JP2016147436A - インクジェット方法及びインクジェット装置 - Google Patents

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哲也 青山
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Abstract

【課題】水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むインクジェット組成物が収容体からインクジェットヘッドに供給されても、吐出安定性に優れ、かつ、塗膜硬度の高い硬化膜を形成できるインクジェット方法及びその方法に用いるインクジェット装置を提供する。【解決手段】放射線硬化型のインクジェット組成物を収容する収容体と、収容体からインクジェット組成物を供給されるインクジェットヘッドの吐出口と、を接続する流路の少なくとも一部において、インクジェット組成物の水分量を制御する水分量制御工程と、インクジェット組成物を、インクジェットヘッド100の吐出口から吐出する吐出工程と、を有し、インクジェット組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット方法及びインクジェット装置に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、より安定して高品質な記録物を得ることについて種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、高湿下でも光重合性を損なうことなく、柔軟性に優れた硬化膜を形成可能な活性光線硬化型インク組成物及びインクジェット記録方法を提供することを目的として、光酸発生剤、重合性モノマー、ウレタン化合物を含有する活性光線硬化型インク組成物において、該重合性モノマーの50質量%以上がビニルエーテル化合物であり、該ウレタン化合物は、重合性基として少なくとも1つのビニルエーテル基、メタクリロイル基またはアクリロイル基を有するウレタン化合物であり、且つ、25℃における該活性光線硬化型インク組成物の粘度が7mPa・s〜100mPa・s、含水率が0.5質量%以下であることを特徴とする活性光線硬化型インク組成物が開示されている。
特開2011−184539号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来のインクジェット方法においては、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むインクジェット組成物は、収容体からインクジェットヘッドに供給されるまでの間に、そこに含まれる水分量が増加してしまう。水分量が増加したインクジェット組成物は、インクジェットヘッドに供給されると、その水分量に起因してインクジェット組成物中に異物を形成する等の不具合が生じるため、吐出安定性に優れているとはいえない。また、特許文献1に記載の光線硬化型インク組成物は、その柔軟性を重視するあまり、塗膜硬度自体は必ずしも十分とはいえないものである。
そこで、本発明は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むインクジェット組成物が収容体からインクジェットヘッドに供給されても、吐出安定性に優れ、かつ、塗膜硬度の高い硬化膜を形成できるインクジェット方法及びその方法に用いるインクジェット装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の水分量制御工程と特定の吐出工程とを有するインクジェット方法を用いることで、吐出安定性に優れ、かつ、塗膜硬度の高い硬化膜を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
放射線硬化型のインクジェット組成物を収容する収容体と、該収容体から該インクジェット組成物を供給されるインクジェットヘッドの吐出口と、を接続する流路の少なくとも一部において、該インクジェット組成物の水分量を制御する水分量制御工程と、
前記インクジェット組成物を、前記インクジェットヘッドの吐出口から吐出する吐出工程と、を有し、
前記インクジェット組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む、インクジェット方法。
[2]
前記水分量制御工程は、前記インクジェット組成物の水分量を減少させる処理により、水分量を制御する、[1]に記載のインクジェット方法。
[3]
前記処理は、脱水処理、加熱処理、減圧処理、及び乾燥空気導入処理からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[2]に記載のインクジェット方法。
[4]
前記脱水処理において、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ポリアクリル酸、及びポリアクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸水材を用いる、[3]に記載のインクジェット方法。
[5]
前記(メタ)アクリルモノマーは、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット方法。
[6]
前記インクジェット組成物は、前記(メタ)アクリルモノマーを、該インクジェット組成物の全量に対し、5質量%以上71質量%以下含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット方法。
[7]
前記インクジェット組成物の溶存ガス量を制御する溶存ガス量制御工程をさらに有する、[1]〜[6]のいずれかに記載のインクジェット方法。
[8]
前記流路は、前記インクジェット組成物を循環させる循環路を含み、
前記水分量制御工程は、前記循環路の少なくとも一部において、前記インクジェット組成物の水分量を制御する、[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット方法。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載のインクジェット方法に用いる、インクジェット装置。
本実施形態に係る水分量制御手段の配置の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る水分量制御手段及び溶存ガス量制御手段の配置の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る水分量制御手段の配置の別の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るインクジェット装置の内部構造の一例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で、適宜に変形して実施できる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びそれに対応するメタクリルの両方を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルの両方を意味する。
〔インクジェット方法〕
本実施形態のインクジェット方法は、放射線硬化型のインクジェット組成物を収容する収容体と、該収容体から該インクジェット組成物を供給されるインクジェットヘッドの吐出口と、を接続する流路の少なくとも一部において、該インクジェット組成物の水分量を制御する水分量制御工程と、当該インクジェット組成物を、当該インクジェットヘッドの吐出口から吐出する吐出工程と、を有する。また、当該インクジェット組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む。
〔インクジェット組成物〕
本実施形態の放射線硬化型のインクジェット組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含み、後述するインクジェットヘッドから吐出される。放射線硬化型のインクジェット組成物とは、光照射等の放射線のエネルギー付与により硬化する性質を有するインクジェット組成物をいう。また、インクジェット組成物は、さらにラジカル重合型であることが、塗膜硬度の観点から好ましい。ラジカル重合型のインクジェット組成物を得るためには、後述する重合性化合物としてラジカル重合性化合物を用いればよい。
インクジェット組成物は、インクジェット法により吐出して用いる組成物としての種々の用途に用いることができ、その用途は限定されない。用途として、具体的には、インク用及び重合成形用が挙げられる。これらの中では、本発明による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク用であることが好ましい。以下、本実施形態の組成物をインクジェット組成物の1実施形態である、インクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)として用いる場合についてより詳細に説明するが、本実施形態の組成物は、これに限定されない。
