JP2016151075A - 繊維ウェブ製品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】なめらかさやしっとりさ等の肌触り性に優れ、保湿成分等が肌へ転移することによる肌の保湿・保護効果の高い繊維ウェブ製品及びその製造方法を提供する。【解決手段】クレープ紙や不織布等の繊維ウェブに、モンモリロナイト等の水膨潤性粘土鉱物と水とグリセリン等の保湿成分とを含む処理液を印刷ロールまたはスプレーを用いて含浸させることにより、クレープ紙製品や不織布製品等の繊維ウェブ製品を製造する。また、上記処理液には、必要に応じて、炭化水素類または高級アルコール類等の親油性成分及び界面活性剤等を添加する。【選択図】図1

Description

本発明は、ティシュペーパー、トイレットペーパー等のクレープ紙製品及び不織布製品を含む衛生用途・家庭用途の繊維ウェブ製品に関し、特に肌触り性、成分の肌への転移性、肌の保湿・保護効果等に優れた繊維ウェブ製品及びその製造方法に関するものである。
この種の繊維ウェブ製品としては、以下の(a)〜(f)に記載されているものが知られている。
(a)パルプ繊維を抄紙して表面にクレープを施した一般的なドライタイプのティシュペーパー、トイレットペーパー等のクレープ紙製品。
この種の従来技術としては、ドライタイプのクレープ紙の表面に塗工層を形成して肌触り性や拭き取り性を高めた特許文献1(特開2015−21194号公報)記載の表面塗工クレープ紙製品がある。
(b)ドライタイプのティシュペーパー、トイレットペーパー等のクレープ紙に各種の保湿成分を含有させ、しっとり感を高めて皮膚に対する刺激性を低下させた、保湿性を有するクレープ紙製品。
この種の従来技術は、特許文献2(特開平5−156596号公報)にも開示されている。
(c)不織布に保湿成分を含有させた保湿不織布製品。
この種の従来技術は、特許文献3(特開2007−270364号公報)にも開示されている。
(d)保湿性を有するクレープ紙に粉体を含有させることにより、さらさら感、しなやか感を向上させたティシュペーパー、トイレットペーパー等の、保湿性を有するクレープ紙製品。
この種の従来技術は、特許文献4(特開2001−11790号公報)にも開示されている。
(e)非セルロース性粒子充填剤を含有させたティッシュペーパー製品。
この種の従来技術は、特許文献5(特表2000−508031号公報)及び特許文献6(特表2000−508384号公報)に開示されている。
(f)吸収性物品に非改質の微粒子状皮膚刺激性物質隔離剤及び親油性の皮膚健康維持剤の有効量を含有させたパーソナルケア用製品。
この種の従来技術は、特許文献7(特表2004−512853号公報)に開示されている。
特開2015−21194号公報 特開平5−156596号公報 特開2007−270364号公報 特開2001−11790号公報 特表2000−508031号公報 特表2000−508384号公報 特表2004−512853号公報
上述した(a)〜(f)の繊維ウェブ製品には、次のような問題がある。
(a)に例示したドライタイプのクレープ紙製品は、クレープを付けることによって繊維が揉まれており、吸水性、保水性に優れているが、肌触り性に劣り、頻繁に使うと肌が刺激されることがある。
また、クレープ紙の表面に塗工層を形成したクレープ紙製品は、肌触りに優れているが、肌への保湿・保護効果などがより高い製品の開発が求められている。
(b)に例示した保湿性を有するクレープ紙製品は、保湿成分によって高められた水分によりパルプが可塑化されて柔軟になっており、しっとりさ、柔らかさ等の触感に優れている。しかし、保湿成分はクレープ紙に吸収されており、使用時に肌へ転移する量が少ないため、肌そのものを保湿する作用は少ない。
(c)に例示した保湿不織布製品は、しっとりさ、柔らかさ等の触感に優れており、強度も強い。しかし、肌への成分の転移性を一層高めた製品が要望されているため、改良の余地がある。
(d)に例示したように、粉体を含有すると共に保湿性を有するクレープ紙製品は、さらさら感等の肌触り性に優れるが、使用時に肌へ転移する保湿成分等の量が少ないため、肌を保湿する作用は少ない。
(e)に例示したティッシュペーパー製品では、繊維ウェブに粘土を混合して抄紙することでティッシュペーパーの柔らかさを向上させているが、成分の肌への転移性はなく、肌の保湿・保護効果もない。
