JP2016140824A - アンモニア含有廃水の処理方法および処理装置 - Google Patents

アンモニア含有廃水の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アンモニア性窒素を含有する廃水を、常時安定して良好な処理水を得ることができるアンモニア含有廃水の処理方法および処理装置を提供する。【解決手段】アンモニア性窒素濃度が200mg/L以上1000mg/L以下の液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することにより、担体に硝化細菌を付着、増殖させ固定化担体を形成し、固定化担体を有する廃水処理槽において、硝化速度1.0kg−N/m3/day以上2.0kg−N/m3/day以下で廃水を処理するアンモニア含有廃水の処理方法である。【選択図】図3

Description

本発明は、アンモニア含有廃水の処理方法および処理装置に係り、特に、アンモニアを含有する廃水を高速に処理する処理方法および処理装置に関する。
食品工場や化学工場などでは、低濃度から高濃度のアンモニアが排出される。これらのアンモニア廃液は、水域の富栄養化や溶存酸素の低下などの原因となり、処理の必要が強く望まれている。
一般に、中高濃度アンモニア処理では生物処理が多く行われており、微生物を用いた硝化反応と脱窒反応で窒素ガスに変換している。アンモニアは、硝化細菌による硝化反応により、亜硝酸や硝酸に酸化され、亜硝酸と硝酸は脱窒菌により脱窒され除去される。これらの反応においては硝化反応が律速となるため、硝化反応の効率化が検討されている。処理槽内の硝化細菌を高濃度に維持することで硝化反応の効率化が図れ、高濃度に維持するために、担体投入法による硝化細菌の高濃度化、用いる担体の生物膜法や包括固定化法の検討などが行われている。
硝化反応における高速処理としては、例えば、下記の非特許文献1に硝化速度1.1kg−N/m/dayで処理できることが記載されている。また、非特許文献2には、1.2kg−N/(m・日)の亜硝酸化速度が得られることが記載されている。
三宅將貴ら、外3名、硝化脱窒グラニュールの形成による高速窒素処理、第47回日本水環境学会年会講演集、2013年、p.266 中村安宏、外9名、嫌気性アンモニア酸化を用いた汚泥脱水分離液からの窒素除去、第47回日本水環境学会年会講演集、2013年、p.156
近年、さらに早い速度で硝化処理を行うことが望まれている。しかしながら、担体の硝化細菌保持量には限界があり、アンモニアの高負荷運転では、処理水が極端に悪化し、良好な処理が全く進行しないのが現状である。非特許文献1、2に記載されている処理方法においても、充分な処理速度は得られていなかった。このため、下水処理の設計では、硝化速度0.2〜0.3kg−N/m/day程度(担体充填率10%相当、硝化速度417mg−N/h/L−担体)であった。
このように、従来の硝化処理では、硝化細菌の高濃度化に限界があり、アンモニアの高負荷運転においては、アンモニアが処理水に残存し、十分な処理性能が得られていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、硝化細菌を高濃度化することができ、常時安定した良好な処理水を得ることができるアンモニア含有廃水の処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、アンモニア性窒素濃度が200mg/L以上1000mg/L以下の液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することにより、担体に硝化細菌を付着、増殖させ固定化担体を形成し、固定化担体を有する廃水処理槽において、硝化速度1.0kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下で廃水を処理するアンモニア含有廃水の処理方法を提供する。
本発明によれば、アンモニア性窒素濃度を高濃度で含有する液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することで、担体に高活性な硝化細菌を高濃度に付着、増殖させることができ、硝化速度1.0〜2.0kg−N/m/dayの高い硝化速度で、アンモニア含有廃水の処理を行うことができる。
アンモニア性窒素濃度を高濃度で含有する液を用いて馴養を行うことにより、馴養に必要な栄養成分である基質成分の拡散律速が低下し、硝化細菌を高濃度化することができる。
本発明の別の態様においては、固定化担体に付着、増殖させた硝化細菌の菌体量が、リアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上であることが好ましい。
この態様によれば、固定化担体に付着する菌体量をリアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上としているので、高い硝化速度を得ることができる。
本発明の別の態様においては、担体がポリビニルアルコールおよびその誘導体であることが好ましい。
