JP2016144201A - 共振器およびそれを用いた高周波フィルタ - Google Patents

共振器およびそれを用いた高周波フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2016144201A
JP2016144201A JP2015021648A JP2015021648A JP2016144201A JP 2016144201 A JP2016144201 A JP 2016144201A JP 2015021648 A JP2015021648 A JP 2015021648A JP 2015021648 A JP2015021648 A JP 2015021648A JP 2016144201 A JP2016144201 A JP 2016144201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
resonator
flat
flat conductor
resonator according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015021648A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6516492B2 (ja
Inventor
昌也 田村
Masaya Tamura
昌也 田村
健人 一瀬
Kento Ichinose
健人 一瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyohashi University of Technology NUC
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyohashi University of Technology NUC filed Critical Toyohashi University of Technology NUC
Priority to JP2015021648A priority Critical patent/JP6516492B2/ja
Publication of JP2016144201A publication Critical patent/JP2016144201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6516492B2 publication Critical patent/JP6516492B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

【課題】複数の共振モードを電磁界結合し、共振器の大きさに依存せず共振周波数を調整できることにより、低背化および小形化を実現できる共振器およびそれを用いた高周波フィルタを提供する。
【解決手段】導体によって構成された箱状の筐体と、導体によって構成されるとともに、適宜面積の表面および裏面を有する板状矩形に形成され、前記筐体の内部において該板状矩形の周端面の全てが開放端面となるように配置された平板導体と、前記平板導体の表面または裏面のいずれか一方の中心点と前記筐体との間に配置された第1の短絡部材と、前記第1の短絡部材とは異なる位置において前記平板導体と前記筐体との間に配置された第2の短絡部材とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、共振器およびそれを用いた高周波フィルタに関する。特に、携帯電話の基地局等のマイクロ波帯あるいはミリ波帯の無線通信装置に用いられる。
従来のこの種の共振器は、半同軸共振器の原理に基づいて、金属からなる中空構造の筐体と、一端が前記筐体に接地され、かつ他端が開放となる円柱形状の導体が前記筐体の内部に配置された構造からなる。前記半同軸共振器を複数有し、各半同軸共振器の間に筐体と接続された金属壁を設け、半同軸共振器間の結合を調整する構造とすることで高周波フィルタが構成される。
例えば、特許文献1には、円柱形状の第1素子と、前記第1素子の一端に締結された正方形状かつ板状の第2素子とを有する共振体と、箱状の筐体と、を具備し、複数の前記共振体が、互いに正方形の一辺を近づけて、前記筐体内に配置される共振器が開示されている。
特許文献2には、筒状の周壁部の両端が閉じられた外部導体とその導体内部に対称的に配置された柱状の二つの中心導体から構成され、前記二つの中心導体は、一端が前記外部導体に短絡され、他端は開放された構造を有するマルチモード共振器が開示されている。
