JP2016124244A - 光照射器の補正方法、および印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷装置が備える光照射器の照射強度をより安価で簡便に判定できる補正方法を提供する。【解決手段】光照射器の補正方法は、光照射器が照射する照射光を遮る遮光位置に設けられ、所定の波長域(可視光波長域)の光が所定の透過率で透過可能なフィルターに照射光を照射する、照射工程と、フィルターを透過する透過光(可視光)の強度に基づく指示に応じて、照射光の強度を補正する、補正工程と、を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、光照射器の補正方法、該補正が可能な光照射器を備えた印刷装置に関する。
従来、印刷装置として、光硬化性インク(例えば、紫外線硬化性インク)を使用し、印刷媒体に光硬化性インクを付与して印刷画像を形成した後に、印刷画像に光照射器によって光(例えば、紫外線)を照射して乾燥(付与した光硬化性インクの硬化)を行う印刷装置(例えば、インクジェットプリンター)が知られている。このような印刷装置では、光照射器の照射強度が低下すると、印刷画像の乾燥が充分に行われなくなるため、光照射器の照射強度が所定の範囲に維持されていることを定期的に確認する必要がある。これに対し、特許文献1には、半導体の発光素子によって構成された光照射器の故障検出が簡単に行えるとする故障検出装置、およびこの故障検出装置を備える印刷装置(印刷装置)が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の故障検出装置は、発光素子に印加される電圧を計測する電圧計測部や、計測した値に基づき故障の有無を判定する故障判定部を備える必要があるため、これらにコストを要してしまうという課題があった。また、その結果、この故障検出装置を備える印刷装置は、更なるコストダウンができない、あるいは更なるコストダウンが難しいという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る光照射器の補正方法は、光照射器が照射する照射光を遮る遮光位置に設けられ、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能なフィルターに前記照射光を照射する、照射工程と、前記フィルターを透過する透過光の強度に基づく指示に応じて、照射光の強度を補正する、判定工程と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、光照射器が照射する照射光の照射強度を、所定の波長域において、所定の強度に減光された透過光を用いて補正することができる。
[適用例2] 上記適用例に係る光照射器の補正方法において、前記所定の波長域を可視光波長域とすることを特徴とする。
本適用例によれば、光照射器が照射する照射光の照射強度を、可視光波長域において、所定の強度に減光された透過光を用いて補正することができる。
[適用例3] 上記適用例に係る光照射器の補正方法において、前記フィルターを、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能な樹脂フィルムにより構成することを特徴とする。
本適用例のように、樹脂フィルムを使用することにより、より容易にフィルターを構成することができる。
[適用例4] 上記適用例に係る光照射器の補正方法において、前記フィルターを、複数枚重ねた前記樹脂フィルムにより構成し、重ねる前記樹脂フィルムの枚数を変更することにより、前記透過光の強度を変更することを特徴とする。
本適用例によれば、重ねる樹脂フィルムの枚数を変更することにより、透過光の強度を変更することができる。その結果、補正する照射光の強度のレンジを変更することができる。
[適用例5] 上記適用例に係る光照射器の補正方法において、前記フィルターを、透過率の異なる複数の前記樹脂フィルムの中から選択して構成することにより、前記透過光の強度を変更することを特徴とする。
本適用例によれば、透過率の異なる樹脂フィルムを使用することにより、透過光の強度を変更することができる。その結果、補正する照射光の強度のレンジを変更することができる。
[適用例6] 上記適用例に係る光照射器の補正方法において、指示が判定可能な比較画像と、前記透過光に基づく画像とを比較する比較工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、指示が判定可能な比較画像と透過光に基づく画像とを比較する比較工程が含まれるため、補正の要否判定をより容易に行うことができる。
