以下では、本発明の実施の形態に係る照明システム及び照明システムの照明器具管理方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
以下、図1〜図6を用いて、実施の形態を説明する。
[全体構成]
図1は、実施の形態における照明システム1の一例を示すブロック図である。
本実施の形態における照明システム1は、複数の照明器具20の制御及び状態の管理が行われるシステムであり、コントローラ10及び複数の照明器具20を備える。なお、コントローラ10と照明器具20とは通信線によって接続されているが、これは必ず必要なものではなく、例えば、無線によって接続されてもよい。また、本実施の形態では、照明システム1は複数の照明器具20を備えるが、照明システム1は、複数の照明器具20を備えなくてもよく、例えば1台の照明器具20を備えてもよい。
コントローラ10は、電源部11、第1の通信部12及び第1の制御部13から構成される。コントローラ10は、照明器具20と通信することで、照明器具20の制御及び状態の管理を行う。照明器具20の制御には、例えば、照明器具20の調光または点滅等の制御が含まれる。照明器具20の状態には、例えば、照明器具20の消費電力、照明器具20が備える後述する光源25の調光率、または、照明器具20の動作状態等が含まれる。コントローラ10は、照明器具20の制御として照明器具20の調光または点滅等の制御を行う。例えば、ユーザによるコントローラ10が有するスイッチ(図示せず)の操作、または、タイマー等により、照明器具20の点灯を制御するための点灯制御命令が生成され、照明器具20に調光または点滅等をさせる制御が行われる。また、コントローラ10は、照明器具20の状態の管理として、消費電力、調光率または動作状態等の管理を行う。本実施の形態では、コントローラ10は、照明器具20の状態として照明器具20の消費電力を問い合わせる問い合わせ命令により、消費電力の管理を行う。消費電力の問い合わせ命令は、例えば、所定の時間間隔で生成される。
電源部11は、AC(Alternating Current)電源(図示せず)から制御部13を駆動させるためのDC(Direct Current)電源を生成する。
第1の通信部12は、照明器具20と通信をすることで、照明器具20からの情報の受信及び照明器具20への情報の送信を行う。第1の通信部12は、照明器具20への情報の送信として、点灯制御命令、または、問い合わせ命令を送信する。問い合わせ命令の送信では、第1の通信部(通信部)12は、照明器具20に照明器具20の状態の問い合わせを行う。具体的には、第1の通信部12は、複数の照明器具20のそれぞれに照明器具20の状態として消費電力の問い合わせを所定の時間間隔で繰り返し行う。例えば、コントローラ10が3台の照明器具20a、20b及び20cを管理する場合、第1の通信部12は、まず、照明器具20aに照明器具20aの消費電力の問い合わせを行う。次に、第1の通信部12は、照明器具20b、20cの順番に照明器具20b、20cのそれぞれの消費電力の問い合わせを行う。そして、第1の通信部12は、全ての照明器具20への消費電力の問い合わせが終わった後に、再度、照明器具20aに照明器具20aの消費電力の問い合わせを行う。つまり、第1の通信部12は、照明器具20aに照明器具20aの消費電力の問い合わせを行ってから、所定の時間経過後に再度照明器具20aに問い合わせを行う。第1の通信部12は、照明器具20b、20cについても同様に照明器具20b、20cに消費電力の問い合わせを行ってから、所定の時間経過後に再度問い合わせを行う。
第1の制御部13は、第1の通信部12が照明器具20へ通信信号として送信する、点灯制御命令、または、問い合わせ命令の選択を行う。問い合わせ命令により、第1の制御部(制御部)13は、照明器具20の状態を管理する。具体的には、第1の制御部13は、問い合わせ命令の返信として取得した照明器具20の状態(消費電力)を示す情報を、管理情報として管理する。さらに、第1の制御部(制御部)13は、第1の通信部(通信部)12が問い合わせに対して照明器具20の状態(消費電力)を示す情報を受けた場合には、情報に示される状態(消費電力)を最新の照明器具20の状態(消費電力)と判断する。また、第1の制御部(制御部)13は、第1の通信部(通信部)12が照明器具20の状態(消費電力)を示す情報を受けなかった場合には、照明器具20の状態(消費電力)が変更せずに継続していると判断する。詳細な動作については、後述する図2及び図3で説明する。第1の制御部13は、例えば、マイコン、または、マイコンとEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)(及びデータフラッシュ)との組み合わせにより構成される。第1の制御部13が管理する管理情報は、EEPROMに記憶される。なお、第1の制御部13が管理する管理情報は、EEPROMに記憶されなくてもよく、コントローラ10と通信可能なサーバ等に記憶されてもよい。
