JP2016153114A - アミノ酸イオン液体、その製造方法、及びそれを用いた正浸透装置 - Google Patents

アミノ酸イオン液体、その製造方法、及びそれを用いた正浸透装置 Download PDF

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秀人 松山
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綾希 竹中
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Tomoki Yasui
知己 安井
英治 神尾
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英治 神尾
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Abstract

【課題】本願は、正浸透法に使用される新規なアミノ酸イオン液体を提供することを課題とする。
【解決手段】炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換されているホスホニウム又はアンモニウムと、アミノ酸との塩であるアミノ酸イオン液体であり、正浸透膜法に使用されることを特徴とするアミノ酸イオン液体。
【選択図】なし

Description

本願は、特に正浸透膜法に使用されるアミノ酸イオン液体、その製造方法、及びそれを用いた正浸透装置に関するものである。
正浸透膜法は、水に溶解して浸透圧を発現する溶質と緻密膜を用い、海水等から水のみを回収する水処理法として知られている。水に溶解して浸透圧を発現可能な溶質としては、例えば、NaClに代表される金属塩等が挙げられる。しかしながら、懸かる溶質の水への溶解には飽和量が存在し、しかも分子サイズが非常に小さく、緻密膜を透過する為、自らの分離回収に大きなエネルギーが必要なこと等の欠点があり、正浸透膜法で利用する溶質として利用することができない。
一方、正浸透膜法で利用可能な溶質として、温度に応答して水への溶解と析出が起こる温度応答性セグメントと浸透圧を発現可能な電解質セグメントを有する共重合高分子が知られており、かかる溶質を用い、浸透圧の発現と水からの分離回収の試みがなされている。
加えて、電解質高分子を磁性粒子にグラフトすることで浸透圧の発現と水からの分離回収を可能とする試みも行われているが、いずれも浸透圧は海水と同等又はそれ以下であり、水からの分離回収が不十分である事等の問題があった。更に、アンモニアなどの水に溶解させることで、浸透圧を発現するガスの利用も考慮されているが、水からの分離回収に大きな熱エネルギーが必要であった。
以上から、正浸透膜法に使用される溶質は、浸透圧特性、分離回収特性、分離回収特性を可能とし得る諸特性(例えば温度相転移特性)等を充足する事が求められる。
Kawai et al.,Langmuir 2011、27、7353−7356 Fukaya et al.,Chem.Commun.,2007、3089−3091 Fukaya et al.,Phys.Chem.Chem.Phys.,2013,15,4066−4072 Kohno et al.,Chem.Commun.,2012,48,11883−11885 Men et al.,ACS Macro Lett.2013,2,456−459 Ando et al.,Chem.Commun.,2013,49,10248−10250 Kohno et al.,Aust.J.Chem.2012,65,91−94 Fukumoto et al.,Angew.Chem.Int.Ed.2007,46,1852−1855 Kohno et al.,Phys.Chem.Chem.Phys.,2012,14,5063−5070
浸透圧を発現するイオン液体として、コリンに類似する構造を有するイオン液体が開示されている(非特許文献1)。しかしながら、非特許文献1は、コリンに含まれる水酸基により、アニオンの親水性、水溶解性が大きくなれば、浸透圧も高くなる事を教示するものの、当該イオン液体は、カチオンの置換基の炭素数が2程度である為、また、本発明のアミノ酸イオン液体とは異なるものであり、イオン液体の疎水性が低い為、温度相転移や分離回収の特性は発現し難いと考えられる。
また、温度を制御する事で分離回収特性に寄与し得る温度相転移、特に下限臨界溶液温度(LCST)相転移を示すイオン液体が知られている(非特許文献2〜9)。この非特許文献2〜9では、LCST相転移を示す為には、イオン液体が疎水性を示すことが重要であるとされているものの、浸透圧を発現する為に必要な親水性をどの程度に調節するかは明らかとなっていない。
そこで、本発明は、正浸透法に使用される(好ましくは浸透圧特性を示し、より好ましくは温度相転移特性、さらに好ましくは分離回収特性を示す)新規なアミノ酸イオン液体を提供することを課題とした。また、本発明は、前記アミノ酸イオン液体の製造方法や前記アミノ酸液体を用いた正浸透装置の提供も課題として掲げた。
本発明者らは、浸透圧特性を示し得るアニオンの親水性の度合いと、温度相転移特性を示し得るカチオンの疎水性の度合いとをバランスよく調節することにより、アミノ酸イオン液体が正浸透膜法に用いられる溶質として利用できないか検討した。
上記目的を達成し得た本発明のアミノ酸イオン液体とは、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換されているホスホニウム又はアンモニウムと、アミノ酸との塩であるアミノ酸イオン液体であり、正浸透膜法に使用される点に要旨を有するものである。
本発明において、100gの水における100mmolの前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧は、0.20osmol/kg以上であることが好ましい。前記アミノ酸は、疎水性アミノ酸であることが好ましく、−1.00以下のLogP値を有することが好ましい。前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧は、好ましくは水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度に対して直線的に増大する。
前記ホスホニウム又はアンモニウムは、炭素数6以上のアルキル基で全て置換されていることも好ましく、前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液は、下限臨界溶液温度(LCST)相転移を示すことも好ましい態様である。
