JP2016132639A - メラニン生成抑制剤及び美白剤 - Google Patents

メラニン生成抑制剤及び美白剤 Download PDF

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智章 堀江
美樹 亀谷
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美樹 亀谷
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Ayako Kuramoto
絢子 蔵本
松田 久司
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久司 松田
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史明 岩瀬
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隆嗣 吉岡
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憲雄 松田
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Abstract

【課題】優れた美白効果を有し、安全性及び経時安定性にも優れたメラニン生成抑制剤及び美白剤の提供。
【解決手段】式[1]で示される化合物を有効成分とするメラニン生成抑制剤、及び美白剤、並びにこれを皮膚に適用する、メラニン生成抑制方法及び美白方法。
Figure 2016132639

(R1、R2、R4及びR5は各々独立にH、水酸基、C1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6;R6はC1〜4のアルキル基;R3はH、C1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7;R7はC1〜8のアルキル基)。
【選択図】なし

Description

本発明は、メラニン生成抑制剤、美白剤、メラニン生成抑制方法及び美白方法に関する。
シミ、ソバカス、日焼け、肝斑等の皮膚の色素沈着は、メラニンの生成と排泄のバランスが崩れ、表皮細胞にメラニンが過剰に蓄積したものである。
皮膚の色素沈着は、表皮細胞に存在する色素細胞(メラノサイト)が増殖・活性化することにより、メラノサイトのメラニン色素生成が著しく亢進し、必要以上にメラニンが生成され、生成したメラニン色素が隣接細胞に拡散することで生じる。
メラノサイトを増殖・活性化させる原因は、炎症、ホルモンのバランス、遺伝的要因等、様々であるが紫外線の影響により助長される。また、メラノサイトは、テオフィリン等の薬剤を与えることにより、紫外線を浴びたように、メラニンを増産する。
従って、肌のシミ、ソバカスや黒化を防止又は改善するための方法として、メラニン生成の律速酵素であるチロシナーゼ活性を抑制・阻害すること、メラニンの生成過程を阻害すること、細胞のターンオーバーを促進してメラニン排出を促進させること、生成されたメラニンを還元して淡色化させること等が考えられ、これらの作用を有すると期待される種々の美白成分が提案されている。
例えば、アルブチン(チロシナーゼ活性抑制)、ハイドロキノン(チロシナーゼ活性抑制、メラニンの漂白)、コウジ酸(チロシナーゼ活性抑制)、グルタチオン(チロシナーゼ活性抑制)、アスコルビン酸誘導体(チロシナーゼ活性抑制、メラニン還元)などが、美白成分として美白化粧料の原料に用いられてきた。
特開2011−173803号公報
しかしながら、上記の美白成分は、何れも満足のいく美白効果が得られていない。
また、例えばアルブチンはチロシナーゼ活性を阻害することが知られているが、配糖体であり、配糖体は一般に化学的に不安定であるという問題がある。
又はハイドロキノンは発癌性物質であるため、化粧料としての使用に制限がある。
更にアスコルビン酸は原料自体が不安定であり、時間の経過と共にその有効成分の活性度が落ちるという問題がある。
以上のように、これまでに知られている美白剤は、いずれも何らかの不満を有するものであった。
本発明の課題は、既存の美白剤に比して優れた美白効果を有し、安全性及び経時安定性にも優れたメラニン生成抑制剤、美白剤、メラニン生成抑制方法及び美白方法を提供することにある。
下記式[A]
Figure 2016132639
(式中、R1、R2、R4、R5は、水素、水酸基、アルキル基、又は−O−C(=O)R6を示す。R6はアルキル基を示す。R3は、水素、アルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7はアルキル基を示す。)で表される化合物を有効成分とするコラーゲン産生促進剤が知られている(特許文献1)。
本発明者等は、従来のメラニン生成抑制剤や美白剤に関する上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式[1]又は[2]で示される化合物に、従来の美白剤よりも優れた細胞のメラニン生成抑制作用があることを見出した。
・一般式[1]で示される化合物
Figure 2016132639

(式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
・一般式[2]で示される化合物
Figure 2016132639

(式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
また、本発明に係る上記化合物は有効濃度での細胞毒性が極めて低く安全性が高いことから、美白剤及び皮膚外用剤としても有用であることを見出し、本発明を完成させるに到った。
即ち、本発明は下記の構成からなる。
(1)下記一般式[1]又は[2]で示される化合物を有効成分とするメラニン生成抑制剤、
Figure 2016132639

