JP2016136164A - 表示装置用カバーガラス - Google Patents

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Koji Koganezawa
光司 小金澤
聡 白鳥
Satoshi Shiratori
聡 白鳥
良太 中島
Ryota Nakajima
良太 中島
孝夫 土居
Takao Doi
孝夫 土居
秀樹 福永
Hideki Fukunaga
秀樹 福永
暢彦 竹下
Nobuhiko Takeshita
暢彦 竹下
真 府川
Makoto Fukawa
真 府川
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Abstract

【課題】ガラス板と樹脂成形体との接合欠陥を抑制できる表示装置用カバーガラスを提供する。
【解決手段】表示装置を使用するユーザ側のユーザ面と、前記ユーザ面に連なるガラス端面とを有するガラス板と、前記ユーザ面上設けられた機能膜と、前記ガラス板の周囲に設けられた樹脂成形体とを備え、前記機能膜の膜表面と前記樹脂成形体の主面である樹脂主面とが面一であり、前記ガラス端面と前記樹脂成形体との間に接着剤が設けられている、表示装置用カバーガラス。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置用カバーガラスに関する。
従来、例えば、ガラス板の周囲に樹脂成形体が配置されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
図5は、従来の表示装置用カバーガラスを示す斜視図であり、図6は、そのA−A線断面図である。従来の表示装置用カバーガラス(以下、単に「カバーガラス」ともいう)101においては、ガラス板111の周囲に樹脂成形体121が配置されている。
ガラス板111は、表示装置を使用するユーザ(図示せず)と対面するユーザ面111aと、ユーザ面111aに連なるガラス端面111bとを有し、ユーザ面111a上には、例えばフッ素含有有機ケイ素化合物により構成される機能膜112が配置されている。
樹脂成形体121は、ガラス板111の外縁を挟み込む形状に成形されており、接着剤131を介して、ガラス板111の外縁を覆っている。
特開2001−334824号公報
図6に示すように、従来のカバーガラス101においては、樹脂成形体121が、機能膜112を有するガラス板111の外縁を、接着剤131を介して覆っているため、機能膜112と接着剤131との界面141が存在する。
ところで、機能膜112を一般的に構成するフッ素含有有機ケイ素化合物は、機能性、撥水性、撥油性等を付与するものである。このため、カバーガラス101を用いた表示装置において、界面141における接着剤131の接着強度が経年劣化して、ガラス板111と樹脂成形体121との接合に欠陥が生じ、カバーガラス101の破損につながるおそれがある。また、他の機能膜であってもガラス板111と樹脂成形体121との密着性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、ガラス板と樹脂成形体とを一体成型した表示装置用カバーガラスであって、ガラス板と樹脂成形体との接合欠陥を抑制できる表示装置用カバーガラスを提供することを目的とする。
本発明の一態様の表示装置用カバーガラスは、表示装置を使用するユーザ側のユーザ面と、前記ユーザ面に連なるガラス端面とを有するガラス板と、前記ユーザ面上設けられた機能膜と、前記ガラス板の周囲に設けられた樹脂成形体とを備え、前記機能膜の膜表面と前記樹脂成形体の主面である樹脂主面とが面一であり、前記ガラス端面と前記樹脂成形体との間に接着剤が設けられている。
本発明によれば、ガラス板と樹脂成形体との接合欠陥を抑制できる表示装置用カバーガラスを提供できる。
第1の実施形態の表示装置用カバーガラスを示す斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 第2の実施形態の表示装置用カバーガラスを示す断面図である。 第3の実施形態の表示装置用カバーガラスを示す断面図である。 従来の表示装置用カバーガラスを示す斜視図である。 図5のA−A線断面図である。
[表示装置用カバーガラス:第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の表示装置用カバーガラスを示す斜視図であり、図2は、そのA−A線断面図である。第1の実施形態のカバーガラス(以下、「本発明のカバーガラス」ともいう)1は、ガラス板11の周囲に樹脂成形体21が配置されている。
ガラス板11は、従来と同様であり、表示装置を使用するユーザ(図示せず)と対面するユーザ面11aと、ユーザ面11aに連なるガラス端面11bとを有し、ユーザ面11a上には、詳細を後述する機能膜12が配置されている。
なお、ガラス板11のユーザ面11aと反対側の面にポリカーボネート等の樹脂膜を接合して、ガラス板11と樹脂膜との積層体としても構わない。ガラス板11と樹脂膜との積層体とすることで、ガラス板11の厚さを薄くすることができ、より軽量化を図ることができる。