この態様によれば、担体にポリビニルアルコールおよびその誘導体を用いており、ポリビニルアルコールおよびその誘導体は、多孔性であり硝化細菌を多く付着させることができる。また、ポリビニルアルコールおよびその誘導体は、硝化細菌との親和性も良いので、硝化細菌を高濃度化することができ、硝化速度を向上させることができる。
本発明の別の態様においては、馴養前の担体が充填されている廃水処理槽に、馴養済みの固定化担体を、担体と固定化担体の総量に対して、5%以上30%以下の割合で混合し、廃水の処理の立ち上げを行うことが好ましい。
この態様によれば、廃水処理の立ち上げ時において、馴養済みの担体と馴養前の担体を混合して用いることで、立ち上げ時間を短縮することができる。
本発明は前記目的を達成するために、アンモニア性窒素濃度が200mg/L以上1000mg/L以下の液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することにより、担体に硝化細菌を付着、増殖させ固定化担体を形成する前処理槽と、前処理槽で形成した固定化担体を担体総量の5%以上30%以下で含み、他の担体が馴養前の無生物担体である担体を投入し、硝化速度1.0kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下で処理する廃水処理槽と、を備えるアンモニア含有廃水の処理装置を提供する。
本発明によれば、前処理槽において、アンモニア性窒素濃度が200mg/L以上1000mg/L以下の高濃度でアンモニア性窒素を含有する液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することで、硝化細菌を担体に高濃度で付着増殖させることができる。そして、この担体を担体総量の5%以上30%以下の量で含む担体を用いて、硝化処理を行うことにより、処理装置の立ち上げ時の時間を短縮することができ、1.0kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下の硝化速度でアンモニア含有廃水の処理を行うことができる。
本発明の別の態様においては、固定化担体に付着、増殖させた硝化細菌の担体の菌体量が、リアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上であることが好ましい。
この態様によれば、担体に付着する菌体量をリアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上としているので、高い硝化速度を得ることができる。
本発明の別の態様においては、担体がポリビニルアルコールおよびその誘導体であることが好ましい。
この態様によれば、担体にポリビニルアルコールおよびその誘導体を用いており、ポリビニルアルコールおよびその誘導体は、多孔性であり硝化細菌を多く付着させることができるので、硝化速度を向上させることができる。
本発明のアンモニア含有廃水の処理方法および処理装置によれば、アンモニアを高濃度に含有する廃水について、担体に硝化細菌を高濃度に付着増殖させることができ、常時安定した良好な処理水を得ることができる。
第1実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置を示す構成図である。 第2実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置を示す構成図である。 原水のアンモニア性窒素濃度と硝化速度の関係を示す図である。 菌体量(リアルタイムPCRコピー数)と硝化速度の関係を示す図である。 アンモニア含有廃水および処理水の経時変化を示す図である。 容積負荷と硝化速度の関係を示す図である。 実施例3の結果を示す図である。
以下、添付図面に従って、本発明に係るアンモニア含有廃水の処理方法および処理装置について説明する。なお、本明細書において、「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[固定化担体]
本実施形態において、固定化担体は生物膜法により製造することができる。本明細書において、担体に硝化細菌が付着した馴養済みの担体のことを「固定化担体」または「種担体」ともいい、馴養する前の担体のことを、単に「担体」または「新担体」ともいう。
生物膜法は、担体表面で増殖する微生物群を利用する処理法であり、水中に担体を浸漬し、適切な曝気撹拌状態を維持するため、散気管により空気を供給することで、担体と液体との界面、すなわち、担体の表面で増殖する微生物群と、これらの微生物が分泌した細胞外ポリマー状物質の集合体とを含むゲル状の膜を形成することができる。
生物膜法で用いられる担体としては、ポリビニルアルコール(PVA)およびその誘導体、アセタール化ポリビニルアルコール系ゲルを用いることができ、特に、ポリビニルアルコール(PVA)およびその誘導体を用いることが好ましい。
また、他の担体としては、ビニルアルコ−ル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、多糖類、ポリエ−テル、多孔質無機化合物などをあげることがでる。具体的にはPVA系、ポリエチレングリコ−ル系、ポリアクリルアミド系、アルギン酸カルシウム、カラギ−ナン、寒天、光硬化性樹脂などの高分子ゲル、活性炭、ポリウレタンスポンジ、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、セルロ−ス誘導体、ポリエステルなどを使用することができる。
