JP2016140875A - 精密鋳造用鋳型、及び、精密鋳造用鋳型の製造方法 - Google Patents

精密鋳造用鋳型、及び、精密鋳造用鋳型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チタンアルミニウム基合金の酸化を抑制できると共に、表層のスラリ膜の破損を防止できる精密鋳造用鋳型、及び、精密鋳造用鋳型の製造方法を提供すること。【解決手段】鋳造用のワックス模型40の表面に、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した表層スラリを塗布した後に該表層スラリを乾燥して形成された表層21と、表層21の外周面21Aに、シリカゾル45を噴霧した後に該シリカゾル45を乾燥させて形成された中間層22と、中間層22の外周面22Aに、アルミナ、ジルコン、または、シリカのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した基層スラリを塗布した後に該基層スラリを乾燥して形成された基層23と、を備え、ワックス模型40を除去した後に、表層21、中間層22及び基層23を一体に焼成して形成された。【選択図】図4

Description

本発明は、精密鋳造に用いる精密鋳造用鋳型、及び、精密鋳造用鋳型の製造方法に関する。
一般に、ロストワックス法等の精密鋳造法は、機械加工の困難な材質及び複雑な形状の部品を高い寸法精度で製造することが可能である。チタンアルミニウム基合金(TiAl基合金とも称する)は、比強度、耐熱性及び耐食性に優れ、航空機エンジンの各種部品やタービン翼等の材質として好適であるが、一般の金属や合金に比べて硬くて脆いために機械加工が困難である。このため、TiAl基合金の加工方法として上述した精密鋳造法が広く用いられている。通常、精密鋳造法では、鋳型をアルミナ(酸化アルミニウム:Al)、シリカ(二酸化ケイ素:SiO)、ジルコン(ケイ酸塩鉱物:ZrSiO)等のセラミックスで形成するが、TiAl基合金は、活性が非常に高く、酸素に対する親和性が高いために、セラミックスに含まれる酸素とTiAl基合金とが反応(酸化)し、TiAl基合金中の酸素濃度が高くなる。このため、TiAl基合金の鋳造品表面および内部が酸化物へ変質してしまう問題があった。
この問題を解決するために、TiAl基合金と反応性の低い材料、換言するとチタン、アルミニウムよりも酸素との結合が強い材料(例えば、イットリア(酸化イットリウム:Y)やジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZrO)等の金属酸化物)で鋳型を製造することが想定される。しかし、イットリアやジルコニアは、通常、鋳型に使用されるアルミナ等と比べて格段に高価であるため、これらの使用量の低減が要望されている。
このため、セラミックスで形成された基層と、この基層の内表面に配置されて該内表面を被膜する表層とを備え、この表層をイットリア等の金属酸化物で形成した鋳型の構成が模索されており、従来、ろう型の表面に、酸化セリウム(CeO)を主成分とする骨材とシリカゾルを主成分とするバインダで構成される初層スラリを付着させると共に乾燥させて初層スラリ膜を形成するステップと、この初層スラリ膜の表面に、スラリを付着させると共に乾燥させて、2層目以降のスラリ膜を順次形成するステップと、各スラリ膜を焼き固めて鋳型を形成するステップとを備えた鋳型の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この種の鋳型では、TiAl基合金と接触する表層(初層)は、イットリア等と同様にTiAl基合金と反応性の低い材料に相当する酸化セリウムを用いて形成し、2層目以降はアルミナ等のセラミックスを用いて形成することで、酸化セリウム等の金属酸化物の使用量の低減を図っている。
特許第4451907号公報
しかしながら、従来の技術では、表層(初層)は、酸化セリウムとシリカゾルとで構成されるため、表層の表面にはシリカ(二酸化ケイ素:SiO)が残存し、このシリカに含まれる酸素とTiAl基合金とが反応(酸化)してしまう問題が生じうる。一方、TiAl基合金と反応性の低い材料(イットリア、ジルコニアや酸化セリウム)のみで表層のスラリを形成した場合には、このスラリが乾燥したスラリ膜の表面に2層目のスラリを付着した際に、2層目のスラリに含まれる溶媒(水)が表層のスラリ膜に移動する。このため、表層のスラリ膜が軟化すると共に、溶媒(水)を含んで再スラリ化することにより、表層のスラリ膜が形状を保持できない恐れがある。
