JP2016136661A - ミリ波帯フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高次の共振による制限を受けない広帯域なミリ波帯フィルタを提供する。【解決手段】フィルタ本体21の導波路の一端側または他端側にバンドリジェクションフィルタユニット50を設け、フィルタ本体21のミラー間隔Dを2より大きな変化比で可変させる場合において、その可変幅を変化比が2を越えない複数の可変領域に分け、バンドリジェクションフィルタユニット50の入力導波路61と出力導波路71の間に各可変領域に対応した中間導波路81〜83が選択的に接続されるようにし、複数の可変領域のうち、少なくともミラー間隔が広い方の可変領域に対する中間導波路に高次の共振周波数の信号成分を減衰させるためのバンドリジェクションフィルタ100、110を設けて、フィルタ本体21のミラー間隔の変化比が2を越える場合であっても基本波の信号成分のみを選択的に通過させるようにしている。【選択図】図1

Description

本発明は、ミリ波帯のフィルタを広帯域化するための技術に関する。
通信や計測などに用いる電波の周波数が年々高くなっており、近年ではミリ波帯のうち、数10GHzから100GHzを越える広い範囲が用いられている。
このため、この領域の信号を扱う各種機器では、ミリ波帯の広い周波数範囲の中から、所望の信号成分を抽出するフィルタが必要となっている。
このような目的で用いられるフィルタとして、導波管の導波路内に対向配置した電波ハーフミラーの間隔を可変させてファブリペロー型の共振器を形成し、その電波ハーフミラーの間隔によって決まる周波数成分を抽出するミリ波帯フィルタが提案されている(特許文献1)。
特開2013−138401号公報
この種のミリ波帯フィルタの通過中心周波数は、一対の電波ハーフミラーの間隔Dが管内波長λgの1/2となる周波数に対応しており、その間隔の変化幅を大きくすれば、通過中心周波数を広い範囲で変化させることができる。
しかし、実際には、ミラー間隔=管内波長の1/2となる周波数(基本波)だけでなく、その基本波の管内波長の1/M(Mは2以上の整数)を管内波長とする高次の周波数でも共振がおきる。つまり、ミラー間隔Dをある周波数fxの管内波長λgxの1/2に等しくした状態では、その周波数fxを中心とする信号成分だけでなく、管内波長がλgx/2、λgx/3、……となる高次の周波数fx2、fx3、……を中心とする信号成分も一緒に通過させてしまい、フィルタとしての所望の選択性能が得られなくなってしまう。
特に、導波管は、口径によって決まるカットオフ周波数を有するハイパス特性を有し、高域側は非常に広帯域に電磁波を伝達させるので、フィルタとして使用する周波数範囲を、管内波長の変化比(最長管内波長と最短管内波長の比)で表して2より小さくし、2次以降の高次の周波数成分の影響を減らし、ミラー間隔=半波長となる基本波成分のみを抽出させているのが現状であり、これ以上の広帯域化が困難であった。
本発明は、この問題を解決し、高次の共振による制限を受けない広帯域なミリ波帯フィルタを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1のミリ波帯フィルタは、
ミリ波帯の電磁波を単一モードで伝搬させる導波路(21a)と、該導波路内に対向配置され、電磁波の一部を反射させ、一部を透過させる一対の電波ハーフミラー(25A、25B)と、該一対の電波ハーフミラーの間隔を、その最大値と最小値の比が2を越える範囲で可変する間隔可変機構(30)を有し、前記導波路の一端側から入力される信号から、前記一対の電波ハーフミラーの間で共振する周波数の信号成分を抽出して他端側から出力するフィルタ本体(21)と、
前記フィルタ本体の前記導波路の一端側または他端側に接続されるバンドリジェクションフィルタユニット(50)とによって構成され、
前記バンドリジェクションフィルタユニットが、
ベース部(51)と、
前記ベース部に固定され、電磁波を伝搬させるための入力導波路(61)が第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された入力導波管ブロック(60)と、
