JP2016137615A - 三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法 - Google Patents

三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法 Download PDF

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【課題】三次元形状物の表面の表示をより自然な表示となるように補正原稿を簡単に生成できる三次元形状の印刷原稿データの作成方法を提供する。【解決手段】縦横に配列された複数の基準点が記載された二次元のフィルム1を所定の三次元形状2に成形した際に、歪み変形して得られる三次元形状表面の複数の変形基準点どうしの距離データを取得するステップS14と、複数の基準点と対応して構成された複数の制御点と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップS16と、各変形基準点どうしの距離データに基づいて設定される補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップS18と、補正された制御点どうしの位置関係に対応して元原稿データを各部位ごとに伸縮変形して補正原稿データを作成するステップS20と、を含む三次元形状の印刷用原稿データの作成方法から構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、文字や図柄等の表示を印刷した二次元のフィルムを三次元形状に成形することにより印刷された三次元形状製品を製造する際に利用される三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法に関する。
近年、自動販売機のダミー缶のような表面に文字や図等の表示が施された三次元形状製品を製造する際には、所望の表示を印刷した二次元の(平面の)プラスチックフィルム等をプレス成形等によって三次元形状に成形する方法が行われる場合がある。二次元のフィルムを三次元形状に成形する際には、フィルムは部分的に伸縮するため、二次元のフィルム上で正確な文字や図等が表示されていても三次元形状では当該文字や図等に歪みが生じてしまう。よって、三次元形状に成形した後の表示を自然なものとするために、このフィルムの伸縮の程度を推定・考慮しながら二次元のフィルムに印刷する表示を補正しながらデザインする必要がある。すなわち、二次元のフィルムに印刷する原稿を作成する段階で、三次元形状に成形した際にフィルムが伸張する部分については予め小さく表示し、逆にフィルムが収縮する部分については予め大きめに表示しておく必要がある。しかしながら、このフィルムの伸縮の程度は、三次元形状に依存して一様でないことから、熟練したデザイナーの経験と勘により、原稿を修正し、フィルムに印刷して、三次元形状に成形するといったトライアンドエラーを何度も繰り返しながら、三次元形状で自然に表示されるようになるまで行っていた。したがって、この原稿作成作業は効率が悪く、労力と時間がかかるものであった。
一方、例えば、特許文献1には、三次元形状物に印刷されたものに歪みが生じないように印刷用版下イメージを作成する際に、コンピュータプログラム等によって版下イメージを補正する方法が提案されている。特許文献1の作成方法は、基準格子パターンが描画された二次元フィルムを成形品に合わせて三次元に成形することにより形成された歪み格子パターンを第1の二次元座標系に入力してデジタルデータの格子を作成する段階と、デジタルデータの格子に基づいて各交点の座標を求める段階と、第2の二次元座標系で基準格子パターンの各交点の座標を求める段階と、前記基準格子パターンと前記歪み格子パターンにおける各交点の座標の対応関係に基づいて前記歪み格子パターンの3つの点を頂点とする三角形領域内の点に適用される歪みの逆計算補正式を導出する補正式導出段階と、所望の版下原画を前記歪み格子パターンに重ねる段階と、前記所望の版下原画を画定する各点に対してそれらを包囲する三角形領域に対応する前記歪みの逆計算補正式を適用することにより第2の二次元座標系で定義される印刷用補正版下イメージを求める段階と、を備えるものであった。
特開2003−260772号公報
しかしながら、特許文献1の補正版下イメージの作成方法では、歪み格子パターンを第1の二次元座標系に入力し、二次元座標上で基準格子パターンと歪み格子パターンにおける各交点の座標の対応関係に基づいて補正する構成であるから、作成した補正版下イメージを印刷したフィルムを三次元形状に成形した際には、例えば、その三次元形状上の表示を正面側から見た場合にのみある程度正確に表示される一方、正面以外の横や上下方向あるいは斜め方向から見た際に、表示が不自然となるおそれがあった。