このため、本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、表層のスラリ膜が好適に形成され、チタンアルミニウム基合金の酸化を抑制できる精密鋳造用鋳型、及び、精密鋳造用鋳型の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、チタンアルミニウム基合金の精密鋳造に用いられる精密鋳造用鋳型であって、鋳造用のろう型の表面に、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した表層スラリを塗布した後に該表層スラリを乾燥して形成された表層と、表層の外周面に、無水珪酸の紛体を水中に分散させたシリカゾルを噴霧した後に該シリカゾルを乾燥させて形成された中間層と、中間層の外周面に、アルミナ、ジルコン、または、シリカのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した基層スラリを塗布した後に該基層スラリを乾燥して形成された基層と、を備え、ろう型を除去した後に、表層、中間層及び基層を一体に焼成して形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、チタンアルミニウム基合金の溶湯が貯留される空間に面する表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのいずれかで形成されるため、チタンアルミニウム基合金の溶湯が反応し難くなり、該チタンアルミニウム基合金の酸化を抑制できる。また、表層と基層との間にシリカゾルを噴霧した後に該シリカゾルを乾燥させて形成された中間層を備えるため、中間層の外側に基層スラリを塗布した際に、この基層スラリの溶媒(水)は中間層にてゲル化されて保持されることにより、表層に進入することが防止される。これにより、表層のスラリ膜の再軟化を防止し、表層のスラリ膜の形状を保持することができる。
この構成において、中間層は、0.01mm以上1mm以下の厚みに形成されても良い。この構成によれば、簡単な構成で表層のスラリ膜の再軟化を防止し、表層のスラリ膜の形状を保持することができる。
また、表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、希土類元素酸化物で形成されても良い。この構成によれば、希土類元素酸化物で表層を形成することにより、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナの中で最も良好な反応抑制効果を期待することができる。
また、表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、ジルコニアで形成されても良い。この構成によれば、ジルコニアで表層を形成することにより、鋳込み後の降温時に結晶構造が変化して体積膨張し、崩壊しやすくなるため、鋳造品を鋳型から取り出す事が容易になる。
また、表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、高純度アルミナで形成されても良い。この構成によれば、高純度アルミナで表層を形成することにより、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナの中で最も強度の高い鋳型を作製できる。
また、本発明は、チタンアルミニウム基合金の精密鋳造に用いられる精密鋳造用鋳型の製造方法であって、鋳造用のろう型を、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した表層スラリに浸漬し、引き上げた後乾燥してろう型の表面にスラリ膜からなる表層を形成する表層形成工程と、表層の外周面に、無水珪酸の紛体を水中に分散させたシリカゾルを噴霧すると共に、該シリカゾルを乾燥させて中間層を形成する中間層形成工程と、中間層が形成されたろう型を、アルミナ、ジルコン、または、シリカのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した基層スラリに浸漬し、引き上げた後乾燥して基層を形成する基層形成工程と、表層、中間層及び基層を有する成形体からろう型のワックスを融解・除去する脱ワックス工程と、脱ワックス後の成形体を焼成処理し、鋳型を得る鋳型焼成工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、表層の外周面にシリカゾルを噴霧すると共に、該シリカゾルを乾燥させて中間層を形成する中間層形成工程を備えるため、この中間層の外側に基層スラリを塗布した際に、この基層スラリの溶媒(水)は中間層にてゲル化されて保持されることにより、表層に進入することが防止される。これにより、表層のスラリ膜の再軟化を防止し、表層のスラリ膜の形状を保持することができる。
また、中間層は、シリカゾルを0.01mm以上1mm以下の厚みに吹き付けて形成されても良い。この構成によれば、中間層を簡単に形成することができ、表層のスラリ膜の再軟化を防止して、表層のスラリ膜の形状を保持することができる。
また、表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、希土類元素酸化物で形成されても良い。
また、表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、ジルコニアで形成されても良い。
また、表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、高純度アルミナで形成されても良い。
