JP2016129604A - 遊技機 - Google Patents

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健二 松田
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Naoteru Obata
直輝 小幡
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【課題】乱数を用いて抽選を行う遊技機において、メモリ容量を削減する。【解決手段】乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めた置数テーブルと、いずれの置数を用いるかを示す置数番号と抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めた抽選テーブルとを備える。抽選テーブルは、置数番号をXとし、当選番号をYとし、当選番号の最大値をYmaxとし、当選番号に応じて定められる定数をaとしたときに、X×a+Y≦255、a>Ymax、を満たすように定め、「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとして記憶する。抽選テーブルから抽選データを取得し、これを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号とする。取得した乱数値から、置数番号に対応する置数を減算して、乱数値を更新する。更新後の乱数値が規定値N1未満になったときは、このときの余りを当選番号として決定する。【選択図】図25

Description

本発明は、乱数を用いて抽選を行う遊技機に関するものである。
従来より、遊技機の一例であるスロットマシンでは、乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数と、抽選結果を示す当選番号とを一対一で対応させて抽選テーブルに記憶していた(特許文献1参照)。
特開2006−271564号公報
従来の技術において、たとえば、設定値や遊技状態ごとにそれぞれ抽選テーブルを備えたり、複数種類の抽選ごとにそれぞれ抽選テーブルを備えると、その分、メモリ容量を必要とする。このため、メモリ容量の削減が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、乱数を用いて抽選を行う遊技機において、メモリ容量を削減することである。
本発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
本発明(第2実施形態)は、
乱数生成手段(メイン制御基板60上のMPUに備えられている乱数生成回路)と、
前記乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めた置数テーブル(図23の置数テーブル(TBL_LOT_DATA11))と、
前記置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めた抽選テーブル(図24(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル(TBL_DIV11)等)と
を備え、
前記抽選テーブルは、
置数番号をXとし、
当選番号をYとし、
当選番号の最大値をYmaxとし、
当選番号に応じて定められる定数をaとしたときに、
X×a+Y≦255
a>Ymax
を満たすように定め、
「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとして記憶しており、
抽選処理(図25のフローチャート)では、
前記乱数生成手段から乱数値を取得する(図25のステップS301)とともに、前記抽選テーブルからn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得し(図25のステップS302)、
取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し(図25のステップS304)、商を置数番号Xnとするとともに、余りを当選番号Ynとし、
取得した乱数値から、置数番号Xnに対応する置数を減算することにより、乱数値を更新し(図25のステップS308)、
更新後の乱数値が規定値N1(N1=0)以上のとき(図25のステップS309でNoと判断したとき)は、前記抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得し(図25のステップS303)、
取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し(図25のステップS304)、商を置数番号X(n+1)とするとともに、余りを当選番号Y(n+1)とし、
更新後の乱数値から、置数番号(n+1)に対応する置数を減算することにより、再度、乱数値を更新する(図25のステップS308)ことを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで(図25のステップS309でYesと判断するまで)繰り返し、
更新後の乱数値が規定値N1未満になったとき(図25のステップS309でYesと判断したとき)は、乱数値が規定値N1未満になったときの余りを当選番号として決定する(図25のステップS311)
ことを特徴とする。
本発明によれば、「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとしてメモリに記憶することにより、抽選データを圧縮することができるので、メモリ容量を削減することができる。
本実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンのフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)と、各リールの位置関係と、有効ラインとを示す図である。 役の種類、払出し枚数、及び役に対応する図柄の組合せを示す図である。 役の種類、払出し枚数、及び役に対応する図柄の組合せを示す図である。 役の種類、払出し枚数、及び役に対応する図柄の組合せを示す図である。 当選の種類と、当選役と、押し順との関係を示す図である。 当選の種類と、当選役と、押し順との関係を示す図である。 当選の種類と、遊技状態ごとの当選確率(置数)を示す図(役抽選テーブル)である。 ベルA1〜B4当選時における押し順ごとの置数及びメダル獲得期待値を示す図である。 遊技状態及び内部状態の移行を示す図である。 第1実施形態における移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選の当選番号と抽選結果との関係を説明する図である。 第1実施形態における移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選で用いられる置数テーブルを示す図である。 第1実施形態における移行抽選テーブルを示す図である。 第1実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルを示す図である。 第1実施形態における上乗せ遊技回数抽選テーブルを示す図である。 第1実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。 従来技術における移行抽選用の置数テーブル及び当選番号テーブルを示す図である。 従来技術における前兆遊技回数抽選用の置数テーブル及び当選番号テーブルを示す図である。 従来技術における上乗せ遊技回数抽選用の置数テーブル及び当選番号テーブルを示す図である。 従来技術における抽選処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態における当選番号と抽選結果との関係を説明する図である。 第2実施形態における置数テーブルを示す図である。 第2実施形態における移行抽選テーブルを示す図である。 第2実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルを示す図である。 第3実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルの変形例を示す図である。 第4実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルを示す図である。 第4実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルの変形例を示す図である。 第5実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
本明細書において、用語の意味は、以下の通りである。
「遊技媒体」とは、遊技の用に供する媒体をいい、本実施形態では「メダル(遊技メダル)」である。ただしこれに限らず、遊技球を使用することも可能である。また、遊技媒体には、実際のメダルの他に、遊技機内部に電気的に貯留(クレジット、記憶)された遊技媒体(遊技媒体に係るデータ)も含まれる。
なお、「遊技媒体」は「数」と称し、「メダル」は「枚数」と称する。
「ベット」とは、遊技を行うためにメダル(遊技媒体)を賭けることをいう。本実施形態において、1遊技での最大ベット枚数(限界枚数)は、通常遊技では3枚、1BB遊技中では2枚に設定されている。なお、これに限らず、1BB遊技中の最大ベット数を1枚又は3枚(通常遊技と同じ)に設定することも可能である。
また、「規定数」とは、スタートスイッチ41の操作が可能、すなわち遊技開始可能なメダル枚数を指し、当該遊技における最大ベット枚数である「限界枚数」とは異なる。
「貯留」とは、上記「ベット」とは異なり、スロットマシン10内部にメダルをクレジットすることをいう。「貯留」は、ベットを含む意味で用いられる場合もあるが、本明細書では、「貯留」というときは、「ベット」を含まない意味で使用する。本実施形態において、貯留可能な最大枚数(上限枚数)は、遊技状態等にかかわらず、50枚に設定されている。
「手入れ」とは、遊技者が、後述するメダル投入口44からメダルを直接投入することをいう。
「手入れベット」とは、遊技者が、メダル投入口44からメダルを手入れすることにより、メダルをベットする(ベット数を加算する)ことをいう。
「手入れ貯留」とは、遊技者が、メダル投入口44からメダルを手入れすることにより、メダルを貯留する(クレジット数(貯留枚数)を加算する)ことをいう。
「ベットメダル」とは、ベットされているメダルをいう。
「貯留メダル」とは、クレジットとして貯留されているメダルをいう。
「貯留ベット」とは、遊技者が後述するベットスイッチ40を操作することにより、当該遊技でベット可能な範囲内において、クレジットとして貯留されているメダルの一部又は全部を、遊技を行うためにベットすることをいう。
「自動ベット」とは、リプレイが入賞したときに、スロットマシン10の内部制御処理により、前回遊技でベットされていた数のメダルを自動でベットすることをいう。なお、上記の手入れベットしたメダル、貯留ベットしたメダル、及び貯留メダルは、その後に精算可能であるが、リプレイの入賞により自動ベットされたメダルは精算を行うことができないように設定されている。
「投入」とは、上記の手入れベット、手入れ貯留、貯留ベット、及び自動ベットを含み、メダルをベット又は貯留することをいう。
「精算」とは、ベットメダル及び/又は貯留メダルを遊技者に対して払い出すことをいう。
「払出し」とは、精算によりメダルを払い出すこと、又は役の入賞に基づきメダルを遊技者に払い出すことをいう。さらに、役の入賞に基づきメダルを遊技者に払い出すときは、クレジットとして貯留すること、又は払出し口14からの実際のメダルを払い出すことをいう。本実施形態における払出しは、50枚を限界枚数として貯留し、役の入賞に基づき貯留枚数が50枚を超えた分のメダルは、遊技者に対して払い出すように制御する。また、役の入賞によって遊技者が獲得するメダル枚数を指す「獲得枚数」は、払出し枚数と同義である。
<第1実施形態>
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、スロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10は、メイン制御基板60とサブ制御基板80とを備える。
メイン制御基板60は、入力ポート及び出力ポートを有し、RWM(メインメモリ)61、メインCPU62等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。
なお、実際には、メイン制御基板60上には、メインCPU62、RWM61、ROM、及びレジスタを含むMPUが搭載される。なお、ROMは、MPU内部に搭載されるもの以外に、外部ROMを備えていてもよい。一方、RWM61は、現行規則により、MPU内部にのみ設けられる。また、後述するサブ制御基板80については、MPU外部にRWMを設けることができる。
したがって、メインCPU62というときは、MPUを含む意味で使用する。
また、RWM61(記憶手段)というときは、MPU内蔵のRWM61、ROM(内部/外部)、及びレジスタ(記憶回路)を含む意味で使用する。
メイン制御基板60と、ベットスイッチ40等の操作スイッチを含む遊技進行用の周辺機器とは、入力ポート又は出力ポートを介して電気的に接続されている。入力ポートは、操作スイッチ等の信号が入力される接続部であり、出力ポートは、モータ32等の周辺機器に対して信号を送信する接続部である。
なお、図1において、入力用の周辺機器は、その周辺機器からの信号がメイン制御基板60に向かう矢印で表示しており、出力用の周辺機器は、メイン制御基板60からその周辺機器に向かう矢印で示している。
RWM(メインメモリ)61は、遊技の進行等に基づいた各種データを記憶(更新)可能な記憶媒体である。
ROMは、遊技の進行に必要なプログラムや各種データ(たとえば、データテーブル)等を記憶しておく記憶媒体である。
メインCPU62は、メイン制御基板60上に設けられたCPUを指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行する。
メダル投入口44から投入されたメダルは、メダルセレクタ45を通過するように構成されている。
メダルセレクタ45は、図1に示すように、通路センサ46、ブロッカ47、投入センサ48a及び48bを備え(ただし、これらに限定されるものではない)、メイン制御基板60と電気的に接続されている。
メダル投入口44からメダルが投入されると、最初に、通路センサ46により検知されるように構成されている。
さらに、通路センサ46の下流側には、ブロッカ47が設けられている。
ブロッカ47は、メダルの通路中に設けられ、メダルの通過(投入)を許可/不許可にするためのものであり、メダルの投入が不許可状態のときは、メダル投入口44から投入されたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成する。これに対し、メダルの投入が許可状態のときは、メダル投入口44から投入されたメダルをホッパー35aに案内するメダル通路を形成する。
また、ブロッカ47の状態として、メダルの投入を許可する状態をオン状態と称し、メダルの投入を不許可する状態をオフ状態と称する。
ここで、ブロッカ47は、遊技中(リール31の回転開始時から、全リール31が停止し、役の入賞時には入賞役に対応する払出しの終了時まで)は、メダルの投入を不許可(オフ)状態とする。すなわち、ブロッカ47がメダルの投入を許可するのは、少なくとも遊技が行われていないときである。
ブロッカ47のさらに下流側には、投入センサ48a及び48b(光学センサ)が設けられている。したがって、メダル投入口44から投入されたメダルは、通路センサ46によって検知された後、さらに、投入センサ48a(上流側)及び48b(下流側)により検知されるように構成されている。なお、上流側の投入センサ48aを投入センサ1、下流側の投入センサ48bを投入センサ2と称する場合もある。
また、図1に示すように、メイン制御基板60には、遊技者が操作する操作スイッチとして、精算スイッチ43、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
精算スイッチ43は、スロットマシン10内部に貯留(クレジット)されたメダルを払い戻す(ペイアウトする)ときに遊技者が操作するスイッチである。
ベットスイッチ40は、貯留されたメダルを当該遊技のためにベットするときに遊技者が操作するスイッチである。本実施形態におけるベットスイッチ40は、1枚(1遊技における最小枚数)をベットするための1ベットスイッチ40aと、当該遊技でベット可能な最大枚数のメダルをベットするための3ベットスイッチ40bとを備える。
なお、これに限らず、2枚ベット用のベットスイッチを設けてもよい。また、1枚、2枚、3枚ベット用のベットスイッチ40のうち、スロットマシン10の仕様に応じて、2つ又は3つ設けることも可能である。
そして、「ベットスイッチに対応するベット枚数」とは、ベットスイッチが1ベットスイッチ40aであるときは1枚、3ベットスイッチ40bであるときは3枚を意味する。また、2枚ベット用のベットスイッチを設けたときは、そのベットスイッチに対応するベット数は2枚となる。
3ベットスイッチ40bは、いずれにしてもそのときにベット可能な最大枚数を加算するベットスイッチであるので、マックスベットスイッチとも称される。本実施形態では、説明の便宜上、3ベットスイッチ40bと称する。
ここで、1遊技の限界枚数は、上述したように、1BB遊技中では2枚、1BB遊技中以外(通常遊技)では3枚である。
たとえば通常遊技において、既にベットされているメダル枚数(既ベット枚数)が0枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が3枚以上であるときは、3枚がベットされる。
また、通常遊技において、既ベット枚数が0枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が2枚であるときは、ベット可能な最大枚数は2枚であるので、2枚がベットされる。
さらにまた、通常遊技において、既ベット枚数が1枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が2枚以上であるときは、ベット可能な最大枚数は2枚であるので、2枚がベット(それまでのベット枚数に加算)される。
さらに、通常遊技において、既ベット枚数が3枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作されたときは、貯留枚数を有するときであっても、ベット(加算)可能な枚数は0枚であるので、ベット枚数は加算されない。
また、通常遊技において、既ベット枚数が1枚であり、かつ貯留枚数が1枚である場合に、3ベットスイッチ40bが操作されたときは、ベット可能な最大枚数は1枚であるので、1枚がベットされる。その結果、それまでの既ベット数である1枚に新たにベット枚数1枚が加算され、3ベットスイッチ40bの操作後のベット枚数は2枚となる。
さらにまた、1BB遊技において、既ベット枚数が0枚の場合に、3ベットスイッチ40bが操作され、かつ貯留枚数が2枚以上であるときは、ベット可能な最大枚数は2枚であるので、2枚がベットされる。
スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
メイン制御基板60には、図柄表示装置30のモータ32等が電気的に接続されている。
図柄表示装置30は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ39とを含む。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段62cによって制御される。
ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。なお、リール31上の図柄の具体的配置は、後述する(図2)。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31の例えば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ39により検知される。リールセンサ39の信号は、メイン制御基板60に電気的に接続されている。そして、リールセンサ39がインデックスを検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板60に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。
また、リールセンサ39がリール31のインデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を予めRWM61(メインROM)に記憶している。これにより、インデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。
また、メイン制御基板60には、メダル払出し装置35が電気的に接続されている。メダル払出し装置35は、メダルを溜めておくためのホッパー35aと、ホッパー35aのメダルを払出し口14から払い出すときに駆動するホッパーモータ36と、ホッパー35aから払い出されたメダルを検出するための払出しセンサ37a及び37bを備える。
メダル投入口44から手入れされ、受け付けられたメダルは、所定の通路(「シュート部」とも称する。)を通してホッパー35a内に収容されるように形成されている。
払出しセンサ37a及び37bは、投入センサ48a及び48bと同様に、上流側に払出しセンサ37aが設けられ、下流側に払出しセンサ37bが設けられている。
払出しセンサ37aと37bとは、所定距離を隔てて配置され、メダルが払出しセンサ37aにより検知されてから所定時間を経過した後に払出しセンサ37bにより検知されるように構成されている。そして、払出しセンサ37a及び37bがそれぞれオン/オフとなるタイミングに基づいて、メダルが正しく払い出されたか否かを判断する。
たとえば、ホッパーモータ36が駆動しているにもかかわらず、払出しセンサ37a及び37bの信号がいずれもオフであるときは、メダルが払い出されていないと判断し、ホッパーエラー(メダルなし)と検知される。
一方、払出しセンサ37a又は37bの信号の少なくとも1つがオンのままとなったときは、メダル詰まりが生じたと検知する。なお、払出しセンサ37を1つだけ設け、上記エラーを検知するようにしてもよい。
満杯センサ38は、ホッパー35aから溢れたメダルを収容するサブタンク35b(図3参照)の満杯を検知するセンサであり、サブタンク35bのメダルが満杯となったときにメダルが接触することで通電する回路から構成される。
また、ドアスイッチ16は、スロットマシン10のフロントカバー11を開けたときにオンとなるスイッチであり、フロントカバー11の開閉状態を検知するためのものである。
また、電源スイッチ51は、スロットマシン10の電源のオン/オフを行うスイッチである。
設定キースイッチ52は、設定キー挿入口から設定キーが挿入され、右90度に回転しているときにオンとなるスイッチであり、設定確認時や設定変更時にオンとする。
設定変更/リセットスイッチ53は、1つのスイッチで設定変更スイッチとリセットスイッチとを兼ねているスイッチである。なお、設定変更スイッチとリセットスイッチとは、別々に設けられていてもよい。
設定変更/リセットスイッチ53は、設定値を変更するときに操作される。また、設定キースイッチ52をオンにしつつ電源スイッチ51がオンにされると、リセットすなわち初期化処理が行われ、RWM61に記憶されている所定のデータがクリアされる。
設定ドアスイッチ54は、上述した設定ドア(設定キースイッチ52及び設定変更/リセットスイッチ53を覆うドア)の開閉を検知するスイッチである。たとえば設定ドアスイッチ54がオフ、すなわち設定ドアが開けられていない状態で設定キースイッチ52がオンであるとき等は、エラーとなる。
また、メイン制御基板60からは、外部集中端子板100への外部信号が出力される。
ここで、「外部信号」とは、外部集中端子板100を介してスロットマシン10の外部(ホールコンピュータや、ホールに設置されているデータカウンタ等)に出力するための信号である。
本実施形態では、ART発動(初当たり)を示す外部信号1、ART継続を示す外部信号2、ARTの開始時から終了時までを示す外部信号3、スロットマシン10で生じたエラーや電源断が発生したこと等を示す外部信号4、スロットマシン10のフロントドアの開放を示す外部信号5を設けている。
ただし、これに限らず、外部信号1を1BB遊技中を示す信号としたり、外部信号2を特定のRT状態と定めること等も可能であり、外部信号1〜3は、必ずしもARTに限られるものではない。
次に、メイン制御基板60の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御基板60のメインCPU62は、以下の設定変更手段62a等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
設定変更手段62aは、設定値を変更・決定する手段である。
ここで、設定値とは、遊技者の有利度、より具体的にはメダルの投入枚数に対する払出し枚数の期待値(遊技者が獲得できるメダル)の程度を定めるものであり、本実施形態では設定1〜設定6の6段階を設けている。
そして、設定値が高くなるほど、少なくとも一部の役の当選確率が高く設定される等、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定している。
また、設定値が高くなるほど、ARTに移行する確率が高くなり、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定している。
なお、ARTに移行する確率を高くすることのみに限られるものではなく、たとえばAT中の遊技回数や払出し枚数を上乗せする確率を高くしたり、ARTを継続する確率を高くしてもよい。
設定値を設定・変更するには、電源スイッチ51、設定キースイッチ52、設定変更/リセットスイッチ53が用いられる。
本実施形態では、電源スイッチ51を一旦オフにし、電源断をした後に、設定キー挿入口に設定キーを差し込み、これを時計回りに90度回転させると、設定キースイッチ52がオンとなる。この状態で電源スイッチ51を再度オンにすると、設定変更中、すなわち設定変更モードになる。この場合、通常の立ち上げ処理は行われない。したがって、設定変更中にするためには、電源スイッチ51のオン/オフ操作が必要である。
設定変更モードでは、設定変更手段62aは、設定値表示LED63に、現在の設定値を表示する。
また、設定変更手段62aは、設定変更/リセットスイッチ53が1回操作(オン)されるごとに、設定値の表示を、・・・→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」→・・・と順次変化させる。
さらに、設定変更手段62aは、スタートスイッチ41がオンにされると、このときに設定値表示LED63に表示していた数値で設定値を決定し、設定値が決定されたことを示す「0」を設定値表示LED63に表示する。
そして、設定変更手段62aは、設定キーを反時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオフにすることで、決定した設定値をRWM61中の所定の記憶領域に記憶し、設定変更後の設定値で遊技が可能となる。
なお、本実施形態では、設定キースイッチ52のオフの判定は、設定キースイッチ52の立下りデータに基づいて実行されるように構成されているが、設定キースイッチ52のオン/オフの状態に基づいて実行されるように構成してもよい。
また、設定キー挿入口から設定キーを抜かなければ設定変更後の設定値で遊技ができないように構成してもよい。
さらに、設定キーを反時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオフにし、設定キー挿入口から設定キーを抜き、この状態で電源スイッチ51を一旦オフにした後に再度オンにしなければ、設定変更後の設定値で遊技ができないように構成してもよい。
また、メダルがベットされていない状態で、かつ役抽選が行われていない状態(スタートスイッチ41の操作前)で、設定キーが設定キー挿入口に挿入され、設定キースイッチ52がオンにされると、「設定確認中」になる。すなわち、設定値を確認するだけの場合には、電源スイッチ51のオン/オフは不要である。設定確認中は、設定変更中と同様に、現時点での設定値が設定表示LED63に表示される。
さらにまた、設定キースイッチ52がオンにされた状態で、電源スイッチ51がオンにされると、リセット、すなわち初期化処理が行われる。
役抽選手段62bは、遊技ごとに、遊技開始時に、役の抽選を行うものである。
ここで、本実施形態の役、図柄の組合せ等について説明する。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。たとえば、左リール31において、図柄番号16番の図柄は、「ベル」である。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31は、16コマ(図柄)に等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。なお、スロットマシン10の仕様によっては、20コマや21コマであってもよい。
また、図3は、スロットマシン10のフロントカバー11に設けられた表示窓(透明窓)と、各リール31の位置関係と、有効ラインとを示す図である。
各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
なお、本明細書では、図6中、左リール31の「スイカ(01番)」、中リール31の「リプレイ(16番)」、及び右リール31の「青7(14番)」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左リール31の「ベル(16番)」、中リール31の「ベル(15番)」、及び右リール31の「リプレイ(13番)」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「リプレイ(15番)」、中リール31の「白7(14番)」、及び右リール31の「ベル(12番)」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
さらにまた、図3に示すように、表示窓から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、図6に示すように、水平方向中段の有効ライン(1本)のみが定められ、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。
たとえば、図3中、各リール31の上段を通過する図柄組合せラインや、左リール31の下段、中リール31の中段、及び右リール31の上段を通過する図柄組合せラインも考えられるが、このようなラインは、本実施形態では無効ラインとなっている。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
また、従来より、メダルのベット枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。たとえば、メダルベット枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダルベット枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダルベット枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、3枚又は2枚のメダルをベットして遊技を行うとともに、すべての遊技において、常に水平方向中段の1本のみが有効ラインとなる。なお、有効ラインはメダルのベット枚数に応じて予め定められていればよい。
