JP2016130340A - 軸受基材およびその製造方法、並びにすべり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要十分な強度を有する安価なすべり軸受を提供する。
【解決手段】鉄粉を主体とする原料粉末を圧縮成形した後、焼成することで軸受基材2を製作する。軸受基材2中のFeの含有量は90重量%以上とする。軸受基材2における鉄粉5同士を、鉄粉の焼成で形成した鉄酸化物6と、融点700℃以下の低融点金属を溶融させてなる低融点金属組織7とで結合する。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸受基材およびその製造方法、並びにすべり軸受に関する。
従来から、すべり軸受として、軸受全体を鉄系焼結金属で形成して潤滑油を含浸させたもの、あるいは軸受全体を摺動性に優れた樹脂材料で形成したものが周知である。しかしながら、前者では、軸に対する攻撃性が増して軸の早期摩耗を招くおそれがあり、後者では、金属製の軸との間の熱膨張量の差が大きくなるために軸受隙間を大きく設定せざるを得ず、回転精度が低下するという問題がある。
以上の問題を解消するものとして、軸受外周部を鉄系焼結金属で形成し、その内周面に樹脂層をインサート成形した複合タイプのすべり軸受が公知である(例えば特許文献1)。このすべり軸受であれば、軸受面となる内周面が摺動性の良好な樹脂層で形成される一方で、軸受の多くの部分を軸に対する熱膨張量の差の小さい金属で形成できるため、摺動性と高回転精度と両立して上記の問題点を解消することができる。
他のすべり軸受として、鉄粉と潤滑剤とを混合し、これを加圧成形した後、水蒸気等の酸化性雰囲気中において400〜700℃で酸化処理した金属体からなる軸受も公知である(特許文献2)。この特許文献2には、炉内で30分間処理すること、処理温度550℃で最大の圧環強さ196MPaを得られること、等が記載されている。
特開2005−337381号公報 特公昭51−43007号公報
特許文献1に記載のすべり軸受では、軸受外周部を鉄系の焼結金属で形成している。鉄系焼結体の製造過程では、鉄粉と潤滑剤(例えばステアリン酸亜鉛)とを混合し、これを加圧成形した後、還元雰囲気炉中で400℃以上の温度に加熱して脱ろう(潤滑剤除去)を行い、続いて1100℃以上の高温で焼結させる工程を経る必要がある。このように鉄系焼結体の製造には、還元性の雰囲気ガスや高温度の焼結炉を必要とし、しかも数時間にも及ぶ長期の加熱時間を要するため、すべり軸受の製造コストが高騰する問題がある。また、還元雰囲気中で高温処理することで焼結体の変形や収縮が生じるため、寸法精度の高い焼結体を得ようとすれば焼結後に再圧縮(サイジング)の操作が必要となり、この点からも製造コストの高騰を招く。
また、特許文献2記載の軸受では、空気中で加熱したのでは十分な強度を得ることはできず、ある程度の圧環強さを確保するために炉内に水蒸気を投入する必要がある。また、加熱時間は鉄系焼結体に比べれば短縮できるが、必要強度を得るために依然として相当の処理時間(30分程度)を要し、低コスト化の要請には十分に応えることができない。
そこで、本発明は、必要十分な強度を有しつつすべり軸受のさらなる低コスト化を達成できる軸受基材の提供を目的とする。
鉄系焼結金属を使用した軸受であれば、圧環強さ200MPa以上の高強度を達成することができるが、軸受の用途としてはここまでの高強度が求められる用途は少なく、強度面では過剰品質の感がある。本発明者は、以上の観点から鋭意検討を進めることで、鉄粉同士を焼結により結合させるのではなく、鉄酸化物と低融点金属で結合する、との新た着想に至った。
以上の着想に基づき、本発明は、鉄粉を主体とする原料粉末を圧縮成形した後、焼成することで形成され、Feの含有量が90重量%以上(好ましくは95重量%以上)である軸受基材であって、鉄粉同士が、鉄粉の焼成で形成した鉄酸化物と、融点700℃以下の低融点金属を溶融させてなる低融点金属組織とで結合されていることを特徴とするものである。
かかる構成であれば、鉄酸化物によって個々の鉄粉を一体に固結させることができる。この鉄酸化物は鉄粉を低温焼成(400℃〜700℃)することで得られるので、圧紛体の加熱温度を焼結法に比べて大幅に下げることができる。また、焼成時に低融点金属が溶融し、鉄粉同士の接触部(ネック部)に流動して両者間に介在するため、ネック部の補強効果が得られる。このように鉄酸化物と低融点金属組織の双方で鉄粉を結合することにより、焼結させなくても十分なネック強度を得ることができる。
