。
また、神経刺激装置11によれば、第1電極群16A、第2電極群16B、第3電極群16C、第4電極群16Dの間で、電気刺激を印加する電極対の位置が、患者Pの反応に応じて上大静脈P5の周方向に切り替えらえる。このため、電極対と迷走神経との間に、上大静脈P5の周方向における相対的な位置ずれがある程度生じても、より安定した電気刺激を継続することが可能である。
また、神経刺激装置11によれば、上大静脈P5に留置された電極保持部17と、内頚静脈P3に留置された電極保持部15cとの間で、電気刺激を印加する電極対の位置が、患者Pの反応に応じて切り替えらえる。このため、内頚静脈P3および上大静脈P5の一方において電極対と迷走神経との間に許容範囲外の相対的な位置ずれが生じても、内頚静脈P3および上大静脈P5の他方における電極対と迷走神経との相対的な位置ずれが、電極対の配置範囲収まっている限り、安定した電気刺激を継続することが可能である。
なお、上記各実施形態の説明では、血管を通して迷走神経を電気刺激する場合の例で説明したが、これは一例であり、本発明の神経刺激装置は、迷走神経以外の神経を刺激するものであってもよい。例えば、脈管(血管、リンパ管)、消化管、気道、尿路等の管腔内から、隣接する神経を間接的に刺激するために用いることが可能である。すなわち、本発明の神経刺激装置は、管腔構造を有する臓器内から隣接する神経に電気刺激を与えることが可能である。
上記各実施形態の説明では、すべての刺激電極を、血管内に留置する場合の例で説明したが、刺激電極は、血管中の電極と、体外に配置した電極との電極対によって構成することも可能である。
上記各実施形態の説明では、患者Pの反応を心拍数で検出する場合の例で説明したが、電気刺激の効果を検出できれば、検出値は心拍数には限定されない。
例えば、心電信号の信号波形の変化、例えば、PR間隔等を検出することが可能である。また、心電信号以外の検出値、例えば血圧計、血流計、パルスオキシメーターの波形等から得られる、脈拍数を検出値として用いても良い。
また、患者Pの反応として、心筋以外の筋肉の動きや、体動を検知することも可能である。このための反応検出部としては、筋電信号の検知手段、加速度センサなどを採用することができる。
このような心拍数以外の反応を検出することが好適な場合の例としては、例えば、横隔膜神経を刺激する治療の例を挙げることができる。この場合、患者Pの呼吸において電気刺激の効果が表れるため、筋電信号や加速度センサによって呼吸のリズムや大きさを検出することが可能である。
また、刺激電極が組織の境界面等に設置されている場合には、接触している組織等のインピーダンスを検出値として用いることも可能である。例えば、血管壁に接触する電極が血液中に浮き上がる、あるいは気管粘膜面や食道粘膜面の電極が空気中に浮き上がるような移動の検出に適している。
更に、患者Pの反応として、心拍出量、左室圧一次微分最大値LVdP/dtmaxを検出値として用いても良い。このような検出値を用いることができる好適な事例としては、心機能の低下患者の心臓の交感神経を刺激する場合や、心機能亢進患者に対して心機能を抑制する目的で副交感神経を刺激する場合の例が挙げられる。
加えて、カテーテル様の構成を留置して定期的に患者の体液を採取し、その成分を分析する等の構成を持ち、患者Pの反応として特定の物質の体液中の濃度を検出値として用いることも可能である。このような物質の濃度を検出することが好適な例としては、膵臓の迷走神経や交感神経を刺激して膵臓からのホルモン分泌を調整するための神経刺激装置における、血糖値、血中インスリン、あるいはグルカゴン濃度の検出や、胃液分泌を調整する目的で迷走神経を刺激する神経刺激装置における、血中ガストリンや胃液の水素イオン濃度(pH)の検出を挙げることができる。
上記第2の実施形態の説明では、最新の検出値Hとその直前の検出値Hpastとから求められる変化量ΔHを判定量として用いる場合の例で説明した。しかし、例えば、検出値が細かく変化しすぎる場合や、検出値の変化率が少なすぎる場合には、このような判定では、誤判定を引き起こすおそれがある。また、検出値H、Hpastには測定誤差が伴うことを考慮すれば、ΔHが正になったとしてもただちに許容範囲外とは言えないおそれがある。
このようなおそれがある場合には、最新の検出値Hを、それより前の連続するk個(kは2以上の整数)の検出値Hpastと比較して、変化量ΔHを求めるようにしてもよい。
例えば、k個の検出値Hpastの平均値である検出値Hmeanを算出して、ΔH=H−Hmeanを算出することが可能である(第1変形例と称する)。