図4〜図6は、本実施形態における役の種類、払出し枚数、及び図柄の組合せを示す図である。図4〜図6中、「役」の欄にかっこ書きで表示されたメダル枚数は、その役の入賞時の払出し枚数を示す。
また、たとえば図4のベル02aの場合には、ベル02aの図柄の組合せとして、「リプレイ」−「赤7」−「赤7」と、「リプレイ」−「赤7」−「BAR」の2種類を有するという意味である(他の役において、複数の図柄の組合せを有する場合も、同様の意味である。)。
本実施形態の役は、大別して、特別役、リプレイ、小役を有する。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する。以下同じ。)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
なお、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」では、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、メダル等の投入をすることによらずに行う遊技を付与することとされ、「入賞(メダル等を獲得するための図柄の組合せが表示されること)」ではないと解釈されている。しかし、本願(本明細書等)では、リプレイについても役の1つとして扱い(再遊技役)、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したことを「リプレイの入賞」と称する。
まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、特別役として、1BB(第1種ビッグボーナス)が設けられている。
なお、特別役としては、他に、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
1BBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技に相当する1BB遊技に移行する。
なお、1BB遊技は、出率が「1」を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
また、リプレイ(再遊技役)とは、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動ベットする)再遊技が行えるようにした役である。
本実施形態のリプレイは、ノーマルリプレイに相当するリプレイと、2種類の特殊リプレイ(特殊リプレイ1及び2)を備え、それぞれ図柄の組合せが異なる。
特殊リプレイ1は、RT1において入賞すると、RT1からRT2に遊技状態を昇格させる役であり、昇格リプレイとも称される。
一方、特殊リプレイ2は、RT2において入賞すると、RT2からRT1に遊技状態を降格させる役であり、転落リプレイとも称される。
さらにまた、小役は、大別してベルとチェリーとからなる。
そして、ベルは、入賞時に8枚の払出しのあるベル01と、入賞時に1枚の払出しのあるベル02a〜09dを備える。
チェリーは、チェリー01〜04の4種類を有し、いずれも、入賞時の払出し枚数は1枚に設定されている。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役である1BBである。1BBに当選したときは、1BBが入賞するまでの遊技において、1BBの当選を次遊技に持ち越すように制御される。
一方、1BBの当選は持ち越されるのに対し、1BB以外の小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが入賞可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利(つまり、情報)は消滅する。
なお、特別役(1BB)に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役が入賞していない遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
役抽選手段62bは、たとえば、役抽選用の乱数生成手段(ハードウェア乱数や、MPUに備えられている乱数生成回路等)と、この乱数生成手段が生成する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数生成手段は、所定の範囲(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を生成する。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数(ハードウェア乱数)や予め定められたランダムな数値順序(数列)に対してMPUに入力されるクロックの周期毎に更新する乱数(内蔵乱数)であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数生成手段が生成した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、役抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。たとえば、抽出した乱数値が1BBの当選領域に属する場合は、1BBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
なお、抽出した乱数を演算により加工して役抽選テーブルと照合してもよい。
役抽選テーブルは、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。役抽選テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
図7及び図8は、本実施形態における当選の種類を示す図である。本実施形態における当選は、当選番号「0」〜「16」を有する。役抽選手段62bで役の抽選が行われると、当選番号「0」〜「16」のいずれか、又は非当選となる。
当選番号「0」の1BBの当選、及び当選番号「2」のリプレイの当選は、それぞれ、1BB及びリプレイの単独当選である。
これに対し、当選番号「3」〜「16」は、複数種類の役の重複当選である。
当選番号「2」〜「13」は、ベル当選を示し、いずれも、8枚役であるベル01と、1枚役である3種類のベル(合計4種類)との重複当選である。たとえば、ベルA1は、ベル01、ベル02a、ベル03、ベル04aの4つのベルの重複当選を意味する。
また、当選番号「14」のチェリー重複は、チェリー01〜04の4つのチェリーが重複当選するものである。
さらにまた、当選番号「15」のリプレイ重複当選1は、特殊リプレイ1及び特殊リプレイ2の重複当選であり、当選番号「16」のリプレイ重複当選2は、特殊リプレイ1、特殊リプレイ2、及びリプレイの重複当選である。
なお、図7及び図8では、「備考」欄において、ストップスイッチ42の押し順と入賞役との関係を示しているが、この点については後述する。
図9は、上述した当選番号「0」〜「16」の遊技状態ごとの当選確率を示す図である。いいかえれば、図9は、遊技状態ごとの役抽選テーブルを示すものである。
図9において、「置数」とは、乱数値がとる全範囲「65536」のうち、当選となる範囲を示す値である。したがって、「当選確率=置数/65536」となる。たとえば、RT1等の遊技状態において、1BBの置数は「218」であるので、1BBの当選確率は、「218/65536」=「約1/300」である。
なお、1BBは、上述した設定値に応じて異なるように設定されており、図9の例は、いずれか1つの設定値における置数を示している。
また、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と1BB遊技(特別遊技)とを有する。通常遊技は、1BBの非内部中遊技と内部中遊技とを有する。内部中遊技におけるリプレイの当選確率は、8978/65536(約1/7.3)である。
また、非内部中遊技は、RT1及びRT2を有する。RT1では、当選番号「1」と、当選番号「15」及び「16」の合算の確率は、「約1/7.3」であり、内部中遊技にけるリプレイの当選確率とほぼ同一である。
ここで、RT1は、リプレイの当選確率が通常確率に設定されたRT(非RTとも称される)状態である。なお、RT1がいわゆる「通常中(非ARTかつ非内部中)」と称される遊技状態である。
また、RT2は、リプレイの当選確率が高確率に設定されたRTである。RT2では、当選役により、非当選をほとんど有さない(1/65536)ように設定されている。
なお、内部中遊技におけるリプレイの当選確率を、通常時(RT1等)よりも高く設定したとき、内部中RTと称する場合もある。
また、本実施形態では、RT1は非ARTであり、RT2はARTである。
したがって、非内部中遊技では、非ARTであるときとARTであるきとを有するが、内部中遊技では、常に非ARTである。
これらの各遊技状態ごとに役抽選テーブルが設けられているとともに、図9に示すように、抽選される役の種類や当選確率が設定されている。
非内部中遊技では、1BBが抽選される。そして、1BBに当選したときは、次遊技から内部中遊技に移行する。内部中遊技に移行すると、1BBは抽選されない。
1BB遊技以外の遊技状態において、内部中遊技では、リプレイは、当選番号「1」のみが抽選される。これに対し、非内部中であるRT1及びRT2では、リプレイの当選として、当選番号「1」、「15」、「16」を有する。
また、ベル当選の種類としては、ベルA1〜A8及びB1〜B4を有する。そして、詳細は後述するが、ベルA1〜A8当選時は、変則押し(中又は右第一停止)が正解押し順となるベル当選であり、ベルB1〜B4当選時は、順押し(左第一停止)が正解押し順となるベル当選である。
さらに、ベルA1〜A8当選は、いずれも、置数として「1260」が割り当てられているが、ベルB1〜B4当選には、いずれも置数として「1620」が割り当てられており、ベルA1〜A8当選よりも当選確率が高い。
また、1BB遊技では、ベル当選のうち、ベルB1に当選するように設定されている。さらにまた、本実施形態の1BB遊技では、リプレイの抽選を行わないが、リプレイの抽選を行うようにすることは、もちろん可能である。
図1において、メインCPU62は、役抽選手段62bによる役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグのオン/オフを制御する。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ(RWM61の記憶領域の一部)を備える。そして、役抽選手段62bによる役の抽選においていずれかの当選となったときは、当該当選に対応する役の当選フラグをオンにする(当選フラグを立てる)。
たとえば、非内部中遊技において、ベルA1に当選したときは、ベル01、02a、03、04a(合計4個)に係る当選フラグがオンとなり、それ以外の役の当選フラグはオフとなる。
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグがオフにされる。
これに対し、1BBの当選は持ち越されるので、当該遊技で1BBに当選し、当選した1BBに係る当選フラグが一旦オンになったときは、その1BBが入賞するまでオンの状態が維持され、その1BBが入賞した時点でオフにされる。
たとえば役抽選手段62bで1BBに当選し、当該遊技で1BBが入賞しなかった場合において、次遊技(内部中遊技)でベルA1に当選したときは、前遊技で当選した1BB、及び当該遊技で当選したベル01、02a、03、04a(合計5個)の当選フラグがオンにされる。そして、この遊技で1BBが入賞しなかったときは、1BBの当選フラグのオンの状態は維持される。これに対し、当該遊技での遊技結果(入賞/非入賞)にかかわらず、当該遊技の終了時にベルA1に係る4個の当選フラグはオフにされる。
なお、本実施形態における「遊技結果」とは、役抽選手段62bにより当選した当選役に対応したリール31の停止表示結果を指す。
図1において、リール制御手段62cは、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段62cは、役抽選手段62bにより役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグのオン/オフを参照して当選フラグのオン/オフに対応する停止位置決定テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
たとえば、リール制御手段62cは、少なくとも1つの当選フラグがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、ストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が3コマに設定されている。
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行う。
さらに、リール制御手段62cは、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号がリール制御手段62cに入力される。この信号を判別することで、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
さらに、本実施形態では、非ART中は、最初に操作すべき(第一停止の)ストップスイッチ42は、左(順押し)と定めている(左第一停止指示)。ここで、非ART中に、中又は右第一停止(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときは、たとえば所定遊技回数の間、ペナルティ期間に設定するための条件としている。つまり、非ART中に変則押しをしても必ずしもペナルティ期間に設定されるわけではない。たとえば、非ART中に、いずれかのベルに当選し、かつ押し順正解となり、8枚の払出しとなったときにペナルティ期間に設定するようにする。しかし、変則押しを抑制するために、当選役等によらずにペナルティの押し順であることを、音、画像、ランプ等により警告報知している。
これにより、遊技者は、変則押し(第一停止が中又は右)の押し順報知が行われたとき以外は、常に左第一停止として遊技を消化する。
なお、ART中に押し順報知が行われた場合において、その報知内容が中又は右第一停止であるときはペナルティは設定されない。
また、変則押し時に設定するペナルティは、種々挙げられるが、本実施形態では、ペナルティ期間中は、ART抽選を遊技者にとって不利な確率で実行する(たとえば、後述する低確率よりもさらに不利な確率で実行する)こと、及び当選役の報知を行わないことに設定されている。
停止位置決定テーブルは、当選フラグのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段62bによる役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブルには、たとえば01番の図柄(左リール31であれば「スイカ」)が中段(有効ライン)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
停止位置決定テーブルは、以下のものを備える。
1BBテーブルは、1BBの当選フラグ66aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技で1BBに当選したとき、又は当該遊技以前に1BBに当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
本実施形態において、1BBに係る図柄は、全リール31ともに「BAR」図柄である。そして、「BAR」図柄は、各リール31に1個ずつ設けられている。したがって、任意の位置でストップスイッチ42を操作しても、常に「BAR」図柄が有効ラインに引き込まれるものではなく、有効ラインに「BAR」図柄が停止するように狙ってストップスイッチ42を操作すること(目押し)が必要である。
ここで、上記のように、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数の範囲内において停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
そして、「PB=1」は、その役について、全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてのみそのようになっている場合とを有する。
上述したように、第1実施形態では、最大移動コマ数は「3」であるので、4図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄以上の間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
リプレイテーブルは、リプレイの(単独)当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、リプレイを入賞させるとともに、リプレイ以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
ここで、図2に示すように、すべてのリール31において、「リプレイ」の図柄は、4図柄以内の間隔で配置されている。したがって、リプレイについては、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、リプレイを常に入賞させることができる(PB=1)。
非内部中遊技及び内部中遊技のいずれも、リプレイの当選時は、「PB=1」でリプレイが入賞する。
リプレイ重複1テーブルは、当選番号「15」のリプレイ重複1に当選したときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が中第一停止であるときは特殊リプレイ1を入賞させ、左又は右第一停止であるときは、特殊リプレイ2を入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
具体的に説明すると、リプレイ重複1テーブルが用いられた遊技において、中第一停止であるときは、中リール31の停止時に中段に「ベル」図柄を停止させる。次の第二停止が左又は右であるかは不問であり、左リール31の停止時には中段に「リプレイ」図柄を停止させ、右リール31の停止時には中段に「リプレイ」図柄を停止させる。
これに対し、左第一停止であるときは、左リール31の停止時に中段に「ベル」図柄を停止させる。そして、この場合、中リール31の停止時には中段に「リプレイ」図柄を停止させ、右リール31の停止時には中段に「ベル」図柄を停止させる。
同様に、右一停止であるときは、右リール31の停止時に中段に「ベル」図柄を停止させる。そして、この場合、左リール31の停止時には中段に「ベル」図柄を停止させ、中リール31の停止時には中段に「リプレイ」図柄を停止させる。
また、リプレイ重複当選2テーブルは、当選番号「16」のリプレイ重複2に当選したときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が右第一停止であるときは特殊リプレイ1を入賞させ、左又は中第一停止であるときは、特殊リプレイ2を入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
リール31の停止制御については、リプレイ重複1テーブルと同様であり、右第一停止であるときは「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」(特殊リプレイ1)を有効ラインに停止させ、左又は中第一停止であるときは「ベル」−「リプレイ」−「ベル」(特殊リプレイ2)を有効ラインに停止させる。
ベルA1テーブルは、ベルA1の当選となったとき(ベル01、02a、03、04aの各当選フラグ66aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順及び操作タイミングに応じて、当選したベルを入賞させる(入賞可能となる)ように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
ここで、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合にリール31を停止制御する方法として、「枚数優先」と「個数優先」とが挙げられる。
「枚数優先」とは、重複当選している役に係る図柄の組合せのうち、払出し枚数の最も多い役に係る図柄の組合せを構成する図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ように、リール31の停止位置を定めている。
一方、「個数優先」とは、リール31の停止時に、その図柄を有効ラインに停止させたときに、入賞可能となる図柄の組合せの数が最も多くなるように、リール31の停止位置を定めている。
本実施形態では、ベルA1の当選時は、8枚役のベル01、1枚役のベル02a、03、04aの重複当選となる。
他のベル当選時においても、8枚役のベル01と、1枚役の3種類のベルとの重複当選になることは、同様である。
そして、本実施形態では、いずれかのベル当選時において、ストップスイッチ42の押し順が正解押し順であるときは枚数優先に基づく停止制御を行い、押し順が不正解押し順であるときは個数優先に基づく停止制御を行う。
以下、ベルA1当選時を例に挙げ、停止制御について説明する。
図7及び図8では、「名称」の欄に、かっこ書きで正解押し順を表示している。さらに、「備考」欄に、ストップスイッチ42の押し順と入賞役との関係を示している。
たとえばベルA1において、「備考」中、「213」とは、中左右の押し順を示し、「231」とは、中右左の押し順を示す(「1」=左、「2」=中、「3」=右)。
また、「1−−」とは、左第一停止(第二及び第三停止の押し順は任意)を意味し、「3−−」とは、右第一停止(第二及び第三停止の押し順は任意)を意味する。
さらに、「231:1枚(ベル03)」とは、「231」すなわち中右左の不正解押し順時には、「PB=1」で1枚役であるベル03が入賞することを意味する。
「備考」欄に記載した他の内容についても上記と同様に解釈する。
ベルA1当選時の正解押し順は、中左右である。したがって、中左右の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、ベル01が入賞し、8枚の払出しとなる。ここで、ベル01の図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「リプレイ」であるが、右リール31の「リプレイ」は、上述したように、「PB=1」の配列である。
また、図2に示すように、全リール31ともに、「ベル」図柄は、「PB=1」の配列である。よって、ベルA1当選時に、正解押し順である中左右でストップスイッチ42が操作されたときは、有効ラインに、ベル01である「ベル」−「ベル」−「リプレイ」が停止する。
なお、16コマのリール31上に4図柄間隔で均等に配置すれば、「PB=1」の図柄に設定することができる。
一方、ベルA1当選時に、中第一停止であったが(第一停止時点では正解押し順)、右第二停止であり不正解押し順となった場合には、以下のように停止制御する。
中第一停止時には、この時点では正解押し順であるので、リール制御手段62cは、中リール31の停止時に中段に「ベル」を停止させる。この時点では、押し順正解であるので、枚数優先により中リール31を停止させている。
次に、右第二停止時には、この時点で押し順不正解となるので、リール制御手段62cは、個数優先制御を行うことにより、右リール31の停止時に中段に「リプレイ」を停止させない。
なお、中リール31の停止時には「ベル」図柄が停止しているので、中リール31の図柄が「ベル」である図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御する必要がある。
ベルA1当選時に、当選している役のうち、ベル01以外の役は、
「リプレイ」−「赤7」−「赤7」(ベル02a)
「リプレイ」−「赤7」−「BAR」(ベル02a)
「スイカ」−「ベル」−「スイカ」(ベル03)
「スイカ」−「ベル」−「チェリー」(ベル03)
「チェリー」−「ベル」−「スイカ」(ベル03)
「チェリー」−「ベル」−「チェリー」(ベル03)
「赤7」−「スイカ」−「ベル」(ベル04a)
「BAR」−「スイカ」−「ベル」(ベル04a)
である。
これにより、右リール31の停止時に「スイカ」図柄を有効ラインに停止させたときは、その時点で、「スイカ」−「ベル」−「スイカ」又は「チェリー」−「ベル」−「スイカ」の2種類の図柄の組合せが停止可能な状態となる。
同様に、右リール31の停止時に「チェリー」図柄を有効ラインに停止させたときは、その時点で、「スイカ」−「ベル」−「チェリー」又は「チェリー」−「ベル」−「チェリー」の2種類の図柄の組合せが停止可能な状態となる。
一方、右リール31の停止時に「リプレイ」図柄を停止させたときは、その時点で入賞可能となる図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「リプレイ」(ベル01)の1種類となる。
よって、個数優先により、右リール31の停止時には、「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄を優先して停止させることが可能となる。
図2に示すように、右リール31において、「スイカ」図柄は、07番及び15番に配置され、「チェリー」図柄は、03番及び11番に配置されている。したがって、「スイカ」又は「チェリー」図柄のいずれかは、4図柄間隔で配置されていることとなる。よって、上述したように、「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄のいずれかを、「PB=1」で有効ラインに停止させることができる。
なお、左及び中リール31においても、右リール31のように、「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄のいずれかは、4図柄間隔配置となっている。たとえば左リール31では、「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄は、01番、05番、09番、13番に配置されている。また、中リール31では、「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄は、01番、05番、09番、13番に配置されている。
仮に、右リール31の停止時に有効ラインに「スイカ」図柄を停止させたときは、その時点では、「回転中」−「ベル」−「スイカ」となる。そして、最後に左リール31を停止させるときは、「スイカ」又は「チェリー」図柄を有効ラインに停止させるように制御する。
また、右リール31の停止時に有効ラインに「チェリー」図柄を停止させたときは、その時点では、「回転中」−「ベル」−「チェリー」となる。そして、最後に左リール31を停止させるときは、上記と同様に、「スイカ」又は「チェリー」図柄を有効ラインに停止させるように制御する。
よって、ベルA1当選時に、中右左の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、「PB=1」(1/1の確率)でベル03を入賞させることができる。
次に、ベルA1当選時において、左第一停止であるときは、以下のように停止制御される。
左第一停止時は、第一停止時に押し順不正解が確定する。したがって、第一停止時から、個数優先によってリール31を停止制御する。
ベルA1当選時における左第一停止時に、有効ラインに「リプレイ」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「リプレイ」−「赤7」−「赤7」
「リプレイ」−「赤7」−「BAR」
である(合計2種類)。
また、左第一停止時に、有効ラインに「スイカ」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「スイカ」−「ベル」−「スイカ」
「スイカ」−「ベル」−「チェリー」
である(合計2種類)。
さらにまた、左第一停止時に、有効ラインに「チェリー」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「チェリー」−「ベル」−「スイカ」
「チェリー」−「ベル」−「チェリー」
である(合計2種類)。
さらに、左第一停止時に、有効ラインに「赤7」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、「赤7」−「スイカ」−「ベル」である(1種類)。
同様に、左第一停止時に、有効ラインに「BAR」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、「BAR」−「スイカ」−「ベル」である(1種類)。
以上において、入賞可能となる図柄の組合せが1種類の場合は、個数優先の対象にはならない。したがって、入賞可能となる図柄の組合せが2種類となる「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」のいずれかである。
このように、個数が同一となる図柄の組合せを複数有する場合には、いずれを採用してもよく、事前に決定しておけばよい。本実施形態では、ベルA1当選時の左第一停止時は、「リプレイ」図柄を有効ラインに停止させると定めている。なお、左リール31の停止時に、「リプレイ」図柄を「PB=1」で有効ラインに停止させることができる。
よって、左第一停止時に「リプレイ」図柄を有効ラインに停止させたとき、その時点で有効ラインに停止可能となるのは、
「リプレイ」−「赤7」−「赤7」
「リプレイ」−「赤7」−「BAR」
の2種類である。
次に、中停止時には、有効ラインに「赤7」図柄を停止可能であるときは「赤7」図柄を停止させ、「赤7」を停止不可能であるときは、他の図柄を停止させる。
図1に示すように、中リール31において、「赤7」図柄は、02番にのみ設けられている。したがって、15番〜16番又は01番〜02番が有効ラインを通過する瞬間(直前)に中ストップスイッチ42が操作されたときは「赤7」図柄を有効ラインに停止させることができる。それ以外の位置で中ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」図柄を有効ラインに停止させることができない。このため、中リール31の停止時に「赤7」図柄を有効ラインに停止させることができる確率は「1/4」となる。
また、右停止時には、有効ラインに「赤7」又は「BAR」図柄を停止させる。図1において、「赤7」図柄は10番に配置され、「BAR」図柄は06番に配置されている。したがって、03番〜06番又は07番〜10番が有効ラインを通過する瞬間(直前)に右ストップスイッチ42が操作されたときは「赤7」又は「BAR」図柄を有効ラインに停止させることができる。それ以外の位置で右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」又は「BAR」図柄を有効ラインに停止させることができない。このため、右リール31の停止時に「赤7」又は「BAR」図柄を有効ラインに停止させることができる確率は「1/2」となる。
以上より、ベルA1当選時に、左第一停止であるとき、「リプレイ」−「赤7」−「赤7」、又は「リプレイ」−「赤7」−「BAR」を有効ラインに停止させることができる確率は、
1/1(左リール31)×1/4(中リール31)×1/2(右リール31)
=1/8
となる。
よって、「備考」欄に記載した通り、「1/8」の確率で1枚ベルが入賞する。
となる。
続いて、ベルA1当選時において、右第一停止であるときは、以下のように停止制御する。
右第一停止時は、第一停止時に押し順不正解が確定する。したがって、第一停止時から、個数優先によってリール31を停止制御する。
