JP2016125401A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Hiroki Nagano
宏樹 永野
達志 森
Tatsushi Mori
達志 森
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Abstract

【課題】圧縮性能の向上を実現可能なベーン型圧縮機を提供する。【解決手段】ベーン型圧縮機1において、ロータ41の少なくとも一方の端面には、回転軸19を内在させつつ凹む収容部42、43が形成される。収容部42、43には、一端で第1ベーン51に当接するとともに他端で第2ベーン52に当接し、第1、2ベーン51、52の出没方向に往復動可能にガイドされる伝達部材110、120が収容されている。伝達部材110、120は、第1ベーン51がシリンダ室31の内周面31Sに押し付けられて第1ベーン溝41A内に収容されると第2ベーン52を第2ベーン溝41Bから突出させ、第2ベーン52がシリンダ室31の内周面31Sに押し付けられて第2ベーン溝41B内に収容されると第1ベーン51を第1ベーン溝41Aから突出させるように第1ベーン51及び第2ベーン52の移動を伝達するように構成されている。【選択図】図3

Description

本発明はベーン型圧縮機に関する。
特許文献1、2に従来のベーン型圧縮機又はポンプが開示されている。これらのベーン型圧縮機又はポンプは、ハウジングと、回転軸と、ロータと、4個のベーンとを備えている。ハウジングには、シリンダ室が形成されている。回転軸は、ハウジングに回転可能に設けられている。ロータは、シリンダ室内に回転軸とともに回転可能に設けられている。ロータには、4個のベーン溝が形成されている。各ベーンは、それぞれベーン溝に出没可能に設けられている。
より詳しくは、特許文献1、2において、回転軸の回転軸心を挟んで対をなす2個のベーン溝を第1ベーン溝及び第2ベーン溝とする。第1ベーン溝に出没可能に設けられるベーンを第1ベーンとする。第2ベーン溝に出没可能に設けられるベーンを第2ベーンとする。もう1対のベーン溝、及びそれらのベーン溝に出没可能に設けられる1対のベーンについては、第1、2ベーン溝及び第1、2ベーンと同様であるので説明を省略する。
特許文献1の図2及び特許文献2の図8等によれば、ロータの外周面の断面形状は、回転軸心を中心とする真円とされている。シリンダ室の内周面の断面形状は、ロータの回転にかかわらず、第1ベーンの内周側の第1端部と、第2ベーンの内周側の第2端部とが略一定の距離離間するように設定されている。
特許文献1開示のポンプでは、第1ベーンと第2ベーンとの間に、作動杵が設けられている。作動杵は、回転軸心と交差する貫通穴に往復動可能に挿入されている。作動杵の一端部は、第1ベーンの第1端部にコイルバネを介して当接している。作動杵の他端部は、第2ベーンの第2端部にコイルバネを介して当接している。
このポンプでは、作動杵により、第1ベーンが埋没する際の変位を第2ベーンに伝達し、第2ベーンが埋没する際の変位を第1ベーンに伝達して、第1、2ベーンを第1、2ベーン溝に対して出没させる。要するに、このポンプでは、背圧を用いなくとも第1、2ベーンを第1、2ベーン溝に対して出没させる構成を採用することで、圧力損失の抑制を図っている。
特許文献2開示の圧縮機では、第1ベーンと第2ベーンとは、連結片によって連結された一部材である。連結片は、回転軸を迂回する環状部分を有している。ハウジングの前面及び後面には、連結片と摺接するスライダが支持されている。スライダは、回転軸心から偏心する位置で自転可能である。ロータには、連結片及びスライダを収容する収容部が形成されている。
この圧縮機では、ロータの回転に伴って、連結片がスライダと摺接することより、第1、2ベーンが第1、2ベーン溝に対して出没する。この際、連結片は、第1、2ベーンを同一平面上に保持する。要するに、この圧縮機では、バネや背圧を用いなくとも第1、2ベーンを第1、2ベーン溝に対して出没させる構成を採用することで、圧力損失の抑制を図り、ひいては、圧縮性能の向上を図っている。
実開昭49−26104号公報 特開昭60−147591号公報
しかし、特許文献1、2開示のベーン型圧縮機又はポンプでは、第1ベーン溝と第2ベーン溝と回転軸とが一直線に並んでいる特殊な配置が採用されている。この点、多くのベーン型圧縮機では、第1ベーン溝と第2ベーン溝とがロータの径方向において反対方向に平行に延在し、延在方向がずれている構成を採用していることから、特許文献1開示のポンプに係る作動杵や、特許文献2開示の圧縮機に係る連結片を適用することが困難であり、それらの作動杵や連結片を利用して、圧縮性能の向上を図ることが難しいという問題がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、圧縮性能の向上を実現できるベーン型圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のベーン型圧縮機は、吐出室及びシリンダ室が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に設けられた回転軸と、
前記シリンダ室内に前記回転軸とともに回転可能に設けられ、第1ベーン溝及び第2ベーン溝が形成されたロータと、
