JP2016123333A - 新規調味料用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規調味料用組成物に関する。
古くから、香辛料は、肉や魚を腐敗から防ぎ、長期保存するために用いられてきた。保存技術が発達した現代においてはその需要は低減したが、香辛料の有する独特の辛味及び/又は風味が味に変化を与え、食欲を増進させることから、香辛料入りの飲食物が好まれ、世界各国で消費されている。世界的な人口増大に伴って、香辛料の需要は今後も増大することが予想される。
しかしながら、香辛料は一般的に高価であり、大量に使用すれば飲食品の価格が高くなってしまうという問題を有する。また、降雨量などの影響により香辛料の収穫量が減少し価格が上昇するリスクや、今後の需要増大によって香辛料の価格が上昇するリスクも存在する。したがって、香辛料の使用量を少なくしても同等の効果を示すような香辛料の辛味及び/又は風味の増強方法が求められている。
これまで、香辛料の辛味及び/又は風味を増強する方法としては、唐辛子に代表される香辛料を含有する飲食物において、糖アルコールを添加することにより、辛味やスパイシー感を増強する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、糖アルコールを添加するため、飲食品に甘味も同時に付与されてしまうという問題を有している。したがって、香辛料の辛味及び/又は風味が増強された新規調味料に対する大きな需要が存在する。
本発明は、香辛料の辛味及び/又は風味が増強された新規調味料用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、香辛料の辛味及び/又は風味増強剤を提供することを目的とする。また、本発明は、香辛料の辛味及び/又は風味が増強された調味料用組成物の製造方法を提供することを他の目的とする。また、本発明は、香辛料の辛味及び/又は風味が増強された飲食品の製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、特定の化合物が、香辛料の辛味及び/又は風味を増強させることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を含む調味料用組成物。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
<2> 一般式(I)中、環Aが、炭素数6〜14のアレーン、炭素数4〜14のヘテロアレーン、又は炭素数5〜8のシクロアルカンを表す、<1>に記載の調味料用組成物。
<3> 一般式(I)中、環Aが、炭素数6〜14のアレーン又は炭素数5〜8のシクロアルカンを表す、<1>又は<2>に記載の調味料用組成物。
<4> 一般式(I)中、環Aが、ベンゼン又はシクロヘキサンを表す、<1>〜<3>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<5> 一般式(I)中、Xが、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(CH2)m−S−CH2−、−CH(CH3)−O−CH2−又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、m及びnがそれぞれ1又は2の整数を表す、<1>〜<4>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<6> Yが結合を表す、<1>〜<5>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<7> 一般式(I)中、R1〜R3が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す、<1>〜<6>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<8> 一般式(I)中、R6〜R8が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表す、<1>〜<7>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<9> 前記一般式(I)で表される化合物が、下記からなる群から選択される、<1>〜<8>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<10> 前記香辛料100重量部に対し、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を0.0001〜10重量部含む、<1>〜<9>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<11> 前記香辛料が、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角、コリアンダー、ターメリック、アニスシード、フェヌグリューク、ジンジャー、クローブ、ナッツメッグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー、ガーリックパウダーからなる群から選択される少なくとも1種である、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
<12> 下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む香辛料の辛味及び/又は風味増強剤。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
<13>
<12>に記載の増強剤を香辛料と混合する工程を有する、前記香辛料を含む調味料用組成物の製造方法。
<14>
下記一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する工程を含む、前記香辛料を含む飲食品の製造方法。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
<2> 一般式(I)中、環Aが、炭素数6〜14のアレーン、炭素数4〜14のヘテロアレーン、又は炭素数5〜8のシクロアルカンを表す、<1>に記載の調味料用組成物。
<3> 一般式(I)中、環Aが、炭素数6〜14のアレーン又は炭素数5〜8のシクロアルカンを表す、<1>又は<2>に記載の調味料用組成物。
<4> 一般式(I)中、環Aが、ベンゼン又はシクロヘキサンを表す、<1>〜<3>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<5> 一般式(I)中、Xが、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(CH2)m−S−CH2−、−CH(CH3)−O−CH2−又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、m及びnがそれぞれ1又は2の整数を表す、<1>〜<4>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<6> Yが結合を表す、<1>〜<5>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<7> 一般式(I)中、R1〜R3が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す、<1>〜<6>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<8> 一般式(I)中、R6〜R8が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表す、<1>〜<7>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<9> 前記一般式(I)で表される化合物が、下記からなる群から選択される、<1>〜<8>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<10> 前記香辛料100重量部に対し、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を0.0001〜10重量部含む、<1>〜<9>のいずれかに記載の調味料用組成物。
<11> 前記香辛料が、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角、コリアンダー、ターメリック、アニスシード、フェヌグリューク、ジンジャー、クローブ、ナッツメッグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー、ガーリックパウダーからなる群から選択される少なくとも1種である、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
<12> 下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む香辛料の辛味及び/又は風味増強剤。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
<13>
<12>に記載の増強剤を香辛料と混合する工程を有する、前記香辛料を含む調味料用組成物の製造方法。
<14>
下記一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する工程を含む、前記香辛料を含む飲食品の製造方法。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
本発明によれば、上記一般式(I)の化合物又はその塩を用いることによって、香辛料の辛味及び/又は風味を増強させることができる。したがって、同量の香辛料を含む従来の調味料用組成物よりも、香辛料の辛味及び/又は風味を高めることができる。また、従来の調味料用組成物よりも香辛料の量を減らしても、従来の調味料用組成物と同等の香辛料の辛味及び/又は風味を得ることができる。
<<1.調味料用組成物>>
本発明の第1の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を含む調味料用組成物(以下、単に調味料ということもある)である。以下、各成分について説明する。
本発明の第1の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を含む調味料用組成物(以下、単に調味料ということもある)である。以下、各成分について説明する。
<一般式(I)で表される化合物>
上記一般式(I)において、「アルキル基」としては、直鎖状および分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体的には、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2,3−ジメチルプロピル、ヘキシルなどの基が挙げられる。特に好ましくは低級アルキル基、具体的にはC1-4アルキルである。
「アルケニル基」としては、各異性体を含む炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基を示す。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基等が挙げられる。
「アルキニル基」としては、各異性体を含む炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基及びペンチニル基等が挙げられる。
「アルキレン基」とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示し、さらに、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基(−(CH2)3−)、n−ブチレン基(−(CH2)4−)、n−ペンチレン基(−(CH2)5−)、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)、イソプロピレン基、イソブチレン基、イソペンチレン基、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−CH2−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2−CH(CH3)−CH2CH2−、−CH2−CH(CH(CH3)2)−、−CH(CH2CH3)−、−CH(CH3)−及び−CH2−C(CH3)2−等が挙げられる。
「アシル基」、「アシルアミノ基」、「アシルオキシ基」における「アシル基」としては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖または環状のアルキル基またはアルケニル基を有するアシル基が好ましい。好ましくは低級アシル基、すなわちC1-4アシル基が挙げられる。例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、シクロプロパノイル基、シクロブタノイル基、シクロペンタノイル基及びシクロヘキサノイル基等が挙げられる。
上記一般式(I)において、「アルキル基」としては、直鎖状および分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体的には、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2,3−ジメチルプロピル、ヘキシルなどの基が挙げられる。特に好ましくは低級アルキル基、具体的にはC1-4アルキルである。
「アルケニル基」としては、各異性体を含む炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基を示す。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基等が挙げられる。
