以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
<スロットマシンの構成>
図1は、遊技機の一例となるスロットマシンを示す正面図である。
図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、スロットマシン(以下、S台と略称する)2Sが併設されている。
S台2Sの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓10から見えるように配置されている。
図2は、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を示す図である。リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓10において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転する。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓10に連続的に変化しつつ表示される。また、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓10に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED(図示せず)と、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
透視窓10よりも下方の所定位置からは奥から手前側へと緩やかに傾斜する傾斜面14が形成され、そこからさらに手前側に張り出すように操作部9が形成されている。操作部9の上面には1BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、メダル点使用スイッチ12、コイン投入口13が設けられ、操作部9の手前側側面にはスタートスイッチ7(スタートレバー)、ストップスイッチ8L,8C,8R、および貸出スイッチ321、持点スイッチ324、再プレイスイッチ319、クレジット精算スイッチ11a、メダル点精算スイッチ11bが設けられている。コイン投入口13は、遊技者がここから後述するコインを投入するものであり、投入指示表示部(図示せず)が点灯しているときにコインの投入がコイン認識基板331(図3参照)によって検出されると、コインに記録されている残高や持点が特定され貸出スイッチ321、持点スイッチ324などの操作が可能となる。
傾斜面14には第1表示器54が取り付けられている。この第1表示器54の表示面は正面から見て奥行き方向に傾斜しており、その奥行き方向を有効活用して、画面サイズが大きい第1表示器54を取付けられるように工夫されている。また、画面が傾斜しているため、遊技者がその画面を見易くなるという効果も奏される。第1表示器54はタッチパネル式の液晶表示装置である。第1表示器54の表示画面には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネル(図示省略)が設けられている。第1表示器54には、ゲームにおいて設定されたメダル点の賭数、入賞発生時に獲得したメダル点である獲得点数、その他の各種の情報が表示される。
操作部9の下方には、第2表示器55が設けられている。第2表示器55も第1表示器54と同様にタッチパネル式の液晶表示装置が採用されている。メダルを用いて遊技が行なわれるメダル払出し方式のスロットマシンの場合には、第2表示器55に対応する箇所にその機種のキャラクタなどのデザインが施された前面パネルが取り付けられている。第2表示器55には、そのような前面パネルに表示されるキャラクタなどの他、その機種の入賞役の説明、ゲーム方法、あるいは攻略情報など、様々な情報が表示される。
S台2Sは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターコイン(一般コインとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員コインをコイン投入口13に投入することで受付ける。ビジターコインや会員コインはICが埋め込まれたコイン型のカードで構成されている。コイン投入口13に投入された会員コインやビジターコインがリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのコインに記録されている情報を、リーダライタを介してコイン認識基板331(図3参照)が読取る。コインの記録情報には、コインID、店舗ID、コイン鍵、遊技台IDおよび制御基板鍵が含まれる。ここで、コインIDは、コインIDを識別するための識別情報であり、1つのコインに1つのIDが付与される。店舗ID(統一店舗コード)は、コインを使用することができる店舗を特定するための識別情報であり、1つの店舗を示すIDでも、店舗グループを示すIDでもよい。コイン鍵は、貸出されるコインおよびS台2S間での通信の認証に用いられる暗証鍵である。遊技台IDは、店舗に設置された遊技台を識別するための識別情報であり、1つの遊技台には1つのIDが付与される。制御基板鍵は、主制御基板16と払出制御基板17との通信の認証に用いられる認証鍵である。遊技者が、コインを使用してS台2Sで遊技を行う場合、貸出されたコインを図1に示すコイン投入口13に投入する。コイン投入口13にコインが投入されると、S台2Sがコインを受け付け、コイン認識基板331(セキュリティ基板335)はコイン鍵に基づいてS台2Sとコインとの間の通信の認証を行う。S台2Sとコインとの間の通信の認証が成功すると、コイン認識基板331が読取ったコインの記録情報(コインID、店舗ID、コイン鍵、遊技台ID、制御基板鍵、残高、持点など)を、払出制御部171のRAMに記憶する。なお、払出制御部171は、コイン認識基板331が読取ったコインIDおよび制御基板鍵を遊技終了まで記憶する。逆に、コイン認識基板331は、投入されているコインに書込むデータ(更新後の残高、更新後の持点など)が払出制御部171から伝送されたときに、そのデータを、リーダライタを介して投入されているコインに書込む。なお、本実施の形態では、コイン投入口13にコインを投入する例を説明したが、コイン投入口13に代えてカード挿入口とし、当該カード挿入口にICが埋め込まれた長方形型のカードを挿入する構成などでもよい。
コインを受け付けたS台2Sは、コインの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえば残高、持点、あるいは貯メダル等)を“メダル点”に変換する機能を有する。具体的に、払出制御部171は、コインから読出した残高の全部または一部を所定の交換レートでメダル点に変換しRAMに記憶する。コインから読出した遊技価値が持点、あるいは貯メダルの場合、読出した持点、あるいは貯メダルをメダル点として払出制御部171のRAMに記憶する。つまり、コインから読出した持点をメダル点とする場合、コインから読出した持点をS台2Sで記憶する点数と読み替えたに過ぎない。S台2Sでは、メダル点から変換されたクレジットを用いてゲームが行なわれる。ただし、S台2Sでは、クレジットがなく賭数も設定されていない場合、メダル点を用いて直接賭数が設定されゲームが行なわれる。また、メダル点からクレジットへの変換は、単にメダル点の点数をクレジットの点数として記憶する場合も含まれる。
本実施の形態では、メダル払出し方式ではなく得点付与式を採用することによって不要となったメダル払出関連の構造部分のスペースを有効活用し、前面パネル部分に第2表示器55を設け、ただし、第2表示器55は、図示した位置以外の任意の箇所に設けてもよい。たとえば、第2表示器55を上方のスピーカ52、53の間に設けてもよい。ここで、メダル払出し方式のスロットマシンとは、従来からあるスロットマシンで、物理的に存在するメダルをスロットマシンに投入して賭数を設定し、入賞発生時にメダルが払出される遊技機である。そのため、メダル払出し方式のスロットマシンの場合には、筐体内部にメダルを払い出すためのホッパーが設ける必要がある。一方、得点付与式のスロットマシンとは、物理的に存在するメダルに代えて仮想的なメダル点を用いて賭数を設定し、入賞発生時にメダル点が加算される遊技機である。そのため、メダルを払い出さない得点付与式のS台2Sは、ホッパーが不要であり、また、前面側にメダル投入口やメダル払出し口を設ける必要もない。それゆえ、メダル投入口からホッパー、あるいはホッパーからメダル払出し口へとメダルを案内するための流路構造を設ける必要もない。
操作部9に設けられた各種の操作手段について説明する。1枚BETスイッチ5は、メダル1枚分に相当する「クレジット=1」を用いて賭数を設定する際に操作されるスイッチである。MAXBETスイッチ6は、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「クレジット=3」、ボーナスにおいては「クレジット=2」)を設定する際に操作されるスイッチである。
スタートスイッチ7は、賭数設定後にリールを回転開始させるためのスイッチである。ストップスイッチ8L、8C、8Rは、回転中のリールを停止操作するためのスイッチであり、8Lが左、8Cが中、8Rが右のそれぞれのリールに対応する。
メダル点使用スイッチ12は、メダル点を使用する際に操作されるスイッチである。クレジット精算スイッチ11aは、クレジットを計数してメダル点に変換する際に操作されるスイッチである。メダル点精算スイッチ11bは、メダル点を計数して持点に変換する際に操作されるスイッチである。なお、払出制御部171のRAMに記憶されている持点が更新される度に、投入されたコインの記録も更新される。しかしながら、これに代えてメダル点を計数して持点に変換した場合に、払出制御部171のRAMに記憶されている持点が更新されるだけで投入されたコインに記録されず、後述する返却スイッチ322が押下されたときに投入されたコインに記録されてもよい。
操作部9の手前側側面には、さらに、貸出スイッチ321と返却スイッチ322とが設けられている。貸出スイッチ321は、投入されたコインに記録されている残高を引落としてメダル点を得るための操作(メダル点への変換操作)を行なうスイッチである。返却スイッチ322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、投入されているコインに遊技終了時の確定した持点数(コイン投入時の持点数−持点からメダル点(遊技点)への変換数+精算操作によって計数された点数)を記憶させて排出するための操作スイッチである。返却スイッチ322の操作により、投入されているコインをコイン投入口13から排出してもよいが、S台2Sの下部に設けた返却口(図示せず)から投入されているコインを排出してもよい。
持点スイッチ324を操作した場合、投入されたコインに記録されている持点数の一部または全部が引落とされてメダル点に変換される。なお、コイン投入時に、コインに記録されている持点数の一部または全部を自動的にメダル点に変換してもよい。
再プレイスイッチ319を操作した場合、ホール用管理コンピュータ等に記録されている貯メダルの一部が引落とされてメダル点に変換される。
ここで、「メダル点」とは、賭数設定に使用可能であるとともに、「クレジット」および「持点」に変換可能なデータである。「メダル点」は、コインの残高、持点、あるいは貯メダルを引落とすことと引き換えにして生成される。
「持点」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となったメダル点数を計数変換したものである。この「持点」は、遊技者のコインによって特定可能に記録される。なお、持点数を遊技場に設定された持点数管理用の管理装置で管理してもよい。
「貯メダル」とは、遊技場に預入れられた持点である。遊技者が遊技で獲得した持点は、当日中は持点として管理されるが、獲得した翌日以降は「貯メダル」として管理される。すなわち、遊技場において当日遊技者が獲得して計数したメダル点数を「持点」と言い、前日以前に遊技者が獲得して遊技場に預入れられた持点を「貯メダル」と言う。この「貯メダル」は、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
以上の「残高」、「貯メダル」、「持点」、「メダル点」、「クレジット」の各データの変換可能方向を矢印で表すと、「『残高、貯メダル、持点』→『メダル点』→『クレジット』→『メダル点』→『持点』→『貯メダル』」となる。このため、たとえば、「残高、貯メダル、持点」と「クレジット」との間での直接変換はできない。なお、「クレジット」を設けずに、「メダル点」から直接、賭数設定を行う構成であってもよい。
本実施形態では、貯メダルデータは会員コインに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の上位サーバに会員コイン番号と対応付けて記憶させ、会員コイン番号に基づいて対応する貯メダルを検索できるように構成されている。一方、持点は、コインに直接記録している。
