JP2016139093A - レンズ,遠赤外線レンズ系,撮像光学装置及びデジタル機器 - Google Patents

レンズ,遠赤外線レンズ系,撮像光学装置及びデジタル機器 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、収差補正能力の高いレンズ、そのレンズ2枚構成で良好に収差補正された高性能で安価な遠赤外線レンズ系、それを備えた撮像光学装置及びデジタル機器を提供する。【解決手段】遠赤外線レンズ系LNは、遠赤外線帯で使用されるレンズ系であって、物体側から順に、第1レンズL1と第2レンズL2との2枚のレンズで構成されている。各レンズL1,L2は、波長10μmでの屈折率が2.0より大きく3.9以下の無機材料からなるレンズコアと、そのレンズコアを覆う樹脂材料からなる被覆層と、を有する。レンズコアのレンズ面を構成する少なくとも片面は球面からなり、その球面上に設けられている被覆層の表面が非球面からなり、被覆層の厚さが、最も薄いところで0.01mm以上であり、最も厚いところで0.7mm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、遠赤外線用のレンズ,遠赤外線レンズ系,撮像光学装置及びデジタル機器に関するものである。例えば、遠赤外線帯(波長8〜12μm帯)で使用される光学素子としてのレンズと、被写体の遠赤外線光学像を形成するための撮影レンズ系としての遠赤外線レンズ系と、遠赤外線レンズ系により得られた遠赤外線映像を遠赤外線センサーで取り込む撮像光学装置と、遠赤外線レンズ系を搭載した画像入力機能付きデジタル機器と、に関するものである。
監視カメラや防犯カメラ等の普及に伴い、遠赤外線を用いる小型で安価な撮影レンズ系が必要とされている。しかし、遠赤外線用の撮影レンズ系に用いられるレンズ材料は、一般的な光学ガラスに比べて高価である。比較的安価なレンズ材料であっても、透過率や加工性が低かったり、潮解性があるため経時的に透過率が低下したりする等の問題がある。これらの問題点を解決するため、様々なタイプの遠赤外線用のレンズやレンズ材料が特許文献1〜4等で提案されている。
特許文献1には、無機結晶材料(潮解性のある物を含む。)を樹脂材料(ポリ塩化ビニリデン,フェノール系樹脂,ベンゼン系樹脂等)でのコーティングにより防湿した光学材料が記載されている。コーティング材料の厚さは0.05〜1μm以下であるが、潮解性のある無機結晶材料を防湿して透過率が低下するのを防ぐことができる。
特許文献2には、500nm以下の粒径の無機結晶材料をポリエチレン樹脂に混合して作製したレンズ基材が記載されている。遠赤外線帯の透過率は、ポリエチレン樹脂では30%程度と低いが、無機結晶材料のNaClやKBrでは95%以上である。このため、無機結晶材料を混合することによって、樹脂だけの材料よりも透過率を高くすることができる。
特許文献3には、GeやNaCl等の無機材料で作られた平板や平凸レンズをポリエチレン等で覆い、その平面上にフレネル面を形成した光学素子が記載されている。表面を覆うポリエチレン等の厚さはλ/4程度であり(λ:波長)、波長10μmでは1.7μm程度である。したがって、無機材料そのものの色分散を改善することはできないが、屈折率が2.0以上の無機材料に対して表面反射を防止する効果がある。フレネル面を用いれば、厚いレンズの面を輪帯に分割することによって厚みを薄く抑えることが可能である。したがって、フレネル面は透過率の低い材料を使ってレンズを作製するのに有効である。
特許文献4には、ZnS製のレンズ又はシリコン製のレンズを母材としてカルコゲナイドガラスを薄くモールド成形し、成形の際に型により回折格子面を表面に形成した一体型の複合レンズが記載されている。成形しやすいカルコゲナイドガラスを使用することにより、加工の難しいシリコンやZnSに光学機能面を付加することが可能となっている。
特開平6−347607号公報 特開2010−204245号公報 US6,441,956 特開2006−220705号公報
特許文献1に記載されているような無機結晶材料は、従来より遠赤外線レンズ系に使われているGe,Si,ZnSe,ZnSと比べて屈折率がかなり低く、また、分散もGeやSiと比べるとかなり大きい。このような光学特性は、レンズ系を設計する上で収差補正には不利に働く。つまり、無機結晶材料に防湿コートを施して潮解性を防止するだけでは、従来のレンズに代えて使用するにはあまりにも収差が大きくなってしまい、レンズ枚数を増やしても収差を十分に補正することができない。また、基板となる結晶材料は加工が難しいため、非球面や回折格子面を作製することは困難である。さらに、過酷な使用条件下での薄い有機材料のコーティングでは、1〜2年程度しか防湿効果が耐久できない可能性もある。
特許文献2に記載のレンズでは、ポリエチレンの中にナノサイズの無機結晶材料(NaClやKBr)を混ぜることにより、ポリエチレンの透過率の低さを無機結晶材料の透過率の高さで改善している。しかし、レンズの加工を考えると、無機結晶材料を70%以上混合することはできない。このため、透過率はせいぜい65%程度までしか上がらず、厚いレンズを作製する場合には問題となる。単レンズとして透過率が80%以上無いと、カメラの撮影レンズ系のようにレンズ複数枚からなる系を構成したとき、全く解像しない状況となる。例えば、屈折率が低いこれらの材料では曲率を大きくするために厚いレンズが必須であるが、厚いレンズを作製すると透過率の低下が問題となる。また、NaClやKBrは粒径が小さいほど吸湿しやすく、より空気の遮断性の高いコーティング層が必要であるため、ポリエチレン等で厚く覆うと透過率が更に低下することになる。
特許文献3に記載のフレネル面では、面の周辺に行くほど面の傾きが大きくなる。これは通常のレンズ面でも同様であるが、フレネル面では周辺の輪帯ほど間隔を狭くする必要があるため加工が難しく、薄くするのにも限界がある。しかも、周辺の面の傾きが大きいことで表面反射率が大きくなるため、材料(ポリエチレン等)の屈折率が小さいにもかかわらず全体の透過率が低下してしまうのを防ぐことはできない。
また、レンズ材料の屈折率が低いことによる曲率の増大は収差の増加を招き、その収差補正効果はレンズ系内のレンズ面の位置によって決まるので、曲率を持つレンズ面を緩くしないと性能向上の効果はあまりない。つまり、無機結晶材料の低い屈折率と大きな分散を補うには、パワー(パワー:焦点距離の逆数で定義される量)が大きく、かつ、収差を大きく発生させる面に補正効果を持たせる必要があり、パワーの小さい面で収差補正しても充分な効果が得られない。したがって、平面にフレネル面や回折格子面を施したのでは不十分であり、そのような光学素子を使ったレンズ系において十分な収差補正を実現することはできない。
特許文献4に記載のカルコゲナイドガラスは、溶融した状態での粘性が高く、モールド成形でも1mm以下の薄さにすることは不可能である。カルコゲナイドガラスはシリコンやゲルマニウムに比べて高分散であり、νの値は40〜100程度である(ν=(N10−1)/(N8−N12),Nλ:波長λμmでの屈折率である。)。高分散の材料を低分散材料に複合させた場合、厚さが1mm以上になってしまうと、母材となるレンズの低分散の性質を打ち消してしまい、回折格子等で色補正を行わなければならなくなる。回折面は理想的な形状の場合、設計波長において最大の回折効率となり、遠赤外線レンズ系の場合は波長10μm付近が回折面の設計波長に選ばれる。設計波長以外では回折効率が低下し、使用波長範囲の広い遠赤外線レンズ系では、最も効率の悪い波長で設計波長の50%から70%程度にまで透過率が低下してしまう。また、加工誤差のため理想的な回折面形状を作製することができないので、更に透過率が低下してしまい問題となる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、収差補正能力の高いレンズ、そのレンズ2枚構成で良好に収差補正された高性能で安価な遠赤外線レンズ系、それを備えた撮像光学装置及びデジタル機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の遠赤外線用のレンズは、遠赤外線帯で使用されるレンズであって、
波長10μmでの屈折率が2.0より大きく3.9以下の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアを覆う樹脂材料からなる被覆層と、を有し、
前記レンズコアのレンズ面を構成する少なくとも片面が球面からなり、
前記球面上に設けられている前記被覆層の表面が非球面からなり、
前記被覆層の厚さが、最も薄いところで0.01mm以上であり、最も厚いところで0.7mm以下であることを特徴とする。
第2の発明の遠赤外線用のレンズは、上記第1の発明において、波長8〜12μmでの分散νを以下の式(FD)で定義すると、前記レンズコアを構成する無機材料の分散νが100よりも大きいことを特徴とする。
ν=(N10−1)/(N8−N12) …(FD)
ただし、
N10:波長10μmでの屈折率、
N8:波長8μmでの屈折率、
N12:波長12μmでの屈折率、
である。
第3の発明の遠赤外線レンズ系は、遠赤外線帯で使用されるレンズ系であって、
物体側から順に、第1レンズと第2レンズとの2枚のレンズで構成され、前記第1レンズと前記第2レンズが2枚とも上記第1又は第2の発明に係るレンズであることを特徴とする。