[適用例7] 本適用例に係る印刷装置は、印刷媒体に付与された光硬化性インクに照射光を照射可能な光照射器と、前記光照射器が照射する前記照射光を遮る遮光位置に設けられ、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能なフィルターと、前記フィルターを透過する透過光の強度に基づく指示に応じて、前記照射光の強度を補正する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、光照射器が照射する照射光の照射強度を、所定の波長域において、所定の強度に減光された透過光を用いて判定することができる。
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。また、図面に付記する座標においては、Z軸方向が上下方向、+Z方向が上方向、Y軸方向が前後方向、+Y方向が手前方向、X軸方向が左右方向、+X方向が左方向、X−Y平面が、印刷装置が設置される平面と平行な面としている。
(実施形態1)
<印刷装置>
図1(a)は、実施形態1に係る「印刷装置」としてのプリンター100の構成を模式的に示す正面図、図1(b)は、同側面図である。
プリンター100は、「光硬化性インク」として紫外線の照射により硬化可能な紫外線硬化性インク(以下、UVインクと言う)を用い、「印刷媒体」としてのロール状に巻かれた状態で供給されるロール紙1に画像を印刷するインクジェット式プリンターである。
プリンター100は、印刷部10、前処理部20、乾燥部30、供給部40、巻取り部50、搬送路60などを備え、筐体90によりプリンター装置としてまとめられている。
<印刷装置>
図1(a)は、実施形態1に係る「印刷装置」としてのプリンター100の構成を模式的に示す正面図、図1(b)は、同側面図である。
プリンター100は、「光硬化性インク」として紫外線の照射により硬化可能な紫外線硬化性インク(以下、UVインクと言う)を用い、「印刷媒体」としてのロール状に巻かれた状態で供給されるロール紙1に画像を印刷するインクジェット式プリンターである。
プリンター100は、印刷部10、前処理部20、乾燥部30、供給部40、巻取り部50、搬送路60などを備え、筐体90によりプリンター装置としてまとめられている。
ロール紙1は、供給部40から供給され、印刷動作に伴い、プリンター100の内部に設けられた搬送路60によって、前処理部20、印刷部10、乾燥部30を経由し、巻取り部50に収納される。
ロール紙1としては、例えば、上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙、合成紙、また、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)などから成るフィルムなどを使用することができる。
ロール紙1としては、例えば、上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙、合成紙、また、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)などから成るフィルムなどを使用することができる。
印刷部10は、ロール紙1の表面にUVインクを付与して画像を印刷するインクジェットヘッド11、付与したUVインクを仮乾燥(仮硬化)させるために紫外線を照射する仮乾燥機12などを備えている。仮乾燥機12によるUVインクの仮乾燥は、UVインクの濡れ広がり方が紫外線を照射しない場合に比べて充分に遅くなる程度にインクを硬化(仮硬化)させるものである。
前処理部20は、搬送路60において印刷部10の上流側に位置し、UVインクが付与される前のロール紙1に対する前処理を行う。前処理とは、例えば、ロール紙1に対するUVインクの濡れ性を改善するためのコロナ放電処理などであるが、必ずしも前処理を行う必要は無く、従って、必ずしも前処理部20を備える必要は無い。
乾燥部30は、搬送路60において印刷部10の下流側に位置し、UVインクが付与され仮乾燥された後のロール紙1を本乾燥(本硬化)させる「光照射器」としてのUV照射器70、およびUV照射器70が照射する照射光を減光する減光部80などを備えている。UV照射器70は、仮乾燥機12より強い照射強度の紫外線を照射することで、UVインクの濡れ広がりが停止する程度にインクを本硬化(乾燥)させるものである。
供給部40は、前処理が行われる前のロール紙1を収容する収容部であり、搬送路60において前処理部20の上流側に位置し、繰出しリール41などを備えている。