前記ベース部に固定され、電磁波を伝搬させるための出力導波路(71)が、前記入力導波管ブロックの第2の端面に平行に対向する第3の端面から第4の端面まで貫通して形成された出力導波管ブロック(70)と、
前記フィルタ本体の電波ハーフミラーの間隔の可変範囲を、変化比が2を越えない複数の可変領域に分け、該各可変領域にそれぞれ対応付けされた複数の中間導波路が、前記入力導波管ブロックの前記第2の端面に所定の隙間を開けて平行に対向する第5の端面から、前記出力導波管ブロックの前記第3の端面に所定の隙間を開けて平行に対向する第6の端面まで貫通して形成され、前記複数の中間導波路のうち、前記フィルタ本体の電波ハーフミラーの間隔が含まれる可変領域に対応した中間導波路が、前記入力導波路と前記出力導波路の間を選択的に接続するように前記入力導波管ブロックと前記出力導波管ブロックの間でスライド移動される中間導波管ブロック(80)と、
前記中間導波管ブロックの複数の中間導波路のうち、少なくとも前記電波ハーフミラーの間隔が最も広い範囲で可変される前記可変領域に対応する中間導波路の内周を周回する所定深さの溝(101、111)によって形成され、該可変領域における前記フィルタ本体の高次の共振周波数の信号成分の通過を抑圧するバンドリジェクションフィルタ(100、110)とを備えたことを特徴する。
また、本発明の請求項2のミリ波帯フィルタは、請求項1記載のミリ波帯フィルタにおいて、
前記バンドリジェクションフィルタの前記入力導波管ブロックの前記第2の端面側で前記入力導波路の開口を囲む位置、前記出力導波管ブロックの前記第3の端面側で前記出力導波路の開口を囲む位置、前記中間導波管ブロックの前記第5の端面側および第6の端面側で前記複数の中間導波路の開口を囲む位置に、前記各ブロック間の隙間からの電磁波の漏出を防ぐために、漏出防止対象周波数の管内波長の1/4に相当する深さの溝(65A、65B、75A、75B、84A〜89A、84B〜89B)を設けたことを特徴とする。
このように、本発明のミリ波帯フィルタは、フィルタ本体のミラー間隔を2より大きな変化比で可変させる場合において、その可変幅を変化比が2を越えない複数の可変領域に分け、その複数の可変領域のうち、少なくともミラー間隔が広い方の可変領域に対する高次の共振周波数の信号成分を減衰させるバンドリジェクションフィルタを選択的にフィルタ本体に接続しているので、フィルタ本体のミラー間隔の変化比が2を越える場合であっても基本波の信号成分のみを選択的に通過させることができ、格段に広帯域化できる。
また、バンドリジェクションフィルタユニットの各ブロック間の隙間を挟む端面側において、各導波路の開口を囲む所定深さの溝を設けたことで、ブロック間の隙間からの電磁波の漏れによるアイソレーションの悪化が防止でき、接触方式で漏れを防ぐ方式に比べて磨耗による劣化がなく、耐久性が高い。
本発明の実施形態の構成図 実施形態のBRFの特性図 実施形態の動作説明図 実施形態の動作説明図 実施形態の動作説明図 実施形態の動作説明図 実施形態の動作説明図 実施形態の動作説明図 実施形態の要部拡大図 BRFユニットをフィルタ本体の前段に接続した構成を示す図 BRFユニットとフィルタ本体とで導波管を共用した構成例を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したミリ波帯フィルタ20の構成を示している。
このミリ波帯フィルタ20は、フィルタ本体21と、バンドリジェクションフィルタ(以下、BRFと記す)ユニット50とによって構成されている。なお、この実施形態では、フィルタ本体21の後段にBRFユニット50を接続しているが、フィルタ本体21の前段にBRFユニット50を接続した構成であってもよい。
フィルタ本体21は、図1にその基本構造を示しているように、ミリ波帯の所定周波数範囲の電磁波をTE10モード(単一モード)で伝搬させる導波路21aを有する導波管構造のものであり、その導波路21a内には、電磁波の一部を透過し、一部を反射させる一対の電波ハーフミラー25A、25Bが対向配置されており、その電波ハーフミラー25A、25Bの間隔が管内波長の1/2となる共振周波数の信号成分を選択的に通過させる機能を有している。
