JP2016127471A - 撮像装置、及びそれを備える電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像装置の消費電力を低減する。
【解決手段】画素回路は第1及び2回路を有する。第1回路は、第1トランジスタ、フォトダイオード及び第1保持ノードを有する。第1回路は、保持ノードの電位を増幅して撮像信号を生成する。第2回路は第1トランジスタ、容量素子及び第2保持ノードを有する。第2保持ノードは容量素子により第1回路の出力ノードと容量結合されている。第2回路は、第2保持ノードの電位を第1、第2参照電位とそれぞれ比較し、比較結果を配線に出力する。第1保持ノードは第1トランジスタを介してフォトダイオードと電気的に接続され、第2保持ノードは第2トランジスタを介して配線に電気的に接続されている第2トランジスタはチャネルが酸化物半導体で形成されている。第2トランジスタのオフ電流は極めて小さいので、第2保持ノードをリセットする頻度を減らすことが可能となる。
【選択図】図2
【解決手段】画素回路は第1及び2回路を有する。第1回路は、第1トランジスタ、フォトダイオード及び第1保持ノードを有する。第1回路は、保持ノードの電位を増幅して撮像信号を生成する。第2回路は第1トランジスタ、容量素子及び第2保持ノードを有する。第2保持ノードは容量素子により第1回路の出力ノードと容量結合されている。第2回路は、第2保持ノードの電位を第1、第2参照電位とそれぞれ比較し、比較結果を配線に出力する。第1保持ノードは第1トランジスタを介してフォトダイオードと電気的に接続され、第2保持ノードは第2トランジスタを介して配線に電気的に接続されている第2トランジスタはチャネルが酸化物半導体で形成されている。第2トランジスタのオフ電流は極めて小さいので、第2保持ノードをリセットする頻度を減らすことが可能となる。
【選択図】図2
Description
本出願の明細書、図面、および特許請求の範囲(以下、「本明細書等」と呼ぶ。)には、例えば、撮像装置、処理装置、その他の半導体装置、そのための駆動方法、およびそのための作製方法等が開示される。本発明の一形態の技術分野は、これらに限定されるものではない。例えば、本発明の一形態は、半導体装置、撮像装置、処理装置、記憶装置、表示装置、発光装置、および蓄電装置、それらの駆動方法、測定方法、検査方法、および作製方法に関する。
複数の画素回路が2次元に配列されている画素アレイを備えた撮像装置が知られており、このような構成の代表的な撮像装置は、CMOSイメージセンサ(「MOSイメージセンサ」と呼ばれる場合もある。)である。現在では、CMOSイメージセンサは、スマートフォンのカメラ部に標準的に搭載されているデバイスである。
CMOSイメージセンサは、LSIの標準的なCMOSプロセスを用いて製造できるため、画素回路で取得した撮像信号を処理する処理回路を、画素アレイと共に1のチップに集積することが容易である。例えば、非特許文献1には、動き検出機能を備えたイメージセンサが提案されている(例えば、非特許文献1)。
In−Ga−Zn酸化物(In−Ga−Zn−O)等の酸化物半導体(OS)でチャネルが形成されているトランジスタ(以下、「OSトランジスタ」と呼ぶ。)が知られている。酸化物半導体はシリコンよりもバンドギャップが大きいため、OSトランジスタは、Siトランジスタと比較してオフ電流が極めて低いという特性を有する。OSトランジスタが適用されたイメージセンサが提案されている(特許文献1)。
U.Mallik et al.,"Temporal Change Threshold Detection Imager",ISSCC Dig.Tech.Papers,2005,pp.362−363,p.603.
本発明の一形態は、新規な半導体装置、または新規な半導体装置の動作方法を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一形態は、消費電力を低減すること、高品位の画像の取得を可能とすることを課題の一つとする。
なお、複数の課題の記載は、互いの課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一形態は、これらの課題の全て解決する必要はない。また、列記した以外の課題が、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、これらの課題も、本発明の一形態の課題となり得る。
本発明の一形態は、画素回路と、処理回路と、第1、第2配線と、を有する撮像装置であって、画素回路は第1及び2回路を有し、第1回路は第1保持ノード、出力ノード、第1トランジスタ、及びフォトダイオードを有し、第1回路は第1保持ノードの電位を増幅して撮像信号を生成する機能を有し、撮像信号は出力ノードに出力され、第2回路は第2保持ノード、第2トランジスタ、及び第1、第2容量素子を有し、第2保持ノードは第1容量素子により出力ノードと容量結合され、且つ、第2容量素子により第1配線と容量結合され、第2回路は第2保持ノードの電位と第1参照電位とを比較して第1信号を生成する機能と、第2保持ノードの電位と第2参照電位とを比較して第2信号を生成する機能とを有し、第1信号及び第2信号はそれぞれ第2配線に出力され、処理回路は第2配線と電気的に接続され、処理回路は第1信号及び第2信号を演算する機能を有し、処理回路の演算結果に基づいて、第2トランジスタの導通状態が制御され、第1保持ノードは第1トランジスタを介してフォトダイオードと電気的に接続され、第2保持ノードは第2トランジスタを介して第2配線と電気的に接続され、第1トランジスタ及び第2トランジスタはチャネルが酸化物半導体で形成されている撮像装置である。
本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用した装置であり、半導体素子(トランジスタ、ダイオード、フォトダイオード等)を含む回路、同回路を有する装置等をいう。また、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般をいう。例えば、集積回路、集積回路を備えたチップや、パッケージにチップを収納した電子部品は半導体装置の一例である。また、記憶装置、表示装置、発光装置、照明装置及び電子機器等は、それ自体が半導体装置であり、半導体装置を有している場合がある。
本明細書等において、XとYとが接続されていると記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層など)であるとする。
トランジスタは、ゲート、ソース、およびドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御ノードとして機能するノードである。ソースまたはドレインとして機能する2つの入出力ノードは、トランジスタの型及び各端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。また、本明細書等では、ゲート以外の2つの端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場合がある。
ノードは、回路構成やデバイス構造等に応じて、端子、配線、電極、導電層、導電体、不純物領域等と言い換えることが可能である。また、端子、配線等をノードと言い換えることが可能である。
電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。なお、電位とは相対的なものである。よって、接地電位と記載されていても、必ずしも0Vを意味しない場合もある。
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、順序を表すために使用される場合がある。または、構成要素の混同を避けるために使用する場合があり、この場合、序数詞の使用は構成要素の個数を限定するものなく、順序を限定するものでもない。また、例えば、「第1」を「第2」または「第3」に置き換えて、発明の一形態を説明することができる。
本明細書等の記載に関するその他の事項を実施の形態4に付記している。
本発明の一形態は、新規な半導体装置を提供すること、または新規な半導体装置の動作方法を提供することが可能である。または、本発明の一形態によって、消費電力を低減することが可能となる、または高品位の画像を取得することが可能となる。
複数の効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。また、本発明の一形態は、必ずしも、例示した効果の全てを有する必要はない。また、本発明の一形態について、上記以外の課題、効果および新規な特徴については、本明細書等の記載から自ずと明らかになるものである。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明の一形態は、以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明の一形態は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
以下に示される複数の実施の形態は適宜組み合わせることが可能である。また1の実施の形態の中に、複数の構成例(作製方法例、動作方法例等も含む。)が示される場合は、互い構成例を適宜組み合わせること、および他の実施の形態に記載された1または複数の構成例と適宜組み合わせることも可能である。
図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本明細書において、例えば、クロック信号CLKを、信号CLK、CLK等と省略して記載する場合がある。これは、他の構成要素(例えば、信号、電圧、電位、回路、素子、電極、配線等)についても同様である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一例として撮像装置について説明する。
本実施の形態では、半導体装置の一例として撮像装置について説明する。
<<撮像装置の構成例>>
図1は撮像装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す撮像装置100は、画素アレイ110および周辺回路120を有する。
図1は撮像装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す撮像装置100は、画素アレイ110および周辺回路120を有する。
画素アレイ110は、画素回路10、並びに配線81、82、90−94を、それぞれ、複数有する。画素アレイ110は、撮像信号を生成する機能、動きを検出する機能等を備える。列ごとに、複数の配線81、82が設けられ、行ごとに配線90−94が設けられている。複数の画素回路10は2次元のアレイ状に配列されている。同じ列の画素回路10は、当該列の配線81、82と電気的に接続され、同じ行の画素回路10は当該行の配線90−94と電気的に接続されている。
画素回路10は回路11と回路12を有する。回路11は光電変換素子を備えた撮像回路であり、信号IMを生成する機能を有する。信号IMはアナログの撮像信号である。回路12は信号IMを処理する処理回路である。具体的には、回路12は動きを検出する機能を備えており、信号MVを生成する機能を有する。信号MVは動きの情報を表す信号である。以下、回路11を「IMC11」と呼び、回路12を「MDC12」と呼ぶこととする。
周辺回路120は、配線95、複数のトランジスタM4、行ドライバ130、出力ドライバ140、および動き判定回路150を有する。周辺回路120は画素アレイ110を駆動する機能、画素回路10で生成された信号IM、MVを処理する機能を備える。
行ドライバ130は、行(画素回路10)を選択する機能、MDC12をリセットする機能等を備える。行ドライバ130は複数の配線90−94と電気的に接続されており、画素アレイ110を駆動するための信号または電位をこれらの配線に出力する。
出力ドライバ140は複数の配線81と電気的に接続されており、信号IMを処理して撮像信号DOUTを生成する機能を有する。出力ドライバ140は、回路141、列セレクタ142、出力バッファ143を有する。
回路141は列並列方式で信号IMを処理することができる処理回路であり、列(配線81)ごとに設けられた処理回路40を有する。処理回路40は、信号IMを処理するための回路であり、1または複数の処理を行うことができる。処理回路40が行う処理には、例えば、ノイズ除去処理、アナログーデジタル変換処理、および増幅処理等が挙げられる。
列セレクタ142は1または複数の列を選択することができる機能を有する。例えば、列セレクタ142は信号CLSECに従い、所定の数の列を順次選択することができる機能を有する。選択された列の処理回路40は処理した信号を出力バッファ143に出力する。出力バッファ143からは、撮像信号DOUTが出力される。
動き判定回路150は列並列方式で信号MVを処理することができる処理回路であり、列(配線82)ごとに設けられた処理回路50を有する。各処理回路50は、選択された行の信号MVを処理して、該当する行の画素回路10で生成された信号IMが動きを含むか否かを判定することができる機能を有する。
各配線81にはトランジスタM4のソースが電気的に接続されている。トランジスタM4は、ゲートが配線95と電気的に接続され、ドレインが接地電位(GND)を供給する電源線と電気的に接続されている。配線95には信号BRが入力される。トランジスタM4は配線81に対して負荷トランジスタとして機能することができる。
図2に撮像装置100のより具体的な構成例を示す。図2には、画素回路10、および処理回路50の回路構成例を示す。図2の処理回路40は、回路41およびアナログーデジタルコンバータ(ADC)42を有する。回路41は信号IMに含まれる固定ノイズを除去することができる機能を有する。ADC42は、ノイズが除去された信号IMをデジタルの撮像信号ADOに変換する機能を有する。ADC42は列セレクタ142からの制御信号に従い、撮像信号ADOを出力する。
IMC11は、ノードFN、N1、フォトダイオードPD1、およびトランジスタM1−M3を有する。MDC12はノードCN、容量素子C11、C12、およびトランジスタM11−M13を有する。処理回路50はトランジスタM14、レジスタ51、52、EXOR回路53、およびAND回路54を有する。ここでは、トランジスタM1−M4、M11−13はnチャネル型トランジスタであり、トランジスタM14はpチャネル型トランジスタである。
配線90−94には、それぞれ、信号DI、SE、TX、RES、CMが入力される。信号DIはノードFNの電位をプリチャージ(リセット)する機能を有する。信号DIはフォトダイオードPD1のアノードに入力される。信号SEは行を選択するための選択信号である。信号SEはトランジスタM1、M11のゲートに入力される。信号TXは露光のタイミングおよび露光時間を制御するためのシャッタ機能を有する信号である。信号TXはトランジスタM2のゲートに入力される。信号RESはMDC12をリセットするためのリセット信号であり、トランジスタM13のゲートに入力される。信号RESは、具体的には、ノードCNの電位をノードFNに対応する電位に更新するための信号である。信号CMはMDC12に参照電位を与える機能を有する。信号CMは容量素子C12に入力される。