担体に固定化される微生物(菌体)としては、硝化細菌を使用できる。硝化細菌は、純粋菌を固定化してもよいが、硝化細菌を含有する活性汚泥を固定化することもできる。
担体の形状は、特に限定されないが、四角状、球状、筒状、紐状、不織布状などの形状が好ましい。特に、担体表面の凹凸を多くすることで、廃水との接触効率がよくなり、反応速度が向上するため好ましい。
[廃水処理装置]
<第1実施形態>
第1実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置について説明する。図1は、本実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置10は、主として、担体12を充填した廃水処理槽14と、廃水処理槽14にアンモニア含有廃水(原水)を流入させる原水配管16と、廃水処理槽14で処理した処理水を排出する処理水配管18と、廃水処理槽14内にエアを曝気する曝気手段20と、廃水処理槽14内のpHを制御するpH調整手段22と、で構成される。また、廃水処理槽14には、硝化細菌の純粋菌または硝化細菌を含有する種汚泥が投入される。
曝気手段20は、廃水処理槽14の底部に接続されたエア配管20Aと、エア配管20Aを介してエアを供給するブロア20Bとで構成される。そして、廃水処理槽14内にエアを曝気することにより、廃水処理槽14内を好気性条件に形成するとともに、廃水処理槽14内の担体12を流動させる。担体12を好気性条件下で流動させることにより、担体表面に微生物を付着増殖させ固定化担体を形成する。また、廃水処理槽14内で固定化担体と廃水とを接触させることにより廃水中のアンモニアを生物学的に処理して、亜硝酸および硝酸にする。
廃水処理槽14に供試される原水は、アンモニアを200mg/L以上1000mg/L以下の高濃度で含有する廃液である。アンモニアを高濃度で含有する廃液を用いて馴養することで、担体に高活性化した硝化細菌を高濃度で付着させることができる。担体への硝化細菌の付着量としては、リアルタイムPCRコピー法で測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上であることが好ましく、より好ましくは1×1011コピー/g−担体以上である。担体への硝化細菌の付着量を上記の数値以上とすることで、廃水処理槽14において、アンモニア含有廃水の処理を常時安定して行うことができる。また、低温においても、硝化処理を行うことができる。
[リアルタイムPCR法]
リアルタイムPCR法は、遺伝子解析により菌体濃度を測定する方法であり、遺伝子解析においては硝化細菌に特有の遺伝子を対象として解析を行って遺伝子数を測定し、さらにその遺伝子数から硝化細菌の菌濃度、菌数を測定する。
amoAプライマーコピー数の測定には、下記のプライマーを使用した。
プライマー名および配列5’→3’
amoA1f(GGG GTT TCT ACT GGT GGT)
amoA2r(CC CTC KGS AAA GCC TTC TTC)
また、担体質量当たりのコピー数は次式(1)によって算出した。
X=X(V+V)/V……(1)
ここで、X:担体内部の生菌数(コピー/g−担体)
:前処理後の原液の生菌数(コピー/mL)
:前処理した担体量(g)
:前処理に用いた液量(mL)
遺伝子解析の方法としては、プライマーペアにより遺伝子を増幅するPCRが好ましく、特に遺伝子を増幅する際、ハイブリダイゼイションプローブを用いて定量するリアルタイムPCR、および最確数法と組み合わせたMPN−PCRが好ましいが、他の解析方法でもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置について説明する。図2は第2実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置を示す構成図である。第2実施形態のアンモニア含有廃水の処理装置110は、担体12の前処理を行う前処理槽124を備える点が第1実施形態の処理装置と主に異なっている。そして、前処理槽124に硝化細菌の純粋菌または硝化細菌を含有する種汚泥が投入される。
廃水処理槽14にアンモニア性廃水を流入させる原水配管16には、アンモニア性廃水を前処理槽124に流入させるための原水分配管126が原水配管16から分岐して設けられている。原水分配管126には、開閉バルブ128が設けられており、開閉バルブ128により、前処理槽124へのアンモニア性廃水の供給を制御する。前処理槽124には、担体を投入するための担体投入管130を備える。担体投入管130から投入された担体は、前処理槽124内において、アンモニア性廃水中で馴養される。前処理槽124は、曝気手段138を有し、曝気手段138からエアを曝気することにより担体を流動させ、担体表面に微生物を付着増殖させることで、種担体(固定化担体)136を形成する。アンモニア性廃水のアンモニア性窒素濃度は200mg/L以上1000mg/L以下である廃水を用いる。
