JP2016138889A - 未知の放射線量の迅速な決定装置 - Google Patents

未知の放射線量の迅速な決定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パルス光刺激ルミネセンス技術とバッテリ駆動携帯装置を用いて、光刺激ルミネセンスセンサから放射線量を決定する装置を提供する。
【解決手段】光刺激ルミネセンス(OSL)センサ110を光照射するLED光源134と、前記OSLセンサ110からのルミネセンス光を検出する光検出器156と、前記光検出器で検出された光子パルスを計数するためのパルスカウンタ174とを含み、マイクロプロセッサが、前記LED光源134、前記光検出器156、および前記パルスカウンタ174をオン状態とオフ状態との間で切り替える時期を制御し、マイクロプロセッサが、前記OSLセンサ110の放射線量を、前記パルスカウンタ174によって計数された前記光子パルスに基づいて決定する、携帯装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、未知の放射線量を決定する装置に関する。
関連出願の相互参照
この出願は、Akselrodらの、「未知の放射線量の迅速な決定方法および装置」という名称の2013年6月21日に出願した米国特許出願第13/923,402号に優先権の利益を主張する。この出願は、Akselrodらの「携帯OSLリーダのための新規光学的システム」という名称の米国仮出願第61/663,223号およびDillinらの、「未知の放射線量の迅速な決定方法および装置」という名称の2012年6月22日に出願された米国仮出願第61/663,241号に優先権を主張する。それらの全内容および開示は参照として本明細書に援用される。
光刺激ルミネセンス(OSL)リーダはOSLセンサを読み取るために使用される。OSLセンサは、電離放射線のような放射線に曝露されたOSL材料(OSLM)を含む。パルス化された光刺激ルミネセンス(POSL)操作モードを使用するOSLリーダは、強力なYAGレーザ、線量測定のダイナミックレンジを広げる目的でレーザ光の強度を制御する複雑な光学システム、精巧なゲート制御電子機器、独立型光子計数器およびハードウエアを制御しデータを処理するデータ収集ボードを持つパーソナルコンピュータを必要としてきた。そのようなOSLリーダはMcKeeverらの米国特許第5,892,234号および第5,962,857号、に記載されている。その全内容および開示は参照として本明細書に援用される。
本発明によれば、未知の放射線量を決定する装置が提供される。
最初の広い局面によると、本発明は次の工程を有する方法を提供する:
(a)光刺激ルミネセンス(OSL)センサをLEDからの照明光でマイクロプロセッサの第1のクロックサイクル数に基づく第1の期間にわたって照射する工程と、(b)遅延時間の後で、光検出器が発生させた光子パルスをパルスカウンタを用いて第2の期間にわたって計数する工程と、(c)工程(a)および(b)を第1の所定の計測サイクル数だけ繰り返す工程と、(d)工程(a)および(b)を前記第1の所定の計測サイクル数だけ繰り返した後で、前記マイクロプロセッサが、前記OSLセンサが曝露された1種類の電離放射線についての放射線量を、工程(b)で計数された光子パルスの数に基づいて決定する工程と、(e)前記放射線量をユーザに対して表示し、および/または、前記放射線量を記憶媒体に保存する工程と、を含み、前記OSLセンサによって発せられたルミネセンス光の光子が、前記光検出器によって記録され、前記光検出器が発生させた光子パルスが、前記光検出器によって記録された前記ルミネセンス光の光子に基づき、前記第2の期間が、第3のマイクロプロセッサクロックサイクル数に基づく遅延時間後の第2のマイクロプロセッサクロックサイクル数に基づき、前記遅延時間が、第3のマイクロプロセッサクロックサイクル数に基づき、OSLセンサが、工程(a)の前に、前記1種類の電離放射線の線量を受け、前記ルミネセンス光が、工程(a)に反応して前記OSLセンサによって発せられ、前記パルスカウンタが、前記マイクロプロセッサの一部である、方法。
第2の広い局面によれば、本発明は以下を有する装置を提供する: 光刺激ルミネセンス(OSL)センサを照射するための緑色の照明光を発するためのLED光源と、前記OSLセンサによって発せられた緑色のルミネセンス光を検出するための光検出器と、前記OSLセンサによって発せられ前記光検出器によって計数されたルミネセンス光の光子に基づいて前記光検出器が発生させた光子パルスを計数するためのパルスカウンタと、前記LED光源と前記光検出器と前記パルスカウンタとを制御するためのマイクロプロセッサと、を含み、前記マイクロプロセッサが、前記LED光源、前記光検出器、および前記パルスカウンタをオン状態とオフ状態との間で切り替える時期を制御し、前記パルスカウンタが、前記マイクロプロセッサの一部であり、前記マイクロプロセッサが、前記OSLセンサが曝露された1種類の電離放射線の放射線量を、前記パルスカウンタによって計数された前記光子パルスに基づいて決定する、装置。
本明細書に取り込まれ明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の例となる実施形態を説明する。上記一般的な記載および下記の詳細な記載とともに、本発明を説明するのに役立つ。
図1は、本発明の実施形態に従うOSLリーダの略図である。 図2は、本発明の1つの実施形態に従う未知の放射線線量を決定するための線量決定方法のフローチャートである。 図3は、図3の線量決定方法に使われ得る測定方法を示すフローチャートである。 図4は、本発明の1つの実施形態に従うOSLリーダを示す。 図5は、内部要素を見せるために開けられたOSLリーダのケーシングを伴う図4のOSLリーダを示す。 図6は、OSLリーダの様々な要素を示す、図4のOSLリーダのブロック図である。 図7は、いくつかの測定サイクル中のLEDパルス、時間の遅延および光子計数時間を示すマイクロプロセッサ制御下のPOSLモードで作動するOSLリーダのタイムチャートである。 図8は、典型的なOSL測定中に得られ各々の測定サイクルの蓄積した光子計数データの時間依存性を示すグラフである。 図9は、低線量モードの測定におけるOSL信号の枯渇を説明するグラフであり、読み出し数の関数としてプロットされる。 図10は、高線量モード測定でのOSL信号の減耗(depletion)を示すグラフであり、読み出し数の関数としてプロットされている。
定義