第4の発明の遠赤外線レンズ系は、上記第3の発明において、以下の条件式(1)を満足し、半画角が30°よりも大きいことを特徴とする。
2.50<f1/f<7.40 …(1)
ただし、
f1:第1レンズの焦点距離、
f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
である。
第5の発明の遠赤外線レンズ系は、上記第3又は第4の発明において、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする。
0.11<f2/f1<0.60 …(2)
ただし、
f1:第1レンズの焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。
第6の発明の遠赤外線レンズ系は、上記第3〜第5のいずれか1つの発明において、前記第1,第2レンズのうち、以下の条件式(3)を満足する少なくとも1つのレンズにおいて、前記被覆層を構成する樹脂材料の波長10μmでの屈折率が1.6よりも大きいことを特徴とする。
(R1+R2)/(R1−R2)≦4.0 …(3)
ただし、
R1:レンズの最も物体側面の曲率半径、
R2:レンズの最も像側面の曲率半径、
である。
第7の発明の遠赤外線レンズ系は、上記第3〜第6のいずれか1つの発明において、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
0.34<D1/f<0.89 …(4)
ただし、
D1:第1レンズの最も物体側面から最も像側面までの軸上の合計芯厚、
f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
である。
第8の発明の遠赤外線レンズ系は、上記第3〜第7のいずれか1つの発明において、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする。
0.2<LB/f<1.1 …(5)
ただし、
LB:第2レンズの最も像側面から像面までの距離を空気換算した長さ、
f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
である。
第9の発明の撮像光学装置は、上記第3〜第8のいずれか1つの発明に係る遠赤外線レンズ系と、撮像面上に形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する遠赤外線センサーと、を備え、前記遠赤外線センサーの撮像面上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように前記遠赤外線レンズ系が設けられていることを特徴とする。
第10の発明のデジタル機器は、上記第9の発明に係る撮像光学装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とする。
第11の発明の遠赤外線用カメラシステムは、上記第3〜第8のいずれか1つの発明に係る遠赤外線レンズ系を備えたことを特徴とする。
本発明の構成を採用することにより、安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、収差補正能力の高いレンズ、そのレンズ2枚構成で良好に収差補正された高性能で安価な遠赤外線レンズ系、それを備えた撮像光学装置及びデジタル機器を実現することができる。そして、本発明に係る遠赤外線レンズ系又は撮像光学装置を、暗視装置,サーモグラフィー,携帯端末,カメラシステム(例えば、デジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ)等のデジタル機器に用いることによって、デジタル機器に対し高性能の遠赤外線画像入力機能を安価でコンパクトに付加することが可能となる。
遠赤外線用のレンズの作製工程例を断面的に示す模式図。 第1の実施の形態(実施例1)のレンズ構成図。 実施例1の収差図。 第2の実施の形態(実施例2)のレンズ構成図。 実施例2の収差図。 第3の実施の形態(実施例3)のレンズ構成図。 実施例3の収差図。 第4の実施の形態(実施例4)のレンズ構成図。 実施例4の収差図。 第5の実施の形態(実施例5)のレンズ構成図。 実施例5の収差図。 第6の実施の形態(実施例6)のレンズ構成図。 実施例6の収差図。 遠赤外線レンズ系を搭載したデジタル機器の概略構成例を示す模式図。
以下、本発明に係る遠赤外線用のレンズ,遠赤外線レンズ系,撮像光学装置,デジタル機器等を説明する。本発明に係る遠赤外線用のレンズは、遠赤外線帯で使用されるレンズであって、波長10μmでの屈折率が2.0より大きく3.9以下の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアを覆う樹脂材料からなる被覆層と、を有し、前記レンズコアのレンズ面を構成する少なくとも片面が球面からなり、前記球面上に設けられている前記被覆層の表面が非球面からなり、前記被覆層の厚さが、最も薄いところで0.01mm以上であり、最も厚いところで0.7mm以下であることを特徴としている。
レンズコアは、その形状・材料がレンズの基本となる部分であり、1枚のレンズを考えたとき、コーティング,回折格子,非球面等を構成する薄い材料層を除いたひとまわり小さい部分である。上記遠赤外線用のレンズでは、レンズコアのレンズ面を構成する片面又は両面を球面としている。コバ形状は特に規定していないが、作りやすい形状であればよい。レンズコアの全体を比較的薄く覆う被覆層は、一般的な可視領域の反射防止コートよりも厚く、レンズコアよりも薄いか又は略同じ厚さになっている。ただし、可視領域の反射防止コート等と違ってnmオーダーにはならないのは、波長の長い遠赤外線帯で使用されるためである。
遠赤外線は、主として波長7〜14μmの範囲の赤外線である。人や動物の体温は波長8〜12μmの放射光であり、遠赤外線光学系はほとんどが波長8〜12μmで使用される。波長8〜12μm帯の遠赤外線領域は物質の温度を検知できる範囲であり、温度測定,暗闇での人検知,セキュリティ等、応用できるものは多い。
屈折率は、真空に対する物質中の光の進む速度の比であり、可視領域ではd線(587nm)に対して表示される。しかし、この値は遠赤外線領域では意味を持たないので、波長10μmに対する屈折率を代表的に示す場合が多い。例えば、従来より用いられている遠赤外線光学材料の波長10μmでの屈折率は、Ge=4.004、Si=3.418、ZnS=2.200、ZnSe=2.407等である。
波長10μmでの屈折率が3.9よりも大きい無機材料は、ゲルマニウム(Ge,屈折率:4.00)に代表される。Geは屈折率が高く光学的に良好な性能を実現させるには有利であるが、希少な材料であるため大変高価である。Geを含有するほかの光学材料も同様であり、遠赤外線カメラが広く一般に普及していないのは光学材料のコスト高によるところが大きい。
波長10μmでの屈折率が2よりも小さい無機結晶材料としては、塩化ナトリウム(NaCl,屈折率1.49)、臭化カリウム(KBr,屈折率1.52)、これらに類似の結晶材料等が挙げられる。これらの材料は遠赤外線をよく透過し安価であるが、屈折率が約1.5〜1.6前後と低いため収差補正に不利であり、光学性能が十分高いレンズ系を得るためには多くのレンズ枚数が必要となってしまうという欠点がある。
波長10μmでの屈折率が2.0よりも大きい材料を使用することで、レンズのすべての曲率を緩くすることができ、広角で短い焦点距離のレンズ系でも2枚という少ないレンズで球面収差や像面湾曲等、軸上及び軸外の収差を良好に補正することが可能である。また、波長10μmの屈折率が3.9以下の材料を使用することによって、希少原料であるゲルマニウムを含まない安価な材料でレンズ系を製造することができる。
波長10μmでの屈折率が2.0よりも大きく3.9以下である材料の代表的なものとして、シリコン(Si,屈折率:3.4178)が挙げられる。Siは、遠赤外線用の光学材料の中では良好な光学性能を実現できる十分な屈折率を持ち、Geよりも安価である。しかし、非常に硬く融点も高いため、球面レンズ系で使われることが多い。
遠赤外線帯で用いられる樹脂材料としては、ポリエチレン,フッ素系樹脂,ポリオレフィン系樹脂,フェノール系樹脂,ベンゼン系樹脂,塩化ビニリデン等が挙げられる。ごく一般的な樹脂材料が遠赤外線を吸収するのに対し、これらの樹脂材料に限ってはある程度遠赤外線を透過する。しかし、これらの樹脂材料のみで遠赤外線レンズ系を構成しようとした場合、少なくとも数mm〜十数mm位のレンズ厚が必要になるため、波長7〜14μmの透過率は30%を下回ってしまう。樹脂材料を用いれば、非球面や回折格子面等の光学的な機能を持つ面を成形により作製することが可能であるが、これらの光学的な機能面を駆使してレンズ厚を薄くしたとしても、3mm以下にすることはできず、透過率はせいぜい30%を少し超える程度である。
良好な光学性能を持つ遠赤外線レンズ系をより少ない枚数で実現するには、屈折率は高めであるが加工性の悪い材料をレンズコアに用い、レンズコアの片面又は両面を球面にして加工コストを安価にし、レンズコアの表面を樹脂材料で薄く覆って被覆層を構成し、更にレンズコアの球面上の被覆層に非球面を設けたレンズでレンズ系を構成するのが好ましい。その被覆層の厚さは、以下に説明するように、0.01〜0.7mmである。
