JP2016133904A - 既読判断装置、既読判断方法及び既読判断プログラム - Google Patents

既読判断装置、既読判断方法及び既読判断プログラム Download PDF

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芳英 藤田
哲典 田口
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哲典 田口
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Motonobu Mihara
基伸 三原
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Abstract

【課題】文章の既読を精度良く判定する既読判断装置等を提供する。【解決手段】既読判断装置100は、文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得する視線情報取得部110と、対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定する滞留判定部134と、滞留判定部の判定結果に基づいて、対象者が文章を読み終えたか否かを判定する既読判定部142と、を含む。【選択図】図3

Description

本開示は、既読判断装置、既読判断方法及び既読判断プログラムに関する。
電子文書を表示する表示部と、撮影部と、表示部に対する視線位置を検出する視線位置検出部と、検出された視線位置に基づいて、表示部に表示される電子文書が読まれたかを判断する判断部とを備える電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子機器によれば、判断部は、視線速度が第1閾値以下であり、滞在時間が第2閾値以上であるときに、電子文書における検出領域が読まれたと判断する。
特開2013-25656号公報 特開平11-25124号公報 特開平7-129593号公報 特開2006-107048号公報
しかしながら、従来の方法では、文章の既読を精度良く判定するのが難しい。
開示の技術は、文章の既読を精度良く判定できる既読判断装置、既読判断方法及び既読判断プログラムの提供を目的とする。
本開示の一局面によれば、文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得する視線位置取得部と、
前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定する滞留判定部と、
前記滞留判定部の判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する既読判定部とを含む、既読判断装置が提供される。
本開示の技術によれば、文章の既読を精度良く判定できる既読判断装置、既読判断方法及び既読判断プログラムが得られる。
既読判断装置が適用される既読判断システム1の一例を示す図である。 既読判断装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。 既読判断装置100の機能ブロック図である。 ディスプレイに表示される文章及び複数の視線位置の遷移態様の一例を示す図である。 実施例1において既読判断装置100により実行される処理の一例を示すフローチャートである。 再開時点検出処理の一例を示すフローチャートである。 ステップS610の判定処理の説明図(その1)である。 ステップS610の判定処理の説明図(その2)である。 行の読み判定処理の一例を示すフローチャートである。 複数の視線位置の遷移態様の一例を示す図である。 複数の視線位置の遷移態様の他の一例を示す図である。 実施例2において既読判断装置100により実行される処理の一例を部分的に示すフローチャートである。 実施例3において既読判断装置100により実行される処理の一例を部分的に示すフローチャートである。 図13の処理の説明図である。 再開時点検出処理の代替例を示すフローチャートである。 図15の再開時点検出処理の説明図である。 行の読み判定処理の代替例を示すフローチャートである。 再開時点検出誤差に関連した複数の視線位置の遷移態様の一例を示す図である。 ステップS1702の処理の説明図である。 視線復帰判定処理の一例を示すフローチャートである。 図20の視線復帰判定処理の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、既読判断装置が適用される既読判断システム1の一例を示す図である。
既読判断システム1は、視線センサ20と、既読判断装置100とを含む。既読判断装置100は、視線センサ20とは有線または無線で通信可能に接続される。尚、以下で説明する既読判断装置100の機能の一部又は全部は、視線センサ20内に内蔵されうる処理装置により実現されてもよい。
視線センサ20は、カメラ21を含む。カメラ21は、イメージセンサを含んでよい。視線センサ20は、複数のカメラ21を含んでもよい。
カメラ21は、対象者S(対象者の一例)の目や顔の撮影画像を取得する。以下では、一例として、カメラ21は、対象者Sの顔を含む風景を撮影するものとする。カメラ21は、任意のタイプの撮像素子を含んでよい。例えば、カメラ21は、比較的安価なCMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)カメラであってよい。
図2は、既読判断装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
既読判断装置100は、例えばコンピューターにより実現される。図2に示す例では、既読判断装置100は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、入力部107を含む。
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介して既読判断装置100にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、既読判断装置100により実行可能となる。
ネットワークI/F部106は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と既読判断装置100とのインターフェースである。
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。
尚、図2に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムを既読判断装置100に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105を既読判断装置100に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
図3は、既読判断装置100の機能ブロック図である。
既読判断装置100は、視線情報取得部110と、視線検出部124と、視線移動態様判断部130と、読視線特定部140と、既読判定部142とを含む。
視線情報取得部110は、視線センサ20から視線情報を取得する。視線情報は、カメラ21の撮影画像そのものであってもよいし、カメラ21の撮影画像に基づいて得られる視線に関する情報(例えば視線ベクトルや視線位置座標)であってもよい。ここでは、視線情報取得部110は、カメラ21の撮影画像を取得するものとする。視線情報取得部110は、視線情報を時系列で取得する。例えば、視線情報取得部110は、所定のフレームレート毎に得られるカメラ21の撮影画像を取得する。視線情報は、その情報が取得された時刻を表す視線取得時刻情報を含んでよい。
視線検出部124は、対象者Sの視線を検出する。ここでは、視線検出部124は、仮想平面M上の対象者Sの視線位置を算出する。仮想平面Mは、文章の表示面に対応する。例えば文章がディスプレイに表示される文章である場合(即ち電子書籍の場合)、仮想平面Mは、ディスプレイの表示面に対応する。また、文章が紙ベースの書籍内の文章である場合、仮想平面Mは、書籍の紙面に対応する。視線位置Pは、図1に示すように、視線ベクトルV1が仮想平面Mに交わる点の位置である。以下では、便宜上、図1に示すように、仮想平面Mの左上端を原点としてXYZ軸を定義し、Z軸の正方向は、対象者S側であるとする。また、X軸の正の方向は、文章の読み方向に対応するものとする。以下では、一例として、仮想平面Mは、ディスプレイの表示面であるとする。この場合、カメラ21は、ディスプレイの外枠等に設けられてもよい。
