JP2015132710A - 遠赤外線用のレンズ,撮影レンズ系及びカメラシステム - Google Patents

遠赤外線用のレンズ,撮影レンズ系及びカメラシステム Download PDF

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【課題】安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、色収差の小さい高性能のレンズ、それを備えた撮影レンズ系及びカメラシステムを提供する。【解決手段】遠赤外線レンズLEは、波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料からなるレンズコアCRと、レンズコアCRの全体を覆う有機材料からなる被覆層CTと、を有する。レンズコアCRの少なくとも片面が平面でない面からなり、平面でない面に回折格子GRが設けられて、回折格子GRの凹凸が埋まるように被覆層CTでレンズコアCRが覆われている。【選択図】図2

Description

本発明は、遠赤外線用のレンズ,撮影レンズ系及びカメラシステムに関するものであり、例えば、遠赤外線帯(波長8〜12μm帯)で使用される光学素子としての遠赤外線レンズと、撮像素子の受光面上に被写体の遠赤外線光学像を形成するための遠赤外線用撮影レンズ系と、それを搭載した遠赤外線用カメラシステム(例えば、暗視装置,サーモグラフィー等)と、に関するものである。
監視カメラや防犯カメラ等の普及に伴い、遠赤外線を用いる小型で安価な撮影レンズ系が必要とされている。しかし、遠赤外線用の撮影レンズ系に用いられるレンズ材料は、一般的な光学ガラスに比べて高価である。比較的安価なレンズ材料であっても、透過率や加工性が低かったり、潮解性があるため経時的に透過率が低下したりする等の問題がある。これらの問題点を解決するため、様々なタイプの遠赤外線用のレンズやレンズ材料が特許文献1〜4等で提案されている。
特許文献1には、無機結晶材料(潮解性のある物を含む。)を樹脂材料(ポリ塩化ビニリデン,フェノール系樹脂,ベンゼン系樹脂等)でのコーティングにより防湿した光学材料が記載されている。コーティング材料の厚さは0.05〜1μm以下であるが、潮解性のある無機結晶材料を防湿して透過率が低下するのを防ぐことができる。
特許文献2には、500nm以下の粒径の無機結晶材料をポリエチレン樹脂に混合して作製したレンズ基材が記載されている。遠赤外線帯の透過率は、ポリエチレン樹脂では30%程度と低いが、無機結晶材料のNaClやKBrでは95%以上である。このため、無機結晶材料を混合することによって、樹脂だけの材料よりも透過率を高くすることができる。
特許文献3には、ZnS等の無機材料で作られた平板や平凸レンズをポリエチレン等で覆い、その平面上にフレネル面を形成した光学素子が記載されている。表面を覆うポリエチレン等の厚さはλ/4程度であり(λ:波長)、波長10μmでは1.7μm程度である。したがって、屈折率が2.0以上の無機材料に対して表面反射を防止する効果はあるが、無機材料そのものの色分散を改善することはできない。フレネル面を用いれば、厚いレンズの面を輪帯に分割することによって厚みを薄く抑えることが可能である。したがって、フレネル面は透過率の低い材料を使ってレンズを作製するのに有効である。
特許文献4には、ZnSからなる単レンズを数枚有する光学系が記載されている。レンズ表面には回折格子が設けられており、ZnSが光学材料として持つ色分散をその回折格子で補正する構成になっている。
特開平6−347607号公報 特開2010−204245号公報 US6,441,956 特開2007−241032号公報
特許文献1に記載されているような無機結晶材料は、従来より遠赤外線レンズに使われているGe,Si,ZnSe,ZnSと比べて屈折率がかなり低く、また、分散もGeやSiと比べるとかなり大きい。このような光学特性は、レンズ系を設計する上で収差補正には不利に働く。つまり、無機結晶材料に防湿コートを施して潮解性を防止するだけでは、従来のレンズに代えて使用するにはあまりにも収差が大きくなってしまい、レンズ枚数を増やしても収差を十分に補正することができない。また、基板となる結晶材料は加工が難しいため、非球面や回折格子面を作製することは困難である。さらに、過酷な使用条件下での薄い有機材料のコーティングでは、1〜2年程度しか防湿効果が耐久できない可能性もある。
特許文献2に記載のレンズでは、ポリエチレンの中にナノサイズの無機結晶材料(NaClやKBr)を混ぜることにより、ポリエチレンの透過率の低さを無機結晶材料の透過率の高さで改善している。しかし、レンズの加工を考えると、無機結晶材料を70%以上混合することはできない。このため、透過率はせいぜい65%程度までしか上がらない。単レンズとして透過率が80%以上無いと、カメラの撮影レンズ系のようにレンズ複数枚からなる系を構成したとき、全く解像しない状況となる。例えば、屈折率が低いこれらの材料では曲率を大きくするために厚いレンズが必須であるが、厚いレンズを作製すると透過率の低下が問題となる。また、NaClやKBrは粒径が小さいほど吸湿しやすく、より空気の遮断性の高いコーティング層が必要であるため、ポリエチレン等で厚く覆うと透過率が更に低下することになる。
特許文献3に記載のフレネル面では、面の周辺に行くほど面の傾きが大きくなる。これは通常のレンズ面でも同様であるが、フレネル面では周辺の輪帯ほど間隔を狭くする必要があるため加工が難しく、薄くするのにも限界があり、500μm以下にすることは難しい。しかも、周辺の面の傾きが大きいことで表面反射率が大きくなるため、材料(ポリエチレン等)の屈折率が小さいにもかかわらず全体の透過率が低下してしまうのを防ぐことはできない。
また、レンズ材料の屈折率が低いことによる曲率の増大は収差の増加を招き、その収差補正効果はレンズ系内のレンズ面の位置によって決まるので、曲率を持つレンズ面を緩くしないと性能向上の効果はあまりない。つまり、無機結晶材料の低い屈折率と大きな分散を補うには、パワー(パワー:焦点距離の逆数で定義される量)が大きく、かつ、収差を大きく発生させる面に補正効果を持たせる必要があり、パワーの小さい面で収差補正しても充分な効果が得られない。したがって、平面にフレネル面や回折格子面を施したのでは不十分であり、そのような光学素子を使ったレンズ系において十分な収差補正を実現することはできない。
特許文献4に記載の回折格子面を用いる場合、傷等の影響による性能劣化が大きいため、光学系の最前面への使用はなるべく避けなければならない。たとえ最前面に回折格子を施すことが可能であっても、ハードコーティング等を行う必要がある。凹凸のある面にコーティングを行う場合、コーティング材料が面に不均一に付いてしまう懸念がある。特に波長10μmでの回折格子は凹凸が大きく数μm程度もあるので、コーティングが不均一になるのを防ぐことができない。また、ZnSは空気との屈折率差が1以上あるので、回折格子の加工誤差による感度が厳しく、金型等を加工する場合も、レンズを加工する場合も、厳しい精度を満足しなければならない。このような理由により、回折格子を光学系の中で収差補正効果の高い面に採用するのは難しい場合が多い。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、色収差の小さい高性能のレンズ、それを備えた撮影レンズ系及びカメラシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の遠赤外線用のレンズは、遠赤外線帯で使用されるレンズであって、