(式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)、
Figure 2016132639

(式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)。
(2)一般式[1]又は[2]で示される化合物を有効成分とする美白剤。
(3)一般式[1]又は[2]で示される化合物を皮膚に適用することを特徴とするメラニン生成抑制方法。
(4)一般式[1]又は[2]で示される化合物を皮膚に適用することを特徴とする美白方法。
本発明によれば、高いメラニン生成抑制効果、生体への安全性、および経時安定性に優れたメラニン生成抑制剤、美白剤、メラニン生成抑制方法及び美白方法を提供することができる。
まず、本発明に係る下記一般式[1]又は[2]で示される化合物
Figure 2016132639
(式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)、
Figure 2016132639
(式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
について、説明する。
一般式[1]において、R1、R2、R3、R4及びR5で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等が挙げられる。
一般式[1]において、R1、R2、R4又はR5が−O−C(=O)R6の場合、R6で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等が挙げられる。
一般式[1]において、R3が−C(=O)R7の場合、R7で示される炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル 基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチ ルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、 tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボニル基(ノルボルナン-χ-イル基)等が挙げられる。
中でも、R1、R2、R4又はR5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。R3は、水素原子又は−C(=O)R7の場合が好ましく、R7は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式[2]において、R11、R13、R14及びR15で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等が挙げられる。
一般式[2]において、R11、R14又はR15が−O−C(=O)R16の場合、R16で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等が挙げられる。
一般式[2]において、R12で示される炭素数1〜4のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基等が挙げられる。
一般式[2]において、R12が−O−C(=O)R17の場合、R17で示される炭素数1〜4
のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のいずれであってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等が挙げられる。
中でも、R11、R14又はR15は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。R12は水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
本発明に係る一般式[1]で示される化合物の好ましい例としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
・3-(4-アセトキシフェニル)プロパン-1-オール(SHPAと略記する場合がある。以下同じ。)(化合物10a)
Figure 2016132639
・3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オール(SHHPA)(化合物10b)
Figure 2016132639
本発明に係る一般式[2]で示される化合物の好ましい例としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
・4-メトキシシンナミルアルコール(MHPA)(化合物2b)
Figure 2016132639
・4-ヒドロキシ-3-メトキシシンナミルアルコール(HMHPA)(化合物5a)
Figure 2016132639
・3,4-ジメトキシシンナミルアルコール(DMHPA)(化合物5b)
Figure 2016132639
・4-ヒドロキシシンナミルアルコール(HHPA)(化合物9)
Figure 2016132639
以下、一般式[1]又は[2]で示される化合物を、「本発明に係る化合物」と記載する場合がある。
本発明に係る一般式[1]で示される化合物(例えば化合物10a、化合物10b)は、例えば、対応するシンナミルアルコールをPd/Cなどの触媒を用いて水素添加することで合成できる。
本発明に係る一般式[2]で示される化合物(例えば化合物2b)は、例えばsynthesis, (1994), 369.に記載された方法に従って、対応するシンナムアルデヒドを還元することで合成できる。一方、対応するけい皮酸を出発原料として本発明に係る一般式[2]で示される化合物(例えば化合物5a、化合物5b)を合成する場合には、特開昭59-196881に記載された方法に従い、けい皮酸類をハロゲノぎ酸アルキルと反応させた後、還元することで合成できる。
ただし、R13が水素原子の化合物の場合、けい皮酸を出発原料とした前述の方法が適用できないため、保護基が結合した形態である4-((E)-3-ヒドロキシ-1-プロペニル)フェニルアセテート(HPA)を脱アセチル化する方法によって合成するのが有効である。(例えば化合物9)
本発明に係る化合物を合成するために用いられるHPAは公知化合物であり、公知の方法に基づき製造することができる。あるいは特開2011-173803号公報に記載された方法に従い、1’-アセトキシチャビコールアセテートもしくはその類縁体を水系溶媒に溶解し、熱処理することにより製造することができる。例えば、4-ヨードフェノールを原料とし、水酸基をアセチル化した後、有機金属反応によりアリルアルコール部位を導入し、HPAを得ることができる。また、特開昭59-196881に記載された方法に従い、4−ヒドロキシ―トランス―けい皮酸をアセチル化し、カルボキシル基を還元する方法でもHPAを合成できる。
本発明に係る化合物は、後述する実施例1で示すように優れたメラニン生成抑制作用を有しており、メラニン生成抑制剤として有用である。また、安全性に優れていることから、本発明に係る化合物を用いて、特に皮膚の美白を目的とする美白剤及び美白方法を提供することができる。
以下に、本発明に係る化合物を用いたメラニン生成抑制剤、美白剤の実施態様について説明する。
1.メラニン生成抑制剤
本発明のメラニン生成抑制剤は、本発明に係る化合物を有効成分として含有するものである。
本発明のメラニン生成抑制剤における本発明に係る化合物の配合割合は、適用部位、適用対象の年齢、メラニン生成抑制剤の形態等によって異なるが、組成物全体に対して0.3〜1000μM、好ましくは0.3〜600μMである。
本発明のメラニン生成抑制剤は、本発明に係る化合物そのものからなるものであってもよいし、本発明に係る化合物を有効成分とし、本発明の効果を奏する範囲内であれば、薬学的に許容可能な担体や、公知の添加剤、或いは他の薬学的活性成分などを含むものであってもよい。
本発明のメラニン生成抑制剤は、所望に応じて、デキストリン,シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーやその他任意の助剤を用いて、常法に従い、適当な形態とすることができる。例えば、乾燥粉末、顆粒、錠剤ゲル、クリーム、軟膏、懸濁液、溶液等の形態とすることができる。
この際の助剤としては、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。
本発明のメラニン生成抑制剤は、例えば皮膚外用剤に含有させて、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として、皮膚の黒色化防止等のための利用に供することができる。
更に、本発明のメラニン生成抑制剤は、優れたメラニン産生抑制作用を有するので、メラニンの生成機構に関連する研究のための試薬としても用いることができる。
2.美白剤
本発明の美白剤は、本発明に係る化合物を有効成分とするものである。
本発明の美白剤中の本発明に係る化合物の配合割合は、化合物の種類や、適用部位、適用対象の年齢や特性、化粧品用組成物の形態等によって異なるが、組成物全体に対して0.3〜1000μM、好ましくは0.3〜600μMである。又は組成物の総量に対して、0.000002〜0.02質量%、好ましくは0.000006〜0.006質量%の含有量とすることができる。
本発明の美白剤は、本発明に係る化合物そのものからなるものであってもよいし、本発明に係る化合物を有効成分とし、本発明の効果を損なわない範囲で、薬学上又は衛生上許容される担体や添加物等の他の成分を更に含んでなるものであってもよい。
このような担体又は添加物の種類及び配合量は、本発明の効果を損なわない限り、適宜設定することができる。
例えば、本発明に係る化合物の他に、更に他の美白効果のある他の成分を本発明の美白剤に配合すると、より優れた美白効果が得られるため好ましい。そのような美白効果のある他の成分の例としては、ハイドロキノン、アルブチン、エラグ酸、ビタミンC又はその誘導体(例えば、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸イソパルミチン酸エステル、アスコルビン酸エチルエステル等)、ビフェニル誘導体(例えば、デヒドロジクレオソール、2,2'−ジヒドロキシ−5,5'−ジプロピルビフェニル等)、4−(4一ヒドロキシフェニル)−2−ブタノール又はその誘導体、胎盤抽出液、火棘抽出物、ラズベリーケトングルコシド、杏エキス、小麦胚芽エキス、亜鉛含有酵母エキス、リンドウエキス、アニスエキス、油溶性カンゾウエキス、サイシンエキス、亜麻仁エキス、オランダカラシエキス、ジオスコレアコンポジ一夕エキス、ニワトコエキス、岩白菜エキス、カミツレ抽出物、アデノシン−5'−1−リン酸又はその塩、リノール酸誘導体、ビタミンB類又はその誘導体、トラネキサム酸、トラネキサム酸塩、トラネキサム酸誘導体等が挙げられる。