電波ハーフミラー25A、25Bの間隔(以下、ミラー間隔という)Dを可変するための間隔可変機構30の具体的な構造は種々あり、ここでは詳述しないが、基本的な構造としては、一つの導波管の一端側をそれより口径の大きな導波管内に挿入させ、内側の導波管の一端側に一方の電波ハーフミラーを固定し、外側の導波管内に他方の電波ハーフミラーを固定し、外側の導波管に対して内側の導波管をその長さ方向に相対的に移動させる構造となる。
ここで、フィルタ20としての使用周波数範囲の最低周波数をf1(例えば60GHz)、最高周波数をf2(例えば180GHz)とすれば、ミラー間隔Dは、周波数f1に対応した管内波長λg1の1/2に相当する値D1から、周波数f2に対応した管内波長λg2の1/2に相当する値D2まで変化させればよい。従来では、使用周波数範囲の下限と上限に対応した管内波長の変化比λg1/λg2(=D1/D2)が2を越えない範囲で使用していたが、この実施形態では広帯域化を実現するためにこの変化比を2より大きく設定している。
ここで、自由空間波長λと管内波長λgの関係は、TE10モードのカットオフ波長をλc10=2a(aは口径幅)とすると、
λg=λ/√{1−(λ/λc10)
または
λ=λg/√{1+(λg/λc10)
で表され、自由空間波長λと周波数fの関係はλ=3×10/f(m)となる。
例えば、口径a×b=3.10×1.55mmのWR−12導波管を用いるとして、f1=60GHzの場合、前記式の関係から最低周波数f1に対応した管内波長λg1は8.46mmとなり、共振に必要なミラー間隔D1はλg1/2=4.23mmとなる。
しかし、前述したように、このミラー間隔D1=4.23mmにおける共振は、管内波長λg1=8.46mmの基本波の周波数の他に、管内波長がλg1のM分の1(Mは2以上の整数)、即ち、λg1/2=4.23mm、λg1/3=2.82mm、λg1/4=2.12mm……となる高次の周波数でも起きる。
上記計算例で言えば、60GHzの基本波の他に、2次の周波数85.9GHz、3次の周波数116.9GHz、4次の周波数149.9GHz、5次の周波数183.6GHz、……による高次の共振現象が起き、この高次の共振周波数の信号成分のうち、使用周波数範囲内に入る85.9GHz、116.9GHz、149.9GHzの信号成分がフィルタ本体21を通過してしまうことになる。なお、一般的に高次の共振現象は次数が高くなる程弱くなるので、ここでは最も影響の大きい2次のみを抑圧対象とするが、2次と3次を抑圧対象としてもよい。
BRFユニット50は、この使用周波数範囲内の高次共振による信号成分の通過を阻止するためのものであり、フィルタ本体21のミラー間隔D=λg/2を満たす基本波の共振周波数の信号成分は通過させ、2次以降の高次の共振周波数の信号成分の通過を抑圧する。
このBRFユニット50は、後述するように導波路の内周に所定深さで周回形成された溝がその深さに応じた周波数成分を減衰させる機能(チョーク効果)を用いたものであり、一つの溝だけで減衰量が不足する場合には、複数の溝を所定間隔で設けて所望の減衰量を得ることができる。また、このような溝のチョーク効果を用いたBRFは基本的に周波数固定型であるので、広い周波数範囲を可変されるフィルタ本体21に対応させるためには、減衰帯域が異なる複数のBRFを切り替えて用いることが要求される。
この場合、ミラー間隔の可変範囲をその変化比が2より小さくなる複数の可変領域に分け、各可変領域に応じたBRFを用いることになる。これを周波数換算して言えば、前記したようにミラー間隔4.32mmに対応した基本波の周波数f1=60GHzに対して、管内波長が4.32mmとなる2次の共振周波数は85.9GHzであるので、上限がそれ以下となるように例えば60GHz〜75GHzまでを第1の可変領域B1とする(以下、可変領域をミラー間隔とそれに対応する基本波周波数の両方で共通に用いる)。
また、75GHzにおける基本波の管内波長は5.23mm、ミラー間隔Dは5.23/2mmとなり、ミラー間隔の変化比は、4.32/2.615=1.65倍となり、このときの2次の共振周波数は124GHzとなる。したがって、第1の可変領域B1の信号抽出を行なう場合、85.9GHz〜124GHzのおよそ40GHz幅の範囲の2次共振による信号を抑圧すればよい。
