JP2016137029A - 外科手術用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で作業部の展開幅を操作部の展開幅より小さくした外科手術用器具を提供する。
【解決手段】回動支点1において交差するように連結された一対の構成部材2を備える外科手術用器具において,一対の構成部材2は,それぞれ,回動支点1よりも先端側に形成された作業部3と,回動支点1よりも後端側に形成された操作部4とを有し,操作部4の開閉に応じて作業部3が開閉するものであり,操作部4は,構成部材2の後端に設けられた把手部5と,回動支点1と把手部5の間に形成された柄部6と,作業部3が閉じた状態において柄部6同士が交差する一又は複数の交差部7とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は,鉗子,バーム,剪刀,持針器等として用いられる外科手術用器具に関する。
外科手術では,まずメスによって表皮を浅く切開した後,血管及び神経等の生体組織を鉗子やバーム等を用いて剥離する。その後,メスや剪刃等を用いて患部を切開又は切除する。また,鉗子や持針器によって縫い針を把持しながら縫合及び結紮を行った後に,その縫合糸を切断する。このように,外科手術では,生体組織の剥離や,針及び縫合糸等の把持,生体組織及び縫合糸等の切断が基本操作として行われる。外科手術は,このような一連の手術操作の繰り返しであり,その手術操作に応じてメス,鉗子,バーム,剪刀,持針器などの手術用器具が使用される。この中でも,鉗子,バーム,剪刀,持針器などは,通常のはさみと同様の構造を持つものが多い。
特許文献1には,本発明者により提案された外科手術用器具が開示されている。特許文献1には,対象物の剥離,把持,及び切断という3つの機能を併せ持つ外科手術用器具が提案されている。この外科手術用器具を用いることで,手術に使用する器具を交換する手間を省くことができるため,手術用具の管理を合理化するとともに,医療従事者の負担を軽減することができるとされている。
国際公開公報WO/2014/103096号公報 パンフレット
ところで,所謂はさみ型の外科手術用器具は,2つの構成部材を回動支点において交差するように連結した構造となっている。このようなはさみ型の外科手術用器具は,回動支点よりも先端側に設けられ剥離,把持,切断などの機能を持つ作業部と,回動支点よりも後端側に設けられ術者によって操作される操作部とを有しており,操作部を開閉することで,回動支点を中心として作業部を開閉することができるようになっている。
ここで,外科手術では,血管や神経などの重要な生体組織を,外科手術用器具の作業部によって剥離,把持,又は切断することになる。このため,重要な生体組織を傷つけないように,この作業部の開閉幅を微調整する必要がある。しかし,外科手術用器具において,使用の手指によって操作される操作部の開閉幅と,生体組織に触れる作業部の開閉幅が同程度に連動していると,誤って操作部を大きく開き過ぎてしまったときに,作業部も同時に大きく開かれることとなり,生体組織を傷つけてしまう恐れがある。他方で,作業部と操作部の開閉幅とが同程度に連動したものであると,例えば,作業部を数mm程度だけ開く必要があるときに,操作部も数mm程度しか開くことができない。このような精密な開閉操作は術者にとって負担となる。このため,外科手術用器具の安全性及び利便性を高めるためには,操作部を開いたときに操作部の展開幅よりも作業部の展開幅が小さくなる構造とすることが好ましい。
そこで,本発明は,簡易な構造で,作業部の展開幅を操作部の展開幅よりも小さくすることのできる外科手術用器具を提供することを目的とする。
本発明の発明者は,従来の問題を解決する手段について鋭意検討した結果,はさみ型の外科手術用器具において,回動支点から把持部までの間に形成された一対の柄部を,一又は複数箇所において交差する形状とすることにより,簡単な構造で,作業部の展開幅を把持部の展開幅よりも小さくすることができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来の問題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明は,外科手術用器具に関する。
