JP2016143321A - 画像処理システム、視線計測システム、画像処理方法、視線計測方法及びプログラム - Google Patents

画像処理システム、視線計測システム、画像処理方法、視線計測方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】少ない作業負荷で、歪みや欠損の無い高品質な報告用画像を出力することができる画像処理システム、視線計測システム、画像処理方法、視線計測方法及びプログラムを提供する。【解決手段】測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成部と、前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング処理部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、観察者の視線方向を計測する画像処理を行う画像処理システム、視線計測システム、画像処理方法、視線計測方法及びプログラムに関する。
店舗や展示場などにおいて、様々な観察対象が棚や台に陳列されている陳列空間の中を、移動しながら観察する際における観察者の視線方向を検出する装置として視線計測装置がある。この視線計測装置は、観察者の視線方向を検出する視線計測機能と、観察者の前方を撮影する視野ビデオカメラとが一体化され、観察者の頭部に装着される装着型視線計測装置として実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。例えば、装着型視線計測装置の場合、視線計測機能から得られる視線計測データは、観察者の頭部に対して固定された視点座標系での視線の方向を示している。
この場合、視線計測と同時に、視点座標系に対して固定された視野ビデオカメラによって、観察者の視点前方を捉えた視野ビデオ画像を撮影する。このとき、視線計測データが示す視線方向と、視野ビデオ画像の画素座標は一意に対応する。
この装着型視線計測装置を用いて、視点座標系においての視線計測データが指し示す観察対象の位置を視野ビデオ画像上に表示させることが可能となる。これにより、計測者が視野ビデオ画像上に表示された観察対象に位置により、観察者の注視箇所を特定することができる。
このような視線計測装置及び解析用ソフトウェアとしては、例えば、株式会社ナックイメージテクノロジー社のアイマークレコーダEMR−9(登録商標)、アイマークアプリケーション・ソフトウェアEMR−dTarget(登録商標)それぞれが販売されている。
また、店舗や展示場などの陳列空間での観察対象に対する視線計測を行う事例においては、観察者の注視箇所の集計結果を当該陳列空間の観察対象面を撮像した画像上に示す場合が多い。例えば、店舗において観察対象が陳列してある陳列棚の正面を観察対象面とし、その画像に、観察者が注視した注視点の分布や視線移動経路などをプロットして用いている。このため、視線計測機能と測定空間内での観察者の頭部の位置や方向を計測する3次元センサーと組み合わせることにより、視線計測データが指し示す測定空間内の注視箇所を特定する方法も考案されている。
測定空間の3次元形状を再現するには、測定空間を異なる方向から撮像した複数の多視点撮像画像から測定空間の3次元形状を求める方法がある。そして、この求めた3次元形状データの上に、多視点撮像画像をテクスチャとしてマッピングすることで、任意の視点から見た、任意の観察対象面、例えば陳列棚の正面画像を、CG(コンピュータグラフィックス)画像として再現することができる(例えば、非特許文献1参照)。例えば、そのCG画像上に、注視点の分布や移動経路を示す注視点マーカーを描画すれば、観察行動の分析結果として報告用資料に用いることができる。
特開平06−189906号公報 特開2012−146199号公報
冨山他, 多視点映像生成技術の研究とアプリケーション, 情報処理学会研究報告CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア], 2008(27), 207-214, 2008-03-10
しかしながら、非特許文献1に開示された方法において、多視点撮像画像から求められる測定空間の3次元形状データは歪みや欠損を含む場合が多い。このため、注視対象の特定には十分な精度であっても、CG画像は、歪みや欠損を含んだままの状態では、上述した観察行動の分析結果として報告用資料等に用いる画像として不十分な表示品質である場合が多い。
したがって、報告書を作成する作業者は、3次元形状データやCG画像の画像修正の処理を、所定の画像処理のアプリケーションを用いて手作業で行い、報告書などに載せる画像の表示品質を改善している。このため、報告書の画像の表示品質を改善する事は可能であるが、その作業には作業者に対して多大な負荷を与え、報告書の作成工程に無駄な時間を要する。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、少ない作業負荷で、歪みや欠損の無い高品質な報告用画像を出力することができる画像処理システム、視線計測システム、画像処理方法、視線計測方法及びプログラムを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の画像処理システムは、測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成部と、前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング処理部とを備えることを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、前記画像投影面作成部が、前記3次元形状の前記面の形状により、当該形状に対応する前記画像投影面を複数枚設けることを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、前記画像投影面作成部が、前記3次元形状データにおける観察者の観察視点に対応した前記面と、当該面に対して設けられた前記画像投影面との位置関係を、前記面と前記画像投影面の各々の単位領域の強調表示により示すことを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、前記画像投影面作成部が、前記面と前記画像投影面との位置関係を、前記面及び前記画像投影面の各々の前記単位領域の階調度によって強調表示することを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、前記画像投影面作成部が、前記面と前記画像投影面との位置関係を、前記面及び前記画像投影面の各々の前記単位領域の表示色によって強調表示することを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、前記画像投影面作成部が、前記面と前記画像投影面との前記3次元空間における距離を元にした統計処理により、前記面に対して所定の位置に前記画像投影面を配置することを特徴とする。
本発明の視線計測システムは、上記記載の画像処理システムを備えており、前記画像投影面に対し、前記観察者の注視箇所を表示することを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、画像投影面作成部が、測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成過程と、レンダリング処理部が、前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング処理過程とを含むことを特徴とする。
本発明の視線計測方法は、上記記載の画像処理方法を含んでおり、前記画像投影面に対し、前記前記観察者の注視箇所を表示することを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピュータを、測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成手段、前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング手段として動作させるためのプログラムである。
本発明のプログラムは、コンピュータを、測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成手段、前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング手段、前記画像投影面に対し、前記前記観察者の注視箇所を表示する手段として動作させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、少ない作業負荷で、歪みや欠損の無い高品質な報告用画像を出力することができる画像処理システム、視線計測システム、画像処理方法、視線計測方法及びプログラムを提供することができる。
