JP2016125521A - 作業機械 - Google Patents

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Teppei Saito
哲平 齋藤
自由理 清水
Juri Shimizu
自由理 清水
平工 賢二
Kenji Hiraku
賢二 平工
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Abstract

【課題】閉回路を備えた作業機械における操作性の向上及びエネルギロスの低減を図る。
【解決手段】複数の油圧アクチュエータ(1,3)と、複数の油圧アクチュエータに圧油を供給するための複数の両傾転油圧ポンプ(12,14)と、複数の油圧アクチュエータの1つと複数の両傾転油圧ポンプの1つとを閉回路状に接続して形成される複数の油圧閉回路(A,B)とを有する作業機械であって、複数の油圧閉回路それぞれに対し圧油を供給してそれぞれの油圧閉回路の最低圧力を補償する圧力制御回路(CG1,CG2)を複数備えたことを特徴としている。
【選択図】図3

Description

本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関する。
油圧ショベル等の作業機械の分野では、油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータからの戻り油を作動油タンクに戻す油圧回路(以下、「開回路」と称する)を用いた作業機械が主流である。また、近年、燃料消費率低減のために、油圧シリンダもしくは油圧モータの油圧回路の絞り要素を減らすと共に、油圧シリンダもしくは油圧モータからの戻り油を両傾転油圧ポンプ(以下、「両傾転ポンプ」と称する)に戻し、両傾転ポンプと油圧シリンダ、もしくは両傾転ポンプと油圧モータとを閉回路状に接続した油圧閉回路(以下、「閉回路」と称する)の開発が進められている。
閉回路を構成する要素の1つとして、チャージ回路がある。チャージ回路は、閉回路内の作動油が油圧モータの回転の立ち上がりの遅れや油圧機器等からの漏れなどによって不足した際に、閉回路内に作動油を補充するための回路であり、一般に、油圧ポンプ(チャージポンプ)と、油圧ポンプから作動油を補給する際の圧力を設定するリリーフ弁(圧力設定弁)と、油圧ポンプと閉回路を接続する流路と、を備えて構成される。よって、チャージ回路は、リリーフ弁で設定した閉回路内の最低圧力(チャージ圧)を補償する圧力制御回路である。
閉回路の従来技術として、例えば特許文献1が公知である。この特許文献1には、油圧シリンダや油圧モータと両傾転ポンプをそれぞれ独立した閉回路として接続し、両傾転ポンプの吐出流量を制御して、油圧アクチュエータの作動速度を制御する作業機械の油圧装置が開示されている。特許文献1に記載されている油圧装置では、油圧アクチュエータを高速に駆動するために、2つの閉回路の両傾転ポンプが吐出した作動油を回路内で合流させるための合流流路と、この合流流路の開閉を制御する合流弁が設けられている。また、チャージ回路として、固定容量の油圧ポンプ1台がリリーフ弁1台とチェック弁を介して全ての閉回路に接続されている。これより、全ての閉回路の最低圧力が、チャージ回路のリリーフ弁の設定圧に制御されている。
米国特許出願公開第2013/0098016号明細書
しかしながら、特許文献1は、全ての閉回路に共通で1つのチャージ回路を設ける構成であるため、閉回路毎に作業機械の各種動作に適したチャージ圧を設定することができない。例えば、油圧ショベルを例に挙げると、アームクラウド動作(アームシリンダを伸長動作させてアームを空中で抱え込む動作)、ブーム上げ動作、旋回動作、などの各種動作があるが、特許文献1に記載の技術では、これら各種動作に応じて閉回路毎にチャージ圧を設定できない。即ち、作業機械の各種動作に対して共通の唯一のチャージ圧力が設定される。そのため、特許文献1では、作業機械が所定の動作を行う場合、その所定の動作に適した圧力より設定されたチャージ圧の方が低いと作業機械の操作性が低下し、所定の動作に適した圧力より設定されたチャージ圧の方が高いと、例えば燃費が悪化するなどのエネルギロスが生じるという課題がある。
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、閉回路を備えた作業機械における操作性の向上及びエネルギロスの低減を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに圧油を供給するための複数の両傾転油圧ポンプと、前記複数の油圧アクチュエータの1つと前記複数の両傾転油圧ポンプの1つとを閉回路状に接続して形成される複数の油圧閉回路とを有する作業機械であって、前記複数の油圧閉回路それぞれに対し圧油を供給してそれぞれの油圧閉回路の最低圧力を補償する圧力制御回路を複数備えたことを特徴とする。
本発明によれば、作業機械の操作性の向上及びエネルギロスの低減を図るができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る作業機械の代表例である油圧ショベルの側面図である。 図1に示す油圧ショベルに搭載される油圧駆動装置の油圧回路図である。 図2に示す油圧駆動装置のチャージ回路を含む要部の油圧回路図である。 図1に示す油圧ショベルのアームクラウド動作時におけるアーム動作の状態を示すタイムチャートである。 従来の閉回路を適用した油圧ショベルのアームクラウド動作時におけるアーム動作の状態を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルの油圧駆動装置のチャージ回路を含む要部の油圧回路図である。 本発明の第3実施形態に係る油圧ショベルの油圧駆動装置のチャージ回路を含む要部の油圧回路図である。
