JP2016147969A - 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供する。また、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤及び表示素子用接着剤を提供する。【解決手段】ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、連鎖移動剤とを含有し、前記連鎖移動剤は、ナフトキノン系連鎖移動剤、ジスルフィド系連鎖移動剤、及び、α−メチルスチレンダイマーからなる群より選択される少なくとも1種である光湿気硬化型樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物に関する。また、本発明は、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤及び表示素子用接着剤に関する。
近年、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を有する表示素子として、液晶表示素子や有機EL表示素子等が広く利用されている。これらの表示素子では、通常、液晶や発光層の封止、基板や光学フィルムや保護フィルムや各種部材の接着等に光硬化型樹脂組成物が用いられている。
ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種表示素子付きモバイル機器が普及している現代において、表示素子の小型化は最も求められている課題であり、小型化の手法として、画像表示部を狭額縁化することが行われている(以下、狭額縁設計ともいう)。しかしながら、狭額縁設計においては、充分に光の届かない部分に光硬化型樹脂組成物が塗布されることがあり、その結果、光の届かない部分に塗布された光硬化型樹脂組成物は硬化が不充分となるという問題があった。そこで、光の届かない部分に塗布された場合でも充分に硬化できる樹脂組成物として光熱硬化型樹脂組成物を用い、光硬化と熱硬化とを併用することも行われているが、高温での加熱により素子等に悪影響を与えるおそれがあった。
ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種表示素子付きモバイル機器が普及している現代において、表示素子の小型化は最も求められている課題であり、小型化の手法として、画像表示部を狭額縁化することが行われている(以下、狭額縁設計ともいう)。しかしながら、狭額縁設計においては、充分に光の届かない部分に光硬化型樹脂組成物が塗布されることがあり、その結果、光の届かない部分に塗布された光硬化型樹脂組成物は硬化が不充分となるという問題があった。そこで、光の届かない部分に塗布された場合でも充分に硬化できる樹脂組成物として光熱硬化型樹脂組成物を用い、光硬化と熱硬化とを併用することも行われているが、高温での加熱により素子等に悪影響を与えるおそれがあった。
高温での加熱を行わずに樹脂組成物を硬化させる方法として、特許文献1には、分子中に少なくとも1つのイソシアネート基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基とを有するウレタンプレポリマーを含有する光湿気硬化型樹脂組成物を用い、光硬化と湿気硬化とを併用する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているような光湿気硬化型樹脂組成物を用いた場合、光硬化させて被着体を接着した直後の接着性(初期接着性)や、硬化物の高温高湿環境下における信頼性(特に耐クリープ性)が不充分となるという問題があった。
本発明は、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤及び表示素子用接着剤を提供することを目的とする。
本発明は、ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、連鎖移動剤とを含有し、上記連鎖移動剤は、ナフトキノン系連鎖移動剤、ジスルフィド系連鎖移動剤、及び、α−メチルスチレンダイマーからなる群より選択される少なくとも1種である光湿気硬化型樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、光湿気硬化型樹脂組成物の初期接着性や耐クリープ性が不充分となる原因が、光照射後のラジカル重合性化合物の高分子量化に伴う組成物の濡れ性の低下にあると考え、ラジカル重合性化合物と湿気硬化型ウレタン樹脂と光ラジカル重合開始剤とを含有する光湿気硬化型樹脂組成物に、連鎖移動剤を配合することにより、このような光照射後のラジカル重合性化合物の高分子量化に伴う組成物の濡れ性の低下を抑制することを検討した。しかしながら、メルカプタン系連鎖移動剤等の一般的に用いられている連鎖移動剤を用いた場合、得られる光湿気硬化型樹脂組成物がゲル化したり、初期接着性や耐クリープ性を充分に向上させることができなかったりした。
そこで本発明者らは更に鋭意検討した結果、連鎖移動剤として特定の構造を有するものを配合することにより、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性の全てに優れる光湿気硬化型樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
そこで本発明者らは更に鋭意検討した結果、連鎖移動剤として特定の構造を有するものを配合することにより、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性の全てに優れる光湿気硬化型樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有する。
上記連鎖移動剤は、ナフトキノン系連鎖移動剤、ジスルフィド系連鎖移動剤、及び、α−メチルスチレンダイマーからなる群より選択される少なくとも1種(以下、「本発明にかかる連鎖移動剤」ともいう)である。本発明にかかる連鎖移動剤を含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性の全てに優れるものとなる。
また、本発明にかかる連鎖移動剤を用いることにより、反応性の高いラジカル重合性化合物を用い、かつ、光照射量にバラつきが生じた場合でも均一な硬化物を得ることができる。
上記連鎖移動剤は、ナフトキノン系連鎖移動剤、ジスルフィド系連鎖移動剤、及び、α−メチルスチレンダイマーからなる群より選択される少なくとも1種(以下、「本発明にかかる連鎖移動剤」ともいう)である。本発明にかかる連鎖移動剤を含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性の全てに優れるものとなる。
