JP2016139848A - 音声品質推定装置、方法及びプログラム - Google Patents

音声品質推定装置、方法及びプログラム Download PDF

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征貴 増田
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隆文 奥山
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Abstract

【課題】音声通話サービスにおいて、パケットに含まれる音声データが有音と無音のいずれであるかを考慮して、高精度にQoEを推定する音声品質推定装置、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】音声通話サービスにおける音声の品質を推定する音声品質推定装置は、パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出する音声データ解析手段と、前記音声データ解析手段で算出された前記データ損失率を入力として、音声品質を推定する音声品質推定手段と、前記音声品質推定手段において推定された前記音声品質を保存する音声品質保存手段と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、音声通話サービスにおける音声のユーザ体感品質(QoE: Quality of Experience)を推定する装置、方法及びプログラムに係り、特に、音声通話時に送受信されるパケットデータを測定し、その挙動分析の結果からQoEを推定する技術に関する。
モバイル網上で、音声データを格納したIP(Internet Protocol)パケットを伝送する音声通話サービスが普及している。また、非特許文献1のように、音声区間検出機構を持つ音声符号化方式(AMR-WB(Adaptive Multi Rate Wideband)等)を採用し、無音区間のデータを圧縮して音声データをIPパケットに格納する方式の音声通話サービスも存在する。音声通話サービスは、ネットワークでのパケット転送品質(例えば、パケットの損失、伝送遅延、遅延揺らぎ)や端末での処理遅延(例えば、音声信号処理遅延や受信側でのバッファリング遅延、データ損失)の影響で、エンド・ツー・エンドの音声品質が低下する場合がある。そのため、非特許文献2及び特許文献1のように、パケットデータを用いて、音声品質を推定する技術が検討されている。
非特許文献2及び特許文献1は、いずれもパケット損失率等の音声データの劣化量を入力として、音声に対してユーザが体感する品質(QoE)を推定することができる。しかし、非特許文献2及び特許文献1は、パケットに含まれる音声データが有音と無音のいずれであるかは考慮していない。
特許第3579334号
音声信号を用いて、客観的に音質を評価する手法であるITU-T勧告P.863(POLQA)等で音声品質(QoE)を評価すると、同じパケット損失であっても、有音区間のパケットデータが損失した場合と、無音区間のパケットデータが損失した場合とでは、有音区間でパケットデータが損失場合のほうが、音声品質(QoE)が低下することが知られている。しかし、非特許文献2や特許文献1のようなQoE推定技術では、パケットに含まれる音声データが有音と無音のいずれであるかを考慮してQoEを推定することができなかった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、音声通話サービスにおいて、パケットに含まれる音声データが有音と無音のいずれであるかを考慮して、高精度にQoEを推定する音声品質推定装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、音声通話サービスにおける音声品質(QoE)を推定する音声品質推定装置及び方法及びプログラムを実現する。第1の観点は、音声通話サービスにおける音声の品質を推定する音声品質推定装置である。音声品質推定装置は、パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出する音声データ解析手段と、前記音声データ解析手段で算出されたデータ損失率を入力として、音声品質を推定する音声品質推定手段と、前記音声品質推定手段において推定された音声品質を保存する音声品質保存手段と、備える。
第2の観点は、音声通話サービスにおける音声の品質を推定する音声品質推定方法である。音声品質推定方法は、パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出し、算出された前記データ損失率を入力として、音声品質を推定し、推定された音声品質を保存する。
第3の観点は、音声通話サービスにおける音声の品質を推定するプログラムである。このプログラムは、パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出する機能と、算出された前記データ損失率を入力として、音声品質を推定する機能と、推定された前記音声品質を保存する機能と、をコンピュータに実現させる。
本発明によれば、音声通話サービスにおいて、音声信号測定を実施することなく、測定したパケットデータから、音声データの有音/無音を考慮して、正確に音声品質(QoE)を推定することが可能となる。
