JP2016151190A - 排ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの運転と停止を繰り返した際に、触媒(中でもNOx選択還元触媒)が凝縮水を吸着および脱離するのを抑制でき、もってこれら凝縮水の吸着や脱離に起因する触媒性能の低下が抑制された排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】排ガスが流通する主流路1と、第一の分岐流路3A、第二の分岐流路3Bと、各分岐流路3A,3Bの一方を閉塞し、他方を開放する開閉弁4A,4Bと、第二の分岐流路3B内に配設され、NOx選択還元触媒層(銅を担持したシリカアルミノフォスフェート触媒:Cu/SAPO-34)が基材5のセル壁面5aに形成されてなる触媒コンバーター10と、上流側の主流路1内に配設された第一の温度センサ6Aおよび触媒コンバーター10内に配設された第二の温度センサ6Bと、各温度センサ6A,6Bからの測定温度に基づいて開閉弁4A,4Bを作動させる制御部7と、からなる排ガス浄化装置100である。【選択図】図2
Description
本発明は、排ガスの排気系統に配設される排ガス浄化装置に関するものである。
各種産業界においては、環境影響負荷低減に向けた様々な取り組みが世界規模でおこなわれており、中でも、自動車産業においては、燃費性能に優れたガソリンエンジン車は勿論のこと、ハイブリッド車や電気自動車等のいわゆるエコカーの普及とそのさらなる性能向上に向けた開発が日々進められている。このようなエコカーの開発に加えて、エンジンから排出される排ガスを浄化する排ガス浄化触媒に関する研究も盛んに行われている。この排ガス浄化触媒には、酸化触媒や三元触媒、NOx吸蔵還元触媒、NOx選択還元触媒、SCR触媒(Selective Catalytic Reduction)などが含まれており、この排ガス浄化触媒において触媒活性を発現するのは、白金(Pt)やパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属触媒であり、貴金属触媒はアルミナなどの多孔質酸化物からなる担体に担持された状態で一般に用いられている。
車両エンジンとマフラーを繋ぐ排ガスの排気系統には、排ガスを浄化するための触媒コンバーターが一般に配設されている。エンジンはCOやNOx、未燃焼のHCやVOCなど、環境に有害な物質を排出することがあり、こうした有害物質を許容可能な物質に変換するべく、RhやPd、Ptのような貴金属触媒が担体に担持された触媒層が基材のセル壁面に配設されてなる触媒コンバーターに排ガスを通すことにより、COはCO2に転化され、NOxはN2とO2に転化され、VOCは燃焼してCO2とH2Oが生成されることになる。
排ガスに含まれるHC、CO、NOxおよびPM(Particulate Matter:パティキュレート)等の汚染物質の中でも、NOxは酸化触媒や三元触媒ではその浄化が難しく、NOxを浄化可能な有用な触媒として上記するNOx選択還元触媒の開発が行われている。なお、NOx選択還元触媒には種々の素材があるものの、Cu等の金属を担持した結晶性のシリカアルミノフォスフェート触媒(Cu/SAPO-34)が好適に用いられている。
ところで、このCu/SAPO-34をNOx選択還元触媒として排ガスの排気系統に適用するに当たり、エンジンの運転と停止を繰り返した際に、Cu/SAPO-34が凝縮水(空気およびガソリン中の水分が排ガス中で凝縮した水)を吸着および脱離し、Cu/SAPO-34の結晶構造が部分的に破壊され、触媒性能が低下することが懸念される。
ここで、特許文献1には、SiO2/Al2O3 比が 500以上のZSM-5よりなる第1ゼオライトと、SiO2/Al2O3 比が 200以上のY型ゼオライトよりなる第2ゼオライトとから構成した炭化水素吸着材が記載されている。この炭化水素吸着材によれば、低級から高級まで多種のHCを吸着でき、かつ単位容積当たりの吸着量が大きく、また高温での耐久性にも優れているとしている。