以下、本発明に係る作業機械の各実施形態について、図を用いて説明する。
「第1実施形態」
図1は本発明に係る作業機械の代表例である油圧ショベルの側面図、図2は図1に示す油圧ショベルに搭載される本実施形態による油圧駆動装置の油圧回路図、図3は図2に示す油圧駆動装置のチャージ回路を含む要部の油圧回路図である。なお、図3は、図2に示す油圧駆動装置105のうちブームシリンダ1を含む閉回路Aとそれに接続されるチャージ回路CG1、及びアームシリンダ3を含む閉回路Bとそれに接続されるチャージ回路CG2を含め、以降の説明に必要な構成を抽出して示した図である。
(油圧ショベルの全体構成)
本発明の実施形態に係る油圧ショベル100は、図1に示すように、左右方向の両側にクローラ式の走行装置8a、8bを備えた下部走行体(走行体)103と、下部走行体103上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体(旋回体)102とを備えている。上部旋回体102上には、オペレータが搭乗するキャブ101が設けられている。下部走行体103と上部旋回体102とは、旋回用の油圧モータ7を介して旋回可能とされている。
上部旋回体102の前側には、例えば掘削作業等を行うための作動装置であるフロント作業機104の基端部が回動可能に取り付けられている。ここで、前側とは、キャブ101に搭乗するオペレータが向く方向(図1中の左方向)をいう。フロント作業機104は、上部旋回体102の前側に基端部が俯仰動可能に連結されたブーム2を備えている。ブーム2は、供給される流体としての作動油(圧油)にて駆動する片ロッド式油圧シリンダであるブームシリンダ1を介して動作する。ブームシリンダ1は、ロッド1cの先端部が上部旋回体102に連結され、シリンダチューブ1dの基端部がブーム2に連結されている。
ブームシリンダ1は、図2に示すように、シリンダチューブ1dの基端側に位置し作動油が供給されることによりロッド1cの基端部に取り付けられたピストン1eを押圧して作動油圧による荷重を与えて、ロッド1cを伸長移動させるヘッド側の第1作動油室であるヘッド室1aを備えている。また、ブームシリンダ1は、シリンダチューブ1dの先端側に位置し作動油が供給されることによりピストン1eを押圧して作動油圧による荷重を与えて、ロッド1cを縮退移動させるロッド側の第2作動油室としてのロッド室1bを備えている。
ブーム2の先端部には、アーム4の基端部が俯仰動可能に連結されている。アーム4は、片ロッド式油圧シリンダであるアームシリンダ3を介して動作する。アームシリンダ3は、ロッド3cの先端部がアーム4に連結され、アームシリンダ3のシリンダチューブ3dがブーム2に連結されている。アームシリンダ3は、図2に示すように、シリンダチューブ3dの基端側に位置し作動油が供給されることによりロッド3cの基端部に取り付けられたピストン3eを押圧して、ロッド3cを伸長移動させるヘッド室3aを備えている。また、アームシリンダ3は、シリンダチューブ3dの先端側に位置し作動油が供給されることによりピストン3eを押圧して、ロッド3cを縮退移動させるロッド室3bを備えている。
アーム4の先端部には、バケット6の基端部が俯仰動可能に連結されている。バケット6は、供給される作動油にて駆動する片ロッド式油圧シリンダであるバケットシリンダ5を介して動作する。バケットシリンダ5は、ロッド5cの先端部がバケット6に連結され、バケットシリンダ5のシリンダチューブ5dの基端がアーム4に連結されている。バケットシリンダ5は、図2に示すように、シリンダチューブ5dの基端側に位置し作動油が供給されることによりロッド5cの基端部に取り付けられたピストン5eを押圧して、ロッド5cを伸長移動させるヘッド室5aを備えている。また、バケットシリンダ5は、シリンダチューブ5dの先端側に位置し作動油が供給されることによりピストン5eを押圧して、ロッド5cを縮退移動させるロッド室5bを備えている。なお、本願明細書において「前方」とは、図1における、左方向のことをいう。
(油圧駆動装置の全体構成)
次に、油圧ショベル100に搭載される油圧駆動装置105の回路構成について説明する。図2において、動力源であるエンジン9は、動力を配分する動力伝達装置10に接続されている。動力伝達装置10には、両傾転ポンプ12、14、16、18、片傾転ポンプ13、15、17、19、及びチャージポンプ11a,b…(図3参照)が接続されている。両傾転ポンプ12、14、16、18はそれぞれ流量調整手段として一対の入出力ポートを持つ両傾転斜板機構、及び斜板の傾斜角を調整してポンプ押しのけ容積を調整するレギュレータ12a、14a、16a、18aを備えており、制御装置57からの信号により両傾転ポンプの吐出流量と吐出方向の両方が制御される。即ち、両傾転ポンプ12、14、16、18は、レギュレータ12a、14a、16a、18aによって作動油の吸込側のポート(吸込口)と吐出側のポート(吐出口)とが決定される。そして、両傾転ポンプ12、14、16、18は、両傾転ポンプの吸い込み側のポートに高圧の圧油が供給されると油圧モータとして機能する。
図2に示すように、両傾転ポンプ12の両ポートは流路200、201を介して切換弁43a〜43dに接続されている。切換弁43a〜43dは制御装置57からの信号により、流路の流通と遮断を切換え、信号が無い場合は遮断状態である。そして、例えば図3に示すように、切換弁43aは、流路212、213を介してブームシリンダ1に接続されており、切換弁43aが流通状態になると、両傾転ポンプ12はブームシリンダ1と接続されて閉回路A(第1の油圧閉回路)を構成する。
また、図3に示すように、片傾転ポンプ13の出力ポートには流路202と切換弁44aと流路305aを介して流路212に接続され、入力ポートには作動油タンク25が接続されている。片傾転ポンプ13の押しのけ容積はレギュレータ13aによって制御され、レギュレータ13aは制御信号線を介して制御装置57に接続されている。