一方、図2に示す樹脂成形体21は、特有の断面形状を有している。すなわち、樹脂成形体21は、機能膜12の膜表面12aと面一の樹脂主面21aと、樹脂主面21aに連なる樹脂側面21bとを有する。樹脂成形体21は、樹脂側面21bが接着剤31を介してガラス端面11bに当接することにより、ガラス板11と接合している。こうして、ガラス板11と樹脂成形体21とが一体化している。
樹脂成形体21はガラス板11の周囲に継ぎ目なく連続的に形成されている。樹脂成形体21の引張強度(ASTM−D638に準拠)は、好ましくは180〜240MPaであり、より好ましくは190〜220MPaである。
ここで、膜表面12aと樹脂主面21aとが「面一」であるとは、膜表面12aと樹脂主面21aとの高い方と、ガラス板11と樹脂成形体21との境界部に形成される溝の底部との高低差が50μm以下であることをいう。高低差を50μm以下とすることで、ユーザに対し境界部をシームレスに感じさせることができる。なお、高低差は30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
膜表面12aと樹脂主面21aとの高低差は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。また、膜表面12aと樹脂主面21aとの高低差の下限は、特に限定されないが、0.1μm以上が好ましい。
このような構成によれば、従来のカバーガラス101のように樹脂成形体121がガラス板111の外縁を覆う形状ではないため(図6参照)、機能膜12と接着剤31との界面は存在しないか、存在しても極わずかである。このため、機能膜12と接着剤31との界面における接着強度が低下してガラス板11と樹脂成形体21との接合欠陥が生じることが防止され、カバーガラス1が破損するおそれを低減できる。
また、図5および図6に示すように、従来のカバーガラス101では、樹脂成形体121がガラス板111のユーザ面111a(機能膜112)から大きく突出している。このため、樹脂成形体121におけるこの突出部位とガラス板111(および機能膜112)とによりL字のくぼみ(図6中、符号151で示す)が形成され、このくぼみ151には、ホコリやチリがたまりやすい。
しかし、本発明のカバーガラス1においては、機能膜12の膜表面12aと樹脂成形体12の樹脂主面21aとが面一であるため、図6中に符号151で示されるようなくぼみは形成されず、ホコリやチリがたまりやすいという問題も回避できる。
また、図6に示すように、従来のカバーガラス101では、樹脂成形体121がガラス板111を挟み込むように覆っている。このため、ガラス板111のサイズよりも表示領域は狭くなり、表示領域を拡大するためには、より大きなサイズのガラス板111が必要であり、装置の小型軽量化が困難であったりコスト高につながったりする問題がある。
しかし、本発明のカバーガラス1においては、樹脂成形体21はガラス板11を挟み込んで覆う形状ではないため、例えば、ガラス板11のサイズが従来のカバーガラス101におけるガラス板111と同じであれば、表示領域をより拡大できるため小型軽量化が容易であり、また、ガラス板11のサイズを大きくすることによるコスト高を回避できる。加えて、ガラス板11表面と樹脂成形体21との境界が面一であるため一体感のあるデザインとすることもできる。
以上、本発明の表示装置用カバーガラスの第1の実施形態について説明したが、本発明これに限定されるものではなく、例えば、以下に説明する第2および第3の実施形態も好ましい一態様として採用できる。
[表示装置用カバーガラス:第2の実施形態]
図3は、第2の実施形態の表示装置用カバーガラスを示す断面図である。なお、第1の実施形態と同一の部分は同じ符号を用い、説明も省略する。
第2の実施形態では、樹脂成形体21の一部である回り込み部21cが、ガラス板11の下面(ユーザ面11aとは反対側の主面)11c側に回り込んでいる。このため、第2の実施形態では、第1の実施形態よりも表示領域は狭いものの、接着剤31によるガラス板11に対する接着面積が拡大しており、ガラス板11と樹脂成形体21との接合欠陥の発生をより防止できる。
このような第2の実施形態は、例えば、ガラス板11が比較的薄いような場合において、接着剤31による接着面積を確保する観点からも好適に採用できる。
なお、上記実施形態の表示装置用カバーガラスは、樹脂成形体21のガラス板11の下面11cよりも下側に位置している部分をシール部として、貼合部材として用いることもできる。具体的には、ガラス板11の下面11cと樹脂成形体21とで囲まれた領域に粘着層となる樹脂組成物を供給する。その状態でディスプレイ等の保護対象となる表示装置と積層し、粘着層となる樹脂組成物を硬化させることで、容易に表示装置にガラス板11を貼合することができる。
樹脂組成物を硬化させる雰囲気は、常圧でも構わないし、減圧下で行っても構わない。減圧下で硬化を行った場合、この後、それよりも高い圧力(例えば大気圧)の雰囲気に変えると、上昇した圧力によってガラス板11と表示装置とが密着する方向に押圧されると同時に、シール部に囲まれて密封された空間に残留する空孔部の体積がその雰囲気の差圧に応じて縮減することから、ガラス板11と表示装置とシール部とで密閉された密閉空間における減圧の空間に樹脂組成物が流動していき、密閉空間全体が樹脂組成物によって均一に充填されるためより好ましい。