波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアの全体を覆う有機材料からなる被覆層と、を有し、
前記レンズコアの少なくとも片面が平面でない面からなり、前記平面でない面に回折格子が設けられて、前記回折格子の凹凸が埋まるように前記被覆層で前記レンズコアが覆われていることを特徴とする。
第2の発明の遠赤外線用のレンズは、上記第1の発明において、波長8〜12μmの色分散νを以下の式(1)で定義すると、前記レンズコアを構成する無機材料の色分散νが100以下であることを特徴とする。
ν=(N10−1)/(N8−N12) …(1)
ただし、
N10:波長10μmでの屈折率、
N8:波長8μmでの屈折率、
N12:波長12μmでの屈折率、
である。
第3の発明の遠赤外線用のレンズは、上記第1又は第2の発明において、前記被覆層の厚さが、最も薄いところで10μm以上であり、最も厚いところで500μm以下であることを特徴とする。
第4の発明の遠赤外線用の撮影レンズ系は、2枚以上のレンズからなり、そのうちの少なくとも1枚として、上記第1〜第3のいずれか1つの発明に係るレンズを含むことを特徴とする。
第5の発明の遠赤外線用のカメラシステムは、上記第4の発明に係る撮影レンズ系を備えたことを特徴とする。
本発明の構成を採用することにより、安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、色収差の小さい高性能の遠赤外線用レンズと、それを備えた遠赤外線用の撮影レンズ系及びカメラシステム(例えば、暗視装置,サーモグラフィー等)を実現することができる。そして、本発明に係る撮影レンズ系をデジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ等のカメラシステムに用いたり、本発明に係るカメラシステムを携帯端末等のデジタル機器に用いたりすることによって、高性能の遠赤外線画像入力機能を安価に実現することが可能となる。
遠赤外線レンズの作製工程例を断面的に示す模式図。 レンズコア表面に施された回折格子が被覆層で覆われた遠赤外線レンズの具体例を断面的に示す模式図。 撮影レンズ系の第1の実施の形態(実施例1)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例1の収差図。 撮影レンズ系の第2の実施の形態(実施例2)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例2の収差図。 撮影レンズ系の第3の実施の形態(実施例3)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例3の収差図。 撮影レンズ系の第4の実施の形態(実施例4)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例4の収差図。 撮影レンズ系の第5の実施の形態(実施例5)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例5の収差図。 撮影レンズ系の第6の実施の形態(実施例6)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例6の収差図。 撮影レンズ系の第7の実施の形態(実施例7)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例7の収差図。 撮影レンズ系の第8の実施の形態(実施例8)の光学構成図。 撮影レンズ系の実施例8の収差図。 遠赤外線用カメラシステムの概略構成例を示す模式図。
以下、本発明に係る遠赤外線用のレンズ,撮影レンズ系及びカメラシステム等を説明する。本発明に係る遠赤外線用のレンズは、遠赤外線帯で使用されるレンズであって、波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアの全体を覆う有機材料からなる被覆層と、を有する、光学素子としての遠赤外線レンズである。そして、前記レンズコアの少なくとも片面が平面でない面からなり、前記平面でない面に回折格子が設けられて、前記回折格子の凹凸が埋まるように前記被覆層で前記レンズコアが覆われていることを特徴としている。
レンズコアは、その形状・材料がレンズの基本となる部分であり、1枚のレンズを考えたとき、コーティング等の薄い材料層を除いたひとまわり小さい部分である。上記遠赤外線レンズでは、レンズコアの少なくとも片面を平面でない面、つまり球面,非球面等の曲面とし、少なくとも片面には回折格子を施している。これは、色収差がある状態でも、他の収差をなるべく補正できるようにするためである。なお、コバ形状は特に規定していないが、作りやすい形状であればよい。
レンズコアの全体を比較的薄く覆う被覆層は、一般的な可視領域の反射防止コートよりも厚く、レンズコアよりも薄いか又は略同じ厚さになっている。ただし、可視領域の反射防止コート等と違ってnmオーダーにはならないのは、波長の長い遠赤外線帯で使用されるためである。例えば、遠赤外線10μmに代表される反射防止コートはλ/4ポリエチレンでは約3μm以下である。なお、被覆層を構成する有機材料(例えばポリエチレン)の屈折率は低いので、遠赤外線レンズの反射防止は不要である。
屈折率は、真空に対する物質中の光の進む速度の比であり、可視領域ではd線(587nm)に対して表示される。しかし、この値は遠赤外線領域では意味を持たないので、波長10μmに対する屈折率を代表的に示す場合が多い。例えば、従来より用いられている遠赤外線光学材料の波長10μmでの屈折率は、Ge=4.004、Si=3.418、ZnS=2.200、ZnSe=2.407等である。
分散(色分散)の性質を表す値として、可視光線ではd線のアッベ数νdが用いられる。このアッベ数は、νd=(Nd−1)/(Nf−Nc)で表される(ただし、Nd:d線の屈折率、NfはF線の屈折率、NcはC線の屈折率、である。)。しかし、この値は遠赤外線領域では意味を持たないので、前記遠赤外線レンズでは、分散の性質を表す値として、ν=(N10−1)/(N8−N12)を用いることにする(ただし、N10:波長10μmでの屈折率、N8:波長8μmでの屈折率、N12:波長12μmでの屈折率、とする。)。この値が大きいほど色による屈折率の差が小さいので、分散が小さいということになる。例えば、従来より用いられている遠赤外線光学材料の分散は、Ge=785、Si=1860、ZnS=23(色消しに使う。)、ZnSe=57(色消しに使う。)等である。
遠赤外線は、主として波長7〜14μmの範囲の赤外線である。人や動物の体温は8〜12μmの放射光であり、遠赤外線光学系はほとんどが8〜12μmで使用される。波長8〜12μm帯の遠赤外線領域は物質の温度を検知できる範囲であり、温度測定や暗闇での人検知やセキュリティ等、応用できるものは多い。しかし、現在のところ遠赤外線カメラが広く普及していないのは、遠赤外線を透過するレンズ材料が高価な結晶材料であったり、加工が難しくコスト高になってしまったりするからである。