繰出しリール41は、繰出しモーター(図示省略)により回転して、ロール紙1を供給部40の下流側に配置される前処理部20に向けて繰り出す。
繰出しリール41は、繰出しモーター(図示省略)により回転して、ロール紙1を供給部40の下流側に配置される前処理部20に向けて繰り出す。
巻取り部50は、本乾燥が行われた後のロール紙1を巻き取り収納する収納部であり、搬送路60において乾燥部30の下流側に位置し、巻取りリール51などを備えている。
巻取りリール51は、巻取モーター(図示省略)により回転して、巻取り部50の上流側に配置される乾燥部30を経て送られてきたロール紙1を巻き取る。
巻取りリール51は、巻取モーター(図示省略)により回転して、巻取り部50の上流側に配置される乾燥部30を経て送られてきたロール紙1を巻き取る。
搬送路60は、ロール紙1を、供給部40から順に、前処理部20、印刷部10、乾燥部30を経由して巻取り部50まで搬送する搬送経路であり、駆動ローラー61、従動ローラー62、63などから構成されている。
駆動ローラー61は、ニップローラーなどを伴い、ロール紙1が搬送方向に移動するように付勢する。従動ローラー62は、下流側に位置する駆動ローラー61に従動する。
従動ローラー63は、搬送路60を屈曲させるための従動ローラーであり、供給部40と前処理部20との間のZ軸方向の搬送方向を、印刷部10における水平方向(X軸方向)の搬送方向となるように、また、印刷部10における水平方向(X軸方向)の搬送方向を、乾燥部30と巻取り部50との間のZ軸方向の搬送方向となるように屈曲させる。
駆動ローラー61は、ニップローラーなどを伴い、ロール紙1が搬送方向に移動するように付勢する。従動ローラー62は、下流側に位置する駆動ローラー61に従動する。
従動ローラー63は、搬送路60を屈曲させるための従動ローラーであり、供給部40と前処理部20との間のZ軸方向の搬送方向を、印刷部10における水平方向(X軸方向)の搬送方向となるように、また、印刷部10における水平方向(X軸方向)の搬送方向を、乾燥部30と巻取り部50との間のZ軸方向の搬送方向となるように屈曲させる。
<光照射器>
図2(a)は、「光照射器」としてのUV照射器70の構成を示す正面図、図2(b)は、同側面図である。
なお、図に付記する座標系は、図1(a),(b)に示すプリンター100にUV照射器70を取り付けた場合の座標系に合わせている。
図2(a)は、「光照射器」としてのUV照射器70の構成を示す正面図、図2(b)は、同側面図である。
なお、図に付記する座標系は、図1(a),(b)に示すプリンター100にUV照射器70を取り付けた場合の座標系に合わせている。
UV照射器70は、紫外線波長域の光を含む照射光を発光することができる発光ダイオード71(light emitting diode、以下LED71と言う)をアレイ状に並べた光照射器である。図2(a)には、3行8列のLEDアレイを例示しているが、これに限定するものではなく、照射光を照射する対象物(印刷媒体)の大きさに対応した照射範囲を充分な照射強度でむらなく照射できる規模のLEDアレイ(例えば、10行100列(1000個)のLEDからなる規模のアレイなど)である必要がある。
なお、LED71を発光駆動する回路の説明は省略する。
なお、LED71を発光駆動する回路の説明は省略する。
UV照射器70は、印刷部10でロール紙1に付与されたUVインクを、搬送路60において硬化させるため、図1(a)に示すように、LED71をアレイ状に配置する面が、搬送路60に支持されたロール紙1の表面と所定の距離離れた位置に対向して略平行になるように配置され、ステー31によって移動可能に筐体90に支持されている。UV照射器70は、ロール紙1に向かう+X方向を照射の主方向として照射光を照射する。
また、UV照射器70は、その照射強度が低下すると、UVインクの硬化を充分に行うことができなくなるため、照射強度が所定の範囲に維持されていることを定期的に確認する必要がある。
ステー31は、図1(b)に示すように、+Y方向に延出させることが可能で、UV照射器70の定期的な確認や保守を行う場合に、UV照射器70を筐体90の外部に引き出すことができる。UV照射器70を筐体90の外部に引き出すことで、LED71の確認や交換などを容易としている。
ステー31は、図1(b)に示すように、+Y方向に延出させることが可能で、UV照射器70の定期的な確認や保守を行う場合に、UV照射器70を筐体90の外部に引き出すことができる。UV照射器70を筐体90の外部に引き出すことで、LED71の確認や交換などを容易としている。
<減光部>
減光部80は、本実施形態を特徴付ける部分であり、UV照射器70が照射する照射光の強度の判定および補正に使用される。