また、k個の検出値Hpast(i)(i=1,…,k)を用いてk個の変化量ΔHi=H−Hpast(i)を算出し、ΔHiが一定個数以上、許容範囲外となる場合に、許容範囲外と判定することも可能である(第2変形例と称する)。基準となる一定個数としては、例えば、k/2以上k以下の値を採用することができる。
また、ΔHの許容値の上限値ΔHmaxと下限値ΔHminの中間に閾値ΔHthを設定し、最新のΔHがΔHthより小さい場合には、上記第2の実施形態のように判定し、最新のΔHがΔHth以上の場合に、上記第1変形例または第2変形例のように判定してもよい(第3変形例と称する)。
このようにすれば、検出値が細かく変化しすぎる場合や、検出値の変化率が少なすぎる場合にも、より精度よく電気的刺激の効果を検出することが可能になる。
上記第4の実施形態の説明では、最新の検出値Hoffに対する最新の検出値Honの変化量ΔHを判定量として用いる場合の例で説明した。しかし、例えば、波形群Wの電気刺激エネルギーが少ない場合など、電気刺激の効果があっても、ΔHの大きさが小さいため、判定が測定誤差の影響を受けやすい場合がある。
その場合には、最新のΔHのみではなく、それ以前の連続するm個(mは3以上の整数)の変化量ΔHj(j=1,…,m)を用いて、判定を行うことが可能である。
具体的には、例えば、ΔHjの平均値ΔHmeanを算出し、ΔHmeanを用いて判定を行うことが可能である(第4変形例と称する)。
また、ΔHjが一定個数以上、許容範囲外となる場合に、許容範囲外と判定することも可能である(第5変形例と称する)。基準となる一定個数としては、例えば、m/2以上m以下の値を採用することができる。
また、ΔHの許容値の上限値ΔHmaxと下限値ΔHminの中間に閾値ΔHthを設定し、最新のΔHがΔHthより小さい場合には、上記第4の実施形態のように判定し、最新のΔHがΔHth以上の場合に、上記第4変形例または第5変形例のように判定してもよい(第6変形例と称する)。
このようにすれば、電気刺激の効果があっても、ΔHの大きさが小さいため判定が測定誤差の影響を受けやすい場合にも、より精度よく電気的刺激の効果を検出することが可能になる。
上記第7の実施形態では、変化量ΔHが許容範囲内になるまで判定用電気刺激を行って、適正な電極対に変更する場合の例で説明した。しかし、電極対と神経との相対位置のズレ量が大きすぎる場合や、ズレ量以外の装置の不調で電気刺激の効果が得られない場合には、無駄に行われる判定用電気刺激が増えてしまう可能性がある。
このため、特に、電極対が多数用意されている場合には、電極対を変えてもあまり効果が上がらなければ、他の要因を疑うこととして判定用電気刺激を早めに終了する方がよい場合がある。
上記第7の実施形態によれば、第2の実施形態に対する変形と同様な変形を加えて、このような場合に備えることが可能である。
例えば、上記ステップS109において、直前のサンプリング時にステップS105において検出された検出値HJpast(前の検出値)を記憶部105Aから読み込み、HJpreに対する変化量ΔHの他に、相対変化量Δhとして、Δh=H−HJpastを算出しておく。
ΔHが許容範囲外になって、判定用電気刺激を繰り返す際、目的の電極対に近づいているときは、相対変化量Δhは負になるが、目的の電極対から遠ざかる場合には、正になると考えられる。
そこで、ステップS110において、相対変化量Δhの変化傾向や正になる回数を予め決められた閾値と比較し、Δhが減少傾向にない場合あるいはΔh>0の回数が閾値を超える場合などに、警告メッセージを表示するとともに、判定用電気刺激を終了するようにする。
このようにすれば、電極対を変えてもあまり効果が上がらない場合には、刺激が強い判定用電気刺激が終了されるため、患者Pに過大な負荷を与えることを防止できる。
上記第7の実施形態では、ステップS101において検出したHJpreを固定して、変化量ΔH(=H−HJpre)を算出する場合の例で説明した。つまり、前の検出値を最初に取得してから、判定用電気刺激を繰り返し、常に最初の検出値HJpreからの変化量ΔHを用いて電極対の変更を判定している。
しかし、上記第7の実施形態は、変化量ΔHを求める前の検出値HJpreとして、判定用電気刺激の直前における電気刺激停止時の検出値を採用するように変形して実施することも可能である。
フローの図示は省略するが、具体的には、制御部104Fが、図13におけるステップS113の移行先をステップS104からステップS101に変えた動作フローを実行するようにすればよい。
このような変形例によれば、常に、判定用電気刺激の直前の検出値に対する判定用電気刺激中の検出値の変化量によって、電極対の判定等が行われるため、例えば、患者Pの心拍数にある程度の揺れがある場合にも、判定用電気刺激による正味の変化量をより正確に検出することができる。このため、判定用電気刺激に対する反応をより精度よく検出することが可能となる。