式(1)で表される阻止率は、分画分子量1000でかつセルロースで構成される膜に対してアミノ酸イオン液体水溶液を1.5MPaで加圧する場合、90%以上であることも好ましい。
阻止率=(1−Cout/Cin)×100 (1)
in:原料水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度
out:透過液中のアミノ酸イオン液体濃度
また、本発明には、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換され、かつ水酸化物イオンをアニオンとするホスホニウム又はアンモニウムの水溶液と、アミノ酸水溶液とを混合して反応させる工程、及び得られた反応物を含む混合物から水分を蒸発させる工程を含み、正浸透膜法に使用されることを
特徴とするアミノ酸イオン液体の製造方法も包含される。
更に、本発明には、前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液を貯蔵する第1区画と、前記アミノ酸イオン液体を含まない被処理液を貯蔵する第2区画と、前記第1区画と前記第2区画を隔てる正浸透膜とを備えることを特徴とする正浸透装置も包含される。
本発明によれば、アミノ酸イオン液体は、正浸透膜法に使用することができる。
また、アミノ酸イオン液体は、アニオン側にアミノ酸を含み、ある程度の親水性を示す為、あらゆる濃度で水と相溶し、所定以上の浸透圧特性を発現することができる。また、水溶液中のアミノ酸イオン液体の濃度に比例して浸透圧を高めることもできる。
また、カチオン側にバルキーな構造が含まれ、ある程度の疎水性を示す為、好ましい態様として温度相転移特性(例えば下限臨界溶液温度)を発現させることもできる。
さらに、カチオンのバルキーな構造に基づけば、より好ましい態様として分離回収特性も発現させることができる。
この様に、本発明のアミノ酸イオン液体は、正浸透膜で利用可能な溶質であり、小さい温度制御で簡単かつ低エネルギーで水溶液から分離回収することが可能である。本発明はまた、当該アミノ酸イオン液体を正浸透膜法に利用して海水淡水化処理、浸透圧発電、ヒートエンジン等に応用することもできる。
図1は、イオン液体濃度と浸透圧の関係を示す図である。 図2は、本発明のアミノ酸イオン液体濃度又はイオン液体濃度と浸透圧の関係を示す図である。 図3は、本発明のアミノ酸イオン液体濃度又はイオン液体濃度と浸透圧の関係を示す図である。 図4は、本発明のアミノ酸イオン液体濃度と浸透圧の関係を示す図である。 図5は、本発明のアミノ酸イオン液体濃度と浸透圧の関係を示す図である。 図6は、LCST相分離の観察において[P66614][Phe]水溶液を使用した場合の水溶液の状態を示す図である。 図7は、LCST相分離の観察において[P4446][Pro]、[P4444][Pro]、又は[P66614][Gly]を使用した場合の水溶液の状態を示す図である。 図8は、LCST相分離の観察において[P66614][Pro]、[P6668][Pro]、[P6666][Pro]又は[P66614][Val]を使用した場合の水溶液の状態を示す図である。 図9は、[P66614][Pro]の濃度とLCST相分離を示す温度との関係を示す図である。 図10は、限外ろ過膜を用いてアミノ酸イオン液体の濃縮を行う場合の装置の一例を示す図である。 図11は、図10に示す装置を用いた場合、透過されたアミノ酸イオン液体量と残存溶液量の経時変化を示す図である。 図12は、[P66614][Pro]阻止率と時間との関係を示す図である。
1.アミノ酸イオン液体
本発明のアミノ酸イオン液体は、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換されているホスホニウム又はアンモニウムと
、アミノ酸との塩であるアミノ酸イオン液体であり、正浸透膜法に使用されることを特徴とする。
前記アミノ酸イオン液体は、カチオンとアニオンの塩であり、カチオンは、置換されているホスホニウム又はアンモニウムであり、アニオンはアミノ酸である。
前記アミノ酸イオン液体は、カチオン側の疎水性の度合いとアニオン側の親水性の度合いの両方のバランスを調節し、すなわちアニオン側のアミノ酸で所定の親水性を持たせることにより、浸透圧特性が発現できると共に、カチオン側の長鎖で所定の疎水性を持たせることにより、温度相転移特性、分離回収特性が好適に発現できる事を見出した。
1−1.カチオン
前記ホスホニウム又はアンモニウムは、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換されている。
前記脂肪族炭化水素基は、炭素数4以上であり、炭素数5以上、20以下であることが好ましく、より好ましくは炭素数5以上、18以下、さらに好ましくは炭素数6以上、16以下である。温度相転移の発現の観点から、炭素数は4以上であり、炭素数が大きくなると疎水性が発現しやすくなる為、温度相転移を発現させることができる。他方、浸透圧の発現の観点から、炭素数は4以上であるが、カチオン全体のサイズが小さくなると浸透圧が高くなる為、炭素数はあまり大きくしない方が好ましい。
前記脂肪族炭化水素基は、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、(3−エチル)ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクダデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基等の不飽和脂肪族炭水素基等の脂肪族炭化水素基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、テトラメチルシクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基、シクロヘキセニル基等の不飽和脂環式炭化水素基;等である。
中でも、前記脂肪族炭化水素基は飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、より好ましくはブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基であり、特に、ヘキシル基、オクチル基、テトラデシル基であることが好ましい。比較的長鎖であって直鎖のアルキル基であれば、温度相転移、特に下限臨界溶液温度(LCST)相転移を発現可能なものとすることができる。
前記芳香族炭化水素は、炭素数6以上であり、炭素数7以上、20以下であることが好ましく、より好ましくは炭素数8以上、18以下である。
