JP2016148621A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】より確実にバスバーを電流センサに固定することができて、測定誤差を抑制することが可能な電流センサを提供する。【解決手段】少なくとも磁気センサ15を収納した筐体11Aと、バスバー13Aを備える電流センサであって、筐体は、バスバーが挿入された貫通穴12Aを有し、貫通穴は、磁気センサの非感磁方向に沿って筐体を貫通し、貫通方向の両端にそれぞれ開口部12a,12bを有し、バスバーは、長手方向の両端部13a,13bが貫通穴の外に露出して設けられ、バスバーは筐体から取り外し可能であり、バスバーに対する平面視で、バスバーの幅の範囲内に磁気センサが配置され、貫通穴は、開口部2つの幅が互いに異なり、バスバーは、貫通穴の内部に挿入された部分において、幅が開口部2つの小さい方の幅よりも大きい部分を有し、少なくとも貫通穴の開口部両方における幅と、開口部両方に対応するバスバーの幅とは同一である。【選択図】図4

Description

本発明は、バスバーに流れる電流を測定する電流センサに関する。
リング状の磁性体コア(リングコア)とリングコアのギャップ内に配置したホールセンサから構成される電流センサが広く使われている。このような電流センサは、電流が流れる際に発生する磁界をリングコアに集め、ホールセンサで磁界を検出することにより、電流を測定することができる。電流が流れる測定対象物(バスバー、ケーブル等)の周囲をリングコアが取り囲んでいるため、測定対象物がリングコアに対して変位しても、アンペールの法則によりホールセンサが検出する磁界の変動は小さく、結果として電流測定結果への影響は小さい。
しかし、上記の電流センサでは、リングコアが大きいために小型化が困難であるという問題があった。
従来のリングコアの課題に対し、最近では、リングコアを廃することにより小型化と高精度を実現したコアレス型電流センサが提案されている。コアレス型電流センサ(例えば特許文献1〜4を参照)は、外部からの磁気ノイズを遮蔽するための磁気シールド板と、磁気センサとバスバーとが一体化された構造を有し、バスバーから発生した磁界を磁気センサで検出して電流を測定する。
国際公開第2013/176271号 特開2014−25718号公報 特許第5173768号公報 特開2013−171013号公報
コアレス型電流センサは、バスバーから発生した磁界を集めるリングコアを有しないため、各部材の位置がずれると磁気センサに印加される磁界が変動し、電流測定結果に誤差が生じる。したがって、バスバーを含めた各部材を一体化して相互に固定された状態にする必要がある。バスバーが電流センサに一体化されているため、電流センサを使用する際には、電流センサを設置する部分のバスバーを切り離し、その前後のバスバーを電流センサのバスバーと接続する工程がある。バスバーの接続箇所が増えるため、組み立ての手間が増えるだけでなく、バスバー接続部の接触抵抗によって発熱しやすい問題がある。
バスバー接続部に発熱があると、発熱が周囲に与える影響があるだけでなく、電流センサの温度上昇により測定精度が低下する問題がある。このように、従来のコアレス型電流センサでは、バスバーが電流センサに一体化されていることにより種々の問題があるため、バスバーが別体で、電流センサを使用する際にバスバーを差し込んで使用できるコアレス型電流センサが望まれる。
電流センサにバスバーを挿入するために貫通穴を設け、貫通穴と同形状かつ同寸法のバスバーを挿入しようとした場合、貫通穴やバスバーの寸法にばらつきがあるために、必ずしも両者が確実に嵌合するとは限らない。バスバーの寸法が貫通穴の寸法より過度に大きいと、貫通穴を無理に広げながらバスバーを挿入するために、人手で組み立てるには大変になるだけでなく、磁気シールドと磁気センサから構成される磁気回路の配置が崩れ、測定誤差の原因になる。最悪の場合は、バスバーが貫通穴に挿入できないことになる。バスバーの寸法が貫通穴の寸法より小さいと、バスバーが貫通穴に固定されないので、感度が設計からずれたり、使用中に電流センサがバスバーに対して動いて電流測定結果が変動したりする等、測定誤差の原因になる。
