JP2016148628A - ワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法 - Google Patents

ワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視する。
【解決手段】機械設備の振動を利用しながら錘12に伝播する動吸振器構造13と、錘12の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子14と、から成る発電部15と、機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部16と、センサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部17とを備えた装置である。センサ部16及び送受信部17は、発電部15で発電した電力が供給されて動作するように構成された。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転機械設備等の振動変化を感知して運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するセンシング技術に係る。本発明は、ワイヤレスによる監視システムにおいてセンサ装置に発電機能を備えて電源配線又はバッテリの必要がないワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法に関する。
回転機械設備は運転することによりその軸受等が摩耗劣化する。その異常が原因して回転機械設備の停止あるいは故障することがある。例えば回転機械設備等の軸受の場合には、劣化が進行すると振動が大きくなる。この振動を検出する振動速度センサ等を定期的に回転機械設備の軸受近傍に取り付けて状態監視している。振動速度センサの検出結果から回転機械設備の軸受の異常状態の有無、その劣化状態を監視することにより回転機械設備を監視する状態監視システムが普及している。
小型の回転機械設備については、センサ装置及び配線費用等の監視設備費用が高いため、状態監視システムが普及していない。そこで、設置費用、運転費用が高くならないワイヤレス監視システムへの期待が高まっている。
ワイヤレス監視システムは、有線式のセンシングシステムに比べ、線材の引き回しや保守が不要であるといった利点がある。ワイヤレス監視システムは、無線通信を長時間にわたって行う必要があり、消費電力が大きく一般に大型の電源を備える必要があり、装置の小型化が困難であった。
ワイヤレス監視システムは、外部電源供給型とバッテリ搭載型が主流であり、外部電源供給型は配線工事費用が高く、バッテリ搭載型はバッテリの寿命による交換費用が高かった。そこで、ワイヤレス監視システムは、配線工事費用又はバッテリの寿命による交換費用等の理由から普及していなかった。
また、ワイヤレス監視システムは危険な場所に取り付けられる場合が多く、容易に近づくことができず、バッテリの交換が困難であることも普及していない理由となっていた。
そこで、振動検出装置内で自発電により装置内の全消費電力を十分に賄うことができ、バッテリ等の電源寿命を考慮する必要がなく、連続運転する設備の軸受等の状態を常時監視し、その異常振動を確実に検出して表示することができる機械振動発電による、回転機械の軸受等の振動検出に関する技術が提案されている。例えば特許文献1の特開平8−145783号公報「自発電源による振動検出方法及び装置」のように、振動の加速度に対応する検出信号を出力する加速度センサと、該加速度センサの出力レベルがあらかじめ設定された基準レベルを越えたときに出力を発生するレベル判定器と、該レベル判定器の出力を表示する表示器と、振動を受けたときに電荷を発生する圧電セラミックを用いた圧電セラミック電源発生部と、該圧電セラミック電源発生部の発生する電荷を直流電源に変換し、該直流電源を前記レベル判定器及び表示器の消費電源として供給する直流変換部とを備えた自発電源による振動検出装置が提案されている。
特開平8−145783号公報
特許文献1の「自発電源による振動検出方法及び装置」は、図4(a)の「周波数と発電出力の関係グラフ」に示すように、機械振動発電のように発電電源として特定周波数に合わせた発電装置では、機械振動が特定周波数の中心から少しでも逸脱すると発電能力が極端に低下するものが多かった。そこで、センサ装置に十分な給電ができず、安定した監視が困難であるという問題を有していた。
なお、センサ装置と太陽光発電又は風力発電等の発電機能とが一体となった一体型のワイヤレス監視システムも提案されている。しかし、太陽光発電方式は夜間又は屋内では発電することができず、風力発電方式は風量により安定した発電能力が得られないという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視することができるワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法を提供することにある。
本発明のワイヤレスセンサは、機械設備の運転状態と異常の有無を監視するワイヤレスセンサ(11)であって、前記機械設備の振動を利用しながら錘(12)に伝播する動吸振器構造(13)と、該錘(12)の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子(14)と、から成る発電部(15)と、前記機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、前記センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備え、前記センサ部(16)及び送受信部(17)は、前記発電部(15)で発電した電力が供給されて動作するように構成された、ことを特徴とする。
例えば、前記センサ部(16)は、前記機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力する振動センサである。
前記発電部(15)は、板材の中間を支点部(23)で上下動自在に支持された支持板材(24)と、前記支持板材(24)の両側に取り付けられた一対の錘(12)と、支持台(18)に取り付けられた2か所の圧電素子(14)と、を備えた、前記動吸振器構造(13)により、前記支持板材(24)と共に振動する前記錘(12)が、前記圧電素子(14)を作動させることにより、この振動エネルギーで発電するように構成されたものである。
また、前記発電部(15)は、板材の中心を支点部(23)で上下動自在に支持された支持板材(24)と、前記支持板材(24)に、該支持板材(24)が水平に維持されるように取り付けられた複数個の錘(12)と、前記支持台(18)に取り付けられた複数個の圧電素子(14)と、を備えた、前記動吸振器構造(13)により、前記支持板材(24)と共に振動する前記錘(12)が、各圧電素子(14)を作動させることにより、この振動エネルギーで発電するように構成されたものである。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視システムは、機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)であって、前記機械設備の振動を利用しながら錘(12)に伝播する動吸振器構造(13)と、該錘(12)の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子(14)と、から成る発電部(15)と、該機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、から成るワイヤレスセンサ(11)と、前記ワイヤレスセンサ(11)の発電部(15)で発電した電力量が予め設定された規定値を越えたときに、前記センサ部(16)で検知し、その検出信号を無線で外部出力するようにONとOFFを切り替えるセンサスイッチ部(46)と、前記送受信部(17)からの検出信号を送受信して、前記ワイヤレスセンサ(11)が備えられた機器設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置(43)と、を備えた、ことを特徴とする。
前記ワイヤレスセンサ(11)に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの工業用センサを更に設け、それぞれの電力は前記発電部(15)から給電し、それぞれの物理量信号を前記送受信部(17)から無線送受信することができる。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視方法は、機械設備の機械振動をワイヤレスセンサ(11)で感知し、その運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視方法であって、前記機械設備の機械振動を利用しながら錘(12)に伝播する動吸振器構造(13)と、該錘(12)の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子(14)と、から成る発電部(15)と、機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備えたワイヤレスセンサ(11)の該発電部(15)で機械設備から生じた機械振動を用いて該センサ部(16)及び該送受信部(17)に給電する電力を発電かつ充電し、前記発電部(15)で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、前記センサ部(16)で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で前記送受信部(17)から送受信する、ことを特徴とする。
例えば、前記予め設定された発電する電力量の規定値は、前記センサ部(16)及び前記送受信部(17)を共に作動させることできる電力量である。
本発明の構成のワイヤレスセンサ(11)では、センサの装置自体に発電機能が備えられているので、従来のように配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要がなくなる。そのために設置費用、維持費用を低減することができ、危険な場所に設置された機械設備の監視にも実施できる。
特に、このワイヤレスセンサ(11)は、発電部(15)に備えた動吸振器構造(13)が機械設備の振動により作動し、この動吸振器構造(13)が吸収したエネルギーにより圧電素子(14)で発電する構成である。そこで機械設備の振動エネルギーを有効に利用することができる。即ち、この動吸振器構造(13)の動吸振器効果を利用することで、幅広い振動周波数での発電が可能となる。回転体等の機械設備による運転時に発生する機械振動から、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、機械振動が例えば特定周波数50Hzもしくは60Hzの場合でも、これをカバーすることができ、機械振動の変化による周波数変化が起きても効率良く発電することができる。
本発明の動吸振器構造(13)では、両側又は複数の錘(12)が取り付けられた支持板材(24)は、支点部(23)を支点として逆方向に回動する。このとき支持板材(24)はシーソー状態に揺動することにより機械振動の運動エネルギーが吸収される(動吸振器効果)。そこで、この動吸振器効果によりワイヤレスセンサ(11)に加わる振動を利用すると共に、圧電素子(14)で運動エネルギーにより発電することで、そのままワイヤレスセンサ(11)の電源として利用することができ、蓄電することもできる。
本発明のワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)では、配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もないので、従来よりも消費電力を大幅に削減することができ、保守に要する費用と時間の低減、装置の長寿命化を図ることができる。特に、監視システムを利用すれば、ワイヤレスセンサ(11)を小型化することができ、様々な機器設備に設置することができる。
本発明のワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システムでは、ワイヤレスセンサ(11)を回転機器等の機械設備に限定されず、工場やビルなどの機械設備であっても振動する箇所であれば、このワイヤレスセンサ(11)を備えることによって、その工場やビルなどの機械設備の運転状態と異常の有無を監視することができる。しかも複数の機械設備があるときは、異常が発見された機械設備を容易に特定することができる。
更に、ワイヤレスセンサ(11)は、振動センサ以外に、温度、圧力、流量などセンサを取り付けることで物理量データをワイヤレス送受信することができ、監視する領域を広範囲に広げることもできる。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視方法では、ワイヤレスセンサ(11)の発電により、機械設備の振動値を基準にしてデータ送信する時間の間隔を変化させることができる。機械設備の振動値が所定の基準値より大きい場合は、発電量が大きくなりデータ送信間隔を短くすることで、注意状態にあることを知らせることができる。一方、機械設備の振動値が所定の基準値より小さい場合は、発電量が小さくなるが、注意状態にないためデータ送信間隔を長くしても問題はない。このように機械設備の振動値に応じた監視、データ送信をすることで、電力を無駄に消費しなくても、十分な監視が可能になる。