樹脂材料からなる被覆層の厚さは0.7mm以下であり、好ましくは0.5mm以下である。上述したように被覆層は遠赤外線を吸収しやすいので、十分な性能のレンズ系を得るためには十分薄くしなければならない。また、波長10μmでの屈折率が1.5〜1.7程度であるため、高い屈折率のレンズコアの性能を十分発揮させるには、被覆層はある程度薄くなければならない。
樹脂材料からなる被覆層の厚さは0.01mm以上であり、好ましくは0.018mm以上である。加工コストを低減するためにレンズコアの片面又は両面を球面で作製する場合、光学性能を良好に補正するには、非球面量が使用波長程度の10μm位必要となる。更に十分な非球面の効果を得ようとすれば、これ以上の非球面量が必要となる。また金型等を使って被覆装の表面に非球面を形成する場合高い圧力をかけるため、レンズコアが破損しない程度の被覆層の厚さが必要となる。したがって、球面上に樹脂を薄くコーティングして非球面を形成するには、ある程度の厚みが必要である。
上述した観点から、本発明に係る遠赤外線用のレンズでは、波長10μmでの屈折率が2.0より大きく3.9以下の無機材料からなるレンズコアと、レンズコアを覆う樹脂材料からなる被覆層と、を有するものとし、レンズコアのレンズ面を構成する少なくとも片面を球面で構成し、その球面上に設けられている被覆層の表面を非球面とし、被覆層の厚さが、最も薄いところで0.01mm以上、最も厚いところで0.7mm以下としている。レンズコアが無機材料からなっているため遠赤外線に対して高い透過率が得られ、レンズの大部分を透過率80%以上の安価な材料で構成することで、安価な遠赤外線レンズ系を作製することが可能となる。遠赤外線の硝材は無機材料であれば特定の原子要因による吸収がない限り、すべて透過率の高い材料である。後述する各実施例のように、レンズコアにシリコンを使用した場合、波長9.5μm付近でSiO2由来のナローな吸収があるほかは、波長7〜14μmでの透過率は90%以上であり、波長9.5μm付近を含めた全体でも80%くらいの透過率が得られる。
さらに、コア材料の欠点である加工性の悪さを樹脂材料(例えば有機材料)の成形性の良さで補って非球面を形成することにより、良好な性能のレンズ系を2枚という少ないレンズ枚数で実現することができる。低屈折率樹脂材料を使用すると収差補正に対して不利な影響が生じるが、それを樹脂材料からなる被覆層の厚さを制限することで極限まで減らして、高屈折率であるが高価な従来の材料からなるレンズと同程度の焦点距離のレンズにすることができる。しかも、面周辺の傾きを小さく抑えることができるため、表面反射率を低下させて透過率のより高いレンズにすることができる。
遠赤外線用のレンズ材料として従来より使用されているGeには、屈折率が高いため面の曲率を緩くできるという特長がある。したがって、収差の小さいレンズの作製に有効であるが、前述したように高価である。安価な材料として、NaCl,KCl,KBr,CsI,CsBrが知られているが、屈折率が低く潮解性があるという欠点がある。本発明に係る遠赤外線用のレンズは、レンズコアの材料として屈折率の比較的高い無機材料を用い、その表面を樹脂材料で覆った構成になっているため、樹脂材料のモールドしやすい性質を活かして球面側表面に非球面を施すことにより、良好な収差補正を行うことが可能である。また、被覆層の厚さの規定により、屈折率が低いことの影響を最小限にすることを可能としている。
上記のような構成とすることで、従来の高屈折率材料で作製されたレンズのように高い光学性能を持ちながら、かなり安価で安定した遠赤外線用のレンズを得ることができる。これらのレンズは遠赤外線に対して透過性のある有機材料よりもかなり透過率が高く、透過率の点でも従来の高価な材料のレンズと遜色のない性能が得られる。そして、これらのレンズ2枚で遠赤外線レンズ系を構成することで、高屈折率で高価な材料から構成される従来のレンズ系と遜色のない遠赤外線レンズ系を得ることができる。また、安価なカメラシステムを作製することもできる。安価な遠赤外線レンズ系を実現するにはレンズ枚数が少ないほうがよいが、例えばVGA(画素数640×480程度)やQVGA(画素数320×240程度)の高性能なセンサー用には少なくとも2枚のレンズが必要である。
したがって、前記特徴的構成によると、安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、収差補正能力の高い遠赤外線用レンズと、それを備えた遠赤外線レンズ系及び撮像光学装置を実現することができる。そして、その遠赤外線レンズ系をデジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ等のカメラシステムに用いたり、撮像光学装置を携帯端末,暗視装置,サーモグラフィー等のデジタル機器に用いたりすることによって、高性能の遠赤外線画像入力機能を安価に実現することが可能となり、そのコンパクト化,高性能化,高機能化等に寄与することができる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更に高い光学性能,製造容易性等を達成するための条件等を以下に説明する。
波長8〜12μmでの分散νを以下の式(FD)で定義すると、前記レンズコアを構成する無機材料の分散νが100よりも大きいことが望ましい。
ν=(N10−1)/(N8−N12) …(FD)
ただし、
N10:波長10μmでの屈折率、
N8:波長8μmでの屈折率、
N12:波長12μmでの屈折率、
である。
分散の性質を表す値として、可視光線ではd線のアッベ数νdが用いられる。このアッベ数は、νd=(Nd−1)/(Nf−Nc)で表される(ただし、Nd:d線での屈折率、NfはF線での屈折率、NcはC線での屈折率、である。)。しかし、この値は遠赤外線領域では意味を持たないので、上記遠赤外線用のレンズでは、分散の性質を表す値として、式(FD):ν=(N10−1)/(N8−N12)で表される値νを用いている。この値νが大きいほど色による屈折率の差が小さいので、分散が小さいということになる。例えば、従来より用いられている遠赤外線光学材料の分散は、Ge=750以上、Si=1860、ZnS=23(色消しに使う。)、ZnSe=57(色消しに使う。)等である。
上記のように、各レンズの最も芯厚の大きいレンズ材料は分散νの値が100よりも大きいことが好ましい。このような材料の代表的なものはSiであり、前述したようにν=1860ぐらいである。このような低分散の材料を用いた場合、波長8〜12μm、用途によっては波長7〜14μmと広い波長帯での色補正を行う必要がある遠赤外線レンズ系では、色収差の点でかなり有利な設計が可能となる。高性能なレンズが必要となる用途に対しても、回折格子等による特別な色補正を行うことなく十分な性能のレンズ系を2枚という少ない枚数で得ることが可能となり、レンズユニットを低コスト化することができる。また、SiはGeと比べて原料が安価であるので、更なる低コスト化が可能となる。
分散νが100よりも小さい高分散の材料で構成した場合、色収差補正が不十分となるおそれがある。非球面を多数用いて波長10μmでの収差を小さく抑えても、スポット径が画素ピッチの数倍から十数倍となり、取得できる遠赤外線画像がボケた状態となってしまい、十分な解像力を得ることが困難になる。
また前述したように、レンズコア表面の被覆層の厚さが制限されているので、非常に分散の良いレンズコアの性能を損なうことがない。遠赤外線を透過する樹脂材料の分散νの値は20〜50程度である。このような分散の悪い材料を使っても、レンズコアに分散の良い材料を使用することで、回折格子等の特殊な面を使うことなく良好な性能の遠赤外線レンズ系を得ることが可能である。
図1に、遠赤外線用レンズの作製工程例を断面的に示す。まず、無機材料としてシリコン(Si)を用いて、その結晶に切削や研磨等の加工を施して、図1(A)に示すように両面が球面のレンズ形状を有するレンズコアCRを作製する。レンズ形状は、両凸形状に限らず、正メニスカス形状や負メニスカス形状でもよい。また、心厚は1.5〜4.5mm程度である。
次に、有機材料として高密度ポリエチレンをレンズコアCRにディップコート等でコートして、図1(B)に示すようにレンズコアCR全体を被覆層CT1で10〜700μmの厚さに覆う。面の曲率が平面に近い場合には、スピンコートで高密度ポリエチレンを塗布することも可能である。また、1回のコーティングで10μmに届かない場合には、塗布を複数回繰り返してもよい。ここでは、2回目のコーティングを行う。つまり、被覆層CT1と同じ材料からなる被覆層CT2を被覆層CT1上に設けることにより、図1(C)に示すように、同じ材料からなる2層構造の被覆層CTを作製する。
さらに、コーティングの終わったレンズの表面(ここでは被覆層CT2の表面)に対して、金型で精密形状の成形を施すと、その精密形状がレンズ面に転写されて遠赤外線用のレンズLEが完成する。金型は球面又は非球面を有するものであるが、少なくとも片面は非球面であり、回折格子が施されていてもよい。ポリエチレンのコーティング厚は一般的なコーティング厚と比べて大きいので、最初のコーティングではレンズコアCRに不均一に付いてしまう可能性があるが、1回のコーティングで1層構造の被覆層CTを形成する場合でも、金型を使って後で成形することにより均一なポリエチレン層にすることができる。また、非球面では部分的に不均一な厚みとなるので、非球面を成形するとき、必要に応じて更にポリエチレンを表面に塗布してもよい。