また、表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体を、溶媒としての水に分散させて形成されても良い。この構成によれば、水は有機溶媒に比べて蒸発しにくくスラリ管理が容易となる。また、表層スラリは、分散剤としてポリカルボン酸塩を用いて形成されても良い。この構成によれば、ポリカルボン酸塩を分散剤として加えることでスラリの凝集を防ぐことができ、スラリ寿命を長くすることができる。
本発明によれば、チタンアルミニウム基合金の溶湯が貯留される空間に面する表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのいずれかで形成されるため、チタンアルミニウム基合金の溶湯が反応し難くなり、該チタンアルミニウム基合金の酸化を抑制できる。また、表層と基層との間にシリカゾルを噴霧した後に該シリカゾルを乾燥させて形成された中間層を備えるため、中間層の外側に基層スラリを塗布した際に、この基層スラリの溶媒(水)は中間層にてゲル化されて保持されることにより、表層に進入することが防止される。表層のスラリ膜の再軟化を防止し、表層のスラリ膜の形状を保持することができる。
図1は、本実施形態に係る精密鋳造用鋳型の構成を模式的に示す概略断面図である。 図2は、精密鋳造用鋳型の隔壁の構成を示す部分断面図である。 図3は、精密鋳造用鋳型の製造手順を示すフローチャートである。 図4は、精密鋳造用鋳型の製造手順の工程説明図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る精密鋳造用鋳型の構成を模式的に示す概略断面図である。図2は、精密鋳造用鋳型の隔壁の構成を示す部分断面図である。図1に示すように、精密鋳造用鋳型10は、チタンアルミニウム基合金(TiAl基合金)による鋳造を実現する鋳型であり、TiAl基合金の溶湯を貯留可能な内側空間11を画定する隔壁12を備える。この隔壁12は、内側空間11に表面が露出して配置される表層21と、この表層21の外側に配置される中間層22と、この中間層22の外側に配置される基層23とが積層されて一体に形成されている。なお、図1は、鋳型の構成を模式的に表したものであるため、表層21、中間層22または基層23の厚み、及び、内側空間11の大きさについて、それぞれ相対的な関係を示すものではない。また、図1では、説明の便宜上、内側空間11及び隔壁12を簡素な形状として描いているが、例えば、タービン翼を鋳造する場合には、隔壁12は、タービン翼の形状に対応した内側空間11を画定すると共に、隔壁12の内側の表面(表層21の表面)には複雑な凹凸部が形成される。
表層21は、内側空間11を画定する隔壁12の内表面を形成する層であり、金属酸化物Oで形成されている。本実施形態では、金属酸化物Oとして、例えば、イットリア(酸化イットリウム(Y))が使用される。また、イットリアの他に、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化エルビウム(Er)及び酸化セリウム(Ce)等の希土類元素酸化物を使用してもよい。また、金属酸化物Oとしては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いることもできる。また、金属酸化物Oとしては、高純度アルミナ(Al)を用いることもできる。また、金属酸化物Oとしては、これらを混合して使用することもできる。これらの金属酸化物Oは、該金属酸化物Oを単一で使用する場合、または、複数種を混合して使用する場合であっても、金属酸化物Oの純度が99%以上となることが好ましい。また、高純度アルミナとはアルミナの純度が高いものをいう。具体的には、一般的なアルミナの生成過程において、不純物として含まれるナトリウム酸化物(NaO)の含有量が0.2%未満のものをいう。
表層21は、図2に示すように、スラリ層31とスタッコ層32が積層されている。スラリ層31は、金属酸化物O(例えば、イットリア)の紛体が分散された表層スラリにより形成される。スタッコ層32は、スラリ層31を形成する紛体よりも大きい金属酸化物O(例えば、イットリア)のスタッコ材で形成される。表層21は、乾燥していない表層スラリの表面にスタッコ材を振り掛け、乾燥させることでスラリ層31及びスタッコ層32が形成される。上記した表層スラリは、金属酸化物Oの紛体を、バインダとして水、分散剤としてポリカルボン酸塩を用いて作成される。水は、有機溶媒に比べて蒸発しにくくスラリ管理が容易となる利点がある。また、ポリカルボン酸塩を分散剤として加えることでスラリの凝集を防ぎ、スラリ寿命を長くすることができる。また、スラリ層31に重ねてスタッコ層32を設けることにより、表層21の肉厚を少ない工程で確保することができ、また、表層スラリを早く乾燥させることができると共に、スラリ層31の乾燥割れを防止できる。本実施形態では、表層21は、スタッコ層32を備えて構成されているが、スラリ層31のみで表層21を形成しても良い。表層21は、該表層21の下層に位置する中間層22が露出しない程度の厚みを備え、少なくとも0.5mm以上(例えば、0.5mm以上2mm以下)に形成することが好ましい。