レンズコアを構成する無機材料としては、カルコゲンを主成分とするカルコゲナイドガラス、無機結晶材料である硫化亜鉛(ZnS)やセレン化亜鉛(ZnSe)等が挙げられる。これらの無機材料は、波長10μmでの屈折率が2.0以上と高く、モールドや焼結等の型を使った成形が可能であり、安価に製造できる可能性がある。しかし、波長8〜12μmに対する色分散が大きいため、単独の材料からなる球面レンズで高性能の遠赤外線用レンズ系を作ることは困難である。色分散を補正するために、逆の色分散を発生させる回折格子をレンズ面に設けたり、回折板をレンズ系の中に挿入したりすることもできるが、回折格子面は表面に凹凸があるため傷等に注意して取り扱わなければならない。このため、組み立て時の取り扱いやカメラ設置後の環境を考えると、レンズ系の最前面や曲率の大きい面への採用は不適当である。また、空気との屈折率差が大きいため、回折格子面の加工精度は大変厳しいものとなってしまうのも否めない。
一方、有機材料のうちポリエチレン等は遠赤外線を透過するものの、内部透過率は3mm厚で30%程度と低く、薄いレンズにしか使用できない。波長10μmでの屈折率も1.5以下であり、波長8〜12μmの色分散νが50以下なので、こちらの材料も単独でレンズ系を作製するのは困難である。
レンズコアの形状を波長10μmでの屈折率が2.0以上の無機材料で作製し、色補正効果の高い曲率のある面に回折格子を施し、更にこの回折格子の凹凸を埋めるようにポリエチレン等の無機材料で全体を覆い、表面をなめらかな面とすることで、波長8〜12μmで色補正されたレンズ系に使用できる単レンズを作製することができる。有機材料の波長10μmでの屈折率はほぼ1.5前後であるので、屈折率2.0以上の材料との組み合わせで十分に効果のある回折格子面とすることができる。また、回折格子面が覆われているので取り扱いもしやすく、界面の屈折率差も0.5程度なので通常の加工精度で回折格子面を作製できる。さらに、コア材料は微量に含まれる不純物や主成分に毒性の強い物が含まれる場合があるが、このような材料でも有機材料で表面を覆うことでレンズ作製後に人体に直接触れるのを防ぐことができる。
波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアの全体を覆う有機材料からなる被覆層と、を有する、光学素子としての前記遠赤外線レンズでは、前述したように、前記レンズコアの少なくとも片面が平面でない面からなり、前記平面でない面に回折格子が設けられて、前記回折格子の凹凸が埋まるように前記被覆層で前記レンズコアが覆われた構成になっている。例えば、波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料で、少なくとも片面が曲面のレンズコアを作製し、レンズコアの曲面表面に回折格子を施し、更に全体を有機材料で覆い凹凸を埋めてなめらかにした構成になっている。
上記の構成を採用すると、型による成形が容易な無機材料を選ぶことで、コスト高にすることなくレンズコア表面の回折格子を作製することができる。また、そのような無機材料は波長8〜12μmの色分散が100以下であるが、回折格子により逆の色収差を出すことで、レンズ単体でも十分に性能の高いものとすることができる。さらに、表面を有機材料で覆いなめらかにすることで回折格子が傷付くのを防ぐことができるため、光学系の中で回折による収差補正効果の高い面に回折格子を採用する自由度が高くなる。また、レンズにコーティングする場合でも、表面がなめらかなのでコーティング材料が不均一になってしまうことがない。無機材料と有機材料との屈折率差は0.5程度なので、回折による効果を充分得られるうえに、回折格子面の誤差感度が過度に高くならず、安定した製造が可能となる。
従来より遠赤外線で使用されてきたレンズ材料Ge,Siは、高価であるが、屈折率が3.0〜4.0と高く、色分散νが700以上と小さいため、面の曲率を緩くでき、結果として、収差の小さいレンズを作製することが可能である。これに対し、ZnSe,ZnS,カルコゲナイドガラスは、型による成形や焼結が可能であるため、コスト高になることなく、比較的自由な形状のレンズを作製することができる。色分散νが100以下と大きいのが欠点であるが、表面に回折格子を施すことにより色収差を補正することができる。さらに、有機材料で回折格子を埋めてなめらかな表面にすることにより、レンズ系の中で収差補正効果の高い面に補正効果を持たせて、取り扱いも容易で加工誤差も抑えられたレンズを作製することができる。例えば球面収差補正に有効な最前面に適用することで、回折格子の形状に崩れや欠けが生じないように、カルコゲナイドガラス等の無機材料の脆さを有機材料でカバーすることができる。
上記のような構成とすることで、従来の高屈折率材料で作製されたレンズのように高い光学性能を持ちながら、かなり安価で安定した遠赤外線レンズを得ることができる。これらのレンズは遠赤外線に対して透過性のある有機材料よりもかなり透過率が高く、透過率の点でも従来の高価な材料のレンズと遜色のない性能が得られる。そして、これらのレンズを少なくとも1枚含むレンズ系を構成することで、高屈折率・低分散で高価な材料から構成される従来のレンズ系と遜色のないレンズ系を得ることができる。また、安価なカメラシステムを作製することもできる。
したがって、前記特徴的構成によると、安価で加工がし易く、遠赤外線の透過率に優れ、色収差の小さい高性能の遠赤外線用レンズと、それを備えた遠赤外線用の撮影レンズ系及びカメラシステム(例えば、暗視装置,サーモグラフィー等)を実現することができる。そして、その撮影レンズ系をデジタルカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ等のカメラシステムに用いたり、遠赤外線用カメラシステムを携帯端末等のデジタル機器に用いたりすることによって、高性能の遠赤外線画像入力機能を安価に実現することが可能となり、そのコンパクト化,高性能化,高機能化等に寄与することができる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更に高い光学性能,製造容易性等を達成するための条件等を以下に説明する。
波長8〜12μmの色分散νを以下の式(1)で定義すると、前記レンズコアを構成する無機材料の色分散νが100以下であることが望ましい。
ν=(N10−1)/(N8−N12) …(1)
ただし、
N10:波長10μmでの屈折率、
N8:波長8μmでの屈折率、
N12:波長12μmでの屈折率、
である。
遠赤外線用の光学材料として、波長10μmでの屈折率が高く、しかも波長8〜12μmの色分散が小さいもの、例えば、ゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)等が知られている。しかし、このような材料は光学的性質が優れているものの、融点が高く、レンズを作製するのに十分な大きさの母材を製造するのにコストがかかってしまう。母材をレンズ形状に加工するのも難しく、コスト高の要因となってしまう。そこで、融点を低くした材料でレンズを製造できれば、コストをある程度抑えることができる。そのように融点を下げられる材料は、波長8〜12μmの色分散がGeやSiと比べると大きく、νが100以下にならざるを得ない。しかしながら、融点の比較的低い材料はレンズの母材を製造する場合も加工をする場合も、型を使って行えるので低コスト化の可能性がある。このような材料を遠赤外線レンズに使うことができれば、安価な遠赤外線カメラの普及につながる。また、型を使って成形できるので、球面以外の形状も比較的コストを上げることなく作製することができ、また、回折格子等を表面に施して色補正されたレンズコアを容易に作製することができる。