また、このような変形例では、ステップS103によって、検出値HJpreの履歴が記憶されていく。このため、例えば、ステップS102の判定において、必要に応じて、最新の検出値HJpreの大きさの他に、記憶された検出値HJpreの時系列情報や、検出値HJpreの変化量の情報などを加味した判定を行う、といった変形をさらに加えた構成も可能である。
上記第8の実施形態の説明では、電極保持部17が、複数のワイヤ部が、略球状に配置された場合の例で説明したが、このような形状は一例である。電極保持部17の形状は、刺激電極を血管の内壁に押圧できる適宜の形状を採用することができる。例えば、楕円体状、螺旋状、ステント状、籠状、リング状などの適宜の形状が可能である。
上記第8の実施形態の説明では、電極保持部17の各ワイヤ部に、刺激電極を有する場合の例で説明したが、刺激電極は、少なくとも1つのワイヤ部に設けられていればよい。
また、1つのワイヤ部に、複数の電極対を有することも必須でなく、各ワイヤ部に一対ずつの電極対を有し、電極対の位置を周方向のみに切り替えられる構成も可能である。
また、電極対の周方向の配置間隔は、上記第8の実施形態では、90°の例で説明したが、配置間隔は、周方向に想定される位置ずれの範囲に応じて決めればよく、想定される周方向の位置ずれが小さい場合には、90°よりも小さい角度に対応する配置間隔とすればよい。
また、上記に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記第6(7)の実施形態の説明では、上記第1(2)の実施形態の治療を目的とする電気刺激で検出した検出値H(変化量ΔH)に基づく電気刺激の効果の判定とは、別に、判定用電気刺激を行ってその際の検出値H(変化量ΔH)に基づく判定を行えるものとして説明した。
しかし、治療を目的とする電気刺激で行う判定を削除して、判定用電気刺激およびその判定量に基づく刺激電極の対の変更のみが行える構成も可能である。
さらに、判定用電気刺激およびその判定量に基づく刺激電極の対の変更が行える構成は、治療目的の電気刺激およびその判定量に基づく刺激電極の対の変更を行う他の適宜の実施形態の構成と組み合わせて実施することが可能である。例えば、上記第6の実施形態の判定用電気刺激およびその検出値Hを判定に用いる構成は、上記第2〜第5、第8の実施形態の構成と組み合わせることが可能である。また、上記第7の実施形態の判定用電気刺激およびその検出値の変化量ΔHを判定に用いる構成は、上記第1、第3〜第5、第8の実施形態の構成と組み合わせることが可能である。
この場合、検出値の変化が小さくなるなどして、電気刺激の効果を精度よく測定できない場合にも、安定して神経刺激を継続することができる。
また、上記第2の実施形態に上記第3の実施形態を組み合わせて、変化量ΔHを判定量に加える場合に、電極対の他に、刺激信号の信号波形を変えるようにすることが可能である。
また、上記第1〜第3の実施形態において、上記第4の実施形態のような断続的な信号パターンを有する刺激信号による電気刺激を印加することも可能である。
また、上記第8の実施形態において、上記第2〜第7の実施形態の電気刺激およびその判定量を用いる構成が可能である。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、11 神経刺激装置
4 表示部
5、15 電極ユニット
5a、15a リード部
6 電極群
6a、6b、6c、6d 刺激電極
7 検出センサ(反応検出部)
7a 検出電極
15c、17 電極保持部
16A 第1電極群
16B 第2電極群
16C 第3電極群
16D 第4電極群
16E 第5電極群
17 電極保持部
17A、17B、17C、17D ワイヤ部
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、110 制御ユニット
101 刺激信号生成部
102、112 電極選択部
103 検出部(反応検出部)
104、104A、104B、104C、104D、104E、104F、114 制御部(電気刺激制御部)
105A 記憶部(反応記憶部)
200、201 波形(信号波形)
E1、E2、E3、EX 電極対(刺激電極の対)
H、H 検出値(判定量)
Jpre 検出値(前の検出値)
Hoff 検出値(オフ時間帯の検出値、判定量)
Hon 検出値(オン時間帯の検出値、判定量)
Hpast 検出値(前の検出値)
P 患者
P3 内頚静脈
P5 上大静脈
ΔH、ΔH 変化量(検出値の変化量、判定量)

Claims (7)

  1. 患者の管腔構造を有する臓器内から隣接する神経に電気刺激を与える神経刺激装置であって、
    電気刺激を与えるため、互いに離間して設けられた3つ以上の刺激電極と、
