JP2016129532A - 洗濯機 - Google Patents

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卓也 小林
Takuya Kobayashi
卓也 小林
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Abstract

【課題】安価に水位検知精度を向上させた洗濯機を提供することを課題とする。
【解決手段】水位検知補正行程において、溢水口13から水が溢れ出しその水位が略一定になるまで給水を行い、水位が略一定になった時の水位検知手段10が検知した周波数を基に、基準となる水位の周波数との差分から水位検知手段10の精度ばらつきを算出し、その精度ばらつきにより複数段の各水位の周波数をそれぞれの基準周波数より補正して記憶手段に補正水位データとして入力し、給水行程において、補正水位データにより水位を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗い、すすぎ、脱水行程を行なう洗濯機に関するものである。
従来、この種の洗濯機は、水位を検知するために、水位に比例した圧力の変化を周波数の変化に変換することにより検知する水位検知手段が広く用いられており、水位検知手段の水位検知のばらつきを抑制して水位検知の精度を向上する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の洗濯機の水位検知手段における水位検知部の断面図、図6は、同洗濯機の水位と周波数の特性図、図7は、同洗濯機の制御を説明するフローチャートである。
図5において、水位に応じて変化する空気圧である圧力Pを、ゴム等で成形された薄膜のダイヤフラム25が受けると、磁性体27がバネ28の作用を受けて上下方向に変化する。この時、コイル26の中を磁性体27が上下方向に変位するので、コイル26のインダクタンスが変化する。水位検出部と接続された発振回路(図示せず)の出力周波数は、コイル26のインダクタンスと回路にあるコンデンサ(図示せず)の容量によって決まるので、コイル26のインダクタンスが変化すると、周波数が変化することになる。この周波数を検出することで水位の変動を知ることができる。また、調整ネジ29を上下することで、圧力に対するコイル26のインダクタンスを変化させることができる。
図6において、aの破線は、水位検知手段がばらついた場合や周囲温度の影響を受けた場合の平均的なサンプルの特性を示し、bはその上限のサンプルの特性、cはその下限のサンプルの特性を示している。
例えば、水位検知手段としてxの特性を持つサンプルが用いられており、heの水位まで給水するときは、図7のフローチャートに示すように、ステップ400で水位検知手段により水位が0のときの初期周波数f0xを測定する。次に、ステップ401で記憶している周波数f0cと初期周波数f0xを比較し、f0x≧f0cであれば、ステップ402にて、f0x<f0cであれば、ステップ403にて判定周波数を算出する。ここで、f0cは平均的なサンプルの水位が0の時の周波数である。
所望の水位をheとし、ばらつきが上限のサンプルの水位が0の時の周波数をf0hとし、ばらつきが下限のサンプルの水位が0の時の周波数をf0lとし、(f0h−f0c)または(f0c−f0l)を1とすると、比例計算により(feh−fec)または(fec−fel)は、(hh−he)/hh(=Aとする)となる。ここで、fec、feh、felはそれぞれ水位がheのときの平均的なサンプル、ばらつきが上限のサンプル、ばらつきが下限のサンプルの周波数である。
ステップ402、またはステップ403にて上記のような比例計算を行ない、f0x≧f0cのとき判定周波数fe‘=fec+(f0x−f0c)×A、f0x<f0cのとき判定周波数fl’=flc−(f0c−f0x)×Aとする。続いて、ステップ404で給水弁(図示せず)をONして給水を開始し、ステップ405で一定時間の遅延の後、ステップ406で水位検知手段により周波数fxを測定する。ステップ407では、測定した周波数fxと判定周波数fl‘とを比較し、fx>fe’であれば、ステップ405にもどり、fx≦fe‘であれば、所望の水位に達したものとみなし、ステップ408に
て給水弁をOFFして給水動作を終了する。
特開昭63−222222号公報
前記従来の構成では、水位0の時の平均水位周波数と、同じく水位0の時に測定した実際の周波数との差を基にして、ばらつきの方向を判断し、所望の水位の周波数を調節する方法である。