また、該美白剤には、必要に応じて通常医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料等に配合される成分、例えば保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、抗炎症剤などが含まれていてもよい。
保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、スクワラン、コレステロール、1,2−プロパンジオール、ポリグルタミン酸、セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又はそのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物又はその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ多価アルコール、糖アルコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB6誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン等が挙げられる。
紫外線散乱剤としては、コスメサーブ WP-40TK(大日本化成(株)商品名)、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸エステル、トコフェロール及びそのエステル誘導体、ノルジヒドログアセレテン酸、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール等が挙げられる。
抗炎症剤としては、ナイアシンアミド,乳酸菌発酵液,α-ヒドロキシ液等のメラニン代謝改善剤、塩酸ジフェンヒドラミン,グリチルリチン酸類及びその誘導体等が挙げられる。
その他、DN ベーシックCP(大日本化成(株)商品名),ステアリン酸グリセリル,ステアリン酸ソルビタン,(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル,ラウロリルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)等の乳化剤、セタノール,ヒドロキシステアリン酸フィトステリル,ベヘニルアルコール,モノステアリン酸グリコール,イソステアリルアルコール等の乳化安定剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の可溶化剤、パルミチン酸セチル,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,ヒドロキシステアリン酸コレステリル,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマー,クインスシードエキス分散体,PEG−9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン,マイクロクリスタリンワックス,ジステアルジモニウムヘクライト等の増粘剤、防菌防黴剤、パラベン,メチルパラベン,フェノキシエタノール,トリエチルヘキサノイン,トリエチルヘキサノインパラオキシ安息香酸プロピル,パラオキシ安息香酸メチル,プロピルパラベン等の防腐剤、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、PCAイソステアリン酸グリセレス-25等の分散剤、ジメチコン等の撥水・つや出し剤、フェニルトリメチコン等の潤滑剤、メタクリル酸メチルクロスポリマー等の滑沢剤、シクロペンタシロキサン等の柔軟剤、クエン酸,クエン酸ナトリウム,水酸化ナトリウム等のpH調整剤、変色防止剤、界面活性剤、アルコール類、水溶性高分子油性成分、粉末成分、色剤(色素、顔料等)、洗浄剤、薬剤、香料、樹脂、各種皮膚栄養剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で、必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の美白剤は、本発明に係る化合物又は本発明に係る化合物と添加物等を含有する美白剤を常法に従って、適当な媒体や担体と共に目的の形態(剤形)に製剤化することによって調製することができる。
本発明の美白剤の形態は、本発明に係る化合物が安定的に配合できるのであれば特に制限されず、適用される製品の剤型、形態、用途等に応じて設定することができる。
例えばローション等の液状、ゲル、乳液、クリーム等の乳化状、シート状、スティック状、軟膏、適当な賦形剤等を用いた穎粒状や粉末状の剤型が挙げられる。乳化状のものとしては、油中水型、水中油型、マルチエマルジョンのいずれの形状のものであってもよい。
また、本発明の美白剤を用いて、更に化粧水、ローション、エッセンス(美白美容液)、トニック、乳液、クリーム、軟膏、パック、口紅、ファンデーション、入浴剤、整髪料等の各種化粧品や化粧料を、常法に従って製造することもできる。
本発明の美白剤の適用部位も、本発明の効果が奏される範囲内であれば特に限定されず、顔面用、ボディ用、頭髪用等、種々の部位に利用できる。例えば、本発明の美白剤を皮膚に適用することによって、美白作用が発揮され、皮膚色素沈着及びこれに伴って生じるシミ、ソバカス等を予防又は改善することができる。
該美白剤の皮膚への適用方法としては、皮膚に塗布、散布、その他これらに類似する任意の方法が挙げられる。例えば液剤、軟膏剤、乳液剤、パック剤、ハップ剤、散布剤、石けん、クリーム、リンス、入浴剤等の方法で使用される。
上記した美白剤の添加剤及び剤形等は、本発明のメラニン生成抑制剤にも適用することができる。
なお、本発明のメラニン生成抑制剤及び美白剤は、ヒトに対して好適に適用されるものではあるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
本発明のメラニン生成抑制方法は、本発明のメラニン生成抑制剤を、メラニン生成を抑制しようとする対象に適用することによりなされる。その具体的な実施態様は、本発明のメラニン生成抑制剤に関する説明に記載した通りである。例えば、本発明のメラニン生成抑制剤を皮膚に塗布する方法等が挙げられる。
本発明の美白方法は、本発明の美白剤を、皮膚に適用することによりなされる。その具体的な実施態様は、本発明の美白剤に関する説明に記載した通りである。例えば、本発明の美白剤又は本発明の美白剤を含有する例えば上記した如き化粧品等を皮膚に適用する方法が挙げられる。その適用方法等も、例えば上記した本発明の美白方法に関する説明に記載した方法が挙げられる。
以下、製造例、実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
各合成例及び実施例において、下記の略号を使用した。
SHPA:3-(4-アセトキシフェニル)プロパン-1-オール
SHHPA:3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オール
MHPA:4-メトキシシンナミルアルコール
HMHPA:4-ヒドロキシ-3-メトキシシンナミルアルコール
DMHPA:3,4-ジメトキシシンナミルアルコール
HHPA:4-ヒドロキシシンナミルアルコール
HPA:4-アセトキシシンナミルアルコール
参考合成例1.4-アセトキシシンナミルアルコール(HPA)(化合物8)の合成
1)アセチル化反応
Figure 2016132639
4-ヒドロキシけい皮酸(化合物6、和光純薬工業(株)製) 5.0g(30.5mmol)をピリジン(和光純薬工業(株)製)25mLに溶解して水冷した。無水酢酸6.23g(61.0mmol、和光純薬工業(株)製)を加えて室温で1時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮して固体が僅かに析出する程度までピリジンを除去した反応液を得た。別の容器に水75mL、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)7.5mLを加え氷水冷しながら、先に得た反応液を滴下し、析出した固体をろ取して8.24gの粗晶を得た。粗晶をエタノール(和光純薬工業(株)製)60mLで再結晶して、ろ取、乾燥し、4-アセトキシけい皮酸(化合物7) 5.3g(収率84%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 12.4 ppm (1h, brs), 7.74 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 7.59 ppm (1h, d, J=16.1Hz), 7.17 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 6.51ppm (1h, d, J=16.1Hz), 2.28 ppm (3h, s)
2)還元反応
Figure 2016132639
上記1)で得られた4-アセトキシけい皮酸(化合物7) 12.0g(48.0mmol)を1,4-ジオキサン(和光純薬工業(株)製)90mLに溶解し、窒素雰囲気下で水冷した。トリエチルアミン6.44g(63.7mmol、和光純薬工業(株)製)を加えた後、クロロぎ酸エチル(化合物4、和光純薬工業(株)製) 6.92g(63.7mmol)の1,4-ジオキサン溶液20mLを滴下し、水冷下で1時間撹拌した。生じたトリエチルアミン塩酸塩をろ過して、対応する混酸無水物の1,4-ジオキサン溶液を得た。別の容器に水素化ホウ素ナトリウム2.74g(72.5mmol、和光純薬工業(株)製)と1,4-ジオキサン115mL、DMF(和光純薬工業(株)製)14mLを入れ、窒素雰囲気下で水冷した。ここに先に調製した混酸無水物の1,4-ジオキサン溶液を滴下し、1時間後TLCで反応終了を確認した。1mol/L塩酸23mLを加えて過剰の水素化ホウ素ナトリウムを分解した後、水56mLを加えて希釈した。濃縮して1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)120mL、水120mLを加えて抽出、分液後、水120mL×3で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)製)で有機層を乾燥後、濃縮して9.7gの粗体を得た。粗体にヘキサン(和光純薬工業(株)製)50mLを加えて晶析させ、ろ取、乾燥し、目的の4-アセトキシシンナミルアルコール(化合物8)(HPA) 8.9g(収率80%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 7.39 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 7.04 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 6.60 ppm (1h, d, J=16.1Hz), 6.32 ppm (1h, dt, J=5.6 and 16.1Hz), 4.32 ppm (2h, d, 5.6Hz), 2.30 ppm (3h, s), 1.70 ppm (1h, brs)
合成例1:3-(4-アセトキシフェニル)プロパン-1-オール(SHPA)(化合物10a)の合成