本発明の外科手術用器具は,回動支点1において互いに交差するように連結された一対の構成部材2を備える。一対の構成部材2は,それぞれ,回動支点1よりも先端側に形成された作業部3と,回動支点1よりも後端側に形成された操作部4とを有しており,操作部4の開閉に応じて,回動支点1を中心に作業部3が開閉する構造となっている。
ここで,操作部4は,構成部材2の後端に設けられた把手部5と,回動支点1と把手部5の間に形成された柄部6とを有する。さらに,操作部4は,一対の作業部3が閉じた状態において,一対の柄部6同士が交差する一又は複数の交差部7を有している。
上記構成のように,一対の柄部6を湾曲又は屈折した形状とし,一対の作業部3が閉じた状態において,これらの柄部6が互いに交差するようにすることで,簡易な構造で,作業部3の展開幅を操作部4の展開幅よりも小さくすることができる。このため,誤って操作部4を大きく開き過ぎてしまった場合であっても,作業部3が大きく開かれることがなくなるため,生体組織を傷つけてしまうような事故を防止できる。また,作業部3を小さく開く必要があるときであっても,操作部4を比較的広く開くことができるため,術者の作業負担を軽減することができる。
本発明の外科手術用器具において,複数の交差部7には,回動支点1側に形成された第1交差部7aと,把手部5側に形成された第2交差部7bのみが含まれることが好ましい。
交差部7が一箇所又は三箇所のように奇数箇所設けられていると,交差部7のない通常の手術用器具と比べて,一対の構成部材2の先端側に形成する切刃の向きが逆転することとなる。このため,通常の手術用器具に慣れた術者に違和感を与えるおそれがある。これに対し,上記構成のように,交差部7が二箇所のみ形成されている場合,切刃の向きを通常の手術用器具と同じ向きとすることができるため,術者が自然に使用できるようになる。
本発明の外科手術用器具では,第1交差部7aと第2交差部7bとの間において,柄部6同士の離間距離が徐々に拡大する部分(拡大部分)7cは,柄部6同士の離間距離が徐々に縮小する部分(縮小部分)7dよりも長く形成されていることが好ましい。
上記構成のように,第1交差部7aと第2交差部7bとの間において,拡大部分7cの長さを縮小部分7dの長さよりも長くすることで,例えば空間の狭い腹腔や胸腔内にも,本発明の外科手術用器具を容易に挿し込んで使用することができる。
本発明の外科手術用器具では,回動支点1と第1交差部7aとの間において,柄部6同士の離間距離は一定であるか,又は柄部6同士は離間していないことが好ましい。
回動支点1と第1交差部7aとの間において,柄部6同士が膨らむように離間していると,外科手術用器具を空間の狭い腹腔や胸腔内に挿し込みにくくなる。これに対して,上記構成のように,回動支点1と第1交差部7aとの間において,柄部6同士の離間距離を一定とするか,又は柄部6同士を離間させないようにすることで,狭い空間内に容易に外科手術用器具を挿し込むことできるようになる。これにより,精密な作業が可能となる。
本発明の外科手術用器具は,作業部3の先端を5mm開いた状態において,把手部5の展開幅が30mm以上100mm以下となることが好ましい。
上記構成のように,作業部3の先端を5mm開いた状態において,把手部5の展開幅が,作業部3の展開幅の6倍〜20倍となるように構成することで,外科手術用器具の安全性と利便性をより高めることができる。
本発明の外科手術用器具は,交差部7が一箇所にのみ形成されている場合において,回動支点1から交差部7までの長さL1よりも,交差部7から把手部5までの長さL2の方が短いことが好ましい。
上記構成のように,交差部7から把手部5までの長さL2を短くすることで,外科手術用器具の操作性を高めることができる。
本発明の外科手術用器具において,作業部3は,切断部9と,把持面10と,段差部12と,剥離部13と,を有することが好ましい。切断部9は,一対の切刃11を摺り合わせることで対象物を切断する部位である。把持面10は,一対の作業部3を閉じるときに対象物を把持する面である。段差部12は,把持面10と切刃11の間に刃が設けられていない部位である。剥離部13は,一対の作業部3を開くときに生体組織を剥離する部位である。