しかしながら、特許文献1で開示される炭化水素吸着材を適用した場合でも、上記する課題、すなわち、エンジンの運転と停止を繰り返した際に、NOx選択還元触媒が凝縮水を吸着および脱離し、その触媒性能が低下し得るといった課題の解消には繋がらない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、エンジンの運転と停止を繰り返した際に、触媒(中でもNOx選択還元触媒)が凝縮水を吸着および脱離するのを抑制でき、もってこれら凝縮水の吸着や脱離に起因する触媒性能の低下が抑制された排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による排ガス浄化装置は、排ガスが流通する主流路と、主流路から枝分かれし、かつ、触媒コンバーターが配設されていない第一の分岐流路と、主流路から枝分かれし、かつ、触媒コンバーターが配設されている第二の分岐流路と、第一、第二の分岐流路の一方を閉塞し、他方を開放する開閉弁と、第二の分岐流路内に配設され、NOx選択還元触媒層(銅を担持したシリカアルミノフォスフェート触媒:Cu/SAPO-34)が基材のセル壁面に形成されてなる触媒コンバーターと、上流側の主流路内に配設された第一の温度センサおよび触媒コンバーター内に配設された第二の温度センサと、第一の温度センサにより測定された第一の温度と第二の温度センサにより測定された第二の温度に基づいて開閉弁を作動させる制御部と、からなり、第一、第二の温度がともに150℃以上の際に、第一の分岐流路が閉塞され、第二の分岐流路が開放されて触媒コンバーターに排ガスが流通するように制御され、第一の温度が150℃以上、且つ第二の温度が150℃未満の際に、第一の分岐流路が開放され、第二の分岐流路が閉鎖されて触媒コンバーターに排ガスが流通しないように制御され、第一の温度が150℃未満の際に、第一の分岐流路が開放され、第二の分岐流路が閉塞されて触媒コンバーターに排ガスが流通しないように制御されているものである。
本発明の排ガス浄化装置は、たとえばリーン運転可能なエンジン(内燃機関)の排ガス浄化装置であり、排ガスの温度とNOx選択還元触媒層の温度に応じて当該NOx選択還元触媒層に排ガスの流通を許容もしくは遮断することにより、NOx選択還元触媒に排ガス中の凝縮水が吸着されるのを効果的に抑制し、もって当該凝縮水の吸着に起因したNOx選択還元触媒の部分的な破壊を抑制でき、触媒性能低下を抑制することのできる浄化装置である。
この排ガス浄化装置は、排気系統内にたとえば三元触媒層が形成された触媒コンバーター、NOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)層が形成された触媒コンバーター、NOx選択還元触媒層が形成された触媒コンバーターが順に配設され、リーン空燃比とリッチ空燃比を適切なタイミングで切換え制御することでNOx浄化を図るものである。そして、リッチ空燃比において三元触媒やNSR触媒で生成されたNH3がSCR触媒で一旦吸着保持され、NH3がリーン空燃比で三元触媒やNSR触媒にて浄化しきれないNOxと反応することでNOxの効果的な浄化を実現するものである。
本発明の浄化装置では、NOx選択還元触媒に銅を担持したシリカアルミノフォスフェート触媒:Cu/SAPO-34を適用するものである。
SAPO-34を適用する場合に、排ガス中の凝縮水の吸着や脱離に伴う触媒劣化が懸念され、エンジンの運転と停止の繰り返しに伴う浄化装置の繰り返し使用によって触媒性能が発揮されなくなる惧れがある。
ここで、SAPO-34に似た素材としてSSZ(シリカアルミノ)を適用した場合、SAPO-34のように凝縮水の吸着や脱離に伴う劣化は生じないものの、700〜800℃程度の高温環境下での性能劣化が著しいことから、本発明では、NOx選択還元触媒にSAPO-34を使用しながら、凝縮水の吸着や脱離に伴う触媒劣化を抑制可能な構成の装置としている。
本発明の装置構成は、まず、排気系統を構成する排ガスの主流路の途中に2つの分岐流路(2系統の排ガス流路)を設けたものである。2つの分岐流路は上流側の主流路で2つに分岐し、下流側の主流路で当該主流路に合流する。
そして、第一、第二の分岐流路のそれぞれ上流側と下流側には開閉弁が設けてあり、この開閉弁は制御部からの開閉指令信号に基づいてその開閉作動が実行される。なお、制御部は浄化装置のいずれかの部位に設けてあってもよいし、開閉弁が制御部を内蔵した形態であってもよい。また、上流側、下流側にあるそれぞれの開閉弁が、第一の分岐流路を閉塞した際に第二の分岐流路を自動的に開放するといった具合に、共通の開閉弁で第一、第二の分岐流路の開閉が同時に実行される形態であってもよい。