第1の実施形態による視線計測システムの構成例を示すブロック図である。 撮像データ記憶部17に書き込まれて記憶されている事前撮像画像のテーブルの構成例を示す図である。 第1の実施形態における画像投影面作成部12による画像投影面の生成処理を説明する概念図である。 投影画像データ記憶部19に書き込まれて記憶されているレンダリング条件テーブルの構成例を示す図である。 画像投影面に対する事前撮像画像の画像データのマッピングを説明する概念図である。 3次元形状データにおける観察対象面の凹凸を有するポリゴンの上に直接に事前撮像画像をマッピングして作成した報告用画像の一例を示す図である。 3次元形状データにおける観察対象面に対応して形成した画像投影面に事前撮像画像をマッピングして作成した報告用画像の一例を示す図である。 画像投影面と、3次元形状データの観察対象面との距離の調整を説明する画像である。 画像投影面と、3次元形状データの観察対象面との距離の調整を説明する画像である。 3次元形状データの観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差を示す濃淡画像の一例を示す図である。 3次元形状データの観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差を示す濃淡画像の一例を示す図である。 第1の実施形態の視線計測システムにおける報告用画像の生成の処理の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態における画像投影面作成部12による画像投影面の生成処理を説明する概念図である。 報告用画像において3次元形状データと画像投影面との位置合わせを行う際に用いる画像領域の設定を説明する図である。 画像投影面作成部12の行う画像投影面と3次元形状データの観察対象面との位置の調整を説明する概念図である。 画像投影面作成部12の行う画像投影面と3次元形状データの観察対象面との位置の調整を説明する概念図である。 画像投影面作成部12の行う画像投影面と3次元形状データの観察対象面との位置の調整を説明する概念図である。 第3の実施形態の視線計測システムにおける観察対象面及び画像投影面の位置の調整処理の動作例を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態による視線計測システムの構成例を示すブロック図である。図1において、視線計測システムは、画像処理装置1、撮像装置2、利用者観測装置3、視線計測装置4及び表示装置5の各々を備えている。画像処理装置1は、3次元空間再構成部11、画像投影面作成部12、撮像方向ベクトル変換部13、レンダリング条件設定部14、レンダリング処理部15、画像出力部16、撮像データ記憶部17、グローバル座標系データ記憶部18、撮影画像データ記憶部19の各々を備えている。
撮像装置2は、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを用いたカメラなどであり、陳列空間における観察対象を含む静止画像を異なる視点から、事前撮像画像として撮像するために用いられる。
3次元空間再構成部11は、複数の異なる視点方向から陳列空間を撮像した2次元画像である事前撮像画像から、すなわち多視点の事前撮像画像からグローバル座標系における陳列空間を再構成する。また、3次元空間再構成部11は、撮像装置2が撮像した事前撮像画像に対して事前撮像画像識別情報を付加し、この事前撮像画像識別情報と事前撮像画像とを対応付けて撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルに書き込んで記憶させる。また、3次元空間再構成部11は、3次元空間を再構成する際、事前撮像画像毎に得られる特徴点、カメラ撮像画像、カメラ撮像方向ベクトル、カメラ撮像座標、カメラ姿勢角、投影変換行列、の各々も、対応する事前撮像画像の事前撮像画像識別情報に対応させて、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルに書き込んで記憶させる。
ここで、3次元空間再構成部11は、特徴点の座標である特徴点座標(例えば、明度が同じように変化している箇所)を抽出する。そして、3次元空間再構成部11は、多視点で撮像した事前撮像画像間において特徴点の対応付け(マッチング処理)を行う。本実施形態においては、3次元空間を撮像した複数の2次元画像から、撮像された3次元空間をコンピュータ上で再現する機能として、例えば、Agisoft社のPhotoScan(登録商標)などを利用する。このマッチング処理おいては、画像の類似性、抽出した特徴点間の位置関係を利用する。3次元空間再構成部11は、特徴点の対応関係からステレオ計測の原理により、各特徴点の3次元空間のグローバル座標系における3次元座標を求める。また、レーザ計測の手法を用いて陳列空間における観察対象の3次元幾何学情報を取得し、この3次元幾何学情報からグローバル座標系における観察対象の3次元形状を示す3次元座標を求めてもよい。
そして、3次元空間再構成部11は、グローバル座標系内に配置された各座標点を頂点として、座標点の間に面を割り当てることで多面体(ポリゴンの集合体)を形成して、再生される3次元画像データの外表面を形成する。ここで、3次元形状データのデータ構造は、ポリゴンの集合体としての多角形でなく、点群データ及びボリュームデータなど3次元形状を表現できるデータ形式であればいずれでも良い。ここで、3次元形状データとは、陳列空間における陳列棚及びこの陳列棚に陳列された陳列物(観察対象)を含む3次元形状の物体の画像データ(例えば、座標値などで示される座標データ)を示している。3次元空間再構成部11は、作成したグローバル座標系における再生した陳列空間の3次元形状データを、グローバル座標系データ記憶部18に書き込んで記憶させる。
図2は、撮像データ記憶部17に書き込まれて記憶されている事前撮像画像のテーブルの構成例を示す図である。図2には、事前撮像画像毎に、事前撮像画像識別情報、撮像画像アドレス、特徴点データ、カメラ撮像座標、カメラ撮像方向ベクトル、カメラ姿勢角、画像投影変換行列の各々が書き込まれて記憶されている。ここで、事前撮像画像識別情報は、事前撮像画像を識別する識別情報である。撮像画像アドレスは、事前撮像画像が記憶されているアドレスを示している。特徴点データは、例えば事前撮像画像におけるRGB(Red Green Blue)の階調度及びその座標点などの特徴点を示すデータである。カメラ撮像座標は、事前撮像画像を撮像した際の撮像装置2のグローバル座標系における座標の位置を示している。カメラ撮像方向ベクトルは、事前撮像画像を撮像した際における撮像装置2の撮像方向を示すベクトルである。カメラ姿勢角は、事前撮像画像を撮像した際における撮像装置2の姿勢角である。画像投影変換行列は、グローバル座標系における座標を、事前撮像画像上に投影してプロットする座標変換に用いる行列である。
図1に戻り、画像投影面作成部12は、操作者が入力する観察者の観察視点(後述)に対応する3次元形状の面に対して、レンダリングを行う画像投影面(凹凸のない平面状の面)を作成する。
図3は、第1の実施形態における画像投影面作成部12による画像投影面の生成処理を説明する概念図である。図3においては、3次元形状データの観察対象面と、画像投影面との位置関係が明確となるように、画像投影面と3次元形状データの観察対象面とを上部から俯瞰した図としている。図3(a)は、操作者の3次元空間における画像投影面の初期設定を説明する図である。図3(b)は、観察者の観察視点に対応した3次元形状データの観察対象面に対し、この観察面に対して最も適切な位置に画像投影面の配置処理を説明する図である。観察対象面とは、観察者が観察する視点である観察視点から見た3次元形状データの表面である。画像投影面とは、観察対象面の凹凸を低減して近似した仮想的な面であり、観察者が観察する視点から見た3次元形状データのテクスチャデータとして、事前撮像画像の画像データをマッピングしてレンダリングを行う面を示している。これにより、3次元形状データの観察対象面に対して事前撮像画像の画像データをマッピングする場合に比較して、観察者が観察する表示画像における画像歪みや画素の欠損などの発生を防止し、表示画像の品質を向上させることができる。