すなわち、特許文献1の方法では、三次元形状に成形した際に、三次元形状における歪み格子パターンを例えば正面側から見た状態で二次元の情報として取り込んで版下イメージを補正する構成であるから、そのイメージを三次元形状に成形した際に誤差が大きくなってしまうおそれがあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、任意の表示を印刷したフィルムを三次元形状に成形した際に、該三次元形状物をより自然な表示となるように補正原稿を簡単に生成できる三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、縦横に配列され各点どうしの距離が既知の複数の基準点(b1、b2、・・・)が記載された二次元のフィルムを所定の三次元形状1に成形した際に、歪み変形して得られる三次元形状表面の複数の変形基準点(B1、B2、・・・)について、該三次元形状表面における該変形基準点(B1、B2、・・・)どうしの三次元形状表面に沿った距離データを取得するステップS14と、複数の基準点(b1、b2、・・・)と同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点(c1、c2、・・・)と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップS16と、補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップS18と、補正された制御点(C1、C2、・・・)どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データを各部位ごとに伸縮変形して補正原稿データを作成するステップS20と、を含み、該補正ルールは、三次元形状表面における三次元形状表面に沿った各変形基準点(B1、B2、・・・)どうしの距離データに基づいて設定される三次元形状の印刷用原稿データの作成方法から構成される。
また、三次元形状表面に沿った該変形基準点(B1、B2、・・・)どうしの距離データを取得するステップS14では、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面を撮像装置12で撮像して得られる三次元情報データに基づいて、該変形基準点どうしの三次元形状表面における距離を演算するステップを含むこととしてもよい。
また、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求めるステップS14では、複数の変形基準点(B1、B2、・・・)が記載された三次元形状表面に3つ以上の複数箇所から光を当てて撮像装置で撮像したそれぞれの撮像データに基づいて該三次元形状画像の各画素の法線ベクトルを求め、法線ベクトルを積分することにより、該変形基準点どうしの距離を算出することとしてもよい。
また、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求めるステップS14では、複数の変形基準点(B1、B2、・・・)が記載された三次元形状表面に当てる所定の照射光の特性と、その反射光を撮像装置で撮像した撮像データと、により計測して求めた三次元形状表面データによって、該変形基準点どうしの距離を求めることとしてもよい。
また、補正ルールは、三次元形状表面に沿った変形基準点(B1、B2、・・・)どうしの距離(X)の逆数(1/X)を利用することとしてもよい。
また、制御点の位置関係を補正するステップS18では、該変形基準点どうしの距離の逆数(1/X)に基づいて対応する各制御点どうしの補正距離を求め、該補正距離に基づいて各制御点の二次元座標上の位置を演算することとしてもよい。
さらに、本発明は、コンピュータに、請求項1ないし6のいずれかに記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法を実行させるための三次元形状の印刷用原稿データの作成プログラムから構成される。
さらに、本発明は、縦横に配列され各点どうしの距離が既知の複数の基準点を平面フィルムに印刷するステップS10と、該フィルムを所定の三次元形状に成形するステップS12と、成形により三次元形状表面で歪み変形した複数の変形基準点について、該三次元形状表面における三次元形状表面に沿った該変形基準点どうしの距離を取得するステップS14と、複数の基準点と同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップS16と、三次元形状表面における該変形基準点どうしの距離に基づいて設定される補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップS18と、補正された制御点どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データの表示を伸縮変形して補正原稿データを作成するステップS20と、該補正原稿データを製品用フィルムに印刷するステップS22と、印刷した製品用フィルムを所定の三次元形状に成形して製品を得るステップS24と、を含む三次元形状製品の製造方法から構成される。