前処理槽124で硝化細菌を担体の存在下で馴養することで、担体に硝化細菌を付着増殖させる。担体に付着、増殖させた硝化細菌の菌体量としては、リアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上であることが好ましく、より好ましくは1×1011コピー/g−担体以上である。また、前処理槽124での馴養期間は、2週間以上16週間以下とすることが好ましく、より好ましくは4週間以上12週間以下である。馴養期間を上記範囲とすることにより、所望の菌体量を担体に保持させることができる。
前処理槽124で馴養された種担体136は、馴養済み担体投入管132から廃水処理槽14に投入される。処理装置110の廃水処理槽14の立ち上げ時には、廃水処理槽14内は、種担体と新担体の総量に対して5%以上30%以下が、前処理槽124で馴養された種担体を用いる。好ましくは、種担体の割合が総量の10%以上20%以下である。処理装置110の立ち上げ時に、廃水処理槽14内で新担体のみを用いて、廃水処理を行うと、十分な処理性能を得るまでに、時間がかかってしまう。立ち上げ時に汚泥種として、種担体を用い、新担体と混合して用いることで、立ち上げ時間を短くすることができる。
種担体の割合を多くすることで、立ち上げ時間を短くすることができるが、種担体の製造コストがあがるため、前処理槽124で馴養した種担体の量は上記範囲とすることが好ましい。また、馴養した担体の量が多くなりすぎても立ち上げ時間の短縮の効果は得られない。
また、担体を前処理槽124において、一週間程度、空曝気することが好ましい。空曝気することで、担体に硝化細菌を付着増殖させ易くすることができる。
なお、種担体は、図2に示すように、前処理槽124で馴養し、廃水処理槽14に投入することもできるが、図1に示すような処理装置においても、他の処理装置で馴養、廃水処理した担体を、立ち上げ時の廃水処理槽に混合することで、馴養済みの種担体と馴養前の新担体とを混合して用いることで、同様の効果を得ることができる。
[廃水処理方法]
本実施形態のアンモニア含有廃水の処理方法について説明する。本実施形態のアンモニア含有廃水は、アンモニア性窒素濃度が200〜1000mg/Lの廃水に用いられる。図3は、原水(処理廃水)のアンモニア性窒素濃度(mg/L)に対する硝化速度(kg−N/m/day)の関係を示す図である。なお、担体はPVA担体を用い、アンモニア酸化細菌amoAコピー数は、1.04×1011コピー/g−担体のデータである。図3に示すように、アンモニア性窒素濃度が200〜1000mg/Lの原水で処理を行うことで、硝化速度が1.8kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下の高い硝化速度を得ることができる。
本発明においては、このように、高い硝化速度を得ることができる固定化担体を用いることで、1.0kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下の高い硝化速度で廃水の処理を行うことができる。
また、図4は、菌体量(リアルタイムPCRコピー数)と硝化速度の関係を示す図である。なお、担体はPVA担体を用い、原水のアンモニア性窒素濃度は700mg/Lのデータである。図4に示すように、アンモニア酸化細菌amoAコピー数を2×1010コピー/g−担体以上とすることで、0.8kg−N/m/dayの高い硝化速度を得ることができる。また、1×1011コピー/g−担体以上とすることで、1.5kg−N/m/dayの硝化速度を得ることができるので好ましい。
図5は、アンモニア性廃水の原水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)、処理水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)、処理水の硝酸性窒素濃度(NO−N)、および、処理水の亜硝酸性窒素濃度(NO−N)を測定し、運転の経過日数(日)との関係でプロットしたものである。測定は、菌体量がアンモニア酸化細菌amoAコピー数2.08×1011コピー/g−担体であり、担体にPVA担体を用いた固定化担体を用いて行った。図5で示すように、経過日数20日以降については、処理水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)が低い数値を維持し、安定し良好な処理水が得られていることが確認できる。
また、図6は、容積負荷と硝化速度との関係を示す図である。また、アンモニア除去率が50%、80%、100%である理論値を直線で示す。測定は、菌体量がアンモニア酸化細菌amoAコピー数2.08×1011コピー/g−担体であり、担体にPVA担体を用いた固定化担体を用いて行った。図6に示すように、容積負荷が大きくなると、硝化速度が向上していることがわかる。また、容積負荷が大きくなることで、アンモニアを80%以上除去できることが確認できる。
また、本実施形態のように、高濃度のアンモニア性窒素を含有する原水で馴養した担体は、10℃以下の温度においても、硝化活性を示す。例えば、原水の温度が10℃以下の条件においても、0.1〜0.5kg−N/m/dayの硝化速度を有する。したがって、本実施形態の担体を用いて処理を行うことで、低温においても硝化反応、脱窒反応を行うことができ、原水の温度制御を行うことなく、廃水処理を行うことができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