シール部は表示装置と接着する際に表示装置と接触する部分であるため、シール部以外の樹脂成形体21よりも軟質の樹脂で形成しても構わない。この場合は樹脂成形体21の下部が上部よりも軟質の樹脂で形成される。
[表示装置用カバーガラス:第3の実施形態]
図4は、第3の実施形態の表示装置用カバーガラスを示す断面図である。なお、第1の実施形態と同一の部分は同じ符号を用い、説明も省略する。
第3の実施形態では、樹脂成形体21の下部に別途異なる樹脂でシール部61を形成するものである。この場合も、シール部61は、樹脂成形体21よりも軟質の樹脂で形成されることが好ましい。
次に、本発明の表示装置用カバーガラスに用いられる各部について、詳細に説明する。
〔ガラス板〕
まず、ガラス板11について説明する。ガラス板11は、ユーザ面11a、ガラス端面11b、および、下面11cを有するものであれば、その形状は限定されないが、矩形が好ましい。ここで、矩形とは、実質的に略矩形であり、周辺部の角を切り落とした(コーナーカットした)形状をも含む。なお、一実施形態として矩形状のガラス板の例を示したが、これに限定されない。例えば、一辺が波型に加工された異形ガラス等でも構わない。
ガラス板11の大きさは限定されないが、例えば、矩形の場合は、その主面(ユーザ面11aおよび下面11c)のサイズが、10mm×30mm〜1000mm×1600mmが好ましく、30mm×50mm〜800mm×1000mmがより好ましい。
また、ガラス板11の厚さ(ガラス端面11bの長さ)は特に限定されないが、例えば、0.5〜10mmが好ましく、0.7〜3mmがより好ましい。
なお、ガラス板11のガラス端面11bは、シランカップリング剤および/またはプライマにより予め表面処理することが好ましい。この処理により、ガラス板11と樹脂成形体21となる樹脂との接着性を向上できる。シランカップリング剤としては、ビニル基含有シランカップリング剤、スチリル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、メタクリロイルオキシ基含有シランカップリング剤、アクリロイルオキシ基含有シランカップリング剤などが使用され、またプライマとしては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などを溶剤希釈したプライマを使用できる。
ガラス11の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で製造できる。例えば、従来公知のガラス原料を溶解し溶融ガラスとした後、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法、リドロー法、引き上げ法等によって板状に成形して製造できる。
また、ガラス板11のガラス組成は特に限定されない。さらに、ガラス板11は、加熱融着等により積層された複数枚のガラス板からなるものであってもよく、その場合、各ガラス板のガラス組成は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
もっとも、ガラス板11は、化学強化処理が施された強化ガラスであるのが好ましい。その場合、アルカリ成分を含有するガラスを選択する必要があり、ソーダライムガラスやアルカリアルミノシリケートガラスが好ましい。
化学強化処理は、未処理のガラス板に対して施される。ガラス板の表面(および表面を含む部位)には、化学強化処理が施されることで圧縮応力が発生した化学強化層が形成される一方、化学強化処理が施されない内部には、相対的に引張応力が発生し、引張応力層が形成される。
化学強化層の深さは例えば2〜50μmであり、その圧縮応力は例えば50〜900MPaである。また、引張応力層の引張応力は例えば20〜100MPaである。
化学強化処理は、概略的には、ガラス板に存在するアルカリ成分(例えば、Liイオン、Naイオン等のアルカリ金属イオンであり、以下「小径アルカリ成分」ともいう)を、イオン半径がより大きいアルカリ成分(例えば、Kイオン等のアルカリ金属イオンであり、以下「大径アルカリ成分」ともいう)で置換する、いわゆるイオン交換処理である。
化学強化処理の方法としては、具体的には、例えば、ガラス板を硝酸カリウム(KNO3)溶融塩に15分〜5時間浸漬させる方法が挙げられる。化学強化処理は、浸漬の前処理として、ヒータ等を用いて予熱する予熱処理を含んでいてもよい。化学強化処理(予熱処理を含む)の温度としては、例えば、550℃以下が挙げられる。
なお、化学強化処理が施された強化ガラスは、その後切断されて、上述した寸法のガラス板11が得られる。このとき、切断方法としては、特に限定されず、公知の切断方法が用いられ、例えば、ダイヤモンドカッターで切断線を刻設した後に折り割りする方法や、ダイシング装置で切断する方法、レーザー切断などが挙げられる。
化学強化処理後に切断されて得られるガラス板11は、端部が切断されることにより、2層の圧縮応力層の間に1層の引張応力層を有し、かつ、切断面(つまり、ガラス端面11b)から引張応力層が露出した状態となる。また側面の強度を維持するために、切断後(面取り加工含む)に化学強化処理しても良い。
〈ガラスの加飾〉
