JP2016140061A - ボイスコイル、磁気回路、及びアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】薄厚化・小型化された、湾曲した曲面部を形成する平板状振動板に適した駆動形態を有するボイスコイル、磁気回路及びアクチュエータを提供する。【解決手段】ボイスコイル3は、平板状をした振動伝達板と、前記振動伝達板の表面にコイル線材が巻回されて、扁平長円筒状に形成されたコイルとを備え、前記コイルの長手方向は前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配される。反発型磁気回路4は、ボイスコイル3を配する空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して反発磁界を形成するように一対のマグネットが配される。アクチュエータ2は、ボイスコイル3が反発型磁気回路4における一対のマグネットとクリアランスをもって空間内に配されると共に、ボイスコイル3が振動板の面方向と同じ方向に駆動するように配される。【選択図】図1
Description
本願発明は、音響機器用のボイスコイル、磁気回路、及びアクチュエータに係り、詳しくは、湾曲させた平板状の振動板を駆動するアクチュエータ用のボイスコイルと磁気回路、及びこれらボイスコイルと磁気回路を用いたアクチュエータに関する。
音響機器用の駆動装置の一つとしてムービングコイル型のアクチュエータが知られている。その主流は、円錐状をした振動板(以下、「コーン状振動板」と記す。)を駆動する構造が一般的である。このようなムービングコイル型アクチュエータは、磁気回路が構成する磁気ギャップ中にボイスコイルを挿入配置し、このボイスコイルに音声信号等を引加することで引加信号に伴った振動を起し、ボイスコイルと接続されたコーン状振動板に振動を伝達して駆動するものとなっている。すなわち、ボイスコイルの一端は磁気回路(磁界)の中に収まっており、他端は振動板に直結されていることから、入力された電気信号がボイスコイルを動かし、その動きが振動板に伝わって音響エネルギー(音)に変換されるものとなる。
具体的には、たとえば、図15に示すように、ボイスコイル503は、円筒状をしたコイルボビン531の外周端部に、所望径のコイル線材532を所望のターン数にて巻き付けることにより構成される。
一方、図16に示すように、磁気回路504は、ボイスコイル503を駆動するのに対応した形状になっており、最も多用されている一般的な構造は、リング形状のフェライトマグネット541と、良好な磁性材たる鉄材からなる円板の中央部に所定寸法直径の穴544aを設けた状プレート544と、同じく鉄材からなる円板の中央部に円柱状の凸部(以下、「ポール」と記す)543を設けたヨーク542等の磁気回路部品で構成されている。
一方、図16に示すように、磁気回路504は、ボイスコイル503を駆動するのに対応した形状になっており、最も多用されている一般的な構造は、リング形状のフェライトマグネット541と、良好な磁性材たる鉄材からなる円板の中央部に所定寸法直径の穴544aを設けた状プレート544と、同じく鉄材からなる円板の中央部に円柱状の凸部(以下、「ポール」と記す)543を設けたヨーク542等の磁気回路部品で構成されている。
磁気ギャップは、円筒状をしたフェライトマグネット541の上面にプレート544が配置装着されると共に、フェライトマグネット544の下面に、円柱状をしたポール543を備えるヨーク542の円板部が配置装着されることで形成される。すなわち、ポール543とプレート544は、ポール543の外径及びプレート穴544aの内径が芯合わせして装着されるため、ポール543の外面とプレート544の中央部の穴544a内面との間に、所定幅寸法を有したリング状の隙間、即ちギャップ505が構成される。また、ギャップ505の奥行き方向の寸法は、プレート544の厚さ寸法にて決定される。ゆえに、フェライトマグネット541が有する磁気が、ヨーク542及びプレート544によってギャップ505に導かれ、収束されるため、該ギャップ505に磁束が発生し、磁気ギャップが構成されることとなる。
このボイスコイル503は、図17に示すように、コーン状振動板501の中心部に設けられた所定寸法の穴(以下、「ネック部」と記す。)501a内に挿入され、コイルボビン131外周部とネック部501aの接触部分に接着剤を塗布して接続固定される。
したがって、リング状磁気ギャップ505の中心にボイスコイル503が配置されるため、必然的にボイスコイル503はリング形状となり、該ボイスコイル503の動きをコーン状振動板501に伝達せしめるコイルボビン531も必然的に薄い円筒状になる。このように構成されたスピーカ500は、ボイスコイル503と磁気回路504とから構成されたクチュエータ502によってコーン状振動板501を駆動して振動を伝達し放音する。
このようなムービングコイル型のアクチュエータを用いたスピーカシステムにおいては、FRPシートや金属シート等を短冊状に形成し、尚且つ、この短冊状シートを湾曲させた平板状の振動板(以下、「湾曲振動板」という。)を駆動して振動を起し、放音するようにしたものもある。このような湾曲振動板を用いたスピーカは、健聴者は勿論のこと、難聴者も聴くことのできる放音を成し得るものとして知られている。
そして、湾曲振動板を湾曲方向に沿って振動させる場合、従来型のボイスコイル及び磁気回路を備えるムービングコイル型アクチュエータでは、基本的に図18に示すように、湾曲振動板1の一端1aに、ボイスコイルにおけるコイルボビンの頂端部503aを接触せしめ固定結合し、ボイスコイルに音声信号等を引加して引加信号に伴った振動を起す。そうすると、コイルボビンの頂端部503aから接合点510を介して湾曲振動板1の湾曲方向に引加信号の振動を伝達することとなる。尚、図においては省いて記載しているが、ボイスコイルは、ダンパと称されるサスペンジョン部材によって磁気回路側に支えられており、磁気回路はフレーム等に付随しているのが一般的である。
ところが、従来のムービングコイル型アクチュエータは、ボイスコイル及び磁気回路が構造上大きく、スペースファクターが悪いものとなるため湾曲振動板を駆動するに適した形状であるとは言い難い。また、コイルボビンの頂端部と湾曲振動板との接合点が2ヶ所しかなく、接合面積が極端に小さいものとなってしまい、接合強度が不足すると共に、振動伝搬効率が大いに劣るものとなってしまう。
また、湾曲振動板を駆動することで放音するようにしたスピーカとして、軟鉄材より成るセンターヨーク(プレート)の後半部を介して2個のマグネットを同極で対向設置し、この両マグネットの他極側に軟鉄材より成る2枚の外側ヨークを、センターヨークを挟み込むように配設してセンターヨークと外側ヨークとの間に磁気ギャップを形成するようにした磁気回路を構成し、この磁気ギャップ中にボイスコイルを挿入配置し、このボイスコイルと連結された振動板を振動させるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1、2を参照)。
上記特許文献1に記載されたスピーカでは、ボビンがセンターヨークの前半部分に嵌挿されるように角形扁平状に形成されたものである。そのため、ボイスコイルが挿入配置される磁気ギャップを形成する磁気回路は平面的な構造となり、コーン状振動板を駆動する構造のスピーカにおいて用いられる一般的なボイスコイル及び磁気回路に比して、構造上薄厚化されたアクチュエータとすることができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたスピーカにおいても、磁気ギャップ内でボイスコイルを駆動する構成を用いるものであるため、磁気ギャップを形成する必要上、マグネットの幅に比してヨークを大きくする必要がある。ゆえに、構造上十分に小型化・軽量化されたものとは未だいえない。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、湾曲した曲面部を形成する平板状振動板に適した駆動形態を有するボイスコイル、磁気回路、及びアクチュエータであって、薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターが改善され、かつ、軽量化することを可能とした技術を提供することを目的とする。