(f)に例示したパーソナルケア用製品は、糞便酵素等の皮膚刺激性物質を吸収または隔離するために粘土等の非改質微粒子状隔離剤を含有させたおしめ等の吸収性衛生用品であり、肌触り性を向上させたり、繊維ウェブに含有させた保湿成分等の肌への転移性を向上させる作用効果を奏するものではない。
本発明は上述した従来の繊維ウェブ製品が有する課題を解決するためになされたものであり、その目的は、肌触り性に優れると共に、保湿成分等の含浸成分が肌へ転移することにより肌の保湿・保護効果を高めた繊維ウェブ製品及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る繊維ウェブ製品は、繊維ウェブに、水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分とを含有させるものであり、水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分とを必須成分として、粘土鉱物を安定して膨潤化させるものである。
本発明における繊維ウェブは、例えばクレープ紙または不織布であり、このような繊維ウェブは、木材繊維(針葉樹、広葉樹)、非木材植物繊維(麻,靱皮繊維,木綿,ケナフ等)、レーヨン繊維、合成繊維(ナイロン,ポリエチレン,ポリエステル,ポリプロピレン等)の何れであっても良く、特に、水分によって柔軟性が高まる木材繊維、非木材植物繊維を用いると好適である。
水膨潤性粘土鉱物は、水分により膨潤する性質を有する粘土鉱物である。このような水膨潤性粘土鉱物としては、モンモリロナイト,ベントナイト,バイデライト,ヘクトライト,サポナイト,スチブンサイト,ソーコナイト,ノントロナイト等のスメクタイト類が挙げられ、これらの中で、特にモンモロリナイト及びベントナイトは繊維ウェブ製品の肌触り性の向上に有効である。なお、水膨潤性粘土鉱物の膨潤力は、第15改定日本薬局方の「ベントナイト」に規定された膨潤力の試験によれば、10[mL]以上であることが好ましく、20[mL]以上であることがより好ましい。
水は、水膨潤性粘土鉱物を膨潤させるために必要である。この水は、繊維ウェブに含浸させる処理液中に配合された水分、または、周囲の環境から吸湿された水分として供給される。
保湿成分は、水分を保持する能力を有する成分であり、例えば、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン,ポリエチレングリコール(平均分子量200以上1000未満),プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,エチレングリコール,ジエチレングリコール等の多価アルコール類、ソルビット,キシリトール,エリスリトール,マンニトール,ラクチトール,オリゴ糖アルコール,マルチトール,還元澱粉加水分解物等の糖アルコール類、果糖、ブドウ糖、オリゴ糖、トレハロース、グリシンベタイン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩、乳酸ナトリウム等が挙げられる。この中で、グリセリンは吸湿性が高く、好適に用いられる。
また、本発明に係る繊維ウェブ製品は、上記の水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分とに加え、必要に応じて、親油性成分を含ませると良い。
親油性成分としては、例えば、流動パラフィン,パラフィン,スクワラン等の炭化水素類、オリーブ油,ツバキ油,ヒマシ油,大豆油,やし油,パーム核油,牛脂等の油脂類、ステアリン酸,パルミチン酸,ミリスチン酸,ラウリン酸等の脂肪酸、ミツロウ,カルナウバロウ,ラノリン等のロウ類、ラウリルアルコール,セチルアルコール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル等のエステル類、を製品の肌触り性の向上成分、肌への転移成分として配合することができる。
この親油性成分は、肌に対するしなやかさを発現するために20[℃]未満で固体(融点が20[℃]以上)であることが望ましく、しなやかさを更に向上させるためには40[℃]未満で固体(融点が40[℃]以上)であることが望ましい。特に、親油性成分としては、40[℃]未満で固体である炭化水素類、高級アルコール類が好ましい。
