JP2016124461A - 車両用熱交換装置およびフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】限られたスペースの中でフィルタの有効面積を十分に確保しつつ、効率的に異物を取り除くことのできるフィルタを備えた車両用熱交換装置を提供する。
【解決手段】車両用熱交換装置は、熱交換器と、熱交換器の上流側の位置で水平面に対して第1辺部が所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレームと当該フレームに支持されてフレームの第1辺部14aと交差する第2辺部に沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部とを有するフィルタと、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】車両用熱交換装置は、熱交換器と、熱交換器の上流側の位置で水平面に対して第1辺部が所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレームと当該フレームに支持されてフレームの第1辺部14aと交差する第2辺部に沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部とを有するフィルタと、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、車両用熱交換装置およびフィルタに関する。
従来、熱交換器は、電気機器等の発熱体で発生した熱と冷却流体、例えば外気との間で熱交換を行うとともに、熱交換により加熱された外気を熱交換器の外部に排出することで発熱体の冷却を行う。このような冷却のために外気を利用する場合、外気の取り込みを効率的に行うために、外気とともに取り込まれる可能性のあるゴミや塵等の異物を外気から取り除くことが望ましい。そのため、外気から異物を取り除いて清浄化するフィルタを備える装置がある。
上述したような熱交換装置の使用例として鉄道車両がある。鉄道車両の場合、熱交換装置の外気取入口は、例えば鉄道車両の屋根部分に設けられることがある。効率的な外気の取り入れを行うためには、フィルタの有効面積を大きくするとともに、フィルタで捕集したゴミや塵等の異物を効率よく排除する構造を持つことが望ましいが、鉄道車両の屋根にフィルタを配置する場合、設置スペースの面積や設置高さ等に様々な制約がある。そのため、限られたスペースの中でフィルタの有効面積を十分に確保しつつ、効率的に異物を取り除くことのできるフィルタを備えた車両用熱交換装置の開発が望まれている。
実施形態にかかる車両用熱交換装置は、例えば、熱交換器と、熱交換器の上流側の位置で水平面に対して第1辺部が所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレームと当該フレームに支持されてフレームの第1辺部と交差する第2辺部に沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部とを有するフィルタと、を備える。
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。
実施形態にかかる車両用熱交換装置10は、車両の一例として鉄道車両に適用されうる。図1は、車両用熱交換装置10を構成するフィルタ14を鉄道車両12の屋根12aに設置した例を示す斜視図である。また、図2は、図1の車両用熱交換装置10のA−A線断面図であり、外気の取り入れ方向及び異物の排出方向を示す図である。図3は、図1の車両用熱交換装置10のB−B線断面図であり、フィルタ14の断面図と外気の流動方向及び異物の移動方向を説明する断面図である。
本実施形態の車両用熱交換装置10は、例えば鉄道車両12の車両内部に搭載される蓄電池が充放電を行う際に発生した熱や主変換器や主変圧器で発生した熱を冷却するために設置されうる。また、車両用熱交換装置10は、鉄道車両に搭載される空気調和装置が冷暖房のために行う熱交換用としても適用可能である。