本発明に係る第一のボイスコイルは、平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用のボイスコイルであって、平板状をした振動伝達板と、前記振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回され、扁平長円筒状に形成されたコイルとを備え、前記コイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されていることを特徴とする。
本発明に係る第二のボイスコイルは、上記第一のボイスコイルにおいて、前記コイルは、長手方向両端部が充填材を介して前記振動伝達板の端縁部に固定されていることを特徴とする。
本発明に係る第三のボイスコイルは、上記第一又は第二のボイスコイルにおいて、前記コイルは、長手方向の一部が充填材を介して前記振動伝達板の表面に固定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第一の反発型磁気回路は、平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用の磁気回路であって、上記第一から第三までの何れかのボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して前記空間内に反発磁界を形成するように配された一対の硬磁性部材と、前記一対の硬磁性部材を挟持するように他極面側にそれぞれ配され、互いに接合されて前記一対の硬磁性部材を支持する一対の軟磁性部材とを備え、前記一対の軟磁性部材は、前記一対の硬磁性部材によって形成された前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように配されていることを特徴とする。
本発明に係る第二の反発型磁気回路は、上記第一の反発型磁気回路において、前記一対の軟磁性部材は、二分割可能な構造を有していることを特徴とする。
さらに、本発明に係る第一のアクチュエータは、平板状をした振動板を駆動する音響機器用のアクチュエータであって、平板状をした振動伝達板、及び該振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回され、扁平長円筒状に形成されたコイルを備え、該コイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されているボイスコイルと、前記ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して前記空間内に反発磁界を形成するように配された一対の硬磁性部材、及び該一対の硬磁性部材を挟持するように他極側にそれぞれ配され、互いに接合されて前記一対の硬磁性部材を支持する一対の軟磁性部材を備え、前記一対の軟磁性部材は、前記一対の硬磁性部材によって形成された前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように配されている反発型磁気回路とから構成され、前記ボイスコイルは、コイルが前記反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって前記硬磁性部材が形成する空間内に配されていることを特徴とする。
本発明に係る第二のアクチュエータは、上記第一のアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルにおけるコイルと振動伝達板の表面とのクリアランスは、前記ボイスコイルにおけるコイルと前記反発型磁気回路における硬磁性部材とのクリアランスより大であることを特徴とする。
本発明に係る第三のアクチュエータは、上記第一又は第二のアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルにおけるコイルの巻き幅は、前記反発型磁気回路における硬磁性部材の幅より小であることを特徴とする。
本発明に係る第四のアクチュエータは、上記第一から第三までの何れかのアクチュエータにおいて、前記軟磁性部材の外側に放熱板が配されていることを特徴とする。
本発明に係る第五のアクチュエータは、上記第一から第四までの何れかのアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルは、振動伝達板が、前記反発型磁気回路における前記空間より一軸方向にはみ出る大きさを有し、前記振動伝達板のはみ出た領域の一部を対向する二方向より弾性的に挟持する支持部材をさらに備えることを特徴とする。
本発明に係る第六のアクチュエータは、上記第五のアクチュエータにおいて、前記支持部材は、前記反発型磁気回路を挟んで一軸方向にはみ出た前記振動伝達板の両側にそれぞれ備えることを特徴とする。
本発明に係る第七のアクチュエータは、上記第一から第六までの何れかのアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルは、コイル線材の巻き始め端部と巻き終わり端部が、振動板との接続部端辺と反対側を向いて位置するように前記振動伝達板の表面上に配されていることを特徴とする。
本発明に係る第八のアクチュエータは、上記第一から第七のアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルにおける振動伝達板は、前記反発型磁気回路における空間内に配されることとなる側の幅が、前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅より小さいことを特徴とする。
本発明に係る第九のアクチュエータは、上記第八のアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルにおけるコイルの巻き幅は、前記振動伝達板において前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅と等しいかもしくは小さいことを特徴とする。
本発明に係る第十のアクチュエータは、上記第一から第七のアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルにおける振動伝達板は、コイル巻回相当部分の幅が、前記反発型磁気回路における空間内に配されることとなる側の幅、及び前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅より小さいことを特徴とする。
本発明に係る第十一のアクチュエータは、上記第十のアクチュエータにおいて、前記ボイスコイルにおけるコイルの巻き幅は、前記振動伝達板において前記反発型磁気回路における空間内に配されることとなる側の幅、及び前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅と等しいかもしくは小さいことを特徴とする。
本発明に係るボイスコイルは、平板状をした振動伝達板と、コイル線材が振動伝達板の一面側と他面側とに交互に巻回され扁平長円筒状に形成されたコイルとを備えたものとなっている。ゆえに、構造上薄厚化されたものとなる。
また、振動伝達板に巻回されたコイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されたものとなっている。ゆえに、磁気回路の磁界中にボイスコイルを配した際に、一対の硬磁性部材が互いに近づき過ぎてしまうことを制御し、磁気の流れが傾いてしまうことを防いで磁気を効果的に用い、ボイスコイルの駆動効率を向上させることができる。