前記芳香族炭化水素基は、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、2,6−ビス(2−プロピル)フェニル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
前記ホスホニウム又はアンモニウムを置換する置換基は、少なくとも1つ以上であり、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、特に好ましくは4つである。前記置換基が、2つ以上である場合、同一又は異なっていてもよい。
前記ホスホニウム又はアンモニウムの置換基に含まれる炭素の総数は、例えば16以上、60以下であり、好ましくは20以上、50以下であり、より好ましくは24以上、40以下である。カチオンの置換基をかかる炭素数に調整すると、所望の疎水性に調節でき温度相転移を呈することができる。
前記ホスホニウム又はアンモニウムの1つの置換基に含まれる最大の炭素数は、例えば4以上、20以下であり、5以上、18以下であることが好ましく、より好ましくは6以上、16以下である。1つの置換基が、他の置換基の炭素数よりも大きいと、より温度相転移特性を示す傾向がある。
前記ホスホニウム又はアンモニウムは、炭素数5以上のアルキル基で少なくとも2つ以上置換されていることが好ましく、より好ましくは炭素数6以上のアルキル基で少なくとも2つ以上置換されており、さらに好ましくは炭素数6以上のアルキル基で少なくとも3つ以上置換されており、特に好ましくは炭素数6以上のアルキル基で全て置換されている。
カチオンとしては、テトラブチルホスホニウム、テトラペンチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラへプチルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、テトラノニルホスホニウム、テトラデシルホスホニウム、テトラウンデシルホスホニウム、テトラドデシルホスホニウム、テトラトリデシルホスホニウム、テトラテトラデシルホスホニウム、テトラペンタデシルホスホニウム等;テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラへプチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラノニルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラウンデシルアンモニウム、テトラドデシルアンモニウム、テトラトリデシルアンモニウム、テトラテトラデシルアンモニウム等;トリブチルヘキシルホスホニウム、トリブチルへプチルホスホニウム、トリブチルオクチルホスホニウム、トリブチルノニルホスホニウム、トリブチルデシルホスホニウム等;トリブチルヘキシルアンモニウム、トリブチルへプチルアンモニウム、トリブチルオクチルアンモニウム、トリブチルノニルアンモニウム、トリブチルデシルアンモニウム等;トリヘキシルへプチルホスホニウム、トリヘキシルオクチルホスホニウム、トリヘキシルノニルホスホニウム、トリヘキシルデシルホスホニウム、トリヘキシルウンデシルホスホニウム、トリヘキシルドデシルホスホニウム、トリヘキシルトリデシルホスホニウム、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム等;トリヘキシルへプチルアンモニウム、トリヘキシルオクチルアンモニウム、トリヘキシルノニルアンモニウム、トリヘキシルデシルアンモニウム、トリヘキシルウンデシルアンモニウム、トリヘキシルドデシルアンモニウム、トリヘキシルトリデシルアンモニウム、トリヘキシルテトラデシルアンモニウム等が挙げられる。
1−2.アニオン
アニオンは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、グリシン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンからなる群より選択されるアミノ酸である。
この他、前記アミノ酸は、メチルやジメチル等のアルキル基で置換されてもよく、ジメチルグリシン等を使用してもよい。
アニオンとして、例えばCF3CO2(トリフルオロアセテート)、TsO(p−トルエンスルホネート)、DMBS(2,4−ジメチルベンゼンスルホネート)、TMBS(2
,4,6−トリメチルベンゼンスルホネート)を使用すると温度相転移を示すが、浸透圧は一定値以上を示さない。ClやBrを使用すると浸透圧を発現するが、温度相転移を発現できない。しかしながら、アミノ酸をアニオンに使用する場合、浸透圧と温度相転移を両立することが可能となる。
前記アミノ酸は、疎水性アミノ酸であることが好ましく、より好ましくはグリシン、プロリン、グリシン、アラニン、イソロイシン又はバリンである。上記の疎水性アミノ酸であれば、浸透圧を発現することができる。他方、温度相転移発現の観点から、アミノ酸は、プロリン、バリンであることが好ましい。
前記アミノ酸は、例えば−1.00以下のLogP値を有し、好ましくは−3.25以上−1.30以下、より好ましくは−3.00以上−1.40以下、さらに好ましくは−2.90以上−1.50以下のLogP値を有する。かかる範囲のLogP値を有するアミノ酸は、親水性を示すと同時に、温度相転移に適したものとなる。
以下に、各アミノ酸のLogP値を示す。
アルギニン(−4.20)、リシン(−3.05)、アスパラギン酸(−3.89)、アスパラギン(−3.82)、グルタミン酸(−3.69)、グルタミン(−3.64)、ヒスチジン(−3.32)、プロリン(−2.54)、チロシン(−2.26)、トリプトファン(−1.05)、セリン(−3.07)、トレオニン(−2.94)、グリシン(−3.21)、アラニン(−2.85)、メチオニン(−1.87)、システイン(−2.49)、フェニルアラニン(−1.38)、ロイシン(−1.52)、バリン(−2.26)、イソロイシン(−1.70)
LogP値は、分配係数Pの常用対数を意味する。LogP値は、ある有機化合物が油と水の2相系の平衡でいずれの相に分配されるかを定量的な数値で表した物性値であり、マイナス側でも絶対値が大きくなると親水性が増し、絶対値が小さくなると疎水性側に偏る。
本発明のアミノ酸イオン液体は、上述したカチオンとアニオンを組み合わせたものであり、例えば、テトラブチルホスホニウムプロリン、テトラブチルホスホニウムグリシン、テトラブチルホスホニウムアラニン、テトラブチルホスホニウムイソロイシン、テトラブチルホスホニウムグリシン、トリヘキシルオクチルホスホニウムプロリン、トリヘキシルテトラデシルプロリン、トリヘキシルテトラデシルグリシン、トリヘキシルテトラデシルグリシン、トリヘキシルテトラデシルバリン等であってもよい。