Figure 2016132639
参考合成例1で合成した4-アセトキシシンナミルアルコール(化合物8) 1.0g(5.2mmol)を酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)50mLに溶解して耐圧容器に入れ、5% パラジウムカーボン2.21g (0.52 mmol相当、エヌ・イー ケムキャット(株)製)を加えた後、水素圧0.3Mpaに加圧して室温で6時間撹拌した。解圧後、パラジウムカーボンをろ過、濃縮して目的の3-(4-アセトキシフェニル)プロパン-1-オール(化合物10a) (SHPA)0.59g(収率58%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 7.20 ppm (2h, d, J=8.6Hz), 6.99 ppm (2h, d, J=8.6Hz), 3.67 ppm (2h, m), 2.70 ppm (2h, t, J=8.0Hz), 2.32 ppm (3h, s), 1.88 ppm (2h, m), 1.40 ppm (1h, brs)
合成例2.4-ヒドロキシシンナミルアルコール(HHPA)(化合物9)の合成

Figure 2016132639
水酸化カリウム1.08g(19.2mmol、和光純薬工業(株)製)をエタノール(和光純薬工業(株)製)80mLに溶解し、窒素雰囲気下で氷水冷した。参考合成例1で合成した4-アセトキシシンナミルアルコール(化合物8) 1.85g (14.3mmol)のエタノール溶液10mLを滴下後、氷水冷下で8時間撹拌した。水50mL、1mol/L塩酸20mLを加えた後、濃縮してエタノールを除去し、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)70mL、水20mLを加えて抽出、分液後、水50mL×3で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)製)で有機層を乾燥後、濃縮して目的の4-ヒドロキシシンナミルアルコール(HHPA)(化合物9) 1.25g(収率86%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 8.51 ppm (1h, s), 7.23 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 6.80 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 6.52 ppm (1h, d, J=15.9Hz), 6.19 ppm (1h, dt, J=5.6 and 15.9Hz), 4.21-4.30 ppm (2h, m), 2.62 ppm (1h, brs)
合成例3.3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オール(SHHPA)(化合物10b)の合成

Figure 2016132639
合成例2で合成した4-ヒドロキシシンナミルアルコール(化合物9) 1.0g(6.7mmol)を酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)50mLに溶解し、耐圧容器に入れ、5% パラジウムカーボン2.85g (0.67 mmol相当、エヌ・イー ケムキャット(株)製)を加えた後、水素圧0.3Mpaに加圧して室温で6時間撹拌した。解圧後、パラジウムカーボンをろ過、濃縮して目的の3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オール (SHHPA)(化合物10b) 0.49g(収率48%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 7.25 ppm (1h, s), 7.02 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 6.77 ppm (2h, d, J=8.5Hz), 3.66 ppm (2h, t, J=6.6Hz), 2.61 ppm (2h, t, J=8.0Hz), 2.00 ppm (1h, brs), 1.86 ppm (2h, m)
合成例4.4-メトキシシンナミルアルコール(MHPA)(化合物2b)の合成