また、上記のような低温焼成であれば、焼成品に寸法変化や歪が発生し難いため、焼成後のサイジングを省略することが可能となる。
この軸受基材では、Feの含有量を95重量%以上、低融点金属の含有量を1〜5重量%にするのが好ましい。
低融点金属としては例えばSnが使用可能であるが、本発明のようにFe組織を主体とする場合、Sn単体を添加したのではFeに対する濡れ性が悪く、低融点金属による鉄粉の結合効果が低下する。従って、低融点金属としては、Feに対して高い濡れ性を有するCuを含むSn−Cu合金を使用するのが好ましい。
低融点金属は低温で短時間(1〜5分間)のうちに溶融させる必要がある。従って、低融点金属におけるSnの割合は50重量%以上とするのが望ましい。
焼成時に圧紛体内部の潤滑剤を短時間のうちに揮散させ、かつ圧粉体内部の中央部分の鉄粉表面にも十分な鉄酸化物を形成するため、鉄粉としては還元鉄粉を用いるのが好ましい。
以上の構成を採用することで、焼成後の軸受基材を高強度化することができ、80MPa以上の圧環強さを得ることも容易となる。
以上に述べた軸受基材の表面に樹脂層を形成し、この樹脂層の表面を軸受面として用いることですべり軸受を構成することができる。このほか、軸受基材に潤滑油を含浸させることですべり軸受を構成することもできる。
以上に述べた、Feの含有量が90重量%以上である軸受基材は、鉄粉を主体とし、かつ低融点金属粉を含む原料粉末を圧縮して圧紛体を成形し、前記圧紛体を空気中で前記低融点金属の融点以上かつ700℃以下の温度にて1〜5分焼成し、酸化処理を行うことで得ることができる。
この場合、酸化処理後のサイジングを省略するのが好ましい。また、焼成時に早期に揮散するように、原料粉末に添加する成形潤滑剤としてはワックス系潤滑剤を使用するのが好ましい。
本発明によれば、必要十分な強度を確保しつつ、軸受基材あるいはすべり軸受の製造コストを低廉化することができる。
すべり軸受を示す軸方向の断面図である。 軸受基材の製造手順を示すチャート図である。 軸受基材の金属組織を示すイメージ図である。 Sn−Cu状態図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、軸受1は円筒状の形態をなし、多孔質の軸受基材2と軸受基材2の内周面2aの全面を被覆する樹脂層3とを有する。樹脂層3の内周面が、相手側の部材としての軸4を支持する軸受面1aとして機能する。軸4が回転軸である場合、軸受1の外周面1bが図示しないハウジングの内周面に圧入や接着等の手段で固定される。このように軸4を回転側とする他、軸受1を回転側に用いることもできる。
軸受基材2は、鉄粉を主体とする原料粉末を圧縮成形した後、焼成することで形成されたもので、Feを90重量%以上(好ましくは95重量%以上)含有する鉄系の部材である。この軸受基材2は、図2に示すように「混合工程」→「成形工程」→「酸化処理工程」を順次経て製作される。
混合工程では、鉄粉、低融点金属粉、および成形潤滑剤をブレンダー等で混合(ドライ混合)することで原料粉末が製造される。混合時間は10分〜30分程度が好ましい。
鉄粉としてはアトマイズ鉄粉と還元鉄粉の何れもが使用可能であるが、本発明では、不規則形状を有し、且つ多数の空孔を有する還元鉄粉(海綿鉄粉)を使用するのが好ましい。これは、焼成時に圧紛体内部の潤滑剤を短時間のうちに揮散させ、かつ圧粉体の内部の中央部分の鉄粉表面にも十分な鉄酸化物を形成するためである。鉄粉としては、100メッシュ(篩目開き150μm)の篩を通過したものを使用する。
低融点金属としては、700℃以下の融点を有する金属、例えば錫(Sn)、亜鉛(Zn)、リン(P)の何れか、もしくはこれらの金属を含む合金を使用することができる。有害性や入手コスト等を考えるとSnが好ましい。Sn単体を使用すれば低温で溶融させることができるが(図4参照)、Feに対する濡れ性が悪くなる問題がある。従って、低融点金属としてはSnとCu(銅)を合金化したSn−Cu合金を使用するのが好ましい。SnとCuの各単体粉を混合して使用することも可能であるが、これでは溶融したSnがCuと優先的に反応し、Sn−Cuの液相を形成するのに時間を要するため、SnとCuを予め合金化したSn−Cu合金粉を使用するのが好ましい。