「アルキニル基」としては、各異性体を含む炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基及びペンチニル基等が挙げられる。
「アルキレン基」とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示し、さらに、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基(−(CH2)3−)、n−ブチレン基(−(CH2)4−)、n−ペンチレン基(−(CH2)5−)、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)、イソプロピレン基、イソブチレン基、イソペンチレン基、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−CH2−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2−CH(CH3)−CH2CH2−、−CH2−CH(CH(CH3)2)−、−CH(CH2CH3)−、−CH(CH3)−及び−CH2−C(CH3)2−等が挙げられる。
「アシル基」、「アシルアミノ基」、「アシルオキシ基」における「アシル基」としては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖または環状のアルキル基またはアルケニル基を有するアシル基が好ましい。好ましくは低級アシル基、すなわちC1-4アシル基が挙げられる。例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、シクロプロパノイル基、シクロブタノイル基、シクロペンタノイル基及びシクロヘキサノイル基等が挙げられる。
「アシルアミノ基」とは前述のアシル基におけるカルボニル基部分の炭素原子に窒素原子が結合した基であり、好ましくはアシル基部分は低級アシル基である。たとえば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等が挙げられる。
「アシルオキシ基」とは前述のアシル基におけるカルボニル基部分の炭素原子に酸素原子が結合した基であり、好ましくはアシル基部分は低級アシル基である。たとえば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
「アルキルアミノ基」としては、前述のアルキル基で一置換されたアミノ基を示す。たとえば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ基」としては前述のアルキル基で二置換されたアミノ基を示す。例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基及びエチルメチルアミノ基などが挙げられ、或いは2つのアルキル基が一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成した環基であってもよい。
「アルキルチオ基」とは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルチオ基を示す。たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基等があげられる。
「アルキルカルバモイル基」とは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルカルバモイル基を示す。たとえば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−プロピルカルバモイル基等があげられる。
「アシルオキシ基」とは前述のアシル基におけるカルボニル基部分の炭素原子に酸素原子が結合した基であり、好ましくはアシル基部分は低級アシル基である。たとえば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
「アルキルアミノ基」としては、前述のアルキル基で一置換されたアミノ基を示す。たとえば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ基」としては前述のアルキル基で二置換されたアミノ基を示す。例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基及びエチルメチルアミノ基などが挙げられ、或いは2つのアルキル基が一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成した環基であってもよい。
「アルキルチオ基」とは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルチオ基を示す。たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基等があげられる。
「アルキルカルバモイル基」とは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルカルバモイル基を示す。たとえば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−プロピルカルバモイル基等があげられる。
「シクロアルキル基」としては、好ましくは炭素数3〜8の、より好ましくは炭素数4〜6の環状アルキル基である。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルである。
「シクロアルカン」としては、前述のシクロアルキル基における環部分であり、具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロヘキサン環等が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環である。
「アルコキシ基」及び「アルコキシカルボニル基」における「アルコキシ基」としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、1−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2−メチル−1−ブチルオキシ、3−メチル−1−ブチルオキシ、2−メチル−2−ブチルオキシ、3−メチル−2−ブチルオキシ、2,2−ジメチル−1−プロピルオキシ、1−へキシルオキシ、2−へキシルオキシ、3−へキシルオキシなどの基があげられる。好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。
「アルコキシアルキル基」とは前述のアルコキシ基で置換されたアルキル基を示し、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等があげられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子などがあげられる。これらのうち、フッ素と塩素が好ましい。
「シクロアルカン」としては、前述のシクロアルキル基における環部分であり、具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロヘキサン環等が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環である。
「アルコキシ基」及び「アルコキシカルボニル基」における「アルコキシ基」としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、1−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2−メチル−1−ブチルオキシ、3−メチル−1−ブチルオキシ、2−メチル−2−ブチルオキシ、3−メチル−2−ブチルオキシ、2,2−ジメチル−1−プロピルオキシ、1−へキシルオキシ、2−へキシルオキシ、3−へキシルオキシなどの基があげられる。好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。
「アルコキシアルキル基」とは前述のアルコキシ基で置換されたアルキル基を示し、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等があげられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子などがあげられる。これらのうち、フッ素と塩素が好ましい。
アリール、アリールカルボニル、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアミノ及びアリールカルボニルにおける「アリール基」としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基、2,3−ジヒドロキシインデニル基などが挙げられる。
「アレーン」とは、前述の炭素数6〜14のアリール基の環部分であり、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環などを含み、好ましくはベンゼン環である。
「ヘテロアリール基」としては、環を構成する原子として、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を有する炭素数3〜14のヘテロアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数4〜10のヘテロアリール基、特に好ましくは炭素数4〜9のヘテロアリール基である。具体的には、フラニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラニル基、インデンニル基、チオフェニル基、ピリジニル基、インドリル基、キノリニル基などがあげられる。
「ヘテロアレーン」とは、前述の環を構成する原子として、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を有する炭素数3〜14のヘテロアリール基における環部分であり、具体的には、フラン環、ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピラン環、インデン環、チオフェン環、ピリジン環、インドール環、キノン環などが挙げられる。
「アレーン」とは、前述の炭素数6〜14のアリール基の環部分であり、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環などを含み、好ましくはベンゼン環である。
「ヘテロアリール基」としては、環を構成する原子として、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を有する炭素数3〜14のヘテロアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数4〜10のヘテロアリール基、特に好ましくは炭素数4〜9のヘテロアリール基である。具体的には、フラニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラニル基、インデンニル基、チオフェニル基、ピリジニル基、インドリル基、キノリニル基などがあげられる。
「ヘテロアレーン」とは、前述の環を構成する原子として、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を有する炭素数3〜14のヘテロアリール基における環部分であり、具体的には、フラン環、ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピラン環、インデン環、チオフェン環、ピリジン環、インドール環、キノン環などが挙げられる。
本発明において、一般式(I)で表される化合物の塩としては、食品添加物として許容しうるものであればよく、式中に塩基性基が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸との塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられるが、中でも塩酸、酢酸を用いるのが好ましい。
塩を形成する方法としては、一般式(I)で表される化合物と必要な酸とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することなどにより得ることができる。
塩を形成する方法としては、一般式(I)で表される化合物と必要な酸とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することなどにより得ることができる。
本発明の化合物には、一般式(I)で表される化合物の溶媒和物、例えば水和物、アルコール付加物等も含まれる。
一般式(I)において、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表し、或いは、R1〜R3のいずれか2つが、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
R1〜R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表すことが好ましい。また、R1〜R3のうちの1〜2つが水素原子を表し、残りの基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す)ことがより好ましく、R1〜R3のうちの1つが、水素原子を表し、残りの2つの基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す)ことがさらにより好ましい。
