JP2016133399A - 頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置の制御方法、および、コンピュータープログラム - Google Patents

頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置の制御方法、および、コンピュータープログラム Download PDF

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Abstract

【課題】撮像画像における測定距離の精度が低い部分の精度を向上させた頭部装着型表示装置を提供する。【解決手段】頭部装着型表示装置は、所定の範囲の中に存在する対象までの距離を測定する距離測定部と;前記所定の範囲を撮像して、測定された距離と異なる予備情報を取得する撮像部と;前記対象が撮像された前記所定の範囲の内の第1の領域と前記第1の領域と異なる前記第2の領域とに含まれる場合に、測定された前記第1の領域に含まれる前記対象について取得された予備情報に基づいて、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定する距離決定部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、頭部装着型表示装置の技術に関する。
頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)、HMD)が知られている。頭部装着型表示装置は、例えば、液晶ディスプレイおよび光源を利用して画像光を生成し、生成された画像光を投写光学系や導光板を利用して使用者の眼に導くことにより、使用者に虚像を視認させる。頭部装着型表示装置には、使用者が虚像に加えて外景も視認可能な透過型と、使用者が外景を視認できない非透過型と、の2つのタイプがある。透過型の頭部装着型表示装置には、光学透過型とビデオ透過型とがある。
特許文献1には、自動車に備え付けられたステレオカメラが前方の自動車を撮像して、ステレオカメラが撮像した複数の画像に基づいて、自車と前方の自動車との距離を三角法によって測定するステレオカメラ装置が記載されている。このステレオカメラ装置では、自車と前方の自動車との距離の大小に応じて、ステレオカメラの撮像画像の解像度を変更して、距離の精度を向上させている。また、特許文献2には、2眼のレンズの内の一方の撮像素子の画素数をもう一方に対して落とすことで、画素数が高い撮像素子によって色情報を取得する撮像を行ない、画素数が低い撮像素子によって深さ方向の情報を取得する撮像を行なうことで、安価で簡単な構成で深さ情報も取得できる電子ステレオカメラが記載されている。
特開2011−191905号公報 特開2000−102040号公報
しかし、特許文献1,2に記載された技術では、撮像画像の中に含まれる対象までの距離の精度を向上させることができるものの、例えば、カメラなどの撮像素子では、画角の中心よりも画角の周辺部で測定距離の精度が落ち、撮像画像の中の位置によって精度が異なるため、精度が悪い画角の周辺部の測定距離の精度も向上させたいという課題があった。そのほか、従来の画像処理の技術においては、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、頭部装着型表示装置が提供される。この頭部装着型表示装置は、所定の範囲の中に存在する対象までの距離を測定する距離測定部と;前記所定の範囲を撮像して、測定された距離と異なる予備情報を取得する撮像部と;前記対象が撮像された前記所定の範囲の内の第1の領域と前記第1の領域と異なる第2の領域とに含まれる場合に、測定された前記第1の領域に含まれる前記対象について取得された予備情報に基づいて、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定する距離決定部と、を備える。この形態の頭部装着型表示装置によれば、精度の高い第1の領域に含まれる対象までの測定距離を用いて、精度の低い第2の領域に含まれる対象までの測定距離を、測定距離以外の予備情報に基づいて設定することで、第2の領域に含まれる対象までの測定距離の精度を向上させることができる。
(2)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記予備情報は、色情報であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、精度の高い第1の領域に含まれる対象までの測定距離を用いて、精度の低い第2の領域に含まれる対象までの測定距離を色情報に基づいて設定することで、第2の領域に含まれる対象までの測定距離の精度を向上させることができる。
(3)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記撮像部は、前記所定の範囲の色情報として、RGBデータを取得し;前記距離決定部は、前記第2の領域に含まれる前記対象のRGBデータが前記第1の領域に含まれる前記対象のRGBデータに基づいて所定の範囲内の値であった場合に、前記第1の領域に含まれる前記対象と前記第2の領域に含まれる前記対象とを同じ前記対象と判定して、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、色情報として通常用いられるRGBデータが採用されるため、使い勝手が向上する。
(4)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記距離決定部は、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を、前記第1の領域に含まれる前記対象までの距離と同じと決定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、第2の領域の距離を設定する際の処理を低減できる。
(5)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記距離決定部は、前記対象が前記第1の領域と前記第2の領域との一方に含まれると共にもう一方に含まれない場合に、前記第1の領域と前記第2の領域との一方に含まれる前記対象までの距離を、前記距離測定部によって測定された距離として決定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、撮像画像に含まれる対象によって、測定された距離の精度が高い方法によって対象までの距離を特定できる。
(6)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記第1の領域は、撮像された前記所定の範囲の中心を、中心とする領域であり;前記第2の領域は、前記第1の領域の周辺の領域であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、測定距離の精度が低くなる撮像画像の一部の領域の測定距離の精度も向上させることができる。
(7)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記第2の領域は、撮像された前記所定の範囲の内、前記第1の領域と重複しない領域であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、測定距離の精度が低くなる撮像画像の一部の領域の測定距離の精度も向上させることができる。
(8)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記第1の領域は、特定の時点に撮像された前記所定の範囲の内の少なくとも一部分であり、取得された領域であり;前記第2の領域は、前記特定の時点とは異なる時点で撮像された前記所定の範囲の内の少なくとも一部分であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、特定の時点において、撮像されていない撮像画像以外の範囲にある対象までの距離を推定でき、撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像に含まれる対象までの距離を測定する時間を短縮できる。また、変化後の撮像画像に含まれる対象までの距離を測定する処理の負担を軽減できる。
(9)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;特定の対象を記憶する対象記憶部を備え;前記距離決定部は、撮像された前記所定の範囲に対して、記憶された前記特定の対象を照合することで、撮像された前記所定の範囲に含まれる前記対象までの距離を決定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、撮像範囲外に存在する特定の対象の一部までの距離を予め推定でき、撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定に必要な時間を短縮できる。また、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定を行なうための処理の負担を軽減できる。