実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサのカバーを外した状態を示す正面図である。 図1のB−B線断面図である。 発電部の動吸振器構造の原理を示す概略説明図である。 機械振動発電による周波数と発電出力の関係を示すグラフであり、(a)は従来の動吸振器構造がない場合、(b)は動吸振器構造を備えた場合である。 実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が大きいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。 実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が小さいときの発電部の発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。 実施例1の動吸振器構造による発電部の周波数特性を示すグラフである。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例1を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例2を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例3を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例4を示す概略平面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例5を示す概略平面図である。 実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システムの構成を示すシステム構成図である。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の作業の流れを示すフローチャートである。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさによるデータ送信間隔の違いを示すグラフである。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさとデータ送信間隔を示すグラフである。
本発明のワイヤレスセンサは、機械設備の振動を利用しながら錘に伝播する動吸振器構造と、錘の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子とから成る発電部と、機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力するセンサ部と、センサ部が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部と、を備えセンサである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<ワイヤレスセンサの構成>
図1は実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサのカバーを外した状態を示す正面図である。図2は図1のB−B線断面図である。図3は発電部の動吸振器構造の原理を示す概略説明図である。
実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサ11は、回転機器などの機械設備(図示していない)の振動を利用しながら錘12に伝播する動吸振器構造13と、この錘12の振動を利用して電気エネルギーに変換する圧電素子14とから成る発電部15と、機械設備から発生する運転状態と異常を感知して検出信号を出力するセンサ部16と、このセンサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部17と、を備えた装置である。ワイヤレスセンサ11は、文字通りワイヤレスで機械設備の運転状態と異常の有無について監視する装置である。ここでワイヤレスは無線で検出信号を外部と送受信することと、電源用の配線も必要としないことを意味する。
発電部15、ワイヤレスセンサ11の支持台18と、その上方のセンサ部16と送受信部17を載せる載置板19との間に配置する。この支持台18と載置板19は複数本の支柱20で連結する。この支柱20は機械設備の振動を支持台18からセンサ部16が備えられた載置板19に伝播する重要な部材である。
これらの発電部15、センサ部16と送受信部17はカバー21で覆うようになっている。このカバー21でほこり、水分が浸入しないようになっている。支持台18の下部には機械設備に取り付ける際に利用する連結部22が設けられている。なお、図示例ではワイヤレスセンサ11の下部に発電部15を、その上部にセンサ部16と送受信部17とを配置したものを示しているが、このような配置に限定されない。この配置と逆に上部に発電部15を、下部にセンサ部16と送受信部17とを配置したもの、あるいは発電部15と、これにセンサ部16と送受信部17を並列配置したものでも良い。
<発電部15の構成>
発電部15は、機械設備の振動で錘12が振動し、この振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子14とから成る。本発明ではこの機械設備の振動について動吸振器構造13を用いて、動吸振器効果によりその振動を利用しながら錘12に伝播するようにして、効率よく発電するようになっている。
動吸振器構造13は、図3の原理説明図に示すように、錘12の振動を抑制する装置である。この動吸振器構造13は、支持台18の中間に取り付けられた支点部23に支持板材24が、この支点部23を中心にしてシーソー状に揺動自在に支持されている。この支持板材24の両側に一対の錘12が取り付けられている。この支持板材24の揺動により、2個の錘12は上下動する。この錘12の上下動方向に沿って、作動子25が支持板材24に下方へ向けて取り付けられている。この作動子25の先端(下端)は圧電素子14を押圧しやすいような形状にすることが好ましい。なお、図示例では、支持板材24の下面に作動子25が取り付けられているが、支持板材24が短いときは錘12の底部に作動子25を直接取り付けてもよい。
各作動子25の先端(下端)に配置される圧電素子14は、支持台18の2か所に取り付けられている。圧電素子14の取付箇所は錘12の個数と比例する。この錘12の個数は2個に限定されず、1個でも可能なので、後述するように、3個、4個・・と用いることができる。勿論この個数に比例して、圧電素子14も3個、4個・・と必要になる。
このように構成された動吸振器構造13では、図3の原理図に示すように、回転体等の機械設備による運転時に発生する機械振動の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、例えば機械振動の特定周波数50Hzから60Hzのように幅があってもカバーし、機械設備の回転数の変化による周波数変化が起きても、錘12に伝播する振動を抑制することにより正常に電源装置として機能する。
本発明のワイヤレスセンサ11では、センサ自体に発電機能が備えられているので、従来のように配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もない。その費用的な面だけでなく、危険な場所に設置された機械設備の監視に適している。また、太陽光発電が利用できない屋内又は暗闇に設置された機械設備の監視にも適している。
<センサ部16の構成>
センサ部16には、機械設備の運転状態、異常を感知するセンサ26が備えられている。主に、この機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力し、その機械設備の振動状態や異常を監視するセンサを用いる。例えば、ワイヤレスセンサ11に振動が伝播、正殿十分であるため、センサ部16には主に接触型の加速度検出型振動センサ(圧電型、静電容量型、ひずみゲージ型)、速度検出型振動センサ(動電型)を用いる。
本発明のワイヤレスセンサ11は機械設備(回転機器)の振動を検出すると共に、その振動を利用して発電するものであるが、センサ部16は非接触型センサを用いることも可能である。即ち、振動を感知できるセンサであれば種々の形態のセンサを用いることができる。また、振動センサ以外に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの一般的な工業用センサを備えることも可能である。
<送受信部17の構成>
送受信部17はセンサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する無線モジュールが備えられている。この送受信部17(無線モジュール)からの検出信号を例えば監視装置43が受信する。この監視装置43により機械設備の運転状態と異常感知の有無を監視することができる。
<機械振動発電による周波数と発電出力の関係>
図4は機械振動発電による機械振動の周波数と発電出力の関係を示すグラフであり、(a)は従来の動吸振器構造がない場合、(b)は動吸振器構造を備えた場合である。
図4(a)の従来の場合に示すように、機械振動発電のように発電電源として特定周波数(50Hzまたは60Hz)に合わせた発電装置では、特定周波数中心から少しでも逸脱すると発電能力が極端に低下する。本発明の実施例1のワイヤレスセンサ11のように動吸振器構造13を備えた発電部15を有する装置では、図4(b)に示すように、機械振動が発電の特定周波数からズレても、必要量の発電が可能である。振動周波数が50Hzから60Hzの場合でもエネルギーとして必要なレベルの出力が可能になる。
<機械振動発電による発電時間と発生電圧の関係>
図5は実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が大きいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。図6は実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が小さいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。図7は実施例1の動吸振器構造による発電部の周波数特性を示すグラフである。
図5は加振周波数が60Hz 6mm/sの場合の発生電圧を示し、発電時間が10分程度で5.0VDCの電圧を発生させることができる。図6は加振周波数が60Hz 2mm/sの場合の発生電圧を示し、発電時間を40分程度にすると5.0VDCの電圧を発生させることができる。図7は動吸振器構造13による発電部15の周波数特性のグラフを示し、機械振動の特定周波数50Hzおよび60Hzをカバーして、機械振動の変化による周波数変化が起きても正常に電源装置として機能する動吸振器構造により振動計測を行うことができる。
<動吸振器構造の変形例1>
図8は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例1を示す概略正面図である。
ワイヤレスセンサ11の発電部15は、動吸振器構造13を構成する錘12の下部に圧電素子14を配置する構成に限定されない。振動する錘12で作動子25が圧電素子14を押圧する構成であればよい。そこで、図8に示すように錘12の上部に圧電素子14を配置することもできる。このような配置であっても、錘12の振動により作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。
<動吸振器構造の変形例2,3>
図9は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例2を示す概略正面図である。図10は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例3を示す概略正面図である。
同様に、図9に示すように錘12の外側部に圧電素子14を配置することもできる。このような配置であっても、錘12の作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。更に、図10に示すように1対の錘12で、2個に圧電素子14を挟むように配置することもできる。このような配置であっても、錘12の作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。
<動吸振器構造の変形例4>
図11は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例4を示す概略平面図である。
動吸振器構造13を構成する錘12は1対即ち2個に限定されない。図11に示すように3個の錘12を、三角形状の支持板材28に取り付けた構成でもよい。このときは3個の錘12が支点部23で平衡に支持されるように取り付ける。3個の各錘12の個数に相応するように3か所の圧電素子14を配置する。3個の各錘12に作動子25を取り付け、各作動子25がそれぞれの圧電素子14に当たるようにする。このような構成であっても、振動に際して発電することができる。
<動吸振器構造の変形例5>
図12実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例5を示す概略平面図である。
動吸振器構造13を構成する錘12を図12に示すように4個の錘12を、正方形状の支持板材29に取り付けた構成でもよい。このときも4個の錘12が支点部23で平衡に支持されるように取り付ける。これも前述したように、4個の各錘12の作動子25を取り付け、圧電素子14に当たるようにする。更に、5個、6個と錘12の個数は図示例に限定されない。
<ワイヤレスセンサを用いた監視システムの構成>
図13は実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システムを示すシステム構成図である。
実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システム41は、実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサ11を用いて、機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するシステムである。
このワイヤレス監視システム41は、センサ部16と送受信部17とが備えられたワイヤレスセンサ11と、センサ部16で検出した検出信号その他の機械設備に関する情報データを送受信する送受信部17と、この検出信号等のデータを送受信部42で受信して、この情報に基づいて、機械設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置43とから構成されたシステムである。
なお、監視する対象の機械設備が複数あるとき、又は1台の機械設備に監視する箇所が複数あるときは、複数のワイヤレスセンサ11を設置し、監視装置43はそのワイヤレスセンサ11の設置場所と共にその異常感知の有無を監視する。
ワイヤレスセンサ11に備えられた発電部15で発電し、充電部44で充電される。この充電部44に充電された電力は、センサ部16における検出と、送受信部17の送受信の際の電源として利用される。更に、実施例2のワイヤレス監視システム41を駆動する制御部45、センサスイッチ部46の駆動の電源としても利用される。
この監視システム41は、発電部15とセンサ部16の制御回路、RAM、ROMの記憶回路、演算回路による中央処理部(CPU)(制御部45)と共に、送受信部17の無線モジュールとを装備している。この無線モジュール(送受信部17)により、センサ部16の振動センサ(センサ部16)及びその他のセンサ(センサ部16)で機械設備から発生する振動又はその他のデータを感知して検出信号を出力し、この検出信号を監視装置43の送受信部42に送受信する。この監視装置43では、機械設備から発生する振動に基づく運転状態と異常の有無を感知する。制御部45にはリアルタイムクロック47が備えられている。