また、別の態様としては、R1〜R3のうち、いずれか2つが、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子(ここで、好ましくは当該2つの基は、ベンゼン環上の互いに隣り合う炭素原子にそれぞれ結合している)とともに一緒になって、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環(好ましくは5〜8員環、より好ましくは5〜6員環)を形成しても良い(当該形成された環は、置換基を有していてもよく、好ましくはメチル基、エチル基及びヒドロキシル基から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)。R1〜R3のうちのいずれか2つが一緒になって形成される2価の基(ベンゼン環上の炭素原子とともに上記環を形成する基)としては、アルキレン基、アルキレンジオキシ基などが挙げられる。中でも、炭素数3〜5の飽和炭化水素若しくは1個もしくは2個のヘテロ原子で置換された炭素数1〜3の飽和炭化水素から成る基が好ましく、具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、ジメチレンジオキシ基などが挙げられるが、中でもトリメチレン基やメチレンジオキシ基が好ましい。
これらの中でも、R1〜R3は、いずれか1つが水素原子であり、残りの2つの基が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基であることがさらにより好ましく、メチル基又はメトキシ基であることが特に好ましい。
また、一般式(I)の部分構造:
は、下記式で表される構造であることが好ましい。
(式中、R1は、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数1〜3のアルコキシ基又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。R2は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシであることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。)
一般式(I)において、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表し、或いは、R1〜R3のいずれか2つが、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
R1〜R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表すことが好ましい。また、R1〜R3のうちの1〜2つが水素原子を表し、残りの基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す)ことがより好ましく、R1〜R3のうちの1つが、水素原子を表し、残りの2つの基が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す)ことがさらにより好ましい。
また、別の態様としては、R1〜R3のうち、いずれか2つが、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子(ここで、好ましくは当該2つの基は、ベンゼン環上の互いに隣り合う炭素原子にそれぞれ結合している)とともに一緒になって、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環(好ましくは5〜8員環、より好ましくは5〜6員環)を形成しても良い(当該形成された環は、置換基を有していてもよく、好ましくはメチル基、エチル基及びヒドロキシル基から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)。R1〜R3のうちのいずれか2つが一緒になって形成される2価の基(ベンゼン環上の炭素原子とともに上記環を形成する基)としては、アルキレン基、アルキレンジオキシ基などが挙げられる。中でも、炭素数3〜5の飽和炭化水素若しくは1個もしくは2個のヘテロ原子で置換された炭素数1〜3の飽和炭化水素から成る基が好ましく、具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、ジメチレンジオキシ基などが挙げられるが、中でもトリメチレン基やメチレンジオキシ基が好ましい。
これらの中でも、R1〜R3は、いずれか1つが水素原子であり、残りの2つの基が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基であることがさらにより好ましく、メチル基又はメトキシ基であることが特に好ましい。
また、一般式(I)の部分構造:
は、下記式で表される構造であることが好ましい。
(式中、R1は、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数1〜3のアルコキシ基又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。R2は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシであることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。)
また、一般式(I)において、R4は、水素原子又はアルキル基を表すが、中でも、水素原子、メチルが好ましく、特に水素原子が好ましい。
一般式(I)のうち、部分構造:
は、R5で置換されていても良い2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルを示すが、Lが0の場合は、R5で置換されていても良い3−ピリジルを示す。また、Lが1、2又は3である場合は、R5で置換されていても良い2−ピリジルが好ましい。ここに、R5としては、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基で置換された一置換アミノ基、一緒になってアルキレン基となっても良い炭素数1〜4のアルキル基で置換された二置換アミノ基が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基がより好ましく、水素原子がさらにより好ましい。
一般式(I)のうち、部分構造:
は、R5で置換されていても良い2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルを示すが、Lが0の場合は、R5で置換されていても良い3−ピリジルを示す。また、Lが1、2又は3である場合は、R5で置換されていても良い2−ピリジルが好ましい。ここに、R5としては、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基で置換された一置換アミノ基、一緒になってアルキレン基となっても良い炭素数1〜4のアルキル基で置換された二置換アミノ基が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基がより好ましく、水素原子がさらにより好ましい。
Yは、結合又はNR9を表す。ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよい。
Lとしては、0〜3の整数を示すが、中でも、1、2又は3が好ましく、2又は3がより好ましく、特には2が好ましい。また、Lが1又は2のときは、Yは結合であることが好ましい。
また、YがNR9のときは、Lは2を表すが、その場合、式(I)で表される化合物は、下記式(III):
であることが好ましい(式中のR1〜R3、R5〜R8の定義は前記と同様である)。
Lとしては、0〜3の整数を示すが、中でも、1、2又は3が好ましく、2又は3がより好ましく、特には2が好ましい。また、Lが1又は2のときは、Yは結合であることが好ましい。
また、YがNR9のときは、Lは2を表すが、その場合、式(I)で表される化合物は、下記式(III):
であることが好ましい(式中のR1〜R3、R5〜R8の定義は前記と同様である)。
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表す。ここで、RcとRd(すなわち、(Rc、Rd))、ReとRf(すなわち、(Re、Rf))は、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する。
これらのなかでも、Xが、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(CH2)m−S−CH2−、−(CH(CH3))n−O−CH2−又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、m及びnが、それぞれ1又は2の整数を表すことが好ましい。また、Xが、炭素数1〜3のアルキレン、結合、又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、nが1又は2の整数を表すのが好ましい。Xは、炭素数1〜2のアルキレン、結合、−CH2−O−CH2−又は−C2H4−O−CH2−であることがより好ましく、−CH2−O−CH2−であることが特に好ましい。
尚、一般式(I)中、Xが表す−(C(Rc)Rd)m−S−CZ2−及び−(C(Re)Rf)n−O−CZ2−は、−(C(Rc)Rd)m−S−CZ2−環Aや−(C(Re)Rf)n−O−CZ2−環Aといった形態で環Aに結合する。
環Aとしては、特に、ベンゼン、シクロヘキサンが好ましい。
更に具体的には、部分構造:
は、具体的には、それぞれR6、R7、R8で置換されていても良い、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ベンジルオキシメチル、ベンジルオキシエチル、ベンジルチオメチル、ベンジルチオエチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、3−インドリルメチル、チオフェン−2−イルメチル、ナフチルメチル、ピリジルメチル、インダン−2−イル基、2−ナフチルメチル基等が挙げられる。また、Lが0の場合はシクロヘキシル、シクロペンチルが好ましい。また、Lが1、2又は3である場合は、ベンジルオキシメチル、ベンジルオキシエチル、フェニルエチルオキシメチルが挙げられる。これらの中でもベンジルオキシメチルが特に好ましい。
これらのなかでも、Xが、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(CH2)m−S−CH2−、−(CH(CH3))n−O−CH2−又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、m及びnが、それぞれ1又は2の整数を表すことが好ましい。また、Xが、炭素数1〜3のアルキレン、結合、又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、nが1又は2の整数を表すのが好ましい。Xは、炭素数1〜2のアルキレン、結合、−CH2−O−CH2−又は−C2H4−O−CH2−であることがより好ましく、−CH2−O−CH2−であることが特に好ましい。
尚、一般式(I)中、Xが表す−(C(Rc)Rd)m−S−CZ2−及び−(C(Re)Rf)n−O−CZ2−は、−(C(Rc)Rd)m−S−CZ2−環Aや−(C(Re)Rf)n−O−CZ2−環Aといった形態で環Aに結合する。
環Aとしては、特に、ベンゼン、シクロヘキサンが好ましい。
更に具体的には、部分構造:
は、具体的には、それぞれR6、R7、R8で置換されていても良い、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ベンジルオキシメチル、ベンジルオキシエチル、ベンジルチオメチル、ベンジルチオエチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、3−インドリルメチル、チオフェン−2−イルメチル、ナフチルメチル、ピリジルメチル、インダン−2−イル基、2−ナフチルメチル基等が挙げられる。また、Lが0の場合はシクロヘキシル、シクロペンチルが好ましい。また、Lが1、2又は3である場合は、ベンジルオキシメチル、ベンジルオキシエチル、フェニルエチルオキシメチルが挙げられる。これらの中でもベンジルオキシメチルが特に好ましい。
また、環Aがシクロヘキサンである場合は、Xは結合であることが好ましい。
また、環Aがベンゼンである場合は、Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、−(C(Rc)Rd)m−S−CZ2−又は−(C(Re)Rf)n−O−CZ2−であることが好ましく、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−、−CH(CH3)−O−CH2−又は−CH2−O−CH2−であることがより好ましく、−CH2−O−CH2−であることが特に好ましい。
また、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合している環A上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。好ましくは、R6〜R8のいずれか2つは、環A上の互いに隣り合う2つの炭素原子にそれぞれ結合しており、当該R6〜R8のいずれか2つと当該2つの炭素原子とが一緒になって、環(好ましくは5〜8員環、より好ましくは5〜6員環)を形成していてもよい(ここで、当該形成された環の1、2又は3個の炭素原子は、ヘテロ原子に置き換わっていてもよく、当該形成された環は、メチル基、エチル基及びヒドロキシル基から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)。
中でも、R6〜R8、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
また、環Aがシクロヘキサンである場合、R6〜R8としては水素原子、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、環Aがベンゼンである場合は、R6〜R8としては水素原子、メチル、メトキシ、エトキシ、塩素原子、フッ素原子が好ましい。
これらの中でも、環Aはベンゼンであることが特に好ましい。また、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子又はメチルであることが好ましく、R6〜R8のいずれか2つが水素原子で残りの1つがメチルであるか、R6〜R8の全てが水素原子であることが特に好ましい。R6〜R8の全てが水素原子であることが最も好ましい。