前記被覆層の厚さは、最も薄いところで10μm以上であり、最も厚いところで500μm以下であることが望ましい。レンズコアに施した回折格子を保護し、回折格子の凹凸を埋めるには、約10μm程度以上の厚みが被覆層には必要である。被覆層を構成する有機材料は、波長10μmでの屈折率が1.5前後であるので、屈折率2以上のレンズコア材料との屈折率差は約0.5程度である。このとき、回折させるために位相差を与えると凹凸の深さは約10μm程度となるので、これを埋めるための有機材料の厚みはこれ以上でなければならない。しかし、500μmよりも厚いと、遠赤外線の透過率が悪くなってしまい、レンズには向かないものとなる。
レンズコアの回折格子の凹凸を被覆層で埋めるには、金型等を使って表面を成形する必要がある。このとき、ある程度の圧力を掛けて成形することになるが、被覆層があまりにも薄いと、レンズコアが割れないように圧力をかけることが難しくなって成形困難となる。したがって、被覆層には最小10μm程度の厚さが必要となる。
ポリエチレン等の有機材料の波長10μm付近での内部透過率は、厚さ3mm程度で30%位である。撮影した画像の解像力を考えると、全体の透過率は80%程度必要と考えられる。例えば、ZnS等の無機結晶材料(透過率95%)をポリエチレン等の有機材料で覆ったレンズ1枚からなる系を使用する場合、有機材料の厚さは光線の通る距離で最大800μmとしなければならない。1枚のレンズで有機材料の層は2枚あるので、片方を最も薄い10μmの厚さとしても集光する光線が斜めに通過することを考えると、もう片面はせいぜい500μm以下にしなければ透過率を確保することができない。
従来より主に使われてきた材料のうち、Geの分散は800、Siの分散は1600位である。前述したように、分散νは値が大きいほど色による屈折力の差が小さくなることを示している。これらの材料は特殊な場合を除き上記の遠赤外線帯での色補正は考えなくてもよい。ところが、安価な無機材料は分散が大きく色補正を考えなくてはならない。正のパワーの一部を回折格子に持たせることにより、色収差の補正が可能となる。回折格子面は屈折面とは逆に正のパワーを持たせることで負の色収差が発生する。このことを利用すると遠赤外波長帯で分散の大きい無機材料も、表面に回折格子を施し、有機材料で覆うことで分散を小さくすることができる。
後述する実施例では無機材料としてZnS,ZnSe,カルコゲナイドガラスを使用しているが、このほかにダイヤモンド(N10=2.3519,ν=55.85)等も、表面に切削等で回折格子を加工したり微粒子を成形可能な材料に混合する等して回折格子を作製すれば、同様に遠赤外線の透過率が高いので使用することが可能である。被覆層を構成する有機材料の屈折率を調整してN10=1.49程度とすれば、AgCl(N10=1.9803,ν=53.81)も十分な屈折率差があるので使用することができる。近赤外ではLiNbO3(1064nmの屈折率N=2.232)、Ba(Mg,Ta)O 3系透明セラミックス(波長700nmでの屈折率N=2.10)も同様の構成が可能である。また、有機材料としてはポリエチレンのほかに、ポリオレフィン系樹脂,ポリ塩化ビニリデン,フェノール系樹脂,ベンゼン系樹脂等も使用することができる。その際、各有機材料の内部透過率に合わせて最大の厚みを決定することが大切である。
また、GeやSi等の材料からなるレンズの表面に回折格子を施し有機材料で覆うことで、回折格子による屈折力を利用し曲率を緩くして、厚みの薄いレンズを作製することも可能である。これらの材料は高価であったり、加工コストも高くなるが、レンズを薄くして材料費を削減することが可能である。色補正の必要性は少ないがレンズ枚数を減らせる可能性がある。
レンズコア材料の波長10μmでの屈折率と、被覆材料の波長10μmでの屈折率と差は、0.4以上であることが望ましい。コア材料に施した回折格子は、界面との屈折率差及び段差により生じる位相差の効果によって光線を回折させるが、本発明の場合では、コア材料と被覆材料との屈折率差で決まる。コア材料と被覆材料との屈折率差が0.4よりも小さいと、回折効果を生じさせるのに必要な位相差を得るために回折格子の深さが十数μmよりも大きくなり、このような深い回折格子を充分覆いなめらかにするためには、被覆材料は3回以上塗布しなければならず、また型を使って成形する場合の加圧も難しくなる。
遠赤外線用の撮影レンズ系は、2枚以上のレンズからなり、そのうちの少なくとも1枚として、前記遠赤外線レンズを含むことが望ましい。例えば、波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアの全体を覆う有機材料からなる被覆層と、を有する2枚以上のレンズからなり、そのうちの少なくとも1枚として、前記遠赤外線レンズを含むことが望ましい。
前記無機材料は、その表面を覆う被覆層が薄いため、光学的性質のほとんどを決めている。また前記無機材料は、屈折率2.0以上で分散100以下となるものがほとんどなので、SiやGeのように屈折率3以上分散700以上の材料と比較すると、光学性能を良好にするには不利である。それでも材料が安価であり、遠赤外線レンズ系を安く作製したい場合には好適である。このとき、前述したように無機材料の表面に回折格子を施し有機材料で表面を覆うことで単レンズの収差を少なくし、レンズ表面の傷等に対する誤差感度を緩くして、更にこのような単レンズを含む複数の単レンズからなるレンズ系を採用することで、安価な遠赤外線用の撮影レンズ系を良好な収差補正で実現することができる。
上記撮影レンズ系には、前記遠赤外線用レンズのほかに、回折格子や非球面が施されていないレンズを含んでいてもよい。また、回折格子と非球面の両方が同一表面に施された被覆層又はレンズコアを有するレンズを含んでもよく、回折格子,非球面のうちの少なくとも一方が両面に施されたレンズを含んでいてもよい。レンズコア材料は色分散が大きいので回折格子を設ける必要があるが、少ないレンズ枚数で球面収差と像面湾曲両方をバランス良く補正するために、非球面を1面以上設けることが好ましい。
遠赤外線用のカメラシステムは、前記遠赤外線用の撮影レンズ系を備えたものであることが望ましい。前述したように、遠赤外線カメラが普及していない原因の1つとして、レンズ材料やレンズ加工が高価であることが挙げられる。無機材料表面に回折格子を施したレンズコアを有機材料で覆ったレンズを含むレンズ系を採用することによって、安価な撮影レンズ系とカメラシステムを実現することができる。このことによって、これまで遠赤外線カメラが使われてこなかった分野への応用も増加すると考えられる。
図1に、遠赤外線レンズの作製工程例を断面的に示す。まず、無機材料(ZnS,ZnSe,カルコゲナイドガラス等)に切削や研磨等の加工を施して、図1(A)に示すように両面が球面又は非球面のレンズ形状を有するレンズコアCRを作製する。このとき、少なくとも片面には回折格子を施しておく。回折格子のみ、又は回折格子と非球面の両方が施された金型を少なくとも片面に使用すれば、その精密形状をレンズ面に転写することができる。レンズ形状は、両凸形状に限らず、正メニスカス形状や負メニスカス形状でもよい。また、心厚は1.5〜4.5mm程度である。