ベルA1当選時における右第一停止時に、有効ラインに「赤7」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、「リプレイ」−「赤7」−「赤7」である(1種類)。
また、右第一停止時に、有効ラインに「BAR」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、「リプレイ」−「赤7」−「BAR」である(1種類)。
さらにまた、右第一停止時に、有効ラインに「スイカ」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「スイカ」−「ベル」−「スイカ」
「チェリー」−「ベル」−「スイカ」
である(2種類)。
さらに、右第一停止時に、有効ラインに「チェリー」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「スイカ」−「ベル」−「チェリー」
「チェリー」−「ベル」−「チェリー」
である(2種類)。
また、右第一停止時に、有効ラインに「ベル」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「赤7」−「スイカ」−「ベル」
「BAR」−「スイカ」−「ベル」
である(2種類)。
よって、本実施形態では、個数2種類となる場合のうち、有効ラインに「ベル」図柄を停止させ、「赤7」−「スイカ」−「ベル」又は「BAR」−「スイカ」−「ベル」を停止させるように定める。
右第一停止時には、「PB=1」で有効ラインに「ベル」図柄を停止させることができる。
また、左停止時には、有効ラインに「赤7」又は「BAR」図柄を停止可能であるときは「赤7」又は「BAR」図柄を停止させる。図2に示すように、「赤7」又は「BAR」図柄は、06番及び14番に配置されている。したがって、上述と同様に計算すれば、1/2の確率で、「赤7」又は「BAR」図柄を有効ラインに停止させることができる。
さらにまた、中停止時には、有効ラインに「スイカ」図柄を停止可能であるときは「スイカ」図柄を停止させる。図2に示すように、「スイカ」図柄は、05番及び13番に配置されている。したがって、上記と同様に、1/2の確率で、「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができる。
以上より、ベルA1当選時に、右第一停止であるとき、「赤7」−「スイカ」−「ベル」又は「BAR」−「スイカ」−「ベル」を停止させることができる確率は、
1/2(左リール31)×1/2(中リール31)×1/1(右リール31)
=1/4
となる。
よって、「備考」欄に記載した通りとなる。
以上のようにして、ベルA1及びA2当選時は、213(中左右)が正解押し順となり、その押し順でストップスイッチ42を操作したときは、「PB=1」でベル01が入賞する。また、231(中右左)の押し順では、「PB=1」で1枚ベルが入賞する。
さらにまた、左第一停止の押し順では、「1/8」の確率で1枚ベルが入賞する。
さらに、右第一停止の押し順では、「1/4」の確率で1枚ベルが入賞する。
同様にして、図7に示すように、ベルA3及びA4当選時は、231(中右左)が正解押し順となり、その押し順でストップスイッチ42を操作したときは、「PB=1」でベル01が入賞する。また、213(中左右)の押し順では、「PB=1」で1枚ベルが入賞する。
さらにまた、左第一停止の押し順では、「1/8」の確率で1枚ベルが入賞する。
さらに、右第一停止の押し順では、「1/4」の確率で1枚ベルが入賞する。
さらに同様に、ベルA5及びA6当選時は、312(右左中)が正解押し順となり、その押し順でストップスイッチ42を操作したときは、「PB=1」でベル01が入賞する。また、321(右中左)の押し順では、「PB=1」で1枚ベルが入賞する。
さらにまた、左第一停止の押し順では、「1/8」の確率で1枚ベルが入賞する。
さらに、中第一停止の押し順では、「1/4」の確率で1枚ベルが入賞する。
図8に示すように、ベルA7及びA8当選時は、321(右中左)が正解押し順となり、その押し順でストップスイッチ42を操作したときは、「PB=1」でベル01が入賞する。また、312(右左中)の押し順では、「PB=1」で1枚ベルが入賞する。
さらにまた、左第一停止の押し順では、「1/8」の確率で1枚ベルが入賞する。
さらに、中第一停止の押し順では、「1/4」の確率で1枚ベルが入賞する。
続いて、ベルB1当選時の停止制御について説明する。
ベルB1当選時には、正解押し順は、123(左中右;順押し)である。したがって、左中右の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、ベル01が入賞し、8枚の払出しとなる。ベル01の図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「リプレイ」であり、上述したように、左及び中リール31の「ベル」図柄、並びに右リール31の「リプレイ」図柄は、いずれも、「PB=1」配置であるから、常に、有効ラインに停止させることができる。
よって、ベルB1当選時に、正解押し順である左中右でストップスイッチ42が操作されたときは、有効ラインに、ベル01である「ベル」−「ベル」−「リプレイ」が停止する。
一方、ベルB1当選時に、左第一停止であったが(第一停止時点では正解)、右第二停止であり押し順不正解となった場合には、以下のように停止制御する。
左第一停止時には、この時点では正解押し順であるので、リール制御手段62cは、左リール31の停止時に中段に「ベル」を停止させる。この時点では、押し順正解であるので、枚数優先により左リール31を停止させている。
次に、右第二停止時には、この時点で押し順不正解となるので、リール制御手段62cは、個数優先制御を行うことにより、右リール31の停止時に中段に「ベル」を停止させない。
ベルB1当選時に、当選している役のうち、ベル01以外の役は、
「ベル」−「スイカ」−「スイカ」(ベル07)
「ベル」−「スイカ」−「チェリー」(ベル07)
「ベル」−「チェリー」−「スイカ」(ベル07)
「ベル」−「チェリー」−「チェリー」(ベル07)
「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」(ベル08)
「赤7」−「リプレイ」−「ベル」(ベル09a)
である。
そして、左リール31の図柄は「ベル」図柄であることが既に確定しているので、この時点で停止可能となる図柄の組合せは、ベル07に係る図柄の組合せ(4種類)である。したがって、右リール31の停止時には、「スイカ」又は「チェリー」図柄を停止させる。「スイカ」又は「チェリー」図柄のいずれを停止させても、その時点で、停止可能となる図柄の組合せは2種類(たとえば、右リール31の停止時に「スイカ」図柄を停止させたときは、停止可能となる図柄の組合せは、「ベル」−「スイカ」−「スイカ」又は「ベル」−「チェリー」−「スイカ」)となる。
ここで、図2に示すように、右リール31の「スイカ」又は「チェリー」図柄のいずれかの図柄は、4図柄間隔、すなわち「PB=1」で配置されている。したがって、右リール31の停止時に、「スイカ」又は「チェリー」図柄のいずれかの図柄を有効ラインに停止させることができる。
そして、中第三停止時には、「スイカ」又は「チェリー」図柄を有効ラインに停止させる。図2に示すように、中リール31の「スイカ」又は「チェリー」のいずれかの図柄は、4図柄間隔、すなわち「PB=1」で配置されている。したがって、中リール31の停止時に、「スイカ」又は「チェリー」図柄のいずれかの図柄を有効ラインに停止させることができる。
以上より、ベルB1当選時に、左右中の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、
左リール(1/1)×中リール(1/1)×右リール(1/1)
=1/1(PB=1)
の確率で、1枚ベル(ベル07)を停止させることができる。
次に、ベルB1当選時において、中第一停止であるときは、以下のように停止制御する。
中第一停止時は、第一停止時に押し順不正解が確定する。したがって、第一停止時から、個数優先制御によってリール31を停止制御する。
ベルB1当選時における中第一停止時に、有効ラインに「スイカ」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「ベル」−「スイカ」−「スイカ」
「ベル」−「スイカ」−「チェリー」
である(2種類)。
また、中第一停止時に、有効ラインに「チェリー」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「ベル」−「チェリー」−「スイカ」
「ベル」−「チェリー」−「チェリー」
である(2種類)。
さらにまた、中第一停止時に、有効ラインに「リプレイ」を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」
「赤7」−「リプレイ」−「ベル」
である(2種類)。
以上において、本実施形態では、中第一停止時には、個数2種類となる場合のうち、有効ラインに「リプレイ」図柄を停止させるように定める。
中リール31の停止時に、「リプレイ」図柄は「PB=1」であるから、常に有効ラインに停止させることができる。
また、左リール31の停止時には、有効ラインに「赤7」図柄を停止可能であるときは「赤7」図柄を有効ラインに停止させる。なお、左リール31の「赤7」図柄は「PB≠1」配置である。一方、「赤7」図柄を停止させることができないときは、「リプレイ」図柄を有効ラインに停止させる。左リール31の「リプレイ」図柄は「PB=1」配置であるから、「リプレイ」図柄を常に有効ラインに停止させることができる。
さらにまた、右停止時には、有効ラインに「ベル」図柄を停止させる。右リール31の「ベル」図柄は「PB=1」配置であるから、「ベル」図柄を常に有効ラインに停止させることができる。
以上より、ベルB1当選時に、中第一停止であるとき、1枚ベルを有効ラインに停止させることができる確率は、
1/1(左リール31)×1/1(中リール31)×1/1(右リール31)
=1/1(PB=1)
となる。
次に、ベルB1当選時において、右第一停止であるときは、以下のように停止制御する。
右第一停止時は、第一停止時に押し順不正解が確定する。したがって、第一停止時から、個数優先制御によってリール31を停止制御する。
ベルB1当選時における右第一停止時に、有効ラインに「ベル」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」
「赤7」−「リプレイ」−「ベル」
である(2種類)。
また、右第一停止時に、有効ラインに「スイカ」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「ベル」−「スイカ」−「スイカ」
「ベル」−「チェリー」−「スイカ」
である(2種類)。
さらにまた、右第一停止時に、有効ラインに「チェリー」図柄を停止させると、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは、
「ベル」−「スイカ」−「チェリー」
「ベル」−「チェリー」−「チェリー」
である(2種類)。
以上において、本実施形態では、右第一停止時には、個数2種類となる場合のうち、有効ラインに「ベル」図柄を停止させるように定める。
したがって、右リール31の「ベル」図柄、左リール31の「赤7」又は「リプレイ」図柄、及び中リール31の「リプレイ」図柄は、いずれも、当該リール31において「PB=1」配置であるから、常に、これらの図柄を有効ラインに停止させることができる。
以上より、ベルB1当選時に、右第一停止であるとき、1枚ベルを有効ラインに停止させることができる確率は、
1/1(左リール31)×1/1(中リール31)×1/1(右リール31)
=1/1(PB=1)
となる。
ベルB2当選時においては、ベルB1当選時と同様に、123(左中右)が正解押し順となり、その押し順でストップスイッチ42を操作したときは、「PB=1」でベル01が入賞する。また、132(左右中)の押し順、中第一停止、及び右第一停止時には、いずれも、「PB=1」で1枚ベルが入賞する。
同様に、ベルB3又はB4の当選時においては、132(左右中)が正解押し順となり、その押し順でストップスイッチ42を操作したときは、「PB=1」でベル01が入賞する。また、123(左中右)の押し順、中第一停止、及び右第一停止時には、いずれも、「PB=1」で1枚ベルが入賞する。
図10は、ベルA1〜B4当選時における押し順ごとの置数及びメダル獲得期待値を示す図である。
図10に示すように、ベルA1〜B4当選時のうち、ベルA1〜A8当選時については、置数が「1260」に設定されており、ベルB1〜B4当選については、置数が「1620」に設定されている。これにより、ベル当選の合計置数は「16560」となり、合算の当選確率は、「16560/65536」≒「1/4」である。
また、図10では、各ベル当選において、押し順ごとのメダル獲得期待値を表示している。たとえばベルA1当選時の場合、正解押し順「213」であるときは、「PB=1」でベル01が入賞するので、メダル獲得期待値は「8」となる。また、押し順「231」であるときは、「PB=1」で1枚ベルが入賞するので、メダル獲得期待値は「1」となる。
さらにまた、左第一停止時は、「1/8」の確率で1枚役が入賞する。したがって、押し順「123」及び「132」のいずれであっても、メダル獲得期待値は、「0.125」となる。
さらに、右第一停止時は、「1/4」の確率で1枚役が入賞する。したがって、押し順「312」及び「321」のいずれであっても、メダル獲得期待値は、「0.25」となる。
そして、ベル押し順A1〜A8においては、いずれも、メダル獲得期待値は、正解押し順(1つ)で「8」であり、不正解押し順のうち1つ(第一停止時押し順正解時)で「1」、2つで「0.125」、2つで「0.25」となる。よって、その合計は、「9.75」となる。したがって、いずれかのベルA1〜A8当選であるときに、いずれか1つの押し順をランダムに選択したとき(ここでは、ペナルティ押し順を含める)のメダル獲得期待値は、「1.625(枚)」となる。
また、ベルB1当選時の場合、正解押し順「123」であるときは、「PB=1」でベル01が入賞するので、メダル獲得期待値は「8」となる。また、不正解押し順では、いずれの不正解押し順であっても、「PB=1」で1枚ベルが入賞するので、メダル獲得期待値は「1」となる。よって、その合計は、「13」となる。したがって、いずれかのベルB1〜B4当選であるときに、いずれか1つの押し順をランダムに選択したとき(ペナルティ押し順を含める)のメダル獲得期待値は、「約2.17(枚)」となる。
次に、いずれか1つの押し順を固定とし、その押し順をずっと継続した場合には、以下のようになる。たとえば、変則押しがペナルティ押し順に設定されることにより、非ART中は、ずっと「左中右」の押し順で遊技を消化するとする。この場合、図10に示すように、「置数×当該押し順のメダル獲得期待値」の合計は、
(1260×0.125)×8+1620×8×2+1620×1×2
=30420
となる。
そして、図10に示すように、この値は、いずれの押し順であっても同一値となる。
この値を「65536」で割ると、
30420/65536
≒0.46(枚)(ベル当選に基づくメダル獲得期待値)
となる。
以上より、ずっと同一押し順で遊技を消化したとき(ペナルティ押し順を含む)、押し順による優劣はなく、ベル当選によるメダル獲得期待値は、1遊技あたり、「0.46(枚)」となる。
さらに、いずれの押し順であってもベル当選に基づくメダル獲得期待値は同一であるので、押し順をランダムにして遊技を進行したとき(ペナルティ押し順を含む)と、上記のようにずっと同一押し順(たとえば左中右の順押し)で遊技を消化したときとで、メダル獲得期待値は同一となる。
ここで、従来技術との対比について説明する。
従来技術において、順押し時の正解(出率)が低くなり、変則押し時の正解(出率)が高くなるように押し順ベルの当選比率を割り当てたスロットマシンが知られている。具体的には、順押し時には押し順ベルの正解押し順となる確率を低く設定し、変則押し時には押し順ベルの正解押し順となる確率を高く設定したものである。
このように設定した場合、ストップスイッチ42の押し順をランダムにして遊技を消化したとき、出率は一定値となる。しかし、たとえば押し順を順押しに固定して遊技を消化したときは出率は低くなり、押し順を変則押しに固定して遊技を消化すると出率は高くなる。このため、変則押しをペナルティ押し順に設定し、遊技者には、非ART中は順押しで遊技を消化させることで、非ART中(通常時)のベースを下げることでができた。さらに、その分、ART中の出率を高く設定することができた。
しかし、近時、どの押し順に固定して遊技を消化しても、出率が一定値を満たすように(たとえば55%以上になるように)設定すべきとの考えがある。なお、この出率は、特別役当選時に特別遊技に移行したときの獲得メダルを含めた値である。
そこで、本実施形態では、図10に示したように、どの押し順に固定して遊技を消化しても、ベル当選に基づくメダル獲得期待値は、
30420/65536≒0.46(枚)
となるように設定した。
これにより、どの押し順に固定して遊技を消化しても、ベル当選に基づくメダル獲得枚数期待値に変化はないので、公平性を担保することができる。さらに、どの押し順に固定して遊技を消化しても、出率に有利/不利が生じないので、遊技者は、あえて変則押しで遊技を行う実益がなくなる。同時に、スロットマシン10の出率からみると、変則押しで遊技が行われたとしても、ベル当選に基づくメダル獲得期待値は変化しないので、変則押しをペナルティに設定する必要性も薄れる。これにより、ペナルティの設定が不要になる可能性がある。
ただし、本実施形態では、変則押しをすると、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1が入賞する可能性があり、特殊リプレイ1が入賞すると、リプレイ当選確率が高いRT2に移行するおそれがある。そこで、リプレイ当選確率が高いRT2に移行してしまうことを防止するためには、ペナルティの設定が必要となる可能性もある。
チェリー重複テーブルは、チェリー01〜04の重複当選となったときに用いられ、チェリー01〜04のいずれかを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図6に示すように、チェリー01〜04の左リール31の図柄は、いずれも「チェリー」図柄である。そして、図2に示すように、左リール31では、05番及び13番に「チェリー」図柄が配置されている。したがって、「チェリー」図柄は、「PB≠1」配置である。ただし、チェリー重複当選時にその旨が遊技者に報知され、遊技者が「チェリー」図柄が有効ラインに停止するように左リール31を目押しすれば、「チェリー」図柄を有効ラインに停止させることができる。また、左リール31を任意の位置で停止させたとき、「1/2」の確率で「チェリー」図柄が有効ラインに停止する。
また、中リール31の図柄は、「ANY」であるので、中リール31の停止時には、いずれの図柄を有効ラインに停止させてもよい。
さらにまた、右リール31の停止時には、「赤7」、「BAR」、「青7」、又は「白7」図柄のいずれかを有効ラインに停止させる。これら4つのうちのいずれかの図柄を有効ラインに停止させれば、いずれかのチェリー01〜04が入賞可能となるからである。
ここで、図2に示すように、「赤7」、「BAR」、「青7」、「白7」図柄は、4図柄間隔配置である。したがって、「PB=1」で、いずれかの図柄を有効ラインに停止させることができる。
これにより、チェリー当選時には、左リール31のみ、目押しが必要となる。また、チェリー重複当選時に、全く目押しを行うことなく全リール31を停止させたときに、いずれかのチェリーが入賞する確率は、「1/2」となる。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ66aがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
1BBの当選を持ち越しているとき(内部中)にいずれかの小役又はリプレイに当選したときは、小役又はリプレイの入賞を優先する停止位置決定テーブルを用いてリール31を停止制御する。
先ず、内部中遊技のリプレイ当選時は、リプレイの入賞を優先するが、リプレイは、常に入賞可能(PB=1)である。したがって、当該遊技で1BBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技のチェリー当選時は、チェリーの入賞を優先するが、左第一停止時に、有効ラインに「チェリー」図柄を停止させることができないが、1BBに係る「BAR」図柄を停止可能であるときは、「BAR」図柄を停止させ、1BBを入賞可能な停止形とする。
さらにまた、内部中遊技のベル当選時は、ベルの入賞を優先するが、順押し時に、1枚ベルに係る図柄を有効ラインに停止させることができないが、1BBに係る「BAR」図柄を停止可能であるときは、「BAR」図柄を停止させ、1BBを入賞可能な停止形とする。
メインCPU62の入賞判定手段62dは、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。入賞判定手段62dは、たとえばリールセンサ39がインデックスを検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。ただし、入賞判定手段62dは、ストップスイッチ42が操作され、リール31の停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
メインCPU62の払出し手段62eは、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したと判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出す。払出しは、上述したように、貯留枚数として加算するか、又は貯留枚数が「50」を超えるときは実際にメダルを払出し口14から払い出す。メダルを実際に払い出すときは、ホッパーモータ36を駆動制御して、所定枚数のメダルを払い出す。メダルの払出し時には、払い出されたメダルを払出しセンサ37a及び37bにより検知し、正しく払い出されたか否かをチェックする。
遊技状態制御手段62fは、遊技状態の移行条件を満たすか否かを判断し、満たすと判断したときは、遊技状態を移行させるように制御する。さらに、遊技状態制御手段62fは、ARTを実行するか否かを(抽選で)決定する。
図11は、遊技状態(内部状態を含む)の移行を説明する図である。以下、図11を参照しつつ、状態制御手段62fついて説明する。
本実施形態の遊技状態としては、通常遊技と1BB遊技(特別遊技)とを備える。さらに、通常遊技は、非内部中遊技と内部中遊技とを備える。さらに、非内部中遊技は、RT1及びRT2を備える。
遊技状態制御手段62fは、非内部中遊技(RT1及びRT2)において1BBに当選し、当該遊技で1BBが入賞しなかったときは、次遊技から、内部中遊技に移行させるように制御する。さらに、内部中遊技において、1BBが入賞したときは、次遊技から、1BB遊技に移行させるように制御する。そして、1BB遊技において1BB遊技の終了条件を満たすときは、次遊技から、非内部中遊技(RT1)に移行させるように制御する。
なお、RT2は、ART遊技に設定されている。したがって、RT2中に1BBに当選したときは、RT2をその時点で中断し、内部中遊技に移行する。そして、1BB遊技の終了後、RT2に戻って、残りのARTを実行する。
なお、ART(RT2)中に1BBに当選したときは、1BBが非入賞であれば、ARTを継続し(内部中ARTとする)、ARTの終了後に1BBを入賞させてもよい。
RT1は、非ATかつリプレイ当選確率が通常確率に設定された、いわゆる「通常中」である。そして、遊技状態制御手段62fは、このRT1中に、ARTの抽選を実行する。RT1においてARTに当選し、特殊リプレイ1が入賞すると、RT2(ART)に移行する。RT2(ART)は、AT遊技であって、かつ、役抽選テーブルはRT1と異なる(リプレイ当選確率が高確率に設定された)遊技である。RT2は、ATかつRT(リプレイの当選確率が高いことを意味するRT)であるので、「ART」と称している。
また、本実施形態における「AT」は、ストップスイッチ42の操作態様に応じて、当該遊技の遊技結果又はその後の遊技において有利/不利が生じる役に当選したときに、遊技者にとって最も有利となるストップスイッチ42の操作態様を遊技者に対して報知する遊技(報知遊技)をいう。特に本実施形態では、第1に、ベル当選時に、正解押し順(8枚の払出しとなる押し順)を報知する。さらに第2に、リプレイ重複当選時には、特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。これにより、RT1(非ART)であるときは、RT2(ART)に移行することが可能となり、RT2(ART)中は、ARTの終了条件を満たさない限り、RT1に転落することがなくなる。
非ART中は、ベル当選時に正解押し順を報知しない。さらに、非ART中は、左第一停止指示であり、変則押し(中又は右第一停止)はペナルティとなる。
図11に示すように、非ARTは、内部状態として、ARTに当選する確率が異なる低確率、通常確率、及び高確率と、ART当選後の前兆とを備える。ここで、「内部状態」とは、遊技状態とは異なる概念であって、一つの遊技状態中に、複数の内部状態を備えるものである。本実施形態では、RT1(非ART)において、上記4つの内部状態を備える。
さらに、低確率、通常確率、又は高確率中にARTに当選すると、ARTに当選しているがARTの開始前の遊技期間である前兆に移行する。この前兆中において、ARTに当選していることを遊技者に報知する。
また、前兆の終了後、リプレイ重複当選となったときに、特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。当該遊技で特殊リプレイ1が入賞すると、RT1からRT2(ART)への移行条件を満たし、次遊技からRT2を開始する。
さらにまた、RT2(ART)は、内部状態として、ARTの遊技回数が上乗せされる期待値が異なる通常確率と高確率とを備える。
これらの内部状態の移行は、当該遊技における当選役によって行われる。また、一つの内部状態から他の内部状態に移行するときは、前記一つの内部状態における遊技終了時(全リール31が停止して当該遊技の遊技結果を表示した時)に行われる。
本実施形態では、内部状態を移行させるか否か、及びいずれの内部状態に移行させるかを抽選(移行抽選)で決定する。そして、前兆に移行させることに決定したときが、ARTの当選に相当する。すなわち、前兆移行の決定が、ATR当選を意味する。したがって、ARTを実行するか否かの抽選は、遊技状態制御手段62fによって実行される。このため、遊技状態制御手段62fは、ART(報知遊技)制御手段を兼ねるものである。
RT1の内部状態では、低確率、通常確率、高確率間を移行する。たとえば、以下のように設定される。
(1)低確率中
チェリー当選時、40%の確率で通常確率に移行し、10%の確率で高確率に移行し、1%の確率で前兆に移行する(49%の確率で移行なし)。
(2)通常確率中
a)チェリー当選時、50%の確率で高確率に移行し、20%の確率で前兆に移行する(30%の確率で移行なし)。
b)リプレイ当選時、5%の確率で低確率に移行する(95%の確率で移行なし)。
(3)高確率中
a)チェリー当選時、100%の確率で前兆に移行する。
d)リプレイ当選時、5%の確率で通常確率に移行し、3%の確率で低確率に移行する(92%の確率で移行なし)。
なお、通常確率中及び高確率中に、変則押しが行われたことによりペナルティ状態に設定された場合には、ARTの当選確率がそれまでよりも低い内部状態に移行させるか、又は内部状態はそのままにして、ペナルティ状態中はARTの抽選を行わない(あるいは、極めて低確率でしか当選しない特殊な状態とする)ことが挙げられる。
なお、変則押し(ペナルティ状態に設定)に基づき内部状態を移行させたときは、ペナルティ状態を終了するときは、変則押し前の内部状態に移行させる。内部状態をペナルティ状態前の状態に戻すことが、実質上のペナルティ状態の解除となる。
以上のことは、ART中も同様に設定可能である。ART中は、一切、ペナルティ状態に設定しないようにしてもよい。一方、たとえば、報知した押し順と異なる押し順でストップスイッチ42を操作した場合には、ペナルティ状態に設定し、内部状態が高確率であるときは、(所定確率で)低確率に移行させるか、あるいは内部状態はそのままにしてARTの遊技回数の上乗せ抽選を行わない(あるいは、極めて低確率でしか上乗せされない特殊な状態とする)ことが挙げられる。
(4)前兆中
遊技状態制御手段62fは、上記のような抽選において前兆に移行することに決定したときは、前兆の遊技回数を、「4」、「8」、「12」、「16」、「20」、「24」、「28」、「32」の中から抽選(前兆遊技回数抽選)で決定し、カウンターにその値をセットする。そして、カウンター値を毎遊技「1」ずつ減算し、「0」となったときは、前兆を終了する。また、前兆中のいずれかの時点で、ARTの当選報知を行う。なお、一旦前兆に移行したときは、前兆から、低確率、通常確率、又は高確率に移行する場合はない。また、ARTに当選したときは、その時点でART確定である旨を報知し、前兆を経由しなくてもよい(前兆の遊技回数を「0」にする)。
また、前兆の終了時は、ART確定演出を表示し、リプレイ重複当選となるまで待機する。そして、RT1においてリプレイ重複当選となったときに、特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。なお、前兆終了後は、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知するが、ベル当選時には正解押し順を報知しない。
なお、RT1において、非ART中は、順押しで遊技が消化されるので、リプレイ重複当選となった遊技では、特殊リプレイ2が入賞する。そして、RT1において特殊リプレイ2が入賞してもRT移行はない。
RT1において特殊リプレイ1が入賞すると、次遊技から、RT2(ART)に移行する。
RT2(ART)では、ARTの終了条件を満たすまで、ベル当選時に正解押し順が報知される。また、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。なお、RT2において特殊リプレイ2が入賞するとRT1に移行するが、特殊リプレイ1が入賞してもRT移行はない。
また、ARTに当選していない非ART(報知なし時)において、リプレイ重複当選時に遊技者が変則押しをし、特殊リプレイ1を入賞させても、遊技状態制御手段62fは、ARTを開始しない。また、次遊技から、ペナルティ状態に設定する。
ただし、RT1において特殊リプレイ1が入賞すると、次遊技からRT2に移行する。しかし、偶然にRT1からRT2に移行しても、そのRT2で順押しを継続していれば、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ2が入賞してRT1に戻る。
特に、本実施形態のように、ストップスイッチ42の押し順が左第一停止以外はペナルティ状態となるように設定するとともに、リプレイ重複当選時に左第一停止時には特殊リプレイ2が入賞するように設定しておけば、RT2に移行してしまう可能性を低く設定することができる。
なお、意図的な変則押しによりRT2に移行し、リプレイの当選確率が高くなったとしても、ペナルティ状態に設定されるので、遊技者には不利となる。また、意図的に変則押しをしてRT2に滞在しても、ベル当選時に正解押し順は報知されない。その結果、出率は、100%を下回るので、そのような操作がされたとしても攻略法にはならない。
ARTの終了条件としては、種々挙げられる。たとえば、