<IMC11>
IMC11はグローバルシャッタ方式の撮像が可能な回路構成を有する。トランジスタM2は露光トランジスタあるいは撮像トランジスタと呼ばれており、PD1のカソードとノードFNと間の導通状態を制御するパストランジスタとして機能することができる。PD1のアノードは配線90と電気的に接続されている。
IMC11はグローバルシャッタ方式の撮像が可能な回路構成を有する。トランジスタM2は露光トランジスタあるいは撮像トランジスタと呼ばれており、PD1のカソードとノードFNと間の導通状態を制御するパストランジスタとして機能することができる。PD1のアノードは配線90と電気的に接続されている。
ノードFNは電位の保持ノードであり、または電荷の保持ノードと呼ぶこともできる。トランジスタM2がオン状態である期間、PD1の光電流に応じた電荷が蓄積される。ノードFNの電位を保持するための保持容量をIMC11に設けてもよい。
トランジスタM3は増幅トランジスタと呼ばれている。トランジスタM3は、ゲートがノードFNと電気的に接続され、ドレインが高電源電位VDDPを供給する電源線と電気的に接続され、ソースがノードN1と電気的に接続されている。ノードN1はIMC11の出力ノードであり、MDC12と電気的に接続されている。
トランジスタM1は選択トランジスタと呼ばれており、ノードN1と配線81と間の導通状態を制御するパストランジスタである。トランジスタM1を導通状態にすることで、トランジスタM3およびトランジスタM4によってソースフォロワ回路が形成されるため、ノードFNの電位、つまりフォトダイオードPD1の受光量に応じた電位を配線81に出力することができる。
高品位の画像を取得するには、浮遊状態のノードFNの電位の変動を可能な限り抑えることが好ましい。このための手段の1つとして、トランジスタM2を、非導通状態でのドレイン電流(オフ電流)が極めて小さいトランジスタにすることが挙げられる。
トランジスタのオフ電流を下げるには、例えば、活性層(チャネル)をエネルギーキャップが広い半導体で形成すればよい。半導体のエネルギーギャップは、2.5eV以上、または2.7eV以上、または3eV以上であることが好ましい。このような半導体として酸化物半導体が挙げられる。例えば、トランジスタM2を、活性層が酸化物半導体で形成されているOSトランジスタとすればよい。チャネル幅で規格化したOSトランジスタのリーク電流は、ソースードレイン間電圧が10V、室温(25℃程度)の状態で10×10−21A/μm(10ゼプトA/μm)以下とすることが可能である。トランジスタM2に適用されるOSトランジスタのリーク電流は、室温(25℃程度)にて1×10−18A以下、または、1×10−21A以下、または1×10−24A以下が好ましい。または、リーク電流は85℃にて1×10−15A以下、または1×10−18A以下、または1×10−21A以下であることが好ましい。
酸化物半導体はエネルギーギャップが大きく、電子が励起されにくく、ホールの有効質量が大きい半導体である。このため、OSトランジスタは、シリコン等を用いた一般的なトランジスタと比較して、アバランシェ崩壊等が生じにくい場合がある。アバランシェ崩壊に起因するホットキャリア劣化等が抑制されることで、OSトランジスタは高いドレイン耐圧を有することとなり、高いドレイン電圧で駆動することが可能である。よって、トランジスタM2にOSトランジスタを適用することで、信号の電位レベルや入力タイミング等の駆動条件の余裕度(マージン)を高くすることができる。例えば、保持状態のノードFNの電位を高くするような駆動も可能になる。
OSトランジスタの活性層は、In、Ga、SnおよびZnのうちの1つまたは複数の元素を構成元素とする酸化物を有していることが好ましい。このような酸化物としては、In−Sn−Ga−Zn酸化物、In−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、In−Al−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物や、In−Ga酸化物、In酸化物、Sn酸化物、Zn酸化物等がある。また、これら酸化物に、酸化物の構成元素以外の元素や化合物を含むもの、例えばSiO2を含む酸化物半導体を用いることができる。
また、OSトランジスタは、活性層がワイドバンドギャップである酸化物半導体で形成されているため、短チャネル効果が表れにくい。ゲート絶縁層を厚くし、例えば酸化膜換算膜厚で15nm以下11nm以上にし、かつチャネル長を短く、例えば60nm以下20nm以上としても、非常に良好なオフ電流特性およびサブスレッショルド特性を有することが可能である。よって、OSトランジスタは、論理回路を構成する一般的なSiトランジスタよりも厚いゲート絶縁層を用いることができるため、ゲート絶縁層を介したリーク電流が低減され、ゲート絶縁層の膜厚のばらつきによる電気特性のばらつきも抑えることができる。OSトランジスタの詳細は実施の形態3で説明する。
IMC11において、トランジスタM1、M3には特段の制約はなく、Siトランジスタでもよいし、OSトランジスタでもよい。
<MDC12>
MDC12は、フォトダイオードPD1の受光量が設定した範囲内にあるか否か検出する機能を有する。別言すると、MDC12は、異なる露光期間で得られた2つの信号IMに差分があるか否かを検出することができる機能を有する。信号MVはMDC12の検出結果の情報を含む。より具体的には、MDC12は、ノードCNの電位が所定の電位範囲内にあるか否か比較することができるコンパレータの機能を備えている。信号MVは、比較結果を高レベル電位(”H”)と低レベル電位(”L”)で表すデジタル信号となる。
MDC12は、フォトダイオードPD1の受光量が設定した範囲内にあるか否か検出する機能を有する。別言すると、MDC12は、異なる露光期間で得られた2つの信号IMに差分があるか否かを検出することができる機能を有する。信号MVはMDC12の検出結果の情報を含む。より具体的には、MDC12は、ノードCNの電位が所定の電位範囲内にあるか否か比較することができるコンパレータの機能を備えている。信号MVは、比較結果を高レベル電位(”H”)と低レベル電位(”L”)で表すデジタル信号となる。
ノードCNは電位の保持ノードである。容量素子C11はノードN1とノードCNと間を容量結合している。容量素子C12は配線94とノードCNと間を容量結合している。トランジスタM13は配線82とノードCNと間の導通状態を制御するパストランジスタである。トランジスタM13は、ノードCNを更新するため(あるいはリセットするため)に設けられている。トランジスタM13がオフ状態のときは、ノードN1と容量結合しているため、ノードCNはノードN1の電位に対応する電位をとる。トランジスタM13がオン状態のときは、ノードCNに配線82の電位が書き込まれる。
トランジスタM13をOSトランジスタとすることで、電気的に浮遊状態のノードCNの電位の変動を抑えられことができるため、MDC12の信頼性を向上させることができる。また、ノードCNの電位をフレームごとに更新する必要がない。よって、撮像装置100は、現在のフレームと直前のフレームと間の動き検出の他に、1フレームよりも前のフレームと現在のフレーム間での動きを検出することが可能となる。
トランジスタM11は選択トランジスタであり、トランジスタM12のドレインと配線82と間の導通状態を制御するパストランジスタである。トランジスタM12はノードCNの電位を増幅するためのトランジスタである。トランジスタM12は、ゲートがノードCNと電気的に接続され、ソースがGNDを供給する電源線と電気的に接続されている。トランジスタM11がオン状態となると、トランジスタM12とトランジスタM14とによりソース接地回路が構成されるため、ノードCNの電位を増幅した信号MVがMDC12から処理回路50に出力される。信号MVの電位レベルは、動きの検出結果を表している。
<処理回路50>
トランジスタM14のゲートには信号CPが入力され、同ソースはVDDPを供給する電源線に電気的に接続されている。レジスタ51、52は、それぞれ、信号CK1、CK2の立ち上がりに応じて、信号MVが書き込まれ、かつ保持しているデータをEXOR回路53、AND回路54に出力する。AND回路54、EXOR回路53はレジスタ51、52から出力されるデータを演算し、それぞれ、信号MDT、MDSを生成し、出力する。
トランジスタM14のゲートには信号CPが入力され、同ソースはVDDPを供給する電源線に電気的に接続されている。レジスタ51、52は、それぞれ、信号CK1、CK2の立ち上がりに応じて、信号MVが書き込まれ、かつ保持しているデータをEXOR回路53、AND回路54に出力する。AND回路54、EXOR回路53はレジスタ51、52から出力されるデータを演算し、それぞれ、信号MDT、MDSを生成し、出力する。
<<撮像装置の動作例>>
図3は撮像装置100の動作例を示すタイミングチャートを示す。図3には、信号SE、CM、CK1、CK2、RES、CLSEC、DI、TXの波形、並びにノードCN、FNの電位の波形を示す。t1等は時刻を表す。
図3は撮像装置100の動作例を示すタイミングチャートを示す。図3には、信号SE、CM、CK1、CK2、RES、CLSEC、DI、TXの波形、並びにノードCN、FNの電位の波形を示す。t1等は時刻を表す。
<撮像動作>
グローバルシャッタ方式による撮像動作を説明する。BRを高レベルにしてトランジスタM4をオン状態にする。t1で、画素アレイ110の全ての配線90に高レベルのDIを入力し、かつ全ての配線92に高レベルのTXを入力する。時刻t0では、ノードFNの電位はVf0であるとし、ノードCNの電位はVc0であるとする。ここでは、説明を簡単にするため、Vc0は、1フレーム前にノードCNに書き込まれた電位とする。Vc0は1フレーム前の露光期間でノードFNに記憶された電位Vf0に依存する。
グローバルシャッタ方式による撮像動作を説明する。BRを高レベルにしてトランジスタM4をオン状態にする。t1で、画素アレイ110の全ての配線90に高レベルのDIを入力し、かつ全ての配線92に高レベルのTXを入力する。時刻t0では、ノードFNの電位はVf0であるとし、ノードCNの電位はVc0であるとする。ここでは、説明を簡単にするため、Vc0は、1フレーム前にノードCNに書き込まれた電位とする。Vc0は1フレーム前の露光期間でノードFNに記憶された電位Vf0に依存する。
t1−t2はリセット期間である。この期間ではTXおよびDIがともに高レベルであるため、ノードFNの電位はVfprにリセットされる。t1−t3では、トランジスタM2はオン状態であるので、t2でDIが低レベルに戻ると、ノードFNの電位は、フォトダイオードPD1で生成された光電流によって低下する。つまり、t2−t3は露光期間であり、画素アレイ110の全ての画素回路10で同時に撮像が行われる。
t3でTXを低レベルにしてトランジスタM2をオフ状態にして、画素回路10を非選択状態とする。ノードFNは電気的に浮遊状態となり、電位Vf1を保持する。電位Vf1の値はt2−t3でフォトダイオードPD1の受光量に対応する。この受光量に応じた信号IMを処理回路40で処理するため、t4からt10の間SEを高レベルにして、トランジスタM1をオン状態にすることで、トランジスタM2とトランジスタM4とによりソースフォロワ回路を構成する。このソースフォロワ回路の出力信号が信号IMであるので、信号IMは、電位Vf1に対応する電位をもつ。つまり、信号IMは、露光期間(t2−t3)でのフォトダイオードPD1の受光量に応じた大きさのアナログ電位をもつこととなる。ここでは、この期間の信号IMの電位を「Vc1」と呼ぶこととする。
CLSECがアクティブである期間(t9―t10)では、出力ドライバ140でDOUTが生成され、撮像装置100から出力される。この期間、CLSECに従い、各列の処理回路40は信号IMを処理して、信号IMの電位信号ADOを生成し、出力バッファ143に出力している。
トランジスタM2をOSトランジスタとすることで、非選択状態のIMC11において、ノードFNの電位の変動を抑えることができ、その電位を長時間保持することが可能である。グローバルシャッタ方式撮像は歪みの無い動画像を取得できる。グローバルシャッタ方式の撮像を実現するには、露光してから、全ての画素回路10から信号IMを取り出すまで、ノードFNの電位を保持することが求められる。IMC11はこの条件を満たすことができるので、グローバルシャッタ方式の撮像に好適な撮像回路である。よって、撮像装置100は高品位な動画像の取得が可能となる。
<動き検出>
期間t5−t8で、MDC12において差分検出処理が行われ、かつ処理回路50で動きの有無が判定される。この期間、CPによってトランジスタM14はオン状態とされる。
期間t5−t8で、MDC12において差分検出処理が行われ、かつ処理回路50で動きの有無が判定される。この期間、CPによってトランジスタM14はオン状態とされる。
CMの電位を制御することで、MDC12でコンパレータ動作を行わせる。ここで、Va0はCMの基準電位であり、VapおよびVanは、それぞれ、MDC12のコンパレータ動作に用いられる参照電位である。t5でCMをVapとすることで、ノードCNはVc0からVcp0に引き上げられ、t6でCMをVanとすることで、ノードCNはVcp0からVcn0に引き下げられる。VapとVanとを用いることで、MDC12はVf0に対するノードFNの電位の正と負の変化を検出することが可能である。
CMをVapにする僅かに前に、SEを高レベルにしているので、トランジスタM11はオン状態であるため、トランジスタM11とトランジスタM14とでソース接地回路が構成されている。このソース接地回路の出力信号が信号MVである。ノードCNの電位がトランジスタM12のしきい値電圧を超えていれば、トランジスタM12にドレイン電流が流れるため、信号MVはVDDPよりも低くなり、ある一定値を超えれば、信号MVはおおよそGNDまで減少する。
よって、ノードFNの電位の変化量ΔVFN=(Vf1−Vf0)が、所定の上限値VTABを超えていれば、MDC12におけるVapを用いた比較結果とVanを用いた比較結果は、双方とも”L”となる。他方、ΔVFNが所定の下限値VTBW未満であれば、これら2つの比較結果は”H”となる。
MDC12にVapが入力されている間に、CK1を高レベルにして、信号MVをレジスタ51に書き込む。MDC12にVanが入力されている間に、CK2を高レベルにして、信号MVをレジスタ52に書き込む。つまり、レジスタ51は、Vapを用いた比較結果を保持し、レジスタ52はVanを用いた比較結果を保持することとなる。
EXOR回路53は、撮像信号の差分のスカラを判定するための論理回路である。別言すると、EXOR回路53は2つのフレーム間での撮像信号の差分の有無を判定するための論理回路である。信号MDSは、ΔVFN>VTABまたは、ΔVFN<VTBWの場合は、AND回路54は”L”となり、その他の場合は”H”となる。