次に、有機材料として高密度ポリエチレンをレンズコアCRにディップコート等でコートして、図1(B)に示すようにレンズコアCR全体を被覆層CT1で約10μm程度覆う。面の曲率が平面に近い場合には、スピンコートで高密度ポリエチレンを塗布することも可能である。また、1回のコーティングで10μmに届かない場合には、塗布を複数回繰り返してもよい。ここでは、2回目のコーティングを行う。つまり、被覆層CT1と同じ材料からなる被覆層CT2を被覆層CT1上に設けることにより、図1(C)に示すように、同じ材料からなる2層構造の被覆層CTを作製する。
さらに、コーティングの終わったレンズの表面(ここでは被覆層CT2の表面)に対して、金型で精密形状の成形を施すと、その精密形状がレンズ面に転写されて遠赤外線レンズLEが完成する。金型は球面又は非球面を有するものであり、回折格子が施されていてもよい。ポリエチレンのコーティング厚は一般的なコーティング厚と比べて大きいので、最初のコーティングではレンズコアCRに不均一に付いてしまうが、1回のコーティングで1層構造の被覆層CTを形成する場合でも、金型を使って後で成形することにより均一なポリエチレン層にすることができる。また、非球面や回折格子面では部分的に不均一な厚みとなるので、回折格子や非球面を成形するとき、必要に応じて更にポリエチレンを表面に塗布してもよい。
図2に、被覆層CTの表面に回折格子GRが施された遠赤外線レンズLEの具体例を断面的に示す。図2(A)は、パワーの強い凸面の被覆層CT上に回折格子GRが設けられた遠赤外線レンズLEを示しており、図2(B)はその要部Pを拡大して示している。回折格子GRは、金型により形成された表面レリーフ状の回折格子面である。回折格子GRの断面形状は、図2(B)に示すバイナリ形状に限らない。例えば、ステップ(階段)形状やキノフォームを用いてもよい。バイナリ型の回折格子は加工の容易さの点で好ましく、キノフォーム型の回折格子は他の次数の回折の影響を完全になくす上で望ましい。両方の中間的な働きをするもとしては、ステップ(階段)型の回折格子が挙げられる。いずれの場合も回折波長での位相差は、例えば後述する実施例から計算される値とする。また、回折の方向はレンズの屈折力を補助する効果のある同心円タイプが好ましく、球面収差を補正するためには非球面的な同心円タイプが好ましい。
図3,図5,図7,…,図17に、無限遠合焦状態にある遠赤外線用の撮影レンズ系LNの第1〜第8の実施の形態を、光路と共に光学断面でそれぞれ示す。第1,第2の実施の形態の撮影レンズ系LNは第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3との3枚の遠赤外線レンズLEからなっており、第1レンズL1と第2レンズL2との間には絞り(開口絞り)STが配置されている。第3,第4,第7,第8の実施の形態の撮影レンズ系LNは第1レンズL1と第2レンズL2との2枚の遠赤外線レンズLEからなっており、第1レンズL1と第2レンズL2との間には絞りSTが配置されている。第5,第6の実施の形態の撮影レンズ系LNは第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3と第4レンズL4との4枚の遠赤外線レンズLEからなっており、第2レンズL2と第3レンズL3との間には絞りSTが配置されている。なお、各撮影レンズ系LNの像側には、撮像素子(遠赤外センサー)の保護用カバーガラスに相当する平行平板PT(例えば、Ge結晶の平行平板)が配置されている。
第1の実施の形態(図3)では、第1レンズL1の物体側レンズコア面に回折格子が設けられている。第2の実施の形態(図5)では、第1レンズL1の物体側レンズコア面に回折格子が設けられている。第3の実施の形態(図7)では、第1レンズL1と第2レンズL2の各物体側レンズコア面に回折格子が設けられており、第1レンズL1の物体側被覆層表面に非球面が設けられている。第4の実施の形態(図9)では、第1レンズL1の物体側レンズコア面と、第2レンズL2の像側レンズコア面に回折格子が設けられており、第1レンズL1の像側被覆層表面に非球面が設けられている。第5の実施の形態(図11)では、第1レンズL1の像側レンズコア面に回折格子が設けられている。第6の実施の形態(図13)では、第2レンズL2の物体側レンズコア面に回折格子が設けられている。第7の実施の形態(図15)では、第1レンズL1と第2レンズL2の各物体側レンズコア面に回折格子が設けられており、第2レンズL2の像側被覆層表面に非球面が設けられている。第8の実施の形態(図17)では、第1レンズL1と第2レンズL2の各物体側レンズコア面に回折格子が設けられており、第1レンズL1の物体側レンズコア面に非球面が設けられている。
遠赤外線用の撮影レンズ系LNは、遠赤外線用カメラシステム(例えば、暗視装置,サーモグラフィー,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ等)用の撮像光学系としての使用に適しており、これを撮像素子(遠赤外センサー)等と組み合わせることにより、被写体の遠赤外線映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する遠赤外線用撮像光学装置を構成することができる。撮像光学装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の遠赤外線光学像を形成する撮影レンズ系と、その撮影レンズ系により形成された遠赤外線光学像を電気的な信号に変換する撮像素子(遠赤外センサー)と、を備えることにより構成される。そして、撮像素子の受光面(すなわち撮像面)上に被写体の遠赤外線光学像が形成されるように、前述した特徴的構成を有する撮影レンズ系LNが配置されることにより、小型・低コストで高い性能を有する撮像光学装置やそれを備えたカメラシステムを実現することができる。
遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器の例としては、赤外線カメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ,航空機カメラ,デジタルカメラ,ビデオカメラ等のカメラが挙げられ、また、パーソナルコンピュータ,携帯端末(例えば、携帯電話,スマートフォン(高機能携帯電話),モバイルコンピュータ等の小型で携帯可能な情報機器端末),これらの周辺機器(スキャナー,プリンター等),その他のデジタル機器(ドライブレコーダ,防衛機器等)等に内蔵又は外付けされるカメラが挙げられる。これらの例から分かるように、遠赤外線用の撮像光学装置を用いることにより暗視装置を構成することができるだけでなく、その撮像光学装置を各種機器に搭載することにより暗視機能を付加することが可能である。例えば、赤外線カメラ付きスマートフォン等の遠赤外線画像入力機能を備えたデジタル機器を構成することが可能である。