−C(Ra)(Rb)−におけるRaとRb(すなわち、(Ra、Rb))は、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表す。(Ra、Rb)は、(H、H)であることが好ましい。
また、環Aがベンゼンである場合は、Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、−(C(Rc)Rd)m−S−CZ2−又は−(C(Re)Rf)n−O−CZ2−であることが好ましく、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−、−CH(CH3)−O−CH2−又は−CH2−O−CH2−であることがより好ましく、−CH2−O−CH2−であることが特に好ましい。
また、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合している環A上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。好ましくは、R6〜R8のいずれか2つは、環A上の互いに隣り合う2つの炭素原子にそれぞれ結合しており、当該R6〜R8のいずれか2つと当該2つの炭素原子とが一緒になって、環(好ましくは5〜8員環、より好ましくは5〜6員環)を形成していてもよい(ここで、当該形成された環の1、2又は3個の炭素原子は、ヘテロ原子に置き換わっていてもよく、当該形成された環は、メチル基、エチル基及びヒドロキシル基から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)。
中でも、R6〜R8、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
また、環Aがシクロヘキサンである場合、R6〜R8としては水素原子、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、環Aがベンゼンである場合は、R6〜R8としては水素原子、メチル、メトキシ、エトキシ、塩素原子、フッ素原子が好ましい。
これらの中でも、環Aはベンゼンであることが特に好ましい。また、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子又はメチルであることが好ましく、R6〜R8のいずれか2つが水素原子で残りの1つがメチルであるか、R6〜R8の全てが水素原子であることが特に好ましい。R6〜R8の全てが水素原子であることが最も好ましい。
−C(Ra)(Rb)−におけるRaとRb(すなわち、(Ra、Rb))は、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表す。(Ra、Rb)は、(H、H)であることが好ましい。
<一般式(I)で表される化合物の製造方法>
本発明の一般式(I)で表される化合物は、例えば、下記の方法により、容易に製造することができる。
式(I)で表される化合物またはその塩の製造方法は、特に限定されるものではなく、既知の方法を組み合わせることにより製造することができる。具体的には、下記方法により合成することができるが、これらに限定されるものではない。
式(I)で表される化合物は、公知の手法と併せて、以下の製法1〜5或いはこれらを適宜組み合わせた方法により製造することができる。
製法1
本発明の一般式(I)で表される化合物は、例えば、下記の方法により、容易に製造することができる。
式(I)で表される化合物またはその塩の製造方法は、特に限定されるものではなく、既知の方法を組み合わせることにより製造することができる。具体的には、下記方法により合成することができるが、これらに限定されるものではない。
式(I)で表される化合物は、公知の手法と併せて、以下の製法1〜5或いはこれらを適宜組み合わせた方法により製造することができる。
製法1
化合物(I)は、カルボン酸成分(IV)とアミン成分(V)とを脱水縮合剤を用いる縮合反応に付してエステル成分(VI)を得、得られたエステル成分(VI)を加水分解などにより脱保護してカルボン酸成分(VII)とし、これをアミン成分(VIII)と脱水縮合に付すことによって製造することができる。
カルボン酸成分(IV)及び(VII)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよく、アミン成分(V)及び(VIII)は遊離体でも、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(IV)または(VII)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加え、アミン成分(V)または(VIII)が塩酸塩などの塩の場合は縮合反応の際にトリエチルアミンなどの塩基を添加して反応を行えばよい。使用するカルボン酸成分(IV)とアミン成分(V)との、またはカルボン酸成分(VII)とアミン成分(VIII)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)1当量に対してアミン成分(V)またはアミン成分(VIII)を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のための酸の使用量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩の中和のための塩基の使用量はアミン成分(V)またはアミン成分(VIII)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
カルボン酸成分(IV)及び(VII)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよく、アミン成分(V)及び(VIII)は遊離体でも、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(IV)または(VII)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加え、アミン成分(V)または(VIII)が塩酸塩などの塩の場合は縮合反応の際にトリエチルアミンなどの塩基を添加して反応を行えばよい。使用するカルボン酸成分(IV)とアミン成分(V)との、またはカルボン酸成分(VII)とアミン成分(VIII)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)1当量に対してアミン成分(V)またはアミン成分(VIII)を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のための酸の使用量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩の中和のための塩基の使用量はアミン成分(V)またはアミン成分(VIII)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
使用する溶媒としては、カルボン酸成分(IV)、カルボン酸成分(VII)やアミン成分(V)やアミン成分(VIII)と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミドが好ましい。溶媒量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(WSC・HCl)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)などが用いられる。その際、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBt・H2O)などの縮合促進剤が用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。縮合促進剤の使用量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して0.5〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(WSC・HCl)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)などが用いられる。その際、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBt・H2O)などの縮合促進剤が用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。縮合促進剤の使用量はカルボン酸成分(IV)またはカルボン酸成分(VII)に対して0.5〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
エステル成分(VI)の保護基Aの除去法としては、通常、ペプチド合成で用いられる脱保護法を用いて行えばよい。Aがt−ブチル基以外のアルキル基の場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの塩基によるアルカリ加水分解、Aがt−ブチル基の場合は塩酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などによる加酸分解、Aがベンジル基の場合にはパラジウム炭素触媒などによる加水素分解によって脱保護することができる。
例えば、Aがt−ブチル基以外のアルキル基の場合、使用する塩基の使用量に制限はないが、収率良く反応させるためには、エステル成分(VI)に対して塩基を1.0〜10等量、好ましくは1.2〜3.0当量用いれば良い。使用する溶媒としては、水あるいは、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの有機溶媒と水の混合溶媒をエステル成分(VI)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量用いれば良い。反応時間は約1〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜100℃が望ましい。
例えば、Aがt−ブチル基以外のアルキル基の場合、使用する塩基の使用量に制限はないが、収率良く反応させるためには、エステル成分(VI)に対して塩基を1.0〜10等量、好ましくは1.2〜3.0当量用いれば良い。使用する溶媒としては、水あるいは、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの有機溶媒と水の混合溶媒をエステル成分(VI)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量用いれば良い。反応時間は約1〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜100℃が望ましい。
製法2
(式中、各記号は上記と同意義を示す。式(X)、式(XI)中、置換基Bは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基などを示す。式(IX)中、ZはCl、Br、Iなどのハロゲン原子を示す。)
(式中、各記号は上記と同意義を示す。式(X)、式(XI)中、置換基Bは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基などを示す。式(IX)中、ZはCl、Br、Iなどのハロゲン原子を示す。)
化合物(I)は、カルボン酸成分(IV)を、一旦、酸ハロゲン化物(IX)に変換した後に、これとアミン成分(X)とを塩基の存在下に縮合反応に付すことによってアミド成分(XI)を得、以下、得られたアミド成分(XI)を用いて、製法1と同様に反応を行なうことにより製造することができる。
工程1
酸ハロゲン化物の内、酸塩化物(IX)は、カルボン酸成分(IV)を常法により、塩化オキサリル、塩化チオニル等と反応させることにより得ることができる。塩化オキサリル、塩化チオニル等の使用量は、カルボン酸成分(IV)に対して0.8〜10.0当量、好ましくは1.0〜2.0当量である。反応温度は、通常10.0〜50.0℃、好ましくは0〜35.0℃であり、反応時間は、通常1.0〜20.0時間、好ましくは3.0〜16.0時間である。塩化オキサリルや塩化チオニルを用いて酸ハロゲン化物を調製する際にはトルエン、塩化メチレンなどの溶媒を用いても良く、反応を促進するためにN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)を加えても良い。酸塩化物の場合式(IX)中ZはClを示す。
工程1
酸ハロゲン化物の内、酸塩化物(IX)は、カルボン酸成分(IV)を常法により、塩化オキサリル、塩化チオニル等と反応させることにより得ることができる。塩化オキサリル、塩化チオニル等の使用量は、カルボン酸成分(IV)に対して0.8〜10.0当量、好ましくは1.0〜2.0当量である。反応温度は、通常10.0〜50.0℃、好ましくは0〜35.0℃であり、反応時間は、通常1.0〜20.0時間、好ましくは3.0〜16.0時間である。塩化オキサリルや塩化チオニルを用いて酸ハロゲン化物を調製する際にはトルエン、塩化メチレンなどの溶媒を用いても良く、反応を促進するためにN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)を加えても良い。酸塩化物の場合式(IX)中ZはClを示す。
工程2
酸塩化物(IX)をアミン成分(X)と反応させるには、トリエチルアミン、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下に反応させればよい。アミン成分(X)と酸塩化物(IX)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、アミン成分(X)に対して酸塩化物(IX)を0.8〜1.2当量用いればよい。塩基の使用量はアミン成分(X)に対して0.8〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。使用する溶媒としては、前記製法1で使用する溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