また、本発明に係る反発型磁気回路は、一対の硬磁性部材が、ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、この空間内に反発磁界を形成するように同一極性面が対向(反発)するように配されている。また、一対の軟磁性部材が、磁気ギャップを構成せずに、一対の硬磁性部材を挟持するように他極面側にそれぞれ配され、かつ、前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように、一軸方向と直行する方向の少なくとも一方において互いに接合されたものとなっている。ゆえに、硬磁性部材と軟磁性部材の幅を同じ寸法とすることができ、極めて容易に構造上薄厚化・小型化、かつ、軽量化されたものとすることができる。
また、本発明に係るアクチュエータは、本発明に係るボイスコイルと本発明に係る反発型磁気回路とから構成され、ボイスコイルのコイルが、反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって空間内に配されたものとなっている。ゆえに、硬磁性部材の表面より放出している磁気をコイルに有効に及ぼすことができると共に、薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターを改善し、かつ、軽量化することが可能なものとすることができる。
また、振動伝達板に巻回されたコイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されたものとなっている。ゆえに、磁気回路の磁界中にボイスコイルを配した際に、一対の硬磁性部材が互いに近づき過ぎてしまうことを制御し、磁気の流れが傾いてしまうことを防いで磁気を効果的に用い、ボイスコイルの駆動効率を向上させることができる。
また、本発明に係る反発型磁気回路は、一対の硬磁性部材が、ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、この空間内に反発磁界を形成するように同一極性面が対向(反発)するように配されている。また、一対の軟磁性部材が、磁気ギャップを構成せずに、一対の硬磁性部材を挟持するように他極面側にそれぞれ配され、かつ、前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように、一軸方向と直行する方向の少なくとも一方において互いに接合されたものとなっている。ゆえに、硬磁性部材と軟磁性部材の幅を同じ寸法とすることができ、極めて容易に構造上薄厚化・小型化、かつ、軽量化されたものとすることができる。
また、本発明に係るアクチュエータは、本発明に係るボイスコイルと本発明に係る反発型磁気回路とから構成され、ボイスコイルのコイルが、反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって空間内に配されたものとなっている。ゆえに、硬磁性部材の表面より放出している磁気をコイルに有効に及ぼすことができると共に、薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターを改善し、かつ、軽量化することが可能なものとすることができる。
次に、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
本発明の最も大きな特徴は、図1から図7までに示すように、湾曲振動板に効率良く振動伝達を果たすべく対応したボイスコイル3の構造と、このボイスコイル3を駆動するための磁気回路4の構造、及びこのボイスコイル3と磁気回路4とから構成されるアクチュエータ2にある。
本発明に係るボイスコイル3は、平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用のボイスコイルであって、図2及び図3に示すように、振動伝達板31と、 この振動伝達板31の周囲に巻回されたコイル32とを備える。
振動伝達板31は、コイル線材が巻回される平板状をした捲芯部材である。すなわち、ボイスコイル3は、湾曲振動板へ効率良く振動を伝達せんがため、従来のスピーカに用いられている円筒状のボビン形態を用いず、平板状の捲芯部材からなるボビン形態を用いる。ゆえに、ボビン相当部材は、円筒形状に比して構造上小さく薄厚化された平面的なものとなっている。
振動伝達板31の材質は特に限定されるものではなく、世間一般に多用されているボイスコイルボビン材で良い。本実施の形態では、たとえば、ガラス繊維を平織りした布に、ポリイミド樹脂をコートし含浸させ、熱硬化せしめてシート状にしたものを用いることができる。また、振動伝達板31の大きさも特に限定されるものではなく、たとえば、厚さ寸法0.2mmのシートを、40mm角に切断して振動伝達板31として用いることができる。なお、本実施の形態では、湾曲振動板と接続される端辺を振動板接続部31aとし、その逆側の端辺をコイルリード線端末部31bとする。
コイル32は、コイル線材が振動伝達板31の一面側と他面側とに交互に巻回される、扁平長円筒状に形成されものとなっている。すなわち、コイル32の外形は、世間一般に呼ばれているところの小判型(長円型)空芯タイプとすることができる。
このコイル32としては、たとえば、直径が0.2mmのコイル用線材を用い、ターン数は1層30ターンで2層仕様とし、寸法は、40mm角の振動伝達板31に装着する場合、コイル内側寸法であるが、長手方向長さ40mm×短手(厚み)方向長さ3mm×巻き幅6mm、直流抵抗が約3.4Ω〜3.5Ωとすることができる。
コイル32の形成後、その内側(空芯部)には、振動伝達板31が挿入される。
このように、コイル32の形状が、コイル線材の巻き方向に対して直交する方向から見て小判(長穴)形状、若しくは長円形状であり、コイル32の中心空間内に振動伝達板31を配置したボイスコイル構造とすることにより、磁気の流れをより効果的に用いることが可能となる利点を有する。また、振動伝達板31は、コイル32の巻き幅方向の双方において延出露呈した状態に配され、延出した側の一辺(前端部)が、振動板接続部31aとなる。
このように、コイル32の形状が、コイル線材の巻き方向に対して直交する方向から見て小判(長穴)形状、若しくは長円形状であり、コイル32の中心空間内に振動伝達板31を配置したボイスコイル構造とすることにより、磁気の流れをより効果的に用いることが可能となる利点を有する。また、振動伝達板31は、コイル32の巻き幅方向の双方において延出露呈した状態に配され、延出した側の一辺(前端部)が、振動板接続部31aとなる。
振動伝達板31の寸法とコイル32の内側寸法とを同じにした場合、振動伝達板31はコイル32の短手側内面、つまりコイル32の長手方向両端部内面に振動伝達板31の二辺(両側端部)を接触させつつ挿入されたものとなる。すなわち、振動伝達板31の対向する一対の側辺がコイル32の長手方向両端部の頂点近傍にそれぞれ密着した状態で配置され、コイル32が振動板伝達板31からむやみに脱落しないものとなっている。ゆえに、コイル32の長手方向内側寸法は、振動板伝達板31の対向する一対の側辺間の長さと略等しくなるように設計することが望ましい。
また、コイル32の短手領域側において適切な寸法を得ることにより、コイル線材の巻き工程に用いる巻き線冶具が、必要強度を得るに充分な板厚寸法を確保することができ、その結果、量産を前提としたコイルの作製が、極めて容易なものとなる利点を有する。
そして、図2(B)に示すように、コイル32の内側に振動伝達板31を挿入装着した後、振動伝達板31とコイル32とを接合し、振動板駆動用のボイスコイル3を完成させる。この際、図3に示すように、コイル32は、長手方向が振動伝達板31の表面とクリアランス(隙間)33,33をもって配されたものとなっていることが望ましい。すなわち、振動伝達板31は、小判型(長円型)空芯タイプのコイル32において長手方向両端部となる二ヶ所のR状端部の中心を通過する線上に設置されることで、コイル32の長手方向領域は、振動伝達板31の一面側及び他面側の表面と直に接しておらず、離間して巻回されたものとなる。
具体的には、長手方向内側長さ40mm×短手方向内側長さ3mm×巻き幅6mmのコイル32の内側に、40mm角で厚さ0.2mmの振動伝達板31を挿入装着した場合、コイル32の長手方向が、約1.4mmの距離寸法のコイル内側クリアランス(隙間)33を有して配置されたものとなる。