本発明の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法によれば、縦横に配列され各点どうしの距離が既知の複数の基準点が記載された二次元のフィルムを所定の三次元形状に成形した際に、歪み変形して得られる三次元形状表面の複数の変形基準点について、該三次元形状表面における該変形基準点どうしの三次元形状表面に沿った距離データを取得するステップと、複数の基準点と同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップと、補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップと、補正された制御点どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データを各部位ごとに伸縮変形して補正原稿データを作成するステップと、を含み、該補正ルールは、三次元形状表面における三次元形状表面に沿った各変形基準点どうしの距離データに基づいて設定される構成であるから、製作者の技術や勘によらず簡単かつ短時間で効率的に、該三次元形状物を例えば正面や横あるいは斜め方向等から見て自然な表示となるように二次元フィルムに印刷する補正原稿データを作成することができる。
また、三次元形状表面に沿った該変形基準点どうしの距離データを取得するステップでは、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面を撮像装置で撮像して得られる三次元情報データに基づいて、該変形基準点どうしの三次元形状表面における距離を演算するステップを含む構成とすることにより、三次元形状を撮像装置で光学的に非接触で測定して電子データ処理することで、該変形基準点どうしの距離を簡単、短時間、高精度に取得することができる。
また、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求めるステップでは、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面に3つ以上の複数箇所から光を当てて撮像装置で撮像したそれぞれの撮像データに基づいて該三次元形状画像の各画素の法線ベクトルを求め、法線ベクトルを積分することにより、該変形基準点どうしの距離を算出する構成とすることにより、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を具体的に求めることができる。
また、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求めるステップでは、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面に当てる所定の照射光の特性と、その反射光を撮像装置で撮像した撮像データと、により計測して求めた三次元形状表面データによって、該変形基準点どうしの距離を求める構成とすることにより、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を具体的に求めることができる。
また、補正ルールは、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離の逆数を利用する構成とすることにより、簡単な構成でフィルムを三次元形状に成形した際の部分的な伸縮度合いに対応した好適な補正原稿データを作成することができる。
また、制御点の位置関係を補正するステップでは、該変形基準点どうしの距離の逆数に基づいて対応する各制御点どうしの補正距離を求め、該補正距離に基づいて各制御点の二次元座標上の位置を演算する構成とすることにより、簡単な構成で制御点の補正位置を設定して、補正原稿データを作成することができる。
さらに、本発明の三次元形状製品の製造方法によれば、縦横に配列され各点どうしの距離が既知の複数の基準点を平面フィルムに印刷するステップと、該フィルムを所定の三次元形状に成形するステップと、成形により三次元形状表面で歪み変形した複数の変形基準点について、該三次元形状表面における三次元形状表面に沿った該変形基準点どうしの距離を取得するステップと、複数の基準点と同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップと、三次元形状表面における該変形基準点どうしの距離に基づいて設定される補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップと、補正された制御点どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データの表示を伸縮変形して補正原稿データを作成するステップと、該補正原稿データを製品用フィルムに印刷するステップと、印刷した製品用フィルムを所定の三次元形状に成形して製品を得るステップと、を含むことから、製作者の技術や勘によらず簡単かつ短時間で効率的に、該三次元形状物を正面、横あるいは斜め方向等から見て、より自然な表示となる製品を簡単に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る三次元形状製品の製造方法の概略説明図である。 図1の三次元形状製品の製造方法のフローチャートである。 図1の三次元形状製品の製造方法の原稿データの補正を説明する概要図である。 本発明の一実施形態に係る三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラムをコンピュータで実行した際の機能ブロック図である。 基準点の変形とそれに対応した制御点の補正の説明図である。