また、上流側の主流路内には第一の温度センサが配設され、触媒コンバーター内には第二の温度センサが配設されており、第一、第二の温度センサからの測定温度は制御部に随時送信されるようになっている。
本発明では、NOx選択還元触媒であるCu/SAPO-34に排ガスを提供する条件として、第二の分岐流路の上流側にある主流路における排ガスの温度(第一の温度)が150℃以上であり、かつ、Cu/SAPO-34からなる触媒層が形成された触媒コンバーター内の温度(第二の温度)も150℃以上の際に、当該触媒コンバーターに排ガスを流通させる制御(主流路に対して第二の分岐流路の上流側および下流側を開放する開閉弁制御)を実行する。上流側にある主流路における排ガスの温度が150℃以上(第一の温度)であり、かつ、触媒コンバーター内の温度(第二の温度)が150℃未満の際には、当該触媒コンバーターに排ガスを流通させない制御(主流路に対して第一の分岐流路の上流側および下流側を開放する開閉弁制御)を実行する。したがって、上流側にある主流路における排ガスの温度が150℃未満(第一の温度)の際には、当該触媒コンバーターに排ガスを流通させない制御(主流路に対して第一の分岐流路の上流側および下流側を開放する開閉弁制御)を実行する。
本発明者等によれば、主流路における排ガスの温度が150℃以上であり、かつ、Cu/SAPO-34からなる触媒層が形成された触媒コンバーター内の温度も150℃以上の条件下で触媒コンバーターに排ガスを流通させることにより、初期のNOx浄化率と耐久試験後のNOx浄化率がほぼ同程度になることが実証されており、この実証結果に基づいて上記数値限定を規定したものである。
触媒コンバーターに流入する前の上流側の主流路における排ガスの温度が150℃以上であることにより、排ガス中に含有される水分を可及的に低減することができる。
一方、触媒コンバーター内の温度が150℃以上であることにより、150℃以上のCu/SAPO-34に対して排ガス中の水分が吸着し難くなる。
このように、上流側にある排ガス中の水分を可及的に低減しながら、さらに流入していきた排ガス中の水分をCu/SAPO-34に吸着し難くすることで、NOx選択還元触媒であるCu/SAPO-34が凝縮水を吸着および脱離するのを抑制でき、これら凝縮水の吸着や脱離に起因する触媒性能の低下を効果的に抑制することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の排ガス浄化装置によれば、NOx選択還元触媒にCu/SAPO-34を適用するとともに、主流路における排ガスの温度(第一の温度)が150℃以上であり、かつ、Cu/SAPO-34からなる触媒層が形成された触媒コンバーター内の温度(第二の温度)も150℃以上の条件下で触媒コンバーターに排ガスを流通させる制御を実行することにより、Cu/SAPO-34が凝縮水を吸着および脱離するのを抑制でき、これら凝縮水の吸着や脱離に起因する触媒性能の低下を効果的に抑制することが可能になる。NOx選択還元触媒にCu/SAPO-34を適用するとともに、主流路における排ガスの温度(第一の温度)が150℃以上であり、かつ、Cu/SAPO-34からなる触媒層が形成された触媒コンバーター内の温度(第二の温度)が150℃未満の条件下で触媒コンバーターに排ガスを流通させない制御を実行することにより、水分を多く含む排気ガスを触媒コンバーターに接触させず、暖機することができる。そして、NOx選択還元触媒にCu/SAPO-34を適用するとともに、主流路における排ガスの温度(第一の温度)が150℃未満での条件下で触媒コンバーターに排ガスを流通させない制御を実行することにより、水分含有量の多い排気ガスをCu/SAPO-34に供給せず、凝縮水の吸着や脱離に起因する触媒性能の低下を効果的に抑制することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の排ガス浄化装置の実施の形態を説明する。
(排ガス浄化装置の実施の形態)
図1は本発明の排ガス浄化装置の構成図であり、図2はNOx選択還元触媒コンバーターを拡大した模式図である。
図1は本発明の排ガス浄化装置の構成図であり、図2はNOx選択還元触媒コンバーターを拡大した模式図である。