上記構成のように,作業部3に,切断部9,把持面10,及び剥離部13を形成することで,対象物の剥離,把持,及び切断という3つの機能を1つの器具で発揮することができる。また,把持面10と切刃11の間に段差部12を設けることで,把持面10において対象物を把持しようとするときに,切刃11によって対象物を誤って切断してしまうことを防止できる。
本発明の外科手術用器具によれば,簡易な構造で,作業部の展開幅を操作部の展開幅よりも小さくすることができる。
図1は,第1の実施形態に係る外科手術用器具が閉じた状態を示している。 図2は,第1の実施形態に係る外科手術用器具が開いた状態を示している。 図3は,第2の実施形態に係る外科手術用器具が閉じた状態を示している。 図4は,第2の実施形態に係る外科手術用器具が開いた状態を示している。 図5は,外科手術用器具の作業部を示した拡大図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
[1.第1の実施形態]
まず,図1及び図2を参照して,本発明に係る外科手術用器具20の第1の実施形態について説明する。図1及び図2は,第1の実施形態に係る外科手術用器具20を示した平面図である。図1は,外科手術用器具20が閉じた状態を示し,図2は,外科手術用器具20が開いた状態を示している。図1及び図2に示されるように,外科手術用器具20は,基本的に,二本一対の構成部材2によって構成されている。これらの一対の構成部材2は,回動支点1において交差するように連結されている。このため,外科手術用器具20は,基本的に,通常のはさみと同様の構造を有する。本発明に係る外科手術用器具20は,鉗子,バーム,剪刀,持針器,又はこれらを複合した器具としての機能を有している。
各構成部材2は,回動支点1よりも先端側に形成された作業部3と,回動支点1よりも後端側に形成された操作部4とを有する。作業部3は,対象物を把持したり,対象物を切断したり,対象物を剥離したりするなどの様々な機能を持つ。作業部3の構成については,図5を参照して後ほど詳しく説明する。操作部4は,術者によって把持されて,開閉する操作が行われる部分である。操作部4を開閉することにより,回動支点1を中心として,操作部4の開閉に応じて作業部3が同時に開閉する。このように,外科手術用器具20は,回動支点1が支点となり,作業部3が作用点となり,操作部4が力点となる。
ここで,図1及び図2に示されるように,各構成部材2は,操作部4の長さが,作業部3の長さよりも長くなるように設計されていることが好ましい(長さ:4>3)。例えば,操作部4の長さは,作業部3の長さの3倍以上又は5倍以上であることが好ましく,特に2倍〜15倍又は5倍〜10倍であることが好ましい。具体的には,作業部3の長さは30mm〜45mm又は35mm〜40mmであることが好ましく,操作部4の長さは220mm〜260mm又は230mm〜250mmであることが好ましい。
一対の操作部4は,それぞれ,構成部材2の後端に設けられた把持部5と,回動支点1と把手部5の間に形成された柄部6とを有している。把手部5は,術者の手指を挿入できるようにリング状に形成されている。柄部6は,把手部5から延在しており,この把手部5と回動支点1とを繋ぐ役割を担っている。
図1に示されるように,一対の作業部3を完全に閉じた状態において,一対の構成部材2の柄部6同士は,互いに交差している。このように,作業部3を閉じた状態において柄部6同士が交差する部位が,交差部7となる。図1に示された第1の実施形態において,交差部7は,一箇所にのみ形成されている。
具体的に説明すると,一対の柄部6は,回動支点1から交差部7に向かって,一旦,互いの離間距離が徐々に拡大していき,最大の離間距離D1に到達したところで,今度は互いの離間距離が徐々に縮小し,最後には交差部7において交わるように,湾曲している。さらに,一対の柄部6は,交差部7から把手部5に向かって,一旦,互いの距離が徐々に拡大していき,その後互いの離間距離が一定になり,把手部5に繋がるように,湾曲している。このように,一対の柄部6を湾曲(又は屈折)した形状とすることで,一対の柄部6が互いに交差する交差部7を形成することができる。