第1の実施形態に係る音声品質推定装置を含む一例となる音声通話システムの図。 第1の実施形態に係る一例となる音声品質推定装置のブロック構成図。 第1の実施形態に係る音声品質推定装置で実施される一例となるフローチャート。 第1の実施形態に係る一例となる有音区間/無音区間のデータ損失率に対する音質低下量推定モデル。 第2の実施形態に係る音声品質推定装置で実施される一例となるフローチャート。 第3の実施形態に係る音声品質推定装置で実施される一例となるフローチャート。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る音声品質推定装置10を含む一例となる音声通話システム1を示す図である。音声通話システム1は、音声品質推定装置10、音声通話サービス端末A20及び音声通話サービス端末B30を備える。
音声品質推定装置10は、音声通話サービス端末A20及び音声通話サービス端末B30が接続する広域通信網40に接続されている。
音声品質推定装置10は、広域通信網40を介して接続される2つの音声通話サービス端末A20と音声通話サービス端末B30との間で通信される音声の通話品質を推定するものである。図1の網構成に示すように、音声品質推定装置10は、音声通話サービス端末A20と音声通話サービス端末B30との間で送受信されるパケットを測定することで、音声通話サービスにおける音声品質を推定する。なお、第1の実施形態では、音声品質を音質と称することもある。また、音声品質推定装置10は、音声通話サービス端末A20または音声通話サービス端末B30の少なくとも何れか1つの端末に接続、もしくは、何れか1つの端末に組み込まれていても構わない。
音声通話サービス端末A20及び音声通話サービス端末B30は、例えば携帯電話及びスマートフォンなどである。音声通話サービス端末A20及び音声通話サービス端末B30は、音声通話機能を備えていればよく、その態様は特に限定されるものではない。なお、図1には、説明の簡略化のために2つの音声通話サービス端末のみを示しているが、これらよりも多くの音声通話サービス端末が広域通信網40に接続されていても構わない。
広域通信網40は、例えば、IP網やモバイルネットワークである。
次に、音声品質推定装置10の構成を説明する。図2は、第1の実施形態に係る一例となる音声品質推定装置10のブロック構成図を示す。音声品質推定装置10は、音声データ解析部101と、音声品質推定部102とを備える。音声データ解析部101及び音声品質推定部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。なお、CPUは、プロセッサ、コンピュータということもできる。
音声データ解析部(音声データ解析手段)101は、有音区間データ損失率算出手段1011及び無音区間データ損失率算出手段1012を備える。音声データ解析部101は、これらの手段により、パケットデータまたはパケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出する。有音区間データ損失率算出手段1011及び無音区間データ損失率算出手段1012における処理内容については後述する。
音声品質推定部(音声品質推定手段)102は、有音区間音声品質推定手段1021、無音区間音声品質推定手段1022及び音声品質推定手段1023を備える。音声品質推定部102は、これらの手段により、音声データ解析部101で算出されたデータ損失率を入力として、音声品質を推定する。有音区間音声品質推定手段1021、無音区間音声品質推定手段1022及び音声品質推定手段1023における処理内容については後述する。
音声品質保存部(音声品質保存手段)50は、音声品質推定部102において推定された音声品質の情報を保存する。音声品質保存部50は、例えば、ハードディスク等の記憶装置である。なお、図2では音声品質保存部50が音声品質推定装置10とは別の要素として示されているが、音声品質推定装置10が音声品質保存部50を備えるように構成されていてもよい。なお、音声品質保存部50における情報の保存は、CPUの制御によって行われてもよい。
次に、音声品質推定装置10の各機能部による処理内容を説明する。図3は、第1の実施形態に係る音声品質推定装置10で実施される一例となるフローチャートを示す。また、ここでは、図2で示される各機能部で実施される手順に沿って説明する。
音声データ解析部101は、有音区間データ損失率算出手段1011及び無音区間データ損失率算出手段1012で以下のように音声データを解析する。なお、ここでは有音区間データ損失率算出手段1011における処理(ステップS61)、その後に、無音区間データ損失率算出手段1012における処理(ステップS62)の順序で説明するが、これらの処理の順序は逆であっても同時であってもよい。
有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間データ損失率をパケットデータ又はパケット解析データとして読み込む(ステップS61)。有音区間データ損失率とは、測定対象区間(例えば、通話開始から10秒毎に測定を実施する場合、10秒を1つの測定対象区間とする)での有音区間の総時間量に対する有音区間で損失が発生した時間量の割合を意味する。なお、1つのパケットに含まれる音声時間量は、音声通話システム1で予め設定されるため、パケット数で計算することも可能である。上述のような処理により、有音区間データ損失率算出手段1011は、伝送された音声データのうち、有音区間のデータを対象として、有音区間データ損失率を算出する。