図2に示すように、車両用熱交換装置10は、フィルタ14、熱交換器16、ファン18を主構成部品として備える。フィルタ14は、図1、図2に示すように、屋根12aに開口した送風ダクト20の上端部を屋根12a上で覆うように配置されている。本実施形態のフィルタ14は、第1辺部14aと当該第1辺部14aとが交差(例えば直交)する第2辺部14bとからなる略長方形のフレーム14cによって、フィルタ本体部14dが支持されている。つまり、フィルタ14の外観形状は板形状である。本実施形態では、2枚のフィルタ14を1セットとして、それぞれのフィルタ14の第2辺部14b(図1の場合長手方向の辺部)が組み合わせられて、鉄道車両12の前後方向の略中央部を峰とするように配置されている。具体的には、フィルタ14のフレーム14cは、図1、図2に示すように、熱交換器16の上流側の位置で、水平面(XY平面)に対してフレーム14cの第1辺部14a(例えば短手方向の辺部)が所定角度α°傾斜した姿勢で固定される。そして、フィルタ14は、フレーム14cと、例えばメッシュ形状のフィルタ本体部14dとで形成されている。このように、本実施形態のフィルタ14は、一例として図1、図2に示すように、鉄道車両12の車幅方向左右外側に向かい下り傾斜を形成するように配置されている。また、フィルタ本体部14dは、図3に示すように、フレーム14cの第1辺部14a(図1参照)と交差する第2辺部14bに沿う方向(図中Y方向)の断面形状が凹凸形状になるように形成されている。
フィルタ14の性能は車両用熱交換装置10が使用される環境によって種々選択することが望ましい。例えば、枯れ葉や虫等の異物が外気Wとともに吸い込まれる可能性がある環境で車両用熱交換装置10が使用される場合、フィルタ14は目の粗い仕様とすることが望ましい。また、粉塵等が多い環境で車両用熱交換装置10が使用される場合は、フィルタ14は目の細かい仕様とすることが望ましい。また、フィルタ14を複層構造として、上層側が粗い目、下層側が細かい目としてもよい。なお、凹凸形状の詳細については後述する。
熱交換器16は、車体12bの内部に配置され、蓄電池や主変換器、主変圧器等の発熱体から輸送された熱により加熱された放熱部とフィルタ14を介して供給された外気W(冷却媒体)との間で熱交換を行う。熱交換器16は水冷却器や油冷却器とすることが可能であり、そのいずれか一方もしくは両方の組み合わせで構成されてもよい。ファン18は、例えば順方向に回転運転することにより、鉄道車両12の外部から送風ダクト20の内部に外気Wを吸い込む方向の気流を形成し、熱交換器16に外気Wを供給する。熱交換に使用され加熱された外気Wは、図示を省略した排気口から車体12bの外部に排出される。
フィルタ14の近傍には、圧力センサ22が配置されている。図2の場合、圧力センサ22は例えばフィルタ14の下流側で送風ダクト20の開口端部に配置することができる。例えば、フィルタ14に目詰まりが生じた場合やフィルタ14に遮蔽物が載ってしまった状態で、ファン18が外気Wの吸い込み動作を行った場合、つまり送風ダクト20から空気の排出を行った場合、送風ダクト20の内部の圧力が低下する。この圧力変化を圧力センサ22により検出して、フィルタ14のクリーニング動作やメンテナンス要求警報等の出力を行う。圧力センサ22の検出結果に基づく制御の詳細は後述する。
このように構成される車両用熱交換装置10のフィルタ14の詳細について、図3を参照して説明する。前述したように、フィルタ14のフィルタ本体部14dは板形状である一方、フレーム14cの第1辺部14a(図1参照)と交差する第2辺部14bに沿う方向(図3中Y方向)の断面形状が凹凸形状になっている。図3の場合、凹凸形状は、例えば、鋭角の山部14e(凸部)と鋭角の谷部14f(凹部)で形成する例を示している。また、フィルタ本体部14dの谷部14f(凹部)は、フレーム14cの傾斜方向(第1辺部14aに沿う方向)に延びる溝部14gを形成している(図1、図3参照)。本実施形態では、車両用熱交換装置10は、枯れ葉や虫が多い環境で使用される例を示す。したがって、フィルタ本体部14dを形成するメッシュ形状は、例えば、数ミリメッシュの金属網で構成することができる。金属網は、例えばステンレス製とすることができる。一方、図3に示すように、溝部14gは不通風性である。つまり、谷部14fである溝底部は、メッシュ形状ではなく、例えば金属板で形成されている。換言すれば、本実施形態の溝部14gは鉄道車両12の車幅方向外側に向かい下り傾斜となる樋形状であり、溝部14gに移動した異物24が溝部14gの傾斜によって鉄道車両12の車幅方向外側に滑り落ちるようになっている。このように、溝部14gが鉄道車両12の車幅方向外側に向かい下り傾斜となるように、フィルタ14を配置することにより、溝部14gを滑り落ちてフィルタ14から排出された異物24が再度、車両用熱交換装置10に吸い込まれる可能性を軽減することができる。溝部14gを形成する金属板は、例えば滑り性を有するステンレス等が利用可能であり、溝部14gに進入した異物24(例えば、枯れ葉や虫等)が容易に滑って、移動できる構成としている。なお、通気性のフィルタ本体部14dのメッシュ部分や不通気性の溝部14gの板状部分の材質はステンレスに限らず、耐腐食性、剛性等が所定の基準値以上であれば、適宜選択することができる。例えば、樹脂製でもよいし、金属やその他の材料にコーティングを施して、剛性や滑り性を所望の値にするようにしてもよい。