減光部80は、図1(a),(b)に示すように、UV照射器70が照射する照射光を遮るUV照射器70の+X側の遮光位置に、UV照射器70と対向するように配置され、ステー31によって移動可能に筐体90に支持されている。すなわち、プリンター100の稼動時には、ロール紙1が搬送される搬送路60を挟む位置に減光部80とUV照射器70とが配置され、また、UV照射器70の定期的な確認や保守を行う場合には、図1(b)に示すように、減光部80を、UV照射器70との位置関係を保ったまま、筐体90の外部に引き出すことができる。減光部80およびUV照射器70を筐体90の外部に引き出すことで、LED71の確認や交換などを容易としている。
減光部80は、本実施形態を特徴付ける部分であり、UV照射器70が照射する照射光の強度の判定および補正に使用される。
減光部80は、図1(a),(b)に示すように、UV照射器70が照射する照射光を遮るUV照射器70の+X側の遮光位置に、UV照射器70と対向するように配置され、ステー31によって移動可能に筐体90に支持されている。すなわち、プリンター100の稼動時には、ロール紙1が搬送される搬送路60を挟む位置に減光部80とUV照射器70とが配置され、また、UV照射器70の定期的な確認や保守を行う場合には、図1(b)に示すように、減光部80を、UV照射器70との位置関係を保ったまま、筐体90の外部に引き出すことができる。減光部80およびUV照射器70を筐体90の外部に引き出すことで、LED71の確認や交換などを容易としている。
図3(a)は、減光部80の構成を示す側面図、図3(b)は同正面図である。なお、UV照射器70との位置関係を示すために、UV照射器70を付記している。また、図に付記する座標系は、図1(a),(b)に示すプリンター100に減光部80を取り付けた場合の座標系に合わせている。
減光部80は、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能な平板状のフィルター81および、フィルター81が配置されるフィルター配置部82を備えている。
フィルター配置部82は、ガラス板83、収納枠84などから構成される。
収納枠84は、天部(+Z側の枠部)が開放された額縁状の枠体であり、天部からガラス板83およびフィルター81を遊挿し収納することができる。遊挿されたガラス板83およびフィルター81は、収納枠84によって保持(X軸方向への脱落が規制)される。
ガラス板83は、フィルター81を平面状態に維持するカバーガラスとして機能する。
フィルター配置部82にフィルター81を配置することで、平板状のフィルター81が、UV照射器70(LED71をアレイ状に配置する面)と所定の距離離れた位置に対向して略平行になるように配置される。
フィルター配置部82は、ガラス板83、収納枠84などから構成される。
収納枠84は、天部(+Z側の枠部)が開放された額縁状の枠体であり、天部からガラス板83およびフィルター81を遊挿し収納することができる。遊挿されたガラス板83およびフィルター81は、収納枠84によって保持(X軸方向への脱落が規制)される。
ガラス板83は、フィルター81を平面状態に維持するカバーガラスとして機能する。
フィルター配置部82にフィルター81を配置することで、平板状のフィルター81が、UV照射器70(LED71をアレイ状に配置する面)と所定の距離離れた位置に対向して略平行になるように配置される。
図4(a)は、LED71の照射光の波長分布特性を示すグラフ、図4(b)は、フィルター81のフィルター特性を示すグラフである。図4(b)は、図4(a)に示す破線で囲まれた部分を拡大させたグラフに対応している。
LED71は、紫外線波長域の光を含み、400nm以下の波長にピークを有する照射光(図4(a)に示す波長分布特性Aの照射光)を照射する。
この照射光に対し、フィルター81は、可視光波長域の減光された透過光(図4(b)に示す波長分布特性Bの透過光)を透過する。すなわち、フィルター81は、紫外線波長域の光を遮断し、可視光波長域の光を減光して(透過率100%未満の所定の透過率で)透過するフィルターである。
フィルター81は、具体的には、ポリイミドフィルムであり、好適例として、フィルム厚み50μmのカプトン(登録商標)200Vタイプ(東レ・デュポン株式会社製)を複数枚重ねて使用している。
この照射光に対し、フィルター81は、可視光波長域の減光された透過光(図4(b)に示す波長分布特性Bの透過光)を透過する。すなわち、フィルター81は、紫外線波長域の光を遮断し、可視光波長域の光を減光して(透過率100%未満の所定の透過率で)透過するフィルターである。