また、磁気センサ直下のバスバー断面寸法の違いによっても、バスバーから発生する磁界が変化するために測定誤差が生じる。このように、バスバーが別体のコアレス型電流センサの実現は、非常に困難と考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より確実にバスバーを電流センサに固定することができて、測定誤差を抑制することが可能な電流センサを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、少なくとも磁気センサを収納した筐体と、バスバーを備える電流センサであって、前記筐体は、前記バスバーが挿入された貫通穴を有し、前記貫通穴は、前記磁気センサの非感磁方向に沿って前記筐体を貫通し、貫通方向の両端にそれぞれ開口部を有し、前記バスバーは、その長手方向に沿って前記貫通穴に挿入されて、前記長手方向の両端部が前記貫通穴の外に露出して設けられ、前記バスバーは前記筐体から取り外し可能であり、前記貫通穴に挿入された前記バスバーに対する平面視で、前記バスバーは、前記長手方向の両端部の間に、第1の側部及び第2の側部を有し、前記バスバーの前記第1の側部から前記第2の側部までの区間に対応する幅の範囲内に、前記磁気センサが配置され、前記平面視において、前記貫通穴は、前記開口部2つの幅が互いに異なり、前記バスバーは、前記貫通穴の内部に挿入された部分において、前記第1の側部から前記第2の側部までの区間に対応する幅が、前記開口部2つの小さい方の幅よりも大きい部分を有し、少なくとも前記貫通穴の前記開口部両方における幅と、前記開口部両方に対応する前記バスバーの幅とは同一であることを特徴とする電流センサを提供する。
前記平面視において、前記貫通穴の幅及び前記バスバーの幅は、少なくとも前記磁気センサを含む区間において一定であることが好ましい。
前記貫通穴に挿入された前記バスバーは、前記平面視において前記磁気センサの中心を通り前記非感磁方向に沿う直線に対して、対称な形状を有することが好ましい。
本発明によれば、貫通穴に挿入されたバスバーは、開口部2つの小さい方の幅よりも幅の大きい部分が貫通穴の内部に嵌合し、貫通穴の開口部両方における幅と、開口部両方に対応するバスバーの幅とが同一であることにより、より確実にバスバーを電流センサに固定することができる。これにより、測定誤差を抑制することが可能になる。
(a)筐体、及び(b)電流センサの外観の一例を示す斜視図である。 第1実施形態におけるバスバーの(a)挿入前、及び(b)挿入後の状態を示す断面図である。 第2実施形態におけるバスバーの(a)挿入前、及び(b)挿入後の状態を示す断面図である。 (a)は筐体の外観の一例を示す斜視図、(b)は(a)の平面S1上で貫通穴に対するバスバーの挿入状態を示す断面図、(c)は(a)の平面S2上でバスバーに対する磁気シールド及び磁気センサの配置を示す断面図である。 (a)及び(b)は、内部に幅が一定の区間を有する貫通穴を例示する断面図である。 (a)及び(b)は、中間部に幅が変化する区間を有するバスバーを例示する平面図である。 実施例及び比較例において感度誤差を測定した結果を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1(a)に、電流センサの筐体の一例を示し、図1(b)に、電流センサの一例を示す。電流センサ10は、筐体11の貫通穴12にバスバー13が挿入された構造を有する。筐体11には、少なくとも磁気センサ(図4参照)が収納されている。筐体11は、例えば樹脂等の非磁性材料から形成されている。筐体11は、バスバー13を挿入できる貫通穴12を有する。図1において、バスバー13が配置される平面14上の断面を、図2及び図3に示す。図2及び図3において、図の左右が幅方向であり、上下が長手方向である。
図2のバスバー13A及び図3のバスバー13Bは、平面視において、幅が連続的に直線状(線形的)に変化する台形状である。バスバー13A,13Bは、その長手方向に沿って貫通穴12A,12Bに挿入されて、長手方向の両端部13a,13bが貫通穴12A,12Bの外に露出して設けられる(図2(b)及び図3(b)参照)。バスバー13A,13Bは、筐体11から取り外し可能である。バスバー13A,13Bの両端部13a,13bは、電流が流れる測定対象物(バスバー、ケーブル等)に接続可能である。図示例では、バスバーの両端部と測定対象物との接続部は、筐体の外部に露出されている。なお、筐体は、貫通穴から離れた箇所で、接続部を保護するため、接続部を覆う構造(突出部、張り出し部等)を有してもよい。