遠赤外線画像入力機能付きデジタル機器の一例として、図19にデジタル機器DUの概略構成例を模式的断面で示す。図19に示すデジタル機器DUに搭載されている撮像光学装置LUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の遠赤外線光学像(像面)IMを形成する撮影レンズ系LN(AX:光軸)と、平行平板PT(撮像素子SRのカバーガラス、必要に応じて配置される光学フィルター等に相当する。)と、撮影レンズ系LNにより受光面(撮像面)SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する撮像素子SRと、を備えている。この撮像光学装置LUで画像入力機能付きデジタル機器DUを構成する場合、通常そのボディ内部に撮像光学装置LUを配置することになるが、カメラ機能を実現する際には必要に応じた形態を採用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像光学装置LUをデジタル機器DUの本体に対して着脱可能又は回動可能に構成することができる。
撮影レンズ系LNは、前述したように、撮像素子SRの受光面SS上に遠赤外線からなる光学像IMを形成する構成になっている。撮像素子SRとしては、例えば複数の画素(数万〜数十万画素)を有し、7〜10μm程度の波長を利用する遠赤外イメージセンサー(サーモセンサー等)が用いられる。撮影レンズ系LNは、撮像素子SRの光電変換部である受光面SS上に被写体の光学像IMが形成されるように設けられているので、撮影レンズ系LNによって形成された光学像IMは、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。
デジタル機器DUは、撮像光学装置LUの他に、信号処理部1,制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5等を備えている。撮像素子SRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリー3(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号等に変換されたりして他の機器に伝送される(例えば携帯電話の通信機能)。制御部2はマイクロコンピュータからなっており、撮影機能(静止画撮影機能,動画撮影機能等),画像再生機能等の機能の制御;フォーカシングのためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像光学装置LUに対する制御が行われる。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像素子SRによって変換された画像信号あるいはメモリー3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン),操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
以下、本発明を実施した遠赤外線用のレンズ及び撮影レンズ系の構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜8(EX1〜8)は、前述した第1〜第8の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1〜第8の実施の形態を表す光学構成図(図3,図5,図7,…,図15,図17)は、対応する実施例1〜8のレンズ構成(レンズ断面形状,レンズ配置等),光路等をそれぞれ示している。
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号(OB:物体面,ST:絞り面,IM:像面),近軸における曲率半径r(mm),軸上面間隔d(mm),材料名(無し:空気)を示す。
面番号に*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
z=(C・h2)/[1+√{1−(1+K)・C2・h2}]+Σ(Ai・hi) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
C:面頂点での曲率(曲率半径rの逆数)、
K:円錐定数、
Ai:i次の非球面係数(Σはiについて4次から∞次の総和を表す。)、
である。
面番号に#が付された面は回折格子面であり、その回折構造は、非球面と同様に面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(DS)で定義される。回折格子は光軸に対して回転対称な格子であって、波長10μmに対する1次の回折が使用され、形状は波長10μmに対する位相差Pzで与えられる(つまり、無機材料と有機材料との屈折率差に対して位相として換算される。)。回折格子面データとして、回折次数,回折波長及び位相係数を示す。なお、各実施例の回折格子面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
Pz=Σ(Bj・hj) …(DS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
Pz:位相差、
Bj:j次の位相係数(Σはjについて2次から∞次の総和を表す。)、
である。
各レンズ等を構成する光学材料の屈折率及び分散データとして、波長10μmに対する屈折率N10と、波長8〜12μmに対する分散ν=(N10−1)/(N8−N12)を以下に示す(N8:波長8μmに対する屈折率,N12:波長12μmに対する屈折率)。なお、像面IMの前の平行平板PTは遠赤外センサーの保護板であり、Ge(ゲルマニウム)で構成されている。
PE(ポリエチレン) … N10=1.5226,ν=15.10
ZnS(硫化亜鉛) … N10=2.20017,ν=22.83
ZnSe(セレン化亜鉛) … N10=2.40651,ν=57.39
カルコゲナイドガラス … N10=2.724,ν=46.59
Ge(ゲルマニウム) … N10=4.004312,ν=784.54
スペックとして、設計波長(nm),全系の焦点距離(f,mm),Fナンバー(FNO),全長(mm)及び半画角(°)を示す。また表1に、第1〜第4レンズL1〜L4の焦点距離(f1〜f4,mm;波長10μm)と、有機材料(PE)からなる被覆層の最小厚さ及び最大厚さ(μm)と、を示す。
図4,図6,図8,…,図16,図18は、実施例1〜8(EX1〜8)にそれぞれ対応する収差図であり、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。球面収差図は、実線で示す設計波長(評価波長)10000nmにおける球面収差量、一点鎖線で示す波長8000nmにおける球面収差量、破線で示す波長12000nmにおける球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図において、破線Tは設計波長10000nmにおけるタンジェンシャル像面、実線Sは設計波長10000nmにおけるサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は半画角ω(ANGLE,°)を表している。歪曲収差図において、横軸は設計波長10000nmにおける歪曲(%)を表しており、縦軸は半画角ω(ANGLE,°)を表している。なお、半画角ωの最大値は、像面IMにおける最大像高Y’(撮像素子SRの受光面SSの対角長の半分)に相当する。