以下は、製法1と同様に反応させればよい。
酸塩化物(IX)をアミン成分(X)と反応させるには、トリエチルアミン、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下に反応させればよい。アミン成分(X)と酸塩化物(IX)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、アミン成分(X)に対して酸塩化物(IX)を0.8〜1.2当量用いればよい。塩基の使用量はアミン成分(X)に対して0.8〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。使用する溶媒としては、前記製法1で使用する溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
以下は、製法1と同様に反応させればよい。
製法3
(式中、各記号は上記と同意義を示す。式(XII)、(XIII)中、置換基Wはt−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)などを示す。)
(式中、各記号は上記と同意義を示す。式(XII)、(XIII)中、置換基Wはt−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)などを示す。)
化合物(I)は、カルボン酸成分(XII)とアミン成分(VIII)とを脱水縮合剤を用いる縮合反応に付してアミド成分(XIII)を得、得られたアミド成分(XIII)のアミノ基の保護基を脱保護してアミン成分(XIV)とし、これをカルボン酸成分(IV)と脱水縮合に付すことによって製造することができる。
カルボン酸成分(XII)及び(IV)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよく、アミン成分(VIII)及び(XIV)は遊離体でも、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(XII)または(IV)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加え、アミン成分(VIII)または(XIV)が塩の場合は縮合反応の際にトリエチルアミンなどの塩基を添加して反応を行えばよい。使用するカルボン酸成分(XII)とアミン成分(VIII)との、またはカルボン酸成分(IV)とアミン成分(XIV)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)1当量に対してアミン成分(VIII)またはアミン成分(XIV)を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のための酸の使用量はカルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩の中和のための塩基の使用量はアミン成分(VIII)またはアミン成分(XIV)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
カルボン酸成分(XII)及び(IV)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよく、アミン成分(VIII)及び(XIV)は遊離体でも、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(XII)または(IV)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加え、アミン成分(VIII)または(XIV)が塩の場合は縮合反応の際にトリエチルアミンなどの塩基を添加して反応を行えばよい。使用するカルボン酸成分(XII)とアミン成分(VIII)との、またはカルボン酸成分(IV)とアミン成分(XIV)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)1当量に対してアミン成分(VIII)またはアミン成分(XIV)を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のための酸の使用量はカルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩の中和のための塩基の使用量はアミン成分(VIII)またはアミン成分(XIV)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
使用する溶媒としては、カルボン酸成分(XII)、カルボン酸成分(IV)やアミン成分(VIII)、アミン成分(XIV)と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミドが好ましい。溶媒量はカルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(WSC・HCl)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)などが用いられる。その際、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などの縮合促進剤が用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。縮合促進剤の使用量はカルボン酸成分(XII)またはカルボン酸成分(IV)に対して0.5〜3.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
アミド成分(XIII)の保護基Wの除去法としては、通常、ペプチド合成で用いられる脱保護法を用いて行えばよい。Wがt−ブトキシカルボニル基(Boc基)の場合は塩酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸で、Wがベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)の場合には水素/パラジウム炭素触媒などで、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)の場合はピペリジン、モルホリンなどの塩基で脱保護することができる。
例えば、Wがt−ブトキシカルボニル基(Boc基)の場合、使用する酸の使用量に制限はないが、収率良く反応させるためには、アミド成分(XIII)に対して酸を1.0〜30等量、好ましくは2.0〜10当量用いれば良い。使用する溶媒としては、水またはテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、メタノール、エタノール、アセトニトリルなどの有機溶媒、あるいはこれらの混合物を用いれば良い。トリフルオロ酢酸の場合はそのまま用いても良い。溶媒の量はアミド成分(XIII)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量用いれば良い。反応時間は約1〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は0〜100℃が望ましい。
例えば、Wがt−ブトキシカルボニル基(Boc基)の場合、使用する酸の使用量に制限はないが、収率良く反応させるためには、アミド成分(XIII)に対して酸を1.0〜30等量、好ましくは2.0〜10当量用いれば良い。使用する溶媒としては、水またはテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、メタノール、エタノール、アセトニトリルなどの有機溶媒、あるいはこれらの混合物を用いれば良い。トリフルオロ酢酸の場合はそのまま用いても良い。溶媒の量はアミド成分(XIII)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量用いれば良い。反応時間は約1〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は0〜100℃が望ましい。
製法4
(式中、各記号は上記と同意義を示す。式(XII)、(XV)および(XIII)中、置換基Dはスクシニル基(Su)、ベンゾトリアゾール基(Bt)、ニトロフェニル基(Np)またはペンタフルオロフェニル基(Pfp)などを示す。置換基Wはt−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)などを示す。)
(式中、各記号は上記と同意義を示す。式(XII)、(XV)および(XIII)中、置換基Dはスクシニル基(Su)、ベンゾトリアゾール基(Bt)、ニトロフェニル基(Np)またはペンタフルオロフェニル基(Pfp)などを示す。置換基Wはt−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)などを示す。)
化合物(XIII)は、カルボン酸成分(XII)を、一旦、活性エステル成分(XV)に変換した後に、これとアミン成分(VIII)とを縮合反応に付すことによって製造することができる。得られた化合物(XIII)は製法3に記載の方法あるいは製法3に記載の脱保護法で化合物(XIV)に変換した後に、次に説明する製法5に記載の方法によって化合物(I)に変換することができる。
活性エステル生成工程
カルボン酸成分(XII)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(XII)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加えて反応を行えばよい。
カルボン酸成分(XII)から活性エステル成分(XV)を得るには、DCCやWSC・HClなどの脱水縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(HOBt・H2O)、ニトロフェノールやペンタフルオロフェノールなどの活性エステル化剤とを通常のペプチド合成反応を行う反応条件で反応させればよい。
使用するカルボン酸成分(XII)と活性エステル化剤との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(XII)1当量に対して活性エステル化剤を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のために酸が必要な場合、酸の使用量はカルボン酸成分(XII)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
カルボン酸成分(XII)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(XII)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加えて反応を行えばよい。
カルボン酸成分(XII)から活性エステル成分(XV)を得るには、DCCやWSC・HClなどの脱水縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(HOBt・H2O)、ニトロフェノールやペンタフルオロフェノールなどの活性エステル化剤とを通常のペプチド合成反応を行う反応条件で反応させればよい。
使用するカルボン酸成分(XII)と活性エステル化剤との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(XII)1当量に対して活性エステル化剤を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のために酸が必要な場合、酸の使用量はカルボン酸成分(XII)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
使用する溶媒としては、カルボン酸成分(XII)や活性エステル化剤と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。溶媒量はカルボン酸成分(XII)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、前述の通り、例えば、DCCやWSC・HClなどが用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(XII)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、前述の通り、例えば、DCCやWSC・HClなどが用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(XII)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
縮合反応工程
使用する活性エステル成分(XV)とアミン成分(VIII)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、活性エステル成分(XV)1当量に対してアミン成分(VIII)を0.8〜1.2当量用いればよい。
使用する溶媒としては、活性エステル成分(XV)やアミン成分(VIII)と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。溶媒量は活性エステル成分(XV)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
使用する活性エステル成分(XV)とアミン成分(VIII)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、活性エステル成分(XV)1当量に対してアミン成分(VIII)を0.8〜1.2当量用いればよい。
使用する溶媒としては、活性エステル成分(XV)やアミン成分(VIII)と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。溶媒量は活性エステル成分(XV)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