また、照明器具20から送られた照明器具20の状態(本実施の形態では消費電力)を管理する管理情報は、コントローラ10が備えるモニタ等の表示部(図示せず)に表示され、照明器具20の状態がユーザに知らせられてもよい。
また、第1の通信部12が通信を行う相手は、照明器具20に限らない。例えば、第1の通信部12は、他機器としてパソコンまたはリモコン等と通信をしてもよい。例えば、照明器具20の状態を管理する管理情報は、パソコンで管理されてもよい。また、例えば、照明器具20に調光または点滅等をさせる点灯制御は、リモコンにより行われてもよい。
照明器具20は、電源部21、第2の通信部22、第2の制御部23、点灯部24、光源25及び電力計測部26から構成される。照明器具20がコントローラ10と通信することで、照明器具20の制御及び状態の管理が行われる。
電源部21は、AC電源から第2の制御部23及び点灯部24を駆動するためのDC電源を生成する。
第2の通信部22は、コントローラ10と通信することで、コントローラ10からの情報の受信及びコントローラ10への情報の送信を行う。コントローラ10からの情報の受信として、具体的には、第2の通信部(通信部)22は、コントローラ10の第1の通信部12と通信し、照明器具20の状態(消費電力)の問い合わせを受ける。また、第2の通信部22は、コントローラ10から点灯制御命令を受ける。
第2の制御部23は、第2の通信部22が受ける第1の通信部12から送られてくる通信信号に基づいて、点灯部24への点灯制御、または、問い合わせ命令に対する対応を行う。問い合わせ命令に対する対応として具体的には、第2の制御部(制御部)23は、第2の通信部(通信部)22が照明器具20の状態(消費電力)の問い合わせを受ける毎に、照明器具20の状態(消費電力)に変更があるか否かを判断する。照明器具20の消費電力に変更があるか否かの判断は、電力計測部26が計測した照明器具20の消費電力を第2の制御部23が確認することで行われる。具体的には、第2の制御部23は、第2の通信部22が照明器具20の消費電力の問い合わせを受ける毎に確認した消費電力を比較し、例えばその値が完全に一致したか否かを判断することで、照明器具20の消費電力に変更があるか否かを判断する。また、第2の制御部23は、第2の通信部22が点灯制御命令を受けると、点灯部24に対して、点灯制御(調光または点滅制御等)を行う。第2の制御部23はマイコンまたはマイコンとEEPROM(及びデータフラッシュ)との組み合わせにより構成される。
また、第2の通信部(通信部)22は、第2の制御部(制御部)23が照明器具20の状態(消費電力)に変更があると判断した場合には、コントローラ10の第1の通信部12に照明器具20の状態(消費電力)を示す情報を返信する。第2の通信部(通信部)22は、第2の制御部(制御部)23が照明器具20の状態(消費電力)に変更が無いと判断した場合には、コントローラ10の第1の通信部12に照明器具20の状態(消費電力)を示す情報を返信しない。詳細な動作については、後述する図4及び図5で説明する。
点灯部24は、光源25を駆動するための電源である。点灯部24は、第2の制御部23に制御される。点灯部24は、第2の制御部23に調光制御される場合、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御により第2の制御部23の調光制御に応じた調光率で光源25を調光点灯する。点灯部24は、第2の制御部23に点滅制御される場合、光源25への電力供給の導通と遮断とを繰り返す。
光源25は、蛍光灯ランプ、LED(Light Emitting Diode)または有機EL(Electro luminescence)等である。
電力計測部26は、照明器具20の消費電力を計測する。電力計測部26が計測した照明器具20の消費電力は第2の制御部23へ送られる。第2の制御部23は、電力計測部26から送られる照明器具20の消費電力を確認する。なお、電力計測部26は、電力計等の計測器で構成されてもよい。また、電力計測部26は、予め第2の制御部23が制御する光源25の調光率と照明器具20の消費電力とが対応付けられたテーブルを記憶してもよい。そして、電力計測部26は、第2の制御部23から光源25の調光率を取得し、調光率と消費電力とが対応付けられたテーブルを参照することで、照明器具20の消費電力を計測(算出)してもよい。
[動作]
次に、図1に示される照明システム1を構成するコントローラ10及び照明器具20の動作について、図2〜図5を用いて説明する。
まず、照明システム1を構成するコントローラ10の動作について説明する。