また、本発明にかかる連鎖移動剤を用いることにより、反応性の高いラジカル重合性化合物を用い、かつ、光照射量にバラつきが生じた場合でも均一な硬化物を得ることができる。
上記ナフトキノン系連鎖移動剤としては、例えば、1,4ナフトキノン等が挙げられる。
上記ナフトキノン系連鎖移動剤のうち市販されているものとしては、例えば、キノエクスター QE−2014、キノエクスター QE−1124、キノエクスター QE−3124(いずれも川崎化成工業社製)等が挙げられる。
上記ジスルフィド系連鎖移動剤としては、例えば、ビス(ジアルキルチオカルバモイル)スルフィド類や、ジフェニルジスルフィド、ベンジルジスルフィド等が挙げられる。
本発明にかかる連鎖移動剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよいが、ナフトキノン系連鎖移動剤とα−メチルスチレンダイマーとを組み合わせて用いることが好ましい。
本発明にかかる連鎖移動剤の含有量は、上記ラジカル重合性化合物と上記湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が0.05重量部である。本発明にかかる連鎖移動剤の含有量が0.001重量部以上であることにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が初期接着性や湿気硬化後の接着性や高温高湿環境下における信頼性に優れるものとできる。本発明にかかる連鎖移動剤の含有量が0.05重量部以下であることにより、得られるラジカル重合物の分子量が小さくなりすぎることがないため、力学強度の充分な硬化物が得られる。本発明にかかる連鎖移動剤の含有量のより好ましい下限は0.002重量部、より好ましい上限は0.04重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物を含有する。
上記ラジカル重合性化合物としては、光重合性を有するラジカル重合性化合物であればよく、分子中にラジカル反応性官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、ラジカル反応性官能基として不飽和二重結合を有する化合物が好適であり、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリル化合物」ともいう)が好適である。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記ラジカル重合性化合物としては、光重合性を有するラジカル重合性化合物であればよく、分子中にラジカル反応性官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、ラジカル反応性官能基として不飽和二重結合を有する化合物が好適であり、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリル化合物」ともいう)が好適である。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物のイソシアネート基は、全てウレタン結合の形成に用いられ、上記ウレタン(メタ)アクリレートは、残存イソシアネート基を有さない。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物のイソシアネート基は、全てウレタン結合の形成に用いられ、上記ウレタン(メタ)アクリレートは、残存イソシアネート基を有さない。
上記エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のフタルイミドアクリレート類や各種イミドアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER828EL、jER1001、jER1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物に対して、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネート化合物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8411、EBECRYL8412、EBECRYL8413、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220、KRM7735、KRM−8295(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6LPA、U−6HA、U−10H、U−15HA、U−122A、U−122P、U−108、U−108A、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4100、UA−4000、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AI−600、AH−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
また、上述した以外のその他のラジカル重合性化合物も適宜使用することができる。
上記その他のラジカル重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物や、スチレン、α−メチルスチレン、N−ピロピドン、N−ビニルカプロラクトン等のビニル化合物等が挙げられる。
上記その他のラジカル重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物や、スチレン、α−メチルスチレン、N−ピロピドン、N−ビニルカプロラクトン等のビニル化合物等が挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物は、反応性に優れることから、1分子中に2以上のラジカル重合性基を有する化合物(以下、「多官能ラジカル重合性化合物」ともいう)を含有することが好ましく、該多官能ラジカル重合性化合物を、ラジカル重合性化合物全体100重量部中に25重量部以上含有することが好ましい。上記多官能ラジカル重合性化合物を25重量部以上含有することにより、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が初期硬化性に特に優れるものとなる。
また、上記多官能ラジカル重合性化合物は、2官能又は3官能であることが好ましく、2官能であることがより好ましい。
また、上記多官能ラジカル重合性化合物は、2官能又は3官能であることが好ましく、2官能であることがより好ましい。