しかし、両者ともに上位サーバにコイン番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターコインの場合も、持点は、ビジターコインに直接記録している。しかし、持点を上位サーバにコイン番号と対応させて記憶させてもよい。この上位サーバにコイン番号と対応させて記憶させる際に、上位サーバに記憶させた時刻を特定できるデータをコイン(会員コイン、ビジターコイン)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはコイン(会員コイン、ビジターコイン)に直接書込んで排出する。しかし、プリペイド残高についてもコインに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の上位サーバに会員コイン番号と対応付けて記憶させてもよい。この場合、プリペイド残高は、コインの会員コイン番号に基づいて特定される。
なお、持点を、コイン(会員コイン、ビジターコイン)、または上位サーバに記憶させるタイミングは、たとえば、メダル点精算スイッチ11bが操作されて計数処理が行なわれるタイミングである。しかしながら、これに代えて、コインを返却するときに一括して記録させるようにしてもよい。なお、コインは、使用できる店舗または店舗グループに限定してもよい。例えば、コインに使用可能な鍵情報(統一店舗コードなど)を記憶させておき、当該コインをS台2Sに投入するとS台2Sに予め記憶してある鍵情報(統一店舗コードなど)と一致するか否か、または所定の関係(同じ店舗グループなど)であるか否かを判断して遊技可能にするようにしてもよい。
以上、説明したように、本実施の形態に係るS台2Sによれば、コインで特定される持点を用いてメダル点が付与され、そのメダル点をクレジットに変換し、さらにはクレジットを用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを投入してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行なわれるような旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルを用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
次に、S台2Sにおけるゲームの流れについて説明する。S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、コイン投入口13に投入したコイン(会員コイン、ビジターコイン)からメダル点を確保する。貸出スイッチ321または持点スイッチ324を操作してメダル点を確保する操作は、メダル払出し方式のスロットマシンにおいて、現実のメダルの貸出を受けることに対応する操作である。つまり、メダル払出し方式のスロットマシンにおいて貸し出される現実のメダルが、本実施の形態におけるメダル点に対応する。
メダル点を用いて賭数を設定するためには、メダル点使用スイッチ12を1回押圧する。すると主制御部161は、賭数を1追加し、メダル点を1減算させる。賭数が上限に達してからさらにメダル点使用スイッチ12を操作すると、操作の度にメダル点が1減算されてクレジットが1加算される。
本実施の形態では、メダル点およびクレジットの上限が定められており、メダル点は10万点まで、クレジットは50点までそれぞれ保持可能で、クレジット数が50に達してからメダル点使用スイッチ12を押してもクレジット数およびメダル点は変化しない。なお、クレジットの上限を50としてあるのは、旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく遊技を行えるようにするためであり、クレジットの上限を設けなくてもよい。
クレジットが存在する状態で1BETスイッチ5を操作すると賭数が1追加されてクレジットが1減算される。また、クレジットが存在する状態でMAXBETスイッチ6を操作すると、クレジットの範囲で賭数が最大数になるように追加設定され、クレジットがその追加設定分だけ減算される。
賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5のうち賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ここで、入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓10に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。なお、入賞ラインは、L1〜L5に示すラインに限らず、他のラインであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止することで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。
入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた点数が遊技者に対して付与される。この点数は、クレジットが上限値に達するまではクレジットに加算される。クレジットが上限値に達して以降は、メダル点に加算される。本実施の形態では、そのような態様で点数の加算動作を行なうため、上限値に達するまでクレジット加算してそれ以降はメダルを払い出すメダル払出し式のスロットマシンの動作に対応する動作を実現できる。
クレジットは、クレジット精算スイッチ11aを操作することによって、その一部または全部を計数し、メダル点に変換することができる。メダル点に変換することによって、メダル点の一部を他の遊技者に分け与えるようなメダル点共有処理や、メダル点をジュースなどと交換できるワゴンサービスを受けることが可能となる。
クレジット精算スイッチ11aを長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全クレジットが計数されてメダル点に変換される。一方、クレジット精算スイッチ11aを長押し操作検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作でクレジット1点のみが計数されてメダル点1点に変換される。なお、短押し操作1回で2点あるいはそれ以上の複数点が計数されるようにしてもよい。
メダル点は、メダル点精算スイッチ11bを操作することによって、その一部または全部を計数し、持点に変換することができる。持点に変換することによって、遊技終了時にはその持点をコイン(会員コイン、ビジターコイン)に記録することが可能となる。
メダル点精算スイッチ11bを長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全メダル点が計数されて持点に変換される。一方、メダル点精算スイッチ11bを長押し操作の検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作でメダル点1点のみが計数されて持点1点に変換される。なお、短押し操作1回で2点あるいはそれ以上の複数点が計数されるようにしてもよい。
<スロットマシンとホールサーバおよび機歴管理センタとの関係>
図3は、S台2Sとホールサーバ801および機歴管理センタ800AFとの構成を示すブロック図である。図3を参照して、S台2Sの制御回路の概略を説明する。
S台2Sには、S台2Sの遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、メダル点およびクレジットを記憶する払出制御基板17と、受付けたコインから残高および持点を読出し、メダル点に変換するコイン認識基板331と、第1表示器54と、第2表示器55と、各種操作スイッチと、各リール4L,4C,4Rを駆動するためのリールモータ32L,32C,32Rと、各リール4L,4C,4Rの停止位置を特定するためのリールセンサ33L,33C,33Rと、スピーカ52、53となどが設けられている。
第1表示器54、第2表示器55は、ともにS台2Sに設けた表示制御部(図示せず)により表示される。
主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
主制御部161には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、リールセンサ33L,33C,33R、および設定スイッチ56の検出信号が入力される。
さらに、主制御部161には、メダル点使用スイッチ12と、クレジット精算スイッチ11aと、メダル点精算スイッチ11bとが接続されている。主制御部161には、これらのメダル点使用スイッチ12、クレジット精算スイッチ11a、およびメダル点精算スイッチ11bの検出信号が入力される。主制御部161は、これらの検出信号を払出制御部171へ送信する。
設定スイッチ56は、係員が鍵を用いてS台2Sの前面扉を開けないと操作できないよう、S台2Sの内部に設けられている。この設定スイッチ56を操作することによって、ビッグボーナス後の自動精算の有無、ビッグボーナス後の打止の有無を設定できる。
ビッグボーナス後の自動精算とは、ビッグボーナスが終了した際に自動的に全クレジットをメダル点に計数変換の上、さらには自動的に全メダル点を持点に計数変換する機能である。打止機能との相違は、自動精算後、再び同じ遊技者が遊技を行なうことが許容されている点である。再度遊技を行ないたい遊技者は、持点を引き落とすなどしてメダル点を入手すればよい。このような自動精算機能をONにすることによって、遊技者に対して遊技の一区切りを示し、その台での遊技を終える契機を遊技者に与えることができる。
ビッグボーナス後の打止とは、ビッグボーナスが終了した後に、その台を遊技ができない遊技禁止状態にすることである。本実施の形態では、ビッグボーナス終了後の自動精算が終わり、遊技者のコインを排出した後、打止状態となる。この打止機能をONにすることによって、ビッグボーナス終了後に遊技者が同じ台で続けて遊技することを禁止できる。
打止状態の解除は、設定スイッチ56の操作により行なうことが可能である。係員がS台2Sの設定スイッチ56の操作により打止の解除操作をすると、その信号が主制御部161に入力される。すると、主制御部161は、打止状態(遊技禁止状態)を解除するとともに、解除を通知する信号を払出制御部171へ送信する。払出制御部171はこれを受けて、再度コインを受付可能となる。なお、打止状態の解除操作を行なうための解除操作スイッチを別個にS台2Sに設けてもよい。
主制御部161は、スタートスイッチ7より検出信号が入力されると、リールモータ32L,32C,32Rを回転駆動させるとともに、入賞役の抽選を行なう。
入賞役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
主制御部161は、入賞役の抽選をし、リールを回転駆動させた後、遊技者によるリールの停止操作を待つ。主制御部161は、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転を停止させる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計で5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に引込んで停止表示させることができる。このようなリールの制御を引込み制御と称する。
このように主制御部161は、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御部161は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた点数をクレジットまたはメダル点として遊技者に付与する。
主制御部161は、メダル点の加算時に、スピーカ52、53からメダルの払出音を出力する。さらに、メダル点使用スイッチ12が操作されてメダル点が減算される時にはスピーカ52、53からメダルの投入音を出力する。また、主制御部161は、メダル点精算スイッチ11bが操作されてメダル点が計数される際には、スピーカ52、53からメダルの精算音(計数音)を出力する。これらの払出し音、投入音、および精算音は、たとえば、メダル点1点の変動に対して1つの音が出力されるものである。これにより、点数というデータを用いながらも、あたかもメダルの投入・払出し・精算が行なわれているような感覚を遊技者に与えることができる。
払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
払出制御部171には、コイン認識基板331と、再プレイスイッチ319と、貸出スイッチ321と、返却スイッチ322と、持点スイッチ324とが接続されている。払出制御部171は、コイン認識基板331を制御して投入されたコインから記録情報を読出したり、コインに情報を書込ませたりする。
払出制御部171にはメダル点とクレジットとが記憶されており、さらには、メダル点の精算に伴う持点の加算数も記憶されている。主制御部161から払出制御部171へは1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6、メダル点使用スイッチ12、クレジット精算スイッチ11a、メダル点精算スイッチ11b、再プレイスイッチ319、貸出スイッチ321、返却スイッチ322、持点スイッチ324などの操作手段の操作を示す情報などが送信される。さらに、主制御部161から払出制御部171へは遊技状態(リール回転開始、リール停止、入賞発生、ビッグボーナス終了など)を示す情報も送信される。
