JP2016130599A - 温度検出装置、及びこれを用いた温度分布可視化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線カメラなどの検出部を輻射熱や浮遊ダストから確実に保護することができ、開口部を介して、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を広範囲かつ連続的に検出することが可能な温度検出装置を提供する。【解決手段】セメントキルンで焼成されたクリンカを冷却するクリンカクーラの開口部に設置され、クリンカクーラ内の温度分布を可視化するための温度検出装置1であって、クリンカクーラ内の赤外線放射エネルギーを検出し、赤外線放射量を示す出力信号を生成する赤外線検出部10と、赤外線検出部10の略全体を覆う保護部20と、保護部20内に圧縮気体を供給する空冷部30と、を含み、保護部20が、赤外線検出部10が収容されるハウジング21と、ハウジング21に設けられた窓部21aと、窓部21aに設けられた赤外線透過性を有する窓材22と、ハウジング21における窓部21aの周辺に設けられ、窓部21aとクリンカクーラの開口部との間に圧縮気体を排出する排出口21bと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、セメント製造装置において、セメントキルンで焼成されたセメントクリンカを搬送しながら冷却するクリンカクーラ内の温度の二次元分布を連続的に検出する温度検出装置、及びこれを用いた温度分布可視化システムに関する。
一般的に、セメントは、原料工程、クリンカ焼成工程、及び仕上げ工程を経て製造される。このうち、クリンカ焼成工程では、原料工程で調合された原料をロータリーキルンで焼成することにより、セメントの中間体であるクリンカが生成される。その後、クリンカは、ロータリーキルンの出口側に設置されたクリンカクーラによって冷却される。仕上げ工程において、冷却されたクリンカに石膏等が混合され、細い粉末になるまで粉砕され、最終製品のセメントとして仕上げられる。
ここで、クリンカ焼成工程で焼成されたクリンカを効果的に冷却するために、クリンカクーラ内の温度を検出し、クリンカの冷却状況を把握することが重要である。一般に、クリンカクーラ内の温度は、クリンカクーラの開口部(例えば、点検口)を介して、作業者が輻射温度計などの汎用温度計を用いて測定していた。
しかし、輻射温度計などの汎用温度計は、一点又は数点のスポット温度しか測定することができず、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を把握することができなかった。また、作業者による定期的な温度測定では、クリンカクーラ内の温度を連続的に測定して、クリンカの冷却状況の変化を監視することができない。そこで、従来から赤外線カメラを用いて、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を連続的に検出することが提案されている。
例えば、特開昭59−052523号公報(特許文献1)では、クリンカクーラの開口部に赤外線カメラを設置し、冷却されるクリンカの温度分布を連続的に監視することが提案されている。また、特開平9−033028号公報(特許文献2)では、赤外線カメラをカメラケースに収納し、カメラケースに取り付けたレンズチューブを炉体に設けた貫通孔に挿通して、炉内の溶融状況を遠隔監視することが提案されている。
特開昭59−052523号公報 特開平9−033028号公報
しかし、特許文献1には、クリンカクーラの開口部に赤外線カメラを設置することは記載されているが、この赤外線カメラを保護する手段については、何も記載されていない。クリンカクーラ内は、場所によっては1000℃以上の高温状態となり、クリンカから発生した多量のダストが浮遊する。このため、特許文献1の第3図に示されているように、クリンカクーラの開口部の近傍に、何ら保護手段を講ずることなく、赤外線カメラを継続的に設置することは無理であり、現実問題として、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を連続的に検出することはできない。