前記第1ベーン溝に出没可能に設けられる第1ベーンと、
前記第2ベーン溝に出没可能に設けられる第2ベーンとを備え、
前記シリンダ室の前面、前記シリンダ室の内周面、前記シリンダ室の後面、前記ロータの外周面、前記第1ベーン及び前記第2ベーンによって圧縮室が形成されるベーン型圧縮機であって、
前記第1ベーン溝と前記第2ベーン溝とは、前記ロータの径方向において反対方向に平行に延在し、延在方向がずれており、前記回転軸の回転軸心において対称であり、
前記収容部には、一端で前記第1ベーンに当接するとともに他端で前記第2ベーンに当接し、前記第1ベーン及び前記第2ベーンの出没方向に往復動可能にガイドされる伝達部材が収容されており、
前記伝達部材は、前記第1ベーンが前記シリンダ室の前記内周面に押し付けられて前記第1ベーン溝内に収容されると前記第2ベーンを前記第2ベーン溝から突出させ、前記第2ベーンが前記シリンダ室の前記内周面に押し付けられて前記第2ベーン溝内に収容されると前記第1ベーンを前記第1ベーン溝から突出させるように前記第1ベーン及び前記第2ベーンの移動を伝達するように構成されていることを特徴とする。
本発明のベーン型圧縮機では、第1ベーン溝と第2ベーン溝とがロータの径方向において反対方向に平行に延在し、延在方向がずれており、回転軸の回転軸心において対称である構成を採用し、上記構成である伝達部材により、第1ベーンがシリンダ室の内周面に押し付けられて第1ベーン溝内に収容されると第2ベーンを第2ベーン溝から突出させ、第2ベーンがシリンダ室の内周面に押し付けられて第2ベーン溝内に収容されると第1ベーンを第1ベーン溝から突出させることができる。このため、この圧縮機では、バネや背圧を用いなくとも、又は、バネや背圧を弱めても、第1、2ベーンを第1、2ベーン溝に対して出没させることができるので、圧力損失を抑制できる。
したがって、本発明のベーン型圧縮機では、圧縮性能の向上を実現できる。
伝達部材は、回転軸心方向から見て、出没方向に長い略長方形状とされていることが望ましい。そして、伝達部材における第1ベーンに対向する短辺側の外面のうちの角部側が第1ベーンに当接可能な第1当接部とされていることが望ましい。また、伝達部材における第2ベーンに対向する短辺側の外面のうちの角部側が第2ベーンに当接可能な第2当接部とされていることが望ましい。この場合、伝達部材の形状の簡素化と小型化とを実現しつつ、伝達部材が一端で第1ベーンに当接するとともに他端で第2ベーンに当接する状態を確実に維持できる。
伝達部材は、回転軸心方向から見て、出没方向に長い略長方形状とされていることが望ましい。そして、伝達部材における長辺側の一対の外面が収容部に摺接することにより、伝達部材が出没方向に往復動可能にガイドされることが望ましい。この場合、長辺側である一対の外面によって、伝達部材の出没方向に対する傾斜が抑制されるので、伝達部材が一端で第1ベーンに当接するとともに他端で第2ベーンに当接する状態を確実に維持できる。
伝達部材には、回転軸を挿通させる穴が貫設されていることが望ましい。そして、穴は、出没方向に長い長円形状とされていることが望ましい。この場合、穴によって、伝達部材が回転軸に干渉することなく収容部内で滑らかに往復動できる。
収容部は、ロータの一方の端面に形成される第1収容部と、ロータの他方の端面に形成される第2収容部とからなることが望ましい。そして、伝達部材は、第1収容部に収容される第1伝達部材と、第2収容部に収容される第2伝達部材とからなることが望ましい。この場合、第1、2伝達部材が第1、2ベーンにおける回転軸心方向の一端側と他端側とを押圧するので、第1、2ベーンが第1、2ベーン溝内でこじられ難くなる。このため、この圧縮機では、第1、2ベーンを第1、2ベーン溝に対してスムーズに出没させることができる。
第1ベーンの底面と第1ベーン溝との間が第1背圧室とされていることが望ましい。第2ベーンの底面と第2ベーン溝との間が第2背圧室とされていることが望ましい。そして、回転軸及びロータには、吐出室と、第1背圧室及び第2背圧室とを連通する背圧流路が形成されていることが望ましい。この場合、伝達部材による第1、2ベーンの押圧に加えて、第1、2背圧室の背圧によっても第1、2ベーンをシリンダ室の内周面に押し付けることができる。この際、上記伝達部材により、背圧を従来よりも弱くできる。このため、この圧縮機では、各ベーンのチャタリングを抑制しつつ、圧縮性能を向上させることができる。
本発明のベーン型圧縮機では、圧縮性能の向上を実現できる。
図1は、実施例1のベーン型圧縮機の断面図である。 図2は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図1のA−A断面を示す断面図である。 図3は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図1のB−B断面を示す断面図である。 図4は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、図3と同様の断面図である。 図5は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、第1、2ベーンにおける第1、2端部の第1距離を示す模式図である。 図6は、実施例1のベーン型圧縮機に係り、第1、2ベーンと伝達部材との相対関係を示す斜視図である。 図7は、実施例2のベーン型圧縮機の部分断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の電動ベーン型圧縮機(以下、単に圧縮機という。)は、本発明のベーン型圧縮機の具体的態様の一例である。この圧縮機は、モータハウジング1と、モータ機構3と、第1サイドプレート4と、第2サイドプレート5と、シリンダブロック7と、カバー9と、圧縮機構13とを備えている。モータハウジング1、第1、2サイドプレート4、5、シリンダブロック7及びカバー9は、本発明の「ハウジング」の一例である。