バスバー13A,13Bは、長手方向の両端部13a,13bの間に、第1の側部13c及び第2の側部13dを有する。バスバー13Aの幅方向の両側部13c,13dは、図2(a)に上向きの矢印で示される挿入方向に対して、いずれも傾斜している。バスバー13Bでは、一方の側部13cが挿入方向と平行であり、他方の側部13dが挿入方向に対して、傾斜している。バスバー13Bの一方の側部13cが両端部13a,13bと直角である場合、製作が容易になる。なお、図3では、左側の側部13cが挿入方向と平行で、右側の側部13dが挿入方向に対し傾斜している例を示すが、両者の関係を逆にして、右側の側部を挿入方向と平行にし、左側の側部を挿入方向に対し傾斜させてもよいのはいうまでもない。図示例のバスバー13A,13Bは、少なくとも貫通穴12A,12Bに挿入される範囲において、穴や切欠等のない、均質な平板状である。
図2の貫通穴12A及び図3の貫通穴12Bは、それぞれ平面形状がバスバー13A,13Bと一致するように設計されている。つまり、バスバー13A,13Bの一方の側部13cが貫通穴12A,12Bの一方の側壁12cと一致する(互いの方向が平行になる)と共に、他方の側部13dが他方の側壁12dと一致する(互いの方向が平行になる)ように構成されている。このようなバスバー13A,13Bを貫通穴12A,12Bに挿入して電流センサ10を組み立てると、バスバー13A,13Bの幅や貫通穴12A,12Bの幅が、設計中心からずれても、バスバー13A,13Bの側部13c,13dが貫通穴12A,12Bの側壁12c,12dに突き当たる位置までバスバー13A,13Bを挿入すれば(図4(b)を参照)、貫通穴12A,12Bに無理な力を与えたり、バスバー13A,13Bががたついたりすることなく、バスバー13A,13Bの位置を決めることができる。本実施形態によれば、貫通穴12A,12Bを無理に広げながらバスバー13A,13Bを挿入することがなくなるため、より容易に人手で組み立てることができるようになる。また、磁気シールド16,17と磁気センサ15から構成される磁気回路の配置が崩れることを抑制することができるようになるため、測定誤差を抑制することが可能になる。また、より確実にバスバー13A,13Bを貫通穴12A,12Bに挿入することができる。
図4(a)は、図2の筐体11Aの外観に平面S1及びS2の位置を示した説明図である。図4(b)は、図4(a)の平面S1上で貫通穴12Aに対するバスバー13Aの挿入状態を示す断面図である。図4(c)は、図4(a)の平面S2上でバスバー13Aに対する磁気センサ15及び磁気シールド16,17の配置を示す断面図である。
図2に示す第1実施形態では、挿入方向に対してバスバー13Aの側部13c,13dの両方が傾斜して(テーパを有して)いて、両側部13c,13dが貫通穴12Aの側壁12c,12dに突き当たることができる。図4(b)には図示しないが、図3に示す第2実施形態でも同様であるので、重複する説明は省略する。ただし、図3では、バスバー13Bの片方の側部13dが傾斜して(テーパを有して)いて、当該側部13dが貫通穴12Bの側壁12dに突き当たることができる。
磁気センサ15は、バスバーに平行な面に沿って、磁界の感度が高い(最大の)方向(感磁方向)と、磁界の感度が低い(最小の)方向(非感磁方向)を有する。磁界の感度が0となる方向が一定の範囲(0°より大きい角度)に分布する場合、感度が最小の方向は一意に定まらないことから、感磁方向に垂直な方向として非感磁方向を定めてもよい。感磁方向は、バスバーに流れる電流により発生する磁界の方向に沿うべきものであることから、図4(b)の平面視では、バスバー13Aの幅方向が感磁方向で、バスバー13Aの長手方向が非感磁方向とされている。貫通穴12Aは、磁気センサ15の非感磁方向に沿って筐体11Aを貫通し、貫通方向の両端にそれぞれ開口部12a,12bを有する。磁気センサ15は、貫通穴12Aに挿入されたバスバー13Aに対する平面視で、バスバー13Aの幅の範囲内に配置される。ここで、バスバー13A,13Bは、第1の側部13cから第2の側部13dまでの幅の範囲内で、穴等の欠落はなく、平面視において、磁気センサ15は、バスバー13A,13Bの上または下に重なるように配置される。