払出制御部171は、主制御部161を介してメダル点使用スイッチ12から入力される検出信号に基づいて、メダル点を減算しクレジット数を加算する、またはメダル点を減算し主制御部161へ賭数設定を指示する情報を送信する。払出制御部171は、主制御部161を介してクレジット精算スイッチ11aから入力される検出信号に基づいて、クレジットを減算し、メダル点を加算する。払出制御部171は、主制御部161を介してメダル点精算スイッチ11bから入力される検出信号に基づいて、メダル点を減算し、その分を持点に加算する。
コイン認識基板331には、受付けたコインとS台2S(特に、コイン認識基板331)との通信の認証を制御するためのセキュリティ基板335が設けられている。セキュリティ基板335には、受付けたコインとS台2Sとの通信を制御する通信制御IC(図示せず)と、S台2Sのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)(図示せず)とが設けられている。
S台2Sには、ホールサーバ801および機歴管理センタ800AFと通信を行なうための外部接続端子332が設けられている。外部接続端子332は、通信制御装置であるT−BOX(ターミナルボックス)400を介して、ホールに設置されたホールサーバ801やホール外部の機歴管理センタ800AFと通信を行う。
T−BOX400と機歴管理センタ800AFとは、インターネットを介して接続されている。機歴管理センタ800AFは、後述するようにコイン貸出機333やS台2Sの各種情報を登録し、これらの出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)を管理するための装置である。なお、T−BOX400には、機種関連情報を記憶させ、払出制御基板17から受信した遊技者の各種の遊技データを収集する管理サーバ(図示せず)を接続してもよい。なお、機歴管理センタ800AFやホールサーバ801は、管理サーバの機能を含むように構成されていてもよい。
主制御部161は、貸出操作に伴う残高の使用額を特定可能な残高使用情報を管理サーバへ送信してもよい。主制御部161は、持点使用操作に伴う持点の使用数を特定可能な持点使用情報を管理サーバへ送信してもよい。主制御部161は、貯メダル使用操作に伴う貯メダルの使用数を特定可能な貯メダル使用情報を管理サーバへ送信してもよい。
<コイン貸出機を含む遊技用システム>
遊技者にコインを貸出すコイン貸出機333の登録、S台2Sの登録を含み、遊技者がコイン貸出機333から貸出されたコインを用いて、S台2Sで遊技が可能になるまでの流れについて説明する。
図4は、遊技者がコイン貸出機333で払い出されたコインを用いて、S台2Sでの遊技が可能になるまでの流れを説明するための図である。ここで、機歴管理センタ800AFは、コイン貸出機333やS台2Sの各種情報を登録し、これらの出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)を管理するための装置である。
図4を参照して、コイン貸出機メーカは、製造したコイン貸出機333の貸出機IDと、コイン鍵とを機歴管理センタ800AFに送信して、コイン貸出機333の登録を行う(図4中の(1))。コイン鍵は、このコイン貸出機333から貸出されるコインおよびS台2S間での通信の認証に用いられる暗証鍵である。貸出機IDは、コイン貸出機メーカで製造されたコイン貸出機333の個々を識別するための情報である。また、コイン貸出機メーカは、コイン貸出機333の登録を行うタイミングまたは別のタイミング(例えば、コイン貸出機333を出荷するタイミングなど)で、当該コイン貸出機333を設置する店舗を機歴管理センタ800AFに登録する。このとき、コイン貸出機メーカは、設置を希望する店舗の店舗名などの情報を機歴管理センタ800AFに通知する。
機歴管理センタ800AFは、予め記憶されている店舗IDに対応する複数の店舗の中から貸出機メーカから通知された店舗(コイン貸出機333が設置される店舗)を特定する。機歴管理センタ800AFは、コイン貸出機333の貸出機IDと、コイン貸出機333が設置される店舗の店舗IDと、コイン鍵とを関連付けて貸出機記憶領域850に記憶する。
機歴管理センタ800AFは、登録を受け付けたコイン貸出機333が設置される店舗の店舗IDをコイン貸出機メーカに通知する(図4中の(2))。貸出機メーカは、出荷前のコイン貸出機333に、貸出機IDと、コイン鍵と、機歴管理センタ800AFから通知された店舗IDとを記憶する。具体的には、これらの情報はコイン貸出機333の記憶領域3300に記憶される。貸出機メーカは、店舗IDに対応する店舗(ホール)にコイン貸出機333を出荷する(図4中の(3))。
また、遊技台メーカは、製造したS台2Sの遊技台チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を機歴管理センタ800AFに送信して、S台2Sの登録を行う(図4中の(4))。機歴管理センタ800AFは、S台2Sの遊技台チップ情報を受信すると、当該S台2Sを識別するための遊技台IDと、当該S台2Sの主制御基板16および払出制御基板17の通信の認証に用いられる制御基板鍵とを生成する。機歴管理センタ800AFは、受信した遊技台チップ情報と、遊技台IDと、制御基板鍵とを関連付けて遊技台記憶領域860に記憶する。そして、機歴管理センタ800AFは、遊技台IDおよび制御基板鍵を遊技台メーカに送信する(図4中の(5))。遊技台IDおよび制御基板鍵は、S台2Sの主制御基板16(のRAM)に記憶される。
また、遊技台メーカは、機歴管理センタ800AFに対して、S台2Sのコイン認識基板331に搭載されるセキュリティ基板335の登録を行う。具体的に、遊技台メーカは、セキュリティ基板335を搭載するS台2Sの遊技台チップ情報と、セキュリティ基板(SC基板)IDとを送信して、セキュリティ基板335の登録を行う(図4中の(6))。また、遊技台メーカは、セキュリティ基板335の登録を行うタイミングまたは別のタイミング(例えば、S台2Sを出荷するタイミングなど)で、当該セキュリティ基板335が搭載されるS台2Sの設置を希望する店舗の店舗名などを機歴管理センタ800AFに通知して、設置を希望する店舗を登録する。
機歴管理センタ800AFは、貸出機記憶領域850を参照して、設置希望の要求を受けた店舗の店舗IDに関連付けられたコイン鍵を特定する。すなわち、機歴管理センタ800AFは、要求を受けた店舗に設置されているコイン貸出機333から貸出されるコインのコイン鍵を特定する。また、機歴管理センタ800AFは、遊技台記憶領域860を参照して、遊技台メーカから受信したS台2Sの遊技台チップ情報に関連付けられている遊技台IDを特定する。機歴管理センタ800AFは、受信したSC基板IDと、特定した遊技台IDと、要求を受けた店舗の店舗IDと、特定したコイン鍵とを関連付けてSC基板記憶領域870に記憶する。そして、機歴管理センタ800AFは、遊技台ID、店舗IDおよびコイン鍵を遊技台メーカに送信する(図4中の(7))。遊技台ID、店舗IDおよびコイン鍵は、セキュリティ基板335(のRAM)に記憶される。
遊技台メーカは、図4中の(5)において機歴管理センタ800AFから送信された遊技台IDおよび制御基板鍵を主制御基板16に記憶させ、図4中の(7)において機歴管理センタ800AFから送信された遊技台ID、店舗IDおよびコイン鍵を、セキュリティ基板335(のRAM)に記憶させる。そして、遊技台メーカは、S台2Sを店舗に出荷する(図4中の(8))。
S台2Sでは、店舗に設置され電源が投入されると、遊技台IDを用いて主制御基板16とセキュリティ基板335との間で相互認証が行われる(図4中の(9))。具体的には、主制御基板16のRAMに記憶された遊技台IDと、セキュリティ基板335のRAMに記憶された遊技台IDとが一致するか否かを判断する。遊技台IDが一致する場合には認証成功となり、主制御基板16とセキュリティ基板335とのやり取りが可能となる。
次に、機歴管理センタ800AFは、店舗のホールサーバ801に対して、店舗IDに基づいて、当該店舗に設置されるコイン貸出機333から貸出されるコインのコイン鍵、当該店舗に設置される全てのS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵を通知する(図4中の(10))。ホールサーバ801はこれらの情報をRAMに記憶する。
ホールサーバ801は、店舗に設置される全てのS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵と、コイン鍵とをコイン貸出機333に通知する(図4中の(11))。コイン貸出機333は、店舗に設置される全てのS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵をRAM(記憶領域3310)に記憶する。また、コイン貸出機333は、出荷時に記憶されているコイン鍵を、ホールサーバ801から通知されたコイン鍵に更新する。なお、コイン貸出機333は、ホールサーバ801から、遊技台ID、制御基板鍵およびコイン鍵の通知を受ける度に、これらの情報を更新する。
また、ホールサーバ801は、S台2Sの遊技台IDに関連付けられた制御基板鍵と、コイン鍵とをS台2Sに通知する(図4中の(12))。制御基板鍵はS台2Sの主制御基板16のRAMに記憶され、コイン鍵はセキュリティ基板335のRAMに記憶される。具体的には、S台2Sの出荷時に主制御基板16のRAMに記憶されていた制御基板鍵は、ホールサーバ801から通知された制御基板鍵に更新される。また、出荷時にセキュリティ基板335のRAMに記憶されていたコイン鍵は、ホールサーバ801から通知されたコイン鍵に更新される。
次に、コイン貸出機333のコインの貸出し動作について説明する。なお、コイン貸出機333は、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員コインの挿入、会員コインやビジターコインを排出するためのコイン挿入/排出口、真贋や紙幣種別の識別を行なう貨幣識別器の機能を有する。
コイン貸出機333は、遊技者により紙幣が挿入されると、紙幣の真贋および種類が識別されて入金金額をコインに書込む。また、コイン貸出機333は、記憶領域3300に記憶された店舗IDおよびコイン鍵と、記憶領域3310に記憶された遊技台IDおよび制御基板鍵とをコインに書込む。典型的には、コイン貸出機333は、店舗に設置されている全てのS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵をコインに書き込むが、これに限られない。たとえば、所定数のS台2Sにのみ、コイン貸出機333から貸出されるコインを使用できるような場合(例えば、1メダルが20円のS台2Sに限定する場合)には、当該所定数のS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵をコインに書き込んでもよい。また、店舗に設置されている全てのS台2Sには、店舗が保有しているが稼働させていないS台2Sを含めても、実際に稼働しているS台2Sに限定して店舗が単に保有しているS台2Sを含めなくてもよい。そして、コイン貸出機333は、上記の各種情報が書き込まれたコインをコイン挿入/排出口から排出する(図4中の(13))。
なお、記憶領域3300は、店舗ID自体を記憶しても、たとえば、店舗IDに関連付けられた固有番号などを記憶してもよい。つまり、記憶領域3300は、店舗IDを特定可能な情報を記憶していればよい。たとえば、店舗IDは、ホール用管理コンピュータ等の上位サーバに当該情報と対応付けて記憶されている。そして、店舗IDは、当該情報に基づいて特定される。なお、同様に、記憶領域3300は、コイン鍵自体を記憶しても、たとえば、コイン鍵に関連付けられた固有番号などを記憶してもよい。つまり、記憶領域3300は、コイン鍵を特定可能な情報を記憶していればよい。
また、記憶領域3310は、複数のS台2Sの遊技台ID自体を記憶しても、たとえば、複数の遊技台IDにそれぞれ関連付けられた固有番号群などを記憶してもよい。つまり、記憶領域3310は、複数の遊技台IDを特定可能な情報群を記憶していればよい。たとえば、複数のS台2Sの遊技台IDは、ホール用管理コンピュータ等の上位サーバに当該情報群と対応付けて記憶されている。そして、複数の遊技台IDは、当該情報群に基づいて特定される。なお、同様に、記憶領域3300は、複数の制御基板鍵自体を記憶しても、たとえば、複数の制御基板鍵に関連付けられた固有番号群などを記憶してもよい。つまり、記憶領域3310は、複数の制御基板鍵を特定可能な情報群を記憶していればよい。
遊技者が、コイン貸出機333で貸出されたコインを使用してS台2Sで遊技を行う場合、貸出されたコインを図1に示すコイン投入口13に投入する。コイン投入口13にコインが投入されると、S台2Sがコインを受け付け、コイン認識基板331(セキュリティ基板335)により、S台2Sとコインとの間の通信の認証が行われる(図4中の(14))。具体的には、セキュリティ基板335のCPUは、RAMに記憶されたコイン鍵と、受け付けたコインに記憶されたコイン鍵とに基づいて認証可能な場合に、S台2Sとコインとの通信を許可する。
図5は、S台2Sとコインとの通信認証処理を説明するためのフローチャートである。図5を参照して、セキュリティ基板335は、リーダライタを介してコインが投入されたか否かを判断する(ステップS500)。コインが投入されていない場合には(ステップS500においてNO)、セキュリティ基板335はステップS500の処理を繰り返す。一方、コインが投入された場合には(ステップS500においてYES)、セキュリティ基板335はコイン鍵を用いたS台2Sとコインとの通信認証処理を開始する(ステップS502)。