(10)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;他の機器から特定の対象についての情報を受信する情報受信部を備え;前記距離決定部は、撮像された前記所定の範囲に対して、受信された前記特定の対象を照合することで、撮像された前記所定の範囲に含まれる前記対象までの距離を決定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、撮像範囲外に存在する特定の対象の一部までの距離を予め推定でき、撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定に必要な時間を短縮できる。また、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定を行なうための処理の負担を軽減できる。
(11)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記距離決定部は、撮像された前記所定の範囲に記憶された前記特定の対象が含まれていない場合に、撮像された前記所定の範囲以外の範囲における前記対象の色情報と前記対象までの距離との少なくとも一方を推定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、撮像範囲外に存在する特定の対象の一部までの距離や特定の対象の色情報を予め推定でき、撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定や特定の対象の色情報の特定に必要な時間を短縮できる。また、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定や特定の対象の色情報の特定を行なうための処理の負担を軽減できる。
(12)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;使用者の視線方向を検出する視線検出部を備え;撮像される前記所定の範囲は、検出された前記視線方向に基づいて設定されてもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、検出された使用者の視線方向に応じて、撮像部によって撮像される撮像範囲が変更されるため、撮像された撮像画像は、使用者の視認する外景により近づくため、使用者の利便性が向上する。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行なうことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、距離測定部と、撮像部と、距離特定部と、3つの要素の内の一つまたは二つ以上を備えた装置として実現可能である。すなわち、この装置は、距離測定部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、撮像部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、距離特定部を有していてもよく、有していなくてもよい。距離測定部は、例えば、所定の範囲の中に存在する対象までの距離を測定してもよい。撮像部は、例えば、前記所定の範囲を撮像して、測定された距離と異なる予備情報を取得してもよい。距離特定部は、例えば、前記対象が撮像された前記所定の範囲の内の第1の領域と前記第1の領域と異なる前記第2の領域とに含まれる場合に、測定された前記第1の領域に含まれる前記対象について取得された予備情報に基づいて、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定してもよい。こうした装置は、例えば、頭部装着型表示装置として実現できるが、頭部装着型表示装置以外の他の装置としても実現可能である。このような形態によれば、装置の操作性の向上および簡易化、装置の一体化や、装置を使用する使用者の利便性の向上、等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述した頭部装着型表示装置の各形態の技術的特徴の一部または全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
本発明は、頭部装着型表示装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、頭部装着型表示装置の制御方法、頭部装着型表示装置を有する情報システム、頭部装着型表示装置の制御方法および情報システムを実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、および、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号等の形態で実現できる。
第1実施形態における頭部装着型表示装置(HMD)の外観構成を示す説明図である。 第1実施形態におけるHMDの構成を機能的に示すブロック図である。 カメラの画角とカメラによって撮像される撮像画像の範囲を示す概略図である。 画像設定部によって作成された使用者が視認するとして設定される仮想画像の説明図である。 画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。 距離特定処理のフローチャートである。 画像表示部に画像が表示された場合に使用者が視認する視野の説明図である。 使用者の頭部の向きが変化した後に使用者が視認する視野の説明図である。 第2実施形態におけるHMDの構成を機能的に示すブロック図である。 変形例におけるHMDの構成を機能的に示すブロック図である。 変形例におけるHMDの外観構成を示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.頭部装着型表示装置の構成:
図1は、第1実施形態における頭部装着型表示装置100(HMD100)の外観構成を示す説明図である。HMD100は、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。本実施形態のHMD100は、使用者が虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型の頭部装着型表示装置である。なお、本明細書では、HMD100によって使用者が視認する虚像を便宜的に「表示画像」ともいう。
HMD100は、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させる画像表示部20と、画像表示部20を制御する制御部10(コントローラー10)と、を備えている。
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状を有している。画像表示部20は、右保持部21と、右表示駆動部22と、左保持部23と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26と、左光学像表示部28と、第1カメラ61と、第2カメラ62と、10軸センサー66と、を含んでいる。右光学像表示部26および左光学像表示部28は、それぞれ、使用者が画像表示部20を装着した際に使用者の右および左の眼前に位置するように配置されている。右光学像表示部26の一端と左光学像表示部28の一端とは、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の眉間に対応する位置で、互いに接続されている。
右保持部21は、右光学像表示部26の他端である端部ERから、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。同様に、左保持部23は、左光学像表示部28の他端である端部ELから、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。右保持部21および左保持部23は、眼鏡のテンプル(つる)のようにして、使用者の頭部に画像表示部20を保持する。
右表示駆動部22と左表示駆動部24とは、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の頭部に対向する側に配置されている。なお、以降では、右保持部21および左保持部23を総称して単に「保持部」とも呼び、右表示駆動部22および左表示駆動部24を総称して単に「表示駆動部」とも呼び、右光学像表示部26および左光学像表示部28を総称して単に「光学像表示部」とも呼ぶ。
表示駆動部22,24は、液晶ディスプレイ241,242(Liquid Crystal Display、以下「LCD241,242」とも呼ぶ)や投写光学系251,252等を含む(図2参照)。表示駆動部22,24の構成の詳細は後述する。光学部材としての光学像表示部26,28は、導光板261,262(図2参照)と調光板とを含んでいる。導光板261,262は、光透過性の樹脂材料等によって形成され、表示駆動部22,24から出力された画像光を使用者の眼に導く。調光板は、薄板状の光学素子であり、使用者の眼の側とは反対の側である画像表示部20の表側を覆うように配置されている。調光板は、導光板261,262を保護し、導光板261,262の損傷や汚れの付着等を抑制する。また、調光板の光透過率を調整することによって、使用者の眼に入る外光量を調整して虚像の視認のしやすさを調整できる。なお、調光板は省略可能である。