ブームシリンダ1は両傾転ポンプ12と片傾転ポンプ13から供給される作動油により伸縮動作をする。ブームシリンダ1の伸縮(伸長/縮退)方向は両傾転ポンプ12の作動油の吐出方向によって決まり、ブームシリンダ1の伸長速度は両傾転ポンプ12と片傾転ポンプ13から供給される作動油により決まり、縮退速度は両傾転ポンプ12から供給される作動油により決まる。供給される作動油の量は両傾転ポンプ12と片傾転ポンプ13の押しのけ容積と、エンジン9から動力伝達装置10を介して伝達される両傾転ポンプ12と片傾転ポンプ13の回転数で決まる。
一方、図3に示すように、切換弁45bは、流路214、215を介してアームシリンダ3に接続されており、切換弁45bが流通状態になると、両傾転ポンプ12はアームシリンダ3と接続されて閉回路B(第2の油圧閉回路)を構成する。また、片傾転ポンプ15の出力ポートには流路205と切換弁46bと流路306bを介して流路214に接続され、入力ポートには作動油タンク25が接続されている。片傾転ポンプ15の押しのけ容積はレギュレータ15aによって制御され、レギュレータ15aは制御信号線を介して制御装置57に接続されている。
アームシリンダ3は、ブームシリンダ1と同様に両傾転ポンプ14及び片傾転ポンプ15から供給される作動油により伸縮動作をする。また、アームシリンダ3の伸縮方向及び伸縮速度に関してもブームシリンダ1と同様であり、説明は省略する。
なお、各シリンダ1、3において、伸長時に両傾転ポンプ12、14及び片傾転ポンプ13、15から作動油が供給され、縮退時には両傾転ポンプ12、14からのみ作動油が供給されるようになっているのは、各シリンダ1、3が片ロッドシリンダであることに起因している。即ち、ロッド1c、3c側面積とヘッド1a、3a側面積が異なり、ロッド1c、3c側とヘッド1a、3a側の作動油の流入量と流出量が異なるためである。
また、各シリンダ1、3の縮退時には、チャージ回路CG1、CG2に設けられたブリードオフ弁64、65を開位置に切り換えることにより、ヘッド1a、3a側から流出された作動油量とロッド1c、3cに流入した作動油量の差分をタンク25へ戻すようになっている。
なお、図3には図示を省略しているが、図2に示すように、切換弁43bが流通状態になると両傾転ポンプ12はアームシリンダ3と接続されて閉回路B(第2の油圧閉回路)を形成し、切換弁43cが流通状態になると、両傾転ポンプ12はバケットシリンダ5と接続されて閉回路C(第3の油圧閉回路)を構成し、切換弁43dが流通状態になると、両傾転ポンプ12は旋回用の油圧モータ7と接続されて閉回路D(第4の油圧閉回路)を構成する。両傾転ポンプ14、16、18についても、両傾転ポンプ12と同ように、切換弁45a〜45d、47a〜47d、49a〜dを介して油圧アクチュエータであるブームシリンダ1、アームシリンダ3、バケットシリンダ5、油圧モータ7に接続されて閉回路A〜Dを構成可能である。このように、本実施形態では、各両傾転ポンプ12、14、16、18と各油圧アクチュエータ1、3、5、7との間で1つの閉回路が形成される。
また、片傾転ポンプ15、17、19についても、片傾転ポンプ13と同ように、切換弁46a〜46d、48a〜48d、50a〜50dを介してブームシリンダ1、アームシリンダ3、バケットシリンダ5の各ヘッド室1a、3a、5a側と、左右走行用のコントロールバルブ54、55に接続されている。
コントロールバルブ54、55は制御装置57の指令により制御され、走行用の油圧モータ8a、8bの回転方向と回転速度を調整する。
各閉回路A〜Dにはチェック弁26〜29、40〜42が設けられており、回路内の圧力が下がるとチャージポンプ11a,b…からの油を回路内に吸い込み、回路のキャビテーションを防止する。フラッシング弁34〜36は回路内の油を低圧ラインに排出する役割を持つ。回路の各所に設けられたリリーフ弁21〜24、30a,b〜33a,b、37a,b〜39a,b、51a,b〜53a,bは設定以上の圧力になると圧油を作動油タンク25あるいは低圧側の流路に導き、ポンプや配管の破損を防止する。
制御装置57は、オペレータが操作レバー56a〜56dを操作した際の操作指令値と各種のセンサ情報に基づいて、各油圧ポンプ、切換弁、ブリードオフ弁、コントロールバルブを制御する。
(チャージ回路)
次に、チャージ回路の詳細について説明する。図3に示すように、第1の油圧閉回路である閉回路Aには圧力制御回路であるチャージ回路CG1が、第2の油圧閉回路である閉回路Bには圧力制御回路であるチャージ回路CG2がそれぞれ接続されている。チャージ回路CG1は、流路229aと、チェック弁40と、チャージポンプ11aと、リリーフ弁(圧力設定弁)20aとを備えて構成される。第2の圧力制御回路であるチャージ回路CG2も同様に、流路229bと、チェック弁41と、チャージポンプ11bと、リリーフ弁(圧力設定弁)20bとを備えて構成される。
図示しないが、バケットシリンダ5と接続される閉回路C、旋回用の油圧モータ7と接続される閉回路Dに対しても、それぞれチャージ回路CG1、CG2と同様のチャージ回路が接続される。よって、本実施形態では、合計4つのチャージ回路が設けられる。
ここで、本実施形態では、閉回路Aに接続されているチャージ回路CG1のリリーフ弁20aの設定圧(=Pc1)を、閉回路Bに接続されているチャージ回路CG2のリリーフ弁20bの設定圧(=Pc2)より低い圧に設定している(Pc1<Pc2)。即ち、ブームシリンダ1を含む閉回路Aのチャージ圧はアームシリンダ3を含む閉回路Bのチャージ圧より低い設定となっている。
なお、本実施形態では油圧ショベルのフロント作業機104の操作性とエネルギロスとを考慮して、リリーフ弁20aの設定圧をリリーフ弁20bの設定圧より低く設定したが、この設定はあくまで一例であって、リリーフ弁20aの設定圧とリリーフ弁20bの設定圧の大小関係は使用環境等の各種条件に応じて適宜決定することができる。