フィルター81は、具体的には、ポリイミドフィルムであり、好適例として、フィルム厚み50μmのカプトン(登録商標)200Vタイプ(東レ・デュポン株式会社製)を複数枚重ねて使用している。
<光照射器の補正方法>
次に、「光照射器の補正方法」として、減光部80を用い、UV照射器70が有する個々のLED71の照射強度を確認する方法について説明する。
本実施形態による光照射器の補正方法は、減光部80を用い、フィルター81を透過する透過光の強度に基づく、UV照射器70が照射する照射光の強度を補正することにより行う。すなわち、透過光は、可視光波長域の光であり、減光することにより目視確認が可能となるため、LED71の照射強度の判定は目視により行う。
具体的には、目視による異常LED71の検出、目視による照射強度むらの有無の検出、目視によるコンパレーター(比較基準)との比較による良否判定などを行う。
次に、「光照射器の補正方法」として、減光部80を用い、UV照射器70が有する個々のLED71の照射強度を確認する方法について説明する。
本実施形態による光照射器の補正方法は、減光部80を用い、フィルター81を透過する透過光の強度に基づく、UV照射器70が照射する照射光の強度を補正することにより行う。すなわち、透過光は、可視光波長域の光であり、減光することにより目視確認が可能となるため、LED71の照射強度の判定は目視により行う。
具体的には、目視による異常LED71の検出、目視による照射強度むらの有無の検出、目視によるコンパレーター(比較基準)との比較による良否判定などを行う。
図5は、これらの目視判定による光照射器の補正の手順を示すフローチャートである。
まず、判定の準備を行う(ステップS1)。具体的には、UV照射器70が消灯状態であることを確認し、減光部80と共に筐体90の外部に引き出す。このとき、減光部80(フィルター配置部82)に、充分な減光がされるフィルター81がセットされていることを確認する。充分な減光がされるフィルター81とは、UV照射器70の最大照射強度に対して、目視に支障を来さない程度の減光効果が得られるフィルター81であり、予め評価した結果決定した枚数のフィルムが重ねられたフィルター81である。
まず、判定の準備を行う(ステップS1)。具体的には、UV照射器70が消灯状態であることを確認し、減光部80と共に筐体90の外部に引き出す。このとき、減光部80(フィルター配置部82)に、充分な減光がされるフィルター81がセットされていることを確認する。充分な減光がされるフィルター81とは、UV照射器70の最大照射強度に対して、目視に支障を来さない程度の減光効果が得られるフィルター81であり、予め評価した結果決定した枚数のフィルムが重ねられたフィルター81である。
次に、UV照射器70を点灯し、必要に応じ、判定を行うための所望の照射強度に設定する(ステップS2)。判定を行うための所望の照射強度とは、例えば、LED71の良否判定を容易とするために、LED71の異常を顕在化させることができる程度に弱めた、あるいは強めた照射強度である。なお、特に判定時の照射強度を変更する必要が無い場合には、通常の稼動時の照射強度のまま判定を行う。
次に、必要に応じ、フィルター81の選択を行う(ステップS3)。具体的には、例えば、通常の稼動時の照射強度における判定が可能な透過率となるようにフィルター81を構成するフィルムの枚数を減ずる。あるいは、LED71の異常を顕在化させることができる程度に弱めた、あるいは強めた照射強度で判定を行う場合には、それに対応する透過率となるようにフィルター81を構成するフィルムの枚数を減ずる。なお、特に判定時の照射強度を変更する必要が無く、通常の稼動時の照射強度で判定を行う場合には、予め、通常の稼動時の照射強度に対応する透過率となるように構成した枚数のフィルムでフィルター81をセットしておいても良い。
次に、フィルター81を介してUV照射器70の照射光を目視し(つまりは、透過光によりLED71の点灯状況を視認し)判定を行う(ステップS4)。このとき、例えば、消灯しているLED71が有った場合には、図3(b)に示すように、明らかに消灯しているLED71を視認することができる。また、LED71の寿命などにより、その発光強度が低下している場合には、光度のむらとして視認することができる。
判定の結果、異常が認められない場合には、判定を終了する。また、明らかな異常が認められた場合には、対応する保守を行う(ステップS6)。
判定の結果、異常が認められない場合には、判定を終了する。また、明らかな異常が認められた場合には、対応する保守を行う(ステップS6)。