セキュリティ基板335は、自身のRAMに記憶されたコイン鍵と、受け付けたコインに記憶されたコイン鍵とに基づいて認証結果が正常か否かを判断する(ステップS504)。具体的には、セキュリティ基板335は、RAMに記憶されたコイン鍵と、受け付けたコインに記憶されたコイン鍵とが一致していれば認証結果が正常と判断し、一致していなければ認証結果が正常ではない(異常)と判断する。認証結果が正常である場合には(ステップS504においてYES)、セキュリティ基板335は、S台2Sとコインとの通信を許可する(ステップS510)。
一方、認証結果が異常である場合には(ステップS504においてNO)、セキュリティ基板335は、このリトライ回数が3回目か否かが判断される(ステップS506)。リトライ回数が3回目ではない(リトライ回数が1回目か2回目である)場合には(ステップS506においてNO)、処理がステップS502に戻り、再度認証処理が行なわれる。一方、リトライ回数が3回目である場合には(ステップS506においてYES)、セキュリティ基板335は、認証結果が異常であるとしてコインを排出する(ステップS508)。なお、セキュリティ基板335は、認証結果が異常であるとしたコインを受け付けた情報をホールサーバ801に報知する。もちろん、セキュリティ基板335は、認証結果が異常であるとしたコインを受け付けた場合、S台2SのLEDやスピーカを使用して報知を行ってもよい。
再び、図4を参照して、S台2Sとコインとの通信認証が正常に終了すると、セキュリティ基板335は、受け付けたコインに記録された制御基板鍵の中から、セキュリティ基板335に記憶されたS台2Sの遊技台IDに関連付けられた制御基板鍵を読み出す(図4中の(14))。読み出された制御基板鍵はS台2Sのセキュリティ基板335のRAMに記憶される。次に、制御基板鍵を用いて主制御基板16と払出制御基板17との間の通信の認証が行われる(図4中の(15))。具体的には、払出制御基板17は、主制御基板16のRAMに記憶されている制御基板鍵と、セキュリティ基板335に記憶された制御基板鍵とに基づいて認証可能な場合に、主制御基板16と払出制御基板17との通信を許可する。
図6は、主制御基板16と払出制御基板17との通信の認証処理を説明するためのフローチャートである。図6を参照して、払出制御基板17は、主制御基板16から制御基板鍵を受信し(ステップS550)、受け付けたコインに記録された制御基板鍵から読み出すことによりセキュリティ基板335に記憶された制御基板鍵を、当該セキュリティ基板335から受信する(ステップS552)。払出制御基板17は、制御基板鍵を用いた主制御基板16と払出制御基板17との通信認証処理を開始する(ステップS554)。
払出制御基板17は、主制御基板16から受信した制御基板鍵と、セキュリティ基板335に記憶された(から受信した)制御基板鍵とに基づいて認証結果が正常か否かを判断する(ステップS556)。具体的には、払出制御基板17は、主制御基板16から受信した制御基板鍵と、セキュリティ基板335に記憶された制御基板鍵とが一致していれば認証結果が正常と判断し、一致していなければ認証結果が正常ではない(異常)と判断する。認証結果が正常である場合には(ステップS556においてYES)、払出制御基板17は、主制御基板16と払出制御基板17との通信を許可する(ステップS558)。払出制御基板17は、認証結果が正常である旨を主制御基板16に通知する。
一方、認証結果が異常である場合には(ステップS558においてNO)、払出制御基板17は、このリトライ回数が3回目か否かが判断される(ステップS560)。リトライ回数が3回目ではない(リトライ回数が1回目か2回目である)場合には(ステップS560においてNO)、処理がステップS550に戻り、再度認証処理が行なわれる。一方、リトライ回数が3回目である場合には(ステップS560においてYES)、払出制御基板17は、異常報知ランプなどを用いて認証結果が異常である旨を報知する(ステップS562)。もちろん、払出制御基板17は、認証結果が異常である旨をホールサーバ801に報知してもよい。
再び、図4を参照して、S台2Sとコインとの通信認証、および主制御基板16と払出制御基板17との通信認証が確立されると、セキュリティ基板335によりコインを用いた遊技を許可するための処理が開始される(図4中の(16))。
セキュリティ性を向上させるため、コインを用いた遊技を許可するためには、受け付けたコインに記憶されている店舗IDが一致し、コインに記憶されている遊技台IDにコインを受け付けたS台2Sの遊技台IDが含まれている必要がある。具体的に、図7は、遊技を許可するための処理を説明するためのフローチャートである。図7を参照して、セキュリティ基板335は、店舗IDを用いて遊技許可認証処理を開始する(ステップS600)。セキュリティ基板335は、認証結果が正常か否かを判断する(ステップS602)。具体的には、セキュリティ基板335は、RAMに記憶されている店舗IDが、受け付けたコインに記録された店舗IDと一致する場合に、認証結果が正常であると判断し、一致しない場合に認証結果が正常ではないと判断する。
認証結果が正常ではない場合には(ステップS602においてNO)、セキュリティ基板335は、このリトライ回数が3回目か否かを判断する(ステップS604)。リトライ回数が3回目ではない場合には(ステップS604においてNO)、処理がステップS600に戻り、再度認証処理が行なわれる。一方、リトライ回数が3回目である場合には(ステップS600においてYES)、セキュリティ基板335は、異常報知ランプなどを用いて認証結果が異常である旨を報知し(ステップS606)、コインを用いた遊技を禁止する(ステップS608)。もちろん、セキュリティ基板335は、認証結果が異常である旨をホールサーバ801に報知してもよい。
これに対して、認証結果が正常である場合には(ステップS602においてYES)、セキュリティ基板335は、遊技台IDを用いて遊技許可認証処理を開始する(ステップS610)。セキュリティ基板335は、認証結果が正常か否かを判断する(ステップS612)。具体的には、セキュリティ基板335は、RAMに記憶されている遊技台IDが、受け付けたコインに記録された遊技台IDに含まれている場合に、認証結果が正常であると判断し、含まれていない場合に認証結果が正常ではないと判断する。認証結果が正常である場合には(ステップS612においてYES)、セキュリティ基板335は、コインを用いた遊技を許可する(ステップS616)。
認証結果が正常ではない場合には(ステップS612においてNO)、セキュリティ基板335は、このリトライ回数が3回目か否かを判断する(ステップS614)。リトライ回数が3回目ではない場合には(ステップS614においてNO)、処理がステップS610に戻り、再度認証処理が行なわれる。一方、リトライ回数が3回目である場合には(ステップS614においてYES)、セキュリティ基板335は、異常報知ランプなどを用いて認証結果が異常である旨を報知し(ステップS606)、コインを用いた遊技を禁止する(ステップS608)。もちろん、セキュリティ基板335は、認証結果が異常である旨をホールサーバ801に報知してもよい。なお、受け付けたコインの店舗IDは一致しているが(ステップS602においてYES)、受け付けたコインに記録された遊技台IDに、セキュリティ基板335に記憶されている遊技台IDが含まれていない場合(ステップS612においてNO)、コインに記録された遊技台IDの情報を更新させるために「コイン貸出機での更新を行ってください」などの報知を行ってもよい。
なお、上記処理は主制御基板16により実行されてもよい。この場合、主制御基板16は、セキュリティ基板335に記憶されている店舗IDと、コインに記憶された店舗IDとをセキュリティ基板335から受信する。そして、主制御基板16は、これらの店舗IDを用いて遊技許可認証処理を実行する。また、主制御基板16は、セキュリティ基板335に記憶されている遊技台IDと、コインに記憶された遊技台IDとをセキュリティ基板335から受信する。そして、主制御基板16は、これらの遊技台IDを用いて遊技許可認証処理を実行する。
次に、遊技台IDに関連付けられて主制御基板16に記憶されている制御基板鍵は、セキュリティ性を向上させるために毎日更新されている。具体的に、機歴管理センタ800AFは、図4中の(10)に示すように、店舗のホールサーバ801に対して、店舗IDに基づいて、当該店舗に設置されるコイン貸出機333から貸出されるコインのコイン鍵、当該店舗に設置される複数のS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵を通知する。ホールサーバ801は、機歴管理センタ800AFから通知された制御基板鍵を、遊技台IDに基づいて更新する。なお、機歴管理センタ800AFからホールサーバ801への制御基板鍵の更新は、店舗の営業時間外、例えば深夜2:00に行われる。
同様に、ホールサーバ801は、図4中の(11)に示すように、店舗に設置される全てのS台2Sの遊技台IDおよび制御基板鍵と、コイン鍵とをコイン貸出機333に通知する。コイン貸出機333は、ホールサーバ801から通知された制御基板鍵を、遊技台IDに基づいて更新する。なお、ホールサーバ801からコイン貸出機333への制御基板鍵の更新は、店舗の営業時間外のホールサーバ801が更新された後に行われる。
これにより、毎日更新された制御基板鍵を用いて主制御基板16と払出制御基板17との間の通信の認証が行われ(図4中の(15))、主制御基板16と払出制御基板17との通信認証が確立され、セキュリティ基板335は、コインを用いた遊技を許可するための処理が開始できる。つまり、コイン貸出機333から貸出されたコインは、当日更新された制御基板鍵が記憶されているので、当該コインを用いて遊技を行えるのは当日のみとなる。そのため、コインを持ち帰り、次の日に当該コインを用いてS台2Sで遊技を行おうとしても、S台2Sの制御基板鍵が更新されているので利用することができない。なお、コインを持ち帰り、次の日に当該コインを用いてS台2Sで遊技を行いたい場合は、当該コインをコイン貸出機333で更新する処理を行うことで利用可能としてもよい。
しかし、コイン貸出機333の通信装置が故障しオフライン状態となった場合、S台2Sの制御基板鍵は毎日更新されるが、コイン貸出機333から貸出されるコインの制御基板鍵は更新されないままとなり、当該コインを用いてS台2Sで遊技を行うことができなくなる。そこで、ホールサーバ801からコイン貸出機333へ更新する制御基板鍵は、次の期間(例えば、翌日、翌週、翌月までの期間など)にも使用できる制御基板鍵とする。具体的に、図を用いて説明する。図8は、S台2S、コイン貸出機333、コインのそれぞれの制御基板鍵の更新タイミングを説明するための図である。図8では、5月1日から4日までのS台2S、コイン貸出機333、コインのそれぞれの制御基板鍵の更新タイミングを示している。なお、S台2Sの制御基板鍵は1日期限とし、コイン貸出機333の制御基板鍵は当日から3日期限としている。
例えば、S台2Sでは、5月1日には更新当日のみの制御基板鍵が記憶されており、更新され次の日になると、5月2日のみの制御基板鍵が記憶されている。一方、コイン貸出機333では、5月1日には更新当日から3日期限(5月1日、2日、3日有効)の制御基板鍵が記憶されており、更新され次の日になると、5月2日から3日期限(5月2日、3日、4日有効)の制御基板鍵が記憶されている。しかし、図8では、コイン貸出機333がオフライン状態となり制御基板鍵を更新できず、5月2日になっても5月1日から3日期限(5月1日、2日、3日有効)の制御基板鍵が記憶されている。
この状態で、コイン貸出機333が、5月2日にコインを貸出した場合、コインには5月1日から3日期限(5月1日、2日、3日有効)の制御基板鍵が記憶される。このため、5月2日の制御基板鍵に更新されたS台2Sでコインを用いて遊技を行うことができる。さらに、当該コインには、5月1日から3日期限(5月1日、2日、3日有効)の制御基板鍵が記憶されているので、5月3日の制御基板鍵に更新されたS台2Sで遊技を行うことはできるが、5月4日の制御基板鍵に更新されたS台2Sでは遊技を行うことができない。なお、コイン貸出機333は、5月3日にはオンライン状態となり、5月3日から3日期限(5月3日、4日、5日有効)の制御基板鍵が記憶されている。
以上のように、コイン貸出機333が、次の期間(例えば、翌日、翌週、翌月までの期間など)にも使用できる制御基板鍵を記憶し、コインに書込めるようにしておくことで、オフライン状態になったとしてもコインを使用することができ店舗の営業を継続することができる。もちろん、コインを持ち帰り、次の日に当該コインを使用することも可能となるので遊技者の利便性が向上する。なお、前述の例では、制御基板鍵のみを更新する場合を説明したが、コイン鍵、遊技台ID、店舗IDなどを更新する場合にも同様に適用することができる。また、更新タイミングも、1日単位に限定されるものではなく、1週間、1か月などの単位であってよい。
次に、S台2Sがコインを受け付けて長時間、図4中の(14)に示すS台2Sとコインとの間の通信の認証が継続されると、セキュリティ性が低下する虞がある。また、S台2Sとコインとの間の通信の認証が長時間継続されているということは、1人の遊技者が同じS台2Sで遊技を継続している状態であるため、のめり込み防止の観点からも対策が必要である。そこで、セキュリティ基板335に遊技稼働時間を計時することができるタイマ(図示せず)を設け、当該タイマで計時した時間が所定時間経過した場合にS台2Sとコインとの間の通信の認証を解除して、コインとの読み書きを不能にする。