図2は、実施の形態に係るコントローラ10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の制御部13は、消費電力の問い合わせ命令を送信する照明器具20を選択する(S100)。ここでは、第1の制御部13は、照明器具20が有する個別のアドレスを指定することで、特定の照明器具20を選択する。上述したように、コントローラ10が3台の照明器具20a、20b及び20cを管理する場合、第1の制御部13は、例えば、まず、照明器具20aを選択する。
次に、第1の通信部12は、照明器具20aに問い合わせ命令を送信する(S101)。
次に、第1の制御部13は、第1の通信部12が、照明器具20aから照明器具20aの消費電力の問い合わせに対する返信を受けたか否かを判定する(S102)。ここでは、第1の制御部13は、返信が返ってくるまでに必要な時間、受信待ちしている。
第1の制御部13は、第1の通信部12が照明器具20aから照明器具20aの消費電力の問い合わせに対する返信を受けた場合には(S102でYes)、返信された情報に示される状態を最新の照明器具20aの状態と判断する。そして、第1の制御部13は、返信された情報に応じて管理情報を更新する(S103)。
また、第1の制御部13は、第1の通信部12が照明器具20aから照明器具20aの消費電力の問い合わせに対する返信を受けなかった場合には(S102でNo)、照明器具20aの消費電力が継続していると判断する。そして、第1の制御部13は、管理情報を更新しない(S104)。
次に、第1の制御部13は、管理情報で管理している照明器具20aの消費電力量を算出する(S105)。第1の制御部13は、管理している消費電力を加算していくことで、照明器具20aが消費した消費電力量を算出する。ステップS103〜S105の詳細な動作については、後述する図3で説明する。なお、本実施の形態では、照明器具20aの状態として消費電力としているため、ステップ105において、第1の制御部13は、照明器具20aの消費電力量を算出しているが、これに限らない。例えば、ステップ105において、その他の動作が行われてもよく、また、ステップ105において何も動作が行われなくてもよい。
そして、第1の制御部13は、再度、ステップS100の動作を行う。第1の制御部13は、例えば、照明器具20bを選択し、照明器具20aと同様にステップS101〜S105の動作及び判定を行う。
このようにして、全ての照明器具20に対してステップS100〜S105の動作及び判定が完了すると、第1の制御部13は、再度、照明器具20aからこれらの動作及び判定を行っていく。つまり、コントローラ10の第1の通信部12は、接続される複数の照明器具20の消費電力を計測するため、複数の照明器具20のそれぞれに対して、所定の時間間隔で繰り返し消費電力の問い合わせ命令を送信する。なお、コントローラ10は、コントローラ10が管理する複数の照明器具20に対して順番に消費電力の問い合わせ命令を送信するため、所定の時間は、コントローラ10が管理する照明器具20の台数により変動することがある。つまり、コントローラ10が管理する照明器具20の台数が多くなる場合、所定の時間間隔は長くなることがある。
また、コントローラ10は、照明器具20の消費電力の管理だけでなく照明器具20の点灯制御を行う。本実施の形態では、例えばユーザによりコントローラ10が有するスイッチが操作されることで点灯制御命令が生成されると、第1の通信部12は、点灯制御命令を照明器具20に送信する。
次に、第1の制御部13が管理する管理情報(本実施の形態では消費電力)について説明する。
図3の(a)は、実施の形態に係るコントローラ10が管理する管理情報の一例である。
図3の(b)は、管理情報から算出される消費電力量を示す図である。
図3の(a)には、例として照明器具20aの消費電力が示されている。また、本実施の形態では、第1の通信部12は、所定の時間間隔として1秒間隔で繰り返し照明器具20aに問い合わせ命令を送信している。ここで、照明器具20aの電源がオンしてからコントローラ10が初めて照明器具20aに問い合わせを行う時を1秒時と呼ぶ。そして、コントローラ10が1秒時の1秒後に照明器具20aに問い合わせを行う時を2秒時、その1秒後を3秒時というように呼ぶ。図3の(a)において、上述したように、1秒時の問い合わせを照明器具20aが電源オンしてから初めての問い合わせとする。
まず、1秒時の問い合わせでは、詳細は後述する図4で説明するが、照明器具20aは、初回の問い合わせを受けるため、問い合わせに対する返信をする。ここでは、照明器具20aは、例えば消費電力9Wという情報を返信する。