また、特許文献2の図1に示されたようなレンズチューブを用いると、赤外線カメラの視野が狭い範囲に制限されてしまい、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を広い範囲で監視することができない。これに加え、特許文献2の構成では、赤外線カメラを設置するために、クリンカクーラの本体壁面に貫通孔を設けなければならず、設置が極めて困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、赤外線カメラなどの検出部を輻射熱や浮遊ダストから確実に保護することができ、開口部を介して、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を広範囲かつ連続的に検出することが可能な温度検出装置、及びこれを用いた温度分布可視化システムの提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の温度検出装置は、セメントキルンで焼成されたクリンカを冷却するクリンカクーラの開口部に設置され、前記クリンカクーラ内の温度分布を可視化するための温度検出装置であって、前記クリンカクーラ内の赤外線放射エネルギーを検出し、赤外線放射量を示す出力信号を生成する赤外線検出部と、前記赤外線検出部の略全体を覆う保護部と、前記保護部内に圧縮気体を供給する空冷部と、を含み、前記保護部が、前記赤外線検出部が収容されるハウジングと、前記ハウジングに設けられた窓部と、前記窓部に設けられた赤外線透過性を有する窓材と、前記ハウジングにおける前記窓部の周辺に設けられ、前記窓部と前記クリンカクーラの開口部との間に前記圧縮気体を排出する排出口と、を備える構成としてある。
(2)好ましくは、上記(1)の温度検出装置において、前記空冷部が、前記圧縮気体の導入口と、前記導入口と交差する方向に延びる内部空洞を有する本体と、前記本体内に設けられ、前記導入口から供給された前記圧縮気体を渦流に変換し、前記内部空洞の後方へ吐出する渦流発生部と、前記本体の後方側に設けられた第1排出口と、前記第1排出口の気体排出量を調整するための調整部と、前記本体の前方側に設けられ、前記第1排出口から排出されなかった残留気体を排出する第2排出口と、を備える構成にするとよい。
(3)好ましくは、上記(1)又は(2)の温度検出装置において、冷却管に冷却液を循環させる水冷部を備え、前記冷却管を前記保護部のハウジング内に配設した構成にするとよい。
(4)好ましくは、上記(1)〜(3)のいずれかの温度検出装置において、前記水冷部の冷却管が、前記保護部のハウジング内に収容された前記検出部に接触する構成にするとよい。
(5)好ましくは、上記(1)〜(4)のいずれかの温度検出装置において、前記保護部の排出口が、前記窓部の表面に向かって前記圧縮気体を排出する構成にするとよい。
(6)好ましくは、上記(1)〜(5)のいずれかの温度検出装置において、前記保護部の窓材が、天然又は合成の石英ガラスである構成にするとよい。
(7)好ましくは、上記(1)〜(6)のいずれかの温度検出装置において、前記保護部のハウジング内に設けられた温度センサを備え、前記ハウジング内の温度が略35℃以下に制御される構成にするとよい。
(8)好ましくは、上記(1)〜(7)のいずれかの温度検出装置において、前記空冷部と前記保護部との間、又は前記空冷部に前記圧縮気体を供給するコンプレッサと前記空冷部との間に設けられ、前記圧縮気体に含まれる水分を除去する除湿部を備える構成にするとよい。
(9)上記目的を達成するために、本発明の温度分布可視化システムは、上記(1)〜(8)のいずれかの温度検出装置を用いて、前記クリンカクーラ内の温度分布を可視化する温度分布可視化システムであって、有線又は無線により前記温度検出装置に接続された演算処理装置と、前記演算処理装置によって実行され、前記温度検出装置から提供された出力信号に基づいて、前記クリンカクーラ内の温度分布を解析するためのソフトウェアと、前記ソフトウェアの処理結果を表示するための画像表示装置と、を含む構成としてある。
本発明の温度検出装置によれば、赤外線カメラなどの検出部を輻射熱や浮遊ダストから確実に保護することができ、開口部を介して、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を広範囲かつ連続的に検出することが可能となる。また、本発明の温度分布可視化システムによれば、クリンカクーラから離れた安全な場所で、クリンカクーラ内の温度の二次元分布を連続的に監視するとともに、温度検出装置の検出結果を解析することが可能となる。