AND回路54は、撮像情報の差分ベクトルを判定するための論理回路である。別言すると、AND回路54は、2つのフレーム間で撮像信号の電位が増加しているのか減少しているのかを判定するための論理回路である。信号MDTは、ΔVFN>VTABの場合は”H”となり、その他の場合は”L”となる。
t7−t8では、処理回路50の判定結果に基づいて、ノードCNを更新する処理が行われる。具体的には、信号MDSによって、ノードCNの電位を更新するか否かが決定される。トランジスタM13をOSトランジスタとしているため、MDC12において、電気的に浮遊状態のノードCNの電位を長時間保持することが可能であるので、信号IMに差分がないときは、ノードCNを更新する必要はない。そのため、信号MDSが”L”のときは、2つのフレーム間の信号IMに差分が存在することとなるので、ノードCNを更新する。RESを”H”にすることで、トランジスタM13をオン状態にする。ノードCNには、この時点の信号MVが書き込まれ、その電位はVc1となる。信号MDSが”L”のときは、トランジスタM13をオフ状態のままにする。この場合は、ノードCNの電位はVc0が維持される。
ノードCNをフレームごとに更新する必要がないので、ノードCNの更新の回数が低減されるため、撮像装置100の消費電力を低減することが可能である。
<<列処理回路の構成例>>
処理回路40には特段の制約はない、例えば、回路41は固定ノイズを低減できる機能を有していればよく、CDS(相関二重サンプリング)回路や、DDS(ダブルデータサンプリング)回路等を用いることができる。
処理回路40には特段の制約はない、例えば、回路41は固定ノイズを低減できる機能を有していればよく、CDS(相関二重サンプリング)回路や、DDS(ダブルデータサンプリング)回路等を用いることができる。
図4AはCDS回路の一例を示す。CDS回路41Aは、トランジスタM41、M42、容量素子C41、C42を有し、電位CDSVDDを供給する電源線、およびGNDを供給する電源線に電気的に接続されている。CDS回路41Aは、トランジスタM41と容量素子C41とを有するクランプ回路、及びトランジスタM42と容量素子C42とを有するサンプルホールド回路を備える。トランジスタM41は、信号CLP1によってオン、オフが制御される。トランジスタM42は、信号SH1によってオン、オフが制御される。
図4BはDDS回路の一例を示す。DDS回路41Bは、トランジスタM43、容量素子C43、C44、インバータ60、及びアナログスイッチ61、62を有し、電位DDSVRFが入力される電源線と電気的に接続されている。トランジスタM43は信号SH2によってオン、オフが制御される。アナログスイッチ61、62はそれぞれ、信号S4および信号S4Bによってオン、オフが制御される。S4BはS4の反転信号である。
<<画素回路の構成例>>
撮像装置100の画素回路は図2に示す回路構成に限定されるものでない。例えば、画素回路の撮像回路は能動型の光検出回路であればよい。または、例えば、撮像回路は、光電変換素子で生成される光電流量に対応する電位を保持ノードで保持させる機能、保持ノードの電位を増幅することができる機能等を備えていればよい。図5に撮像回路の構成例を示す。
撮像装置100の画素回路は図2に示す回路構成に限定されるものでない。例えば、画素回路の撮像回路は能動型の光検出回路であればよい。または、例えば、撮像回路は、光電変換素子で生成される光電流量に対応する電位を保持ノードで保持させる機能、保持ノードの電位を増幅することができる機能等を備えていればよい。図5に撮像回路の構成例を示す。
図5Aに示す回路21は、IMC11のトランジスタM1−M3にバックゲートを設けた回路に相当する。回路21のトランジスタM21−M23はOSトランジスタであり、これらのバックゲートは配線70と電気的に接続されている。配線70は固定電位を入力してもよいし、撮像装置100の動作に応じて、その電位を変動させてもよい。なお、回路21において、トランジスタM21、M23の一方または双方がSiトランジスタであってもよい。
図5Bに示す回路22は、回路21にトランジスタM24を追加した回路である。トランジスタM24はOSトランジスタである。トランジスタM24のゲートは配線96と電気的に接続され、同バックゲートは配線70と電気的に接続されている。トランジスタM24はリセットトランジスタと呼ばれており、VDDPが供給される電源線とノードFNと間の導通状態を制御する機能を有する。なお、回路22において、トランジスタM21、M23、M24の一部または全てがSiトランジスタであってもよい。
IMC11では、フォトダイオードPD1のアノードの電位の制御と、トランジスタM2のスイッチング動作によって、ノードFNをリセットしていたが、回路22では、トランジスタM24を設けたことで、アノードに固定電位を供給することが可能となる。この場合、配線90は、外部の電源回路から固定電位が入力される電源端子とで電気的に接続してもよい。
図5Cに示す回路23は、回路22からトランジスタM22を省いた回路である。このため、回路23ではグローバルシャッタ方式の撮像は行えない。なお、回路23において、トランジスタM21、M24の一方または双方はSiトランジスタであってもよい。
撮像回路において、1の保持ノードに対して複数の光電変換素子を設けることもできる。このような回路構成とすることで、画素アレイを構成するトランジスタ数を低減することができる。図5Dにこのような撮像回路の一例を示す。図5Dに示す回路24は、回路22の変形例であり、3つのフォトダイオードPD1−PD3を有する。フォトダイオードPD1−PD3に対応して、トランジスタM31−M33が設けられている。トランジスタM31−M33のゲートは、それぞれ、信号TX1−TX3が入力される配線に電気的に接続されている。信号TX1−TX3は行ドライバで生成される。
トランジスタM31−M33はトランジスタM22と同様の機能を有し、露光動作を制御することができる露光トランジスタである。ノードFNの電位の変動を抑えるため、トランジスタM31−M33はOSトランジスタである。トランジスタM31−33にはバックゲートを設けないトランジスタとしてもよい。
〔実施の形態2〕
本実施の形態では、半導体装置の一例として、撮像装置、並びに撮像装置を備える電子部品および電子機器等について説明する。ここでは、カラーフィルタ等の光学部材を具備する撮像装置の一例を示す。
本実施の形態では、半導体装置の一例として、撮像装置、並びに撮像装置を備える電子部品および電子機器等について説明する。ここでは、カラーフィルタ等の光学部材を具備する撮像装置の一例を示す。
<撮像装置の構成例>
図6Aに示す撮像装置1500は、単位画素が3つの画素回路(回路1591a、1591b、1591c)で構成されている。
図6Aに示す撮像装置1500は、単位画素が3つの画素回路(回路1591a、1591b、1591c)で構成されている。
回路1591a、1591b、1591cに対応して、カラーフィルタ1530a、1530b、1530cが設けられている。カラーフィルタ1530a、1530b、1530cにそれぞれR(赤)、G(緑)、B(青)などの色を割り当てることにより、カラー画像を撮像することができる。カラーフィルタ1530a、1530b、1530c上にはマイクロレンズアレイ1540が設けられ、1のレンズを通る光が直下のカラーフィルタを通り、フォトダイオード1560に照射されるようになっている。
層1505に形成されるフォトダイオード1560上には絶縁層1506が形成されている。絶縁層1506は可視光に対して透光性の高い絶縁膜、例えば酸化シリコン膜で形成することができる。また、パッシベーション膜として窒化シリコン膜を積層する構成としてもよい。また、反射防止膜として、酸化ハフニウムなどの誘電体膜を積層する構成としてもよい。
絶縁層1506上には、遮光層1510が形成される。遮光層1510は、上部のカラーフィルタを通る光の混色を防止する作用を有する。遮光層1510には、アルミニウム、タングステンなどの金属層や当該金属層と反射防止膜としての機能を有する誘電体膜を積層する構成とすることができる。遮光層1510上には平坦化膜として有機樹脂層1520が形成されている。
層1504には、回路1591a、1591b、1591cを構成するトランジスタ、配線等が形成されている。層1504に接して支持基板1590が設けられる。支持基板1590としては、シリコン基板などの半導体基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板などの硬質基板を用いることができる。なお、層1504と支持基板1590との間には接着層となる無機絶縁層や有機樹脂層が形成されていてもよい。
カラーフィルタ1530a、1530b、1530cの代わりに光学変換層1550を用いてもよい(図6B参照)。光学変換層1550を用いることにより、様々な波長領域における画像が得られる撮像装置とすることができる。例えば、光学変換層1550に可視光線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば、赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層1550に赤外線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば、遠赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層1550に可視光線の波長以上の光を遮るフィルタを用いれば紫外線撮像装置とすることができる。
また、光学変換層1550にシンチレータを用いれば、医療用のX線撮像装置など、放射線の強弱を可視化した画像を取得する撮像装置とすることができる。被写体を透過したX線等の放射線がシンチレータに入射されると、フォトルミネッセンスと呼ばれる現象により可視光線や紫外光線などの光(蛍光)に変換される。当該光をフォトダイオード1560で検知することにより撮像データを取得する。
シンチレータは、X線やガンマ線などの放射線が照射されると、そのエネルギーを吸収して可視光や紫外光を発する物質、または当該物質を含む材料からなり、例えば、Gd2O2S:Tb、Gd2O2S:Pr、Gd2O2S:Eu、BaFCl:Eu、NaI、CsI、CaF2、BaF2、CeF3、LiF、LiI、ZnOなどの材料や、それらを樹脂やセラミクスに分散させたものが知られている。
<<電子部品の作製方法例、および構成例>>
ここでは、半導体装置の一例として、電子部品、及び撮像装置や電子部品を具備する電子機器等について説明する。図7Aは、電子部品の作製方法例を示すフローチャートである。電子部品は、半導体パッケージ、IC用パッケージ、またはパッケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することとする。
ここでは、半導体装置の一例として、電子部品、及び撮像装置や電子部品を具備する電子機器等について説明する。図7Aは、電子部品の作製方法例を示すフローチャートである。電子部品は、半導体パッケージ、IC用パッケージ、またはパッケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することとする。
トランジスタで構成される半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。後工程については、図7Aに示す各工程を経ることで完了することができる。具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップS1)した後、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う(ステップS2)。基板を複数に分割する前に、基板を薄膜化して、前工程での基板の反り等を低減し、部品の小型化を図る。
チップをピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップS3)。ダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接着は樹脂やテープによって行えばよい。接着方法は製品に適した方法を選択すればよい。ダイボンディング工程で、インターポーザ上にチップを搭載し接合する。ワイヤーボンディング工程で、リードフレームのリードとチップ上の電極とを金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。ワイヤーボンディングは、ボールボンディングとウェッジボンディングの何れでもよい。
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施される(ステップS5)。リードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断及び成形加工する(ステップS6)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップS7)。検査工程(ステップS8)を経て、電子部品が完成する(ステップS9)。上掲した半導体装置を組み込むことで、低消費電力で、小型な電子部品を提供することができる。
図7Bは電子部品の斜視模式図である。一例として、図7BはQFP(Quad Flat Package)を示している。図7Bに示す電子部品7000は、リード7001及び回路部7003を有する。回路部7003には、例えば、実施の形態1の撮像装置が作製されている。電子部品7000は、例えばプリント基板7002に実装される。このような電子部品7000が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板7002上で電気的に接続されることで電子機器に搭載することができる。完成した回路基板7004は、電子機器等の内部に設けられる。例えば、電子部品7000は、カメラ機能を備える各種の電子機器に組み込まれる。電子部品7000には、動き検出機能、高品位な撮像性能を備えているため、電子部品7000を組み込んだ電子機器の多機能化ができる。
電子部品7000は、デジタル信号処理、ソフトウェア無線、アビオニクス(通信機器、航法システム、自動操縦装置、飛行管理システム等の航空に関する電子機器)、ASICのプロトタイピング、医療用画像処理、音声認識、暗号、バイオインフォマティクス(生物情報科学)、機械装置のエミュレータ、および電波天文学における電波望遠鏡等、幅広い分野の電子機器の電子部品(ICチップ)に適用することが可能である。このような電子機器としては、表示機器、パーソナルコンピュータ(PC)、記録媒体を備えた画像再生装置(DVD、ブルーレイディスク、フラッシュメモリ、HDD等の記録媒体を再生する装置、および画像を表示するための表示部を有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一形態に係る半導体装置を用いることができる電子機器には、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、カメラ(ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等)、ウエアラブル型表示装置(ヘッドマウント型、ゴーグル型、眼鏡型、腕章型、ブレスレッド型、ネックレス型等)ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。電子機器の具体例を図8に示す。