次に、車両用熱交換装置10の動作について説明する。ファン18が例えば順方向に回転運転されると、外気Wがフィルタ14を介して送風ダクト20の内部に吸い込まれる。このとき外気Wに枯れ葉や虫等の異物24が含まれていた場合、フィルタ本体部14dのメッシュ部分によりその異物24が捕集され、清浄化された外気Wが送風ダクト20に導入される。フィルタ本体部14dのメッシュ部分で捕集された異物24は、フィルタ本体部14dにおける山部14eの斜面に沿って矢印M,N方向に沿って転がり溝部14gに向かって容易に移動する。特に、山部14eの傾斜は、フィルタ本体部14dに形成する凹凸の数を調整することにより、フィルタ本体部14dの面積を維持しつつ容易に変化させることができる。つまり、山部14eの傾斜は、容易に急勾配とすることが可能で、メッシュに引っ掛かった異物24が重力により溝部14gに容易に移動するようにできる。前述したように、溝部14gは、フレーム14cの配置姿勢で規定される鉄道車両12の車幅方向外側に向かう下り傾斜であるとともに、ファン18の吸引の影響を受けない非通気構造になっている。したがって、溝部14gに移動した異物24は重力に引かれて溝部14gの傾斜に沿って鉄道車両12の車幅方向外側に向かって移動する。つまり、フィルタ本体部14dで捕集された異物24は、フィルタ本体部14d上から容易に取り除かれる。その結果、フィルタ14のフィルタ機能の維持のためのメンテナンス間隔の拡張を行うことができる。なお、フィルタ本体部14d上の通風部分では、ファン18による吸引力が存在するが、山部14eの傾斜と、鉄道車両12の走行時等の振動や走行風等により、走行時または停車時にフィルタ本体部14dに捕集された異物24を溝部14gに容易に移動させて、溝部14g内を滑らせて排出することができる。さらに、溝部14gは不通気性の樋形状なので、例えば、雨が降った場合には、溝部14gに雨水が流れる。その結果、雨水により溝部14gに残留していた異物24を下流側、つまり車幅方向外側に向かって押し流されて排除できるという効果もある。なお、変形例では、溝部14gの上流側に給水装置やエアブロー装置を設置して自動操作や手動操作により稼働させて、溝部14gに残留した異物24を車幅方向外側に向かって押し流し排除するクリーニングモードを構成してもよい。
ところで、異物24がフィルタ本体部14dの斜面に沿って移動し難い場合が考えられる。例えば異物24が大きな枯れ葉であった場合や小さな枯れ葉ではあるが複数が堆積してしまった場合がある。この場合、個々の異物24の重量が軽く重力による引き落としが良好に行われない場合やファン18の吸引力よりフィルタ本体部14dのメッシュに張り付いてしまう場合等が考えられる。このような場合、異物24(例えば枯れ葉)によりフィルタ14の通風面積が制限されることになる。この状態でファン18の順方向の運転を実施すると、送風ダクト20の内部の空気が熱交換器16側にかき出されて送風ダクト20の内部が負圧になる。この送風ダクト20の内部の圧力変化は、フィルタ14の下流側に配置した圧力センサ22により検出可能である。この場合、ファン18の回転運転方向を逆方向に切り替えることにより、外気Wの流れを反矢印方向(Z方向)にすることができる。この逆方向の外気Wの流れは、フィルタ本体部14dを送風ダクト20側から外部に向く流れの中に晒す状態をつくる。すなわち、異物24をフィルタ本体部14dから離脱させるような気流が形成される。その結果、フィルタ本体部14dに残留した異物24が吹き上げられて、フィルタ本体部14dから排除する、またはフィルタ本体部14dに張り付いた状態から解放することができる。例えば、鉄道車両12の走行中に、熱交換器16の冷却動作を一時的に停止してファン18を逆転運転することにより、吹き上げられた異物24を走行風によってフィルタ本体部14dから離反させることができる。