以下の説明では、図1の紙面左側であるモータハウジング1側を圧縮機の前側とし、図1の紙面右側であるカバー9側を圧縮機の後側とする。また、図1の紙面上側を圧縮機の上側とし、図1の紙面下側を圧縮機の下側とする。なお、実施例1における前後方向及び上下方向は一例である。本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その取付姿勢が適宜変更される。
モータハウジング1は、前端側から後端側まで軸方向に延び、前端側が底壁1Aによって閉塞されているとともに後端側に開口1Bを有する有底筒状をなしている。モータハウジング1は、内部に吸入室を兼ねるモータ室1Cを形成している。モータハウジング1は、円筒部1Dを有している。円筒部1Dは、回転軸19の回転軸心X1を中心軸とする略円筒形状とされている。円筒部1Dの前側周縁は、底壁1Aの外周縁に接続している。円筒部1Dの上側部分には、回転軸心X1の径外方向に膨出してなる膨出部1Eが形成されている。円筒部1Dの前側かつ下側に位置する部位には、外部とモータ室1Cとを連通する吸入口1Fが形成されている。吸入口1Fには、図示しない配管によって車両用空調装置の蒸発器が接続されている。
モータ機構3は、モータ室1C内において、ステータ15及びモータロータ17を有している。ステータ15は、モータハウジング1の円筒部1Dの内周面に固定されている。モータハウジング1の膨出部1Eには、リード線16C及びクラスタブロック16が収容されている。
クラスタブロック16は、その前端部から前側に突出する接続端子16Aと、その後端部内に収容された接続端子16Bとを有している。接続端子16Aは、モータハウジング1の底壁1Aを通過して外部に突出している。接続端子16Aと底壁1Aとの間は、モータ室1Cを密閉可能に封止されている。
リード線16Cの前端側は、接続端子16Bを介してクラスタブロック16に接続されている。リード線16Cの後端側は、ステータ15に接続されている。ステータ15には、図示しない給電装置から接続端子16A、クラスタブロック16、リード線16Cを介して適宜給電される。
モータロータ17は、ステータ15内に配置されている。モータロータ17は、前後方向に延びる回転軸心X1を軸心とする回転軸19を挿通している。モータハウジング1の底壁1Aには、軸支部1Gが軸方向に突設されている。軸支部1Gには、軸受装置21が設けられている。回転軸19の前端部は、軸受装置21によって軸支されている。
また、モータハウジング1の後端には、カバー9が複数の図示しないボルトによって固定されている。カバー9は、後端側が底壁9Dによって閉塞されているとともに前端側に開口9Eを有する有底筒状をなしている。モータハウジング1の開口1Bにカバー9の開口9Eが当接し、モータハウジング1及びカバー9が閉塞されている。モータハウジング1の開口1Bと、カバー9の開口9Eとの間には、ガスケット22が設けられている。
カバー9の開口9E側には、回転軸19の回転軸心X1と同軸の環状に凹設された第1段部9Fが形成されている。第1段部9Fには、第1サイドプレート4が嵌合されている。モータハウジング1の開口1B側には、回転軸19の回転軸心X1と同軸の環状に凹設された第2段部1Hが形成されている。第2段部1Hにも、第1サイドプレート4が嵌合されている。第1サイドプレート4は、回転軸心X1と直交する径方向に延びる平板部材である。第1サイドプレート4の外周縁は、モータハウジング1の第2段部1Hと、カバー9の第1段部9Fとによって前後から挟まれている。
第1サイドプレート4の外周面と第1段部9Fの内周面との間には、Oリング23が設けられている。第1サイドプレート4には、回転軸19を挿通させる軸孔4Aが貫設されている。軸孔4Aには、回転軸19を好適に摺動させる図示しないめっきが形成されている。
カバー9内には、シリンダブロック7、第2サイドプレート5及びブロック35が収容されている。シリンダブロック7及び第2サイドプレート5は、図2及び図3に示す複数本のボルト25によって、第1サイドプレート4の後面に組み付けられている。図1に示すように、シリンダブロック7は、第1サイドプレート4と第2サイドプレート5とに前後から挟まれている。
第2サイドプレート5は、カバー9の内周面に嵌合されている。第2サイドプレート5は、回転軸心X1と直交する径方向に延びる平板部材である。第2サイドプレート5の外周面とカバー9の内周面との間には、Oリング24が設けられている。
第2サイドプレート5には、回転軸19を挿通させる軸孔5Aが貫設されている。軸孔5Aには、回転軸19を好適に摺動させる図示しないめっきが形成されている。回転軸19の後端部は、軸孔5Aによって軸支されている。こうして、回転軸19は、モータハウジング1の底壁1Aと第2サイドプレート5の軸孔5Aとによって両端が軸支され、回転軸心X1周りで回転可能となっている。
