JP2016124386A - 液化ガス運搬船 - Google Patents

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Akihiro Ando
明洋 安藤
英司 田本
Eiji TAMOTO
英司 田本
宏之 武田
Hiroyuki Takeda
宏之 武田
一紀 青木
Kazunori Aoki
一紀 青木
薫 小谷野
Kaoru Koyano
薫 小谷野
崇嗣 安部
Takatsugu Abe
崇嗣 安部
直樹 成島
Naoki Narishima
直樹 成島
橋本 大
Dai Hashimoto
大 橋本
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Abstract

【課題】圧縮機を通過するガス量を抑えるとともに、タンク内のガス圧を規定値以下に抑える液化ガス運搬船を提供する。
【解決手段】液化ガス運搬船は、タンクと、圧縮機と、ガスエンジンと、自然気化ガスを圧縮機に導く気化ガスラインと、圧縮ガスをエンジンに導く圧縮ガス供給ラインと、圧縮ガスをタンクに返送する返送ラインであって、液化ガスの運搬時に、タンクの液化ガスの液相部分にガスを放出する返送ラインと、返送ラインに設けられた返送バルブと、圧縮機に吸入されるガス吸入量、及び、返送バルブの開度を制御する制御装置とを備え、制御装置は、タンクガス圧が所定値より低いときは、圧縮ガス圧が圧縮ガス設定圧になるようにガス吸入量を制御し、タンクガス圧が所定値より高くなったときは、ガス吸入量を増大させるとともに、圧縮ガス圧が圧縮ガス設定圧になるように返送バルブの開度を増大させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液化ガスが気化したガスを燃料として使用することができるエンジンを搭載した液化ガス運搬船に関する。
液化ガス運搬船の一つである液化天然ガス(以下、「LNG」という。)運搬船は、LNGをタンク内に収容して航行するが、LNG運搬船に搭載されたタンクでは、外部からの入熱によりLNGが自然気化したボイルオフガスが発生する。LNG運搬船のタンクは大型であるためにボイルオフガスの発生量も多い。このため、ボイルオフガスを燃料として使用するガスエンジンを搭載したLNG運搬船が知られている。
例えば、特許文献1には、航行時にタンクから導かれたボイルオフガスを圧縮機で圧縮し、圧縮されたガスを燃料ガスとしてエンジンに供給するガス供給システムを搭載したLNG運搬船が開示されている。このLNG運搬船に搭載されたガス供給システムは、圧縮機の下流側から分岐して圧縮機の上流側に合流する循環ラインと、該循環ラインに設けられた圧力調整弁とを有している。そして、圧縮機下流側のガス圧を要求された範囲内に収めるために、循環ラインの圧力調整弁の開度を制御している。
特開2013−210148号公報
ところで、圧縮機下流側のガス圧の調整方法としては、循環ラインに設けられた圧力調整弁の開度を制御する代わりに、圧縮機の回転数などを制御して、圧縮機から吐出されるガスの量を調整することも考えられる。このようなガス圧調整を行う液化ガス運搬船では、港湾操船時や運河通峡時などエンジンを低負荷で運転させる場合、エンジンでのガス消費量が低減するため、圧縮機から吐出されるガスの量も低減するように制御されることが望ましい。圧縮機を通過するガス量を抑えて、ガスに対する圧縮機の無駄な仕事量を抑えることができるからである。しかしながら、そのようにした場合には、タンク内で発生するボイルオフガスの発生量が圧縮機へのガス吸入量を上回り、タンク内のガス圧が上昇することがある。
そこで、本発明は、圧縮機を通過するガス量を抑えるとともに、タンク内のガス圧を規定値以下に抑える液化ガス運搬船を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る液化ガス運搬船は、液化ガスを貯蔵するタンクと、圧縮機と、燃料としてガスを使用することができるエンジンと、前記タンク内で前記液化ガスが自然気化したガスを前記圧縮機に導く気化ガスラインと、前記圧縮機により圧縮されたガスを前記エンジンに導く圧縮ガス供給ラインと、前記圧縮ガス供給ラインから分岐して、前記圧縮ガス供給ラインのガスを前記タンクに返送する返送ラインであって、液化ガスの運搬時に、前記タンクの液化ガスの液相部分にガスを放出する返送ラインと、前記返送ラインに設けられた返送バルブと、前記圧縮機に吸入されるガス量であるガス吸入量、及び、前記返送バルブの開度を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記タンク内のガス圧が所定値より低いときは、前記圧縮ガス供給ラインのガス圧が圧縮ガス設定圧になるように前記ガス吸入量を制御し、前記タンク内のガス圧が前記所定値より高くなったときは、前記タンク内のガス圧が減少するように前記ガス吸入量を増大させるとともに、前記圧縮ガス供給ラインのガス圧が前記圧縮ガス設定圧になるように前記返送バルブの開度を制御する。