平面視において、貫通穴の2つの開口部12a,12bは、幅が互いに異なる。図2〜図4に示す例では、幅が大きい側の開口部12aは、バスバーを挿入する際に入口となり、幅が小さい側の開口部12bは、バスバーを挿入する際に出口となる。貫通穴12A,12Bの幅は、幅が広い開口部12aから幅が狭い開口部12bに向けて、徐々に小さくなっている。バスバー13A,13Bは、貫通穴12A,12Bの内部に挿入された部分において、幅が小さい方の開口部12bの幅よりも、幅が大きい部分を有することで、貫通穴12A,12Bの側壁12c,12dに突き当たって位置決めすることが可能である。なお、バスバー13A,13Bの幅とは、第1の側部13cから第2の側部13dまでの区間に対応する寸法である。少なくとも貫通穴12A,12Bの両方の開口部12a,12bにおける幅と、開口部12a,12b両方に対応するバスバー13A,13Bの幅とが同一である(つまり、少なくとも2箇所の開口部12a,12bにおいて、貫通穴12A,12Bの幅とバスバー13A,13Bの幅とが同一である)ことにより、がたつきを防止できる。バスバーの長手方向における断面視において、図4(c)では、バスバー13Aの外形が長方形であるが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、台形や逆台形等、バスバーの上面と下面における幅が異なる形状である場合、バスバーの最大の幅と開口部の幅が同一であればよい。
図4(b)の平面視で磁気センサ15の直下(または直上)のバスバー13Aの幅Woは、バスバー13Aの幅寸法がばらついても、貫通穴12Aの幅により決まるので、バスバー13Aの挿入位置によらず、一定である。このように、磁気センサ15の位置におけるバスバー13Aの幅Woが常に一定で、かつ、貫通穴12Aに対してバスバー13Aのがたつきがないので、測定誤差を低減することができる。電流センサの感度ずれが、±0.1%以内に収まる程度に、貫通穴12A,12Bの幅及びバスバー13A,13Bの幅の変動が小さいことが好ましい。ここで、感度ずれの基準値としては、電流センサの設計及び製造工程において設定される、電流センサの感度の値が挙げられる。
図4(b)において、左側の図は、バスバー幅が設計中心に等しい場合を示し、中央の図は、バスバー幅が設計中心より大きい場合を示し、右側の図は、バスバー幅が設計中心より小さい場合を示す。バスバー幅が設計中心より大きい場合、バスバーは設計中心に等しい場合に比べ、より奥まで挿入される。バスバー幅が設計中心より小さい場合、バスバーは設計中心に等しい場合に比べ、手前側で突き当たって止まる。
しかし、貫通穴の寸法が設計中心からずれていると、磁気センサ15の位置におけるバスバーの幅Woも設計中心からずれることになり、磁気センサ15に印加する磁界が変化して感度がずれてしまう。貫通穴は、電流センサの筐体において、磁気センサ及び磁気磁シールドとともに形成されることから、貫通穴、磁気センサ及び磁気磁シールドを有する筐体を組み立てた後で、電流センサの感度を補正してもよい。
貫通穴に挿入されたバスバーは、平面視において磁気センサ15の中心を通り、非感磁方向に沿う直線Loに対して、対称な形状(すなわち、線対称)であることが好ましい。なお、図5(b)では、上下に延びる直線Loに対して、バスバーが左右対称な形状である。これにより、バスバーから発生する磁界が磁気センサの周囲で対称性を有することとなり、非対称性に起因する感度の低下を抑制することができる。
感度補正方法の一例として、磁気センサ回路の補正が挙げられる。まず、貫通穴にバスバーを挿入して、所定の電流を流し、電流センサの感度(電流に対する感度)を測定し、感度の設計値と比較することにより、感度のずれを求めることができる。感度にずれがあった場合、磁気センサ回路の補正により、磁気センサの感度(磁界に対する感度)を電流センサの感度に変換する係数等を修正することで、電流センサの感度を設計に合わせて補正することができる。補正係数は、電流センサの感度のずれの程度(差分、比率等)に応じて求めることができる。このような電流センサは、磁気センサに補正係数を入力して回路に書き込むことが可能な入力デバイス及び記録領域を有することが好ましい。
感度補正の際に使用するバスバーは、電流センサの実使用時に用いるバスバー自体である必要はなく、同様の形状及び寸法を有する感度補正用バスバーを用意してもよい。感度補正用バスバーは、ある電流センサの感度を補正した後に貫通穴から抜き取って、別の電流センサの感度補正に再利用することができる。実使用時のバスバーと同じ寸法の感度補正用バスバーを用いて感度補正を行うことにより、貫通穴の寸法ばらつきによる電流センサの感度のばらつきを抑制することができる。