カバー9の底壁9D側と第2サイドプレート5の後面との間には、吐出室9Aが形成されている。カバー9には、外部と吐出室9Aとを連通する吐出口9Bが形成されている。吐出口9Bには、図示しない配管によって車両用空調装置の凝縮器が接続されている。
ブロック35は、第2サイドプレート5の後面に固定されている。ブロック35には、円柱状をなして軸直角方向に延びる油分離室35Aが形成されている。油分離室35Aには、円筒状の筒部材53が固定されている。筒部材53の上端は、吐出室9Aに開いている。油分離室35Aの下端は、油排出口35Bによって吐出室9Aに開いている。第2サイドプレート5及びブロック35には、通路5B、35Cが形成されている。通路5B、35Cは、油分離室35Aと、後述する吐出空間37とを連通する。これら油分離室35A及び筒部材53によってオイルセパレータが構成されている。
第2サイドプレート5の後面における軸孔5Aを囲む部位と、回転軸19の後端面と、ブロック35の前面とによって、給油室310が形成されている。
第2サイドプレート5には、吐出室9Aの底部と連通して回転軸心X1に近づくように上方に延びる第1通路5Eが形成されている。また、第2サイドプレート5には、第1通路5Eの上端と給油室310とを連通する第2通路5Fが形成されている。
図1に示すように、シリンダブロック7は、回転軸心X1方向に筒状に延びている。シリンダブロック7は、第1、2サイドプレート4、5とともに内部にシリンダ室31を形成している。図2及び図3に示すように、シリンダ室31の内周面31Sの断面形状は、本実施例では、回転軸心X1に対して偏心する真円である。シリンダ室31の前面、内周面31S及び後面や、後述するロータ41と好適に摺動させるために、第1、2ベーン51、52には、図示しないめっきが形成されている。
また、図1に示すように、第1サイドプレート4には、軸方向に開いてモータ室1Cに連通する吸入通路33Aが形成されている。図1〜図3に示すように、シリンダブロック7には、吸入通路33Aと連通する吸入通路33Bが形成されている。吸入通路33Bは、シリンダブロック7に凹設された吸入ポート33Cによってシリンダ室31に連通している。
シリンダブロック7には、外周側に開く吐出空間37が凹設されている。吐出空間37は、シリンダ室31の外周面から凹設された吐出ポート37Aによってシリンダ室31に連通している。吐出空間37内では、吐出ポート37Aを開閉する吐出リード弁39と、吐出リード弁39の開度を規制するリテーナ39Aとがボルト39Bによってシリンダブロック7に固定されている。
圧縮機構13は、シリンダ室31、ロータ41及び第1、2ベーン51、52によって構成されている。本実施例では、図5(a)及び(b)に示すように、ロータ41に対して、回転軸心X1に直交する基準線SL1を規定する。基準線SL1が延びる方向を第1方向W1とする。第1方向W1は、本発明の「出没方向」の一例である。また、図5(a)及び(b)及び図6に示すように、ロータ41に対して、回転軸心X1及び基準線SL1を含む基準面S1を規定する。ロータ41が回転軸心X1周りに回転すれば、基準線SL1及び基準面S1も回転軸心X1周りに回転する。図5(a)は、図3に示すロータ41及び第1、2ベーン51、52の位置に対応している。図5(b)は、図4に示すロータ41及び第1、2ベーン51、52の位置に対応している。
図1〜図4に示すように、ロータ41は、シリンダ室31内で回転軸19と同期回転可能に設けられている。図2〜図4に示すように、ロータ41の外周面41Sの断面形状は、回転軸心X1を中心とする真円である。本実施例では、ロータ41の回転方向R1は、図2〜図4の紙面に向かって反時計方向である。
ロータ41には、第1ベーン溝41A及び第2ベーン溝41Bが形成されている。第1ベーン溝41Aと第2ベーン溝41Bとは、ロータ41の径方向において反対方向に平行に延在し、延在方向がずれており、回転軸19の回転軸心X1を対称軸とする線対称となるように配置されている。具体的には、図5(a)及び(b)に示すように、第1ベーン溝41Aは、基準面S1から距離D41だけロータ41の回転方向R1とは反対方向に離間し、基準面S1と平行に延びている。第2ベーン溝41Bは、基準面S1から距離D41だけロータ41の回転方向R1とは反対方向に離間し、基準面S1と平行に延びている。つまり、第1ベーン溝41Aと第2ベーン溝41Bとは、基準面S1から各々等しい距離D41離間し、ロータ41の回転方向R1において基準面S1より後行側にある。
図2〜図4に示すように、第1ベーン溝41Aには、平板形状の第1ベーン51が出没可能に設けられている。第2ベーン溝41Bには、平板形状の第2ベーン52が出没可能に設けられている。第1、2ベーン51、52は、ロータ41の回転に伴って、その先端部をシリンダ室31の内周面31Sに摺接させることにより、第1、2ベーン溝41A、41Bに対して出没する。図6に示すように、第1ベーン51の内周側の前端角部及び後端角部は、第1端部47A、47Aとされている。第2ベーン52の内周側の前端角部及び後端角部は、第2端部48A、48Aとされている。