無音区間データ損失率算出手段1012は、無音区間データ損失率をパケットデータ又はパケット解析データとして読み込む(ステップS62)。無音区間データ損失率とは、測定対象区間(例えば、通話開始から10秒毎に測定を実施する場合、10秒を1つの測定対象区間とする)での無音区間の総時間量に対する無音区間で損失が発生した時間量の割合を意味する。上述のような処理により、無音区間データ損失率算出手段1012は、伝送された音声データのうち、無音区間のデータを対象として、無音区間データ損失率を算出する。
次に、音声品質推定部102は、有音区間音声品質推定手段1021、無音区間音声品質推定手段1022及び音声品質推定手段1023で、以下のように音声品質を推定する。なお、ここでは有音区間音声品質推定手段1021(ステップS63)における処理、その後に、無音区間音声品質推定手段1022(ステップS64)における処理の順序で説明するが、これらの処理の順序は逆であっても同時であってもよい。
有音区間音声品質推定手段1021は、有音区間データ損失率に対する音質低下量を算出する(ステップS63)。ステップS63では、一例として、有音区間音声品質推定手段1021は、有音区間音質低下量推定モデルを用いる。図4は、第1の実施形態に係る一例となる有音区間/無音区間のデータ損失率に対する有音区間/無音区間音質低下量推定モデルを示す図である。例えば、図4のように、有音区間音質低下量推定モデルは、予め有音区間データ損失率と音質低下量の関係を関数(f(x): xは有音区間データ損失率)によってモデル化されている。モデル化に際しては、音声データの有音区間データ損失率が0%の状態での音質評価値(例えば,ITU-T勧告P.863で評価したPOLQA値)を基準として、有音区間データ損失率条件に対する音質評価値との差分を音質低下量として算出し、有音区間データ損失率と音質低下量との回帰式を有音区間データ損失率に対する音質低下量推定モデルとしてもよい。有音区間音声品質推定手段1021は、有音区間データ損失率に対する有音区間音質低下量推定モデルに、音声データの有音区間データ損失率を入力することで、有音区間における音質低下量(以下、有音区間音質低下量という)を算出する。以上のように、有音区間音声品質推定手段1021は、音声データ損失がない時の音声品質評価値を基準として、有音区間に損失が生じた時の音声品質評価値との差分と、有音区間データ損失率の関係を予め数式化した有音区間音声品質推定モデルを用いて、有音区間データ損失率を入力として、有音区間音声品質を推定する。
無音区間音声品質推定手段1022は、無音区間データ損失率に対する音質低下量を算出する(ステップS64)。ステップS64では、一例として、無音区間音声品質推定手段1022は、無音区間音質低下量推定モデルを用いる。例えば、図4のように、無音区間音質低下量推定モデルは、予め無音区間データ損失率と音質低下量の関係を関数(g(y): yは無音区間データ損失率)によってモデル化されている。モデル化に際しては、音声データの無音区間データ損失率が0%の状態での音質評価値(例えば、ITU-T勧告P.863で評価したPOLQA値)を基準として、無音区間データ損失率条件に対する音質評価値との差分を音質低下量として算出し、無音区間データ損失率と音質低下量との回帰式を無音区間データ損失率に対する音質低下量推定モデルとしてもよい。無音区間音声品質推定手段1022は、無音区間データ損失率に対する無音区間音質低下量推定モデルに、無音区間データ損失率を入力することで、無音区間における音質低下量(以下、無音区間音質低下量という)を算出する。以上のように、無音区間音声品質推定手段1022は、音声データ損失がない時の音声品質評価値を基準として、無音区間に損失が生じた時の音声品質評価値との差分と、無音区間データ損失率の関係を予め数式化した無音区間音声品質推定モデルを用いて、無音区間データ損失率を入力として、無音区間音声品質を推定する。
音声品質推定手段1023は、データ損失無の音声品質より、有音区間音質低下量及び無音区間音質低下量を減算し、音声品質推定値として出力する(ステップS65)。ステップS65では、一例として、音声品質推定手段1023は、ステップS63において有音区間音声品質推定手段1021で算出された有音区間音質低下量とステップS64において無音区間音声品質推定手段1022で算出された無音区間音質低下量を、予め設定しておいた音声データの損失率 (有音区間および無音区間の音声データ損失率)が0%の状態での音質評価値(例えば,ITU-T勧告P.863で評価したPOLQA値: Qo)から減じることで、音声品質(QoE)を推定する。なお、ステップS65は、音声品質推定手段1023が、ステップS63において有音区間音声品質推定手段1021で算出された有音区間音質低下量とステップS64において無音区間音声品質推定手段1022で算出された無音区間音質低下量との和を計算し、この和を上記音質評価値から減じることで音声品質(QoE)を推定する、ということもできる。この音声品質推定モデルは、下式で表すことができる。
QoE = Qo − f(x) − g(y)