    該刺激電極に印加する刺激信号を生成する刺激信号生成部と、
    前記3つ以上の刺激電極のうちから、前記刺激信号を印加する刺激電極の対を選択する電極選択部と、
    電気刺激を与えられた患者の反応を検出する反応検出部と、
    前記電極選択部および前記刺激信号生成部の動作を制御して、前記3つ以上の刺激電極から選択された前記刺激電極の対に前記刺激信号を印加して電気刺激を行う電気刺激制御部と、
    を備え、
    該電気刺激制御部は、
    電気刺激時に前記反応検出部によって検出された前記患者の反応の検出値に基づいて電気刺激の効果を判定する判定量を求め、
    該判定量が予め決められた許容範囲に入らない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することができる、
    神経刺激装置。
  2. 前記電気刺激制御部は、
    刺激位置が異なるすべての刺激電極の対を選択しても、前記判定量が前記許容範囲に入らない場合には、電気刺激を停止する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の神経刺激装置。
  3. 前記検出値を記憶する反応記憶部を備え、
    前記電気刺激制御部は、
    前記判定量として、前記反応検出部によって検出された最新の検出値と、前記反応記憶部に記憶された前の検出値とに基づいて、検出値の変化量を算出する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の神経刺激装置。
  4. 前記検出値を記憶する反応記憶部を備え、
    前記電気刺激制御部は、
    前記刺激信号生成部の動作を制御することにより、複数のパルス状の信号からなる波形群が発生するオン時間帯と、信号が発生しないオフ時間帯とが、交互に繰り返される断続的な刺激信号を、前記刺激電極の対に印加して電気刺激を行い、
    前記判定量として、前記反応記憶部に記憶された、前記オフ時間帯における検出値と、前記オフ時間帯に続く前記オン時間帯の検出値とに基づいて、前記オフ時間帯の検出値に対する前記オン時間帯の検出値の変化量を算出する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の神経刺激装置。
  5. 前記刺激信号生成部は、
    前記電気刺激制御部からの制御信号に基づいて、前記刺激信号の信号波形を変更することが可能であり、
    前記電気刺激制御部は、
    前記判定量が前記許容範囲に入らない場合に、前記刺激信号生成部に、前記信号波形を変更する制御信号を送出して電気刺激を行い、
    前記信号波形の変更のみによって、前記判定量を前記許容範囲に入れることができない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の神経刺激装置。
  6. 前記刺激信号生成部は、
    前記電気刺激制御部からの制御信号に基づいて、前記刺激信号の信号波形を変更することが可能であり、
    前記電気刺激制御部は、
    前記刺激信号生成部の動作を制御することにより、神経の刺激に必要な刺激強度よりも刺激強度が高い信号波形を有する刺激信号を前記刺激電極の対に印加して、判定用の電気刺激を行い、
    判定用の電気刺激時に前記反応検出部によって検出された前記患者の反応の検出値に基づいて電気刺激の効果を判定する判定量を求め、
    該判定量が予め決められた許容範囲に入らない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更することができる
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の神経刺激装置。
  7. 前記刺激信号生成部は、
    前記電気刺激制御部からの制御信号に基づいて、前記刺激信号の信号波形を変更することが可能であり、
    前記電気刺激制御部は、
    前記判定量が前記許容範囲に入らない場合に、前記刺激信号生成部に、前記信号波形を変更する制御信号を送出して電気刺激を行い、
    前記信号波形の変更を、予め決められた回数だけ行っても、前記判定量を前記許容範囲に入れることができない場合に、前記電極選択部を制御して、前記刺激信号を印加する前記刺激電極の対を他の刺激電極の対に変更する
    ことを、繰り返し行える
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の神経刺激装置。
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