第1の制御部13は、第1の通信部12が照明器具20aから照明器具20aの消費電力の問い合わせに対する返信を受けたため、返信された情報に示される消費電力を最新の照明器具20aの状態と判断し、返信された情報に応じて管理情報を更新する。つまり、第1の通信部12が1秒時の問い合わせに対して、消費電力9Wを示す情報の返信を受けたため、図3の(a)に示されるように、第1の制御部13は、現在(1秒時)の照明器具20aの消費電力を9Wに更新して管理する。さらに、第1の制御部13は、更新された消費電力9Wから現在の照明器具20aが1秒間に消費する消費電力量を0.0025Whと算出する。本実施の形態では、1秒時の問い合わせを照明器具20aが電源オンしてから初めての問い合わせとしているため、照明器具20aがこれまでに消費した消費電力量は0Wとなる。図3の(b)に示されるように、第1の制御部13は、これまでに消費した消費電力量0Whに現在の照明器具20aが1秒間に消費する消費電力量0.0025Whを加算して、照明器具20aが1秒間に消費した消費電力量を0.0025Whと算出する。
そして、照明器具20b及び20cについても同様に、問い合わせ命令の送信及び返信の有無の判定等が行われる。本実施の形態では、前回照明器具20aに問い合わせ命令が送信されてから1秒後である2秒時に、再度、照明器具20aに問い合わせ命令が送信される。2秒時では、詳細は後述する図5で説明するが、照明器具20aは照明器具20aの消費電力を示す情報を返信しない。
第1の制御部13は、第1の通信部12が照明器具20aから照明器具20aの消費電力の問い合わせに対する返信を受けなかったため、照明器具20aの消費電力が変更せずに継続していると判断し、管理情報を更新しない。つまり、第1の通信部12が2秒時の問い合わせに対する返信を受けなかったため、図3の(a)に示されるように、第1の制御部13は、現在の照明器具20aの消費電力を9Wから別の値に更新せずそのまま9Wと管理する。また、第1の制御部13は、図3の(b)に示されるように、更新されなかった消費電力9W(消費電力量0.0025Wh)をこれまでに消費した消費電力量に加算して、2秒間に消費された消費電力量を0.005Whと算出する。
図3の(a)に示されるように、第1の通信部12が、10秒まで返信を受けなかったため、第1の制御部13は、照明器具20aの消費電力が1秒時に更新された消費電力9Wのまま継続していると判断し、管理情報を9Wのまま更新しない。そして、図3の(b)に示されるように、第1の制御部13は、これまでに消費した消費電力量に消費電力量0.0025Whを加算していき、10秒間に消費された消費電力量を0.025Whと算出している。
次に、第1の通信部12が11秒時の問い合わせに対して、消費電力4.5Wを示す情報の返信を受けたため、図3の(a)に示されるように、第1の制御部13は、現在の(11秒時の)照明器具20aの消費電力を4.5Wに更新して管理する。さらに、第1の制御部13は、更新された消費電力4.5Wから現在の照明器具20aが1秒間に消費する消費電力量を0.00125Whと算出する。そして、第1の制御部13は、これまでに消費した消費電力量0.025Whに現在の照明器具20aが1秒間に消費する消費電力量0.00125Whを加算して、照明器具20aが11秒間に消費した消費電力量を0.02625Whと算出する。
第1の通信部12が12秒時〜16秒時の問い合わせに対する返信を受けなかったため、12秒時〜16秒時の第1の制御部13が管理する照明器具20aの消費電力は4.5Wから更新されず、消費電力4.5W(消費電力量0.00125Wh)がこれまでに消費した消費電力量に加算される。
そして、第1の通信部12が17秒時の問い合わせに対して、消費電力9Wを示す情報の返信を受けたため、図3の(a)に示されるように、第1の制御部13は、現在の照明器具20aの消費電力を9Wに更新して管理する。
このように、コントローラ10は、消費電力の返信があった場合には、送られてきた消費電力を足し合わせて、消費電力量の計算を行う。また、コントローラ10は、消費電力の返信が無かった場合には、照明器具20の消費電力が前回問い合わせた時の消費電力から変更がないと認識し、前回の消費電力を足し合わせて、消費電力量の計算を行う。これにより、例えば、10分毎、1時間毎または1日毎等の消費電力量が算出される。
なお、コントローラ10は、照明器具20に直接、消費電力量の問い合わせを行ってもよい。
次に、照明システム1を構成する照明器具20の動作について説明する。まず、照明器具20の電源オン時の動作について説明する。
図4は、実施の形態に係る照明器具20の電源オン時の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、照明器具20は、電源オンする(S200)。具体的には、照明器具20は、例えば、ユーザによる照明器具20が有するスイッチ(図示せず)の操作、または、タイマー等により照明器具20の電源がオンされる。