以上より、音声品質推定手段1023は、有音区間データ損失率を入力として有音区間音声品質を推定する有音区間音声品質推定手段1021と、無音区間データ損失率を入力として無音区間音声品質を推定する無音区間音声品質推定手段1022とで算出された音声品質低下量の和を、予め設定した音声データ損失がない時の音声品質評価値から減じることで音声品質を推定する。
音声品質推定手段1023は、推定した音声品質の情報(音声品質推定値)を音声品質保存部50へ出力する。
音声品質保存部50は、音声品質推定部102で算出(推定)された音声品質の情報を保存する。
なお、図3における各処理は、プログラムによって音声品質推定装置10の各部またはCPU(コンピュータ)によって実現されてもよい。
第1の実施形態によれば、音声品質推定装置10は、音声通話サービスにおいて、音声信号測定を実施することなく、測定したパケットデータから、音声データの有音/無音を考慮して、正確に音声品質(QoE)を推定することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る音声品質推定装置10は、図2に示す第1の実施形態に係る音声品質推定装置10と同様の要素を備える。第2の実施形態は、音声データ解析部101における処理内容が第1の実施形態と異なる。ここでは、第1の実施形態と同様であってもよい部分についてはその説明を省略する。第2の実施形態では、音声データ解析部101に、第1の実施形態のようにパケット解析データとして有音区間データ損失率と無音区間データ損失率が入力されず、パケットデータが入力される例を説明する。
第2の実施形態は、音声区間検出機構を持つ音声符号化方式(AMR-WB等)を採用し、無音区間のデータを圧縮して音声データをIPパケットに格納する方式で実施される音声通話システムを前提とする。前提とする音声通話システムでは、転送されるパケットデータのデータサイズが異なる。有音区間を含むIPパケットは、予め設定されたデータ量に固定されている。そのため、音声データ解析部101は、上記予め設定されたデータ量を保持するIPパケットを有音区間の音声データを保持するパケット(以下、有音区間のパケットという)と判断することができる。一方、音声データ解析部101は、上記予め設定されたデータ量以外のデータ量を保持するIPパケットを無音区間の音声データを保持するパケット(以下、無音区間のパケットという)と判断することができる。
図5は、第2の実施形態に係る音声品質推定装置10で実施される一例となるフローチャートを示す。また、ここでは、図2で示される各機能部で実施される手順に沿って説明する。なお、ここでは有音区間データ損失率算出手段1011における処理(ステップS71、ステップS72及びステップS73)、その後に、無音区間データ損失率算出手段1012における処理(ステップS74、ステップS75及びステップS76)の順序で説明するが、これらの処理の順序は逆であっても同時であってもよい。
有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間のパケットを抽出し、有音区間データ量を計算する(ステップS71)。ステップS71では、有音区間データ損失率算出手段1011は、パケットデータから、上述の手法により有音区間のパケットを抽出する。次に、有音区間データ損失率算出手段1011は、抽出した有音区間のパケットに基づいて有音区間のデータ量を計算する。
次に、有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間の損失データ量を計算する(ステップS72)。ステップS72では、有音区間データ損失率算出手段1011は、受信側で測定したパケットデータのみで損失パケットを判定する。この場合は、有音区間データ損失率算出手段1011は、一例として、パケットヘッダに含まれるシーケンス番号で損失を判定する。これにより、有音区間データ損失率算出手段1011は、前後のパケットが有音区間と無音区間のいずれであるかで、損失したパケットが有音区間/無音区間の何れであるのかを判定する。例えば、有音区間データ損失率算出手段1011は、前のパケットと同じと判定するなどのルールによって、損失したパケットが有音区間/無音区間の何れであるのかを判定する。有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間における損失したパケットの量に基づいて有音区間の損失データ量を計算することができる。
次に、有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間データ損失率を計算する(ステップS73)。ステップS73では、有音区間データ損失率算出手段1011は、ステップS71で計算した有音区間のデータ量及びステップS72で計算した有音区間の損失データ量から、有音区間データ損失率を計算することができる。
無音区間データ損失率算出手段1012は、無音区間のパケットを抽出し、無音区間データ量を計算する(ステップS74)。ステップS74では、無音区間データ損失率算出手段1012は、上述のステップS71と同様の手法により、パケットデータから無音区間のパケットを抽出する。次に、無音区間データ損失率算出手段1012は、抽出した無音区間のパケットに基づいて無音区間のデータ量を計算する。
次に、無音区間データ損失率算出手段1012は、無音区間の損失データ量を計算する(ステップS75)。ステップS75では、無音区間データ損失率算出手段1012は、上述のステップS72と同様の手法により判定された無音区間における損失したパケットの量に基づいて無音区間の損失データ量を計算することができる。