上記ラジカル重合性化合物は、硬化性を調整する等の観点から、単官能ラジカル重合性化合物と多官能ラジカル重合性化合物とを含有することが好ましい。単官能ラジカル重合性化合物のみを用いた場合、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が硬化性に劣るものとなることがあり、多官能ラジカル重合性化合物のみを用いた場合、得られる光湿気硬化型樹脂組成物がタック性に劣るものとなることがある。なかでも、上記単官能ラジカル重合性化合物として分子中に窒素原子を有する化合物と、上記多官能ラジカル重合性化合物としてウレタン(メタ)アクリレートとを組み合わせて用いることがより好ましい。
上記ラジカル重合性化合物が、上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物とを含有する場合、上記ラジカル重合性化合物全体100重量部中における上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量の好ましい上限は40重量部である。上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量が40重量部を超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物がタック性に劣るものとなることがある。上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、湿気硬化型ウレタン樹脂を含有する。上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、ウレタン結合とイソシアネート基とを有し、分子内のイソシアネート基が空気中又は被着体中の水分と反応して硬化する。また、湿気硬化成分として架橋性シリル基を有する化合物等を用いる場合と比べ、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が湿気硬化時の速硬化性に優れるものとなる。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、上記イソシアネート基を分子の末端に有することが好ましい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、上記イソシアネート基を分子の末端に有することが好ましい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を含む基及び/又はアルコキシシリル基を有することが好ましく、エチレン性不飽和二重結合を含む基及び/又はアルコキシシリル基を、分子の末端に有することがより好ましい。
なお、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性基を有していても上記ラジカル重合性化合物には含まず、湿気硬化型ウレタン樹脂として扱う。
なお、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性基を有していても上記ラジカル重合性化合物には含まず、湿気硬化型ウレタン樹脂として扱う。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、得ることができる。
上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応は、通常、ポリオール化合物中の水酸基(OH)とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(NCO)とのモル比が[NCO]/[OH]=2.0〜2.5となる範囲で行われる。
上記ポリオール化合物としては、ポリウレタンの製造に通常用いられている公知のポリオール化合物を使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの原料となる上記多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの原料となる上記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランの開環重合物、及び、これらやその誘導体のランダム共重合体又はブロック共重合体や、ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体等が挙げられる。
上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールであり、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の両末端に、1種又は2種以上のアルキレンオキシドが付加されていることが好ましい。ビスフェノール型としては特に限定されず、A型、F型、S型等が挙げられ、好ましくはビスフェノールA型である。
上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の両末端に、1種又は2種以上のアルキレンオキシドが付加されていることが好ましい。ビスフェノール型としては特に限定されず、A型、F型、S型等が挙げられ、好ましくはビスフェノールA型である。
上記ポリアルキレンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIの液状変性物、ポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。なかでも、蒸気圧や毒性の低い点、扱いやすさの点からMDI及びその変性物が好ましい。上記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、下記式(1)で表される構造を有するポリオール化合物を用いて得られたものであることが好ましい。下記式(1)で表される構造を有するポリオール化合物を用いることにより、接着性に優れる組成物や、柔軟で伸びがよい硬化物を得ることができ、上記ラジカル重合性化合物との相溶性に優れるものとなる。
なかでも、プロピレングリコールや、テトラヒドロフラン(THF)化合物の開環重合化合物や、メチル基等の置換基を有するテトラヒドロフラン化合物の開環重合化合物からなるポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
なかでも、プロピレングリコールや、テトラヒドロフラン(THF)化合物の開環重合化合物や、メチル基等の置換基を有するテトラヒドロフラン化合物の開環重合化合物からなるポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
式(1)中、Rは、水素、メチル基、又は、エチル基を表し、nは、1〜10の整数、Lは、0〜5の整数、mは、1〜500の整数である。nは、1〜5であることが好ましく、Lは0〜4であることが好ましく、mは、50〜200であることが好ましい。
なお、Lが0の場合とは、Rと結合した炭素が直接酸素と結合している場合を意味する。