このようなファン18の逆回転運転によるフィルタのクリーニングモードは、圧力センサ22の検出結果に基づいて自動的に行ってもよい。また、圧力センサ22の検出結果に基づいて、メンテナンス要求警報を出力して、操作者が鉄道車両12の走行中や停車中に、ファン18を逆回転運転するようにしてもよい。また、これと併せて、前述した溝部14gの上流側に配置した給水装置やエアブロー装置を動作させることにより、溝部14gのクリーニングも実行可能であり、フィルタ14全体のクリーニングを実行してもよい。このようにフィルタ14の形状に基づく異物24の排除機構及び、ファン18の運転切り替えによるクリーニング機構を車両用熱交換装置10に持たせることにより、フィルタ14の延命化を容易に行うことができる。
図4は、フィルタ14の変形例である。図4のフィルタ14は、第2辺部14bに沿う方向のフィルタ本体部14dの凹凸部の断面形状が曲線形状である。フィルタ14を形成する場合、山部14eは例えば平面状のメッシュ板を曲げ加工して形成して、異物24を矢印M,N方向に移動し易くして溝部14gに導く。同様に、谷部14fは例えば平板状の金属板を曲げ加工して形成する。山部14eや谷部14fの曲げ加工を実施する場合、曲げ部分が曲面形状である場合の方が、図3に示すように山部14eや谷部14fを鋭角形状に曲げ加工する場合に比べて容易であり、低コストで製造できる。また、谷部14fを曲線形状とすることにより、溝部14gに異物24が嵌り込んでしまうことが軽減できる。その結果、異物24の排除を効率よくできるという利点がある。
図5は、フィルタ14の別の変形例である。図5のフィルタ14は、フィルタ本体部14dの凹凸部のうち、山部14e側の断面形状が鋭角形状であり、谷部14f側の断面形状が曲線形状である。前述したように、谷部14f側の断面形状を曲線形状にすることにより曲げ加工が容易になり、製造コストの軽減ができるとともに、谷部14fに異物24が嵌り込んでしまうことが軽減できる。一方、山部14e側の断面形状を鋭角形状にすることにより、異物24が山部14eに留まり難くなるという効果を奏する。つまり、フィルタ14のクリーニング効果が向上する。フィルタ14の断面形状を図3の形状にするか、図4または図5の形状にするかは、車両用熱交換装置10が使用される環境において、捕集しうる異物24の種類や製造コスト等を考慮して適宜決定することが望ましい。なお、山部14eの断面形状を曲面形状とし、谷部14fの断面形状を鋭角形状としてもよい。
図6に、本実施形態の変形例として車両用熱交換装置30を示す。車両用熱交換装置30の基本構成は、図2に示す車両用熱交換装置10と同じであり、フィルタ14、熱交換器16、ファン18を主構成部品として備える。車両用熱交換装置30と車両用熱交換装置10の相違は、フィルタ14の配置される場所が異なるのみで、フィルタ14の機能をはじめとする各構成部品の基本的な機能は同じであるので、個々の詳細な説明は省略する。
車両用熱交換装置30のフィルタ14は、熱交換器16の上流側であり、かつファン18の下流側に配置されている。つまり、フィルタ14を車体12bの内部側に設置している。フィルタ14の配置姿勢は、図1、図2の車両用熱交換装置10と同様であり、熱交換器16の上流側の位置で水平面(XY平面)に対してフレーム14cの第1辺部14a(例えば短手方向の辺部)が所定角度α°傾斜した姿勢でフレーム14cが固定される(図1参照)。また、フィルタ14は、鉄道車両12の車幅方向左右外側に向かい下り傾斜を形成するように配置されている。また、フィルタ本体部14dは、図3に示す例と同様に、フレーム14cの第1辺部14a(図1参照)と交差する第2辺部14bに沿う方向(図中Y方向)の断面形状が凹凸形状になるように形成されている。また、熱交換器16の周囲に、フィルタ14で捕集された異物24を車体12bの外部に排出する排出ダクト32が形成されている。車両用熱交換装置30の場合、ファン18により外気Wが送風ダクト20の内部に吸い込まれた後、フィルタ14に提供される。つまり、フィルタ14に対して常時図中下向きの気流が発生していることになる。その結果、フィルタ本体部14dで捕集された異物24にもファン18で発生した気流が当たり、異物24がフィルタ本体部14d上及び溝部14g上(図3参照)から排出ダクト32へ移動することを促進する。