本発明に係る遠赤外線レンズ系は、遠赤外線帯で使用されるレンズ系であって、物体側から順に、第1レンズと第2レンズとの2枚のレンズで構成され、前記第1レンズと前記第2レンズが2枚とも上記遠赤外線用のレンズであることが望ましく、2枚とも正レンズであることが更に望ましい。このような2枚構成の遠赤外線レンズ系において満たすことの好ましい条件等を以下に説明する。
以下の条件式(1)を満足し、半画角が30°よりも大きいことが望ましい。
2.50<f1/f<7.40 …(1)
ただし、
f1:第1レンズの焦点距離、
f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
である。
第1レンズは、焦点距離f1が条件式(1)を満足する構成となっている。この構成は、従来の一般的な正レンズ2枚構成の広角レンズ系と比べて、焦点距離が長い方である。広角なレンズ系では、焦点距離が短くなるとともにレンズバックも短くなってしまう。遠赤外線センサーで安価なものは冷却を必要としない非冷却式がほとんどであるが、感度を上げるために受光面の前を窓材で封止し、窓材と受光面との間を真空にしている。この構造は画素数が少なく画面サイズの小さなセンサーでも同様であるため、小さいセンサーに対するレンズ系ほど、焦点距離と比べて確保しなければならないレンズバックが大きくなってしまう。
上記のように規格化した第1レンズの焦点距離を規定の範囲内に設定することにより、小型のセンサーに対しても十分なバックフォーカスを確保することができるようになり、それととともに、第1レンズで十分な収差補正を行い少ないレンズ枚数で良好な性能を実現することが可能となる。f1/fを条件式(1)の下限よりも大きくすることで、正レンズ2枚構成でもレンズバックを十分確保でき、安価な画面サイズの小さいセンサーにも対応できるようになる。また、歪曲がプラス方向に大きくなったり外向きのコマ収差が発生するのも防ぐことができる。条件式(1)の上限を越えてf1/fが大きくなってしまうと、第2レンズのパワー負担が増加してしまい、球面収差を十分小さく抑えることができなくなる。また、コマ収差が大きく内側に出てしまうおそれがある。
ところで、現在のところ遠赤外線カメラが広く普及していないのは、遠赤外線を透過するレンズ材料が高価な希少原料を含む材料であったり加工が難しい材料であったりして、それらを数枚以上使用したレンズ系にするとコスト高になってしまうからである。最近では遠赤外線センサーの製造技術が進み、安価なサーモパイルや非冷却式マイクロボロメータ等も製造されるようになり、これらと適合するような安価なレンズ系が望まれている。本発明に係る遠赤外線レンズ系では、物体側から順に第1レンズ及び第2レンズの2枚で構成して、少ない枚数のレンズ系とすることにより、レンズ系の加工コストを低減して安価なレンズ系を提供することを可能としている。
また、従来の遠赤外線センサーは、温度分解能を精密に表示することのできる高価なものがほとんどである。このようなセンサーでは、温度分解能を十分に発揮させるため、センサー回りを液体窒素等の冷媒で冷却する必要がある。したがって、冷却するための空間が必要となるので、レンズバックが比較的短くなりやすい広角なレンズ系はほとんど製造されてこなかった。しかしながら、もっと広い視野を見たいというニーズがあり、しかも近年では冷却を必要としないマイクロボロメータ等の非冷却センサーが安価に作製できるようになってきている。このため、半画角ωが30°よりも大きい広角な遠赤外線レンズ系であっても実現は可能である。
第1レンズの焦点距離に関して、以下の条件式(1a)を満たすことが望ましく、条件式(1b)を満たすことが更に望ましい。
2.50<f1/f<6.76 …(1a)
3.73<f1/f<6.01 …(1b)
これらの条件式(1a),(1b)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(1a)、更に好ましくは条件式(1b)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.11<f2/f1<0.60 …(2)
ただし、
f1:第1レンズの焦点距離、
f2:第2レンズの焦点距離、
である。
前述したように、安価で画面サイズが小さい遠赤外線センサーに対しても十分なレンズバックが確保できるように、条件式(1)で第1レンズの焦点距離範囲を規定しているが、広角なレンズ系の場合は同時に第2レンズとの焦点距離の比を考慮しなければ性能が良好で実用性のある光学系を得ることは困難である。第1レンズと第2レンズの焦点距離比を規定する条件式(2)を満たすことにより、広角なレンズ系でも収差補正の負担をそれぞれのレンズで適切に分担し、良好な性能のレンズ系を2枚という少ない枚数で実現することができる。
条件式(2)の上限を越えて、第2レンズの焦点距離が第1レンズの焦点距離と比べて大きくなると、広角なレンズ系とするためには第1レンズと第2レンズとの距離を近づけなければならず、第1レンズと第2レンズとの間に鏡胴部品又は絞りを置く十分な間隔が得られなくなり、レンズ系を構成することが困難になる。また、第1レンズと第2レンズとで同じような高さを光束が通るため、球面収差等の軸上の性能を確保した場合、像面湾曲を十分に補正することが困難になる。逆に、条件式(2)の下限を越えて、第2レンズの焦点距離が第1レンズの焦点距離と比べて小さくなると、レンズ系の全長が大きくなるとともに、第2レンズが軸上光束で大きな球面収差を発生させ、軸外光束を強く内側に屈折させてコマ収差を発生させてしまい、良好な光学性能を得ることが困難になる。
以下の条件式(2a)を満たすことが望ましく、条件式(2b)を満たすことが更に望ましい。
0.12<f2/f1<0.40 …(2a)
0.12<f2/f1<0.25 …(2b)
これらの条件式(2a),(2b)は、前記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(2a)、更に好ましくは条件式(2b)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
前記第1,第2レンズのうち、以下の条件式(3)を満足する少なくとも1つのレンズにおいて、前記被覆層を構成する樹脂材料の波長10μmでの屈折率が1.6よりも大きいことが望ましい。
(R1+R2)/(R1−R2)≦4.0 …(3)
ただし、
R1:レンズの最も物体側面の曲率半径、
R2:レンズの最も像側面の曲率半径、
である。
条件式(3)の(R1+R2)/(R1−R2)は、1枚のレンズの形状を示す「シェイピングファクター」と呼ばれるものであり、レンズ前面(最も物体側面)の曲率半径R1とレンズ後面(最も像側面)の曲率半径R2との関係を示している。符号のプラスマイナスはレンズ面の向きで異なるが、両面の曲率半径が符号も含めて近い場合、メニスカス度の強いレンズとなり、シェイピングファクターの絶対値は大きくなる。これはパワーが弱いことを意味する。逆に、両面の曲率半径が符号も含めて離れている場合、メニスカス度の弱いレンズとなり、シェイピングファクターの絶対値は小さくなる。これはパワーが強いことを意味する。
上記のようなレンズをコーティングする樹脂材料として、比較的屈折率の高いものを用いると、より屈折率の高いレンズコアの光学的特長を活かすことができるようになる。遠赤外線用に使われる樹脂材料は、波長10μmの屈折率が1.5から1.7程度であり、これより大きいものはほとんど存在しない。無機材料が4.0以上の屈折率を持つものも存在することと比べると、収差補正の点では不利である。しかし、そのなかでも屈折率のより高い高屈折率樹脂材料(つまり、屈折率が1.6よりも大きい樹脂材料)を、曲率の強い面を含むレンズに使うことで、レンズコア材料の屈折率と近くなり収差補正に有利となる。また、樹脂材料は透過率が高くても遠赤外線に対する透過率のあまり良くないものが多いが、透過率が多少悪くても片方のレンズにのみ用いることで十分な透過率を確保することができる。
後述する実施例のうち、実施例4の第1レンズL1、実施例5の第2レンズL2、実施例6の第2レンズL2が、高屈折率樹脂材料からなる被覆層でレンズコア表面を覆ったものである。第1レンズに高屈折材料を使用した場合には、像面湾曲を補正し外方向のコマ収差を抑える効果が高くなる。第2レンズに高屈折率材料を使用した場合、球面収差を補正し内向きのコマ収差を抑える効果が高くなる。
以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.34<D1/f<0.89 …(4)
ただし、
D1:第1レンズの最も物体側面から最も像側面までの軸上の合計芯厚、
f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
である。なお、物体側からi番目の軸上面間隔をdiとすると、D1=d1+d2+d3…(第1レンズの軸上芯厚の合計)である。
広角なレンズ系では、軸外光束が大きな角度で入射する第1レンズの厚さが性能に大きく影響するので、本発明に係る遠赤外線レンズ系では、全系の焦点距離で規格化した第1レンズの合計芯厚を所定の範囲内に設定することが好ましく、上記条件式(4)はその範囲を規定している。条件式(4)の下限を越えて第1レンズの芯厚が小さくなると、軸外光束は第1レンズの最も物体側面と最も像側面とで同じような高さで、かつ、よく似た曲率の部分を通過することになるので、第1レンズにより発生する像面湾曲等が十分補正されないまま第2レンズに到達し、最終的に十分良好な収差補正ができず2枚という少ないレンズ枚数で良好な性能を得ることが困難になる。条件式(4)の上限を越えて第1レンズの合計芯厚が大きくなると、最も物体側面から絞りまでの距離が大きくなり、第1レンズの高い位置を軸外光束が通過するため、外方向にコマ収差を発生させてしまい、2枚という少ないレンズ枚数で良好な性能のレンズ系を得ることが困難になる。