図3(a)に示すように、操作者が3次元空間において、観察対象の3次元形状データ600における観察対象面600Aを観察する観察視点602の位置及び角度を指定することにより、画像投影面作成部12が画像投影面601を観察視点602の観察視野603に合わせて形成する。
次に、図3(b)に示すように、操作者が、観察対象面600Aの観察に適するように、図3(a)における3次元形状データ600が3次元形状データ600’の位置に配置されるように、3次元形状データ600もしくは観察視点602及び観察視野603のいずれかを移動させる。さらに、3次元形状データ600の観察対象面600Aが画像投影面601とほぼ同一の平面上となる位置に画像投影面601を移動させる。これにより、図3(b)に示すように、3次元形状データ600’の観察対象面600A’が画像投影面601に対してほぼ同一の平面上に配置される。ここで、観察対象面とは、3次元形状データ600において観察者が観察する面であり、例えば、陳列棚においてペットボトルなどの商品が配列している面を指す。ここで、同一の平面上とは、観察対象面600A’が画像投影面601に対して平行に配置され、かつ画像投影面601が観察対象面600A’に対して接するように配置されている状態を示している。
なお、観察視点602および画像投影面601に対する3次元形状データ600の位置および角度は相対的なものであるため、観察視点602をグローバル座標系に対して固定して3次元形状データ600および画像投影面601を移動あるいは回転する場合、逆に3次元形状データ600をグローバル座標系に対して固定して観察視点602および画像投影面601を移動あるいは回転する場合、のいずれの方法でも処理は可能であり、表示上は両者に違いはない。本実施例では3次元形状データ600をグローバル座標系に対して固定し、観察視点602および画像投影面601を移動あるいは回転させることによって相互の位置関係を設定するものとして説明する。
ここで、観察視点602の観察視野603に含まれる3次元形状600A’の観察対象面をレンダリングし、報告用画像として用いる。この図3(b)において、3次元形状データ600Aの表面における観察対象面600A’は、観察視野603の範囲についてほぼ平面と見なされる。このため、本実施形態においては、凹凸のある観察対象面に対応させて、単一の平面である画像投影面601を設定する。
一般に、平面と見なせる陳列棚などの上に注視箇所を示す注視点マーカーを表示する場合、観察対象面になるべく正対して撮像した事前撮像画像を、報告用画像を作成する際のテクスチャマッピングに用いる。
このため、本実施例では、画像投影面601は観察視点602と常時正対した状態で観察視点602との距離のみを調整するものとするが、傾斜した陳列面、すなわち観察視点から観た3次元空座標の奥行き方向に対して傾きを有する観察対象面の角度に対応させ、この観察対象面を近似できるように画像投影面601の角度を調整する機能を備えても良い。図3で示したように、3次元形状データ600は、画像投影面601に対応させて相対的に6自由度で任意の角度と位置に調整が可能である。上述したように、陳列面の3次元形状が観察視点から観て3次元座標の奥行き方向に所定の角度を有している場合、この陳列面に対応する観察対象面に対して3次元形状に合わせた角度を持たせても良い。
なお、ここまでは観察視点602、観察視野603および画像投影面601の位置の調整は操作者の手作業で行うことを前提に説明したが、後述するように、画像投影面作成部12やレンダリング条件設定部14にて自動で位置調整を行うことも可能である。
例えば、レンダリング条件設定部14では、観察対象面が観察視点602に正対し、観察対象範囲が観察視野603に収まるように、観察視点602の角度と位置を調整し、3次元形状データ600’が観察視点602に対して図3(b)の位置となるように調整する。
そして、画像投影面作成部12では、画像投影面601と観察視点602との距離を調整し、調整後の3次元形状データ600’における観察対象面と一致するように調整する。
図1に戻り、撮像方向ベクトル変換部13は、サンプリングされた(観察視点602において撮像された)カメラ座標系におけるカメラ撮像方向ベクトル及びカメラ姿勢角を撮像データ記憶部17に書き込んで記憶させる。
また、撮像方向ベクトル変換部13は、求めたカメラ座標系における3次元空間において検出されたカメラ撮像方向ベクトルを、カメラ姿勢角を用いてカメラ座標系からグローバル座標系に座標変換する。そして、撮像方向ベクトル変換部13は、カメラ撮像方向ベクトルを、撮像した撮像画像の撮像画像識別情報に対応させて、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルに書き込んで記憶させる。
レンダリング条件設定部14は、操作者が入力操作により設定した、観察者の視点を示す視点座標、3次元形状データの表示モード、観察者の視点の回転角度、注視点マーカーの有無を示すフラグを含むレンダリング条件の設定を行う。視点座標とは、3次元形状データにおける観察対象面を注視する観察者の観察視点を示す座標である。表示モードとは、3次元形状データをそのまま表示するモード、ポリゴン形状で表示するモード、あるいは特徴点の点群で表示するモードなどの表示モードの設定を示す情報である。回転角度とは、観察者の視点を回転させた角度を示している。例えば、3次元形状データ600が配置された3次元空間において、図3(a)の3次元形状データ600が観察者の視点の回転前の状態とすれば、当該3次元形状データ600の観察対象面600Aと、図3(b)の3次元形状データ600’の観察対象面600A’とのなす角度に対応付けられる。注視点マーカーの有無を示すフラグは、観察対象面600A’に対応する、事前撮像画像の画像データを用いてレンダリングされた画像投影面601に対し、観察者の注視点マーカーを付加するか否かを示すデータである。
図4は、投影画像データ記憶部19に書き込まれて記憶されているレンダリング条件テーブルの構成例を示す図である。レンダリング条件テーブルにおいては、報告書画像情報に対応して、観察視点座標、表示モード、回転角度及び注視点マーカー有無フラグの各々を含むレンダリング条件が書き込まれて記憶されている。報告書画像情報は、報告書に添付する画像データを識別するための識別情報である。ここで、報告書画像は、対応する報告書画像情報が示すレンダリング条件によって、観察対象面が事前撮像画像の画像データを用いてレンダリングされることにより作成される。
表示モードとは、報告書画像として用いる3次元形状データを、そのまま表示するモード、ポリゴン形状で表示するモード、あるいは特徴点の点群で表示するモードなどの表示モードの設定を示す情報である。回転角度とは、報告書画像を生成する観察視点を回転させた角度を示している。例えば、3次元形状データ600が配置された3次元空間において、図3(a)の3次元形状データ600の観察対象面600Aと、図3(b)の3次元形状データ600’の観察対象面600A’とのなす角度に対応する。注視点マーカーの有無を示すフラグは、報告書画像として用いる3次元形状データ600’の観察対象面600A’に対応する、事前撮像画像の画像データを用いてレンダリングされた画像投影面601に対し、観察者の注視点マーカーを付加するか否かを示すデータである。
図1に戻り、レンダリング処理部15は、例えば観察視点の回転角度及び座標に近いカメラ姿勢角及びカメラ撮像座標を有する事前撮像画像を報告書用候補画像として、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルから抽出する。そして、レンダリング処理部15は、抽出した事前撮像画像を、そのカメラ撮像座標とカメラ姿勢角および投影変換行列を用いて、画像投影面に投影するレンダリング処理を行い画像データを生成する。ここで、レンダリング処理部15は、上記投影変換行列は、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルから、事前撮像画像に対応して読み出す。
画像出力部16は、レンダリング処理部15がレンダリング処理を行って生成した、2次元平面の画像投影面に投影した2次元画像である3次元形状データの観察対象面の表示画像を、投影画像データ記憶部19に書き込んで記憶させる。
また、画像出力部16は、3次元形状データと事前撮像画像がレンダリング(後述のテクスチャマッピング)された観察対象面とを、表示装置5の2次元平面である表示画面に投影した2次元画像として表示する。