本発明のアミノ酸イオン液体は、浸透圧を発現する点で、相溶性がある溶媒と混合して使用することが好ましい。かかる溶媒は、水等が好ましい。
アミノ酸イオン液体の濃度は、水溶液中10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上80質量%以下である。水溶液中のアミノ酸イオン液体の濃度が高い場合、アミノ酸イオン液体1分子当たりの水分子保持能は一定であり、濃度が高いとアミノ酸イオン液体を含むドロー溶液側に受け入れ可能な総数の水分子が増大する為、浸透圧も高くすることができる。一方、水溶液中のアミノ酸イオン液体の濃度が低いと、温度相転移挙動を示す温度が高くなり、低エネルギーでアミノ酸イオン液体を回収しにくくなる。
例えば、[P66614][Pro]を含む水溶液の場合、40質量%で37.5℃、50
質量%で35.5℃、60質量%で32℃、70質量%で26℃で温度相転移挙動を示す。
100gの水における100mmolの前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧
は、0.20osmol/kg以上であることが好ましく、より好ましくは0.30osmol/kg以上、さらに好ましくは0.40osmol/kg以上であり、さらにより好ましくは0.50osmol/kg以上である。
100gの水における100mmolの前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧の上限値は、高ければ特に制限されないが、例えば20osmol/kg又は10osmol/kg程度である。
特に、[P66614][Pro]を70質量%で含む水溶液は、2.1osmol/kg
の浸透圧を示し、海水の約2倍弱の浸透圧を示す。
当該浸透圧が上記値よりも低い場合、浸透圧差を生じにくくなり、正浸透膜法を行うことが困難となり、正浸透膜法の溶質として適さない虞がある。
浸透圧は、例えば蒸気圧法を用いた浸透圧計により測定できる。
前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧は、水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度に対して直線的に増大することが好ましい。本発明のアミノ酸イオン液体は塩である為、水中でほぼ完全に電離し、水への溶解性が高くなり、水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度を高くすることができ、結果として、アミノ酸イオン液体を含む溶液の浸透圧を高くすることができる。
本発明のアミノ酸イオン液体を含む水溶液は、下限臨界溶液温度(LCST)相転移を示すことが好ましい。下限臨界溶液温度相転移特性を示す場合、分離回収特性に寄与し得る為、正浸透膜法に使用される溶質として望ましい。本明細書でいう下限臨界溶液温度相転移とは、所定の温度以上で相分離し、所定の温度未満で均一相を呈する事を意味し、前記水溶液を加熱・冷却することにより、分離相、均一相への操作を繰り返し行うことが可能である。
下限臨界溶液温度は、例えば20〜45℃、好ましくは22〜43℃であり、かかる温度で相分離を示し、相分離を呈する温度よりも低い温度で均一相を形成する。室温付近で下限臨界溶液温度を示すと、低エネルギーでアミノ酸イオン液体を分離することが可能となる。
式(1)で表される阻止率は、分画分子量1000でかつセルロースで構成される膜に対してアミノ酸イオン液体水溶液を1.5MPaで加圧する場合、90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上、最も好ましくは99.8%以上である。阻止率が高いと、ほぼ全量のアミノ酸イオン液体を回収できる為、不純物の少ない水を得ることが可能となる。
阻止率=(1−Cout/Cin)×100 (1)
in:原料水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度
out:透過液中のアミノ酸イオン液体濃度
膜に対してアミノ酸イオン液体水溶液を1.5MPaで加圧して阻止率を測定する場合、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを使用してもよい。
透過液中のアミノ酸イオン液体の濃度は、電気伝導度を測定することにより求めることができる。
本発明のアミノ酸イオン液体の分子量は、例えば100〜1000であり、好ましくは200〜800程度である。本発明のアミノ酸イオン液体は、従来のイオン性液体に比して高分子量であり、ナノ濾過膜や限外濾過膜で分離できる。
本発明のアミノ酸イオン液体の製造方法は、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素
数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換され、かつ水酸化物イオンをアニオンとするホスホニウム又はアンモニウム水溶液と、アミノ酸水溶液とを混合して反応させる工程、及び得られた反応物を含む混合物から水分を蒸発させる工程を含み、正浸透膜法に使用されることを特徴とする。
例えば、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換され、かつ水酸化物イオンをアニオンとするホスホニウム又はアンモニウム水溶液は、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換され、かつ臭化物イオンのハロゲン化物イオン等でハロゲン化されたホスホニウム又はアンモニウム水溶液を陰イオン交換樹脂に通過させて得られてもよい。
かかるホスホニウム又はアンモニウム水溶液は、アミノ酸水溶液と中和反応させることにより、ホスホニウム又はアンモニウムと、アミノ酸との塩を形成することができる。
反応時間は、例えば3〜24時間であり、反応温度は、例えば5〜50℃である。
懸かる塩を含む水溶液は、クロロホルムなどの有機溶媒で抽出して精製してもよい。
精製された水溶液は、エバポレーション等により水を蒸発させて、所望のアミノ酸イオン液体を得ることができる。
蒸発に要する時間は、例えば1〜10時間であり、この時の温度は、例えば20〜80℃である。
本発明には、前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液を貯蔵する第1区画と、前記アミノ酸イオン液体を含まない被処理液を貯蔵する第2区画と、前記第1区画と前記第2区画を隔てる正浸透膜とを備える正浸透装置が含まれる。