また、第2の可変領域B2を75GHz〜100GHzとすると、100GHzにおける基本波の管内波長は3.43mm、ミラー間隔Dは3.43/2mmとなり、ミラー間隔の変化比は、2.615/1.715=1.52倍となり、このときの2次の共振周波数は181.5GHzとなって、使用周波数範囲の上限180GHzを僅かに越える。したがって、第2の可変領域B2の信号抽出を行なう場合、124GHz〜180GHzの55GHz幅の範囲の2次共振による信号を抑圧すればよいことになる。
また、そして、第3の可変領域B3を100GHz〜180GHzとするが、この領域では2次の共振周波数が使用周波数範囲を越えるので、高次の共振による信号抑圧は不要となる。
また、180GHzにおける基本波の管内波長λg2は1.73mm、ミラー間隔D2は1.73/2mmとなり、第3の可変領域B3におけるミラー間隔の変化比は1.715/0.865=1.98倍となる。また、使用周波数範囲全体の管内波長の変化比λg1/λg2(=D1/D2)=4.9となり、周波数変化比180/60=3が得られる。
BRFユニット50は、この3つの可変領域B1〜B3に対応したものであり、ベース部51、ベース部51の一端側に固定された入力導波管ブロック60、ベース部51の他端側に固定された出力導波管ブロック70、入力導波管ブロック60と出力導波管ブロック70の間に配置された中間導波管ブロック80および移動装置90を有している。
入力導波管ブロック60は、直方体状でフィルタ本体21から出力された電磁波を受けて伝搬させるための所定口径の入力導波路61が第1の端面60aからその反対側の第2の端面60bまで貫通して形成されている。
出力導波管ブロック70は、入力導波路61と同一口径の出力導波路71が、入力導波管ブロック60の第2の端面60bに平行に対向する第3の端面70aからその反対側の第4の端面70bまで貫通して形成されている。
中間導波管ブロック80は、3つの可変領域B1〜B3にそれぞれ対応する3つの中間導波路81〜83が、入力導波管ブロック60の第2の端面60bに所定の隙間を開けて平行に対向する第5の端面80aから、出力導波管ブロック70の第3の端面70aに所定の隙間を開けて平行に対向する第6の端面80bまで貫通して形成されており、入力導波管ブロック60と出力導波管ブロック70に挟まれた異なる3つの位置で、それぞれの中間導波路81〜83が入力導波路61と出力導波路71の間を選択的に接続するように形成されている。
移動装置90は、中間導波管ブロック80を入力導波管ブロック60と出力導波管ブロック70の間でスライド移動して、3つの中間導波路81〜83のうちの所望の一つを入力導波路61と出力導波路71の間に接続させる。
3つの中間導波路81〜83のうち、2次の共振の影響が問題となる低域側の2つの可変領域B1、B2に対応する中間導波路81、82には、それぞれの可変領域B1、B2の2次の周波数範囲(85.9〜124GHz、124〜180GHz)の電磁波の通過を抑圧するBRF100、110が設けられている。
BRF100、110は、前記したように、導波路の内周を周回するように形成された複数(図では3つ)の溝101、111によって形成されており、BRF100を構成する複数の溝101の深さd1は、可変領域B1の2次共振周波数85.9〜124GHzのほぼ中心周波数105GHzの管内波長の1/4に相当しており、図2の(a)に示すように、周波数105GHzを中心とする85.9〜124GHzの信号成分の通過を抑制する。
また、BRF110を構成する複数の溝111の深さd2は、可変領域B2の2次共振周波数124〜180GHzのほぼ中心周波数152GHzの管内波長の1/4に相当しており、図2の(b)に示すように、周波数152GHzを中心とする124〜180GHzの信号成分の通過を抑制する。
なお、抑制帯域が広い場合には、複数の溝101、111の深さに差を設けて抑制帯域を拡げることでも対応できる。
このように構成されたミリ波帯フィルタ20を使用する場合、図示しない制御部により、フィルタ本体21の間隔可変機構30とBRFユニット50の移動装置90を制御して、フィルタ本体21の通過中心周波数が所望周波数fxとなるようにミラー間隔Dxを設定し、そのミラー間隔Dx(周波数換算でfx)が含まれる可変領域に対応した中間導波路を入力導波路61と出力導波路71の間に挿入させる。