具体的に、フローチャートを用いて遊技稼働時間を計時する認証計時処理について説明する。図9は、認証計時処理を説明するためのフローチャートである。まず、セキュリティ基板335は、S台2Sとコインとの間の通信が認証処理中か否かを判断する(ステップS620)。S台2Sとコインとの間の通信が認証処理中の場合(ステップS620においてYES)、セキュリティ基板335は、タイマで遊技稼働時間の計時を開始する(ステップS622)。セキュリティ基板335は、遊技稼働時間の計時を開始すると認証中フラグをセットする(ステップS624)。
次に、セキュリティ基板335は、タイマで開始した計時時間が所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS626)。なお、所定時間として、例えば5時間とする。計時時間が所定時間を経過したと判断した場合(ステップS626においてYES)、セキュリティ基板335は、S台2Sとコインとの間の通信の認証を解除する(ステップS628)。計時時間が所定時間を経過したと判断した場合(ステップS626においてNO)、処理を終了する。
次に、セキュリティ基板335は、タイマでの遊技稼働時間の計時を停止する(ステップS630)。そして、セキュリティ基板335は、認証中フラグをリセットする(ステップS632)。また、セキュリティ基板335は、S台2Sとコインとの間の通信の認証を解除したことを、ホールサーバ801に報知する(ステップS634)。もちろん、セキュリティ基板335は、異常報知ランプなどを用いて認証を解除したこと旨を報知してもよい。
S台2Sとコインとの間の通信が認証処理中でない場合(ステップS620においてNO)、セキュリティ基板335は、認証中フラグがオン状態か否かを判断する(ステップS636)。認証中フラグがオン状態の場合(ステップS636においてYES)、セキュリティ基板335は、タイマで開始した計時時間が所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS626)。一方、認証中フラグがオン状態でない場合(ステップS636においてNO)、処理を終了する。
以上のように、セキュリティ基板335は、タイマで計時した時間が所定時間経過した場合にS台2Sとコインとの間の通信の認証を解除して、コインとの読み書きを不能にするので、長時間認証状態が継続されず、セキュリティ性が向上する。
<ユニット側とスロットマシン側との送受信態様>
次に、図10は、コインを受付けたコイン認識基板331側と、払出制御基板17側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図10を参照して、コインを受付けたコイン認識基板331側と払出制御基板17側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、払出制御基板17側において遊技点数(メダル点数)の変動を算出して現在の最新の遊技点数を記憶・管理している。一方、持点数(コイン持点数)や貯メダル数、コイン残額(残額)は、コイン認識基板331側において管理・記憶している。
図10では、コイン認識基板331側に設けられているRAMの記憶データと、払出制御基板17側に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、S台2Sが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、払出制御基板17は、主制御基板16から制御基板鍵を送信してもらい、コイン認識基板331側からも制御基板鍵を送信してもらう。そして、払出制御基板17は、主制御基板16から受信した制御基板鍵と、コイン認識基板331(セキュリティ基板335)から受信した制御基板鍵とが一致していれば認証結果が正常と判断し、一致していなければ認証結果が正常ではない(異常)と判断する。
次に、接続時刻すなわちコイン認識基板331側がコインを受付け払出制御基板17側とが接続されて通信が開始された時刻のデータをコイン認識基板331側から払出制御基板17側へ送信され、払出制御基板17側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、制御基板鍵および接続時刻の2つの情報がコイン認識基板331側と払出制御基板17側とに記憶されることとなる。それ以降のコインの受付け時においては、払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ、それら2つの情報、すなわち、制御基板鍵と前回の接続時刻データとが送信される。
コイン認識基板331側では、離席した場合など、それら送信されてきたデータと受付けたコインに記憶しているデータとを照合し、前回と同じコインを受付けているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、コインを受付ける度にコイン認識基板331側と払出制御基板17側との通信が開始された新たな接続時刻データがコイン認識基板331側から払出制御基板17側へ送信されてその新たな接続時刻データを払出制御基板17側において記憶することとなる。
コイン認識基板331および払出制御基板17の双方は、電文に「通番(シーケンスナンバー)」を付加して送信する。また、コイン認識基板331および払出制御基板17の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番(通常シーケンスナンバー)」、「加算通番(加算シーケンスナンバー)」および「計数通番(計数シーケンスナンバー)」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、コイン認識基板331側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。払出制御基板17側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はコイン認識基板331が払出制御基板17に対してデータの加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、払出制御基板17がコイン認識基板331に対してデータの計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はコイン認識基板331のみが有する。コイン認識基板331は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はコイン認識基板331のみが有する。コイン認識基板331は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番を払出制御基板17へ送信する。払出制御基板17は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権は払出制御基板17のみが有する。払出制御基板17は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をコイン認識基板331へ送信する。コイン認識基板331は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、コイン認識基板331が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、払出制御基板17およびコイン認識基板331のそれぞれが、または払出制御基板17が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
コイン認識基板331と払出制御基板17との間で最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、払出制御基板17(図3参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算数カウンタの情報と、減算数カウンタの情報と、計数遊技持点数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技点(メダル点)数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技点数カウンタのカウント値として払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技点数カウンタに加えて、遊技点数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてコイン認識基板331側へ送信される。加算数カウンタは、遊技点(メダル点)に加算する加算数をカウントするカウンタである。加算数は、入賞の発生により払い出された(入賞の発生により遊技点数に加算された)「払出点数」である。つまり、加算数とは、加算数カウンタが遊技点数に加算すべき数を示す。減算数カウンタは、遊技点(メダル点)から減算する減算数をカウントするカウンタである。減算数は、「賭数」である。つまり、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することで賭数として追加された数である。なお、「減算数」には、「計数遊技持点数」は含まれない。計数遊技持点数カウンタは、遊技点(メダル点)から持点へ精算する計数遊技持点数をカウントするカウンタである。計数遊技持点数は、「計数操作(メダル精算操作)によって遊技点から持点に変換された点数」である。ここで、「払出点数」は、入賞の種類に応じた数の遊技点数である。
たとえば、払出制御基板17が入賞と判定した場合には、その入賞情報に基づいて遊技点を加算すべき加算数を加算数カウンタがカウントし、その加算数カウンタの値(加算数)を払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ送信する。また、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作したことに基づいて減算数カウンタが賭数を減算数としてカウントし、その減算数カウンタの値(減算数)を払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ送信する。
あるいは、払出制御基板17は、メダル点精算スイッチ11bの押下により、遊技点数を計数遊技持点数としてカウントし、その計数遊技持点数カウンタの値(計数遊技持点数)を払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ送信する。
払出制御基板17側においては、加算数カウンタ、減算数カウンタ、および計数遊技持点数カウンタの値をコイン認識基板331側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(主制御部161のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算数カウンタ、減算数カウンタ、および計数遊技持点数カウンタの値を0クリアする(遊技点数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にコイン認識基板331側に送信した遊技台情報である、加算数、減算数、および計数遊技持点数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技点数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、賭数の設定、および計数遊技持点数の発生(遊技点から持点への変換)に応じて、遊技点数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技点数カウンタの値を遊技点数としてコイン認識基板331側に送信する。
コイン認識基板331側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技点数、コイン持点数(単に、持点数とも言う)、貯メダル数、残額、総加算数(加算数累計)、総減算数(減算数累計)、およびコイン投入時持点数を記憶している。なお、コイン持点数は、コイン投入時持点数から持点払出数(コイン持点数から遊技点数に変換した点数)を減算し、計数遊技持点数を加算した点数である。つまり、コイン持点数は、現時点でコインに記録され遊技者が所有している持点数である。
払出制御基板17側から送信されてきた加算数カウンタの値(加算数)に基づいて総加算数を加算して点数を更新する。また、払出制御基板17側から送信されてきた減算数カウンタの値(減算数)に基づいて総減算数を減算して点数を更新する。さらに、払出制御基板17から送信されてきた計数遊技持点数カウンタの値に基づいてコイン持点数を加算して更新する。このように、コイン認識基板331は、払出制御基板17より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算数、総減算数、コイン持点数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