Figure 2016132639
4-メトキシシンナムアルデヒド(化合物1b、東京化成工業(株)製) 2.32g(14.3mmol)とリン酸水素カリウム(和光純薬工業(株)製)19.46g(14.3mmol)をメタノール(和光純薬工業(株)製)200mLに懸濁し、窒素雰囲気下で水冷した。水素化ホウ素ナトリウム0.65g(17.2mmol、和光純薬工業(株)製)を分割投入し、1時間後TLCで反応終了を確認した。水10mLを加えた後、1mol/L塩酸30mLを加えた。リン酸水素カリウムをろ過した後、濃縮してメタノールを除去した。残った固体を含む水層に酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)50mLを加えて抽出、分液後、水30mL×3で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)製)で有機層を乾燥後、濃縮して、2.12gの粗晶を得た。粗晶を四塩化炭素(和光純薬工業(株)製)4mLで再結晶して、ろ取、乾燥し、目的の4-メトキシシンナミルアルコール(化合物2b)(MHPA) 1.1g(収率47%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 7.32 ppm (2h, d, J=8.8Hz), 6.86 ppm (2h, d, J=8.8Hz), 6.56 ppm (1h, d, J=15.9Hz), 6.24 ppm (1h, dt, J=6.1 and 15.9Hz), 4.29-4.32 ppm (2h, m), 3.81 ppm (3h, s) 1.38-1.41 ppm (1h, brs)
合成例5. 4-ヒドロキシ-3-メトキシシンナミルアルコール(HMHPA)(化合物5a)の合成