正浸透装置は、正浸透膜を用い、浸透圧の低い側から高い側に向かって水を透過させる分離処理を行うことができる。この装置において、本発明のアミノ酸イオン液体は、浸透圧の高いドロー溶液(DS)側に配置する。
本発明の装置において、第1区画は、本発明のアミノ酸イオン液体を含む水溶液を貯蔵する区画であり、第2区画は、本発明のアミノ酸イオン液体を含まない被処理水を貯蔵する区画である。第1区画の浸透圧は、第2区画の浸透圧よりも高くなっていることが好ましい。
第1区画は、所定濃度のアミノ酸イオン液体を含む水溶液を含んでいればよく、使用される被処理液や正浸透膜に応じてアミノ酸イオン液体濃度を適宜調節すればよい。
第2区画は、例えば、海水やその他の汚染処理水等の被処理液水を含んでいればよい。
正浸透膜としては、通常の半透膜であればよく、例えば、溶媒(例えば、水)を通過させる一方で、その中に溶解した溶質(例えば、塩化ナトリウム、その他の塩、糖、薬剤又は他の化合物)を排除するものであればよい。水(すなわち、溶媒)の通過を許容しつつ、溶質の通過を阻止でき、溶液中の溶質と反応しない半透膜が好適である。
半透膜は薄膜、中空糸膜、スパイラル型膜、モノフィラメント等の種々の形状であり得る。半透膜は、例えばセルロースアセテート、ポリスルホン、ポリビニリデンフルオリド、ポリアミド及びアクリロニトリルコポリマー等の材料で製造されたものであってもよい。この他、ZrOやTiO等の材料で製造される鉱物膜又はセラミック膜を使用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
実験例1
[P4444][Gly]の合成
合成材料として[P4444][OH](テトラブチルホスホニウム ヒドロキシド)40質量%水溶液とアミノ酸(グリシン)を用いて合成を行った。また、アミノ酸を析出させるための溶媒としてアセトニトリルとメタノールを用いた。一例として、スキーム1に[P4444][Gly]合成の反応式を示す。
まずアミノ酸0.077molをMilli−Q水100.28gに混合し、アミノ酸水溶液を調製した。アミノ酸水溶液にアミノ酸/[P4444][OH]=1.05(mol/mol)となるよう40質量%[P4444][OH]水溶液を滴下し、4時間撹拌しながら反応さ
せた。エバポレータ(40℃)で水を減圧留去させた後、アセトニトリル90mLとメタノール10mLの混合溶液を加え、過剰アミノ酸を析出させた。これを吸引ろ過し、過剰アミノ酸を除去した。再びエバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去させることで[P4444][
Gly]を得た。
実験例2
[P4444][Ala]の合成
アミノ酸をGlyからAlaに変更した以外は、実験例1と同様にして実験例2を行った。
実験例3
[P4444][Ile]の合成
アミノ酸をGlyからIleに変更した以外は、実験例1と同様にして実験例3を行った。
実験例4
[P4444][Phe]の合成
アミノ酸をGlyからPheに変更した以外は、実験例1と同様にして実験例4を行った。
実験例5
[P4444][Pro]の合成
アミノ酸をGlyからProに変更した以外は、実験例1と同様にして実験例5を行った。
実験例6
[P4444][dmGly]の合成
アミノ酸をGlyからdmGlyに変更した以外は、実験例1と同様にして実験例6を行った。
実験例7
[P6666][Pro]の合成
合成材料としてトリヘキシルホスフィン((a)−1)、1−ブロモヘキサン((b)−1)、プロリン((c)−1)、溶媒としてヘキサン、Milli−Q水、エタノールを用いた。反応式をスキーム2に示す。トリへキシルホスフィンを約20質量%ヘキサン溶液になるよう調製し、窒素置換した耐圧容器内で1.1等量の1−ブロモヘキサンと混合した。これを110℃で72時間、反応させた。生成物を過剰のヘキサンで2回洗浄し、残存溶媒をエバポレータで減圧留去させることによりトリヘキシルホスホニウムブロミド([P6666][Br])を得た。これを20質量%となるよう水−エタノール混合溶媒(1:
2v/v)に溶解させた。生成したBr量に対し、25質量倍となるようアニオン交換樹
脂を添加し、30分間撹拌後、濾過によって樹脂を取り除き、トリヘキシルホスホニウムヒドロキシド([P6666][OH])を得た。[P6666][OH]に対し、1.1等量のプロリンを添加し、1時間撹拌した。その後、エバポレータ(60℃)で水を減圧留去した。アセトニトリル90mLとメタノール10mLの混合溶液を加え、過剰プロリンを析出させ、吸引ろ過で過剰プロリンを除去した。再びエバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去させ、残液をサンプル瓶に保管した。
実験例8
[P6668][Pro]の合成
トリヘキシルホスフィン、1−ブロモオクタン、アミノ酸としてプロリン、溶媒としてヘキサン、Milli−Q水、メタノールを用いた。また、アニオン交換樹脂としてIRN−78を用いた。合成は(a)トリヘキシルホスフィンの4級化反応、(b)アニオン交換、(c)中和反応の3段階で行った。
(a)トリヘキシルホスフィンの4級化反応
トリヘキシルホスフィンを約20質量%ヘキサン溶液になるよう調製し、窒素置換した耐圧容器内で1.1等量の1−ブロモオクタンと混合した。これを110℃で72時間反応させた。生成物を過剰のヘキサンで2回洗浄し、残存溶媒をエバポレータで減圧留去させることによりトリヘキシルオクチルホスホニウムブロミド([P6668][Br])を得た。
(b)アニオン交換
[P6668][Br]を20質量%となるよう水−メタノール混合溶媒(1:9 v/v)に溶解させた。生成したBr量に対し、25質量倍となるようアニオン交換樹脂を添加し、30分間撹拌後、濾過によって樹脂を取り除き、トリヘキシルオクチルホスホニウムヒドロキシド([P6668][OH])を得た。
(c)中和反応
[P6668][OH]に対し、1.1等量のアミノ酸(プロリン)を添加し、1時間撹拌した。その後、エバポレータ(60℃)で水を減圧留去した。アセトニトリル90mLとメタノール10mLの混合溶液を加え、過剰アミノ酸を析出させ、吸引ろ過で過剰アミノ酸を除去した。再びエバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去させることで[P6668][Pro]を得た。
実験例9
[P4446][Gly]の合成
アルキルホスホニウムブロミドとしてヘキシルトリブチルホスホニウムブロミド([P4446]Br)、アミノ酸としてグリシン、溶媒としてMilli−Q水、メタノールを用いた。また、アニオン交換樹脂としてIRN−78を用いた。合成は(a)アニオン交換、(b)中和反応の2段階で行った。