例えば、可変領域B1の中で所望周波数fx1が指定され、それに対応するミラー間隔Dx1が設定されると、フィルタ本体21は、図3の(a)のように、周波数fx1およびミラー間隔Dx1に対応した2次の周波数fx1′にピークをもつ通過特性となり、BRFユニット50は、図4のように、可変領域B1に対応する中間導波路81が入力導波路61と出力導波路71の間に挿入されて、図3の(b)のように、85.9〜124GHzを減衰させる通過特性となる。
ここで、入力信号に、周波数fx1の信号S1と周波数fx1′の信号S2が含まれているとすると、フィルタ本体21からはその両方の信号S1、S2が出力されることになるが、周波数fx1′の信号S2は、BRFユニット50のBRF100によって大きく減衰され、図3の(c)のように、周波数fxの信号S1だけが出力されることになる。
また、可変領域B2の中で所望周波数fx2が指定され、それに対応するミラー間隔Dx2が設定されると、フィルタ本体21は、図5の(a)のように、周波数fx2と、ミラー間隔Dx2に対応した2次の共振周波数fx2′にピークをもつ通過特性となり、BRFユニット50は、図6のように、可変領域B2に対応する中間導波路82が入力導波路61と出力導波路71の間に挿入されて、図5の(b)のように、124〜180GHzを減衰させる通過特性となる。
ここで、入力信号に、周波数fx2の信号S3と周波数fx2′の信号S4が含まれているとすると、フィルタ本体21からはその両方の信号S3、S4が出力されることになるが、周波数fx2′の信号S4は、BRFユニット50のBRF110によって大きく減衰され、図5の(c)のように、周波数fx2の信号S3だけが出力されることになる。
また、可変領域B3の中で所望周波数fx3が指定され、それに対応するミラー間隔Dx3が設定されると、フィルタ本体21は図7のように、周波数fx3にピークをもつ通過特性となり、BRFユニット50は、図8のように、可変領域B3に対応する中間導波路83が入力導波路61と出力導波路71の間に挿入されてスルー状態となり、入力信号のうち、周波数fx3を中心とする信号成分がBRFユニット50から出力されることになる。なお、使用周波数範囲外の180GHzを越える領域は考慮しない。
このように、実施形態のミリ波帯フィルタ20は、フィルタ本体21のミラー間隔が管内波長の1/2に等しくなる基本波の波長変化比を2以上とした場合であっても、高次の共振による信号成分の通過が起きないため、フィルタ全体として格段に広い周波数帯域で用いることができる。
なお、上記したように中間導波管ブロック80を移動させて導波路の切替えを行なう構造では、移動に必要な隙間を設ける必要があり、この隙間を介して電磁波が意図しない導波路に漏れることによるアイソレーションの低下が予想される。
これを解決するため、実施形態のBRFユニット50には、図9に示すように、隙間を挟んで対向する各ブロックの端面側に、各導波路61、71、81〜83の開口を囲むように枠状に連続する所定深さの溝を2重に設けている。
即ち、図9の(a)のように、入力導波管ブロック61の第2の端面60bの入力導波路61の開口から所定距離Q1離れた位置に所定深さDaの溝65Aが枠状に形成され、その溝65Aから所定距離Q2離れた位置に所定深さDbの溝65Bが枠状に形成されている。
溝65A、65Bの深さDa、Dbは漏出防止対象の電磁波の管内波長の1/4に設定されており、入力導波路61の開口から隙間に漏れて溝65A、65Bまで達した電磁波と、溝65A、65Bの内部を往復してその入り口に戻った電磁波の位相が反転することで互いに相殺し、深さDa、Dbに対応する周波数を中心とする帯域の電磁波の溝の外側への漏れを防止する。なお、ここでは溝を2重にして漏れ防止効果を高めているが、一つの溝あるいは3重以上の溝を設けてもよく、また、溝の深さDa、Dbを等しくして、漏れ波に対する減衰量を増大させる方法と、溝の深さDa、Dbを異なる値にして、漏出防止効果の広帯域化する方法とがあり、それらを併用することもできる。