本発明のガラス板11のユーザ面11a(またはその反対の下面11c)には任意の加飾が施されても良い。加飾の柄は任意に実施することができるが、例えば黒色や白色によって額縁状の枠を形成する柄が挙げられる。加飾方法は種々の方法が利用できるが、例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、グラビヤオフセット印刷などが挙げられる。
〔機能膜〕
次に、ガラス板11のユーザ面11a上に配置される機能膜12について説明する。機能膜12は、フッ素含有有機ケイ素化合物により構成できる。すなわち、ガラス板11のユーザ面11a上で、フッ素含有有機ケイ素化合物を用いて成膜することにより、機能膜12が形成される。なお、機能膜12とガラス板11との間に反射防止膜等の任意の機能膜層(図示せず)を設けても構わない。
フッ素含有有機ケイ素化合物としては、機能性、撥水性、撥油性を付与するものであれば特に限定されず使用できる。
このようなフッ素含有有機ケイ素化合物としては、例えば、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物を好ましく使用できる。なお、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン基とエーテル性酸素原子とが交互に結合した構造を有する2価の基のことである。
このパーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物の具体例としては、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物等が挙げられる。
式中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状のパーフルオロアルキル基(アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)、Xは水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)、R1は加水分解可能な基(例えば、アミノ基、アルコキシ基等)またはハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、mは1〜50、好ましくは1〜30の整数、nは0〜2、好ましくは1〜2の整数、pは1〜10、好ましくは1〜8の整数である。
2q+1CHCHSi(NH (II)
ここで、qは1以上、好ましくは2〜20の整数である。
一般式(II)で表される化合物としては例えば、n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン(n−CFCHCHSi(NH)、n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン(n−CCHCHSi(NH)等を例示できる。
q’2q’+1CHCHSi(OCH (III)
ここで、q'は1以上、好ましくは1〜20の整数である。
一般式(III)で表される化合物としては、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(n−C17CHCHSi(OCH)等を例示できる。
式(IV)中、Rf2は、−(OC−(OC−(OCF−(s、t、uはそれぞれ独立に0〜200の整数)で表わされる2価の直鎖状パーフルオロポリエーテル基であり、R、Rは、それぞれ独立に炭素原子数1〜8の一価炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)である。X、Xは独立に加水分解可能な基(例えば、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、イソシアネート基等)またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、d、eは独立に1〜2の整数であり、c、fは独立に1〜5(好ましくは1〜2)の整数であり、aおよびbは独立に2または3である。
化合物(IV)が有するRf2においてs+t+uは、20〜300が好ましく、25〜100がより好ましい。また、R、Rとしては、メチル基、エチル基、ブチル基がより好ましい。X、Xで示される加水分解性基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。また、aおよびbはそれぞれ3が好ましい。
式(V)中、vは1〜3の整数であり、w、y、zはそれぞれ独立に0〜200の整数であり、hは1または2であり、iは2〜20の整数であり、Xは加水分解性基であり、Rは炭素数1〜22の直鎖または分岐の炭化水素基であり、kは0〜2の整数である。w+y+zは、20〜300が好ましく、25〜100がより好ましい。iは2〜10がより好ましい。Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。Rとしては、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
また、市販されているパーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物として、KP−801(商品名、信越化学社製)、KY178(商品名、信越化学社製)、KY−130(商品名、信越化学社製)、KY185(商品名、信越化学社製)、オプツ−ル(登録商標)DSXおよびオプツール(登録商標)AES(いずれも商品名、ダイキン社製)などが好ましく使用できる。