ワイヤレスセンサ11に備えられた発電部15で発電し、充電部44で充電される。充電部44は例えばコンデンサによって構成される。この充電部44に充電された電力は、センサ部16における検出と、送受信部17の送受信の際の電源として利用される。更に、実施例2のワイヤレス監視システム41を駆動する制御部45、センサスイッチ部46の駆動の電源としても利用される。発電部15において錘12の振動によって交流電荷を発生し、この発生した交流電荷を直流電圧に変換し、直流変換部(DC/DC)48でセンサ部16、送受信部17と制御部45の駆動電圧に変換して給電する。
センサスイッチ部46は、センサ部16と送受信部17を作動させ、停止する機能を有する。このセンサスイッチ部46がON状態のときに、充電部44の電力をセンサ部16と送受信部17に供給可能とし、センサスイッチ部46がOFF状態の時に充電部44の電力供給を停止するように構成されている。
このセンサスイッチ部46は、判定部47により充電部44が発電部15で発電量が一定の規定値を越えたときに、ONとOFFとを切り替えることを判定する。
センサスイッチ部46は、センサ部16と送受信部17を作動させ、停止する機能を有する。このセンサスイッチ部46がON状態のときに、充電部44の電力をセンサ部16と送受信部17に供給可能とし、センサスイッチ部46がOFF状態の時に充電部44の電力供給を停止するように構成されている。センサ部16と送受信部17は、センサスイッチ部46を介して充電部44に充電された電力が所定の電力量に達した場合にも起動される。
監視装置43は、ワイヤレスセンサ11の送受信部17からの送信データを受信する送受信部42と、この送受信部42に接続されたコンピュータ49によって構成されている。コンピュータ49は、送受信部42が受信した受信データを取得し、ワイヤレスセンサ11が取得した機械設備の運転状態の表示や各種設定を行う。
更に、ワイヤレスセンサ11は、振動センサ以外に、温度、圧力、流量などセンサを取り付けることで物理量データをワイヤレス送受信することができ、監視する領域を広範囲に広げることもできる。
また、このワイヤレスセンサ11を用いた監視システムでは、ワイヤレスセンサ11を回転機器等の機械設備に限定されず、工場やビルなどの機械設備であって振動する箇所であれば、このワイヤレスセンサ11をそれぞれに備えることによって、工場やビルなどの機械設備の運転状態と異常の有無を監視することができる上に、異常が見つかった場所を容易に特定することができる。
本発明のワイヤレスセンサ11を用いた監視システム41では、配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もないので、従来よりも消費電力を大幅に削減することができ、保守に要する費用や時間の低減、装置の長寿命化を図ることができる。特に、監視システムを利用すれば、ワイヤレスセンサ11を小型化することができ、様々な機器設備に設置することができる。
<ワイヤレスセンサを用いた監視方法の構成>
図14は実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の作業の流れを示すフローチャートである。図15は実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさによるデータ送信間隔の違いを示すグラフである。図16は機械振動の大きさとデータ送信間隔を示すグラフである。
実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法は、発電部15で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する方法である。この監視方法では、単に自動的に監視対象物の状況を知らせるだけでなく、発電部15で発電する電力の発電状況、即ち監視対象物の機械設備の運転状態に応じて、センサ部16と送受信部17からの送受信する時間を異ならしめて監視している。
予め設定された発電する電力量の規定値は、例えば、センサ部16及びセンサ部16を共に作動させることができる電力量である。図13に示すように、発電部15が機械振動により発電し、充電部44に充電され、図示例では5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作される。次に、センサ部16と送受信部17で電力が消費されて、3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。これにより、発電部15で発電する電力量が予め設定された規定値(5.2V)に達したときに、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17からデータ送信する。
このとき、図15に示すように、機械設備の振動が小さく機械振動の周波数が60Hzで2mm/sで加振のときは、発電部15の発電する電力量が小さいので、所定値(5.2V)に達する時間が充電開始電圧(3.5V)から約20分かかる。このとき5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作され、検知と送受信される。3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。
一方、機械設備の振動が大きく機械振動の周波数が60Hzで6mm/sで加振のときは、発電部15の発電する電力量が大きいので、所定値(5.2V)に達する時間が充電開始電圧(3.5V)から約5分程度である。このときも5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作され、検知と送受信される。3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。
なお、規定値の5.2V、3.5Vは一例であってこの数値に限定されない。ワイヤレスセンサ11の装置が大きくなり、発電部15の規模が大きくなれば、規定値の数値も大きくなり、逆にワイヤレスセンサ11の装置が小さく、発電部15の規模が小さければ、規定値の数値も小さくなる。
表1の機械振動の周波数と監視方法との関係に示すように、機械設備の機械振動が所定の基準値より小さい場合は、発電する電力量が小さくなるが、危険状態にないためデータ送信間隔を長くしても問題ない。一方、機械設備の機械振動が所定の基準値より大きい場合は、発電する電力量が大きくなりデータ送信間隔を短くすることで、異常のおそれ、危険状態にあることを知らせることができる。
このように機械設備の機械振動に応じた監視、データ送信をすることで、電力を無駄に消費せずに十分な監視が可能になる。
<ワイヤレスセンサを用いた監視方法の変形例1>
実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の変形例1は、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する時間間隔を所定の時間で定期的に送受信する方法である。ワイヤレスセンサ11の発電部15で発電する構成であれば、単純に定期的にセンサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する方法でもよい。
なお、本発明は、機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明は、発電機等の回転機器の機械設備の監視に限定されず、その他のベルトコンベア、加工装置のように振動するものであればその運転状態と異常の有無の監視に利用することができる。
11 ワイヤレスセンサ
12 錘
13 動吸振器構造
14 圧電素子
15 発電部
16 センサ部
17 送受信部
18 支持台
23 支点部
24 支持板材
28 三角形状の支持板材
29 四角形状の支持板材
41 監視システム
46 センサスイッチ部
43 監視装置
本発明は、回転機械設備等の振動変化を感知して運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するセンシング技術に係る。本発明は、ワイヤレスによる監視システムにおいてセンサ装置に発電機能を備えて電源配線又はバッテリの必要がないワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法に関する。
回転機械設備は運転することによりその軸受等が摩耗劣化する。その異常が原因して回転機械設備の停止あるいは故障することがある。例えば回転機械設備等の軸受の場合には、劣化が進行すると振動が大きくなる。この振動を検出する振動速度センサ等を定期的に回転機械設備の軸受近傍に取り付けて状態監視している。振動速度センサの検出結果から回転機械設備の軸受の異常状態の有無、その劣化状態を監視することにより回転機械設備を監視する状態監視システムが普及している。
小型の回転機械設備については、センサ装置及び配線費用等の監視設備費用が高いため、状態監視システムが普及していない。そこで、設置費用、運転費用が高くならないワイヤレス監視システムへの期待が高まっている。
ワイヤレス監視システムは、有線式のセンシングシステムに比べ、線材の引き回しや保守が不要であるといった利点がある。ワイヤレス監視システムは、無線通信を長時間にわたって行う必要があり、消費電力が大きく一般に大型の電源を備える必要があり、装置の小型化が困難であった。
ワイヤレス監視システムは、外部電源供給型とバッテリ搭載型が主流であり、外部電源供給型は配線工事費用が高く、バッテリ搭載型はバッテリの寿命による交換費用が高かった。そこで、ワイヤレス監視システムは、配線工事費用又はバッテリの寿命による交換費用等の理由から普及していなかった。
また、ワイヤレス監視システムは危険な場所に取り付けられる場合が多く、容易に近づくことができず、バッテリの交換が困難であることも普及していない理由となっていた。
そこで、振動検出装置内で自発電により装置内の全消費電力を十分に賄うことができ、バッテリ等の電源寿命を考慮する必要がなく、連続運転する設備の軸受等の状態を常時監視し、その異常振動を確実に検出して表示することができる機械振動発電による、回転機械の軸受等の振動検出に関する技術が提案されている。例えば特許文献1の特開平8−145783号公報「自発電源による振動検出方法及び装置」のように、振動の加速度に対応する検出信号を出力する加速度センサと、該加速度センサの出力レベルがあらかじめ設定された基準レベルを越えたときに出力を発生するレベル判定器と、該レベル判定器の出力を表示する表示器と、振動を受けたときに電荷を発生する圧電セラミックを用いた圧電セラミック電源発生部と、該圧電セラミック電源発生部の発生する電荷を直流電源に変換し、該直流電源を前記レベル判定器及び表示器の消費電源として供給する直流変換部とを備えた自発電源による振動検出装置が提案されている。
特開平8−145783号公報
特許文献1の「自発電源による振動検出方法及び装置」は、図4(a)の「周波数と発電出力の関係グラフ」に示すように、機械振動発電のように発電電源として特定周波数に合わせた発電装置では、機械振動が特定周波数の中心から少しでも逸脱すると発電能力が極端に低下するものが多かった。そこで、センサ装置に十分な給電ができず、安定した監視が困難であるという問題を有していた。
なお、センサ装置と太陽光発電又は風力発電等の発電機能とが一体となった一体型のワイヤレス監視システムも提案されている。しかし、太陽光発電方式は夜間又は屋内では発電することができず、風力発電方式は風量により安定した発電能力が得られないという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視することができるワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法を提供することにある。
本発明のワイヤレスセンサは、機械設備の運転状態と異常の有無を監視するワイヤレスセンサ(11)であって、
前記機械設備の振動伝播するように設けられた支持台(18)と、該支持台(18)に取り付けられた支点部(23)と、該支点部(23)に板材の中間部を支点として支持された支持板材(24)と、該支持板材(24)に上下動可能に取り付けられた錘(12)とを備えた、該錘(12)をシーソー状態に揺動させて機械振動の運動エネルギーを抑制、吸収する動吸振器構造(13)と、該動吸振器構造(13)の錘(12)の下方又は上方に設けられた圧電素子(14)とを有し、前記機械設備の振動が前記支持台(18)から該動吸振器構造(13)に伝播した際に前記支持板材(24)の中間部を支点として上下動する該錘(12)で該圧電素子(14)を押圧して発電する発電部(15)と、
前記機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、
前記センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備え、
前記センサ部(16)及び送受信部(17)は、前記発電部(15)で発電した電力が供給されて動作するように構成された、ことを特徴とする。
例えば、前記センサ部(16)は、前記機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力する振動センサである。
前記発電部(15)は、
前記支持板材(24)の両側に取り付けられた一対の錘(12)と、
前記支持台(18)に取り付けられた2か所の圧電素子(14)と、を備えたものである。
また、前記発電部(15)は、
前記支持板材(24)に、該支持板材(24)が水平に維持されるように取り付けられた複数個の錘(12)と、
前記支持台(18)に取り付けられた複数個の圧電素子(14)と、を備えたものである。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視システムは、機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)であって、
前記機械設備の振動伝播するように設けられた支持台(18)と、該支持台(18)に取り付けられた支点部(23)と、該支点部(23)に板材の中間部を支点として支持された支持板材(24)と、該支持板材(24)に上下動可能に取り付けられた錘(12)とを備えた、該錘(12)をシーソー状態に揺動させて機械振動の運動エネルギーを抑制、吸収する動吸振器構造(13)と、該動吸振器構造(13)の錘(12)の下方に又は上方設けられた圧電素子(14)とを有し、前記機械設備の振動が前記支持台(18)から該動吸振器構造(13)に伝播した際に前記支持板材(24)の中間部を支点として上下動する該錘(12)で該圧電素子(14)を押圧して発電する発電部(15)と、該機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、から成るワイヤレスセンサ(11)と、
