JP2016141713A - 導電性組成物およびそれを備えた導電性シート - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、伸縮性を有しかつ伸縮時に抵抗の増加を抑制できる導電性組成物およびそれを備えた導電性シートを提供することを目的とする。
この発明によれば、導電性フィラーがコイル形状であるので、エラストマーが伸張した場合、導電性フィラーはコイルが引っ張られたときにように伸びる。したがって、エラストマーが伸張した場合においても、導電性組成物の抵抗値の増加を抑制することができる。これにより、伸縮性を有しかつ伸張時における抵抗値の増加を抑制できる導電性組成物を提供できる。
請求項3に記載の発明は、前記導電性フィラーが、金属線がコイル形状に加工されることにより製造された微小金属ばねである、請求項1に記載の導電性組成物である。
請求項4に記載の発明は、前記導電性フィラーが、カーボンナノコイルである、請求項1に記載の導電性組成物である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性組成物からなる導電性ペーストである。
請求項8に記載の発明は、剥離フィルムと、前記剥離フィルムの一表面に形成され、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性組成物からなる導電膜と、前記導電膜における前記剥離フィルム側とは反対側の表面に形成された保護膜とを含む、導電性シートである。この構成によれば、伸縮性を有しかつ伸張時における抵抗の増加を抑制でき、一表面に保護膜を有する導電膜を備えた導電性シートを提供できる。これにより、伸縮性を有するシールドフィルムとして使用することが可能な導電性シートを提供できる。
コイル状導電性フィラーは、天然螺旋構造に金属メッキが施されることにより製造された微小金属コイルであってもよい。このような微小金属コイルは、植物や藻類が有する微小な螺旋構造に、金属メッキを施すことによって製造される。例えば、藻類のスピルリナに金属メッキを施すことにより、微小金属コイルを得る(非特許文献1参照)。藻類のスピルリナは、コイル形状を有している。スピルリナを培養し、固定化した後、金属メッキ(無電界めっき)を施す。金属メッキの材料としては、銅、銀、金等の導電性を有する金属が用いられる。
コイル状導電性フィラーの導体径(線径)は、5μm以上30μm以下であることが好ましい。コイル状導電性フィラーのコイル外径は、150μm以下であることが好ましい。コイル状導電性フィラーのピッチは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。コイル状導電性フィラーのコイル長は、1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。
ウレタン系エラストマーにコイル状導電性フィラーを、コイル状導電性フィラーの充填率(導電性組成物におけるコイル状導電性フィラーの充填率)が40質量%となるように配合し、遊星攪拌機によって撹拌した。これにより、ウレタン系エラストマーとコイル状導電性フィラーを含むペースト(以下、「導電性ペースト」という。)を得た。
[実施例2]
コイル状導電性フィラーの充填率が50質量%となるようにウレタン系エラストマーにコイル状導電性フィラーを配合する点を除いては、実施例1と同様にして剥離フィルムの一表面に導電膜を形成し、導電膜を所定の大きさに切断することにより、サンプルb1、b2およびb3を得た。
[実施例3]
コイル状導電性フィラーの充填率が60質量%となるようにウレタン系エラストマーにコイル状導電性フィラーを配合する点を除いては、実施例1と同様にして剥離フィルムの一表面に導電膜を形成し、導電膜を所定の大きさに切断することにより、サンプルc1、c2およびc3を得た。
[導電性シート]
図2は、この発明の第1実施形態に係る導電性シートの構成を示す断面図である。
図3は、図2の導電性シート10の製造工程の一例を説明するための説明図である。
導電性シート10を製造するための装置は、たとえば、巻出ロール21と、スリットダイコーター、コンマコーター等のコーターヘッド22(コーティング装置)と、乾燥炉23(乾燥装置)と、巻取ロール24とを含む。巻出ロール21には、長尺状の剥離フィルム11が巻きつけられている。コーターヘッド22には、エラストマーとコイル状導電性フィラーとを含む導電性ペースト20が収容されている。導電性ペースト20は、サンプルa1〜c3の製造方法で説明した方法と同様な方法によって製造される。