また特許文献3には、導電性を有する箱状の筐体と、その筐体内部に一端が前記筐体に導通し他端が開放された導電体棒と、前記導電体棒の周囲に誘電体コアを設けた多重モード共振器が開示されている。
WO 2014049922 特開2013−080992号公報 特開2002−368508号公報
このような従来の共振器では、自由空間における定在波の波長に応じて共振器の高さが決まってしまうため、該共振器を使用する高周波フィルタの低背化、小面積化の実現が課題となっていた。
上記の課題を回避するために、たとえば、特許文献1では、不連続なインピーダンス構造を用いて共振器の低背化を図っているが、共振器の高さ方向に生じる定在波を利用しているため、円柱形状の第1素子である高インピーダンス部と前記第1素子の一端に締結された正方形状かつ板状の第2素子である低インピーダンス部の高さの和未満にすることができず、その結果として高周波フィルタの低背化の実現が困難である。さらに、複数の共振を結合させるには結合に必要な数だけ共振器を用意する必要があるため、高周波フィルタを作製する際、前記低インピーダンス部の面積の和未満にすることができず、その結果として高周波フィルタの小面積化の実現が困難である。
また、特許文献2では、少なくとも三つの共振モードを生じ、それらを結合させることにより、フィルタとして結合する共振器の数を減らして小型化を図っているが、所望の共振周波数の値により、中心導体の長さと筐体の大きさが決まってしまうため、その長さおよび大きさ未満に小型化することができない。
また、特許文献3では、少なくとも二つの共振モードを生じ、それらを結合させることによって、フィルタとして結合する共振器の数を減らして小型化を図っているが、所望の共振周波数の値により、導電体棒の長さが決まってしまうため、その長さ未満にすることができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。
請求項1に記載の共振器は、導体によって構成された箱状の筐体と、
導体によって構成されるとともに、適宜面積の表面および裏面を有する板状矩形に形成され、前記筐体の内部において該板状矩形の周端面の全てが開放端面となるように配置された平板導体と、
前記平板導体の表面または裏面のいずれか一方の中心点と前記筐体との間に配置された第1の短絡部材と、
前記第1の短絡部材とは異なる位置において前記平板導体と前記筐体との間に配置された第2の短絡部材と
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の共振器は、前記平板導体が、前記筐体を構成する二つの対向平面の間に配置されるとともに、正方形または長方形に形成された表面および裏面が前記筐体の対向平面に平行な状態となっているものであり、前記第1および第2の短絡部材が、導体によって円柱状に形成された第1および第2の導体柱によって構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の共振器は、前記第1の導体柱が、前記平板導体の裏面側中央に配置され、前記第2の導体柱が、前記平板導体の表面側中央に配置されるものであることを特徴とする。
請求項4に記載の共振器は、前記第1の導体柱が、前記平板導体の裏面側中央に配置されており、前記第2の導体柱が、前記平板導体の裏面側における端縁によって形成される正方形または長方形の少なくとも一組の対辺の中点同士を結んだ仮想線上に、前記第1の導体柱から適宜間隔を有して複数配置されたものであることを特徴とする。
請求項5に記載の共振器は、前記第2の導体柱が、さらに、前記平板導体の表面側中央に配置されるもの、および前記平板導体の表面側における端縁によって形成される正方形または長方形の少なくとも一組の対辺の中点同士を結んだ仮想線上に、前記第2の導体柱から適宜間隔を有して複数配置されたものであることを特徴とする。
請求項6に記載の共振器は、前記第1および第2の導体柱が、前記平板導体を中心に表面側と裏面側とが対称となるように配置されたものであることを特徴とする。
請求項7に記載の共振器は、前記第2の導体柱が前記第1の導体柱とともに適宜間隔を有して配置され、または該第2の導体柱同士が適宜間隔を有して配置される複数の導体柱に代えて、各導体柱が連続した状態の板状の導体壁として形成したものであることを特徴とする。
請求項8に記載の共振器は、前記第1および第2の導体柱が、軸線を前記平板導体の表面または裏面に対し垂直方向となるように配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の共振器は、前記平板導体の各端面が、該端面の中央から該平板導体の中心に向かって適宜長さの溝状に切欠かれているものであることを特徴とする。