以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.2<LB/f<1.1 …(5)
ただし、
LB:第2レンズの最も像側面から像面までの距離を空気換算した長さ、
f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
である。
安価で受光面サイズが小型のセンサーに対しても使用可能な広角レンズ系にすることを考慮すると、前述したとおり、センサーサイズが小型であってもカバーガラス等の構造部品はほぼ同様の構成となっているため、小型センサーでは画面サイズに比べて長いレンズバックが必要となる。条件式(5)を満たすように、全系の焦点距離で規格化したレンズバック(バックフォーカス)を規定の範囲内に設定すれば、像面(センサー面)から第2レンズまでの距離が大きくなりすぎることなく、第2レンズの低い位置をFナンバー光線が通って球面収差が抑えられると同時に、軸外光束に対しても像面湾曲補正を効果的に行うことが可能となる。また、遠赤外線センサーのカバーガラスを挿入するスペースも十分に確保することが可能となる。
条件式(5)の下限を越えてレンズバックが小さくなると、光学部材を極力減らしてもセンサー受光面の前に位置するカバーガラス等を入れるスペースが確保しにくくなり、撮影レンズ系を構成することが困難になる。このとき、センサー受光面周りを真空に密封することができず、センサー自身の熱が雑音として画像に乗ってしまい、鮮明な映像が得られなくなるおそれがある。また、条件式(5)の上限を越えてレンズバックが大きくなると、レンズ全長が大きくなり、それに伴って軸外光束がレンズの高い位置を通り軸外のコマ収差や像面湾曲を十分に補正することが難しくなる。その結果、2枚という少ない枚数で良好なレンズ系を構成することが困難になる。
本発明に係る遠赤外線レンズ系は、遠赤外線用カメラシステムの撮像レンズ系として好適である。前述したように、遠赤外線カメラが普及していない原因の1つにレンズ材料やレンズ加工が高価なことが挙げられる。上記のように簡単な2枚構成のレンズ系とすることで、レンズの加工コスト等が抑えられ安価なレンズシステムを実現することが可能となる。
本発明に係る遠赤外線レンズ系では、レンズコアの球面上に設けられている被覆層の表面が非球面からなっているが、前記第1,第2レンズが有するレンズ面のうちの少なくとも1面に、回折格子を施してもよい。回折格子を設けることにより、軸上色収差等の補正を良好に行うことが可能となる。例えば、ZnSやZnSe等の毒性の強い材料を有機材料で覆って保護し、Ge等に比べて分散が大きいことを補正するために有機材料表面に回折格子を施したレンズを作製することも可能である。ZnSやZnSeは分散が大きいので回折格子は主として色補正のために用い、正レンズを作製するのがよい。回折格子の断面形状としては、バイナリ形状の他にステップ(階段)形状やキノフォームを用いてもよい。なお、レンズコアの屈折率が比較的高いので、他の収差補正の必要性は薄い。
近赤外(800nm〜1μm),中赤外(1〜7μm)で使われる結晶材料のうち、衝撃に弱く加工しにくい材料は、樹脂材料でのコーティングにより保護することが好ましい。これらの結晶材料としては、CaF2(ホタル石),BaF2(フッ化バリウム),MgF2(フッ化マグネシウム)等が挙げられるが、非球面に加工することは困難である。このような材料でも、まず球面のレンズ形状に加工し、全体を樹脂材料で覆い、その表面に非球面を施せばよい。これらの結晶材料は、屈折率が樹脂材料と近いため界面での反射や屈折はほとんど起こらず、結晶材料で非球面を作製した場合とほぼ同じ効果を得ることができる。近赤外から中赤外でも良好に収差補正されたレンズ系が得られる。その際、樹脂材料の透過率が使用波長でどれくらいか注意して厚みを決める必要がある。例えば、樹脂材料のうち比較的屈折率の高い1.67の材料を2枚のレンズのうち片方に用いることが好ましいが、樹脂材料の透過率が十分確保できる場合には2枚のレンズ両方に用いてもよい。
本発明に係る遠赤外線レンズ系では、遠赤外線センサーに付随するカバーガラスとしてシリコン製のものの使用を想定しているが、ゲルマニウム製のものを使用してもよい。また、第2レンズとセンサー用カバーガラスとを一体化したような場合には、第2レンズにカバーガラスと同一の材料を使用してもよく、カバーガラスとは異なる材料を使用し、かつ、第2レンズの像面側を平面にしてカバーガラスと近接させて配置してもよい。
上述したように条件設定された各構成を、単独で又は必要に応じ組み合わせて採用することにより、2枚という少ないレンズ枚数でも軸上光束及び軸外光束に対して積極的な収差補正を行うことができるようになる。このため、良好な収差補正により広角化を高性能化や高精細化と両立させながらレンズ2枚でも達成することが可能となり、新たに製造されてきている安価な遠赤外線センサーにも対応可能となる。したがって、安価でも高性能な遠赤外線レンズ系と、それを備えた撮像光学装置を実現することができる。
遠赤外線レンズ系又は撮像光学装置を、暗視装置,サーモグラフィー,携帯端末,カメラシステム(例えば、デジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ)等のデジタル機器に用いることによって、デジタル機器に対し高性能の遠赤外線画像入力機能を安価でコンパクトに付加することが可能となり、そのコンパクト化,高性能化,高機能化等に寄与することができる。前述したように、遠赤外線カメラが普及していない原因の1つにはレンズ材料やレンズ加工が高価であることが挙げられるので、簡単な2枚構成のレンズ系を遠赤外線レンズ系として用いることにより、レンズの加工コスト等が抑えられ安価なカメラシステムを実現することが可能となる。
本発明に係る遠赤外線レンズ系は、遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器(例えば携帯端末,ドライブレコーダー等)用の撮像光学系としての使用に適しており、これを撮像用の遠赤外線センサー等と組み合わせることにより、被写体の遠赤外線映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する遠赤外線用撮像光学装置を構成することができる。撮像光学装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の遠赤外線光学像を形成する遠赤外線レンズ系と、その遠赤外線レンズ系により形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する遠赤外線センサー(撮像素子)と、を備えることにより構成される。そして、遠赤外線センサーの受光面(すなわち撮像面)上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように、前述した特徴的構成を有する遠赤外線レンズ系が配置されることにより、小型・低コストで高い性能を有する撮像光学装置やそれを備えたデジタル機器を実現することができる。
遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器の例としては、赤外線カメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ,航空機カメラ,デジタルカメラ,ビデオカメラ,テレビ電話用カメラ等のカメラシステムが挙げられ、また、パーソナルコンピューター,暗視装置,サーモグラフィー,携帯用デジタル機器(例えば、携帯電話,スマートフォン(高機能携帯電話),タブレット端末,モバイルコンピューター等の小型で携帯可能な情報機器端末),これらの周辺機器(スキャナー,プリンター,マウス等),その他のデジタル機器(ドライブレコーダー,防衛機器等)等に内蔵又は外付けによりカメラ機能が搭載されたものが挙げられる。これらの例から分かるように、遠赤外線用の撮像光学装置を用いることにより赤外線カメラシステムを構成することができるだけでなく、その撮像光学装置を各種機器に搭載することにより赤外線カメラ機能,暗視機能,温度測定機能等を付加することが可能である。例えば、赤外線カメラ付きスマートフォン等の遠赤外線画像入力機能を備えたデジタル機器を構成することが可能である。
遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器の一例として、図14にデジタル機器DUの概略構成例を模式的断面で示す。図14に示すデジタル機器DUに搭載されている撮像光学装置LUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の遠赤外線光学像(像面)IMを形成する遠赤外線レンズ系LN(AX:光軸)と、遠赤外線レンズ系LNにより受光面(撮像面)SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する遠赤外線センサー(撮像素子)SRと、を備えている。遠赤外線レンズ系LNの像面IM側には、遠赤外線センサーSRのカバーガラス,必要に応じて配置される光学フィルター等が、平行平板(不図示)として位置することになる。この撮像光学装置LUで画像入力機能付きデジタル機器DUを構成する場合、通常そのボディ内部に撮像光学装置LUを配置することになるが、カメラ機能を実現する際には必要に応じた形態を採用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像光学装置LUをデジタル機器DUの本体に対して着脱可能又は回動可能に構成することが可能である。