化合物(I)は、カルボン酸成分(IV)を、一旦、活性エステル成分(XVI)に変換した後に、これとアミン成分(XIV)とを縮合反応に付すことによって製造することができる。アミン成分(XIV)は前述の、製法3または製法4に記載した方法で得ることができる。
活性エステル生成工程
カルボン酸成分(IV)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(IV)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加えて反応を行えばよい。
カルボン酸成分(IV)から活性エステル成分(XVI)を得るには、DCCやWSC・HClなどの脱水縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(HOBt・H2O)、ニトロフェノールやペンタフルオロフェノールなどの活性エステル化剤とを通常のペプチド合成反応を行う反応条件で反応させればよい。
使用するカルボン酸成分(IV)と活性エステル化剤との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(IV)1当量に対して活性エステル化剤を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のために酸が必要な場合、酸の使用量はカルボン酸成分(IV)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
カルボン酸成分(IV)はジシクロヘキシルアミン塩などの塩でもよい。カルボン酸成分(IV)がジシクロヘキシルアミン塩などの塩の場合は縮合の際に塩酸などの酸を加えて反応を行えばよい。
カルボン酸成分(IV)から活性エステル成分(XVI)を得るには、DCCやWSC・HClなどの脱水縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(HOBt・H2O)、ニトロフェノールやペンタフルオロフェノールなどの活性エステル化剤とを通常のペプチド合成反応を行う反応条件で反応させればよい。
使用するカルボン酸成分(IV)と活性エステル化剤との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、カルボン酸成分(IV)1当量に対して活性エステル化剤を0.8〜1.2当量用いればよい。塩の中和のために酸が必要な場合、酸の使用量はカルボン酸成分(IV)に対して0.8〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
使用する溶媒としては、カルボン酸成分(IV)や活性エステル化剤と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。溶媒量はカルボン酸成分(IV)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、前述の通り、例えば、DCCやWSC・HClなどが用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(IV)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
脱水縮合剤としては、ペプチド合成などで使用される一般的な縮合剤を用いればよく、前述の通り、例えば、DCCやWSC・HClなどが用いられる。脱水縮合剤の使用量はカルボン酸成分(IV)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.05〜1.20当量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
縮合反応工程
使用する活性エステル成分(XVI)とアミン成分(XIV)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、活性エステル成分(XVI)1当量に対してアミン成分(XIV)を0.8〜1.2当量用いればよい。
使用する溶媒としては、活性エステル成分(XVI)やアミン成分(XIV)と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。溶媒量は活性エステル成分(XVI)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
使用する活性エステル成分(XVI)とアミン成分(XIV)との比率に制限はないが、収率良く反応させるためには、活性エステル成分(XVI)1当量に対してアミン成分(XIV)を0.8〜1.2当量用いればよい。
使用する溶媒としては、活性エステル成分(XVI)やアミン成分(XIV)と反応するものでなければ特に限定はなく、例えばジクロロメタン(DCM)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を用いることができる。中でもジクロロメタン、N,N’−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルが好ましい。溶媒量は活性エステル成分(XVI)に対して10〜500倍重量、好ましくは15〜100倍重量である。
反応時間は約3〜24時間が好ましく、これは反応温度に依存し、その範囲は5〜35℃が好ましい。
前記の各反応ならびに各反応成分の合成において、所望により、公知の脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応または置換基交換反応を、単独あるいはその二つ以上を組み合わせて行うことにより、各置換基を変換することができる。
前記の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基またはカルボニル基を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて、保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
上記した保護基の除去方法は、公知の方法、例えば、プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス (Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley and Sons刊 (1980)に記載の方法等に準じて行うことができる。
前記の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基またはカルボニル基を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて、保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
上記した保護基の除去方法は、公知の方法、例えば、プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス (Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley and Sons刊 (1980)に記載の方法等に準じて行うことができる。
得られる式(I)で表される化合物またはその塩は、常法により単離精製することができる。例えば、結晶化によって精製する場合は、溶媒として、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノール、メタノール、アセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなど、あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。クロマトグラフによる精製法として、分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)またはシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いることができる。その際の展開溶媒としては、先に結晶化の溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
<香辛料>
本発明において、「香辛料」とは、植物の葉、茎、樹皮、根、花、蕾、種子、果実又は果皮であって、食品や飲料に特別な辛味及び/又は風味を与えることを目的として使用されるものをいう。
本発明において、「辛味」とは、舌表面の痛覚神経が刺激されることによって認知される感覚であり、代表的な辛味物質として唐辛子に含まれるカプサイシン、胡椒に含まれるピペリン、ワサビなどに含まれるアリルイソチオシアネートなどがあげられる(伏木亨著「食品と味」pp.51−52、光琳)。
本発明において、「風味」とは、口腔に食品を含んだ際に、呼吸によって香気成分が鼻腔に到達した際に感じるレトロネーザル香を指す。
本発明の対象となる香辛料は、化合物(I)で表される化合物又はその塩によってその辛味及び/又は風味が増強されるものであれば特に限定されない。本発明の対象となる香辛料としては、クスノキ科の香辛料(ローレル、シナモン等)、コショウ科の香辛料(ブラックペッパー、ホワイトぺッパー等)、シソ科の香辛料(タイム、セージ、バジル、オレガノ、マジョラム、ロズマリー、ミント等)、セリ科の香辛料(アニスシード、フェンネル(ウイキョウ)、キャラウェイ、クミン、コリアンダー、パセリ、イタリアンパセリ、セロリ、セロリシード、ディル等)、ナス科の香辛料(チリペッパー、カイエンペッパー等)、ニクズク科の香辛料(ナツメグ(ナッツメッグ)、メース等)、ネギ科の香辛料(ガーリックパウダー、オニオンパウダー等)、フトモモ科の香辛料(オールスパイス、クローブ等)、シキミ科の香辛料(八角(スターアニス)等)、マメ科の香辛料(フェネグリーク(フェヌグリューク)等)、タデ科の香辛料(タデ等)、アブラナ科の香辛料(ガーデンクレス等)、ターメリック、ジンジャー、グリーンカルダモン等が挙げられる。
好ましい香辛料としては、例えば、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角(スターアニス)、コリアンダー、ターメリック、フェヌグリューク、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ローレル、シナモン、セージ、バジル、オレガノ、マジョラム、ロズマリー、フェンネル(ウイキョウ)、キャラウェイ、パセリ、セロリ、セロリシード、ディル、メース、オールスパイス、フェネグリーク、タデ、ガーデンクレス等が挙げられる。
これらの中でも、香辛料は、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角(スターアニス)、コリアンダー、ターメリック、アニスシード、フェネグリーク、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー及びガーリックパウダーからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント及びクミンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記香辛料は、1種類の香辛料を単独で用いてもよく、2種類以上の香辛料を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、「香辛料」とは、植物の葉、茎、樹皮、根、花、蕾、種子、果実又は果皮であって、食品や飲料に特別な辛味及び/又は風味を与えることを目的として使用されるものをいう。
本発明において、「辛味」とは、舌表面の痛覚神経が刺激されることによって認知される感覚であり、代表的な辛味物質として唐辛子に含まれるカプサイシン、胡椒に含まれるピペリン、ワサビなどに含まれるアリルイソチオシアネートなどがあげられる(伏木亨著「食品と味」pp.51−52、光琳)。
本発明において、「風味」とは、口腔に食品を含んだ際に、呼吸によって香気成分が鼻腔に到達した際に感じるレトロネーザル香を指す。
本発明の対象となる香辛料は、化合物(I)で表される化合物又はその塩によってその辛味及び/又は風味が増強されるものであれば特に限定されない。本発明の対象となる香辛料としては、クスノキ科の香辛料(ローレル、シナモン等)、コショウ科の香辛料(ブラックペッパー、ホワイトぺッパー等)、シソ科の香辛料(タイム、セージ、バジル、オレガノ、マジョラム、ロズマリー、ミント等)、セリ科の香辛料(アニスシード、フェンネル(ウイキョウ)、キャラウェイ、クミン、コリアンダー、パセリ、イタリアンパセリ、セロリ、セロリシード、ディル等)、ナス科の香辛料(チリペッパー、カイエンペッパー等)、ニクズク科の香辛料(ナツメグ(ナッツメッグ)、メース等)、ネギ科の香辛料(ガーリックパウダー、オニオンパウダー等)、フトモモ科の香辛料(オールスパイス、クローブ等)、シキミ科の香辛料(八角(スターアニス)等)、マメ科の香辛料(フェネグリーク(フェヌグリューク)等)、タデ科の香辛料(タデ等)、アブラナ科の香辛料(ガーデンクレス等)、ターメリック、ジンジャー、グリーンカルダモン等が挙げられる。
好ましい香辛料としては、例えば、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角(スターアニス)、コリアンダー、ターメリック、フェヌグリューク、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ローレル、シナモン、セージ、バジル、オレガノ、マジョラム、ロズマリー、フェンネル(ウイキョウ)、キャラウェイ、パセリ、セロリ、セロリシード、ディル、メース、オールスパイス、フェネグリーク、タデ、ガーデンクレス等が挙げられる。