次に、第2の制御部23は、電源の立ち上がり後、初期設定を行う(S201)。第2の制御部23は、初期設定において、例えば、個別のアドレスを取得する。これにより、照明器具20は、コントローラ10との通信が可能になる。また、第2の制御部23は、初期設定において、例えば、コントローラ10から点灯制御命令を受けなかったときに光源25をデフォルトの調光率で発光するためのデフォルト調光率を設定する。具体的には、第2の制御部23は、所定の調光率で光源25を発光させる点灯制御命令を受けた場合、所定の調光率で光源25を点灯する。一方、第2の制御部23は、所定の調光率で光源25を発光する点灯制御命令を受けなかった場合には、デフォルト調光率で光源25を点灯する(以降、デフォルト調光率で光源25を点灯することをデフォルト点灯と呼ぶ)。
次に、第2の制御部23は、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信したか否かを判定する(S202)。
第2の制御部23が、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信したと判定した場合(S202でYes)、第2の制御部23は、通信信号に含まれる命令が点灯制御命令であるか否かを判定する(S203)。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が点灯制御命令であると判定した場合(S203でYes)、第2の制御部23は、光源25を点灯制御命令に応じて点灯する(S204)。例えば、点灯制御命令が調光を制御する命令の場合、第2の制御部23は、命令に応じて所定の調光率で光源25を調光点灯する。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が点灯制御命令でないと判定した場合(S203でNo)、第2の制御部23は、通信信号に含まれる命令が消費電力の問い合わせ命令であるか否かを判定する(S205)。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が消費電力の問い合わせ命令であると判定した場合(S205でYes)、第2の制御部23は、光源25をデフォルト点灯する(S206)。
次に、第2の制御部23は、照明器具20の消費電力を取得する(S207)。例えば、第2の制御部23は、電力計測部26が計測した照明器具20の消費電力を取得する。
そして、第2の通信部22は、コントローラ10に、取得した照明器具20の消費電力を示す情報を返信する(S208)。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が消費電力の問い合わせ命令でないと判定した場合(S205でNo)、例えば、通信信号に含まれる命令がその他の命令であると判定した場合、第2の制御部23は、光源25をデフォルト点灯する(S209)。
次に、第2の制御部23は、その他の命令に応じてその他の処理をする(S210)。その他の命令が、例えば、照明器具20が故障しているか否かを検知させる命令の場合、第2の制御部23は、照明器具20が備える故障検知器(図示せず)等に故障の検知をさせ、故障しているか否かをコントローラ10に返信する。
一方、第2の制御部23が、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信していないと判定した場合(S202でNo)、第2の制御部23は、光源25をデフォルト点灯する(S211)。本実施の形態では、コントローラ10は、所定の時間間隔として1秒間隔で問い合わせ命令を送信している。従って、例えば、コントローラ10または通信経路等に問題が発生している場合、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信しない状態になる。また、コントローラ10が1秒間隔で問い合わせ命令を送信しているため、ステップS202では、第2の制御部23は、例えば1秒の受信待ちをした後に、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信したか否かを判定する。
ところで、第2の通信部22が点灯制御命令を受けた場合には(S203でYes)、第2の制御部23は、点灯制御命令に応じて光源25を点灯する。しかし、第2の通信部22が点灯制御命令を受けなかった場合(S203でNo)、または、通信信号を受けなかった場合(S202でNo)には、照明器具20は電源オンしてから光源25が点灯していない状態になっている。従って、第2の制御部23は、光源25が点灯制御命令で点灯しない場合には、初期設定でのデフォルト調光率に応じて光源25をデフォルト点灯し、そして、消費電力の問い合わせ命令またはその他の命令に対する動作を実施する。