前記ワイヤレスセンサ(11)の発電部(15)で発電した電力量が予め設定された規定値を越えたときに、前記センサ部(16)で検知し、その検出信号を無線で外部出力するようにONとOFFを切り替えるセンサスイッチ部(46)と、
前記送受信部(17)からの検出信号を受信して、前記ワイヤレスセンサ(11)が備えられた機器設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置(43)と、を備えた、ことを特徴とする。
前記ワイヤレスセンサ(11)に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの工業用センサを更に設け、それぞれの電力は前記発電部(15)から給電し、それぞれの物理量信号を前記送受信部(17)から無線送受信することができる。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視方法は、機械設備の機械振動をワイヤレスセンサ(11)で感知し、その運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視方法であって、
前記機械設備の振動伝播するように設けられた支持台(18)と、該支持台(18)に取り付けられた支点部(23)と、該支点部(23)に板材の中間部を支点として支持された支持板材(24)と、該支持板材(24)に上下動可能に取り付けられた錘(12)とを備えた、該錘(12)をシーソー状態に揺動させて機械振動の運動エネルギーを抑制、吸収する動吸振器構造(13)と、該動吸振器構造(13)の錘(12)の下方又は上方に設けられた圧電素子(14)とを有し、前記機械設備の振動が前記支持台(18)から該動吸振器構造(13)に伝播した際に前記支持板材(24)の中間部を支点として上下動する該錘(12)で該圧電素子(14)を押圧して発電する発電部(15)と、機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備えたワイヤレスセンサ(11)の該発電部(15)で機械設備から生じた機械振動を用いて該センサ部(16)及び該送受信部(17)に給電する電力を発電し、かつ充電し、
前記発電部(15)で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、
前記センサ部(16)で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で前記送受信部(17)から送受信し、
一方、前記発電部(15)で発電する電力量が前記規定値に達しないときには、
発電する電力量が小さくなり、送受信する間隔は長くなるが、機械設備が危険状態にないため該送受信部(17)から送受信しない、ことを特徴とする。
例えば、前記予め設定された発電する電力量の規定値は、前記センサ部(16)及び前記送受信部(17)を共に作動させることができる電力量である。
本発明の構成のワイヤレスセンサ(11)では、センサの装置自体に発電機能が備えられているので、従来のように配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要がなくなる。そのために設置費用、維持費用を低減することができ、危険な場所に設置された機械設備の監視にも実施できる。
特に、このワイヤレスセンサ(11)は、発電部(15)に備えた動吸振器構造(13)が機械設備の振動により作動し、この動吸振器構造(13)が吸収したエネルギーにより圧電素子(14)で発電する構成である。この動吸振器構造(13)により錘(12)に伝播する振動を抑制・吸収しながら圧電素子(14)で発電できる。そこで機械設備の振動エネルギーを有効に利用することができる。即ち、この動吸振器構造(13)の動吸振器効果を利用することで、幅広い振動周波数での発電が可能となる。回転体等の機械設備による運転時に発生する機械振動から、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、機械振動が例えば特定周波数50Hzもしくは60Hzの場合でも、これをカバーすることができ、機械振動の変化による周波数変化が起きても効率良く発電することができる。
本発明の動吸振器構造(13)では、両側又は複数の錘(12)が取り付けられた支持板材(24)は、支点部(23)を支点として逆方向に回動(上下動)する。このとき支持板材(24)はシーソー状態又は傾斜させて揺動することにより機械振動の運動エネルギーが抑制・吸収される(動吸振器効果)。そこで、この動吸振器効果によりワイヤレスセンサ(11)に加わる振動を利用すると共に、圧電素子(14)で運動エネルギーにより発電することで、そのままワイヤレスセンサ(11)の電源として利用することができ、蓄電することもできる。
本発明のワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)では、配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もないので、従来よりも消費電力を大幅に削減することができ、保守に要する費用と時間の低減、装置の長寿命化を図ることができる。特に、監視システムを利用すれば、ワイヤレスセンサ(11)を小型化することができ、様々な機器設備に設置することができる。
本発明のワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システムでは、ワイヤレスセンサ(11)を回転機器等の機械設備に限定されず、工場やビルなどの機械設備であっても振動する箇所であれば、このワイヤレスセンサ(11)を備えることによって、その工場やビルなどの機械設備の運転状態と異常の有無を監視することができる。しかも複数の機械設備があるときは、異常が発見された機械設備を容易に特定することができる。
更に、ワイヤレスセンサ(11)は、振動センサ以外に、温度、圧力、流量などセンサを取り付けることで物理量データをワイヤレス送受信することができ、監視する領域を広範囲に広げることもできる。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視方法では、ワイヤレスセンサ(11)の発電により、機械設備の振動値を基準にしてデータ送信する時間の間隔を変化させることができる。機械設備の振動値が所定の基準値より大きい場合は、発電量が大きくなりデータ送信間隔を短くすることで、注意状態にあることを知らせることができる。一方、機械設備の振動値が所定の基準値より小さい場合は、発電量が小さくなるが、注意状態にないためデータ送信間隔を長くしても問題はない。このように機械設備の振動値に応じた監視、データ送信をすることで、電力を無駄に消費しなくても、十分な監視が可能になる。
実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサのカバーを外した状態を示す正面図である。 図1のB−B線断面図である。 発電部の動吸振器構造の原理を示す概略説明図である。 機械振動発電による周波数と発電出力の関係を示すグラフであり、(a)は従来の動吸振器構造がない場合、(b)は動吸振器構造を備えた場合である。 実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が大きいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。 実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が小さいときの発電部の発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。 実施例1の動吸振器構造による発電部の周波数特性を示すグラフである。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例1を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例2を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例3を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例4を示す概略平面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例5を示す概略平面図である。 実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システムの構成を示すシステム構成図である。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の作業の流れを示すフローチャートである。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさによるデータ送信間隔の違いを示すグラフである。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさとデータ送信間隔を示すグラフである。
本発明のワイヤレスセンサは、機械設備の振動を利用しながら錘に伝播する動吸振器構造と、錘の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子とから成る発電部と、機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力するセンサ部と、センサ部が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部と、を備えセンサである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<ワイヤレスセンサの構成>
図1は実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサのカバーを外した状態を示す正面図である。図2は図1のB−B線断面図である。図3は発電部の動吸振器構造の原理を示す概略説明図である。
実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサ11は、回転機器などの機械設備(図示していない)の振動を利用しながら錘12に伝播する動吸振器構造13と、この錘12の振動を利用して電気エネルギーに変換する圧電素子14とから成る発電部15と、機械設備から発生する運転状態と異常を感知して検出信号を出力するセンサ部16と、このセンサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部17と、を備えた装置である。ワイヤレスセンサ11は、文字通りワイヤレスで機械設備の運転状態と異常の有無について監視する装置である。ここでワイヤレスは無線で検出信号を外部と送受信することと、電源用の配線も必要としないことを意味する。
発電部15、ワイヤレスセンサ11の支持台18と、その上方のセンサ部16と送受信部17を載せる載置板19との間に配置する。この支持台18と載置板19は複数本の支柱20で連結する。この支柱20は機械設備の振動を支持台18からセンサ部16が備えられた載置板19に伝播する重要な部材である。
これらの発電部15、センサ部16と送受信部17はカバー21で覆うようになっている。このカバー21でほこり、水分が浸入しないようになっている。支持台18の下部には機械設備に取り付ける際に利用する連結部22が設けられている。なお、図示例ではワイヤレスセンサ11の下部に発電部15を、その上部にセンサ部16と送受信部17とを配置したものを示しているが、このような配置に限定されない。この配置と逆に上部に発電部15を、下部にセンサ部16と送受信部17とを配置したもの、あるいは発電部15と、これにセンサ部16と送受信部17を並列配置したものでも良い。
<発電部15の構成>
発電部15は、機械設備の振動で錘12が振動し、この振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子14とから成る。本発明ではこの機械設備の振動について動吸振器構造13を用いて、動吸振器効果によりその振動を利用しながら錘12に伝播するようにして、効率よく発電するようになっている。
動吸振器構造13は、図3の原理説明図に示すように、錘12の振動を抑制する装置である。この動吸振器構造13は、支持台18の中間に取り付けられた支点部23に支持板材24が、この支点部23を中心にしてシーソー状に揺動自在に支持されている。この支持板材24の両側に一対の錘12が取り付けられている。この支持板材24の揺動により、2個の錘12は上下動する。この錘12の上下動方向に沿って、作動子25が支持板材24に下方へ向けて取り付けられている。この作動子25の先端(下端)は圧電素子14を押圧しやすいような形状にすることが好ましい。なお、図示例では、支持板材24の下面に作動子25が取り付けられているが、支持板材24が短いときは錘12の底部に作動子25を直接取り付けてもよい。
各作動子25の先端(下端)に配置される圧電素子14は、支持台18の2か所に取り付けられている。圧電素子14の取付箇所は錘12の個数と比例する。この錘12の個数は2個に限定されず、1個でも可能なので、後述するように、3個、4個・・と用いることができる。勿論この個数に比例して、圧電素子14も3個、4個・・と必要になる。
このように構成された動吸振器構造13では、図3の原理図に示すように、回転体等の機械設備による運転時に発生する機械振動の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、例えば機械振動の特定周波数50Hzから60Hzのように幅があってもカバーし、機械設備の回転数の変化による周波数変化が起きても、錘12に伝播する振動を抑制することにより正常に電源装置として機能する。
本発明のワイヤレスセンサ11では、センサ自体に発電機能が備えられているので、従来のように配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もない。その費用的な面だけでなく、危険な場所に設置された機械設備の監視に適している。また、太陽光発電が利用できない屋内又は暗闇に設置された機械設備の監視にも適している。
<センサ部16の構成>