(1)遊技回数が所定回数(たとえば初期遊技回数を「50」とし、この「50」に「N」が上乗せされた場合には、「50+N」)に到達したとき
(2)払出し枚数又は差枚数(払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)が所定枚数(たとえば、300枚)に到達したとき
(2)ベル当選回数(正解押し順時)が所定回数(たとえば40回)に到達したとき
が挙げられる。
また、ART中は、上述したように、内部状態として、通常確率と高確率とを有する。たとえば第1に、ARTの開始時は常に通常確率に設定する方法と、ARTを開始するまでに、ARTの初期内部状態を通常確率とするか高確率とするかを抽選で決定する方法とが挙げられる。
本実施形形態では、ART中にレア小役であるチェリーに当選したときには、ARTの上乗せ抽選を行う。そして、通常確率よりも高確率の方が、上乗せされる確率が高く、かつ遊技回数が多くなるように設定する。
たとえば、ARTの終了条件を遊技回数とし、遊技回数の初期値を「50」に設定する。そして、チェリー当選時に、遊技回数を上乗せするか否か、及び上乗せ遊技回数を抽選(上乗せ遊技回数抽選)で決定する。上乗せ遊技回数を決定したときは、その時点でのARTの残り遊技回数に上乗せ遊技回数を加算する処理を行う。
たとえば、以下のようなパターンが挙げられる。
(1)通常確率中
チェリー当選時、上乗せ数は、「5」(16%)、「10」(24%)、「20」(36%)、「30」(12%)、「50」(8%)、「100」(4%)の中から抽選で決定する。
(2)高確率中
チェリー当選時、上乗せ数は、「10」(25%)、「50」(25%)、「100」(25%)、「200」(25%)の中から抽選で決定する。
また、ART中における通常確率と高確率の移行は、役の抽選結果や、役抽選とは別個に行う抽選で行うことが挙げられる。
役抽選結果に基づいて内部状態を移行する場合、たとえば、通常確率中は、チェリー当選時の50%で高確率に移行することが挙げられる。
また、高確率中は、リプレイ当選時の10%で通常確率に移行することが挙げられる。
遊技状態制御手段62fは、RT2への移行後は、特殊リプレイ2が入賞しない限り、RT2に滞在し続ける。RT2で特殊リプレイ2が入賞して初めて、RT1に移行する。
これに対し、RT2においてARTを終了したときは、次遊技から、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1を入賞させる押し順や、ベル当選時の正解押し順を報知しない。したがって、遊技状態の移行(RT2からRT1への移行)と、ARTの終了のタイミングとは必ずしも一致するものではない。
なお、非ATとATとで、同一のRT状態(リプレイの当選確率が同一)に設定することも可能である。
たとえば、ATにおけるリプレイの当選確率を、非ATにおけるリプレイの当選確率(約1/7.3)と同一に設定することが挙げられる。
また、非ATとATとで、リプレイの当選確率を、たとえば1/2程度の確率(1/7.3よりも高い確率)に設定してもよい。
しかし、本実施形態のように、ATとなるRT2でのみリプレイの当選確率を高く設定し(ARTとし)、非ATであるRT1では、リプレイの当選確率を通常確率である約1/7.3程度に設定すれば、非AT中におけるリプレイを含む出率(ベース)を下げることができる。これにより、左第一停止時に押し順正解となるベルを設けることが十分に可能となる。
ただし、非AT中におけるリプレイの当選確率を約1/2程度に設定した場合であっても、左第一停止時に押し順正解となるベルを設けることができないわけではない。左第一停止時に押し順正解となるベルの当選確率を調整することによって、適切なベースに設定することができる。
次に、図12〜図17に基づいて、本実施形態における移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選について説明する。
図12は、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選の当選番号と抽選結果との関係を説明する図である。
図12では、当選番号1〜4は、移行抽選で用い、当選番号5〜12は、前兆遊技回数抽選で用い、当選番号13〜19は、上乗せ遊技回数抽選で用いる。
また、たとえば、当選番号1は、前兆に移行させる抽選結果に対応し、当選番号5は、前兆遊技回数を4遊技とする抽選結果に対応し、当選番号13は、上乗せ遊技回数を5遊技とする抽選結果に対応する。
図13は、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選で用いる置数テーブルを示す図である。
ここで、「置数」とは、乱数生成回路(乱数生成手段)が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す値である。
本実施形態では、メイン制御基板60上のMPUは、2バイトの乱数を生成する乱数生成回路を備える。また、乱数生成回路が生成する乱数値がとる全範囲は、「65536」(0〜65535)である。このため、当選確率=「置数/65536」となる。
図13では、たとえば、アドレス「0x00」に対応するデータ「00000010」を上位桁とし、次のアドレス「0x01」に対応するデータ「10001111」を下位桁として16ビット(2バイト)データとしたものが、置数番号1の置数となる。置数番号1の置数は、10進数で「655」であるので、置数番号1の置数での当選確率は、「655/65535」(約1%)となる。
また、「DEFW」とは、アセンブリ言語で「メモリ上に2バイト(16ビット)の領域を確保し、そこにデータを記憶する」という擬似命令である。
たとえば、プログラム1行目の「DEFW 655」は、「メモリ上に2バイトの領域を確保し、そこに「655」(10進数)を「0000001010001111」(2進数)に変換して記憶する」ことを意味する。また、プログラム1行目のコメント「;置数番号1」は、「655」が置数番号1の置数であることを示している。
「DEFW 655」が実行されると、たとえば、メモリ上のアドレス「0x00」(16進数)に対応する1バイトの領域に「00000010」(上位1バイト)が記憶され、次のアドレス「0x01」に対応する1バイトの領域に「10001111」(下位1バイト)が記憶される。
図13に示すように、置数テーブルは、置数番号1〜15の置数を定めている。
置数番号1〜7の置数は、移行抽選で用い、置数番号8の置数は、前兆遊技回数抽選で用い、置数番号9〜15の置数は、上乗せ遊技回数抽選で用いる。
また、図13では、置数テーブルは、メモリ上のアドレス「0x00」〜「0x1D」に対応する領域を使用する。したがって、置数テーブルが使用するバイト数は、合計で30バイトとなる。
図14は、移行抽選テーブルを示す図である。
図14に示すように、移行抽選テーブルとして、
(1)低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル
(2)通常確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル
(3)高確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル
(4)通常確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブル
(5)高確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブル
を備えている。
移行抽選テーブルは、置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めたものである。
また、低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルは、RT1(非ART)の低確率状態において、役抽選手段62bでチェリーに当選したときに用いるものである。
同様に、通常確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルは、RT1の通常確率状態でチェリー当選時に用い、高確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルは、RT1の高確率状態でチェリー当選時に用い、通常確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブルは、RT1の通常確率状態でリプレイ当選時に用い、高確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブルは、RT1の高確率状態でリプレイ当選時に用いる。
各移行抽選テーブルは、置数番号をXとし、当選番号をYとし、置数番号の最小値をXminとし、当選番号の最大値をYmaxとし、置数番号に応じて定めたオフセット値をZとし、当選番号に応じて定めた定数をaとしたときに、
(1)(X−Z)×a+Y≦255(1バイト)
(2)a>Ymax
(3)(Xmin−Z)≧1
を満たすように定めている。
そして、各移行抽選テーブルは、「(X−Z)×a+Y」の演算で得た数値を抽選データとしてメモリに記憶している。
なお、オフセット値及び定数aについては、後述する。
たとえば、図14(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルでは、プログラム1行目には、オフセット値に関する事項が記述され、2行目以降には、抽選データに関する事項が記述されている。
また、「DEFB」とは、アセンブリ言語で「メモリ上に1バイト(8ビット)の領域を確保し、そこにデータを記憶する」という擬似命令である。
たとえば、プログラム1行目の「DEFB 1−1」は、「メモリ上に1バイトの領域を確保し、そこに「1−1」の演算結果である「0」(10進数)を「00000000」(2進数)に変換して記憶する」ことを意味する。また、プログラム1行目のコメント「;オフセット値」は、「1−1」の演算結果(=「0」)がオフセット値であることを示している。
「DEFB 1−1」が実行されると、たとえば、メモリ上のアドレス「0x20」に対応する1バイトの領域に「00000000」が記憶される。
プログラム2行目の「DEFB (1−0)×20+1」は、「メモリ上に1バイトの領域を確保し、そこに「(1−0)×20+1」の演算結果である「21」(10進数)を「00010101」(2進数)に変換して記憶する」ことを意味する。また、プログラム2行目のコメント「;置数番号1,当選番号1」は、「(1−0)×20+1」の演算式が置数番号1と当選番号1とを関連付けたものであることを示している。
「DEFB (1−0)×20+1」が実行されると、たとえば、メモリ上のアドレス「0x21」に対応する1バイトの領域に「00010101」が記憶される。
プログラム5行目の「DEFB 0×20+4」は、「メモリ上に1バイトの領域を確保し、そこに「0×20+4」の演算結果である「4」(10進数)を「00001000」(2進数)に変換して記憶する」ことを意味する。また、プログラム5行目のコメント「;置数番号−,当選番号4」は、「0×20+4」の演算式が当選番号4に対応するものであることを示している。
さらに、プログラム5行目では、(X−Z)に相当する数値が「0」に設定され、プログラム5行目のコメントでは、置数番号が「−」(ブランク)と記載されている。これは、プログラム5行目の抽選データが用いられるときは、必ず当選番号4に当選することを意味する。具体的な抽選処理については、後述する。
なお、たとえば、置数テーブルに置数番号16として「32114」を定めるとともに、低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルのプログラム5行目に、「DEFB (16−0)×20+4 ;置数番号16,当選番号4」のように記述しても、同一の抽選結果(当選番号4)を得ることができる。この場合、低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルに関連付けられた置数は、合計で「65536」になる。
しかし、(X−Z)に相当する数値が「0」のときは必ず当選するように抽選処理を行うと、置数番号16の「32114」を置数テーブルに定めなくても済むので、その分(2バイト分)のメモリ容量を削減することができる。
また、図14(3)の高確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルでは、プログラム2行目に、「DEFB 0×20+1 ;置数番号−,当選番号1」と記述されている。上述したように、(X−Z)に相当する数値が「0」に設定されている場合、その抽選データが用いられるときは必ず当選する。
ここで、高確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルでは、抽選データに関するプログラムの最初の行(2行目)で、(X−Z)に相当する数値が「0」に設定されている。このため、高確率状態でチェリーに当選したときは、必ず当選番号1に当選する(100%の確率で前兆に移行する)。
なお、本実施形態では、乱数値がとる全範囲は、「65536」(0〜65535)である。このため、置数が「65536」のときに、当選確率が100%になる。しかし、2バイトで記述できる数値の最大値は、「65535」である。よって、置数を2バイトで記述すると、当選確率を100%にすることができない。
そこで、本実施形態では、当選確率を100%にするときは、抽選データに関するプログラムの最初の行で、(X−Z)に相当する数値を「0」に設定している。また、置数「65536」を定めずに、(X−Z)に相当する数値を「0」に設定することで、メモリ容量を削減することができる。
また、図14では、5つの移行抽選テーブル((1)低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル〜(5)高確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブル)は、メモリ上のアドレス「0x20」〜「0x31」に対応する領域を使用する。
したがって、5つの移行抽選テーブルが使用するバイト数は、合計で18バイトとなる。
図15は、前兆遊技回数抽選テーブルを示す図である。
前兆遊技回数抽選テーブルは、移行抽選テーブルと同様に、置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めたものである。
また、前兆遊技回数抽選テーブルは、「(X−Z)×a+Y≦255」かつ「a>Ymax」かつ「(Xmin−Z)≧1」を満たすように定め、「(X−Z)×a+Y」の演算で得た数値を抽選データとしてメモリに記憶していることも、移行抽選テーブルと同様である。
さらに、図15では、前兆遊技回数抽選テーブルは、メモリ上のアドレス「0x32」〜「0x3A」に対応する領域を使用する。したがって、前兆遊技回数抽選テーブルが使用するバイト数は、合計で9バイトとなる。
図16は、上乗せ遊技回数抽選テーブルを示す図である。
図16に示すように、上乗せ遊技回数抽選テーブルとして、
(1)通常確率用上乗せ遊技回数抽選テーブル
(2)高確率用上乗せ遊技回数抽選テーブル
を備えている。
通常確率用上乗せ遊技回数抽選テーブルは、RT2(ART)の通常確率状態でチェリーに当選したときに用いるものであり、高確率用上乗せ遊技回数抽選テーブルは、RT2の高確率状態でチェリーに当選したときに用いるものである。
また、上乗せ遊技回数抽選テーブルは、移行抽選テーブル及び前兆遊技回数抽選テーブルと同様に、置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めたものである。
さらにまた、上乗せ遊技回数抽選テーブルは、「(X−Z)×a+Y≦255」かつ「a>Ymax」かつ「(Xmin−Z)≧1」を満たすように定め、「(X−Z)×a+Y」の演算で得た数値を抽選データとしてメモリに記憶していることも、移行抽選テーブル及び前兆遊技回数抽選テーブルと同様である。
さらに、図16では、通常確率用上乗せ遊技回数抽選テーブル及び高確率用上乗せ遊技回数抽選テーブルは、メモリ上のアドレス「0x3B」〜「0x46」に対応する領域を使用する。
したがって、通常確率用上乗せ遊技回数抽選テーブル及び高確率用上乗せ遊技回数抽選テーブルが使用するバイト数は、合計12でバイトとなる。
このように、各抽選テーブルにおいて、「(X−Z)×a+Y≦255」かつ「a>Ymax」かつ「(Xmin−Z)≧1」を満たすように定め、「(X−Z)×a+Y」の演算で得た数値を抽選データとしてメモリに記憶することにより、置数番号X及び当選番号Yを1バイトのデータとして記憶することができるので、置数番号X及び当選番号Yを別々に記憶した場合と比較してデータを圧縮することができ、メモリ容量を削減することができる。
また、抽選を行うときは、抽選テーブルから抽選データを取得し、取得した抽選データを定数aで除算して、商と余りとを算出する。そして、商にオフセット値Zを加算して得た数値を置数番号Xとして使用し、余りを当選番号Yとして使用する。具体的な抽選処理については、後述する。
ところで、抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、余りを当選番号として使用するためには、定数aは常に当選番号より大きい数値でなければならないので、「定数a>当選番号の最大値」が条件となる。本実施形態では、定数aは、「当選番号の最大値+1」に設定している。具体的には、定数aは、当選番号の最大値である「19」に「1」を加算した「20」に設定している。
なお、定数aは、当選番号の最大値より大きい数値であればよく、「当選番号の最大値+1」に限定されるものでない。
また、データを圧縮して、メモリ容量を削減するためには、抽選データを、1バイトで記述可能な「255」以下にすることが好ましい。
しかし、本実施形態では、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選で一連の置数番号及び当選番号を定めており、置数番号の最大値は「15」であり、当選番号の最大値は「19」である。このため、置数番号の最大値の「15」に対して、定数aの「20」を乗算すると、「300」となり、抽選データを1バイトで記述することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、置数番号からオフセット値を減算して得た数値に対して定数aを乗算し、これに当選番号を加算して抽選データとすることにより、抽選データを1バイトで記述することができるようにしている。
具体的には、たとえば、置数番号の最大値が「15」であり、当選番号の最大値が「19」であり、定数aが「20」である場合、抽選データを「255」以下にするためには、オフセット値Zは、「(15−Z)×20+19≦255」を満たすように、すなわち「Z≧3.2」に設定すればよい。
このように、オフセット値は、抽選データを1バイトで記述できるように調整するためのものであり、抽選テーブルごとに置数番号の最小値に応じて定められるものである。
また、本実施形態では、(X−Z)に相当する数値が「0」に設定されている場合、その抽選データが用いられるときは必ず当選するように抽選処理を行う。このため、「オフセット値<抽選テーブルごとの置数番号の最小値」が条件となる。本実施形態では、オフセット値は、「抽選テーブルごとの置数番号の最小値−1」に設定している。
具体的には、たとえば、図14(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルでは、オフセット値は、当該抽選テーブルにおける置数番号の最小値である「1」から「1」を減算した「0」に設定している。
また、図16(1)の通常確率用上乗せ遊技回数抽選テーブルでは、オフセット値は、当該抽選テーブルにおける置数番号の最小値である「9」から「1」を減算した「8」に設定している。
さらにまた、図16(2)の高確率用上乗せ遊技回数抽選テーブルでは、オフセット値は、当該抽選テーブルにおける置数番号の最小値である「15」から「1」を減算した「14」に設定している。
なお、オフセット値は、抽選テーブルごとの置数番号の最小値より小さい数値であればよく、「抽選テーブルごとの置数番号の最小値−1」に限定されるものでない。
また、本実施形態では、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選で共通の置数テーブルを使用し、移行抽選では置数番号1〜7の置数を使用し、前兆遊技回数抽選では置数番号8の置数を使用し、上乗せ遊技回数抽選では置数番号9〜15の置数を使用するが、異なる種類の抽選で同一の置数番号の置数を使用することもできる。
さらにまた、本実施形態では、図14(4)の通常確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブルと、図14(5)の高確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブルとで、置数番号3の置数を使用する。このように、異なる抽選テーブルで同一の置数番号の置数を使用することもできる。
さらに、本実施形態では、図15の前兆遊技回数抽選テーブルで、置数番号8の置数を8回使用する。このように、1つの抽選テーブルで同一の置数番号の置数を複数回使用することもできる。
そして、異なる種類の抽選で同一の置数番号の置数を使用したり、異なる抽選テーブルで同一の置数番号の置数を使用したり、1つの抽選テーブルで同一の置数番号の置数を複数回使用することにより、1つのデータを共用することができるので、メモリ容量を削減することができる。
図17は、第1実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101において、メイン制御基板60は、乱数値を取得する。具体的には、MPUに備えられている2バイトの乱数生成回路から乱数値を取得してDEレジスタに記憶する。また、乱数値の取得は、たとえば、スタートスイッチ41の操作時等、種々のタイミングで行うことができる。そして、次のステップS102に進む。
ステップS102では、メイン制御基板60は、使用する抽選テーブルを指定する。具体的には、使用する抽選テーブルの先頭アドレスをHLレジスタに記憶する。たとえば、RT1(非ART)の低確率状態においてチェリーに当選したときは、図14(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルを使用するので、その先頭アドレスである「0x20」をHLレジスタに記憶する。そして、次のステップS103に進む。
ステップS103では、メイン制御基板60は、指定した抽選テーブルに定められたオフセット値を取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(オフセット値)を、Cレジスタに記憶する。そして、次のステップS104に進む。
ステップS104では、メイン制御基板60は、指定した抽選テーブルに定められた抽選データを取得する。具体的には、HLレジスタの値に「1」を加算することでHLレジスタが示すアドレスを更新し、更新後のアドレスに対応するデータ(抽選データ)をAレジスタに記憶する。そして、次のステップS105に進む。
ステップS105では、メイン制御基板60は、取得した抽選データを定数aで除算し、商と余りとを求める。具体的には、Aレジスタの値を定数aで除算し、商をAレジスタに記憶し、余りをBレジスタに記憶する。そして、次のステップS106に進む。
ステップS106では、メイン制御基板60は、ステップS105で算出した商が「0」か否かを判断する。具体的には、Aレジスタの値が「0」か否かを判断する。ここで、商が「0」であると判断したときは、ステップS111に進む。これに対し、商が「0」でないと判断したときは、次のステップS107に進む。なお、商が「0」になるのは、抽選データにおける(X−Z)に相当する値が「0」に設定されているときである。
ステップS107では、メイン制御基板60は、商とオフセット値とに基づいて置数のアドレスを算出する。
具体的には、Bレジスタ、Cレジスタ、HLレジスタのデータをスタック領域に待避させる。次に、置数テーブルの先頭アドレスの値から「2」を減算してHLレジスタに記憶する。ここで、「2」を減算するのは、置数テーブルには、2バイトの置数データの上位1バイトを一のアドレスに対応する領域に記憶し、下位1バイトを次のアドレスに対応する領域に記憶するためである。なお、1バイトの置数データを記憶する場合には、「1」を減算する。
次に、Aレジスタの値にCレジスタの値を加算して新たなAレジスタの値とする。次に、Aレジスタの値にAレジスタの値を加算して新たなAレジスタの値とする。すなわち、Aレジスタの値を2倍にする。ここで、Aレジスタの値を2倍にするのは、上述したように、2バイトの置数データの上位1バイトを一のアドレスに対応する領域に記憶し、下位1バイトを次のアドレスに対応する領域に記憶するためである。なお、1バイトの置数データを記憶する場合には、Aレジスタの値を2倍にする必要はない。
次に、HLレジスタの値にAレジスタの値を加算して新たなHLレジスタの値とする。そして、次のステップS108に進む。
ステップS108では、メイン制御基板60は、算出したアドレスに対応する置数を取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(置数)を、BCレジスタに記憶する。そして、次のステップS109に進む。
ステップS109では、メイン制御基板60は、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とする。具体的には、スタック領域からHLレジスタのデータを復元する。次に、DEレジスタのデータとHLレジスタのデータとを交換する。次に、HLレジスタの値からBCレジスタの値を減算して新たなHLレジスタの値とする。次に、DEレジスタのデータとHLレジスタのデータとを交換する。次に、スタック領域からBレジスタ、Cレジスタのデータを復元する。そして、次のステップS110に進む。
ステップS110では、メイン制御基板60は、ステップS109で算出した新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断する。具体的には、DEレジスタの値が「0」より小さいか否かを判断する。ここで、「0」より小さいと判断したときは、次のステップS111に進む。これに対し、「0」以上であると判断したときは、ステップS104に戻る。なお、ステップS109でHLレジスタの値からBCレジスタの値を減算して「0」より小さくなると(桁下がりすると)、キャリーフラグが立つ。そして、ステップS110では、キャリーフラグが立っているか否かを判断することで、「0」より小さいか否かを判断する。
ステップS111では、メイン制御基板60は、余りの値を当選番号として決定する。具体的には、Bレジスタの値をAレジスタに記憶する。
たとえば、当選番号を「1」に決定したときは、RT1(非ART)の内部状態を前兆状態に移行させることに決定する(当選番号1に対応する抽選結果)。また、当選番号を「12」に決定したときは、前兆遊技回数を32遊技に決定する(当選番号12に対応する抽選結果)。さらにまた、当選番号を「18」に決定したときは、上乗せ遊技回数を100遊技に決定する(当選番号18に対応する抽選結果)。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
このように、本実施形態の抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブル(移行抽選テーブル等)からオフセット値及びn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得する。
また、取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商にオフセット値を加算して得た数値を置数番号Xnとし、余りを当選番号Ynとする。
さらにまた、取得した乱数値から、置数番号Xnに対応する置数を減算することにより、乱数値を更新する。
さらに、更新後の乱数値が規定値N1(N1=0)以上のときは、抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得する。
また、取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商にオフセット値を加算して得た数値を置数番号X(n+1)とし、余りを当選番号Y(n+1)とする。
さらにまた、更新後の乱数値から、置数番号(n+1)に対応する置数を減算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで繰り返す。
そして、更新後の乱数値が規定値N1未満になったときは、乱数値が規定値N1未満になったときの余りを当選番号として決定する。
また、更新後の乱数値が規定値N1未満になる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する。
以下、具体的な乱数値を入れて、抽選処理について説明する。
たとえば、RT1(非ART)の通常確率状態でチェリーに当選し、乱数値として「63000」を取得したとする(図17のステップS101)。
この場合、通常確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルを指定し(図14(2)、図17のステップS102)、オフセット値「4」(図14(2)のアドレス「0x25」のデータ「00000100」)を取得し(図17のステップS103)、1番目の抽選データ「21」(図14(2)のアドレス「0x26」のデータ「00010101」)を取得する(図17のステップS104)。
次に、抽選データ「21」を定数「20」で除算し、商「1」と余り「1」とを算出する(図17のステップS105)。次に、商が「0」でないので(図17のステップS106)、商「1」にオフセット値「4」を加算して置数番号「5」を算出し(図17のステップS107)、置数番号「5」に対応する置数「13107」(図13のアドレス「0x08」のデータ「00110011」を上位桁とし、アドレス「0x09」のデータ「00110011」を下位桁とする16ビット(2バイト)データ)を取得する(図17のステップS108)。
次に、乱数値「63000」から置数「13107」を減算して新たな乱数値「49893」とする(図17のステップS109)。次に、新たな乱数値が「0」以上であるので(図17のステップS110)、2番目の抽選データ「62」(図14(2)のアドレス「0x27」のデータ「00111110」)を取得する(図17のステップS104)。
次に、抽選データ「62」を定数「20」で除算し、商「3」と余り「2」とを算出する(図17のステップS105)。次に、商が「0」でないので(図17のステップS106)、商「3」にオフセット値「4」を加算して置数番号「7」を算出し(図17のステップS107)、置数番号「7」に対応する置数「32768」(図13のアドレス「0x0C」のデータ「10000000」を上位桁とし、アドレス「0x0D」のデータ「00000000」を下位桁とする16ビット(2バイト)データ)を取得する(図17のステップS108)。
次に、乱数値「49893」から置数「32768」を減算して新たな乱数値「17125」とする(図17のステップS109)。次に、新たな乱数値が「0」以上であるので(図17のステップS110)、3番目の抽選データ「3」(図14(2)のアドレス「0x28」のデータ「00000011」)を取得する(図17のステップS104)。