なお、フッ素含有有機ケイ素化合物は、大気中の水分との反応による劣化抑制などのためにフッ素系溶媒等の溶媒と混合して保存されているのが一般的であるが、これらの溶媒を含んだまま成膜すると、得られる機能膜12の耐久性等に悪影響を及ぼすことがある。
このため、本発明においては、予め溶媒除去処理を行ったフッ素含有有機ケイ素化合物、または、溶媒で希釈されていない(溶媒を添加していない)フッ素含有有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。例えば、フッ素含有有機ケイ素化合物溶液中に含まれる溶媒の濃度として1mol%以下のものが好ましく、0.2mol%以下のものがより好ましい。溶媒を含まないフッ素含有有機ケイ素化合物を用いることが特に好ましい。
上記フッ素含有有機ケイ素化合物を保存する際に用いられている溶媒としては、例えば、パーフルオロヘキサン、メタキシレンヘキサフルオライド(C(CF)、ハイドロフロオロポリエーテル、HFE7200/7100(商品名、住友スリーエム社製、HFE7200はC、HFE7100はCOCHで表わされる)等が挙げられる。
フッ素系溶媒を含むフッ素含有有機ケイ素化合物溶液からの溶媒(溶剤)の除去処理は、例えばフッ素含有有機ケイ素化合物溶液を入れた容器を真空排気することにより行うことができる。
真空排気を行う時間については、排気ライン、真空ポンプ等の排気能力、溶液の量等により変化するため限定されるものではないが、例えば10時間程度以上真空排気することにより行うことができる。
本発明における機能膜12を、ガラス板11のユーザ面11a上に成膜する方法は特に限定されるものではないが、上記のような材料を用いて真空蒸着により成膜することが好ましい。
この場合、上記溶媒の除去処理は、機能膜12を成膜する成膜装置の加熱容器にフッ素含有有機ケイ素化合物溶液を導入後、昇温する前に室温で加熱容器内を真空排気することにより行うこともできる。また、加熱容器に導入する前に予めエバポレーター等により溶媒除去を行っておくこともできる。
ただし、上述のとおり溶媒含有量が少ない、または含まないフッ素含有有機ケイ素化合物は溶媒を含んでいるものと比較して、大気と接触することにより劣化しやすい。
このため、溶媒含有量の少ない(または含まない)フッ素含有有機ケイ素化合物の保管容器は容器中を窒素等の不活性ガスで置換、密閉したものを使用し、取り扱う際には大気への暴露、接触時間が短くなるようにすることが好ましい。
具体的には、保管容器を開封後は直ちに機能膜12を成膜する成膜装置の加熱容器にフッ素含有有機ケイ素化合物を導入することが好ましい。そして、導入後は、加熱容器内を真空にするか、窒素、希ガス等の不活性ガスにより置換することにより、加熱容器内に含まれる大気(空気)を除去することが好ましい。大気と接触することなく保管容器(貯蔵容器)から本製造装置の加熱容器に導入できるように、例えば貯蔵容器と加熱容器とが、バルブ付きの配管により接続されていることがより好ましい。
そして、加熱容器にフッ素含有有機ケイ素化合物を導入後、容器内を真空または不活性ガスで置換した後には、直ちに成膜のための加熱を開始することが好ましい。
なお、機能膜12はガラス板11上に成膜する以外に、フィルム等を貼ることにより形成しても構わない。
このようにして得られる機能膜12の厚さは、0.5〜100μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
〔接着剤〕
本発明に用いられる接着剤31は、ガラス板11のガラス端面11b(第2の実施形態の場合には、さらに、下面11cの縁)に塗布され、接着力を発揮して、樹脂成形体21との接合に寄与するものであるが、本発明のカバーガラス1がノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の表示装置に用いられることから、導電性を有さず、また、できるだけ絶縁性に優れたものを用いることが好ましい。このような接着剤31の材質としては、接着力に優れるシリコーン系、ウレタン系、および、エポキシ系の接着剤ならびに両面テープ等が好適に挙げられる。
〔樹脂成形体(樹脂)〕
樹脂成形体21は、接着剤31を介してガラス板11に接合し、樹脂成形体21とガラス板11とが一体化して、本発明のカバーガラス1となる。
樹脂成形体21となる樹脂の材質としては、本発明のカバーガラス1がノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の表示装置に用いられることから、導電性を有さず、また、できるだけ絶縁性に優れたものを用いることが好ましく、本発明においては、熱可塑性樹脂が好適に使用される。