センサ部16には、機械設備の運転状態、異常を感知するセンサ26が備えられている。主に、この機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力し、その機械設備の振動状態や異常を監視するセンサを用いる。例えば、ワイヤレスセンサ11に振動が伝播、正殿十分であるため、センサ部16には主に接触型の加速度検出型振動センサ(圧電型、静電容量型、ひずみゲージ型)、速度検出型振動センサ(動電型)を用いる。
本発明のワイヤレスセンサ11は機械設備(回転機器)の振動を検出すると共に、その振動を利用して発電するものであるが、センサ部16は非接触型センサを用いることも可能である。即ち、振動を感知できるセンサであれば種々の形態のセンサを用いることができる。また、振動センサ以外に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの一般的な工業用センサを備えることも可能である。
<送受信部17の構成>
送受信部17はセンサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する無線モジュールが備えられている。この送受信部17(無線モジュール)からの検出信号を例えば監視装置43が受信する。この監視装置43により機械設備の運転状態と異常感知の有無を監視することができる。
<機械振動発電による周波数と発電出力の関係>
図4は機械振動発電による機械振動の周波数と発電出力の関係を示すグラフであり、(a)は従来の動吸振器構造がない場合、(b)は動吸振器構造を備えた場合である。
図4(a)の従来の場合に示すように、機械振動発電のように発電電源として特定周波数(50Hzまたは60Hz)に合わせた発電装置では、特定周波数中心から少しでも逸脱すると発電能力が極端に低下する。本発明の実施例1のワイヤレスセンサ11のように動吸振器構造13を備えた発電部15を有する装置では、図4(b)に示すように、機械振動が発電の特定周波数からズレても、必要量の発電が可能である。振動周波数が50Hzから60Hzの場合でもエネルギーとして必要なレベルの出力が可能になる。
<機械振動発電による発電時間と発生電圧の関係>
図5は実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が大きいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。図6は実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が小さいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。図7は実施例1の動吸振器構造による発電部の周波数特性を示すグラフである。
図5は加振周波数が60Hz 6mm/sの場合の発生電圧を示し、発電時間が10分程度で5.0VDCの電圧を発生させることができる。図6は加振周波数が60Hz 2mm/sの場合の発生電圧を示し、発電時間を40分程度にすると5.0VDCの電圧を発生させることができる。図7は動吸振器構造13による発電部15の周波数特性のグラフを示し、機械振動の特定周波数50Hzおよび60Hzをカバーして、機械振動の変化による周波数変化が起きても正常に電源装置として機能する動吸振器構造により振動計測を行うことができる。
<動吸振器構造の変形例1>
図8は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例1を示す概略正面図である。
ワイヤレスセンサ11の発電部15は、動吸振器構造13を構成する錘12の下部に圧電素子14を配置する構成に限定されない。振動する錘12で作動子25が圧電素子14を押圧する構成であればよい。そこで、図8に示すように錘12の上部に圧電素子14を配置することもできる。このような配置であっても、錘12の振動により作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。
<動吸振器構造の変形例2,3>
図9は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例2を示す概略正面図である。図10は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例3を示す概略正面図である。
同様に、図9に示すように錘12の外側部に圧電素子14を配置することもできる。このような配置であっても、錘12の作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。更に、図10に示すように1対の錘12で、2個に圧電素子14を挟むように配置することもできる。このような配置であっても、錘12の作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。
<動吸振器構造の変形例4>
図11は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例4を示す概略平面図である。
動吸振器構造13を構成する錘12は1対即ち2個に限定されない。図11に示すように3個の錘12を、三角形状の支持板材28に取り付けた構成でもよい。このときは3個の錘12が支点部23で平衡に支持されるように取り付ける。3個の各錘12の個数に相応するように3か所の圧電素子14を配置する。3個の各錘12に作動子25を取り付け、各作動子25がそれぞれの圧電素子14に当たるようにする。このような構成であっても、 振動に際して発電することができる。
<動吸振器構造の変形例5>
図12実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例5を示す概略平面図である。
動吸振器構造13を構成する錘12を図12に示すように4個の錘12を、正方形状の支持板材29に取り付けた構成でもよい。このときも4個の錘12が支点部23で平衡に支持されるように取り付ける。これも前述したように、4個の各錘12の作動子25を取り付け、圧電素子14に当たるようにする。更に、5個、6個と錘12の個数は図示例に限定されない。
<ワイヤレスセンサを用いた監視システムの構成>
図13は実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システムを示すシステム構成図である。
実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システム41は、実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサ11を用いて、機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するシステムである。
このワイヤレス監視システム41は、センサ部16と送受信部17とが備えられたワイヤレスセンサ11と、センサ部16で検出した検出信号その他の機械設備に関する情報データを送受信する送受信部17と、この検出信号等のデータを送受信部42で受信して、この情報に基づいて、機械設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置43とから構成されたシステムである。
なお、監視する対象の機械設備が複数あるとき、又は1台の機械設備に監視する箇所が複数あるときは、複数のワイヤレスセンサ11を設置し、監視装置43はそのワイヤレスセンサ11の設置場所と共にその異常感知の有無を監視する。
ワイヤレスセンサ11に備えられた発電部15で発電し、充電部44で充電される。この充電部44に充電された電力は、センサ部16における検出と、送受信部17の送受信の際の電源として利用される。更に、実施例2のワイヤレス監視システム41を駆動する制御部45、センサスイッチ部46の駆動の電源としても利用される。
この監視システム41は、発電部15とセンサ部16の制御回路、RAM、ROMの記憶回路、演算回路による中央処理部(CPU)(制御部45)と共に、送受信部17の無線モジュールとを装備している。この無線モジュール(送受信部17)により、センサ部16の振動センサ(センサ部16)及びその他のセンサ(センサ部16)で機械設備から発生する振動又はその他のデータを感知して検出信号を出力し、この検出信号を監視装置43の送受信部42に送受信する。この監視装置43では、機械設備から発生する振動に基づく運転状態と異常の有無を感知する。制御部45にはリアルタイムクロック47が備えられている。
ワイヤレスセンサ11に備えられた発電部15で発電し、充電部44で充電される。充電部44は例えばコンデンサによって構成される。この充電部44に充電された電力は、センサ部16における検出と、送受信部17の送受信の際の電源として利用される。更に、実施例2のワイヤレス監視システム41を駆動する制御部45、センサスイッチ部46の駆動の電源としても利用される。発電部15において錘12の振動によって交流電荷を発生し、この発生した交流電荷を直流電圧に変換し、直流変換部(DC/DC)48でセンサ部16、送受信部17と制御部45の駆動電圧に変換して給電する。
センサスイッチ部46は、センサ部16と送受信部17を作動させ、停止する機能を有する。このセンサスイッチ部46がON状態のときに、充電部44の電力をセンサ部16と送受信部17に供給可能とし、センサスイッチ部46がOFF状態の時に充電部44の電力供給を停止するように構成されている。
このセンサスイッチ部46は、判定部47により充電部44が発電部15で発電量が一定の規定値を越えたときに、ONとOFFとを切り替えることを判定する。
センサスイッチ部46は、センサ部16と送受信部17を作動させ、停止する機能を有する。このセンサスイッチ部46がON状態のときに、充電部44の電力をセンサ部16と送受信部17に供給可能とし、センサスイッチ部46がOFF状態の時に充電部44の電力供給を停止するように構成されている。センサ部16と送受信部17は、センサスイッチ部46を介して充電部44に充電された電力が所定の電力量に達した場合にも起動される。
監視装置43は、ワイヤレスセンサ11の送受信部17からの送信データを受信する送受信部42と、この送受信部42に接続されたコンピュータ49によって構成されている。コンピュータ49は、送受信部42が受信した受信データを取得し、ワイヤレスセンサ11が取得した機械設備の運転状態の表示や各種設定を行う。
更に、ワイヤレスセンサ11は、振動センサ以外に、温度、圧力、流量などセンサを取り付けることで物理量データをワイヤレス送受信することができ、監視する領域を広範囲に広げることもできる。
また、このワイヤレスセンサ11を用いた監視システムでは、ワイヤレスセンサ11を回転機器等の機械設備に限定されず、工場やビルなどの機械設備であって振動する箇所であれば、このワイヤレスセンサ11をそれぞれに備えることによって、工場やビルなどの機械設備の運転状態と異常の有無を監視することができる上に、異常が見つかった場所を容易に特定することができる。
本発明のワイヤレスセンサ11を用いた監視システム41では、配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もないので、従来よりも消費電力を大幅に削減することができ、保守に要する費用や時間の低減、装置の長寿命化を図ることができる。特に、監視システムを利用すれば、ワイヤレスセンサ11を小型化することができ、様々な機器設備に設置することができる。
<ワイヤレスセンサを用いた監視方法の構成>
図14は実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の作業の流れを示すフローチャートである。図15は実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさによるデータ送信間隔の違いを示すグラフである。図16は機械振動の大きさとデータ送信間隔を示すグラフである。
実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法は、発電部15で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する方法である。この監視方法では、単に自動的に監視対象物の状況を知らせるだけでなく、発電部15で発電する電力の発電状況、即ち監視対象物の機械設備の運転状態に応じて、センサ部16と送受信部17からの送受信する時間を異ならしめて監視している。
予め設定された発電する電力量の規定値は、例えば、センサ部16及びセンサ部16を共に作動させることができる電力量である。図13に示すように、発電部15が機械振動により発電し、充電部44に充電され、図示例では5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作される。次に、センサ部16と送受信部17で電力が消費されて、3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。これにより、発電部15で発電する電力量が予め設定された規定値(5.2V)に達したときに、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17からデータ送信する。
このとき、図15に示すように、機械設備の振動が小さく機械振動の周波数が60Hzで2mm/sで加振のときは、発電部15の発電する電力量が小さいので、所定値(5.2V)に達する時間が充電開始電圧(3.5V)から約20分かかる。このとき5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作され、検知と送受信される。3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。
一方、機械設備の振動が大きく機械振動の周波数が60Hzで6mm/sで加振のときは、発電部15の発電する電力量が大きいので、所定値(5.2V)に達する時間が充電開始電圧(3.5V)から約5分程度である。このときも5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作され、検知と送受信される。3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。
なお、規定値の5.2V、3.5Vは一例であってこの数値に限定されない。ワイヤレスセンサ11の装置が大きくなり、発電部15の規模が大きくなれば、規定値の数値も大きくなり、逆にワイヤレスセンサ11の装置が小さく、発電部15の規模が小さければ、規定値の数値も小さくなる。
表1の機械振動の周波数と監視方法との関係に示すように、機械設備の機械振動が所定の基準値より小さい場合は、発電する電力量が小さくなるが、危険状態にないためデータ送信間隔を長くしても問題ない。一方、機械設備の機械振動が所定の基準値より大きい場合は、発電する電力量が大きくなりデータ送信間隔を短くすることで、異常のおそれ、危険状態にあることを知らせることができる。