視線位置算出方法は、任意である。視線検出部124では以下の手順で視線を検出する。初めにカメラ21の撮影画像に基づいて、対象者Sの視線ベクトルV1を算出する。対象者Sの視線ベクトルV1の算出方法は、例えば特開2011-217764号公報に開示される方法であってよい。また、視線方向(視線ベクトルV1)の検出方法は、瞳孔と角膜反射を検知し、それらの位置関係から視線方向を算出する角膜反射法であってもよい。この場合、視線センサ20は、近赤外LED(Light-Emitting Diode)を含む。近赤外LEDから発せられる近赤外光を対象者Sの顔に当てるこの方法は、瞳孔は視線方向によって位置が変わるが、角膜反射の位置は、視線方向には影響を受けないことを利用するものである。近赤外LEDにより近赤外光を顔に当てる場合は、目の中に基準点となる角膜反射が発生するため、カメラのみから計測する方法と比較して計測精度が向上する。次に、算出した視線ベクトルV1に基づいて対象者Sの視線位置を求める。視線ベクトルV1と対象者S及び仮想平面M間の距離とに基づいて、仮想平面M上における対象者Sの視線位置を算出する。ここで、対象者S及び仮想平面M間の距離は、測定値であってもよいし、固定値(想定値)であってもよい。例えば、対象者Sの瞳孔間距離に基づいて、対象者S及び仮想平面M間の距離(以下、「仮想平面M−対象者間距離」とも称する)を算出してもよい。尚、算出した視線位置は、その後のキャリブレーション等の後処理を行ってもよい。更に、視線検出部124では、算出した視線位置における視線情報の取得時刻を表す視線取得時刻情報に紐付けする。以下の説明においては、その視線位置における視線情報の取得時刻に対応する。
視線移動態様判断部130は、視線検出部124により検出される視線位置の時間経過に伴う移動に基づいて、文章に対する対象者Sの視線の移動態様を判断する。視線移動態様判断部130は、中断検出部132と、滞留判定部134から構成される。
中断検出部132は、対象者Sによる文章の読みの中断を検出する。中断の検出方法は、任意である。対象者Sが文章を読んでいるときは、対象者Sの視線位置は、文章の読み方向に沿って移動する。他方、対象者Sが文章の読みを中断したときは、対象者Sの視線位置は、文章の位置から大きく乖離する。従って、中断検出部132は、かかる乖離を検出することで、対象者Sによる文章の読みの中断を検出できる。例えば、中断検出部132は、視線検出部124が対象者Sの視線位置を仮想平面M上の所定領域内に検出できない場合、対象者Sによる文章の読みの中断を検出する。ここで所定領域とは、ディスプレイの表示画面に対応する領域である。または、中断検出部132は、視線ベクトルV1に基づいて、対象者Sによる文章の読みの中断を検出してもよい。この場合、中断検出部132は、視線ベクトルV1がディスプレイの表示画面に向かう方向に向いていない場合に、対象者Sによる文章の読みの中断を検出してもよい。
滞留判定部134は、対象者Sの任意の時間における時間経過に伴う複数の視線位置に基づいて、該対象者Sの視線位置が滞留しているか否かを判定する。ここで対象者Sの視線位置の滞留とは、例えば該対象者Sの視線位置が文章上にあるが、文章の読み方向に移動しておらず、所定の範囲内に視線が収まっている状態を指す。また「所定の範囲内」とは、視線装置に起因する視線検出誤差により注視している視線位置が判定できない範囲のことである。対象者Sの視線位置の滞留は、典型的には、対象者Sが文章を読んでいる途中で視線位置が異なる場所に大きく移動した後、再び、読みの続きを探す際に生じる。かかる大きな視線の移動は、例えばよそ見をしたり文章の読みを一時的に中断したりする際に生じる。滞留の判定方法は任意である。例えば、滞留判定部134は、対象者Sの視線位置が文章上にあり且つ文章の読み方向に移動していない場合(視線位置の動きが小さい場合や、読み方向に対して所定の範囲内で視線位置の往復する動きが発生している場合等)、対象者Sの視線位置が滞留していると判定してもよい。対象者Sの視線位置は文章上に必ずしもいる必要はない。所定の範囲内に基づく視線位置の検出誤差だけずれていてもよい。従って、対象者Sの視線位置が文章上にある状態とは、対象者Sの視線位置が所定の範囲内に基づき当該文章の行、またはその周辺の文章の行の上にある状態を含みうる。
滞留判定部134は、対象者Sの任意の時間における時間経過に伴う複数の視線位置に基づいて、該対象者Sの視線位置が滞留しているか否かを判定して、該判定結果から対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。例えば滞留判定部134は、対象者Sの視線位置が滞留していると判定した後、視線位置が所定の範囲内を超えて滞留が無くなったと判定した場合に、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。対象者Sによる文章の読みの再開は、典型的には、対象者Sによる文章の読みの中断の後、視線位置の滞留を経て所定時間(又は所定フレーム数)以上連続して読み方向に視線位置が移動した場合に、文章の読みが再開したと検出してもよい。滞留判定部134の動作の更なる例については後述する。
読視線特定部140は、中断検出部132の検出結果と滞留判定部134の判定結果とに基づいて、視線検出部124により検出される対象者Sの時間経過に伴う複数の視線位置の中から対象者Sが文章を読んでいるときの視線位置を特定する。視線検出部124により検出される対象者Sの時間経過に伴う複数の視線位置の中には、対象者Sが文章を読んでいるときの視線位置と、対象者Sが文章を読んでいないときの視線位置とが含まれる。以下、読視線特定部140が特定する、対象者Sが文章を読んでいるときの視線位置を、「読視線位置」と称し、それ以外のときの視線位置を、「非読視線位置」と称する。
読視線特定部140において、中断検出部132により検出される中断中に得られる視線位置については、対象者Sが文章の読みを中断しているときの視線位置であるので、非読視線位置と判断する。即ち、読視線特定部140は、中断検出部132により検出される中断中に得られる視線位置については、読視線位置として特定しない。また、読視線特定部140は、滞留判定部134により滞留していると判定される視線位置については、対象者Sが文章の読み始め位置を探しているときの視線位置であるので、非読視線位置と判断し、読視線位置として特定しない。但し、後述の如く、読視線特定部140は、滞留判定部134により滞留していると判定される時間経過に伴う複数の視線位置の一部(時系列で最後の方の一部)については、読視線位置として特定してもよい。これは、滞留判定部134により滞留していると判定される時間経過に伴う複数の視線位置の最後の方の部分は、対象者Sが文章の読みを開始した後の視線位置である可能性があるためである。
読視線特定部140は、特定した読視線位置に基づいて、対象者Sが文章を読んでいる時間(以下、「文章読時間」とも称する)を算出する。読視線位置は、対象者Sが文章を読んでいるときの視線位置であるので、読視線位置の数や読視線位置の時点に基づいて、文章読時間を算出できる。例えば、視線情報取得部110が、所定の周期ΔT1(フレームレート)毎に得られるカメラ21の撮影画像を取得する場合、読視線位置の数を"N"とすると、ΔT×Nは、文章読時間の指標となる。文章読時間の算出方法の他の例は後述する。
既読判定部142は、滞留判定部134の判定結果に基づいて、対象者Sが文章を読み終えたか否かを判定する。この際、既読判定部142は、滞留判定部134により対象者Sの視線位置が滞留していると判定されている間の時間を、対象者Sが文章を読んでいる時間に算入せずに、対象者Sが文章を読み終えたか否かを判定する。既読判定部142により読み終えたか否かが判定される文章の単位は、任意である。例えば、句読点"。"から"。"までの一文であってもよいし、一行単位であってもよいし、一段落単位であってもよいし、一ページ単位であってもよい。また、既読判定部142により読み終えたか否かが判定される文章の単位は、所定領域単位であってもよいし、所定文字数単位であってもよい。
図3に示す例では、既読判定部142は、読視線特定部140により特定された読視線位置に基づいて、対象者Sが文章を読み終えたか否かを判定する。具体的には、既読判定部142は、読視線特定部140が算出した文章読時間が、文章を読むのに必要な時間に対応する所定閾値Tthを超えた場合、対象者Sが文章を読み終えたと判定する。所定閾値Tthは、文章毎に適宜設定され、例えば読時間データベース144に予め保存される。また、所定閾値Tthは、文章の文字数に応じて自動的に設定されてもよいし、対象者Sの読み速度の学習値に基づいて適合されてもよい。
ところで、人は、ある文章を読んでいる途中で、まったく別の箇所や別の文書など、別の位置に目を移したのち、再度元の位置に戻って文章の続きを読むことがある。しかしながら、人が別の位置に目を移したのち、該文章の続きの位置を探すのにはある程度の時間がかかる。かかる元の位置を探しているときの視線位置は、文章に向けられている視線位置として認識されるが、実際には、該文章を読んでいるときの視線位置(読視線位置)とはいえない。従って、人が続きの位置を探すのに要した時間は、文章を読んでいる時間に算入しない方が望ましい。