図示する排ガスの排気系統はエンジンEと排ガス浄化装置100から構成され、排ガス浄化装置100は、エンジンEに通じる主流路1の上流側から順に配設された、三元触媒コンバーター30、NOx吸蔵還元触媒コンバーター20、NOx選択還元触媒コンバーター10を備えており、NOx選択還元触媒コンバーター10から主流路1が下流の不図示のマフラーに通じるとともに、NOx選択還元触媒コンバーター10と三元触媒コンバーター30をリターン流路2が繋いでその全体が大略構成されている。
エンジンEから排出された排ガスは、主流路1を各触媒コンバーター30,20,10の順に流通し(X1方向)、リッチ空燃比において三元触媒コンバーター30やNOx吸蔵還元触媒コンバーター20で生成されたNH3がNOx選択還元触媒コンバーター10で一旦吸着保持され、NH3がリーン空燃比で三元触媒コンバーター30やNOx吸蔵還元触媒コンバーター20にて浄化しきれないNOxと反応することでNOxの効果的な浄化を実現する。
また、NOx選択還元触媒コンバーター10にて浄化しきれないNOxは、リターン流路2の経路途中にある弁2aを開放することで三元触媒コンバーター30に戻され(X2方向)、NOx選択還元触媒コンバーター10まで再度流通する過程で浄化されるようになっている。
図2で示すように、NOx選択還元触媒コンバーター10は、主流路1から2つに分岐した第一の分岐流路3Aと第二の分岐流路3Bと、第二の分岐流路3B内に配設された基材5と、から大略構成されている。
たとえば、主流路1に対して第一の分岐流路は拡径されて径方向に膨らみ、この内部に環状のセパレート管が配設されることで、第一、第二の分岐流路3A,3Bが構成される。
第一、第二の分岐流路3A,3Bの上流側および下流側の境界付近にはそれぞれ、開閉弁4A,4Bが装着されている。図示例では、実線が第二の分岐流路3Bを閉塞した状態を示しており、この状態では、自動的に第一の分岐流路3Aが開放され、排ガスが第一の分岐流路3Aを流通自在になっている(X3方向)。
これに対し、開閉弁4A,4Bが動作して(Y方向)第一の分岐流路3Aを閉塞すると(図2の一点鎖線の状態)、今度は第二の分岐流路3Bが同期して開放され、第二の分岐流路3B内に配設された基材5の内部を排ガスが流通自在になる(X4方向)。
また、基材5は中空の筒体からなり、中空には四角形や六角形、八角形等の多数の格子輪郭のセル壁面5aが形成されており、セル壁面5aの表面には、シリカアルミノフォスフェート触媒:Cu/SAPO-34からなる触媒層5b(SCR触媒層)が形成されている。
ここで、基材5の素材としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび二酸化珪素の複合酸化物からなるコージェライトや炭化ケイ素等のセラミックス素材、メタル素材等のセラミックス素材以外の素材を挙げることができる。
また、上流側の主流路1の内部には第一の温度センサ6Aが配設され、基材5の内部には第二の温度センサ6Bが配設されており、さらに、第二の分岐流路3Bの適所には第一、第二の温度センサ6A,6Bからの測定温度が送信される制御部7が配設されている。なお、制御部7の配設位置は図示例に限定されるものでなく、たとえば開閉弁4A,4B内に内蔵されていてもよい。
制御部7内には、温度閾値として150℃が設定されており、第一、第二の温度センサ6A,6Bからの測定温度がともに150℃以上の場合は、上流側および下流側の開閉弁4A,4Bに対して第一の分岐流路3Aを閉塞し、第二の分岐流路3Bを開放するように作動制御信号を送信し、この信号に応じて開閉弁4A,4Bが作動する。
一方、第一、第二の温度センサ6A,6Bからの測定温度がともに150℃未満の場合は、上流側および下流側の開閉弁4A,4Bに対して第一の分岐流路3Aを開放し、第二の分岐流路3Bを閉塞するように作動制御信号を送信し、この信号に応じて開閉弁4A,4Bが作動する。なお、第一、第二の温度センサ6A,6Bからの測定温度のいずれか一方が150℃未満の場合も、たとえば第一の分岐流路3Aを開放し、第二の分岐流路3Bを閉塞するように作動制御信号が送信される。
主流路1における排ガスの温度が150℃以上であり、かつ、Cu/SAPO-34からなる触媒層5bが形成された触媒コンバーター10内の温度も150℃以上の条件下で触媒コンバーター10に排ガスを流通させることにより、排ガス中に含有される水分を可及的に低減することができ、さらには、150℃以上のCu/SAPO-34に対して排ガス中の水分を吸着し難くできる。