上記構成によれば、タンク内のガス圧が所定値より低いときは、圧縮ガス供給ラインのガス圧が圧縮ガス設定圧になるようにガス吸入量が制御されるので、エンジンの低負荷運転時には、圧縮機はエンジンのガス消費量に対応した量のガスをエンジン側に供給でき、圧縮機を通過するガス量を抑えることができる。一方、タンク内のガス圧が所定値より高いときは、ガス吸入量を増大させるため、タンク内のガス圧を規定値以下に抑えることができ、また、圧縮ガス供給ラインのガス圧が圧縮ガス設定圧になるように返送バルブの開度を制御するので、圧縮機下流側のガス圧も調整することができる。また、返送ラインから返送されるガスはタンク内の液化ガスの液相部分に放出され凝縮するので、タンク内のガス圧の上昇を抑えることができる。
上記液化ガス運搬船は、ガスを燃焼し外部へ排気するガス燃焼装置と、前記圧縮ガス供給ラインから分岐して前記ガス燃焼装置にガスを導く排気ラインと、前記排気ラインに設けられた排気バルブと、を備え、前記制御装置は、前記返送バルブの開度が全開であって、且つ、前記圧縮ガス供給ラインのガス圧が前記圧縮ガス設定圧より高くなったときは、前記排気バルブを開いてもよい。この構成によれば、返送ラインの返送バルブの開度を全開にしても、圧縮ガス供給ラインのガス圧が圧縮ガス設定圧より高くなったときに、圧縮機下流側のガス圧の上昇を防ぐことができる。
上記液化ガス運搬船は、前記タンクから前記気化ガスラインにつながる強制気化ガスラインと、前記強制気化ガスラインに設けられ、前記タンクから導かれた液化ガスを強制気化する気化器と、を備え、前記制御装置は、前記タンク内のガス圧が前記所定値より低いときは、前記タンク内のガス圧がタンク設定圧になるように前記気化器で強制気化されるガスの量を制御してもよい。この構成によれば、タンク内で自然気化したガスの発生量が、圧縮機へのガス吸入量よりも小さい場合には、強制気化ガスの発生量を制御することにより間接的にタンク内のガス圧を制御することができる。
上記液化ガス運搬船は、前記エンジンにより駆動される発電機と、前記発電機により発電した電力で駆動される推進ユニットと、前記エンジン及び前記発電機により発電した電力を前記推進ユニットに供給する配電制御ユニットとを備えてもよい。
本発明によれば、圧縮機を通過するガス量を抑えるとともに、タンク内のガス圧を規定値以下に抑える液化ガス運搬船を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るLNG運搬船の推進システムの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る液化ガス運搬船のガス供給システムの概略構成図である。 図2に示すガス供給システムの制御フローを示す図である。 図2にガス供給システムのタンクガス圧の時系列における変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る液化ガス運搬船であるLNG運搬船について、図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るLNG運搬船1の推進システム90の概略構成図が示されている。図1に示すように、本実施形態に係るLNG運搬船1は、推進システム90としてDFD(2元燃料ディーゼル)電気推進方式を採用している。但し、本発明が適用されるLNG運搬船1は、燃料としてガスを使用することのできる内燃機関を備えていればよい。
LNG運搬船の推進システム90は、発電ユニット91と、発電ユニット91で発電した電力で駆動される推進ユニット93と、発電ユニット91から推進ユニット93への電力供給系統に設けられた配電制御ユニット92とを備えている。