また、本発明は、水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分とに加え、その他の成分として、親油性成分を乳化するために界面活性剤を配合することができる。更に、防腐剤、酸化防止剤等を配合しても良い。
次に、本発明に係る繊維ウェブ製品の製造方法について説明する。
本発明においては、第1工程として、繊維ウェブに含浸させる成分に応じた処理液を調製する。この処理液の成分は、(1)水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分、(2)水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分と親油性成分、(3)水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分と親油性成分とその他の成分、等である。
上述した(1)の成分からなる処理液において、水膨潤性粘土鉱物:水:保湿成分の配合比は、0.05〜5:5〜40:40〜100であり、好ましくは、0.1〜3:5〜40:40〜100である。更に好ましくは、0.2〜2:5〜40:40〜100である。
また、(2)の成分からなる処理液において、水膨潤性粘土鉱物:水:保湿成分:親油性成分の配合比は、0.05〜5:5〜40:40〜100:0.1〜10であり、好ましくは、0.1〜3:5〜40:40〜100:0.2〜5である。更に好ましくは、0.2〜2:5〜40:40〜100:0.3〜3である。
繊維ウェブがクレープ紙である場合の製造方法は、第1工程により調製した処理液を、クレープ紙に印刷ロールまたはスプレーを用いて含浸させる第2工程を有する。これにより、水によって膨潤した粘土鉱物を含有する保湿タイプのクレープ紙製品を得ることができる。
クレープ紙に対する処理液の含有量としては、1〜50[wt%]とすることが好ましい。含有量が1[wt%]未満であると、肌触りの向上効果がなく、50[wt%]以上であると強度が低下すると共に肌触りの向上効果が飽和する。このため、クレープ紙当たり1〜50[wt%]とすれば所望の肌触り性及び強度を得ることができ、好ましくは5〜40[wt%]、より好ましくは10〜30[wt%]である。
また、繊維ウェブが不織布である場合の製造方法も、第1工程により調製した処理液を、不織布に印刷ロールまたはスプレーを用いて含浸させる第2工程を有する。これにより、水によって膨潤した粘土鉱物を含有する保湿タイプの不織布製品を得ることができる。
不織布に対する処理液の含有量としては、2〜200[wt%]とすることが好ましい。含有量が2[wt%]未満であると、肌触りの向上効果がなく、200[wt%]以上であると効果が飽和する。このため、不織布当たり2〜200[wt%]とすれば実用上支障ない肌触り性を得ることができ、好ましくは10〜100[wt%]、より好ましくは20〜60[wt%]である。
本発明によれば、膨潤化した粘土鉱物及び保湿成分等を繊維ウェブに含有させることにより、肌触り性に優れると共に、保湿成分等の含浸成分が肌へ転移することによって肌の保湿・保護効果を高めた繊維ウェブ製品を提供することができる。
繊維ウェブがクレープ紙(ティシュペーパー原紙)である場合の処理液の各成分の配合量及び各種評価結果の説明図である。 繊維ウェブがクレープ紙(トイレットペーパー原紙)である場合の処理液の各成分の配合量及び各種評価結果の説明図である。 繊維ウェブが不織布である場合の処理液の各成分の配合量及び各種評価結果の説明図である。 処理液の各成分の製品名及びメーカーの説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
(1)第1実施形態:実施例1〜10(及び比較例1〜8)
この実施形態は、本発明をクレープ紙に適用した場合のもので、実施例1〜5及び比較例1〜4はクレープ紙がティシュペーパー原紙であり、実施例6〜10及び比較例5〜8はクレープ紙がトイレットペーパー原紙である。
(A)クレープ紙がティシュペーパー原紙である場合
図1は、実施例1〜5及び比較例1〜4について、ティシュペーパー原紙に含有させる処理液の各成分と、後述の官能試験及び安定性試験による各種評価結果とを示している。図1における各成分の数値は、ティシュペーパー原紙当たりの重量%(wt%)である。なお、各成分の製品名及びメーカーを図4に示す。