続いて、油圧ショベル100の代表的な動作であるブームシリンダ1とアームシリンダ3の複合動作の制御について、詳細に説明する。
(停止状態)
まず、ブームシリンダ1とアームシリンダ3の停止状態について述べる。制御装置57はブーム操作レバー56a、アーム操作レバー56bの各操作量を、制御信号線を介して受けとり、操作量に応じて両傾転ポンプ12、14の押しのけ容積C1、C2、片傾転ポンプ13、15の押しのけ容積指令値D1、D2を設定する。
押しのけ容積指令値C1、C2、D1、D2は制御装置57の操作判定部によって、例えば各操作レバーの操作量に比例して、非操作の場合0、最大操作量でC1、C2は1もしくは−1、D1、D2は1と設定される。押しのけ容積指令値C1、C2の符号は各操作レバーの操作した方向によって決まる。なお、ブーム操作レバー56a、アーム操作レバー56bが非操作である場合、押しのけ容積指令値C1、C2、D1、D2は0であるため、両傾転ポンプ12、14、片傾転ポンプ13、15は油を吐出しないよう制御される。
制御装置57は信号線を介しレギュレータ12a、14aに両傾転ポンプ12、14の押しのけ容積指令値C1、C2を出力し、また、レギュレータ13a、15aに片傾転ポンプ13、15の押しのけ容積指令値D1、D2を出力する。ブーム操作レバー56a、56bが非操作の場合、制御装置57は、切換弁43a、44a、45b、46bに制御信号線を介して流路を遮断する指令を出力する。
切換弁43a、44a、45b、46bはそれぞれ制御装置57から制御信号線を介して制御信号を受け、流路200と流路212、流路201と流路213、流路202と流路305a、流路203と流路214、流路204と流路215、流路205と流路306bを遮断する。
レギュレータ12a、14aは制御装置57から制御信号線を介して両傾転ポンプ12、14の押しのけ容積指令値C1、C2を受ける。レギュレータ12a、14aは受け取った押しのけ容積指令値C1、C2に従って、両傾転ポンプ12、14の押しのけ容積を制御する。また、レギュレータ13a、15aは制御装置57から制御信号線を介して片傾転ポンプ13、15の押しのけ容積指令値D1、D2を受ける。レギュレータ13a、15aは受け取った押しのけ容積指令値D1、D2に従って、片傾転ポンプ13、15の押しのけ容積を制御する。
チャージポンプ11aは流路229aに作動油を吐出する。吐出する作動油の流量は、チャージポンプ11aの押しのけ容積と動力伝達装置10を介して伝達される回転数によって決まる。チャージポンプ11aが吐出した作動油はリリーフ弁20aに設定された設定圧(以下、リリーフ圧)Pc1まで上昇する。
この時、流路212もしくは流路213の圧力がリリーフ圧Pc1以下であれば、チェック弁40が開き、チャージポンプ11aが吐出した作動油は流路229aとチェック弁40を介して流路212もしくは流路213に流入する。その結果、チャージポンプ11aから作動油が流入した流路212もしくは流路213の圧力はリリーフ圧Pc1に等しくなる。また、流路212と流路213の圧力がリリーフ圧Pc1以上であれば、チェック弁40は開かずに、チャージポンプ11aが吐出した作動油はリリーフ弁20aを介して作動油タンク25に排出される。
チャージポンプ11bについても同様であり、流路214もしくは流路215の圧力がリリーフ圧Pc2よりも低い場合には、チャージポンプ11bからの作動油がチェック弁40を介して供給され、流路229b、流路214もしくは流路215内の圧力はリリーフ弁20bに設定されたリリーフ圧Pc2に等しくなり、流路214と流路215の圧力がリリーフ圧Pc2以上であれば、チャージポンプ11bが吐出した作動油はリリーフ弁20bを介して作動油タンク25に排出される。
両傾転ポンプ12、14、片傾転ポンプ13、15は作動油を吐出せず、また、切換弁43a、44a、45b、46bは流路を遮断しているため、ブームシリンダ1、アームシリンダ3は駆動されず、静止する。
(ブーム上げとアームクラウドの複合動作)
次に、ブームシリンダ1とアームシリンダ3が共に伸長する複合動作について説明する。ブーム操作レバー56aが操作され、ブームシリンダ1を伸長させる指令が入力され、また、アーム操作レバー56bが操作され、アームシリンダ3を伸長させる指令が入力された場合、制御装置57はブーム操作レバー56a、アーム操作レバー56bの各操作量を、制御信号線を介して受けとり、操作量に応じて両傾転ポンプ12、14の押しのけ容積指令値C1、C2、片傾転ポンプ13の押しのけ容積指令値D1、D2を設定する。
この時、制御装置57は、片傾転ポンプ13の押しのけ容積指令値D1を、ブームシリンダ1のヘッド室1aの面積Aa1とロッド室1bの面積Aa2の面積比Aa1:Aa2と、両傾転ポンプ12と片傾転ポンプ13の押しのけ容積比(C1+D1):C1とがほぼ等しくなるように決定する。また、片傾転ポンプ15の押しのけ容積指令値D2も上記と同様に、制御装置57が両傾転ポンプ14の押しのけ容積指令値C2と、アームシリンダ3のヘッド室3aの面積Ab1とロッド室3bの面積Ab2の面積比Ab1:Ab2とに基づき、決定する。このように決定することで、閉回路内の油の過不足が少なくなり、チャージポンプによって補給する流量を低減できる利点がある。
制御装置57は信号線を介しレギュレータ12a、14aに両傾転ポンプ12、14の押しのけ容積指令値C1、C2を出力し、また、レギュレータ13a、15aに片傾転ポンプ13、15の押しのけ容積指令値D1、D2を出力する。また、制御装置57は、各操作レバー56a、56bが操作された場合、切換弁43a、44a、45b、46bに制御信号線を介して流路を流通状態にする指令を出力する。これら押しのけ容積指令値を受けたレギュレータ12a、13a、14a、15aは、各ポンプ12、13、14、15の斜板の角度を変更して、押しのけ容積をそれぞれ制御する。