収容体に収容する、組成物中の水分量は、該組成物の全量(100質量%)に対して、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。その水分量の下限は特に限定されず、検出限界以下であってもよい。その水分量が3質量%以下であることで、流路において水分量を制御する負荷を小さくできる傾向にある。その水分量としては、後述の実施例において実施した測定方法により得られた値を採用する。
収容体に収容する組成物における水分量を調整する方法としては、例えば、組成物の各成分、例えば重合性化合物、に混入した水を除去する方法、組成物から水分を除去する方法、組成物の調製時における水の混入を抑制する方法が挙げられる。このうち、重合性化合物に混入した水を除去する方法として、より具体的には、重合性化合物を蒸留精製する方法、水を選択的に透過する半透過膜に重合性化合物を透過させる方法、及び水を吸着する水吸着剤に重合性化合物に混入した水を選択的に吸着させる方法が挙げられる。これらの中では、水分量をより効率的かつ確実に低減できる観点から、蒸留精製する方法が好ましい。
後述する水分量制御手段の下流の流路における、組成物中の水分量は、該組成物の全量(100質量%)に対して、1.5質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0.05質量%以下であることがよりさらに好ましい。その水分量の下限は特に限定されず、検出限界以下であってもよい。その水分量が1.5質量%以下であることで、吐出安定性及び保存安定性が優れる傾向にある。その水分量は、後述の実施例において実施した測定方法により得られた値を採用する。
水分量制御手段の下流の流路における水分量を調整する方法としては、例えば、後述する水分量制御工程で収容体からインクジェットヘッドまでの間で調整する方法に加えて、上述した収容体に収容する組成物における水分量を調整する方法が挙げられる。水分量制御工程への負荷を軽減させる観点から、これらの方法を併用することが好ましい。
後述する溶存ガス量制御手段の下流の流路における、組成物中の溶存ガス量は、該組成物全量に対して、1質量ppm以上20質量ppm以下であることが好ましく、3質量ppm以上20質量ppm以下であることがより好ましく、5質量ppm以上20質量ppm以下であることがさらに好ましい。溶存ガス量が1質量ppm以上であることで、保存安定性に優れる傾向にあり、溶存ガス量が20質量ppm以下であることで、吐出安定性に優れる傾向にある。その溶存ガス量は、溶存ガスの組成が乾燥大気の組成と同一であるとして、公知のインク組成物中に溶存する酸素の量を測定する方法により得られた値から算出する。具体的には、インク組成物中に溶存する酸素の量をA(単位:質量ppm)とすると、(28.8×100/32/20.9)×A(単位:質量ppm)で表される。
溶存ガス量制御手段の下流の流路における溶存ガス量を調整する方法としては、例えば、後述する溶存ガス量制御工程で収容体からインクジェットヘッドまでの間で調整する方法に加えて、上述した収容体に収容する組成物における溶存ガス量を調整する公知の方法が挙げられる。溶存ガス量制御工程への負荷を軽減させる観点から、これらの方法を併用することが好ましい。
<重合性化合物>
本実施形態の組成物は、重合性化合物として水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むが、これ以外の重合性化合物を含んでもよい。重合性化合物は、単独で又は重合開始剤の作用により、光照射等の放射線のエネルギー付与により重合して、被記録媒体上の組成物を硬化させることができる。
重合性化合物として、具体的には、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能のモノマー及びオリゴマーが挙げられる。重合性化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性化合物は、組成物の硬化性をさらに高める観点、並びに、高い汎用性及び高い簡便性を求める観点から、ラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。また、それに加えて又はそれに代えて、重合性化合物は、硬化性を高め、組成物を更に低粘度化し、重合開始剤を用いる場合のその重合開始剤の溶解性を高める観点から、ビニルエーテル基と(メタ)アクリレート基とを有する重合性化合物を含むことが好ましい。ビニルエーテル基と(メタ)アクリレート基とを有する重合性化合物としては、ビニルエーテル基と(メタ)アクリレート基とを有するラジカル重合性化合物が好ましい。そのような重合性化合物としては、例えば、単官能又は多官能のビニルエーテル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、上記と同様の観点から、これらが好ましい。
ビニルエーテル基を有する単官能(メタ)アクリレートは、特に限定されないが、組成物をより低粘度化でき、引火点が高く、かつ、組成物の硬化性を一層高める観点から、下記一般式(1):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(1)
で表されるビニルエーテル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが好ましい。ここで、式(1)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。
上記一般式(1)で表されるビニルエーテル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類として、具体的には、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらの中では、上記と同様の観点から、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、すなわち、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルは、いずれも単純な構造であって分子量が小さいため、組成物を顕著に低粘度化することができる。(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、例えば、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。なお、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの方が、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルに比べて硬化性の面で優れている。
ビニルエーテル基と(メタ)アクリレート基とを有する重合性化合物の含有量は、組成物の全量(100質量%)に対して、10質量%以上70質量%以下が好ましく、10質量%以上60質量%以下がより好ましく、10質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。その含有量が10質量%以上であることにより、組成物を低粘度化でき、かつ、組成物の硬化性がより優れる傾向にある。一方で、その含有量が70質量%以下であることにより、組成物の保存性により優れると共に、印刷物の表面光沢により優れる傾向にある。
組成物は、上記で例示した以外の単官能、2官能、及び3官能以上の多官能のモノマーを1種又は2種以上含んでもよい。そのようなモノマーとして、具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸の不飽和カルボン酸;該不飽和カルボン酸の塩;不飽和カルボン酸のエステル、ウレタン、アミド及び無水物;アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。
単官能、2官能、及び3官能以上の多官能のオリゴマーとして、具体的には、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物として、具体的には、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