用語の定義は、その用語の一般的に使用されている意味から離れ、他に具体的に指示されて無い限り、出願人が以下で提供した定義を使用することを意図する。
本発明の目的のために、「トップ」、「底」、「より上の」、「より下の」、「上の」、「下の」、「左」、「右」、「水平の」、「垂直の」、「上方の」、「下方の」等のような方向を示す用語は、本発明の様々な実施形態を記載する際に、単に便宜のために使用される。
本発明の目的のために、もし、その値が、その値、特性または他のファクタを用いて数学的計算または論理的決定を行うことにより導き出されたものであれば、値または特性が、特定の値、特性、条件の満足、または他の要素に「基づく」。
本発明の目的のために、用語「Al材料」は、主にAlから構成される物質をいう。Al材料の例は、Al:C(炭素をドープしたAl
本発明のために、用語「コンピュータ」はいかなるタイプのコンピュータ、またはパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ミニ−コンピュータなどのような個々のコンピュータを含む、ソフトウエアを実行する他のデバイスをいう。コンピュータはまた、スマートフォン、電子書籍リーダ、携帯電話、テレビ、ハンドヘルド電子ゲーム機、ビデオゲーム機、MP3プレイヤ、ブルーレイプレイヤ、DVDプレイヤ等のような、圧縮されたオーディオまたはビデオプレイヤのような電子デバイスを言う。さらに、用語「コンピュータ」は、ビジネスでのコンピュータのネットワーク、コンピュータ銀行、クラウド、インターネットなどあらゆるタイプのコンピュータのネットワークをいう。
本発明の目的のために、用語「遅延時間」は、OSLセンサがLEDからの照明光に曝されたときと、光子カウンタがOSLセンサにより発せられたルミネセンス光の光子を計数し始め、光検出器により記録(検出)されたときとの間の時間をいう。ルミネセンス光は、照明光に曝されたOSLセンサに応答して発せられる。該遅延時間は、OSL測定中センサを照らすために使われるLEDライトが完全に減衰することを可能にする。遅延時間があることは重要である。なぜなら、遅延時間は光検出器を光学フィルタを通して漏れる照明光に曝した後リラックスさせることができ、このように光検出器によるルミネセンス光検出の効率を上げる吸収特性と透過特性に関する光学フィルタに対する要求を少なくすることができるためである。
本発明の目的のために、用語「線量測定パラメータ」は、照射された発光材料から得られる発光シグナルの処理から決定される値または数値をいい、この発光材料を含む放射線検出器に吸収された放射線量に直接関係する。
本発明の目的のために、用語「線量測定のダイナミックレンジ」は、リーダソフトウエアとハードウエアによりダイナミックに調整可能な、少なくとも5桁分(数十年分)の線量測定をいう。
本発明の目的のために、用語「ハードウエアおよび/またはソフトウエア」は、デジタルソフトウエア、デジタルハードウエアまたはデジタルハードウエアとデジタルソフトウエアの両方の組合せにより実行されうるデバイスをいう。
本発明の目的のために、用語「重荷電粒子(HCP)」は、陽子と同じかそれより大きい質量を持つ核またはイオンをいう。重荷電粒子のいくつかの代表的な、しかし非限定的な例は、アルファ粒子、トリチウムイオン、陽子、反跳陽子などを含む。
本発明の目的のために、用語「高速」は、5秒未満でOSLリーダにより得られる、OSLセンサのための放射線量測定をいう。
本発明の目的のために、用語「間接電離放射線」は、(X線、ガンマ線のような)電磁放射線または中性子線をいう。
本発明の目的のために、用語「電離放射線」は、分子を正および負に荷電したイオンペアに分解し、または気体、液体または固形物中で原子から電子を除去することができる、あらゆる放射線粒子をいう。本発明は、直接電離放射線と間接電離放射線の両方の線量を決定するために使用され得る。
本発明の目的のために、用語「照射」は、用語「照射」の伝統的な意味をいう。すなわち、高エネルギー荷電粒子、例えば、電子、陽子、アルファ粒子など、または可視光線の波長よりも短い波長の電磁放射線、例えば、ガンマ線、X線、紫外線などへの曝露をいう。
本発明の目的のために、用語「低透過性放射線」は、放射線感知材料または吸収材中で100ミクロン(100μm)未満である透過レンジを持つ重荷電粒子からの放射線をいう。低透過性放射線の例は、アルファ粒子、反跳陽子などである。
本発明の目的のために、「低電力」とは、使い捨てまたは再充電可能なバッテリーのような低電圧で低容量のオンボード電源により提供され得るがこれに限られない、OSLリーダによる低電力消費をいう。
本発明の目的のために、用語「機械で読み取り可能な媒体」は、情報をコンピュータ、ネットワークデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、製造装置、1またはそれ以上のプロセッサのセットを有するあらゆるデバイスなどのような機械によりアクセス可能な形態で情報を記憶するあらゆるメカニズムをいう。例えば、機械で読み取り可能な媒体は、記録可能/記録不可能な媒体(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、バーコード、RFIDタグなどであり得る。
本発明の目的のために、用語「測定サイクル」とは、LED光源のような光源からの励起光の1つのパルスにより励起されるOSLMにより引き起こされるOSLMから発せられるルミネセンス光に基づき放射線量を測定する中でOSLリーダにより行われる操作期間をいう。
本発明の目的のために、用語「マイクロプロセッサ」は、集積回路チップ上に含まれるコンピュータプロセッサをいう。そのようなプロセッサはまたメモリと関連回路を含み得る。マイクロプロセッサはさらに選択された機能、コンピュータの方法、スイッチングなどを実行または制御するためのプログラムされた指示を含み得る。マイクロプロセッサおよび関連するデバイスは、サイプレスセミコンダクタ社、IBM社、アプライドマイクロシステムズ社、インテル社、マイクロチップテクノロジー社、ARM社などを含み、これらに限られない多数のソースから商業的に利用可能である。
本発明の目的のために、用語「通常の測定サイクル数」は、OSLリーダがOSLセンサのために放射線量を測定するのに高線量モードを使用するときに、OSLリーダにより使用される測定サイクルの数をいう。本発明の1つの実施形態においては、OSLリーダが、OSLセンサのために放射線量を決定するために高線量モードまたは低線量モードを使用すべきかを決定するために、OSLリーダーが試験測定を行うとき、試験測定は、通常の測定サイクル数よりも少ない測定サイクル数のために高線量モードで行われる。