Sn−Cu合金粉は、良好な溶融性を確保するためにSnを50重量%以上とし、その割合は重量比でSn:Cu=50:50〜95:5の範囲内、好ましくは60:40〜90:10の範囲内に設定する。これは一般的な青銅合金粉よりもSnリッチの組成である。このようにSn−Cu合金粉におけるSnの配合割合(重量比)は基本的にCuよりも多くする。また、Sn−Cu合金粉としては、200メッシュ(篩目開き75μm)の篩を通過したものを使用する。これによりSn−Cu合金粉の平均粒径が鉄粉の平均粒径よりも小さくなるが、これによって鉄粉中における低融点金属粉の分散性を高めることができる。
原料粉末には成形潤滑剤が配合される。この成形潤滑剤は後述の酸化処理中に早期に揮散させる必要がある。そのため、成形潤滑剤としては揮発温度の低いワックス系潤滑剤を使用するのが好ましい。また、同様の観点から、原料粉末中の成形潤滑剤の配合量は極力少なくするものとし、具体的には原料粉末の0.2out重量%以下(より好ましくは0.1out重量%以下)とするのが好ましい。なお、成形潤滑剤の成分は、基本的に焼成後の軸受基材2には残らない。
成形工程では、混合工程で得た原料粉末を成形機の金型内に投入し加圧することで、軸受基材2の形状に対応した圧紛体を圧縮成形する。圧紛体が適度の空孔率を有するように、成形圧力は196〜392MPaの範囲内に設定するのが好ましい。
酸化処理工程では、圧紛体を連続炉等にて400℃〜700℃の処理温度で焼成し、鉄粉を酸化させる。この焼成は、雰囲気ガスや水蒸気を使用することなく空気中で行い、かつ処理時間は1〜5分間程度の短時間とする。酸化処理後の圧紛体に対するサイジング処理は基本的に不要であり、酸化処理後の圧粉体を冷却することによって多孔質の軸受基材2が得られる。
図4のSn−Cu状態図に示すように、Sn−Cu合金ではSnの割合が大きくなるほど、融点が低下する。酸化処理工程での処理温度は、Sn−Cu合金粉の組成割合に応じ、焼成時にSn−Cu合金粉が確実に液相(ハッチング部分)となるように定める。
酸化処理の終了後、軸受基材2を射出成形金型にインサートし、樹脂材料を射出することで(インサート成形)、軸受基材2の内周に樹脂層3が成形される。樹脂層3を形成する樹脂材料は要求特性に応じて公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂から任意に採択することができ、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が使用可能である。
樹脂層3の成形後、成形品を金型から離型することで、すべり軸受1(図1)が完成する。このすべり軸受1では、軸受面1aが樹脂層3で形成されるため、軸受面1aの軸4に対する攻撃性を弱めることができ、軸4の早期摩耗を防止することができる。また、すべり軸受1の大部分が鉄系の軸受基材2で形成されるため、ステンレス鋼等で形成される軸4との間の線膨張係数の差が小さくなる。そのため、軸受隙間を小さくすることができ、軸振れ等の少ない高精度のすべり軸受1を提供することが可能となる。
なお、このすべり軸受1では、樹脂層3がある程度の自己潤滑性を有するため、無給油で使用することも可能であるが、必要に応じて軸受隙間に潤滑油を供給することもできる。無給油で使用する場合は、軸受基材2に潤滑油を含浸させる必要はない。潤滑油で潤滑を行う場合は、軸受基材2に潤滑油を含浸させることができる。
図3は、酸化処理後の軸受基材2のミクロ組織を表すイメージ図である。同図に示すように、酸化処理工程での焼成に伴って、鉄粉5の表面に鉄酸化物6が生成され、これが互いに結合することで個々の鉄粉5が互いに固結される。また、焼成に伴って低融点金属粉が溶融して鉄粉同士の接触部(ネック部)に流動し、溶融液の冷却固化後に低融点金属組織7としてFe組織間に介在するため、鉄粉同士がより強固に結合される。このように鉄粉5を、鉄酸化物6と低融点金属組織7の双方で結合することにより、焼結により結合させなくても、Fe組織5間で高いネック強度を確保することができる。そのため、実用上十分な圧環強さ(80MPa以上、120MPa以下)を有する軸受基材2を得ることが可能となる。