図5(a)、(b)に示すように、第1ベーン51の第1端部47A、47Aと、第2ベーン52の第2端部48A、48Aとが第1方向W1において離間する距離を第1距離D1とする。
上述したように、シリンダ室31の内周面31Sの断面形状は、回転軸心X1に対して偏心する真円であり、ロータ41の外周面41Sの断面形状は、回転軸心X1を中心とする真円である。この構成により、第1、2ベーン51、52がシリンダ室31の内周面31Sに摺接しながら第1、2ベーン溝41A、41Bに対して出没しても、要するに、ロータ41の回転にかかわらず、第1距離D1は、略一定の長さとなっている。
図2〜図4に示すように、シリンダ室31の前面、シリンダ室31の内周面31S、シリンダ室31の後面、ロータ41の外周面41S及び第1、2ベーン51、52によって2個の圧縮室30A、30Bが形成されている。
図1に示すように、ロータ41の前端面には、第1収容部42が形成されている。第1収容部42は、回転軸19を内在させつつ、後方に向かって凹んでいる。ロータ41の後端面には、第2収容部43が形成されている。第2収容部43は、回転軸19を内在させつつ、前方に向かって凹んでいる。第1収容部42には、第1伝達部材110が収容されている。第2収容部43には、第2伝達部材120が収容されている。第1、2収容部42、43は、本発明の「収容部」の一例である。第1、2伝達部材110、120は、本発明の「伝達部材」の一例である。
前方の第1収容部42及び第1伝達部材110と、後方の第2収容部43及び第2伝達部材120とは、勝手違いの同一構成である。このため、以下の説明では、主に第1収容部42及び第1伝達部材110についての図示及び説明を行い、第2収容部43及び第2伝達部材120についての図示及び説明は適宜省略又は簡略する。
図3及び図4に示すように、第1収容部42は、回転軸心X1方向から見て、第1方向W1に長い略長方形状をなしている。第1収容部42は、第1、2ベーン溝41A、41Bの一部と重なっている。
第1伝達部材110は金属板材であり、図3、図4及び図6に示すように、回転軸心X1方向から見て、第1方向W1に長い略長方形状をなしている。第1伝達部材110には、第1収容部42の底面及び側壁面と好適に摺動させるために、図示しないめっきが形成されている。第1収容部42の長辺側の一対の内壁面は、案内面42A、42Aとされている。第1伝達部材110の中央部には、迂回穴110Cが貫設されている。迂回穴110Cは、本発明の「回転軸を挿通させる穴」の一例である。迂回穴110Cは、第1方向W1に長い長穴であり、回転軸19を挿通している。迂回穴110Cと回転軸19との間に充分な隙間が確保されていることにより、回転軸19が迂回穴110Cに接触しないようになっている。第1伝達部材110の板厚は、第1収容部42の底面とシリンダ室31の前面との間隔よりも僅かに小さく設定されている。第1伝達部材110の長辺側の一対の外壁面は、摺接部110D、110Dとされている。摺接部110D、110Dは、第1収容部42の案内面42A、42Aと摺接可能となっている。
こうして、第1伝達部材110は、回転軸19を迂回しつつ第1収容部42に収容されて、第1方向W1で第1収容部42に摺接しながら往復動可能となっている。第2伝達部材120も、第1伝達部材110と同様に、回転軸19を迂回しつつ第2収容部43に収容されて、第2収容部43に摺接しながら第1方向W1で往復動可能となっている。
第1伝達部材110は、第1当接部110Aと第2当接部110Bとを有している。第1当接部110Aと第2当接部110Bとは、第1伝達部材110の短辺側の一対の外壁面の一部である。第1当接部110Aと第2当接部110Bとは、迂回穴110Cを挟んで対角に位置している。第1当接部110Aは、第1伝達部材110における第1ベーン51に対向する短辺側の外壁面の角部側が切り欠かれてなる窪みである。第1当接部110Aは、第1ベーン51の前側の第1端部47Aに当接している。第2当接部110Bは、第1伝達部材110における第2ベーン52に対向する短辺側の外壁面の角部側が切り欠かれてなる窪みである。第2当接部110Bは、第2ベーン52の前側の第2端部48Aに当接している。
図6に示すように、第2伝達部材120は、第1当接部120Aと第2当接部120Bとを有している。第1当接部120Aと第2当接部120Bの構成は、第1伝達部材110の第1当接部110A及び第2当接部110Bと同様である。第1当接部120Aは、第1ベーン51の後側の第1端部47Aに当接している。第2当接部120Bは、第2ベーン52の後側の第2端部48Aに当接している。
第1伝達部材110において、第1当接部110Aと第2当接部110Bとが第1方向W1において離間する第2距離D2は、図5に示す第1距離D1と略等しい一定の長さに設定されている。第2伝達部材120において、第1当接部120Aと第2当接部120Bとが第1方向W1において離間する距離も、第1伝達部材110と同じ第2距離D2である。
図2に示すように、第1ベーン51の底面と第1ベーン溝41Aとの間は、第1背圧室49Aとされている。第2ベーン52の底面と第2ベーン溝41Bとの間は、第2背圧室49Bとされている。