次に、抽選データ「3」を定数「20」で除算し、商「0」と余り「3」とを算出する(図17のステップS105)。次に、商が「0」であるので(図17のステップS106)、余り「3」を当選番号として決定し(図17のステップS111)、RT1の通常確率状態に移行させることに決定する(当選番号3に対応する抽選結果)。そして、抽選処理を終了する。
なお、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選についても、移行抽選と同様に、図17のフローチャートに示す抽選処理を使用する。
このように、本実施形態では、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選で共通の抽選処理を使用するので、メモリ容量を削減することができる。
なお、本実施形態では、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とし(図17のステップS109)、新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断した(図17のステップS110)。
しかし、これに限らず、たとえば、図17のステップS109において、乱数値に置数を加算して新たな乱数値とし、図17のステップS110では、新たな乱数値が「65535」より大きいか否かを判断してもよい。また、1バイトの乱数値を用いるときは、「255」より大きいか否かを判断してもよい。
ここで、「65535」より大きいか否かは、「0」より小さいか否かと同様に、キャリーフラグの有無により判断することができる。
また、乱数値が「65535」を超える前に商が「0」になったときは、図17のステップS111に進み、メイン制御基板60は、このときの余りを当選番号として決定する。
すなわち、乱数値に置数を加算する場合の抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブル(移行抽選テーブル等)からオフセット値及びn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得する。
また、取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商にオフセット値を加算して得た数値を置数番号Xnとし、余りを当選番号Ynとする。
さらにまた、取得した乱数値に対して、置数番号Xnに対応する置数を加算することにより、乱数値を更新する。
さらに、更新後の乱数値が規定値M1(M1=65535)以下のときは、抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得する。
また、取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商にオフセット値を加算して得た数値を置数番号X(n+1)とし、余りを当選番号Y(n+1)とする。
さらにまた、更新後の乱数値に対して、置数番号(n+1)に対応する置数を加算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなるまで繰り返す。
そして、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなったときは、乱数値が規定値M1より大きくなったときの余りを当選番号として決定する。
また、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1(N1=0)となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する。
なお、本実施形態では、内部状態の移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選について説明したが、本実施形態の抽選処理は、役抽選に用いることもできる。
具体的には、たとえば、当選番号1のときはリプレイ、当選番号2のときはベルA1、当選番号3のときはベルA2のように、当選番号と抽選結果との対応関係を定めることにより、本実施形態の抽選処理で役抽選を行うことができる。これにより、データを圧縮及び共用して、メモリ容量を削減することができる。
ここで、図18〜図21に基づいて、従来技術における移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選について説明する。
図18は、従来技術における移行抽選用の置数テーブル及び当選番号テーブルを示す図であり、図19は、従来技術における前兆遊技回数抽選用の置数テーブル及び当選番号テーブルを示す図であり、図20は、従来技術における上乗せ遊技回数抽選用の置数テーブル及び当選番号テーブルを示す図である。
なお、当選番号と抽選結果との関係は、本実施形態(図12)と同一である。
図18に示すように、移行抽選用の置数テーブルとして、
(1a)低確率中・チェリー当選時移行抽選用置数テーブル
(2a)通常確率中・チェリー当選時移行抽選用置数テーブル
(3a)高確率中・チェリー当選時移行抽選用置数テーブル
(4a)通常確率中・リプレイ当選時移行抽選用置数テーブル
(5a)高確率中・リプレイ当選時移行抽選用置数テーブル
を備えている。
また、図18に示すように、移行抽選用の当選番号テーブルとして、
(1b)低確率中・チェリー当選時移行抽選用当選番号テーブル
(2b)通常確率中・チェリー当選時移行抽選用当選番号テーブル
(3b)高確率中・チェリー当選時移行抽選用当選番号テーブル
(4b)通常確率中・リプレイ当選時移行抽選用当選番号テーブル
(5b)高確率中・リプレイ当選時移行抽選用当選番号テーブル
を備えている。
さらにまた、図20に示すように、
上乗せ遊技回数抽選用の置数テーブルとして、
(1a)通常確率時上乗せ遊技回数抽選用置数テーブル
(2a)高確率時上乗せ遊技回数抽選用置数テーブル
を備えるとともに、
上乗せ遊技回数抽選用の当選番号テーブルとして、
(1b)通常確率時上乗せ遊技回数抽選用当選番号テーブル
(2b)高確率時上乗せ遊技回数抽選用当選番号テーブル
を備えている。
このように、従来技術では、抽選の種類ごとに置数テーブルを備えるとともに、各置数テーブルにそれぞれ対応して当選番号テーブルを備えている。
また、図18(1a)の1行目の「DEFW 655」は、2バイトのメモリ領域を使用する。図18(1a)の2行目以降、図19及び図20についても同様に、「DEFW」と記述された行は、それぞれ2バイトのメモリ領域を使用する。
さらにまた、図18(1b)の1行目の「DEFB 1」は、1バイトのメモリ領域を使用する。図18(1b)の2行目以降、図19及び図20についても同様に、「DEFB」と記述された行は、それぞれ1バイトのメモリ領域を使用する。
よって、図18の移行抽選用の5つの置数テーブルは、メモリ上の領域を合計で26バイト使用し、図18の移行抽選用の5つの当選番号テーブルは、メモリ上の領域を合計で13バイト使用する。
さらにまた、図19の前兆遊技回数抽選用置数テーブルは、メモリ上の領域を合計で16バイト使用し、図19の前兆遊技回数抽選用当選番号テーブルは、メモリ上の領域を合計で8バイト使用する。
さらに、図20の上乗せ遊技回数抽選用の2つの置数テーブルは、メモリ上の領域を合計で20バイト使用し、図20の上乗せ遊技回数抽選用の2つの当選番号テーブルは、メモリ上の領域を合計で10バイト使用する。
以上より、従来技術では、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選のためのテーブルが使用するバイト数は、合計で93バイトとなる。
これに対し、本実施形態では、図13の置数テーブルは、メモリ上の領域を30バイト使用し、図14の5つの移行抽選テーブルは、メモリ上の領域を18バイト使用し、図15の前兆遊技回数抽選テーブルは、メモリ上の領域を9バイト使用し、図16の2つの上乗せ遊技回数抽選テーブルは、メモリ上の領域を12バイト使用する。
以上より、本実施形態では、移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選のためのテーブルが使用するバイト数は、合計で69バイトとなる。
したがって、本実施形態のようにデータを圧縮及び共用することにより、24バイト分のメモリ容量を削減することができる。
図21は、従来技術における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201において、メイン制御基板60は、乱数値を取得する。具体的には、乱数生成回路から乱数値を取得してDEレジスタに記憶する。そして、次のステップS202に進む。
ステップS202では、メイン制御基板60は、使用する置数のアドレスを指定する。具体的には、使用する置数テーブルの先頭アドレスをHLレジスタに記憶する。そして、次のステップS203に進む。
ステップS203では、メイン制御基板60は、指定したアドレスに対応する置数を取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(置数)を、BCレジスタに記憶する。そして、次のステップS204に進む。
ステップS204では、メイン制御基板60は、取得した置数が「0」か否かを判断する。具体的には、BCレジスタの値が「0」か否かを判断する。ここで、置数が「0」であると判断したときは、ステップS208に進む。これに対し、置数が「0」でないと判断したときは、次のステップS205に進む。
ステップS205では、メイン制御基板60は、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とする。具体的には、DEレジスタの値からBCレジスタの値を減算して新たなDEレジスタの値とする。そして、次のステップS206に進む。
ステップS206では、メイン制御基板60は、ステップS205で算出した新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断する。具体的には、DEレジスタの値が「0」より小さいか否かを(キャリーフラグの有無により)判断する。ここで、「0」より小さいと判断したときは、ステップS208に進む。これに対し、「0」以上であると判断したときは、次のステップS207に進む。
ステップS207では、メイン制御基板60は、置数のアドレスを更新する。具体的には、HLレジスタの値に「2」を加算して新たなHLレジスタの値とする。そして、ステップS203に戻る。
ステップS208では、メイン制御基板60は、置数に対応する当選番号に決定する。具体的には、ステップS204で置数=「0」であると判断されてステップS208に進んだときは、置数「0」に対応する当選番号に決定する。また、ステップS206で乱数値<0であると判断されてステップS208に進んだときは、乱数値<0になったときの置数に対応する当選番号に決定する。
たとえば、当選番号を「1」に決定したときは、RT1(非ART)の内部状態を前兆状態に移行させることに決定する(当選番号1に対応する抽選結果)。また、当選番号を「12」に決定したときは、前兆遊技回数を32遊技に決定する(当選番号12に対応する抽選結果)。さらにまた、当選番号を「18」に決定したときは、上乗せ遊技回数を100遊技に決定する(当選番号18に対応する抽選結果)。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
説明を図1に戻す。
遊技状態制御手段62fは、ATフラグ、押し順フラグ、ペナルティフラグを備える。
ATフラグは、ART中はオン、非ART中はオフとなるフラグである。ATフラグは、非ART(RT1)において特殊リプレイ1が入賞したとき(ART(RT2)移行時)に、オフからオンとなる。また、ATフラグは、ARTの終了条件を満たしたときに、オンからオフとなる。
押し順フラグは、前兆を終了したときにオンとなる。したがって、非ART中であっても、前兆終了後は、押し順フラグはオンとなる。また、ART中は、押し順フラグはオンのままである。そして、ARTの終了条件を満たしたときは、ARTフラグはオンからオフとなり、同時に押し順フラグもオンからオフとなる。
ペナルティフラグは、ペナルティ状態に設定したときはオンとなり、ペナルティ状態を解除したときはオフとなるフラグである。非ART中に遊技者が変則押しをしてペナルティ状態に設定されたときは、ペナルティフラグはオンとなる。また、ペナルティ状態の継続中は、ペナルティフラグはオンのままである。そして、ペナルティ状態の解除条件を満たした(たとえば、所定遊技回数消化した)ときは、ペナルティフラグはオフとなる。
コマンド送信手段62gは、サブ制御基板80に対し、各種の情報(コマンド)を送信するものである。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、遊技状態(ARTの有無)及び内部状態の情報等が挙げられる。
また、コマンド送信手段62gは、ATフラグ、押し順フラグ、及びペナルティフラグのオン/オフの状態を示す情報を送信する。
また、図1において、メイン制御基板60は、外部集中端子板100と電気的に接続されている。そして、メイン制御基板60は、ARTを実行することに決定したときに、外部集中端子板100に対して外部信号(ARTを開始する又は開始したことを示す信号。以下、ART信号ともいう。)を送信する。その外部信号は、たとえば外部集中端子板100から、遊技情報表示装置やホールコンピュータ等に送信される。
本実施形態では、ARTの発動時、継続時、ART中には、それぞれその旨の外部信号(ART信号)を送信する。
以上説明したように、遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口44からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、リール制御手段62cは、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。また、スタートスイッチ41が操作されると、役抽選手段62bは、役の抽選を行う。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、リール制御手段62cは、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等を行う。
サブ制御基板80は、遊技中及び遊技待機中における演出(情報)の選択や出力等を制御するものである。
メイン制御基板60とサブ制御基板80とは、電気的に接続されており、メイン制御基板60のメインCPU62内にあるシリアル通信回路により、サブ制御基板80に一方向で演出等に必要な情報(信号、データ、制御コマンド等)を送信する。
なお、メイン制御基板60とサブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、シリアル通信に限らず、パラレル通信であってもよく、シリアル通信とパラレル通信とを併用してもよい。
また、メイン制御基板60と同様に、サブ制御基板80は、RWM81、及びサブCPU82等を備える。
ここで、サブ制御基板80上には、RWM81、サブCPU82、及びROMを含むMPUが搭載される。さらに、MPU内蔵のRWMとは別個に、MPUの外部(サブ制御基板80上)にRWMが搭載される。また、MPUの外部にROMを設けることも可能である。このため、RWM81というときは、MPU内蔵のRWM、外部RWM、ROM(内部/外部)を含む意味で使用する。
RWM(サブメモリ)81は、サブCPU82が演出を制御するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM(サブROM)は、演出用データとして、演出に係る抽選を行うとき等のプログラムや各種データ等を記憶しておく記憶媒体である。
サブ制御基板80には、入力ポート又は出力ポート(図示を省略する)を介して、以下のような演出用の周辺機器が電気的に接続されている。
演出ランプ21は、たとえばLED等からなり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、演出ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ、リール31の上部からリール31上の図柄を照光する蛍光灯、スロットマシン10のフロントカバー11前面に配置され、役の入賞時等に点滅する枠ランプ21(図1参照)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(フリーズ中の演出画像、ART中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報(ART中の遊技回数や獲得枚数等)等を表示するものである。
さらに、プッシュボタン24及び十字キー25は、遊技者が意図する情報を表示させたりするときや、ホール管理者(店長等)が各種の設定を変更するとき等に用いられる。
サブCPU82は、演出出力制御手段82aを備える。
演出出力制御手段82aは、当選役及び遊技状態等に応じて、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を抽選によって決定する。
そして、演出出力制御手段82aは、その決定に従い、演出ランプ21、スピーカ22、画像表示装置23の出力を制御する。また、ART中は、ストップスイッチ42の押し順等を報知し、ART中や1BB遊技中は、それぞれART中や1BB遊技中の獲得枚数、残り遊技回数等を画像表示する。
また、メイン制御基板60における遊技状態及び内部状態の情報は、サブ制御基板80に送信され、サブ制御基板80側においても、メイン制御基板60側の遊技状態及び内部状態を共有する。たとえば、演出出力制御手段82aは、非ART中において、低確率時、通常確率時、高確率時、前兆時には、それぞれ、その内部状態を暗示するような演出、その内部状態特有の演出を出力する。また、ATR中は、ART中特有の演出、及び通常確率であるか高確率であるかを暗示するような演出を出力する。
なお、非ART中にARTに当選したときに移行する前兆は、「本前兆」と称される。
これに対し、本前兆とは別に、ARTに当選していないが本前兆と類似するフェイク(いわゆるガセ)前兆を設け、演出を出力してもよい。フェイク前兆演出は、たとえばチェリーのようなレア役当選時において、ARTの抽選に非当選となった場合に(常に、又は所定確率で)行うことや、毎遊技、あるいは前回のARTの終了後又は前回のフェイク前兆演出終了後から所定遊技回数を消化したとき等に、抽選で決定することが挙げられる。本前兆演出及びフェイク前兆演出のいずれも、32遊技以内の所定回数間に行われる。
そして、本前兆演出の場合には、最終的に、ARTに当選した旨を遊技者に報知する。これに対し、フェイク前兆演出の場合には、ARTに当選した旨を報知することなく前兆演出を終了するか、又はARTには当選していない旨を報知して前兆演出を終了する。
また、メイン制御基板60は、ART当選時にその初期遊技回数を決定すると、初期遊技回数の情報をサブ制御基板80に送信する。そして、演出出力制御手段82aは、初期遊技回数に基づいて、前兆演出を異ならせることも可能である。すなわち、前兆演出において、ARTに当選しているか否かと、ARTに当選しているときの遊技回数の初期値との双方を包括して遊技者に示唆する演出を行うことも可能である。
演出出力制御手段82aは、非ART中にARTに当選し、前兆終了後にリプレイ重複当選となったときは、特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。
また、演出出力制御手段82aは、ART中は、ベル当選時に、ベル01を入賞させるストップスイッチ42の押し順、すなわち正解押し順を報知する。
さらにまた、演出出力制御手段82aは、メイン制御基板60から送信されてくる情報(当選役に係る情報、ATフラグのオン/オフの情報、押し順フラグのオン/オフの情報)に基づいて、当選役や正解押し順の報知を制御する。
さらに、演出出力制御手段82aは、リプレイ重複当選時には、特殊リプレイ1を入賞させる(RT2を維持する)押し順を報知する。
本実施形態では、いずれの遊技状態においても、ATフラグ、押し順フラグ、及びペナルティフラグのオン/オフの情報を送信する。なお、ペナルティフラグがオンであるときのみ、ペナルティフラグがオンである旨の情報を送信してもよい。
サブ制御基板80側では、ATフラグがオン、かつ押し順フラグがオン、かつペナルティフラグがオフであるときは、ベル当選時に正解押し順を報知し、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。
また、サブ制御基板80側では、ATフラグがオフ、かつ押し順フラグがオン、かつペナルティフラグがオフであるときは、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知するが、ベル当選時に正解押し順を報知しない。
さらにまた、サブ制御基板80側では、押し順フラグがオフ、又はペナルティフラグがオンであるときは、ベル当選時に正解押し順を報知せず、リプレイ重複当選時に特殊リプレイ1を入賞させる押し順を報知しない。
まず、非ART(RT1)中の前兆終了後は、メイン制御基板60は、毎遊技、当選役の情報、ATフラグがオフ、押し順フラグがオン、ペナルティフラグがオフである旨の情報をサブ制御基板80に送信する。
また、ART(RT2)中は、メイン制御基板60は、毎遊技、当選役の情報、ATフラグがオン、押し順フラグがオン、ペナルティフラグがオフである旨の情報をサブ制御基板80に送信する。
ここで、ART中におけるいずれかのベル当選時には、正解押し順の情報も含まれる。この場合、
(1)当選したベルの種類をサブ制御基板80に送信し、サブ制御基板80は、当選したベルの種類の情報を受信すれば、正解押し順を判別できるようにする。つまり、サブ制御基板80側で、当選したベルの種類を知ることができれば、そのベルに対応する正解押し順を判別できるデータテーブルを持つ。
(2)サブ制御基板80は、当選したベルの種類と正解押し順との対応関係を知らず(記憶しておらず)、メイン制御基板60から、ベル当選となった旨の情報及び正解押し順の情報を受信する。
ことが挙げられる。
本実施形態では、上記のうち、(1)を採用している。
なお、当選役の情報、ATフラグ、押し順フラグ、ペナルティフラグの情報を送信するタイミングとしては、スタートスイッチ41の操作時(すなわち、役抽選手段62bによる役の抽選後)から、リール31が回転を開始してストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(リール31が定速となるまで)の間である。
また、非ART(RT1)中の前兆終了後以外は、メイン制御基板60は、毎遊技、当選役の情報、ATフラグがオフ、押し順フラグがオフ、ペナルティフラグがオフである旨の情報をサブ制御基板80に送信する。
ここで、非ART中は、いずれかのベル当選時には、いずれかのベル当選となった旨の情報を送信するが、ART中のように、正解押し順を判別可能な情報については送信しない。たとえば、当選役として、「ベル当選」とだけ情報を送信し、「ベルA1当選」のように正解押し順を判別可能な情報を送信しない。
あるいは、「ベル当選1」というように、正解押し順を判別不能な情報を送信することが挙げられる。具体例を挙げて説明すると、
ベル当選1:ベルA1、A5、B1のいずれかに当選
ベル当選2:ベルA2、A6、B2のいずれかに当選
ベル当選3:ベルA3、A7、B3のいずれかに当選
ベル当選4:ベルA4、A8、B4のいずれかに当選
と分け、たとえばベルA1、A5、B1のいずれかが当選したときは、「ベル当選1」とだけ情報を送信する。ベル当選1は、正解押し順が中左右のベルA1当選、正解押し順が右左中のベルA5当選、正解押し順が左中右のベルB1当選のいずれかであるので、「ベル当選1」のみの情報では、正解押し順を特定することも、絞り込むこともできない。
一方、サブ制御基板80では、「ベル当選1」という情報を受信すれば、正解押し順を報知することはできないが、「ベル当選」に関する演出を出力することが可能となる。
さらに、非ART中においていずれかのベル当選となったときは、ベル当選とは無関係の情報(何かの役に当選した旨の情報)を送信してもよい。
また、上述したように、非ART(RT1)中に変則押しをしたときには、ペナルティ状態に設定されるが、このペナルティ状態中は、メイン制御基板60は、ATフラグがオフ、押し順フラグがオフ、ペナルティフラグがオンである旨の情報を送信する。一方、当選役の情報については、一切、送信しない。したがって、メイン制御基板60は、ベル当選時には、正解押し順の情報はもちろん、非ART中のようにいずれかのベル当選となったこと自体についても送信しない。
ただし、ART中にベル当選となり、正解押し順を報知した場合において、遊技者の操作ミスにより正解押し順でストップスイッチ42が操作されなかったときは、ペナルティ状態に設定せず、次遊技にベル当選となったときでも、ベル当選時には、正解押し順の情報を送信し、正解押し順を報知する。
以上より、押し順フラグがオンのときは、ベル当選時に、サブ制御基板80側で正解押し順を判別可能な情報を送信する。そして、サブ制御基板80側の演出出力制御手段82aは、押し順フラグがオンである情報を受信し、かつベル当選となった旨の情報を受信したときは、当該遊技で正解押し順を報知すると判断する。
一方、非ART中は、ベル当選時に、サブ制御基板80は、どのベル当選となったかの情報を受信しないので、正解押し順を知ることができない。また、押し順フラグがオフである旨の情報を受信する。これにより、サブ制御基板80は、押し順を報知しないと判断する。
一方、サブ制御基板80は、非ART中におけるベル当選時は、いずれかのベル当選となった旨の情報を受信するので、当選役が「ベル当選」であること自体は報知可能となる。したがって、演出出力制御手段82aは、抽選等に基づいて、「ベル当選」を報知するか否かを判断し、報知すると判断したときは、当選役が「ベル当選」であることを示す演出(たとえば、ベルに対応する色(黄色)の表示等)を出力する。
さらに、サブ制御基板80は、ペナルティ状態に設定されているときは、押し順フラグがオフ、かつペナルティフラグがオンである旨の情報を受信するが、当選役の情報自体を受信しない。したがって、いずれかのベル当選となった場合であっても、サブ制御基板80は、当選役がベル当選であること自体、判別できない。これにより、演出出力制御手段82aは、押し順を報知せず、かつ、当選役に関する報知を行わない。すなわち、サブ制御基板80は、当選役が不明であるので、当選役を特定する演出を出力することができない。
メイン制御基板60は、役抽選手段64で非当選となったときは、非当選である旨の情報を送信してもよいが、非当選であるときは、当選役に関する情報を送信しないようにしてもよい。この場合、ペナルティ状態中は、当選役に関する情報が送信されないので、サブ制御基板80が受信する情報は、役の非当選時と同様となる。
なお、ペナルティ状態中は、当選役に関する演出として、いずれかの役に当選したこと及び非当選を含むチャンス演出(色演出としては、たとえばいずれかの役の当選及び非当選のすべてを意味する白色を表示する演出)を出力することは可能である。
以上より、メイン制御基板60の抽選でARTに当選していないとき、すなわち非ART中は、サブ制御基板80に対し、ベル当選時の正解押し順の情報を送信しないので、サブ制御基板80側を不正改造し、メイン制御基板60からサブ制御基板80に送信される当選役に係る情報を不正取得しても、正解押し順の情報を取得することができない。これにより、非ART中のベル当選時に正解押し順が不正に知られてしまうことを防止することができる。
また、非ART中において、押し順報知が行われないときに正解押し順でストップスイッチ42を操作すると、次遊技からペナルティ状態に設定される。そして、このペナルティ状態中は、ベル当選となっても、いずれかのベル当選となったこと自体がサブ制御基板80に送信されない。これにより、サブ制御基板80を不正改造し、ベル当選時に連続して正解押し順で入賞させることはできない。
さらにまた、非ART中のリプレイ重複当選時に、遊技者が変則押し(ペナルティ押し順)でストップスイッチを操作した結果、特殊リプレイ1が入賞しても、メイン制御基板60は、ART遊技を実行しない。したがって、不正行為を行う側から見れば、リプレイ重複当選時に、変則押しでストップスイッチ42を操作することにメリットはない。
一方、本実施形態では、ARTに当選していない遊技中は、ベル当選時に正解押し順をサブ制御基板80に送信しないだけでなく、リプレイ重複当選時の遊技で、特殊リプレイ1を入賞させる押し順を含む情報をサブ制御基板80に送信しないように制御する。
このようにすれば、サブ制御基板80側の不正行為により、遊技状態を昇格させる正解押し順が知られてしまうことを防止することができる。
たとえば、リプレイ当選時、及びリプレイ重複当選時のいずれも、非ART中(押し順フラグオフ時)は、「リプレイ当選」というだけの情報をサブ制御基板80に送信すること、又はリプレイ重複当選時については非当選時と同様に当選役の情報を何ら送信しないことが挙げられる。
更に、押し順を報知する場合には、メイン制御基板60により、所定のLED(たとえば、獲得表示枚数を表示するLED)を、押し順に対応する態様で発光させることもできる。そして、所定のLEDを押し順に対応する態様で発光させる処理の実行時又は実行後に、メイン制御基板60からサブ制御基板80に押し順を含む情報を送信し、当該情報に基づいて、サブ制御基板80側で、押し順を報知することができる。
<第2実施形態>
次に、図22〜図25に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、置数番号の最大値は「15」であり、当選番号の最大値は「19」である。また、定数aは、当選番号Yの最大値より大きい数値であることが条件とされる。このため、「X×a+Y>255」となる場合を有する。
したがって、第1実施形態では、置数番号Xからオフセット値Zを減算して得た数値に対して定数aを乗算し、これに当選番号Yを加算して抽選データとすることにより、抽選データを1バイトで記述することができるようにした。すなわち、「(X−Z)×a+Y≦255」を満たすように定めた。
これに対し、第2実施形態では、常に「X×a+Y≦255」を満たすように、X、Y、aをそれぞれ定めている。これにより、オフセット値Zを用いなくても、抽選データを1バイトで記述することができるようにしている。
図22は、当選番号と抽選結果との関係を説明する図である。図22に示すように、第2実施形態では、当選番号1〜4を有する。したがって、当選番号Yの最大値は「4」である。
図23は、置数テーブルを示す図である。図23に示すように、第2実施形態では、置数テーブルには、置数番号1〜7の置数を定めている。したがって、置数番号Xの最大値は「7」である。
また、図23では、置数テーブルは、メモリ上のアドレス「0x00」〜「0x0D」に対応する領域を使用する。したがって、置数テーブルが使用するバイト数は、合計で14バイトとなる。
図24は、移行抽選テーブルを示す図である。
図24に示すように、第2実施形態では、移行抽選テーブルとして、
(1)低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル
(2)通常確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル
(3)高確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル
(4)通常確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブル
(5)高確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブル
を備えている。
各移行抽選テーブルは、置数番号をXとし、当選番号をYとし、当選番号の最大値をYmaxとし、当選番号に応じて定めた定数をaとしたときに、