実施例1
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 20.19385 0.030000 PE
2#: 20.16385 4.000000 ZnS
3: 41.99851 0.010000 PE
4: 41.98851 10.505447
5(ST): ∞ 1.395744
6: -10.77319 0.010000 PE
7: -10.78319 4.000000 ZnS
8: -13.22170 0.010000 PE
9: -13.23170 2.309311
10: 12.43032 0.010000 PE
11: 12.42032 4.486807 ZnS
12: 26.41491 0.010000 PE
13: 26.40491 0.747750
14: ∞ 0.782095 Ge
15: ∞ 3.500000
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 28.3072
半画角ω 15.5000°
回折格子面データ
回折格子面2#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -1.6322E-03
実施例2
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 30.44214 0.030000 PE
2#: 30.41214 2.500000 ZnSe
3: 121.55555 0.010000 PE
4: 121.54555 0.350147
5(ST): ∞ 4.475251
6: -13.70631 0.010000 PE
7: -13.71631 4.000000 ZnSe
8: -15.82775 0.010000 PE
9: -15.83775 12.140952
10: 12.99384 0.010000 PE
11: 12.98384 4.500000 ZnSe
12: 16.99727 0.010000 PE
13: 16.98727 1.405227
14: ∞ 0.782095 Ge
15: ∞ 3.500000
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 30.2337
半画角ω 15.5000°
回折格子面データ
回折格子面2#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -1.0190E-03
実施例3
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1*: 19.08103 0.030000 PE
2#: 19.70665 4.000000 ZnS
3: 30.99180 0.010000 PE
4: 30.98180 2.206407
5(ST): ∞ 12.968787
6: 12.89148 0.015000 PE
7#: 12.88148 4.500000 ZnS
8: 20.53514 0.010000 PE
9: 20.52514 1.103315
10: ∞ 0.782095 Ge
11: ∞ 3.500000
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 25.6256
半画角ω 15.5000°
非球面データ
非球面1*:
K : 0.000000
A4 :-0.142332E-04
A6 : 0.000000E+00
A8 :-0.141455E-08
A10: 0.472380E-10
A12:-0.407327E-12
A14: 0.000000E+00
A16: 0.000000E+00
A18: 0.000000E+00
回折格子面データ
回折格子面2#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -1.4106E-03
回折格子面データ
回折格子面7#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -3.4382E-03
実施例4
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 21.08517 0.030000 PE
2#: 21.05517 2.500000 ZnSe
3: 33.41341 0.030000 PE
4*: 36.09034 2.492611
5(ST): ∞ 14.423884
6: 13.09904 0.010000 PE
7: 13.08904 4.500000 ZnSe
8#: 21.06984 0.015000 PE
9: 21.05984 1.136506
10: ∞ 0.782095 Ge
11: ∞ 3.500000
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 25.9201
半画角ω 15.5000°
非球面データ
非球面4*:
K : 0.000000
A4 : 0.000000E+00
A6 : 0.118692E-05
A8 :-0.259263E-07
A10: 0.182250E-09
回折格子面データ
回折格子面2#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -8.1083E-04
回折格子面データ
回折格子面8#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : 1.7006E-06
実施例5
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 18.77085 0.010000 PE
2: 18.76085 4.000000 ZnS
3#: 48.11966 0.030000 PE
4: 48.08966 0.100000
5: 7.58651 0.010000 PE
6: 7.57651 2.709265 ZnS
7: 5.52756 0.010000 PE
8: 5.51756 2.879166
9(ST): ∞ 1.837670
10: -14.34152 0.010000 PE
11: -14.35152 4.000000 ZnS
12: -19.81067 0.010000 PE
13: -19.82067 3.126104
14: 12.97088 0.010000 PE
15: 12.96088 2.500000 ZnS
16: 44.96969 0.010000 PE
17: 44.95969 0.542819
18: ∞ 0.782095 Ge
19: ∞ 3.500744
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 22.5771
半画角ω 15.5000°
回折格子面データ
回折格子面3#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -2.8600E-03
実施例6
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 27.72497 0.010000 PE