次に、無音区間データ損失率算出手段1012は、無音区間データ損失率を計算する(ステップS76)。ステップS76では、無音区間データ損失率算出手段1012は、ステップS74で計算した無音区間のデータ量及びステップS75で計算した無音区間の損失データ量から、無音区間データ損失率を計算することができる。
なお、有音区間音声品質推定手段1021によるステップS77の処理は上述のステップS63の処理と同様であってもよく、その説明を省略する。無音区間音声品質推定手段1022によるステップS78の処理は上述のステップS64の処理と同様であってもよく、その説明を省略する。音声品質推定手段1023によるステップS79の処理は上述のステップS65の処理と同様であってもよく、その説明を省略する。
第2の実施形態によれば、音声品質推定装置10は、音声通話サービスにおいて、音声信号測定を実施することなく、測定したパケットデータから、音声データの有音/無音を考慮して、正確に音声品質(QoE)を推定することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る音声品質推定装置10は、図2に示す第1の実施形態に係る音声品質推定装置10と同様の要素を備える。第3の実施形態は、音声データ解析部101における処理内容が第1の実施形態と異なる。ここでは、第1の実施形態と同様であってもよい部分についてはその説明を省略する。第3の実施形態では、音声データ解析部101は、第1の実施形態のようにパケット解析データとして有音区間データ損失率と無音区間データ損失率が入力されず、入力されるパケットデータに対して、有音区間と無音区間のいずれの音声データであるかを、判定しない例を説明する。
図6は、第3の実施形態に係る音声品質推定装置10で実施される一例となるフローチャートを示す。また、ここでは、図2で示される各機能部で実施される手順に沿って説明する。なお、ここでは有音区間データ損失率算出手段1011における処理(ステップS81、ステップS82及びステップS83)、その後に、無音区間データ損失率算出手段1012における処理(ステップS84、ステップS85及びステップS86)の順序で説明するが、これらの処理の順序は逆であっても同時であってもよい。
有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間の比率を設定する(ステップS81)。日常会話において、有音区間と無音区間の比率は、4対6等の調査結果がある。ステップS81では、有音区間データ損失率算出手段1011は、予め有音区間と無音区間の比率を設定する。一例として、有音区間データ損失率算出手段1011は、有音区間と無音区間の比率を4対6に設定する。なお、この比率は一例であり、任意に設定可能である。
有音区間データ損失率算出手段1011は、パケット損失率を算出する(ステップS82)。ステップS82では、有音区間データ損失率算出手段1011は、パケットデータの測定対象区間において、有音区間であるか無音区間であるかの区分けをせずに損失パケットを検出し、測定対象区間に含まれるパケット及び検出した損失パケットに基づいて測定対象区間におけるパケット損失率を算出する。なお、ステップS82では、有音区間データ損失率算出手段1011は、測定対象区間における音声データ時間量の損失率を算出するようにしてもよい。
有音区間データ損失率算出手段1011は、パケット損失率と有音区間の比率の積で有音区間データ損失率を計算する(ステップS83)。ステップS83では、有音区間データ損失率算出手段1011は、ステップS82で算出したパケット損失率とステップS81で設定した有音区間の比率の積で有音区間データ損失率を計算する。例えば、有音区間データ損失率算出手段1011がステップS81において有音区間と無音区間の比率を4対6と設定し、ステップS82においてパケット損失率(音声データ時間量の損失率でもよい)を1%と算出したとする。この場合、ステップS83において、有音区間データ損失率算出手段1011は、パケット損失率1%に有音区間の比率をかけ、有音区間データ損失率0.4%を算出する。
次に、無音区間データ損失率算出手段1012は、無音区間の比率を設定する(ステップS84)。ステップS84では、無音区間データ損失率算出手段1012は、上述のステップS81と同様の手法により、予め有音区間と無音区間の比率を設定する。
無音区間データ損失率算出手段1012は、パケット損失率を算出する(ステップS85)。ステップS85では、無音区間データ損失率算出手段1012は、上述のステップS82と同様の手法により、測定対象区間におけるパケット損失率を算出する。なお、ステップS85では、無音区間データ損失率算出手段1012は、測定対象区間における音声データ時間量の損失率を算出するようにしてもよい。
無音区間データ損失率算出手段1012は、パケット損失率と無音区間の比率の積で有音区間データ損失率を計算する(ステップS86)。ステップS86では、無音区間データ損失率算出手段1012は、ステップS85で算出したパケット損失率とステップS84で設定した無音区間の比率の積で無音区間データ損失率を計算する。例えば、無音区間データ損失率算出手段1012がステップS84において有音区間と無音区間の比率を4対6と設定し、ステップS85においてパケット損失率(音声データ時間量の損失率でもよい)を1%と算出したとする。この場合、ステップS86において、無音区間データ損失率算出手段1012は、パケット損失率1%に無音区間の比率をかけ、無音区間データ損失率0.6%を算出する。