ここで、スラリ層31を形成する金属酸化物Oの紛体は、平均粒径が5μm以上50μm以下であることが好ましい。平均粒径が5μm未満となると鋳型焼成時の焼結が過度に起こり、鋳型が脆くなる。平均粒径が50μmを超えると鋳型強度が低下する。ここで、平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布計(Microtrac社製MT3000 IIシリーズ等)によって計測する。また、スタッコ層32を形成する金属酸化物Oのスタッコ材は、平均粒径が200μm以上1000μm以下であることが好ましい。200μm未満であれば使用中に内部に発生したクラックの進展をスタッコ部で留める事が出来なくなり、強度が低下する。一方、1000μmを超えた場合は鋳型内部の空隙が多くなり、同じく鋳型強度が低下する。
中間層22は、表層21の外側を覆って配置され、表層21への水分の移動を防止する機能を有する。中間層22は、シリカゾル(無水珪酸の紛体を水中に分散させたもの)を塗布し、その後、乾燥させ、焼成することで形成される。中間層22は、主成分がシリカ(二酸化ケイ素:SiO)となる。乾燥させたシリカゾルの被膜である中間層22は、焼成前に水分を含むとゲル化することにより、この水分を保持する。このため、後述する基層スラリの水分が中間層22を通じて表層21へ移動することが防止される。本実施形態では、シリカゾルは、少なくとも0.01mm以上(0.01mm以上1mm以下)の厚みを備えて、表層21の外側に設けられることが好ましい。シリカゾルの膜厚が1mmを超えると中間層22に割れが発生しやすくなる。
基層23は、中間層22の外側に積層されている。基層23は、精密鋳造用鋳型10の本体部を構成するものであり、セラミックスCで構成されている。本実施形態では、セラミックスCとして、例えば、ジルコン(ケイ酸塩鉱物:ZrSiO)が使用される。また、ジルコンの他に、アルミナ(酸化アルミニウム:Al)やシリカ(二酸化ケイ素:SiO)等を使用することができる。
基層23は、複数の単位基層23Aが積層される。単位基層23Aは、スラリ層33とスタッコ層34とが積層される。スラリ層33は、セラミックス材料(例えば、ジルコン)の紛体(例えば、平均粒径:5μm以上50μm以下)により形成される。スタッコ層34は、スラリ層33を形成する紛体よりも大きいセラミックス材料(例えば、ジルコン)のスタッコ材(例えば、平均粒径:300μm以上700μm以下)によって形成される。また、セラミックスCとして、アルミナやシリカを使用した場合においても、スラリ層33は、セラミックスCの紛体(例えば、平均粒径:5μm以上50μm以下)により形成され、スタッコ層34は、セラミックスCのスタッコ材(例えば、平均粒径:300μm以上700μm以下)によって形成されることが好ましい。
基層23は、上記したスラリ層33とスタッコ層34とからなる単位基層23Aを複数回(例えば10回)形成することにより複層化して構成される。上記した基層スラリは、セラミックスCの紛体を、バインダとしてシリカゾルを用いて作成される。基層23は、単位基層23Aを複層化して形成されることにより、所望の厚み(例えば10mm)の精密鋳造用鋳型10を容易に形成することができる。
表層21は、上述のように、内側空間11を画定する隔壁12の内表面を形成する層であるため、鋳造時に内側空間11に貯留されるTiAl基合金の溶湯に直接接触する。このため、表層21を構成する金属酸化物Oは、TiAl基合金との反応性が低い材料、換言すると、基層23を形成するセラミックスCよりも酸素との結合が強い材料である。次に、セラミックスCと酸素との結合の強さ及び金属酸化物Oと酸素との結合の強さについて説明する。
TiAl基合金の溶湯の酸化メカニズムは、TiAl基合金の溶湯に含有されるTiが鋳型のセラミックスCの酸素を奪い取る、以下の反応による。なお、以下の反応におけるMは、任意の元素を示している。
3M+Ti→TiO+2/3M
表1は、セラミックスC及び金属酸化物Oの上記反応での各平衡定数Kpを示したものである。表1における各平衡定数Kpは、生成自由エネルギーによる平衡計算によって求めたものであり、対数表記している。
Figure 2016140875
表1に示すように、セラミックスCのアルミナ(酸化アルミニウム:Al)、シリカ(二酸化ケイ素:SiO)、ジルコン(ケイ酸塩鉱物:ZrSiO)に比べて、金属酸化物Oの酸化イットリウム(Y)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化エルビウム(Er)、酸化セリウム(Ce)等の希土類元素酸化物、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、もしくは、高純度アルミナ(酸化アルミニウム:Al)は平衡定数Kpが小さい。このため、上記した希土類元素酸化物、イットリア安定化ジルコニア、もしくは、高純度アルミナに対して、TiAl基合金の溶湯が反応し難いことがわかる。