切換弁43a、44a、45b、46bは、それぞれ制御装置57から制御信号線を介して制御信号を受け、流路200と流路212、流路201と流路213、流路202と流路305a、流路203と流路214、流路204と流路215、流路205と流路306bを流通状態する。
ブーム操作レバー56aがブームシリンダ1を伸長する方向へ操作された場合、両傾転ポンプ12は押しのけ容積指令値C1に従い、流路200に作動油を吐出する。吐出された作動油は、流路200、切換弁43aと流路212を介してブームシリンダ1のヘッド室1aに供給され、ブームシリンダ1を駆動させる。ブームシリンダ1が駆動されてロッド室1bから排出される作動油は、流路213、切換弁43aと流路201を介して、両傾転ポンプ12が吸入する。また同時に片傾転ポンプ13は作動油タンク25から作動油を吸入して、流路202に作動油を吐出する。吐出された作動油は、流路202、切換弁44a、流路305aを介して流路212に合流する。
また、アーム操作レバー56bがアームシリンダ3を伸長する方向へ操作された場合、ブームシリンダ1と同様に、両傾転ポンプ14の吐出作動油は、流路203、切換弁45b、流路214を介してアームシリンダ3のヘッド室3aに供給され、アームシリンダ3が駆動される。アームシリンダ3が駆動されてロッド室3bから排出される作動油は、流路215、切換弁45bと流路204を介して、両傾転ポンプ14が吸入する。片傾転ポンプ15は作動油タンク25から作動油を吸入して、流路205に作動油を吐出する。吐出された作動油は、流路205、切換弁46b、流路306bを介して流路214に合流する。
ブームシリンダ1を伸長させた場合、流路213は流路212に比べ当然低圧となるが、流路213の圧力がリリーフ弁20aに設定されている圧力Pc1以下となると、チャージポンプ11aが吐出した作動油は、流路229a、チェック弁40を介して流路213に流入する。そして、流路213の圧力はリリーフ弁20aに設定されているリリーフ圧Pc1に等しくなる。また、一般的に流路212は高圧になるため、リリーフ圧Pc1より流路212の圧力が高ければ、チェック弁40は開かずに、チャージポンプ11aが吐出した作動油は流路212に流入しない。
アームシリンダ3を伸長させた場合、チャージポンプ11bが吐出した作動油は、流路229b、チェック弁41を介して流路214もしくは流路215に流入する。チャージポンプ11bからの作動油が流入する流路はアーム4の姿勢によって変化し、アームシリンダ3を伸長させた場合の負荷反転前では流路214に流入し、負荷反転後では流路215に流入する。この時、流入した側の流路内圧力はリリーフ弁20bに設定されているリリーフ圧Pc2に等しくなる。
なお、アーム4、バケット6及びバケットシリンダ5、バケット6内に土砂が存在する場合には土砂を含めた重心位置が、ブーム2とアーム4の連結中心からの鉛直線よりもショベル100側にある場合にはアームシリンダ3には押し方向の負荷が作用し、逆に重心位置が鉛直線よりもショベル100に対し前方にある場合にはアームシリンダ3を引っ張る方向の負荷が作用するため、この鉛直線がアームシリンダ3に作用する負荷方向が反転する位置となる。
(効果)
本実施形態の効果について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る油圧ショベルのアームクラウド動作時におけるアーム動作の状態を示すタイムチャート、図5は、従来の閉回路を適用した油圧ショベルのアームクラウド動作時におけるアーム動作の状態を示すタイムチャートである。図4と図5とでアーム動作の特性に違いがあるが、この違いはチャージ回路のチャージ圧の大きさに起因している。
従来の閉回路を適用した油圧ショベルでは、閉回路毎にチャージ圧を設定できないため、例えば、図5に示すようにチャージ圧はPc1である。一方、本実施形態では閉回路毎にチャージ圧を設定できるため、前述したように、閉回路Aのチャージ圧はPc1に、閉回路Bのチャージ圧は図4に示すようにPc1より大きいPc2に設定されている。
図5に示すように、アーム操作レバー56bの入力を最大のXとすると、両傾転ポンプ14が流量Qcpを吐出し、片傾転ポンプ15が流量Qopを吐出し、アームシリンダ3は最大速度V1で伸長動作(アームクラウド動作)を行う。前述したように制御装置57は、アームシリンダ3のヘッド室3aの面積Ab1とロッド室3bの面積Ab2の面積比Ab1:Ab2と、ポンプの押しのけ容積比(C2+D2):C2とがほぼ等しくなるように、両傾転ポンプ14の押しのけ容積指令値C2及び片傾転ポンプ15の押しのけ容積指令値D2を算出し、それぞれのポンプレギュレータ14a、15aに出力することにより各ポンプの吐出流量を制御する。
時刻T0の静止状態において、アームシリンダ3のロッド室3b側の圧力は、アーム4とバケット6の自重により高圧となり、また、ヘッド室3a側の圧力は、負荷が作用しないため、リリーフ弁20bで設定されるリリーフ圧Pc1に等しい圧に保持されている。時刻T1からT3までのアームクラウド前半は、両傾転ポンプ14はロッド室3b側の高圧油を吸入し、ヘッド室3a側へと吐出するが、ポンプには内部漏れがあるため、吸入した流量よりも少ない流量を吐出する。
このためヘッド室3a側では作動油の不足が生じるが、不足分はチャージポンプ11bからチェック弁41を介して供給され、シリンダ速度が低速の間は、ヘッド室3aの圧力はチャージ圧力Pc1に保持される。そして、各油圧ポンプ14、15の流量が増えていくと、その分各油圧ポンプ14、15からの漏れ流量も増え、チャージポンプ11bから補充する流量も増えるため、チェック弁41や配管の抵抗によりアームシリンダ3の圧力をチャージ圧力Pc1に維持することが困難になり、図5に示すようにヘッド室3a側の圧力が時間T2以降、0気圧付近まで著しく低下してしまう。