以下添付図面を参照しつつ本発明の三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法の実施形態について説明する。本発明に係る三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法は、文字や図形等の任意の表示を施したフィルムを三次元形状に成形する際に生じる各部の伸縮を考慮して、当該表示を自動的に補正し、三次元形状にした際に表示が自然に見えるようにするための三次元形状への印刷技術である。図1ないし図6は、本発明の三次元形状の印刷原稿データの作成方法及び三次元形状製品の製造方法の一実施形態を示している。図1、図2に示すように、本実施形態において、三次元形状の印刷原稿データの作成方法及び三次元形状製品の製造方法は、フィルム1に複数の基準点b1、b2、・・・を印刷するステップS10と、該フィルム1を三次元形状2に成形するステップS12と、三次元形状表面の変形基準点B1、B2、・・・どうしの距離を取得するステップS14と、複数の制御点c1、c2、・・・と関連付けされた元原稿データD1を取得するステップS16と、補正ルールRに従って制御点の位置関係を補正するステップS18と、補正された制御点の位置関係に対応して元原稿データD1を変形して補正原稿データD2を作成するステップS20と、を含む。
図1、図2に示すように、ステップS10では、例えば、二次元(平面状)のフィルムFの表面に縦横に所定の間隔で配列された複数の基準点b1、b2・・・を印刷する。ステップS10で用いられるフィルム1は、例えば、プラスチックフィルムからなり、最終的に得る三次元形状製品4に先立って成形される基準用あるいは原型用のフィルムである。フィルム1は、所定の三次元形状に成形した際に、三次元形状製品を製造する際の製品用フィルム3と同じ伸縮度合いで変形するものが好ましく、例えば、同じ素材、同じ厚みのフィルムからなる。なお、本実施形態では、フィルムは、材質は金属等でもよく、プレス成形等で三次元形状に成形できるものであれば、ある程度厚みがあるシート状や板状のものも含むものとする。本実施形態では、基準点b1、b2、・・・は、例えば、縦横に直交する複数の平行な格子線を描いて表示された格子の各格子線が交差した格子点からなる。複数の基準点どうしの距離(間隔)は、既知となって並列されている。例えば、本実施形態では、複数の格子線の間隔が1mmに設定されており、基準点となる格子点間の縦横の隣接距離は、1mmで全て一定に設定される。なお、基準点は、格子点に限らず、単なる点(ドット)としてもよいし、1点から他の点に向けて滑らかに色を異ならせて構成させたもの等、各点どうしの距離が既知とした態様であれば任意でもよい。また、基準点の間隔は任意でよく、間隔を狭く設定するほど、原稿データを高精度に補正することができる。
ステップS12では、例えば、複数の基準点b1、b2、・・・が施されたフィルム1をプレス加工等により所定の三次元形状2に成形する。例えば、自動販売機用のダミー缶を製作する場合には、三次元形状は、飲料缶を模した凸及び凹形状のプレス金型が利用され、対をなす金型の間にフィルムを設置し、圧力をかけて金型を閉じて金型に応じた三次元形状2を得る。このステップS12で二次元のフィルム1から三次元形状2に成形した際に、その三次元形状2の凹凸に対応してフィルム1が部分的に伸縮する。図3にも示すように、その部分的な伸縮に伴って、成形前では一定間隔だった複数の基準点b1、b2、・・・が歪み変形されて、部分的に距離が異なって表示される。この三次元形状2の表面において、歪み変形された後の基準点の配列を変形基準点B1、B2・・・とする。
本実施形態では、ステップS14〜S20は、CPU、メモリやハードディスク等の記憶装置、マウスやキーボード等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置等を備えたコンピュータ上で予め作成されたプログラムを実行することにより、各ステップが行われる。すなわち、コンピュータ上で予め作成されたプログラムを実行することにより、三次元形状の印刷用原稿データの作成システムを構築して、各ステップS14〜S20に対応した処理を実行するための、構成要素の機能を実現する。よって、本実施形態ではプログラムが実行されたコンピュータは、基準点距離取得手段14と、制御点関連付手段16と、制御点補正手段18と、補正原稿作成手段20と、を備えた補正原稿データ作成システムとなる。
ステップS14では、歪み変形して得られる三次元形状表面の複数の変形基準点B1、B2・・・について、三次元形状表面に沿った該変形基準点B1、B2・・・どうしの距離を取得する。変形基準点B1、B2、・・・どうしの三次元形状表面に沿った距離は、例えば、該表面形状が平面であれば平面に沿った直線距離となり、該形状表面が曲面であれば曲面に沿った距離となる。なお、変形基準点どうしの距離は、Lミリメートルといった実際の長さとして取得してもよいし、元の基準点どうしの距離に対する伸縮比率(倍率)Lとして取得してもよい。本実施形態では、ステップS12では、複数の変形基準点B1、B2・・・が記載された三次元形状表面を撮像装置12で撮像して得られる三次元形状情報データに基づいて、コンピュータ上で該変形基準点B1、B2・・・どうしの三次元形状表面における距離を演算するステップを含む。