図1に示すように、回転軸19及びロータ41には、連通路5Gが形成されている。連通路5Gは、回転軸19の後端面から回転軸心X1に沿って前側に延びた後、回転軸心X1の径外方向に屈曲して、第1背圧室49A及び第2背圧室49Bに連通している。図1では、連通路5Gにおける第2背圧室49Bに連通する部分のみを図示し、連通路5Gにおける第1背圧室49Aに連通する部分の図示は省略している。第1、2通路5E、5F、給油室310及び連通路5Gは、本発明の「背圧流路」の一例である。
この圧縮機では、図1に示すステータ15に給電が行われれば、モータ機構3が作動し、回転軸19が回転軸心X1周りで回転する。このため、圧縮機構13が作動し、ロータ41がシリンダブロック7内で回転する。これにより、各圧縮室30A、30Bが容積の拡大と縮小とを繰り返す。このため、各圧縮室30A、30Bは、モータ室1Cから吸入通路33A、33B及び吸入ポート33Cを経て低圧の冷媒ガスを吸入する吸入行程を行う。また、吸入行程後、各圧縮室30A、30B内で冷媒ガスを圧縮する圧縮行程を行う。さらに、圧縮行程後、各圧縮室30A、30B内の高圧の冷媒ガスを吐出ポート37A、吐出空間37、通路5B、35Cを経て吐出室9Aに吐出する吐出行程を行う。こうして、車室内の空調が行われる。
この間、この圧縮機では、回転軸19の回転に伴ってロータ41が図3に示す状態から回転方向R1に回転すると、第2ベーン52がシリンダ室31の内周面31Sに押されて第2ベーン溝41Bに埋没していく。ロータ41が図3に示す状態から90度回転すると、図4に示す状態となる。この状態からさらに90度回転すると、第1ベーン51及び第2ベーン52の位置が入れ替わって図3に示す状態となる。この際、第2ベーン52の第2端部48A、48Aが第1、2伝達部材110、120の第2当接部110B、120Bを押圧し、第1、2伝達部材110、120を第1方向W1に変位させる。このため、第1、2伝達部材110、120の第1当接部110A、120Aが第1ベーン51の第1端部47A、47Aを押圧し、第1ベーン51を第1ベーン溝41Aに対して突出させる。第1ベーン51及び第2ベーン52の位置が入れ替わって図3に示す状態となっている場合において、ロータ41が回転すれば、第1ベーン51も第2ベーン52と同様に作用する。
ここで、図6に示す第1、2伝達部材110、120に係る第2距離D2は、図5(a)及び(b)に示す第1、2ベーン51、52に係る第1距離D1と略等しい一定の長さに設定されている。このため、この圧縮機では、第1当接部110A、120Aが第1端部47A、47Aに確実に当接し、第2当接部110B、120Bが第2端部48A、48Aに確実に当接し、第1、2ベーン51、52を押圧する。なお、第1距離D1と第2距離D2との差は、第1、2ベーン51、52の第1方向W1の長さに対して約5%、望ましくは2%であり、目視できない程度である。
こうして、この圧縮機では、第2ベーン52が埋没する際の変位が第1、2伝達部材110、120を介して第1ベーン51に確実に伝達され、第1ベーン51が第1ベーン溝41Aに対して突出し、第1ベーン51が埋没する際の変位が第1、2伝達部材110、120を介して第2ベーン52に確実に伝達され、第2ベーン52が第2ベーン溝41Bに対して突出する。
また、この圧縮機では、通路5B、35Cから油分離室35Aに吐出された高圧の冷媒ガスは遠心力によって潤滑油を分離する。潤滑油は吐出室9A内に貯留される。そして、潤滑油は、吐出室9A内が高圧であるため、第1、2通路5E、5F、給油室310及び連通路5Gを経て、第1、2背圧室49A、49Bに供給され、第1、2ベーン51、52に背圧を付与する。その結果、第1、2ベーン51、52は、背圧に押されて、シリンダ室31の内周面31Sに好適に付勢され、高い圧縮効率で仕事が行われる。この際、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120の第1当接部110A、120Aが第1端部47A、47Aに確実に当接し、第2当接部110B、120Bが第2端部48A、48Aに確実に当接し、第1、2ベーン51、52を押圧する構成により、背圧を弱めても、第1、2ベーン51、52を第1、2ベーン溝41A、41Bに対して出没させることができる。このため、この圧縮機では、各ベーン51、52のチャタリングを抑制しつつ、圧力損失を抑制でき、ひいては、圧縮性能を向上させることができる。
したがって、実施例1の圧縮機では、圧縮性能の向上を実現できる。
また、この圧縮機では、ロータ41の前端面に第1収容部42を設け、ロータ41の後端面に第2収容部43を設け、その第1、2収容部42、43に、第1、2伝達部材110、120が回転軸19を迂回しつつ収容され、その第1、2伝達部材110、120が第1方向W1で第1、2収容部42、43に摺接しながら往復動する構成を採用している。つまり、この圧縮機では、特許文献1開示のポンプとは異なり、第1、2伝達部材110、120のために回転軸19に穴明け加工をする必要がない。また、この圧縮機では、特許文献2開示のベーン型圧縮機とは異なり、第1、2ベーン51、52と第1、2伝達部材110、120とを一部材として製造する必要がなく、第1サイドプレート4の後面及び第2サイドプレート5の前面に第1、2伝達部材110、120を支持する支持部を形成する必要がなく、ロータ41に第1、2伝達部材110、120のみを収容する第1、2収容部42、43を形成するだけでよい。このため、この圧縮機では、上記特許文献1、2のベーン型圧縮機又はポンプと比較して、製造工程の簡素化や、部品点数の削減を実現できる。