(1)X×a+Y≦255(1バイト)
(2)a>Ymax
を満たすように定めている。
そして、各移行抽選テーブルは、「X×a+Y」の演算で得た数値を抽選データとしてメモリに記憶している。
このように、各移行抽選テーブルにおいて、「X×a+Y≦255」かつ「a>Ymax」を満たすように定め、「X×a+Y」の演算で得た数値を抽選データとしてメモリに記憶することにより、抽選データを圧縮することができ、メモリ容量を削減することができる。
また、抽選を行うときは、抽選テーブルから抽選データを取得し、取得した抽選データを定数aで除算して、商と余りとを算出する。そして、商を置数番号Xとして使用し、余りを当選番号Yとして使用する。
ここで、抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、余りを当選番号として使用するためには、定数aは常に当選番号より大きい数値でなければならないので、「定数a>当選番号の最大値」が条件となる。本実施形態では、定数aは、「当選番号の最大値+1」に設定している。具体的には、定数aは、当選番号の最大値である「4」に「1」を加算した「5」に設定している。
なお、定数aは、当選番号の最大値より大きい数値であればよく、「当選番号の最大値+1」に限定されるものでない。
なお、図24(1)のプログラム4行目では、置数番号Xに相当する数値を「0」に設定している。そして、第2実施形態では、置数番号Xに相当する数値が「0」のときは必ず当選するように抽選処理を行う。このため、図24(1)のプログラム4行目の抽選データが用いられるときは、必ず当選番号4に当選する。これにより、第1実施形態と同様に、置数「32114」を置数テーブルに定めなくても済むので、その分(2バイト分)メモリ容量を削減することができる。
また、図24では、5つの移行抽選テーブル((1)低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル〜(5)高確率中・リプレイ当選時用移行抽選テーブル)は、メモリ上のアドレス「0x10」〜「0x1C」に対応する領域を使用する。したがって、5つの移行抽選テーブルが使用するバイト数は、合計で13バイトとなる。
図25は、第2実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301において、メイン制御基板60は、乱数値を取得する。具体的には、乱数生成回路から乱数値を取得してDEレジスタに記憶する。そして、次のステップS302に進む。
ステップS302では、メイン制御基板60は、使用する抽選テーブル(たとえば、RT1(非ART)の低確率状態においてチェリーに当選したときは、図24(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル)を指定する。具体的には、使用する抽選テーブルの先頭アドレス(たとえば、図24(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルを使用するときは、アドレス「0x10」)をHLレジスタに記憶する。そして、次のステップS303に進む。
ステップS303では、メイン制御基板60は、指定した抽選テーブルに定められた抽選データを取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(抽選データ)をAレジスタに記憶する。そして、次のステップS304に進む。
ステップS304では、メイン制御基板60は、取得した抽選データを定数aで除算し、商と余りとを求める。具体的には、Aレジスタの値を定数aで除算し、商をAレジスタに記憶し、余りをBレジスタに記憶する。そして、次のステップS305に進む。
ステップS305では、メイン制御基板60は、ステップS304で算出した商が「0」か否かを判断する。具体的には、Aレジスタの値が「0」か否かを判断する。ここで、商が「0」であると判断したときは、ステップS311に進む。これに対し、商が「0」でないと判断したときは、次のステップS306に進む。
なお、第2実施形態では、商が「0」になるのは、抽選データにおける置数番号Xに相当する値が「0」に設定されているときである。
ステップS306では、メイン制御基板60は、商に基づいて置数のアドレスを算出する。
具体的には、Bレジスタ、HLレジスタのデータをスタック領域に待避させる。次に、置数テーブルの先頭アドレスの値から「2」を減算してHLレジスタに記憶する。ここで、「2」を減算するのは、置数テーブルには、2バイトの置数データの上位1バイトを一のアドレスに対応する領域に記憶し、下位1バイトを次のアドレスに対応する領域に記憶するためである。なお、1バイトの置数データを記憶する場合には、「1」を減算する。
次に、Aレジスタの値にAレジスタの値を加算して新たなAレジスタの値とする。すなわち、Aレジスタの値を2倍にする。ここで、Aレジスタの値を2倍にするのは、上述したように、2バイトの置数データの上位1バイトを一のアドレスに対応する領域に記憶し、下位1バイトを次のアドレスに対応する領域に記憶するためである。なお、1バイトの置数データを記憶する場合には、Aレジスタの値を2倍にする必要はない。
次に、HLレジスタの値にAレジスタの値を加算して新たなHLレジスタの値とする。そして、次のステップS307に進む。
ステップS307では、メイン制御基板60は、算出したアドレスに対応する置数を取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(置数)を、BCレジスタに記憶する。そして、次のステップS308に進む。
ステップS308では、メイン制御基板60は、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とする。具体的には、スタック領域からHLレジスタのデータを復元する。次に、DEレジスタのデータとHLレジスタのデータとを交換する。次に、HLレジスタの値からBCレジスタの値を減算して新たなHLレジスタの値とする。次に、DEレジスタのデータとHLレジスタのデータとを交換する。次に、スタック領域からBレジスタのデータを復元する。そして、次のステップS309に進む。
ステップS309では、メイン制御基板60は、ステップS308で算出した新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断する。具体的には、DEレジスタの値が「0」より小さいか否かを(キャリーフラグの有無により)判断する。ここで、「0」より小さいと判断したときは、ステップS311に進む。これに対し、「0」以上であると判断したときは、ステップS310に進む。
ステップS310では、メイン制御基板60は、抽選データのアドレスを更新する。具体的には、HLレジスタの値に「1」を加算することで、HLレジスタの値を更新する。そして、ステップS303に戻る。
ステップS311では、メイン制御基板60は、余りの値を当選番号として決定する。具体的には、Bレジスタの値をAレジスタに記憶する。
たとえば、当選番号を「1」に決定したときは、RT1(非ART)の内部状態を前兆状態に移行させることに決定する(当選番号1に対応する抽選結果)。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
このように、第2実施形態の抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブル(移行抽選テーブル等)からn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得する。
また、取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号Xnとし、余りを当選番号Ynとする。
さらにまた、取得した乱数値から、置数番号Xnに対応する置数を減算することにより、乱数値を更新する。
さらに、更新後の乱数値が規定値N1(N1=0)以上のときは、抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得する。
また、取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号X(n+1)とし、余りを当選番号Y(n+1)とする。
さらにまた、更新後の乱数値から、置数番号(n+1)に対応する置数を減算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで繰り返す。
そして、更新後の乱数値が規定値N1未満になったときは、乱数値が規定値N1未満になったときの余りを当選番号として決定する。
また、更新後の乱数値が規定値N1未満になる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する。
以下、具体的な乱数値を入れて、抽選処理について説明する。
たとえば、RT1(非ART)の低確率状態でチェリーに当選し、乱数値として「12000」を取得したとする(図25のステップS301)。
この場合、低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブルを指定し(図24(1)、図25のステップS302)、1番目の抽選データ「6」(図24(1)のアドレス「0x10」のデータ「00000110」)を取得する(図25のステップS303)。
次に、抽選データ「6」を定数「5」で除算し、商「1」と余り「1」とを算出する(図25のステップS304)。次に、商が「0」でないので(図25のステップS305)、商「1」を置数番号とし(図25のステップS306)、置数番号「1」に対応する置数「655」(図23のアドレス「0x00」のデータ「00000010」を上位桁とし、アドレス「0x01」のデータ「10001111」を下位桁とする16ビット(2バイト)データ)を取得する(図25のステップS307)。
次に、乱数値「12000」から置数「655」を減算して新たな乱数値「11345」とする(図25のステップS308)。次に、新たな乱数値が「0」以上であるので(図25のステップS309)、抽選データのアドレスを更新し(図25のステップS310)、2番目の抽選データ「22」(図24(1)のアドレス「0x11」のデータ「0010110」)を取得する(図25のステップS303)。
次に、抽選データ「22」を定数「5」で除算し、商「4」と余り「2」とを算出する(図25のステップS304)。次に、商が「0」でないので(図25のステップS305)、商「4」を置数番号とし(図25のステップS306)、置数番号「4」に対応する置数「6553」(図23のアドレス「0x06」のデータ「00011001」を上位桁とし、アドレス「0x07」のデータ「10011001」を下位桁とする16ビット(2バイト)データ)を取得する(図25のステップS307)。
次に、乱数値「11345」から置数「6553」を減算して新たな乱数値「4792」とする(図25のステップS308)。次に、新たな乱数値が「0」以上であるので(図25のステップS309)、抽選データのアドレスを更新し(図25のステップS310)、3番目の抽選データ「33」(図24(1)のアドレス「0x12」のデータ「00100001」)を取得する(図25のステップS303)。
次に、抽選データ「33」を定数「5」で除算し、商「6」と余り「3」とを算出する(図25のステップS304)。次に、商が「0」でないので(図25のステップS305)、商「6」を置数番号とし(図25のステップS306)、置数番号「6」に対応する置数「26214」(図23のアドレス「0x0A」のデータ「01100110」を上位桁とし、アドレス「0x0B」のデータ「01100110」を下位桁とする16ビット(2バイト)データ)を取得する(図25のステップS307)。
次に、乱数値「4792」から置数「26214」を減算して新たな乱数値「−21422」とする(図25のステップS308)。次に、新たな乱数値が「0」より小さいので(図25のステップS309)、余り「3」(図25のステップS304の演算結果での余り)を当選番号として決定し(図25のステップS311)、RT1の通常確率状態に移行させることに決定する(当選番号3に対応する抽選結果)。そして、抽選処理を終了する。
なお、第2実施形態では、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とし(図25のステップS308)、新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断した(図25のステップS309)。
しかし、これに限らず、たとえば、図25のステップS308において、乱数値に置数を加算して新たな乱数値とし、図25のステップS309では、新たな乱数値が「65535」より大きいか否かを判断してもよい。また、1バイトの乱数値を用いるときは、「255」より大きいか否かを判断してもよい。
また、乱数値が「65535」を超える前に商が「0」になったときは、図25のステップS311に進み、メイン制御基板60は、このときの余りを当選番号として決定する。
すなわち、乱数値に置数を加算する場合の抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブル(移行抽選テーブル等)からn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得する。
また、取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号Xnとし、余りを当選番号Ynとする。
さらにまた、取得した乱数値に対して、置数番号Xnに対応する置数を加算することにより、乱数値を更新する。
さらに、更新後の乱数値が規定値M1(M1=65535)以下のときは、抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得する。
また、取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号X(n+1)とし、余りを当選番号Y(n+1)とする。
さらにまた、更新後の乱数値に対して、置数番号(n+1)に対応する置数を加算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなるまで繰り返す。
そして、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなったときは、乱数値が規定値M1より大きくなったときの余りを当選番号として決定する。
また、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1(N1=0)となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する。
なお、第2実施形態では、内部状態の移行抽選について説明したが、第2実施形態の抽選処理は、内部状態の移行抽選に限らず、たとえば、役抽選、前兆遊技回数抽選、上乗せ遊技回数抽選に用いることもできる。
具体的には、たとえば、当選番号1のときはリプレイ、当選番号2のときはベルA1、当選番号3のときはベルA2のように、当選番号と抽選結果との対応関係を定めることにより、第2実施形態の抽選処理で役抽選を行うことができる。
また、たとえば、当選番号1のときは10遊技、当選番号2のときは20遊技、当選番号3のときは50遊技、当選番号4のときは100遊技のように、当選番号と抽選結果との対応関係を定めることにより、第2実施形態の抽選処理で上乗せ遊技回数抽選を行うことができる。
<第3実施形態>
次に、図26〜図28に基づいて、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、第1実施形態とは異なる抽選方法で、前兆遊技回数を決定するものである。
第3実施形態では、メイン制御基板60上のMPUは、1バイトの乱数を生成する乱数生成回路(乱数生成手段)を備え、この乱数生成回路から乱数値を取得する。このため、乱数生成回路が生成する乱数値がとる全範囲は「256」(0〜255)となる。なお、2バイトの乱数生成回路から下位1バイトを乱数値として取得してもよい。
図26は、第3実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルを示す図である。図26に示すように、前兆遊技回数抽選テーブルは、乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めるとともに、抽選処理中のループ処理(図27のステップS405〜S409)が行われるごとに更新されるループ変数の初期値、及びループ処理の終了時におけるループ変数に加算する加算値を定めたものである。
図26に示すように、第3実施形態では、前兆遊技回数抽選テーブルは、1行目に加算値として「7−1」(=「6」)を定め、2行目にループ変数の初期値として「8」を定め、3行目以降に置数を定めている。また、図26では、8個の置数を定めており、各置数をそれぞれ「32」に設定している。このため、8個の置数を合計すると、乱数値がとる全範囲と同じ「256」になる。さらに、ループ変数の初期値は、置数の個数と同数に設定されている。
図27は、第3実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401において、メイン制御基板60は、1バイトの乱数値を取得する。具体的には、乱数生成回路から1バイトの乱数値を取得してDEレジスタに記憶する。そして、次のステップS402に進む。
ステップS402では、メイン制御基板60は、使用する抽選テーブル(図26の前兆遊技回数抽選テーブル)を指定する。具体的には、使用する前兆遊技回数抽選テーブルの先頭アドレス(図26のアドレス「0x00」)をHLレジスタに記憶する。そして、次のステップS403に進む。
ステップS403では、メイン制御基板60は、指定した抽選テーブル(図26の前兆遊技回数抽選テーブル)に定められた加算値を取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(加算値)(図26のアドレス「0x00」に対応するデータ「00000110」)をCレジスタに記憶する。そして、次のステップS404に進む。
ステップS404では、メイン制御基板60は、指定した抽選テーブル(図26の前兆遊技回数抽選テーブル)に定められたループ変数の初期値を取得する。具体的には、HLレジスタの値に「1」を加算することでHLレジスタの値を更新し(「0x00」→「0x01」)、更新後のHLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(ループ変数の初期値)(図26のアドレス「0x01」に対応するデータ「00001000」)をBレジスタに記憶する。そして、次のステップS405に進む。
ステップS405では、メイン制御基板60は、ループ変数が「0」か否かを判断する。具体的には、Bレジスタの値が「0」か否かを判断する。ここで、ループ変数が「0」であると判断したときは、ステップS411に進む。これに対し、ループ変数が「0」でないと判断したときは、次のステップS406に進む。
ステップS406では、メイン制御基板60は、置数のアドレスを指定する。具体的には、HLレジスタの値に「1」を加算することでHLレジスタの値を更新する(たとえば、「0x01」→「0x02」)。そして、次のステップS407に進む。
ステップS407では、メイン制御基板60は、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とする。具体的には、DEレジスタの値から、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(置数)(たとえば、図26のアドレス「0x02」に対応するデータ「00100000」)の値を減算して、新たなDEレジスタの値とする。そして、次のステップS408に進む。
ステップS408では、メイン制御基板60は、ステップS407で算出した新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断する。具体的には、DEレジスタの値が「0」より小さいか否かを(キャリーフラグの有無により)判断する。ここで、「0」より小さいと判断したときは、ステップS410に進む。これに対し、「0」以上であると判断したときは、ステップS409に進む。
ステップS409では、メイン制御基板60は、ループ変数から「1」を減算することでループ変数を更新する。具体的には、Bレジスタの値から「1」を減算することでBレジスタの値を更新する。そして、ステップS405に戻る。
なお、第3実施形態におけるループ処理とは、ステップS405からステップS409までの処理を繰り返すことを意味する。このループ処理が行われるごとに、ループ変数が更新される。
ステップS410では、メイン制御基板60は、乱数値が「0」より小さいと判断したときのループ変数に加算値を加算して得た数値を当選番号として決定する。具体的には、Cレジスタの値をAレジスタに記憶し、次に、Aレジスタの値にBレジスタの値を加算して新たなAレジスタの値とする。
たとえば、乱数値が「0」より小さいと判断したときのループ変数が「2」であれば、これに加算値「6」を加算して得た数値「8」を当選番号として決定し、前兆遊技回数を「8」に決定する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS411では、メイン制御基板60は、ループ変数が「0」であると判断したときは、「0」を当選番号として決定する。具体的には、Bレジスタの値をAレジスタに記憶する。この場合、ループ変数に加算値を加算することはない。したがって、前兆遊技回数を「0」に決定する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
このように、第3実施形態における抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブルからループ変数の初期値を取得する。
また、取得した乱数値から、抽選テーブルに定められたn番目(n=1、2、・・・)の置数を減算することにより、乱数値を更新し、更新後の乱数値が規定値N1(N1=0)以上のときは、更新後の乱数値から、抽選テーブルに定められた(n+1)番目の置数を減算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで繰り返す。
さらに、乱数値を更新するごとに、ループ変数から所定値を減算することにより、ループ変数を更新する。
そして、乱数値が規定値N1未満になったときは、乱数値が規定値N1未満になったときのループ変数に対して、抽選テーブルに定められた加算値を加算して得た数値を当選番号として決定する。
また、乱数値が規定値N1未満になる前に、ループ変数が規定値N1となったときは、規定値N1を当選番号として決定する。
以下、具体的な乱数値を入れて、前兆遊技回数の抽選処理について説明する。
たとえば、1バイトの乱数値として「50」を取得したとする(図27のステップS401)。
次に、加算値「6」(図26のアドレス「0x00」のデータ「00000110」)を取得し(図27のステップS403)、ループ変数の初期値「8」(図26のアドレス「0x01」のデータ「00001000」)を取得する(図27のステップS404)。
次に、ループ変数が「0」でないので(図27のステップS405)、乱数値「50」から、1番目の置数「32」(図26のアドレス「0x02」のデータ「00100000」)を減算して、新たな乱数値「18」とする(図27のステップS407)。
次に、新たな乱数値が「0」以上であるので(図27のステップS408)、ループ変数「8」から「1」を減算して、新たなループ変数「7」とする(図27のステップS409)。
次に、ループ変数が「0」でないので(図27のステップS405)、乱数値「18」から、2番目の置数「32」(図26のアドレス「0x03」のデータ「00100000」)を減算して、新たな乱数値「−14」とする(図27のステップS407)。
次に、新たな乱数値が「0」未満であるので(図27のステップS408)、ループ変数「7」に加算値「6」を加算して得た数値「13」を当選番号として決定し(図27のステップS410)、前兆遊技回数を「13」に決定する。そして、前兆遊技回数の抽選処理を終了する。
なお、図26では、ループ変数の初期値は「8」に設定され、8個の置数は合計すると「256」になる。このため、図26の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、乱数値が「0」未満になる前にループ変数が「0」になることはない。したがって、図27のステップS405でYesと判断してステップS411に進む場合を有しない。よって、当選番号として「0」が決定されることはない。
また、図26の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、当選番号として「14」、「13」、「12」、「11」、「10」、「9」、「8」、「7」がそれぞれ12.5%の確率で決定される。
図28は、第3実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルの変形例を示すものであり、図26とは加算値、ループ変数の初期値、及び置数の定め方が異なるものである。
図28に示す前兆遊技回数抽選テーブルは、1行目に加算値として「11−1」(=「10」)を定め、2行目にループ変数の初期値として「4」を定め、3行目以降に置数を定めている。また、図28では、4個の置数を定めており、1番目の置数を「128」に設定し、2番目の置数を「64」に設定し、3番目の置数を「32」に設定し、4番目の置数を「16」に設定している。
このため、図28では、4個の置数を合計すると「240」となり、乱数値がとる全範囲の「256」に満たない。
したがって、図28の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、乱数値が「0」未満になる前にループ変数が「0」になる場合を有するので、図27のステップS405でYesと判断してステップS411に進む場合を有する。
また、図28の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、50%の確率で当選番号「14」が決定され、25%の確率で当選番号「13」が決定され、12.5%の確率で当選番号「12」が決定され、6.25%の確率で当選番号「11」が決定される。また、残りの6.25%の確率で当選番号「0」が決定される。
なお、第3実施形態では、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とし(図27のステップS407)、新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断した(図27のステップS408)。
しかし、これに限らず、たとえば、図27のステップS407において、乱数値に置数を加算して新たな乱数値とし、図27のステップS408では、新たな乱数値が「255」より大きいか否かを(キャリーフラグの有無により)判断してもよい。
また、乱数値が「255」を超える前にループ変数が「0」になったときは、図27のステップS411に示すように、メイン制御基板60は、「0」を当選番号として決定する。この場合、ループ変数に加算値を加算することはない。
すなわち、乱数値に置数を加算する場合の抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブルからループ変数の初期値を取得する。
また、取得した乱数値に対して、抽選テーブルに定められたn番目(n=1、2、・・・)の置数を加算することにより、乱数値を更新し、更新後の乱数値が規定値M2(M2=255)以下のときは、更新後の乱数値に対して、抽選テーブルに定められた(n+1)番目の置数を加算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値M2より大きくなるまで繰り返す。
さらに、乱数値を更新するごとに、ループ変数から所定値を減算することにより、ループ変数を更新する。
そして、乱数値が規定値M2より大きくなったときは、乱数値が規定値M2より大きくなったときのループ変数に対して、抽選テーブルに定められた加算値を加算して得た数値を当選番号として決定する。
また、乱数値が規定値M2より大きくなる前に、ループ変数が規定値N1(N1=0)となったときは、規定値N1を当選番号として決定する。
なお、第3実施形態では、前兆遊技回数抽選について説明したが、第3実施形態の抽選処理は、前兆遊技回数抽選に限らず、たとえば、役抽選、内部状態の移行抽選、上乗せ遊技回数抽選に用いることもできる。
具体的には、たとえば、当選番号1のときはリプレイ、当選番号2のときはベルA1、当選番号3のときはベルA2のように、当選番号と抽選結果との対応関係を定めることにより、第3実施形態の抽選処理で役抽選を行うことができる。
また、たとえば、当選番号1のときは前兆、当選番号2のときは高確率、当選番号3のときは通常確率、当選番号4のときは低確率のように、当選番号と抽選結果との対応関係を定めることで、第3実施形態の抽選処理で内部状態の移行抽選を行うことができる。
<第4実施形態>
次に、図29〜図31に基づいて、本発明の第4実施形態について説明する。
第3実施形態では、ループ処理の終了時におけるループ変数に加算値を加算して得た数値を当選番号として決定した。
これに対し、第4実施形態では、ループ処理の終了時におけるループ変数を、これに加算値を加算することなく、当選番号として決定するものである。
第4実施形態では、第3実施形態と同様に、メイン制御基板60上のMPUは、1バイトの乱数を生成する乱数生成回路(乱数生成手段)を備え、この乱数生成回路から乱数値を取得する。このため、乱数生成回路が生成する乱数値がとる全範囲は「256」(0〜255)となる。なお、2バイトの乱数生成回路から下位1バイトを乱数値として取得してもよい。
図29は、第4実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルを示す図である。
図29に示すように、第4実施形態では、前兆遊技回数抽選テーブルは、乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めるとともに、抽選処理中のループ処理(図30のステップS504〜S508)が行われるごとに更新されるループ変数の初期値を定めている。
具体的には、図29では、1行目にループ変数の初期値として「11」(アドレス「0x00」のデータ「00001011」)を定め、2行目以降に置数を定めている。また、図29では、11個の置数を定めているとともに、11個の置数を合計すると、乱数値がとる全範囲と同じ「256」になるように設定している。さらに、ループ変数の初期値は、置数の個数と同数に設定している。
図30は、第4実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501において、メイン制御基板60は、1バイトの乱数値を取得する。具体的には、乱数生成回路から1バイトの乱数値を取得してDEレジスタに記憶する。そして、次のステップS502に進む。
ステップS502では、メイン制御基板60は、使用する抽選テーブル(図29の前兆遊技回数抽選テーブル)を指定する。具体的には、使用する前兆遊技回数抽選テーブルの先頭アドレス(図29のアドレス「0x00」)をHLレジスタに記憶する。そして、次のステップS503に進む。
ステップS503では、メイン制御基板60は、指定した抽選テーブル(図29の前兆遊技回数抽選テーブル)に定められたループ変数の初期値を取得する。具体的には、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(ループ変数の初期値)(図29のアドレス「0x00」のデータ「00001011」)をBレジスタに記憶する。そして、次のステップS504に進む。