また、フィルタ14を車体12bの内部に配置することにより、屋根12aにおける車両用熱交換装置10の突出が軽減または排除されて、屋根上スペースの利用性を向上できる。また、フィルタ14を車体12bの内部に配置することにより、フィルタ14の交換を行う場合には、車体12bの内部から作業を行うことが可能になり、作業性の向上に寄与できる。なお、車両用熱交換装置30においても、圧力センサ22がフィルタ14の下流側に配置することができる。この場合、フィルタ14に目詰まりが生じた場合、フィルタ14の下流側での外気Wの流れが鈍くなるので、検出圧力が低下する。この圧力変化に基づいてフィルタ14の目詰まり状態が監視可能となる。そして、適宜クリーニングのためのファン18の逆回転運転やメンテナンス要求警報の出力等を行うことが可能で、フィルタ14の機能維持や延命化に寄与することができる。
なお、図6の場合、フィルタ14は、鉄道車両12の車幅方向左右外側に向かい下り傾斜を形成するように配置する例を示している。車両用熱交換装置30の場合、フィルタ14は車体12bの内部にあるため、走行風等の影響を受けない。したがって、別の実施例では、鉄道車両12の前後方向に向かい下り傾斜を形成するように配置してもよく、車幅方向左右外側に向かい下り傾斜を形成するように配置した場合と同様の効果を得ることができる。この場合、車体12b内におけるフィルタ14または車両用熱交換装置30のレイアウトの自由度が向上するという効果も奏する。同様に、図1、図2に示す車両用熱交換装置10の場合もフィルタ14を鉄道車両12の前後方向に向かい下り傾斜を形成するように配置されてもよく、同様の効果を得ることができる。
図2に示す車両用熱交換装置10では、ファン18をフィルタ14と熱交換器16との間に配置する例を示した。また、図6に示す車両用熱交換装置30では、ファン18をフィルタ14及び熱交換器16より上流側に配置する例を示した。ファン18の配置位置は、これに限定されるものではなく、外気Wがフィルタ14を通過した後、熱交換器16に供給できる構成であればよく、車両用熱交換装置10,30と同様の効果を得ることが可能である。例えば、ファン18の上流側に熱交換器16を配置し、されに熱交換器16の上流側にフィルタ14を配置して、外気Wを熱交換器16の下流側からフィルタ14に引き込むようにしてもよい。
上述した実施形態においては、車両用熱交換装置10,30を鉄道車両12に適用する例を説明したが、他の車両、例えばバスや路面電車等に適用してもよく、同様の効果を得ることができる。また、図1、図2、図6では、2枚のフィルタ14を組み合わせて車幅方向左右外側に向かい下り傾斜するように配置する例を示したが、例えば、左右いずれか一方のフィルタ14のみを配置するようにしてもよい。その場合、送風ダクト20の開口形状は、1枚のフィルタ14で覆える形状となる。また、図1に示す例では、2枚のフィルタ14を組み合わせて、鉄道車両12の前後方向に峰が向く山型形状としたが、1枚のフィルタ14を同様な山型形状に曲げ加工して形成してもよい。また、図1に示す例では、鉄道車両12の前後方向に長い(第1辺部14a<第2辺部14b)長方形のフィルタ14を示した。別の例では、鉄道車両12の前後方向に短い(第1辺部14a>第2辺部14b)小型の長方形のフィルタ14を複数枚鉄道車両12の前後方向に配列して、図1と同様なサイズ(外形)のフィルタ14を構成してもよい。この場合、部分的に目詰まりが生じた場合、その部分の小型のフィルタ14のみ交換が可能になり、メンテナンス費用の低減に寄与できる。
上述したように、本実施形態の車両用熱交換装置10は、例えば、熱交換器16と、熱交換器16の上流側の位置で水平面に対して第1辺部14aが所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレーム14cと当該フレーム14cに支持されてフレーム14cの第1辺部14aと交差する第2辺部14bに沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部14dとを有するフィルタ14と、を備える。この構成によれば、例えば、フィルタ面に異物24を排出するための勾配を形成する場合、例えば、平坦なフィルタを単に傾斜させて第1辺部14aに沿う勾配を形成する場合に比べて、第2辺部14bに沿う方向の急勾配を容易に形成できる。また、急勾配は、第2辺部14bに沿う方向の凹凸形状によって形成できるので、第1辺部14aの傾き角度を大きくする必要がない。つまり、フィルタ14自体の傾斜角度は大きくする必要がなく、高さ方向の必要スペースを平坦なフィルタを単に傾斜させる場合(立て掛ける場合)に比べて小さくすることができる。さらに、フィルタ本体部14dの第2辺部14bに沿う方向の傾斜を急勾配にできることにより、外気Wとともに車両用熱交換装置10内部に取り込まれてフィルタ本体部14dで捕集された異物24を重力により傾斜下方側に容易に移動させることができる。その結果、フィルタ本体部14dからの異物24の排除を容易に行うことができる。