(a)アニオン交換
[P4446][Br]を20質量%となるよう水−メタノール混合溶媒(1:9v/v)に溶解させた。生成したBr量に対し、25質量倍となるようアニオン交換樹脂を添加し、30分間撹拌後、濾過によって樹脂を取り除き、アルキルホスホニウムヒドロキシド(ヘキシルトリブチルホスホニウムヒドロキシド([P4446][OH])を得た。
(b)中和反応
[P4446][OH]に対し、1.1等量のアミノ酸(グリシン)を添加し、1時間撹拌した。その後、エバポレータ(60℃)で水を減圧留去した。アセトニトリル90mLとメタノール10mLの混合溶液を加え、過剰アミノ酸を析出させ、吸引ろ過で過剰アミノ酸を除去した。再びエバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去させ、残液をサンプル瓶に保管した。
実験例10
[P4446][Pro]の合成
アミノ酸としてGlyをProに変更した以外は、実験例9と同様にして実験例10を行った。
実験例11
[P66614][Gly]の合成
アルキルホスホニウムブロミドとしてトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミド([P66614][Br])、アミノ酸としてGly、溶媒としてMilli−Q水、メタノー
ルを用いた。また、アニオン交換樹脂としてIRN−78を用いた。合成は(a)アニオン交換、(b)中和反応の2段階で行った。
(a)アニオン交換
[P66614][Br]を20質量%となるよう水−メタノール混合溶媒(1:9v/v)に溶
解させた。生成したBr量に対し、25質量倍となるようアニオン交換樹脂を添加し、30分間撹拌後、濾過によって樹脂を取り除き、アルキルホスホニウムヒドロキシド(トリヘキシルテトラデシルホスホニウムヒドロキシド([P66614][OH]))を得た。
(b)中和反応
[P66614][OH])に対し、1.1等量のアミノ酸(Gly)を添加し、1時間撹拌し
た。その後、エバポレータ(60℃)で水を減圧留去した。アセトニトリル90mLとメタノール10mLの混合溶液を加え、過剰アミノ酸を析出させ、吸引ろ過で過剰アミノ酸を除去した。再びエバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去させ、残液をサンプル瓶に保管した。
実験例12
[P66614][Val]の合成
アミノ酸としてGlyをValに変更した以外は、実験例11と同様にして、実験例12を行った。
実験例13
[P66614][Phe]の合成
アミノ酸としてGlyをPheに変更した以外は、実験例11と同様にして、実験例13を行った。
実験例14
[P66614][Pro]の合成
アミノ酸としてGlyをProに変更した以外は、実験例11と同様にして、実験例14を行った。
実験例15
テトラブチルホスホニウムメタンスルホネート([P4444][CH3SO3])の合成
[P4444][OH]40質量%水溶液、メタンスルホン酸(CH3SO3H)を用いた。[P4444][OH]40質量%水溶液を12.5g秤量し、その同等モル量のメタンスルホン酸(C
3SO3H)を加えた後、1時間以上室温で撹拌した。その後、エバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去することで[P4444][CH3SO3]を調製した。
実験例16
テトラブチルホスホニウムクロリド([P4444][Cl])の合成
酸としてメタンスルホン酸を塩酸(HCl)に変更した以外は、実験例15と同様にして実験例16を行った。
実験例17
テトラブチルホスホニウムニトレート([P4444][NO3])の合成
酸としてメタンスルホン酸を硝酸(HNO3)に変更した以外は、実験例15と同様に
して実験例17を行った。
実験例18
テトラブチルホスホニウム p−トルエンスルホネート([P4444][TsO])の合成
酸としてメタンスルホン酸をp−トルエンスルホネートに変更した以外は、実験例15と同様にして実験例18を行った。
実験例19
テトラブチルホスホニウム ベンゼンスルホネート([P4444][BzSO3])の合成
酸としてメタンスルホン酸をベンゼンスルホネート(BzSO3)に変更した以外は、
実験例15と同様にして実験例19を行った。
実験例20
テトラブチルホスホニウム スチレンスルホネート([P4444][SS])の合成
[P4444][OH]40質量%水溶液と6mol/L HCl、sodium p-styrenesulfonate hydrate(Na[SS])を用いて[P4444][SS]の合成を行った。[P4444][OH]40質
量%水溶液12.5gに6mol HClを3.01mL添加し、1時間撹拌した後、さ
らにNa[SS]を4.10g添加し、室温で24h撹拌した。ジクロロエタン10mLを加えた後、この溶液を分液ろうとに移し、Milli−Q水10mLで3回、未反応物の抽出精製を行った後、ジクロロエタン相を回収し、エバポレータで溶媒を減圧留去することで[P4444][SS]を合成した。
実験例21
ポリ(テトラブチルホスホニウム スチレンスルホネート)(poly([P4444][SS])
)の合成
モノマーとして[P4444][SS]、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、溶媒としてクロロホルム、再沈殿の貧溶媒としてヘキサンを用いた。スキーム3に合成の反応式を示す。
[P4444][SS]にAIBNを1.0mol%加え、脱気水内で混合させた。これを窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌し、得られた溶液を4時間エバポレーションで溶媒を減圧留去させた。得られた固体をクロロホルム20mLに溶解させ、ヘキサン200mLに滴下した。沈殿物をろ過し、再びヘキサンで洗浄し、これを数回繰り返した。沈殿物を60℃、真空下で乾燥させることでpoly([P4444][SS])を得た。
実験例22
テトラブチルホスホニウム トリメチルベンゼンスルホネート([P4444][TMBS])の合成
[P4444][OH]40質量%水溶液と2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸二水和物(trimethybenzenesulfonic acid dihydrate(TMBS:(a)−2))を用いてイオン液体合成を行った。[P4444][OH]40質量%水溶液を12.5g秤量し、[P4444][OH]と同等モル量のTMBSを加え、1時間以上室温で撹拌した。その後、エバポレータ(4