ティシュペーパー原紙の抄紙方法及び処理方法は、以下のとおりである。
NBKP(針葉樹クラフト法漂白パルプ)60[wt%]、LBKP(広葉樹クラフト法漂白パルプ)40[wt%]の配合からなるパルプ原料をカナダ標準濾水度620〜630[ml]に叩解し、湿潤紙力剤をパルプ原料当たり0.2[wt%]添加した。その後、常法によりティシュペーパー原紙を抄紙した。得られた原紙は、坪量13[g/m]、クレープ率18[%]であった。
このティシュペーパー原紙を2枚重ねにし、図1に示す各成分を配合した処理液を、グラビアロールにより原紙全体にそれぞれ含浸させた。その後、含浸処理した原紙を温度23±5[℃]、湿度50±5[%]で24時間以上静置することにより、実施例1〜5及び比較例1〜4の処理液による試料を作製し、これらの試料に対して後述の官能試験及び安定性試験を行った。
(B)クレープ紙がトイレットペーパー原紙である場合
図2は、実施例6〜10及び比較例5〜8について、トイレットペーパー原紙に含有させる処理液の各成分と、後述の官能試験及び安定性試験による各種評価結果とを示している。図2における各成分の数値は、トイレットペーパー原紙当たりの重量%(wt%)であり、各成分の製品名等は前記同様である。
トイレットペーパー原紙の抄紙方法及び処理方法は、以下のとおりである。
NBKP(針葉樹クラフト法漂白パルプ)80[wt%]、LBKP(広葉樹クラフト法漂白パルプ)20[wt%]の配合からなるパルプ原料をカナダ標準濾水度640〜650[ml]に叩解し、トイレットペーパー原紙を抄紙した。得られた原紙は、坪量17[g/m]、クレープ率24[%]であった。
このトイレットペーパー原紙を2枚重ねにし、図2に示す各種の成分を配合した処理液を、グラビアロールにより原紙全体にそれぞれ含浸させた。その後、含浸処理したトイレットペーパー原紙を温度23±5[℃]、湿度50±5[%]で24時間以上静置することにより、実施例6〜10及び比較例5〜8の処理液による試料を作製し、これらの試料に対して後述の官能試験及び安定性試験を行った。
(C)この第1実施形態における処理液は、以下のようにして調製した。
・実施例1〜10
モンモリロナイトを水に分散して膨潤化し、グリセリンまたはグリセリン及び油性物質の乳化液を加えた。
・比較例1,5
モンモリロナイトを水に分散して膨潤化した。
・比較例2,6
タルクを水に分散し、グリセリンを加えた。
・比較例3,7
油性物質の乳化液に、水及びグリセリンを加えた。
・比較例4,8
処理液なし。
(2)第2実施形態:実施例11〜15(及び比較例9〜12)
この実施形態は、本発明を不織布に適用した場合のものである。
図3は、実施例11〜15及び比較例9〜12について、不織布に含有させる処理液の各成分と、後述の官能試験及び安定性試験による各種評価結果とを示している。図3における各成分の数値は、不織布当たりの重量%(wt%)であり、各成分の製品名等は前記同様である。
不織布の仕様及び処理方法は、以下のとおりである。
目付量が40[g/m]の乾式パルプ不織布(王子キノクロス(株)製“キノクロス”)1枚の両面に、図3に示す各種の成分を配合した処理液を、グラビアロールにより含浸させた。その後、含浸処理した不織布を、第1実施形態と同様に温度23±5[℃]、湿度50±5[%]で24時間以上静置することにより、実施例11〜15及び比較例9〜12の処理液による試料を作製し、これらの試料に対して後述の官能試験及び安定性試験を行った。
なお、この第2実施形態における処理液は、以下のようにして調製した。
・実施例11〜15
モンモリロナイトを水に分散して膨潤化し、グリセリンまたはグリセリン及び油性物質の乳化液を加えた。
・比較例9
モンモリロナイトを水に分散して膨潤化した。
・比較例10
タルクを水に分散し、グリセリンを加えた。
・比較例11
油性物質の乳化液に、水及びグリセリンを加えた。
・比較例12
処理液なし。
(3)官能試験の内容
(A)肌触り性試験
モニター10名が各試料を手で触り、その触感(なめらかさ、しっとりさ)を評価した。
(i)なめらかさ
各試料の表面のなめらかさを、以下の基準により評価した。