また、画像出力部16は、レンダリング条件における注視点マーカーの有無を示すフラグが注視点マーカー有りである場合、後述する視線計測装置4が求めた3次元形状データの表面上における観察者の注視箇所を注視点マーカーとして、同様の投影変換行列を用いて、3次元形状データ及び画像投影面とともに上記表示画面上の2次元画像に投影する。
撮像データ記憶部17は、事前撮像画像の撮像データと、図2に示した事前撮像画像テーブルとが書き込まれて記憶されている。
グローバル座標系データ記憶部18は、グローバル座標系における3次元形状データが書き込まれて記憶されている。
投影画像データ記憶部19は、図4に示すレンダリング条件テーブルと、3次元形状データの観察対象面の表示画像とが書き込まれて記憶されている。
利用者観測装置3は、観察者の頭部に装着されることで固定されている。例えば、利用者観測装置3は、観察者が注視箇所の検出を行う実験において被るヘルメットなどに固定されて取り付けられており、利用者撮像部31及び利用者視線計測部32の各々を備えている。
利用者撮像部31は、例えば、CCD(charge coupled device)またはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)のイメージセンサなどを用いたビデオカメラであり、陳列空間を移動する観察者の顔の向いている方向(観察者の頭部前方)の動画(映像)、すなわち陳列空間における観察者の視野の画像データ(視野画像)を撮像する。この利用者撮像部31としては、観察者の視野の映像が得られる手段であれば、ビデオカメラではなく視線計測データから求めた停留点に対応する視野の画像データを撮像するスチルカメラを用いても良い。
利用者視線計測部32は、例えば前記ヘルメットに固定される固定アイカメラを有し、利用者撮像部31の視野画像のカメラ座標系における、観察者の視線方向を示す眼球画像を取得して視線方向を求める。すなわち、利用者視線計測部32は、視線計測データから観察者の視線方向を示す視線方向ベクトルを検出する。この眼球画像は、例えば、観察者の眼球画像内の瞳孔の中心の情報を含んでいる。
視線計測装置4は、3次元形状データにおける観察者の注視点として注視箇所を求めて、3次元座標系における注視箇所の座標を出力する。
表示装置5は、操作者によって生成された3次元形状データの観察対象面の表示画像を、表示画面に対して画像表示する。
図5は、画像投影面に対する事前撮像画像の画像データのマッピングを説明する概念図である。図5(a)は、撮像装置503と撮像装置505との2台で撮像した事前撮像画像の各々と、画像投影面500の画像投影面領域501との対応関係を示している。
図5(b)は、撮像装置503が撮像した事前撮像画像507と、観察対象面500に対して設けられた画像投影面領域501との対応関係を示している。
図5(c)は、撮像装置504が撮像した事前撮像画像509と、観察対象面500に対して設けられた画像投影面領域501との対応関係を示している。
ここで、歪みや欠損が従来に比較して目立たない報告書画像を作成するためには、なるべく観察対象面に対応する画像投影面500に対して正対して撮像された事前撮像画像を選択して用いることが望ましい。
図5(a)に示されているように、3次元形状データの画像投影面500に対して設けられた画像投影面領域501の一部の領域が撮像装置503の撮像視野504に含まれ、画像投影面領域501の他の一部の領域が撮像装置505の撮像視野506に含まれている。また、画像投影面領域501は、観察者の観察視点602からの観察視野502に含まれる画像投影面500における画像投影面領域501に対応して設けられている。このため、図5(b)に示されているように、事前撮像画像507には、画像投影面領域501の一部分である画像投影面領域501Aが含まれている。同様に、図5(c)に示されているように、事前撮像画像509には、画像投影面領域501の他の一部分である画像投影面領域501Bが含まれている。
したがって、画像投影面領域501Aに対応する事前撮像画像509の画像データと、画像投影面領域501Bの画像データとを重ね合わせて、画像投影面501のマッピングに用いることにより、この画像投影面500上に欠損の無い観察対象面の表面の画像を得ることができる。
ここで、レンダリング処理部15は、観察者視点602からの観察視野602の観察ベクトル方向と近い、カメラ撮像方向ベクトルを有する事前撮像画像を、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルから検索する。
そして、レンダリング処理部15は、撮像装置503及び撮像装置505の各々の事前撮像画像507、事前撮像画像509それぞれを、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルから読み出す。このとき、レンダリング処理部15は、事前撮像画像507及び事前撮像画像509の各々に対応するカメラ座標位置、カメラ姿勢角、投影変換行列それぞれも、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルから読み出す。
次に、レンダリング処理部15は、カメラ座標位置、カメラ姿勢角、投影変換行列を用いて、観察視野502の座標における画像投影面領域501の画像投影面領域501A(四角形)の頂点座標を求める。同様に、レンダリング処理部15は、カメラ座標位置、カメラ姿勢角、投影変換行列を用いて、観察視野502の座標における画像投影面領域501の画像投影面領域501B(四角形)の頂点座標を求める。
レンダリング処理部15は、上述して求めた画像投影面領域501Aの頂点座標により、事前撮像画像507のデータから画像投影面領域501Aに対応する領域の領域A画像データを抽出し、また、画像投影面領域501Bの頂点座標により、事前撮像画像509のデータから画像投影面領域501Bに対応する領域の領域B画像データを抽出する。そして、レンダリング処理部15は、抽出した領域A画像データ及び領域B画像データの各々を画像投影領域501に対してテクスチャマッピングしてレンダリング処理を行う。このとき、レンダリング処理部15は、領域A画像データ及び領域B画像データの各々を異なるレイヤーにより、画像投影領域501に対してテクスチャマッピングする。このため、領域A画像データ及び領域B画像データの重なる部分の画質に応じて、いずれかのレイヤーで実際の報告用画像を作成するかは操作者が任意に設定することができる。
図6は、3次元形状データにおける観察対象面の凹凸を有するポリゴンの上に直接に事前撮像画像をマッピングして作成した報告用画像の一例を示している。図中における円状のマーク1002は、観察者の注視箇所を示す注視点マーカーを示している。
図6から判るように、凹凸を有するポリゴンの上に直接に事前撮像画像をマッピングした場合、観察視点から見た際に凹凸における影となる部分の画素データが報告書画像に反映されないため、領域1000にある白抜きの部分として観察される画素データの欠損や、領域1001における画像の歪みなどが散見され、報告用画像の品質が低い状態である。このため、図6の画像を報告用画像として用いるには、品質的に問題があり、実際には使用することができない。
図7は、3次元形状データにおける観察対象面に対応して形成した画像投影面に事前撮像画像をマッピングして作成した報告用画像の一例を示している。図中における円状のマーク1002は、図6と同様に、観察者の注視箇所を示す注視点マーカーを示している。
図7から判るように、本実施形態においては、図5で説明した処理を用いて画像投影面に事前撮像画像をマッピングすることにより、図6における領域1000における画素データの欠損や、領域1001における画像の歪みなどが観察される問題が無くなり、報告用画像の品質を向上させることができる。このため、図7の画像が報告用画像として十分な品質を有しており、有効に使用することができる。
以下、画像投影面作成部12が行う画像投影面と、3次元形状データの観察対象面との距離の調整について説明する。この画像投影面の位置の調整は、以下の4通りがある。
調整方法A.テクスチャマッピングした画像投影面と観察対象面との比較表示
調整方法B.画像投影面と観察対象面との距離を表示画像の濃淡(階調度)で表示
調整方法C.画像投影面と観察対象面との距離を表示画像の色で表示
調整方法D.画像投影面と観察対象面との表示色を異ならせて表示
上記4種類の調整方法を順次説明する。調整方法Aは主として画像投影面と観察対象面との距離調整に用い、調整方法B、調整方法C及び調整方法Dの各々は主として画像投影面と観察対象面とを平行とする調整に用いる。
・調整方法Aの説明