発電ユニット91には、複数組の発電用のエンジン2及び発電機912などが含まれている。発電用のエンジン2で発生した機械エネルギーは、発電機912で電気エネルギーとして取り出される。
推進ユニット93には、少なくとも1つ(図例では2つ)の推進電動機931、推進電動機931の出力で駆動される推進器933、推進電動機931から推進器933の動力伝達経路上に設けられた減速機932などが含まれている。配電制御ユニット92には、発電ユニット91からの電力を分配する配電盤921や推進電動機931の回転速度を制御するインバータ922などが含まれている。
例えば操船室のテレグラフレバーでの操作により推進電動機931の回転数が決まる。この回転数に応じ、推進電動機931が電力を消費する。一方、推進電動機931が消費する電力によりエンジン2のガス要求量が決まり、配電盤921からの指令によりガバナが制御されて、ガス要求量に応じたガスがエンジン2に供給される。
上記構成の推進システム90において、本実施形態に係るエンジン2は、油とガスを焚ける2元燃料方式の4サイクルの内燃機関である。そのため、エンジン2への燃料供給系統には、燃料ガスを供給する燃料ガス供給系統96と、燃料油タンク95に貯蔵された重油等の燃料油を供給する燃料油供給系統97とが含まれている。なお、図1では、燃料ガス供給系統96が破線矢印で示され、燃料油供給系統97が実線矢印で示されている。燃料ガス供給系統96は、タンク3内のLNGが自然気化したボイルオフガス(以下、NBOG)及び/又はタンク3内のLNGが強制気化されたボイルオフガス(以下、FBOG)を、エンジン2へ供給するガス供給システム10によって構成されている。以下、ガス供給システム10について詳細に説明する。
図2には、ガス供給システム10の概略構成図が示されている。図2に示すように、ガス供給システム10は、液化ガスであるLNGを貯蔵するタンク3と、圧縮機4と、タンク3内のNBOGを圧縮機4に導く気化ガスライン41と、圧縮機4により圧縮されたガスをエンジン2に導く圧縮ガス供給ライン42とを備える。なお、図2には、複数のエンジン2のうちの1つが示されている。
LNG運搬船1には、船長方向に配列された4つの大型のタンク3が設けられている。タンク3は、LNGを大気圧下の約−162℃の液体状態で保持できるように、極低温状態を保持可能な防熱性能を有する。タンク3内には、タンク3内の下側である液相部分3aと、タンク3内の上側である気相部分3bが存在する。液相部分3aは、タンク3内に貯蔵されたLNGである。気相部分3bは、LNGが気化したボイルオフガスを含む気体である。
LNG運搬船1では、一般的に、産ガス地からガス消費地へ航行する時と、ガス消費地から産ガス地へと航行する時とで、そのタンク3内の液相部分3aと気相部分3bとの比率が異なる。例えば、LNG運搬船1が産ガス地からガス消費地へ航行する時(すなわち、LNG運搬時)には、タンク3は、タンク3内のほとんどがLNGで満たされた状態(満載:例えばタンク容量の約98.5%)にされる。LNG運搬船1がガス消費地から産ガス地へと航行する時には、タンク3は、タンク3内にLNGをほとんど積載していない状態(空載:例えばタンク容量の約1.5%)にされる。なお、LNG運搬船1の航行中、タンク3内のLNGの気化等により、液相部分3aと気相部分3bとの比率は多少変動する。
気化ガスライン41は、それぞれのタンク3内で発生したNBOGを圧縮機4へと導く配管である。気化ガスライン41は、複数のタンク3のそれぞれから延びる枝管部と、枝管部が合流するベーパヘッダ41bと、ベーパヘッダ41bから延びて圧縮機4に接続する主管部とを有する。気化ガスライン41の枝管部の上流端には、それぞれ、ガス吸入口41aが設けられており、それぞれのガス吸入口41aは、タンク3が満載時である場合にもタンク3上部のボイルオフガスを吸入することができるように、タンク3の上部に配置される。なお、気化ガスライン41には、図示されないが、圧縮機4に流入するガスを冷却するプレクーラーや、圧縮機4に流入するガスから液を除去するミストセパレータなどが設けられている。
圧縮機4は、上流側から導かれたガスを下流側へと圧送する装置である。圧縮機4は、圧縮機4に吸入されるガス量であるガス吸入量Qを調整できるように構成される。この実施形態では、圧縮機4は、例えば軸流式又は遠心式の圧縮機であって、後述する制御装置7により圧縮機4の回転数が制御されることによって、圧縮機4へのガス吸入量Qが調整される。ただし、圧縮機4へのガス吸入量Qは、圧縮機4の回転数が制御されることにより調整されることに限定されず、例えば、圧縮機4の回転数を一定にして、圧縮機4の入口に設けられた弁の開度が制御されることにより調整されてもよい。