<<電子機器>>
図8は、カメラ機能を備えた電子機器の構成例を示す。図8の電子機器には、本発明の一形態に係る撮像装置が組み込まれている。
図8は、カメラ機能を備えた電子機器の構成例を示す。図8の電子機器には、本発明の一形態に係る撮像装置が組み込まれている。
図8Aに示す携帯型ゲーム機900は、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイク905、スピーカー906、操作キー907、スタイラス908、カメラ909等を有する。携帯型ゲーム機900は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、表示部の数は、これに限定されない。
図8Bに示す情報端末910は、タブレット型であり、筐体911、表示部912、およびカメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。
図8Cに示すデジタルカメラ920は、筐体921、シャッターボタン922、マイク923、発光部927、およびレンズ925等を有する。
図8Dに示す情報端末930は腕時計型であり、筐体931、表示部932、リストバンド933、カメラ939等を有する。表示部932が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。
図8Eに示すビデオカメラ940は、筐体941、筐体942、表示部943、操作キー944、レンズ945、および接続部946等を有する。操作キー944およびレンズ945は筐体941に設けられており、表示部943は筐体942に設けられている。筐体941と筐体942とは、接続部946により接続されており、筐体941と筐体942の間の角度は、接続部946により変更が可能である。接続部946における筐体941と筐体942との間の角度によって、表示部943で表示される画像を切り替える構成としてもよい。表示部953にタッチパネル機能を設け、タッチ操作によりビデオカメラ940を操作できるようにしてもよい。
図8Fに示すスマートフォン950は、筐体951に、表示部952、マイク957、スピーカー954、カメラ959、入出力端子956、および操作用のボタン955等を有する。筐体951は湾曲しているため、表示部952も湾曲している。
<<監視装置の構成例>>
実施の形態1によって、消費電力が低減された動き検出機能を有するカメラを提供することが可能である。このようなカメラは監視装置(監視システムともいう)に非常に好適である。図9は、監視装置の構成例を示す。
実施の形態1によって、消費電力が低減された動き検出機能を有するカメラを提供することが可能である。このようなカメラは監視装置(監視システムともいう)に非常に好適である。図9は、監視装置の構成例を示す。
図9の監視装置2250は、カメラ2200、記憶装置2211、表示装置2212、および警報装置2213を有する。カメラ2200、記憶装置2211、表示装置2212、および警報装置2213は、それぞれ機能的に接続されている。記憶装置2211はカメラ2200で撮影された撮像データを記憶することができ、表示装置は撮像データを表示できる。監視装置2250におけるこれらの装置の機能的な接続は、有線でも無線でもよい。一部を無線のネットワークで構築し、一部を有線のネットワークとしてもよい。
カメラ2200は撮像装置2220を有する。撮像装置2220には実施の形態1の撮像装置が適用されている。撮像装置2220は、撮像した画像に動きがあるか否かの判定信号を発生することが可能であるため、この判定信号によって、監視装置2250を制御することができる。例えば、撮像データに動きが検出されない場合は、撮像装置2220の出力ドライバを動作させないようにすることで、消費電力を低減することができる。また、動きが検出された場合に記憶装置2211に撮像データを記録し、動きが検出されない場合は記憶しないようにすることが可能であるので、記憶装置2211の記憶容量の節約ができ、より長時間の録画が可能になる。また、警報装置2213は、撮像装置2220において動きが検出された場合や、所定の期間、動きが検出されない場合等に、管理者に警報を行うようにプログラムしてもよい。
〔実施の形態3〕
本実施の形態では、OSトランジスタについて説明する。
本実施の形態では、OSトランジスタについて説明する。
<<OSトランジスタの構成例1>>
図10にOSトランジスタの構成の一例を示す。図10AはOSトランジスタの構成の一例を示す上面図である。図10Bは、y1−y2線断面図であり、図10Cはx1−x2線断面図であり、図10Dはx3−x4線断面図である。ここでは、y1−y2線の方向をチャネル長方向と呼び、x1−x2線方向をチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。よって、図10Bは、OSトランジスタのチャネル長方向の断面構造を示す図あり、図10Cおよび図10Dは、OSトランジスタのチャネル幅方向の断面構造を示す図である。なお、デバイス構造を明確にするため、図10Aでは、一部の構成要素が省略されている。
図10にOSトランジスタの構成の一例を示す。図10AはOSトランジスタの構成の一例を示す上面図である。図10Bは、y1−y2線断面図であり、図10Cはx1−x2線断面図であり、図10Dはx3−x4線断面図である。ここでは、y1−y2線の方向をチャネル長方向と呼び、x1−x2線方向をチャネル幅方向と呼ぶ場合がある。よって、図10Bは、OSトランジスタのチャネル長方向の断面構造を示す図あり、図10Cおよび図10Dは、OSトランジスタのチャネル幅方向の断面構造を示す図である。なお、デバイス構造を明確にするため、図10Aでは、一部の構成要素が省略されている。
OSトランジスタ501は絶縁表面に形成される。ここでは、絶縁層511上に形成されている。絶縁層511は基板510表面に形成されている。OSトランジスタ501は絶縁層516に覆われている。なお、絶縁層516をOSトランジスタ501の構成要素とみなすこともできる。OSトランジスタ501は、絶縁層512、絶縁層513、絶縁層514、絶縁層515、半導体層521−523、導電層530、導電層531、導電層532および導電層533を有する。ここでは、半導体層521−523をまとめて半導体領域520と呼称する。
導電層530はゲート電極として機能し、導電層533はバックゲート電極として機能する。導電層531、532は、それぞれ、ソース電極またはドレイン電極として機能する。絶縁層511は、基板510と導電層533を電気的に分離する機能を有する。絶縁層515はゲート絶縁層を構成し、絶縁層513、514はバックチャネル側のゲート絶縁層を構成する。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一のトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一のトランジスタのチャネル長は一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書等では、チャネル長はチャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一のトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
特に、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体領域の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体領域の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体領域とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
図10B、図10Cに示すように、半導体領域520は、半導体層521、半導体層522、半導体層523の順に積層している部分を有する。絶縁層515はこの積層部分を覆っている。導電層530は絶縁層513を介して積層部分と重なる。導電層531および導電層532は、半導体層521および半導体層523とでなる積層上に設けられており、それぞれ、この積層の上面と、同チャネル長方向の側面とに接している。半導体層521、522および導電層531、532の積層は、同じマスクを用いたエッチング工程を経ることで形成されている。
半導体層523は、半導体層521、522、および導電層531、532を覆うように形成されている。絶縁層515は半導体層523を覆っている。ここでは、半導体層523と絶縁層515は同じマスクを用いてエッチングされている。
絶縁層515を介して、半導体層521−523の積層部分のチャネル幅方向を取り囲むように、導電層530が形成されている(図10C参照)。このため、この積層部分には、垂直方向からのゲート電界と、側面方向からのゲート電界も印加される。OSトランジスタ501において、ゲート電界とは、導電層530(ゲート電極層)に印加される電圧により形成される電界のことをいう。ゲート電界によって、半導体層521−523の積層部分全体を電気的に取り囲むことができるので、半導体層522の全体に(バルク)にチャネルが形成される場合がある。そのため、OSトランジスタ501は高いオン電流を有することができる。また、s−channel構造であることで、OSトランジスタ501の高周波特性を向上することができる。具体的には、遮断周波数を向上することができる。
s−channel構造は高いオン電流が得られるため、LSIなど微細化されたトランジスタが要求される半導体装置に適した構造といえ、また、動作周波数が高いトランジスタに適した構造といえる。該トランジスタを有する半導体装置は、高い周波数で動作させることができる。
OSトランジスタの微細化によって、集積度が高い、または小型な半導体装置を提供することが可能となる。例えば、OSトランジスタは、チャネル長が好ましくは10nm以上かつ1μm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ100nm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ70nm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ60nm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ30nm未満の領域を有する。例えば、トランジスタは、チャネル幅が好ましくは10nm以上かつ1μm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ100nm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ70nm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ60nm未満、さらに好ましくは10nm以上かつ30nm未満の領域を有する。
酸化物半導体はシリコンよりも熱伝導率が低い、そのため、OSトランジスタ501において、半導体領域520は熱がこもりやすい。図10B、図10Dに示すように、導電層531と導電層532を、半導体層523および絶縁層515を介して導電層532と重ねるように設けることで、導電層531、532に、半導体領域520(特に、半導体層522)で発生する熱を放熱させる機能を持たせることができる。
<絶縁層>
絶縁層511−516は、単層構造または積層構造の絶縁膜で形成される。絶縁膜を構成する材料には、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどがある。
絶縁層511−516は、単層構造または積層構造の絶縁膜で形成される。絶縁膜を構成する材料には、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどがある。
なお、本明細書において、酸化窒化物とは、窒素よりも酸素の含有量が多い化合物をいい、窒化酸化物とは、酸素よりも窒素の含有量が多い化合物をいう。本明細書等において、絶縁材料に用いられる酸化物には、窒素濃度が1atmic%未満のものも含まれる。例えば、酸化シリコンは、1×10−20atoms/cm3未満であるものも含まれる。
絶縁層514、515は半導体領域520と接しているため、酸化物を含むことが好ましく、特に、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を含むことが好ましい。好適には、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物を用いることが好ましい。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物膜は、加熱により一部の酸素が脱離する。絶縁層514、515から脱離した酸素は酸化物半導体である半導体領域520に供給され、酸化物半導体中の酸素欠損を低減することが可能となる。その結果、トランジスタの電気特性の変動を抑制し、信頼性を高めることができる。
化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物膜は、例えば、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、膜の表面温度が100℃以上700℃以下、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度は100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
絶縁層513は、絶縁層514に含まれる酸素が導電層533に含まれる金属と結びつき、絶縁層514に含まれる酸素が減少することを防ぐパッシベーション機能を有する。絶縁層516は、絶縁層514に含まれる酸素が減少することを防ぐパッシベーション機能を有する。
絶縁層511、513、516は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等をブロッキングできる機能を有していることが好ましい。絶縁層511、513、516を設けることで、半導体領域520から外部への酸素の拡散と、外部から半導体領域520への水素、水等が入り込みを防ぐことができる。このような機能を持たせるため、絶縁層511、513、516には、例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等でなる絶縁膜を少なくとも1層設ければよい。