第1カメラ61および第2カメラ62は、外景を撮像する。第1カメラ61と第2カメラ62とのそれぞれは、画像表示部20の異なる位置に配置されている。第1カメラ61は、右光学像表示部26の他端である端部ERにおいて、画像表示部20が使用者に装着された場合の使用者の頭部方向に配置されている。また、同じように、第2カメラ62は、左光学像表示部28の他端である端部ELにおいて、画像表示部20が使用者に装着された場合の使用者の頭部方向に配置されている。本実施形態では、第1カメラ61と第2カメラ62とのそれぞれは、画像表示部20の中心である右光学像表示部26の一端と左光学像表示部28の一端とが接続する位置を通る中心線に対して、線対称に配置されている。第1カメラ61と第2カメラ62とのそれぞれは、撮像した外景をRGB(RED,GREEN,BLUE)データとして取得する。なお、以降では、第1カメラ61と第2カメラ62とを合わせて、単に、カメラ61,62とも呼ぶ。第1カメラ61と第2カメラ62とは、異なる位置または異なる向きを撮像すればよく、他の実施形態では、第1カメラ61および第2カメラ62が配置される向きや位置について種々変形可能である。
10軸センサー66は、加速度(3軸)、角速度(3軸)、地磁気(3軸)、および、気圧(1軸)を検出するセンサーである。10軸センサー66は、画像表示部20における右表示駆動部22の近くに内蔵されており、画像表示部20が使用者の頭部に装着されているときには、使用者の頭部の動きや位置を検出する。なお、本実施形態では、使用者の頭部の向きを特定するために10軸センサー66が用いられたが、他の実施形態では、10軸センサー66の代わりに、角速度(3軸)のみを検出するジャイロセンサーが用いられてもよい。
画像表示部20は、さらに、画像表示部20を制御部10に接続するための接続部40を有している。接続部40は、制御部10に接続される本体コード48と、右コード42と、左コード44と、連結部材46と、を含んでいる。右コード42と左コード44とは、本体コード48が2本に分岐したコードである。右コード42は、右保持部21の延伸方向の先端部APから右保持部21の筐体内に挿入され、右表示駆動部22に接続されている。同様に、左コード44は、左保持部23の延伸方向の先端部APから左保持部23の筐体内に挿入され、左表示駆動部24に接続されている。連結部材46は、本体コード48と、右コード42および左コード44と、の分岐点に設けられ、イヤホンプラグ30を接続するためのジャックを有している。イヤホンプラグ30からは、右イヤホン32および左イヤホン34が延伸している。
画像表示部20と制御部10とは、接続部40を介して各種信号の伝送を行なう。本体コード48における連結部材46とは反対側の端部と、制御部10と、のそれぞれには、互いに嵌合するコネクター(図示しない)が設けられている。本体コード48のコネクターと制御部10のコネクターとの嵌合/嵌合解除により、制御部10と画像表示部20とが接続されたり切り離されたりする。右コード42と、左コード44と、本体コード48とには、例えば、金属ケーブルや光ファイバーを採用できる。
制御部10は、HMD100を制御するための装置である。制御部10は、決定キー11と、点灯部12と、表示切替キー13と、トラックパッド14と、輝度切替キー15と、方向キー16と、メニューキー17と、電源スイッチ18と、を含んでいる。決定キー11は、押下操作を検出して、制御部10で操作された内容を決定する信号を出力する。点灯部12は、HMD100の動作状態を、その発光状態によって通知する。HMD100の動作状態としては、例えば、電源のON/OFF等がある。点灯部12としては、例えば、LEDが用いられる。表示切替キー13は、押下操作を検出して、例えば、コンテンツ動画の表示モードを3Dと2Dとに切り替える信号を出力する。トラックパッド14は、トラックパッド14の操作面上での使用者の指の操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。トラックパッド14としては、静電式や圧力検出式、光学式といった種々のトラックパッドを採用できる。輝度切替キー15は、押下操作を検出して、画像表示部20の輝度を増減する信号を出力する。方向キー16は、上下左右方向に対応するキーへの押下操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。電源スイッチ18は、スイッチのスライド操作を検出することで、HMD100の電源投入状態を切り替える。
図2は、第1実施形態におけるHMD100の構成を機能的に示すブロック図である。図2に示すように、制御部10は、記憶部120と、電源130と、操作部135と、CPU140と、インターフェイス180と、送信部51(Tx51)および送信部52(Tx52)と、を有している。操作部135は、使用者による操作を受け付け、決定キー11、表示切替キー13、トラックパッド14、輝度切替キー15、方向キー16、メニューキー17、電源スイッチ18、から構成されている。電源130は、HMD100の各部に電力を供給する。電源130としては、例えば二次電池を用いることができる。
記憶部120は、コンピュータープログラムを格納しているROMと、CPU140が種々のコンピュータープログラムの書き込みおよび読み取りを実行するときに用いられるRAMと、を有する。
CPU140は、記憶部120のROMに格納されているコンピュータープログラムを読み出し、記憶部120のRAMに書き込みおよび読み取りを実行することにより、オペレーティングシステム150(OS150)、表示制御部190、音声処理部170、画像処理部160、変位測定部166、距離測定部168、および、画像設定部165として機能する。
表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成する。具体的には、表示制御部190は、制御信号により、右LCD制御部211による右LCD241の駆動ON/OFF、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動ON/OFF、左LCD制御部212による左LCD242の駆動ON/OFF、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動ON/OFFなど、を個別に制御する。これにより、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24のそれぞれによる画像光の生成および射出を制御する。例えば、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24の両方に画像光を生成させたり、一方のみに画像光を生成させたり、両方共に画像光を生成させなかったりする。なお、画像光を生成することを「画像を表示する」ともいう。
表示制御部190は、右LCD制御部211と左LCD制御部212とに対する制御信号のそれぞれを、送信部51および52を介して送信する。また、表示制御部190は、右バックライト制御部201と左バックライト制御部202とに対する制御信号のそれぞれを送信する。
画像処理部160は、コンテンツに含まれる画像信号を取得する。画像処理部160は、取得した画像信号から、垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSync等の同期信号を分離する。また、画像処理部160は、分離した垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSyncの周期に応じて、PLL(Phase Locked Loop)回路等(図示しない)を利用してクロック信号PCLKを生成する。画像処理部160は、同期信号が分離されたアナログ画像信号を、A/D変換回路等(図示しない)を用いてディジタル画像信号に変換する。その後、画像処理部160は、変換後のディジタル画像信号を、対象画像の画像データ(RGBデータ)として、1フレームごとに記憶部120内のDRAMに格納する。なお、画像処理部160は、必要に応じて、画像データに対して、解像度変換処理、輝度、彩度の調整といった種々の色調補正処理、キーストーン補正処理等の画像処理を実行してもよい。
画像処理部160は、生成されたクロック信号PCLK、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、記憶部120内のDRAMに格納された画像データ、のそれぞれを、送信部51、52を介して送信する。なお、送信部51を介して送信される画像データを「右眼用画像データ」とも呼び、送信部52を介して送信される画像データを「左眼用画像データ」とも呼ぶ。送信部51、52は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのトランシーバーとして機能する。
音声処理部170は、コンテンツに含まれる音声信号を取得し、取得した音声信号を増幅して、連結部材46に接続された右イヤホン32内のスピーカー(図示しない)および左イヤホン34内のスピーカー(図示しない)に対して供給する。なお、例えば、Dolby(登録商標)システムを採用した場合、音声信号に対する処理がなされ、右イヤホン32および左イヤホン34のそれぞれからは、例えば周波数等が変えられた異なる音が出力される。
変位測定部166は、10軸センサー66によって検出された加速度等を用いることで、特定の時点の画像表示部20の位置および向きを基準として、現時点での画像表示部20の位置および向きの変位量を算出する。