また、この圧縮機では、シリンダ室31の内周面31Sの断面形状は、回転軸心X1に対して偏心する真円とされている。これにより、この圧縮機では、図5(a)及び(b)に示すように、第1、2ベーン51、52に係る第1距離D1が略一定の長さとなる構成を容易に実現できるので、その結果、第1、2伝達部材110、120が一端で第1ベーン51に当接するとともに他端で第2ベーン52に当接する状態を確実に維持できる。
さらに、この圧縮機では、図5(a)及び(b)に示すように、第1ベーン溝41Aと第2ベーン溝41Bとは、基準面S1から各々等しい距離D41離間している。つまり、この圧縮機では、仮に第1ベーン溝41Aと第2ベーン溝41Bとが基準面S1と重なって延びる場合と比較して、第1、2ベーン51、52の第1、2端部47A、47A、48A、48Aが回転軸心X1から離間するので、ロータ41の前端面側及び後端面側に第1、2伝達部材110、120を配置するスペースが広く確保され、第1、2伝達部材110、120の設計自由度を高くできる。このため、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120に、回転軸19を迂回するための迂回穴110Cや第1、2当接部110A、120A、110B、120Bを形成し易くなる。
また、この圧縮機では、図3等に示すように、第1、2伝達部材110、120は、回転軸19の回転軸心X1方向から見て、第1方向W1に長い略長方形状とされている。そして、第1、2伝達部材110、120における第1ベーン51に対向する短辺側の外面のうちの角部側が第1当接部110A、120Aとされている。また、第1、2伝達部材110、120における第2ベーン52に対向する短辺側の外面のうちの角部側が第2当接部110B、120Bとされている。これにより、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120の形状の簡素化と小型化とを実現しつつ、第1、2伝達部材110、120が一端で第1ベーン51に当接するとともに他端で第2ベーン52に当接する状態を確実に維持できる。特に、第1、2当接部110A、120A、110B、120Bは、第1、2伝達部材110、120の短辺側の外面を切り欠いてなる窪みであることから、第1、2ベーン51、52の第1、2端部47A、47A、48A、48Aが第1、2伝達部材110、120の短辺側の外面上で位置ずれし難い。
さらに、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120における長辺側の一対の外面である摺接部110D、110Dが第1、2収容部42、43の案内面42A、42Aに摺接することにより、第1、2伝達部材110、120が第1方向W1に往復動可能にガイドされる。これにより、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120の第1方向W1に対する傾斜が抑制されるので、第1、2伝達部材110、120が一端で第1ベーン51に当接するとともに他端で第2ベーン52に当接する状態を確実に維持できる。
また、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120に、回転軸19を挿通させる迂回穴110Cが貫設され、その迂回穴110Cが第1方向W1に長い長円形状とされている。これにより、この圧縮機では、第1、2伝達部材110、120が回転軸19に干渉することなく第1、2収容部42、43内で滑らかに往復動できる。
さらに、この圧縮機では、図6に示すように、第1伝達部材110の第1当接部110Aが第1ベーン51の前側の第1端部47Aを押圧し、第2伝達部材120の第1当接部120Aが第1ベーン51の後側の第1端部47Aを押圧するので、第1ベーン51が第1ベーン溝41A内でこじられ難くなる。また、第1伝達部材110の第2当接部110Bが第2ベーン52の前側の第2端部48Aを押圧し、第2伝達部材120の第2当接部120Bが第2ベーン52の後側の第2端部48Aを押圧するので、第2ベーン52が第2ベーン溝42A内でこじられ難くなる。このため、この圧縮機では、第1、2ベーン51、52を第1、2ベーン溝41A、41Bに対してスムーズに出没させることができる。
(実施例2)
図7に示すように、実施例2の圧縮機では、実施例1の圧縮機における給油室310及び連通路5Gを無くしている。第1サイドプレート4の後面に、環状溝4Cが回転軸心X1周りに円環状に凹設されている。第2サイドプレート5の前面に、環状溝4Cと前後で対をなす環状溝5Cが回転軸心X1周りに円環状に凹設されている。さらに、第2サイドプレート5には、第1通路5Eの上端と環状溝5Cとを連通する第2通路305Fが形成されている。実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
実施例2の圧縮機では、吐出室9A内に貯留された潤滑油は、第1、2通路5E、305F、環状溝4C、5C及び第1、2収容部42、43を経て、第1背圧室49A及び第2背圧室49Bに供給される。