0℃)で溶媒を減圧留去することで[P4444][TMBS]を合成した。
実験例23
テトラブチルホスホニウム ジメチルベンゼンスルホネート([P4444][DMBS])の合成
[P4444][OH]40質量%水溶液と2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸水和物(dimethybenzenesulfonic acid hydrate(DMBS:(b)−2))を用いてイオン液体合成を行
った。[P4444][OH]40質量%水溶液を12.5g秤量し、[P4444][OH]と同等モル量のDMBSを加え、1時間以上室温で撹拌した。その後、エバポレータ(40℃)で溶媒を減圧留去することで[P4444][DMBS]を合成した。
実験例24
ポリ(トリブチル−4−ビニルベンジルホスホニウム 1−ペンタンスルホネート)(poly(TVBP−C5S))の合成
モノマーの前駆体イオン液体であるTVBP−Clの原料物質としてトリブチルホスフィン((b)−3)と4−ビニルベンジルクロリド((a)−3)を用いた。また、アニオン交換塩として1−ペンタンスルホネートナトリウム((c)−3)、溶媒としてアセトン及びMilli−Q、再沈殿溶媒としてジエチルエーテル、抽出溶媒としてジクロロメタンを用いた。原料物質の構造式を((a)−3)、(b)−3)、(c)−3))、反応式をスキーム4に示す。
poly(TVBP−C5S)の原料物質として、上記で得られたTVBP−C5Sをモノマーとして用い、開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を用いた。反応式をスキーム5に示す。
すなわち、4−ビニルベンジルクロリドに対して1.5当量のトリブチルホスフィンを秤量し、これを約3質量倍のアセトンに溶解し、40℃で24時間撹拌させた。得られた溶液をアセトンの10倍量のジエチルエーテルに添加し、再沈殿を行った。沈殿物をジエチルエーテルで洗浄し、ろ過した後、得られた粉末を室温、真空下で乾燥させた。
得られた粉末TVBP−Clに対して、1.2当量の1−ペンタンスルホネートナトリウムを秤量し、約10質量倍のMilli−Q水に溶解させ、室温で12時間撹拌した。得られた溶液をジクロロメタンで抽出し、Milli−Q水で3回洗浄した。ジクロロメタン相を取り出し、溶媒をエバポレータで減圧留去させ、TVBP−C5Sを得た。
モノマーTVBP−C5Sに対して1mol%のAIBNを、約7質量倍のDMFに溶解させ、窒素置換した後、70℃で48時間重合させた。得られた溶液を冷却した後、Milli−Q水で透析を行った。得られた溶液を冷凍乾燥させ、生成物を得た。
上記以外のイオン液体
その他、LCST相分離観察及び浸透圧の測定に用いたイオン液体の構造式を以下に示す。
上記において、[Emin][Tf2N]は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide)、[Emin][BF4]は1−エチル−3−メチルイミ
ダゾリウムテトラフルオロボレート(1-ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
)、[P4444][Br]はテトラブチルホスホニウムブロミド(tetrabutylphosphonium bromide)、[P4444][FAc]はテトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート
(tetrabutylphosphonium trifluoroacetate)を示す。
アミノ酸イオン液体又はイオン液体水溶液の浸透圧測定
上記で合成したアミノ酸イオン液体やイオン液体をMilli−Q水により所定濃度に希釈し、蒸気圧法浸透圧測定装置(Vapro5600、WESCOR社製)を用いてその浸透圧測定を行った。各アミノ酸イオン液体水溶液やイオン液体水溶液の浸透圧と濃度の関係を図1〜5に示す。
図1は、各イオン液体濃度に対する浸透圧を評価した結果を示す(●は[P4444][Br]、○は[P4444][Cl]、◆は[P4444][CH3SO3]、◇は[P4444][BzSO3]、▲は[P4444][SS]、△はpoly([TVBP][C5S])、■は[
4444][DMBS]、□は[P4444][TMBS]、●は[P4444][FAc]を示す)。
図2は、本発明の各アミノ酸イオン液体濃度に対する浸透圧を評価した結果を示し(●は[P4444][Gly]、○は[P4444][Ala]、■は[P4444][Pro]、□は[P4444][Phe]、◆は[P4444][Ile]を示す)、一方でこれらの対照として、◇は[P4444][Cl]、▲は[P4444][Br]、△は[P4444][TsO]のイオン液体を用いた例の結果も示す。
本発明のアミノ酸イオン液体は、[P4444][Cl]、[P4444][Br]、[P4444][TsO]と同等以上の浸透圧を示すことが分かる。
図3は、本発明のアミノ酸イオン液体において、アミノ酸をProに固定し、ホスホニウムのアルキル基の炭素数を変化させた場合の各アミノ酸イオン液体濃度に対する浸透圧を評価した結果を示す(●は[P4444][Pro]、○は[P4446][Pro]、■は[P6666][Pro]、□は[P6668][Pro]、▲は[P66614][Pro]、△は[
4444][TsO]を示す)。
図3の結果によれば、カチオンのアルキル基の炭素数が長くなっても比較的高い浸透圧
を示すことが分かる。
図4は、本発明のアミノ酸イオン液体において、カチオンを[P66614]に固定し、ア
ニオンを[Pro]又は[Gly]に変更した場合(●は[P66614][Pro]、○は
[P66614][Gly]を示す)、各アミノ酸イオン液体濃度に対する浸透圧を評価した
結果を示す。
図4の結果によれば、[P66614][Pro]及び[P66614][Gly]の両方は、所定の浸透圧を示すことが分かる。
図5は、本発明の各アミノ酸イオン液体濃度に対する浸透圧を評価した結果を示す(○は[P4444][Gly]、△は[P4444][Ala]、□は[P4444][Pro]、◇は[P4444][Ile]、+は[P4444][Phe]、×は[P4444][dmGly]、●は[P4446][Gly]、▲は[P66614][Gly]、■は[P4446][Pro]、◆
は[P6666][Pro]、*は[P6668][Pro]、□は[P66614][Pro]を示
す)。
図1〜5の結果によれば、本発明のアミノ酸イオン液体は、浸透圧を発現する為、正浸透膜の溶質として使用できると考えられた。