2: 27.71497 3.633438 ZnS
3: 87.66380 0.030000 PE
4: 87.63380 8.201455
5: 10.38744 0.030000 PE
6#: 10.35744 2.506764 ZnS
7: 7.93710 0.010000 PE
8: 7.92710 1.315961
9(ST): ∞ 1.747418
10: -10.68043 0.010000 PE
11: -10.69043 4.000000 ZnS
12: -12.70266 0.010000 PE
13: -12.71266 2.749566
14: 14.15496 0.010000 PE
15: 14.14496 4.500000 ZnS
16: 62.58444 0.010000 PE
17: 62.57444 0.674060
18: ∞ 0.782095 Ge
19: ∞ 3.769242
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 30.2308
半画角ω 15.5000°
回折格子面データ
回折格子面6#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -5.2854E-03
実施例7
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 22.26511 0.030000 PE
2#: 22.23511 2.500000 カルコゲナイド
3: 32.25738 0.010000 PE
4: 32.24738 1.005229
5(ST): ∞ 16.075553
6: 13.45494 0.015000 PE
7#: 13.44494 2.500000 カルコゲナイド
8: 19.01419 0.030000 PE
9*: 24.82645 1.763135
10: ∞ 0.782095 Ge
11: ∞ 3.500000
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 24.7110
半画角ω 15.5000°
非球面データ
非球面9*:
K : 0.000000
A4 : 0.611954E-03
A6 :-0.191295E-04
A8 : 0.195118E-06
A10: 0.000000E+00
回折格子面データ
回折格子面2#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -1.7588E-03
回折格子面データ
回折格子面7#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -2.0959E-03
実施例8
単位:mm
面データ
面番号 r d 材料名
OB: ∞ ∞
1: 24.84527 0.030000 PE
2*#: 26.13850 4.000000 カルコゲナイド
3: 32.15916 0.010000 PE
4: 32.14916 4.127416
5(ST): ∞ 11.738939
6: 16.20646 0.015000 PE
7#: 16.19646 4.500000 カルコゲナイド
8: 25.60809 0.010000 PE
9: 25.59809 1.310811
10: ∞ 0.782095 Ge
11: ∞ 3.505915
IM: ∞ 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離f 17.6840
FNO 1.1000
全長 26.5243
半画角ω 15.5000°
非球面データ
非球面2*:
K : 0.000000
A4 : 0.321658E-04
A6 :-0.496288E-06
A8 : 0.283047E-08
A10: 0.000000E+00
回折格子面データ
回折格子面2#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -5.2678E-03
回折格子面データ
回折格子面7#:
回折次数: 1.000000
回折波長: 10000.00nm
B2 : -2.5807E-03
Figure 2015132710
LE 遠赤外線レンズ
CR レンズコア
CT 被覆層
GR 回折格子
DU デジタル機器(カメラシステム)
LU 撮像光学装置
LN 撮影レンズ系
L1〜L4 第1〜第4レンズ(遠赤外線レンズ)
ST 絞り
SR 撮像素子
SS 受光面(撮像面)
IM 像面(光学像)
AX 光軸
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部

Claims (5)

  1. 遠赤外線帯で使用されるレンズであって、
    波長10μmに対する屈折率が2.0以上の無機材料からなるレンズコアと、前記レンズコアの全体を覆う有機材料からなる被覆層と、を有し、
    前記レンズコアの少なくとも片面が平面でない面からなり、前記平面でない面に回折格子が設けられて、前記回折格子の凹凸が埋まるように前記被覆層で前記レンズコアが覆われていることを特徴とするレンズ。
  2. 波長8〜12μmの色分散νを以下の式(1)で定義すると、前記レンズコアを構成する無機材料の色分散νが100以下であることを特徴とする請求項1記載のレンズ;
    ν=(N10−1)/(N8−N12) …(1)
    ただし、
    N10:波長10μmでの屈折率、
    N8:波長8μmでの屈折率、
    N12:波長12μmでの屈折率、
    である。
  3. 前記被覆層の厚さが、最も薄いところで10μm以上であり、最も厚いところで500μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ。
  4. 2枚以上のレンズからなり、そのうちの少なくとも1枚として、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズを含むことを特徴とする遠赤外線用の撮影レンズ系。
  5. 請求項4記載の撮影レンズ系を備えたことを特徴とする遠赤外線用のカメラシステム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI614545B (zh) * 2016-04-12 2018-02-11 鏡元科技股份有限公司 大光圈太赫茲-吉赫茲鏡片系統
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TWI647505B (zh) * 2017-12-12 2019-01-11 新鉅科技股份有限公司 四片式紅外單波長投影鏡片組
CN110471173A (zh) * 2019-08-05 2019-11-19 同济大学 一种带衍射面的四反中波红外取景器光学系统
WO2023153242A1 (ja) * 2022-02-09 2023-08-17 Agc株式会社 遠赤外線透過部材、遠赤外線センサ、車載用センサ、スマートフォン搭載用センサ、及びウェアラブル端末用センサ

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