図1において,回動支点1から交差部7までの柄部6の長さを符号L1で示し,交差部7から把手部5までの柄部6の長さを符号L2で示している。この場合に,柄部6の長さL2は,柄部6の長さL1よりも短いことが好ましい(L2<L1)。例えば,柄部6の長さL2は,柄部6の長さL1を100%とした場合に,3%〜80%,又は5%〜60%であることが好ましい。図1に示した実施形態では,柄部6の長さL2は,柄部6の長さL1に対して約55%に設定されている。
図1において,符号D1は,一対の作業部3を完全に閉じた状態で,回動支点1から交差部7までの間における柄部6同士の最大離間距離を示している。例えば,最大離間距離D1は,10mm〜100mmとすることが好ましい。他方で,図2において,符号D2は,一対の作業部3を5mm開いた状態で,最大離間距離を測定した部位と同じ部位における柄部6同士の離間距離を示している。図2に示されるように,作業部3を開くと,柄部6同士の離間距離は狭くなる(D1>D2)。例えば,作業部3を5mm開いた状態における柄部6同士の離間距離D2は,図1に示した最大離間距離D1に対して,10%〜80%,又は20%〜60%であることが好ましい。
また,図1において,一対の作業部3を完全に閉じた状態における各把手部5の離間幅を,符号W1で示している。なお,離間幅W1は,0(ゼロ)であってもよい。また,図2において,一対の作業部3を5mm開いた状態における各把手部5の離間幅W2を示している。ここで,開いた状態における離間幅W2から,閉じた状態における離間幅W1を減じた値が,把持部5の「展開幅」となる。ここで,一対の作業部3を5mm開いた状態において,把持部5の「展開幅」は,30mm〜100mm〜であることが好ましく,40mm〜60mmであることが特に好ましい。なお,一般的に,術者の手指は180mm程度開くことが限界であるとされているため,一対の作業部3を5mm開いた状態における各把手部5の離間幅W2は,180mm以下となることが好ましい。
上記構成のように,一対の柄部6を湾曲又は屈折した形状とし,一対の作業部3が閉じた状態において,これらの柄部6が互いに交差するようにすることで,簡易な構造で,作業部3の展開幅を操作部4の展開幅よりも小さくすることができる。このため,誤って操作部4を大きく開き過ぎてしまった場合であっても,作業部3が大きく開かれることがなくなるため,生体組織を傷つけてしまうような事故を防止できる。また,作業部3を小さく開く必要があるときに,操作部4を比較的広く開く操作を行うことができるため,術者の作業負担を軽減することができる。
[2.第2の実施形態]
次に,図3及び図4を参照して,本発明に係る外科手術用器具20の第2の実施形態について説明する。図3及び図4は,第2の実施形態に係る外科手術用器具20を示した平面図である。図3は,外科手術用器具20が閉じた状態を示し,図4は,外科手術用器具20が開いた状態を示している。第2の実施形態については,上述した第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。第2の実施形態には,上述した第1の実施形態の説明を援用することができる。
図3に示されるように,第2の実施形態に係る外科手術用器具20は,交差部7が2箇所に形成されている点において,上述した第1の実施形態に係る外科手術用器具20(1参照)とは異なる。図3に示されるように,外科手術用器具20は,回動支点1側において一対の柄部6が交差する第1交差部7aと,把手部5側において一対の柄部6が交差する第2交差部7bとを有している。
図3に示されるように,一対の作業部3を完全に閉じた状態では,回動支点1から第1交差部7aまでの間において,各柄部6同士の離間距離は一定となっている。若しくは,回動支点1から第1交差部7aまでの間において,各柄部6同士は離間していなくてもよい。例えば,回動支点1から第1交差部7aまでの間における各柄部6同士の離間距離は,0〜5mm,又は0〜3mmであって,一定に形成されていることが好ましい。このように,回動支点1の付近において,各柄部6同士の離間距離を狭くする若しくは0(ゼロ)にすることで,外科手術用器具20の先端付近を,腹腔や胸腔内の狭い空間に容易に挿し込むことができるようになる。