図1は、セメント製造装置を示す概略図である。 図2(a)は、上面に開口を有するクリンカクーラに、本実施形態に係る温度検出装置を設置した温度分布可視化システムを示す概略図である。図2(b)は、側面に開口を有するクリンカクーラに、本実施形態に係る温度検出装置を設置した状態を示す概略図である。 図3(a)は、本実施形態に係る温度検出装置を示す断面図である。図3(b)は、上記温度検出装置を構成する空冷部を示す断面図である。 本発明の実施例に係る温度分布可視化システムにより撮影した赤外線熱画像(検出開始時)である。 本発明の実施例に係る温度分布可視化システムにより撮影した赤外線熱画像(検出開始後5分経過)である。 本発明の実施例に係る温度分布可視化システムにより撮影した赤外線熱画像(検出開始後10分経過)である。 本発明の実施例に係る温度分布可視化システムにより撮影した赤外線熱画像(検出開始後15分経過)である。
以下、本発明の実施形態に係る温度検出装置、及びこれを用いた温度分布可視化システムについて、図面を参照しつつ説明する。
<セメント製造装置>
図1において、セメント製造装置100は、サスペンションプレヒータ101と、仮焼炉102と、ロータリーキルン103と、クリンカクーラ104とを備える。セメントの原料は、サスペンションプレヒータ101に投入されて予熱される。その後、原料は、仮焼炉102を経て、ロータリーキルン103の窯尻に供給される。ロータリーキルン103の窯前にはバーナが設けられている。このバーナから噴射される燃料を燃焼することにより、原料が焼成され、クリンカとなってロータリーキルン103から排出される。その後、焼成されたクリンカは、クリンカクーラ104によって冷却される。
<温度分布可視化システム>
図2(a)において、本実施形態に係る温度分布可視化システムは、温度検出装置1と、画像処理装置(演算処理装置)201と、パーソナルコンピュータ(演算処理装置)202と、画像表示装置203とを備える。
<<温度検出装置の設置>>
温度検出装置1は、クリンカクーラ104の上面に設けられた開口104Aの近傍に設置されている。図2(b)に示すように、クリンカクーラ104の側面に開口104Bが設けられている場合は、温度検出装置1も側面に設置する。温度検出装置1は、図1に示すロータリーキルン103のクリンカ落とし口から適度に離れていることが好ましく、例えば、クリンカ落とし口から14m程度離れた位置に温度検出装置1を設置するとよい。
温度検出装置1の設置角度は、クリンカクーラ104内の所望の部位が広く撮影できる角度であればよい。例えば、本実施形態では、温度検出装置1に内蔵された赤外線検出部10(図3(a)を参照)の光軸が30°になるように設置してある。温度検出装置1は、例えば、角度調整が可能な固定金具(図示せず)を介して、クリンカクーラ104の壁面に取り付ける。温度検出装置1のハウジング21(図3(a)を参照)、又はハウジング21内の赤外線検出部10を、ボルトなどにより前記固定金具に着脱自在に連結する。一方、前記固定金具は、クリンカクーラ104の壁面に溶接してもよい。
<<制御室>>
図2(a)に示す制御室200は、クリンカクーラ104から離れた安全な場所に位置する。画像処理装置201、パーソナルコンピュータ202及び画像表示装置203といった電子機器は、この制御室200内に設置されている。
<<画像処理装置>>
画像処理装置201は、有線又は無線により遠隔の温度検出装置1に接続されている。画像処理装置201には、温度検出装置1から提供された出力信号に基づいて、クリンカクーラ104内の温度分布を解析するためのソフトウェアがインストールされている。
<<パーソナルコンピュータ、画像表示装置>>
パーソナルコンピュータ202には、汎用のOS(Operating System)がインストールされており、画像処理装置201の処理結果を画像表示装置203に表示させる。また、パーソナルコンピュータ202は、図示しないキーボードやマウスが接続してあり、作業者が、画像処理装置201を操作するためのユーザーインターフェースの役割を果たす。
なお、クリンカクーラ104内の温度分布を解析するためのソフトウェアが、汎用のOSに適合するものである場合は、このソフトウェアをパーソナルコンピュータ202にインストールすることで、画像処理装置201を省略することが可能である。パーソナルコンピュータ202は、画像処理装置201の処理結果を画像表示装置203に表示させるだけではなく、例えば、クリンカクーラ104内の温度、及び温度検出装置1の温度が、予め設定された閾値を連続的に超えた場合に、画像又は音声によって作業者に異常を報知する構成としてもよい。
<温度検出装置>
図3(a)において、本実施形態の温度検出装置1は、赤外線検出部10と、保護部20と、空冷部30と、水冷部40とを備える。赤外線検出部10は、保護部20内に収容してある。保護部20内には、空冷部30からの圧縮気体が供給されるとともに、水冷部40を構成する冷却管41が配設してある。これら保護部20、空冷部30及び冷却管41によって、赤外線検出部10の適正動作環境が維持される。以下、図3(a)を参照しつつ、温度検出装置1を構成する各部10、20、30、40について詳細に説明する。