この点を考慮して、既読判定部142は、滞留判定部134の判定結果に基づいて、対象者Sの視線位置が滞留している間の時間を、該対象者Sが文章を読んでいる時間に算入せずに、文章を読み終えたか否かを判定する。図3に示す例では、読視線特定部140は、上述の如く、滞留判定部134の判定結果に基づいて、視線検出部124により検出される対象者Sの時間経過に伴う複数の視線位置の中から読視線位置を特定する。即ち、読視線特定部140は滞留判定部134により滞留していると判定される視線位置については、対象者Sが文章の読み再開位置を探しているときの視線位置(非読視線位置)と判断し、読視線位置として特定しない。これにより、対象者Sが文章の続きを読む際に読み再開の位置を探すのに要した時間(滞留判定部134により滞留していると判定される時間)を、対象者Sが文章を読んでいる時間に算入せずに、既読判断を行うことができる可能性が高まる。従って、図3に示す既読判断装置100によれば、対象者Sがある文章を読んでいる途中で別の離れた位置に視線を移したのち、読み再開の位置に戻って文章の続きを読む場合でも、精度の良い既読判断が可能である。
次に、図4乃至図11を参照して、既読判断装置100の動作に関する実施例(実施例1)について説明する。ここでは、図4に示すような文章を対象者Sが読むシーンを想定する。尚、図4に示す文章は、一例として、ディスプレイに表示される文章である。また、以下では、一例として、文章は、一行単位で、既読判定部142により読み終えたか否かが判定されるものとする。図4には、ディスプレイ上における視線位置の移動態様が、○、数字及び矢印で示されている。○は視線位置を表す。○内の数字は時間経過に対応した視線位置の順序であり、数字が増加する方向が時間の経過に対応する。尚、この表記は、以降の図においても同様である。
図5は、実施例1において既読判断装置100により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS502では、視線移動態様判断部130は、視線検出部124の検出結果に基づいて、対象者Sが、ある行を読み始めたときの時点(ts)を記録する。時点(ts)は、ある行を読み始めたときの視線位置を検出した際に利用された視線情報に含まれる時点情報に基づくものであってよい。ある行を読み始めたか否かは、改行に対する視線位置の動きに基づいて判定できる。なぜならば人は改行を伴う文章を読むとき、その行の最後の文字を認識してから次の行の先頭へと視線を移すのが通常であるためである。図4に示す例では、改行に対する視線位置の動きは、視線位置P0から視線位置P1への変化のような、読み方向とは逆方向の比較的大きな視線位置の動きとして検出できる。以下、今回の実施例では読み始めた行を、"m行"とする。図4に示す例では、文章の"た"から始まる2行目が"m行"である。なお、どの行を読んでいるかを特定することは、改行に対する視線位置の動きを検出した回数をカウントすることで検出できる。
ステップS504では、視線移動態様判断部130は、時点(ts)の後の視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得する。例えば、視線移動態様判断部130は、時点(ts)の次の時点の撮影画像に基づく視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得する。
ステップS506では、視線移動態様判断部130の中断検出部132は、ステップS504で得た視線位置がm行の上にあるか否かを判定する。視線位置がm行の上にあるか否かは、正確な判定である必要はなく、視線位置が直前の時間における視線位置の周辺に算出されたか否かを判定してもよい。これは、ステップS506の判定は、例えば、対象者Sが、読んでいた文章のm行とは全く異なる方向の位置に視線を移す事象(中断)を検出するための処理であるためである。視線位置がm行の上にある場合は、ステップS508に進み、m行とは全く異なる方向の位置にある場合は、対象者Sによるm行の読みの中断を検出し、ステップS514に進む。
ステップS508では、視線移動態様判断部130は、改行に対する視線位置の動きを検出したか否かを判定する。改行に対する視線位置の動きは、例えば図4において視線位置P6から視線位置P7への変化のような、読み方向とは逆方向の比較的大きな視線位置の動きとして検出できる。
ステップS510では、視線移動態様判断部130は、改行に対する視線位置の動きの検出直前の時点(te)を記録する。時点(te)は、m行の読みが終了した時点の検出結果となる。時点(te)は、適宜補正されてもよい。図4に示す例では、視線移動態様判断部130は、視線位置P7の時点の直前の時点、例えば視線位置P6の時点を記録する。或いは、視線移動態様判断部130は、視線位置P7の時点と、視線位置P6の時点との中間時点を記録してもよい。なお、m+1行に関する処理において、時点(te)は、m+1行の読みが開始された時点を算出する際に利用されてもよい。例えば、m+1行に関する処理において、ステップS502では、視線移動態様判断部130は、m+1行の読みが開始された時点(ts)を、m行の読みが終了した時点(te)より所定時間後の時点として算出してもよい。
ステップS512では、読視線特定部140及び既読判定部142は、m行の読み判定処理を行う。行の読み判定処理は、図9を参照して後述する。
ステップS514では、視線移動態様判断部130の中断検出部132は、視線位置がm行の方向の位置から全く異なる方向の位置に外れる直前の時点(ti)を記録する。時点(ti)は、中断検出部132により中断が検出された時点に対応する。尚、時点(ti)は、文章読時間の算出方法によっては、中断中の時間が文章読時間に算入されないように、適宜補正されてもよい。
ステップS516では、視線移動態様判断部130は、視線位置がm行の方向の位置から全く異なる方向の位置に外れた後の視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得する。
ステップS518では、視線移動態様判断部130の滞留判定部134は、ステップS516で得た視線位置がm行の上またはその周辺に戻ったか否かを判定する。視線位置がm行の上またはその周辺に戻ったか否かの判定方法は、上述のステップS506と同様であってよい。例えば、視線移動態様判断部130は、m行から外れる直前の視線位置に対して、ステップS516で得た視線位置のY軸方向のずれが所定値以内である場合に、ステップS516で得た視線位置がm行の上またはその周辺に戻ったと判定してもよい。視線位置がm行の上またはその周辺に戻ったか否かの判定方法の他の好ましい例については、図20等を参照して後述する。視線位置がm行の上またはその周辺に戻った場合は、ステップS520に進み、それ以外の場合は、ステップS516に戻り、次の時点で得られる視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)に基づいて、ステップS518の判定を繰り返す。
ステップS520では、視線移動態様判断部130の滞留判定部134は、読み再開時点検出処理を行う。読み再開時点検出処理は、図6を参照して後述する。ステップS520の処理を終了すると(即ち対象者Sによる文章の読みの再開を検出すると)、ステップS504からの処理に移行する。
図6は、再開時点検出処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、図5のステップS520の処理として実行される。図6に示す処理は、図5のステップS518の判定結果が"YES"となった時点以降の視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)に対して実行される。
ステップS600では、滞留判定部134は、検出誤差(Δx、Δy)を設定する。検出誤差(Δx、Δy)は、既述の「所定の範囲内」に示した視線位置の検出誤差の試験結果等に適合されてよい。尚、Δxについては、模式的に図7に示されている。
ステップS602では、滞留判定部134は、値nをn=1と初期化する。値nは、時間経過に対応した視線位置の順序であり、数字が増加する方向が時間の経過に対応する。
ステップS604では、滞留判定部134は、値nに対応する視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得する。ここでは、値nに対応する視線位置(X座標,Y座標)及び時点を、(xn,yn,tn)で表す。