また,回動支点1から第1交差部7aまでの柄部6の長さは,回動支点1から先端までの作業部3の長さと同じか,それ以下であることが好ましい。このように,第1交差部7aを,回動支点1に近い位置に設けることで,外科手術用器具20の操作性が向上し,精密な操作を行うことが可能になる。
また,図3に示されるように,一対の作業部3を完全に閉じた状態では,第1交差部7aから第2交差部7bまでの間において,各柄部6は湾曲(又は屈折)している。具体的には,各柄部6は,第1交差部7aから第2交差部7bに向かって,互いの離間距離が徐々に拡大していき,最大離間距離D1に到達したところで,今度は互いの離間距離が徐々に縮小し,最後には第2交差部7bにおいて交わるように,湾曲している。このように,各柄部6は,第1交差部7aと第2交差部7bの間において,互いの離間距離が徐々に拡大する拡大部7cと,互いの離間距離が徐々に縮小する縮小部7dを有していることが好ましい。
ここで,図3に示されるように,拡大部7cの長さは,縮小部7dの長さよりも長く形成されている(長さ:7c>7d)。例えば,拡大部7cの長さは,縮小部7dの長さに対して,10倍以上,15倍以上,又は20倍以上であることが好ましく,10倍〜50倍,15倍〜40倍,又は20倍〜30倍とすればよい。具体的には,拡大部7cの長さは,100mm〜300mm,150mm〜250mm,又は180mm〜220mmであることが好ましい。また,縮小部7dの長さは,5mm〜30mm,又は5mm〜10mmとすればよい。また,第1交差部7aと第2交差部7bとの間における柄部6同士の最大離間距離D1は,5mm〜30mm,10mm〜25mm,又は15mm〜23mmとすることが好ましい。なお,各柄部6は,第2交差部7bの直後(1mm〜10mm程度以内)に把手部5に繋がっている。
上記のように,第1交差部7aから第2交差部7bまでの間に拡大部7cと縮小部dを設け,拡大部7cの長さを長く設定することで,操作部4が先細の形状となる。このため,作業部3とともに操作部4を,腹腔や胸腔などの狭い空間内に挿し込み易くなる。
また,図4は,第2の実施形態に係る外科手術用器具20の作業部3を5mm開いた状態を示している。ここで,図4に示されるように,第2の実施形態においては,作業部3を5mm開いたときに,各柄部6が交差する部位(交差部)がなくなる。このように,少なくとも作業部3を5mm開いたときに,各柄部6の交差状態は解消されることが好ましい。柄部6の交差状態がある程度の展開幅で解消されるようにすることで,術者は,通常のはさみ型の手術用具とほとんど変わらない使用感で,本発明の外科手術用器具20を自然に使用することができる。
また,第1の実施形態のように,交差部7が奇数箇所設けられていると,交差部7のない通常の手術用器具と比べて,一対の構成部材2の先端側に形成する切刃の向きが逆転することとなる。このため,通常の手術用器具に慣れた術者に違和感を与えるおそれがある。これに対し,第2の実施形態のように,交差部7が二箇所のみ形成されている場合,切刃の向きを通常の手術用器具と同じ向きとすることができるため,術者が自然に使用できるようになる。この点において,第2の実施形態は,第1の実施形態よりも好ましい態様であるといえる。
[3.作業部の構造]
続いて,図5を参照して,外科手術用器具20の作業部3の構造について説明する。ここで説明する作業部3の構造は,上述した第1の実施形態と第2の実施形態の両方に適用することができる。
前記作業部3,3は,外科手術の際に生体組織同士を剥離すること,針,縫合糸等の手術用器具及び生体組織を把持すること,生体組織,縫合糸等を切断すること,という3つの機能を有する。作業部3,3は,先端側から順に剥離部13,13と把持面10,10とを有する先端部8,8,段差部12,及び切断部9,9を備える。