また、本実施形態の車両用熱交換装置10のフィルタ本体部14dの凹部は、例えば、第1辺部14aに沿う方向に不通風性の溝部14gを形成するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、フィルタ14を通過し熱交換器16に向かう外気Wが溝部14gを通過できないので、フィルタ本体部14dで捕集され、フィルタ本体部14d上から傾斜下方側に転がり落ちて溝部14gに移動した異物24が溝部14gに気流で押し付けられて動けなくなることが抑制される。その結果、フィルタ14の傾斜、つまり溝部14gの傾斜(第1辺部14aに沿う方向の傾斜)により異物24がフィルタ14外部の領域に容易に滑り落ち排出できる。
また、本実施形態の車両用熱交換装置10のフィルタ本体部14dの凹凸形状のうち少なくとも凹部(谷部14f)の断面形状が、例えば曲線形状であってもよい。この構成によれば、例えば、フィルタ本体部14dの凹凸形状を曲げ加工によって形成する場合、断面形状が鋭角形状にする場合に比べて容易になるので、製造コストの軽減に寄与できる。また、凹部(谷部14f)の断面形状を曲線形状とすることにより、溝部14gに異物24が嵌り込んでしまうことを軽減できる。その結果、異物24の排除を効率よくできる。
また、本実施形態の車両用熱交換装置10のフィルタ14は、例えば、鉄道車両12の車幅方向外側に向かい下り傾斜を形成するように配置されてもよい。この構成によれば、フィルタ14により捕集され、溝部14gに移動した異物24を鉄道車両12の側方より容易に排出することができる。また、排出した異物24が再度、車両用熱交換装置10に吸い込まれる可能性を軽減できる。
また、本実施形態の車両用熱交換装置10は、例えば、フィルタ14の近傍に圧力センサ22を備えてもよい。この構成によれば、例えば、フィルタ14に目詰まりが生じた場合、フィルタ14の下流側の圧力に変化が生じる。この圧力変化に基づいて、例えば、フィルタ14のメンテナンス要求のための警報の出力やクリーニングモードへの移行の契機となる信号を出力することができる。
また、本実施形態の車両用熱交換装置10は、フィルタ14を通過するように外気の流れを形成するファン18を備えてもよい。この構成によれば、例えば、フィルタ14に強制的に外気Wを供給して、外気Wに含まれる異物24を効率的に捕集し清浄化された外気Wを熱交換器16に提供することができる。
また、本実施形態の車両用熱交換装置10のファン18は、例えば、フィルタ14の目詰まりが生じた場合に逆回転運転するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、フィルタ14に目詰まりが発生した場合、フィルタ14から異物24が離脱するような気流を形成することが可能となり、フィルタ14の目詰まりを軽減または抑制することができる。
上述したように、本実施形態のフィルタ14は、熱交換器16の上流側の位置で水平面に対して第1辺部14aが所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレーム14cと、フレーム14cに支持されてフレーム14cの第1辺部14aと交差する第2辺部14bに沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部14dと、を備える。この構成によれば、例えば、フィルタ面に異物24を排出するための勾配を形成する場合、例えば、平坦なフィルタを単に傾斜させて第1辺部14aに沿う勾配を形成する場合に比べて、第2辺部14bに沿う方向の急勾配を容易に形成できる。また、急勾配は、第2辺部14bに沿う方向の凹凸形状によって形成できるので、第1辺部14aの傾き角度を大きくする必要がない。つまり、フィルタ14自体の傾斜角度は大きくする必要がなく、高さ方向の必要スペースを平坦なフィルタを単に傾斜させる場合(立て掛ける場合)に比べて小さくすることができる。さらに、フィルタ本体部14dの第2辺部14bに沿う方向の傾斜を急勾配にできることにより、外気Wとともに車両用熱交換装置10内部に取り込まれてフィルタ本体部14dで捕集された異物24を重力により傾斜下方側に容易に移動させることができる。その結果、フィルタ本体部14dからの異物24の排除を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態や変形例を例示したが、上記実施形態や変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や変形例の構成は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