一方、アームクラウド後半、すなわち負荷方向反転位置を超えると(時刻T3)、ヘッド室3a側の圧力を両傾転ポンプ14及び片傾転ポンプ15で上昇させてアーム4を上方向に回動させる必要があるが、上記のようにヘッド室3a側の圧力が著しく低下した状態にあるためヘッド室3a側の圧力を上昇させるのに時間を要する。例えば空気混入率1%の作動油の場合、圧力10MPaでの体積弾性係数は1200MPaとほぼ剛体の様相を呈するが、圧力0.1MPaでの体積弾性係数は8MPaと1/150にまで大きく低下する。このため両傾転ポンプ14と片傾転ポンプ15とで作動油を送り込んでも圧力が上昇するまでに時間を要する。
この結果、図5のアームシリンダ3速度に示すように、アームクラウドの前半から後半へ移り変わる負荷反転のタイミング(即ち、時間T3)のときにシリンダ速度がV1から急激に低下してしまう。
ヘッド室3a側の圧力がPc1を超えたあたりからアームシリンダ3は加速を始め、最終的にV1に回復する。このようにレバー操作量が一定であるにもかかわらず、オペレータの意図しない速度低下が起こるため、チャージ回路のチャージ圧を低めに設定した従来の閉回路を適用した油圧ショベルでは、アームクラウド動作において操作性が悪くなる。
これに対して、本実施形態では、図4に示すように、時刻T0の静止状態において、アームシリンダ3のヘッド室3a側の圧力は、リリーフ弁20bで設定されるリリーフ圧Pc2に等しい圧に保持されている。アームクラウド動作の前半、すなわち時刻T1〜T3は図5の場合と同様にヘッド室3a側の圧力は低下していくが、リリーフ圧Pc2の設定圧が高い分極端に低下することは免れる。したがって、負荷方向反転位置を超える時刻T3以降、速やかにヘッド室3a側の圧力が上昇し、アームシリンダ3に駆動力を与えることができる。この結果、アームシリンダ3の速度低下は抑制される。
このように、リリーフ弁20bの設定圧を従来よりも高い圧力(Pc2)に設定することができるため、アームクラウド動作時におけるアームシリンダ3の負荷反転方向時の速度変動を抑えることができ、アーム4の操作性を向上させることができる。
一方、ブームシリンダ1のロッド室1bに作用するリリーフ弁20aに設定されている設定圧Pc1は、アームシリンダ3に作用する設定圧Pc2より低いため、リリーフ弁20aを通過する作動油の流量をQrとすると、リリーフ圧20aの設定圧がリリーフ弁20bの設定圧Pc2と同じ場合と比べ、チャージポンプ11aが消費していたエネルギロスを(Pc2−Pc1)×Qr分だけ低減できる。即ち、ブームシリンダ1の閉回路に接続されたチャージ回路CG1のチャージ圧力を、ブームシリンダ1の負荷等に応じて適した値に設定できるため、チャージポンプ11aのエネルギロスを低減することができる。
また、両傾転ポンプ12が吸い込む作動油の圧力も、リリーフ圧20aの設定圧Pc1に等しく、低い圧力のため、両傾転ポンプ12内部の漏れ量も低減され、両傾転ポンプ12の全効率も改善される。従って、エネルギロスが低減でき、燃費低減につながる。
つまり、ブームシリンダ1とアームシリンダ3とで独立してチャージ圧を設定できる構成にし、ブームシリンダ1側のリリーフ弁20aの設定圧をアームシリンダ3側のリリーフ弁20bの設定圧より低い圧に設定した場合、良好な操作性と、エネルギロス低減とを両立させることができる。
なお、本実施形態では、ブームシリンダ1の閉回路Aとアームシリンダ3の閉回路Bについて説明したが、バケットシリンダ5の閉回路C、旋回用の油圧モータ7の閉回路Dについても、それぞれ負荷に応じて適宜チャージ圧を設定することにより、良好な操作性とエネルギロスの低減を実現できる。
また、本実施形態では、ブームシリンダ1を伸長させる際に両傾転ポンプ12及び片傾転ポンプ13を用いて、アームシリンダ3を伸長させる際に両傾転ポンプ14及び片傾転ポンプ15を用いたが、両傾転ポンプ12、14のみでブームシリンダ1とアームシリンダ3をそれぞれ駆動しても構わない。
また、チャージポンプ11a、11bの吐出圧をリリーフ弁20a、20bを用いて調整しているが、リリーフ弁20a、20bの代わりに制御信号で設定リリーフ圧(チャージ圧)を制御できる可変リリーフ弁を用いても良い。
「第2実施形態」
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同一構成については説明を省略する。図6は、第2実施形態に係る油圧ショベルの油圧駆動装置のチャージ回路を含む要部の油圧回路図である。
図6に示すように、本実施形態では、ブームシリンダ1を駆動する閉回路Aと旋回用の油圧モータ7を駆動する閉回路Dとに共通で接続するチャージ回路CG3と、アームシリンダ3を駆動する閉回路Bとバケットシリンダ5を駆動する閉回路Cとに共通で接続するチャージ回路CG4と、を備えた点が特徴である。ブームシリンダ1と旋回用の油圧モータ7は負荷反転の少ない油圧アクチュエータであるため、これらの閉回路に共通で1つのチャージ回路CG3を設けている。同様に、アームシリンダ3とバケットシリンダ5は負荷反転が多い油圧アクチュエータであるため、これらの閉回路に共通で1つのチャージ回路CG4を設けている。
チャージ回路CG3は、2つのチャージポンプ11a、11dと、1つのリリーフ弁20aと、を備え、チャージポンプ11aとチャージポンプ11dとからそれぞれチェック弁40、43を介して閉回路Aと閉回路Dとに圧油を供給可能に構成されている。チャージポンプ11aの出口と接続された流路229aは、その途中で2つに分岐しており、一方がブームシリンダ1へと繋がり、他方が旋回用の油圧モータ7と繋がる構成である。また、チャージポンプ11dの出口と接続された流路229dも同様に、その途中で2つに分岐しており、一方がブームシリンダ1へと繋がり、他方が旋回用の油圧モータ7と繋がる構成である。