本発明の目的のために、用語「オンボード」は、OSLリーダの物理的部分であるデバイスまたは要素をいう。
本発明の目的のために、用語「オン状態」とは、LED源のようなデバイスが点灯していることことをいう。
本発明の目的のために、用語「オフ状態」とは、LED光源のようなデバイスが消灯していることをいう。
本発明の目的のために、用語「OSLM」とは,OSL材料、すなわち、その放射線への曝露により光刺激ルミネセンス技術を用いて決定され得る材料をいう。Al:CのようなAl材料は、OSLMの一つの例である。Al材料が受けた放射線曝露の量は、レーザまたは発光ダイオード光源のいずれかからの緑色光によりAl材料を励起することにより測定し得る。結果として出てくるAlから発せられる青色光は、放射線への曝露量と励起光の強度に比例する。高エネルギー光子および低エネルギー光子ならびにβ粒子はこの技術で測定され得る。OSL材料とシステムについてのより詳しい情報については以下を参照のこと:Millerに発行された米国特許番号5731590;Akselrodに発行された米国特許番号6846434;Schweitzerらに発行された米国特許第6198108号;Yoderらに発行された米国特許第6127685号; Akselrodらにより出願された米国特許出願第10/768094号;これら全ては参照により全体として本明細書に援用される。また、以下を参照:Optically Stimulated Luminescence Dosimetry, Lars Botter- Jensen et al., Elesevier (2003); Klemic, G., Bailey, P., Miller, K., Monetti, M. External radiation dosimetry in the aftermath of radiological terrorist event, Rad. Prot. Dosim., 120 (1-4): 242-249 (2006); Akselrod, M. S., Kortov, V. S., and Gorelova, E. A., Preparation and properties of AL2O3:C, Radiat. Prot. Dosim. 47, 159-164 (1993); および Akselrod, M. S., Lucas, A. C, Polf, J. C, McKeever, S. W. S. Optically stimulated luminescence of Al2O3:C, Radiation Measurements, 29, (3-4), 391-399 (1998)、これら全ては参照により全体として本明細書に援用される。
本発明の目的のために、用語「OSLリーダ」は、OSLセンサ中のOSLMを励起して発光させる波長の光を発するデバイスをいう。特定の励起型(特定の波長と強度の継続的な励起と、様々なパルス幅、パルス周波数、パルス波形およびパルス間の時間でパルス励起)の下で、発せられたルミネセンス光の強度は、約0.01mGy(1mrad)から約100Gy(10,000rad)を超えるまでの範囲で放射線曝露に比例する。
本発明の目的のために、用語「OSLセンサ」は、OSLMから製造されるか、またはOSLMを含む放射線センサをいう。OSLセンサはOSLリーダを用いて読まれ得る。1つまたはそれ以上のOSLセンサは放射線線量計および/または線量計スレッドの一部であり得る。OSLセンサを含む放射線線量計および線量計スレッドの例は、Yoderらの「線量計スレッド」というタイトルの、2013年2月12日に発行された米国特許第8373142号に記載され、示されている。
本発明の目的のために、用語「透過光子放射線」は、例えば、X線装置または加速器中の放射性核の崩壊、宇宙に起因し、または荷電粒子の加速または減速により生じ得るような、10keVと同じかより大きいエネルギーを有する短波長の電磁放射線をいう。
本発明の目的のために、用語「透過β線」は、放射性核の崩壊、宇宙に起因し、または原子の放射線に誘導されるイオン化または電場中の加速により作られ得るような、10keVと同じか、より大きいエネルギーを持つ電子をいう。
本発明の目的のために、用語「光子パルス」は、光電子増倍管(PMT)により計数されるルミネッセント光の光子に基づいて、PMTにより生成されるパルスをいう。本発明の1つの実施形態では、これらの光子パルスはマイクロプロセッサのパルスカウンタにより計数される。
本発明の目的のために、用語「プロセッサ」は、例えば、指示を実行し、論理を実行し、値を計算しおよび記憶することなどができるデバイスをいう。プロセッサの例は、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央プロセシングユニット、マイクロプロセッサ(例えば、インテル社およびAMD社などから商業的に利用可能なマイクロプロセッサ)を含み得る。
本発明の目的のために、用語「パルス光刺激ルミネセンス」は、レーザ光またはLED光のような光の短い(発光ライフタイムより短い)パルスの連続する流れを用いてOSLセンサ中のOSL材料を励起し、OSLセンサから発せられた、流れ中のパルス間のみの、各々の励起パルスの後の一定の遅延を伴う光を計測することにより、OSLセンサを読みとる技術をいう。パルス光刺激ルミネセンス(POSL)技術は、相対的に長寿命発光(すなわち数十マイクロ秒から数十ミリ秒)を有するOSL材料を有するOSLセンサの読み取りに使われ得る。POSLの重要な要素は、レーザまたはLEDのパルス幅の選択である。パルス幅は、OSL材料からのOSL発光の寿命よりも顕著に短い。
本発明の目的のために、用語「放射線量」は、OSLセンサが曝露された特定のタイプの放射線の放射線量の値をいう。
本発明の目的のために、「放射線量測定」とは、用語「放射線量測定」の従来的な意味、すなわち、物質、対象または個人の体に吸収された放射線量の量の測定をいう。
本発明の目的のために、用語「放射線感知材料」とは、放射線センサ中の放射線を感知するために使われる物質をいう。放射線感知材料の例としては、OSLセンサのための光学的に励起された発光物質、熱発光線量測定(TLD)センサのための熱発光材料などを含む。
本発明の目的のために、用語「読み取り位置」とは、OSLセンサがOSLリーダにより読み取られることを可能にする、OSLリーダの光学エンジンに対して相対的な位置にあるOSLセンサをいう。
本発明の目的のために、用語「光検出器の飽和」とは、入力光強度のさらなる増加が光検出器の出力シグナルの増加に比例しない光検出器の条件をいう。