このように、照明器具20は、電源オン時には、どのような命令を受けても、または、通信信号を受けなくても、点灯する。
次に、照明器具20の電源オン時以降の動作について説明する。
図5は、実施の形態に係る照明器具20の電源オン時以降の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第2の制御部23は、第2の通信部22が再度コントローラ10からの通信信号を受信したか否かを判定する(S300)。
第2の制御部23が、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信していない場合(S300でNo)、第2の制御部23は、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信するまで、受信待ちをする。
第2の制御部23が、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信したと判定した場合(S300でYes)、第2の制御部23は、通信信号に含まれる命令が点灯制御命令であるか否かを判定する(S301)。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が点灯制御命令であると判定した場合(S301でYes)、第2の制御部23は、光源25を点灯制御命令に応じて点灯する(S302)。そして、再度、ステップS300において、第2の制御部23は、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信するまで、受信待ちをする。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が点灯制御命令でないと判定した場合(S301でNo)、第2の制御部23は、通信信号に含まれる命令が消費電力の問い合わせ命令であるか否かを判定する(S303)。
第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が消費電力の問い合わせ命令であると判定した場合(S303でYes)、第2の制御部23は、照明器具20の消費電力を取得する(S304)。
次に、第2の制御部23は、前回返信した照明器具20の消費電力から現在の照明器具20の消費電力に変更があるか否かを判定する(S305)。具体的には、第2の制御部23は、前回返信した消費電力と、今回取得した現在の照明器具20の消費電力との比較を行う。そして、第2の制御部23は、例えばその電力値が完全に一致しているか否かを判断することで、照明器具20の消費電力に変更があるか否かを判定する。
第2の制御部23が、前回返信した照明器具20の消費電力から現在の照明器具20の消費電力に変更があると判定した場合(S305でYes)、第2の通信部22は、コントローラ10に、取得した照明器具20の消費電力を示す情報を返信する(S306)。
第2の制御部23が、前回返信した照明器具20の消費電力から現在の照明器具20の消費電力に変更がないと判定した場合(S305でNo)、第2の通信部22は、コントローラ10に、取得した照明器具20の消費電力を示す情報を返信しない。そして、再度、ステップS300において、第2の制御部23は、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信するまで、受信待ちをする。
一方、第2の制御部23が、通信信号に含まれる命令が消費電力の問い合わせ命令でないと判定した場合(S303でNo)、第2の制御部23は、その他の命令に応じてその他の処理をする(S307)。そして、再度、ステップS300において、第2の制御部23は、第2の通信部22がコントローラ10からの通信信号を受信するまで、受信待ちをする。
このように、コントローラ10から消費電力の問い合わせ命令を受信した照明器具20は、現在の照明器具20の消費電力と前回返信した消費電力とを比較して、その電力値に変更がある場合にのみ、消費電力を示す情報をコントローラ10に返信する。
なお、本実施の形態の照明器具20は、電力値の比較を行う際に、完全に同じ値であった場合のみ、返信をしないが、これに限らない。例えば、照明器具20は、現在の照明器具20の消費電力と前回返信した消費電力とが例えば±3%以内の差異の場合には、返信をしなくてもよい。このように、電力計測部26の測定誤差を考慮した差異の設定が可能である。