また、良好な状態や通常の状態との差異は認められるが、異常か否かの判定が難しい場合には、予め準備しておいた判定用のコンパレーターとの比較を行う(ステップS5)。コンパレーターとは、判定結果の良否が判定可能な比較基準(比較画像)であり、例えば、良好状態の限界を示す画像である。この画像は、予め、フィルター81を介して撮像した画像として準備しておく。
コンパレーターと、フィルター81を介して目視するLED71の点灯状況とを比較し、良好と認められた場合には、判定を終了する。また、保守が必要と判断された場合には、対応する保守を行う(ステップS6)。
コンパレーターと、フィルター81を介して目視するLED71の点灯状況とを比較し、良好と認められた場合には、判定を終了する。また、保守が必要と判断された場合には、対応する保守を行う(ステップS6)。
また、良好な状態や通常の状態との差異は認められるが、異常か否かの判定が難しい場合の他の補正方法補正方法として、フィルター81を構成するフィルムの枚数を変化させて判定を行う方法がある。例えば、所定の枚数のフィルムを重ねて視認した結果、点灯が確認できないLED71は、所定の照射強度を下回っていると判断する方法である。
なお、目視により確認される透過光の強度は、可視光波長域の光によりもたらされる光度や明度などの心理的物理量であり、本実施形態における判定は、この心理的物理量に基づく、UV照射器70の照射強度、つまりは、紫外線硬化性インクを硬化させるエネルギー量を判定している。従って、判定仕様(例えば、判定を行うための所望の照射強度など)の設定や、コンパレーターの作成に当たっては、その相関関係に基づき、充分な評価を行った上で決定することが望ましい。
ステップS6で行う保守には、例えば、異常と判定されたLED71の交換などの他に、LED71の照射強度の補正作業などが含まれる。
LED71の照射強度の補正は、LED71の発光駆動させる電流を補正することにより行う。例えば、LED71の発光強度が低下した場合には、LED71を発光駆動する電流量を増加させることにより、発光強度を回復することができる。
具体的な、補正の手順としては、まず、前述した判定手順のステップS5において、コンパレーターと比較し、照射強度の補正が必要か否かを判定する。
次に、照射強度が弱い(あるいは強い)と判定された場合には、LED71の制御回路において、該当するLED71の駆動電流を増加させる補正を行う。この補正量の適否は、フィルター81を介して視認されるLED71の発光の状態を確認しながら行う。コンパレーターと比較しながら、良好な状態と確認される範囲まで、駆動電流を補正する。
なお、駆動電流を補正する場合、補正量の許容範囲を予め明確にしておくことが望ましい。この許容範囲を超える補正が必要と判定された場合には、補正を中止し、必要な保守(例えばLED71の交換など)を行う。
次に、照射強度が弱い(あるいは強い)と判定された場合には、LED71の制御回路において、該当するLED71の駆動電流を増加させる補正を行う。この補正量の適否は、フィルター81を介して視認されるLED71の発光の状態を確認しながら行う。コンパレーターと比較しながら、良好な状態と確認される範囲まで、駆動電流を補正する。
なお、駆動電流を補正する場合、補正量の許容範囲を予め明確にしておくことが望ましい。この許容範囲を超える補正が必要と判定された場合には、補正を中止し、必要な保守(例えばLED71の交換など)を行う。
以上述べたように、本実施形態による光照射器の補正方法、および印刷装置によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る光照射器の補正方法によれば、UV照射器70が照射する照射光の照射強度を、所定の波長域において、所定の強度に減光された透過光を用いて判定することができる。また、所定の波長域を可視光波長域とし、所定の強度に減光された透過光を用いて判定することで、UV照射器70が照射する照射光の照射強度を、目視によって簡易的に判定することができるようになる。その結果、高価な計測装置や判定機器、故障検出装置が不要となり、光照射器を備える印刷装置の更なるコストダウンが可能となる。
本実施形態に係る光照射器の補正方法によれば、UV照射器70が照射する照射光の照射強度を、所定の波長域において、所定の強度に減光された透過光を用いて判定することができる。また、所定の波長域を可視光波長域とし、所定の強度に減光された透過光を用いて判定することで、UV照射器70が照射する照射光の照射強度を、目視によって簡易的に判定することができるようになる。その結果、高価な計測装置や判定機器、故障検出装置が不要となり、光照射器を備える印刷装置の更なるコストダウンが可能となる。