同様に、チャージ回路CG4は、2つのチャージポンプ11b、11cと、1つのリリーフ弁20bと、を備え、チャージポンプ11bとチャージポンプ11dとからそれぞれチェック弁41、42を介して閉回路Bと閉回路Cとに圧油を供給可能である。チャージポンプ11bの出口と接続された流路229bは、その途中で2つに分岐しており、一方がアームシリンダ3へと繋がり、他方がブームシリンダ5と繋がる構成である。また、チャージポンプ11cの出口と接続された流路229cも同様に、その途中で2つに分岐しており、一方がアームシリンダ3へと繋がり、他方がブームシリンダ5と繋がる構成である。
チャージ回路CG3は、リリーフ弁20aのリリーフ圧により最低圧力が補償され、チャージ回路CG4は、リリーフ弁20bのリリーフ圧により最低圧力が補償される。そして、リリーフ弁20aのリリーフ圧よりリリーフ弁20bのリリーフ圧の方が高くなるよう設定されている。即ち、ブームシリンダ1を駆動する閉回路Aと旋回用の油圧モータ7を駆動する閉回路Dのチャージ圧は、アームシリンダ3を駆動する閉回路Bとバケットシリンダ5を駆動する閉回路Cのチャージ圧より低い関係にある。これは、チャージ回路CG4の方が負荷反転の多い動作を行う閉回路と接続されているためである。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に良好な操作性とエネルギロスの低減の両立を実現可能であることに加え、各チャージ回路CG3、CG4は、2つのチャージポンプに対して1つのリリーフ弁を設けるだけで良いため、リリーフ弁の数量を削減でき、コスト低減を図ることができる。なお、チャージ回路CG3、CG4は、それぞれチャージポンプを1つにすることできる。
「第3実施形態」
次に、本発明の第3実施形態について説明するが、第1、第2実施形態と同一構成については説明を省略する。図7は、第3実施形態に係る油圧ショベルの油圧駆動装置のチャージ回路を含む要部の油圧回路図である。
図7に示すように、第3実施形態は、前述した第1実施形態における、ブームシリンダ1側のリリーフ弁20aの設定圧をアームシリンダ3側のリリーフ弁20bの設定圧より低い設定した場合において、片側のチャージポンプが流量不足になった際に、もう一方のチャージポンプから作動油を不足側に補給できる回路を設けた構成例である。即ち、チャージ回路CG1とチャージ回路CG2とが互いに作動油の不足を補うことができる構成にした点に特徴がある。
本実施形態は、チャージポンプ11aに接続された流路229aから分岐した、第1の補給流路としての流路401及び流路402と、チェック弁400と設け、流路229aは、流路401とチェック弁400と流路402を介して流路229bに接続される。また、チャージポンプ11bの作動油タンク25に接続されたドレン側に新たに第2の補給流路としての流路403を設け、作動油タンク25から切り離された流路403は流路229aに接続される構成である。リリーフ弁20aの設定圧Pc1とリリーフ弁20bの設定圧Pc2との関係が、チャージポンプ11bの目標チャージ圧Pcbに対し、Pc2=Pcb−Pc1の関係を満たすように、各設定圧Pc1とPc2とが設定される。
具体的には、チャージポンプ11aの吐出作動油が全てチェック弁40を介して、流路212もしくは213に流入してしまい、チャージポンプ11aが流量不足になった場合に、チャージポンプ11bから吐出した作動油がリリーフ弁20bと流路403を介して流路229aに流入し補給される。また、チャージポンプ11bの吐出作動油が全てチェック弁41を介して、流路214もしくは215に流入してしまい、チャージポンプ11bが流量不足になり、流路229b内の圧力がリリーフ圧20aの設定圧より低下した場合に、リリーフ圧20aの設定圧に等しい圧力の流路401より流路402の圧力が低いため、チェック弁400が開き、チャージポンプ11aから吐出した作動油が流路401と、チェック弁400、流路402を介して流路229bに流入し補給される。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に良好な操作性とエネルギロスの低減の両立を実現可能であることに加え、チャージポンプ11aや11bの流量が不足した際に、もう片方のチャージポンプから作動油を補給されることで、チャージポンプ流量不足による、回路内圧力の低下を防ぐことができ、速度変動を抑制して、良好な操作性を維持することができる。
また、チャージポンプの吐出流量を合流して使用できるため、第1実施形態に比べ、搭載するチャージポンプの押しのけ容積を小さくしてポンプを小型化でき、搭載性の向上やコスト低減が可能となる。
なお、本実施形態では、一例として、リリーフ弁20aの設定圧がリリーフ弁20bの設定圧より低い場合について、チェック弁400の接続方向を決定し、図7に記載しているが、リリーフ弁20aの設定圧とリリーフ弁20bの設定圧の大小関係は逆でも良い。その場合は、接続するチェック弁400の接続方向も逆になる。
また、チェック弁400の代わりに流路の流通と遮断を制御する切換弁を設け、制御装置57がチャージポンプ11aと11bの吐出圧をセンサにより検出して圧力の大小関係を判定し、制御信号線を介して切換弁を制御して、チェック弁400と同等の機能を持たせても良い。
さらに、本実施形態では、チャージポンプ11bからチャージポンプ11a側に補給するために流路403を備えているが、この流路403を設けなくても良い。一般的にブームシリンダ1や油圧モータ7は負荷反転する動作が少ないため、チャージポンプの流量不足になることが少ない。そのため、高圧側のチャージポンプ11bから低圧側のチャージポンプ11a側に作動油を補給する流路403がなくても、本発明の目的をおおよそ達成することができる。