また、ガス供給システム10は、複数のタンク3のうちの少なくとも1つから、気化ガスライン41における主管部につながる配管である強制気化ガスライン51を備える。強制気化ガスライン51には、上流側から順に、強制気化バルブ53と気化器52が設けられている。また、強制気化ガスライン51の上流端には、タンク3内の底に配置されたポンプ31が設けられている。ポンプ31の稼働により、タンク3内のLNGは、気化器52へと供給され、気化器52は、供給されたLNGを強制的に気化する。気化器52により強制気化されたボイルオフガスであるFBOGは、強制気化ガスライン51の下流側の気化ガスライン41に導かれ、圧縮機4に吸入される。なお、図2に示す強制気化ガスライン51における強制気化バルブ53より上流側部分は、複数のタンク3のうちの2つからLNGを気化器52に導くように構成されているが、強制気化ガスライン51は、複数のタンク3のうちの1つから、あるいは、3つ以上からLNGを気化器52に導くように構成されていてもよい。
強制気化バルブ53は、流量制御弁であって、強制気化バルブ53の開度を制御することにより、気化器52に供給されるLNGの量が調整され、結果として、気化器52により発生するFBOGの量(以下、「FBOG発生量」という。)Qが調整される。ポンプ31の吐出量のうち強制気化バルブ53を通過できない分は、図略のラインを通じてタンク3に戻される。FBOG発生量Qは、強制気化バルブ53の開度が制御されることにより調整されることに限定されず、例えば、タンク3内のポンプ31の回転数が制御されることにより調整されてもよい。
また、ガス供給システム10は、圧縮ガス供給ライン42のガスヘッダ42aから分岐して、圧縮ガス供給ライン42のガスを複数のタンク3のうちの少なくとも1つに返送する配管である返送ライン61を備える。返送ライン61は、その下流端にガス放出部63を有する。ガス放出部63は、産ガス地からガス消費地へ航行する時、すなわち、LNGの運搬時に、タンク3の液相部分3aにガスを放出するように配置される。返送ライン61から返送されたガスは、タンク3の液相部分3aに放出され凝縮するので、タンク3内のガス圧Pの上昇を抑えることができる。ガスヘッダ42aは、配管である圧縮ガス供給ライン42から分岐する配管へ圧縮ガスを分配するための流路面積拡大された配管部分である。ガスヘッダ42aの容量により、エンジン2の要求ガス圧に対する圧縮機4の追従性の遅れが緩和される。
返送ライン61には、返送バルブ62が設けられている。返送バルブ62は、圧力調整弁である。返送バルブ62の開度を制御することにより、返送バルブ62の上流側である圧縮ガス供給ライン42のガス圧Pを調整することができる。返送バルブ62は、流量制御弁であってもよい。なお、図2に示す返送ライン61における返送バルブ62より下流側部分は、複数のタンク3のうちの2つにガスが返送されるように構成されているが、返送ライン61は、複数のタンク3のうちの1つのタンクに、あるいは、3つ以上のタンクに返送されるように構成されていてもよい。
さらに、圧縮ガス供給ライン42のガスヘッダ42aからは、ガス燃焼装置(GCU;Gas Combustion Unit)83にガスを導く排気ライン81が分岐している。ガス燃焼装置83は、圧縮ガス供給ライン42から排気ライン81を介して導かれたガスを燃焼し、LNG運搬船1の外部へ排気する。排気ライン81には、排気バルブ82が設けられている。排気バルブ82は、圧力調整弁である。排気バルブ82の開度を制御することにより、排気バルブ82の上流側である圧縮ガス供給ライン42のガス圧Pを調整することができる。排気バルブ82は、流量制御弁であってもよい。
ガス供給システム10は、圧縮機4のガス吸入量Q(本実施形態では回転数)、及び、返送バルブ62の開度を制御する制御装置7を備える。また、ガスヘッダ42aには、圧縮ガス供給ライン42のガス圧(以下、「圧縮ガス圧」という。)Pを計測するための圧縮ガス圧力計71が設けられており、気化ガスライン41のベーパヘッダ41bには、タンク3内のガス圧(以下、「タンクガス圧」という。)Pを計測する気化ガス圧力計72が設けられている。制御装置7は、計測されるガス圧P及びPに基づいて、圧縮機4の回転数及び返送バルブ62の開度を制御する。