このように機械設備の機械振動に応じた監視、データ送信をすることで、電力を無駄に消費せずに十分な監視が可能になる。
<ワイヤレスセンサを用いた監視方法の変形例1>
実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の変形例1は、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する時間間隔を所定の時間で定期的に送受信する方法である。ワイヤレスセンサ11の発電部15で発電する構成であれば、単純に定期的にセンサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する方法でもよい。
なお、本発明は、機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明は、発電機等の回転機器の機械設備の監視に限定されず、その他のベルトコンベア、加工装置のように振動するものであればその運転状態と異常の有無の監視に利用することができる。
11 ワイヤレスセンサ
12 錘
13 動吸振器構造
14 圧電素子
15 発電部
16 センサ部
17 送受信部
18 支持台
23 支点部
24 支持板材
28 三角形状の支持板材
29 四角形状の支持板材
41 監視システム
46 センサスイッチ部
43 監視装置
本発明は、回転機械設備等の振動変化を感知して運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するセンシング技術に係る。本発明は、ワイヤレスによる監視システムにおいてセンサ装置に発電機能を備えて電源配線又はバッテリの必要がないワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法に関する。
回転機械設備は運転することによりその軸受等が摩耗劣化する。その異常が原因して回転機械設備の停止あるいは故障することがある。例えば回転機械設備等の軸受の場合には、劣化が進行すると振動が大きくなる。この振動を検出する振動速度センサ等を定期的に回転機械設備の軸受近傍に取り付けて状態監視している。振動速度センサの検出結果から回転機械設備の軸受の異常状態の有無、その劣化状態を監視することにより回転機械設備を監視する状態監視システムが普及している。
小型の回転機械設備については、センサ装置及び配線費用等の監視設備費用が高いため、状態監視システムが普及していない。そこで、設置費用、運転費用が高くならないワイヤレス監視システムへの期待が高まっている。
ワイヤレス監視システムは、有線式のセンシングシステムに比べ、線材の引き回しや保守が不要であるといった利点がある。ワイヤレス監視システムは、無線通信を長時間にわたって行う必要があり、消費電力が大きく一般に大型の電源を備える必要があり、装置の小型化が困難であった。
ワイヤレス監視システムは、外部電源供給型とバッテリ搭載型が主流であり、外部電源供給型は配線工事費用が高く、バッテリ搭載型はバッテリの寿命による交換費用が高かった。そこで、ワイヤレス監視システムは、配線工事費用又はバッテリの寿命による交換費用等の理由から普及していなかった。
また、ワイヤレス監視システムは危険な場所に取り付けられる場合が多く、容易に近づくことができず、バッテリの交換が困難であることも普及していない理由となっていた。
そこで、振動検出装置内で自発電により装置内の全消費電力を十分に賄うことができ、バッテリ等の電源寿命を考慮する必要がなく、連続運転する設備の軸受等の状態を常時監視し、その異常振動を確実に検出して表示することができる機械振動発電による、回転機械の軸受等の振動検出に関する技術が提案されている。例えば特許文献1の特開平8−145783号公報「自発電源による振動検出方法及び装置」のように、振動の加速度に対応する検出信号を出力する加速度センサと、該加速度センサの出力レベルがあらかじめ設定された基準レベルを越えたときに出力を発生するレベル判定器と、該レベル判定器の出力を表示する表示器と、振動を受けたときに電荷を発生する圧電セラミックを用いた圧電セラミック電源発生部と、該圧電セラミック電源発生部の発生する電荷を直流電源に変換し、該直流電源を前記レベル判定器及び表示器の消費電源として供給する直流変換部とを備えた自発電源による振動検出装置が提案されている。
特開平8−145783号公報
特許文献1の「自発電源による振動検出方法及び装置」は、図4(a)の「周波数と発電出力の関係グラフ」に示すように、機械振動発電のように発電電源として特定周波数に合わせた発電装置では、機械振動が特定周波数の中心から少しでも逸脱すると発電能力が極端に低下するものが多かった。そこで、センサ装置に十分な給電ができず、安定した監視が困難であるという問題を有していた。
なお、センサ装置と太陽光発電又は風力発電等の発電機能とが一体となった一体型のワイヤレス監視システムも提案されている。しかし、太陽光発電方式は夜間又は屋内では発電することができず、風力発電方式は風量により安定した発電能力が得られないという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視することができるワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法を提供することにある。
本発明のワイヤレスセンサは、機械設備の運転状態と異常の有無を監視するワイヤレスセンサ(11)であって、
前記機械設備の振動が伝播するように設けられた支持台(18)と、該支持台(18)に取り付けられた支点部(23)と、該支点部(23)に板材の中間部を支点として支持された支持板材(24)と、該支持板材(24)に取り付けられた、上下動する錘(12)とを備えた、該錘(12)をシーソー状態に揺動させて機械振動の運動エネルギーを抑制、吸収する動吸振器構造(13)と、該動吸振器構造(13)の錘(12)の下方又は上方に設けられた圧電素子(14)とを有し、前記機械設備の振動が前記支持台(18)から該動吸振器構造(13)に伝播した際に前記支持板材(24)の中間部を支点として上下動する該錘(12)と該圧電素子(14)の間に設けられた作動子(25)が、該圧電素子(14)を押圧して発電する発電部(15)と、
前記機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、
前記センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備えており、
前記センサ部(16)及び送受信部(17)は、前記発電部(15)で発電した電力が供給されて動作するように構成された、ことを特徴とする。
例えば、前記センサ部(16)は、前記機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力する振動センサである。
前記発電部(15)は、
前記支持板材(24)の両側に取り付けられた一対の錘(12)と、
前記支持台(18)に取り付けられた2か所の圧電素子(14)と、を備えたものである。
また、前記発電部(15)は、
前記支持板材(24)に、該支持板材(24)が水平に維持されるように取り付けられた複数個の錘(12)と、
前記支持台(18)に取り付けられた複数個の圧電素子(14)と、を備えたものである。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視システムは、機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)であって、
前記機械設備の振動が伝播するように設けられた支持台(18)と、該支持台(18)に取り付けられた支点部(23)と、該支点部(23)に板材の中間部を支点として支持された支持板材(24)と、該支持板材(24)に取り付けられた、上下動する錘(12)とを備えた、該錘(12)をシーソー状態に揺動させて機械振動の運動エネルギーを抑制、吸収する動吸振器構造(13)と、該動吸振器構造(13)の錘(12)の下方又は上方に設けられた圧電素子(14)とを有し、前記機械設備の振動が前記支持台(18)から該動吸振器構造(13)に伝播した際に前記支持板材(24)の中間部を支点として上下動する該錘(12)と該圧電素子(14)の間に設けられた作動子(25)が、該圧電素子(14)を押圧して発電する発電部(15)と、該機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、から成るワイヤレスセンサ(11)と、
前記ワイヤレスセンサ(11)の発電部(15)で発電した電力量が予め設定された規定値を越えたときに、前記センサ部(16)で検知し、その検出信号を無線で外部出力するようにONとOFFを切り替えるセンサスイッチ部(46)と、
前記送受信部(17)からの検出信号を受信して、前記ワイヤレスセンサ(11)が備えられた機器設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置(43)と、を備えた、ことを特徴とする。
前記ワイヤレスセンサ(11)に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの工業用センサを更に設け、それぞれの電力は前記発電部(15)から給電し、それぞれの物理量信号を前記送受信部(17)から無線送受信することができる。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視方法は、機械設備の機械振動をワイヤレスセンサ(11)で感知し、その運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視方法であって、
前記機械設備の振動が伝播するように設けられた支持台(18)と、該支持台(18)に取り付けられた支点部(23)と、該支点部(23)に板材の中間部を支点として支持された支持板材(24)と、該支持板材(24)に取り付けられた、上下動する錘(12)とを備えた、該錘(12)をシーソー状態に揺動させて機械振動の運動エネルギーを抑制、吸収する動吸振器構造(13)と、該動吸振器構造(13)の錘(12)の下方又は上方に設けられた圧電素子(14)とを有し、前記機械設備の振動が前記支持台(18)から該動吸振器構造(13)に伝播した際に前記支持板材(24)の中間部を支点として上下動する該錘(12)と該圧電素子(14)の間に設けられた作動子(25)が、該圧電素子(14)を押圧して発電する発電部(15)と、機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備えたワイヤレスセンサ(11)の該発電部(15)で機械設備から生じた機械振動を用いて該センサ部(16)及び該送受信部(17)に給電する電力を発電し、かつ充電し、
前記発電部(15)で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、
前記センサ部(16)で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で前記送受信部(17)から送受信し、
一方、前記発電部(15)で発電する電力量が前記規定値に達しないときには、
発電する電力量が小さくなり、送受信する間隔は長くなるが、機械設備が危険状態にないため該送受信部(17)から送受信しない、ことを特徴とする。
例えば、前記予め設定された発電する電力量の規定値は、前記センサ部(16)及び前記送受信部(17)を共に作動させることができる電力量である。
本発明の構成のワイヤレスセンサ(11)では、センサの装置自体に発電機能が備えられているので、従来のように配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要がなくなる。そのために設置費用、維持費用を低減することができ、危険な場所に設置された機械設備の監視にも実施できる。
特に、このワイヤレスセンサ(11)は、発電部(15)に備えた動吸振器構造(13)が機械設備の振動により作動し、この動吸振器構造(13)が吸収したエネルギーにより圧電素子(14)で発電する構成である。この動吸振器構造(13)により錘(12)に伝播する振動を抑制・吸収しながら圧電素子(14)で発電できる。そこで機械設備の振動エネルギーを有効に利用することができる。即ち、この動吸振器構造(13)の動吸振器効果を利用することで、幅広い振動周波数での発電が可能となる。回転体等の機械設備による運転時に発生する機械振動から、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、機械振動が例えば特定周波数50Hzもしくは60Hzの場合でも、これをカバーすることができ、機械振動の変化による周波数変化が起きても効率良く発電することができる。
本発明の動吸振器構造(13)では、両側又は複数の錘(12)が取り付けられた支持板材(24)は、支点部(23)を支点として逆方向に回動(上下動)する。このとき支持板材(24)はシーソー状態又は傾斜させて揺動することにより機械振動の運動エネルギーが抑制・吸収される(動吸振器効果)。そこで、この動吸振器効果によりワイヤレスセンサ(11)に加わる振動を利用すると共に、圧電素子(14)で運動エネルギーにより発電することで、そのままワイヤレスセンサ(11)の電源として利用することができ、蓄電することもできる。
本発明のワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)では、配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もないので、従来よりも消費電力を大幅に削減することができ、保守に要する費用と時間の低減、装置の長寿命化を図ることができる。特に、監視システムを利用すれば、ワイヤレスセンサ(11)を小型化することができ、様々な機器設備に設置することができる。
本発明のワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システムでは、ワイヤレスセンサ(11)を回転機器等の機械設備に限定されず、工場やビルなどの機械設備であっても振動する箇所であれば、このワイヤレスセンサ(11)を備えることによって、その工場やビルなどの機械設備の運転状態と異常の有無を監視することができる。しかも複数の機械設備があるときは、異常が発見された機械設備を容易に特定することができる。
更に、ワイヤレスセンサ(11)は、振動センサ以外に、温度、圧力、流量などセンサを取り付けることで物理量データをワイヤレス送受信することができ、監視する領域を広範囲に広げることもできる。