「大変になめらかである」を3点、「なめらかである」を2点、「なめらかさがない」を1点とし、スケール(1〜3)の任意の位置(例えば、「大変になめらかである」と「なめらかである」との中間程度の触感であれば、2.5点など)に印を付けた。モニター10名が付与した点数の合計値を四捨五入して整数化し、以下のようにランク付けした。
「26点〜30点」:◎
「21点〜25点」:○
「16点〜20点」:△
「10点〜15点」:×
(ii)しっとりさ
各試料の表面のしっとりさを、以下の基準により評価した。
「大変にしっとりしている」を3、「しっとりしている」を2、「しっとりしていない」を1とし、スケール(1〜3)の任意の位置に印を付けた。
モニター10名が付与した点数の合計値の整数化、及び、ランク付けの方法は、前述した「(i)なめらかさ」と同様である。
(B)肌への転移性試験
モニター10名が各試料を手で触り、その前後の手肌の変化について、肌がなめらかでしっとりした状態を「肌のしなやかさ」として評価した。
「肌が大変しなやかになった」を3、「肌がしなやかになった」を2、「変化を感じない」を1とし、スケール(1〜3)の任意の位置に印を付ける。
モニター10名が付与した点数の合計値の整数化、及び、ランク付けの方法は、前述した「(i)なめらかさ」と同様である。
(4)安定性試験の内容
(A)処理液の安定性試験
各処理液を攪拌して、成分を一旦、均一に混合する。その後、各処理液を静置して状態を観察し、以下のように評価した。
24時間以内に粉体の沈殿が観察されない。:○
24時間以内に粉体の沈殿が観察される。:×
(B)粉体の脱落試験
各処理液が含浸された試料をそれぞれ指で弾き、クリーンチェッカー「CCW−101型」((有)ヒロタック製)の試料室に導入して粉体の飛散を観察することにより、以下のように評価した。
粉体の飛散が観察されない。:○
粉体の飛散が観察される。:×
(5)評価
上述した官能試験及び安定性試験による評価結果(図1〜図3を参照)から、以下のような評価が可能である。
図1の実施例1は、ティシュペーパー原紙に水膨潤性粘土鉱物、水、保湿成分を配合した例であり、実施例2〜5は、ティシュペーパー原紙に水膨潤性粘土鉱物、水、保湿成分、親油性成分(及び界面活性剤)を配合した例である。
これらの実施例1〜5は、いずれも肌触りのなめらかさが優れている。また、実施例1〜5は含浸成分の肌への転移性も高く、肌そのものがしなやかになったことを感じている。特に融点が40[℃]以上の親油性成分を配合した実施例3,5では、肌のしなやかさを強く感じている。更に、実施例1〜5は処理液の安定性に優れており、紙粉等の粉体の脱落もなく使用上好適である。
これに対し、比較例1は、実施例1〜5と比べると保湿成分を含有しないため、処理液の含浸後に水分が乾燥し、粉体が繊維ウェブから脱落している。また、なめらかさ、しっとりさ、肌のしなやかさの評価も低い。
比較例2は水膨潤性粘土鉱物に代えて粉体のタルクを配合したものであり、なめらかさ、しっとりさの評価は良いが、肌のしなやかさについては十分ではない。これは、含浸成分の転移性が低いためである。また、タルクは水膨潤性がなく、処理液の安定性に劣るため、処理後の繊維ウェブからの脱落が見られる。比較例3は親油性成分が配合されているが、水膨潤性粘土鉱物が配合されておらず、しっとりさの評価は良いが、なめらかさ、肌のしなやかさが低い。比較例4は処理液を含浸させない原紙であり、各測定値の評価は低い。
図2の実施例6は、トイレットペーパー原紙に水膨潤性粘土鉱物、水、保湿成分を配合した例であり、なめらかさ、しっとりさ、肌のしなやかさのいずれも良好な評価を得ている。
実施例7〜10は、トイレットペーパー原紙に水膨潤性粘土鉱物、水、保湿成分、親油性成分(及び界面活性剤)を配合した例であり、これらは肌触りのなめらかさに優れている。特に、融点が40[℃]以上の親油性成分を処理液に配合した実施例8,10は、肌への顕著な転移性に起因して、肌のしなやかさを強く感じている。
なお、比較例5〜8に対する評価結果は、それぞれ図1の比較例1〜4と同様である。
図3の実施例11は、不織布に水膨潤性粘土鉱物、水、保湿成分を配合した例であり、実施例12〜15は、不織布に水膨潤性粘土鉱物、水、保湿成分、親油性成分(及び界面活性剤)を配合した例である。
これらの実施例11〜15は、いずれもなめらかさ、しっとりさに優れている。特に、実施例13〜15は、融点が20[℃]以上である親油性成分の配合により、肌のしなやかさを強く感じている。