すなわち、上述した精密鋳造用鋳型10によれば、鋳造時に内側空間11に貯留されるTiAl基合金の溶湯に接触する表層21は、セラミックスCよりも酸素との結合が強い金属酸化物Oで形成され、この表層21が基層23を被膜する被膜層として機能するため、セラミックスCで形成された基層23に比べて、TiAl基合金の溶湯が反応し難くなり、該TiAl基合金の酸素濃度が高くなることを防止できる。
さらに、TiAl基合金は、溶湯の温度を上昇させると更に活性となるが、表層21が基層23を被膜することでTiAl基合金の溶湯が反応し難くなるため、溶湯を高温に設定することができ、湯回り性の向上を図ることができる。
次に、精密鋳造用鋳型の製造方法を説明する。図3は、精密鋳造用鋳型の製造手順を示すフローチャートであり、図4は、製造手順の工程説明図である。
まず、ワックス模型(ろう型)を表層スラリに浸漬(ディッピング)する(ステップS11)。ワックス模型は、鋳造目的の製品(鋳物)と同形状を呈するものである。ワックス模型は、事前に形成した金型に、液化したワックス(ろう)を注入し、冷却して固化したものを金型から取り出して形成される。
表層スラリは、金属酸化物Oの紛体を溶媒に分散させて作成される。本実施形態では、金属酸化物Oとしてイットリア(中国稀土社製;平均粒径5μm以上10μm以下)、分散剤としてポリカルボン酸(ポイズ532A)が用いられ、イットリア紛体500(g)とポリカルボン酸50(g)を水1500(g)に分散させることで表層スラリが作成される。
次に、ワックス模型を表層スラリから引き上げ、余分な表層スラリを落下させた後、ワックス模型に塗布された表層スラリの外周面にスタッコ材としてイットリア電融粉(平均粒径500μm)を振り掛けるスタッコイングを行う(ステップS12)。これにより、図4の状態(A)に示すように、ワックス模型40の表面に表層スラリ及びスタッコ材からなる表層膜41が形成される。そして、スタッコイングされたワックス模型を乾燥させる(ステップS13)。これにより、表層膜41が乾燥され、図4の状態(B)に示すように、ワックス模型40の表面に表層21が形成される。
次に、表層の外周面にシリカゾルを吹き付ける(ステップS14)。具体的には、図4の状態(B)に示すように、所定の濃度に調整したシリカゾル(例えば、スノーテックス(登録商標)30)をエアスプレーガン44にセットし、このシリカゾル45を表層21の外周面21Aに向けて噴霧することで、表層21の外周面21Aに中間膜42を形成する。この中間膜42は、少なくとも0.01mm以上あればよく、具体的には、0.5mm程度にするのがよい。エアスプレーガン44によるシリカゾルの噴霧では、中間膜42の厚みに多少のムラが生じるものの、中間膜42の厚みを0.01mm以上とすることにより、通常の噴霧作業で表層21の外周面21Aをすべて覆うことが可能となる。また、エアスプレーガン44を用いることにより、表層21の外周面21Aに形成される中間膜42の水分量を調整することができ、シリカゾルが有する水分が表層21に及ぼす影響を抑えることができる。
次に、中間膜が形成されたワックス模型を乾燥させる(ステップS15)。これにより、中間膜42が乾燥され、図4の状態(C)に示すように、表層21の外周面21Aに中間層22が形成される。
次に、中間層が形成されたワックス模型を基層スラリに浸漬(ディッピング)する(ステップS16)。基層スラリは、セラミックスCの紛体を溶媒に分散させて生成される。本実施形態では、セラミックスCとしてジルコン(平均粒径5μm以上30μm以下)を用いて、このジルコンの紛体をバインダとしてのシリカゾルに分散させて作成される。
次に、ワックス模型を基層スラリから引き上げ、余分な基層スラリを落下させた後、ワックス模型に塗布された基層スラリの外周面にスタッコ材(例えば、平均粒径:300μm以上700μm以下のジルコン粒)を振り掛けるスタッコイングを行う(ステップS17)。次に、上記したステップS16及びステップS17の処理を所定回数(例えば10回)繰り返す(ステップS18)。これにより、図4の状態(C)に示すように、中間層22の外周面22Aに基層スラリとスタッコ材からなる単位基層23Aが複層化された乾燥成形体46が形成される。
次に、乾燥成形体からワックス模型を除去(脱ワックス)する(ステップS19)。具体的には、乾燥成形体をオートクレーブの内部に入れ、例えば約150℃に加熱する。オートクレーブは、内部を加圧蒸気で満たすことで、乾燥成形体内のワックス模型を融解し、排出させる。これにより、図4の状態(D)に示すように、ワックス模型が除去されて、鋳造時にTiAl基合金の溶湯を貯留可能な内側空間11が形成される。
次に、ワックス模型を除去した乾燥成形体を焼成する(ステップS20)。具体的には、乾燥成形体を焼成炉の内部に入れ、例えば約1000℃で加熱する。これにより、図4の状態(E)に示すように、乾燥成形体に含まれる水成分や不要な成分が除去され、さらに、焼成されることで硬化され、精密鋳造用鋳型10が形成される。