本発明の目的のために、用語「記憶媒体」とは、情報のビットを記憶するために使用され得るあらゆる記憶の形態をいう。記憶の例は、MRRAM、MRRAM、ERAM、フラッシュメモリ、RFIDタグ、フロッピー・ディスク、ZIPTMディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、フラッシュメモリ、ハードディスク、光学ディスクなどのような揮発性および不揮発性メモリの両方を含む。
本発明の目的のために、用語「視覚的ディスプレイデバイス」、用語「視覚的ディスプレイ装置」および用語「視覚的ディスプレイ」は、LCDスクリーン、タッチスクリーン、CRTモニタ、LED、投影表示、画像および/またはテキストのような画像をプリントアウトするためのプリンタなどのようなあらゆるタイプの視覚的ディスプレイデバイスまたは装置をいう。視覚的ディスプレイデバイスは、例えば、コンピュータモニタ、テレビ、プロジェクタ、携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルド音楽および/またはビデオプレイヤ、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯ゲームプレイヤ、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、全地球測位システム(GPS)レシーバ、カーナビゲーションシステム、ダッシュボード、腕時計、電子レンジ、電子オルガン、現金自動預入れ支払機(ATM)などのような他のデバイスの一部であり得る。
(説明)
一実施形態において、本発明は、低電力マイクロプロセッサを装備したバッテリー式の携帯用POSLリーダーを用いた放射線量の迅速な測定のための方法および装置を提供する。本発明の目的は、マイクロプロセッサコマンドの順次実行によりパルス光刺激ルミネセンスを利用して検出器から放射線量を測定することである。これは、従来から開発されているOSLリーダーに対する改良である。
一実施形態において、本発明は、制御およびデータ処理用のPCを必要としない小型でバッテリー式の計測器でPOSL計測を行うことによって、従来のCWリーダーを改良する。計測器は、携帯可能でかつ自蔵式である。従来のリーダーは、操作にデスクトップPCまたはラップトップPCを必要とし、ずっと大型で重量があったため、現場計測が困難または不可能であった。従来のリーダーは、感度および精度がそれほど高くないCWモードを用いていた。
放射線量の現場POSL計測値は、PCや内蔵バッテリー以外の電源を使用せずに測定することができる。計測器は、後でデータベースにアップロードされる多数の計測値を記録するのに用いられ得る。本POSL方法および装置(リーダー)は、同一の検出器を多数回、高いSN比で、1回の読取り当たりの減耗が少なく、かつ高い信頼性で、読み取ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るOSLリーダー102を示す。OSLリーダー102は、光学エンジン104を含む。光学エンジン104は、光学エンジン104の種々の構成要素が上部および内部に搭載された光学エンジンフレーム106を含む。図1において、光学エンジン104は、3つのOSLセンサ、すなわちOSLセンサ110、111、および112を含む線量計スレッド108を読み取るのに用いられるものとして示されている。OSLセンサ110、111、および112は、それぞれのOSLMディスク113、114、および115と、それぞれの反射性裏当て116、117、および118とを含む。OSLMディスク113、114、および115は、それぞれの露出側120、122、および124を有する。線量計スレッド108の各OSLセンサがOSLリーダー102によって読み取られるようにするために、線量計スレッド108を、矢印126で示すように、OSLリーダー102における読取位置128まで移動させる。図1においては、OSLセンサ110が、破線の枠として示す読取位置128にある。LED134からの緑色の刺激光132は、長波長通過フィルタ136を透過してコンデンサレンズ138へ向けられる。長波長通過フィルタ136は、緑色の刺激光132から緑色でない光を除去する。すなわち、長波長通過フィルタ136は、緑色の光を通過させて青色の光を吸収または反射する黄色フィルタである。コンデンサレンズ138は、該コンデンサレンズ138が緑色の刺激光132を集光して平行化するように配置される。緑色の刺激光132は、さらにダイクロイックミラー142を透過する。緑色の刺激光は、集光レンズ146によってさらに集束され、窓148を通って、現在読取位置にあるOSLセンサへと向けられる。読取位置128にあるOSLセンサに緑色の刺激光132が当てられると、該OSLセンサから青色のルミネセンス光152が発せられる。青色のルミネセンス光は、窓148を透過し、集光レンズ146によって集光および集束される。次いで、青色のルミネセンス光152は、ダイクロイックミラー142によって90度の角度で反射され、青色フィルタ154を通過する。青色フィルタ154は、青色のルミネセンス光152から青色でない光を除去する。すなわち、フィルタ154は、青色の光のみを通過させてその他の波長の光を阻止する青色バンドパスフィルタである。青色フィルタ154を通過後、青色のルミネセンス光は、光電子増倍管(PMT)158を内蔵する光検出器156によって記録(検出)される。光子計数モードで動作するPMT158は、OSLセンサにおいて発生し、光学系によって集光され、光検出器によって記録されたルミネセンスを、放射線に誘起された青色のルミネセンス光152として定量化する。光検出器156と正反対の側にフォトダイオード162が位置する。緑色の刺激光132の一部164がダイクロイックミラー142によって反射されてフォトダイオード162によって検出され、それにより、緑色の刺激光132の強度の計測が可能になる。OSLリーダー102は、マイクロプロセッサ166と、視覚的ディスプレイデバイス168と、記憶媒体170と、バッテリー172とを含む。マイクロプロセッサ166は、PMT158によって計数されたルミネセンス光の光子に基づいてPMT158が発生させた光子パルスを計数するパルスカウンタ174を含む。マイクロプロセッサ166は、LED134、光検出器156、フォトダイオード162、視覚的ディスプレイデバイス168、および記憶媒体170と、それぞれ接続176、178、180、182、および184によって示すように、電気通信およびデータ通信する。マイクロプロセッサ166と光検出器156との間の接続178は、光検出器156がパルスカウンタ174と通信するのを可能にする。OSLリーダー102にはさらなる電気および/またはデータ通信接続が存在するが、図示をわかりやすくするためにこれらの電気および/またはデータ接続のうちのいくつかのみを図1に示している。例えば、図1には示されていないが、バッテリー172と、LED134、光検出器156、フォトダイオード162、視覚的ディスプレイデバイス168、および記憶媒体170等のような、OSLリーダー102のバッテリー172によって電力を供給される全ての構成要素との間に、電気接続が存在する。また、記憶媒体170は、マイクロプロセッサ166に加えてOSLリーダー102の他の構成要素と電気および/またはデータ通信し得る。