また、図9の(b)に示しているように、出力導波管ブロック70の第3の端面70a側にも、出力導波路71の開口からそれぞれ所定距離Q1離れた位置に所定深さDaの溝75Aが枠状に形成され、その溝75Aからそれぞれ所定距離Q2離れた位置に所定深さDbの溝75Bが枠状に形成されている。
また、図9の(c)に示しているように、中間導波管ブロック80の第5の端面80a側にも、中間導波路81、82、83の開口からそれぞれ所定距離Q1離れた位置に所定深さDaの溝84A、85A、86Aが枠状に形成され、その溝84A、85A、86Aからそれぞれ所定距離Q2離れた位置に所定深さDbの溝84B、85B、86Bが枠状に形成され、第6の端面80b側にも、中間導波路81、82、83の開口からそれぞれ所定距離Q1離れた位置に所定深さDaの溝87A、88A、89Aが枠状に形成され、その溝87A、88A、89Aからそれぞれ所定距離Q2離れた位置に所定深さDbの溝87B、88B、89Bが枠状に形成されている。なお、図9の(e)は図9の(a)のA−A線断面図である。
ここで、前記溝の深さDa、Dbを全ての導波路について共通にする場合には、使用周波数範囲の中心値(f1+f2)/2=120GHzに合わせて、溝の深さDa、Dbをともに、120GHzの管内波長2.73mmの1/4とすればよい。各溝の幅は、0.2mm程度とする。
また、3つの中間導波路81〜83の開口の回りに設ける溝については、それぞれ対応する可変領域B1、B2、B3の中心値、即ち、上記数値例では、(60+75)/2=67.5GHz、(75+100)/2=87.5GHz、(100+180)/2=140GHzの管内波長に合わせて溝の深さDa、Dbを設定してもよい。
各導波路の開口から内側の溝までの距離Q1は、使用周波数範囲(例えば60〜180GHz)の下限より十分低域の周波数(例えば50GHz)の管内波長の1/4(例えば1.5mm)となるようにして、導波路の開口から内側の溝までの区間が、バンドリジェクションフィルタとして機能することによる反射が使用周波数範囲内で発生しないようにしている。
また、内側の溝から外側の溝までの距離Q2については、使用周波数範囲の中心(例えば120GHz)の管内波長の1/4の奇数倍となるようにして、内側の溝と外側の溝の間をバンドリジェクションフィルタとして機能するようにし、電磁波の漏出防止効果を高めている。
なお、上記BRFユニット50の上面、側面および下面は、図示しない金属ケースに被われており、中間導波管ブロック80の上面や側面は、その金属ケースの内壁に対し、非接触状態となっている。
このように、BRFユニット50のブロック間の隙間を挟んで対向する端面において導波路の開口を囲む位置に電磁波漏出防止用の溝を設けたから、ブロック間に隙間を設けていても電磁波の漏出およびそれによるアイソレーションの低下を防止でき、接触式のような磨耗による耐久性の低下が生じず、高い耐久性を与えることができる。
上記実施形態では、ミラー間隔の変化比を4.23/0.865=4.9倍とし、その可変範囲を変化比が2を越えない3つの可変領域に分け、そのうちのミラー間隔が広い方の2つの可変領域についての高次共振の信号成分を選択的に減衰させる2つのBRFを用いたが、ミラー間隔の可変範囲全体の変化比が例えば3程度の場合、ミラー間隔の変化比が√3程度となる2つの可変領域に分けるとともに、BRFユニット50の中間導波路を前記中間導波路81、83の2つにすることで対応できる。
また、逆にミラー間隔の変化比が5を越える場合には、分割する可変領域数を4以上に増やし、その可変領域数に応じてBRFユニット50のBRFが設けられている中間導波路の数を増加させることで対応できる。
前記実施形態では、フィルタ本体21の後段にBRFユニット50を接続していたが、図10に示すミリ波帯フィルタ20′のように、フィルタ本体21の前段にBRFユニット50を接続してもよい。
また、フィルタ本体21を複数の導波管で構成する場合、その導波管の一つをBRFユニット50の入力導波管ブロック60あるいは出力導波管ブロック70で兼ねる構造も実現できる。