コイン認識基板331は、図示のとおり、遊技点を記憶する領域を備えているとともに、払出制御基板17側から遊技点数カウンタのカウント値(遊技点数または遊技点トータル個数情報とも言う)も受信している。コイン認識基板331は、遊技点を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、コイン認識基板331は、払出制御基板17側から送信されてきた加算数カウンタの値(加算数)、減算数カウンタの値(減算数)、および計数遊技持点数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技点数を更新するとともに、同じタイミングで払出制御基板17側から送信されてきた遊技点数カウンタのカウント値と、更新後の遊技点数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや第1表示器54によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、払出制御基板17側で記憶している遊技点数をコイン認識基板331側から送信されてきた遊技点数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、払出制御基板17側で管理している遊技点数と、コイン認識基板331側で記憶している遊技点数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、コイン認識基板331側にも遊技点数を記憶させているが、その遊技点数が払出制御基板17側で管理記憶している遊技点数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(コイン認識基板331側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、払出制御基板17側で記憶している遊技点数がコイン認識基板331側で記憶している遊技点数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、コイン認識基板331側にその判定機能を設けたが、たとえば、主制御部161と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、払出制御部171側で記憶している遊技点数とコイン認識基板331側で記憶している遊技点数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図10に示すように、コイン認識基板331は、コイン持点数、貯メダル数を記憶する記憶領域と、受付けた(投入された)コインの残額を記憶する記憶領域と、総加算数(加算数累計)、総減算数(減算数累計)およびコイン投入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。コイン認識基板331は、貯メダルの使用を要求する入力(たとえば、S台2Sに設けられた再プレイスイッチ319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯メダルを記憶する記憶領域から所定数の貯メダルを減算する。
コイン認識基板331は、持点の使用を要求する入力(たとえば、持点有のときの持点スイッチ324の押圧入力(ただし、持点有のとき))に応じて持点を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、コイン認識基板331は、残額の使用を要求する入力(たとえば、貸出スイッチ321の押圧入力)に応じて残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえば残額、持点数、あるいは貯メダル数)から価値を引き落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、引き落とされる価値に応じて払出制御基板17の遊技点数が加算される。払出制御基板17は、コイン認識基板331から加算数の情報を受け取ることで、引き落とし分の玉数を遊技点数カウンタに加算更新することができる。
本実施の形態に係る遊技用システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引き落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技点やクレジットでワゴンサービスを受けることが制限されており、持点でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、メダルが払出される従来のスロットマシンにおいて、皿に残っている計数前のメダルを手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持点数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に精算操作(クレジット精算スイッチ11aまたはメダル点精算スイッチ11bの操作)を促すように構成されている。その際に遊技者が精算操作を実行すると、その操作に基づく計数遊技持点数が払出制御基板17側からコイン認識基板331側へ送信される。コイン認識基板331側では、それを受けて、遊技点数を減算し、コイン持点数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係る主制御部161と払出制御部171との間での通信、コイン認識基板331と払出制御基板17との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<コイン投入>
本実施の形態での通信について、コイン投入時のコイン認識基板331と払出制御基板17との間で行われる通信を一例として説明する。図11は、コイン投入時におけるコイン認識基板331と払出制御基板17とでの処理の一例を示す図である。図11に示すシーケンス処理は、コイン認識基板331と払出制御基板17との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、S台2Sにコインが投入された後に通信が再開される場合の処理である。典型例は、電源投入後に遊技者がコインを投入して遊技を行なう場合である。なお、同じコインIDのコインが投入されて通信が再開される場合としては、昼食などで遊技者が離席して再度遊技を行う場合である。
遊技者が、コイン投入口13にコインを投入する。コイン投入時においては、S台2Sではリールモータ32L,32C,32Rを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。まず、コイン認識基板331において、コイン鍵を用いて認証処理が開始される。具体的に、コインに記憶してあるコイン鍵と、セキュリティ基板335に記憶してあるコイン鍵とを用いて投入されたコイン側とセキュリティ基板335側との間で認証処理(コイン鍵認証)が実行される。後述する図12で、さらに詳しいコイン鍵認証のシーケンスについて説明する。受付けたコインのコイン鍵と、コイン認識基板331のセキュリティ基板335に記憶してあるコイン鍵とを用いてコイン鍵認証が適正に行われた場合、その後、認証シーケンスが開始される。認証シーケンスは、コイン鍵認証により通信可能となったコインから制御基板鍵をコイン認識基板331が読み出し、払出制御基板17に送信する。払出制御基板17は、受付けたコインの制御基板鍵と主制御基板16に記憶してある制御基板鍵とを用いて、主制御基板16との通信における認証を開始する。図13で、さらに詳しい払出制御基板17と主制御基板16との通信における認証シーケンスについて説明する。払出制御基板17と主制御基板16との通信における認証シーケンスが適正に行われた場合、その後、コイン、コイン認識基板331、払出制御基板17および主制御基板16の通信が開始され、認証シーケンスが終了する。
認証シーケンス後、コイン認識基板331は、受付けたコインが前回受付けたコインと同じか否かを判断する。具体的に、コイン認識基板331は、前回受付けたコインのコインIDと今回受付けたコインのコインIDとが一致する場合、同じコインと判断する。コイン認識基板331は、同じコインと判断した場合、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求を払出制御基板17へ送信し、払出制御基板17に対してリカバリ情報を要求する。払出制御基板17は、コイン認識基板331より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、払出制御基板17は、前回最終送信計数通番を参照して、コイン認識基板331が計数処理を実施していなかった場合、計数処理がなかったものとし、コイン認識基板331が計数処理を実施済の場合、計数データをリカバリ処理する。
計数リカバリ処理の実行後、払出制御基板17は、払出制御基板17内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてコイン認識基板331へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回投入中コインID、前回コイン投入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたコイン認識基板331では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してコイン認識基板331の加算リカバリ処理を実施する。コイン認識基板331は、加算リカバリ処理を実施する場合、払出制御基板17に対して、リカバリ要求2を払出制御基板17へ送信し、払出制御基板17に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算データが含まれている。
それを受けた払出制御基板17では、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてコイン認識基板331へ返信する(リカバリ応答2)。なお、払出制御基板17が加算データを受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、コイン認識基板331と払出制御基板17との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、コイン投入時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
コイン認識基板331は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。払出制御基板17は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してコイン認識基板331がコマンドを再送したと判断する。コイン認識基板331はコマンドを送信し、同じ通番のレスポンスが払出制御基板17から通知された時に通番をバックアップする。払出制御基板17は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままコイン認識基板331に通知する。払出制御基板17はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
コイン認識基板331は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドを払出制御基板17に送信する。払出制御基板17は、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてコイン認識基板331に返信する。さらに、コイン認識基板331は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドを払出制御基板17に送信する。払出制御基板17は、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをコイン認識基板331に返信する。
その後、コイン認識基板331は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドを払出制御基板17へ送信する。なお、コイン認識基板331は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。払出制御基板17では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、払出制御基板17は、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをコイン認識基板331へ返信する。これ以降、コイン認識基板331と払出制御基板17との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
コイン認識基板331は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドを払出制御基板17へ送信する。払出制御基板17は、それを受けて、遊技台情報(一例として、持点、コイン残額、貯メダル、その他、玉数情報など)、遊技情報(一例として、リール位置、遊技状態(AT中など)、大当り、異常の報知、入賞回数、メダル点数など)および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、払出制御基板17は、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをコイン認識基板331に返信する。なお、払出制御基板17は、遊技台情報を更新することで、遊技中の点数を把握し、最新の点数の情報を管理することが可能となる。また、払出制御基板17は、例えば遊技情報を外部に出力することで、当該情報を集計して遊技状態を把握し、管理させることができる。