ステップS606では、滞留判定部134は、xn−Δx>x1+Δxであるか否かを判定する。図7及び図8は、この判定処理の説明図である。図7及び図8には、横軸に時間を示し、縦軸に視線位置のX座標を示す。図7には、時刻t1の視線位置P1及び時刻tnの視線位置Pnが示されると共に、xn−Δxのラインと、x1+Δxとが点線で示されている。図7において、視線位置P1等を中心として上下方向に延びる範囲は、X方向の検出誤差Δxを表す。図8には、時刻t1〜tk+2の各時点の視線位置の一例が示されている。図8において、S1で示される期間は、視線位置が滞留している状態を示し、S2で示される期間は、視線位置が読み方向に移動している状態を示す。xn−Δx>x1+Δxである場合は、滞留判定部134は、対象者Sの視線位置が滞留していない(読み方向に移動している)と判断し、ステップS610に進む。他方、xn−Δx>x1+Δxでない場合は、滞留判定部134は、対象者Sの視線位置が滞留していると判断し、ステップS608に進む。尚、図8に示す例では、n=kのとき、xn−Δx>x1+Δxとなる。
ステップS608では、滞留判定部134は、値nを"1"だけインクリメントする。ステップS608の処理後、滞留判定部134は、更新された値nに係る視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得し(ステップS604)、ステップS606の判定を繰り返す。このようにして、xn−Δx>x1+Δxとなるまで、値nをインクリメントする(次の時点の視線検出部124の検出結果を取得する)。
ステップS610では、滞留判定部134は、xn−Δx>x1+Δxとなる時点tnを再開時点(tr)として記録する。即ち、滞留判定部134は、xn−Δx>x1+Δxとなる視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)に基づいて、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。図8に示す例では、時点tkが再開時点(tr)として記録される。
図6に示す処理によれば、滞留判定部134は、m行の読み途中で文章から一旦視線を外した対象者Sの視線位置が、m行の上またはその周辺に戻ったときの視線位置を基準点として、2Δxよりも大きく読み方向に移動した場合に、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。これは、対象者Sが文章の続きの位置を探しているときは、視線位置はX方向で大きく変化せず、検出誤差Δxに起因した範囲内の変化に留まるのに対して、文章の読み再開後は視線位置はX方向で2Δxよりも大きく変化する傾向があるためである。これにより、単に視線位置がm行の上またはその周辺に戻った時点で対象者Sによる文章の読みの再開を検出する場合に比べて、対象者Sによる文章の読みの再開を精度良く検出できる。これは、上述の如く、対象者Sの視線位置がm行の上またはその周辺に戻った場合であっても、対象者Sが文章の続きの位置を見つけるまで、文章の読みが再開されないためである。
図9は、m行の読み判定処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す処理は、図5のステップS512の処理として実行される。図9に示す処理は、図5のステップS502、ステップS510(及び場合によってはステップS514、ステップS610)で得られる時点(ts,te,ti,tr)に基づいて実行される。
ステップS900では、読視線特定部140は、視線位置がm行から外れる直前の時点(ti)が記録されているか否かを判定する。即ち、読視線特定部140は、m行の読み途中で中断検出部132により中断が検出されたか否かを判定する。中断検出部132により中断が検出された場合は、ステップS902に進み、それ以外の場合は、ステップS904に進む。
ステップS902では、読視線特定部140は、視線検出部124により検出された時間経過に伴う複数の視線位置のうち、時点tsから時点tiまでの各視線位置及び時点trから時点teまでの各視線位置を読視線位置として特定し、文章読時間を算出する。具体的には、読視線特定部140は、時点tsから時点tiまでの時間(第1時間の一例)と、時点trから時点teまでの時間(第2時間の一例)とを合計することで、m行に係る文章読時間ttを、tt=(ti−ts)+(te−tr)として算出する。
ステップS904では、読視線特定部140は、視線検出部124により検出された複数時点の視線位置のうち、時点tsから時点teまでの各視線位置を読視線位置として特定し、文章読時間を算出する。具体的には、読視線特定部140は、m行に係る文章読時間ttを、tt=(te−ts)として算出する。
ステップS905では、既読判定部142は、所定閾値Tthを設定する。既読判定部142は、m行の文字数に応じて所定閾値Tthを設定してもよい。また、既読判定部142は、m行に対する所定閾値Tthが読時間データベース144に記憶されている場合は、読時間データベース144から、m行に対する所定閾値Tthを読み出してもよい。
ステップS906では、既読判定部142は、ステップS902又はステップS904で読視線特定部140が算出した文章読時間が、ステップS905で設定した所定閾値Tthを超えたか否かを判定する。文章読時間が所定閾値Tthを超えた場合は、ステップS908に進み、それ以外の場合は、ステップS910に進む。
ステップS908では、既読判定部142は、m行を読んだ(読み終えた)と判定する。
ステップS910では、既読判定部142は、m行を読んでいない(読み終えていない)と判定する。
図9に示す処理によれば、中断検出部132により中断が検出された場合、読視線特定部140は、視線位置がm行から外れる直前の時点(ti)から再開時点(tr)までの時間(各視線位置)を含めずに、文章読時間を算出できる。これにより、m行の読み途中で文章から一旦視線を外した対象者Sが、m行の読みの続きの位置を見つけるまでに要する時間を含めずに、m行に係る文章読時間を算出できる。
図10は、複数の視線位置の遷移態様の一例を示す図である。図10に示す例では、視線位置P3から視線位置Paへと当該m行とは全く異なる方向の位置に外れる視線位置の移動(読みの中断)があり、その後、視線位置Pbから視線位置P4へとm行の上に視線位置が戻った場合が示される。また、図10に示す例では、m行の上に視線位置を戻した後、対象者Sは、視線位置P4乃至P6の動きで、文章の続きの位置を探した場合が示される。また、図10に示す例では、その後、対象者Sは、m行を読み終えずに、視線位置P7のように読み方向とは反対方向に視線位置をm+1行の開始位置に大きく移動させている。
図10に示す例において、仮に、視線位置P1の時点t1から視線位置P6の時点t6までの時間(=t6−t1)から、視線位置P3の時点t3から視線位置P4の時点t4までの時間(=t4−t3)を差し引いた時間が、所定閾値Tthよりも長いとする。この場合、文章の続きの位置を探しているときの視線位置P4乃至P6を読視線位置として特定する比較構成では、時間(=t6−t1−t4+t3)が所定閾値Tthよりも長いことから、m行を読み終えたと誤判定する可能性がある。
これに対して、本実施例1によれば、上述の如く、文章の続きの位置を探しているときの視線位置P4乃至P6が読視線位置として特定されないので、視線位置P4の時点t4から視線位置P6の時点t6までの時間(=t6−t4)が文章読時間に算入されない。即ち、本実施例1によれば、図10に示す例では、文章読時間は、視線位置P1の時点t1から視線位置P3の時点t3までの時間(=t3−t1)として算出される。従って、本実施例1によれば、上述のような比較構成で生じうる誤判定を低減できる。
図11は、複数の視線位置の遷移態様の他の一例を示す図である。図11に示す例では、視線位置P3から視線位置Paへと大きい視線位置の移動(読みの中断)があり、その後、視線位置Pbから視線位置P4へとm行の上に視線位置が戻った場合が示される。また、図10に示す例では、m行の上に視線位置を戻した後、対象者Sは、視線位置P4乃至P6の動きで、文章の続きの位置を探した場合が示される。また、図10に示す例では、その後、対象者Sは、視線位置P7乃至P9のように視線位置を読み方向に移動させ、改行に起因して視線位置を移動させている(視線位置P9から視線位置P10への移動)。
本実施例1によれば、図11に示す例では、文章の続きの位置を探しているときの視線位置P4乃至P6が読視線位置として特定されないので、視線位置P4の時点t4から視線位置P6の時点t6までの時間(=t6−t4)が文章読時間に算入されない。即ち、本実施例1によれば、図10に示す例では、視線位置P1乃至P3及び視線位置P7乃至P9が読視線位置として特定され、文章読時間ttは、tt=(t3−t1)+(t9−t7)して算出される。従って、本実施例1によれば、対象者Sが中断後に文章の続きの位置を探すのに比較的時間をかけた場合であっても、文章読時間を精度良く算出できる。