図11は、その一例を示すものであり、フィルタ本体21の構造を、内側導波管22が、その両端を外側導波管23、24の内側に挿入された状態で導波路の長さ方向に移動することで、内側導波管23の一端に固定された電波ハーフミラー25Aと一方の外側導波管23内に固定された電波ハーフミラー25Bの間隔を変化させる構造とし、その一方の外側導波管23をBRFユニット50の入力導波管ブロック60が兼用している例を示している。なお、図示しないが、フィルタ本体21の他方の外側導波管24をBRFユニット50の出力導波管ブロック70が兼用する構成も可能である。
このように、フィルタ本体21を構成する導波管の一つをBRFユニット50の入力導波管ブロック60あるいは出力導波管ブロック70で兼ねる構造とすれば、広帯域なフィルタを小型に構成することができる。
20……ミリ波帯フィルタ、21……フィルタ本体、25A、25B……電波ハーフミラー、30……間隔可変機構、50……BRFユニット、51……ベース部、60……入力導波管ブロック、61……入力導波路、65A、65B……溝、70……出力導波路ブロック、71……出力導波路、75A、75B……溝、80……中間導波管ブロック、81〜83……中間導波路、84A〜89A、84B〜89B……溝、90……移動装置、100、110……BRF、101、111……溝

Claims (2)

  1. ミリ波帯の電磁波を単一モードで伝搬させる導波路(21a)と、該導波路内に対向配置され、電磁波の一部を反射させ、一部を透過させる一対の電波ハーフミラー(25A、25B)と、該一対の電波ハーフミラーの間隔を、その最大値と最小値の比が2を越える範囲で可変する間隔可変機構(30)を有し、前記導波路の一端側から入力される信号から、前記一対の電波ハーフミラーの間で共振する周波数の信号成分を抽出して他端側から出力するフィルタ本体(21)と、
    前記フィルタ本体の前記導波路の一端側または他端側に接続されるバンドリジェクションフィルタユニット(50)とによって構成され、
    前記バンドリジェクションフィルタユニットが、
    ベース部(51)と、
    前記ベース部に固定され、電磁波を伝搬させるための入力導波路(61)が第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された入力導波管ブロック(60)と、
    前記ベース部に固定され、電磁波を伝搬させるための出力導波路(71)が、前記入力導波管ブロックの第2の端面に平行に対向する第3の端面から第4の端面まで貫通して形成された出力導波管ブロック(70)と、
    前記フィルタ本体の電波ハーフミラーの間隔の可変範囲を、変化比が2を越えない複数の可変領域に分け、該各可変領域にそれぞれ対応付けされた複数の中間導波路が、前記入力導波管ブロックの前記第2の端面に所定の隙間を開けて平行に対向する第5の端面から、前記出力導波管ブロックの前記第3の端面に所定の隙間を開けて平行に対向する第6の端面まで貫通して形成され、前記複数の中間導波路のうち、前記フィルタ本体の電波ハーフミラーの間隔が含まれる可変領域に対応した中間導波路が、前記入力導波路と前記出力導波路の間を選択的に接続するように前記入力導波管ブロックと前記出力導波管ブロックの間でスライド移動される中間導波管ブロック(80)と、
    前記中間導波管ブロックの複数の中間導波路のうち、少なくとも前記電波ハーフミラーの間隔が最も広い範囲で可変される前記可変領域に対応する中間導波路の内周を周回する所定深さの溝(101、111)によって形成され、該可変領域における前記フィルタ本体の高次の共振周波数の信号成分の通過を抑圧するバンドリジェクションフィルタ(100、110)とを備えたことを特徴するミリ波帯フィルタ。
  2. 前記バンドリジェクションフィルタの前記入力導波管ブロックの前記第2の端面側で前記入力導波路の開口を囲む位置、前記出力導波管ブロックの前記第3の端面側で前記出力導波路の開口を囲む位置、前記中間導波管ブロックの前記第5の端面側および第6の端面側で前記複数の中間導波路の開口を囲む位置に、前記各ブロック間の隙間からの電磁波の漏出を防ぐために、漏出防止対象周波数の管内波長の1/4に相当する深さの溝(65A、65B、75A、75B、84A〜89A、84B〜89B)を設けたことを特徴とする請求項1記載のミリ波帯フィルタ。
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