この得られた精密鋳造用鋳型10は、TiAl基合金の溶湯が貯留される内側空間11に面する表層21が、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのいずれか(例えばイットリア)で形成されるため、この表層21の内面をシリカのまったく存在しない層として形成できる。このため、精密鋳造用鋳型10の内側空間11にTiAl基合金の溶湯を貯留した際に、このTiAl基合金の溶湯が鋳型と反応し難くなり、該TiAl基合金の酸化を抑制できる。
次に、精密鋳造用鋳型10の製造方法において、表層21の外周面21Aにシリカゾル45を吹き付けて形成される中間層22の作用について実施例と比較例とを参照して説明する。
(実施例1)
上述したように、金属酸化物Oとしてイットリア(中国稀土社製;平均粒径5μm以上10μm以下)、分散剤としてポリカルボン酸(ポイズ532A)が用いられ、イットリア紛体300(g)とポリカルボン酸50(g)を水1500(g)に分散させることで表層スラリを作成した。また、所定形状(直径50mm、高さ50mmの円柱形状)のワックス模型40を、表層スラリに浸漬した後に引き上げ、余分な表層スラリを落下させた後、ワックス模型40に塗布された表層スラリの外周面にスタッコ材としてイットリア電融粉(平均粒径500μm)を振り掛けるスタッコイングを行った。そして、表層スラリ及びスタッコ材を乾燥させて表層21を形成すると共に、この表層21の外周面21Aにシリカゾル(例えば、スノーテックス30)をエアスプレーガン44で厚み0.5mmとなるように吹き付けた。
そして、シリカゾルを乾燥させて中間層22を形成すると共に、中間層22が形成されたワックス模型40を、基層スラリに浸漬した後に引き上げ、余分な基層スラリを落下させた後、中間層22の外周面22Aに塗布された基層スラリの外周面にジルコン粒(平均粒径500μm)を振り掛けるスタッコイングを行うことで単位基層23Aを形成した。そして、基層スラリの塗布及びスタッコイングを所定回数(10回)繰り返し行った。
(比較例1)
表層21の構成、及び、製造手順は実施例1と同一である。しかし、実施例1と異なり、表層21の外周面21Aに上記中間層22を設けることなく、表層21が形成されたワックス模型40を基層スラリに浸漬し、ワックス模型40を引き上げた。
比較例1では、表層スラリを乾燥させて表層21を形成した後に、ワックス模型40を基層スラリに浸漬した際に乾燥した表層21が軟化し、引き上げた際に表層21が破れてしまった。これに対し、実施例1では、表層21の外周面21Aに、シリカゾルを乾燥させて形成された中間層22を備えるため、ワックス模型40を基層スラリに浸漬した場合、基層スラリに含まれる水分は、中間層22にてゲル化されて保持されることにより、表層21に進入することが防止される。これにより、乾燥された表層21のスラリ膜の再軟化による破損を防止できる。このため、中間層22の外周面22Aに、基層スラリの塗布及びスタッコイングを所定回数(10回)繰り返し行うことができ、所望の厚みの基層23を有する精密鋳造用鋳型10を製造することができる。また、イットリアを含む希土類元素酸化物を用いた構成では、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナの中で最も良好な反応抑制効果が期待できる。
(実施例2)
実施例2は、表層21を形成する金属酸化物Oの種類が異なる。この実施例2では、金属酸化物Oとしてジルコニア(YSZ イットリア安定化ジルコニア;サンゴバンHSY−8,325F;平均粒径5μm以上30μm以下)、分散剤としてポリカルボン酸(ポイズ532A)が用いられ、ジルコニア紛体600(g)とポリカルボン酸60(g)を水1500(g)に分散させることで表層スラリを作成した。また、所定形状(直径50mm、高さ50mmの円柱形状)のワックス模型40を、表層スラリに浸漬した後に引き上げ、余分な表層スラリを落下させた後、ワックス模型40に塗布された表層スラリの外周面にスタッコ材としてジルコニア粒(100メッシュ;平均粒径500μm)を振り掛けるスタッコイングを行った。また、中間層22及び単位基層23Aの構成及び製造方法は、上記した実施例1と同様であるため説明を省略する。
(比較例2)
表層21の構成、及び、製造手順は実施例2と同一である。しかし、実施例2と異なり、表層21の外周面21Aに上記中間層22を設けることなく、表層21が形成されたワックス模型40を基層スラリに浸漬し、ワックス模型40を引き上げた。
比較例2では、比較例1と同様に、表層スラリを乾燥させて表層21を形成した後に、ワックス模型40を基層スラリに浸漬した際に乾燥した表層21が軟化し、引き上げた際に表層21が破れてしまった。これに対し、実施例2では、表層21の外周面21Aに、シリカゾルを乾燥させて形成された中間層22を備えるため、ワックス模型40を基層スラリに浸漬した場合、基層スラリに含まれる水分は、中間層22にてゲル化されて保持されることにより、表層21に進入することが防止される。これにより、乾燥された表層21のスラリ膜の再軟化による破損を防止できる。このため、中間層22の外周面22Aに、基層スラリの塗布及びスタッコイングを所定回数(10回)繰り返し行うことができ、所望の厚みの基層23を有する精密鋳造用鋳型10を製造することができる。また、ジルコニアを用いた構成では、鋳込み後の降温時に結晶構造が変化して体積膨張し、崩壊しやすくなるため、鋳造品を鋳型から取り出すことが容易になる。