距離測定部168は、変位測定部166が算出した画像表示部20の変位量と、特定の時点および現時点におけるカメラ61,62の撮像画像と、を用いて、現時点の撮像画像における画角の中心部分から離れた周辺部分に含まれる対象の距離を測定する。また、距離測定部168は、時間軸で異なる特定の時点と現時点との撮像画像からの距離測定のみではなく、時間軸で一点である特定の時点におけるカメラ61,62の撮像画像の中心部分のRGBデータを用いて、撮像画像の周辺部分に含まれる対象の距離を測定する。
具体的には、距離測定部168は、特定の時点において、第1カメラ61によって撮像された第1画像と、第2カメラによって撮像された第2画像と、に対して三角法により、撮像画像の中心部分としての第1領域に含まれる対象までの距離を測定する。図3は、カメラ61,62の画角とカメラ61,62によって撮像される撮像画像の範囲を示す概略図である。図3には、第1カメラ61の画角θ1と、第2カメラ62の画角θ2と、が示されている。1つのカメラの撮像画像では、距離測定部168は、三角法を用いて撮像画像に含まれる対象までの距離を測定できないため、第1カメラ61の画角θ1と第2カメラ62の画角θ2とが重複し、第1カメラ61および第2カメラ62が撮像できる撮像範囲IA(図3のハッチングされた範囲)に含まれる対象までの距離を測定できる。
画像設定部165は、画像表示部20に表示させる画像(表示画像)の各種設定を行なう。例えば、画像設定部165は、表示画像の表示位置や表示画像の大きさや表示画像の輝度などを設定したり、表示画像を使用者に立体的に視認させるために視差を形成するように右眼用画像データと左眼用画像データとを設定する。また、画像設定部165は、第1カメラ61の撮像画像と第2カメラ62の撮像画像とを用いて、使用者に視認される外景としての仮想画像を作成する。本実施形態では、使用者の右眼REの位置と左眼LEの位置とは、第1カメラ61が配置された位置や第2カメラ62が配置された位置と異なる。そのため、画像設定部165は、画像表示部20に対する第1カメラ61の位置および向きと第2カメラ62の位置および向きとを用いて、使用者の右眼REの位置と左眼LEの位置とを予め固定して、使用者から視認される仮想画像を作成する。なお、本実施形態では、作成される仮想画像は、画像表示部20を装着している使用者が前方を向いている場合に使用者に視認されるとして設定された外景の画像である。他の実施形態では、使用者の眼を撮像することで、使用者の視線方向が特定されて、画像設定部165は、特定された使用者の視線方向に応じて仮想画像を作成してもよい。
図4は、画像設定部165によって作成された使用者が視認するとして設定される仮想画像VIの説明図である。画像設定部165は、仮想画像VIを、仮想画像VIの中心を中心とする所定の領域である第1領域AR1と、仮想画像VIの内の第1領域の周辺部分である第1領域以外の領域である第2領域AR2と、に分割する。一般的に、カメラなどの撮像素子は、画角の中心の測定距離の精度が高く、中心から遠ざかるにつれて測定距離の精度が低下する。本実施形態では、画像設定部165は、撮像画像に含まれる対象が存在する領域が、(1)第1領域AR1と第2領域AR2との一方のみの場合と、(2)第1領域AR1と第2領域AR2との両方の場合とで、第2領域AR2に含まれる対象までの距離の特定方法を変更する。具体的には、撮像画像に含まれる対象が存在する領域が(1)の場合には、画像設定部165は、対象までの距離を、距離測定部168によって測定された距離として設定する。また、撮像画像に含まれる対象が存在する領域が(2)の場合には、画像設定部165は、第1領域AR1に含まれる対象までの距離を、距離測定部168によって測定された距離として設定し、第2領域AR2に含まれる対象までの距離を、第1領域AR1に含まれる対象の色情報に基づいて特定する。(2)の場合に、本実施形態では、画像設定部165は、第2領域AR2に含まれる対象までの距離を、第1領域AR1に含まれる対象までの距離と同じ距離として設定する。画像設定部165は、カメラ61,62によって取得された外景のRGBデータに対して、撮像画像を複数の画素に分割し、複数の画素のそれぞれについて、R成分、G成分、B成分のそれぞれを256段階の階調値として区別する。画像設定部165は、隣り合う画素のR成分、G成分、B成分のそれぞれを比較して、一方の画素の階調値を基準として、隣り合うもう一方における画素の各成分が所定の範囲内の階調値である場合に、この隣り合う画素は同じ対象に含まれる画素として認識する。なお、以降では、(2)の場合、すなわち、撮像画像における第1領域AR1および第2領域AR2に含まれる対象を、重複対象とも呼ぶ。
また、画像設定部165は、特定の時点の仮想画像VIにおける第1領域AR1と第2領域AR2との距離情報を用いて、画像表示部20を装着している使用者の向きや位置が変更された場合に、特定の時点の仮想画像VIに含まれず、使用者の向きや位置が変更した後のカメラ61,62の撮像画像に含まれる対象までの距離を予め推定する。例えば、画像設定部165は、色情報であるRGBデータを用いて、特定の時点の仮想画像VIの第2領域AR2の最も端の部分に建物BD1が含まれると判定する。この場合に、使用者の頭部の向きが、仮想画像VIの中心から建物BD1が含まれる端の部分の方向へと変化し、新たな撮像画像から作成された仮想画像VIに建物BD1と同じRGBデータの画像が含まれると、新たに含まれた部分を特定の時点に撮像された建物BD1までの距離を設定する。このように、画像設定部165は、特定の時点における撮像画像を用いて、特定の時点から時間軸で後の時点において撮像される対象までの距離を予め推定できる。なお、本実施形態における画像設定部165は、請求項における距離決定部に相当する。
インターフェイス180は、制御部10に対して、コンテンツの供給元となる種々の外部機器OAを接続するためのインターフェイスである。外部機器OAとしては、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や携帯電話端末、ゲーム端末等、がある。インターフェイス180としては、例えば、USBインターフェイス、マイクロUSBインターフェイス、メモリーカード用インターフェイス等、を用いることができる。
画像表示部20は、右表示駆動部22と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26としての右導光板261と、左光学像表示部28としての左導光板262と、第1カメラ61と、第2カメラ62と、10軸センサー66と、を備えている。
右表示駆動部22は、受信部53(Rx53)と、光源として機能する右バックライト制御部201(右BL制御部201)および右バックライト221(右BL221)と、表示素子として機能する右LCD制御部211および右LCD241と、右投写光学系251と、を含んでいる。右バックライト制御部201と右バックライト221とは、光源として機能する。右LCD制御部211と右LCD241とは、表示素子として機能する。なお、右バックライト制御部201と、右LCD制御部211と、右バックライト221と、右LCD241と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。
受信部53は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのレシーバーとして機能する。右バックライト制御部201は、入力された制御信号に基づいて、右バックライト221を駆動する。右バックライト221は、例えば、LEDやエレクトロルミネセンス(EL)等の発光体である。右LCD制御部211は、受信部53を介して入力されたクロック信号PCLKと、垂直同期信号VSyncと、水平同期信号HSyncと、右眼用画像データと、に基づいて、右LCD241を駆動する。右LCD241は、複数の画素をマトリクス状に配置した透過型液晶パネルである。
右投写光学系251は、右LCD241から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。右光学像表示部26としての右導光板261は、右投写光学系251から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の右眼REに導く。なお、右投写光学系251と右導光板261とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
左表示駆動部24は、右表示駆動部22と同様の構成を有している。左表示駆動部24は、受信部54(Rx54)と、光源として機能する左バックライト制御部202(左BL制御部202)および左バックライト222(左BL222)と、表示素子として機能する左LCD制御部212および左LCD242と、左投写光学系252と、を含んでいる。左バックライト制御部202と左バックライト222とは、光源として機能する。左LCD制御部212と左LCD242とは、表示素子として機能する。なお、左バックライト制御部202と、左LCD制御部212と、左バックライト222と、左LCD242と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。また、左投写光学系252は、左LCD242から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。左光学像表示部28としての左導光板262は、左投写光学系252から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の左眼LEに導く。なお、左投写光学系252と左導光板262とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