Figure 2016132639
4-ヒドロキシ-3-メトキシけい皮酸(化合物3a、和光純薬工業(株)製) 9.32g(48.0mmol)を1,4-ジオキサン(和光純薬工業(株)製)80mLに溶解し、窒素雰囲気下で水冷した。トリエチルアミン5.3g(52.8mmol、和光純薬工業(株)製)を加えた後、クロロぎ酸エチル(化合物4、和光純薬工業(株)製) 5.73g(52.8mmol)の1,4-ジオキサン溶液15mLを滴下し、水冷下で1時間撹拌した。生じたトリエチルアミン塩酸塩をろ過して、対応する混酸無水物の1,4-ジオキサン溶液を得た。別の容器に水素化ホウ素ナトリウム2.27g(60.0mmol、和光純薬工業(株)製)と1,4-ジオキサン100mL、DMF(和光純薬工業(株)製)12mLを入れ、窒素雰囲気下で水冷した。ここに先に調製した混酸無水物の1,4-ジオキサン溶液を滴下し、1時間後TLCで反応終了を確認した。1mol/L塩酸20mLを加えて過剰の水素化ホウ素ナトリウムを分解した後、水40mLで希釈した。濃縮して1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)70mL、水70mLを加えて抽出、分液後、水50mL×2で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)製)で有機層を乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製し、5.24gのオイルを得た。オイルを1,4-ジオキサン20mLに溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液50mLを加えて55℃で1時間反応後、室温まで冷却して6mol/L塩酸をpH=5となるまで注入した。酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)50mLを加えて抽出、分液後、水50mL×2で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)製)で有機層を乾燥後、濃縮し、3.29gのオイルを得た。オイルに酢酸エチル3mLを加えて加温溶解し、ヘキサン(和光純薬工業(株)製)15mLを加えて氷水冷下で晶析させ、1時間攪拌後、ろ取、乾燥し、目的の4-ヒドロキシ-3-メトキシシンナミルアルコール(HMHPA)(化合物5a) 2.83g(収率33%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 6.85-6.92 ppm (3h, m), 6.53 ppm (2h, d, J=15.6Hz), 6.22 ppm (1h, dt, J=5.8 and 15.6Hz), 6.24 ppm (1h, dt, J=6.1 and 15.9Hz), 5.66 ppm (1h, brs), 4.29-4.31 ppm (2h, m), 3.90 ppm (3h, s) 1.63 ppm (1h, brs)
合成例6.3,4-ジメトキシシンナミルアルコール(DMHPA)(化合物5b)の合成
Figure 2016132639
3,4-ジメトキシけい皮酸(化合物3b、和光純薬工業(株)製) 10.0g(48.0mmol)を1,4-ジオキサン(和光純薬工業(株)製)80mLに溶解し、窒素雰囲気下で水冷した。トリエチルアミン5.3g(52.8mmol、和光純薬工業(株)製)を加えた後、クロロぎ酸エチル(化合物4、和光純薬工業(株)製) 5.73g(52.8mmol)の1,4-ジオキサン溶液10mLを滴下後、水冷下で1時間撹拌した。生じたトリエチルアミン塩酸塩をろ過して、対応する混酸無水物の1,4-ジオキサン溶液を得た。別の容器に水素化ホウ素ナトリウム2.27g(60.0mmol、和光純薬工業(株)製)と、1,4-ジオキサン100mL、DMF12mLを入れ、窒素雰囲気下で水冷した。ここに先に調製した混酸無水物の1,4-ジオキサン溶液を滴下し、1時間後TLCで反応終了を確認した。1mol/L塩酸20mLを加えて過剰の水素化ホウ素ナトリウムを分解した後、水40mLで希釈した。濃縮して1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)70mL、水70mLを加えて抽出、分液後、水50mL×3で有機層を洗浄した。硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)製)で有機層を乾燥後、濃縮して6.9gの粗晶を得た。粗晶を四塩化炭素(和光純薬工業(株)製)40mLで再結晶して、ろ取、乾燥し、目的の3,4-ジメトキシシンナミルアルコール(DMHPA)(化合物5b) 5.6g(収率60%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 6.95 ppm (1h, s), 6.93 ppm (1h, d, J=8.3Hz), 6.82 ppm (1h, d, J=8.3Hz), 6.56 ppm (1h, d, J=15.9Hz), 6.25 ppm (1h, dt, J=5.9 and 15.9Hz), 4.26-4.39 ppm (2h, m), 3.90 ppm (3h, s), 3.88 ppm (3h, s), 1.46 ppm (1h, brs)
実施例1.マウスメラノーマ細胞におけるメラニン生成抑制作用の検討
(1)メラニン生成抑制作用の検討
Matsuda H. et al., Melanogenesis inhibitors from the rhizomes of Alpinia officinarum in B16 melanoma cells, Bioorg. Med. Chem., 17, pp.6048-6053 (2009)に記載の方法に準じ、以下の方法で、マウスメラノーマ細胞のメラニン生成に対する本発明に係る化合物の抑制作用の検討を行った。
独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター 細胞バンクより分譲されたマウスメラノーマ由来B16 melanoma 4A5(RCB0557)を、10%ウシ胎児血清(FBS),100 units/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン含有DMEM (4500 mg/L glucose)培地(Sigma-Aldrich社製)で培養(5%CO2,37℃)した。
次いで、培養した細胞を24 wellマルチプレートに2.0×104 cells/400μL/wellになるように、上記と同じ組成のDMEM培地に播種し、24時間培養した後、培地を除去し、合成例1〜6で合成した本発明に係る化合物(化合物10a, 10b, 2b, 5a, 5b, 9)を添加した培地を細胞に加えた。なお、本発明に係る化合物は、DMSOに0.1%になるように溶解させた溶液を、終濃度が下記表1に記載の濃度になるように、培地に添加した。
72時間培養後、トリプシン処理を行って、細胞をマルチプレートから剥離、回収した。回収した細胞をPBSで2回洗浄後、1 mol/LのNaOH aq. を120μL/well加え、80℃で30分処理して、細胞を溶解させた。得られた細胞溶解液を96 wellマイクロプレートに分取(100 μL/well)し、生成したメラニンの吸光度をマイクロプレートリーダー(SH−1000、コロナ電気(株)製)にて測定した(測定波長:405nm)。
得られた測定値をもとに、B16 melanoma 4A5のメラニン生成に対する、本発明に係る化合物の抑制効果を、下記式により求めた。
Inhibition (%) = [(A-B) / A] / (C / 100) × 100
[A : 本発明に係る化合物未添加(コントロール)の場合の吸光度, B : 本発明に係る化合物添加の場合の吸光度, C : 細胞生存率(%)]