遠赤外線レンズ系LNは、物体側から順に、第1レンズ及び第2レンズの2枚のレンズで構成された2枚構成の単焦点レンズであり、前述したように、遠赤外線センサーSRの受光面SS上に遠赤外線からなる光学像IMを形成する構成になっている。遠赤外線センサーSRとしては、例えば複数の画素(例えば、数千〜数十万画素)を有し、8〜12μm程度の波長を利用する遠赤外線用のイメージセンサー(サーモセンサー等)が用いられる。遠赤外線レンズ系LNは、遠赤外線センサーSRの光電変換部である受光面SS上に被写体の光学像IMが形成されるように設けられているので、遠赤外線レンズ系LNによって形成された光学像IMは、遠赤外線センサーSRによって電気的な信号に変換される。
遠赤外線センサーSRの具体例としては、焦電センサー,マイクロボロメータ,サーモパイル等が挙げられる。焦電センサーは、チタン酸ジルコン酸鉛等を含むセラミックが温度の変化によって自発分極する焦電効果を使ったものであり、ほとんどの場合単一の受光面を持ち、安価な温度センサーである。マイクロボロメータは、アモルファスシリコンや酸化バナジウム等の感熱材料を微細加工技術によって2次元配列した受光面を持ち、温度上昇によって抵抗値が変化することを検知する温度センサーである。現在使用されている一般的なマイクロボロメータは画素数が80×80,320×240,640×480等である。従来は温度分解能を十分発揮させるため、センサーの周囲を液体窒素等で冷却するものがほとんどであったが、近年では製造技術が進み、冷却しなくてもある程度温度検知能力の高いものが製造されてきている。サーモパイルは、熱を電気エネルギーに変換することのできる熱電対を直列又は並列に並べてセンサー面とした温度センサーで、焦電センサーに次いで安価なものである。
デジタル機器DUは、撮像光学装置LUの他に、信号処理部1,制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5等を備えている。遠赤外線センサーSRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリー3(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号等に変換されたりして他の機器に伝送される(例えば携帯電話の通信機能)。制御部2はマイクロコンピューターからなっており、撮影機能(静止画撮影機能,動画撮影機能等),画像再生機能等の機能の制御;フォーカシングのためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像光学装置LUに対する制御が行われる。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、遠赤外線センサーSRによって変換された画像信号あるいはメモリー3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン),操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
図2,図4,…,図10,図12に、無限遠合焦状態にある遠赤外線レンズ系LNの第1〜第6の実施の形態を光学断面でそれぞれ示す。第1〜第6の実施の形態の遠赤外線レンズ系LNは、物体側より順に、正パワーを有する第1レンズL1と、正パワーを有する第2レンズL2と、からなっており、第1レンズL1及び第2レンズL2はいずれも複合レンズである。複合レンズは、比較的薄い樹脂材料からなる被覆層CTで、無機材料からなるレンズコアCRの全体(レンズのコバ部分まで)が覆われた構成になっているが、有効領域(光軸AXから有効径位置までの範囲)以外の被覆層は光学性能に影響しないため、各レンズ構成図では有効領域以外の被覆層は図示省略している。
第1,第2,第4,第5の実施の形態では、各遠赤外線レンズ系LNの像面IM側に遠赤外線センサーSRの保護用カバーガラスに相当する平行平板PTが配置されている。第3,第6の実施の形態では、第2レンズL2と遠赤外線センサーSRの保護用カバーガラスとが一体化されている。
以下、本発明を実施した遠赤外線レンズ系の構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜6(EX1〜6)は、前述した第1〜第6の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1〜第6の実施の形態を表すレンズ構成図(図2,図4,…,図12)は、対応する実施例1〜6のレンズ断面形状,レンズ配置等の光学構成をそれぞれ示している。
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号i(OB:物面,ST:絞り面,IM:像面),近軸における曲率半径r(mm),軸上面間隔d(mm),設計波長λ0:10μmでの屈折率N10,及び波長8〜12μmでの分散νを示す(無し:空気)。
面番号iに*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
z=(c・h2)/[1+√{1−(1+K)・c2・h2}]+Σ(Aj・hj) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
c:面頂点での曲率(近軸曲率半径rの逆数)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数(Σはjについて4次から∞次の総和を表す。)、
である。
各レンズ等を構成する光学材料の屈折率及び分散データとして、波長10μmでの屈折率N10と、波長8〜12μmでの分散ν=(N10−1)/(N8−N12)と、を以下に示す。なお、像面IMの前の平行平板PTは、遠赤外線センサーSRのシリコン製保護板(カバーガラス)である。
シリコン(Si) …N10=3.4178,ν=1860
ポリエチレン …N10=1.5226,ν=15.10
フッ素系樹脂 …N10=1.6700,ν=22.33
各種データ(スペック)として、設計波長λ0(nm),全系の焦点距離f(mm),Fナンバー(FNO),全長TL(レンズ最前面から像面IMまでの距離,mm)及び半画角ω(°)を示す。また、表1に各実施例の条件式対応値及びその関連データを示し、表2に第1,第2レンズL1,L2の前面及び後面の被覆層の最大樹脂厚(mm)及び最小樹脂厚(mm)をその厚さでの光軸AXからの高さh(R:有効径)と共に示す。なお、光軸AXから有効径Rまでの高さhを[0〜1までの値]×Rで表しているので、高さhの最大値は1.0R、高さhの最小値(光軸AX上)は0.0Rである。
図3,図5,…,図13は、実施例1〜6(EX1〜6)にそれぞれ対応する収差図であり、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。レンズ系が対象とする遠赤外線センサーSRは実施例により異なるため、収差量の目盛はレンズ系の性能に合わせたものとなっている。
球面収差図(A)は、実線で示す設計波長(評価波長)10000nmにおける球面収差量、一点鎖線で示す波長8000nmにおける球面収差量、破線で示す波長12000nmにおける球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図(B)において、破線Tは設計波長10000nmにおけるタンジェンシャル像面、実線Sは設計波長10000nmにおけるサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は半画角ω(ANGLE,°)を表している。歪曲収差図(C)において、横軸は設計波長10000nmにおける歪曲(%)を表しており、縦軸は半画角ω(ANGLE,°)を表している。なお、半画角ωの最大値は、像面IMにおける最大像高Y’(遠赤外線センサーSRの受光面SSの対角長の半分)に相当する。
実施例1(EX1)の遠赤外線レンズ系LN(図2)は、物体側から順に、両面に被覆層を有する正パワーの第1レンズL1と、開口絞りSTと、両面に被覆層を有する正パワーの第2レンズL2と、から構成されている。近軸の面形状で各レンズを見た場合、第1レンズL1は物体側に凸の正メニスカスレンズであり、第2レンズL2は像側に凸の正メニスカスレンズである。第1レンズL1の両面と第2レンズL2の両面は非球面である。第10面と第11面を構成する平行平板PTは、遠赤外線センサーSRに付随の保護用カバーガラスである。
実施例2(EX2)の遠赤外線レンズ系LN(図4)は、物体側から順に、両面に被覆層を有する正パワーの第1レンズL1と、開口絞りSTと、両面に被覆層を有する正パワーの第2レンズL2と、から構成されている。近軸の面形状で各レンズを見た場合、第1レンズL1は物体側に凸の正メニスカスレンズであり、第2レンズL2は両凸の正レンズである。第1レンズL1の両面と第2レンズL2の両面は非球面である。第10面と第11面を構成する平行平板PTは、遠赤外線センサーSRに付随の保護用カバーガラスである。