図5は、画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。右LCD241は、マトリクス状に配置された各画素位置の液晶を駆動することによって、右LCD241を透過する光の透過率を変化させることにより、右バックライト221から照射される照明光ILを、画像を表わす有効な画像光PLへと変調する。左側についても同様である。なお、図4に示すように、本実施形態ではバックライト方式を採用したが、フロントライト方式や、反射方式を用いて画像光を射出する構成としてもよい。
A−2.距離特定処理:
図6は、距離特定処理のフローチャートである。距離特定処理は、CPU140が、撮像画像に基づいて使用者に視認されるとして設定される仮想画像VIを作成し、仮想画像VIに含まれる対象までの距離を測定し、作成した仮想画像VIを第1領域AR1と第2領域AR2とに分割して、第2領域AR2に含まれる対象までの距離を、当該対象が重複対象であるか否かによって異なる方法で特定する処理である。
距離特定処理では、初めに、CPU140は、操作部135が距離特定処理を始める所定の操作の受付を待機する(ステップS11)。CPU140は、距離特定処理を始める所定の操作を受け付けない場合には(ステップS11:NO)、引き続き、距離特定処理を始める所定の操作の受付を待機する。距離特定処理の所定の操作を始める処理が受け付けられた場合には(ステップS11:YES)、カメラ61,62は、外景の撮像を開始する(ステップS13)。
距離測定部168は、第1カメラ61の撮像画像と第2カメラ62の撮像画像とに対して、三角法を用いることで、第1カメラ61と第2カメラ62とが撮像する撮像範囲IA(図3)に含まれる対象までの距離を測定する(ステップS15)。次に、画像設定部165は、撮像範囲IAの中に、第1領域AR1と第2領域AR2との両方に含まれる重複対象があるか否かを判定する(ステップS17)。画像設定部165は、重複対象があると判定した場合には(ステップS17:YES)、色情報であるRGBデータを用いて、第2領域AR2に含まれる重複対象まで距離を、第1領域AR1に含まれる重複対象までの距離と同じ距離として特定する(ステップS19)。次に、画像設定部165は、第1領域AR1または第2領域AR2に含まれる重複対象以外の対象までの距離を、距離測定部168によって測定された距離と同じ距離として特定する(ステップS23)。なお、ステップS17の処理において、画像設定部165は、重複対象がないと判定した場合には(ステップS17:NO)、ステップS21の処理を行なう。
画像設定部165は、ステップS23の処理を行なうと、撮像画像の範囲外の対象までの距離を推定する(ステップS19)。具体的には、前述したとおり、画像設定部165は、撮像画像の第2領域AR2に含まれる対象のRGBデータを用いて、撮像画像の撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像の中に、変化前の撮像画像の中に含まれる対象のRGBデータを基準として、所定の値以内のRGBデータであると共に変化前の撮像画像の中に含まれる対象と連続性がある対象までの距離を推定する。推定する範囲については、適宜設計事項であるが、例えば、カメラ61,62の画角に対して上下左右のそれぞれに+10%を加えた範囲であってもよい。その後、画像設定部165は、外部機器OAなどから取得したコンテンツに基づく画像を、仮想画像VIの中に含まれる対象の距離情報と関連付けて画像表示部20に表示させる(ステップS21)。
図7は、画像表示部20に画像が表示された場合に使用者が視認する視野VRの説明図である。図7には、使用者が視認する外景SCと、画像表示部20が画像を表示できる最大の領域である画像表示可能領域PNの中に表示された画像IMG1と、が示されている。本実施形態では、画像設定部165は、仮想画像VIを、使用者が前方を向いている場合に使用者に視認される画像として設定してある。そのため、仮想画像VIと使用者の視野VRは、ほぼ一致する。図7に示すように、画像設定部165は、仮想画像VIの中に含まれるお店の看板AB1をパターンマッチングにより検出する。その後、画像設定部165は、右眼画像用データと左眼画像用データとを設定して視差を形成することで、検出した看板AB1までの距離と同じ位置に視認されるように画像IMG1を三次元画像として画像表示可能領域PNに表示させる。画像IMG1は、看板AB1に関連付けられており、看板AB1のお店が魚料理を扱うことを示すための魚の画像である。なお、図7では、便宜上、画像表示可能領域PNの外枠を表す破線と、第1領域AR1の外枠を現す破線と、が示されているが、これらの破線は、使用者には視認されない。
図6のステップS21の処理において、画像表示部20に画像が表示されると、CPU140は、操作部135が距離特定処理を終了する所定の操作の受付を待機する(ステップS23)。CPU140は、操作部135が距離特定処理を終了する所定の操作を受け付けた場合(ステップS23:YES)、距離特定処理を終了する。距離特定処理を終了する所定の操作が受け付けられなかった場合には(ステップS23:NO)、変位測定部166は、10軸センサー66によって検出された加速度等を用いて、画像表示部20を装着した使用者の頭部の位置および向きの変化を検出する(ステップS25)。使用者の頭部の位置と向きとに変化が検出されなかった場合には(ステップS25:NO)、CPU140は、操作部135が距離特定処理を終了する所定の操作の受付を待機する(ステップS23)。ステップS25の処理において、変位測定部166は、使用者の頭部の位置または向きに変化を検出した場合には(ステップS25:YES)、使用者の頭部の位置と向きとの変化量を算出する(ステップS27)。その後、CPU140は、ステップS15以降の処理を繰り返す。
図8は、使用者の頭部の向きが変化した後に使用者が視認する視野VRの説明図である。図8には、図7で示した使用者の視野VRと比較して、使用者の頭部の向きが左に回転した場合の使用者の視野VRが示されている。図8に示すように、看板AB1に対応付けて画像表示可能領域PNに表示される画像IMG2は、図7の画像IMG1と内容は同じであるものの、表示される位置が異なる。本実施形態では、画像設定部165は、コンテンツに基づく画像を画像表示可能領域PNの中心を除く位置に表示する。なお、他の実施形態では、画像の表示位置については種々変形可能であり、例えば、画像IMG2は、外景SCに対して、図7の画像IMG1と同じ位置に表示されてもよい。また、看板AB1のお店である建物BD1は、図7の視野VRと比較して、新たにカメラ61,62の撮像画像に表示されるようになった部分がある。本実施形態では、画像設定部165は、図7の仮想画像のRGBデータに基づいて、図8の仮想画像で新たに撮像された建物BD1の一部までの距離を予め推定してある。そのため、図8の仮想画像で新たに含まれる建物BD1の一部までの距離を特定するまでの時間を短縮できる。
以上説明したように、本実施形態のHMD100では、画像設定部165は、第1領域AR1に含まれる重複対象までの距離を、距離測定部168によって測定された距離として設定し、第2領域AR2に含まれる重複対象までの距離を、第1領域AR1に含まれる対象の距離情報とは異なる情報に基づいて特定する。そのため、本実施形態のHMD100では、精度の高い第1領域AR1に含まれる対象までの測定距離を用いて、精度の低い第2領域AR2に含まれる対象までの測定距離を、測定距離以外の情報に基づいて設定することで、第2領域AR2に含まれる対象までの測定距離の精度を向上させることができる。
また、本実施形態のHMD100では、画像設定部165は、測定距離以外の情報として、色情報を用いて、第2領域AR2に含まれる重複対象までの距離を特定する。そのため、本実施形態のHMD100では、精度の高い第1領域AR1に含まれる対象までの測定距離を用いて、精度の低い第2領域AR2に含まれる対象までの測定距離を色情報に基づいて設定することで、第2領域AR2に含まれる対象までの測定距離の精度を向上させることができる。
また、本実施形態のHMD100では、画像設定部165は、第2領域AR2に含まれる対象までの距離を、第1領域AR1に含まれる対象までの距離と同じ距離として設定するため、第2領域AR2の距離を設定する際の処理を低減できる。
また、本実施形態のHMD100では、画像設定部165は、撮像画像に重複対象が含まれる場合には、第2領域AR2に含まれる重複対象までの距離を、第1領域AR1に含まれる重複対象の色情報を用いて設定する。また、画像設定部165は、撮像画像に含まれる重複対象以外の対象について、第2領域AR2に含まれる対象までの距離を、距離測定部168によって測定された距離と同じ距離として設定する。そのため、本実施形態のHMD100では、撮像画像に含まれる対象によって、測定された距離の精度が高い方法によって対象までの距離を特定できる。