また、比較対象として本発明に係る化合物の代わりにアルブチン(Sigma-Aldrich社製)を用い、同じ方法で、細胞が生成したメラニンの吸光度を測定し、アルブチンの、B16 melanoma 4A5のメラニン生成に対する抑制効果を求めた。なお、アルブチンは、終濃度が下記表3に記載の濃度になるよう、培地に添加した。
(2)細胞毒性試験(細胞生存率試験)
培養したマウスメラノーマ由来B16 melanoma 4A5(RCB0557)を、上記と組成のDMEM培地を用い、96ウェルマイクロプレートに播種し(5.0×103 cells/0.1 mL/well)、さらに24時間培養した。その後、合成例1〜6で合成した本発明に係る化合物を培地に添加した後70時間培養し、Cell Counting Kit-8 (株)同仁化学研究所製) を用いて2 時間反応させた。なお、本発明に係る化合物は、DMSOに0.1%になるように溶解させた溶液を、終濃度が下記表3に記載の濃度になるよう、培地に添加した。
本発明に係る化合物の細胞毒性(細胞生存率)は、下記式により求めた。
Viability (%) = [B / A] × 100
[A : 本発明に係る化合物未添加(コントロール)の場合の細胞数, B : 本発明に係る化合物添加の場合の細胞数]
また、比較対象として本発明に係る化合物の代わりにアルブチンを用い、同じ方法で細胞毒性試験を行った。なお、アルブチンは、終濃度が下記表3に記載の濃度になるよう、培地に添加した。
(3)結果
本発明に係る化合物のメラニン生成抑制作用の検討結果(Inhibition(%))を表1に示す。また、本発明に係る化合物の細胞毒性試験結果(細胞生存率、Viability (%))を表2に示す。
Figure 2016132639
Figure 2016132639
また、アルブチンのメラニン生成抑制作用の検討結果(Inhibition(%))、及び細胞毒性試験結果(Viability (%))を表3に併せて示す。
Figure 2016132639
表1から明らかな通り、本発明に係る化合物は、テオフィリン刺激により誘導されるB16 melanoma 4A5のメラニン生成に対して、0.3μM又は1μMで、有意な抑制作用が認められた。また、発明に係る化合物のメラニン生成抑制作用のIC50値(表1)は、すべてアルブチンのメラニン生成抑制作用のIC50値=299.1μM(表3)よりも、はるかに低かった。
以上のことから、本発明に係る化合物のメラニン生成抑制作用は、従来より美白剤として用いられているアルブチンよりも極めて高いことが判る。
また、本発明に係る化合物の、メラニン生成抑制のIC50値を示す濃度(表1)での細胞生存率(表2)と、アルブチンのメラニン生成抑制のIC50値を示す濃度(299.1μM、表3)での細胞生存率(85.1±%程度、表3)を比較すると、本発明に係る化合物の方が、アルブチンよりも細胞生存率が高いことが確認された。
例えば、本発明に係る化合物SHPAのメラニン生成抑制のIC50値を示す濃度は、表1より3.6μMである。表2より、3.6μMのSHPAの細胞生存率は、94.0±1.7%程度である。これに対し、上記した通り、アルブチンのメラニン生成抑制のIC50値を示す濃度でのアルブチンの細胞生存率は、91.8±2.8%程度である。従って、メラニン生成抑制作用の有効濃度での細胞生存率は、SHPAの方がアルブチンよりも細胞生存率が高いことが明らかである。
以上のことから、本発明に係る化合物は、メラニン生成抑制作用の有効濃度での細胞毒性に対する安全性に優れていることがわかる。
実施例2
合成例1〜合成例6で合成した化合物を含有する化粧水を調製し、経時での製剤の安定性及び使用性評価の試験を行った。
(1)合成例1〜合成例6で合成した化合物含有化粧水の調製
容器に、下記表4−1の「実施例2」の欄に記載のA成分を加え、均一に溶解させた。別の容器に、B成分を均一溶解させた。B成分を攪拌しながらA成分をゆっくり添加し、可溶化させた。全体が均一になるまで撹拌し、容器に充填した。
調製した化粧水中のSHPAの濃度は、約0.1μMである。
(2)製剤の安定性評価
上記(1)で調製した化粧水を40℃で1ヶ月保存した後、化粧水の状態を目視で観察し、臭いを確認した。
(3)使用性評価
女性パネラー(10名)が、上記(1)で調製した化粧水を通常の使用法で用い、使用性に関する表4記載の各項目について、「5:非常に良い、4:良い、3:普通、2:やや悪い、1:非常に悪い」の5段階で評価した。得られた評価の平均点を評価点として、以下の基準で判定符号を付した。
◎:評価点 5〜4.5
○:評価点 4.5〜3.5
△:評価点 3.5〜2.5
×:評価点 2.5以下
(4)結果
得られた結果を表4−1に示す。
Figure 2016132639
Figure 2016132639
実施例3〜19
表4−1又は表4−2記載の「実施例2」〜「実施例19」の欄の記載に従い、それぞれ実施例2と同様の方法で、本発明の化合物であるSHPA、HHPA、SHHPA、MHPA、HMHPA、又はDMHPAを含有する化粧水を調製した。
実施例5〜19で調製した化粧水中の各化合物の濃度は、それぞれ約100μM(実施例3:SHPA)、約1000M(実施例4:SHPA)、約 1μM(実施例5:HHPA)、約100μM(実施例6:HHPA)、約1000μM(実施例7:HHPA)、約1μM(実施例8:SHHPA)、約100μM(実施例9:SHHPA)、約1000μM(実施例10:SHHPA)、約0.3μM(実施例11:MHPA)、約100μM(実施例12:MHPA)、約1000μM(実施例13:MHPA)、約1μM(実施例14HMHPA)、約100μM(実施例15:HMHPA)、約1000μM(実施例16:HMHPA)、約0.3μM(実施例17:DMHPA)、約100μM(実施例18:DMHPA)、約1000μM(実施例19:DMHPA)である。
また、実施例2と同様の方法で製剤の安定性評価、及び使用性評価を行った。
得られた結果を表4−1及び表4−2に併せて示す。
比較例1〜3
(1)アスコルビン酸含有化粧水の調製、及び製剤の安定性・使用性評価
表4−2記載の「比較例1」〜「比較例3」の欄の記載に従い、それぞれ実施例2と同様の方法で、本発明に係るSHPAの代わりにアスコルビン酸を含有する化粧水を調製した。
また、実施例2と同様の方法で製剤の安定性評価、及び使用性評価を行った。
得られた結果を表4−2に併せて示す。
(2)結果
表4−1及び表4−2の実施例2〜19の結果から明らかな通り、合成例1〜合成例6で合成した本発明に係る化合物を含有する本発明の化粧水は、40℃で1ヶ月保存しても、変色、異臭がなく、製剤の安定性に優れた可溶化型化粧水であった。また、実施例2〜19で調製した本発明の化粧水は、使用時の刺激感は無く、美白感、肌ツヤ改善効果、小じわの減少効果共に優れたものであった。
これに対し、表4−2の比較例1〜3の結果から明らかな通り、医薬部外品主剤としても配合されるアスコルビン酸を含有する化粧水は、40℃で1ヶ月保存することにより変色及び異臭が確認され、経時での製剤の安定性に劣ることが判った。アスコルビン酸のアクティビティを保持するためには系のpHを低く保つ必要がある。そのため、比較例1、比較例2及び比較例3で調製した化粧水のpHは、それぞれpH 3.41、pH 3.39、pH 2.95で、アスコルビン酸のアクティビティを発揮するに適したpHであったが、用いたクエン酸バッファー量ではこの十分なpHが維持できず、製剤の安定性に影響を及ぼしたものと考えられる。また、多く配合しなければ使用効果が得られないため、かえって、べたつき感が出たりした。
実施例20
合成例4で合成したMHPAを含有する乳液を調製し、経時での製剤の安定性及び使用性評価の試験を行った。
(1)MHPA含有乳液の調製
容器に下記表5記載のA成分を加え、加熱・撹拌して均一に溶解させた。全量が仕込める乳化釜にB成分を秤り込み、加熱・撹拌して均一にした。B成分を撹拌しながら、上記で得られた油相(A成分)をゆっくり添加し、乳化を行った。ホモミキサーを作動させ、全体を均一にした後、減圧下で冷却した。バルク温度が40℃になれば、予め別の容器で溶解させたC成分を添加した。バルク温度が30℃以下になったら冷却・撹拌を停止し、常圧に戻した後、容器に充填した。