請求項10に記載の共振器は、前記平板導体が、各端面によって形成される正方形または長方形のうち、一つの角部を任意な形状に変形し、または該角部近傍の少なくとも表面側もしくは裏面側のいずれか一方に前記短絡部材もしくは導体柱を追加して配置してなることを特徴とする。
請求項11に記載の共振器は、前記角部の変形が、該角部を斜状に切欠き、または該角部から外方横向きに突出する四辺形導体平板を連続した形状とするものであることを特徴とする。
請求項12に記載の高周波フィルタは、請求項1ないし9のいずれかに記載の共振器を使用する高周波フィルタであって、前記平板導体の任意の角部に入力電磁界結合素子を配置し、他の角部に出力電磁界結合素子を配置してなることを特徴とする。
請求項13に記載の高周波フィルタは、請求項10ないし11のいずれかに記載の共振器を使用する高周波フィルタであって、前記任意な形状に変形または前記導体柱を追加配置した角部とは異なる任意の角部に入力電磁界結合素子を配置し、さらにこれらとは異なる角部に出力電磁界結合素子を配置してなることを特徴とする。
このような構成により、一つの平板導体の平面状に少なくとも四つの定在波を発生させることができるため、共振器の低背化を実現でき、その結果として高周波フィルタの低背化、小面積化が実現できる。
図1は本発明の実施に係る共振器の構成図である。 図2は本発明の実施の形態に係る共振器のz−x面の断面図である。 図3は本発明の実施の形態に係る共振器のx−y面の断面図である。 図4は本発明の実施の形態に係る共振器に生じる電圧定在波の一つ目の共振の説明図である。 図5は本発明の実施の形態に係る共振器に生じる電圧定在波の二つ目の共振の説明図である。 図6は本発明の実施の形態に係る共振器の共振周波数の調整方法を示すx−y面の断面図である。 図7は本発明の実施の形態に係る共振器に生じる電圧定在波の三つ目の共振の説明図である。 図8は本発明の実施の形態に係る共振器に生じる電圧定在波の三つ目の共振を表す等価回路図である。 図9は本発明の実施の形態に係る共振器に生じる電圧定在波の四つ目の共振の説明図である。 図10は本発明の実施の形態に係る共振器がもつ共振モード間の結合方法の一例を示すx−y面の断面図である。 図11は本発明の実施の形態に係る共振器がもつ共振モード間の結合方法の一例を示すx−y面の断面図である。 図12は本発明の実施の形態に係る共振器がもつ共振モード間の結合方法の一例を示すx−y面の断面図である。 図13は本発明の実施の形態に係る共振器がもつ共振モード間の結合方法の一例を示すx−y面の断面図である。 図14は本発明の実施の形態に係る共振器が少なくとも二つ以上の共振モードを結合した場合におけるフィルタの入出力結合方法の一例を示すx−y面の断面図である。 図15は本発明の実施例1に係る共振器の特性評価用構成の一例を示すx−y面の断面図である。 図16は本発明の実施例1に係る共振器の特性図である。実施例1に係る共振器の特性評価用構成の一例を示すx−y面の断面図である。 図17は本発明の実施例1に係る共振器の特性評価用構成の一例を示すx−y面の断面図である。 図18は本発明の実施例1に係る共振器にて、図17の特定評価構成とした場合の特性図である。 図19は本発明の実施例1に係る共振器の共振周波数の調整方法を示すx−y面の断面図である。 図20は本発明の実施例1に係る共振器に生じる電圧定在波の三つ目の共振を表す等価回路図である。 図21は本発明の実施例1に係る共振器を用いたフィルタの特性図である。
本発明の実施に係る共振器について、以下、図面を用いて説明する。図1は本発明に係る共振器の構成図である。図1において、共振器1は平板導体2とこれを囲うグラウンド導体3が配置されている。前記平板導体2は1面に接続された少なくとも1本の導体柱4と、前記導体柱4と対向配置され、かつ前記平板導体2の他面に接続された少なくとも1本の導体柱5を有し、前記導体柱4、5の他端はそれぞれグラウンド導体3に接続されている。グラウンド導体3には、筐体と同義であるが、ここでは、導体支柱4、5を短絡部材として使用することからグラウンドの語を使用することとする。
続いて、本構成を具体的に説明する。図2に示すように前記平板導体2は前記グラウンド導体3の高さに対して、ほぼ中心に位置するよう配置されている。この平板導体2は、グランド導体3の高さ方向に偏った状態とする形態の場合もあり得るが、ほぼ中心に位置するものを代表例として説明する。なお、ほぼ中心とは、多少の上下方向への偏りを含む意味である。
図3に示すように前記導体柱4は前記平板導体2のうち、面積が最も広い面の中央部に接続されている。そして、前記導体柱5は前記導体柱4が接続された前記平板導体2の面積が最も広い面と対向する面の中央部に接続されている。つまり、図2に示すように本構造は前記平板導体2の高さ方向の中心を境として、略対称な構造を有している。