<<赤外線検出部>>
赤外線検出部10は、例えば、汎用の赤外線カメラであり、クリンカクーラ104内の赤外線放射エネルギーを検出し、赤外線放射量を示す出力信号を生成する。赤外線検出部10は、赤外線イメージセンサ11と、赤外線レンズ12とを備える。赤外線レンズ12は、赤外線の波長領域の光を吸収せずに透過させる。赤外線レンズ12の材料としては、ゲルマニウム、シリコン、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、セレン化亜鉛、硫化亜鉛などを用いることができる。
赤外線レンズ12は、対象物から放射される赤外線を集光して、赤外線イメージセンサ11に受光させる。赤外線イメージセンサ11は、マトリックス状に配置された多数の画素の集合体であり、1画素ごとに受光した赤外線放射量が検出される。赤外線イメージセンサ11の各画素に検出された赤外線放射量を温度に変換することで、温度の二次元分布を示す赤外線熱画像(赤外線サーモグラフィー)を形成することができる。この赤外線熱画像は、上述した画像表示装置203に、各部の温度に応じた色で表示される。
ここで、上述のとおり、赤外線検出部10は、保護部20内に収容され、保護部20の窓部21aに嵌め込まれた窓材22を介して撮影を行う。本実施形態では、窓材22に石英ガラスを用いており、石英ガラスは、約3.0μm〜5.4μmの波長領域の赤外線を透過する特性を有する。この窓材22の赤外線透過特性に応じて、赤外線検出部10の検出可能な赤外線の波長領域も約3.0μm〜5.4μmを含む範囲にするとよい。
ここで、本実施形態の赤外線検出部10は、例えば、適正動作温度が35℃以下に設定されており、40℃以上となった場合に警報信号を出力する。この警報信号は、図2(a)に示す画像解析装置201、パーソナルコンピュータ202に処理され、画像又は音声により、作業者に異常が報知される。
<<保護部>>
保護部20は、主として、赤外線検出部10を収容するためのハウジング21と、赤外線検出部10が撮影を行うための窓材22とを備えた構成になっている。ハウジング21の正面には、段差状に凹んだ窓部21aが設けてあり、窓部21aの凹みに、窓材22が隙間なく嵌め込んである。ハウジング21における窓部21aの周辺には、複数の排出口21b、21b、21b・・・が所定の間隔をあけて設けてある。一方、ハウジング21の背面には、空冷部30の取付孔、及び水冷部40(冷却管41)の導入出孔が設けてある。
このような保護部20は、クリンカクーラ104からの輻射熱、浮遊ダストから赤外線検出部10を保護するとともに、赤外線検出部10の長期間にわたる連続的な検出を可能とするためのものである。
ハウジング21は、赤外線検出部10及び十分な長さの冷却管41を収容できる容積があれば、特に、その形状は限定されない。好ましくは、ハウジング21の内部を、空冷部30から供給された圧縮気体が効率よく循環するような形状にするとよい。ハウジング21の材質は、クリンカクーラ104からの輻射熱に耐え得る金属、例えば、SUS304等のステンレス鋼材(耐熱鋼)にするとよい。
上述のとおり、本実施形態では、窓材22に石英ガラスを使用している。石英ガラスは、合成又は天然のいずれを使用することもできる。窓材22に石英ガラスを使用することで、約3.0μm〜5.4μmの波長領域の赤外線を透過することが可能となる。
ここで、本実施形態では、窓材22を、厚さ20mm未満、好ましくは、5mm〜15mmの1枚の石英ガラスで構成している。本発明者の知見によれば、このような厚さの1枚の窓材22では、クリンカクーラ104からの強烈な輻射熱に耐えられず、窓材22自体が破損してしまう等の不具合が生じた。一方、窓材22を厚くすると、赤外線透過率が低くなってしまい、赤外線検出部10の検出可能な赤外線の波長領域が狭くなってしまう。このため、本発明者は、適度な厚みの窓材を複数枚設けることを検討したが、この場合は、窓部の構成が極めて複雑になってしまう。
そこで、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、適度な厚みの窓材22を1枚設け、この1枚の窓材22を、ハウジング21の内外から冷却することで、クリンカクーラ104の輻射熱から保護することを見出した。すなわち、本実施形態では、空冷部30の圧縮気体及び水冷部40の冷却液によって、窓材22がハウジング21内から冷却される。これに加え、窓部21aの周辺に設けた複数の排出口21bから窓材22の表面に向けて、ハウジング21内の圧縮気体が排出される。これにより、1枚の窓材22が、ハウジング21の内外から十分に冷却され、クリンカクーラ104の強烈な輻射熱から保護される。