このように、振動伝達板31の表面とコイル32の長手方向領域内側との間に適切な寸法幅のクリアランス(空間)33を設けることで、磁気の流れをより一層効果的に用いることが可能となる利点を有する。
また、振動伝達板31とコイル32との接合方法は特に限定されるものではなく、たとえば、図3に示すように、振動伝達板31の端縁部とコイル32のR状端部(すなわち、長手方向両端部)内側との接触(密着)部に充填材34としての耐熱接着剤を塗布する。次いで、塗布した耐熱接着剤を熱硬化せしめることで、振動伝達板31とコイル32の接着による装着を完了することができる。
具体的は、振動伝達板31とコイル32の長手方向両端部内側との接触部に、耐熱接着剤34としてエポキシ系の接着剤を塗布し、熱硬化せしめる。接着剤の塗布量は、たとえば、1ヶ所につき約0.02g〜0.04gとすることができる。なお、接着剤はエポキシ系に限らず、目的を適える接着剤で有れば、アクリル系等の接着剤等どの様な種類の接着剤を用いても一向に構わない。
このように、コイル32のR状端部の内側に振動伝達板31を接触せしめ、振動伝達板31とコイル32との接触部分を接着等の手法で接続固定し、振動伝達板31にコイル32を装着することで、完成したボイスコイル3自体の強度を増し、尚且つコイル32の変形防止に有効な利点を有する。
また、小判型(長円型)コイル32を作製するにおいて、巻き付けるコイル線材の張力(テンション)がコイル32の短手領域に集中し、通常一般の円(丸)型コイルを作製するが如く一定にはならない。そのため、コイル32の長手方向領域に均等な張力が及ばず、長手方向中央部に向かうに従い張力は弱いものとなり、当然のことながらコイル32の長手方向の線材の張りは緩くなって、コイル32の形態の維持能力が一般的な円(丸)型コイルよりも不安定なものになり易い。
つまり、小判型(長円型)コイル32における長手方向中央部は、円(丸)型コイルよりも変形し易い、或いはバラケやすい等の構造的性格を有する。ゆえに、この性格を未然に防ぐ目的で、たとえば、図3に示すように、コイル32の長手方向の一部が充填材34としての耐熱接着剤を介して振動伝達板31の表面に固定されたものとすると望ましい。
このようにコイル32の長手領域における振動伝達板31の表面との隙間33の適宜箇所に耐熱接着剤34を充填塗布することにより、コイル32の長手方向の品質を安定化することが可能となる。また、ボイスコイル3としての振動伝搬効率も向上し、音質調整が容易に行える利点を有しているので、充填材34の塗布重量を鑑みつつ、振動伝達板31の表面とコイル32の長手方向との隙間に所望量の耐熱接着剤34を充填塗布することができる。
図3において、振動伝達板31の一面側中央部とコイル32の長手方向中央部の隙間33、及び振動伝達板31の他面側中央部とコイル32の長手方向中央部の隙間33に接着剤34がそれぞれ充填塗布され、振動伝達板31の一面側及び他面側においてコイル32の長手方向の一箇所がそれぞれ固定されたものとして示されている。
なお、コイル32の長手領域における振動伝達板31表面への固定は、長手方向中央部の一箇所に限定されない。ゆえに、コイル32の長手領域に均等な張力が得られるのであれば、長手方向において複数個所において充填材34により固定されたものとしても良い。
なお、コイル32の長手領域における振動伝達板31表面への固定は、長手方向中央部の一箇所に限定されない。ゆえに、コイル32の長手領域に均等な張力が得られるのであれば、長手方向において複数個所において充填材34により固定されたものとしても良い。
また、ボイスコイル32の配線においては、図2(A)に示すように、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bから引き出された線(以下、「コイルリード線」という。)の位置が、コイル32の長手領域に配されるように設定する。さらに、図2(B)に示すように、振動伝達板31にコイル32を装着する際、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bが、振動板接続部31aを構成する端辺とは反対側の端辺、すなわち、コイルリード線端末部31b側を向いて位置するように、振動伝達板31の表面上に配されたものとすると望ましい。
そして、巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bに及んでいる2本のコイルリード線をそれぞれコイルリード線端末部31b側の端辺近傍まで及ぼし、この端辺部にてコイルリード線と錦糸線としての音声信号入力線とをそれぞれ半田付けして配線を行う。
なお、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bよりコイルリード線を引き出し、音声信号入力線を配線する場合、従来のスピーカの配線構造と同じように、振動板接続部31a側にコイルリード線や他の入力線等を配する必要性は全く無い。つまり、本発明では、コイルリード線端末部31b側にコイルリード線や他の入力線等を配する新たな配線構造で対応することができるので、工数削減、並びに品質の向上につながるものとなる。
一方、本発明に係る磁気回路4は、平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用の反発型磁気回路であって、図4及び図5に示すように、一対の硬磁性部材41A,41Bと、一対の軟磁性部材42A,42Bを備える。
硬磁性部材41A,41Bは、ボイスコイル3を配することが可能な空間43を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して空間43内に反発磁界を形成するように配されている。この硬磁性部材41A,41Bとしては、たとえば、細長長方体をしたマグネットとすることができる。具体的には、たとえば、外形寸法が長さ40mm×幅10mm×厚さ2mmで、耐熱性能180℃タイプの長方形状をしたネオジムマグネットを用いるものとすることができる。
また、硬磁性部材41A,41Bの幅は、ボイスコイル3におけるコイル32の巻き幅より大であることが望ましい。言い換えれば、反発型磁気回路4における硬磁性部材41A,41Bの幅とボイスコイル3おけるコイル32の巻き幅は等しい寸法であっても良いが、コイル32の巻き幅は、硬磁性部材41A,41Bの幅より小であると良い。すなわち、硬磁性部材41A,41Bの幅がボイスコイル3におけるコイル32の巻き幅より大であるので、ボイスコイル3が硬磁性部材41A,41Bにおける空間43内からはみ出さないように、ボイスコイル3の駆動を制限することができる。これにより、硬磁性部材41A,41Bにおける空間43内においてボイスコイル3が効率良く適切に駆動することができるものとなる。
また、軟磁性部材42A,42Bは、一対のマグネット41A,41Bを挟持するように他極面側にそれぞれ配された、いわゆるヨークであって、互いに接合されて一対のマグネット41A,41Bを支持する。すなわち、一対のヨーク42A,42Bは、一対のマグネット41A,41Bを二方向より挟持するように支持する。
このヨーク42A,42Bは、当然のことながら、良好な磁性材たる鉄材からなるものであって、本実施の形態において、長手方向の表面を切削加工することで形成された細長凹状をしたマグネット装着部421A,421Bを備えるものとなっている。
このヨーク42A,42Bは、当然のことながら、良好な磁性材たる鉄材からなるものであって、本実施の形態において、長手方向の表面を切削加工することで形成された細長凹状をしたマグネット装着部421A,421Bを備えるものとなっている。
一対のヨーク42A,42Bは同じ形状であり、たとえば、外形寸法が長さ72mm×幅10mm×厚さ6mmであって、マグネット装着部421A,421Bとして、長手方向の表面にセンター振り分けで切削加工を施すことで、マグネット41A,41Bを装着可能とする長さ42mm×幅10mmの窪み平坦部が設けられている。