バスバーの厚みは、均一である方が、加工が容易であるため、好ましい。バスバーの表面は、スズ、亜鉛等、非磁性材料を有することが好ましい。また、バスバーのうち、電流センサの筐体(貫通穴)の内部に設置される領域のみを非磁性材料とすることでもよい。
磁気シールドの構成は特に限定されないが、図4(c)に示すように、2枚の板状のシールド体であってもよい。この場合、2枚の磁気シールド16,17の間にバスバー13と磁気センサ15が配置される。
図2及び図3に示すバスバー13A,13Bの場合、その幅は、長手方向の全長にわたり、一方の端部13aから他方の端部13bまで連続的に、かつ線形的に変化している。同様に、貫通穴12A,12Bの幅も、一方の開口部12aから他方の開口部12bまで連続的に、かつ線形的に変化している。本発明は、これらに限定されるものではなく、幅が変化する箇所を長手方向の一部の区間だけにしたり、幅の変化する態様を変更することが可能である。
図5の(a)及び(b)には、貫通穴12C,12Dが一部の区間21,23で、幅を線形的に変化させた筐体11C,11Dの例を示す。図5に示す例では、開口部12a,12b付近で幅を線形的に変化させ、テーパを有するバスバー(図示せず)の突き当たりを可能にし、中間の区間22で貫通穴12C,12Dの幅を一定にしている。バスバーの平面形状は、貫通穴12C,12Dと同様であるが、図2及び図3のバスバー13A,13Bと同様に、テーパを有する部分を貫通穴12C,12Dに突き合わせることで、がたつきを防ぐことができる。図5(a)は、区間21,23における貫通穴12Cの側壁が、図2の貫通穴12Aと同様に、幅方向の両側で傾斜して(テーパを有して)いる例である。図5(b)は、区間21,23における貫通穴12Dの側壁が、図3の貫通穴12Bと同様に、幅方向の片側で傾斜して(テーパを有して)いる例である。入口側の区間21の傾斜角と出口側の区間23の傾斜角は、互いに等しいことが好ましい。
感度のずれを抑制するためには、少なくとも磁気センサ(図4の磁気センサ15参照)が配置された箇所において、バスバーの幅が一定であることが好ましい。貫通穴12C,12Dの幅が一定の区間22では、バスバーを突き合わせる必要がないので、この区間22における貫通穴の幅は、バスバーの幅より大きくても構わない。平面視で、貫通穴の幅が一定の区間22に磁気センサが配置され、区間22の長さが、磁気センサの長さ(バスバー長手方向に沿う寸法)より十分に長く、かつ、この区間22の全体でバスバーの幅が一定である場合、磁気センサの設計上の位置に対して、バスバーの長手方向にずれがあっても、磁気センサの位置におけるバスバーの幅が一定になるので、感度のずれを抑制することができる。
図5では、中間の区間22における貫通穴12C,12Dの幅を一定にしているが、特にこれに限定されず、バスバーの幅より広ければ、別の形状でもよい。中間の区間22で貫通穴の幅が一定の直線状であるほうが、バスバーを挿入する際に円滑な挿入が可能になるので、好ましい。
図6の(a)及び(b)は、バスバー13E,13Fの一部の区間31,32で幅を線形的に変化させた例を示す。区間31,32は、電流センサの組み立て後に、バスバー13E,13Fが筐体の貫通穴(図示せず)内に収容される区間を含む。図2及び図3のバスバー13A,13Bと同様に、バスバー13E,13Fがテーパを有する区間31,32を貫通穴に突き合わせることで、がたつきを防ぐことができる。バスバー13E,13Fが挿入される貫通穴の形状は、図2及び図3に示す貫通穴12A,12Bと同様でもよい。図5(a)は、図2のバスバー13Aと同様に、バスバー13Eの側部13c,13dの両方が傾斜して(テーパを有して)いる例である。図5(b)は、図3のバスバー13Bと同様に、バスバー13Fの側部13c,13dの片方が傾斜して(テーパを有して)いる例である。
バスバーのうち、電流センサの組み立て後に貫通穴内に収容されない区間では、形状は任意である。バスバーの幅を変化させなくてもよく、あるいは貫通穴内に収容される区間とは逆向きに幅が変化してもよい。バスバーは、貫通穴に挿入する際に、貫通穴の内部に挿入されない端部13aと、貫通穴の内部を通過し、その後外に出てくる端部13bとを有する。