10,30…車両用熱交換装置、12…鉄道車両、12a…屋根、12b…車体、14…フィルタ、14a…第1辺部、14b…第2辺部、14c…フレーム、14d…フィルタ本体部、14e…山部、14f…谷部、14g…溝部、16…熱交換器、18…ファン、20…送風ダクト、22…圧力センサ、24…異物、32…排出ダクト、W…外気。
Claims (8)
- 熱交換器と、
前記熱交換器の上流側の位置で水平面に対して第1辺部が所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレームと当該フレームに支持されて前記フレームの前記第1辺部と交差する第2辺部に沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部とを有するフィルタと、
を備える車両用熱交換装置。 - 前記フィルタ本体部の凹部は、前記第1辺部に沿う方向に不通風性の溝部を形成する請求項1に記載の車両用熱交換装置。
- 前記フィルタ本体部の凹凸形状のうち少なくとも凹部の断面形状が曲線形状である請求項1または請求項2に記載の車両用熱交換装置。
- 前記フィルタは、車両の車幅方向外側に向かい下り傾斜を形成するように配置される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用熱交換装置。
- 前記フィルタの近傍に圧力センサを備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用熱交換装置。
- 前記フィルタを通過するように外気の流れを形成するファンを備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用熱交換装置。
- 前記ファンは、前記フィルタの目詰まりが生じた場合に逆回転運転する請求項6に記載の車両用熱交換装置。
- 熱交換器の上流側の位置で水平面に対して第1辺部が所定角度傾斜した姿勢で固定されるフレームと、
前記フレームに支持されて前記フレームの前記第1辺部と交差する第2辺部に沿う方向の断面形状が凹凸形状であるフィルタ本体部と、
を備えるフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015001037A JP2016124461A (ja) | 2015-01-06 | 2015-01-06 | 車両用熱交換装置およびフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015001037A JP2016124461A (ja) | 2015-01-06 | 2015-01-06 | 車両用熱交換装置およびフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016124461A true JP2016124461A (ja) | 2016-07-11 |
Family
ID=56358671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015001037A Pending JP2016124461A (ja) | 2015-01-06 | 2015-01-06 | 車両用熱交換装置およびフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016124461A (ja) |
-
2015
- 2015-01-06 JP JP2015001037A patent/JP2016124461A/ja active Pending
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Legal Events
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