LCST相分離の観察
上記アミノ酸イオン液体を試験管に所定量秤量し、所定濃度となるように所定濃度のMilli−Q水を添加した。ボルテックスミキサーを用いて撹拌した後、それぞれの試験管を100℃の恒温槽にいれ、30分間静置した。その後、試験管を恒温槽から取り出し、室温下で30分間静置したときの溶液状態を目視により観察した。
[Emin][Tf2N]、[P66614][Phe]は室温、100℃のいずれの温度でも温
度相転移挙動を示さず、液相が2層に分かれていた。一例として加温直後の[P66614][Phe]を図6に示す。
[Emin][BF4]、[P4446][Gly]、[P66614][Gly]、[P4444][Pro]、[P4446][Pro]は100℃のいずれの温度でも温度相転移挙動を示さず、均相であった。一例として加温直後の[P4446][Pro]、[P4444][Pro]、[P66614][Gly]を図
7に示す。
[P4444][FAc]、[P4444][TMBS]、[P4444][DMBS]、[P4444][TsO]、poly([P4444][SS])、poly(TVBP−C5S)、[P6668][Pro]、[P66614][Pro]、[P66614][Val]は室温で均一な1相の液相、100℃で2相の液相になり、
温度相転移挙動が確認された。一例として加温直後の[P66614][Pro]、[P6668][Pro]、[P6666][Pro]、[P66614][Val]を図8に示す。
LCSTの測定
LCSTの測定は温調機能付き分光光度計(UV−650、島津製作所)を用いて行った。各濃度(10質量%〜70質量%)に調製した[P66614][Pro]をセルに入れ、蒸
発を防ぐためにパラフィルムでふたをした。セル内温度センサをとりつけ、測定波長600nm、取り込み温度0.1℃、昇温速度0.1℃として、実験を行い、相転移温度はTransmittanceが90%を下回ったときの温度とした。測定結果は図9に示す通りである。
図9の結果によれば、アミノ酸イオン液体濃度が高い程、室温に近い温度でLCSTを示し、高温で処理せずとも、低エネルギーで溶質のアミノ酸イオン液体と水等とを分離できると考えられた。
限外ろ過膜を用いたイオン液体水溶液の濃縮
[P66614][Pro]10質量%水溶液を限外ろ過用のステンレス製デッドエンド型セル
内に設置し、1MPaの圧力をかけた。用いた膜はMillipore製の公称分画分子量1000、材質は再生セルロースのものを用いた。ろ液は10分ごとに分注し、電気伝導度測定によって得られる溶液内に含まれる炭素濃度からアミノ酸イオン液体濃度を求めた。操作は溶液が初期の半分になるまで続けた。実験操作の模式図を図10に示す。
セル内の残存溶液量(左欄)と透過されたアミノ酸イオン液体量(g)(右欄)の経時変化を図11(●は阻止率、○は供給残存溶液量を示す)、阻止率を図12に示す。
阻止率=(1−Cout/Cin)×100 (1)
in:原料水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度
out:透過液中のアミノ酸イオン液体濃度
これらの結果、[P66614][Pro]の分子量は598であるが、そのカチオンの立体的
な構造のため、公称分画分子量1000のUF膜でもアミノ酸イオン液体は通過することなく、ほとんど阻止され、ほぼ100%の分離回収性が得られると考えられた。
以上により、本発明のアミノ酸イオン液体は、正浸透膜処理に適用可能であり、好ましくは浸透圧を発現し、より好ましくは室温に近い温度でLCSTを示し、さらに好ましくは優れた分離回収性を示す。
本発明のアミノ酸イオン液体は、海水淡水化等の正浸透膜処理に好適に使用されるのみならず、浸透圧発電やヒートエンジンにも好適に使用され得る。

Claims (10)

  1. 炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換されているホスホニウム又はアンモニウムと、アミノ酸との塩であるアミノ酸イオン液体であり、正浸透膜法に使用されることを特徴とするアミノ酸イオン液体。
  2. 100gの水における100mmolの前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧が、0.20osmol/kg以上である請求項1に記載のアミノ酸イオン液体。
  3. 前記アミノ酸が、疎水性アミノ酸である請求項1又は2に記載のアミノ酸イオン液体。
  4. 前記アミノ酸が、−1.00以下のLogP値を有する請求項1〜3のいずれかに記載のアミノ酸イオン液体。
  5. 前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液の浸透圧が、水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度に対して直線的に増大する請求項1〜4のいずれかに記載のアミノ酸イオン液体。
  6. 前記ホスホニウム又はアンモニウムが炭素数6以上のアルキル基で全て置換されている請求項1〜5のいずれかに記載のアミノ酸イオン液体。
  7. 前記アミノ酸イオン液体を含む水溶液が、下限臨界溶液温度(LCST)相転移を示す請求項1〜6のいずれかに記載のアミノ酸イオン液体。
  8. 式(1)で表される阻止率が、分画分子量1000でかつセルロースで構成される膜に対してアミノ酸イオン液体水溶液を1.5MPaで加圧する場合、90%以上である請求項1〜7のいずれかに記載のアミノ酸イオン液体。
    阻止率=(1−Cout/Cin)×100 (1)
    in:原料水溶液中のアミノ酸イオン液体濃度
    out:透過液中のアミノ酸イオン液体濃度
  9. 炭素数4以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上の芳香族炭化水素基で少なくとも1つ以上置換され、かつ水酸化物イオンをアニオンとするホスホニウム又はアンモニウムの水溶液と、アミノ酸水溶液とを混合して反応させる工程、及び
    得られた反応物を含む混合物から水分を蒸発させる工程
    を含み、正浸透膜法に使用されることを特徴とするアミノ酸イオン液体の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のアミノ酸イオン液体を含む水溶液を貯蔵する第1区画と、
    前記アミノ酸イオン液体を含まない被処理液を貯蔵する第2区画と、
    前記第1区画と前記第2区画を隔てる正浸透膜とを備えることを特徴とする正浸透装置。
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