また、本実施形態のHMD100では、第1領域AR1は、撮像画像の中心を中心とする範囲であり、第2領域AR2は、撮像画像の中における第1領域AR1の周辺の領域である。また、第2領域AR2は、撮像画像における第1領域AR1以外の全ての領域である。一般的に用いられる撮像素子としてのカメラは、画角の中心の測定距離の精度が高くなるため、本実施形態のHMD100では、測定距離の精度が低くなる画角の周辺の測定距離の精度も向上させることができる。
また、本実施形態のHMD100では、画像設定部165は、特定の時点における撮像画像から測定した距離情報を用いて、カメラ61,62が配置された画像表示部20の位置や向きが変更した後の特定の時点とは異なる時点の撮像画像に含まれる対象までの距離を推定する。そのため、本実施形態のHMD100では、特定の時点において、撮像されていない撮像画像以外の範囲にある対象までの距離を推定でき、撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像に含まれる対象までの距離を測定する時間を短縮できる。また、変化後の撮像画像に含まれる対象までの距離を測定する処理の負担を軽減できる。
B.第2実施形態:
図9は、第2実施形態におけるHMD100aの構成を機能的に示すブロック図である。第2実施形態のHMD100aは、第1実施形態の100と比較して、制御部10aが無線通信部132を有することと、記憶部120aが対象記憶部122を有することと、CPU140aが対象識別部169を有することと、CPU140aが変位測定部166を有しないことと、画像表示部20aが10軸センサー66を有しないことと、が異なり、他の構成については、第1実施形態のHMD100と同じである。詳細については後述するが、第2実施形態のHMD100aでは、対象識別部169が、撮像画像の中に含まれる対象を、対象記憶部122に記憶された特定の対象または無線通信部132を介して受信した特定の対象と同じであるかを照合する。撮像画像の中に含まれる対象と特定の対象とが同じであると判定された場合に、画像設定部165aは、特定の対象の画像データを元に、撮像画像の範囲外に存在する特定の対象までの距離を推定する。なお、無線通信部132は、請求項における情報受信部に相当する。
対象記憶部122は、複数の対象の画像データを三次元モデルとして記憶している。無線通信部132は、無線LANやブルートゥースといった所定の無線通信規格に則って、例えば、コンテンツサーバー、テレビ、パーソナルコンピューターといった他の機器との間で無線通信を行なう。無線通信部132は、対象記憶部122に記憶された対象の画像データを、他の機器から取得できる。対象識別部169は、パターンマッチングや統計的識別法によって、撮像画像の中から、対象記憶部122に記憶された三次元モデルの画像データと同じ対象とみなせる対象を検出する。画像設定部165aは、三次元モデルの画像データと同じ対象とみなせる対象が撮像画像の中から検出された場合に、検出された対象の全てが撮像画像に含まれているかを判定する。画像設定部165aは、撮像画像に検出された対象の全てが含まれていないと判定した場合に、撮像画像に含まれていない対象の一部を推定する。これにより、画像設定部165aは、予め撮像画像に含まれていない対象までの距離を推定でき、カメラ61,62の撮像範囲が変わっても、迅速に新たな撮像範囲に含まれる対象までの距離を測定できる。
第2実施形態の距離特定処理では、第1実施形態の距離特定処理におけるステップS19の処理(図6)が異なり、他の処理については、第1実施形態の距離特定処理と同じである。そのため、第2実施形態では、距離特定処理において第1実施形態と異なるステップS19の処理について説明し、その他の処理については説明を省略する。第2実施形態の距離特定処理におけるステップS19では、画像設定部165aは、対象識別部169によって撮像画像の中から既知の画像データと同じ対象として検出された対象について、撮像画像の中に含まれていない検出された対象の一部の形状と対象の一部までの距離を推定する。
以上説明したように、第2実施形態のHMD100aでは、対象記憶部122に記憶される、または、無線通信部132を介して取得された特定の対象の画像データを基に、画像設定部165aは、撮像画像の範囲外に存在する特定の対象の一部までの距離を推定する。そのため、第2実施形態のHMD100aでは、撮像範囲外に存在する特定の対象の一部までの距離や特定の対象の色情報を予め推定でき、撮像範囲が変化した場合に、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定や特定の対象の色情報の特定に必要な時間を短縮できる。また、変化後の撮像画像に含まれる特定の対象までの距離の測定や特定の対象の色情報の特定を行なうための処理の負担を軽減できる。
C.変形例:
なお、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
C−1.変形例1:
上記実施形態では、撮像された対象までの距離を測定する手段として、複数のカメラであるカメラ61,62が用いられたが、撮像された対象までの距離を測定する手段としては、上記実施形態のステレオカメラに限られず、種々変形可能である。例えば、HMD100は、単眼のカメラと距離を測定するデプスセンサーとを有していてもよい。デプスセンサーとしては、赤外線を用いたセンサーであってもよく、種々変形可能である。
上記実施形態では、カメラ61,62の撮像画像によって作成された仮想画像VIにおける第1領域AR1に含まれる対象までの測定された距離の精度が、仮想画像VIにおける第2領域AR2に含まれる対象までの測定された距離の精度よりも高い設定であったが、領域における測定距離の精度の良し悪しについては、種々変形可能である。例えば、距離を測定するために用いられるセンサーやステレオカメラの画角に応じて、第1領域AR1と第2領域AR2とは、適宜設定されてもよい。また、第2領域AR2よりも測定距離の精度が劣る第3領域が設定されてもよい。
上記実施形態では、測定された距離とは異なる情報として色情報が用いられたが、測定された距離とは異なる情報については、種々変形可能である。例えば、測定された距離とは異なる情報は、撮像画像の中における領域の面積や2つの異なる任意の点までの長さでもよい。例えば、領域の面積や2つの異なる任意の点の間の長さは、対象記憶部122に記憶された三次元モデルの画像データにおける大きさと比較されてもよい。また、上記実施形態では、色情報として、RGBデータが用いられたが、測定距離を特定するために用いられる色情報については、種々変形可能である。例えば、色情報として、YUV系が用いられてもよいし、輝度、明度、彩度、色相、撮像された対象の光沢などが用いられてもよい。また、色情報としては、RGB系やYUV系だけでなく、単に白と黒とのコントラストの差が用いられてもよい。
上記実施形態では、画像設定部165は、測定された撮像画像に含まれる対象までの距離を用いて、コンテンツに基づく画像を立体的な画像として使用者に視認されるように画像表示可能領域PNに表示させたが、必ずしも画像を表示させる必要はない。本発明は、画像表示の有無にかかわらず、撮像範囲に含まれる対象までの距離を精度良く測定でき、単に、特定の対象までの距離が測定されるために用いられてもよい。
上記実施形態では、第2領域AR2は、第1領域AR1と重複しない周辺の領域であったが、第1領域AR1の周辺の領域の定義については、種々変形可能である。例えば、第2領域AR2の内側の一部は、第1領域AR1の外側の領域と一部が重複していてもよい。第1領域AR1の周辺の領域は、画角の中心に対して、第1領域AR1よりも外側にある領域であり、隣り合うまたは一部分が重複する領域を表してもよい。また、画角の中心以外において、測定された距離の精度が高い場合には、測定された距離の精度が高い撮像範囲の周りの範囲が、第1領域AR1の周辺の領域として設定されてもよい。
上記実施形態では、距離特定処理において、画像表示部20に表示される画像の一例について説明したが、特定された距離を用いた画像の表示方法については、種々変形可能である。画像の表示方法として、例えば、撮像された対象が自動車であった場合に、対象である自動車のボディーカラーを現時点と異なる色として使用者に視認させるときには、自動車として認識された領域に、画像として異なる色が重畳されてもよい。この場合には、異なる色が重畳された自動車の領域が、自動車自体のボディーカラーと画像として表示された色が重畳された異なる色として使用者に視認される。また、画像設定部165は、特定された距離情報を用いて、自動車のボディーの凹凸などに遠近感を表すための陰影などを表現するために、自動車のボディーと重畳される位置の画素のRGBデータを異ならせることで、自動車のボディーの凹凸に対応した色を使用者に視認させてもよい。また、画像設定部165は、照明や太陽光などの光の反射を表すために光沢や輝度を種々設定することで、自動車のボディーを反射する光の陰影を使用者に視認させてもよい。このような場合に、本発明による特定された距離の精度を向上させることで、よりリアルな情報を使用者に視認させることができる。