なお、有音区間音声品質推定手段1021によるステップS87の処理は上述のステップS63の処理と同様であってもよく、その説明を省略する。無音区間音声品質推定手段1022によるステップS88の処理は上述のステップS64の処理と同様であってもよく、その説明を省略する。音声品質推定手段1023によるステップS89の処理は上述のステップS65の処理と同様であってもよく、その説明を省略する。
第3の実施形態によれば、音声品質推定装置10は、音声通話サービスにおいて、音声信号測定を実施することなく、測定したパケットデータから、音声データの有音/無音を考慮して、正確に音声品質(QoE)を推定することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…音声通話システム、10…音声品質推定装置、20…音声通話サービス端末A、30…音声通話サービス端末B、40…広域通信網、50…音声品質保存部、101…音声データ解析部、102…音声品質推定部、1011…有音区間データ損失率算出手段、1012…無音区間データ損失率算出手段、1021…有音区間音声品質推定手段、1022…無音区間音声品質推定手段、1023…音声品質推定手段。

Claims (7)

  1. 音声通話サービスにおける音声の品質を推定する音声品質推定装置であって、
    パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出する音声データ解析手段と、
    前記音声データ解析手段で算出された前記データ損失率を入力として、音声品質を推定する音声品質推定手段と、
    前記音声品質推定手段において推定された前記音声品質を保存する音声品質保存手段と、
    を備えることを特徴とする音声品質推定装置。
  2. 請求項1の音声品質推定装置において、
    前記音声データ解析手段は、
    伝送された前記音声データのうち、有音区間のデータを対象として、有音区間データ損失率を算出する手段と、
    伝送された前記音声データのうち、無音区間のデータを対象として、無音区間データ損失率を算出する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする音声品質推定装置。
  3. 請求項2の音声品質推定装置において、
    前記音声品質推定手段は、
    前記有音区間データ損失率を入力として、音声品質の低下量を算出する手段と、
    前記無音区間データ損失率を入力として、音声品質の低下量を算出する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする音声品質推定装置。
  4. 請求項2の音声品質推定装置において、
    前記音声品質推定手段は、
    音声データ損失がない時の音声品質評価値を基準として、前記有音区間に損失が生じた時の前記音声品質評価値との差分と、前記有音区間データ損失率の関係を予め数式化した有音区間音声品質推定モデルを用いて、前記有音区間データ損失率を入力として、有音区間音声品質を推定する手段と、
    音声データ損失がない時の前記音声品質評価値を基準として、前記無音区間に損失が生じた時の前記音声品質評価値との差分と、前記無音区間データ損失率の関係を予め数式化した無音区間音声品質推定モデルを用いて、前記無音区間データ損失率を入力として、無音区間音声品質を推定する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする音声品質推定装置。
  5. 請求項4の音声品質推定装置において、
    前記音声品質推定手段は、
    前記有音区間データ損失率を入力として有音区間音声品質を推定する手段と、前記無音区間データ損失率を入力として無音区間音声品質を推定する手段とで算出された音声品質低下量の和を、予め設定した音声データ損失がない時の前記音声品質評価値から減じることで音声品質を推定する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする音声品質推定装置。
  6. 音声通話サービスにおける音声の品質を推定する音声品質推定方法であって、
    パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出し、
    算出された前記データ損失率を入力として、音声品質を推定し、
    推定された前記音声品質を保存する、
    ことを特徴とする音声品質推定方法。
  7. 音声通話サービスにおける音声の品質を推定するプログラムであって、
    パケット解析データを入力として音声データを解析し、データ損失率を算出する機能と、
    算出された前記データ損失率を入力として、音声品質を推定する機能と、
    推定された前記音声品質を保存する機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
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