貫通穴の内部を通過する端部13bは、筐体の貫通穴の出口側(幅が狭い側)に配置され、バスバーの幅が貫通穴の最小幅以下である。貫通穴の内部に挿入されない端部13aは、筐体の貫通穴の入口側(幅が広い側)に配置される。入口側の端部13aにおいて、バスバーの幅は特に限定されず、貫通穴の入口幅より小さくてもよく、大きくてもよく、入口幅に等しくてもよい。図6に示す例では、バスバー13E,13Fの両端部13a,13bの幅を互いに同等とすることで、電流センサの使用時にバスバーを外部の通電体(バスバー、ケーブル等)と接続するための接続構造を同一とすることができる。接続構造は、特に限定されないが、図示例では、バスバー端部付近の穴に螺子等の接続部材を取り付けることができる。
以上の各実施形態の電流センサによれば、バスバー及び貫通穴の幅がテーパ状に変化する部分を有するため、貫通穴にバスバーをがたつきなく挿入でき、測定誤差を抑制することができる。貫通穴にバスバーを挿入すると、密着により嵌合して、バスバーを電流センサに固定することができる。
バスバーが、磁気シールド及び磁気センサを収納した筐体と別体に構成されているため、測定対象のバスバーを切り離す必要がない。測定対象のバスバーの一部を筐体の貫通穴に挿入して使用することもできる。電流センサのバスバーを測定対象のバスバーと接続する場合も、バスバー間の接続部が磁気センサから遠ざけることにより、接続部に発熱があっても測定精度の低下を抑制することができる。
磁気シールド及び磁気センサを収納した筐体は、バスバーを抜いた状態では非常に軽量になる。これにより、輸送コストの低減や、落下時の破損抑制が可能になる。磁気シールド及び磁気センサを収納した筐体は、バスバーを抜いた状態で、製品として製造販売することも可能である。前記電流センサは、磁気シールド及び磁気センサを収納した筐体とバスバーとが互いに分離したキットとして供給することもできる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
バスバーの材質は、導電性を有すればよく、金属でも非金属でもよい。
筐体の材質は、非磁性及び電気絶縁性であることが好ましく、例えば樹脂が挙げられる。筐体の内部で磁気シールド及び磁気センサを収納する構造は特に限定されない。筐体は、一部品として成形されてもよく、複数の部品から組み立てられてもよい。
磁気センサとしては、磁界の大きさを電圧値等の電気信号に変換できる素子であればよく、特に限定されない。磁気センサの具体例としては、ホール素子、フラックスゲート素子、磁気抵抗効果(MR)素子、磁気インピーダンス(MI)素子等が挙げられる。
実施例1〜3として、図2に示すように、バスバーが挿入される貫通穴が平面視で台形状である電流センサを作製した。実施例1〜3の貫通穴12Aの寸法は、入口となる開口部12aの幅が21.0mm、出口となる開口部12bの幅が19.0mm、開口部12aから開口部12bまでの貫通穴12Aの長さが25mm、開口部12a,12bを含む面における筐体11の幅が30mmである。バスバー13Aの厚みは2.0mmとした。バスバー13Aの厚みに対応する貫通穴の寸法(高さ)は、2.05mmとした。バスバー13Aの長手方向の長さは、100mmとした。
バスバー13Aの幅は、実施例2において、バスバー13Aの中心と貫通穴12Aの中心が一致するように設計した。実施例1は実施例2に比べて、バスバーの幅を全体的に0.2mmずつ小さくした。実施例3は実施例2に比べて、バスバーの幅を全体的に0.2mmずつ大きくした。
具体的なバスバー13Aの幅は、次のとおりである。
実施例1では、細い端部13bの幅が15.8mm、長手方向の中心での幅が19.8mm、太い端部13aの幅が23.8mmである。
実施例2では、細い端部13bの幅が16.0mm、長手方向の中心での幅が20.0mm、太い端部13aの幅が24.0mmである。
実施例3では、細い端部13bの幅が16.2mm、長手方向の中心での幅が20.2mm、太い端部13aの幅が24.2mmである。
比較例1〜3として、バスバーが挿入される貫通穴が平面視で長方形である電流センサを作製した。比較例1〜3の貫通穴の寸法は、幅が20.3mmで一定とし、長さは25mmとした。貫通穴の開口部を含む面における筐体の幅は30mm、バスバーの厚みは2.0mm、バスバーの厚みに対応する貫通穴の寸法(高さ)は2.05mm、バスバーの長さは100mmとした。バスバーの幅は全長にわたり一定で、比較例1では19.8mm、比較例2では20.0mm、比較例3では20.2mmとした。つまり、実施例1〜3及び比較例1〜3の6つの例を通じて、貫通穴の幅及びバスバーの幅以外の条件は、同一とした。