また、フィルター81を、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能な樹脂フィルムにより構成することにより、より容易にフィルター81を構成することができる。
また、フィルター81を、複数枚重ねた樹脂フィルムにより構成し、重ねる樹脂フィルムの枚数を変更することにより、透過光の強度を変更することができる。その結果、判定する照射光の強度のレンジを変更することができる。
また、判定結果の良否が判定可能な比較画像(コンパレーター)と、透過光に基づく視認画像(フィルター81を介して目視するLED71の点灯状況)とを比較することにより、判定結果の良否の判定をより容易に行うことができる。
また、本実施形態に係る光照射器の補正方法によれば、UV照射器70が照射する照射光の照射強度を、所定の波長域において、所定の強度に減光された透過光を用いて判定した結果に基づき補正することができる。また、所定の波長域を可視光波長域とし、所定の強度に減光された透過光を用いて判定することで、UV照射器70が照射する照射光の照射強度を、目視によって判定した結果に基づき補正することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置(プリンター100)によれば、減光部80を備えることにより、プリンター100が備えるUV照射器70が照射する照射光の照射強度を、目視によって簡易的に判定することができるようになる。その結果、高価な計測装置や判定機器、故障検出装置が不要となり、光照射器を備える印刷装置の更なるコストダウンが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
実施形態1で説明した光照射器の補正方法、およびプリンター100では、フィルター81を介してUV照射器70の照射光を目視し(つまりは、透過光によりLED71の点灯状況を視認し)判定を行うとして説明したが、必ずしも目視による判定に限定するものではない。例えば、可視光波長域の光を捉える画像処理装置を活用して判定を行う方法であっても良い。
実施形態1で説明した光照射器の補正方法、およびプリンター100では、フィルター81を介してUV照射器70の照射光を目視し(つまりは、透過光によりLED71の点灯状況を視認し)判定を行うとして説明したが、必ずしも目視による判定に限定するものではない。例えば、可視光波長域の光を捉える画像処理装置を活用して判定を行う方法であっても良い。
図6は、変形例1に係るプリンター101の構成を模式的に示す正面図である。
プリンター101は、フィルター81を透過する透過光の強度を判定する判定部34を備えることを特徴としている。判定部34は、UV照射器70の+X側において、UV照射器70との間に減光部80を挟む位置に設置されている。その他の構成は、プリンター100と同じである。
プリンター101は、フィルター81を透過する透過光の強度を判定する判定部34を備えることを特徴としている。判定部34は、UV照射器70の+X側において、UV照射器70との間に減光部80を挟む位置に設置されている。その他の構成は、プリンター100と同じである。
判定部34は、撮像素子を有するカメラおよび画像処理部(図示省略)を備え、フィルター81を介して透過する透過光に基づく画像を画像データとして取り込むことができる。つまり、フィルター81を介して目視できるLED71のアレイの発光状況を、画像データとして取り込むことができる。画像処理部は、取り込んだ画像データを解析することにより、異常LED71の検出や照射強度むらなどを検出することができる。
また、判定部34は、コンパレーターデータとして、LED71のアレイの良好状態の限界を示す画像データを予め備えている。取り込んだ画像データの解析に当たっては、取り込んだ画像データと、このコンパレーターデータとを比較演算することで、より容易にLED71の良否判定を行うことができる。
本変形例に係る印刷装置(プリンター101)によれば、判定部34を備えることにより、画像処理によって判定が可能となるため、より簡便にUV照射器70の照射強度の判定を行うことができる。また、判定部34が備える撮像素子は、可視光波長域の光による画像を捉えることができれば良いため、安価な撮像素子を用いることができる。その結果、高価な計測装置や判定機器、故障検出装置が不要となり、光照射器を備える印刷装置の更なるコストダウンが可能となる。
(変形例2)