前記剥離部13,13は,前記一対の作業部3,3を開くときに生体組織を剥離可能に形成されている。前記剥離部13,13は,図5(a)及び(b)に示すように,一対の作業部3,3が閉じた状態のときの先端側外表面であり,その外形は丸みのある形状を有している。この外科手術用器具20は,一対の作業部3,3を閉じた状態から開いた状態にすることにより,生体組織同士を剥離することができ,先端部8,8の外表面である剥離部13,13すなわち生体組織に接触する部位がR形状になっているので,重要な生体組織を損傷することなく,生体組織同士を剥離することができる。図5(b)に示すように,剥離部13,13は,一対の作業部3,3が閉じた状態のときに外科手術用器具20の先端側から見たときの外形が略楕円形である。前記外形は縦長の楕円であっても横長の楕円であってもよく,剥離性の観点から一対の先端部3,3の合計厚さdは1〜5mmであるのが好ましい。なお,この実施態様の剥離部13,13の外形は略楕円形であるが,円形,角丸方形,及び角丸長方形等の形状であってもよく,一対の先端部8,8が対向する面すなわち把持面10,10とは反対側の外表面が平らに形成されていてもよい。また,図5(c)に示すように,剥離部13,13は,外科手術用器具20の側面から見たときの外形に角がなく,丸みのある形状を有し,例えば,その輪郭は,先端から後端に向かって前記合計厚さdの5分の2〜5分の3の曲率半径を有する円弧を描き,緩やかに直線状の輪郭を有する切断部9,9に繋がっている。
前記把持面10,10は,前記一対の作業部3,3を閉じることで対象物を把持することができるように形成されている。前記把持面10,10は,図5(a)及び(b)に示すように,例えば,一対の作業部3,3が閉じた状態のときに,それぞれの相対向する面が重なり合うように形成され,前記把持面10,10は前記作業部3,3の開閉方向に直交している。この外科手術用器具20は,一対の把持面10,10の間に針,縫合糸等の手術用器具及び生体組織等の対象物を配置して,一対の作業部3,3を閉じることで,対象物を把持又は挟持することができる。把持面10,10は,対象物を把持することができる程度の面積を有していればよく,例えば把持面10を上面から見たときの外形が略楕円形である場合には,作業部3の長手方向に沿う方向の軸長及びこの軸長に直交する方向の軸長がそれぞれ1〜5mmであるのが好ましい。なお,把持面10を上面から見たときの外形は,略楕円形に限らず,円形,卵型,角丸方形及び角丸長方形等の形状であってもよい。また,把持面10,10の表面は,対象物を把持し易いように,適度な凹凸が形成されていてもよい。
前記切断部9,9は,一対の切刃を摺り合わせることで対象物を切断することができるように形成されている。前記切断部9,9は,前記先端部8,8と前記回動支点1との間に配置され,一対の切断部9,9における相対向する側に切刃11,11を有する。この外科手術用器具20は,一対の切断部9,9の間に生体組織及び縫合糸等の対象物を配置して,一対の作業部3,3を閉じて,一対の切刃11,11を摺り合せることで対象物を切断することができる。切刃11,11の長さは,この外科手術用器具1の使用部位に応じて,5〜50mmであるのが好ましい。
前記段差部12,12は,前記把持面10,10と前記切刃11,11との間に配置されている。前記段差部12,12は,一対の作業部3,3における開閉方向の厚さが,先端部8,8より切断部9,9の方が厚く形成されていることにより形成され,把持面10,10の先端側とは反対側の端部から切断部9,9に向かって傾斜するように立ち上がり,切刃11,11に連設されている。段差部12,12は丸みのある形状すなわちR形状であり,刃を有していない。段差部12,12は,この発明の外科手術用器具において必須ではないが,段差部12を有していると,把持面10,10で対象物を把持する際に,この段差部12,12が壁となって把持面10,10に把持される対象物が切刃11,11の間に誤って配置されて切断されるのを防止することができる。また,段差部12,12には刃がないので,段差部12,12で対象物を切断してしまうことがない。なお,段差部12,12は,把持面10,10と切刃11,11との機能を区別する境界となっていればよく,その把持面10,10に直交する方向の高さは,0.1mm以上であるのが好ましく,先端部8,8の厚さと切断部9,9の厚さと関係から10mm以下であるのがよい。また,前記段差部12,12は,図5(c)に示すように,把持面10と段差部12とのなす角をθとすると,θが80°〜150°であるのが好ましい。