これらの中でも、香辛料は、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角(スターアニス)、コリアンダー、ターメリック、アニスシード、フェネグリーク、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー及びガーリックパウダーからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント及びクミンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記香辛料は、1種類の香辛料を単独で用いてもよく、2種類以上の香辛料を組み合わせて用いてもよい。
<含有比率>
本発明の調味料用組成物は、香辛料100重量部に対し、一般式(I)で表される化合物又はその塩を0.0001〜10重量部含むことが好ましく、0.0005〜5.0重量部含むことがより好ましく、0.001〜2.0重量部含むことがさらにより好ましく、0.01〜1.0重量部含むことが特に好ましく、0.01〜0.1重量部含むことも好ましい。
香辛料100重量部に対する一般式(I)で表される化合物又はその塩の含有量が上記範囲内であると、香辛料の辛味及び/又は風味を十分に増強させることができる。
なお、本発明において、一般式(I)で表される化合物又はその塩によって香辛料の辛味及び/又は風味が増強されるとは、同一の香辛料を同量含むが一般式(I)で表される化合物又はその塩を添加しない場合に比べて、香辛料の辛味及び/又は風味が増していることをいう。
本発明の調味料用組成物中に含まれる香辛料の量に特に制限はないが、香辛料は、調味料用組成物中に0.01重量%以上含まれることが好ましく、0.05重量%以上含まれることがより好ましい。また、調味料用組成物中に含まれる香辛料の量は、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上又は90重量%以上であってもよい。
本発明の調味料用組成物は、香辛料100重量部に対し、一般式(I)で表される化合物又はその塩を0.0001〜10重量部含むことが好ましく、0.0005〜5.0重量部含むことがより好ましく、0.001〜2.0重量部含むことがさらにより好ましく、0.01〜1.0重量部含むことが特に好ましく、0.01〜0.1重量部含むことも好ましい。
香辛料100重量部に対する一般式(I)で表される化合物又はその塩の含有量が上記範囲内であると、香辛料の辛味及び/又は風味を十分に増強させることができる。
なお、本発明において、一般式(I)で表される化合物又はその塩によって香辛料の辛味及び/又は風味が増強されるとは、同一の香辛料を同量含むが一般式(I)で表される化合物又はその塩を添加しない場合に比べて、香辛料の辛味及び/又は風味が増していることをいう。
本発明の調味料用組成物中に含まれる香辛料の量に特に制限はないが、香辛料は、調味料用組成物中に0.01重量%以上含まれることが好ましく、0.05重量%以上含まれることがより好ましい。また、調味料用組成物中に含まれる香辛料の量は、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上又は90重量%以上であってもよい。
<その他の成分>
本発明の調味料用組成物は、必要に応じて、その他の成分をさらに含んでいてもよい。その他の成分は、調味料用組成物に使用できる成分であれば特に限定されない。その他の成分は、一般式(I)で表される化合物又はその塩による香辛料辛味及び/又は風味増強作用を妨げない範囲で使用することができる。その他の成分としては、例えば、アミノ酸系うま味調味料(例:グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系うま味調味料(例:イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、無機塩類(例:リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)、酸味料(例:クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸等)、有機酸塩類(例:クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、アミノ酸(例:グリシン、アラニン、アルギニン、リジン等)、タンパク質加水分解物、家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス(例:チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス等)、アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)による生成物、等張化剤(例:ソルビトール等)、緩衝剤(例:酢酸ナトリウム等)、防腐剤(例:亜硝酸ナトリウム等)、抗酸化剤(例:L−アスコルビン酸等)、着色剤(例:ベニバナ色素)、矯味剤(例:ハッカ油等)、pH調整剤(例:酢酸ナトリウム等)、賦形剤(例:デキストリン、乳糖等)、糖アルコール類等が挙げられる。他の成分としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
本発明の調味料用組成物は、必要に応じて、その他の成分をさらに含んでいてもよい。その他の成分は、調味料用組成物に使用できる成分であれば特に限定されない。その他の成分は、一般式(I)で表される化合物又はその塩による香辛料辛味及び/又は風味増強作用を妨げない範囲で使用することができる。その他の成分としては、例えば、アミノ酸系うま味調味料(例:グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系うま味調味料(例:イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、無機塩類(例:リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)、酸味料(例:クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸等)、有機酸塩類(例:クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、アミノ酸(例:グリシン、アラニン、アルギニン、リジン等)、タンパク質加水分解物、家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス(例:チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス等)、アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)による生成物、等張化剤(例:ソルビトール等)、緩衝剤(例:酢酸ナトリウム等)、防腐剤(例:亜硝酸ナトリウム等)、抗酸化剤(例:L−アスコルビン酸等)、着色剤(例:ベニバナ色素)、矯味剤(例:ハッカ油等)、pH調整剤(例:酢酸ナトリウム等)、賦形剤(例:デキストリン、乳糖等)、糖アルコール類等が挙げられる。他の成分としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
<<2.香辛料の辛味及び/又は風味増強剤>>
本発明の第2の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む香辛料の辛味及び/又は風味増強剤である。
第2の態様における一般式(I)で表される化合物又はその塩、香辛料の説明は、それぞれ上記第1の態様に記載の一般式(I)で表される化合物又はその塩、香辛料の説明と同様である。
本発明の第2の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む香辛料の辛味及び/又は風味増強剤である。
第2の態様における一般式(I)で表される化合物又はその塩、香辛料の説明は、それぞれ上記第1の態様に記載の一般式(I)で表される化合物又はその塩、香辛料の説明と同様である。
<その他の成分>
本発明の増強剤は、一般式(I)で表される化合物又はその塩のみからなっていてもよく、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、一般式(I)で表される化合物又はその塩による香辛料辛味及び/又は風味増強作用を妨げない範囲で使用することができる。その他の成分としては、例えば、アミノ酸系うま味調味料(例:グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系うま味調味料(例:イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、無機塩類(例:リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)、酸味料(例:クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸等)、有機酸塩類(例:クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、アミノ酸(例:グリシン、アラニン、アルギニン、リジン等)、タンパク質加水分解物、家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス(例:チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス等)、アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)による生成物、等張化剤(例:ソルビトール等)、緩衝剤(例:酢酸ナトリウム等)、防腐剤(例:亜硝酸ナトリウム等)、抗酸化剤(例:L−アスコルビン酸等)、着色剤(例:ベニバナ色素)、矯味剤(例:ハッカ油等)、pH調整剤(例:酢酸ナトリウム等)、賦形剤(例:デキストリン、乳糖等)、糖アルコール類等が挙げられる。他の成分としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、デキストリン、糖アルコール類、乳糖が特に好ましい。
本発明の増強剤中に含まれる一般式(I)で表される化合物又はその塩の量に特に制限はないが、増強剤中に0.001重量%以上含まれることが好ましく、0.005重量%以上含まれることがより好ましい。また、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、増強剤中に0.01重量%以上、0.1重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上又は90重量%以上含まれていてもよい。さらには、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、増強剤中に100重量%含まれていてもよい。
本発明の増強剤は、一般式(I)で表される化合物又はその塩のみからなっていてもよく、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、一般式(I)で表される化合物又はその塩による香辛料辛味及び/又は風味増強作用を妨げない範囲で使用することができる。その他の成分としては、例えば、アミノ酸系うま味調味料(例:グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系うま味調味料(例:イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、無機塩類(例:リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)、酸味料(例:クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸等)、有機酸塩類(例:クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、アミノ酸(例:グリシン、アラニン、アルギニン、リジン等)、タンパク質加水分解物、家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス(例:チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス等)、アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)による生成物、等張化剤(例:ソルビトール等)、緩衝剤(例:酢酸ナトリウム等)、防腐剤(例:亜硝酸ナトリウム等)、抗酸化剤(例:L−アスコルビン酸等)、着色剤(例:ベニバナ色素)、矯味剤(例:ハッカ油等)、pH調整剤(例:酢酸ナトリウム等)、賦形剤(例:デキストリン、乳糖等)、糖アルコール類等が挙げられる。他の成分としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、デキストリン、糖アルコール類、乳糖が特に好ましい。
本発明の増強剤中に含まれる一般式(I)で表される化合物又はその塩の量に特に制限はないが、増強剤中に0.001重量%以上含まれることが好ましく、0.005重量%以上含まれることがより好ましい。また、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、増強剤中に0.01重量%以上、0.1重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上又は90重量%以上含まれていてもよい。さらには、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、増強剤中に100重量%含まれていてもよい。
<<3.調味料用組成物の製造方法>>
本発明の第3の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩、或いは、前記第2の態様の増強剤を、香辛料と混合する工程を有する、前記香辛料を含む調味料用組成物の製造方法である。
本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩或いは前記増強剤を香辛料と混合することにより、香辛料単独の場合と比べて、香辛料の辛味及び/又は風味を増強することができる。従って、香辛料単独の場合よりも少量の香辛料を用いて同等の辛味及び/又は風味が得られる調味料用組成物を提供することができる。