さらに、窓部21aの各排出口21bから窓材22の表面に向けて、常時、圧縮気体が排出されることで、クリンカの冷却時に生じる浮遊ダストや粉塵等が、窓材22に付着し、堆積することを効果的に防止することができる。この結果、長期間にわたって赤外線検出部10の視界が良好に保たれ、赤外線検出部10の長期間にわたる連続的な検出が可能となる。
ここで、窓部21aの各排出口21bの形状、設置数、設置位置は、特に限定されるものではないが、窓材22の冷却と、浮遊ダスト等の付着、堆積の防止とを図る観点から、十分な量の圧縮空気を、適切な向きで窓材22の表面に排出できるようにすることが好ましい。
<<空冷部>>
図3(a)において、保護部20のハウジング21の背面には、空冷部30が接続してある。空冷部30は、内部空洞が形成された略管状の本体31を備える。空冷部30の本体31には、その内部空洞に連通する気体導入口31aが設けてある。この気体導入口31aには、図示しないコンプレッサが接続される。空冷部30の本体31の前端側には、その内部空洞に連通する低温気体排出口(第2排出口)31bが設けてある。この低温気体排出口31bは、ハウジング21の背面を貫通して、ハウジング21内に配置される。一方、空冷部30の本体31の後端側の側面には、その内部空洞に連通する複数の高温気体排出口(第1排出口)31c、31cが設けてある。そして、空冷部30の本体31の後端には、調整ねじ(調整部)34が螺合してある。
このような空冷部30は、気体導入口31aに接続した図示しないコンプレッサから本体31内に圧縮気体、例えば、空気を供給することにより(図3(a)中の符号「Ain」を参照)、高温気体と低温気体とを生成する。高温気体は、高温気体排出口31cから外部の環境中へ排出される。一方、低温気体は、低温気体排出口31bから高速で保護部20のハウジング21内に噴射される。つまり、空冷部30によれば、フロンガスなどの冷媒を一切使用することなく、ハウジング21内を空冷することができる。以下、冷却部30の内部構造と冷却動作とについて、図3(b)を参照しつつ説明する。
図3(b)において、本体31内には、その長手方向に延びる内部空洞が形成してある。内部空洞の最も前端側は、上述した低温気体排出口31bとなっており、この低温気体排出口31bの後方に、渦流発生部32が連続して設けてある。渦流発生部32は、内部空洞を介して、後端側の高温気体排出口31cに連通する。高温気体排出口31cの前方には、整流板33が配設してある。高温気体排出口31cの後方には、上述した調整ねじ34が、螺合により進退可能に設けてある。そして、図中の横方向に延びる本体31に対して、気体導入口31aが直交するように設けてある。この気体導入口31aは、本体31内の渦流発生部32に連通する。
次に、空冷部30の冷却動作について説明する。ここで、図3(b)において、灰色矢印NAは、常温空気(normal temperature air)を示す。白色矢印HAは、高温空気(high temperature air)を示す。そして、黒色矢印LAは、低温空気(low temperature air)を示す。
図示しないコンプレッサから気体導入口31aに供給された常温の圧縮空気は、まず、本体31内の渦流発生部32に導入される。常温の圧縮空気は、渦流発生部32によって高速で吐出され、膨張しながら高速で回転する渦流となって内部空間の後方へ向かって移動する。内部空間を移動する渦流は、その外側ほど周速が大きく高温となり、中心部との間に圧力差を生じる。渦流の外側の高温気体は、高温気体排出口31cから排出される。一方、渦流の中心部の残留気体は、外側の高温気体に熱を奪われ、渦流の遠心力によって回転しながら低温気体排出口31bへ向かって移動する。外側の高温気体に供給される熱量と、中心部の低温気体から失われる熱量とは常に等しい。このため、調整ねじ34を進退させて、高温気体排出口31c、31cの開度を調整することにより、低温気体排出口31bから排出される低温気体の温度を調整することが可能である。
本実施形態の空冷部30の冷却能力は、例えば、下記表のとおりである。

使用条件:周辺温度が20℃の条件において、ハウジングに供給される圧縮空気の入気温度20℃、圧縮空気であるドライエアーの露天−40℃
<<除湿部>>
空冷部30と保護部20との間、又は空冷部30に圧縮気体を供給するコンプレッサと空冷部30との間に、図示しない除湿部を設けて、圧縮気体に含まれる水分を除去する構成としてもよい。除湿部として、例えば、金属、ガラス、合成又は天然繊維を用いた一又は複数の除湿フィルターを用いることができる。