また、このすべり軸受1の酸化処理工程は、雰囲気ガスを供給しない空気中で行うことができ、かつその処理時間も1〜5分間で短い。そのため、生産効率を向上させることができ、すべり軸受1の低コスト化を図ることができる。
さらに、酸化処理が低温(400℃〜700℃)で行われるため、圧紛体の変形や収縮が生じにくい。そのため、酸化処理後のサイジング工程を省略しても実用可能な精度を有する軸受基材2を提供することができる。従って、より一層の低コスト化を図ることができる。もちろん必要に応じて酸化処理後にサイジングを行い、軸受基材2のさらなる高精度化を図ることも可能である。
[実施例]
以上の効果を確認するため、実施例として以下の手順で試験片を製作した。
先ず、市販の還元鉄粉(ヘガネス社製/NC100.24、−100メッシュ):97重量%、Sn−Cu合金粉(福田金属箔粉工業株式会社製/アトマイズ合金粉:90%Sn‐10%Cu、−200メッシュ):3重量%、および成形潤滑剤(ロンザ社製/アクラワックスC):0.1out重量%を準備し、これをブレンダーにて15分間ドライ混合した。次いで、この原料粉末を粉末成形機の金型内に投入し、室温、294Mpaにて圧縮成形し、リング形状の圧紛体(外径φ16mm×内径φ8.5mm、軸方向長さ5mm)を製作した。その後、この圧紛体を580℃に加熱した小型連続ベルト焼成炉(炉内通過2min)にて空気中で酸化焼成させ(図4の状態図における符号X)、炉内通過後に室温まで空冷した。
この試験片における圧環強さをJIS Z 2507 : 2000に準拠して測定したところ、90MPaとなり、上記の効果を有することが確認された(ちなみにロックウェル硬さはHRH100であった)。また、酸化処理後の試験片の外径の寸法変化は5μmの膨張(+0.03%)であり、サイジングを省略しても必要精度を維持できることが確認された。
以上の説明では、軸受基材2の表面を部分的に樹脂層3で被覆した複合タイプのすべり軸受1を例示したが、樹脂層3を形成せず、潤滑油を含浸させた軸受基材2だけですべり軸受を構成することもできる。この場合、軸受基材2の内周面2aが軸受面として使用される。
以上の実施形態で述べたすべり軸受1は、例えば複写機やプリンタの感光ドラム、現像部、あるいは定着部での回転支持に使用することができる。すべり軸受1の用途は上記の例示に限らず、キャリッジの支持をはじめ、各種機械部品の回転や直線運動の支持に広く使用することができる。また、本発明は、円筒状の軸受に限らず、摺動パッドのような平板形状をはじめとする任意の形態の軸受として使用することもできる。
1 すべり軸受
2 軸受基材
3 樹脂層
4 軸
5 鉄粉(Fe組織)
6 鉄酸化物
7 低融点金属組織

Claims (10)

  1. 鉄粉を主体とする原料粉末を圧縮成形した後、焼成することで形成され、Feの含有量が90重量%以上である軸受基材であって、
    鉄粉同士が、鉄粉の焼成で形成した鉄酸化物と、融点700℃以下の低融点金属を溶融させてなる低融点金属組織とで結合されていることを特徴とする軸受基材。
  2. Feの含有量を95重量%以上、低融点金属の含有量を1〜5重量%にした請求項1記載の軸受基材。
  3. 低融点金属としてSn−Cu合金を使用した請求項1または2記載の軸受基材。
  4. 低融点金属におけるSnの割合を50重量%以上とした請求項3記載の軸受基材。
  5. 鉄粉として還元鉄粉を用いた請求項1〜4何れか1項に記載の軸受基材。
  6. 圧環強さを80MPa以上とした請求項1〜5何れか1項に記載の軸受基材。
  7. 請求項1〜6何れか1項に記載の軸受基材の表面に樹脂層を形成し、この樹脂層の表面を軸受面として用いるすべり軸受。
  8. Feの含有量が90重量%以上である軸受基材の製造方法であって、
    鉄粉を主体とし、かつ低融点金属粉を含む原料粉末を圧縮して圧紛体を成形し、
    前記圧紛体を空気中で前記低融点金属の融点以上かつ700℃以下の温度にて1〜5分焼成し、酸化処理を行うことを特徴とする軸受基材の製造方法。
  9. 前記酸化処理後のサイジングを省略する請求項8記載の軸受基材の製造方法。
  10. 原料粉末に、成形潤滑剤としてワックス系潤滑剤を添加した請求項8または9記載の軸受基材の製造方法。
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