このように、上流側にある排ガス中の水分を可及的に低減しながら、さらに流入してきた排ガス中の水分をCu/SAPO-34に吸着し難くすることで、NOx選択還元触媒であるCu/SAPO-34が凝縮水を吸着および脱離するのを抑制でき、これら凝縮水の吸着や脱離に起因する触媒性能の低下を効果的に抑制することができる。
(本発明の排ガス浄化装置の性能評価試験とその結果)
本発明者等は、以下の方法で実施例および比較例にかかる種々のSCR触媒を製作し、さらにこのSCR触媒を備えた触媒コンバーターを具備する排ガス浄化装置を製作し、耐久試験前のNOx浄化率の初期値と耐久試験後のNOx浄化率を比較する実験をおこなった。
本発明者等は、以下の方法で実施例および比較例にかかる種々のSCR触媒を製作し、さらにこのSCR触媒を備えた触媒コンバーターを具備する排ガス浄化装置を製作し、耐久試験前のNOx浄化率の初期値と耐久試験後のNOx浄化率を比較する実験をおこなった。
<触媒調製方法および排ガス浄化装置の製作>
Cu量が3.2質量%、Si/Al/P比が17/50/33(mol比)の材料からなるCu/SAPO-34、SiO2ゾル、H2Oを混合・攪拌し、スラリー化し、生成されたスラリーをコージェライト製のハニカム基材にコーティングした。ここで、Cu/SAPO-34のコート量は167g/Lとした。
Cu量が3.2質量%、Si/Al/P比が17/50/33(mol比)の材料からなるCu/SAPO-34、SiO2ゾル、H2Oを混合・攪拌し、スラリー化し、生成されたスラリーをコージェライト製のハニカム基材にコーティングした。ここで、Cu/SAPO-34のコート量は167g/Lとした。
コーティング後、110℃で乾燥させ、空気中、550℃で2時間焼成してCu/SAPO-34触媒層を備えたNOx選択還元触媒コンバーター(SCR触媒コンバーター)を製作した。さらに、アルミナ、ジルコニア、チタニアからなる担体にPd0.56、Pt1.7、Rh0.34(数値は触媒体積当たりの質量:g/L)と、吸蔵材としてBa0.2、Li0.1、K0.12(数値は触媒体積当たりのモル:mol/L)を担持したNSR触媒コンバーターを製作し、基材に下層としてPd (Pd0.95g/unit)、上層として上流側(全長の20%の長さ)をPd層、下流側(全長の80%の長さ)をRh層とする触媒とした三元触媒コンバーターを製作し、図1で示す排ガス浄化装置を製作した。
<耐久試験>
耐久試験は、エンジンを始動させ、SCR床温を700℃、A/F=12.5〜17.0、エンジンを2900回転となった状態で5時間保持した後、エンジンを停止し、40℃に冷めるまで待機した。このエンジン始動から40℃冷却までを1サイクルとし、10サイクルおこなった。
耐久試験は、エンジンを始動させ、SCR床温を700℃、A/F=12.5〜17.0、エンジンを2900回転となった状態で5時間保持した後、エンジンを停止し、40℃に冷めるまで待機した。このエンジン始動から40℃冷却までを1サイクルとし、10サイクルおこなった。
耐久試験では、図2で示す第一、第二の温度センサにそれぞれ熱電対を使用(それぞれ熱電対1、2)し、エンジン始動時の初期状態での熱電対1の温度が150℃以上となった際に上流側および下流側の開閉弁を開放し、SCR触媒コンバーターに排ガスが流通するようにし、エンジン停止後、上流側の排ガス温度又はSCR触媒コンバーター内の温度が150℃未満となった際に上流側および下流側の開閉弁を閉塞し、SCR触媒コンバーターに排ガスが流通しないようにした。
上記10サイクル前後のSCR触媒コンバーターの性能比較をおこなった。
<触媒性能評価条件>
SCR触媒コンバーターを解体し、触媒サイズ:10ccをテストピースとしてくり抜き、モデルガス評価装置を用いて、SCR反応を模擬した過渡評価を実施した。ここで、リッチおよびリーンにおける排ガスの組成を以下の表1に示す。また、リッチ/リーン切換え時間はリッチが10秒、リーンが60秒とし、評価温度を410℃、SVは85700h-1とした。
SCR触媒コンバーターを解体し、触媒サイズ:10ccをテストピースとしてくり抜き、モデルガス評価装置を用いて、SCR反応を模擬した過渡評価を実施した。ここで、リッチおよびリーンにおける排ガスの組成を以下の表1に示す。また、リッチ/リーン切換え時間はリッチが10秒、リーンが60秒とし、評価温度を410℃、SVは85700h-1とした。
<実験結果1>
実験結果を以下の表2、図3,4に示す。ここで、比較例1〜4はSCR触媒コンバーターに排ガスを流通させる際の開閉弁の制御温度が150℃未満のケースであり、実施例1〜3は制御温度が150℃以上のケースである。