<<水冷部>>
図3(a)において、本実施形態では、上述した空冷部30に加えて、保護部20のハウジング21内に水冷部40が設けてある。水冷部40は、ハウジング21の背面からハウジング21内に配設された冷却管41を備えている。本実施形態では、ハウジング21内において、冷却管41が赤外線検出部10を螺旋状に取り巻いて接触するようにしてある。冷却管41の材質として、例えば、SUS304、SUS310等のステンレス鋼材(耐熱鋼)にするとよい。
冷却管41の冷却液導入口42から供給された冷却液(図3(a)中の符号「Win」を参照)は、螺旋状の冷却管41を流れて、赤外線検出部10及びハウジング21内の空気から熱を奪い、冷却液排出口43から排出される(図3(a)中の符号「Wout」を参照)。冷却液導入口42及び冷却液排出口43には、図示しないポンプ、ラジエータが接続されており、低温の冷却液が冷却管41を循環する構成になっている。
水冷部40に使用する冷却液は、特に限定されるものではなく、例えば、水を用いることができる。冷却水に水を用いた場合、冷却水の温度は、例えば、30℃以下が好ましく、30℃〜1℃の範囲内にするとよい。冷却水の流速は、例えば、5m/秒以上にするとよい。なお、冷却管41に供給する冷却媒体は、液体に限らず、気体としてもよい。
<適正作動環境>
上記構成からなる本実施形態の温度検出装置1によれば、赤外線検出部10の適正動作環境を形成し、これを長期間にわたり維持することができる。本実施形態における赤外線検出部10の適正動作環境には、例えば、以下に述べるような温度、湿度、圧力の状態が含まれる。
精密光学機器である赤外線検出部10の破損防止の観点から、ハウジング21内の温度は、35℃以下に維持されることが好ましく、更に、30℃以下に維持されることがより好ましい。このため、空冷部30の冷却性能は、供給される常温の圧縮気体に対して、−20℃〜−40℃の温度差を生じることが好ましい。
上記と同様に、精密光学機器である赤外線検出部10の破損防止の観点から、ハウジング21内の湿度は、低いほど好ましい。上述した除湿部を設けた場合は、ハウジング21内に供給される圧縮空気に含まれる水分を除去し、当該圧縮空気の相対湿度を約60%以下に抑えることができる。
さらに、ハウジング21の窓材22の破損及び汚染防止の観点から、空冷部30からハウジング21に供給(排出)される圧縮気体の圧力は、0.3〜0.7MPa程度に設定するとよい。ハウジング21内を0.3〜0.7MPa程度の正圧に保つことで、窓部21aの各排出口21bから窓材22の表面に向けて、常時、圧縮気体を排出することができ、輻射熱による窓材22の破損、浮遊ダスト等による窓材22の汚染を防止することが可能となる。
<作用効果>
上述した本実施形態の温度検出装置1、及びこれを用いた温度分布可視化システムによれば、赤外線検出部10を輻射熱や浮遊ダストから確実に保護することができ、開口部104A(又は104B)を介して、クリンカクーラ104内の温度の二次元分布を広範囲かつ連続的に検出することが可能となる。
また、1枚の窓材22を、ハウジング21の内外から十分に冷却して、クリンカクーラ104の強烈な輻射熱から保護することができ、ハウジング21の窓部21aの構成を極めて簡単化することが可能となる。この結果、簡単、安価かつ耐久性の高い保護部20が実現する。特に、赤外線検出部10の赤外線レンズ12に、ゲルマニウム、セレン化亜鉛等の結晶材を用いた場合は、保護部20によって、脆弱な結晶材からなる赤外線レンズ12を、強烈な輻射熱や浮遊ダスト等から効果的に保護することができる。
さらに、窓部21aの各排出口21bから窓材22の表面に向けて、常時、圧縮気体が排出されることで、クリンカの冷却時に生じる浮遊ダストや粉塵等が、窓材22に付着し、堆積することを効果的に防止することができる。この結果、長期間にわたって赤外線検出部10の視界が良好に保たれ、赤外線検出部10の長期間にわたる連続的な検出が可能となる。
<実施例>
上述した本実施形態の温度検出装置1、及びこれを用いた温度分布可視化システムを用いて検出した赤外線熱画像(赤外線サーモグラフィー)の実施例を、図4〜図7に示す。図4は検出開始時(0分後)、図5は検出開始5分経過時、図6は検出開始10分経過時、図7は検出開始15分経過時の赤外線熱画像である。図4〜図7の各赤外線熱画像は、クリンカクーラ104内における、クリンカの流れ方向(図中の横方向)に640画素×クリンカクーラの幅方向(図中の縦方向)に480画素の赤外線熱画像を撮影し、このうちの250画素×15画素の領域の温度二次元分布を連続的に検出した。赤外線熱画像を形成する画素ごとに温度が検出され、最大温度、最少温度、平均温度が算出される。