上記構成である実施例2の圧縮機も、実施例1の圧縮機と同様の作用効果を奏することができる。また、この圧縮機では、第1、2収容部42、43にも潤滑油が供給されるため、第1、2収容部42、43に一時的に潤滑油が貯留される。そして、その貯留される潤滑油によって、第1、2伝達部材110、120の急激な動きが緩衝されるとともに、潤滑効果により、第1、2伝達部材110、120が第1、2収容部42、43に対して円滑に摺動できる。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例では、シリンダ室31が回転軸心X1方向と直交する断面形状が真円であるが、この構成には限定されない。例えば、シリンダ室の内周面の断面形状は、第1距離を一定とするように歪んだ円であってもよい。
本発明は車両等の空調装置に利用可能である。
9A…吐出室
31…シリンダ室
31S…シリンダ室の内周面
1、4、7、5、9…ハウジング(1…モータハウジング、4…第1サイドプレート、7…シリンダブロック、5…第2サイドプレート、9…カバー)
X1…回転軸心
19…回転軸
41A、241A…第1ベーン溝
41B、241B…第2ベーン溝
41…ロータ
41S…ロータの外周面
51…第1ベーン
52…第2ベーン
30A、30B…圧縮室
SL1…基準線
S1…基準面
47A…第1端部
48A…第2端部
W1…出没方向(第1方向)
D1…第1距離
110、120…伝達部材(110…第1伝達部材、120…第2伝達部材)
110A、120A…第1当接部
110B、120B…第2当接部
D2…第2距離
42、43…収容部(42…第1収容部、43…第2収容部)
110C…穴(迂回穴)
49A…第1背圧室
49B…第2背圧室
5E、5F、310、5G…背圧流路(5E…第1通路、5F…第2通路、310…給油室、5G…連通路)

Claims (6)

  1. 吐出室及びシリンダ室が形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に設けられた回転軸と、
    前記シリンダ室内に前記回転軸とともに回転可能に設けられ、第1ベーン溝及び第2ベーン溝が形成されたロータと、
    前記第1ベーン溝に出没可能に設けられる第1ベーンと、
    前記第2ベーン溝に出没可能に設けられる第2ベーンとを備え、
    前記シリンダ室の前面、前記シリンダ室の内周面、前記シリンダ室の後面、前記ロータの外周面、前記第1ベーン及び前記第2ベーンによって圧縮室が形成されるベーン型圧縮機であって、
    前記第1ベーン溝と前記第2ベーン溝とは、前記ロータの径方向において反対方向に平行に延在し、延在方向がずれており、前記回転軸の回転軸心において対称であり、
    前記収容部には、一端で前記第1ベーンに当接するとともに他端で前記第2ベーンに当接し、前記第1ベーン及び前記第2ベーンの出没方向に往復動可能にガイドされる伝達部材が収容されており、
    前記伝達部材は、前記第1ベーンが前記シリンダ室の前記内周面に押し付けられて前記第1ベーン溝内に収容されると前記第2ベーンを前記第2ベーン溝から突出させ、前記第2ベーンが前記シリンダ室の前記内周面に押し付けられて前記第2ベーン溝内に収容されると前記第1ベーンを前記第1ベーン溝から突出させるように前記第1ベーン及び前記第2ベーンの移動を伝達するように構成されていることを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記伝達部材は、前記回転軸心方向から見て、前記出没方向に長い略長方形状とされ、
    前記伝達部材における前記第1ベーンに対向する短辺側の外面のうちの角部側が前記第1ベーンに当接可能な第1当接部とされ、
    前記伝達部材における前記第2ベーンに対向する短辺側の外面のうちの角部側が前記第2ベーンに当接可能な第2当接部とされている請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記伝達部材は、前記回転軸心方向から見て、前記出没方向に長い略長方形状とされ、
    前記伝達部材における長辺側の一対の外面が前記収容部に摺接することにより、前記伝達部材が前記出没方向に往復動可能にガイドされる請求項1又は2記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記伝達部材には、前記回転軸を挿通させる穴が貫設され、
    前記穴は、前記出没方向に長い長円形状とされている請求項1乃至3のいずれか1項記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記収容部は、前記ロータの一方の端面に形成される第1収容部と、前記ロータの他方の端面に形成される第2収容部とからなり、
    前記伝達部材は、前記第1収容部に収容される第1伝達部材と、前記第2収容部に収容される第2伝達部材とからなる請求項1乃至4のいずれか1項記載のベーン型圧縮機。
  6. 前記第1ベーンの底面と前記第1ベーン溝との間が第1背圧室とされ、
    前記第2ベーンの底面と前記第2ベーン溝との間が第2背圧室とされ、
    前記回転軸及び前記ロータには、前記吐出室と、前記第1背圧室及び前記第2背圧室とを連通する背圧流路が形成されている請求項1乃至5のいずれか1項記載のベーン型圧縮機。
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