マグネット装着部421A,421Bの肉厚は、ヨーク42A,42Bの厚さを6mmとした場合、たとえば、2mmとすることができる。また、切削加工は、マグネット装着部421A,421Bの両端部に半径3mmの曲面加工をそれぞれ施し、さらに、この曲面加工部端から1mmの垂直部を経て、厚さ6mm位置の上面に達するものとしても良い。
ここで、ヨーク42A,42Bの外形寸法を、長さ72mm×幅10mm×厚さ6mmとし、マグネット装着部421A,421Bの両端部にR3mmの曲面加工をそれぞれ施した場合、このヨーク42A,42Bの両端部には、長さ12mm、幅10mmの平面部424A,424Bがそれぞれ形成される。この平面部424A,424Bは、一対のヨーク42A,42Bが組み合わされる合わせ面となる。
また、一対のヨーク42A,42Bは、一対のマグネット41A,41Bによって形成された空間43において一軸方向に開口領域が形成されるように配されている。この一軸方向は、ボイスコイル3が駆動する向きとなるものである。
一対のマグネットは着磁されており、それぞれのS極面をヨーク42A,42Bのマグネット装着部421A,421Bに密着するようにそれぞれ装着する。ヨーク42A,42Bに対するマグネット41A,41Bの装着方法は特に限定せず、たとえば、接着剤を用いることで装着することができる。接着剤は、目的に適うものであれば何を使っても一向に差支えなく、たとえば、世間一般に用いられている、2液混合タイプのエポキシ系接着剤や、アクリル系接着剤等を用いてもよい。
そして、マグネット41A,41BのS極面がマグネット装着部421A,421Bに装着されたヨーク42A,42Bの各両端部に設けた合わせ面(平面部)424A,424B同士を互いに密着する。そうすると、マグネット41A,41BのN極面同士を向き合わせた状態にて磁気回路が構成され、世間一般で呼ばれている反発磁気を利用した磁気回路、通称、反発磁気回路を形成することができる。
ヨーク42A,42Bの組み合わせについては、たとえば、それぞれのヨーク42A,42Bに対応したビス穴(M3貫通)425A,425Bを設けておき、取り付けネジにて互いのヨーク42A,42B同士を締結して組み合わせる。
本発明に係るアクチュエータ2は、平板状をした振動板を駆動する音響機器用のアクチュエータであって、図1、図6及び図7に示すように、ボイスコイル3と反発型磁気回路4から構成され、ボイスコイル3は、コイル32が反発型磁気回路4における一対のマグネット41A,41Bとクリアランス(隙間)25,25をもって空間43内に配されている。すなわち、ボイスコイル3は、反発型磁気回路4における反発磁界内において、マグネット41A,41Bと接触することなく可動自在なものとなっている。
これにより、ボイスコイル3がマグネット41A,41Bと接することのない安定した可動が維持され、振動伝達板31を介して連なった湾曲振動板1が正常且つ安定した振動状態を得ることができ、湾曲振動板1が有する音波を適切に発することができる。また、アクチュエータ2は、薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターを改善し、かつ、軽量化することが可能なものとすることができる。
ヨーク42A,42Bにそれぞれ接着されたマグネット41A,41Bは、同極(N極)同士が向きあうように装着されて反発磁気回路が形成しているので、この反発型磁気回路4の中にボイスコイル3を配置すると、マグネット41A,41Bの表面よりボイスコイル3の振動伝達板31方向に向かって磁気が放出されるものとなる。
このマグネット41A,41B表面(N極面)からの磁気の流れは、次のとおりとなる。まず、コイル32の長手方向を横切った後、水平方向(左右横方向)に向きを変えてヨーク42A,42Bの両端部に向かい、さらに、コイル32の長手方向両端部をそれぞれ横切る。その後、それぞれのヨーク42A,42Bが磁路となって、ヨーク42A,42Bの底部に設けてあるマグネット装着部421A,421Bに向かい、このマグネット装着部421A,421Bに密着しているマグネット41A,41BのS極面に流れ込む。そして、マグネット41A,41BのS極面からの磁気はN極側に向かい、再びマグネット41A,41B表面(N極面)から放出される一連の流れを構成している。
反発型磁気回路4においてボイスコイル3の駆動効率を向上させるには、マグネット41A,41B表面から垂直に放出している磁気の流れを有効に使うことが肝要である。すなわち、マグネット41A,41Bの片方の極の表面(N極表面)から大気中に放出した磁気は、直ちに放出した反対の極の表面(S極表面)へ最も近い経路で戻るので、垂直方向の磁気分布は表面から極めて短い距離(高さ)でしか分布しない。ゆえに、コイル32を効率良く稼働させるためには、マグネット41A,41Bの表面に可能な限り接近した設置状態が好ましい。
しかしながら、マグネット41A,41B同士を反発状態で近づけ過ぎると、垂直方向に出ている磁気の流れがお互い左右方向、つまり、ヨーク42A,42Bの端部方向に傾き、コイル32の駆動にロスを生じる。
一方、コイル32が振幅可動するには、マグネット41A,41Bとの間に当然適度なクリアランス25,25が必要であるので、コイル32の長手方向の外側に構成されるコイル外側クリアランス25は、ヨーク42A,42Bの合わせ面、及びマグネット装着部421A,421Bの厚さ寸法にて設定される。このクリアランスは、たとえば、機械加工公差寸法を含めて0.2mm〜0.3mmとすることができる。
したがって、前述したように、向かい合わせたマグネット41A,41Bの距離を適切な位置に配置することが肝要であり、コイル32の長手方向の内側と振動伝達板31の表面とに適度な隙間(コイル内側クリアランス)33を設けることが好ましい。このコイル内側クリアランス33の最適寸法は、磁気解析等の分析によって得られるが、コイル外側クリアランス25より大であることが望ましい。これにより、上述したように、マグネット41A,41B表面(N極面)からの磁気がボイスコイル3の振動伝達板31方向に向かって垂直に放出され、コイル32の長手方向を横切って有効に流れてボイスコイル3の駆動効率を向上させるものとすることができる。
なお、反発型磁気回路4は、一対の加工部品によって2分割可能な構造を有してなる磁気回路構造であることが好ましい。これにより、組み立て部品を筐体側に装着することが極めて容易になり、量産化が可能な利点を有する。
さらに、図8に示すように、湾曲振動板1とアクチュエータ2とを組み合わせ、磁気回路取付けベース21上に装着する。
湾曲振動板1は、平板状をし、一端1a側から対向する他端1b側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配されている。すなわち、湾曲振動板1は、フィルムやシートのように平たい薄厚の部材であって、予め湾曲する曲面部を有するように成形されているもののほか、柔軟性を有すると同時に張りのある性質を備えて湾曲する曲面部を形成することができるものをいう。この湾曲振動板1における一端1aが、アクチュエータ2のボイスコイル3に取り付けられるものとなっている。
湾曲振動板1は、平板状をし、一端1a側から対向する他端1b側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配されている。すなわち、湾曲振動板1は、フィルムやシートのように平たい薄厚の部材であって、予め湾曲する曲面部を有するように成形されているもののほか、柔軟性を有すると同時に張りのある性質を備えて湾曲する曲面部を形成することができるものをいう。この湾曲振動板1における一端1aが、アクチュエータ2のボイスコイル3に取り付けられるものとなっている。
湾曲振動板1は、予め湾曲する曲面部を有するように成形された部材の場合は、この湾曲凸面が前方を向くようにアクチュエータ2に取り付けるものである。また、柔軟性を有する部材の場合は、図9及び図10に示すように、起立した平板状態でボイスコイル3(振動伝達板31)に取り付けた後、この状態から弾性的に振動板1曲げて変形させることにより曲面を形成し、この変形した湾曲凸面側を前方に向けてアクチュエータ2に取り付けるものである。湾曲振動板1は、曲面部の曲げ角度が90°又はこれより少し大きいと望ましく、具体的には、曲げ角度が90°から130°までであると良い。