<導電層>
導電層530―533は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ストロンチウム(Sr)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
導電層530―533は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ストロンチウム(Sr)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
OSトランジスタ502の導電層531および導電層532は、半導体層521と半導体層522との積層を形成するために使用されるハードマスクから作製されている。そのため、導電層531および導電層532は、半導体層521および半導体層522の側面に接する領域を有していない)。例えば、次のような工程を経て、半導体層521、522、導電層531、532を作製することができる。半導体層521、522を構成する2層の酸化物半導体膜を形成する。酸化物半導体膜上に、単層または積層の導電膜を形成する。この導電膜をエッチングしてハードマスクを形成する。このハードマスクを用いて、2層の酸化物半導体膜をエッチングして、半導体層521と半導体層522の積層を形成する。次に、ハードマスクをエッチングして、導電層531および導電層532を形成する。
<半導体層>
半導体層522は、例えば、インジウム(In)を含む酸化物半導体である。半導体層522は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、半導体層522は、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)またはスズ(Sn)などとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素B、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。または、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、半導体層522は、亜鉛(Zn)を含むと好ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
半導体層522は、例えば、インジウム(In)を含む酸化物半導体である。半導体層522は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、半導体層522は、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)またはスズ(Sn)などとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素B、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。または、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、半導体層522は、亜鉛(Zn)を含むと好ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
なお、半導体層522は、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。半導体層522は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。半導体層522は、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。半導体層522のエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。半導体領域520は、実施の形態4で説明されるCAAC−OSで形成されていることが好ましい。または、少なくとも、半導体層522はCAAC−OSで形成されていることが好ましい。
例えば、半導体層521および半導体層523は、半導体層522を構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物半導体である。半導体層522を構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から半導体層521および半導体層523が構成されるため、半導体層521と半導体層522との界面、および半導体層522と半導体層523との界面において、界面準位が形成されにくい。
なお、半導体層521がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高いとする。半導体層521をスパッタリング法で成膜する場合、上記の組成を満たすスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。例えば、In:M:Zn=1:3:2が好ましい。
また、半導体層522がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。半導体層522をスパッタリング法で成膜する場合、上記の組成を満たすスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。例えば、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1が好ましい。特に、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される半導体層522の原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。
また、半導体層523がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。なお、半導体層523は、半導体層521と同種の酸化物を用いても構わない。ただし、半導体層521または/および半導体層523がインジウムを含まなくても構わない場合がある。例えば、半導体層521または/および半導体層523が酸化ガリウムであっても構わない。
(エネルギーバンド構造)
図11を参照して、半導体層521、半導体層522、および半導体層523の積層により構成される半導体領域520の機能およびその効果について、説明する。図11Aは、図11Bの部分拡大図であり、OSトランジスタ501の活性層(チャネル部分)を拡大した図である。図11BはOSトランジスタ501の活性層成領域のエネルギーバンド構造であり、図11Aの点線z1−z2で示す部位のエネルギーバンド構造を示している。
図11を参照して、半導体層521、半導体層522、および半導体層523の積層により構成される半導体領域520の機能およびその効果について、説明する。図11Aは、図11Bの部分拡大図であり、OSトランジスタ501の活性層(チャネル部分)を拡大した図である。図11BはOSトランジスタ501の活性層成領域のエネルギーバンド構造であり、図11Aの点線z1−z2で示す部位のエネルギーバンド構造を示している。
図11Bの、Ec514、Ec521、Ec522、Ec523、Ec515は、それぞれ、絶縁層514、半導体層521、半導体層522、半導体層523、絶縁層515の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータを用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置を用いて測定できる。
絶縁層515と絶縁層516は絶縁体であるため、Ec513とEc512は、Ec521、Ec522、およびEc523よりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
半導体層522には、半導体層521および半導体層523よりも電子親和力の大きい酸化物が用いられる。例えば、半導体層522として、半導体層521および半導体層523よりも電子親和力の0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物が用いられる。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、半導体層523がインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。このとき、ゲート電圧を印加すると、半導体層521、半導体層522、半導体層523のうち、電子親和力の大きい半導体層522にチャネルが形成される。
ここで、半導体層521と半導体層522との間には、半導体層521と半導体層522との混合領域を有する場合がある。また、半導体層522と半導体層523との間には、半導体層522と半導体層523との混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、半導体層521、半導体層522および半導体層523の積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このとき、電子は、半導体層521中および半導体層523中ではなく、半導体層522中を主として移動する。上述したように、半導体層521および半導体層522の界面における界面準位密度、半導体層522と半導体層523との界面における界面準位密度を低くすることによって、半導体層522中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
トランジスタのオン電流は、電子の移動を阻害する要因を低減するほど、高くすることができる。例えば、電子の移動を阻害する要因のない場合、効率よく電子が移動すると推定される。電子の移動は、例えば、チャネル形成領域の物理的な凹凸が大きい場合にも阻害される。または、例えば、チャネルの形成される領域中の欠陥準位密度が高い場合にも、電子の移動は阻害される。
OSトランジスタ501のオン電流を高くするためには、例えば、半導体層522の上面または下面(被形成面、ここでは半導体層521)の、1μm×1μmの範囲における二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)粗さが1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における平均面粗さ(Raともいう。)が1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における最大高低差(P−Vともいう。)が10nm未満、好ましくは9nm未満、さらに好ましくは8nm未満、より好ましくは7nm未満とすればよい。RMS粗さ、RaおよびP−Vは、走査型プローブ顕微鏡システムを用いて測定することができる。
例えば、半導体層522が酸素欠損(VOとも表記する。)を有する場合、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある。以下では酸素欠損のサイトに水素が入り込んだ状態をVOHと表記する場合がある。VOHは電子を散乱するため、トランジスタのオン電流を低下させる要因となる。なお、酸素欠損のサイトは、水素が入るよりも酸素が入る方が安定する。したがって、半導体層522中の酸素欠損を低減することで、トランジスタのオン電流を高くすることができる場合がある。
例えば、半導体層522のある深さにおいて、または、半導体層522のある領域において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定される水素濃度は、1×1016atoms/cm3以上、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは1×1016atoms/cm3以上、5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1016atoms/cm3以上、1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以上、5×1018atoms/cm3以下とする。
半導体層522の酸素欠損を低減するために、例えば、絶縁層515に含まれる過剰酸素を、半導体層521を介して半導体層522まで移動させる方法などがある。この場合、半導体層521は、酸素透過性を有する層(酸素を通過または透過させる層)であることが好ましい。
OSトランジスタ501がs−channel構造である場合、半導体層522の全体にチャネルが形成される。したがって、半導体層522が厚いほどチャネル領域は大きくなる。即ち、半導体層522が厚いほど、OSトランジスタ501のオン電流を高くすることができる。
また、OSトランジスタ501のオン電流を高くするためには、半導体層523の厚さは小さいほど好ましい。半導体層523は、例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有していればよい。一方、半導体層523は、チャネルの形成される半導体層522へ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、半導体層523は、ある程度の厚さを有することが好ましい。半導体層523は、例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有していればよい。また、半導体層523は、絶縁層515などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
また、OSトランジスタ501の信頼性を高くするためには、半導体層521は厚く、半導体層523は薄いことが好ましい。半導体層521は、例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有していればよい。半導体層521の厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と半導体層521との界面からチャネルの形成される半導体層522までの距離を離すことができる。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、半導体層521は、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有していればよい。
OSトランジスタ501に安定した電気特性を付与するには、半導体領域520中の不純物濃度を低減し、半導体層522を真性または実質的に真性にすることが有効である。なお、本明細書等において、酸化物半導体が実質的に真性であるという場合、酸化物半導体膜のキャリア密度は、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上である。