本発明のワイヤレスセンサを用いた監視方法では、ワイヤレスセンサ(11)の発電により、機械設備の振動値を基準にしてデータ送信する時間の間隔を変化させることができる。機械設備の振動値が所定の基準値より大きい場合は、発電量が大きくなりデータ送信間隔を短くすることで、注意状態にあることを知らせることができる。一方、機械設備の振動値が所定の基準値より小さい場合は、発電量が小さくなるが、注意状態にないためデータ送信間隔を長くしても問題はない。このように機械設備の振動値に応じた監視、データ送信をすることで、電力を無駄に消費しなくても、十分な監視が可能になる。
実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサのカバーを外した状態を示す正面図である。 図1のB−B線断面図である。 発電部の動吸振器構造の原理を示す概略説明図である。 機械振動発電による周波数と発電出力の関係を示すグラフであり、(a)は従来の動吸振器構造がない場合、(b)は動吸振器構造を備えた場合である。 実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が大きいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。 実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が小さいときの発電部の発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。 実施例1の動吸振器構造による発電部の周波数特性を示すグラフである。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例1を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例2を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例3を示す概略正面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例4を示す概略平面図である。 実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例5を示す概略平面図である。 実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システムの構成を示すシステム構成図である。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の作業の流れを示すフローチャートである。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさによるデータ送信間隔の違いを示すグラフである。 実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさとデータ送信間隔を示すグラフである。
本発明のワイヤレスセンサは、機械設備の振動を利用しながら錘に伝播する動吸振器構造と、錘の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子とから成る発電部と、機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力するセンサ部と、センサ部が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部と、を備えセンサである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<ワイヤレスセンサの構成>
図1は実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサのカバーを外した状態を示す正面図である。図2は図1のB−B線断面図である。図3は発電部の動吸振器構造の原理を示す概略説明図である。
実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサ11は、回転機器などの機械設備(図示していない)の振動を利用しながら錘12に伝播する動吸振器構造13と、この錘12の振動を利用して電気エネルギーに変換する圧電素子14とから成る発電部15と、機械設備から発生する運転状態と異常を感知して検出信号を出力するセンサ部16と、このセンサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部17と、を備えた装置である。ワイヤレスセンサ11は、文字通りワイヤレスで機械設備の運転状態と異常の有無について監視する装置である。ここでワイヤレスは無線で検出信号を外部と送受信することと、電源用の配線も必要としないことを意味する。
発電部15、ワイヤレスセンサ11の支持台18と、その上方のセンサ部16と送受信部17を載せる載置板19との間に配置する。この支持台18と載置板19は複数本の支柱20で連結する。この支柱20は機械設備の振動を支持台18からセンサ部16が備えられた載置板19に伝播する重要な部材である。
これらの発電部15、センサ部16と送受信部17はカバー21で覆うようになっている。このカバー21でほこり、水分が浸入しないようになっている。支持台18の下部には機械設備に取り付ける際に利用する連結部22が設けられている。なお、図示例ではワイヤレスセンサ11の下部に発電部15を、その上部にセンサ部16と送受信部17とを配置したものを示しているが、このような配置に限定されない。この配置と逆に上部に発電部15を、下部にセンサ部16と送受信部17とを配置したもの、あるいは発電部15と、これにセンサ部16と送受信部17を並列配置したものでも良い。
<発電部15の構成>
発電部15は、機械設備の振動で錘12が振動し、この振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子14とから成る。本発明ではこの機械設備の振動について動吸振器構造13を用いて、動吸振器効果によりその振動を利用しながら錘12に伝播するようにして、効率よく発電するようになっている。
動吸振器構造13は、図3の原理説明図に示すように、錘12の振動を抑制する装置である。この動吸振器構造13は、支持台18の中間に取り付けられた支点部23に支持板材24が、この支点部23を中心にしてシーソー状に揺動自在に支持されている。この支持板材24の両側に一対の錘12が取り付けられている。この支持板材24の揺動により、2個の錘12は上下動する。この錘12の上下動方向に沿って、作動子25が支持板材24に下方へ向けて取り付けられている。この作動子25の先端(下端)は圧電素子14を押圧しやすいような形状にすることが好ましい。なお、図示例では、支持板材24の下面に作動子25が取り付けられているが、支持板材24が短いときは錘12の底部に作動子25を直接取り付けてもよい。
各作動子25の先端(下端)に配置される圧電素子14は、支持台18の2か所に取り付けられている。圧電素子14の取付箇所は錘12の個数と比例する。この錘12の個数は2個に限定されず、1個でも可能なので、後述するように、3個、4個・・と用いることができる。勿論この個数に比例して、圧電素子14も3個、4個・・と必要になる。
このように構成された動吸振器構造13では、図3の原理図に示すように、回転体等の機械設備による運転時に発生する機械振動の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、例えば機械振動の特定周波数50Hzから60Hzのように幅があってもカバーし、機械設備の回転数の変化による周波数変化が起きても、錘12に伝播する振動を抑制することにより正常に電源装置として機能する。
本発明のワイヤレスセンサ11では、センサ自体に発電機能が備えられているので、従来のように配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もない。その費用的な面だけでなく、危険な場所に設置された機械設備の監視に適している。また、太陽光発電が利用できない屋内又は暗闇に設置された機械設備の監視にも適している。
<センサ部16の構成>
センサ部16には、機械設備の運転状態、異常を感知するセンサ26が備えられている。主に、この機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力し、その機械設備の振動状態や異常を監視するセンサを用いる。例えば、ワイヤレスセンサ11に振動が伝播すれば十分であるため、センサ部16には主に接触型の加速度検出型振動センサ(圧電型、静電容量型、ひずみゲージ型)、速度検出型振動センサ(動電型)を用いる。
本発明のワイヤレスセンサ11は機械設備(回転機器)の振動を検出すると共に、その振動を利用して発電するものであるが、センサ部16は非接触型センサを用いることも可能である。即ち、振動を感知できるセンサであれば種々の形態のセンサを用いることができる。また、振動センサ以外に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの一般的な工業用センサを備えることも可能である。
<送受信部17の構成>
送受信部17はセンサ部16が出力する検出信号を無線で外部と送受信する無線モジュールが備えられている。この送受信部17(無線モジュール)からの検出信号を例えば監視装置43が受信する。この監視装置43により機械設備の運転状態と異常感知の有無を監視することができる。
<機械振動発電による周波数と発電出力の関係>
図4は機械振動発電による機械振動の周波数と発電出力の関係を示すグラフであり、(a)は従来の動吸振器構造がない場合、(b)は動吸振器構造を備えた場合である。
図4(a)の従来の場合に示すように、機械振動発電のように発電電源として特定周波数(50Hzまたは60Hz)に合わせた発電装置では、特定周波数中心から少しでも逸脱すると発電能力が極端に低下する。本発明の実施例1のワイヤレスセンサ11のように動吸振器構造13を備えた発電部15を有する装置では、図4(b)に示すように、機械振動が発電の特定周波数からズレても、必要量の発電が可能である。振動周波数が50Hzから60Hzの場合でもエネルギーとして必要なレベルの出力が可能になる。
<機械振動発電による発電時間と発生電圧の関係>
図5は実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が大きいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。図6は実施例1のワイヤレスセンサの動吸振器構造による機械振動値が小さいときの発電部の発電時間と発生電圧との関係を示すグラフである。図7は実施例1の動吸振器構造による発電部の周波数特性を示すグラフである。
図5は加振周波数が60Hz 6mm/sの場合の発生電圧を示し、発電時間が10分程度で5.0VDCの電圧を発生させることができる。図6は加振周波数が60Hz 2mm/sの場合の発生電圧を示し、発電時間を40分程度にすると5.0VDCの電圧を発生させることができる。図7は動吸振器構造13による発電部15の周波数特性のグラフを示し、機械振動の特定周波数50Hzおよび60Hzをカバーして、機械振動の変化による周波数変化が起きても正常に電源装置として機能する動吸振器構造により振動計測を行うことができる。
<動吸振器構造の変形例1>
図8は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例1を示す概略正面図である。
ワイヤレスセンサ11の発電部15は、動吸振器構造13を構成する錘12の下部に圧電素子14を配置する構成に限定されない。振動する錘12で作動子25が圧電素子14を押圧する構成であればよい。そこで、図8に示すように錘12の上部に圧電素子14を配置することもできる。このような配置であっても、錘12の振動により作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。
<動吸振器構造の変形例2,3>
図9は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例2を示す概略正面図である。図10は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の圧電素子の配置を変えた変形例3を示す概略正面図である。
同様に、図9に示すように錘12の外側部に圧電素子14を配置することもできる。このような配置であっても、錘12の作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。更に、図10に示すように1対の錘12で、2個に圧電素子14を挟むように配置することもできる。このような配置であっても、錘12の作動子25が圧電素子14を押圧すれば発電することができる。
<動吸振器構造の変形例4>
図11は実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例4を示す概略平面図である。
動吸振器構造13を構成する錘12は1対即ち2個に限定されない。図11に示すように3個の錘12を、三角形状の支持板材28に取り付けた構成でもよい。このときは3個の錘12が支点部23で平衡に支持されるように取り付ける。3個の各錘12の個数に相応するように3か所の圧電素子14を配置する。3個の各錘12に作動子25を取り付け、各作動子25がそれぞれの圧電素子14に当たるようにする。このような構成であっても、振動に際して発電することができる。
<動吸振器構造の変形例5>
図12実施例1のワイヤレスセンサの発電部の動吸振器構造の錘の個数の変形例5を示す概略平面図である。
動吸振器構造13を構成する錘12を図12に示すように4個の錘12を、正方形状の支持板材29に取り付けた構成でもよい。このときも4個の錘12が支点部23で平衡に支持されるように取り付ける。これも前述したように、4個の各錘12の作動子25を取り付け、圧電素子14に当たるようにする。更に、5個、6個と錘12の個数は図示例に限定されない。
<ワイヤレスセンサを用いた監視システムの構成>
図13は実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システムを示すシステム構成図である。
実施例2のワイヤレスセンサを用いた監視システム41は、実施例1の発電機能を有するワイヤレスセンサ11を用いて、機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するシステムである。
このワイヤレス監視システム41は、センサ部16と送受信部17とが備えられたワイヤレスセンサ11と、センサ部16で検出した検出信号その他の機械設備に関する情報データを送受信する送受信部17と、この検出信号等のデータを送受信部42で受信して、この情報に基づいて、機械設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置43とから構成されたシステムである。