3次元形状データの観察対象面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングした参照画像と、この観察対象面に対応する画像投影面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングした報告用画像とを重畳表示して比較する。ここで、参照画像と報告用画像との各々は、半透明の画像として重畳表示とする。この参照画像と報告用画像との半透明とした重畳表示は、レンダリング条件における表示モードで設定する。
3次元形状データの観察対象面に事前撮像画像がマッピングされた参照画像は、観察対象面に対応して設けられた画像投影面とは無関係に、注視箇所と同一の座標系で対応付けられている。一方、画像投影面に事前撮像画像がマッピングされた報告用画像は、画像投影面と観察視点との距離により、表示上の大きさが変化するため、画像投影面が観察対象面に対して一致していない場合、注視箇所を示す注視マーカーの位置ずれが発生する。
図8は、画像投影面と、3次元形状データの観察対象面との距離の調整を説明する画像である。図8においては、3次元形状データの観察対象面のポリゴンに対して事前撮像画像をテクスチャマッピングした参照画像と、画像投影面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングした報告用画像とを重畳表示している。画像投影面が観察対象面に対して一致していない場合、参照画像と報告用画像とにおける各画像の位置ずれが発生する。
この図8においては、画像投影面と観察対象面との位置が大きくずれている、すなわち画像投影面と観察対象面との距離が離れているため、参照画像と報告用画像とが2重像として観察されている。
図9は、画像投影面と、3次元形状データの観察対象面との距離の調整を説明する画像である。図9においては、図8と同様に、3次元形状データの観察対象面のポリゴンに対して事前撮像画像をテクスチャマッピングした参照画像と、画像投影面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングした報告用画像とを重畳表示している。画像投影面が観察対象面に対して一致している場合、参照画像と報告用画像とにおける各画像の位置ずれが発生しない。
この図9においては、画像投影面と観察対象面との位置が一致している、すなわち画像投影面と観察対象面との距離がほぼ0に近いため、参照画像と報告用画像とが2重像として観察されない。
調整方法Aにおいては、図8の参照画像と報告用画像との重畳した画像における2重像が少なくなるように、操作者が観察視点と3次元形状データを互いに平行移動あるいは回転させることにより、画像投影面に対する観察対象面の位置を調整する。この位置の調整毎に、画像投影面作成部12及びレンダリング条件設定部14が投影画像面の観察対象面に対する相対位置を、操作者の調整した数値(距離、角度)に対応して変化させ、レンダリング処理部15が調整後の観察対象面に対して事前撮像画像のテクスチャマッピングを行う。操作者は、上述した調整方法Aにより、観察対象面の位置の調整処理を行うことにより、観察対象面と画像投影面との面を一致させ、報告用画像を生成する。
・調整方法Bの説明
3次元形状データの観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差を階調画像として画像表示する(濃淡画像の表示)。ここで、画像投影面作成部12は、表示画素毎に、観察対象面と画像投影面との距離を求め、階調度の範囲において中央値の階調度を観察対象面と画像投影面との距離が観察対象面中央での距離に等しい点、または観察対象面と画像投影面とが一致した点(距離が0)に付与する。また、観察対象面が画像投影面に対して奥側に移動するほど高い階調度(淡色)を付与する。一方、観察対象面が画像投影面に対して手前側に移動するほど低い階調度(濃色)を付与する。
上述した表示により、観察対象面と、この画像投影面に対応する観察対象面との距離差を示す濃淡画像において、濃淡画像の左右上下における濃淡のバランスが取れていれば、濃淡画像の全面における画像の濃淡分布が一様となる。
したがって、操作者は、濃淡画像の全面における画像の濃淡が階調度の範囲の中央の階調度の近傍でバランスが取れるように、操作者が観察視点と3次元形状データを相互に平行移動あるいは回転させることにより、画像投影面に対する観察対象面の位置と角度を調整する。
図10は、観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差を示す濃淡画像の一例を示す図である。図10においては、陳列棚における向かって右側の画像が濃色で表示され、一方、向かって左側の画像が淡色で表示される傾向がある。これは、観察対象面の右側が画像投影面に対して手前側に、観察対象面の左側が画像投影面に対して奥側に傾いていることを示している。これにより、画像投影面に対応する観察対象面との距離差を示す濃淡画像において、濃淡画像の左右上下における濃淡のバランスが取れておらず、濃淡画像の全面における画像の濃淡が均一となっておらず、観察対象面と画像投影面とが平行となっていないことを直感的に判定することができる。
図11は、観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差を示す濃淡画像の一例を示す図である。図11においては、陳列棚における向かって右側の画像と、向かって左側の画像との濃淡のバランスが取れていることが判る。また、同様に、陳列棚における向かって上側の画像と、向かって下側の画像との濃淡のバランスも取れていることが判る。これは、観察対象面と画像投影面とがほぼ平行となり、画像投影面に対して観察対象面が傾いていないことを示している。これにより、画像投影面に対応する観察対象面との距離差を示す濃淡画像において、濃淡画像の左右上下における濃淡のバランスが取れており、濃淡画像の全面における画像の濃淡が均一となり、観察対象面と画像投影面とがほぼ平行であることを直感的に判定することができる。
調整方法Bにおいては、図10の画像投影面と観察対象面との距離が全面にわたって均一となり、濃淡画像の全面における濃淡の差が少なくなるように、操作者が観察視点と3次元形状データを互いに平行移動あるいは回転させることにより、画像投影面に対する観察対象面の位置を調整する。この位置の調整毎に、画像投影面作成部12が投影画像面の観察対象面に対する相対位置を、操作者の調整した数値(距離、角度)に対応して変化させ、レンダリング処理部15が調整後の観察対象面に対して事前撮像画像のテクスチャマッピングを行う。操作者は、上述した調整方法Bにより、観察対象面の位置の調整処理を行うことにより、観察対象面と画像投影面との面を一致させ、報告用画像を生成する。
・調整方法Cの説明
3次元形状データの観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差をカラー画像として画像表示する。ここで、画像投影面作成部12は、観察対象面の画素に対応する画像投影面の画素との距離を求め、所定の第1の色(例えば黄色)を観察対象面と画像投影面とが一致した点(距離が0)に付与する。また、観察対象面が画像投影面に対して奥側となる領域に対して、上記第1の色と異なる所定の第2の色(例えば赤色)を付与する。一方、観察対象面の特徴点が画像投影面に対して手前側となる領域に対して、上記第1の色及び第2の色と異なる所定の第3の色(例えば青色)を付与する。
上述した表示により、観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面との距離差を示すカラー画像において、カラー画像の全面において黄色の領域の分布が多いほど観察対象面と画像投影面とが一致していることとなる。
したがって、操作者は、濃淡画像の全面における画像の黄色の領域が主要な観察対象と一致するように、操作者が観察視点と3次元形状データを互いに平行移動あるいは回転させることにより、画像投影面に対する観察対象面の位置を調整する。
・調整方法Dの説明
3次元形状データの観察対象面と、この観察対象面に対応する画像投影面とを異なる色で表示する(カラー画像の表示)。ここで、画像投影面作成部12は、観察対象面の画素を所定の第1の色(例えば青色)により表示する。また、画像投影面の画素を所定の第2の色(例えば赤色)で表示する。これにより、観察対象面が画像投影面に対して手前側にあれば、観察対象面が手前にあるため青色が表示される。一方、観察対象面が画像投影面に対して奥側にあれば、画像投影面が手前にあるため赤色が表示される。
上述した表示により、観察対象面と、この観察対象面に対応する投影画像面とカラー画像において、赤色の領域と青色の領域とが左右上下において適切に分布するように、画像投影面に対する観察対象面の角度を調整する。