この実施形態では、圧縮ガス圧Pは、ガス供給システム10がエンジン2に供給するガス圧であり、エンジン2のガス圧要求範囲に対応した要求範囲(以下、「圧縮ガス圧要求範囲」という。)内に収まる必要がある。このため、この実施形態では、圧縮ガス圧Pは、圧縮ガス圧要求範囲内の圧縮ガス設定圧Ps1に維持されるように、後述のように、制御装置7によって制御される。ここで、圧縮ガス設定圧Ps1は、例えば、圧縮ガス圧要求範囲の上限値と下限値の平均値である。
LNG運搬船1の航行中、タンク3内で自然気化したNBOGの発生量(以下、「NBOG発生量」という。)Qが、圧縮機4へのガス吸入量Qより高い場合、タンクガス圧Pは徐々に上昇することになる。その一方で、タンク3には、最大許容圧があり、ガス供給システム10の安全性を確保するために、タンクガス圧Pは、タンク3の最大許容圧より低い上限値を有するタンクガス圧要求範囲内に収まる必要がある。
以下では、図3及び図4を参照しながら、ガス供給システム10における圧縮ガス圧P及びタンクガス圧Pの制御方法を説明する。図3には、ガス供給システム10の制御フローが示されており、図4には、タンクガス圧Pの時系列における変化を示すグラフが示されている。
この実施形態では、タンクガス圧Pが、所定値Pより高いか否かに応じて、圧縮機4により制御される対象が、圧縮ガス圧P及びタンクガス圧Pとの間で切り換わる。ここで、所定値Pは、タンク3の最大許容圧より低い値である。
(タンクガス圧Pが所定値Pより低いとき)
図3に示すように、通常時、すなわち、タンクガス圧Pが所定値Pより低いとき(ステップS1でNo)は、制御装置7は、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1になるように、圧縮機4の回転数を制御して、圧縮機4へのガス吸入量Qを調整する(ステップS2)。圧縮ガス圧Pを圧縮ガス設定圧Ps1にするには、圧縮ガス圧Pを圧縮ガス設定圧Ps1と比較して圧縮機4の回転数を上昇させたり下降させたりしてもよいし、不感帯ができるように圧縮ガス設定圧Ps1を挟む2つの閾値を設定して、圧縮機4の回転数を上昇させたり下降させたりしてもよい。
また、通常時、制御装置7は、返送バルブ62が所定の開度になるように制御する(ステップS3)。返送バルブ62が制御される所定の開度は、圧縮機4を通過するガス量を抑えるために、比較的小さいことが好ましい。この実施形態では、返送バルブ62は全閉(開度0%)となるように制御される。ただし、返送バルブ62の開度は、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1になるように、圧縮機4の回転数とともに制御されてもよい。
NBOG発生量Qが圧縮機4へのガス吸入量Qよりも小さいときに、NBOGのみが圧縮機4に吸入されると、タンクガス圧Pは徐々に減少することになる。そこで、この実施形態では、通常時、制御装置7は、タンクガス圧Pがタンク設定圧Ps2になるように、強制気化バルブ53を制御して、FBOG発生量Qを調整する(ステップS4)(図4のt=0〜t参照)。タンク設定圧Ps2は、上述したタンクガス圧設定範囲内の値であって、所定値P以下の値である。NBOG発生量Qが、圧縮機4へのガス吸入量Qよりも小さい場合に、ガス吸入量QとNBOG発生量Qとの差分に相当する量(Q=Q−Q)のFBOGを発生させることにより、タンクガス圧Pをタンクガス圧設定範囲内に収めることが可能である。ここで、強制気化させる量Qを算出するために用いられるNBOG発生量Qは、例えば、満載時又は空載時のタンク3内の液相部分3aに想定される入熱量から発生することが見積もられるガス量である。
圧縮機4へのガス吸入量QがNBOG発生量Qよりも大きいときは、FBOG発生量Qを制御することによりタンクガス圧Pを調整可能である。一方、圧縮機4の回転数が小さくなると、圧縮機4へのガス吸入量QがNBOG発生量Qよりも小さくなるため、FBOG発生量Qをゼロにしても、タンクガス圧Pが上昇することになる(図4のt=t〜t参照)。特に、LNG運搬船1のタンク3が満載であって、エンジン2が低負荷で運転される場合、タンクガス圧Pは、より速く上昇する。タンクガス圧Pが上昇して、所定値Pより高くなった場合には、タンクガス圧Pの上昇を止めるために、下記のステップS5のように、圧縮機4を制御する指標が切り換わる。