なお、Lが0の場合とは、Rと結合した炭素が直接酸素と結合している場合を意味する。
更に、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性官能基を有していてもよい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂が有していてもよいラジカル重合性官能基としては、不飽和二重結合を有する基が好ましく、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
なお、ラジカル重合性官能基を有する湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性化合物には含まず、湿気硬化型ウレタン樹脂として扱う。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂が有していてもよいラジカル重合性官能基としては、不飽和二重結合を有する基が好ましく、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
なお、ラジカル重合性官能基を有する湿気硬化型ウレタン樹脂は、ラジカル重合性化合物には含まず、湿気硬化型ウレタン樹脂として扱う。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量の好ましい下限は800、好ましい上限は1万である。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量が800未満であると、架橋密度が高くなり、柔軟性が損なわれることがある。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量が1万を超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布性に劣るものとなることがある。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の重量平均分子量のより好ましい下限は2000、より好ましい上限は8000、更に好ましい下限は3000、更に好ましい上限は6000である。
なお、本明細書において上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。また、GPCで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
なお、本明細書において上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。また、GPCで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量は、上記ラジカル重合性化合物と上記湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい下限が20重量部、好ましい上限が90重量部である。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量が20重量部未満であると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が湿気硬化性に劣るものとなることがある。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量が90重量部を超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が光硬化性に劣るものとなることがある。上記湿気硬化型ウレタン樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は75重量部、更に好ましい下限は41重量部、更に好ましい上限は70重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤を含有する。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE784、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は、上記ラジカル重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が0.01重量部未満であると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物を充分に光硬化させることができないことがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物の保存安定性が低下することがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤を含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、好適なチクソ性を有するものとなり、塗布後の形状を充分に保持することができる。
上記充填剤を含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、好適なチクソ性を有するものとなり、塗布後の形状を充分に保持することができる。
上記充填剤は、一次粒子径の好ましい下限が1nm、好ましい上限が50nmである。上記充填剤の一次粒子径が1nm未満であると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布性に劣るものとなることがある。上記充填剤の一次粒子径が50nmを超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布後の形状保持性に劣るものとなることがある。上記充填剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は30nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は20nmである。
なお、上記充填剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記充填剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
また、上記充填剤は、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物中において二次粒子(一次粒子が複数集まったもの)として存在する場合があり、このような二次粒子の粒子径の好ましい下限は5nm、好ましい上限は500nm、より好ましい下限は10nm、より好ましい上限は100nmである。上記充填剤の二次粒子の粒子径は、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物又はその硬化物を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより測定することができる。