コイン認識基板331は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、コイン認識基板331は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドを払出制御基板17へ送信し、払出制御基板17は、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをコイン認識基板331に返信する。
<コイン鍵認証シーケンス>
図11で示したコイン鍵認証シーケンス、特にコイン認識基板331内において、コイン側(具体的には、コインを受付けたリーダライタ)と、セキュリティチップ(SC)との間で実行される処理について説明する。
図12を参照して、コイン側とSCとの通信における認証シーケンスの処理の一例を説明する。図12は、コイン側とSCとの通信における認証シーケンスの処理を説明するための図である。まず、コイン側は、SCに対して、コイン鍵の認証を要求するコイン鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、コイン鍵認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、コイン側は、SCに対して、チャレンジコードを要求する。
コイン鍵認証要求1のコマンドを受信したSCは、SCで記憶しているコイン鍵に基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードをコイン鍵認証応答1のレスポンスでコイン側に通知する。
コイン鍵認証応答1のコマンドを受信したコイン側は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードをコイン鍵要求2のコマンドでSCに通知する。具体的には、コイン側で記憶しているコイン鍵を鍵として受信したチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成する。
コイン鍵認証要求2のコマンドを受信したSCは、レスポンスコードをチェックして(具体的にはコイン鍵を鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果をコイン鍵認証応答2のレスポンスでコイン側に通知する。このとき、コイン側は、コイン鍵認証結果などの認証ログ情報をSCから取得する。
一方、チャレンジコードが一致しなければチェック結果がNG(不適正)であるとする。その場合に、n回際認証を繰り返し、n回連続でNGの場合にSCが無応答状態(HALT)となり、コイン鍵がクリアされる。この無応答状態(HALT)となった後には、工場で修理を行なうこととなる。
なお、図7で説明した店舗IDを用いた遊技許可認証処理および遊技台IDを用いた遊技許可認証処理をコイン鍵認証後に行ってもよい。これにより、認証処理の早い段階で、投入されたコインが使用可能か否かについて判断することができる。
<払出制御基板と主制御基板との通信における認証シーケンス>
次に、図11で示した払出制御基板と主制御基板との通信における認証シーケンスの処理の一例を、図13を参照して説明する。図13は、払出制御基板と主制御基板との通信における認証シーケンスの処理を説明するための図である。なお、前述の図4中の(15)では、払出制御基板17が、主制御基板16のRAMに記憶されている制御基板鍵とセキュリティ基板335に記憶された制御基板鍵とに基づいて認証可能な場合に、主制御基板16と払出制御基板17との通信を許可するとしたが、その認証処理の一例として説明する。
まず、制御基板鍵認証要求1のコマンドを受信した主制御基板16は、払出制御基板17に対して、主制御基板16で記憶している制御基板鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、制御基板鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
制御基板鍵認証応答1のコマンドを受信した払出制御基板17は、制御基板鍵を検証するため、払出制御基板17で記憶している制御基板鍵で認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、払出制御基板17は、主制御基板16に対して、払出制御基板17で記憶している制御基板鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、制御基板鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、制御基板鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に制御基板鍵を用いて、暗号化してある。
制御基板鍵認証要求2のコマンドを受信した主制御基板16は、払出制御基板17に対して、制御基板鍵を検証するため、主制御基板16で記憶している制御基板鍵で認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、主制御基板16は、払出制御基板17に対して、制御基板鍵認証応答2のレスポンスで返信する。このとき、払出制御基板17は、制御基板鍵認証結果などの認証ログ情報を主制御基板16から取得する。
以上のように、図12および図13で説明した認証シーケンスが適正に行われることで、コイン、コイン認識基板331、払出制御基板17および主制御基板16の間でセキュリティ性の高い通信が開始される。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1)本実施の形態では、図1および図3に示すようにS台2Sに通信可能に接続するCU3(遊技用装置)を備えていない遊技用システムについて説明したが、これに限定されない。例えば、CU3にコイン貸出機333の機能を含めることで、ホールに数台設置されたコイン貸出機333にわざわざ足を運んでコインを貸出するのではなくS台2Sの隣に設置してあるCU3でコインを貸出しできれば遊技者にとって利便性が向上する。また、CU3がT−BOX400を介してホールサーバ801、機歴管理センタ800AFおよび管理サーバに接続する遊技用システムであってもよい。具体的に、図14は、変形例のユニットおよびスロットマシンを示す正面図である。図15は、変形例のユニットとスロットマシンとの構成を示すブロック図である。
図14に示すユニットおよびスロットマシンにおいて、スロットマシンは図1に示した構成と同じであるため詳細な説明は繰り返さない。そのため、以下、本変形例に係るユニットの構成を説明する。このCU3は、S台2Sの払出制御基板17(図15参照)とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325(図15参照)が設けられている。そして、S台2Sの払出制御基板17と主制御基板16との相互認証に必要な相互認証情報を払出制御基板17に提供する。さらに、CU3は、入金金額を書込んだコイン(会員コイン、ビジターコイン)を貸出すコイン貸出機333(図15参照)を含んでいる。コイン貸出機333は、入金金額をビジターコインの残高として書込んで貸出すか、遊技者が所有している会員コインをコイン挿入/排出口に挿入して会員コインの残高に書込んで貸出す。なお、コイン貸出機333をCU3に設けず、1つの遊技島に対してコイン貸出機333を1台設ける構成でも、ホールの所定の場所にコイン貸出機333を複数台設ける構成でもよい。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員コインの挿入、会員コインやビジターコインを排出するためのコイン挿入/排出口309などが設けられている。このコイン挿入/排出口309に挿入された会員コインがリーダライタ(図示省略)に受付けられ、紙幣挿入口302に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額の情報が会員コインに書込まれて、コイン挿入/排出口309から会員コインが排出される。一方、ビジターコインの場合、紙幣挿入口302に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額の情報が予め用意されている空のビジターコイン(情報が記録されていないビジターコイン)に書込まれて、コイン挿入/排出口309から書込まれたビジターコインが排出される。
前述の突出部305には、遊技者と対向する面に表示器312が設けられ、突出部305の上側には、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320が設けられている。
表示器312は、コイン貸出機333の表示器として必要な情報を表示可能で、かつS台2S側の第1表示器54と同様に、コイン投入口13に投入された遊技用記録媒体(コイン)に記録されているプリペイド残高(コイン残高または単に残高とも言う)や、メダル点、クレジット、その他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されている。表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器334(図15参照)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
図15に示すように、CU3にはS台2S側への接続部327が設けられており、S台2SにはCU3側への接続部328が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。CU3とS台2Sとは、接続部327−328間を接続する通信ケーブル329で接続されている。
CU3とS台2Sとでは、この通信ケーブル329を介して、S台2Sの払出制御基板17と主制御基板16との相互認証に必要な相互認証情報を払出制御基板17に提供する。また、CU3とS台2Sとでは、この通信ケーブル329を介して、第1表示器54および第2表示器55の情報が表示制御部350に送信される。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、S台2Sの払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうため、およびS台2Sの払出制御基板17と主制御基板16との相互認証に必要な相互認証情報を払出制御基板17に提供するためにセキュリティ基板325が設けられている。CU3側のセキュリティ基板325とS台2S側の払出制御基板17とは、接続部327,328および通信ケーブル(接続配線)329を介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、S台2Sのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bとが設けられている。
前述した貨幣識別器334により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。CU制御部323は、貨幣識別器334からの識別結果信号に基づき、コイン貸出機333に対して入金金額をコインに書込むように制御する。コイン貸出機333は、CU制御部323の制御に基づき、入金金額をコインに書込みコイン挿入/排出口309からコインを排出する。また、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の各種の遊技データを払出制御基板17から受信してもよい。また、第1表示器54から残高、持点、メダル点、クレジット等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU側の表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。その結果、可変表示装置(リール2L,2C,2R)と操作部9との間に設けられた第1表示器54に表示された残高、持点、メダル点、クレジット等のデータが、CU側の表示器312にも表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力され、S台2Sに送信されてもよい。S台2Sは、受信した操作信号に基づき所定の操作が実行されてもよい。
CU制御部323には、通信制御装置であるT−BOX(ターミナルボックス)400を介して、ホールに設置されたホールサーバ801および機歴管理センタ800AFやホールの外部で各ホールを集中管理する管理サーバ(図示せず)と通信を行なうための通信制御部326が設けられている。なお、機歴管理センタ800AFやホールサーバ801は、管理サーバの機能を含むように構成されていてもよい。