図1では図示をわかりやすくするために刺激光とルミネセンス光とが平行であるように描かれているが、刺激光とルミネセンス光とは実際には一直線をなしており、刺激光とルミネセンス光の両方がOSLリーダーの窓および集光レンズの中心を通過する。また、刺激光が読取り中のOSLセンサのOSLMディスクの一部のみに及んでいるように描かれているが、刺激光は、OSLMディスクの露出側の全面または一部を照らし得る。さらに、ルミネセンス光が読取り中のOSLセンサのOSLMディスクの一部から発せられているように描かれているが、ルミネセンス光は実際にはOSLMディスクの露出側の一部または全面から発せられ得る。
図1におけるダイクロイックミラーは、LEDから発せられる緑色の刺激光とOSLセンサから発せられる青色のルミネセンス光との両方に対して45度で配置される。
一実施形態において、本発明は、パルス光刺激ルミネセンス(POSL)技術を利用した未知の放射線量の迅速な測定のための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、迅速な順次のコード実行によって計測を行う高速かつ低消費電力のマイクロコントローラ(マイクロプロセッサ)を有するバッテリー式の携帯用OSLリーダーを提供する。
図2は、本発明の一実施形態に係る線量測定方法202つまり未知の放射線量の測定を示す。方法202は、図1のOSLリーダー等のOSLリーダーを用いて工程212から開始される。工程214において、あるOSLセンサの試験計測を高線量モードで20〜100測定サイクル等の少ない所定の測定サイクル数で行う。工程214では、このOSLセンサにOSLリーダーのLED光源からの刺激光のパルスを当て、OSLセンサのOSLMにルミネセンス光の光子を放出させる。これらのルミネセンス光の放出光子は、OSLリーダーの光検出器のPMTによって記録される。PMTは、記録された光子の数に基づいて、OSLリーダーのマイクロプロセッサのパルスカウンタによって計数される光子パルスを発生させる。工程216において、OSLリーダーのマイクロプロセッサは、計数された光子パルスの総数が閾値パラメータよりも少ないかどうかを判定する。光子パルスの総数が閾値パラメータよりも少ない場合、OSLリーダーは、工程222において計測を低線量モードで行う。光子パルスの総数が閾値パラメータ以上である場合、OSLリーダーは、工程224において計測を高線量モードで行う。高線量モードの方が、LEDパルス幅がより短く、パルス間隔すなわちパルス間の時間がより長い。低線量モードの方は、LEDパルス幅がより長く、パルス間隔すなわちパルス間の時間がより短い。放射線量の計測は、特定の期間内に記録される光子の数がPMTのダイナミックレンジに確実に収まるようにするために、高線量モードまたは低線量モードで行われる。例えば、高線量モードにして長い間隔を用いると、所与の期間にわたってPMTによって記録される光子の数がPMTのダイナミックレンジを超えることがない。これに対して、低線量モードにして間隔を短くすると、ある期間にわたってPMTによって記録される光子の数がOSLセンサによって発せられる光子の数に一致し、他の源からの漂遊光子から大きな影響を受けないことが確実になる。計測方法の各工程は、高線量モードでも低線量モードでも基本的に同じであり、図3に示されている。方法302において用いられる特定の閾値パラメータ、高線量モード用のパルス幅およびパルス間隔、ならびに高線量モード用のパルス幅およびパルス間隔は、所要の計測線量範囲、センサにおけるOSL材料の量、所望のOSLセンサ減耗率(depletion rate)、OSLリーダーに用いられるPMTのダイナミックレンジ、使用されるOSLセンサの種類、光学エンジンの設計、光源(LED)の光出力等を含む種々の要因に依存することになる。
図3は、OSLセンサが曝露された放射線量を測定するための本発明の一実施形態に係る計測を行うための方法302を示す。方法302は、高線量モードか低線量モードかのどちらかで行われ得る。方法302の各工程は、図1のOSLリーダー等の、照明光を発生させるためのLED光源と、OSLセンサが照明光を当てられた後に発するルミネセンス光の光子を検出するための光検出器と、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサの一部であるパルスカウンタとを含むOSLリーダーによって行われる。このようなOSLリーダーの一例を図1に示している。工程312において、ユーザが読取位置にあるOSLセンサのOSLリーダーによる読取りを始めることによって、または、OSLリーダーが「エンド(端)スイッチ」もしくは位置センサを用いてOSLセンサが読取位置にあることを感知することによって、方法302が開始される。ユーザは、OSLリーダー上のボタンを押したり、OSLリーダー上のスイッチを入れたり、OSLリーダーのタッチスクリーン等の視覚的ディスプレイ上のメニュー項目を選択したりなどすることによって、OSLセンサの読取りを始め得る。工程314において、マイクロプロセッサは、パルスカウンタから、以前に取得されたデータを全て消去する。工程316において、マイクロプロセッサは、OSLリーダーのLED光源をオンにする命令を実行し、それによって照明光を発生させる。工程318において、OSLセンサに、マイクロプロセッサのために予め定められたマイクロプロセッサクロックサイクル数と等しい第1のパラメータの値によって定められる所定の期間、OSLリーダーからの照明光が照射される。工程320において、マイクロプロセッサは、LED光源をオフにする命令を実行する。工程322において、マイクロプロセッサは、LED光源からの照明が完全に減衰するマイクロプロセッサクロックサイクル数と等しい第2のパラメータの値によって定められる遅延時間を実行する。工程324において、マイクロプロセッサは、マイクロプロセッサクロックサイクル数と等しい第3のパラメータの値によって定められる所定のルミネセンス計数期間にわたって内蔵パルスカウンタを用いて光検出器によって記録された光子の数に基づく光子パルスを計数することを開始させるコマンドを実行する。工程326において、マイクロプロセッサは、内蔵パルスカウンタに光検出器が発生させた光子パルスの計数を停止させるコマンドを実行する。