本発明に使用される熱可塑性樹脂としては、溶融成形によりガラス板11と一体成形できるものであれば、特に限定されず、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂など)、熱可塑性ポリエステル樹脂と他の樹脂との混合物、ポリマーアロイ、変性ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂など)、これらの変性樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、石油樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルエーテルニトリル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
〈液晶ポリマー、結晶性樹脂〉
これらの熱可塑性樹脂のうち、低剪断応力のため溶融流動性に優れており金型へ低圧で注入でき、また、バリが出にくいという観点から、液晶ポリマーおよび結晶性樹脂(ただし、液晶ポリマーを除く)が好ましい。
液晶ポリマー(LCP)としては、液晶層の構造がネマチック、スメクチック、ディスコチックである液晶ポリマーのいずれでもよく、また、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来、芳香族ジカルボン酸由来、芳香族ジオール由来のいずれの繰返し単位を主として有するものでもよい。特に、溶融成形が可能なサーモトロピック液晶ポリマーが好ましい。
これらは種々の物性のものが市販されており、いずれも好適に使用でき、例えば、ロッドランLC−5000、LC−5000F、LC−5000H(商品名、以上ユニチカ社製)、ザイダーSRT−300、SRT−500、FSR−315、RC−210、FC−110、FC−120、FC−130(商品名、以上日本石油化学社製)、エコノールE2000、エコノールE6000(商品名、以上住友化学工業社製)、EPE−240G30、ノバキュレートE322G30、E335G30(商品名、以上三菱化学社製)、ベクトラA950、ベクトラA130、ベクトラC130、ベクトラA230、ベクトラA410(商品名、以上ポリプラスチックス社製)、BIAC(商品名、ジャパンゴアテックス社製)、OCTA(商品名、大日本インキ化学工業社製)、Zenite(商品名、デュポン社製)、Novaccurate(商品名、三菱エンジニアリング社製)、SIVERAS(商品名、東レ社製)等が使用できる。
また、結晶性樹脂(ただし、液晶ポリマーを除く)としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリエーテルニトリル樹脂(PEN)、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド620、ポリアミド612、ポリアミドMDX6など)、ポリオキシメチレン樹脂(POM)、ポリエチレン樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂(例えば、シンジオタクチックポリスチレンなど)、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
結品性樹脂(ただし、液晶ポリマーを除く)としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリイミド樹脂が好ましく、ポリフェニレンスルフィド樹脂がより好ましい。
本発明の製造方法において、樹脂成形体21を形成する樹脂は、上記熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、これに分子中にヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物を配合した樹脂組成物である。ベース樹脂である熱可塑性樹脂に対し、ヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物を配合することにより、樹脂成形体21とガラス板11との接着性を大幅に向上できる。
〈ヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物〉
ヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物としては、熱可塑性樹脂と加熱溶融する際に発泡や分解しない化合物が好ましい。
分子中にヒドロキシ基を含有する化合物としては、各種アルコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの変性体や共重合体、ポリビニルブチラール、エチレングリコール、グリセリン、フェノール、フェノール樹脂、これらをエピクロルヒドリン等を用いて変性した化合物、フェノキシ樹脂、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、天然高分子(例えば、セルロース、セルロースの誘導体、デンプン、キチン、キトサン、シクロデキストリン、トレハロース、パラチノース、マルトースなど)等が挙げられる。
また、分子中にエポキシ基を含有する化合物としては、グリシジルアルコール、グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物としては、好ましくはヒドロキシ基またはエポキシ基を含有する高分子化合物であり、より好ましくはヒドロキシ基またはエポキシ基を含有する樹脂である。