ステップS504では、メイン制御基板60は、ループ変数が「0」か否かを判断する。具体的には、Bレジスタの値が「0」か否かを判断する。ここで、ループ変数が「0」であると判断したときは、ステップS509に進む。これに対し、ループ変数が「0」でないと判断したときは、次のステップS505に進む。
ステップS505では、メイン制御基板60は、置数のアドレスを指定する。具体的には、HLレジスタの値に「1」を加算することでHLレジスタの値を更新する(たとえば、「0x00」→「0x01」)。そして、次のステップS506に進む。
ステップS506では、メイン制御基板60は、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とする。具体的には、DEレジスタの値から、HLレジスタが示すアドレスに対応するデータ(置数)(たとえば、図29のアドレス「0x01」のデータ「01000000」)の値を減算して、新たなDEレジスタの値とする。そして、次のステップS507に進む。
ステップS507では、メイン制御基板60は、ステップS506で算出した新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断する。具体的には、DEレジスタの値が「0」より小さいか否かを(キャリーフラグの有無により)判断する。ここで、「0」より小さいと判断したときは、ステップS509に進む。これに対し、「0」以上であると判断したときは、ステップS508に進む。
ステップS508では、メイン制御基板60は、ループ変数から「1」を減算することでループ変数を更新する。具体的には、Bレジスタの値から「1」を減算することでBレジスタの値を更新する。そして、ステップS504に戻る。
なお、第4実施形態におけるループ処理とは、ステップS504からステップS508までの処理を繰り返すことを意味する。このループ処理が行われるごとに、ループ変数が更新される。
ステップS509では、メイン制御基板60は、ループ変数を当選番号として決定する。具体的には、Bレジスタの値をAレジスタに記憶する。
ここで、ステップS504でループ変数が「0」であると判断してステップS509に進んだときは、「0」を当選番号として決定し、前兆遊技回数を「0」に決定する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
また、ステップS507で乱数値が「0」より小さいと判断してステップS509に進んだときは、乱数値が「0」より小さいと判断したときのループ変数を当選番号として決定する。たとえば、乱数値が「0」より小さいと判断したときのループ変数が「6」であれば、「6」を当選番号として決定し、前兆遊技回数を「6」に決定する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
このように、第4実施形態における抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブルからループ変数の初期値を取得する。
また、取得した乱数値から、抽選テーブルに定められたn番目(n=1、2、・・・)の置数を減算することにより、乱数値を更新し、更新後の乱数値が規定値N1(N1=0)以上のときは、更新後の乱数値から、抽選テーブルに定められた(n+1)番目の置数を減算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで繰り返す。
さらに、乱数値を更新するごとに、ループ変数から所定値を減算することにより、ループ変数を更新する。
そして、乱数値が規定値N1未満になったときは、乱数値が規定値N1未満になったときのループ変数を当選番号として決定する。
また、乱数値が規定値N1未満になる前に、ループ変数が規定値N1となったときは、規定値N1を当選番号として決定する。
以下、具体的な乱数値を入れて、前兆遊技回数の抽選処理について説明する。
たとえば、1バイトの乱数値として「50」を取得したとする(図30のステップS501)。
次に、ループ変数の初期値「11」(図29のアドレス「0x00」のデータ「00001011」)を取得する(図30のステップS503)。
次に、ループ変数が「0」でないので(図30のステップS504)、乱数値「50」から、1番目の置数「64」(図29のアドレス「0x01」のデータ「01000000」)を減算して、新たな乱数値「−14」とする(図30のステップS506)。
次に、新たな乱数値が「0」未満であるので(図30のステップS507)、このときのループ変数「11」を当選番号として決定し(図30のステップS509)、前兆遊技回数を「11」に決定する。そして、前兆遊技回数の抽選処理を終了する。
なお、図29では、ループ変数の初期値は「11」に設定され、11個の置数は合計すると「256」になる。このため、図29の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、乱数値が「0」未満になる前にループ変数が「0」になる場合を有しない。したがって、図30のステップS504でYesと判断してステップS509に進むことはない。よって、当選番号として「0」が決定されることはない。
また、図29の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、当選番号として「11」及び「10」がそれぞれ25%の確率で決定され、「9」及び「8」がそれぞれ12.5%の確率で決定され、「7」及び「6」がそれぞれ6.25%の確率で決定され、「5」、「4」及び「3」がそれぞれ3.125%の確率で決定され、「2」及び「1」がそれぞれ1.5625%の確率で決定される。
図31は、第4実施形態における前兆遊技回数抽選テーブルの変形例を示すものであり、図29とはループ変数の初期値、及び置数の定め方が異なるものである。
図31に示す前兆遊技回数抽選テーブルは、1行目にループ変数の初期値として「4」(アドレス「0x00」のデータ「00000100」)を定め、2行目以降に置数を定めている。また、図31では、4個の置数を定めており、1番目の置数を「128」に設定し、2番目の置数を「64」に設定し、3番目の置数を「32」に設定し、4番目の置数を「16」に設定している。
このため、図31では、4個の置数を合計すると「240」となり、乱数値がとる全範囲の「256」に満たない。
したがって、図31の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、乱数値が「0」未満になる前にループ変数が「0」になる場合を有するので、図30のステップS504でYesと判断してステップS509に進む場合を有する。
また、図31の抽選テーブルを用いて抽選処理を行うと、50%の確率で当選番号「4」が決定され、25%の確率で当選番号「3」が決定され、12.5%の確率で当選番号「2」が決定され、6.25%の確率で当選番号「1」が決定される。また、残りの6.25%の確率で当選番号「0」が決定される。
なお、第4実施形態では、乱数値から置数を減算して新たな乱数値とし(図30のステップS506)、新たな乱数値が「0」より小さいか否かを判断した(図30のステップS507)。
しかし、これに限らず、たとえば、図30のステップS506において、乱数値に置数を加算して新たな乱数値とし、図30のステップS507では、新たな乱数値が「255」より大きいか否かを判断してもよい。
すなわち、乱数値に置数を加算する場合の抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得するとともに、抽選テーブルからループ変数の初期値を取得する。
また、取得した乱数値に対して、抽選テーブルに定められたn番目(n=1、2、・・・)の置数を加算することにより、乱数値を更新し、更新後の乱数値が規定値M2(M2=255)以下のときは、更新後の乱数値に対して、抽選テーブルに定められた(n+1)番目の置数を加算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値M2より大きくなるまで繰り返す。
さらに、乱数値を更新するごとに、ループ変数から所定値を減算することにより、ループ変数を更新する。
そして、乱数値が規定値M2より大きくなったときは、乱数値が規定値M2より大きくなったときのループ変数を当選番号として決定する。
また、乱数値が規定値M2より大きくなる前に、ループ変数が規定値N1(N1=0)となったときは、規定値N1を当選番号として決定する。
なお、第4実施形態では、前兆遊技回数抽選について説明したが、第4実施形態の抽選処理は、第3実施形態の抽選処理と同様に、前兆遊技回数抽選に限らず、たとえば、役抽選、内部状態の移行抽選、上乗せ遊技回数抽選に用いることもできる。
<第5実施形態>
次に、図32に基づいて、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、当選か否かの二択の抽選を簡易な処理により行うものである。
図32は、第5実施形態における抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601において、メイン制御基板60は、8ビットデータからなる乱数値を取得する。具体的には、8ビット(1バイト)の乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得してAレジスタに記憶する。なお、16ビット(2バイト)の乱数生成回路から下位1バイトを乱数値として取得してAレジスタに記憶してもよい。そして、次のステップS602に進む。
ステップS602では、メイン制御基板60は、取得した8ビットデータの乱数値と、特定ビット目を特定値に設定した特定ビットデータとをAND演算する。具体的には、第5実施形態では、特定ビット目を第0ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00000001」を特定ビットデータとしている。そして、Aレジスタの値と特定ビットデータとをAND演算して新たなAレジスタの値とし、次のステップS603に進む。
ステップS603では、メイン制御基板60は、AND演算後のビットデータにおける特定ビット目が「0」か否かを判断する。具体的には、第5実施形態では、第0ビットが「0」か否かを判断する。ここで、第0ビットが「0」であると判断したときは、次のステップS604に進む。これに対し、第0ビットが「0」でない(「1」である)と判断したときは、ステップS605に進む。
また、メイン制御基板60は、ステップS604では、当選と判断し、ステップS605では、非当選と判断する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
具体的には、たとえば、乱数値として「01001010」を取得したとする。
この場合、
01001010:乱数値
00000001:特定ビットデータ
00000000:AND演算後のビットデータ
となる。
よって、AND演算後のビットデータにおける第0ビット(特定ビット目)が「0」であるので、当選となる。
また、たとえば、乱数値として「01001011」を取得したとする。
この場合、
01001011:乱数値
00000001:特定ビットデータ
00000001:AND演算後のビットデータ
となる。
よって、AND演算後のビットデータにおける第0ビット(特定ビット目)が「1」であるので、非当選となる。
なお、第5実施形態では、特定ビットデータの第1〜第7ビットを「0」に設定しているため、乱数値の第1〜第7ビットが「0」又は「1」のいずれであっても、AND演算後のビットデータの第1〜第7ビットは「0」になる。また、AND演算後のビットデータが「00000000」になると、ゼロフラグが立つ。したがって、ステップS603では、メイン制御基板60は、ゼロフラグの有無を判断することにより、第0ビットが「0」か否かを判断することができる。すなわち、AND演算の結果が所定値(「00000000」)か否かに基づいて、当選か否かを判断することができる。
このように、第5実施形態における抽選処理では、乱数生成回路(乱数生成手段)から、ビットデータからなる乱数値を取得し、取得したビットデータの乱数値と、特定ビット目を特定値に設定した特定ビットデータとをAND演算する。そして、AND演算の結果が所定値(「00000000」)か否か(AND演算後のビットデータにおける特定ビット目が「0」か否か)に基づいて当選か否かを判定する。特に、第5実施形態では、「00000001」を特定ビットデータとしているので、当選確率50%(1/2)の抽選を行うことができる。
そして、第5実施形態における抽選処理により、たとえば、ART中における通常確率から高確率への移行抽選を行うことができる。具体的には、RT2(ART)の通常確率状態においてチェリー当選時に第5実施形態における抽選処理を行い、この抽選処理で当選したときは高確率状態に移行させ、非当選となったときは通常確率状態を維持する。これにより、チェリー当選時に50%の確率で通常確率状態から高確率状態に移行させることができる。また、置数を定めた抽選テーブルを備えなくても済むので、その分のメモリ容量を削減することができる。
なお、第5実施形態では、特定ビット目を第0ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00000001」を特定ビットデータとした。そして、AND演算後のビットデータにおける第0ビットが「0」のときは当選と判断し、「1」のときは非当選と判断した。しかし、これに限られるものではない。
たとえば、AND演算後のビットデータにおける第0ビットが「1」のときは当選と判断し、「0」のときは非当選と判断してもよい。このようにしても、当選確率50%(1/2)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第0及び第1ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00000011」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第0及び第1ビットの双方が「0」のときは当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率25%(1/4)の抽選を行うことができる。
また、AND演算後のビットデータにおける第0及び第1ビットの双方が「1」のときは当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「0」)のときは非当選と判断してもよい。このようにしても、当選確率25%(1/4)の抽選を行うことができる。
さらにまた、AND演算後のビットデータにおける第0及び第1ビットの双方が「0」のときは非当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「1」)のときは当選と判断してもよい。これにより、当選確率75%(3/4)の抽選を行うことができる。
さらに、AND演算後のビットデータにおける第0及び第1ビットの双方が「1」のときは非当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「0」)のときは当選と判断してもよい。これにより、当選確率75%(3/4)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第3及び第4ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00011000」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第3及び第4ビットの双方が「0」のときは当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率25%(1/4)の抽選を行うことができる。
また、AND演算後のビットデータにおける第3及び第4ビットの双方が「1」のときは当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「0」)のときは非当選と判断してもよい。このようにしても、当選確率25%(1/4)の抽選を行うことができる。
さらにまた、AND演算後のビットデータにおける第3及び第4ビットの双方が「0」のときは非当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「1」)のときは当選と判断してもよい。これにより、当選確率75%(3/4)の抽選を行うことができる。
さらに、AND演算後のビットデータにおける第3及び第4ビットの双方が「1」のときは非当選と判断し、それ以外(いずれか一方又は双方が「0」)のときは当選と判断してもよい。このようにしても、当選確率75%(3/4)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第0、第1及び第2ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00000111」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第0、第1及び第2ビットのすべてが「0」のときは当選と判断し、それ以外(すくなくとも1つが「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率12.5%(1/8)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第0、第1、第2及び第3ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00001111」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第0、第1、第2及び第3ビットのすべてが「0」のときは当選と判断し、それ以外(すくなくとも1つが「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率6.25%(1/16)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第0、第1、第2、第3及び第4ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00011111」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第0、第1、第2、第3及び第4ビットのすべてが「0」のときは当選と判断し、それ以外(すくなくとも1つが「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率3.125%(1/32)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第0、第1、第2、第3、第4及び第5ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「00111111」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第0、第1、第2、第3、第4及び第5ビットのすべてが「0」のときは当選と判断し、それ以外(すくなくとも1つが「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率1.5625%(1/64)の抽選を行うことができる。
特定ビット目を第0、第1、第2、第3、第4、第5及び第6ビットに設定し、特定値を「1」に設定し、それ以外のビット目を「0」に設定した「01111111」を特定ビットデータとしてもよい。そして、AND演算後のビットデータにおける第0、第1、第2、第3、第4、第5及び第6ビットのすべてが「0」のときは当選と判断し、それ以外(すくなくとも1つが「1」)のときは非当選と判断してもよい。これにより、当選確率0.78125%(1/128)の抽選を行うことができる。
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)フリーズ及び擬似遊技
スロットマシン10において、フリーズを実行することが可能である。
ここで「フリーズ」とは、遊技の進行を、所定期間一時停止状態にして、遅延させることであり、たとえば、メダルの受付け、ベットスイッチ40の操作の受付け、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42の操作の受付け(リール31の停止操作の受付け)に関する機能を一時停止状態にすることである。このようなフリーズを実行するとともに、このフリーズ期間中に、各種の演出を出力することが挙げられる。
さらに、フリーズ期間中に、擬似遊技を実行してもよい。
ここで、本遊技と擬似遊技とについて説明する。
「本遊技」とは、操作スイッチの本来の機能(ベットスイッチ40は遊技を開始するためにメダルを投入する機能、スタートスイッチ41は遊技を開始するためにリール31の回転を開始する機能、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を役の抽選結果に基づいて最大移動コマ数の範囲内において停止させる機能)が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっている遊技を指す。
本遊技では、ベットスイッチ40が操作されたときにメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されたときにリール31の回転を開始し(及び役の抽選を行い)、ストップスイッチ42が操作されたときに、役の抽選結果に基づいてリール31を停止させ、リール31の停止時における図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示する。
これに対し、フリーズ中は、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されないこと、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しないこと、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を表示しない(リール31が停止しない)こと等は、操作スイッチの機能が本遊技を進行して本遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。
そして、「擬似遊技」とは、このフリーズ中に実行される遊技であって、本遊技と異なり、少なくとも1つの操作スイッチについて、その機能が、本遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない遊技を指す。特に、スタートスイッチ41が操作された時から、リール31が定速となってストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になるまで)の間に、擬似遊技を実行する。
擬似遊技の実行のタイミングとしては、たとえば前兆終了後の次遊技である。この次遊技に、擬似遊技で停止させる図柄の組合せ、たとえば「赤7」揃い(ART作動図柄)を狙わせる報知を行う。
擬似遊技を実行することに決定したときは、次遊技において、本遊技の開始前に擬似遊技を開始する。
遊技者によりスタートスイッチ41が操作されると、役の抽選を行うとともに、擬似遊技を開始する。一方、スタートスイッチ41が操作されると、リール31の回転を開始する。スタートスイッチ41が操作されたことによりリール31を回転させる場合において、当該遊技で、本遊技の前に擬似遊技を実行する場合には、そのスタートスイッチ41の操作によるリール31の回転開始時は擬似遊技となる。
また、擬似遊技では、遊技者によるストップスイッチ42の操作を契機として、そのストップスイッチ42に対応するリール31を変動させ、遊技結果を表示する停止とは異なる図柄の表示状態とすることにより、遊技結果を示すものではない図柄の組合せの表示状態(リール31の停止に近い状態)となるように制御する。すなわち、ストップスイッチ42の機能は遊技結果を表示するものとして有効になっていないものの、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31の変動を行う。
このときに、ストップスイッチ42の操作を契機として上述したART作動図柄を表示させることで、ART実行の演出とする。また、ART作動図柄を表示した時に、外部信号を送信してもよい。
なお、擬似遊技中に、ストップスイッチ42の操作を契機としてART作動図柄を表示させる場合には、そのART作動図柄は、本遊技における停止位置決定テーブルを用いる停止制御(最大スベリコマ数が3コマ)と同様の制御を行ってもよいが、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず(最大スベリコマ数が3コマを超える場合であっても)、ART作動図柄を常に有効ラインに表示するようにリール31を制御してもよい。擬似遊技は、本遊技における最大スベリコマ数の制約を受けないためである。
さらに、擬似遊技中の図柄の表示状態は、リール31(図柄)が一定位置に完全にとどまることなく、揺れ変動を伴うものとする。
ここで、「揺れ変動」とは、図柄が一定の振幅(揺れ幅)をもって上下移動を繰り返すものであり、常に上下移動を繰り返す場合や、静止及び移動を繰り返す場合、たとえば有効ラインを基準として上寄りの位置で所定時間静止した後、下寄りに移動してその位置で所定時間静止した後、再度上寄りに移動して所定時間静止することを繰り返す等の動作である。
より具体的には、図柄の表示状態とした時から約390msその位置にとどまり、上寄り位置に移動してその位置で約10msとどまり、次に下寄り位置に移動してその位置で約10msとどまる、というように、最初は約390msとどまり、次に移動及び約10msとどまることを繰り返すパターンが挙げられる。
なお、最初のとどまる時間を約390msに設定したのは、とどまる時間を500ms未満とすることで、遊技結果を表示する停止と区別するためである。
「リール31を停止させること」は、遊技結果を表示することを意味するものなる。そして、遊技結果を一旦表示した後は、その一遊技内で、遊技結果を表示したリール31の再変動を行うことはできない。したがって、擬似遊技中にリール31を停止させてしまうと、その後に本遊技においてリール31を停止させて遊技結果を表示することはできない。
そこで、擬似遊技中は、ストップスイッチ42の操作を契機として、リール31の停止に近い状態(一時的な仮停止、擬似停止ともいう。)である、揺れ変動を伴う図柄の表示状態とする。すなわち、擬似遊技中の図柄の表示状態は、遊技結果を示す停止ではない。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示すようにリール31が停止することはない。
このため、擬似遊技中の図柄の表示状態は、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したこと、すなわち役の入賞を意味するものではない。よって、小役入賞時のようなメダルの払出しや、リプレイ入賞時のようなメダルの自動投入が行われることはない。
このようにして、擬似遊技では、すべてのリール31について図柄の表示状態とした後、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、擬似遊技及びフリーズを終了し、全リール31の再変動を行う。
なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自ら擬似遊技を終了させる(フリーズを解除ないしキャンセルする)操作である。
また、リール31の再変動は、ランダム遅延によって、各リール31ごとに、再変動の回転開始タイミングをばらばらにする制御を行う。これにより、擬似遊技後の遊技において目押しの補助にならないように制御を行っている。
(2)マイスロ遊技
スロットマシン10を利用して、マイスロ遊技を実行することも可能である。
ここで、「マイスロ遊技」とは、以下の内容である。
スロットマシン10は、遊技者の遊技履歴(遊技回数、ART当選回数等)を記憶しておく。遊技終了時に、スロットマシン10は、遊技履歴を二次元コードとして画像表示装置23に画像表示する。
遊技者は、その二次元コードを遊技者自身の携帯通信端末(二次元コードを読み取り可能なCCDを備えるスマートフォン等)で読み取り、スロットマシン10の製造メーカ等が運営するサーバーコンピュータにアクセスする。サーバーコンピュータには、その遊技者の最新の遊技履歴が記憶される。また、サーバーコンピュータは、遊技者が保有する携帯通信端末に対し、パスワードを発行する。遊技者は、遊技開始時に、そのパスワードを入力して遊技を開始すれば、遊技履歴を引き継ぐことができるというものである。
このようなマイスロ遊技では、遊技履歴は、RWM81に記憶しておく。そして、単なる電源のオン/オフ時におけるRWM81の初期化時には、その遊技履歴を消去するように設定する場合と、消去しないように設定する場合とが挙げられる。
また、設定変更を開始した場合の初期化時には、遊技履歴を含めて消去する。
たとえば、電源がオフからオンになったときに遊技履歴を消去するようにしておくことにより、設定変更を開始したときの挙動と同じになることで、マイスロ遊技を用いて設定変更をしたか否かということを遊技者には知らせないことが可能となる。
また、電源のオフからオンになったときに遊技履歴を一律に消去してしまうと、遊技中に意図しない電源断が生じた場合に遊技者に不利益を与えてしまう。そこで、電源のオフから時間を計時し、所定時間(例えば2時間)経過した場合は電源のオン時に遊技履歴を消去し、所定時間経過前の場合には、電源オン時に遊技履歴を保持するようにしてもよい。
この遊技履歴は、上述したマイスロ遊技に限らず、例えば画像表示装置23に表示されている遊技に関する実行回数(通常ゲーム数、ARTゲーム数、チャンスゾーン中を示すゲーム数)も同様に制御するようにすることができる。
(3)上記実施形態では、遊技状態(RT)の移行を行い、RT2に移行したときにARTを実行した。
これに対し、以下のように遊技状態を制御することも可能である。
まず、当選を持ち越すMB(特別役)を設け、MBに当選したときであってもMBが入賞しにくいように制御する。たとえば、MBは、押し順が右中左であることを条件として入賞可能とし、かつ、当該押し順をペナルティ押し順に設定する。
これにより、遊技者が意図的に逆押ししたり操作ミスをしない限り、当該押し順でストップスイッチ42が操作されることはない。このため、MBが入賞することはない。
したがって、MBの当選後は、MBが入賞しない状態、すなわちMB内部中遊技がずっと継続することとなる。よって、当選したMBが入賞することは稀であるから、MB遊技が実行されることも稀である。このため、MB内部中遊技は、ずっと継続される。
そして、MB内部中遊技において、内部状態として非AT、AT準備中、及びATを設け、非ATからATへの移行は、RT(遊技状態)移行を伴わないようにする。
さらに、非ATは、ATに当選する確率が異なる低確率、通常確率、及び高確率を備える。これらの低確率、通常確率、高確率中にATに当選すると、ATに当選しているがATの開始前の遊技期間である前兆に移行する。この前兆中において、ATに当選していることが遊技者に報知される。
また、前兆の終了後、AT開始時までの間の期間は、AT準備中となる。さらにまた、ATは、ATの遊技回数が上乗せされる期待値が異なる通常確率と高確率とを備える。
これらの内部状態の移行は、当該遊技における当選役によって行われる。また、一つの内部状態から他の内部状態に移行するときは、前記一つの内部状態における遊技終了時(全リール31が停止して当該遊技の遊技結果を表示した時)に行われる。