次に、図4、図6、図9、図11及び図12を参照して、既読判断装置100の動作に関する他の実施例(実施例2)について説明する。ここでは、上述した実施例1と同様に、図4に示すような文章を対象者Sが読むシーンを想定する。本実施例2は、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する際に用いる基準点の設定方法が、上述した実施例1と異なる。具体的には、上述した実施例1では、上述の如く、滞留判定部134は、m行の読み途中で文章から一旦視線を外した対象者Sの視線位置がm行の上に戻ったときの視線位置を基準点として対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。これに対して、本実施例2では、以下で説明するように、滞留判定部134は、m行の読み途中で文章から一旦視線を外した直前の視線位置周辺の所定位置を基準点として対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。他の処理(図6、図9)については、以下の説明する点を除き、本実施例2においても同様に実行される。
図12は、実施例2において既読判断装置100により実行される処理の一例を部分的に示すフローチャートである。実施例2において既読判断装置100により実行される処理は、図5に示した処理において、ステップS518とステップS520の間に、ステップS1200及びステップS1202の処理が追加された点が異なる。図12には、図5に示したA部に代替される処理部分が示されている。
ステップS1200では、視線移動態様判断部130は、m行から外れる直前の視線位置周辺で文章の区切りを検索する。例えば、視線移動態様判断部130は、m行から外れる直前の視線位置を中心とする所定範囲内で、文書の区切りがよいところ(句読点等)や目立つ部分を検索する。あるいは視線移動態様判断部130は、m行から外れる直前の視線位置を中心とする所定範囲内で、句読点以外の目立つ部分として、カタカナ、数字、アルファベットを検索してもよい。
ステップS1202では、視線移動態様判断部130は、ステップS1200で見つけた文章の区切りを基準点に設定する。このようにして設定された基準点のx座標は、ステップS520(図6のステップS606)において、"x1"として用いられる。
図12に示す処理によれば、m行とは全く異なる方向の位置に外れる直前の視線位置周辺で基準点が設定される。例えば図11に示す例では、視線位置P3の周辺で基準点が設定される。この場合、基準点は、例えば、視線位置P3自体の位置であってもよいし、文字"a"の直前の句読点の位置であってもよいし、文字"a"の位置であってもよい。
次に、図4、図9、図11、図13及び図14を参照して、既読判断装置100の動作に関する他の実施例(実施例3)について説明する。ここでは、上述した実施例1と同様に、図4に示すような文章を対象者Sが読むシーンを想定する。本実施例3は、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する方法が、上述した実施例1と異なる。具体的には、上述した実施例1では、上述の如く、滞留判定部134は、xn−Δx>x1+Δxとなる視線位置を、対象者Sが文章の読みの再開したときの視線位置として検出する。これに対して、本実施例3では、以下で説明するように、滞留判定部134は、m行の上に視線位置が戻った時点から所定時間td後の視線位置を、対象者Sが文章の読みの再開したときの視線位置として検出する。図6の処理は、本実施例3においては実行されず、図9に示す処理は、以下の説明する点を除き、本実施例3においても同様に実行される。ここでの所定時間tdとは、視線装置に起因する視線検出誤差により注視している視線位置が既述の所定の範囲内にあり、読みを再開していると判定できない合計時間のことである。すなわち図13ではP4からP6までの合計時間がtdとなる。
図13は、実施例3において既読判断装置100により実行される処理の一例を部分的に示すフローチャートである。実施例3において既読判断装置100により実行される処理は、図5に示した処理において、ステップS520を無くし、ステップS518に後続して、ステップS1300及びステップS1302の処理が追加された点が異なる。図13には、図5に示したA部に代替される処理部分が示されている。
ステップS1300では、視線移動態様判断部130は、視線位置がm行に戻ってきた時点(tb)を記録する。即ち、視線移動態様判断部130は、ステップS518の判定結果が"YES"となる視線位置に係る時点(tb)を記録する。
ステップS1302では、視線移動態様判断部130の滞留判定部134は、視線位置がm行に戻ってきた時点(tb)と、所定時間tdとに基づいて、再開時点(tr)を算出し、記録する。具体的には、滞留判定部134は、視線位置がm行に戻ってきた時点(tb)から所定時間tdの間は、対象者Sの視線位置が滞留していると判断し、時点(tb)から所定時間td経過後に、対象者Sによる読みの再開を検出する。従って、視線移動態様判断部130は、再開時点(tr)を、tr=tb+tdと算出し、記録する。このようにして算出された再開時点(tr)は、図9のステップS902において、文章読時間ttを算出する際に用いられる。
図13に示す処理によれば、m行から外れてから戻った時点を基準として所定時間td後の読みの再開が検出される。即ち、滞留判定部134は、m行の読み途中で文章から一旦視線を外した対象者Sの視線位置が、m行の上に戻ったときを基準点として、所定時間td経過した場合に、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。これは、対象者Sが文章の続きの位置を探しているのに、ある程度時間がかかるためである。これにより、単に視線位置がm行の上に戻った時点で対象者Sによる文章の読みの再開を検出する比較構成に比べて、対象者Sによる文章の読みの再開を精度良く検出できる。
図14は、図13の処理の説明図であり、図11に示した複数の視線位置の遷移態様の例を時系列に沿って表す図である。図13に示す処理によれば、m行から外れてから戻った時点(tb)を基準として所定時間td後の視線位置P6に係る時点が、再開時点(tr)として算出される。即ち、視線位置P1乃至P3及びP6乃至P9が、m行に係る読視線位置として特定される。尚、文章読時間ttは、図9に示す処理により、tt=(ti−ts)+(te−tr)として算出される。
次に、図15乃至図16を参照して、図6に示す再開時点検出処理の代替例について説明する。
図15は、再開時点検出処理の代替例を示すフローチャートである。図15に示す処理は、視線がm行に戻ってきた直後の視線位置を基準点として、その後の基準点から各視線位置までの移動距離を利用する方法である。図16は、横方向移動距離及び縦方向移動距離の説明図である。
ステップS1502では、滞留判定部134は、値nをn=1と初期化する。値nは、時系列の順序を表し、nの増加する方向が時間の経過方向に対応する。
ステップS1504では、滞留判定部134は、値nに対応する視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得する。ここでは、値nに対応する視線位置及び時点を、(xn,yn,tn)で表す。
ステップS1505では、滞留判定部134は、直前の視線位置からの変化量を、以下のように、縦方向と横方向に分離して算出する。即ち、滞留判定部134は、縦方向移動距離の絶対値dyn及び横方向移動距離の絶対値dxnを算出する(図16参照)。
縦方向移動距離の絶対値dyn=|y(n)−y(n−1)|
横方向移動距離の絶対値dxn=|x(n)−x(n−1)|
尚、n=1のときは、dy1、dx1はともに0であってよい。
ステップS1506では、滞留判定部134は、縦方向移動距離の絶対値の積算値Σdy、及び、横方向移動距離の絶対値の積算値Σdxを算出する。
Σdy=|y(2)−y(1)|+|y(3)−y(2)|+…+|y(n)−y(n-1)|
Σdx=|x(2)−x(1)|+|x(3)−x(2)|+…+|x(n)−x(n-1)|
ステップS1507では、滞留判定部134は、Σdx>Σdy、且つ、x(n)>x(1)が満たされるか否かを判定する。尚、ステップS1507の判定は、n=3以上から実行されてもよい。Σdx>Σdy、且つ、x(n)>x(1)が満たされる場合は、滞留判定部134は、対象者Sの視線位置が滞留していない(読み方向に移動している)と判断し、ステップS1510に進む。他方、Σdx>Σdy、且つ、x(n)>x(1)が満たされない場合は、滞留判定部134は、対象者Sの視線位置が滞留していると判断し、ステップS1508に進む。