本発明に係る共振器構造は少なくとも四つの異なる共振モードを持つ。
前記平板導体2は図4、図5に示すように最も面積が広い面上においてx軸方向、およびy軸方向に平行な電圧定在波が生じる共振モード(準TEMモード)を持つ。前記平板導体2はx軸、y軸とそれぞれ平行な4辺は開放端となっているため、電圧定在波の腹が現れる。x軸方向に生じる図4に示す平板導体2上の電圧定在波はy軸と平行な1辺とy軸に平行な他辺で180度の位相差を持つ。また、y軸方向に生じる図5に示す平板導体2上の電圧定在波はx軸と平行な1辺とx軸に平行な他辺で180度の位相差を持つ。したがって、前記二つの共振モードはnを整数とするとn/2×(1辺の長さ)で決定される共振周波数を持つ。すなわち、前記グラウンド導体3で囲まれた領域を電磁波が伝搬する速度をvp、前記平板導体2のx軸方向の長さをlx、y軸方向の長さをlyとすると共振モードの共振周波数fr1、fr2はそれぞれ次式で表現される。
Figure 2016144201
Figure 2016144201
つまり、数1および数2で表される共振モードの共振周波数は平板導体のx軸方向、y軸方向の長さによって共振周波数を調整することができる。また、前記共振モードが持つ電圧定在波の節となる箇所に前記導体柱4、5は接続されている。したがって、図6に示すように前記導体柱4、5を接続面上のx軸方向の中心線6、y軸上の中心線7に沿って本数を増やすことで前記共振モードの共振周波数を調整できる。
また、前記平板導体2は図7に示すように、最も面積が広い面上の四つの角が同一の位相となる電圧定在波が生じる共振モードを持つ。該共振モードが持つ電圧定在波の節となる箇所には前記導体柱4、5が接続されている。該共振モードは図8に示すように、前記導体柱4、5がインダクタ8に、前記平板導体2と前記グラウンド導体3がコンデンサ9に等価的に置き換えられ、並列共振回路10のように表される(LC並列共振モード)。したがって、前記インダクタ8の値をLv、前記コンデンサ9の値をCpとすると共振周波数fr3は次式で表現される。
Figure 2016144201
つまり、図6に示すように、前記導体柱4、5を接続面上のx軸方向の中心線6、y軸上の中心線7に沿って本数を増減することで、あるいは前記導体柱のx軸、y軸方向の長さを増減することでインダクタ8の値Lvを等価的に増減できるため、前記共振モードの共振周波数を調整できる。あるいは、前記平板導体2の面積を増減することでコンデンサ9の値Cpを等価的に増減できるため、前記共振モードの共振周波数を調整できる。また、前記平板導体2と前記グラウンド導体3の距離を広狭することでインダクタ8の値Lvおよびコンデンサ9の値Cpを等価的に増減できるため、前記共振モードの共振周波数を調整できる。
すなわち、共振器1が持つ少なくとも四つの共振周波数からなる共振モードのうち、三つの共振モードの共振周波数は前記導体柱4、5の本数によって制御することができる。
さらに、前記平板導体2は図9に示すように、最も面積が広い面上の四つの角の対角方向の位相がそれぞれ等しく、x軸、y軸と平行な辺における角の位相差がそれぞれ180度となるx軸、y軸方向の辺に沿った電圧定在波が生じる共振モードをそれぞれ持つ。該共振モードの共振周波数は前記グラウンド導体3のz−x面の面積と前記平板導体2のx−y面の面積によって決定される。したがって、前記グラウンド導体3の内部を電磁波が伝搬できるカットオフ波長をλc、前記平板導体2のy軸方向の長さをlyとすると共振周波数fr4は次式で表現される。
Figure 2016144201
つまり、前記グラウンド導体3のz軸方向、x軸方向の長さ、前記平板導体と前記グラウンド導体3のz方向における間隔、および前記平板導体2のy軸方向の長さによって前記共振モードの共振周波数を調整することができる。
また図9に示す共振モードの電圧定在波が節となる場所に、図10に示すような切り欠き11を設けると、本来電圧定在波が節となる場所が開放され、電界が中心導体2の端に沿い迂回することで、図9に示す共振モードの共振周波数は低周波側に移動する。
上記のような構成により、一つの平板導体の平面状に少なくとも四つの共振モードを生じさせることができるため、共振周波数を共振器の高さに依存することなく調整ができ、その結果として、共振器の低背化が実現できる。
なお、グラウンド導体内部を誘電体で満たしても同様の効果を得ることができる。グラウンド導体内部を誘電体で満たすことによる波長短縮効果によって、前記共振モード1から4の共振周波数は、グラウンド導体内部を空気で満たした場合よりも低周波化させることができる。結果、共振器の小型・低背化が実現できる。