加熱乾燥部において、剥離フィルム11上の導電性ペースト20が、乾燥炉23によって加熱乾燥される。乾燥炉23は、たとえば剥離フィルム11の表面(導電性ペースト20が塗布されている側の表面)上方から剥離フィルム11側に向かって熱風を吹き付ける熱風送風装置であってもよい。この際、熱風の温度を段階的に上げていくようにしてもよい。例えば、まず、60℃の熱風による加熱乾燥を2分間行い、続いて100℃の熱風による加熱乾燥を2分間行い、最後に120℃の熱風による加熱乾燥を2分間行うようにしてもよい。導電性ペースト20を加熱乾燥することにより、剥離フィルム11の表面に導電性組成物からなる導電膜12が形成される。この後、導電膜12が形成された剥離フィルム11は、巻取ロール24に巻き取られる。これにより、剥離フィルム11と、剥離フィルム11上に形成された導電膜12とを含む導電性シート10を得ることができる。
導電性シート10を、伸縮可能なデバイスの回路として使用する場合について説明する。前述のようにして製造された導電性シート10を、所望の形状および大きさに切断する。次に、図4に示すように、導電膜12から剥離フィルム11を剥がす。そして、図5に示すように、伸縮可能なデバイスに形成された絶縁性フィルム31の表面に、導電膜12を張り付ける。導電膜12の絶縁性フィルム31への貼り付けは、たとえば熱プレス転写によって行ってもよい。
図6は、この発明の第2実施形態に係る導電性シートの構成を示す断面図である。
この導電性シート10Aは、剥離フィルム11と、剥離フィルム11の一表面に形成され、前述した導電性組成物からなる導電膜12と、導電膜12における剥離フィルム11側とは反対側の表面に形成された保護膜13とを含んでいる。
導電性シート10Aは、保護膜13の一表面に導電性ペースト20を塗布して乾燥させて、保護膜13の一表面に導電膜12を形成した後、導電膜12における保護膜13側とは反対側の表面に剥離フィルム11を張り合わせることにより、製造してもよい。
導電性シート10Aを、伸縮可能な電磁波シールドフィルムとして使用する場合について説明する。前述のようにして製造された導電性シート10Aを、所望の形状および大きさに切断する。次に、図7に示すように、導電膜12から剥離フィルム11を剥がす。そして、図8に示すように、保護膜13が一表面に形成された導電膜12を、プリント基板41の表面に貼り付ける。プリント基板41は、例えば、ベースフィルム42と、ベースフィルム42上に形成されたグランド回路43と、グランド回路43外の領域を覆うように形成されたカバーレイフィルム44とを含む片面フレキシブルプリント基板(FPC)である。
たとえば、前述の電磁波シールドフィルムにおいて、導電膜12とグランド回路43との間に導電性接着剤層を設け、その導電性接着剤層を介して導電膜12とグランド回路43とを導通させても良い。
a2,b2,c2 サンプル
a3,b3,c3 サンプル
10 導電性シート
11 剥離フィルム
12 導電膜
13 保護膜
Claims (8)
- エラストマーと、
前記エラストマー中に充填されているコイル形状の導電性フィラーとを含む、導電性組成物。 - 前記導電性フィラーが、天然螺旋構造に金属メッキが施されることにより製造された微小金属コイルである、請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記導電性フィラーが、金属線がコイル形状に加工されることにより製造された微小金属ばねである、請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記導電性フィラーが、カーボンナノコイルである、請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記エラストマーにおける前記導電性フィラーの充填率が、前記導電性組成物中30重量%以上95重量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性組成物からなる導電性ペースト。
- 剥離フィルムと、前記剥離フィルムの一表面に形成され、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性組成物からなる導電膜とを含む、導電性シート。
- 剥離フィルムと、前記剥離フィルムの一表面に形成され、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性組成物からなる導電膜と、前記導電膜における前記剥離フィルム側とは反対側の表面に形成された保護膜とを含む、導電性シート。
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