(実施例3)
実施例3は、表層21を形成する金属酸化物Oの種類が異なる。この実施例3では、金属酸化物Oとして超高純度アルミナ(純度99.99%;平均粒径5μm以上30μm以下)、分散剤としてポリカルボン酸(ポイズ532A)が用いられ、超高純度アルミナ紛体3000(g)とポリカルボン酸30(g)を水1500(g)に分散させることで表層スラリを作成した。また、所定形状(直径50mm、高さ50mmの円柱形状)のワックス模型40を、表層スラリに浸漬した後に引き上げ、余分な表層スラリを落下させた後、ワックス模型40に塗布された表層スラリの外周面にスタッコ材として超高純度アルミナ電融粉(平均粒径300μm)を振り掛けるスタッコイングを行った。また、中間層22及び単位基層23Aの構成及び製造方法は、上記した実施例1と同様であるため説明を省略する。
(比較例3)
表層21の構成、及び、製造手順は実施例3と同一である。しかし、実施例3と異なり、表層21の外周面21Aに上記中間層22を設けることなく、表層21が形成されたワックス模型40を基層スラリに浸漬し、ワックス模型40を引き上げた。
比較例3では、比較例1,2と同様に、表層スラリを乾燥させて表層21を形成した後に、ワックス模型40を基層スラリに浸漬した際に乾燥した表層21が軟化し、引き上げた際に表層21が破れてしまった。これに対し、実施例3では、表層21の外周面21Aに、シリカゾルを乾燥させて形成された中間層22を備えるため、ワックス模型40を基層スラリに浸漬した場合、基層スラリに含まれる水分は、中間層22にてゲル化されて保持されることにより、表層21に進入することが防止される。これにより、乾燥された表層21のスラリ膜の再軟化による破損を防止できる。このため、中間層22の外周面22Aに、基層スラリの塗布及びスタッコイングを所定回数(10回)繰り返し行うことができ、所望の厚みの基層23を有する精密鋳造用鋳型10を製造することができる。また、高純度アルミナを用いた構成では、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナの中で最も強度の高い鋳型を作製できる。
以上、説明したように、本実施形態の精密鋳造用鋳型10は、鋳造用のワックス模型40の表面に、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した表層スラリを塗布した後に該表層スラリを乾燥して形成された表層21と、表層21の外周面21Aに、無水珪酸の紛体を水中に分散させたシリカゾル45を噴霧した後に該シリカゾル45を乾燥させて形成された中間層22と、中間層22の外周面22Aに、アルミナ、ジルコン、または、シリカのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した基層スラリを塗布した後に該基層スラリを乾燥して形成された基層23と、を備え、ワックス模型40を除去した後に、表層21、中間層22及び基層23を一体に焼成して形成された。
この構成によれば、TiAl基合金の溶湯が貯留される内側空間11に面する表層21は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのいずれかで形成されるため、この表層21の内面をシリカのまったく存在しない層として形成できる。このため、精密鋳造用鋳型10の内側空間11にTiAl基合金の溶湯を貯留した際に、このTiAl基合金の溶湯が鋳型と反応し難くなり、該TiAl基合金の酸化を抑制できる。また、表層21と基層23との間にシリカゾル45を噴霧した後に該シリカゾル45を乾燥させて形成された中間層22を備えるため、中間層22の外側に基層スラリを塗布した際に、この基層スラリに含まれる水分は中間層22にてゲル化されて保持される。このため、基層スラリに含まれる水分が表層21に進入することが防止され、乾燥した表層21のスラリ膜の再軟化による破損を防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、本実施形態では、金属酸化物Oの一例として、イットリア(酸化イットリウム(Y))、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、もしくは高純度アルミナ(Al)を例示したが、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化エルビウム(Er)及び酸化セリウム(Ce)等の希土類元素酸化物を用いても同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、精密鋳造用鋳型10は、一例としてタービン翼を鋳造するものとして説明したが他の部品を鋳造するものであってもよい。