さらに、本発明に係る共振器において図6に示すように前記導体柱4、5を接続面上のx軸方向の中心線6、y軸上の中心線7に沿って本数を増やす、もしくは前記グラウンド導体3のz軸方向、x軸方向の長さ、前記平板導体2と前記グラウンド導体3のz方向における間隔、および前記平板導体2のx軸方向、y軸方向の長さを変えることによって、少なくとも二つ以上の共振周波数を合わせることができる。共振周波数を合わせた少なくとも二つ以上の共振は平板導体2の最も面積が広い面上の四つの角のうち、1)少なくとも一つの角を他の角とは異なる境界条件を与える、2)少なくとも一つの角に切り欠き12を与えて90度よりも広くする(図11を参照)、3)少なくとも一つの角にグラウンド導体3に接続された導体柱13に接続する(図12を参照)、4)少なくとも一つの角に平板導体14を設ける(図13を参照)、前記いずれかの方法によりインピーダンスインバータの効果を与えることができ、結果として共振モード同士を電磁界結合させることができる。
さらに前記平板導体2の最も面積が広い面上の四つの角のうち異なる条件を与えていない他の角に図14のように入力電磁界結合素子15、および出力電磁界結合素子16を与えることで、一つの共振器で複数の共振を結合させることができる。したがって、従来の共振器のように、フィルタを構成するには所望の特性を満たすために、必要な数だけ共振器を用意する必要がないため、フィルタの小形化を実現できる。
なお、前記導体柱4、5は互いが独立した構造を取るに限らず、x軸方向の中心線6に沿って複数本配置された導体柱ならびにy軸方向の中心線7に沿って複数本配置した導体柱をそれぞれ接続した構造でも同様の効果を得ることができる。これにより、平板導体2の固定強度を高めることもできる。
一方、前記入力電磁界結合素子15、および出力電磁界結合素子16はコンデンサ構造を用いてもよい。これにより、電磁界結合量を調整することができるためフィルタの特性を容易に制御できる。
また、前記入力電磁界結合素子15、および出力電磁界結合素子16は共振器に直接伝送線路を接続する構造を用いてもよい。これにより、入力電界結合素子15、出力電界結合素子16を平行平板コンデンサで表現した場合よりも大きな電磁界結合量を得ることができるため容易にフィルタを設計できる。
具体的には、本発明に係る共振器を用いた高周波フィルタの低損失化のために、該共振器の部材は、前記平板導体2、前記グラウンド導体3、前記導体柱4、5は、共振器の高Q値化の観点から導電率の高い金属、例えば、銅が望ましい。あるいは、高周波フィルタの軽量化の観点から比重の軽い金属、例えば、アルミニウムを用いてもよい。
また、本発明に係る共振器の構造については、前記平板導体2と前記グラウンド導体3のx軸、y軸、z軸方向における距離(間隔)によってQ値が決定されるため、共振器の高Q化の観点から、できるだけ距離を広げて配置することが望ましい。加えて、前記導体柱4、5は、共振器の高Q値化の観点から、直径は大きく、またz軸方向の長さは短い方が望ましい。結果、フィルタの低損失化も実現できる。
なお、前記平板導体2は所望の共振周波数における表皮深さよりもz軸方向の長さを長くすることが好ましい。これにより表皮効果による損失を低減できる。
図1に示す平板導体2の最も面積が広い面上の面積、すなわちx軸方向の長さ×y軸方向の長さを85mm×85mmとし、平板導体2とグラウンド導体3の厚みをそれぞれ0.1mmとする。導体柱4、5の直径を2mmとし、平板導体2の中央に1本設置する。グラウンド導体3のx−y面の面積を90mm×90mm、グラウンド導体3のz方向の長さを2mmとする。グラウンド導体3で覆われている領域は空気で満たされているとする。前記のような共振器17において、共振モードは準TEMモード(fr1、fr2)、LC共振モード(fr3)、HSモード(fr4)の四つの共振モードが現れる。ただし、前記平板導体2はx軸方向の長さとy軸方向の長さが等しいので、fr1=fr2となる。このような共振特性を調べるため、図15に示すように、入力電磁界結合素子18と出力電磁界結合素子19を設け、平板導体2との間隔を1mmとなるように構成する。前記入力電磁界結合素子18のx方向、y方向、z方向の長さをそれぞれ4.0mm、2.6mm、0.1mmとする。前記出力電磁界結合素子19のx方向、y方向、z方向の長さをそれぞれ2.6mm、4.0mm、0.1mmとする。以上のように構成した場合において、図16に示す共振特性が得られる。
前記共振器17において、図17のように導体柱4、5をx軸上の中心線6とy軸上の中心線7に沿って8.5mmの間隔を空け本数を13本に増やした場合、図18に示す共振特性が得られる。