なお、監視する対象の機械設備が複数あるとき、又は1台の機械設備に監視する箇所が複数あるときは、複数のワイヤレスセンサ11を設置し、監視装置43はそのワイヤレスセンサ11の設置場所と共にその異常感知の有無を監視する。
ワイヤレスセンサ11に備えられた発電部15で発電し、充電部44で充電される。この充電部44に充電された電力は、センサ部16における検出と、送受信部17の送受信の際の電源として利用される。更に、実施例2のワイヤレス監視システム41を駆動する制御部45、センサスイッチ部46の駆動の電源としても利用される。
この監視システム41は、発電部15とセンサ部16の制御回路、RAM、ROMの記憶回路、演算回路による中央処理部(CPU)(制御部45)と共に、送受信部17の無線モジュールとを装備している。この無線モジュール(送受信部17)により、センサ部16の振動センサ(センサ部16)及びその他のセンサ(センサ部16)で機械設備から発生する振動又はその他のデータを感知して検出信号を出力し、この検出信号を監視装置43の送受信部42に送受信する。この監視装置43では、機械設備から発生する振動に基づく運転状態と異常の有無を感知する。制御部45にはリアルタイムクロック47が備えられている。
ワイヤレスセンサ11に備えられた発電部15で発電し、充電部44で充電される。充電部44は例えばコンデンサによって構成される。この充電部44に充電された電力は、センサ部16における検出と、送受信部17の送受信の際の電源として利用される。更に、実施例2のワイヤレス監視システム41を駆動する制御部45、センサスイッチ部46の駆動の電源としても利用される。発電部15において錘12の振動によって交流電荷を発生し、この発生した交流電荷を直流電圧に変換し、直流変換部(DC/DC)48でセンサ部16、送受信部17と制御部45の駆動電圧に変換して給電する。
センサスイッチ部46は、センサ部16と送受信部17を作動させ、停止する機能を有する。このセンサスイッチ部46がON状態のときに、充電部44の電力をセンサ部16と送受信部17に供給可能とし、センサスイッチ部46がOFF状態の時に充電部44の電力供給を停止するように構成されている。
このセンサスイッチ部46は、判定部47により充電部44が発電部15で発電量が一定の規定値を越えたときに、ONとOFFとを切り替えることを判定する。
センサスイッチ部46は、センサ部16と送受信部17を作動させ、停止する機能を有する。このセンサスイッチ部46がON状態のときに、充電部44の電力をセンサ部16と送受信部17に供給可能とし、センサスイッチ部46がOFF状態の時に充電部44の電力供給を停止するように構成されている。センサ部16と送受信部17は、センサスイッチ部46を介して充電部44に充電された電力が所定の電力量に達した場合にも起動される。
監視装置43は、ワイヤレスセンサ11の送受信部17からの送信データを受信する送受信部42と、この送受信部42に接続されたコンピュータ49によって構成されている。コンピュータ49は、送受信部42が受信した受信データを取得し、ワイヤレスセンサ11が取得した機械設備の運転状態の表示や各種設定を行う。
更に、ワイヤレスセンサ11は、振動センサ以外に、温度、圧力、流量などセンサを取り付けることで物理量データをワイヤレス送受信することができ、監視する領域を広範囲に広げることもできる。
また、このワイヤレスセンサ11を用いた監視システムでは、ワイヤレスセンサ11を回転機器等の機械設備に限定されず、工場やビルなどの機械設備であって振動する箇所であれば、このワイヤレスセンサ11をそれぞれに備えることによって、工場やビルなどの機械設備の運転状態と異常の有無を監視することができる上に、異常が見つかった場所を容易に特定することができる。
本発明のワイヤレスセンサ11を用いた監視システム41では、配線工事が不要になり、またバッテリを交換する必要もないので、従来よりも消費電力を大幅に削減することができ、保守に要する費用や時間の低減、装置の長寿命化を図ることができる。特に、監視システムを利用すれば、ワイヤレスセンサ11を小型化することができ、様々な機器設備に設置することができる。
<ワイヤレスセンサを用いた監視方法の構成>
図14は実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の作業の流れを示すフローチャートである。図15は実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法における機械振動の大きさによるデータ送信間隔の違いを示すグラフである。図16は機械振動の大きさとデータ送信間隔を示すグラフである。
実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法は、発電部15で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する方法である。この監視方法では、単に自動的に監視対象物の状況を知らせるだけでなく、発電部15で発電する電力の発電状況、即ち監視対象物の機械設備の運転状態に応じて、センサ部16と送受信部17からの送受信する時間を異ならしめて監視している。
予め設定された発電する電力量の規定値は、例えば、センサ部16及びセンサ部16を共に作動させることができる電力量である。図13に示すように、発電部15が機械振動により発電し、充電部44に充電され、図示例では5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作される。次に、センサ部16と送受信部17で電力が消費されて、3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。これにより、発電部15で発電する電力量が予め設定された規定値(5.2V)に達したときに、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17からデータ送信する。
このとき、図15に示すように、機械設備の振動が小さく機械振動の周波数が60Hzで2mm/sで加振のときは、発電部15の発電する電力量が小さいので、規定値(5.2V)に達する時間が充電開始電圧(3.5V)から約20分かかる。このとき5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作され、検知と送受信される。3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。
一方、機械設備の振動が大きく機械振動の周波数が60Hzで6mm/sで加振のときは、発電部15の発電する電力量が大きいので、規定値(5.2V)に達する時間が充電開始電圧(3.5V)から約5分程度である。このときも5.2Vに達したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がON動作され、検知と送受信される。3.5Vに低下したときに、センサ部16と送受信部17のセンサスイッチ部46がOFF動作される。
なお、規定値の5.2V、3.5Vは一例であってこの数値に限定されない。ワイヤレスセンサ11の装置が大きくなり、発電部15の規模が大きくなれば、規定値の数値も大きくなり、逆にワイヤレスセンサ11の装置が小さく、発電部15の規模が小さければ、規定値の数値も小さくなる。
表1の機械振動の周波数と監視方法との関係に示すように、機械設備の機械振動が所定の基準値より小さい場合は、発電する電力量が小さくなるが、危険状態にないためデータ送信間隔を長くしても問題ない。一方、機械設備の機械振動が所定の基準値より大きい場合は、発電する電力量が大きくなりデータ送信間隔を短くすることで、異常のおそれ、危険状態にあることを知らせることができる。
このように機械設備の機械振動に応じた監視、データ送信をすることで、電力を無駄に消費せずに十分な監視が可能になる。
<ワイヤレスセンサを用いた監視方法の変形例1>
実施例3のワイヤレスセンサを用いた監視方法の変形例1は、センサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する時間間隔を所定の時間で定期的に送受信する方法である。ワイヤレスセンサ11の発電部15で発電する構成であれば、単純に定期的にセンサ部16で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、その検出信号を無線で送受信部17から送受信する方法でもよい。
なお、本発明は、機械設備から運転時に発生する機械振動を電気エネルギーに変換し、電源として活用することで、電源配線又はバッテリの必要がなく、機械設備における機械振動の周波数変化が起きても安定した発電能力が得られ、機械設備の運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明は、発電機等の回転機器の機械設備の監視に限定されず、その他のベルトコンベア、加工装置のように振動するものであればその運転状態と異常の有無の監視に利用することができる。
11 ワイヤレスセンサ
12 錘
13 動吸振器構造
14 圧電素子
15 発電部
16 センサ部
17 送受信部
18 支持台
23 支点部
24 支持板材
25 作動子
28 三角形状の支持板材
29 四角形状の支持板材
41 監視システム
46 センサスイッチ部
43 監視装置

Claims (8)

  1. 機械設備の運転状態と異常の有無を監視するワイヤレスセンサ(11)であって、
    前記機械設備の振動を利用しながら錘(12)に伝播する動吸振器構造(13)と、該錘(12)の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子(14)と、から成る発電部(15)と、
    前記機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、
    前記センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備え、
    前記センサ部(16)及び送受信部(17)は、前記発電部(15)で発電した電力が供給されて動作するように構成された、ことを特徴とするワイヤレスセンサ。
  2. 前記センサ部(16)は、前記機械設備から発生する振動を感知して検出信号を出力する振動センサである、ことを特徴とする請求項1のワイヤレスセンサ。
  3. 前記発電部(15)は、
    板材の中間を支点部(23)で上下動自在に支持された支持板材(24)と、
    前記支持板材(24)の両側に取り付けられた一対の錘(12)と、
    支持台(18)に取り付けられた2か所の圧電素子(14)と、を備えた、前記動吸振器構造(13)により、
    前記支持板材(24)と共に振動する前記錘(12)が、前記圧電素子(14)を作動させることにより、この振動エネルギーで発電するように構成された、ことを特徴とする請求項1又は2のワイヤレスセンサ。
  4. 前記発電部(15)は、
    板材の中心を支点部(23)で上下動自在に支持された支持板材(24)と、
    前記支持板材(24)に、該支持板材(24)が水平に維持されるように取り付けられた複数個の錘(12)と、
    前記支持台(18)に取り付けられた複数個の圧電素子(14)と、を備えた、前記動吸振器構造(13)により、
    前記支持板材(24)と共に振動する前記錘(12)が、各圧電素子(14)を作動させることにより、この振動エネルギーで発電するように構成された、ことを特徴とする請求項1又は2のワイヤレスセンサ。
  5. 機械設備の振動変化を感知して、運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視システム(41)であって、
    前記機械設備の振動を利用しながら錘(12)に伝播する動吸振器構造(13)と、該錘(12)の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子(14)と、から成る発電部(15)と、該機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、から成るワイヤレスセンサ(11)と、
    前記ワイヤレスセンサ(11)の発電部(15)で発電した電力量が予め設定された規定値を越えたときに、前記センサ部(16)で検知し、その検出信号を無線で外部出力するようにONとOFFを切り替えるセンサスイッチ部(46)と、
    前記送受信部(17)からの検出信号を受信して、前記ワイヤレスセンサ(11)が備えられた機器設備の運転状態と異常感知の有無を監視する監視装置(43)と、を備えた、ことを特徴とするワイヤレスセンサを用いた監視システム。
  6. 前記ワイヤレスセンサ(11)に、温度センサ、圧力センサ、流量センサなどの工業用センサを更に設け、それぞれの電力は前記発電部(15)から給電し、それぞれの物理量信号を前記送受信部(17)から無線送受信する、ことを特徴とする請求項5のワイヤレスセンサを用いた監視システム
  7. 機械設備の機械振動をワイヤレスセンサ(11)で感知し、その運転状態と異常感知の有無をワイヤレスで監視するワイヤレスセンサ(11)を用いた監視方法であって、
    前記機械設備の機械振動を利用しながら錘(12)に伝播する動吸振器構造(13)と、該錘(12)の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子(14)と、から成る発電部(15)と、機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力するセンサ部(16)と、該センサ部(16)が出力する検出信号を無線で外部と送受信する送受信部(17)と、を備えたワイヤレスセンサ(11)の該発電部(15)で機械設備から生じた機械振動を用いて該センサ部(16)及び該送受信部(17)に給電する電力を発電かつ充電し、
    前記発電部(15)で発電する電力量が予め設定された規定値に達したときに、
    前記センサ部(16)で機械設備の運転状態と異常の有無を感知して検出信号を出力し、
    その検出信号を無線で前記送受信部(17)から送受信する、ことを特徴とするワイヤレスセンサを用いた監視方法。
  8. 前記予め設定された発電する電力量の規定値は、前記センサ部(16)及び前記送受信部(17)を共に作動させることができる電力量である、ことを特徴とする請求項7のワイヤレスセンサを用いた監視方法。
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