組成物は、単官能のモノマーとして、単官能(メタ)アクリレートを含んでもよい。この場合、組成物がより低粘度となり、光重合開始剤その他の添加剤の溶解性に優れ、かつ、インクジェット記録時の吐出安定性が得られやすい。単官能(メタ)アクリレートとして、具体的には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールモノビニルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能のモノマーの含有量は、組成物の全量(100質量%)に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましい。上記好ましい範囲とすることにより、硬化性、開始剤溶解性、保存安定性、吐出安定性により優れる傾向にある。
組成物は、多官能のモノマーとして、多官能(メタ)アクリレートを含んでもよい。そのうち、2官能(メタ)アクリレートとして、具体的には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、3官能以上の(メタ)アクリレートとして、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましく、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
多官能モノマーの含有量は、組成物の全量(100質量%)に対して、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。上記好ましい範囲とすることにより、硬化性、保存安定性、吐出安定性及び印刷物の表面光沢により優れる傾向にある。
組成物は、上記に例示されている重合性化合物の中から、少なくとも1種の水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む。組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを、組成物の全量(100質量%)に対して、3.0質量%以上80質量%以下含むことが好ましく、6.0質量%以上71質量%以下含むことがより好ましく、5.0質量%以上30質量%以下含むことがより好ましく、7.0質量%以上20質量%以下含むことがさらに好ましい。組成物が水酸基含有モノマーを3.0質量%以上含むことで、優れた塗膜硬度となる傾向にあり、80質量%以下含むことで、組成物の吸湿性を抑制する傾向にある。
組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むことにより、放射線硬化型のインクジェット組成物として、優れた塗膜硬度を得ることができる。しかしながら、従来、該(メタ)アクリルモノマーを含む組成物を用いたインクジェット方法では、比較的に吐出安定性が得られにくくなっている。この要因は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーの水酸基に起因して、組成物の吸湿性が高くなってしまい、組成物の水分量が変動しやすくなっていることにあると推察される(ただし、要因はこれに限定されない)。一方、本実施形態のインクジェット方法では、水分量制御工程を設けることにより、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを用いた場合であっても、優れた吐出安定性を得ることができ、優れた塗膜硬度も両立することができる。
上記の重合性化合物として例示されている水酸基を有する単官能の(メタ)アクリルモノマー、及び多官能の(メタ)アクリルモノマーの中でも、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーは、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、硬化膜の変色が少なく、インクジェット吐出に適した粘度に調整しやすい傾向にある。
また、硬化膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性を高める観点から、単官能(メタ)アクリレート及び2官能(メタ)アクリレートを併用することも好ましい。
重合性化合物の含有量は、組成物の全量(100質量%)に対し、35質量%以上95質量%が好ましく、45質量%以上90質量%以下がより好ましい。重合性化合物の含有量が上記範囲内であることにより、粘度及び臭気をより低下させることができるとともに、光重合開始剤の溶解性及び反応性・印刷物の表面光沢をさらに優れたものとすることができる。
<重合開始剤>
本実施形態の組成物は、重合開始剤を含んでもよい。重合開始剤は、紫外線、電子線等の放射線のエネルギーによって、ラジカル、カチオン、アニオン等の活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば制限はないが、光重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤及びチオキサントン系光重合開始剤がより好ましく、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤がさらに好ましい。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は酸素阻害を受けやすいが、長波長光のLEDでの硬化に適する。また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、組成物中の水分量が組成物の全量に対して1.0質量%以下であることにより、組成物中により良好に溶解することができる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤として、具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品として、具体的には、IRGACURE 819(BASF社製商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)、SPEEDCURE TPO(Lambson社製商品名、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)及びDAROCUR TPO(BASF社製商品名、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、組成物の全量(100質量%)に対し、3.0質量%以上20質量%以下が好ましい。この含有量が3.0質量%以上であることにより、硬化性により優れる傾向にある。同様の観点から、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、4.0質量%以上であるとより好ましく、7.0質量%以上であるとさらに好ましい。また、この含有量が20質量%以下であることにより、固形分の溶解や保存安定性を良好に保ち、信頼性により優れる傾向にある。同様の観点から、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、15質量%以下であるとより好ましく、13質量%以下であるとさらに好ましい。
組成物がチオキサントン系光重合開始剤を含むことにより、表面タック性を低減でき、特に、酸素阻害を受けやすい薄膜時においてインク表面を硬化させドット間の混色、滲みを防止することができる。また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤及びチオキサントン系光重合開始剤を両方用いると、UV−LEDによる硬化プロセスにより優れ、組成物の硬化性、密着性が一層優れる傾向にあるので好ましい。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、及びクロロチオキサントンからなる群より選ばれた1種以上を含むことが好ましい。また、ジエチルチオキサントンとしては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンとしては2−イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンとしては2クロロチオキサントンがより好ましい。このようなチオキサントン系光重合開始剤を含む組成物であれば、硬化性、保存安定性、及び吐出安定性により優れる傾向にある。このなかでも、ジエチルチオキサントンを含むチオキサントン系光重合開始剤がさらに好ましい。ジエチルチオキサントンを含むことにより、幅広い領域の紫外光(UV光)をより効率良く活性種に変換できる傾向にある。