(タンクガス圧Pが所定値Pより高くなったとき)
異常時、すなわち、タンクガス圧Pが所定値Pより高くなったとき(ステップS1でYes)(図4のt=t参照)は、本実施形態では、制御装置7は、タンクガス圧Pに基づいて圧縮機4の回転数を制御する(ステップS5)(図4のt=t〜t参照)。具体的には、制御装置7は、タンクガス圧Pが所定値Pより高くなったときに、タンクガス圧Pが所定値P以下の値(例えばタンク設定圧Ps2)になるように圧縮機4の回転数を増大させる。なお、ステップS5の制御では、制御装置7は、タンクガス圧Pが所定値Pより高くなったときに、圧縮機4の回転数を、通常時の回転数より高い予め設定された回転数にしてもよい。
制御装置7は、圧縮機4の回転数を増大させてガス吸入量Qを増大させるとともに、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1になるように返送バルブ62の開度を増大させる(ステップS6)(図4のt=t〜t参照)。すなわち、ステップS5で、圧縮機4へのガス吸入量Qを増大させたことにより、圧縮機4下流側の圧力である圧縮ガス圧Pは、上昇する方向に変動するが、この変動を打ち消すように、返送バルブ62の開度を通常時の開度よりも増大させる。
その後、制御装置7は、返送バルブ62の開度が全開、且つ、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1より高いか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7でNoの場合、ステップ9に進む。ステップS7でYesの場合、制御装置7は、排気バルブ82を開き、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1になるように、排気バルブ82の開度を制御する(ステップS8)。
ステップS9では、制御装置7は、タンクガス圧Pがタンク設定圧Ps2以下か否かを判定する(ステップS9)。タンクガス圧Pがタンク設定圧Ps2より大きい(ステップS9でNo)(図4のt=t〜t参照)ときは、再度ステップS5に戻って、ステップS5以降の各ステップを繰り返す。タンクガス圧Pがタンク設定圧Ps2以下になった(ステップS9でYes)(図4のt=t参照)ときは、再度ステップS1に戻って、上記の各ステップを繰り返す。なお、この実施形態では、ステップS9で、制御装置7は、タンクガス圧Pがタンク設定圧Ps2以下か否かを判定したが、ステップS9の判定基準値はタンク設定圧Ps2に限定されず、例えば所定値Pなど所定値P以下の値であればよい。しかし、図4に示すように、ステップS9の判定基準値をステップS1の判定基準値(即ち、所定値P)より低い値に設定することにより、制御装置7の制御モードがステップS1〜S4の制御モードとステップS5〜S9の制御モードとの間で頻繁に変更されることを防止することができる。
このように、図3に示す制御方法によれば、タンクガス圧Pが所定値Pより低いときは、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1になるようにガス吸入量Qが制御される。このため、圧縮機4へのガス吸入量Qは、エンジン2のガス消費量に対応した量にすることができる。例えば、エンジン2が低負荷で運転される時には、圧縮機4へのガス吸入量Qを小さくすることができる。従って、圧縮機4を通過するガス量を抑えることができ、その結果、ガスに対する圧縮機4の無駄な仕事量を抑え、また、返送ライン61からタンク3に返送されるガス量も低減されるので、タンク3への入熱も抑えることができる。
一方、タンクガス圧Pが所定値Pより高くなったときは、タンクガス圧Pがタンク設定圧Ps2になるようにガス吸入量Qを増大させるため、タンクガス圧Pを規定値以下に抑える、すなわち、タンクガス圧要求範囲内に収めることができる。また、圧縮ガス圧Pが圧縮ガス設定圧Ps1になるように返送バルブ62の開度が制御されるので、圧縮ガス圧Pも圧縮ガス圧要求範囲内に調整することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態において、エンジン2は、二元燃料エンジンとして説明されたが、これに限定されず、エンジン2は、ガス燃料のみを燃料として利用するガス専焼エンジンであってもよい。また、エンジン2は、2サイクルの推進用内燃機関であってもよい。図4では、タンク設定圧Ps2が所定値Pより低い値として示されたが、タンク設定圧Ps2は所定値Pと同じ値であってもよい。制御装置7は、1つでなくてもよく、複数であってもよい。また、上記実施形態に係るLNG運搬船1には4つのタンク3が設けられていたが、タンク3の数は、これに限定されず、例えば1つであってもよいし、4つ以外の複数であってもよい。