ステップS1508では、滞留判定部134は、値nを"1"だけインクリメントする。ステップS1508の処理後、滞留判定部134は、更新された値nに係る視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得し(ステップS1504)、ステップS1507の判定を繰り返す。このようにして、Σdx>Σdy、且つ、x(n)>x(1)が満たされるまで、値nをインクリメントする(次の時点の視線検出部124の検出結果を取得する)。
ステップS1510では、滞留判定部134は、Σdx>Σdy、且つ、x(n)>x(1)が満たされる時点tnを再開時点(tr)として記録する。即ち、滞留判定部134は、Σdx>Σdy、且つ、x(n)>x(1)を満たす視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)に基づいて、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。
図15に示す処理によれば、滞留判定部134は、m行の読み途中で文章から一旦視線を外した対象者Sの視線位置が、m行の上に戻ったときの視線位置を基準点として、その後の基準点から各視線位置までの移動距離に基づいて、対象者Sによる文章の読みの再開を検出する。これは、本実施例は図4に表示されているように横書きされた文章を読むときの実施例であり、対象者Sが文章の続きの位置を探しているときは、視線位置はX(横)方向及びY(縦)方向で大きく変化しないのに対して、文章の読みの再開後の視線位置はX方向がY方向よりも大きく変化する傾向があるためである。これにより、単に視線位置がm行の上に戻った時点で対象者Sによる文章の読みの再開を検出する比較構成に比べて、対象者Sによる文章の読みの再開を精度良く検出できる。
尚、図15に示す処理では、縦方向移動距離の絶対値の積算値Σdyと、横方向移動距離の絶対値の積算値Σdxとを比較しているが、これに限られない。例えば、滞留判定部134は、縦方向移動距離の絶対値dynと横方向移動距離の絶対値dxnとを比較してもよい。この場合、滞留判定部134は、dxn>dyn、かつ、x(n)>x(1)が満たされる頻度が所定頻度以上(例えば10回中8回以上)である場合に、再開を検出してもよい。或いは、滞留判定部134は、dxn>dyn、且つ、x(n)>x(1)が満たされる事象が所定時点数以上の視線位置で連続した場合に、再開を検出してもよい。
次に、図17乃至図19を参照して、図9に示した行の読み判定処理の実施例4について説明する。
図17は、図9に示した行の読み判定処理に対する実施例4を示すフローチャートである。図17に示す処理は、図9に示した処理に対して、ステップS1701が追加され、かつ、ステップS1702の処理がステップS902の処理と異なる点が、異なる。即ち、ステップS1700、ステップS1704乃至1910の各処理は、図9に示したステップS900、ステップS904乃至910の各処理と同様であってよい。以下では、図9に示した処理とは異なる点を主に説明する。
ステップS1701では、読視線特定部140は、判定誤差時間Δt(第1所定時間の一例)を設定する。判定誤差時間Δtについて後述する。
ステップS1702では、読視線特定部140は、読視線特定部140は、時点tsから時点tiまでの各視線位置、及び、時点trよりも判定誤差時間Δt前の時点tr'(=tr−Δt)から時点teまでの各視線位置を読視線位置として特定し、文章読時間を算出する。具体的には、読視線特定部140は、時点tsから時点tiまでの時間(第1時間の一例)と、時点tr'から時点teまでの時間(第2時間の一例)とを合計することで、m行に係る文章読時間ttを、tt=(ti−ts)+(te−(tr−Δt))として算出する。
図17に示す処理によれば、滞留判定部134が検出する再開時点が実際の再開時点よりも遅い場合であっても、かかる誤差に起因した文章読時間の算出精度の悪化を低減できる。
具体的には、時系列に沿った複数の視線位置に基づいて読みを再開したか否かを判断する場合、読みを再開したと認識できる視線位置は、続きとなる位置からある程度進んだ位置からとなりうる。なぜならば、視線位置が既述の所定の範囲内を超えた直後の時点から、その次の時点で直後の時点に移ることもあるため、読みを再開したかどうかは、直後の時点だけでは判定しにくい。即ち、再開時点検出処理(図6等参照)により検出される再開時点(tr)は、実際に対象者Sが読みを再開した時点よりも遅くなる場合がある。以下、このような誤差を、「再開時点検出誤差」とも称する。このため、視線位置が既述の所定の範囲内を超えた直後の時点および次の時点も所定の範囲内を超えている場合、直後の時点からの時間Δt(判定誤差時間)にさかのぼって読みを再開したと判定する。図18及び図19は、再開時点検出誤差の説明図であり、図18は、複数の視線位置の遷移態様の一例を示す図であり、図19は、ステップS1702の処理の説明図であり、横軸に時間を示し、縦軸に視線位置のX座標を示す。図18には、時刻t1の視線位置P1から時刻t10の視線位置P11までの各視線位置が示され、図19には、その一部として、時刻t4の視線位置P4から時刻t10の視線位置P10までの各視線位置が示される。図19において、視線位置P1等を中心として上下方向に延びる範囲は、X方向の検出誤差Δxを表す。
図18及び図19は、視線位置P3から視線位置Paへと大きい視線位置の移動(読みの中断)があり、その後、視線位置Pbから視線位置P4へとm行の上に視線位置が戻った場合が示される。また、m行の上に視線位置を戻した後、対象者Sは、視線位置P4乃至P6の動きで、文章の続きの位置を探した場合が示される。また、その後、対象者Sは、視線位置P7乃至P10のように視線位置を読み方向に移動させ、改行に起因して視線位置を移動させている(視線位置P10から視線位置P11への移動)。
ここで、再開時点検出処理の精度等によっては、時刻t7の視線位置P7から時刻t8の視線位置P8への視線位置の移動(読み方向の移動)に基づいて、時刻t8が再開時点(tr)として検出される場合があり得る。例えば、再開時点検出処理の精度等によっては、以下のようにして、時刻t8が再開時点(tr)として検出されうる。即ち、視線がm行に戻ってきた後の読みを再開する位置を探す視線の動き(視線位置P4から視線位置P6まで)があった後、視線が右方向へ移動したと判定される視線位置は視線位置P7となる。このとき、視線位置P7を検出した段階では、読みを再開する位置を探し終えたと判断されるのに留まり、読みを再開したと判定されない。次の視線位置P8が視線位置P7よりも右方向に検出されたときに、視線位置P6、視線位置P7及び視線位置P8と視線位置が順に右方向へ移動していくことが検出される。この時点で初めて読みを再開したと判定され、読みを再開した時点は視線位置P8の時点となる。このとき、仮に、視線位置P1の時点t1から視線位置P3の時点t3までの時間(=t3−t1)と、視線位置P8の時点t8から視線位置P10の時点t10までの時間(t10−t8)の和が、所定閾値Tthよりも短いとする。この場合、P8乃至P10を再開後の読視線位置として特定する比較構成では、時間(=t3−t1+t10−t8)が所定閾値Tthよりも短いことから、m行を読み終えていないと誤判定する可能性がある。
これに対して、図17に示す処理によれば、再開時点検出処理により検出される再開時点(tr)より判定誤差時間Δt前の視線位置についても、読視線位置として特定される。図18及び図19に示す例では、時刻t7の視線位置P7についても、読視線位置として特定される。これにより、図18及び図19に示す例では、時刻t7の視線位置P7から視線位置P8の時点t8までの時間Δt(=t8−t7)が文章読時間に算入される。従って、図17に示す処理によれば、読みを再開したと認識できる視線位置が、実際に読みを再開した視線位置よりも前(読み方向で前)である場合であっても、文章読時間を判定誤差時間Δtにさかのぼって補正できる。この結果、滞留判定部134が検出する再開時点が実際の再開時点よりも遅い場合であっても、かかる再開時点検出誤差に起因した文章読時間の算出精度の悪化を低減できる。即ち、再開時点検出誤差に起因した誤判定を低減できる。
尚、図17に示す処理では、m行に係る文章読時間ttを算出する際に判定誤差時間Δtを加算しているが、判定誤差時間Δtに代えて、読み方向の移動が開始された視線位置の時点から再開時点(tr)までの時間を加算してもよい。この場合、図18及び図19に示す例では、時刻t7の視線位置P7から視線位置P8の時点t8までの時間(=t8−t7)が、判定誤差時間Δtに代えて、加算される。
また、図18及び図19に示す例では、視線位置P6は読みを再開する位置を探す視線の動きの一部であってm行を読む動きではないと判断され、時間(=t7−t6)が文章読時間に算入されない。但し、時間(=t7−t6)の一部又は全部が文章読時間に算入されてもよい。