チオキサントン系光重合開始剤の市販品として、具体的には、Speedcure DETX(2,4−ジエチルチオキサントン)、Speedcure ITX(2−イソプロピルチオキサントン)、Speedcure CTX(2−クロロチオキサントン)、SPEEDCURE CPTX(1−クロロ−4−プロピルチオキサントン(以上、Lambson社製)、KAYACURE DETX(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co.,Ltd.)製)が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤の含有量は、組成物の全量(100質量%)に対し、0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上4.0質量%以下がより好ましい。この含有量が0.5質量%以上であることにより、表面タック性をより低減でき、酸素阻害を受けやすい薄膜時においてインク表面を硬化させ、ドット間の混色、滲みをより防止することができる傾向にある。また、この含有量が5.0質量%以下であることにより、開始剤そのものによるインクの着色が少なく、色相の黄変が少なく、硬化膜の密着性により優れる傾向にある。
組成物は、上記以外の光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤の1種又は2種以上をさらに含有してもよい。上記以外の光ラジカル重合開始剤として、具体的には、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオフェニル基含有化合物など)、α−アミノアルキルフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
その他の光カチオン重合開始剤として、具体的には、スルホニウム塩、及びヨードニウム塩が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、組成物の全量(100質量%)に対し、5.0質量%以上20質量%以下が好ましい。この含有量が当該範囲内であることにより、紫外線硬化速度を十分に発揮させ、かつ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色を避けることができる傾向にある。
<重合禁止剤>
組成物は、その保存安定性をさらに高める等の観点から、1種又は2種以上の重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤として、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−アルキル骨格を有する化合物、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−アシル骨格を有する化合物等のヒンダードアミン化合物;p−メトキシフェノール、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、並びに4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。市販品としては、例えば、LA−7RD(ADEKA社製商品名、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル骨格を有する化合物)等が挙げられる。
<色材>
本実施形態の色材としては、顔料及び染料が挙げられる。色材は、顔料又は染料を単独で又は顔料及び染料を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられる。無機顔料として、具体的には、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、並びに酸化チタンが挙げられる。
有機顔料として、具体的には、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。
また、本実施形態の顔料は、自己分散型顔料、及び/又はポリマー分散型顔料であってもよい。
自己分散型顔料とは、その表面に親水基を有する顔料である。親水基としては、−OM、−COOM、−CO−、−SO3M、−SO2M、−SO2NH2、−RSO2M、−PO3HM、−PO32、−SO2NHCOR、−NH3、及び−NR3からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水基であることが好ましい。
なお、これらの化学式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を表す。また、上記のM及びRは、それぞれ互いに独立して選択される。
自己分散型顔料として、具体的には、顔料に物理的処理及び/又は化学的処理を施すことで、上記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理として、具体的には、真空プラズマ処理等が挙げられる。また、当該化学的処理として、具体的には、水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が挙げられる。
上記のポリマー分散型顔料とは、ポリマーによって液中に分散可能となった顔料である。ポリマーとしては、その構成成分のうち70質量%以上が(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーが好ましい。これにより、インクの定着性及び光沢性に一層優れるものとなる傾向にある。また、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が70質量%以上のモノマー成分から重合されたものであることがより好ましい。当該モノマー成分として、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の重合用モノマー成分として、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も挙げられる。
顔料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料の含有量は、組成物全量(100質量%)に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。顔料の含有量が0.1質量%以上であることで、記録物の発色性がより良好となる傾向にある。また、顔料の含有量が15質量%以下であることで、組成物中での顔料の分散性がより良好となる傾向にある。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が挙げられる。具体的には、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクトブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
染料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。染料の含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性を得る観点から、組成物の全量(100質量%)に対して、1.0質量%以上20質量%以下が好ましい。
<分散剤>
本実施形態の組成物は、顔料を含む場合にその分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、例えば、樹脂からなる分散剤が挙げられる。樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミン系樹脂及びポリエーテル系樹脂が挙げられ、より具体的には、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア(Avecia)社やノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(例えば「Solsperse 36000」)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
分散剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。分散剤の含有量は、組成物全量(100質量%)に対して、0.05質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。分散剤が0.05質量%以上であることで、顔料の分散性が良好となる傾向にある。また、分散剤が15質量%以下であることで、発色性が良好となる傾向にある。
〔その他の成分〕
本実施形態の組成物は、上記の各成分の他に、従来の放射線硬化型のインクジェット用インク組成物に用いられ得る任意の成分を含んでもよい。そのような任意の成分として、具体的に、染料等の色材、界面活性剤、浸透剤、保湿剤、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤その他の添加剤及び溶媒等が挙げられる。これらはそれぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