なお、上記充填剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記充填剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
また、上記充填剤は、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物中において二次粒子(一次粒子が複数集まったもの)として存在する場合があり、このような二次粒子の粒子径の好ましい下限は5nm、好ましい上限は500nm、より好ましい下限は10nm、より好ましい上限は100nmである。上記充填剤の二次粒子の粒子径は、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物又はその硬化物を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより測定することができる。
上記充填剤としては、無機充填剤が好ましく、例えば、シリカ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が紫外線透過性に優れるものとなることから、シリカが好ましい。これらの充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記充填剤は、疎水性表面処理がなされていることが好ましい。上記疎水性表面処理により、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布後の形状保持性により優れるものとなる。
上記疎水性表面処理としては、シリル化処理、アルキル化処理、エポキシ化処理等が挙げられる。なかでも、形状保持性を向上させる効果に優れることから、シリル化処理が好ましく、トリメチルシリル化処理がより好ましい。
上記疎水性表面処理としては、シリル化処理、アルキル化処理、エポキシ化処理等が挙げられる。なかでも、形状保持性を向上させる効果に優れることから、シリル化処理が好ましく、トリメチルシリル化処理がより好ましい。
上記充填剤を疎水性表面処理する方法としては、例えば、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いて、充填剤の表面を処理する方法等が挙げられる。
具体的には例えば、上記トリメチルシリル化処理シリカは、例えば、シリカをゾルゲル法等の方法で合成し、シリカを流動させた状態でヘキサメチルジシラザンを噴霧する方法や、アルコール、トルエン等の有機溶媒中にシリカを加え、更に、ヘキサメチルジシラザンと水とを加えた後、水と有機溶媒とをエバポレーターで蒸発乾燥させる方法等により作製することができる。
具体的には例えば、上記トリメチルシリル化処理シリカは、例えば、シリカをゾルゲル法等の方法で合成し、シリカを流動させた状態でヘキサメチルジシラザンを噴霧する方法や、アルコール、トルエン等の有機溶媒中にシリカを加え、更に、ヘキサメチルジシラザンと水とを加えた後、水と有機溶媒とをエバポレーターで蒸発乾燥させる方法等により作製することができる。
上記充填剤の含有量は、上記ラジカル重合性化合物と上記湿気硬化型ウレタン樹脂との合計100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記充填剤の含有量が1重量部未満であると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布後の形状保持性に劣るものとなることがある。上記充填剤の含有量が20重量部を超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物が塗布性に劣るものとなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は15重量部であり、更に好ましい下限は3重量部、更に好ましい上限は10重量部、特に好ましい下限は4重量部である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、遮光性に優れるものとなって表示素子の光漏れを防止することができる。
なお、本明細書において、上記「遮光剤」は、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料を意味する。
なお、本明細書において、上記「遮光剤」は、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料を意味する。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。
また、上記遮光剤は、黒色を呈するものでなくてもよく、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料であれば、シリカ、タルク、チタン等、充填剤として挙げた材料等も上記遮光剤に含まれる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
また、上記遮光剤は、黒色を呈するものでなくてもよく、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料であれば、シリカ、タルク、チタン等、充填剤として挙げた材料等も上記遮光剤に含まれる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。
即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、上記チタンブラックは、黒色度(L値)が9以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほど良く、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特に無いが、通常は5以下となる。
即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、上記チタンブラックは、黒色度(L値)が9以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほど良く、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特に無いが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いて製造した表示素子は、光湿気硬化型樹脂組成物が充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有するものとなる。