導体柱の本数を増やした場合、図19の一点鎖線で示される範囲20に電圧定在波が節となる領域ができる。したがって、図4、図5に示す準TEMモードそれぞれの電圧定在波が生じる領域が減少し、結果、共振モードの共振周波数が高周波側に移動する。
また、導体柱の本数を増やした場合、図20に示すように、導体柱4、5で等価されるインダクタ8が等価的に並列に増加するため、前記インダクタ8の値Lvは等価的に小さくなり、結果、図7に示す共振モードの共振周波数は高周波側に移動する。
図9に示す共振モードの電圧定在波が節となる場所は、x軸上の中心線6上とy軸上の中心線7上に存在するため、x軸上の中心線6、y軸上の中心線7に沿って導体柱の本数を増やした場合、図9に示す共振モードの共振周波数は変化しない。
つまり、図16、図18からも分かるように導体柱4、5の本数を調整することで、図4、図5、図7に示す共振モード、すなわち準TEMモードとLC共振モードの共振周波数を制御することができる。
前記共振器17において、導体柱4、5をそれぞれ13本とする。共振モード同士を電磁界結合させるために、平板導体2に図14に示すような等辺が42.5mmの切り欠き12を設ける。入力電磁界結合素子15と出力電磁界結合素子16を共振器に直接伝送線路を接続する構造を用いて設ける。前記入力電磁界結合素子15のx方向、y方向、z方向の長さをそれぞれ5.0mm、2.6mm、0.1mmとする。前記出力電磁界結合素子16のx方向、y方向、z方向の長さをそれぞれ2.6mm、5.0mm、0.1mmとする。以上のように構成した場合において、図21に示す少なくとも三つの共振モードを結合させたフィルタ特性を得ることができる。通過特性は実線に、反射特性は破線に対応する。このようにして従来よりも小型のフィルタを構成する事ができる。そのフィルタを搭載することで基地局に搭載する電子機器をさらに小型にする事ができる。
なお、上記いずれの実施例における共振器の大きさは設計例であり、必要とされる共振周波数など仕様および設計要求により求められるものであって、上記の数値に限定されるものではない。
1 共振器
2 平板導体
3 グラウンド導体
4 導体柱
5 導体柱
6 平板導体の導体柱接続面上のx軸方向の中心線
7 平板導体の導体柱接続面上のy軸方向の中心線
8 インダクタ
9 コンデンサ
10 並列共振回路
11 切り欠き
12 切り欠き
13 導体柱
14 平板導体
15 入力電磁界結合素子
16 出力電磁界結合素子
17 共振器
18 入力電磁界結合素子
19 出力電磁界結合素子


Claims (13)

  1. 導体によって構成された箱状の筐体と、
    導体によって構成されるとともに、適宜面積の表面および裏面を有する板状矩形に形成され、前記筐体の内部において該板状矩形の周端面の全てが開放端面となるように配置された平板導体と、
    前記平板導体の表面または裏面のいずれか一方の中心点と前記筐体との間に配置された第1の短絡部材と、
    前記第1の短絡部材とは異なる位置において前記平板導体と前記筐体との間に配置された第2の短絡部材と
    を備えることを特徴とする共振器。
  2. 前記平板導体は、前記筐体を構成する二つの対向平面の間に配置されるとともに、正方形または長方形に形成された表面および裏面が前記筐体の対向平面に平行な状態となっているものであり、前記第1および第2の短絡部材は、導体によって円柱状に形成された第1および第2の導体柱によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
  3. 前記第1の導体柱は、前記平板導体の裏面側中央に配置され、前記第2の導体柱は、前記平板導体の表面側中央に配置されるものであることを特徴とする請求項2に記載の共振器。
  4. 前記第1の導体柱は、前記平板導体の裏面側中央に配置されており、前記第2の導体柱は、前記平板導体の裏面側における端縁によって形成される正方形または長方形の少なくとも一組の対辺の中点同士を結んだ仮想線上に、前記第1の導体柱から適宜間隔を有して複数配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載の共振器。
  5. 前記第2の導体柱は、さらに、前記平板導体の表面側中央に配置されるもの、および前記平板導体の表面側における端縁によって形成される正方形または長方形の少なくとも一組の対辺の中点同士を結んだ仮想線上に、前記第2の導体柱から適宜間隔を有して複数配置されたものであることを特徴とする請求項4に記載の共振器。
  6. 前記第1および第2の導体柱は、前記平板導体を中心に表面側と裏面側とが対称となるように配置されたものであることを特徴とする請求項5に記載の共振器。