〔収容体〕
本実施形態の収容体は、組成物を収容する。収容体の態様としては、例えば、インクカートリッジ、パック、ボトル、タンク、ビン、缶が挙げられる。これらの中でも、汎用されており、かつ、水蒸気透過率を所望の値に制御しやすいため、インクカートリッジ、パック、ボトル、タンクが好ましく、パックがより好ましく、フィルムのパックがさらに好ましい。
収容体の構成材料として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、及びポリスチレンが挙げられ、これらのフィルムであってもよい。上記を適当な比率で配合したり上記を複数種重ねたりして構成してもよい。フィルムの場合、ラミネートして得られるものであってもよい。フィルムを複数種重ねる場合、その複数種のフィルム全てが上記のフィルムである必要はなく、その一部が他の材料、例えば、金属及び金属化合物、から構成されるフィルムであってもよい。
また、容器の柔軟性を高める観点から、容器の構成材料として可塑剤が含まれると好ましい。可塑剤としては、例えば、脂肪酸エステル、エポキシ化合物、ポリエステル化合物が挙げられる。これらの中では、可塑剤としての汎用性の点から、脂肪酸エステルが好ましく、そのような脂肪酸エステルとして、具体的には、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
収容体を構成する部材の水蒸気透過率は、30g/m2・24hrs以下であることが好ましく、15g/m2・24hrs以下であることがより好ましく、10g/m2・24hrs以下であることがさらに好ましく、5.0g/m2・24hrs以下であることがよりさらに好ましい。水蒸気透過率が30g/m2・24hrs以下の部材を用いることにより、収容体中で組成物を長期間保管しても、組成物における水分量の上昇を抑制することができる傾向にある。水蒸気透過率を30g/m2・24hrs以下とするには、例えば、収容体を構成する部材を選択したり、それらの部材に、金属及び金属化合物の少なくとも一方から構成される層を設けたりすればよい。この中では、汎用性の観点から、金属及び金属化合物の少なくとも一方から構成される層を設けることが好ましい。金属としては、例えば、Al及びTiが挙げられる。金属化合物としては金属酸化物が好ましく、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ここで、水蒸気透過率は、40℃、相対湿度90%の環境下で、100μm相当の厚さで測定した値であり、例えば、輸送・工業包装の技術(監修水口眞一、株式会社フジテクノシステムズ発行)に掲載されている材料の中から上記水蒸気透過率を満足するものを用いることもできる。
本実施形態の収容体の使用態様として、例えば、(A)インクジェット装置に脱着可能であり、インクジェット装置に装着されて組成物を順次、インクジェットヘッドに供給するインクカートリッジ等の形態と、(B)インクジェット装置とは別に備えられるものであり、インク使用時にはインクのみをボトル等の収容体からインクジェット装置に移す形態と、(C)予めインクジェット装置に備え付けられ組成物が収容されたタンク等の形態と、が少なくとも挙げられる。
上記の(A)及び(B)は、収容体を出荷してからインクジェット装置にインクを供給する(移す)直前までの収容体と言うことができる。上記の(C)は、インクジェット装置が出荷されてから当該インクジェット装置で初めてインクの使用を開始する前までにおける収容体と言うことができる。なお、上記の(A)及び(C)は、容器からインクチューブ等の接続部を介してインクジェット装置に組成物を供給している状態で、インクジェット装置の印刷を行う収容体ということができる。
また、上記の(B)は、収容体からインクジェット装置に組成物を移した後、当該インクジェット装置で印刷を行う収容体ということができる。なお、当該(B)において組成物を移す対象としては、例えば、インクジェット装置に備え付けられたタンクが挙げられる。
また、収容体の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック;各種の金属(合金を含む。);ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、及びポリプロピレン等のポリオレフィンが挙げられる。また、これらに限らず、上記の各ポリマーを適当な比率で配合あるいはラミネートして得られるポリマー、及びそのフィルムであってもよい。
収容体が収容可能な組成物の容量は、以下に制限されないが、10mL以上20,000mL以下が好ましく、10mL以上5,000mL以下がより好ましく、10mL以上3,000mL以下がさらに好ましい。容量が上記範囲内であると、硬化性、保存安定性、及び吐出安定性をいずれも一層優れたものとすることができる。また、本明細書における「容量」は、容積を意味する。
〔流路〕
本実施形態の流路とは、インクジェット装置において、組成物を流通させるための流路をいい、収容体とインクジェットヘッドの吐出口とを接続する。後述する水分量制御工程は、当該流路の少なくとも一部において、組成物の水分量を制御する。流路として、具体的には、組成物を収容する収容体からインクジェットヘッドに組成物を供給するための供給路、インクジェットヘッド内においてインクをノズル開口部まで流通させるための流通路が挙げられる。また、流路は、組成物を循環させる循環路を含んでもよい。
流路は、組成物を循環させる循環路を含みことが好ましく、水分量制御工程は、該循環路の少なくとも一部において、該組成物の水分量を制御することがより好ましい。これにより、一度は水分量を制御した組成物が、時間の経過により吸湿してその水分量が上昇してしまったとしても、再度その組成物の水分量を制御することができる。
流路の態様としては、上述した収容体の態様に合わせて選択することができ、チューブ状、パイプ状等が挙げられる。流路上には、後述するサブタンク、ヒーター、加圧ポンプ、開弁アクチュエーター、開閉バルブ、統合継手、分岐継手等の組成物の流れを調整する装置及び流路と流路とを接続する装置を備えることができる。
流路は、流路自体及び上記の様々な装置を有することにより、収容体から組成物をインクジェットヘッドに所望の量を所望のタイミングで供給し、組成物の粘度等の保存安定性を維持することができる。しかしながら、従来のインクジェット方法は、流路を有することにより、吐出安定性が得られにくくなってしまう場合がある。この要因は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む組成物を用いた場合に、組成物の吸湿性が高くなってしまい、収容体からインクジェットヘッドに供給されるまでの間において、即ち流路及び流路に備えられる様々な装置において、組成物が吸湿してしまうことにあると推察される(ただし、要因はこれに限定されない。)。一方、本実施形態のインクジェット方法においては、水分量制御工程を設けることにより、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを用いた組成物が流路を介してインクジェットヘッドに供給されても、優れた吐出安定性を得られることができ、優れた塗膜硬度も両立することができる。
流路を構成する部材としては、例えば、プラスチック、フィルム、エラストマ、天然ゴム、ガラス、シリコン、金属等が挙げられる。コストや加工の観点から、プラスチック、フィルム、エラストマ、天然ゴム等が好ましい。ただし、プラスチック、フィルム、エラストマ、天然ゴム等を用いることで、後述する水蒸気透過率が高くなってしまう傾向にある。
流路を構成する部材の水蒸気透過率は、30g/m2・24hrs以下であることが好ましく、15g/m2・24hrs以下であることがより好ましく、10g/m2・24hrs以下であることがさらに好ましく、5.0g/m2・24hrs以下であることがよりさらに好ましい。水蒸気透過率が30g/m2・24hrs以下の部材を用いることにより、流路中で組成物を長期間保管しても、組成物における水分量の上昇を抑制することができる傾向にある。水蒸気透過率を30g/m2・24hrs以下とするには、例えば、流路を構成する部材を選択すればよい。
ここで、水蒸気透過率は、40℃、相対湿度90%の環境下で、100μm相当の厚さで測定した値であり、例えば、輸送・工業包装の技術(監修水口眞一、株式会社フジテクノシステムズ発行)に掲載されている材料の中から上記水蒸気透過率を満足するものを用いることもできる。
〔インクジェット装置〕