また、本実施の形態の動作例では、照明器具20の状態が照明器具20の消費電力の場合での例が記載されているが、これに限らない。例えば、コントローラ10は、照明器具20の状態として照明器具20が備える光源25の調光率の問い合わせをしてもよい。コントローラ10から調光率の問い合わせ命令を受信した照明器具20は、現在の光源25の調光率と前回返信した調光率とを比較して、その値に変更があった場合にのみ、調光率を示す情報をコントローラ10に返信すればよい。
また、光源25の調光率に変更がある場合には照明器具20の消費電力が変更するため、第2の制御部23は、調光率の変更を消費電力の変更とみなすことができる。従って、照明器具20が、照明器具20の消費電力の問い合わせを受ける場合に、第2の制御部23は、第2の通信部22が照明器具20の消費電力の問い合わせを受ける毎に、照明器具20が備える光源25の調光率に変更があるか否かを判断してもよい。そして、第2の制御部23は、光源25の調光率に変更があるか否かの判断から、照明器具20の消費電力に変更があるか否かを判断してもよい。
[効果等]
コントローラが照明器具群の監視または管理等を行う場合、コントローラが、コントローラに接続される照明器具群の1台毎と情報のやり取りを行うことで照明器具群の監視または管理を行う方法がある。しかし、この方法では、コントローラと照明器具との間の通信量が多くなってしまうという課題がある。
そこで、本実施の形態に係る照明システム1は、上述したように、照明器具20と、照明器具20と通信するコントローラ10と、を備える照明システムである。コントローラ10は、照明器具20に照明器具20の状態の問い合わせを行う第1の通信部12と、照明器具20の状態を管理する第1の制御部13とを備える。照明器具20は、第1の通信部12と通信し、問い合わせを受ける第2の通信部22と、第2の通信部22が問い合わせを受ける毎に、照明器具20の状態に変更があるか否かを判断する第2の制御部23とを備える。第2の通信部22は、第2の制御部23が照明器具20の状態に変更があると判断した場合には、第1の通信部12に照明器具20の状態を示す情報を返信する。また、第2の通信部22は、第2の制御部23が照明器具20の状態に変更が無いと判断した場合には、第1の通信部12に照明器具20の状態を示す情報を返信しない。第1の制御部13は、第1の通信部12が問い合わせに対して照明器具20の状態を示す情報を受けた場合には、この情報に示される状態を最新の照明器具20の状態と判断する。また、第1の制御部13は、第1の通信部12が問い合わせに対して照明器具20の状態を示す情報を受けなかった場合には、照明器具20の状態が継続していると判断する。
これにより、コントローラ10から照明器具20の状態の問い合わせ命令を受信した照明器具20は、現在の照明器具20の状態と前回返信した状態とを比較する。そして、照明器具20は、状態に変更がある場合にのみ、照明器具20の状態を示す情報をコントローラ10に返信する。従って、照明器具20の状態に変更が無い場合、照明器具20は、コントローラ10に返信をしないため、コントローラ10と照明器具20との間の通信量を抑制できる。
また、照明器具20の状態には、照明器具20の消費電力が含まれる。
これにより、コントローラ10から照明器具20の消費電力の問い合わせ命令を受信した照明器具20は、現在の照明器具20の消費電力と前回返信した消費電力とを比較する。そして、照明器具20は、消費電力に変更がある場合にのみ、照明器具20の消費電力を示す情報をコントローラ10に返信する。従って、照明器具20の消費電力に変更が無い場合、照明器具20は、コントローラ10に返信をしないため、コントローラ10と照明器具20との間の通信量を抑制できる。
また、照明器具20の状態には、照明器具20が備える光源25の調光率が含まれる。
これにより、コントローラ10から照明器具20の調光率の問い合わせ命令を受信した照明器具20は、現在の照明器具20の調光率と前回返信した調光率とを比較する。そして、照明器具20は、調光率に変更がある場合にのみ、照明器具20の調光率を示す情報をコントローラ10に返信する。従って、照明器具20の調光率に変更が無い場合、照明器具20は、コントローラ10に返信をしないため、コントローラ10と照明器具20との間の通信量を抑制できる。
ここで、コントローラ10と照明器具20との間の通信量の抑制について、図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態に係る照明システム1の通信信号の流れの一例を示す図である。
照明器具20の台数は3台で、照明器具20a〜20cとしている。この例では、コントローラ10は、照明器具20の状態として照明器具20の消費電力の問い合わせを行っている。また、この例では、照明器具20a〜20cの消費電力に変更が無い場合の通信信号の流れが示されている。さらに、照明器具20a〜20cが後述するステップS400、S402及びS404で受ける問い合わせは、照明器具20a〜20cが電源オンしてから初めて(初回)の問い合わせとする。