本実施形態では、内部状態のうち、前兆に移行することに決定したときが、ATの当選に相当する。
以上のような遊技状態及び内部状態からなるものであってもよい。
(4)メイン制御基板60に関する他の例
本実施形態では、メイン制御基板60は、1つとしたが、これに限らず、複数個の別体から構成してもよい(メイン制御基板60A、60B、・・・)。各メイン制御基板は、独立してCPU及びRWMを備える。また、メイン制御基板60をたとえば2個設けたときは、両者は、双方向通信で情報の送受信が可能に構成する。そして、いずれか1つのメイン制御基板60とサブ制御基板80とを、メイン制御基板60からサブ制御基板80への一方向通信となるように接続する。
さらに、メイン制御基板60を複数設ける場合には、図1において、どのメイン制御基板60と、どの遊技用周辺機器とを接続するかについては任意に設定することができる。
たとえば、メイン制御基板60を、第1メイン制御基板60Aと第2メイン制御基板60Bとから構成し、第1メイン制御基板60Aは、役の抽選、リール31の停止制御、ARTの制御を担当し、第2メイン制御基板60Bは、メダルの投入(ベット)、払出し、貯留、精算等の制御を担当するものとする。
この場合、第1メイン制御基板60Aには、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、モータ32等が接続され、第2メイン制御基板60Bには、ベットスイッチ40、精算スイッチ43等が接続される。
さらに、メイン制御基板60を複数個設ける場合には、すべてのメイン制御基板60について基板ケース内に収容し、かしめ等を行う。
(5)ペナルティ状態に関する他の例
本実施形態では、非ART中に変則押しを行った場合には、ペナルティ状態に設定したが、このペナルティ状態を解除可能に設定してもよい。
たとえば、電源のオン/オフによってペナルティ状態が解除されるように設定することが挙げられる。非ART中の変則押しによってペナルティ状態に設定されたときは、ペナルティフラグをオンにする(RWM61に記憶する)。そして、電源のオフ時又はオン時のいずれか一方において、RWM61に記憶したペナルティフラグのオンをオフにする(クリアする)ことが挙げられる。
また、ペナルティ状態に設定されたときは、時間を計測し、所定時間が経過したときは、ペナルティ状態を自動で解除することも可能である。このように設定すれば、ホール店員による電源のオン/オフを行うことなく、自動でペナルティ状態を解除することができる。さらに、ペナルティ操作(変則押し)を意図的に頻繁に繰り返す遊技者がいたとしても、1回のペナルティ操作ごとに所定時間を待つ必要があるので、短時間の間に繰り返してペナルティ操作を行うことを防止することができる。
さらに、たとえば1回目の変則押し時には、10秒間のペナルティ状態を設定し(タイマにより10秒をカウントしたときはペナルティ状態を解除する)、2回目の変則押し時には30秒間のペナルティ状態を設定し、3回目の変則押し時には電源をオン/オフしなければペナルティ状態を解除できないように設定してもよい。
また、電源のオン/オフを行うことなく、遊技者又はホール店員等(店長等の管理者を含む。以下同じ。)による操作スイッチの特定の操作(特定パターンの入力)により、ペナルティ状態が解除されるように設定する。たとえば、複数のスイッチの同時押しや、複数のスイッチの所定順番での操作が挙げられる。
さらにまた、たとえばスロットマシン10のフロントカバー11を開放し、ドアスイッチ16のオン/オフを検知したこと、及びリセットスイッチ53がオンにされたことを条件として、ペナルティ状態を解除してもよい。これにより、ホール店員が容易にペナルティ状態を解除することができる。
さらにまた、ホール側で、ペナルティ状態に設定された台を容易に把握できるようにするため、ペナルティ状態に設定されたときに、ペナルティ信号(外部信号)を外部集中端子板100に送信し、その情報をホールコンピュータで受信する。
これにより、ホール側では、どの台がペナルティ状態に設定されたかを容易に把握することができ、店員に対し、その台のペナルティ状態を解除するように指示を出すことも可能となる。
特に、頻繁にペナルティ押し順を繰り返せば、それだけその旨の信号がホールコンピュータに送信される。これにより、ホール側は、挙動不審な遊技者を容易に特定することが可能となる。
また、上記実施形態では、ペナルティ状態に設定したときは、ATの抽選等で遊技者に不利になるものの、遊技を進行すること自体は支障がない。
これに対し、ペナルティ状態に設定されているときは、遊技を進行できないように制御することも可能である。遊技を進行できなくする方法としては、たとえばフリーズを利用することが挙げられる。
そして、ペナルティ状態の解除条件を満たしたときに、フリーズを解除し、そのペナルティ状態を解除するように制御する。
また、上記実施形態では、遊技者が変則押しをしてペナルティ状態に設定したときであっても、ペナルティ状態中にその旨を報知していない。なお、変則押しが行われたときには、その時点で(たとえば非ART中に右第一停止が行われたときに、右ストップスイッチ42が操作された時点で)警告音を出力すること等は可能である。
そこで、現在がペナルティ状態に設定されているか否かを遊技者が判断可能にするために、画像表示装置23等を用いて、ペナルティ状態に設定されている間は、ペナルティ状態である旨の報知を行うことも可能である。
たとえば、画像表示装置23に「!」マークを表示することや、演出ランプ21をペナルティ状態特有の色、点灯(点滅)パターンで点灯することが挙げられる。
さらに、メイン制御基板60と電気的に接続された(メイン側の)報知手段を設け、その報知手段を用いてペナルティ状態であることを報知してもよい(メイン側によるペナルティ状態の報知)。
画像表示装置23等に、ペナルティ状態である旨の報知が行われている場合に、遊技者がその台で遊技を開始したいときは、たとえばホール店員を呼び、電源のオン/オフを行ってもらうことによりペナルティ状態を解除することができる。
これにより、遊技者は、ペナルティ状態から遊技を開始してしまうことをなくすことができ、遊技の公正を担保することができる。あるいは、ペナルティ状態が上述したような経過時間で解除される場合、ペナルティ状態が解除されるまで、その台で遊技を行うのを待つことができる。
なお、ペナルティ状態が解除されたときは、ペナルティ状態である旨の報知、表示を終了するように制御する。
上記実施形態では、ベル当選時に変則押し(ペナルティ押し順で操作)するとペナルティ状態に設定した。これに対し、変則押しをしただけではペナルティ状態に設定せず、変則押しをした結果、ベルを入賞させたときにペナルティ状態に設定し、その旨を報知することも可能である。
第1に、ベル01(8枚役)を入賞させたときのみ、ペナルティ状態に設定し、その旨を報知することが挙げられる。
たとえば非ART中にベルA1当選となった場合において、中第一停止で操作されたときは、8枚役が入賞する可能性を有するので、この時点で、ペナルティ予備状態に設定する。これに対し、右第一停止時には、8枚役の入賞可能性を有さないので、ペナルティ状態に設定しない。
また、中第一停止後、左第二停止となったときは、この時点で、8枚役の入賞が確定するので、ペナルティ状態に設定する。すなわち、最後の右ストップスイッチ42が操作されておらず、ベル01が入賞していないが、中第一停止及び左第二停止の時点でベル01の入賞が確定するので、この時点でペナルティ状態に設定する。なお、これに限らず、右第三停止が行われ、全リール31が停止し、かつベル01が入賞したと判断した後にペナルティ状態に設定してもよい。
一方、中第一停止後、右第二停止となったときは、その時点で、ベル01(8枚役)の非入賞が確定するので、中第一停止時におけるペナルティ予備状態を解除する(ペナルティ予備状態である旨の報知を終了する)。したがって、ベルA1当選時に中右左の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、ペナルティ状態に設定しない。
他のベル当選A2〜A8も同様に、ベル01(8枚)が入賞したとき(又は入賞が確定したとき)はペナルティ状態に設定し、1枚ベル入賞時又はベルコボシ時にはペナルティ状態に設定しない。
なお、ベルB1〜B4当選時に、順押し又は順挟み押しによりベル01(8枚)を入賞させたとしても、変則押し(ペナルティ押し順)ではないので、当然、ペナルティ状態に設定しない。
また、第2に、ベル01(8枚役)又は1枚ベルを入賞させたときにペナルティ状態に設定し、ベルを取りこぼしたときにはペナルティ状態に設定しないことが挙げられる。
たとえばベルA1当選となったときに、中第一停止時には、ベル01(8枚ベル)又は1枚ベルの入賞が確定するので、この時点でペナルティ状態に設定する。なお、これに限らず、第三停止が行われ、全リール31が停止し、かつ1枚又は8枚ベルが入賞したと判断した後にペナルティ状態に設定してもよい。
また、右第一停止時には、この時点で、ペナルティ状態となる可能性を有するので、ペナルティ予備状態に設定する。
これに対し、左第一停止時には、「1/8」の確率で1枚役が入賞する可能性があるが、その押し順はペナルティ押し順ではないので、仮に順押しで1枚役が入賞してもペナルティ状態には設定しない。
右第一停止時には、「1/4」の確率で1枚ベルが入賞するが、1枚ベルを入賞させたときはペナルティ状態に設定し、ベルを入賞させなかったとき(ベルコボシ時)にはペナルティ状態に設定しない。
他のベル当選A2〜A8も同様に、ベル01(8枚)又は1枚ベルが入賞したときはペナルティ状態に設定し、ベルコボシ時にはペナルティ状態に設定しない。
なお、ベル当選B1〜B4時に、変則押しをしたことによりベル01を入賞させなかったとき(1枚ベル入賞時)は、本実施形態ではペナルティ状態に設定しない。しかし、これに限らず、ベル当選B1〜4時に、変則押しをした時点でペナルティ状態に設定してもよい。
また、上記のようにペナルティ予備状態に設定したり、ペナルティ状態に設定しなかったり制御する場合には、以下のように報知を制御する。
たとえば、ベルA1当選時に、ベル01(8枚役)を入賞させたときのみ、ペナルティ状態に設定するものとする。
この場合、左又は右第一停止時には、ペナルティ状態に設定しないので、ペナルティ状態に関する報知は一切行わないか、又は右第一停止時には「変則押し注意!」のような報知を行う。
一方、中第一停止時には、ベル01の入賞可能性を有し、ペナルティ予備状態に設定されるので、この時点で、たとえば画像表示装置23による画像表示状態を暗転させる等して注意を促す。すなわち、ペナルティ状態に設定される可能性を有すること(ペナルティ予備状態であること)を報知する。
次に、遊技者が第二停止として左ストップスイッチ42を操作したときは、その時点でペナルティ状態が確定するので、ペナルティ状態に設定される旨の報知を行う。たとえば画像表示装置に「ペナルティ発生」、「ペナルティ中」等と表示する。
これに対し、遊技者が第二停止として右ストップスイッチ42を操作したときは、その時点で、ペナルティ状態に設定されないことが確定するので、上述した画像表示状態の暗転等(ペナルティ予備状態である旨の報知)を元の状態に戻す制御を実行する。
(6)RT状態に応じて、ベル当選時の押し順に対応するリール31の停止制御を異ならせることが可能である。
1BBに当選していない非内部中遊技と、1BBの当選を持ち越している内部中遊技とでは、当該遊技における当選フラグが異なる。このため、当該遊技で当選を持ち越さない小役やリプレイに当選したときに、非内部中遊技と内部中遊技とで、リール31の停止制御を異ならせることができる。
そこで、RT状態に応じて、押し順により遊技結果が異なる役に当選したときに、リール31の停止制御を異ならせる。
1BB等の特別役の当選は「役物作動」であるが、RT状態の変更が役物作動に類似するものととらえると、RT状態に応じてリール31の停止制御を異ならせることが可能となる。
たとえば、RT1においてベルA1〜B4の当選となったときのリール31の停止制御は、上記実施形態で説明した通りとする。
これに対し、RT2においてベル当選となったときは、6択の押し順を、3択に変更することが挙げられる。
たとえばベルA1当選時について説明すると、中左右時には、上記実施形態と同様に中左右時(押し順正解時)の停止位置決定テーブルを用い、中右左時にも、中左右時(押し順正解時)の停止位置決定テーブルを用いることが挙げられる。これにより、中第一停止時には、押し順正解となり、ベル01(8枚)が入賞する。
さらに、左第一停止時には、上記実施形態の中右左時の停止位置決定テーブルを用いる。これにより、左第一停止時には、「PB=1」でベル03を入賞させる。
また、右第一停止時には、上記実施形態と同様に、右第一停止時の停止位置決定テーブルを用いる。これにより、右第一停止時には、「1/4」の確率でベル04aを入賞させる。
以上のような停止制御の変更は、他のベル当選についても適用する。
さらに、上記のRT状態に応じてリール31の停止制御を異ならせることのほか、ATの有無(ATフラグのオン/オフ)に基づいてリール31の停止制御を変更することが挙げられる。すなわち、特別役に係る当選フラグと同様にATフラグを取り扱うことで、たとえRT状態が異ならなくても、ATフラグのオン/オフに基づいてリール31の停止制御を異ならせる。非ATのとき(ATフラグオフ時)は上記実施形態と同様にベル当選時に6択押し順とし、ATのとき(ATフラグオン時)は上述したように押し順を3択に変更することが挙げられる。
(7)押し順ベル当選時のメダル獲得枚数期待値の変更
遊技者に対し、確実に順押しで遊技を消化させるためには、たとえば左中右の押し順が最も有利となる(出率が最も高くなる)ように設定することが挙げられる。
具体的には、ベルB1及びB2当選の置数を高めることにより、左中右の押し順時の出率を高めるようにする。
たとえば、上記実施形態において、ベルB1及びB2の当選置数を「1890」程度に設定することが挙げられる。この場合、ベルB3及びB4の当選置数を、ベルA1当選時等と同じ「1260」に設定する。このように設定すれば、「左中右」時の「置数×当該押し順のメダル獲得期待値」の合計は、
(1260×0.125)×8+1890×8×2+1260×1×2
=30420(メダル獲得期待値=約0.46枚)
となり、上記実施形態と同一となる。
一方、他の押し順では、たとえば「左右中」を例にとると、「置数×当該押し順のメダル獲得期待値」の合計は、
(1260×0.125)×8+1890×1×2+1260×8×2
=25200(メダル獲得期待値=約0.38枚)
となる。
このように設定すれば、左中右の押し順が最も有利となるので、遊技者は、左中右の押し順で遊技を消化するはずである。したがって、変則押し時のペナルティ状態が不要になる可能性がある。
さらに、順押し時には1枚ベルの取得率を高く設定することで、通常時(非ART中)における出率(ベース)を高くする方法が挙げられる。通常時における順押し時のベースを上げることができれば、「順押しで遊技を消化しても出率が一定値を満たす」というニースにこたえることがより容易になる。
たとえば、ベルA1〜A8当選のいずれであっても、左第一停止時は、「PB=1」で1枚ベルが入賞するように設定する。これにより、左第一停止で遊技を消化すれば、ベル当選時に取りこぼすことがない。なお、ベルB1〜B4当選時は、上記実施形態においても、ベルの取りこぼしがないように設定されている。
(8)第1及び第2実施形態では、2バイトの乱数値を用いて抽選処理を行ったが、これに限らず、たとえば、1バイトの乱数値を用いて抽選処理を行ってもよい。この場合、1バイトの乱数生成回路(乱数生成手段)から乱数値を取得して抽選処理に用いてもよく、また、2バイトの乱数生成回路から下位1バイトを乱数値として取得して抽選処理に用いてもよい。また、1バイトの乱数値を抽選処理に用いる場合には、取得した乱数値に置数を加算して新たな乱数値とし、新たな乱数値が「255」より大きいか否かを判断することにより、当選か否かを判断してもよい。
また、第3〜第5実施形態では、1バイトの乱数値を用いて抽選処理を行ったが、これに限らず、たとえば、2バイトの乱数値を用いて抽選処理を行ってもよい。
(9)上記実施形態では、0〜65535の範囲を1サイクルとし、200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンタから取得した乱数(ハードウェア乱数)を用いたが、これに限られるものではない。
たとえば、予め定められたランダムな数値順序(数列)を、MPUに入力されるクロックの周期毎に更新する乱数(内蔵乱数)を用いてもよく、また、プログラムの演算により得られる乱数(ソフトウエア乱数)を用いてもよい。
また、乱数値は、抽選処理において置数を加算又は減算することで更新される(変化する)ことから、変数データと称することもある。
さらにまた、乱数値の取得のタイミングは、スタートスイッチ41の操作時に限らず、たとえば、ストップスイッチ42の操作時、又は特定の役(たとえば、押し順ベル、チェリー)の当選時など、適宜設定することができる。
(10)上記実施形態では、メイン制御基板60での抽選処理を例に挙げたが、サブ制御基板80での抽選処理にも適用可能である。
(11)上記実施形態では、役抽選、内部状態の移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選を例に挙げたが、本発明の抽選処理は、ATに移行させるか否かを決定するAT抽選、ARTに移行させるか否かを決定するART抽選、RTを移行させるか否かを決定するRT移行抽選、フリーズを実行するか否かを決定するフリーズ抽選(広義の意味では演出抽選)、押し順ベルなどの押し順役が当選した場合に、当該遊技で押し順を報知するか否かを決定する押し順報知抽選、押し順の報知パターンを決定する押し順報知パターン抽選等にも適用可能である。
ここで、押し順報知パターン抽選とは、たとえば、AT中において、第1停止が中の場合に遊技者にとって有利となる役(小役、又はリプレイ)」が当選したときに、中→左→右の押し順を報知するか、又は中→右→左の押し順を報知するかを決定する抽選を意味する。この場合、いずれの押し順を報知しても、報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、遊技者にとって有利な遊技結果が得られるため、遊技結果に影響を及ぼすことはないが、第3停止まで押し順を報知することにより、遊技者を遊技に集中させることができる。このような抽選の場合は、いずれの押し順を報知するかを1/2の確率で振り分ければよいので、第5実施形態の抽選方法が最適である。
また、役抽選、内部状態の移行抽選、前兆遊技回数抽選、及び上乗せ遊技回数抽選については、1遊技内の異なるタイミングで実行することができる。
さらにまた、内部状態の移行抽選は、上記実施形態では、たとえば、低確率状態においてチェリーに当選したときなどに行うが、これに限られるものではなく、他の役の当選時に行ってもよい。
さらに、置数等の定め方が異なる複数の抽選テーブル(移行抽選テーブル等)を設けておき、設定値等に応じて抽選テーブルを選択して抽選処理に用いることができる。
(12)上記実施形態では、遊技機の一例としてスロットマシン10を例に挙げたが、本発明の抽選処理は、弾球遊技機や封入式遊技機等にも適用可能である。
(13)上記実施形態及び上記の各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来の技術において、たとえば、設定値や遊技状態ごとにそれぞれ抽選テーブルを備えたり、複数種類の抽選ごとにそれぞれ抽選テーブルを備えると、その分、メモリ容量を必要とする。このため、メモリ容量の削減が望まれていた。
当初発明が解決しようとする課題は、乱数を用いて抽選を行う遊技機において、メモリ容量を削減することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
第1の解決手段(第2実施形態)は、
乱数生成手段(メイン制御基板60上のMPUに備えられている乱数生成回路)と、
前記乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めた置数テーブル(図23の置数テーブル(TBL_LOT_DATA11))と、
前記置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めた抽選テーブル(図24(1)の低確率中・チェリー当選時用移行抽選テーブル(TBL_DIV11)等)と
を備え、
前記抽選テーブルは、
置数番号をXとし、
当選番号をYとし、
当選番号の最大値をYmaxとし、
当選番号に応じて定められる定数をaとしたときに、
X×a+Y≦255
a>Ymax
を満たすように定め、
「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとして記憶しており、
抽選処理(図25のフローチャート)では、
前記乱数生成手段から乱数値を取得する(図25のステップS301)とともに、前記抽選テーブルからn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得し(図25のステップS302)、
取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し(図25のステップS304)、商を置数番号Xnとするとともに、余りを当選番号Ynとし、
取得した乱数値から、置数番号Xnに対応する置数を減算することにより、乱数値を更新し(図25のステップS308)、
更新後の乱数値が規定値N1(N1=0)以上のとき(図25のステップS309でNoと判断したとき)は、前記抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得し(図25のステップS303)、
取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し(図25のステップS304)、商を置数番号X(n+1)とするとともに、余りを当選番号Y(n+1)とし、
更新後の乱数値から、置数番号(n+1)に対応する置数を減算することにより、再度、乱数値を更新する(図25のステップS308)ことを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで(図25のステップS309でYesと判断するまで)繰り返し、
更新後の乱数値が規定値N1未満になったとき(図25のステップS309でYesと判断したとき)は、乱数値が規定値N1未満になったときの余りを当選番号として決定する(図25のステップS311)
ことを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
更新後の乱数値が規定値N1未満になる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1となったとき(図25のステップS305でYesと判断したとき)は、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する(図25のステップS311)
ことを特徴とする。
第3の解決手段(第2実施形態の変形例)は、
乱数生成手段と、
前記乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めた置数テーブルと、
前記置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めた抽選テーブルと
を備え、
前記抽選テーブルは、
置数番号をXとし、
当選番号をYとし、
当選番号の最大値をYmaxとし、
当選番号に応じて定められる定数をaとしたときに、
X×a+Y≦255
a>Ymax
を満たすように定め、
「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとして記憶しており、
抽選処理では、
前記乱数生成手段から乱数値を取得するとともに、前記抽選テーブルからn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得し、
取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号Xnとするとともに、余りを当選番号Ynとし、
取得した乱数値に対して、置数番号Xnに対応する置数を加算することにより、乱数値を更新し、
更新後の乱数値が規定値M1(M1=65535)以下のときは、前記抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得し、
取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号X(n+1)とするとともに、余りを当選番号Y(n+1)とし、
更新後の乱数値に対して、置数番号(n+1)に対応する置数を加算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなるまで繰り返し、
更新後の乱数値が規定値M1より大きくなったときは、乱数値が規定値M1より大きくなったときの余りを当選番号として決定する
ことを特徴とする。
第4の解決手段は、第3の解決手段において、
更新後の乱数値が規定値M1より大きくなる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する
ことを特徴とする。
(当初発明と実施形態との関係)
「規定値N1」は、実施形態では「0」に相当する。
また、「規定値M1」は、実施形態では「65535」に相当する。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとしてメモリに記憶することにより、抽選データを圧縮することができるので、メモリ容量を削減することができる。
10 スロットマシン(遊技機)
16 ドアスイッチ
21 演出ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
24 プッシュボタン
25 十字キー
31 リール
32 モータ
35 メダル払出し装置
35a ホッパー
35b サブタンク
36 ホッパーモータ
37a、37b 払出しセンサ
38 満杯センサ
39 リールセンサ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 精算スイッチ
44 メダル投入口
45 メダルセレクタ
46 通路センサ
47 ブロッカ
48a、48b 投入センサ
51 電源スイッチ
52 設定キースイッチ
53 設定変更/リセットスイッチ
54 設定ドアスイッチ
60 メイン制御基板(メイン制御手段、遊技制御手段(基板)、主制御手段(基板))
61 RWM
62 メインCPU
62a 設定変更手段
62b 役抽選手段
62c リール制御手段
62d 入賞判定手段
62e 払出し手段
62f 遊技状態制御手段
62g コマンド制御手段
63 設定値表示LED
80 サブ制御基板(サブ制御手段、演出制御手段(基板)、副制御手段(基板))
81 RWM
82 サブCPU
82a 演出出力制御手段
100 外部集中端子板

Claims (4)

  1. 乱数生成手段と、
    前記乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めた置数テーブルと、
    前記置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めた抽選テーブルと
    を備え、
    前記抽選テーブルは、
    置数番号をXとし、
    当選番号をYとし、
    当選番号の最大値をYmaxとし、
    当選番号に応じて定められる定数をaとしたときに、
    X×a+Y≦255
    a>Ymax
    を満たすように定め、
    「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとして記憶しており、
    抽選処理では、
    前記乱数生成手段から乱数値を取得するとともに、前記抽選テーブルからn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得し、
    取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号Xnとするとともに、余りを当選番号Ynとし、
    取得した乱数値から、置数番号Xnに対応する置数を減算することにより、乱数値を更新し、
    更新後の乱数値が規定値N1以上のときは、前記抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得し、
    取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号X(n+1)とするとともに、余りを当選番号Y(n+1)とし、
    更新後の乱数値から、置数番号(n+1)に対応する置数を減算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値N1未満になるまで繰り返し、
    更新後の乱数値が規定値N1未満になったときは、乱数値が規定値N1未満になったときの余りを当選番号として決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1において、
    更新後の乱数値が規定値N1未満になる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 乱数生成手段と、
    前記乱数生成手段が生成可能な乱数値のうち当選となる範囲を示す置数を複数定めた置数テーブルと、
    前記置数テーブルに定められた複数の置数のうちいずれの置数を用いるかを示す置数番号と、抽選結果を示す当選番号との対応関係を定めた抽選テーブルと
    を備え、
    前記抽選テーブルは、
    置数番号をXとし、
    当選番号をYとし、
    当選番号の最大値をYmaxとし、
    当選番号に応じて定められる定数をaとしたときに、
    X×a+Y≦255
    a>Ymax
    を満たすように定め、
    「X×a+Y」の演算で得られる数値を抽選データとして記憶しており、
    抽選処理では、
    前記乱数生成手段から乱数値を取得するとともに、前記抽選テーブルからn番目(n=1、2、・・・)の抽選データを取得し、
    取得したn番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号Xnとするとともに、余りを当選番号Ynとし、
    取得した乱数値に対して、置数番号Xnに対応する置数を加算することにより、乱数値を更新し、
    更新後の乱数値が規定値M1以下のときは、前記抽選テーブルから(n+1)番目の抽選データを取得し、
    取得した(n+1)番目の抽選データを定数aで除算して商と余りとを算出し、商を置数番号X(n+1)とするとともに、余りを当選番号Y(n+1)とし、
    更新後の乱数値に対して、置数番号(n+1)に対応する置数を加算することにより、再度、乱数値を更新することを、更新後の乱数値が規定値M1より大きくなるまで繰り返し、
    更新後の乱数値が規定値M1より大きくなったときは、乱数値が規定値M1より大きくなったときの余りを当選番号として決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  4. 請求項3において、
    更新後の乱数値が規定値M1より大きくなる前に、抽選データを定数aで除算したときの商が規定値N1となったときは、商が規定値N1となったときの余りを当選番号として決定する
    ことを特徴とする遊技機。
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