すなわち、操作者は、カラー画像の全面における青色の領域及び赤色の領域の各々の分布のバランスが取れるように、操作者が観察視点と3次元形状データを互いに平行移動あるいは回転させることにより、画像投影面に対して観察対象面が平行となるように、3次元形状データの位置を調整する。
次に、本実施形態の視線計測システムにおける報告用画像の生成の処理を説明する。図12は、第1の実施形態の視線計測システムにおける報告用画像の生成の処理の動作例を示すフローチャートである。以下の処理は、視線計測装置が3次元形状データの観察対象面における注視箇所の特定が行われていることを前提として説明する。また、撮像装置2は、撮像した事前撮像画像の画像データを、撮像した際の各パラメータ(撮像データ記憶部17における事前撮像画像テーブルの各パラメータ)とともに撮像データ記憶部17に書き込んで記憶させる。また、3次元空間再構成部11は、事前撮像画像と、この事前撮像画像に対応する事前撮像画像テーブルの各パラメータとから、3次元形状データを生成し、生成した3次元形状データをグローバル座標系データ記憶部18に書き込んで記憶させている。以下の説明の位置合わせにおいては、調整方法A(距離調整に対応)及び調整方法B(観察対象面と画像投影面との距離が観察対象面中央での距離に等しい点を中間色として角度調整に対応)の各々を用いている。
ステップS11:
画像投影面作成部12は、操作者が入力するレンダリング条件に基づき、報告用画像の作成に用いる3次元形状データ及び注視箇所の座標点(3次元空間)を読み込む。
ここで、レンダリング条件とは、図4に示す観察視点座標、表示モード、回転角度、注視点マーカ有無などである。表示モードは、3次元形状データの表示方法と、いずれの調整方法を用いるかを示す条件である。本説明において、例えば、操作者は、3次元形状データの観察対象面をポリゴンで表示し、かつ観察対象面と画像投影面との距離を画像投影面中央部での距離を中間値として濃淡で表示する表示モードとする。
ステップS12:
画像投影面作成部12は、読み込んだ3次元形状データを画像出力部16に対して出力する。
そして、画像出力部16は、上記3次元形状データを表示装置5の表示画面に対して表示する。
ステップS13:
操作者は、表示装置5の表示画面に表示されている3次元形状データに対して、不図示の入力手段(キーボード或いはマウス)により観察視点、観察視点の視点方向を示す回転角度及び表示モードを設定する。
レンダリング条件設定部14は、設定された観察視点の3次元空間における座標である観察視点座標に対し、報告書画像情報を付加する。そして、レンダリング条件設定部14は、報告書画像情報とともに観察視点座標と回転角度を、撮像データ記憶部17のレンダリング条件テーブル(図4)に対して書き込んで記憶させる。
そして、画像投影面作成部12は、上記撮像データ記憶部17のレンダリング条件テーブルにおける観察視点座標及び回転角度の各々に近いカメラ撮像座標、カメラ姿勢角を有する事前撮像画像を、撮像データ記憶部17の事前撮像画像テーブルから読み出す。
また、画像投影面作成部12は、観察視点座標及び観察方向角度の各々に対応する、3次元形状データの観察対象面を、画像出力部16を介して表示装置5の表示画面に表示させる。
また、画像投影面作成部12は、観察対象面に対応させ画像投影面を生成し、生成した画像投影面を画像出力部16を介して表示装置5の表示画面に表示させる(図3(a))。このとき、画像投影面作成部12は、画像投影面を観察視点に対して正対するように設ける。
ステップS14:
次に、画像投影面作成部12は、操作者の入力したレンダリング条件に基づき、画像投影面及び観察対象面の濃淡画像を表示する。すなわち、画像投影面作成部12は、操作者の入力したレンダリング条件に基づき、画像出力部16を介して、表示装置5の表示画面において観察対象面と画像投影面との距離を画像投影面中央部での距離を中間値として画像投影面の各画素を濃淡で表示する。
ステップS15:
操作者は、表示画面に表示された濃淡画像を観察し、濃淡で表示された階調全面における濃淡分布のバランスが取れるように、観察視点と3次元形状データを互いに回転させる。すなわち、画像投影面に対して観察対象面が平行となるように、観察視点座標と回転角度を調整する。ここで、操作者は、濃淡分布のバランスが取れた場合、調整終了の入力を入力手段から行う。
これにより、レンダリング条件設定部14は、観察視点座標と回転角度を、撮像データ記憶部17のレンダリング条件テーブルに書き込んで記憶させる。
そして、操作者は、画像投影面に対する観察対象面の角度調整が終了したため、画像投影面に対する観察対象面の距離調整を行うため、表示モードを調整方法Aに対応したモードに再設定する。すなわち、3次元形状データの観察対象面をポリゴンで表示させ、かつ観察対象面及び画像投影面の各々を半透明表示する表示モードとする。
ステップS16:
レンダリング処理部15は、テクスチャマッピングされた観察対象面及び画像投影面の各々の画像を重畳表示させる。
このとき、レンダリング処理部15は、3次元形状データにおける観察対象面のポリゴンに対して、抽出された事前撮像画像の画像データをテクスチャマッピングする。また、レンダリング処理部15は、画像投影面に対して事前撮像画像の画像データをテクスチャマッピングする。
そして、レンダリング処理部15は、レンダリング条件に基づき、テクスチャマッピングされた観察対象面及び画像投影面との各々の画像を、半透明画像(あるいは所定の透明度に調節した画像)として重畳させ、画像出力部16を介して、表示装置5の表示画面の2次元平面に対して2次元画像として投影させて表示する。
ステップS17:
表示装置5の表示画面において、観察対象面及び画像投影面の各々の画像が重畳表示されると、操作者は、この重畳表示を用いて、画像投影面と観察対象面との距離の調整を行う。このとき、画像投影面と観察対象面とは平行となっているため、操作者は、観察対象面に対する画像投影面の観察視線方向の距離を調整する制御を行う。
例えば、操作者は、図8の観察対象面及び画像投影面の各々の画像が重畳表示された画像が2重画像として観察された場合、入力手段により、観察対象面に対する画像投影面の距離を、画像投影面を観察対象面に対して観察視線方向に移動させて調整する。このとき、操作者は、観察対象面に対して、画像投影面を手前方向あるいは奥方向に、所定の距離単位で移動させて、2重表示がなくなり画像が重なる距離となるように調整する。
ステップS18:
操作者が観察対象面及び画像投影面間の距離の調整を終了する処理を行うと、レンダリング処理部15は、3次元形状データを非表示として、画像投影面のみ、すなわち画像投影面に対して事前撮像画像がテクスチャマッピング(レンダリング)された報告用画像のみを表示する。
ステップS19:
次に、画像出力部16は、レンダリング条件に基づき、報告書画像に対して、視線計測装置4が求めた注視箇所を示す注視点マーカーを付加して表示する。
すなわち、画像出力部16は、視線計測装置4が求めた注視箇所の3次元空間における座標である注視箇所座標のなかから、3次元形状データの観察対象面上の座標に対応する注視箇所座標を抽出する。そして、画像出力部16は、3次元空間における観察対象面に対して抽出した注視箇所座標に対して注視点マーカーを配置し、表示装置5の表示画面の2次元平面において、注視点マーカーを画像投影面に対して投影する。
ステップS20:
操作者は、表示装置5の表示画面において、注視点マーカーと報告用画像における画像(例えば、図9に示された報告用画像における商品の外観であるペットボトルの画像などの対象画像)との位置関係を確認するチェックを行う。
そして、操作者は、画像の注視点マーカーと位置関係に問題がない場合、すなわち注視点マーカーが対象画像と重なっている場合、入力手段から処理を終了させる制御を行う。一方、操作者は、画像の注視点マーカーと位置関係に問題がある場合、すなわち注視点マーカーが対象画像と重なっていない場合、入力手段から再処理をさせる制御を行う。
このとき、画像投影面作成部12は、処理を終了させる制御が行われた場合、処理をステップS21へ進め、一方、再処理をさせる制御が行われた場合、処理をステップS13へ進める。ここで、処理をステップS13に進めるのは、対象画像の位置に対して注視点マーカーの位置がずれている場合、画像投影面に対して観察対象面が平行に配置されていない場合が多いため、画像投影面と観察対象面との成す角度を調整する段階からやり直すことが合理的である。
ステップS21:
画像出力部16は、処理が終了された場合、報告書画像情報とともに投影画像データ記憶部19に対して書き込んで記憶させる。