工程316、318、320、322、324、および326は、全体として、測定サイクル328を構成する。工程332において、マイクロプロセッサは、測定サイクル328が第4のパラメータの値によって定められる所定の回数実施されたかどうかを判定する測定測サイクル328が上記所定の回数実施されていない場合、矢印334で示すように、工程328において測定サイクル328が再び開始される。測定サイクル328が上記所定の回数実施された場合、工程342において、マイクロプロセッサは、所定の測定サイクル数の実行中に蓄積された単一光子パルスの総数を内蔵パルスカウンタから得る。工程344において、マイクロプロセッサは、数学的線量計算アルゴリズムを用いて、内蔵パルスカウンタに記憶された上記単一光子パルスの蓄積数と、OSLリーダーの校正時に決定された第5のパラメータの値および第6のパラメータの値とに基づいて、放射線量の値を計算する。第5のパラメータは、低計測線量範囲における単位放射線量当たりの単一光子パルス数に関する感度であり、OSLリーダー校正手順において放射線の種類ごとに決定される。第6のパラメータは、高計測線量範囲における単位放射線量当たりの単一光子パルス数に関する感度であり、OSLリーダー校正手順において放射線の種類ごとに決定される。低計測線量範囲と高計測線量範囲は、第1のパラメータつまりLEDパルスの持続時間(工程316、318、320)の値と第3のパラメータつまり単一光子を計数する時間(工程324および326)の値と第4のパラメータつまり測定サイクル数の値とによって区別される。2つの線量計測範囲と、第1、第3、および第4のパラメータの2つのセットは、OSLリーダーによって行われる線量計測のダイナミックレンジを拡大し、高い放射線量が照射されたOSLセンサからの高輝度ルミネセンス発光による光検出器(PMT)の飽和を回避し、最終的にはOSLセンサの1回の読取り当たりの減耗量を制御するために用いられる。
工程346において、放射線量の値がユーザに向けて視覚的ディスプレイデバイス上に表示され、かつ/または、放射線量の値が記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、OSLリーダーの一部であってもよく、OSLリーダーに接続された、フラッシュドライブ等の外部記憶媒体であってもよい。
上記各種パラメータの値は、校正試験に基づき得、これらの値は、マイクロプロセッサフラッシュメモリに設定ファイルとしてマイクロプロセッサソフトウェアコードで記憶されている場合もあり、権限のあるユーザ等による入力または修正が可能である。
本発明の一実施形態においては、光検出器の飽和を回避するために、線量計測のダイナミックレンジが大きくされてもよい。ダイナミックレンジを大きくするために、「低」および/または「高」に対応する計測モードが一連の工程を行うことによって定められる。OSLリーダーの校正時に、LED照射時間(予め定められたマイクロプロセッサクロックサイクル数と等しい)を定める方法302の工程318の第1のパラメータの値と、測定サイクルの実施回数と等しい第4のパラメータとを、低放射線量範囲での計測時のこれらの3つのパラメータの値よりも小さい値とし、光子計数時間を定める、予め定められたマイクロプロセッサクロックサイクル数(工程324および326)と等しい第3のパラメータの値を、低放射線量範囲での計測時の当該パラメータの値よりも大きい値として、一連の校正用OSLセンサに対して計測が行われる。パルスカウンタによって計数された光子パルスの総数すなわち蓄積された光子パルスの数が第7のパラメータすなわち線量範囲閾値パラメータの値と比較されて、方法302の線量計測に用いられるパラメータのセットが決定される。蓄積された光子パルスの数が線量閾値パラメータの値よりも小さい場合は、マイクロプロセッサクロックサイクル数としてのOSLセンサ照射期間と等しい工程318の第1のパラメータと、測定サイクルの実施回数と等しい第4のパラメータの値とが、低線量範囲に対応する大きい値に設定され、第3のパラメータが、低線量範囲に対応するより小さい値に設定される。本発明の一実施形態において、第1のパラメータの「低線量モード」値は15μs以上の値であり得る。本発明の一実施形態において、第4のパラメータ(サイクル数)の「低線量モード」値は300〜1000であり得る。本発明のさらなる一実施形態において、第3のパラメータの「低線量モード」値は1000μs以下であり得る。蓄積された光子パルスの数が第7のパラメータ(線量閾値パラメータ)の値よりも大きい場合は、マイクロプロセッサクロックサイクル数としてのOSLセンサ照射期間と等しい工程318の第1のパラメータと、測定サイクルの実施回数と等しい第4のパラメータの値とが、「高線量範囲」に対応する小さい値に設定され、第3のパラメータ(光子計数時間)の値が、「高線量範囲」に対応するより大きい値に設定される。本発明の一実施形態において、第1のパラメータの小さい値は3μs以下であり得る。本発明の一実施形態において、第4のパラメータの小さい値は100〜400であり得、第3のパラメータの値は2,000〜10,000μsであり得る。
本発明の一実施形態において、照射されたOSLセンサの計測が第1〜第7の所定のパラメータを用いて複数回行われ、線量計算の結果がOSLリーダーの校正時に決定されたOSL計測の第8および第9のパラメータつまり減耗係数(depletion factor)で補正されてもよい。第8のパラメータは低線量モード用の減耗係数であり、第9のパラメータは高線量モード用の減耗係数である。減耗係数とは、ルミネセンスシグナル(光子カウントの総数)のうちの1回のOSL読出し処理中に失われる部分のことである。同一のOSLMセンサのOSL読出し処理を複数回繰り返す場合、放射線量を正確に計算するためには、各回において減耗したルミネセンスシグナルの総量を最後に計測されたOSL信号に加えなければならない。減耗係数は、低線量範囲用と高線量範囲用とで異なり(高線量範囲減耗係数の方が低い)、OSLリーダー校正時に決定される。減耗は、単一のパラメータによって、より厳密には補正関数として、定められ得る。読出し回数の関数としての、減耗係数と線量補正との決定に用いられる減耗曲線とそれらにフィッティングされた補正関数との例を、図9および図10によって示す。