  7. 前記第2の導体柱が前記第1の導体柱とともに適宜間隔を有して配置され、または該第2の導体柱同士が適宜間隔を有して配置される複数の導体柱に代えて、各導体柱が連続した状態の板状の導体壁として形成したものであることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の共振器。
  8. 前記第1および第2の導体柱は、軸線を前記平板導体の表面または裏面に対し垂直方向となるように配置されていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の共振器。
  9. 前記平板導体の各端面は、該端面の中央から該平板導体の中心に向かって適宜長さの溝状に切欠かれているものであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の共振器。
  10. 前記平板導体は、各端面によって形成される正方形または長方形のうち、一つの角部を任意な形状に変形し、または該角部近傍の少なくとも表面側もしくは裏面側のいずれか一方に前記短絡部材もしくは導体柱を追加して配置してなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の共振器。
  11. 前記角部の変形は、該角部を斜状に切欠き、または該角部から外方横向きに突出する四辺形導体平板を連続した形状とするものであることを特徴とする請求項10に記載の共振器。
  12. 請求項1ないし9のいずれかに記載の共振器を使用する高周波フィルタであって、前記平板導体の任意の角部に入力電磁界結合素子を配置し、他の角部に出力電磁界結合素子を配置してなることを特徴とする高周波フィルタ。
  13. 請求項10ないし11のいずれかに記載の共振器を使用する高周波フィルタであって、前記任意な形状に変形または前記導体柱を追加配置した角部とは異なる任意の角部に入力電磁界結合素子を配置し、さらにこれらとは異なる角部に出力電磁界結合素子を配置してなることを特徴とする高周波フィルタ。

JP2015021648A 2015-02-05 2015-02-05 共振器およびそれを用いた高周波フィルタ Active JP6516492B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015021648A JP6516492B2 (ja) 2015-02-05 2015-02-05 共振器およびそれを用いた高周波フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015021648A JP6516492B2 (ja) 2015-02-05 2015-02-05 共振器およびそれを用いた高周波フィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016144201A true JP2016144201A (ja) 2016-08-08
JP6516492B2 JP6516492B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=56570977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015021648A Active JP6516492B2 (ja) 2015-02-05 2015-02-05 共振器およびそれを用いた高周波フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6516492B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05251904A (ja) * 1991-04-19 1993-09-28 Space Syst Loral Inc 小型デュアルモードプレーナフィルター
JPH08250914A (ja) * 1995-03-08 1996-09-27 Murata Mfg Co Ltd Tm2重モード誘電体共振器及び高周波帯域通過フィルタ装置
JPH10284913A (ja) * 1997-04-11 1998-10-23 Murata Mfg Co Ltd マイクロストリップ共振器、および同共振器を用いて構成したマイクロストリップフィルタ
WO2005069425A1 (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. 多重モード誘電体共振器、誘電体フィルタおよび通信装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05251904A (ja) * 1991-04-19 1993-09-28 Space Syst Loral Inc 小型デュアルモードプレーナフィルター