ヒドロキシ基を含有する樹脂としてはフェノキシ樹脂が好ましく、エポキシ基を含有する樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAとビスフェノールFとの共重合型フェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の質量平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算値)は、10,000〜200,000が好ましく、20,000〜100,000がより好ましい。
フェノキシ樹脂としては、市販のものも選択可能であり、例えば、PKHC、PKHH、PKHJ、PKHB、PKFE、PKHP(商品名、以上InChem Corp.社製)、YP−50、YP−50S、YP−55、YP−70、FX239(商品名、以上東都化成社製)、エピコートE1256、エピコートE4250、エピコートE4275(商品名、以上ユニオンカーバイド社製)、UCAR、PKHC、PKHH(商品名、以上東都化成社製)等を使用できる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ヒドロキシ基を有する高分子化合物中のヒドロキシ基の含有量は、0.01〜23モル/kg高分子が好ましく、0.1〜15モル/kg高分子がより好ましく、1〜10モル/kg高分子がさらに好ましい。特に、フェノキシ樹脂においては、ヒドロキシ基の含有量の特に好ましい範囲は、3〜7モル/kg高分子(樹脂)であり、最も好ましい範囲は、3〜5モル/kg高分子(樹脂)である。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などのグリシジル型エポキシ樹脂;等が例示される。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ樹脂についても、フェノキシ樹脂と同様に、種々の物性のものが市販されており、その目的に合うものを選択して好適に使用できる。
エポキシ樹脂の質量平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算値)は、700〜200,000が好ましく、900〜100,000がより好ましい。
エポキシ基を有する高分子化合物中のエポキシ基の含有量は、0.01〜10モル/kg高分子が好ましく、0.1〜8モル/kg高分子がより好ましい。
フェノキシ樹脂とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いるほか、両者を併用して用い
てもよい。
本発明においては、熱可塑性樹脂にヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物を配合した樹脂組成物とする代わりに、当該化合物を上記熱可塑性樹脂に予めグラフトさせたり、当該化合物で変性させることによりヒドロキシ基および/またはエポキシ基等を熱可塑性樹脂に導入したりしてもよい。
〈配合割合〉
本発明において、上述した分子中にヒドロキシ基を含有する化合物および/またはエポキシ基を含有する化合物の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜90質量部が好ましく、3〜80質量部がより好ましい。
上記化合物の配合量があまり少ないと、樹脂組成物とガラス板11との十分な接着性が得られない場合があり、また、配合量があまり多いと、ベース樹脂である熱可塑性樹脂の基本的な特性が阻害され、強度の高い樹脂成形体21自体を得ることが困難となったり、接着性もむしろ悪化したりする場合があるが、配合量がこの範囲であれば、樹脂組成物とガラス板11との接着性に優れ、樹脂成形体21の強度に優れる。
〈充填剤等〉
さらに、本発明における樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で充填材を配合できる。繊維状の充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、金属繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ビニロン繊維、麻繊維などの有機繊維;等が挙げられる。粉粒状、球状、ブレーク状、針状、板状等の種々の形状の充填材としては、シリ力、アルミナ、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。板状の充填材としては、マイ力、ガラスブレーク等が挙げられる。中空状の充填材としては、シラスバルーン、ガラスバルーン、各種樹脂バルーン等が挙げられる。これらの充填材は、1種または2種以上を併用できる。
本発明における樹脂組成物には、さらに、本発明の目的を逸脱しない範囲で、着色剤、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、安定化剤、紫外線吸収剤、相溶化剤、分散剤、滑剤、離型剤、その他の添加剤を配合できる。また、補助的に、少量の他の熱可塑性樹脂も配合できる。
〈樹脂組成物の調製〉