一方、比較例10,11は保湿成分の量が実施例11〜15と同等であるため、しっとりさは優れているが、その他の官能試験の評価結果、及び、他の比較例9,12における評価結果については、実施例11〜15より劣っている。
以上のように、本発明によれば、少なくとも水膨潤性粘土鉱物、水、及び保湿成分を繊維ウェブに含浸させることにより、クレープ紙製品や不織布製品の肌触り性(なめらかさ、しっとりさ)を向上させて優れた使用感を実現すると共に、含浸成分の肌への転移性を高め、肌をしなやかに潤す効果を向上させることができる。
更に、親油性成分を配合することによって肌をしなやかにする効果が高くなるため、繊維ウェブ製品と肌とが接触する際に相互の摩擦が少なくなり、よりなめらかな肌触り性を有する繊維ウェブ製品を実現することができる。
上記のように、本発明に係る繊維ウェブ製品は、水分により膨潤化させた粘土鉱物と保湿成分とを繊維ウェブに含有させることにより、使用時の肌触り性や、繊維ウェブに保持された保湿成分等の肌への転移性を向上させている。すなわち、本発明は、前述した特許文献7記載の従来技術のように、生体液内の刺激性物質を吸収または隔離して皮膚内への浸透や皮膚の炎症を防止するために、非改質粘土や親油成分を配合して繊維ウェブに塗工するおしめ等の吸収性物品とは、目的、構成及び作用効果が明らかに異なるものである。
本発明に係る繊維ウェブ製品及びその製造方法は、特に肌の保湿・保護効果が高く、例えば、ティシュペーパーやトイレットペーパー等の衛生用途・家庭用途の繊維ウェブ製品に適用すると好適である。

Claims (10)

  1. 繊維ウェブに、水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分とを含有させたことを特徴とする繊維ウェブ製品。
  2. 請求項1に記載の繊維ウェブ製品において、
    前記水膨潤性粘土鉱物がスメクタイト類であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
  3. 請求項2に記載の繊維ウェブ製品において、
    前記水膨潤性粘土鉱物がモンモリロナイトであることを特徴とする繊維ウェブ製品。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維ウェブ製品において、
    前記繊維ウェブに、更に親油性成分を含有させたことを特徴とする繊維ウェブ製品。
  5. 請求項4に記載の繊維ウェブ製品において、
    前記親油性成分が40[℃]未満で固体であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
  6. 請求項5に記載の繊維ウェブ製品において、
    40[℃]未満で固体である前記親油性成分が炭化水素類または高級アルコール類であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の繊維ウェブ製品において、
    前記繊維ウェブがクレープ紙であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載の繊維ウェブ製品において、
    前記繊維ウェブが不織布であることを特徴とする繊維ウェブ製品。
  9. 水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分とを含む処理液、または、水膨潤性粘土鉱物と水と保湿成分と親油性成分とを含む処理液を調製する第1工程と、
    前記処理液を、繊維ウェブに印刷ロールまたはスプレーを用いて含浸させる第2工程と、を有することを特徴とする繊維ウェブ製品の製造方法。
  10. 請求項9に記載の繊維ウェブ製品の製造方法において、
    前記第1工程は、
    前記水膨潤性粘土鉱物を水または水と保湿成分とからなる液体、もしくは、水と保湿成分と親油性成分とからなる液体に分散し膨潤化させて得た膨潤液を前記処理液として調製する工程、もしくは、前記膨潤液に、水、保湿成分、親油性成分及び界面活性剤を添加して前記処理液を調製する工程、であることを特徴とする繊維ウェブ製品の製造方法。
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