本発明の一実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8のパラメータの値を決定するために、既知の線量の放射線が照射されたOSLセンサを用いてOSLリーダーの校正を行ってもよい。
本発明の一実施形態において、LEDパルス持続時間を定める第1のパラメータの値は、1μs〜100μsの範囲内であり得る。本発明の一実施形態において、低線量範囲におけるLEDパルス持続時間を定める第1のパラメータの値は、15μs以上の値である。本発明の一実施形態において、高線量範囲におけるLEDパルス持続時間を定める第1のパラメータの値は、3μs以上の値である。
本発明の一実施形態において、LED照射後の遅延時間を定める第2のパラメータの値は、10us〜50usの範囲内であり得る。本発明の一実施形態において、LED照射後の遅延時間を定める第2のパラメータの値は、15μsに等しい。
本発明の一実施形態において、ルミネセンス計数期間を定める第3のパラメータの値は、100μs〜10,000μsの範囲内であり得る。本発明の一実施形態において、ルミネセンス計数期間を定める第3のパラメータの値は、1000μsに等しい。
本発明の一実施形態において、照明・ルミネセンス測定サイクル数を定める第4のパラメータの値は、100〜3000サイクルの範囲内である。本発明の一実施形態において、照射・ルミネセンス測定サイクル数を定める第4のパラメータの値は、1000サイクルに等しい。
本発明の一実施形態において、低計測線量範囲についての感度係数を定める第5のパラメータの値は、線量1mrad当たり0.5〜200カウントの範囲内である。本発明の一実施形態において、低計測線量範囲についての感度係数を定める第5のパラメータの値は、線量1mrad当たり2カウントに等しい。
本発明の一実施形態において、高計測線量範囲についての感度係数を定める第6のパラメータの値は、線量1mrad当たり0.01〜2カウントである。本発明の一実施形態において、高計測線量範囲についての感度係数を定める第6のパラメータの値は、線量1mrad当たり0.05カウントに等しい。
本発明の一実施形態において、予備計測時に得られた低線量範囲と高線量範囲との間の閾値としての蓄積単一光子パルス数を定める第7のパラメータの値は、1,000〜20,000カウントの範囲内である。本発明の一実施形態において、予備計測中に得られた低線量範囲と高線量範囲との間の閾値としての蓄積単一光子パルス数を定める第7のパラメータの値は、5000に等しい。
本発明の一実施形態において、低線量モードでの複数回の計測についてのOSL信号の減耗を定める第8のパラメータの値は、1回の線量計読取り当たり0.01%〜20%の範囲内である。本発明の一実施形態において、上記複数回の計測についてのOSL信号の減耗を定める第8のパラメータの値は、1回の線量計読取り当たり0.5%に等しい。
本発明の一実施形態において、高線量モードでの複数回の計測についてのOSL信号の減耗を定める第8のパラメータの値は、1回の線量計読取り当たり0.005%〜0.2%の範囲内である。本発明の一実施形態において、上記複数回の計測についてのOSL信号の減耗を定める第8のパラメータの値は、1回の線量計読取り当たり0.03%に等しい。
一実施形態において、本発明は、未知の放射線量に照射されたOSLセンサの迅速な放射線量計測のためのOSLリーダーであって、LED光源、光検出器、フォトダイオード等のような光学エンジンの構成要素を含むOSLリーダーの種々の構成要素の動作を制御するためにマイクロプロセッサを用いるOSLリーダーを提供する。マイクロプロセッサは、光検出器が記録したルミネセンスシグナルの光子に基づいて光検出器が発生させた単一光子パルスを計数するためのパルスカウンタを含む。マイクロプロセッサは、アナログ信号を取得および処理するためのアナログ−デジタル変換器も含み得る。マイクロプロセッサは、OSLリーダーのパラメータの値、計測器の動作に関する情報、OSLセンサの線量計測結果等を表示するためのLEDディスプレイまたはタッチスクリーン等の視覚的ディスプレイの制御も行い得る。
OSLリーダーは、ユーザが、OSLリーダーを操作し、かつ/または、OSLリーダーの視覚的ディスプレイによってOSLリーダーから情報を得ることを可能にする1つ以上の入力デバイスを含んでいてもよい。入力デバイスは、押しボタンやキー等であり得る。一実施形態において、入力デバイスは、OSLリーダーの主な視覚的ディスプレイでもあり得るタッチスクリーンであり得る。ユーザは、入力デバイスを用いてOSLリーダーの種々のパラメータを変更し得る。OSLリーダーは、ハードドライブやフラッシュドライブ等のような記憶デバイスを含み得る。OSLリーダーは、OSLリーダーからラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピュータ等のような別の装置へ、かつ、ラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピュータ等のような別の装置からOSLリーダーへのデータ転送を可能にするUSBポート、RFIDタグ、イーサネットポート、Wi−Fi受信機および/または送信機等の無線受信機および/または送信機等のような1つ以上の外部データ通信用構成要素を含んでいてもよい。
一実施形態において、本発明は、バッテリーを電源として含む携帯用OSLリーダーを提供する。バッテリーは、取外し可能かつ/または再充電可能であり得る。
本発明の一実施形態において、OSLリーダーのケースは、片手で持つことを容易にするような形状であり得る。
図4および図5は、本発明の一実施形態に係る手持ち型のバッテリー式POSLリーダー402を示す。POSLリーダー402は、光学エンジン422、プリント回路基板426上のマイクロプロセッサ424、視覚的ディスプレイ428、およびバッテリー430を含むPOSLリーダー402の種々の構成要素が搭載された2つの部分すなわち部分414と部分416とを有する中空ケース412を含む。押しボタン472は、OSLセンサを読み取るためにPOSLリーダー402を起動させるのに用いられる。
光学エンジン422は、レンズアセンブリ452と光検出器454とを含む。POSLリーダーがOSLセンサ(図示せず)を読み取るために用いられるとき、照明光がレンズアセンブリ452を通って発せられる。OSLセンサによって発せられたルミネセンス光は、レンズアセンブリ452を通って戻り、光検出器454によって検出される。