T−BOX400と管理サーバとは、インターネットを介して接続されている。管理サーバは、機種関連情報を記憶しており、CU制御部323が払出制御基板17から受信した、遊技者の各種の遊技データを収集することができる。さらに、管理サーバは、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU制御部323のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバとしても機能する。
CU制御部323は、貸出操作に伴う残高の使用額を特定可能な残高使用情報を管理サーバへ送信してもよい。CU制御部323は、持点使用操作に伴う持点の使用数を特定可能な持点使用情報を管理サーバへ送信してもよい。CU制御部323は、貯メダル使用操作に伴う貯メダルの使用数を特定可能な貯メダル使用情報を管理サーバへ送信してもよい。
(2)(1)に示す変形例では、図15に示すようにS台2Sに通信可能に接続するCU3(遊技用装置)を備える遊技用システムについて説明したが、これに限定されない。例えば、払出制御基板を設けずに、CU3の構成をS台2Sに含め、S台2SがT−BOX400を介してホールサーバ801および機歴管理センタ800AF(および管理サーバ)に接続する遊技用システムであってもよい。具体的に、図16は、別の変形例のS台2Sとの構成を示すブロック図である。図16に示すS台2Sは、図15に示す払出制御基板17、CU制御部323、セキュリティ基板325の機能を主制御基板16に含めた構成である。図16に示す主制御基板16には、特に払出制御基板17、CU制御部323、セキュリティ基板325の構成を図示していないが、それぞれの機能は含んでおり、例えば図16で払出制御基板17に接続されていたコイン認識基板331が直接接続されている。また、図16に示す主制御基板16は、外部接続端子332を介してT−BOX400に接続され、当該T−BOX400を介してホールサーバ801および機歴管理センタ800AFに接続されている。そのため、主制御基板16は、ホールサーバ801および機歴管理センタ800AFと通信可能であり、前述したCU制御部323、セキュリティ基板325の機能を実現することが可能であり、同様の効果を得ることができる。なお、図16に示すS台2Sは、図15に示すCU3の構成をすべて含んでいるのではなく、コイン貸出機333、貨幣識別器334は含んでいない。この場合、コイン貸出機333は、1つの遊技島に対してコイン貸出機333を1台設ける構成、またはホールの所定の場所にコイン貸出機333を複数台設ける構成となる。
(3) 本実施の形態では、S台2Sとコインとの間の通信の認証を解除する条件として、タイマで計時した時間が所定時間経過したことを説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、S台2Sの電源がON・OFFを条件としても、営業時間帯を条件としても、ホールサーバ801からの解除信号を条件にしてもよい。また、S台2Sとコインとの間の通信の認証を解除する条件として、ゲーム回数が所定回数超えたことを条件としても、金額が所定金額を超えたことを条件としてもよい。さらに、タイマで計時した時間も、単にS台2Sとコインとの間の通信の認証が開始されてからの時間を計時する場合に限定されず、例えば、リールが回転している時間のみ計時したり、演出が実行されている時間を計時したりするとしてもよい。
(4) 本実施の形態では、タイマで計時した時間が所定時間経過した場合に、S台2Sとコインとの間の通信の認証を解除することを説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば、払出制御基板17は、タイマで計時した時間が所定時間経過した場合に主制御基板16と払出制御基板17との間の通信の認証を解除してもよい。これにより、実質的に、コインを用いた遊技が不能になるため、長時間認証状態が継続されず、セキュリティ性が向上する。
(5) 本実施の形態では、セキュリティ基板335に遊技稼働時間を計時することができるタイマを設けると記載したが、これに限定されず、セキュリティ基板335以外に設けたタイマを使用して遊技稼働時間を計時してもよい。なお、タイマには、リアルタイムクロック(RTC:real-time clock)などを利用してもよい。
(6) 本実施の形態では、セキュリティ基板335をS台2Sのコイン認識基板331に搭載した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コイン認識基板331とは別にセキュリティ基板335を設けてもよく、主制御基板16や払出制御基板17に設けてもよい。
(7) 本実施の形態では、コインに記憶された遊技台IDや制御基板鍵などをコイン貸出機333で更新することができると記載したが、更新する場合にはコインに更新前の遊技台IDや制御基板鍵などが記憶されている場合に限定してもよい。これにより、例えば、何も記録されていないコインをコイン貸出機333に投入して、遊技台IDや制御基板鍵などを当該コインに書き込み情報を盗むことを防止することができる。
(8) 本実施の形態では、図7において、店舗IDおよび遊技台IDを用いて遊技許可認証処理が行われる場合について説明したが、これに限定されず、たとえば、店舗ID、または遊技台IDのみを用いて遊技許可認証処理が行われてもよい。
(9)図15に示すように、S台2SにCU3が通信可能に接続され、CU3を介してホールサーバ801や機歴管理センタ800AFと通信する共に、外部接続端子332を介してホールサーバ801や機歴管理センタ800AFと通信することが可能である。そのため、S台2Sは、ホールサーバ801などの外部に遊技情報(例えば、リール位置、遊技状態(AT中など)、大当り、異常の報知、入賞回数、メダル点数など)を出力する場合、CU3を介してホールサーバ801に出力しても、外部接続端子332を介してホールサーバ801に出力してもよい。もちろん、S台2Sは、同じ遊技情報を、CU3を介する経路と、外部接続端子332を介する経路との両方を利用して主力してもよい。
(10)本実施の形態では、リーダライタで受付けたコイン(記録媒体)に記録された持点をS台2Sの持点記憶手段である払出制御部171のRAMに読み出した場合、読み出した持点をメダル点として記憶し、メダル点使用スイッチ12を押下することで当該メダル点を遊技への使用のためのクレジットとして変換されると説明した。さらに、本実施の形態では、クレジットの上限を設け、上限以上はメダル点がクレジットに変換されないようにして、メダル払出し方式のスロットマシンに慣れた遊技者に違和感を与えないような構成について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、リーダライタで受付けたコインに記録された持点を払出制御部171のRAMに読み出した場合、S台2Sの持点であるメダル点としてではなく、クレジットして記憶してもよい。なお、この場合クレジットには上限を設けずにコインに記録された持点の全部を変換できるようにする。
(11)図15を参照して、主制御部161と払出制御部171との間で相互認証を行う。相互認証に必要な認証情報は、予め主制御部161および払出制御部171に記憶してあってもよいが、SC325bから必要な認証情報を得るようにしてもよい。具体的な認証シーケンスとしては、前述したように主制御部161および払出制御部171のチップIDがホールサーバ801により認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことがそれぞれの認証ステータスレジスタに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161と払出制御部171との暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161と払出制御部171との通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
(12)本実施の形態では、コイン残高を消費することによって、メダル点が加算される。あるいは、貯メダルを消費することによって、メダル点が加算される。つまり、コイン残高あるいは貯メダルからメダル点に変換される。一方、コイン残高および貯メダルから持点には変換されない。しかしながら、コイン残高および貯メダルから一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(13)持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、S台2Sに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをS台2Sが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(14)S台2Sが遊技中の精算操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(15)本実施の形態では、払出制御基板17側のみでメダル点を記憶するようにしているが、メダル点はコイン認識基板331側および払出制御基板17側の双方で記憶してもよい。
(16)本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(17)本実施の形態では、コインIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(18)本実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(19)本実施の形態では、遊技情報の一例として、リール位置、遊技状態(AT中など)、大当り、異常の報知、入賞回数、メダル点数などを挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、持点、コイン残額、貯メダル、その他、玉数情報、遊技台情報など遊技に関連したその他の情報を含んでもよい。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを第1表示器54や第2表示器55などに表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のコインIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際には管理サーバ800などからS台2Sへダウンロードするようにしてもよい。
(20)持点またはメダル点の数の変化の有無をS台2Sでチェックし、所定期間、持点またはメダル点の数が変化しない場合には、S台2Sでその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、S台2S上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(21)コインがS台2Sに投入されていないにも関わらず、遊技者のメダル点が変化した場合には、S台2Sでその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、S台2S上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてコインを排出した後に、メダル点が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(22)本実施の形態では、遊技者が貸出スイッチ321を押下することでコインに記録されている残高の全部または一部を引落としてメダル点に変換し、遊技者が持点スイッチ324を押下することでコインに記録されている持点の全部または一部を引落としてメダル点に変換する構成を説明した。しかし、これに限定されず、例えばコインをコイン投入口13に投入すると、コインに記録されている残高または持点の全部または一部が自動的に引落とされてメダル点に変換する構成でもよい。
(23)本実施の形態では、遊技者が貸出スイッチ321を押下することでコインに記録されている残高の全部または一部を引落したり、遊技者が持点スイッチ324を押下することでコインに記録されている持点の全部または一部を引落したりした場合、引落したタイミングで引落した残高または持点をコインに記録している。しかしながら、これに代えて、返却スイッチ322が押下されコインを返却するときに一括して引落した残高または持点をコインに記録させるようにしてもよい。また、本実施の形態では、メダル点精算スイッチ11bが操作されて計数処理が行なわれるタイミングで計数された持点がコインに記録されている。しかしながら、これに代えて、返却スイッチ322が押下されコインを返却するときに一括して計数された持点をコインに記録させるようにしてもよい。
(24)本実施の形態では、S台2Sの持点記憶手段として払出制御部171のRAMにメダル点およびクレジットを記憶される構成を説明した。しかし、これに限定されず、例えば、払出制御部171のRAMにメダル点、主制御部161のRAMにクレジットを記憶させてもよい。また、例えばクレジットを記憶させる領域を設けずに、メダル点から直接賭数を設定できるようにしてもよい。さらに、払出制御部171のRAMにメダル点およびクレジットを記憶させる領域を設けずに、リーダライタで受付けたコインに記録された持点を直接読み出して賭数の設定に利用できるようにしてもよい。つまり、S台2Sは、メダル点やクレジットを介することなく、コインに記録された持点を直接使用して遊技を行ってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。