上記実施形態では、画像設定部165は、重複対象があると判定した場合には、色情報を用いて、第2領域AR2に含まれる重複対象までの距離を、第1領域AR1に含まれる重複対象までの距離と同じ距離として特定したが、第2領域AR2に含まれる重複対象までの距離の特定方法については、種々変形可能である。例えば、第1カメラ61と第2カメラ62との性能や配置に基づいて、第1カメラ61と第2カメラ62とのそれぞれから取得されたRGBデータについて予め変換テーブルが作成されている場合に、画像設定部165は、変換テーブルを用いて、第2領域AR2における重複対象の位置に応じた精度を考慮して、距離を特定してもよい。また、上記実施形態におけるステレオカメラとしてのカメラ61,62の代わりに、例えば、色情報などの距離情報と異なる情報を、測定距離と同じタイミングで取得できない撮像部としてのカメラが用いられた場合に、時系列のタイミングの誤差が予め算出されていることで、画像設定部165は、予め算出された誤差に応じて、第2領域AR2に含まれる重複対象までの距離を特定してもよい。以上に説明した変換テーブルとしては、例えば、太陽光などの環境光、カメラなどのセンサーの固有の特性、カメラの位置および向き、カメラのレンズなどの性能、第1領域AR1と第2領域AR2との区別の仕方、外景と表示画像との輝度のバランスなどが用いられて設定されてもよい。
C−2.変形例2:
図10は、変形例におけるHMD100bの構成を機能的に示すブロック図である。図10に示すように、この変形例のHMD100bは、第1実施形態のHMD100と比較して、画像表示部20bが右眼撮像カメラ68と左眼撮像カメラ69とを有する点が異なり、他の構成については、第1実施形態のHMD100と同じである。右眼撮像カメラ68および左眼撮像カメラ69は、画像表示部20bに配置されている。右眼撮像カメラ68は、使用者の右眼を撮像し、左眼撮像カメラ69は、使用者の左眼を撮像する。変位測定部169bは、撮像された使用者の右眼の画像および左眼の画像における動向の位置を特定して、使用者の視線方向を特定する。距離測定部168bおよび画像設定部165bは、使用者の視線方向の撮像画像を基として撮像画像に含まれる対象の距離測定および距離の設定を行なう。なお、この変形例における右眼撮像カメラ68と左眼撮像カメラ69と変位測定部169bとは、請求項における視線検出部に相当する。このように、変形例のHMD100bでは、特定された使用者の視線方向に応じて、カメラ61,62によって撮像される撮像範囲が変更されるため、撮像画像は、使用者の視認する外景により近づくため、使用者の利便性が向上する。
この変形例では、使用者の視線方向を検出する手段として右眼撮像カメラ68および左眼撮像カメラ69が用いられたが、使用者の視線方向を検出する手段については、種々変形可能である。例えば、右眼撮像カメラ68と左眼撮像カメラ69との一方によって、右眼または左眼が撮像されることで、変位測定部169bは、使用者の視線方向を特定してもよい。また、カメラではなく、赤外線を用いたセンサーによって、使用者の眼の動向の部分の位置が特定されて、使用者の視線方向が特定されてもよい。
C−3.変形例3:
上記実施形態では、制御部10に操作部135が形成されたが、操作部135の態様については種々変形可能である。例えば、制御部10とは別体で操作部135であるユーザーインターフェースがある態様でもよい。この場合に、操作部135は、電源130等が形成された制御部10とは別体であるため、小型化でき、使用者の操作性が向上する。また、カメラ61が画像表示部20に配置されたが、カメラ61が画像表示部20とは別体に構成され、外景SCを撮像できてもよい。また、制御部10の構成するCPU140や電源130が画像表示部20に全て搭載されたHMD100であってもよい。このHMD100では、画像表示部20と別体で構成されるコントローラーがないため、より小型化できる。また、制御部10と画像表示部20とのそれぞれに、CPU140が搭載されることで、制御部10がコントローラー単体として使用され、画像表示部20が表示装置単体として使用されてもよい。
例えば、画像光生成部は、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)のディスプレイと、有機EL制御部とを備える構成としてもよい。また、例えば、画像光生成部は、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoS は登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、例えば、レーザー網膜投影型のHMD100に対して本発明を適用することも可能である。また、画像表示可能領域PNは、各画素に形成されたMEMSシャッターを開閉するMEMSシャッター方式のディスプレイによって構成されてもよい。
また、例えば、HMD100は、光学像表示部が使用者の眼の一部分のみを覆う態様、換言すれば、光学像表示部が使用者の眼を完全に覆わない態様のヘッドマウントディスプレイとしてもよい。また、HMD100は、いわゆる単眼タイプのヘッドマウントディスプレイであるとしてもよい。また、HMD100の代わりに、使用者の頭部に装着されるのではなく、双眼鏡のように使用者が手で位置を固定するハンドヘルドディスプレイが画像表示装置として用いられてもよい。また、HMD100は、両眼タイプの光学透過型であるとしているが、本発明は、例えば、ビデオ透過型といった他の形式の頭部装着型表示装置にも同様に適用可能である。
また、HMD100は、他の装置から受信した画像信号に基づく画像を表示するためだけの表示装置と用いられてもよい。具体的には、デスクトップ型のPCのモニターに相当する表示装置として用いられ、例えば、デスクトップ型のPCから画像信号を受信することで、画像表示部20の画像表示可能領域PNに画像が表示されてもよい。
また、HMD100は、システムの一部として機能するように用いられてもよい。例えば、航空機を含むシステムの一部の機能を実行するための装置としてHMD100が用いられてもよいし、HMD100が用いられるシステムとしては、航空機を含むシステムに限られず、自動車や自転車など含むシステムであってもよい。
また、イヤホンは耳掛け型やヘッドバンド型が採用されてもよく、省略してもよい。また、例えば、自動車や飛行機等の車両に搭載される頭部装着型表示装置として構成されてもよい。また、例えば、ヘルメット等の身体防護具に内蔵された頭部装着型表示装置として構成されてもよい。
C−4.変形例4:
上記実施形態におけるHMD100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、制御部10に設けられた方向キー16を省略したり、方向キー16やトラックパッド14に加えて、操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを設けたりしてもよい。また、制御部10は、キーボードやマウス等の入力デバイスを接続可能な構成であり、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。
また、画像表示部として、眼鏡のように装着する画像表示部20に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部といった他の方式の画像表示部を採用してもよい。また、イヤホン32,34は、適宜省略可能である。また、上記実施形態では、画像光を生成する構成として、LCDと光源とを利用しているが、これらに代えて、有機ELディスプレイといった他の表示素子を採用してもよい。
図11は、変形例におけるHMDの外観構成を示す説明図である。図11(A)の例の場合、図1に示したHMD100との違いは、画像表示部20xが、右光学像表示部26に代えて右光学像表示部26xを備える点と、左光学像表示部28に代えて左光学像表示部28xを備える点とである。右光学像表示部26xは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、HMD100xの装着時における使用者の右眼の斜め上に配置されている。同様に、左光学像表示部28xは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、HMD100xの装着時における使用者の左眼の斜め上に配置されている。図11(B)の例の場合、図1に示したHMD100との違いは、画像表示部20yが、右光学像表示部26に代えて右光学像表示部26yを備える点と、左光学像表示部28に代えて左光学像表示部28yを備える点とである。右光学像表示部26yは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、ヘッドマウントディスプレイの装着時における使用者の右眼の斜め下に配置されている。左光学像表示部28yは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、ヘッドマウントディスプレイの装着時における使用者の左眼の斜め下に配置されている。このように、光学像表示部は使用者の眼の近傍に配置されていれば足りる。また、光学像表示部を形成する光学部材の大きさも任意であり、光学像表示部が使用者の眼の一部分のみを覆う態様、換言すれば、光学像表示部が使用者の眼を完全に覆わない態様のHMD100として実現できる。
また、上記実施形態において、HMD100は、使用者の左右の眼に同じ画像を表わす画像光を導いて使用者に二次元画像を視認させるとしてもよいし、使用者の左右の眼に異なる画像を表わす画像光を導いて使用者に三次元画像を視認させるとしてもよい。