10 精密鋳造用鋳型
11 内側空間
12 隔壁
21 表層
21A 外周面
22 中間層
22A 外周面
23 基層
23A 単位基層
40 ワックス模型(ろう型)
41 表層膜
42 中間膜
44 エアスプレーガン
45 シリカゾル
46 乾燥成形体
C セラミックス
O 金属酸化物

Claims (12)

  1. チタンアルミニウム基合金の精密鋳造に用いられる精密鋳造用鋳型であって、
    鋳造用のろう型の表面に、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した表層スラリを塗布した後に該表層スラリを乾燥して形成された表層と、
    前記表層の外周面に、無水珪酸の紛体を水中に分散させたシリカゾルを噴霧した後に該シリカゾルを乾燥させて形成された中間層と、
    前記中間層の外周面に、アルミナ、ジルコン、または、シリカのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した基層スラリを塗布した後に該基層スラリを乾燥して形成された基層と、を備え、
    前記ろう型を除去した後に、前記表層、前記中間層及び前記基層を一体に焼成して形成されたことを特徴とする精密鋳造用鋳型。
  2. 前記中間層は、0.01mm以上1mm以下の厚みであることを特徴とする請求項1に記載の精密鋳造用鋳型。
  3. 前記表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、希土類元素酸化物で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の精密鋳造用鋳型。
  4. 前記表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、ジルコニアで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の精密鋳造用鋳型。
  5. 前記表層は、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、高純度アルミナで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の精密鋳造用鋳型。
  6. チタンアルミニウム基合金の精密鋳造に用いられる精密鋳造用鋳型の製造方法であって、
    鋳造用のろう型を、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した表層スラリに浸漬し、引き上げた後乾燥して前記ろう型の表面にスラリ膜からなる表層を形成する表層形成工程と、
    前記表層の外周面に、無水珪酸の紛体を水中に分散させたシリカゾルを噴霧すると共に、該シリカゾルを乾燥させて中間層を形成する中間層形成工程と、
    前記中間層が形成されたろう型を、アルミナ、ジルコン、または、シリカのうち、少なくとも1つの紛体と溶媒とを混合して生成した基層スラリに浸漬し、引き上げた後乾燥して基層を形成する基層形成工程と、
    前記表層、前記中間層及び前記基層を有する成形体から前記ろう型のワックスを融解・除去する脱ワックス工程と、
    脱ワックス後の成形体を焼成処理し、鋳型を得る鋳型焼成工程と、
    を備えることを特徴とする精密鋳造用鋳型の製造方法。
  7. 前記中間層は、前記シリカゾルを0.01mm以上1mm以下の厚みに吹き付けて形成されていることを特徴とする請求項6に記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  8. 前記表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、希土類元素酸化物で形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  9. 前記表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、ジルコニアで形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  10. 前記表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、高純度アルミナで形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  11. 前記表層スラリは、希土類元素酸化物、ジルコニア、高純度アルミナのうち、少なくとも1つの紛体を、溶媒としての水に分散させて形成されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  12. 前記表層スラリは、分散剤としてポリカルボン酸塩を用いて形成されていることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
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