以上、本発明の各種実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。またある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
また、以上の実施の形態では、ブームシリンダ1とアームシリンダ3を駆動させる油圧回路のチャージ回路を中心に述べているが、この技術思想は旋回の油圧モータ7とバケットシリンダ5のチャージ回路にも適用可能である。例えば、バケットシリンダ5の駆動の際にも、アーム4と同様な負荷反転する姿勢が存在するため、負荷反転時の速度変動が発生する。従って、バケットシリンダ5を旋回の油圧モータ7と同時に駆動する場合に本発明を適用しても有効である。
さらに以上の実施の形態では、油圧ショベルに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は油圧ショベル以外の建設機械にも適用可能である。例えば、油圧式クレーン等、作業装置で複数の油圧アクチュエータを閉回路によって駆動する油圧装置を備えた作業機械の全般に本発明は適用可能である。
1 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
2 ブーム
3 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4 アーム
5 バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
6 バケット
7 旋回用の油圧モータ(油圧アクチュエータ)
11a、11b、11c、11d チャージポンプ
12、14、16、18 両傾転ポンプ(両傾転油圧ポンプ)
20a、20b、20c、20d リリーフ弁(圧力設定弁)
100 油圧ショベル
102 上部旋回体(旋回体)
103 下部走行体(走行体)
104 フロント作業機
105 油圧駆動装置
400 チェック弁
401、402 流路(第1の補給流路)
403 流路(第2の補給流路)
A 閉回路(第1の油圧閉回路)
B 閉回路(第2の油圧閉回路)
C 閉回路(第3の油圧閉回路)
D 閉回路(第4の油圧閉回路)
CG1 チャージ回路(第1の圧力制御回路)
CG2 チャージ回路(第2の圧力制御回路)
CG3 チャージ回路(第3の圧力制御回路)
CG4 チャージ回路(第4の圧力制御回路)

Claims (5)

  1. 複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに圧油を供給するための複数の両傾転油圧ポンプと、前記複数の油圧アクチュエータの1つと前記複数の両傾転油圧ポンプの1つとを閉回路状に接続して形成される複数の油圧閉回路とを有する作業機械であって、
    前記複数の油圧閉回路それぞれに対し圧油を供給してそれぞれの油圧閉回路の最低圧力を補償する圧力制御回路を複数備えたことを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1において、
    前記複数の圧力制御回路がそれぞれチャージポンプと前記最低圧力を補償するための圧力設定弁とを有し、少なくとも1つの前記圧力制御回路に設けられた圧力設定弁の設定圧が他の前記圧力制御回路に設けられた圧力設定弁の設定圧と異なることを特徴とする作業機械。
  3. 請求項2において、
    前記作業機械が、走行体と、前記走行体に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体の前部に設けられるフロント作業機と、を備え、
    前記フロント作業機が、ブームと、アームと、前記ブームを駆動するブームシリンダと、前記アームを駆動するアームシリンダと、を少なくとも備えて構成され、
    前記複数の油圧閉回路が、前記ブームシリンダを駆動する第1の油圧閉回路と、前記アームシリンダを駆動する第2の油圧閉回路と、を含み、
    前記第1の油圧閉回路に設けられ第1の圧力制御回路を形成する第1の圧力設定弁の設定圧が、前記第2の閉回路に設けられ第2の圧力制御回路を形成する第2の圧力設定弁の設定圧よりも低いことを特徴とする作業機械。
  4. 請求項2において、
    前記作業機械が、走行体と、前記走行体に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体を旋回駆動する旋回用の油圧モータと、前記旋回体の前部に設けられるフロント作業機と、を備え、
    前記フロント作業機が、ブームと、アームと、バケットと、前記ブームを駆動するブームシリンダと、前記アームを駆動するアームシリンダと、前記バケットを駆動するバケットシリンダと、を備えて構成され、
    前記複数の油圧閉回路が、前記ブームシリンダを駆動する第1の油圧閉回路と、前記アームシリンダを駆動する第2の油圧閉回路と、前記バケットシリンダを駆動する第3の油圧閉回路と、前記旋回用の油圧モータを駆動する第4の油圧閉回路と、を含み、
    前記第1の油圧閉回路と前記第4の油圧閉回路とが共有する第1の圧力制御回路を設け、前記第2の油圧閉回路と前記第3の油圧閉回路とが共有する第2の圧力制御回路を設け、
    前記第1の圧力制御回路における前記圧力設定弁の設定圧は、前記第2の圧力制御回路における前記圧力設定弁の設定圧より低いことを特徴とする作業機械。
  5. 請求項3において、
    前記第1の圧力制御回路に設けられた前記チャージポンプから吐出された圧油を、チェック弁を介して前記第2の圧力制御回路に導く第1の補給流路と、
    前記第2の圧力制御回路に設けられた前記圧力設定弁の下流側と前記第1の圧力制御回路に設けられた前記圧力設定弁の上流側とを繋ぐ第2の補給流路と、をさらに備えたことを特徴とする作業機械。
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