また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、上記実施形態では、画像処理部160や音声処理部170は、CPU140がコンピュータープログラムを読み出して実行することにより実現されるとしているが、これらの機能部はハードウェア回路により実現されるとしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
また、上記実施形態では、図1および図2に示すように、制御部10と画像表示部20とが別々の構成として形成されているが、制御部10と画像表示部20との構成については、これに限られず、種々変形可能である。例えば、画像表示部20の内部に、制御部10に形成された構成の全てが形成されてもよいし、一部が形成されてもよい。また、上記実施形態における電源130が単独で形成されて、交換可能な構成であってもよいし、制御部10に形成された構成が重複して画像表示部20に形成されていてもよい。例えば、図2に示すCPU140が制御部10と画像表示部20との両方に形成されていてもよいし、制御部10に形成されたCPU140と画像表示部20に形成されたCPUとが行なう機能が別々に分けられている構成としてもよい。
本発明は、上記実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…制御部
11…決定キー
12…点灯部
13…表示切替キー
14…トラックパッド
15…輝度切替キー
16…方向キー
17…メニューキー
18…電源スイッチ
20…画像表示部
21…右保持部
22…右表示駆動部
23…左保持部
24…左表示駆動部
26…右光学像表示部
28…左光学像表示部
30…イヤホンプラグ
32…右イヤホン
34…左イヤホン
40…接続部
42…右コード
44…左コード
46…連結部材
48…本体コード
51,52…送信部
53,54…受信部
61…第1カメラ(撮像部)
62…第2カメラ(撮像部)
66…10軸センサー
68…右眼撮像カメラ(視線検出部)
69…左眼撮像カメラ(視線検出部)
100…HMD
120…記憶部
122…対象記憶部(対象記憶部)
130…電源
132…無線通信部(情報受信部)
135…操作部
140…CPU
150…オペレーティングシステム
170…音声処理部
160…画像処理部
165…画像設定部(距離特定部)
166…変位測定部(視線検出部)
168…距離測定部(距離測定部)
169…対象識別部
180…インターフェイス
190…表示制御部
201…右バックライト制御部
202…左バックライト制御部
221…右バックライト
222…左バックライト
241…右LCD
242…左LCD
251…右投写光学系
252…左投写光学系
261…右導光板
262…左導光板
AP…先端部
ER…端部
EL…端部
VSync…垂直同期信号
HSync…水平同期信号
PCLK…クロック信号
θ1,θ2…画角
IA…撮像範囲
RE…右眼
LE…左眼
VI…仮想画像
AR1…第1領域(第1の領域)
AR2…第2領域(第2の領域)
BD1…建物
OA…外部機器
IL…照明光
PL…画像光
VR…視野
SC…外景
PN…画像表示可能領域
IMG1,IMG2…画像
AB1…看板

Claims (14)

  1. 頭部装着型表示装置であって、
    所定の範囲の中に存在する対象までの距離を測定する距離測定部と、
    前記所定の範囲を撮像して、測定された距離と異なる予備情報を取得する撮像部と、
    前記対象が撮像された前記所定の範囲の内の第1の領域と前記第1の領域と異なる第2の領域とに含まれる場合に、測定された前記第1の領域に含まれる前記対象について取得された前記予備情報に基づいて、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定する距離決定部と、を備える、頭部装着型表示装置。
  2. 請求項1に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記予備情報は、色情報である、頭部装着型表示装置。
  3. 請求項2に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記撮像部は、前記所定の範囲の色情報として、RGBデータを取得し、
    前記距離決定部は、前記第2の領域に含まれる前記対象のRGBデータが前記第1の領域に含まれる前記対象のRGBデータに基づいて所定の範囲内の値であった場合に、前記第1の領域に含まれる前記対象と前記第2の領域に含まれる前記対象とを同じ前記対象と判定して、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定する、頭部装着型表示装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記距離決定部は、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を、前記第1の領域に含まれる前記対象までの距離と同じと決定する、頭部装着型表示装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記距離決定部は、前記対象が前記第1の領域と前記第2の領域との一方に含まれると共にもう一方に含まれない場合に、前記第1の領域と前記第2の領域との一方に含まれる前記対象までの距離を、前記距離測定部によって測定された距離として決定する、頭部装着型表示装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記第1の領域は、撮像された前記所定の範囲の中心を、中心とする領域であり、
    前記第2の領域は、前記第1の領域の周辺の領域である、頭部装着型表示装置。
  7. 請求項6に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記第2の領域は、撮像された前記所定の範囲の内、前記第1の領域と重複しない領域である、頭部装着型表示装置。
  8. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記第1の領域は、特定の時点に撮像された前記所定の範囲の内の少なくとも一部分であり、取得された領域であり、
    前記第2の領域は、前記特定の時点とは異なる時点で撮像された前記所定の範囲の内の少なくとも一部分である、頭部装着型表示装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    特定の対象を記憶する対象記憶部を備え、
    前記距離決定部は、撮像された前記所定の範囲に対して、記憶された前記特定の対象を照合することで、撮像された前記所定の範囲に含まれる前記対象までの距離を決定する、頭部装着型表示装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    他の機器から特定の対象についての情報を受信する情報受信部を備え、
    前記距離決定部は、撮像された前記所定の範囲に対して、受信された前記特定の対象を照合することで、撮像された前記所定の範囲に含まれる前記対象までの距離を決定する、頭部装着型表示装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記距離決定部は、撮像された前記所定の範囲に記憶された前記特定の対象が含まれていない場合に、撮像された前記所定の範囲以外の範囲における前記対象の色情報と前記対象までの距離との少なくとも一方を推定する、頭部装着型表示装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    使用者の視線方向を検出する視線検出部を備え、
    撮像される前記所定の範囲は、検出された前記視線方向に基づいて設定される、頭部装着型表示装置。
  13. 所定の範囲を撮像する撮像部を有する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
    撮像された前記所定の範囲の中に存在する対象までの距離を測定する工程と、
    前記対象が撮像された前記所定の範囲の内の第1の領域と前記第1の領域と異なる第2の領域とに含まれる場合に、測定された前記第1の領域に含まれる前記対象について撮像されることによって取得された前記対象までの距離とは異なる予備情報に基づいて、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定する工程と、を備える、制御方法。
  14. 所定の範囲を撮像する撮像部を有する頭部装着型表示装置のためのコンピュータープログラムであって、
    撮像された前記所定の範囲の中に存在する対象までの距離を測定する距離測定機能と、
    前記対象が撮像された前記所定の範囲の内の第1の領域と前記第1の領域と異なる第2の領域とに含まれる場合に、測定された前記第1の領域に含まれる前記対象について撮像されることによって取得された前記対象までの距離とは異なる予備情報に基づいて、前記第2の領域に含まれる前記対象までの距離を決定する距離決定機能と、をコンピューターに実現させるコンピュータープログラム。
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