三次元形状情報データに基づいて、該変形基準点B1、B2・・・どうしの距離を演算するする方法としては、具体的には、例えば、照度差ステレオ法が用いられる。照度差ステレオ法は、十分に解像度が高いカメラ等の撮像装置12を用意し、三次元形状表面に3つ以上の複数箇所(複数方向)から順番に光を当てて、それぞれ撮像装置12で撮像した3つ以上の画像(撮像データ)を取得する。三次元形状2を1つの方向の光源から光を照射すると撮像装置12で観測される光の強度は、光源方向と表面の法線方向のみに依存するので、投光方向と撮像装置12で得られる強度から、表面の各画素の法線方向の情報が得られる。該三次元形状画像を画素ごとに区切り、3つ以上の光源から得られる各画素での3つ以上の画素値を用いて、各画素の法線ベクトルを求める。また、撮像した複数の画像をコンピュータに取り込み、それらの画像を合成した後、二値化処理し、さらに格子線を細線化処理することによって、複数の変形基準点を抽出する。そして、それぞれの変形基準点について、各画素の法線ベクトルを三次元表面に沿って積分することで、三次元形状表面における隣接した変形基準点どうしの三次元形状表面に沿った距離を算出して、コンピュータで取得される。なお、変形基準点どうしの三次元形状表面に沿った距離は、隣接する変形基準点どうしの距離でもよいし、特定の一点からの距離でもよいし、全ての点どうしの距離を求めることとしてもよい。このステップS14は、コンピュータ上では、例えば、距離取得手段14で実行され、撮像装置12からの撮像データを取得して、距離算出用のプログラムによって変形基準点どうしの距離を算出する。
なお、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求める手法は、例えば、光切断法、TOF(Time-of-Flight)法、パターン光投影法、ステレオ法、その他任意の方法を利用してもよい。例えば、光切断法は、スリットを通過させたライン状のレーザ光源を三次元形状2に照射し、その反射光をカメラや撮像装置で撮像し高さデータとして取得する。三次元形状表面との距離は三角測量に基づいて測定し、三次元形状を移動させながら、全体の計測を行い、測定した高さデータにより三次元形状情報を取得する。また、撮像装置12で撮像した画像から複数の変形基準点を抽出し、該高さデータに基づく三次元情報に基づいて、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求める。TOF(Time-of-Flight)法は、三次元形状に光を当てて、その反射光が光センサ等の撮像装置12に届くまでの光の時間と光の速度から、撮像装置と三次元形状との距離(高さデータ)を各画素ごとに算出して、三次元形状情報を取得する。上記同様に、撮像装置12で撮像した画像から複数の変形基準点を抽出し、三次元情報に基づいて、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求める。パターン光投影法は、三次元形状に特定のパターンをもったレーザ光線を当てて、その反射光のパターンのひずみで、各画素ごとに撮像装置と三次元形状との距離(高さデータ)を測定し、三次元形状情報を取得する。上記同様に、撮像装置12で撮像した画像から複数の変形基準点を抽出し、三次元情報に基づいて、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求める。
ステップS16では、複数の基準点b1、b2・・・と同じ距離間隔で、同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点c1、c2・・・と関連付けされた二次元の元原稿データを取得する。図1、図3に示すように、元原稿データD1は、文字(例えば○○茶)、図柄(例えば、花)等の二次元の表示が作成されたデータであり、例えば、二次元でそのまま印刷した際に自然な表示と見えるように作成されている。ステップS16では、元原稿データを取得した際に、複数の基準点と1対1で対応する複数の制御点を生成し、元原稿データD1の表示について二次元座標上に対応した位置に関連付けする。複数の制御点c1、c2・・・は、例えば、基準点同様に、縦横に直交する複数の平行な格子線を描いて表示された格子の各線が交差した格子点からなる。例えば、本実施形態では、格子を構成する複数の格子線の間隔が、元原稿データでの印刷サイズに対応して1mmとなるに設定されており、制御点となる格子点どうしの縦横の距離は、1mmで一定に設定される。ステップS16は、コンピュータ上では、例えば、制御点関連付手段16で実行され、元原稿データを取得して、制御点を関連付けした該元原稿データを取得する。なお、制御点は、格子点に限らず、単なる点(ドット)としてもよいし、色を異ならせたもの等、基準点と対応する配列(分布)態様であれば任意でもよい。また、本実施形態ではステップS16はステップS14の後の工程としているが、ステップS18よりも前であればステップS10〜S14との順序は任意でもよい。