また、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いて製造した表示素子は、光湿気硬化型樹脂組成物が充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有するものとなる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は5m2/g、好ましい上限は40m2/gであり、より好ましい下限は10m2/g、より好ましい上限は25m2/gである。
また、上記チタンブラックのシート抵抗の好ましい下限は、樹脂と混合された場合(70%配合)において、109Ω/□であり、より好ましい下限は1011Ω/□である。
また、上記チタンブラックのシート抵抗の好ましい下限は、樹脂と混合された場合(70%配合)において、109Ω/□であり、より好ましい下限は1011Ω/□である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物において、上記遮光剤の一次粒子径は、表示素子の基板間の距離以下等、用途に応じて適宜選択されるが、好ましい下限は30nm、好ましい上限は500nmである。上記遮光剤の一次粒子径が30nm未満であると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物の粘度やチクソトロピーが大きく増大してしまい、作業性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径が500nmを超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物中における遮光剤の分散性が低下し、遮光性が低下することがある。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は200nmである。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物全体における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は10重量%である。上記遮光剤の含有量が0.05重量%未満であると、充分な遮光性が得られないことがある。上記遮光剤の含有量が10重量%を超えると、得られる光湿気硬化型樹脂組成物の基板等に対する接着性や硬化後の強度が低下したり、描画性が低下したりすることがある。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は2重量%、更に好ましい上限は1重量%である。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、更に、必要に応じて、着色剤、イオン液体、溶剤、金属含有粒子、反応性希釈剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、連鎖移動剤と、充填剤や必要に応じて添加するその他の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物における、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限は50Pa・s、好ましい上限は500Pa・sである。上記粘度が50Pa・s未満であったり、500Pa・sを超えたりすると、光湿気硬化型樹脂組成物を電子部品用接着剤や表示素子用接着剤に用いる場合に基板等の被着体に塗布する際の作業性が悪くなることがある。上記粘度のより好ましい下限は80Pa・s、より好ましい上限は300Pa・s、更に好ましい上限は200Pa・sである。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物のチクソトロピックインデックスの好ましい下限は1.3、好ましい上限は5.0である。上記チクソトロピックインデックスが1.3未満であったり、5.0を超えたりすると、光湿気硬化型樹脂組成物を電子部品用接着剤や表示素子用接着剤に用いる場合に基板等の被着体に塗布する際の作業性が悪くなることがある。上記チクソトロピックインデックスのより好ましい下限は1.5、より好ましい上限は4.0である。
なお、本明細書において上記チクソトロピックインデックスとは、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度を、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した粘度で除した値を意味する。
なお、本明細書において上記チクソトロピックインデックスとは、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度を、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した粘度で除した値を意味する。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、硬化後の1mm厚みの硬化物の光学濃度(OD値)が1以上であることが好ましい。上記OD値が1未満であると、遮光性が不充分となり、表示素子に用いた場合に光の漏れ出しが発生し、高いコントラストを得ることができないことがある。上記OD値は1.5以上であることがより好ましい。
上記OD値は高いほど良いが、上記OD値を高くするために遮光剤を多く配合しすぎると、増粘による作業性の低下等が生じることから、遮光剤の配合量とのバランスをとるため、上記硬化体のOD値の好ましい上限は4である。
なお、上記光湿気硬化型樹脂組成物の硬化後のOD値は、光学濃度計を用いて測定することができる。
上記OD値は高いほど良いが、上記OD値を高くするために遮光剤を多く配合しすぎると、増粘による作業性の低下等が生じることから、遮光剤の配合量とのバランスをとるため、上記硬化体のOD値の好ましい上限は4である。
なお、上記光湿気硬化型樹脂組成物の硬化後のOD値は、光学濃度計を用いて測定することができる。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、硬化物の25℃における引張弾性率の好ましい下限が0.5kgf/cm2、好ましい上限が6kgf/cm2である。上記引張弾性率が0.5kgf/cm2未満であると、柔らかすぎて、凝集力が弱く、接着力が低くなることがある。上記引張弾性率が6kgf/cm2を超えると、柔軟性が損なわれることがある。上記引張弾性率のより好ましい下限は1kgf/cm2、より好ましい上限は4kgf/cm2である。
なお、本明細書において上記「引張弾性率」は、引張り試験機(例えば、島津製作所社製、「EZ−Graph」)を用いて、硬化物を10mm/minの速度で引張り、50%伸びた時の力として測定される値を意味する。