まず、コントローラ10は、照明器具20aに消費電力の問い合わせを行う(S400)。照明器具20aは、初回の問い合わせを受けたので、コントローラ10に消費電力を示す情報を返信する(S401)。
同様に、ステップS402、S404において、コントローラ10は照明器具20b、20cに消費電力の問い合わせを行う。そして、ステップS401、S403において、照明器具20b、20cは、初回の問い合わせを受けたので、コントローラ10に消費電力を示す情報を返信する。
次に、コントローラ10は、全ての照明器具20への問い合わせを行ったので、再度、照明器具20aから消費電力の問い合わせを行う(S406)。照明器具20aは、現在の照明器具20aの消費電力がステップS401で返信した消費電力から変更していないと判定し、コントローラ10に返信をしない。
同様に、ステップS407、S408において、コントローラ10は照明器具20b、20cに消費電力の問い合わせを行う。そして、照明器具20b、20cは、現在の照明器具20b、20cの消費電力がステップS403、S405で返信した消費電力から変更していないと判定し、コントローラ10に返信をしない。
そして、ステップS409以降も照明器具20a〜20cの消費電力に変更が無い場合、照明器具20a〜20cはコントローラ10に返信をしない。
このように、照明器具20は、初回の問い合わせ時には問い合わせに対する返信をするが、照明器具20の消費電力に変更が無い場合、初回以降は返信をしないため、通信量が少なくなっていることが分かる。従って、コントローラ10と照明器具20との間の通信量を抑制できる。
また、第2の制御部23は、第2の通信部22が照明器具20の消費電力の問い合わせを受ける毎に、照明器具20が備える光源25の調光率に変更があるか否かを判断することで、照明器具20の消費電力に変更があるか否かを判断する。
これにより、第2の制御部23は、電力計測部26から照明器具20の消費電力を取得せずに、第2の制御部23が点灯部24を介して制御している光源25の調光率を確認するだけで、照明器具20の消費電力に変更があるか否かを判断することができる。また、電力計測部26は、光源25の調光率に変更があった場合にだけ、照明器具20の消費電力を計測すればよく、照明器具20は、効率的に動作が可能となる。
このように、本発明は、例えば、日中のオフィスのように照明器具20が一定の調光率または消費電力で点灯している環境において効果的である。
以上、本発明に係る照明システムについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、コントローラ10は、照明器具20それぞれのアドレスを指定して、1対1でデータのやり取りを行うが、これに限らない。例えば、コントローラ10はマルチキャストまたはブロードキャスト等で、管理する照明器具20全体に照明器具20の状態の問い合わせ命令を送信し、各照明器具20は、自身の状態に変化があった時のみ返信してもよい。その際、照明器具20は、同じタイミングで返信しないよう、照明器具20に衝突検出機能を設けておく必要がある。衝突検出機能により衝突を回避する方法として、例えば、照明器具20が問い合わせを受けてから、自身のアドレスに一定時間を掛けた時間後に返信を行う方法でもよい。また、照明器具20が、常に通信ラインの情報を見ておき、他の信号が発生していないタイミングで返信するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、コントローラ10は、照明器具20に照明器具20の状態の問い合わせを所定の時間間隔で行うが、これに限らない。例えば、コントローラ10は、照明器具20に状態の問い合わせを任意のタイミングで行ってもよい。例えば、ユーザが照明器具20の状態を知りたいときに、ユーザがコントローラ10を操作することで、コントローラ10は、照明器具20に状態の問い合わせを行ってもよい。
また、上記実施の形態では、コントローラ10は、照明器具20の状態として消費電力または調光率の問い合わせを行うが、これに限らない。コントローラ10は、照明器具20の状態として消費電力または調光率以外の状態の問い合わせをしてもよい。例えば、照明器具20に故障検知器が取り付けられている場合に、コントローラ10は所定の時間間隔毎に照明器具20に故障がないか否かを確認してもよい。そして、照明器具20は、故障がある場合にのみ、返信すればよい。このように、消費電力及び調光率のみならず故障等の照明器具20の状態を示す情報に関して、照明器具20が自身の状態に変化がある場合のみ返信することで、システム全体での通信量を抑制することが可能となる。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。