図4〜図7の各赤外線熱画像によれば、上述した本実施形態の温度検出装置1、及びこれを用いた温度分布可視化システムを用いて、クリンカクーラ104内の温度の二次元分布を広範囲かつ連続的に検出可能であることが確認できた。
1 温度検出装置
10 赤外線検出部
11 赤外線イメージセンサ
12 赤外線レンズ
20 保護部
21 ハウジング
21a 窓部
21b 空気排出口
22 窓材
30 空冷部
31 本体
31a 気体導入口
31b 低温気体排出口
31c 高温気体排出口
32 渦流発生部
33 整流板
34 調整ねじ
40 水冷部
41 冷却管
42 冷却液導入口
43 冷却液排出口
100 セメント製造装置
101 サスペンションプレヒータ
102 仮焼炉
103 ロータリーキルン
104 クリンカクーラ
104A、104B 開口部
200 制御室
201 画像処理装置(演算処理装置)
202 パーソナルコンピュータ(演算処理装置)
203 画像表示装置

Claims (9)

  1. セメントキルンで焼成されたクリンカを冷却するクリンカクーラの開口部に設置され、前記クリンカクーラ内の温度分布を可視化するための温度検出装置であって、
    前記クリンカクーラ内の赤外線放射エネルギーを検出し、赤外線放射量を示す出力信号を生成する赤外線検出部と、
    前記赤外線検出部の略全体を覆う保護部と、
    前記保護部内に圧縮気体を供給する空冷部と、
    を含み、
    前記保護部が、
    前記赤外線検出部が収容されるハウジングと、
    前記ハウジングに設けられた窓部と、
    前記窓部に設けられた赤外線透過性を有する窓材と、
    前記ハウジングにおける前記窓部の周辺に設けられ、前記窓部と前記クリンカクーラの開口部との間に前記圧縮気体を排出する排出口と、
    を備える、温度検出装置。
  2. 前記空冷部が、
    前記圧縮気体の導入口と、
    前記導入口と交差する方向に延びる内部空洞を有する本体と、
    前記本体内に設けられ、前記導入口から供給された前記圧縮気体を渦流に変換し、前記内部空洞の後方へ吐出する渦流発生部と、
    前記本体の後方側に設けられた第1排出口と、
    前記第1排出口の気体排出量を調整するための調整部と、
    前記本体の前方側に設けられ、前記第1排出口から排出されなかった残留気体を排出する第2排出口と、
    を備える、請求項1に記載の温度検出装置。
  3. 冷却管に冷却液を循環させる水冷部を備え、前記冷却管を前記保護部のハウジング内に配設した、請求項1又は2に記載の温度検出装置。
  4. 前記水冷部の冷却管が、前記保護部のハウジング内に収容された前記検出部に接触する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  5. 前記保護部の排出口が、前記窓部の表面に向かって前記圧縮気体を排出する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  6. 前記保護部の窓材が、天然又は合成の石英ガラスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  7. 前記保護部のハウジング内に設けられた温度センサを備え、前記ハウジング内の温度が略35℃以下に制御される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  8. 前記空冷部と前記保護部との間、又は前記空冷部に前記圧縮気体を供給するコンプレッサと前記空冷部との間に設けられ、前記圧縮気体に含まれる水分を除去する除湿部を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載した温度検出装置を用いて、前記クリンカクーラ内の温度分布を可視化する温度分布可視化システムであって、
    有線又は無線により前記温度検出装置に接続された演算処理装置と、
    前記演算処理装置によって実行され、前記温度検出装置から提供された出力信号に基づいて、前記クリンカクーラ内の温度分布を解析するためのソフトウェアと、
    前記ソフトウェアの処理結果を表示するための画像表示装置と、
    を含む、温度分布可視化システム。
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