本実施形態のインクジェット装置は、少なくとも、上記収容体から組成物を供給されるインクジェットヘッドを備えるものをいう。また、インクジェット装置は、インクジェットヘッドに加えて、被記録媒体上に吐出された組成物を紫外線の照射によって硬化する硬化手段を備えることもできる。さらに、上述したように、収容体は、インクジェット装置に予め備え付けられるものでもよく、脱着可能なものでもよく、インクジェット装置とは別に備えられるものであってもよい。
本実施形態のインクジェット装置は、本実施形態のインクジェット方法に用いることが好ましい。本実施形態のインクジェットヘッドは、上記収容体から組成物を供給されるものであり、該組成物を吐出するものである。
本実施形態のインクジェット装置は、水分量制御工程において、組成物の水分量を制御する水分量制御手段を備えてもよい。水分量制御手段は、収容体とインクジェットヘッドの吐出口とを接続する流路の少なくとも一部に備えられ、上述した循環路の少なくとも一部に備えられることが好ましい。水分量制御手段が循環路に備えられることで、一度は水分量を制御した組成物が、時間の経過により吸湿してその水分量が上昇してしまったとしても、再度その組成物の水分量を制御することができる。あるいは、インクジェット装置は、組成物を収容体から水分量制御手段を介してインクジェットヘッドに供給する流路だけでなく、組成物の一部を、水分量制御手段を介さずにインクジェットヘッドに供給する流路(バイパス流路)を備えていてもよい。これにより、水分量の制御が必要のない組成物をバイパス流路からインクジェットに供給することにより、水分量制御工程における制御の負荷を軽減することができる。
本実施形態のインクジェット装置は、溶存ガス量制御工程において、組成物の溶存ガス量を制御する制御手段を備えることが好ましい。溶存ガス量制御手段は、収容体とインクジェットヘッドとを接続する流路の少なくとも一部に備えられることが好ましい。組成物には、空気中から吸収した窒素、酸素等のガスが溶存しており、溶存ガス量制御手段により、その溶存ガス量を制御することで、吐出安定性にさらに優れる傾向にある。
溶存ガス量制御手段は、上述した循環路の少なくとも一部に備えられることがより好ましい。溶存ガス量制御手段が循環路に備えられることで、一度は溶存ガス量を制御した組成物が、時間の経過によりガスを吸収してその溶存ガス量が上昇してしまったとしても、再度その組成物の溶存ガス量を制御することができる。
以下、図面を用いて水分量制御手段、溶存ガス量制御手段、流路、及びそれらを備え得るインクジェット装置を具体的に説明するが、これらは以下のものに限られない。
図1は本実施形態に係る水分量制御手段の配置の一例を示す模式図である。インクジェットヘッド100は、流路である流路214を介して、インクカートリッジ1から組成物の供給を受け、組成物を吐出する。インクカートリッジ1からの組成物の流量は、例えば、100mg/minである。インクカートリッジ1とインクジェットヘッド100とを接続する流路214には、水分量制御手段として分離膜204が備えられ、流入する組成物の水分量を制御する。これにより、水分量を制御された組成物が、インクジェットヘッド100に供給される。組成物の流量は、5mg/min以上4000mg/min以下であることが好ましく、5mg/min以上2000mg/min以下であることがより好ましい。流量が5mg/min以上であることで、インクジェットヘッドへの組成物供給を妨げることなくなる傾向にあり、流量が4000mg/min以下であることで所望の水分量に調整することができる傾向にある。
図2は本実施形態に係る水分量制御手段及び溶存ガス量制御手段の配置の一例を示す模式図である。図1で示した模式図に加えて、流路214の水分量制御手段の下流側にさらに溶存ガス量制御手段である脱気モジュール206が備えられている。脱気モジュール206としては、例えば中空糸脱気モジュール(DIC社製商品名「EF−G3」)が挙げられる。脱気モジュール206は、そこに流入する組成物の溶存ガス量を制御する。これにより、組成物は、水分量を制御された後に溶存ガス量をも制御され、インクジェットヘッド100に供給される。
図3は、本実施形態に係る水分量制御手段の配置の別の一例を示す模式図である。往路214Aに備えられた水分量制御手段である分離膜204で水分量を制御された組成物はインクジェットヘッド100に供給される。その後、インクジェットヘッド100で吐出されなかった組成物は、復路214Bを介して、再度分離膜204に供給される。これにより、時間経過、流路上での吸湿等に起因して水分量が変動してしまったとしても、再度水分量を制御することができる。
図4は本実施形態に係るインクジェット装置の内部構造の一例を示す模式図である。サブタンク200は収容体であるカートリッジ(図示せず)から組成物の供給を受け、加圧ポンプ202によって組成物を後に詳述する水分量制御手段の一例である分離膜204、後に詳述する溶存ガス量制御手段の一例である脱気モジュール206、ヒーター220の順に通過させて、複数個設けられたインクジェットヘッド100に供給する。
インクジェットヘッド100は被記録媒体(図示せず)に組成物を吐出するものである。圧力調整弁108は開弁アクチュエーター320によって開弁され、サブタンク200からインクジェットヘッド100へ組成物を供給する際の組成物の圧力を調整する。
分離膜204及び脱気モジュール206を通過した組成物は、圧力調整弁108が開弁すると、分岐継手106に流入する。分岐継手106の内部では、往路214Aが複数の通路に分岐されて、複数個のインクジェットヘッド100に接続されている。
インクジェットヘッド100から吐出されなかった組成物は、開閉バルブ212が開いた状態において、統合継手210及び復路214Bを介してサブタンク200へ循環される。サブタンク200とインクジェットヘッド100との間に組成物を循環させることで、組成物が長期滞留して組成物成分が分離、沈降した場合にこれを回復させたり、循環する組成物の温度を一定にしたりすることができる。組成物はヒーター218,220,222によって加熱されることで粘度が低下し、ヘッド100からの吐出に適した粘度となり、ヘッド100から吐出される。
これらの装置は、主走査移動テーブル64に設けられており、主走査移動テーブル64ごと被記録媒体に対して移動しながらヘッド100から被記録媒体に組成物の吐出を行う主走査が行われる。
分離膜204は、例えば、円筒形状の多孔性基体に対して、その基体の外側の表面に設けられているゼオライト膜を備えるものである。分離膜204は、組成物が流入する往路214A中に置かれ、かかる分離膜204はそれ自体も円筒形状を有している。分離膜204に開口する孔が組成物に含まれる水分子よりわずかに大きいため、その円筒形状の外側に流入した組成物中の水分子が、分離膜204の内側に選択的に透過する。これにより、組成物に含まれる水分量を減少させることができる。さらに、分離膜204の内側をポンプ等により減圧することは、水分量をより効率的に制御できるため、好ましい。
脱気モジュール206内には、組成物が流入する脱気室(図示せず)と、空気などの気体を選択的に透過して組成物等の液体を透過しない分離膜を介して脱気室と接する減圧室(図示せず)と、が設けられてもよい。減圧ポンプ(図示せず)によって減圧室を減圧すると、脱気室内の組成物に混入していた気泡や組成物に溶解していた酸素や窒素等の気体は組成物から取り除かれる。これにより、組成物への気泡の混入が抑制され、脱気モジュール206へ供給された組成物よりも溶存ガス量を低くした組成物をインクジェットヘッド100へ供給し、インクジェットヘッド100から吐出させることができる。本インクジェット装置の脱気モジュール206は、サブタンク200からインクジェットヘッド100へ組成物を供給し続けた状態で、連続的に組成物の脱気を行うことができる。
脱気モジュール206は、分離膜を備えなくてもよい。この場合、圧力調整弁108を閉じた状態にして、減圧室を減圧することで組成物の脱気を行うことと、脱気を終了した後に減圧室を常圧に戻して圧力調整弁108を開いた状態にして組成物をインクジェットヘッド100に供給することとを断続的に繰り返すことで、組成物の脱気が可能となる。前者は組成物を連続的に脱気することができる点で好ましく、後者は脱気能力が高い点で好ましい。
ここで、分離膜204下流の流路における組成物の水分量が1.5質量%以下である場合に、吐出安定性がより良好な状態の組成物をインクジェットヘッド100から吐出することができる。このとき、インクカートリッジに収容されていた組成物の水分量が3質量%以下であれば、分離膜204の水分量制御の能力に限界があった場合でも、より容易に、組成物の水分量を1.5質量%以下に保ちインクジェットヘッド100から吐出させることができる。