なお、本明細書において上記「引張弾性率」は、引張り試験機(例えば、島津製作所社製、「EZ−Graph」)を用いて、硬化物を10mm/minの速度で引張り、50%伸びた時の力として測定される値を意味する。
本発明の光湿気硬化型樹脂組成物は、電子部品用接着剤や表示素子用接着剤として特に好適に用いることができる。本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤、及び、本発明の光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる表示素子用接着剤もまた、それぞれ本発明の1つである。
本発明によれば、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤及び表示素子用接着剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(ウレタンプレポリマーAの作製))
ポリオール化合物として100重量部のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製、「PTMG−2000」)と、0.01重量部のジブチル錫ジラウレートとを500mL容のセパラブルフラスコに入れ、真空下(20mmHg以下)、100℃で30分間撹拌し、混合した。その後常圧とし、ポリイソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート(日曹商事社製、「Pure MDI」)26.5重量部を入れ、80℃で3時間撹拌し、反応させ、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーA(重量平均分子量2700)を得た。
ポリオール化合物として100重量部のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製、「PTMG−2000」)と、0.01重量部のジブチル錫ジラウレートとを500mL容のセパラブルフラスコに入れ、真空下(20mmHg以下)、100℃で30分間撹拌し、混合した。その後常圧とし、ポリイソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート(日曹商事社製、「Pure MDI」)26.5重量部を入れ、80℃で3時間撹拌し、反応させ、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーA(重量平均分子量2700)を得た。
(実施例1〜7、比較例1、2)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合して実施例1〜7、比較例1、2の光湿気硬化型樹脂組成物を得た。
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合して実施例1〜7、比較例1、2の光湿気硬化型樹脂組成物を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、比較例2で得られた光湿気硬化型樹脂組成物は、ゲル化したため以下の評価は行わなかった。
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、比較例2で得られた光湿気硬化型樹脂組成物は、ゲル化したため以下の評価は行わなかった。
(初期接着性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板に約2mmの幅で30mmの長さとなるように塗布した。塗布条件は、樹脂組成物の粘度に応じて、室温〜100℃程度に加温するものとした。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm2照射することによって、塗布した光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた後、アルミ基板にガラス基板を貼り合わせ、10gの重りを60秒の間置き、初期接着性評価用サンプルを得た。
作製した初期接着性評価用サンプルのガラス基板をクリップでとめ、サンプルを地面に対して垂直にぶら下げ、アルミ基板の端に10gの重りを吊るし、アルミ基板が落下するまでの時間を測定した。30分を超えてもアルミ基板が落下しなかった場合を「○」、10分を超え30分以下の時間でアルミ基板が落下した場合を「△」、10分以内にアルミ基板が落下した場合を「×」として初期接着性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板に約2mmの幅で30mmの長さとなるように塗布した。塗布条件は、樹脂組成物の粘度に応じて、室温〜100℃程度に加温するものとした。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm2照射することによって、塗布した光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた後、アルミ基板にガラス基板を貼り合わせ、10gの重りを60秒の間置き、初期接着性評価用サンプルを得た。
作製した初期接着性評価用サンプルのガラス基板をクリップでとめ、サンプルを地面に対して垂直にぶら下げ、アルミ基板の端に10gの重りを吊るし、アルミ基板が落下するまでの時間を測定した。30分を超えてもアルミ基板が落下しなかった場合を「○」、10分を超え30分以下の時間でアルミ基板が落下した場合を「△」、10分以内にアルミ基板が落下した場合を「×」として初期接着性を評価した。
(湿気硬化後の接着性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板に約2mmの幅で塗布した。塗布条件は、樹脂組成物の粘度に応じて、室温〜100℃程度に加温するものとした。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm2照射することによって、光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた後、アルミ基板にガラス板を貼り合わせ、20gの重りを置き、一晩静置することにより湿気硬化させて、接着性評価用サンプルを得た。また、紫外線の照射量を500mJ/cm2に変更したこと以外は同様にして接着性評価用サンプルを得た。図1に接着性評価用サンプルを上から見た場合を示す模式図(図1(a))、及び、接着性評価用サンプルを横から見た場合を示す模式図(図1(b))を示した。