すなわち、難聴者と健聴者とが共に聞き取ることができるとされている剪断波は、振動板1の曲げにより発生し、この曲げ角度により発生音圧が変化するものである。具体的には、発生音圧が一番大きくなるのは、110°±20°の曲げ角度を有する曲面部を持った湾曲振動板1である。
ここで曲面部の曲げ角度は、図10に示すように、湾曲振動板1の一端1a側に対する垂線と他端1b側に対する垂線とが交わることによって示される角度をいう。
ここで曲面部の曲げ角度は、図10に示すように、湾曲振動板1の一端1a側に対する垂線と他端1b側に対する垂線とが交わることによって示される角度をいう。
図10において、平面状態の振動板1は点線で示され、この振動板1が、図中矢印一点鎖線で示すように、一端1a側から対向する他端1b側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように折り曲げられた状態が実線で示されている。ゆえに、この時の湾曲振動板1の曲面部の曲げ角度は、その一端1a側に対する垂線と他端1b側に対する垂線とが交わる点Oでの角度θで示され、その角度θは90°から130°までとなっている。
この湾曲振動板1の材料は、カーボン紙などの紙、ポリイミドやポリエステルなどの可撓性を有するプラスチック、バルサ材などの木材、アルミニウムやベリリウム、ボロンなどの金属を用いることができる。また、湾曲振動板1の厚みは、予め湾曲する曲面部を有するように成形したり、弾性的に曲げて変形させたりすることができれば特に限定されない。
以上のように、本発明のアクチュエータ2を用いる場合、先ず、コイル線材の巻き端部を正面として、小判(長穴)形状、若しくは長方形に捲いてなるコイル形状とし、このコイル32の中心線近傍に、所定寸法を有した方形振動伝達板31を配置してなるボイスコイル2構造とする。
次いで、振動伝達板31の振動板接続部31aを構成する面と、湾曲振動板1の一端1aを構成する面とを接続固定する。
次いで、振動伝達板31の振動板接続部31aを構成する面と、湾曲振動板1の一端1aを構成する面とを接続固定する。
さらに、ボイスコイル2を駆動するために、一対のマグネット41A,41Bの極性面を対向(反発)するように配置するとともに、コイル32の長手方向外側に所定のクリアランス25,25を設けて、一対のマグネット41A,41Bが形成する反発磁界内にボイスコイル3を可動自在に配置する。
そして、図1において白抜き矢印が示すようにボイスコイル3に音声信号を引加することで、双方向矢印が示すように引加信号に伴った振動を起し、ボイスコイル3と接続された湾曲振動板1を駆動して音波を発生するものとなっている。
本実施の形態においてアクチュエータ2は、ボイスコイル3における振動伝達板31が、反発型磁気回路4において一対のマグネット41A,41Bが形成する空間43より一軸方向にはみ出る大きさを有するものとなっている。すなわち、振動伝達板31は、振動板接続部31a側がコイル32の巻き幅方向の片側より延出露呈するものとなっている。たとえば、振動板接続部31a側が、コイル32の巻き幅方向の片側より10mm程度延出露呈するものとした場合、対向するコイルリード線端末部31b側が、コイル32の巻き幅方向の他側より24mm程度延出露呈した状態で配置されたものとなる。
また、本発明では、振動伝達板31のはみ出た領域の一部を、対向する二方向より弾性的に挟持するものと望ましい。すなわち、本発明においてアクチュエータ2は、ボイスコイル3における振動伝達板31が、反発型磁気回路4において一対のマグネット41A,41Bが形成する空間43より一軸方向にはみ出る大きさを有するものとする。そして、図11に示すように、振動伝達板31の一方の端部、つまりコイルリード線端末部31b側の上面及び下面に、所望の厚さ寸法、所望の幅寸法、及び所望の長さ寸法を有するクッション材としての第一の支持部材6,6を配置する構造としても良い。
この第一の支持部材6,6はシンプルな構造にもかかわらず、振幅時におけるコイル支持機能を極めて有効に発揮し、ボイスコイル3を支持するに充分なサスペンション機能を有するものとなる。
また、本発明においてアクチュエータ2は、図12に示すように、振動伝達板31のコイルリード線端末部31b側の上面及び下面に第一の支持部材6,6を配置すると共に、さらに振動伝達板31の他方の端部、つまり振動板接続部31a側の上面及び下面にも、所望の厚さ寸法、所望の幅寸法、及び所望の長さ寸法を有するクッション材としての第二の支持部材7,7を配置する構造としても良い。すなわち、本発明においてアクチュエータ2は、クッション材としての第一の支持部材6,6と第二の支持部材7,7とをサスペンションとして備えることにより、反発型磁気回路4を挟んで両側においてそれぞれ振動伝達板31を弾性的に挟持するものとすることもできる。
これらの支持部材6,7には、軟質でかつ振動を伝えにくい材料を適用することができ、たとえば、発泡ウレタン樹脂やゴム、不織布等のような弾力性に富むシート材を挙げることができる。また、支持部材6,7は、たとえば、長さ54mm×幅12mm×厚さ8mmの大きさをしたものとすることができる。
このように、反発型磁気回路4を挟んで一軸方向にはみ出た振動伝達板31の両側に支持部材6,7をそれぞれ備えるものとすると、より一層サスペンションの支持能力が向上する利点を有する。
このように、反発型磁気回路4を挟んで一軸方向にはみ出た振動伝達板31の両側に支持部材6,7をそれぞれ備えるものとすると、より一層サスペンションの支持能力が向上する利点を有する。
また、アクチュエータ2において、振動伝達板31の上面及び下面に支持部材(クッション材)6,7を配置し、振動伝達板31を弾性的に挟持すると、ボイスコイル3の振幅移動時に、振動伝達板31が磁気回路内においてマグネット41A,41Bの表面との間に設けたクリアランス25,25寸法未満にて振幅移動が可能となる。これにより、ボイスコイル3の振幅移動中に、コイル32がマグネット41A,41Bの表面に接触して発する異常音が無くなるものとなる。
また、これらの支持部材6,7は、支持部材押さえ板22を用いて押さえ込みつつ装着される。支持部材押さえ板22は、たとえば、厚さ2mmのアルミニウム板を用い、幅32mm×長さ60mmの大きさをしたものとすることができる。支持部材6,7を押さえ込みつつの支持部材押さえ板22の装着については、たとえば、支持部材押さえ板22に穴をそれぞれ設けると共に、ヨーク42A,42Bにもこの穴に対応したビス穴(M3貫通)426A,426Bを設けておく。そして、取り付けネジにて支持部材押さえ板22をヨーク42Bの頂部平面に締結して装着する。
支持部材6,7を押さえ込みつつ支持部材押さえ板22を装着するため、支持部材6,7は圧縮されて振動伝達板31を上下両面から挟持する形態となる。具体的には、支持部材押さえ板22の下面と磁気回路取付けベース21の装着面との設計距離が12mm、振動伝達板31の厚さが0.2mm、支持部材6,7の厚さが8mmであるとすると、支持部材6,7は2.1mm圧縮されつつ装着される。そして、圧縮によって発生するスプリングバック力が振動伝達板31の装着位置を充分に保持しつつ、尚且つ、振幅運動を許容するサスペンション機能を充分に発揮することになる。
そして、振動伝達板31は、支持部材6,7によるスプリングバック力によって上下方向から押されつつ、12mmの寸法を有する空間の中心線上(6mm上)に保持される。これにより、コイル32及びマグネット41A,41Bの表面に構成されたコイル外側クリアランス25,25(たとえば、0.2mm〜0.3mm)を維持しつつ、コイル2の振幅移動を可能ならしめるサスペンション機能を極めて安価で且つシンプルな構造にて得ることができる。
また、本発明において支持部材押さえ板22は、熱伝導率の高い放熱機能を有する材料によって形成された放熱板とすると望ましい。これにより、ボイスコイル3の駆動に伴って発生する熱を、放熱板としての支持部材押さえ板22を介して表面より放熱させることができる。