上記実施形態に係るLNG運搬船1は、強制気化ガスライン51を備えており、NBOG発生量Qが圧縮機4へのガス吸入量Qよりも小さいときに、タンクガス圧Pが減少しないようにFBOGを発生させていたが、LNG運搬船1は、必ずしも強制気化ガスライン51を備えていなくてもよい。しかしながら、LNG運搬船1が強制気化ガスライン51を備えていれば、FBOGの発生量を制御することによりタンクガス圧の減少を防ぐことができ、有用である。
1 LNG運搬船(液化ガス運搬船)
10 ガス供給システム
2 エンジン
3 タンク
3a 液相部分
3b 気相部分
4 圧縮機
41 気化ガスライン
41a ガス吸入口
41b ベーパヘッダ
42 圧縮ガス供給ライン
51 強制気化ガスライン
52 気化器
53 強制気化バルブ
61 返送ライン
62 返送バルブ
7 制御装置
71 圧縮ガス圧力計
72 気化ガス圧力計
81 排気ライン
82 排気バルブ
83 ガス燃焼装置
90 推進システム
91 発電ユニット
912 発電機
92 配電制御ユニット
921 配電盤
922 インバータ
93 推進ユニット
931 推進電動機
932 減速機
933 推進器
95 燃料油タンク
96 燃料ガス供給系統
97 燃料油供給系統
圧縮ガス圧(圧縮ガス供給ラインのガス圧)
タンクガス圧(タンク内のガス圧)
s1 圧縮ガス設定圧
s2 タンク設定圧
ガス吸入量
NBOG発生量
FBOG発生量

Claims (4)

  1. 液化ガスを貯蔵するタンクと、
    圧縮機と、
    燃料としてガスを使用することができるエンジンと、
    前記タンク内で前記液化ガスが自然気化したガスを前記圧縮機に導く気化ガスラインと、
    前記圧縮機により圧縮されたガスを前記エンジンに導く圧縮ガス供給ラインと、
    前記圧縮ガス供給ラインから分岐して、前記圧縮ガス供給ラインのガスを前記タンクに返送する返送ラインであって、液化ガスの運搬時に、前記タンクの液化ガスの液相部分にガスを放出する返送ラインと、
    前記返送ラインに設けられた返送バルブと、
    前記圧縮機に吸入されるガス量であるガス吸入量、及び、前記返送バルブの開度を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記タンク内のガス圧が所定値より低いときは、前記圧縮ガス供給ラインのガス圧が圧縮ガス設定圧になるように前記ガス吸入量を制御し、
    前記タンク内のガス圧が前記所定値より高くなったときは、前記ガス吸入量を増大させるとともに、前記圧縮ガス供給ラインのガス圧が前記圧縮ガス設定圧になるように前記返送バルブの開度を増大させる、液化ガス運搬船。
  2. ガスを燃焼し外部へ排気するガス燃焼装置と、前記圧縮ガス供給ラインから分岐して前記ガス燃焼装置にガスを導く排気ラインと、前記排気ラインに設けられた排気バルブと、を備え、
    前記制御装置は、前記返送バルブの開度が全開であって、且つ、前記圧縮ガス供給ラインのガス圧が前記圧縮ガス設定圧より高くなったときは、前記排気バルブを開く、請求項1に記載の液化ガス運搬船。
  3. 前記タンクから前記気化ガスラインにつながる強制気化ガスラインと、前記強制気化ガスラインに設けられ、前記タンクから導かれた液化ガスを強制気化する気化器と、を備え、
    前記制御装置は、前記タンク内のガス圧が前記所定値より低いときは、前記タンク内のガス圧がタンク設定圧になるように前記気化器で強制気化されるガスの量を制御する、請求項1又は2に記載の液化ガス運搬船。
  4. 前記エンジンにより駆動される発電機と、前記発電機により発電した電力で駆動される推進ユニットと、前記エンジン及び前記発電機により発電した電力を前記推進ユニットに供給する配電制御ユニットと、を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
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