(実施例1)[NH−N400mg/L合成廃水の処理]
図1に示す装置を用いて処理を行った。充填率13.5%でPVA担体(5mmφ球形)を1.15Lリアクターに充填した。この1.15Lリアクターに2度に分けて活性汚泥200mL(種汚泥)を投入した。中濃度NH−N含有廃水を想定した無機合成廃水(NH−N400mg/L)を原水として、連続処理を行った。使用した無機合成廃水の組成を下記表1に示す。また、pHの低下による硝化細菌の失活および死滅を防ぐため、NaHCOを用いてpHを常時7.5に調節した。水温は25℃、原水は滞留時間を5〜24hに調節して流入し、負荷を調節した。
連続運転30〜80日、負荷0.56〜1.20kg−N/m/dで亜硝酸型の硝化反応を示し、処理水水質NH−N1mg/L以下を得た。その後も負荷をかけた結果、最大硝化速度1.95kg−N/m/dを得、高速処理運転を達成した。これは、PVA担体は多孔質で硝化細菌がゲル内部に入り込んだことで、包括固定化担体としての機能も出たため、高速処理運転が可能になったと考えられる。
Figure 2016140824
(実施例2)[低温試験]
実施例1で使用した担体を用いて、5℃での長期処理運転を行った。下水処理での硝化を想定し表1の合成廃水を希釈し、NH-N40mg/Lの廃水を供試した。滞留時間6時間で処理した結果、硝化速度0.16kg−N/m/dayを得た。5℃の低温雰囲気下でも、硝化性能を有し、処理性能が優れていることが確認できた。
(実施例3)[新担体と馴養担体の混合立ち上げ試験]
次に、装置の立ち上げ時の担体において、馴養済みの担体(種担体)と無生物担体である馴養前の担体(新担体)との混合比について検討を行った。馴養済みの担体としては、実施例1で使用した担体を用いた。馴養済みの担体の量が少ない方がより安価に立ち上げることができる。
無生物担体である馴養前の担体と馴養済みの担体を混在させ、立ち上がりの検討を行った。担体総量中の馴養済み担体の割合に対する硝化活性の立ち上がりの結果を図7に示す。試験方法は、実施例1と同様の方法により行い、馴養済みの担体の割合に対する硝化速度比をプロットした。硝化速度比は、(硝化速度比=[立ち上げ中の硝化速度]/[馴養済みの担体100%の硝化速度])により求め、1、2、3、4週間後の硝化速度を測定した。
図7に示すように、馴養済みの担体の量が18%以上の場合は、それぞれの時間経過後における硝化速度比に差は見られなかった。馴養済みの担体の量が多くなると立ち上げ時間は早くなるが、担体のコストが高くなるため、馴養済みの担体の量としては、担体総量の5〜30%とすることが好ましく、より好ましくは10〜20%である。
10、110…処理装置、12…担体、14…廃水処理槽、16…原水配管、18…処理水配管、20、138…曝気手段、22…pH調整手段、124…前処理槽、126…原水分配管、128…開閉バルブ、130…担体投入管、132…馴養済み担体投入管、136…種担体

Claims (7)

  1. アンモニア性窒素濃度が200mg/L以上1000mg/L以下の液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することにより、前記担体に硝化細菌を付着、増殖させ固定化担体を形成し、
    前記固定化担体を有する廃水処理槽において、硝化速度1.0kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下で廃水を処理するアンモニア含有廃水の処理方法。
  2. 前記固定化担体に付着、増殖させた硝化細菌の菌体量が、リアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上である請求項1に記載のアンモニア含有廃水の処理方法。
  3. 前記担体がポリビニルアルコールおよびその誘導体である請求項1または2に記載のアンモニア含有廃水の処理方法。
  4. 馴養前の担体が充填されている前記廃水処理槽に、馴養済みの前記固定化担体を、前記担体と前記固定化担体の総量に対して、5%以上30%以下の割合で混合し、前記廃水の処理の立ち上げを行う請求項1から3のいずれか1項に記載のアンモニア含有廃水の処理方法。
  5. アンモニア性窒素濃度が200mg/L以上1000mg/L以下の液を用いて、硝化細菌を担体の存在下で馴養することにより、前記担体に硝化細菌を付着、増殖させ固定化担体を形成する前処理槽と、
    前記前処理槽で形成した前記固定化担体を担体総量の5%以上30%以下で含み、他の担体が馴養前の無生物担体である担体を投入し、硝化速度1.0kg−N/m/day以上2.0kg−N/m/day以下で処理する廃水処理槽と、を備えるアンモニア含有廃水の処理装置。
  6. 前記固定化担体に付着、増殖させた硝化細菌の菌体量が、リアルタイムPCR法により測定した値で、2×1010コピー/g−担体以上である請求項5に記載のアンモニア含有廃水の処理装置。
  7. 前記担体がポリビニルアルコールおよびその誘導体である請求項5または6に記載のアンモニア含有廃水の処理装置。
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