実施例1〜3の電流センサは、実施例2のバスバーを感度補正用バスバーとして用いて、筐体に収納された磁気センサの感度を補正した後、上記のとおり幅寸法が異なるバスバーを筐体の貫通穴に挿入して、製作した。つまり、実施例1〜3の間では、バスバーの幅以外の条件を同一にした。
比較例1〜3の電流センサでは、比較例2のバスバーを感度補正用バスバーとして用いて、筐体に収納された磁気センサの感度を補正した後、上記のとおり幅寸法が異なるバスバーを筐体の貫通穴に挿入して、製作した。つまり、比較例1〜3の間では、バスバーの幅以外の条件を同一にした。
実施例1〜3及び比較例1〜3の電流センサの感度誤差を測定した結果を図7に示す。感度誤差(感度ずれ)は、測定値が設計上の基準値(感度補正後)の感度に等しい場合を0.0%として算出される、基準値との差である。バーは繰り返し誤差(ばらつき)の範囲を示し、バーの中心の黒点は感度誤差の平均値を示す。
比較例1〜3では、バスバーの幅が狭いほど感度が高くなり、かつ繰り返し誤差は大きくなった。バスバーの幅が狭いときに感度が高くなったのは、電流密度が増加することにより、電流により発生する磁界が増加したためである。バスバーの幅が狭いときに繰り返し誤差が増加したのは、貫通穴の中でバスバーの位置が不安定になり、バスバーの幅が狭いほど、各種寸法公差に対する誤差の割合が大きくなるためである。これに対して、実施例1〜3では、バスバーの幅が変化しても、感度誤差がいずれも0.1%以下と小さかった。以上の結果から、実施例1〜3によれば、バスバーの幅に製造誤差があっても、貫通穴にバスバーをがたつきなく挿入する上、感度誤差を抑制することが可能であることが分かる。また、比較例2でも感度誤差の平均値は小さいとはいえ、繰り返し誤差は大きくなった。これに対して、実施例1〜3では、繰り返し誤差も0.1%以下に小さくなっている。
本発明は、例えば、自動車のバッテリモニタ、ビルや工場などの配電盤、インバータ制御、モータ制御などで、バスバーに流れる電流を測定する電流センサに利用することができる。
10…電流センサ、11,11A,11B,11C,11D…筐体、12,12A,12B,12C,12D…貫通穴、12a,12b…開口部、13,13A,13B,13E,13F…バスバー、14…バスバーが配置される平面、15…磁気センサ、16,17…磁気シールド。

Claims (3)

  1. 少なくとも磁気センサを収納した筐体と、バスバーを備える電流センサであって、
    前記筐体は、前記バスバーが挿入された貫通穴を有し、前記貫通穴は、前記磁気センサの非感磁方向に沿って前記筐体を貫通し、貫通方向の両端にそれぞれ開口部を有し、
    前記バスバーは、その長手方向に沿って前記貫通穴に挿入されて、前記長手方向の両端部が前記貫通穴の外に露出して設けられ、前記バスバーは前記筐体から取り外し可能であり、
    前記貫通穴に挿入された前記バスバーに対する平面視で、前記バスバーは、前記長手方向の両端部の間に、第1の側部及び第2の側部を有し、前記バスバーの前記第1の側部から前記第2の側部までの区間に対応する幅の範囲内に、前記磁気センサが配置され、
    前記平面視において、前記貫通穴は、前記開口部2つの幅が互いに異なり、前記バスバーは、前記貫通穴の内部に挿入された部分において、前記第1の側部から前記第2の側部までの区間に対応する幅が、前記開口部2つの小さい方の幅よりも大きい部分を有し、少なくとも前記貫通穴の前記開口部両方における幅と、前記開口部両方に対応する前記バスバーの幅とは同一であることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記平面視において、前記貫通穴の幅及び前記バスバーの幅は、少なくとも前記磁気センサを含む区間において一定であることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記貫通穴に挿入された前記バスバーは、前記平面視において前記磁気センサの中心を通り前記非感磁方向に沿う直線に対して、対称な形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電流センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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