本発明における樹脂組成物の調製は、種々の公知の方法で実施可能である。例えば、所定割合の熱可塑性樹脂、分子中にヒドロキシ基および/またはエポキシ基を含有する化合物、さらに必要に応じて充填剤等の成分を、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーなどにより予備混合したのち、押出機により溶融混練する方法が挙げられる。また、各成分をそれぞれ個別に押出機に供給して溶融混練することもできる。
〈樹脂の形状〉
樹脂成形体21となる樹脂の成型形状に関しては、金型形状の設計によって、適用機器に必要な加工を施すことできる。例えば、スピーカー、スイッチボタン、端子用に孔を空けたり、本体側と本カバーガラスの組み立て用のフック構造をもたせたり、筺体としての強度補強するための梁構造を裏側に組み込んだりできる。
〈樹脂表面の加飾〉
樹脂成形体21となる樹脂の表面は用途やデザインに応じ、任意に加飾を施してもよい。例えば、金型にエンボス処理しておくことにより、樹脂表面をエンボス加工することができる。また樹脂成型時に金型内の加飾面側にインモールド転写箔を挿入し、樹脂成型と同時に加飾を行ってもよい。
また成型加工後に、各種印刷方式により塗装することも可能である。この場合、樹脂の側面も加飾することが必要となる場合には、三次元加飾ができる方式が好ましい。例えば、インクジェット印刷、パッド印刷、スクリーン印刷、グラビヤオフセット印刷などにより任意の加飾を行うことができる。これらの方法によれば、加飾層表面に保護層としてハードコート層を同時に設けることも可能である。樹脂表面の加飾加工時に同時にガラスの周辺部にも加飾を実施してもよい。その場合、より一体感のあるデザインが得られる。
なお、樹脂の表面に加飾を施す場合には、予め印刷の膜厚を考慮に入れて、樹脂成形時に印刷の膜厚分だけ樹脂の高さが低くなるように形成しても構わない。そうすることで、樹脂表面の加飾層とガラス板の表面を面一にすることができるため好ましい。
[表示装置用カバーガラスの製造方法]
次に、本発明の表示装置用カバーガラスの製造方法(以下、便宜的に「本発明の製造方法」ともいう)について説明する。
本発明の製造方法は、機能膜12を有するガラス板11のガラス端面11bに接着剤31を塗布(第2の実施形態の場合には、ガラス板11の下面11cの縁にも塗布)し、接着剤31を塗布したガラス板11を金型内に載置し、この金型内に上述した樹脂を注入し、ガラス板11の周縁に樹脂成形体21を形成してガラス板11と一体化(一体樹脂成形)する方法である。これにより、図1〜図3に示すような本発明のカバーガラス1が得られる。
なお、一体樹脂成形は、射出成形やトランスファー成形、インサート成形などのモールド法により行われる。具体的には、予め金型にガラス板11を載置して金型を閉じ、次いで溶融状態の樹脂組成物を金型内に注入し、樹脂組成物の固化後に金型を開いて成形品を取り出す。金型としては、通常、少なくとも可動型(上型)と固定型(下型)とからなるものが使用され、例えば、この固定型にガラス板11を載置し、可動型を閉じて、このガラス板11の周縁に、成形型キャビティ、すなわち溶融樹脂が流入し樹脂成形体21を形成させるべき成形用空隙部を画定する。このキャビティに、当該型に設けた流路(ランナー)から溶融樹脂を注入して、樹脂主面21aおよび樹脂側面21bを有する樹脂成形体21を形成し、冷却後に型を開いて、ガラス板11に樹脂成形体21が接合した本発明のカバーガラス1が得られる。
[表示装置用カバーガラスの用途など]
本発明のカバーガラス1は、上述したように、ガラス板11と樹脂成形体21との接合欠陥が生じることが防止され、破損のおそれを低減できることから、例えば、移動時等に衝撃を受けやすいモバイル機器、具体的には、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、その他様々な表示装置のカバーガラスとしても好適に使用できる。
1:本発明の表示装置用カバーガラス
11:ガラス板
11a:ユーザ面
11b:ガラス端面
11c:下面
12:機能膜
12a:膜表面
21:樹脂成形体
21a:樹脂主面
21b:樹脂側面
21c:回り込み部
31:接着剤
61:シール部
101:従来のカバーガラス
111:ガラス板
111a:ユーザ面
111b:ガラス端面
112:機能膜
121:樹脂成形体
131:接着剤
141:界面
151:くぼみ

Claims (4)

  1. 表示装置を使用するユーザ側のユーザ面と、前記ユーザ面に連なるガラス端面とを有するガラス板と、
    前記ユーザ面上に設けられた機能膜と、
    前記ガラス板の周囲に設けられた樹脂成形体とを備え、
    前記機能膜の膜表面と前記樹脂成形体の主面である樹脂主面とが面一であり、前記ガラス端面と前記樹脂成形体との間に接着剤が設けられている、表示装置用カバーガラス。
  2. 前記機能膜の膜表面と前記樹脂主面との高低差が20μm以下である、請求項1に記載の表示装置用カバーガラス。
  3. 前記樹脂成形体は、前記ガラス板の周囲に継ぎ目なく連続的に形成されている、請求項1または2に記載の表示装置用カバーガラス。
  4. 前記樹脂成形体の引張強度(ASTM−D638に準拠)が、180〜240MPaである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置用カバーガラス。
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