しかしながら、実際の周波数と水位の相関性は、様々なばらつき要素に影響されて必ずしも直線的に比例せず、また傾きも平均値と異なる場合がある。よって、ばらつき分布が大きい水位0近辺の周波数を基に補正を行う場合は、水位0に近接した低水位領域の補正に有用であるが、高水位になるにつれて極力補正量を小さく抑えなければならなくなっていた。このために、高水位付近の水位が、水位検出部(水位センサ)単体の調整だけでは高い精度を確保できない場合が発生するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高精度な部品を使用することなく、高い精度の水位を得られる洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する水槽と、前記水槽底部に設けられた排水弁により機外へ排水する排水ホースと、前記水槽に設けられ前記排水ホースを介して機外と連通する溢水口と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、前記水槽内へ給水する給水弁と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を複数段に検知して周波数に変換する水位検知手段と、前記水位検知手段の出力信号を受け、前記モータ、前記給水弁、前記排水弁などを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、水位検知補正行程において、前記溢水口から水が溢れ出して水位が略一定になるまで給水を行い、前記溢水口から水が溢れ出して略一定水位になった時の水位検知手段が検知した周波数を基に、基準となる水位の周波数との差分から水位検知手段の精度ばらつきを算出し、前記精度ばらつきに基づいて前記複数段の各水位の周波数をそれぞれの基準周波数より補正して記憶手段に補正水位データとして記憶させる構成としたものである。
これにより、高精度な部品を使用することなく、高い精度の水位を得ることができる。
本発明の洗濯機は、高精度な部品を使用することなく、高い精度の水位を得ることができる。
本発明の実施の形態における洗濯機の縦断面図 同洗濯機の操作表示部の平面図 同洗濯機の水槽の構成図 同洗濯機の水位検知の補正フローチャート 従来の洗濯機の水位検知手段の水位検知部の断面図 同洗濯機の水位と周波数の特性図 同洗濯機の制御を説明するフローチャート
第1の発明は、洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する水槽と、前記水槽底部に設けられた排水弁により機外へ排水する排水ホースと、前記水槽に設けられ前記排水ホースを介して機外と連通する溢水口と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、前記水槽内へ給水する給水弁と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を複数段に検知して周波数に変換する水位検知手段と、前記水位検知手段の出力信号を受け、前記モータ、前記給水弁、前記排水弁などを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、水位検知補正行程において、前記溢水口から水が溢れ出して水位が略一定になるまで給水を行い、前記溢水口から水が溢れ出して略一定水位になった時の水位検知手段が検知した周波数を基に、基準となる水位の周波数との差分から水位検知手段の精度ばらつきを算出し、前記精度ばらつきに基づいて前記複数段の各水位の周波数をそれぞれの基準周波数より補正して記憶手段に補正水位データとして記憶させる構成とすることにより、高精度な部品を使用することなく、高い精度の水位を得ることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御手段は、槽内の洗浄を行なう槽洗浄コース、または、製品の工場出荷時に行なう検査モード、または、製品設置時に行なう設置試運転モードにて、水位検知補正行程を動作して精度ばらつきを補正する構成とすることにより、高精度な部品を使用することなく、コース運転をすることなどにより自動的に高い精度の水位を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における洗濯機の縦断面図、図2は、同洗濯機の操作表示部を示す平面図である。
図1において、水槽1内部に洗濯兼脱水槽2が回転自在に設けられ、洗濯兼脱水槽2底部の略中央位置にはパルセータ3が回転自在に配設されている。洗濯兼脱水槽2とパルセータ3は、モータ4からクラッチ5を介して伝達される動力により回転し、クラッチ5は、モータ4からの動力を適切な回転数に減速調節し、また洗濯兼脱水槽2またはパルセータ3のいずれを選択的に回転させるように切り換える。
本体19の上部には、洗濯機外部から水を供給する給水弁6が設けられ、給水弁6を介して水槽1内に給水される。水槽1の底部には、排水弁7が設けられており、水槽1内の水は、排水弁7の開閉操作により排水ホース20を経て機外へ排水される。
水槽1の外周側壁下部には、水槽1内部と開口部16を介して連通するエアートラップ15が構成されており、エアートラップ15にはエアーチューブ18が接続され、エアーチューブ18は圧力センサなどで構成される水位検知手段10に連接している。