また、図17に示す処理では、m行に係る文章読時間ttを算出する際に判定誤差時間Δtを加算しているが、等価的に、ステップS1705で設定される所定閾値Tthから、判定誤差時間Δtを差し引くことで、所定閾値Tthを補正してもよい。
また、図17に示す処理では、m行に係る文章読時間ttを算出する際に判定誤差時間Δtを加算しているが、等価的に、再開時点検出処理(図6等参照)において、検出される再開時点(tr)からΔtを差し引くことで、再開時点(tr)を補正してもよい。
次に、図20を参照して、m行の上に視線位置が戻ったか否かの視線復帰判定方法の一例について説明する。
図20は、視線復帰判定処理の一例を示すフローチャートである。図21は、図20の視線復帰判定処理の説明図である。図21には、文章の右側に、参考として、m行の上に戻ったと判定されるときの視線位置Pの上限位置と下限位置とが示されている。尚、図1を参照して上述したように、Y軸は、図21の下方向が正方向に対応する。図20の示す視線復帰判定方法は、図5のステップS518の判定処理方法として使用されてよい。
ステップS2000では、滞留判定部134は、検出誤差(Δx、Δy)を設定する。尚、本例では、Y方向の検出誤差Δyのみを設定してもよい。
ステップS2002では、滞留判定部134は、値nをn=1と初期化する。値nは、時系列の順序を表し、増加する方向が時間の経過方向に対応する。
ステップS2004では、滞留判定部134は、値nに対応する視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得する。ここでは、値nに対応する視線位置及び時点を、(xn,yn,tn)で表す。
ステップS2006では、滞留判定部134は、yn+Δy>ld且つyn−Δy<luであるか否かを判定する。図21に示すように、ldは、m行の下端のY座標を表し、luは、m行の上端のY座標を表す。ld及びluは、m行に対応付けて予め記憶されていてよい。これは、図21に示すように、検出誤差Δyを利用して、yn+Δy>ld且つyn−Δy<luである場合は、m行の上に視線位置が戻った可能性が高いと判定できるためである。yn+Δy>ld且つyn−Δy<luである場合は、ステップS2010に進み、それ以外の場合は、ステップS2008に進む。
ステップS2008では、滞留判定部134は、値nを"1"だけインクリメントする。ステップS2008の処理後、滞留判定部134は、更新された値nに係る視線検出部124の検出結果(視線位置及び時点)を取得し(ステップS2004)、ステップS2006の判定を繰り返す。このようにして、yn+Δy>ld且つyn−Δy<luとなるまで、値nをインクリメントする(次の時点の視線検出部124の検出結果を取得する)。
ステップS2010では、滞留判定部134は、m行の上に視線位置が戻ったと判定する。
図20に示す処理によれば、m行を読んでいるときの視線位置の取り得るY方向の範囲を、検出誤差に基づいて設定し、かかる範囲内に視線位置が戻った否かが判定される。これにより、対象者Sの視線位置がm行の読み途中でm行から外れた場合に、その後、対象者Sの視線位置がm行の上に戻ったか否かを精度良く判定できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例において、図5等に示す各種処理は、視線位置が検出されたフレーム単位で実行されるが、所定数のフレーム周期毎に実行されてもよい。
また、上述した実施例では、視線検出部124は視線ベクトルから視線位置を算出(特定)しているが、視線位置は任意の方法で取得すればよく、視線ベクトルから視線位置を算出する処理は、視線位置を取得する方法の一形態である。例えば、視線検出部124は、パターンマッチングにより視線ベクトルを介さずに視線位置を算出してもよい。また、画像処理ではなく、眼電位などをもとに視線位置を取得してもよい。
また、上述した実施例では、視線センサ20は、設置型の視線センサであるが、対象者Sに装着される装着型視線センサであってもよい。
また、上述した説明では、文章は、横書きであったが、縦書きであってもよい。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得する視線位置取得部と、
前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定する滞留判定部と、
前記滞留判定部の判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する既読判定部とを含む、既読判断装置。
(付記2)
前記既読判定部は、前記対象者の視線位置が滞留している間の時間を、前記対象者が前記文章を読んでいる時間に算入せずに、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記3)
前記滞留判定部の判定結果に基づいて、前記対象者の複数時点の視線位置の中から前記対象者が前記文章を読んでいるときの視線位置を特定する読視線特定部を更に含み、
前記既読判定部は、前記読視線特定部により特定された前記視線位置に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記4)
前記対象者の視線位置が前記文章以外の個所に移動した場合に、前記対象者による前記文章の読みの中断を検出する中断検出部を更に含み、
前記滞留判定部は、更に、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かの判定結果に基づいて、前記対象者による前記文章の読みの再開を検出する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記5)
前記既読判定部は、前記文章の読みが開始された時点から前記中断検出部により前記中断が検出された時点までの第1時間と、前記滞留判定部により再開が検出された時点から、前記文章の読みが終了した時点までの第2時間とに基づいて、前記第1時間及び前記第2時間の合計が所定閾値を超えた場合に、前記対象者が前記文章を読み終えたと判定する、付記4に記載の既読判断装置。
(付記6)
前記既読判定部は、前記文章の読みが開始された時点から前記中断検出部により前記中断が検出された時点までの第1時間と、前記滞留判定部により再開が検出された時点よりも第1所定時間だけ前の時点から、前記文章の読みが終了した時点までの第2時間とに基づいて、前記第1時間及び前記第2時間の合計が所定閾値を超えた場合に、前記対象者が前記文章を読み終えたと判定する、付記4に記載の既読判断装置。
(付記7)
前記滞留判定部は、前記対象者の視線位置が前記文章上にあり且つ前記文章の読み方向で滞留している場合に、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記8)
前記滞留判定部は、所定の基準点に対する前記対象者の視線位置の変位の前記文章の読み方向の成分が所定値以下である場合、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記9)
前記対象者の視線位置が前記文章以外の個所に移動した場合に、前記対象者による前記文章の読みの中断を検出する中断検出部を更に含み、
前記滞留判定部は、更に、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、該中断時点以後の前記対象者の視線位置に基づいて、前記対象者の視線が前記文章に戻ったか否かを判定し、
前記滞留判定部は、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、該中断時点以後の前記視線位置であって、前記文章に戻ったときの前記視線位置に基づいて、前記所定の基準点を設定する、付記8に記載の既読判断装置。
(付記10)
前記滞留判定部は、前記文章に戻ったときの前記視線位置又はその周辺の区切り位置を前記所定の基準点とする、付記9に記載の既読判断装置。
(付記11)
前記対象者の視線位置が前記文章以外の個所に移動した場合に、前記対象者による前記文章の読みの中断を検出する中断検出部を更に含み、
前記滞留判定部は、更に、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、該中断時点以後の前記視線位置に基づいて、前記対象者の視線が前記文章に戻ったか否かを判定し、
前記滞留判定部は、前記文章に対応する位置に戻ったと判定した場合に、前記文章に対応する位置に戻ったときの前記視線位置の時点を基準時点として、前記基準時点から第2所定時間が経過するまで、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記12)
前記文章は、一行単位で処理され、
前記滞留判定部は、前記視線位置が、読み方向に垂直な方向で、前記中断前に読まれていた行に対応した所定範囲内にある場合、前記対象者の視線位置が前記文章に戻ったと判定する、付記9〜11のうちのいずれか1項に記載の既読判断装置。