図6は、マイクロプロセッサ424、視覚的ディスプレイ428、バッテリー430、および光検出器454を含むPOSLリーダー402の種々の特徴を示すブロック図である。POSLリーダー402は、LEDおよびドライバー612、フォトダイオード614、記憶媒体616、キーパッド622、USBインターフェイス624、ならびにRFIDタグライター/リーダー626も含む。破線の枠632によって示すPOSLリーダー402の電子部品は、線634で表す種々の電気的接続によってバッテリー430から電力を供給される。
本発明の一実施形態において、本発明のOSLリーダーおよび方法は、Al:C材料を含むOSLセンサを読み取るために用いられ得る。本発明の一実施形態において、OSLセンサに用いられるOSLMは、オクラホマ州(OK)スティルウォーター(Stillwater)のランダウア社(Landauer, Inc.)製の特殊な炭素をドープした酸化アルミニウム(Al:C)材料であり得、LUXEL+およびINLIGHTという商品名の線量計に使われて市販されているものと同様である。このOSLMは、特別に配合された独占の粉末状Al:Cからなる。本発明の一実施形態において、上記Al:C材料は、ディスク形のペレットまたはフィルムの形態であり得る。このようなAl:C材料を電離放射線に曝露すると、電子が材料の結晶構造中の欠陥すなわち電子トラップにトラップされる。電子は、520±25nmの波長の光(すなわち緑色)で刺激されるとこれらの電子トラップから解放される。電子が基底状態に戻るとき、420±25nmの波長の光(すなわち青色)が発せられる。なお、異なる種類のOSL材料を含有するOSLセンサを読み取るために用いられる本発明のOSLリーダーについては、他の種類の照明光が用いられて他の種類のルミネセンス光が検出されてもよい。このようなOSLセンサを読み取るために、LED光源は、約520nmを中心とする波長を有する緑色の照明光を提供し得る。
本発明を、本発明の種々の実施形態および特徴を説明する以下の実施例によって説明しない。
実施例1
本発明の方法を用いてOSLセンサによって蓄積された放射線量を迅速に測定するためのOSLリーダー動作の一例を、図7を用いて以下に説明し、当該リーダーの試験および校正時にマイクロプロセッサによって生成され外部のオシロスコープによって記録された時間系列を描写する。図7は、一連のLEDパルス712の例を示し、各パルスは、LEDパルス持続時間714(第1のパラメータ)と、あるLEDパルス712の終わりから光子計数時間718(第3のパラメータ)の始まりまでの時間遅延716(第2のパラメータ)とを有している。時間の枠のために、図7には、まる2サイクル分のOSLリーダー動作のみ、すなわち、2つのLEDパルス712と2つの光子計数時間718のみを示している。3回目のサイクルの始まりが3つ目のLEDパルスによって示されている。これらのサイクルの回数(第4のパラメータ)は1000以上にもなり得る。
実施例2
本発明本発明の一実施形態に係るOSLリーダー計測の一例を、図8を用いて以下に説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るマイクロプロセッサ制御OSLリーダーによって行われる1回のPOSL計測を示す。本実施例では、リーダーは、400サイクルを1サイクルにつき5000μsの時間で合計2秒間で行う。LEDパルスと時間遅延と光子計数時間とからなる各サイクルは、グラフ上では1つの点によって表されている。LEDパルスは、最初の200サイクル(グラフ上では1秒分の計測)の間のみ発生させた。1秒から2秒までの計測の第二の部分は、Al:C OSLMのルミネセンス減衰時間を示すためにLEDパルスなしで行った。縦軸は、1回のサイクルでマイクロプロセッサパルスカウンタによって蓄積された単一光子パルスの数を対数目盛で示す。
実施例3
低線量モードで放射線量を計測するためにOSLリーダーが用いられる場合のOSL信号の減耗を示す一例を図9に示す。図9は、低線量計測モードでのOSL信号の減耗を示すグラフであり、読出し回数の関数としてプロットされている。
実施例4
低線量モードで放射線量を計測するためにOSLリーダーが用いられる場合のOSL信号の減耗を示す一例を図10に示す。図10は、高線量計測モードでのOSL信号の減耗を示すグラフであり、読出し回数の関数としてプロットされている。
本出願で引用したすべての文献、特許、学術論文、および他の資料は、参照により本明細書に援用される。
本発明をある特定の実施形態を参照して開示したが、添付の請求項において定められる本発明の領域および範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対して多くの修正、改変および変更をなすことができる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、以下の請求項の文言によって定められる全範囲およびその均等物を含むものである。

Claims (4)

  1. 光刺激ルミネセンス(OSL)センサを照射するための緑色の照明光を発するためのLED光源と、
    前記OSLセンサによって発せられた緑色のルミネセンス光を検出するための光検出器と、
    前記OSLセンサによって発せられ前記光検出器によって計数されたルミネセンス光の光子に基づいて前記光検出器が発生させた光子パルスを計数するためのパルスカウンタと、
    前記LED光源と前記光検出器と前記パルスカウンタとを制御するためのマイクロプロセッサと、を含み、
    前記マイクロプロセッサが、前記LED光源、前記光検出器、および前記パルスカウンタをオン状態とオフ状態との間で切り替える時期を制御し、
    前記パルスカウンタが、前記マイクロプロセッサの一部であり、
    前記マイクロプロセッサが、前記OSLセンサが曝露された1種類の電離放射線の放射線量を、前記パルスカウンタによって計数された前記光子パルスに基づいて決定する、携帯装置。
  2. 前記LED光源、前記光検出器、および前記マイクロプロセッサが、前記装置に搭載されたバッテリーから電力を供給される、請求項1に記載の携帯装置。
  3. 前記装置が、
    前記マイクロプロセッサによって判定された放射線量をユーザに対して表示するための視覚的ディスプレイを含む、請求項1に記載の携帯装置。
  4. 前記装置が、
    前記マイクロプロセッサによって判定された放射線量を記憶するための記憶デバイスを含む、請求項1に記載の携帯装置。
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