従来のスピーカ用磁気回路では、磁気ギャップを構成し、この磁気ギャップ中にボイスコイルを配置する。そのため、ボイスコイルの振幅移動方向における空間はボイスコイルボビン側のみであって、ボイスコイルは、ボビンを介してサスペンションから離れた位置で磁気ギャップ中に保持された、いわゆる片持ち支持構造となっている。ゆえに、コイルが振幅する際、些細なことでコイルと磁気ギャップが接触し、異常音が発生し易い構造となる。
これに対し、本発明のアクチュエータ2では、反発磁気回路4は、磁気ギャップを構成してない構成である。そのため、ボイスコイル3の振幅移動方向における空間43が、磁気回路の両方向、すなわち一軸方向に解放状態となっており、ボイスコイル3におけるコイル32の近い位置に、支持部材6,7の装着が可能な構造となっている。ゆえに、ボイスコイル3の支持において極めて有利な構造であって、ボイスコイル3の振幅移動中にコイル32とマグネット41A,41Bとが接触し、異常音が発生してしまうことが無いものとすることができる。
以上のように、本発明のアクチュエータ2は、マグネット41A,41Bの表面より放出している磁気をボイスコイル3に有効に及ぼすことができると共に、薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターを改善し、かつ、軽量化することが可能なものとすることができる。
また、本発明においてボイスコイルは、振動伝達板が平板矩形状をしたものではなく、振動伝達板における振動板接続部側の幅と、コイルリード線端末部側の幅との大きさが異なる平板非矩形状をしたものとしても良い。
これは、ボイスコイルにおける振動伝達板の振動板接続部側の幅とコイルリード線端末部側の幅が等しい大きさである平板矩形状をした振動伝達板の周囲にコイルを巻回した場合、コイルの幅が、振動板接続部側の幅やコイルリード線端末部側の幅よりも大きいものとなってしまう。そうすると、振動伝達板の側縁部からコイルがはみ出したものとなってしまい、ボイスコイルの取り扱いに注意を要する。また、コイルが、振動伝達板における振動板接続部側もしくはコイルリード線端末部側より抜け落ちてしまうおそれある。
そこで、本発明では、図13に示すように、反発型磁気回路4における空間43内に配されることとなる側(すなわち、振動板接続部31a側)の幅W1が、反発型磁気回路4における空間43より露呈する側(すなわち、コイルリード線端末部31b側)の幅W2より小さい振動伝達板31であって、振動板接続部31a側に巻回されたコイル32の巻き幅W3が、コイルリード線端末部31b側の幅W2と等しいかもしくは小さい大きさとなるボイスコイル13とした。
すなわち、ボイスコイル13は、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W1を、コイルリード線端末部31b側の幅W2の大きさよりも小さく形成するものとし(W1<W2)、かつ、コイル32の幅W3が、コイルリード線端末部31b側の幅W2の大きさと等しいかもしくは小さく(W3≦W2)なるものとし、振動伝達板31の周囲に巻回したコイル32が振動伝達板31の側縁部からはみ出さないようにした。
したがって、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W1とコイルリード線端末部31b側の幅W2とコイル32の幅W3との関係は、W1<W3≦W2となる。
したがって、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W1とコイルリード線端末部31b側の幅W2とコイル32の幅W3との関係は、W1<W3≦W2となる。
これにより、振動伝達板31の側縁部からコイル32がはみ出してしまうことが解消され、ボイスコイル13の梱包時や搬送時、反発磁気回路4内への設置時など、振動伝達板31の側縁部におけるコイル32部分が衝撃等を受けて損傷してしまうおそれを軽減することができる。また、コイル32が、振動伝達板31におけるコイルリード線端末部31b側より抜け落ちてしまうおそれも解消することができる。
なお、図13においては、振動伝達板31は、側縁部において僅かな段差を設けて幅狭となるものとしているが、本発明のボイスコイル3においてはこれに限らず、図示しないが、振動伝達板の側縁部がコイルリード線端末部側から振動板接続部側へ向かうにしたがって徐々に幅狭となる略テーパー状としても良い。
さらに、本発明においてボイスコイルは、振動伝達板における振動板接続部側の幅と、コイルリード線端末部側の幅との大きさが同じとなる形状とした場合、振動伝達板の側縁部からコイルがはみ出したものとならないように、振動伝達板におけるコイル巻回部分の幅が小さくなるものとしても良い。
本発明では、図14に示すように、反発型磁気回路4における空間43内に配されることとなる側(すなわち、振動板接続部31a側)の幅W4と、反発型磁気回路4における空間43より露呈する側(すなわち、コイルリード線端末部31b側)の幅W5の大きさが同じであり、コイル巻回相当部分の一方もしくは両方の側縁部に切欠き部35を設けることでコイル巻回相当部分の幅W6を小さくした振動伝達板31であって、コイル巻回相当部分に巻回されたコイル32の巻き幅W7が、振動板接続部31a側の幅W4及びコイルリード線端末部31b側の幅W5と等しいかもしくは小さい大きさとなるボイスコイル23とした。
すなわち、ボイスコイル23は、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W4とコイルリード線端末部31b側の幅W5が等しく(W4=W5)、コイル巻回相当部分の幅W6が、振動板接続部31a側の幅W4及びコイルリード線端末部31b側の幅W5の大きさよりも小さく形成するものとし(W6<W4,W5)、かつ、コイル32の幅W7が、振動板接続部31a側の幅W4及びコイルリード線端末部31b側の幅W5の大きさと等しいかもしくは小さく(W7≦W4,W5)なるものとし、振動伝達板31の周囲に巻回したコイル32が振動伝達板31の側縁部からはみ出さないようにした。
したがって、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W4とコイルリード線端末部31b側の幅W5とコイル巻回相当部分の幅W6とコイル32の幅W7との関係は、W6<W7≦W4,W5となる。
したがって、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W4とコイルリード線端末部31b側の幅W5とコイル巻回相当部分の幅W6とコイル32の幅W7との関係は、W6<W7≦W4,W5となる。
ここで、ボイスコイル23の組み立てにおいて、振動伝達板31における振動板接続部31a側の幅W4は、コイル32の幅W7の大きさと等しいかもしくは大きいものであるので、そのままでは振動伝達板31へコイル32を装着することができない。しかしながら、振動伝達板31を撓ませることでその幅を小さくすれば、コイル32の内部に振動伝達板31(振動板接続部31a側)を挿入することができ、容易にコイル32を装着することができるものとなる。
なお、振動伝達板31における切欠き部35の深さは、コイル線材が引っ掛かれば特に限定されない。
なお、振動伝達板31における切欠き部35の深さは、コイル線材が引っ掛かれば特に限定されない。
これによっても、振動伝達板31の側縁部からコイル32がはみ出してしまうことが解消され、ボイスコイル23の梱包時や搬送時、反発磁気回路4内への設置時など、振動伝達板31の側縁部におけるコイル32部分が衝撃等を受けて損傷してしまうおそれを軽減することができる。しかも、振動伝達板31を撓ませることで装着したコイル32は、振動伝達板31の撓みを解消して元の状態に戻せば、振動伝達板31より抜け落ちてしまうおそれのないものとすることができる。