調製した乳液中のMHPAの濃度は、約30μMである。
Figure 2016132639
(2)製剤の安定性の評価及び使用性評価
実施例2と同様の方法で、得られた乳液の製剤の安定性の評価を行った。また、実施例2と同様の方法で、女性パネラー(10名)による使用性評価を行った。
(3)結果
MHPAを含有する本発明の乳液は、製剤の安定性も良好で、40℃で1ヶ月保存してもエマルジョンの分離・析出はなく、また、変色、異臭もなく、安定な製剤状態であった。
また、本発明の乳液は使用時のべたつきがなく、使用中での刺激もなかった。更に、本発明の乳液を使用して1ヶ月後の肌は、やや美白感があり、肌のツヤが改善され、小じわの減少効果も認められた。
実施例21
合成例6で合成したDMHPAを含有するフェイスクリームを調製し、経時での製剤の安定性及び使用性評価の試験を行った。
(1)DMHPA含有フェイスクリームの調製
容器に下記表6記載のA成分を加え、加熱・撹拌して均一に溶解させた。全量が仕込める乳化釜にB成分を秤り込み、加熱・撹拌して均一にした。B成分を撹拌しながら、上記で得られた油相(A成分)をゆっくり添加し、乳化を行った。ホモミキサーを作動させ、全体を均一にした後、減圧下で冷却した。バルク温度が40℃になれば、予め別の容器で溶解させたC成分を添加した。バルク温度が30℃以下になったら冷却・撹拌を停止し、常圧に戻した。得られたフェイスクリームを容器に充填した。
調製したフェイスクリーム中のDMHPAの濃度は、約515μMである。
Figure 2016132639
(2)製剤の安定性評価及び使用性評価
実施例2と同様の方法で、得られたフェイスクリームの製剤の安定性の評価を行った。また、実施例2と同様の方法で、女性パネラー(10名)による使用性評価を行った。
(3)結果
DMHPAを含有する本発明のフェイスクリームは、製剤の安定性も良好で、40℃で1ヶ月保存してもエマルジョンの分離・析出はなく、また、変色、異臭もなく、安定な製剤状態であった。
また、本発明のフェイスクリームは、使用時のべたつきがなく、使用中での刺激もなかった。更に、本発明のフェイスクリームを使用して1ヶ月後の肌は、やや美白感があり、肌のツヤが改善され、小じわの減少効果も認められた。
実施例22
合成例2で合成したHHPAを含有するエッセンスを調製し、経時での製剤の安定性及び使用性評価の試験を行った。
(1)HHPA含有エッセンスの調製
容器に下記表7記載のA成分を加え、均一に溶解させた。全量が仕込める製造釜にB成分を秤り込み、均一溶解させた。次いで溶解させたB成分にC成分を加えて均一にした後、A成分を加えて均一になるまで撹拌した。次に、D成分を加えて十分に撹拌して均一にした後、容器に充填した。
調製したエッセンス中のHHPAの濃度は、約670μMである。
Figure 2016132639
(2)製剤の安定性評価及び使用性評価
実施例2と同様の方法で、得られたエッセンスの製剤の安定性の評価を行った。また、実施例2と同様の方法で、女性パネラー(10名)による使用性評価を行った。
(3)結果
HHPAを含有する本発明のエッセンスは、製剤の安定性も良好で、40℃で1ヶ月保存してもゲルの粘度変化はなく、分離・析出もなく、また、変色、異臭もなく、安定な製剤状態であった。
また、本発明のエッセンスは、使用時のべたつきがなく、使用中での刺激もなかった。更に、本発明のエッセンスを使用して1ヶ月後の肌は、やや美白感があり、肌のツヤが改善され、小じわの減少効果も認められた。
実施例23
合成例5で合成したHMHPAを含有するBBクリームを調製し、経時での製剤の安定性及び使用性評価の試験を行った。
(1)HMHPA含有BBクリームの調製
容器に下記表8記載のB成分を粉砕混合して均一にした。全量が仕込める製造釜にA成分を秤り込み、加熱・混合して均一にした。次いでA成分にB成分、C成分、D成分を順次加えて均一にした後、E成分を加えて乳化を行った。ホモミキサーを作動させ、全体を均一にした後、減圧下、冷却した。バルク温度が30℃以下になったら、冷却・撹拌を停止し、常圧に戻した後、容器に充填した。
調製したBBクリーム中のHMHPAの濃度は、約35μMである。
Figure 2016132639
(2)製剤の安定性の評価及び使用性評価
実施例2と同様の方法で、得られたフェイスクリームの製剤の安定性の評価を行った。また、実施例2と同様の方法で、女性パネラー(10名)による使用性評価を行った。
(3)結果
HMHPAを含有する本発明のBBクリームは、製剤の安定性も良好で、40℃で1ヶ月保存してもエマルジョンの分離・析出物は認められず、また、変色、異臭もなく、安定な製剤状態であった。
また、本発明のBBクリームは、使用時のべたつきがなく、使用中での刺激もなかった。更に、本発明のBBクリームを使用して1ヶ月後の肌は、やや美白感があり、肌のツヤが改善され、小じわの減少効果も認められた。
本発明は、高いメラニン生成抑制効果、生体への安全性、および経時安定性に優れたメラニン生成抑制剤及び美白剤を提供するものであり、これを用いて皮膚の黒化、シミ、ソバカス等の、ソバカス等の色素沈着の予防、治療又は改善に貢献することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式[1]または[2]で示される化合物を有効成分とするメラニン生成抑制剤、
    Figure 2016132639
    (式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)、
    Figure 2016132639
    (式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)。
  2. 下記一般式[1]または[2]で示される化合物を有効成分とする美白剤、
    Figure 2016132639
    (式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)、
    Figure 2016132639
    (式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)。
  3. 下記一般式[1]または[2]で示される化合物を皮膚に適用することを特徴とするメラニン生成抑制方法、
    Figure 2016132639
    (式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)、
    Figure 2016132639
    (式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)。
  4. 下記一般式[1]または[2]で示される化合物を皮膚に適用することを特徴とする美白方法、
    Figure 2016132639
    (式中、R1、R2、R4、R5 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R6を示す。R6は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は−C(=O)R7を示す。R7は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)、
    Figure 2016132639
    (式中、R11、R14、R15 は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基又は−O−C(=O)R16を示す。R16は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R12は、水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は−O−C(=O)R17を示す。R17は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)。
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