ステップS18では、補正ルールRに従って各制御点c1、c2・・・どうしの二次元的な位置関係を補正する。本実施形態において、補正ルールは、三次元形状表面における三次元形状表面に沿った各変形基準点B1、B2どうしの距離に基づいて設定される。具体的には、補正ルールは、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離の逆数を利用している。そして、ステップS18では、該変形基準点どうしの距離の逆数に基づいて対応する各制御点どうしの補正距離を求める。例えば、ある変形基準点Bmと変形基準点Bnとの三次元形状表面における距離がX(又は基準点どうしの距離のX倍)であった場合には、該変形基準点に対応する制御点cmと制御点cnの間の距離を1/X(又は元の制御点どうしの距離の1/X倍)として設定する。フィルム1を三次元形状に成形した際に、基準点どうしの距離が2倍に伸張した部分については、その基準点に対応する制御点どうしの距離を1/2(0.5)として設定する。このようにそれぞれの隣接する制御点どうしの補正距離を算出し、それらの制御点どうしの該補正距離に基づいて各制御点の二次元座標上の位置を演算して、補正制御点の位置を設定する。補正後の制御点の二次元座標位置を演算する手法としては、例えば、多次元尺度法を利用できる。このステップS18は、コンピュータ上では、制御点補正手段18で実行され、距離取得手段14から距離データを取得し、補正ルールRに基づいて制御点どうしの補正距離を算出し、さらに、該制御点どうしの補正距離から二次元座標上にマッピングする位置を設定する。
ステップS20では、補正された制御点C1、C2・・・どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データについて、表示の各部位ごとに伸縮変形して補正原稿データを作成する。例えば、ステップS18で求めた補正制御点C1、C2・・・の二次元座標上の位置に対応して制御点を移動させるのに伴って、原稿データの表示が伸縮変形される。例えば、元原稿データの表示について、制御点間の補正距離が1/Xとなった部分については、その間の表示部分が1/X倍に縮小変形され、逆に制御点間の補正距離がXとなった部分については、その間の表示部分がX倍に伸張変形されることとなる。このような補正処理を行って、図1に示すように、元原稿データD1の表示「○○茶」から変形補正されて、横幅が狭く変形された表示の補正原稿データD2を得ることができる。ステップS20は、コンピュータ上では、補正原稿作成手段20で実行され、制御点が関連付けされた元原稿データを制御点補正手段18での補正結果に基づいて各部分について伸縮変形処理する。なお、本実施形態では、三次元形状表面に沿った各変形基準点B1、B2どうしの距離の逆数をそのまま利用したが、該距離やその逆数を利用した任意の演算式等を利用することとしてもよい。
上記のようにステップS14〜S20の処理をコンピュータ上で行うことによって、例えば、図1、図3に示すように、成形した三次元形状2の三次元情報としての複数の変形基準点どうしの距離と、制御点が関連付けされた元原稿データD1と、を取得して補正処理することによって、補正原稿データD2を作成する。また、例えば、図5は、複数の基準点の変形と複数の制御点の補正の対応を簡略化して示している。図5(a)は、ステップS10に対応しており、二次元のフィルムに印刷した複数の基準点b1、b2、・・・の位置関係を説明している。なお、図上の小さな数字は各点どうしの距離関係をあらわしている。図5(b)は、ステップS12、S14に対応しており図5(a)から三次元形状に成形した際の変形基準点のみの位置関係を示す斜視図(上図)と平面図(下図)を表している。図5(b)では、例えば、中央の点が上方に移動して、その隣接する点との距離が2倍に伸びている。図5(c)は、ステップS16に対応しており、元原稿データに関連付けされる複数の制御点の位置関係を示しており、図5(b)の変形基準点どうしの距離が2倍に伸びている部分に対応する制御点どうしの補正距離は、その逆数である1/2(0.5)に設定される。そして、図5(d)は、ステップS18、S20に対応しており、制御点どうしの補正距離に基づいて多次元尺度法等の処理により、原稿データにおける制御点の二次元座標上の位置が補正される。
図1、図2に示すように、ステップS20で補正原画データが作成できたら、ステップS22で、補正原稿データD2を二次元の製品用フィルム3に印刷する。次に、ステップS24において、補正原稿データが印刷された製品用フィルム3を上記同様にプレス成形等により所定の三次元形状に成形することにより、自然に見える表示が表面に施された三次元形状製品4を得ることができる。図1に示すように、例えば、補正原稿データD2では、「○○茶」の文字が横が狭く縦長に変形して表示されているが、この補正原稿データを印刷したフィルム3を、三次元形状に成形すると、フィルムが伸張して該三次元形状において文字「○○茶」が自然に見えるような状態となる。なお、三次元形状製品としては、例えば、自動販売機のダミー缶やダミーボトル、人物やキャラクターのお面や人形、おもちゃ、プラモデル、電気・電子機器類の筐体、アミューズメントゲーム機器や遊技機のボード、自動車等のラッピングフィルム等に利用できる。