本実施形態のインクジェット方法を利用して、インク組成物を被記録媒体上に吐出すること等により、記録物が得られる。この被記録媒体としては、例えば、吸収性の被記録媒体又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態のインクジェット方法は、水溶性のインク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水溶性のインク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、放射線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
吸収性被記録媒体として、具体的には、インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子若しくはアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、又は、ポリビニルアルコール(PVA)若しくはポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙が挙げられる。
非吸収性被記録媒体として、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルム及びプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、並びにそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレス及び真鋳等の合金のプレートが挙げられる。
〔水分量制御工程〕
本実施形態のインクジェット方法は、水分量制御工程を有する。当該水分量制御工程は、インクジェット組成物の水分量を減少させる処理により、水分量を制御することが好ましい。また、当該処理は、脱水処理、加熱処理、減圧処理、及び乾燥空気導入処理からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。さらに、当該脱水処理において、吸水材を用いることがさらに好ましい。加えて、当該脱水処理において、組成物中の微量水分を処理できる観点から、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ポリアクリル酸、及びポリアクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸水材を用いることがよりさらに好ましい。モレキュラーシーブとしては、例えば、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13Xが挙げられる。
脱水処理とは、吸水材のような吸水性を有する材料に組成物を接触させることにより、組成物中の水分を吸収する処理をいう。吸水材としては、上述の好ましい材料が例示され、またそれらの材料が好ましい。吸水性を有する材料は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。加熱処理とは、組成物を加熱する処理をいい、好ましくは40度以上90度以下の温度環境下で1時間加熱し、組成物中の水分を加熱蒸発させ取り除く処理である。加熱処理に用いられる加熱手段としては、例えば、電熱線ヒーター、ハロゲンヒーター、電磁波等が挙げられる。減圧処理とは、組成物を減圧雰囲気下に少なくとも保持する処理をいい、好ましくは1Pa以上10kPa以下の環境下に投入することで、組成物中の水分を蒸発させる処理をいう。減圧処理に用いられる減圧手段としては、例えば、真空ポンプによる減圧処理が挙げられる。乾燥空気導入処理とは、組成物中に乾燥空気を導入する処理をいい、好ましくは20℃の環境下で、相対湿度20%以下の空気と組成物を接触させる処理をいう。乾燥空気を導入する手段としては、デシカント除湿機等が挙げられる。これらの中では、溶存ガス量よりも水分量をより選択的に制御する観点から、脱水処理が好ましい。
〔溶存ガス量制御工程〕
本実施形態のインクジェット方法は、溶存ガス量を制御する溶存ガス量制御工程をさらに有することが好ましい。溶存ガス量制御工程は、上述の溶存ガス量制御手段により、組成物に溶存するガス量を制御するものである。本実施形態のインクジェット方法では、組成物の保存安定性の観点から、水分量制御工程を経た組成物を溶存ガス量制御工程において用いるのが好ましい。ただし、逆の順、すなわち溶存ガス量制御工程を経た組成物を水分量制御工程において用いてもよく、又は同時、すなわち組成物を水分量制御工程及び溶存ガス量制御工程に同時に用いてもよい。また、インクジェット方法において、水分量制御工程と溶存ガス量制御工程は、各々独立に制御する工程であることが、より組成物中の水分量と溶存ガス量とを精密に制御する観点から、より好ましい。
〔吐出工程〕
本実施形態のインクジェット方法は、吐出工程を有する。吐出工程は、組成物を、インクジェットヘッドから吐出する。吐出工程では、少なくとも一度は水分量制御工程を経て水分量が制御された組成物を吐出する。
吐出工程においては、組成物の粘度を25mPa・s以下とすることが好ましく、5mPa・s以上20mPa・s以下とすることがより好ましい。組成物の粘度が、組成物の温度を室温として、又は組成物を加熱しない状態として、上記の範囲内のものであれば、組成物の温度を室温として、又は組成物を加熱せずに吐出させることができる。一方、組成物を所定の温度に加熱することによって粘度を上記の好ましい範囲にして吐出させてもよい。このようにして、さらに良好な吐出安定性が実現される。
放射線硬化型のインクジェット組成物は、通常インクジェット組成物として用いられる水性インク組成物よりもその粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。かかる組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こし得る。したがって、吐出工程における組成物の温度はできるだけ一定に保つことが好ましい。
〔硬化工程〕
本実施形態のインクジェット方法は、硬化工程をさらに有することが好ましい。硬化工程においては、被記録媒体上に吐出された組成物が、放射線の照射によって硬化する。換言すれば、被記録媒体上に形成された塗膜が、紫外線の照射によって硬化膜となる。これは、組成物に含まれ得る重合開始剤が放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基等の開始種を発生し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。または、放射線の照射によって、重合性化合物の光重合反応が開始するためである。このとき、組成物において重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、放射線硬化型のインクジェット組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。その一方で、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線硬化型インクジェット用光源として期待されている。これらの中でも、UV−LEDが好ましい。
ここで、発光ピーク波長が、365nm以上405nm以下の範囲が好ましく、380nm以上400nm以下の範囲がより好ましく、このような範囲にある紫外線を照射することにより、硬化可能であるような組成物を用いることが好ましい。また、照射エネルギーは、50mJ/cm2以上500mJ/cm2以下が好ましく、100mJ/cm2以上400mJ/cm2以下がより好ましい。
上記の場合、上記組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。上記組成物の組成によって照射時間を短縮することができ、その場合、印刷速度が増大する。他方、本実施形態における組成物の組成によって照射強度を減少させることもでき、その場合、装置の小型化やコストの低下が実現する。その際の紫外線照射には、UV−LEDを用いることが好ましい。このような組成物は、上記波長範囲の紫外線照射により分解する光重合開始剤、及び上記波長範囲の紫外線照射により重合を開始する重合性化合物を含むことにより得られる。なお、発光ピーク波長は、上記の波長範囲内に1つあってもよいし複数あってもよい。複数ある場合であっても上記発光ピーク波長を有する紫外線の全体の照射エネルギーを上記の照射エネルギーとする。
本実施形態のインクジェット方法は、上記各工程の他、従来のインクジェット方法が有する公知の工程を有していてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例において用いたインクジェット装置、水分量制御手段、溶存ガス量制御手段及び組成物に用いた主な構成や材料は、以下の通りである。
〔インクジェット装置〕