水位検知手段10の基本構成は、図4に示す従来の洗濯機の水位検知手段と同じ構成であり、水位検知手段10は、エアートラップ15内の空気圧の変化を発振回路によって電気信号に変換することにより、水槽1内部に給水される洗濯水の複数段の水位を検知することができる。なお、開口部16の上端縁部である開口部上端面17が水位検知の基準面となる。
水槽1上部には溢水口13が設けられており、水槽1内の水位が高くなり、水槽1内の水位が所定の水位に達すると、洗濯水は溢水口13から水槽1の側壁部に設けた溢水排水
経路12へ流れ出るようになっている。溢水排水経路12へ流れた洗濯水は、排水弁7を介さず排水ホース20から機外へ排水される。
本体19上面前方位置には、操作表示部21が配設されている。操作表示部21には、スイッチなどからなる操作手段9が設けられ、操作手段9の操作により運転コース等のモードや各種機能の洗濯を行う。また、操作表示部21には、液晶やLEDなどからなる表示手段8が設けられている。本体19の上方内部に制御手段11が配設されており、制御手段11が、操作手段9の操作による入力情報を基に表示手段8により報知する。
制御手段11は、各手段を制御するマイコンと、各設定水位の水位周波数補正結果を記憶する不揮発性メモリなどから構成され、水位検知手段10の出力信号を受け、モータ4、給水弁6、排水弁7などを制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御する。
図2において、操作表示部21の操作手段9は、行程を選択する行程設定スイッチ9a、水位を設定する水量設定スイッチ9b、おまかせコース、お急ぎコース、あるいは防カビのために槽内を洗浄する槽洗浄コースなど好みの洗濯コースを選択するコース設定スイッチ9c、スタート/一時停止スイッチ9d、電源入スイッチ9e、電源切スイッチ9f等を有している。
操作表示部21の表示手段8は、設定した行程の表示と進行度合いを行程LED8aで表示し、水量や残り時間(時間または分単位)を7セグメントLED8bで表示し、設定されたコースをコースLED8cで表示する。
図3は、本発明の実施の形態における洗濯機の水槽の構成図、図4は、同洗濯機の水位検知の補正を説明するフローチャートである。
図3には、洗濯兼脱水槽2は省略している。図3において、水位h1は、水位検知手段10が検知する基準面であるエアートラップ15の開口部上端面17から溢水口13下端までの高さで、これ以上の水が入ると、水が溢水口13から溢水排水経路12を経て機外へ排出される。また、水位h0は、給水弁6からの給水能力と溢水口13からの排水能力が釣り合った状態の水位である。
図4において、水位検知補正行程の動作が始まると、ステップS1において、制御手段11は給水弁6を開いて水槽1内に給水を行う。
使用者が設定した水位や、別途用意した手段で布量を検知し設定した水位まで給水する場合、すなわち水槽1に設けられた溢水口13付近まで給水しない場合は、設定された水位まで給水し、以下の水位の水位検知補正の動作は行わない(ステップS2)。
ステップS3において、水位h0まで給水を継続し、溢水口13まで水位が上昇すると溢水排水経路12への水の流出が始まり、水位の上昇が緩やかになる。溢水口13から出る流水量はやがて給水弁6から供給される給水量と釣り合い、水位の上昇が止まり、水位h0で安定する。制御手段11は、水位検知手段10からの水位周波数の変化量が一定時間Δh未満になるまで給水を継続する(ステップS4)。
水槽1内の水位が安定して水位検知手段10が検出する水位変化量がΔhより小さくなると(ステップS4のYES)、水位検知手段10が検出した水位が想定する水位h0に対してばらつきを考慮した水位に達しているか否かを判定する(ステップS7)。水位が不足している場合(ステップS7のNO)は、給水経路からの水の供給が急激に減少したために水位の上昇が止まったと考えられるので、再び給水を行う(ステップS5のNO)
排水ホース20の倒し忘れなどで排水が正常になされない場合は、溢水口13から水を逃しても機外に排出されないため、水位が上昇しつづける。この場合は、給水を継続すると、水槽1から水が溢れてしまうため、水槽1内の水位が予め所定の限界水位hoverに達した場合は(ステップS5のYES)、排水系が異常な状態にあると判断して給水動作および以降の水位の補正動作を中止する(ステップS6)。
水槽1内の水位が水位h0近辺に達し(ステップS7のYES)、水槽1内の水位が一定時間安定した後に給水を止めると(ステップS8)、溢水口13からの排水が止まるまで水の排出が続き、溢水口13の下端部の水位h1で水位が安定する。この状態で、水位検知手段10の検知する水位周波数の変化量が一定時間Δh未満になるまで待ち(ステップS9のYES)、水位h1で安定した状態の水位周波数f1を計測する(ステップS10)。