以上説明した本発明の三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の三次元形状の印刷原稿データの作成方法、作成プログラム及び三次元形状製品の製造方法は、文字や図等の表示の印刷が施された三次元形状物を製造するのに好適に利用できる。
1 フィルム
2 三次元形状
3 製品用フィルム
4 三次元形状製品
b1、b2、・・・ 基準点
B1、B2、・・・ 変形基準点
c1、c2、・・・ 制御点
C1、C2、・・・ 補正制御点

Claims (8)

  1. 縦横に配列され各点どうしの距離が既知の複数の基準点が記載された二次元のフィルムを所定の三次元形状に成形した際に、歪み変形して得られる三次元形状表面の複数の変形基準点について、該三次元形状表面における三次元形状表面に沿った該変形基準点どうしの距離データを取得するステップと、
    複数の基準点と同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップと、
    補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップと、
    補正された制御点どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データを各部位ごとに伸縮変形して補正原稿データを作成するステップと、を含み、
    該補正ルールは、三次元形状表面における三次元形状表面に沿った各変形基準点どうしの距離データに基づいて設定されることを特徴とする三次元形状の印刷用原稿データの作成方法。
  2. 三次元形状表面に沿った該変形基準点どうしの距離データを取得するステップでは、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面を撮像装置で撮像して得られる三次元情報データに基づいて、該変形基準点どうしの三次元形状表面における距離を演算するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法。
  3. 三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求めるステップでは、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面に3つ以上の複数箇所から光を当てて撮像装置で撮像したそれぞれの撮像データに基づいて該三次元形状画像の各画素の法線ベクトルを求め、法線ベクトルを積分することにより、該変形基準点どうしの距離を算出することを特徴とする請求項4記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法。
  4. 三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離を求めるステップでは、複数の変形基準点が記載された三次元形状表面に当てる所定の照射光の特性と、その反射光を撮像装置で撮像した撮像データと、により計測して求めた三次元形状表面データによって、該変形基準点どうしの距離を求めることを特徴とする請求項4記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法。
  5. 補正ルールは、三次元形状表面に沿った変形基準点どうしの距離の逆数を利用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法。
  6. 制御点の位置関係を補正するステップでは、該変形基準点どうしの距離の逆数に基づいて対応する各制御点どうしの補正距離を求め、該補正距離に基づいて各制御点の二次元座標上の位置を演算することを特徴とする請求項5記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法。
  7. コンピュータに、請求項1ないし6のいずれかに記載の三次元形状の印刷用原稿データの作成方法を実行させるための三次元形状の印刷用原稿データの作成プログラム。
  8. 縦横に配列され各点どうしの距離が既知の複数の基準点を平面フィルムに印刷するステップと、
    該フィルムを所定の三次元形状に成形するステップと、
    成形により三次元形状表面で歪み変形した複数の変形基準点について、該三次元形状表面における該変形基準点どうしの距離を取得するステップと、
    複数の基準点と同じ配列となるように該基準点と対応して構成された複数の制御点と関連付けされた二次元の元原稿データを取得するステップと、
    三次元形状表面における三次元形状表面に沿った該変形基準点どうしの距離に基づいて設定される補正ルールに従って各制御点どうしの二次元的な位置関係を補正するステップと、
    補正された制御点どうしの位置関係に対応してそれらの制御点に関連付けされた元原稿データの表示を伸縮変形して補正原稿データを作成するステップと、
    該補正原稿データを製品用フィルムに印刷するステップと、
    印刷した製品用フィルムを所定の三次元形状に成形して製品を得るステップと、を含むことを特徴とする三次元形状製品の製造方法。
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