JPH08250914A (ja) * 1995-03-08 1996-09-27 Murata Mfg Co Ltd Tm2重モード誘電体共振器及び高周波帯域通過フィルタ装置
JPH10284913A (ja) * 1997-04-11 1998-10-23 Murata Mfg Co Ltd マイクロストリップ共振器、および同共振器を用いて構成したマイクロストリップフィルタ
WO2005069425A1 (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. 多重モード誘電体共振器、誘電体フィルタおよび通信装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
TAMURA ET AL.: "Dual Band Filter with Quad-mode Stripline Resonator", PROCEEDINGS OF THE 46TH EUROPEAN MICROWAVE CONFERENCE, JPN6018050149, October 2016 (2016-10-01) *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6516492B2 (ja) 2019-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101131154B1 (ko) 다중모드 공진 필터
JP5466340B2 (ja) Pcbに取り付けられたマイクロ波リエントラント型共振空洞のためのカップリング機構
US10847861B2 (en) Multimode resonator
JP6338771B2 (ja) 多重モード共振器
EP3991244B1 (en) Resonator apparatus, filter apparatus as well as radio frequency and microwave device
EP1962369B1 (en) Dielectric multimode resonator
EP2390953A1 (en) Packaging of active and passive microwave circuits using lid or bed of curved posts
JP3891996B2 (ja) 導波管型導波路および高周波モジュール
JP6516492B2 (ja) 共振器およびそれを用いた高周波フィルタ
JP2007110426A (ja) 誘電体装置
KR101615095B1 (ko) 수직 또는 수평 방향으로 교차하는 격벽 구조를 포함하는 공진기 및 이를 이용한 필터
JP5966238B2 (ja) マルチモード共振器、マルチモードフィルタ及び無線通信装置
KR100233265B1 (ko) 내전력 특성을 갖는 폐루프공진기 필터
JP5858521B2 (ja) マルチモード共振器、マルチモードフィルタ及び無線通信装置
KR101221418B1 (ko) 메타물질구조를 포함하는 일체형 유전체 필터 및 이를 이용한 통신 중계 장치
US20240186674A1 (en) Resonance Unit and Dielectric Filter
JP5350423B2 (ja) 同軸2重モード共振器およびフィルタ
WO2013047850A1 (ja) マルチモード共振器、マルチモードフィルタ及び無線通信装置
Psychogiou et al. Compact 3D Printed Bandpass Filters Using Folded Mixed Hemi-Spherical Resonators
CN116031602A (zh) 一种介质波导谐振器和多模介质波导谐振器
JP2018107602A (ja) 共振器及びフィルタ
JP2012160837A (ja) 高周波フィルタ及び高周波モジュール
Ahmad et al. The Development of Rectangular Waveguide Bandpass Filter
JP2006140653A (ja) 誘電体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6516492

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250