酸化物半導体において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンは酸化物半導体中で不純物準位の形成に寄与する。当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。したがって、半導体層521、半導体層522および半導体層523の層中や、それぞれの界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
例えば、半導体層522と半導体層521との間に、シリコン濃度が1×1016atoms/cm3以上かつ1×1019atoms/cm3未満である領域を有する。シリコン濃度は、1×1016atoms/cm3以上かつ5×1018atoms/cm3未満が好ましく、1×1016atoms/cm3以上かつ2×1018atoms/cm3未満であることがより好ましい。また、半導体層522と半導体層523との間に、シリコン濃度が1×1016atoms/cm3以上かつ1×1019atoms/cm3未満である領域を有する。シリコン濃度は1×1016atoms/cm3以上かつ5×1018atoms/cm3未満が好ましく、1×1016atoms/cm3以上、2×1018atoms/cm3未満がより好ましい。シリコン濃度は例えばSIMSで測定することができる。
また、半導体層522の水素濃度を低減するために、半導体層521および半導体層523の水素濃度を低減すると好ましい。半導体層521および半導体層523は、水素濃度が1×1016atoms/cm3以上かつ2×1020atoms/cm3以下の領域を有する。水素濃度は、1×1016atoms/cm3以上かつ5×1019atoms/cm3以下が好ましく、1×1016atoms/cm3以上かつ1×1019atoms/cm3以下がより好ましく、1×1016atoms/cm3以上かつ5×1018atoms/cm3以下がさらに好ましい。水素濃度は例えばSIMSで測定することができる。
半導体層522の窒素濃度を低減するために、半導体層521および半導体層523の窒素濃度を低減すると好ましい。半導体層521および半導体層523は、窒素濃度が1×1016atoms/cm3以上かつ5×1019atoms/cm3未満の領域を有する。窒素濃度は1×1016atoms/cm3以上かつ5×1018atoms/cm3以下が好ましく、1×1016atoms/cm3以上かつ1×1018atoms/cm3以下がより好ましく、1×1016atoms/cm3以上かつ5×1017atoms/cm3以下がさらに好ましい。窒素濃度はSIMSで測定することができる。
また、上述のように高純度化された酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さい。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1(V)、5(V)、または、10(V)程度とした場合に、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流を数yA/μmから数zA/μmにまで低減することが可能となる。
図10は、半導体領域520が3層の例であるが、これに限定されない。例えば、半導体層521または半導体層523が無い2層構造としてもよい。または、半導体層521の上もしくは下、または半導体層523上もしくは下に、半導体層521―523と同様の半導体層を設けて、4層構造とすることも可能である。または、半導体層521の上、半導体層521の下、半導体層523の上、半導体層523の下のいずれか二箇所以上に、半導体層521―523と同様の半導体層を設けて、n層構造(nは5以上の整数)とすることもできる。
OSトランジスタ501をバックゲート電極の無いトランジスタにする場合、導電層533を設けなければよい。この場合、絶縁層512、513も設けず、絶縁層511上に絶縁層514を形成してもよい。
<電子捕獲層>
Siトランジスタでは、チャネルドーピングによってしきい値電圧を容易に制御することができる。これに対して、OSトランジスタは、チャネルドーピングでは、しきい値電圧を効果的に変化させることが困難である。OSトランジスタでは、電荷捕獲層に電子を注入することで、しきい値電圧を変動させることが可能である。る。例えば、電荷捕獲層への電子の注入はトンネル効果を利用すればよい。導電層533に正の電圧を印加することによって、トンネル電子を電荷捕獲層に注入する。
Siトランジスタでは、チャネルドーピングによってしきい値電圧を容易に制御することができる。これに対して、OSトランジスタは、チャネルドーピングでは、しきい値電圧を効果的に変化させることが困難である。OSトランジスタでは、電荷捕獲層に電子を注入することで、しきい値電圧を変動させることが可能である。る。例えば、電荷捕獲層への電子の注入はトンネル効果を利用すればよい。導電層533に正の電圧を印加することによって、トンネル電子を電荷捕獲層に注入する。
OSトランジスタ501においては、絶縁層515に電荷捕獲層を設けることができる。また、バックゲート(導電層533)を設ける場合は、絶縁層512または絶縁層513に電荷捕獲層を設けることが好ましい。例えば、絶縁層513酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケート等で形成することで、電荷捕獲層として機能させることができる。
<基板>
基板510としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板は、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などである。また、半導体基板は、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などである。半導体基板は、バルク型でよいし、半導体基板に絶縁領域を介して半導体層が設けられているSOI(Silicon On Insulator)型でもよい。導電体基板は、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などである。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などである。または、上掲された基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子は、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などである。
基板510としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板は、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などである。また、半導体基板は、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などである。半導体基板は、バルク型でよいし、半導体基板に絶縁領域を介して半導体層が設けられているSOI(Silicon On Insulator)型でもよい。導電体基板は、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などである。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などである。または、上掲された基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子は、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などである。
基板510は可撓性基板でもよい。可撓性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可撓性の基板(例えば、半導体基板)上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可撓性基板である基板510に転置する方法もある。その場合には、非可撓性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板510として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板510が伸縮性を有してもよい。また、基板510は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板510の厚さは、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下とする。基板510を薄くすると、半導体装置を軽量化することができる。また、基板510を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板510上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可撓性基板である基板510は、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などである。可撓性基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可撓性基板には、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いるとよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため可撓性基板の材料として好適である。
<<OSトランジスタの構成例2>>
OSトランジスタ501は、導電層530をマスクにして、半導体層523及び絶縁層515をエッチングすることができる。そのような工程を経たOSトランジスタの構成例を図12Aに示す。図12AのOSトランジスタ502では、半導体層523および絶縁層515の端部は導電層530の端部とほぼ一致することになる。導電層530の下部のみに半導体層523および絶縁層513が存在する。
OSトランジスタ501は、導電層530をマスクにして、半導体層523及び絶縁層515をエッチングすることができる。そのような工程を経たOSトランジスタの構成例を図12Aに示す。図12AのOSトランジスタ502では、半導体層523および絶縁層515の端部は導電層530の端部とほぼ一致することになる。導電層530の下部のみに半導体層523および絶縁層513が存在する。
<<OSトランジスタの構成例3>>
図12Bに示すOSトランジスタ503は、OSトランジスタ502に導電層535、導電層536を追加したデバイス構造を有する。ソース電極およびドレイン電極として機能する一対の電極は、導電層535と導電層531との積層、および導電層536と導電層532との積層で構成される。
図12Bに示すOSトランジスタ503は、OSトランジスタ502に導電層535、導電層536を追加したデバイス構造を有する。ソース電極およびドレイン電極として機能する一対の電極は、導電層535と導電層531との積層、および導電層536と導電層532との積層で構成される。
導電層535、536は、単層または積層の導電体で形成される。例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を用いることができる。導電体は合金膜や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
導電層535、536は可視光線を透過する性質を有してよい。または、導電層535、536は可視光線、紫外線、赤外線もしくはX線を、反射もしくは吸収することで透過させない性質を有してもよい。このような性質を有することで、OSトランジスタ502の電気特性の迷光による変動を抑制できる場合がある。
半導体層522などとの間にショットキー障壁を形成しない層を、導電層535、536に用いるのが好ましい場合がある。こうすることで、OSトランジスタ503のオン特性を向上させることができる。
導電層535、536は、導電層531、532よりも高抵抗の膜を用いると好ましい場合がある。また、導電層535、536は、OSトランジスタ503のチャネル(具体的には、半導体層522)よりも抵抗を低いことが好ましい場合がある。例えば、導電層535、536の抵抗率を、0.1Ωcm以上かつ100Ωcm以下、または0.5Ωcm以上かつ50Ωcm以下、または1Ωcm以上かつ10Ωcm以下とすればよい。導電層535、536の抵抗率を上述の範囲とすることにより、チャネルとドレインとの境界部における電界集中を緩和することができる。そのため、OSトランジスタ503の電気特性の変動を低減することができる。また、ドレインから生じる電界に起因したパンチスルー電流を低減することができる。そのため、チャネル長の短いトランジスタにおいても、飽和特性を良好にすることができる。なお、ソースとドレインとが入れ替わらない回路構成であれば、導電層535および導電層536のいずれか一方のみ(例えば、ドレイン側)を配置するほうが好ましい場合がある。
<<OSトランジスタの構成例4>>
図10に示すOSトランジスタ501は、導電層531及び導電層532が、半導体層521、522の側面と接していてもよい。そのような構成例を図12Cに示す。図12Cに示すOSトランジスタ504は、導電層531及び導電層532が半導体層521の側面及び半導体層522の側面と接している。
図10に示すOSトランジスタ501は、導電層531及び導電層532が、半導体層521、522の側面と接していてもよい。そのような構成例を図12Cに示す。図12Cに示すOSトランジスタ504は、導電層531及び導電層532が半導体層521の側面及び半導体層522の側面と接している。
半導体装置の作製工程において、絶縁体、導電体、半導体の成膜は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD;Chemical Vapor Deposition)法、分子ビームエピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法、原子層堆積(ALD;Atomic Layer Deposition)法、またはパルスレーザ堆積(PLD;Pulsed Laser Deposition)法等で行えばよい。CVD法は、熱CVD法、有機金属CVD(MOCVD;Metal Organic CVD)法、プラズマCVD(PECVD;Plasma Enhanced CVD)法等を含む。例えば、絶縁膜をCVD法、好ましくはPECVD法によって成膜すると、被覆性を向上させることができるため好ましい。また、CVD法で成膜する場合、また、プラズマによるダメージを減らすには、熱CVD法、MOCVD法あるいはALD法が好ましい。また、スパッタリング法で成膜する場合、例えば、対向ターゲット型のスパッタ装置、平行平板型のパッタ装置等を用いればよい。例えば、半導体領域520のOS層522は、対向ターゲット型のスパッタ装置で成膜を行うことが好ましい。