実施例3(EX3)の遠赤外線レンズ系LN(図6)は、物体側から順に、両面に被覆層を有する正パワーの第1レンズL1と、開口絞りSTと、物体側面に被覆層を有する正パワーの第2レンズL2と、から構成されている。近軸の面形状で各レンズを見た場合、第1レンズL1は両凸の正レンズであり、第2レンズL2は物体側に凸の正メニスカスレンズである。第1レンズL1の両面と第2レンズL2の物体側面は非球面である。第6面から第8面までを構成する第2レンズL2には、遠赤外線センサーSR用のカバーガラスが一体化されている。
実施例4(EX4)の遠赤外線レンズ系LN(図8)は、物体側から順に、両面に被覆層を有する正パワーの第1レンズL1と、開口絞りSTと、両面に被覆層を有する正パワーの第2レンズL2と、から構成されている。近軸の面形状で各レンズを見た場合、第1レンズL1は物体側に凸の正メニスカスレンズであり、第2レンズL2は像側に凸の正メニスカスレンズである。第1レンズL1の両面と第2レンズL2の両面は非球面である。第10面と第11面を構成する平行平板PTは、遠赤外線センサーSRに付随の保護用カバーガラスである。
実施例5(EX5)の遠赤外線レンズ系LN(図10)は、物体側から順に、両面に被覆層を有する正パワーの第1レンズL1と、開口絞りSTと、両面に被覆層を有する正パワーの第2レンズL2と、から構成されている。近軸の面形状で各レンズを見た場合、第1レンズL1は物体側に凸の正メニスカスレンズであり、第2レンズL2は両凸の正レンズである。第1レンズL1の両面と第2レンズL2の両面は非球面である。第10面と第11面を構成する平行平板PTは、遠赤外線センサーSRに付随の保護用カバーガラスである。
実施例6(EX6)の遠赤外線レンズ系LN(図12)は、物体側から順に、両面に被覆層を有する正パワーの第1レンズL1と、開口絞りSTと、物体側面に被覆層を有する正パワーの第2レンズL2と、から構成されている。近軸の面形状で各レンズを見た場合、第1レンズL1は両凸の正レンズであり、第2レンズL2は物体側に凸面を向けた正の平凸レンズである。第1レンズL1の両面と第2レンズL2の物体側面は非球面である。第6面から第8面までを構成する第2レンズL2には、遠赤外線センサーSR用のカバーガラスが一体化されている。
実施例1
単位:mm
面データ
i r d N10 ν
OB INFINITY INFINITY
1* 14.22191 0.100000 1.5226 15.10
2 14.12191 1.500000 3.4178 1860
3 26.10156 0.100000 1.5226 15.10
4* 26.00156 0.545922
5(ST) INFINITY 0.587787
6* -11.63910 0.100000 1.5226 15.10
7 -11.73910 5.000000 3.4178 1860
8 -7.14015 0.100000 1.5226 15.10
9* -7.24015 2.754097
10 INFINITY 1.000000 3.4178 1860
11 INFINITY 0.900000
IM INFINITY 0.000000
各種データ
λ0 10000.0nm
f 4.2998
FNO 1.8000
TL 11.7878
ω 43.0000°
非球面データ
非球面:i=1*
K =-18.158430
A4 = -0.644862E-03
A6 = 0.266056E-04
A8 = 0.773686E-05
A10= -0.294774E-05
非球面データ
非球面:i=4*
K =-50.000000
A4 = -0.126239E-02
A6 = 0.544942E-03
A8 = -0.193078E-03
A10= 0.943235E-05
非球面データ
非球面:i=6*
K = 15.581953
A4 = -0.827233E-02
A6 = -0.405632E-02
A8 = 0.204924E-02
A10= -0.376907E-03
非球面データ
非球面:i=9*
K =-12.328512
A4 = -0.324527E-02
A6 = -0.480705E-06
A8 = 0.154860E-04
A10= -0.654897E-06
実施例2
単位:mm
面データ
i r d N10 ν
OB INFINITY INFINITY
1* 13.15744 0.100000 1.5226 15.10
2 13.05744 1.651328 3.4178 1860
3 17.47125 0.100000 1.5226 15.10
4* 17.37125 2.332330
5(ST) INFINITY 1.162452
6* 24.77130 0.100000 1.5226 15.10
7 24.67130 2.162416 3.4178 1860
8 -9.25400 0.100000 1.5226 15.10
9* -9.35400 0.819559
10 INFINITY 1.000000 3.4178 1860
11 INFINITY 0.900000
IM INFINITY 0.000000
各種データ
λ0 10000.0nm
f 3.5048
FNO 1.8000
TL 9.5281
ω 43.0000°
非球面データ
非球面:i=1*
K = 1.223274
A4 = -0.923286E-03
A6 = 0.230194E-04
A8 = -0.139009E-06
A10= -0.115818E-08
非球面データ
非球面:i=4*
K = 6.121884
A4 = -0.734652E-03
A6 = 0.201799E-04
A8 = 0.316692E-07
A10= -0.855988E-08
非球面データ
非球面:i=6*
K = 50.000000
A4 = 0.234517E-02
A6 = -0.219853E-02
A8 = 0.286905E-03
A10= -0.115304E-04
非球面データ
非球面:i=9*
K = 1.157313
A4 = 0.657767E-02
A6 = -0.244609E-02
A8 = 0.247673E-03
A10= -0.698199E-05
実施例3
単位:mm
面データ
i r d N10 ν
OB INFINITY INFINITY
1* 39.60693 0.100000 1.5226 15.10
2 37.84099 1.500000 3.4178 1860
3 132.96439 0.100000 1.5226 15.10
4* -74.31562 2.114237
5(ST) INFINITY 1.123688
6* 6.43904 0.100000 1.5226 15.10
7 9.49876 6.000000 3.4178 1860
8 1.0E15 0.900000
IM INFINITY 0.000000
各種データ
λ0 10000.0nm
f 3.6325
FNO 1.8000
TL 11.0379
ω 43.0000°
非球面データ
非球面:i=1*
K = 16.143505
A4 = 0.204064E-03
A6 = -0.223411E-04
A8 = 0.807985E-06
A10= -0.930981E-08
非球面データ
非球面:i=4*
K =-48.697510
A4 = 0.670615E-03
A6 = -0.289117E-04
A8 = 0.100785E-05
A10= -0.133182E-07
非球面データ
非球面:i=6*
K = 0.000000
A4 = -0.353136E-02
A6 = 0.317065E-04
A8 = 0.000000E+00
A10= 0.000000E+00
実施例4
単位:mm
面データ
i r d N10 ν
OB INFINITY INFINITY
1* 13.34570 0.100000 1.6700 22.33
2 13.24570 1.500000 3.4178 1860
3 24.67262 0.100000 1.6700 22.33
4* 24.57262 0.584695
5(ST) INFINITY 0.459801
6* -11.71626 0.100000 1.5226 15.10
7 -11.81626 5.000000 3.4178 1860
8 -7.20363 0.100000 1.5226 15.10
9* -7.30363 2.675682
10 INFINITY 1.000000 3.4178 1860
11 INFINITY 0.900000
IM INFINITY 0.000000
各種データ
λ0 10000.0nm
f 4.3011
FNO 1.8000
TL 11.6202
ω 43.0000°
非球面データ
非球面:i=1*
K =-20.544412
A4 = -0.563745E-03
A6 = 0.140882E-04
A8 = -0.937490E-05
A10= -0.637631E-06
非球面データ
非球面:i=4*
K = -9.650146
A4 = -0.181841E-02
A6 = 0.157839E-03
A8 = -0.932152E-04
A10= 0.613617E-05