作製した接着性評価用サンプルを、引張り試験機(島津製作所社製、「Ez−Grapf」)を用いて、剪断方向に5mm/secの速度で引張り、ポリカーボネート基板とガラス板とが剥がれる際の強度を測定した。強度が15kgf/cm2以上であった場合を「○」、5kgf/cm2以上15kgf/cm2未満であった場合を「△」、5kgf/cm2未満であった場合を「×」として光湿気硬化型樹脂組成物の湿気硬化後の接着性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板に約2mmの幅で塗布した。塗布条件は、樹脂組成物の粘度に応じて、室温〜100℃程度に加温するものとした。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm2照射することによって、光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた後、アルミ基板にガラス板を貼り合わせ、20gの重りを置き、一晩静置することにより湿気硬化させて、接着性評価用サンプルを得た。また、紫外線の照射量を500mJ/cm2に変更したこと以外は同様にして接着性評価用サンプルを得た。図1に接着性評価用サンプルを上から見た場合を示す模式図(図1(a))、及び、接着性評価用サンプルを横から見た場合を示す模式図(図1(b))を示した。
作製した接着性評価用サンプルを、引張り試験機(島津製作所社製、「Ez−Grapf」)を用いて、剪断方向に5mm/secの速度で引張り、ポリカーボネート基板とガラス板とが剥がれる際の強度を測定した。強度が15kgf/cm2以上であった場合を「○」、5kgf/cm2以上15kgf/cm2未満であった場合を「△」、5kgf/cm2未満であった場合を「×」として光湿気硬化型樹脂組成物の湿気硬化後の接着性を評価した。
(耐クリープ性)
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板に約2mmの幅で塗布した。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm2照射することによって、光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた。その後、アルミ基板にガラス板を貼り合わせ、20gの重りを置き、一晩静置することにより湿気硬化させて、耐クリープ性評価用サンプルを得た。
得られた耐クリープ性評価用サンプルを地面に対して垂直にぶら下げ、アルミ基板の端に100gの重りを吊るした状態で100℃のオーブンに入れ、24時間静置した。24時間静置後、アルミ基板とガラス板とが剥がれていなかった場合を「○」、アルミ基板とガラス板とが部分的に剥がれていた場合を「△」、アルミ基板とガラス板とが完全に剥がれていた場合を「×」として、光湿気硬化型樹脂組成物の耐クリープ性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各光湿気硬化型樹脂組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミ基板に約2mmの幅で塗布した。次いで、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm2照射することによって、光湿気硬化型樹脂組成物を光硬化させた。その後、アルミ基板にガラス板を貼り合わせ、20gの重りを置き、一晩静置することにより湿気硬化させて、耐クリープ性評価用サンプルを得た。
得られた耐クリープ性評価用サンプルを地面に対して垂直にぶら下げ、アルミ基板の端に100gの重りを吊るした状態で100℃のオーブンに入れ、24時間静置した。24時間静置後、アルミ基板とガラス板とが剥がれていなかった場合を「○」、アルミ基板とガラス板とが部分的に剥がれていた場合を「△」、アルミ基板とガラス板とが完全に剥がれていた場合を「×」として、光湿気硬化型樹脂組成物の耐クリープ性を評価した。
本発明によれば、初期接着性、湿気硬化後の接着性、及び、高温高湿環境下における信頼性に優れる光湿気硬化型樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤及び表示素子用接着剤を提供することができる。
1 アルミ基板
2 光湿気硬化型樹脂組成物
3 ガラス基板
2 光湿気硬化型樹脂組成物
3 ガラス基板
Claims (7)
- ラジカル重合性化合物と、湿気硬化型ウレタン樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、連鎖移動剤とを含有し、
前記連鎖移動剤は、ナフトキノン系連鎖移動剤、ジスルフィド系連鎖移動剤、及び、α−メチルスチレンダイマーからなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする光湿気硬化型樹脂組成物。 - ラジカル重合性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
- ラジカル重合性化合物は、1分子中に2以上のラジカル重合性基を有する化合物を、ラジカル重合性化合物全体100重量部中に25重量部以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
- 一次粒子径が1〜50nmの充填剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光湿気硬化型樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなることを特徴とする電子部品用接着剤。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の光湿気硬化型樹脂組成物を用いてなることを特徴とする表示素子用接着剤。
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WO2021230371A1 (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 | 積水化学工業株式会社 | 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、硬化体、及び電子部品 |
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-
2015
- 2015-02-12 JP JP2015025538A patent/JP2016147969A/ja active Pending
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WO2023157430A1 (ja) * | 2022-02-15 | 2023-08-24 | 大生工業株式会社 | 光硬化性ウレタンゲル状体およびその製造方法 |
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