このように,これまで剥離,把持,切断といった手術操作を行う際に,それぞれに専用の手術用器具を用いて処理を行っていたのを,この外科手術用器具1は,前記3つの手術操作を行うことができるので,外科手術の際に使用する手術用器具の種類を低減することができる。その結果,手術用器具の管理を合理化することができ,医療従事者の負担を軽減し,それによって総コストを低減することができる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,鉗子,バーム,剪刀,持針器等として用いられる外科手術用器具に関する。従って,本発明は,医療機器の製造業において好適に利用しうる。
1…回動支点 2…構成部材 3…作業部
4…操作部 5…把手部 6…柄部
7…交差部 7a…第1交差部 7b…第2交差部
7c…拡大部分 7d…縮小部分 8…先端部
9…切断部 10…把持面 11…切刃
12…段差部 13…剥離部 20…外科手術用器具

Claims (7)

  1. 回動支点(1)において交差するように連結された一対の構成部材(2)を備え,
    前記一対の構成部材(2)は,それぞれ,
    前記回動支点(1)よりも先端側に形成された作業部(3)と,
    前記回動支点(1)よりも後端側に形成された操作部(4)と,を有し,
    前記操作部(4)の開閉に応じて前記作業部(3)が開閉するものであり,
    前記操作部(4)は,
    前記構成部材(2)の後端に設けられた把手部(5)と,
    前記回動支点(1)と前記把手部(5)の間に形成された柄部(6)と,
    前記作業部(3)が閉じた状態において,前記柄部(6)同士が交差する一又は複数の交差部(7)と,を有する
    外科手術用器具。
  2. 前記複数の交差部(7)には,
    前記回動支点(1)側に形成された第1交差部(7a)と,
    前記把手部(5)側に形成された第2交差部(7b)のみが含まれる
    請求項1に記載の外科手術用器具。
  3. 前記第1交差部(7a)と第2交差部(7b)との間において,前記柄部(6)同士の離間距離が徐々に拡大する部分(7c)は,前記柄部(6)同士の離間距離が徐々に縮小する部分(7d)よりも長く形成されている
    請求項2に記載の外科手術用器具。
  4. 前記回動支点(1)と前記第1交差部(7a)との間において,前記柄部(6)同士の離間距離は一定であるか,又は前記柄部(6)同士は離間していない
    請求項3に記載の外科手術用器具。
  5. 前記作業部(3)の先端を5mm開いた状態において,前記把手部(5)の展開幅は30mm以上100mm以下となる
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の外科手術用器具。
  6. 前記交差部(7)が一箇所にのみ形成されている場合において,前記回動支点(1)から前記交差部(7)までの長さ(L1)よりも,前記交差部(7)から前記把手部(5)までの長さ(L2)の方が短い
    請求項1に記載の外科手術用器具。
  7. 前記作業部(3)は,
    一対の切刃(11)を摺り合わせることで対象物を切断する切断部(9)と,
    前記一対の作業部(3)を閉じるときに対象物を把持する把持面(10)と,
    前記把持面(10)と前記切刃(11)の間に刃が設けられていない段差部(12)と,
    前記一対の作業部(3)を開くときに生体組織を剥離する剥離部(13)と,を有する
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の外科手術用器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021096471A1 (en) * 2019-11-13 2021-05-20 Kaya Ilker A surgical instrument for skeletonization of the internal mamarian artery during by-pass surgery

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