上述したように、本実施形態においては、3次元形状データの観察対象面に対してほぼ平行となる画像投影面を設け、この画像投影面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングして報告用画像を生成するため、作成された報告用画像が画素の欠損あるいは画像の歪みなどの画像の品質を低下させる要因を従来に比較して低減することができる。
これにより、本実施形態によれば、従来に比較して容易に報告用画像の品質を向上させることができる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態による視線計測システムについて説明する。第2実施形態による視線計測システムの構成は、図1の第1の実施形態と同様である。以下、第2の実施形態の第1の実施形態と異なる動作について説明する。
図13は、第2の実施形態における画像投影面作成部12による画像投影面の生成処理を説明する概念図である。
図13においては、3次元形状データの観察対象面と、画像投影面との位置関係が明確となるように、画像投影面と3次元形状データの観察対象面とを上部から俯瞰した図としている。
図13においては、観察視点602の観察視野603の範囲内における3次元形状の観察対象面に段差650があり、この段差650の凹底部面660と凸頂部面670との距離が同一の画像投影面では表現できない程度ある場合を示している。この場合、例えば、2個の画像投影面601_1及び画像投影面601_2を、3次元形状データ700の観察対象面に対して設ける。すなわち、3次元形状データ700の観察対象面において、観察対象面における段差650の凹底部面660に対して画像投影面601_1を設け、凸頂部面670に対して画像投影面601_2を設けている。
画像投影面作成部12は、観察対象面の凹底部面660に対応させて画像投影面601_1を配置する。また、画像投影面作成部12は、観察対象面の凸頂部面670に対応させ、画像投影面601_2と平行に画像投影面601_2を配置する。
画像投影面作成部12は、第1の施形態で説明したように、画像投影面601_2に対して観察対象面の凸頂部面670が平行となるように、調整方法Bで制御する。
そして、レンダリング処理部14は、画像投影面601_1及び画像投影面601_2の各々に対して、観察視点602に対応する事前撮像画像をテクスチャマッピングする。また、レンダリング処理部14は、観察対象面の凹底部面660及び凸頂部面670に対しても同様に、観察視点602に対応する事前撮像画像をテクスチャマッピングする。
そして、操作者は、画像出力部16が表示装置5の表示画面に表示する、観察対象面と画像投影面との重畳された画像を観察して、3次元形状データを画像投影面に対して垂直に移動させる。また、操作者は、観察対象面の凹底部面660の画像と画像投影面601_1の画像とが2重像とならないように一致させる調整を行う。
次に、操作者は、画像投影面601_2を観察視線方向に移動させて、観察対象面の凸頂部面670の画像と、画像投影面601_2の画像とが2重像とならないように一致させる調整を行う。
上述したように、本実施形態においては、観察対象面が段差の面の各々に対して、3次元形状データの観察対象面に対してほぼ平行となる画像投影面をそれぞれ設け、この画像投影面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングして報告用画像を生成するため、作成された報告用画像が画素の欠損あるいは画像の歪みなどの画像の品質を低下させる要因を従来に比較して低減することができる。
これにより、本実施形態によれば、観察対象面が段差の面を有している場合でも、従来に比較して容易に報告用画像の品質を向上させることができる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態による視線計測システムについて説明する。第3実施形態による視線計測システムの構成は、図1の第1の実施形態と同様である。以下、第3の実施形態の第1の実施形態と異なる動作について説明する。本実施形態においては、画像投影面と観察視点との距離、および、3次元形状データの角度調整を、操作者の操作によらず、画像投影面作成部12及びレンダリング条件設定部14の各々自身が行う構成となっている。
以下の説明においては、3次元形状データの観察対象面と画像投影面との各々の距離の二乗和を最小化するように、画像投影面作成部12及びレンダリング条件設定部14の各々が3次元形状データ及び画像投影面の各々の位置を調整する構成について説明する。
図14は、報告用画像において3次元形状データと画像投影面との位置合わせを行う際に用いる画像領域の設定を説明する図である。
図14には、操作者の入力手段からの入力操作により、報告用画像に適するように3次元形状データと観察視点との位置関係を設定した状態における3次元形状データのレンダリング結果が示されている。この図14に示す段階においては、3次元形状データと画像投影面との位置合わせは行われていない状態である。
3次元形状データには、床面A02、天井A03及び壁A04などの位置合わせの対象とはならない領域が含まれているため、この位置合わせの対象とはならない領域を除外するため、操作者の入力操作により、位置合わせの対象となる領域として、図14の着目領域A01を選択して設定する。
図15は、画像投影面作成部12の行う画像投影面と3次元形状データの観察対象面との位置の調整を説明する概念図である。
画像投影面作成部12は、3次元形状データB01の調整範囲に含まれる観察対象面に対して、観察視点B04の観察視野B07に含まれる観察対象面から選択された着目領域B02の近似平面B03を、着目領域B02の面を構成する画素の3次元空間における座標点から最小二乗法により求める。
また、画像投影面作成部12は、3次元形状データB01の着目領域B02に対応させ、画像投影面B10を生成して配置する。ここで、近似平面B03と画像投影面B10とのなす角をθとする。交点B08は、3次元形状データB01を回転させる回転の中心である(後述)。
また、画像投影面作成部12が用いる近似平面B03の算出方法は、着目領域B02における画素との最小二乗法に限るものではない。
例えば、着目領域B02において、観察視点B04から近い座標点の画素の重みを大きくすることにより、陳列棚前面の商品等の手前側のオブジェクト(3次元形状データB01における対象物体の画像)と画像投影面B10との整合性を高めることができる。
図16は、画像投影面作成部12及びレンダリング条件設定部14の各々の行う画像投影面と3次元形状データの観察対象面との位置の調整を説明する概念図である。
レンダリング条件設定部14は、観察視線B06と近似平面B03の交点B08を回転中心として、例えば3次元形状データB01を角度θだけ逆回転(図15の矢印の向きと反対方向、すなわち時計方向へ回転)させるように観察視点の位置および角度を設定し、近似平面B03と画像投影面B04とのなす角度θを「0」とする。
これにより、図16に示すように、画像投影面B10と回転後の着目領域B02とは、近似平面B03と画像投影面B10とのなす角度θが「0」となっているために概ね平行となる。この時点において、観察視点B04及び画像投影面B10間の距離C05と、観察視点B04及び回転中心B08間の距離C06との差が、距離C07である。
なお、本実施形態においては、一例として、2次元平面の説明図を用いて図示しているが実際は3次元空間で、3次元形状データB01を角度θだけ、上述した逆回転させるように観察視点の位置および角度を設定し、画像投影面B10が設定される。
図17は、画像投影面作成部12の行う画像投影面と3次元形状データの観察対象面との位置の調整を説明する概念図である。
画像投影面作成部12は、観察視点B04及び画像投影面B10間の距離C05(図16)と、観察視点B04及び回転中心B08間の距離C06(図16)とが等しくなるよう、画像投影面B10を垂直方向に距離C07だけ移動させ、画像投影面B10と観察視点B04との距離を調整する。
これにより、図17に示すように、観察視点B04及び画像投影面B10間の距離と、観察視点B04及び近似平面B03間の距離とが等しくなる。すなわち、観察視点B04及画像投影面B10間の距離と、観察視点B04及び着目領域B02間の距離とが等しくなる。
この後、第1の実施形態で説明した調整方法Aを用いて、微調整を行うようにしても良い。