実験結果を以下の表2、図3,4に示す。ここで、比較例1〜4はSCR触媒コンバーターに排ガスを流通させる際の開閉弁の制御温度が150℃未満のケースであり、実施例1〜3は制御温度が150℃以上のケースである。
表2と図3,4より、上流側、下流側ともに上流の排ガス温度とSCR触媒コンバーター内の温度が150℃以上の条件下にて排ガスをSCR触媒コンバーターに流通させることにより、耐久試験前のNOx浄化率の初期値に対して耐久試験後のNOx浄化率はほとんど変化がないこと、言い換えれば触媒性能の低下がほとんどないことが実証されている。
<実験結果2>
次に、上流側と下流側の開閉弁を同時に制御する場合と個別に制御する場合での性能評価試験結果を以下の表3と図5に示す。
次に、上流側と下流側の開閉弁を同時に制御する場合と個別に制御する場合での性能評価試験結果を以下の表3と図5に示す。
表3と図5より、上流側と下流側の各開閉弁を個別に動作させると、劣化後のNOx浄化率は改善しないことが実証されている。この結果より、150℃以上の温度では上流側と下流側の開閉弁を同期して開放させるような開閉制御を実行するのがよいことが分かる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…主流路、2…リターン流路、3A…第一の分岐流路、3B…第二の分岐流路、4A,4B…開閉弁、5…基材、5a…セル壁面、5b…触媒層(SCR触媒層)、6A…第一の温度センサ、6B…第二の温度センサ、7…制御部、10…NOx選択還元触媒コンバーター(触媒コンバーター)、20…NOx吸蔵還元触媒コンバーター(触媒コンバーター)、30…三元触媒コンバーター(触媒コンバーター)、100…排ガス浄化装置、E…エンジン
Claims (1)
- 排ガスが流通する主流路と、
主流路から枝分かれし、かつ、触媒コンバーターが配設されていない第一の分岐流路と、
主流路から枝分かれし、かつ、触媒コンバーターが配設されている第二の分岐流路と、
第一、第二の分岐流路の一方を閉塞し、他方を開放する開閉弁と、
第二の分岐流路内に配設され、NOx選択還元触媒層(銅を担持したシリカアルミノフォスフェート触媒:Cu/SAPO-34)が基材のセル壁面に形成されてなる触媒コンバーターと、
上流側の主流路内に配設された第一の温度センサおよび触媒コンバーター内に配設された第二の温度センサと、
第一の温度センサにより測定された第一の温度と第二の温度センサにより測定された第二の温度に基づいて開閉弁を作動させる制御部と、からなり、
第一、第二の温度がともに150℃以上の際に、第一の分岐流路が閉塞され、第二の分岐流路が開放されて触媒コンバーターに排ガスが流通するように制御され、
第一の温度が150℃以上、かつ、第二の温度が150℃未満の際に、第一の分岐流路が開放され、第二の分岐流路が閉塞されて触媒コンバーターに排ガスが流通しないように制御され、
第一の温度が150℃未満の際に、第一の分岐流路が開放され、第二の分岐流路が閉塞されて触媒コンバーターに排ガスが流通しないように制御されている排ガス浄化装置。
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---|---|
JP (1) | JP2016151190A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106345292A (zh) * | 2016-10-10 | 2017-01-25 | 湘潭大学 | 一种微波直接催化分解no的方法及一种催化剂 |
CN109236434A (zh) * | 2017-07-10 | 2019-01-18 | 丰田自动车株式会社 | 废热回收结构 |
CN111852634A (zh) * | 2020-04-03 | 2020-10-30 | 袁琦 | 一种汽车尾气自处理预警排放装置 |
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2015
- 2015-02-16 JP JP2015027781A patent/JP2016151190A/ja active Pending
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