実施形態1で説明した光照射器の補正方法では、フィルター81の選択を行うステップS3において、複数枚のフィルムを重ねて構成したフィルター81から、フィルター81の透過率が適切な透過率となるようにフィルムの枚数を減ずるとして説明したが、この方法に限定するものではない。予め、透過率の異なる複数のフィルター81を準備しておき、この複数のフィルター81の中から選択して使用する方法であっても良い。透過率の異なる複数のフィルター81は、透過率の異なるフィルムを用いて予め構成しておく。透過率の異なるフィルムは、例えば、厚みの異なる同一のフィルムで構成することができる。
実施形態1で説明した光照射器の補正方法では、フィルター81の選択を行うステップS3において、複数枚のフィルムを重ねて構成したフィルター81から、フィルター81の透過率が適切な透過率となるようにフィルムの枚数を減ずるとして説明したが、この方法に限定するものではない。予め、透過率の異なる複数のフィルター81を準備しておき、この複数のフィルター81の中から選択して使用する方法であっても良い。透過率の異なる複数のフィルター81は、透過率の異なるフィルムを用いて予め構成しておく。透過率の異なるフィルムは、例えば、厚みの異なる同一のフィルムで構成することができる。
本変形例によれば、透過率の異なるフィルター81(フィルム)を使用することにより、透過光の強度を変更することができる。その結果、判定する照射光の強度のレンジを変更することができる。また、フィルター81を交換するだけで良く、枚数を数えたりする必要が無いため、より作業が容易となる。
1…ロール紙、10…印刷部、11…インクジェットヘッド、12…仮乾燥機、20…前処理部、30…乾燥部、31…ステー、34…判定部、40…供給部、41…繰出しリール、50…巻取り部、51…巻取りリール、60…搬送路、61…駆動ローラー、62,63…従動ローラー、70…UV照射器、71…LED、80…減光部、81…フィルター、82…フィルター配置部、83…ガラス板、84…収納枠、90…筐体、100,101…プリンター。
Claims (7)
- 光照射器が照射する照射光を遮る遮光位置に設けられ、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能なフィルターに前記照射光を照射する、照射工程と、
前記フィルターを透過する透過光の強度に基づく指示に応じて、前記照射光の強度を補正する、補正工程と、
を備えることを特徴とする光照射器の補正方法。 - 前記所定の波長域を可視光波長域とすることを特徴とする請求項1に記載の光照射器の補正方法。
- 前記フィルターを、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能な樹脂フィルムにより構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光照射器の補正方法。
- 前記フィルターを、複数枚重ねた前記樹脂フィルムにより構成し、
重ねる前記樹脂フィルムの枚数を変更することにより、前記透過光の強度を変更することを特徴とする請求項3に記載の光照射器の補正方法。 - 前記フィルターを、透過率の異なる複数の前記樹脂フィルムの中から選択して構成することにより、前記透過光の強度を変更することを特徴とする請求項3に記載の光照射器の補正方法。
- 前記指示が判定可能な比較画像と、前記透過光に基づく画像とを比較する比較工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光照射器の補正方法。
- 印刷媒体に付与された光硬化性インクに照射光を照射可能な光照射器と、
前記光照射器が照射する前記照射光を遮る遮光位置に設けられ、所定の波長域の光が所定の透過率で透過可能なフィルターと、
前記フィルターを透過する透過光の強度に基づく指示に応じて、前記照射光の強度を補正する制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015001356A JP2016124244A (ja) | 2015-01-07 | 2015-01-07 | 光照射器の補正方法、および印刷装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7447556B2 (ja) | 2020-03-05 | 2024-03-12 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム |
-
2015
- 2015-01-07 JP JP2015001356A patent/JP2016124244A/ja active Pending
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