(付記13)
前記滞留判定部は、所定の基準点に対する読み方向の前記視線位置の変位の積算値が、前記所定の基準点に対する読み方向の垂直な方向の前記視線位置の変位の積算値以下である場合、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、付記1に記載の既読判断装置。
(付記14)
前記読視線特定部は、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、前記対象者の複数時点の視線位置のうちの、前記中断前の視線位置と、前記滞留判定部により検出された再開後の視線位置とに基づいて、前記対象者が前記文章を読んでいるときの視線位置を特定する、付記3に記載の既読判断装置。
(付記15)
前記読視線特定部は、前記滞留判定部により再開が検出された時点よりも第1所定時間前からの視線位置を、前記対象者が前記文章を読んでいるときの視線位置に含める、付記14に記載の既読判断装置。
(付記16)
前記読視線特定部は、更に、特定した前記視線位置の時点に基づいて、前記対象者が前記文章を読んでいる時間を算出し、
前記既読判定部は、前記読視線特定部が算出した時間が所定閾値を超えた場合、前記対象者が前記文章を読み終えたと判定する、付記14又は15に記載の既読判断装置。
(付記17)
文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得し、
前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定し、
前記対象者の視線位置が滞留しているか否かの判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定することを含む、コンピューターにより実行される既読判断方法。
(付記18)
文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得し、
前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定し、
前記対象者の視線位置が滞留しているか否かの判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する、
処理をコンピューターに実行させる既読判断プログラム。
(付記19)
カメラと、
前記カメラから、文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得する視線情報取得部と、
前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定する滞留判定部と、
前記滞留判定部の判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する既読判定部とを含む、既読判断システム。
1 既読判断システム
20 視線センサ
21 カメラ
100 既読判断装置
110 視線情報取得部
124 視線検出部
130 視線移動態様判断部
132 中断検出部
134 滞留判定部
140 読視線特定部
142 既読判定部

Claims (12)

  1. 文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得する視線位置取得部と、
    前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定する滞留判定部と、
    前記滞留判定部の判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する既読判定部とを含む、既読判断装置。
  2. 前記既読判定部は、前記対象者の視線位置が滞留している間の時間を、前記対象者が前記文章を読んでいる時間に算入せずに、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する、請求項1に記載の既読判断装置。
  3. 前記滞留判定部の判定結果に基づいて、前記対象者の複数時点の視線位置の中から前記対象者が前記文章を読んでいるときの視線位置を特定する読視線特定部を更に含み、
    前記既読判定部は、前記読視線特定部により特定された前記視線位置に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する、請求項1に記載の既読判断装置。
  4. 前記対象者の視線位置が前記文章以外の個所に移動した場合に、前記対象者による前記文章の読みの中断を検出する中断検出部を更に含み、
    前記滞留判定部は、更に、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かの判定結果に基づいて、前記対象者による前記文章の読みの再開を検出する、請求項1に記載の既読判断装置。
  5. 前記既読判定部は、前記文章の読みが開始された時点から前記中断検出部により前記中断が検出された時点までの第1時間と、前記滞留判定部により再開が検出された時点から、前記文章の読みが終了した時点までの第2時間とに基づいて、前記第1時間及び前記第2時間の合計が所定閾値を超えた場合に、前記対象者が前記文章を読み終えたと判定する、請求項4に記載の既読判断装置。
  6. 前記既読判定部は、前記文章の読みが開始された時点から前記中断検出部により前記中断が検出された時点までの第1時間と、前記滞留判定部により再開が検出された時点よりも第1所定時間だけ前の時点から、前記文章の読みが終了した時点までの第2時間とに基づいて、前記第1時間及び前記第2時間の合計が所定閾値を超えた場合に、前記対象者が前記文章を読み終えたと判定する、請求項4に記載の既読判断装置。
  7. 前記滞留判定部は、前記対象者の視線位置が前記文章上にあり且つ前記文章の読み方向で滞留している場合に、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、請求項1に記載の既読判断装置。
  8. 前記滞留判定部は、所定の基準点に対する前記対象者の視線位置の変位の前記文章の読み方向の成分が所定値以下である場合、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、請求項1に記載の既読判断装置。
  9. 前記対象者の視線位置が前記文章以外の個所に移動した場合に、前記対象者による前記文章の読みの中断を検出する中断検出部を更に含み、
    前記滞留判定部は、更に、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、該中断時点以後の前記対象者の視線位置に基づいて、前記対象者の視線が前記文章に戻ったか否かを判定し、
    前記滞留判定部は、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、該中断時点以後の前記視線位置であって、前記文章に戻ったときの前記視線位置に基づいて、前記所定の基準点を設定する、請求項8に記載の既読判断装置。
  10. 前記対象者の視線位置が前記文章以外の個所に移動した場合に、前記対象者による前記文章の読みの中断を検出する中断検出部を更に含み、
    前記滞留判定部は、更に、前記中断検出部により前記中断が検出された場合に、該中断時点以後の前記視線位置に基づいて、前記対象者の視線が前記文章に戻ったか否かを判定し、
    前記滞留判定部は、前記文章に対応する位置に戻ったと判定した場合に、前記文章に対応する位置に戻ったときの前記視線位置の時点を基準時点として、前記基準時点から第2所定時間が経過するまで、前記対象者の視線位置が滞留していると判定する、請求項1に記載の既読判断装置。
  11. 文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得し、
    前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定し、
    前記対象者の視線位置が滞留しているか否かの判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定することを含む、コンピューターにより実行される既読判断方法。
  12. 文章に対する対象者の視線位置を表す情報を時系列で取得し、
    前記対象者の複数時点の視線位置の時系列に沿った遷移態様に基づいて、前記対象者の視線位置が滞留しているか否かを判定し、
    前記対象者の視線位置が滞留しているか否かの判定結果に基づいて、前記対象者が前記文章を読み終えたか否かを判定する、
    処理をコンピューターに実行させる既読判断プログラム。
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