以下、図14、図15、図16、図17及び図18を用いて、第3の実施形態による視線計測システムにおける観察対象面及び画像投影面の位置の調整処理を説明する。図18は、第3の実施形態の視線計測システムにおける観察対象面及び画像投影面の位置の調整処理の動作例を示すフローチャートである。
ステップS31:
画像投影面作成部12は、図14に示すように、操作者が入力手段から入力した観察視点B初期視点の設定として、観察視点B04の観察視野B07に含まれる観察対象面とする報告用画像を、画像出力部16を介して表示装置5の表示画面に表示する。
ステップS32:
操作者は、観察対象面と画像投影面との位置合わせの対象とはならない領域を除外するため、表示装置5の表示画面に表示されている報告用画像において、位置合わせの対象となる領域として、入力手段によって着目領域A01の領域を設定する。
これにより、画像投影面作成部12は、操作者の設定に基づいて、3次元形状データにおける観察対象面において、図14に示すように、着目領域A01を生成する。
ステップS33:
画像投影面作成部12は、3次元形状データB01の調整範囲に含まれる観察対象面に対して、観察視点B04の観察視野B07に含まれる観察対象面から選択された着目領域B02(図14における着目領域A01)の近似平面B03を、着目領域B02の面を構成する画素の3次元空間における座標点から最小二乗法により求める。
ステップS34:
レンダリング条件設定部14は、観察視線B06と近似平面B03の交点B08を回転中心として、3次元形状データB01を角度θだけ逆回転(反時計方向に回転)させるように観察視点の位置および角度を調整し、近似平面B03と画像投影面B10とのなす角度θを「0」とする。
ステップS35:
画像投影面作成部12は、観察視点B04及び画像投影面B10間の距離C05と、観察視点B04及び回転中心B08間の距離C06とが等しくなるよう、画像投影面B10を観察視線方向に距離C07だけ移動させ、画像投影面B10と観察視点B04との距離を調整する。
上述したように、本実施形態においては、観察対象面と画像投影面とがほぼ平行かつ観察視点との距離が同一に調整されるため、3次元形状データの観察対象面に対してほぼ平行となる画像投影面を容易に設けることができ、この画像投影面に対して事前撮像画像をテクスチャマッピングして報告用画像を生成するため、作成された報告用画像が画素の欠損あるいは画像の歪みなどの画像の品質を低下させる要因を従来に比較して低減することができる。
これにより、本実施形態によれば、観察対象面と画像投影面とを平行とする処理、及び観察視点からの距離を同一とする処理が操作者の手作業でなく、画像投影面作成部12における計算処理で行われるため、従来に比較して容易に報告用画像の品質を向上させることができる。
<視線計測装置>
視線計測装置4は、グローバル座標系における陳列空間において、視野画像のマッチング処理を行い、特徴点の座標である特徴点座標の抽出、カメラ撮像座標、カメラ撮像方向ベクトルの算出を行う。
視線計測装置4は、カメラ撮像座標及びカメラ撮像方向ベクトルから、視線方向ベクトルをカメラ座標系からグローバル座標系に変換する変換行列を生成する。また、撮像方向ベクトル変換部13は、生成した変換行列により、抽出したフレーム画像に対応する視線方向ベクトルを、カメラ座標系からグローバル座標系に座標変換し、内部の記憶部に書き込んで記憶する。
次に、視線計測装置4は、グローバル座標系における3次元形状データで構成される陳列空間の形状データを上記内部の記憶部から読み出す。そして、視線計測装置4は、読み出した3次元形状データと、撮像方向ベクトル変換部13の求めたグローバル座標系におけるカメラ撮像座標からの視線方向ベクトルとが交差する座標を求める。そして、視線計測装置4は、3次元形状データとカメラ撮像座標からの視線方向ベクトルとが交差する座標を、観察者の注視箇所候補とする。このとき、視線計測装置4は、注視箇所候補の各々に観察者の視線方向ベクトルが留まっている時間を計測し、所定の閾値を超える時間視線方向ベクトルが留まっている注視箇所候補を、観察者の注視箇所とし、この注視箇所のグローバル座標系における座標を、内部の記憶部に書き込んで記憶させるとともに、画像処理装置1に対して供給する。
なお、本発明における図1の画像処理装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより報告用画像の作成処理処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1…画像処理装置
2…撮像装置
3…利用者観測装置
4…視線計測装置
5…表示装置
11…3次元空間再構成部
12…画像投影面作成部
13…撮像方向ベクトル変換部
14…レンダリング条件設定部
15…レンダリング処理部
16…画像出力部
17…撮像データ記憶部
18…グローバル座標系データ記憶部
19…投影画像データ記憶部
31…利用者撮像部
32…利用者視線計測部

Claims (11)

  1. 測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成部と、
    前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング処理部と
    を備えることを特徴とする画像処理システム。
  2. 前記画像投影面作成部が、
    前記3次元形状の前記面の形状により、当該形状に対応する前記画像投影面を複数設ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
  3. 前記画像投影面作成部が、
    前記3次元形状データにおける観察者の観察視点に対応した前記面と、当該面に対して設けられた前記画像投影面との位置関係を、前記面と前記画像投影面の各々の単位領域の強調表示により示す
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理システム。
  4. 前記画像投影面作成部が、
    前記面と前記画像投影面との位置関係を、前記面及び前記画像投影面の各々の前記単位領域の階調度によって強調表示する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
  5. 前記画像投影面作成部が、
    前記面と前記画像投影面との位置関係を、前記面及び前記画像投影面の各々の前記単位領域の表示色によって強調表示する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
  6. 前記画像投影面作成部が、
    前記面と前記画像投影面との対応する前記画素毎の前記3次元空間における距離を元にした統計処理により、前記面に対して所定の位置に前記画像投影面を配置する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理システム。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像処理システムを備えており、
    前記画像投影面に対し、前記前記観察者の注視箇所を表示する
    ことを特徴とする視線計測システム。
  8. 画像投影面作成部が、測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成過程と、
    レンダリング処理部が、前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング処理過程と
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項8に記載の画像処理方法を含んでおり、
    前記画像投影面に対し、前記前記観察者の注視箇所を表示する
    ことを特徴とする視線計測方法。
  10. コンピュータを、
    測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成手段、
    前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング手段
    として動作させるためのプログラム。
  11. コンピュータを、
    測定空間の3次元形状データの観察対象面を近似する画像投影面を配置する画像投影面作成手段、
    前記画像投影面に対し、前記観察対象面に対応する測定空間が撮像された画像をテクスチャマッピングし、表示画像面を生成するレンダリング手段、
    前記画像投影面に対し、前記前記観察者の注視箇所を表示する手段
    として動作させるためのプログラム。
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