非球面データ
非球面:i=6*
K = 17.618795
A4 = -0.956305E-02
A6 = -0.330015E-02
A8 = 0.201726E-02
A10= -0.429521E-03
非球面データ
非球面:i=9*
K =-11.726827
A4 = -0.327076E-02
A6 = 0.186078E-04
A8 = 0.151055E-04
A10= -0.655504E-06
実施例5
単位:mm
面データ
i r d N10 ν
OB INFINITY INFINITY
1* 13.15744 0.100000 1.5226 15.10
2 13.05744 1.530806 3.4178 1860
3 16.39283 0.100000 1.5226 15.10
4* 16.29283 2.322649
5(ST) INFINITY 1.216746
6* 178.79265 0.100000 1.6700 22.33
7 178.69265 1.944737 3.4178 1860
8 -6.64235 0.100000 1.6700 22.33
9* -6.74235 0.917302
10 INFINITY 1.000000 3.4178 1860
11 INFINITY 0.900000
IM INFINITY 0.000000
各種データ
λ0 10000.0nm
f 3.2179
FNO 1.8000
TL 9.3322
ω 43.0000°
非球面データ
非球面:i=1*
K = 0.630947
A4 = -0.923430E-04
A6 = 0.127395E-04
A8 = -0.147111E-06
A10= -0.376346E-08
非球面データ
非球面:i=4*
K = 5.215548
A4 = -0.174525E-03
A6 = 0.689998E-05
A8 = -0.421758E-06
A10= -0.106114E-08
非球面データ
非球面:i=6*
K = 50.000000
A4 = -0.103688E-02
A6 = -0.260659E-02
A8 = 0.502069E-03
A10= -0.259026E-04
非球面データ
非球面:i=9*
K = -0.022005
A4 = 0.387988E-02
A6 = -0.206699E-02
A8 = 0.270460E-03
A10= -0.946983E-05
実施例6
単位:mm
面データ
i r d N10 ν
OB INFINITY INFINITY
1* 34.89934 0.100000 1.5226 15.10
2 33.69657 1.500000 3.4178 1860
3 82.42368 0.100000 1.5226 15.10
4* -120.08738 2.114237
5(ST) INFINITY 1.123688
6* 6.98192 0.100000 1.6700 22.33
7 9.23780 6.000000 3.4178 1860
8 INFINITY 0.900000
IM INFINITY 0.000000
各種データ
λ0 10000.0nm
f 3.6014
FNO 1.8000
TL 11.0379
ω 43.0000°
非球面データ
非球面:i=1*
K =-16.455627
A4 = 0.538322E-03
A6 = -0.297063E-04
A8 = 0.715168E-06
A10= -0.635510E-08
非球面データ
非球面:i=4*
K = 50.000000
A4 = 0.758016E-03
A6 = -0.335280E-04
A8 = 0.850851E-06
A10= -0.856451E-08
非球面データ
非球面:i=6*
K = 0.000000
A4 = -0.253484E-02
A6 = 0.809611E-05
A8 = 0.000000E+00
A10= 0.000000E+00
Figure 2016139093
Figure 2016139093
LE 遠赤外線用のレンズ
CR レンズコア
CT 被覆層
DU デジタル機器(カメラシステム)
LU 撮像光学装置
LN 遠赤外線レンズ系
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
ST 開口絞り(絞り)
SR 遠赤外線センサー(撮像素子)
SS 受光面(撮像面)
IM 像面(光学像)
AX 光軸
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部

Claims (11)

  1. 遠赤外線帯で使用されるレンズであって、
    波長10μmでの屈折率が2.0より大きく3.9以下の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアを覆う樹脂材料からなる被覆層と、を有し、
    前記レンズコアのレンズ面を構成する少なくとも片面が球面からなり、
    前記球面上に設けられている前記被覆層の表面が非球面からなり、
    前記被覆層の厚さが、最も薄いところで0.01mm以上であり、最も厚いところで0.7mm以下であることを特徴とするレンズ。
  2. 波長8〜12μmでの分散νを以下の式(FD)で定義すると、前記レンズコアを構成する無機材料の分散νが100よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のレンズ;
    ν=(N10−1)/(N8−N12) …(FD)
    ただし、
    N10:波長10μmでの屈折率、
    N8:波長8μmでの屈折率、
    N12:波長12μmでの屈折率、
    である。
  3. 遠赤外線帯で使用されるレンズ系であって、
    物体側から順に、第1レンズと第2レンズとの2枚のレンズで構成され、前記第1レンズと前記第2レンズが2枚とも請求項1又は2記載のレンズであることを特徴とする遠赤外線レンズ系。
  4. 以下の条件式(1)を満足し、半画角が30°よりも大きいことを特徴とする請求項3記載の遠赤外線レンズ系;
    2.50<f1/f<7.40 …(1)
    ただし、
    f1:第1レンズの焦点距離、
    f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
    である。
  5. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項3又は4記載の遠赤外線レンズ系;
    0.11<f2/f1<0.60 …(2)
    ただし、
    f1:第1レンズの焦点距離、
    f2:第2レンズの焦点距離、
    である。
  6. 前記第1,第2レンズのうち、以下の条件式(3)を満足する少なくとも1つのレンズにおいて、前記被覆層を構成する樹脂材料の波長10μmでの屈折率が1.6よりも大きいことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の遠赤外線レンズ系;
    (R1+R2)/(R1−R2)≦4.0 …(3)
    ただし、
    R1:レンズの最も物体側面の曲率半径、
    R2:レンズの最も像側面の曲率半径、
    である。
  7. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の遠赤外線レンズ系;
    0.34<D1/f<0.89 …(4)
    ただし、
    D1:第1レンズの最も物体側面から最も像側面までの軸上の合計芯厚、
    f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
    である。
  8. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の遠赤外線レンズ系;
    0.2<LB/f<1.1 …(5)
    ただし、
    LB:第2レンズの最も像側面から像面までの距離を空気換算した長さ、
    f:遠赤外線レンズ系全体の焦点距離、
    である。
  9. 請求項3〜8のいずれか1項に記載の遠赤外線レンズ系と、撮像面上に形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する遠赤外線センサーと、を備え、前記遠赤外線センサーの撮像面上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように前記遠赤外線レンズ系が設けられていることを特徴とする撮像光学装置。
  10. 請求項9記載の撮像光学装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とするデジタル機器。
  11. 請求項3〜8のいずれか1項に記載の遠赤外線レンズ系を備えたことを特徴とする遠赤外線用カメラシステム。
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WO2024070644A1 (ja) * 2022-09-27 2024-04-04 コニカミノルタ株式会社 赤外線レンズ、赤外線光学系及び赤外線撮像装置

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