1 湾曲振動板、1a 一端、1b 他端、2 アクチュエータ、3,13,23 ボイスコイル、4 反発磁気回路、6,7 支持部材、21 磁気回路取付けベース、22 支持部材押さえ板、25 (コイル外側)クリアランス、31 振動伝達板、31a 振動板接続部、31b コイルリード線端末部、32 コイル、32a 巻き始め端部、32b 巻き終わり端部、33 (コイル内側)クリアランス、34 充填材(耐熱接着剤)、35 切欠き部、41A,41B マグネット(硬磁性部材)、42A,42B ヨーク(軟磁性部材)、43 空間、45 ヨーク取り付けビス、46 放熱板取り付けビス、421A,421B マグネット装着部(窪み平坦部)、424A,424B 合わせ面、425A,425B ヨーク取り付けビス穴、426A,426B、放熱板取り付けビス穴。
Claims (16)
- 平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用のボイスコイルであって、
平板状をした振動伝達板と、
前記振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回され、扁平長円筒状に形成されたコイルと、
を備え、
前記コイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されていることを特徴とするボイスコイル。 - 前記コイルは、長手方向両端部が充填材を介して前記振動伝達板の端縁部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のボイスコイル。
- 前記コイルは、長手方向の一部が充填材を介して前記振動伝達板の表面に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボイスコイル。
- 平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用の磁気回路であって、
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して前記空間内に反発磁界を形成するように配された一対の硬磁性部材と、
前記一対の硬磁性部材を挟持するように他極面側にそれぞれ配され、互いに接合されて前記一対の硬磁性部材を支持する一対の軟磁性部材と、
を備え、
前記一対の軟磁性部材は、前記一対の硬磁性部材によって形成された前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように配されていることを特徴とする反発型磁気回路。 - 前記一対の軟磁性部材は、二分割可能な構造を有していることを特徴とする請求項4に記載の反発型磁気回路。
- 平板状をした振動板を駆動する音響機器用のアクチュエータであって、
平板状をした振動伝達板、及び該振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回され、扁平長円筒状に形成されたコイルを備え、該コイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されているボイスコイルと、
前記ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して前記空間内に反発磁界を形成するように配された一対の硬磁性部材、及び該一対の硬磁性部材を挟持するように他極側にそれぞれ配され、互いに接合されて前記一対の硬磁性部材を支持する一対の軟磁性部材を備え、前記一対の軟磁性部材は、前記一対の硬磁性部材によって形成された前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように配されている反発型磁気回路と、
から構成され、
前記ボイスコイルは、コイルが前記反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって前記硬磁性部材が形成する空間内に配されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記ボイスコイルにおけるコイルと振動伝達板の表面とのクリアランスは、前記ボイスコイルにおけるコイルと前記反発型磁気回路における硬磁性部材とのクリアランスより大であることを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルにおけるコイルの巻き幅は、前記反発型磁気回路における硬磁性部材の幅より小であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記軟磁性部材の外側に放熱板が配されていることを特徴とする請求項6から請求項8までの何れか1項に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルは、振動伝達板が、前記反発型磁気回路における空間より一軸方向にはみ出る大きさを有し、
前記振動伝達板のはみ出た領域の一部を対向する二方向より弾性的に挟持する支持部材をさらに備えることを特徴とする請求項6から請求項9までの何れか1項に記載のアクチュエータ。 - 前記支持部材は、前記反発型磁気回路を挟んで一軸方向にはみ出た前記振動伝達板の両側にそれぞれ備えることを特徴とする請求項10に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルは、コイル線材の巻き始め端部と巻き終わり端部が、振動板との接続部端辺と反対側を向いて位置するように前記振動伝達板の表面上に配されていることを特徴とする請求項6から請求項11までの何れか1項に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルにおける振動伝達板は、前記反発型磁気回路における空間内に配されることとなる側の幅が、前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅より小さいことを特徴とする請求項6から請求項12までの何れか1項に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルにおけるコイルの巻き幅は、前記振動伝達板において前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅と等しいかもしくは小さいことを特徴とする請求項13に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルにおける振動伝達板は、コイル巻回相当部分の幅が、前記反発型磁気回路における空間内に配されることとなる側の幅、及び前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅より小さいことを特徴とする請求項6から請求項12までの何れか1項に記載のアクチュエータ。
- 前記ボイスコイルにおけるコイルの巻き幅は、前記振動伝達板において前記反発型磁気回路における空間内に配されることとなる側の幅、及び前記反発型磁気回路における空間より露呈する側の幅と等しいかもしくは小さいことを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ。
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JP2015255546A Pending JP2016140061A (ja) | 2015-01-25 | 2015-12-27 | ボイスコイル、磁気回路、及びアクチュエータ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110418255A (zh) * | 2018-04-27 | 2019-11-05 | 歌尔股份有限公司 | 发声单体、发声模组及电子终端 |
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2015
- 2015-12-27 JP JP2015255546A patent/JP2016140061A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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