<<撮像装置のデバイス構造例>>
OSトランジスタは、Siトランジスタ等が作製された素子層に積層することが可能である。例えば、実施の形態1の撮像装置100(図1)を、SiトランジスタとOSトランジスタとが積層されたデバイス構造とすることができる。ここでは、IMC11を有する撮像装置について、説明する図13は撮像装置のデバイス構造を説明するための図であり、代表的にIMC11(図2)の断面構造を示す。
OSトランジスタは、Siトランジスタ等が作製された素子層に積層することが可能である。例えば、実施の形態1の撮像装置100(図1)を、SiトランジスタとOSトランジスタとが積層されたデバイス構造とすることができる。ここでは、IMC11を有する撮像装置について、説明する図13は撮像装置のデバイス構造を説明するための図であり、代表的にIMC11(図2)の断面構造を示す。
画素アレイにおいて、Siトランジスタ(M1、M3)にOSトランジスタ(M2)が積層され、OSトランジスタ(M2)にフォトダイオード(PD1)が積層される。図13において、符号およびハッチングが付されていない領域は絶縁体で形成されている。なお、761−763は絶縁層である。また、ハッチングが付されているが、符号が付されていない領域は導電体でなり、配線や電極を構成している。これらの導電体により、IMC11は配線90−94等と電気的に接続されている。
図13Aの撮像装置100は、単結晶シリコンウエハ700に形成されている。単結晶シリコンウエハ700には、素子層701−703が作製される。素子層701―703は、それぞれ、Siトランジスタ、OSトランジスタ、光センサが形成される層である。
単結晶シリコンウエハ700には、p型ウエル710が形成されている。p型ウエル710に、トランジスタM1、M2が形成されている。トランジスタM1、M3は、n型不純物領域711、712を有する。図13では、トランジスタM1、M3はプレナー型であるが、立体構造を有するトランジスタ(フィン(FIN)型、トライゲート型など)とすることが可能である。図14にフィン型トランジスタの一例を示す。図14Aはトランジスタのチャネル長方向の断面図であり、図14Bは、E−F線で切断した図14Aの断面図である。
図14に示すトランジスタM70は、活性層(チャネル形成領域とも呼ぶ。)772が凸形状を有し、その側面及び上面に沿ってゲート絶縁層776及びゲート電極777が設けられている。721は素子分離層である。771はウエルであり、773は低濃度不純物領域であり、774は高濃度不純物領域である。775は導電性領域である。778、779は側壁絶縁層である。図14には、単結晶シリコンウエハ700を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体層を形成してもよい。
トランジスタM2は、バックゲートを有するOSトランジスタとし、そのデバイス構造はOSトランジスタ502(図12A)と同様としている。導電層731はトランジスタM2のバックゲート電極を構成する。
ここでは、フォトダイオードPD1をpin型の薄膜フォトダイオードとしている。フォトダイオードPD1は、導電層750、n型半導体層751、i型半導体層752、およびp型半導体層753を有する。n型半導体層751がフォトダイオードPD1のカソードを構成し、p型半導体層753が同アノードを構成する。
i型半導体層752には非晶質シリコンを用いることが好ましい。また、n型半導体層751およびp型半導体層753には、それぞれの導電型を付与するドーパントを含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンなどを用いることができる。非晶質シリコンを光電変換層とするフォトダイオードは可視光の波長領域における感度が高く、微弱な可視光を検知しやすい。
フォトダイオードPD1は、一対の導電層と、これらに挟まれたセレン系材料でなる光電変換層とを有するフォトダイオード(以下、Seフォトダイオードと呼ぶ)でもよい。セレン系材料は可視光に対する量子効率が高いので、Seフォトダイオードを用いることで、アバランシェ現象により入射される光量に対する電子の増幅が大きい高感度の撮像装置を得ることができる。また、セレン系材料は光吸収係数が高いため、光電変換層を薄くしやすい利点を有する。
セレン系材料としては、非晶質セレンまたは結晶セレンを用いることができる。結晶セレンは、例えば、非晶質セレンを成膜後、熱処理することで形成することができる。なお、結晶セレンの結晶粒径を画素ピッチより小さくすることで、画素アレイに作製されるSeフォトダイオードごとの特性ばらつきを低減させることができる。また、結晶セレンは、非晶質セレンよりも可視光に対する分光感度や光吸収係数が高い特性を有する。
Seフォトダイオードの光電変換層は、銅、インジウム、セレンの化合物(CIS)を含む層であってもよい。または、銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物(CIGS)を含む層であってもよい。CIS層およびCIGS層では、セレンの単層と同様にアバランシェ現象が利用できる光電変換素子を形成することができる。
また、フォトダイオードPD1は、単結晶シリコンウエハ700に形成されるpn型接合やpin型の接合を用いたダイオードでもよい。図13Bに単結晶シリコンウエハ700(素子層701)にPD1を設けた例を示す。単結晶シリコンウエハ700にフォトダイオードPD1を設けることで、裏面照射型の撮像装置が得られる。図12BのフォトダイオードPD1は、p型ウエル、n型半導体領域741およびp型半導体領域743を有する。n型半導体領域741およびp型半導体領域743はp型ウエル710に形成されている。n型半導体領域741はトランジスタM2と電気的に接続され、p型半導体領域743は配線90と電気的に接続されている。
〔実施の形態4〕
<<酸化物半導体の構造>>
本実施の形態では、酸化物半導体の構造について説明する。酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体とに分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous like Oxide Semiconductor)、非晶質酸化物半導体などがある。
<<酸化物半導体の構造>>
本実施の形態では、酸化物半導体の構造について説明する。酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体とに分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous like Oxide Semiconductor)、非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体とに分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、nc−OSなどがある。
非晶質構造の定義としては、一般に、準安定状態で固定化していないこと、等方的であって不均質構造を持たないことなどが知られている。また、結合角度が柔軟であり、短距離秩序性は有するが、長距離秩序性を有さない構造と言い換えることもできる。
逆の見方をすると、本質的に安定な酸化物半導体の場合、完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体と呼ぶことはできない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体と呼ぶことはできない。ただし、a−like OSは、微小な領域において周期構造を有するものの、鬆(ボイドともいう。)を有し、不安定な構造である。そのため、物性的には非晶質酸化物半導体に近いといえる。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一つである。
まずは、CAAC−OSについて説明する。CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一つである。
以下では、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察したCAAC−OSについて説明する。TEMによって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像では結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
高分解能TEM像によって、CAAC−OSの結晶部には、大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものが確認されている、また、結晶部と結晶部との傾きにより生じる隙間の大きさは0.8nm程度であることが確認されている。したがって、結晶部を、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。また、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像をからは、1の結晶部において、金属原子は三角形状、四角形状または六角形状に配列していることが確認されている。一方で、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は確認されない。
次に、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSの結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
CAAC−OSのout−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。より好ましいCAAC−OSは、out−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さない。
CAAC−OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。CAAC−OSの場合は、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、明瞭なピークは現れない。これに対し、InGaZnO4の単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、回折パターン(制限視野透過電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれる結晶部がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときには、リング状の回折パターンが確認される。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれる結晶部のa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
上述したように、CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をするとCAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。また、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物および酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<nc−OS>
nc−OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおける結晶部と起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
nc−OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおける結晶部と起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OSに対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いた場合、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークは検出されない。また、nc−OSに対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OSに対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
このように、結晶部(ナノ結晶)間では結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、高分解能TEM像において鬆が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。具体的には、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られないことがわかる。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、高分解能TEM像において鬆が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。具体的には、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られないことがわかる。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3となる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満となる。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
以下に、本明細書等に関する事項を示す。
本発明の一形態において、スイッチとしては、様々な形態のものを用いることができる。スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有し、例えば、経路1に電流を流すことができるようにするか、経路2に電流を流すことができるようにするかを選択して切り替える機能を有している。スイッチの一例としては、電気的スイッチまたは機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。スイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、またはこれらを組み合わせた論理回路などがある。機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