溢水口13の下端部と、水位検知手段10内に水を導いて水圧を測定するエアートラップ15とは、どちらも水槽1に配設しているので、水位h1は、水槽1以外の構成部品のばらつきに左右されない高さとなる。よって、ステップS11にて、水位h1に対する基準の水位周波数をf1stdとしたとき、f1−f1stdをばらつき補正係数として求め、各水位の設定周波数を以下のように補正する。
ある水位nの基準水位周波数をfstd(n)とした場合、補正されて実際に水位の判定に用いる周波数f(n)は、以下のようにして求める。
f(n)=fstd(n)−(f1−f1std)*a(n)
ここで、定数a(n)は、水位検知手段10のセンサ特性のばらつき上限下限と、求める水位nに応じて予め定めて記憶手段である制御手段11の不揮発性メモリに保持しておくものとする。
そして、ばらつき補正係数に基づいて得られた各水位の補正結果を制御手段11の不揮発メモリに記憶(ステップS12)し、以降の水位判定では補正された設定周波数f(n)を使用する。
なお、本実施の形態では、水位h0まで給水する場合に補正を行うとしていたが、これをすすぎ行程に組み込むことで、特別な操作を必要とすることなく、水位を補正することができる。
また、槽内のカビ発生を防止するコースである槽洗浄コースを設ける場合には、槽洗浄コースでは、槽の洗浄効果を高めるために水槽1内に最大限に給水する必要があるため、槽洗浄コースの給水時に上述の補正動作を組み込むことで、使用者が槽洗浄コースを使用するたびに水位を補正することが可能となる。
また、工場用の検査モードに上述の補正動作を組み込むことにより、製品組立後の出荷時に水位を補正することができる。
さらに設置試運転モードに組み込む事により、使用者が使用開始する前に水位を補正することも可能となる。
本実施の形態における水位検知補正行程は、洗濯機動作の任意のコース、行程に組み込むことにより、水位を補正することが可能である。
以上のように、本実施の形態においては、水位検知補正行程において、溢水口13から水が溢れ出して水位が略一定になるまで給水を行い、水位が安定した状態の水位検知手段10が検知した周波数を基に、基準となる水位の周波数との差分から水位検知手段10の精度ばらつきを算出し、算出した精度ばらつきにより複数段の各水位の周波数をそれぞれの基準周波数より補正して記憶手段に補正水位データとして入力し、給水行程において、補正水位データにより水位を決定することにより、高精度な部品を使用することなく、高い精度の水位を得ることができる。
また、槽内の洗浄を行なう槽洗浄コース、または、製品の工場出荷時に行なう検査モード、または、製品設置時に行なう設置試運転モードにて、水位検知補正行程を動作する構成とすることにより、高精度な部品を使用することなく、コース運転をすることなどにより自動的に高い精度の水位を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、水位検知補正行程を行なって、高精度な部品を使用することなく、高い精度の水位を得ることができるので、ドラム式洗濯機など他の洗濯機の用途に適用できる。
1 水槽
2 洗濯兼脱水槽
3 パルセータ
4 モータ
6 給水弁
7 排水弁
10 水位検知手段
11 制御手段
13 溢水口
15 エアートラップ
19 本体
20 排水ホース

Claims (2)

  1. 洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する水槽と、前記水槽底部に設けられた排水弁により機外へ排水する排水ホースと、前記水槽に設けられ前記排水ホースを介して機外と連通する溢水口と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動するモータと、前記水槽内へ給水する給水弁と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を複数段に検知して周波数に変換する水位検知手段と、前記水位検知手段の出力信号を受け、前記モータ、前記給水弁、前記排水弁などを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、水位検知補正行程において、前記溢水口から水が溢れ出して水位が略一定になるまで給水を行い、前記溢水口から水が溢れ出して略一定水位になった時の水位検知手段が検知した周波数を基に、基準となる水位の周波数との差分から水位検知手段の精度ばらつきを算出し、前記精度ばらつきに基づいて前記複数段の各水位の周波数をそれぞれの基準周波数より補正して記憶手段に補正水位データとして記憶させることを特徴とする洗濯機。
  2. 制御手段は、槽内の洗浄を行なう槽洗浄コース、または、製品の工場出荷時に行なう検査モード、または、製品設置時に行なう設置試運転モードにて、水位検知補正行程を動作して精度ばらつきを補正する請求項1に記載の洗濯機。
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