図1〜4に示すインクジェット装置の内部構造を有するように改造したインクジェットプリンタPX−M650A(セイコーエプソン社製)
カートリッジからの組成物の流量:100mL/min
〔水分量制御手段用の材料〕
材料1:シリカゲル(豊田化工社製商品名)
材料2:モレキュラーシーブ 3A(巴工業社製商品名)
材料3:モレキュラーシーブ 13X(巴工業社製商品名)
材料4:ポリアクリル酸Na(日本触媒社製商品名アクアリック)
〔水分量制御手段の構成〕
ステンレス製の円筒形状の管(内径:50mm、長さ:150mm)の内側に、上述の各材料を十分に充填し、その管を継手(フランジ)を介して流路の途中に組み込んだ。
〔溶存ガス量制御手段〕
中空糸膜脱気モジュール(DIC社製の商品名「EF−G3」)を、流路の途中であって、上記水分量制御手段の下流側に継手を介して組み込んだ。
〔インクジェット組成物〕
〔顔料〕
カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)(BASF社製、PigmentBlack7とも称す。)
〔分散剤〕
solsperse36000(ノベオン社製商品名、Sol36000と略す。)
〔重合性化合物〕
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製、VEEAと略す。)
フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、PEAと略す。)
4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、4HBAと略す。)
ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、HEAと略す。)
〔重合開始剤〕
SPEEDCURE TPO(Lambson社製商品名、TPOと略す。)
KAYACURE DETX(日本化薬社製商品名、DETXと略す。)
〔重合禁止剤〕
LA−7RD(ADEKA社製商品名、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル骨格を有する化合物)
〔界面活性剤〕
BYK−UV 3500(BYKChemie社製、BYK3500と略す。)
[組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
Figure 2016147436
(物性1)組成物の水分量
得られた各組成物について、インクジェット装置のインクカートリッジに収容する前に、カールフィッシャー水分計MKA−520(京都電子工業社製)を用いて水分量を測定した。測定結果を表1に示す。数値の単位は質量%である。
(評価1)塗膜硬度
得られた各組成物について、ピーク波長365nmのUV−LEDを用いて、基材(PETフィルム)に塗布した組成物に対して200mJ/cm2の照射エネルギーを照射し、9μmの厚みの塗膜を作製した。その塗膜について、JIS K5600−5−4に準拠する鉛筆硬度を測定し、塗膜硬度として評価した。評価結果を表1に示す。
[組成物の処理]
下記の表2、3に示す材料を有する、下記の表2、3に示す水分量制御手段を備えるインクジェット装置を準備し、そのインクジェット装置のインクカートリッジに組成物を充填した。次に、組成物をインクジェットヘッドから吐出した後、吐出を停止して、12時間静置した。その後、流路内の組成物をインクジェットヘッド100直前の流路から採取した。ここでいうインクジェットヘッド100直前の流路とは、図1に示すインクジェット装置の場合は、分離膜204とインクジェットヘッド100との間の流路214、図2及び図4に示すインクジェット装置の場合は、脱気モジュール206とインクジェットヘッド100との間の流路214、図3に示すインクジェット装置の場合は、流路214A、である。
Figure 2016147436
Figure 2016147436
(物性2)流路内組成物の水分量
上記の流路内から採取した各組成物について、カールフィッシャー水分計MKA−520(京都電子工業社製)を用いて、水分量を測定した。測定結果を表2、表3に示す。数値の単位は質量%である。
(物性3)流路内組成物の溶存ガス量
実施例10〜12における上記の流路内から採取した各組成物について、ガスクロマトグラフィー Agilent 6890(アジレント・テクノロジー社製)を用いて、溶存ガス量を測定した。キャリアガスとしてはヘリウム(He)ガスを使用した。測定結果を表3に示す。数値の単位は質量ppmである。
(評価2)保存安定性
上記の流路内から採取した組成物10gをφ10μmのフィルタに通液し、フィルタにろ集された異物の有無を目視にて観察した。評価結果を表2、表3に示す。
A:異物が確認され、保存安定性は良好ではなかった。
B:異物が確認されなかったため、保存安定性は良好であった。
(評価3)吐出安定性
上記の流路内から採取した各組成物を、図4に示すインクジェット装置の内部構造を有するように改造したインクジェットプリンタPX−M650A(セイコーエプソン社製)に充填し、インクジェットヘッドから吐出し、被記録媒体である普通紙Xerox−P(Xerox社製、A4サイズ)500枚にベタパターンを連続して形成した(Lドット、600×600dpi)。形成した普通紙500枚のベタパターンを以下の基準に基づいて評価した。ただし、比較例2〜4においては、インクジェットプリンタPX−M650Aを改造することなく用いた。評価結果を表2、表3に示す。
A:ドットの抜け、曲がりもなく、普通紙500枚に安定して吐出できた。
B:ドットの抜け、曲がりが発生し、普通紙500枚に安定して吐出することができなかった。
表2、表3に示す実施例及び比較例の対比により、本発明に係るインクジェット方法によれば、優れた吐出安定性が得られ、さらに、吸収異物の発生が抑制され、水分量が少なく、優れた塗膜硬度が得られることが分かった。
1…インクカートリッジ、64…主走査移動テーブル、100…インクジェットヘッド、106…分岐継手、108…圧力調整弁、200…サブタンク、202…加圧ポンプ、204…分離膜、206…脱気モジュール、210…統合継手、212…開閉バルブ、214…流路、214A…往路、214B…復路、218,220,222…ヒーター、320…開弁アクチュエーター。

Claims (9)

  1. 放射線硬化型のインクジェット組成物を収容する収容体と、該収容体から該インクジェット組成物を供給されるインクジェットヘッドの吐出口と、を接続する流路の少なくとも一部において、該インクジェット組成物の水分量を制御する水分量制御工程と、
    前記インクジェット組成物を、前記インクジェットヘッドの吐出口から吐出する吐出工程と、を有し、
    前記インクジェット組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む、インクジェット方法。
  2. 前記水分量制御工程は、前記インクジェット組成物の水分量を減少させる処理により、水分量を制御する、請求項1に記載のインクジェット方法。
  3. 前記処理は、脱水処理、加熱処理、減圧処理、及び乾燥空気導入処理からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載のインクジェット方法。
  4. 前記脱水処理において、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ポリアクリル酸、及びポリアクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸水材を用いる、請求項3に記載のインクジェット方法。
  5. 前記(メタ)アクリルモノマーは、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット方法。
  6. 前記インクジェット組成物は、前記(メタ)アクリルモノマーを、該インクジェット組成物の全量に対し、5.0質量%以上71質量%以下含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット方法。
  7. 前記インクジェット組成物の溶存ガス量を制御する溶存ガス量制御工程をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット方法。
  8. 前記流路は、前記インクジェット組成物を循環させる循環路を含み、
    前記水分量制御工程は、前記循環路の少なくとも一部において、前記インクジェット組成物の水分量を制御する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット方法に用いる、インクジェット装置。
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