本発明の一形態において、素子として意図的に設けられるキャパシタのデバイス構造に特段の制約はない。例えば、MIM型のキャパシタを用いることも、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor)型のキャパシタを用いることもできる。
本明細書等において、「膜」という言葉と「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。例えば、「絶縁膜」という用語を「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一形態を構成することは可能な場合がある。つまり、接続先を特定しなくても、発明の一形態が明確であると言える。そして、接続先が特定された内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一形態が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数のケース考えられる場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の一形態を構成することが可能な場合がある。
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つまり、機能を特定すれば、発明の一形態が明確であると言える。そして、機能が特定された発明の一形態が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能である。または、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能である。
本明細書等において規定されていない内容について、その内容を除くことを規定した発明の一形態を構成することができる。または、ある値について、上限値と下限値などで示される数値範囲が記載されている場合、その範囲を任意に狭めることで、または、その範囲の中の一点を除くことで、その範囲を一部除いた発明の一形態を規定することができる。これらにより、例えば、従来技術が本発明の一形態の技術的範囲内に入らないことを規定することができる。
具体例としては、ある回路において、第1乃至第5のトランジスタを用いている回路図が記載されているとする。その場合、その回路が、第6のトランジスタを有していないことを発明として規定することが可能である。または、その回路が、容量素子を有していないことを規定することが可能である。さらに、その回路が、ある特定の接続構造をとっているような第6のトランジスタを有していない、と規定して発明を構成することができる。または、その回路が、ある特定の接続構造をとっている容量素子を有していない、と規定して発明を構成することができる。例えば、ゲートが第3のトランジスタのゲートと接続されている第6のトランジスタを有していない、と発明を規定することが可能である。または、例えば、第1の電極が第3のトランジスタのゲートと接続されている容量素子を有していない、と発明を規定することが可能である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出して、発明の一形態を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能であるものとする。そして、その発明の一形態は明確であると言える。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、装置、動作方法、製造方法などが単数もしくは複数記載された図面または文章において、その一部分を取り出して、発明の一形態を構成することが可能であるものとする。例えば、N個(Nは整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一形態を構成することは可能である。別の例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一形態を構成することは可能である。さらに別の例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成されるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一形態を構成することは可能である。さらに別の例としては、「Aは、B、C、D、E、または、Fを有する」と記載されている文章から、一部の要素を任意に抜き出して、「Aは、BとEとを有する」、「Aは、EとFとを有する」、「Aは、CとEとFとを有する」、または、「Aは、BとCとDとEとを有する」などの発明の一形態を構成することは可能である。
本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念も、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能である。そして、その発明の一形態は、明確であると言える。
本明細書等においては、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能である。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていなくても、その内容は、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能である。同様に、図の一部を取り出した図についても、発明の一形態として開示されているものであり、発明の一形態を構成することが可能である。そして、その発明の一形態は明確であると言える。
また、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/または、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、または置き換えなどを行うことができる。実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、または明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)について、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/または、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)と組み合わせることにより、他の図を構成させることができる。
10 画素回路
11 回路(IMC)
12 回路(MDC)
21−24 回路
40 処理回路
41 回路
41A CDS回路
41B DDS回路
42 ADC
50 処理回路
51、52 レジスタ
53 EXOR回路
54 AND回路
60 インバータ
61、62 アナログスイッチ
70、81、82、90ー96 配線
100 撮像装置
110 画素アレイ
120 周辺回路
130 行ドライバ
140 出力ドライバ
141 回路
142 列セレクタ
143 出力バッファ
150 動き判定回路
11 回路(IMC)
12 回路(MDC)
21−24 回路
40 処理回路
41 回路
41A CDS回路
41B DDS回路
42 ADC
50 処理回路
51、52 レジスタ
53 EXOR回路
54 AND回路
60 インバータ
61、62 アナログスイッチ
70、81、82、90ー96 配線
100 撮像装置
110 画素アレイ
120 周辺回路
130 行ドライバ
140 出力ドライバ
141 回路
142 列セレクタ
143 出力バッファ
150 動き判定回路
Claims (5)
- 画素回路と、
処理回路と、
第1、第2配線と、
を有する撮像装置であって、
画素回路は第1及び2回路を有し、
前記第1回路は第1保持ノード、出力ノード、第1トランジスタ、及びフォトダイオードを有し、
前記第1回路は前記第1保持ノードの電位を増幅して撮像信号を生成する機能を有し、
前記撮像信号は前記出力ノードに出力され、
前記第2回路は第2保持ノード、第2トランジスタ、及び第1、第2容量素子を有し、
前記第2保持ノードは、前記第1容量素子により前記出力ノードと容量結合され、且つ、前記第2容量素子により前記第1配線と容量結合され、
前記第2回路は、前記第2保持ノードの電位と第1参照電位とを比較して第1信号を生成する機能と、前記第2保持ノードの電位と第2参照電位とを比較して第2信号を生成する機能とを有し、
前記第1信号及び前記第2信号はそれぞれ前記第2配線に出力され、
前記処理回路は前記第2配線と電気的に接続され、
前記処理回路は前記第1信号及び前記第2信号を演算する機能を有し、
前記処理回路の演算結果に基づいて、前記第2トランジスタの導通状態が制御され、
前記第1保持ノードは前記第1トランジスタを介して前記フォトダイオードと電気的に接続され、
第2保持ノードは前記第2トランジスタを介して前記第2配線と電気的に接続され、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタはチャネルが酸化物半導体で形成されている撮像装置。 - 画素回路と、
第1処理回路と、
第2処理回路と、
第1乃至第3配線と、
を有する撮像装置であって、
前記第1処理回路は第1配線と電気的に接続され、
前記第2処理回路は第2配線と電気的に接続され、
前記画素回路は、第1回路及び第2回路を有し、
前記第1回路は、第1保持ノード、第1出力ノード、フォトダイオード、並びに、第1乃至第3トランジスタを有し、
前記第1トランジスタは前記出力ノードと前記第1配線と間の導通状態を制御できる機能を有し、
前記第2トランジスタは前記フォトダイオードの端子と前記第1保持ノードと間の導通状態を制御できる機能を有し、
前記第3トランジスタのゲートは前記第1保持ノードと電気的に接続され、
前記第3トランジスタのソースは前記出力ノードと電気的に接続され、
前記第3トランジスタのドレインには第1電位が入力され、
前記第2回路は、第2保持ノード、第1及び第2容量素子、並びに第4乃至第6トランジスタを有し、
前記第1容量素子は、前記出力ノードと前記第2保持ノードと間を容量結合し、
前記第2容量素子は、前記第3配線と前記第2保持ノードと間を容量結合し、
前記第4トランジスタは、前記第5トランジスタのドレインと前記第1配線と間の導通状態を制御できる機能を有し、
前記第5トランジスタのゲートは前記第2保持ノードと電気的に接続され、
前記第5トランジスタのソースには第2電位が入力され、
前記第6トランジスタは、前記第2保持ノードと前記第2配線と間の導通状態を制御できる機能を有し、
前記第2トランジスタ及び前記第6トランジスタは、チャネルが酸化物半導体で形成され、
前記第1処理回路は、前記第1配線の信号を処理することができる機能を有し、
前記第2処理回路は第1レジスタ、第2レジスタ及び論理回路を有し、
前記第1レジスタは、第1信号に従い前記第2配線の信号を保持する機能を有し、
前記第2レジスタは、第2信号に従い前記第2配線の前記信号を保持する機能を有し、
前記論理回路は、前記第1及び前記第2レジスタの出力を演算することができる機能を有する撮像装置。 - 請求項2において、
前記論理回路の演算結果に基づいて、前記第6トランジスタの導通状態が制御される撮像装置。 - チップ及びリードを有し、
前記チップには、請求項1及び2に記載の撮像装置、並びに請求項4及び5に記載の半導体装置の何れか1つが設けられ、
前記リードは前記チップと電気的に接続されている電子部品。 - 請求項1乃至3に記載の撮像装置、並びに請求項4に記載の電子部品のうちのいずれか1つと、
筐体、マイクロホン、スピーカー、及び操作キーのうちの少なくとも1つと、
を有する電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015000691A JP2016127471A (ja) | 2015-01-06 | 2015-01-06 | 撮像装置、及びそれを備える電気機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015000691A JP2016127471A (ja) | 2015-01-06 | 2015-01-06 | 撮像装置、及びそれを備える電気機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016127471A true JP2016127471A (ja) | 2016-07-11 |
Family
ID=56359893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015000691A Withdrawn JP2016127471A (ja) | 2015-01-06 | 2015-01-06 | 撮像装置、及びそれを備える電気機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021168523A (ja) * | 2017-05-18 | 2021-10-21 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 画像検出モジュール |
CN113660439A (zh) * | 2016-12-27 | 2021-11-16 | 株式会社半导体能源研究所 | 摄像装置及电子设备 |
-
2015
- 2015-01-06 JP JP2015000691A patent/JP2016127471A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113660439A (zh) * | 2016-12-27 | 2021-11-16 | 株式会社半导体能源研究所 | 摄像装置及电子设备 |
JP2021168523A (ja) * | 2017-05-18 | 2021-10-21 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 画像検出モジュール |
JP7121840B2 (ja) | 2017-05-18 | 2022-08-18 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 画像検出モジュール |
JP2022174043A (ja) * | 2017-05-18 | 2022-11-22 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置 |
JP7383766B2 (ja) | 2017-05-18 | 2023-11-20 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置 |
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---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
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