本発明の第3の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩、或いは、前記第2の態様の増強剤を、香辛料と混合する工程を有する、前記香辛料を含む調味料用組成物の製造方法である。
本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩或いは前記増強剤を香辛料と混合することにより、香辛料単独の場合と比べて、香辛料の辛味及び/又は風味を増強することができる。従って、香辛料単独の場合よりも少量の香辛料を用いて同等の辛味及び/又は風味が得られる調味料用組成物を提供することができる。
第3の態様における混合工程において、一般式(I)で表される化合物又はその塩と香辛料との混合比率は、前記香辛料100重量部に対して0.0001〜10重量部であることが好ましく、0.0005〜5.0重量部であることがより好ましく、0.001〜2.0重量部であることがさらにより好ましく、0.01〜1.0重量部であることが特に好ましく、0.01〜0.1重量部であることも好ましい。
本発明は一般式(I)で表される化合物又はその塩、或いは、前記増強剤を香辛料と混合する前、同時或いは後に、その他の成分を一般式(I)で表される化合物又はその塩、前記増強剤、及び/又は香辛料に添加、混合することもできる。その他の成分としては、例えば、第1の態様で記載した「その他の成分」と同様のものが挙げられる。
また、得られる調味料用組成物中に含まれる香辛料の量に特に制限はなく、例えば、第1の態様における調味料用組成物中に含まれる香辛料の量と同様の量を用いることができる。
本発明は一般式(I)で表される化合物又はその塩、或いは、前記増強剤を香辛料と混合する前、同時或いは後に、その他の成分を一般式(I)で表される化合物又はその塩、前記増強剤、及び/又は香辛料に添加、混合することもできる。その他の成分としては、例えば、第1の態様で記載した「その他の成分」と同様のものが挙げられる。
また、得られる調味料用組成物中に含まれる香辛料の量に特に制限はなく、例えば、第1の態様における調味料用組成物中に含まれる香辛料の量と同様の量を用いることができる。
<<4.香辛料を含む飲食品の製造方法>>
本発明の第4の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する工程(以下、添加工程と呼ぶことがある)を含む、前記香辛料を含む飲食品の製造方法である
本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加することにより、香辛料のみを添加した場合(すなわち、同一の香辛料を同量添加するものの一般式(I)で表される化合物又はその塩を添加しない場合)に比べて、得られた飲食品に含まれる香辛料の辛味及び/又は風味を増強することができる。
第4の態様における一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料の説明は、それぞれ上記第1の態様に記載の化合物及び香辛料の説明と同様である。
また、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び/又は香辛料は、第1の態様に記載のその他の成分及び/又は第2の態様に記載のその他の成分とともに、飲食品又は香辛料を含む飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加してもよい。
本発明の第4の態様は、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する工程(以下、添加工程と呼ぶことがある)を含む、前記香辛料を含む飲食品の製造方法である
本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加することにより、香辛料のみを添加した場合(すなわち、同一の香辛料を同量添加するものの一般式(I)で表される化合物又はその塩を添加しない場合)に比べて、得られた飲食品に含まれる香辛料の辛味及び/又は風味を増強することができる。
第4の態様における一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料の説明は、それぞれ上記第1の態様に記載の化合物及び香辛料の説明と同様である。
また、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び/又は香辛料は、第1の態様に記載のその他の成分及び/又は第2の態様に記載のその他の成分とともに、飲食品又は香辛料を含む飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加してもよい。
第4の態様の添加工程において、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、香辛料100重量部に対して0.0001〜10重量部であることが好ましく、0.0005〜5.0重量部添加されることがより好ましく、0.001〜2.0重量部添加されることがさらにより好ましく、0.01〜1.0重量部添加されることが特に好ましく、0.01〜0.1重量部添加されることも好ましい。
香辛料100重量部に対して一般式(I)で表される化合物又はその塩が上記範囲内で添加されると、得られた飲食品に含まれる香辛料の辛味及び/又は風味を十分に増強させることができる。
香辛料100重量部に対して一般式(I)で表される化合物又はその塩が上記範囲内で添加されると、得られた飲食品に含まれる香辛料の辛味及び/又は風味を十分に増強させることができる。
<飲食品及び飲食品原料>
第4の態様における「飲食品」としては、例えば、以下のものが挙げられる:カレースープ、ミネストローネスープ、トム・ヤム・クン、コーンスープ、ポタージュスープ、コンソメスープ、即席麺用スープ等のスープ類;ジェノバソース、ウスターソース、チリソース、タバスコソース等のソース類;ラー油、花椒油等の油類;固形コンソメ、液体コンソメ等のコンソメ類;かつお風味、チキン風味、ポーク風味、ビーフ風味等の風味調味料類;七味唐辛子、豆板醤、XO醤、コチュジャン等の辛味調味料類;基礎調味料類;メニュー用調味料類(料理するメニューに合わせた専用調味料);シチュールウ、カレールウ等のルウ類;チリコンカルネ、フェイジョアータ等の煮込み料理類;シナモンクッキー、スナック菓子等の菓子類;チャイ、シナモンティー、ジンジャーエール、コーラ等の飲料類;唐揚げ粉等のフライ用組成物;唐揚げ、カツレツなどのフライ食品;惣菜食品。また、飲食品は、香辛料そのものであってもよい。すなわち、本発明の製造方法においては、例えば、本発明の化合物を香辛料に添加することにより、香辛料風味が増強された香辛料を製造してもよい。
また、飲食品の形態に特に制限はなく、例えば、飲食品は、液体、ペースト、乳化状液体、粉末、固体、ゲル状の飲食品であってもよい。
また、第3の態様における「飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料」としては、飲食品の製造に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、飲食品の原料となる肉、野菜、果実、穀類、イモ類、乳類、油脂類、タンパク質加水分解物、家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス(例:チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス等)、などの食品原料やアミノ酸系うま味調味料(例:グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系うま味調味料(例:イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、無機塩類(例:リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)、酸味料(例:クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸等)、有機酸塩類(例:クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、アミノ酸(例:グリシン、アラニン、アルギニン、リジン等)、アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)による生成物、等張化剤(例:ソルビトール等)、緩衝剤(例:酢酸ナトリウム等)、防腐剤(例:亜硝酸ナトリウム等)、抗酸化剤(例:L−アスコルビン酸等)、着色剤(例:ベニバナ色素)pH調整剤(例:酢酸ナトリウム等)などの食品添加物などがあげられる。また、飲食品の製造途中に存在する飲食品の中間体である畜肉や魚介の抽出物、食品素材ならびに食品添加物の加熱物(これらは、2種類以上の原料の組み合わせから構成される)などが挙げられる。
本発明の方法は、添加工程後、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を混合する工程を更に有していてもよい。
また、添加工程において、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する場合は、その後、得られた少なくとも1種の原料を用いて、飲食品を製造(調理)する工程を更に有していてもよい。
飲食品又は飲食品原料中に添加する一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料の量は、香辛料100質量部に対する一般式(I)で表される化合物又はその塩の比率が上記範囲内である限り特に制限はなく、好みや飲食品の種類に応じて適宜調整すればよい。例えば、飲食品に対して、香辛料は、0.00001〜10質量%、0.0001〜10質量%、0.001〜5質量%、0.01〜5質量%又は0.05〜5質量%添加することができる。
第4の態様における「飲食品」としては、例えば、以下のものが挙げられる:カレースープ、ミネストローネスープ、トム・ヤム・クン、コーンスープ、ポタージュスープ、コンソメスープ、即席麺用スープ等のスープ類;ジェノバソース、ウスターソース、チリソース、タバスコソース等のソース類;ラー油、花椒油等の油類;固形コンソメ、液体コンソメ等のコンソメ類;かつお風味、チキン風味、ポーク風味、ビーフ風味等の風味調味料類;七味唐辛子、豆板醤、XO醤、コチュジャン等の辛味調味料類;基礎調味料類;メニュー用調味料類(料理するメニューに合わせた専用調味料);シチュールウ、カレールウ等のルウ類;チリコンカルネ、フェイジョアータ等の煮込み料理類;シナモンクッキー、スナック菓子等の菓子類;チャイ、シナモンティー、ジンジャーエール、コーラ等の飲料類;唐揚げ粉等のフライ用組成物;唐揚げ、カツレツなどのフライ食品;惣菜食品。また、飲食品は、香辛料そのものであってもよい。すなわち、本発明の製造方法においては、例えば、本発明の化合物を香辛料に添加することにより、香辛料風味が増強された香辛料を製造してもよい。
また、飲食品の形態に特に制限はなく、例えば、飲食品は、液体、ペースト、乳化状液体、粉末、固体、ゲル状の飲食品であってもよい。
また、第3の態様における「飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料」としては、飲食品の製造に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、飲食品の原料となる肉、野菜、果実、穀類、イモ類、乳類、油脂類、タンパク質加水分解物、家畜家禽肉、魚介、野菜、酵母由来のエキス(例:チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、酵母エキス等)、などの食品原料やアミノ酸系うま味調味料(例:グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系うま味調味料(例:イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、無機塩類(例:リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)、酸味料(例:クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸等)、有機酸塩類(例:クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、アミノ酸(例:グリシン、アラニン、アルギニン、リジン等)、アミノ酸と糖の加熱褐変反応(アミノカルボニル反応またはメイラード反応)による生成物、等張化剤(例:ソルビトール等)、緩衝剤(例:酢酸ナトリウム等)、防腐剤(例:亜硝酸ナトリウム等)、抗酸化剤(例:L−アスコルビン酸等)、着色剤(例:ベニバナ色素)pH調整剤(例:酢酸ナトリウム等)などの食品添加物などがあげられる。また、飲食品の製造途中に存在する飲食品の中間体である畜肉や魚介の抽出物、食品素材ならびに食品添加物の加熱物(これらは、2種類以上の原料の組み合わせから構成される)などが挙げられる。
本発明の方法は、添加工程後、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を混合する工程を更に有していてもよい。
また、添加工程において、一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する場合は、その後、得られた少なくとも1種の原料を用いて、飲食品を製造(調理)する工程を更に有していてもよい。
飲食品又は飲食品原料中に添加する一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料の量は、香辛料100質量部に対する一般式(I)で表される化合物又はその塩の比率が上記範囲内である限り特に制限はなく、好みや飲食品の種類に応じて適宜調整すればよい。例えば、飲食品に対して、香辛料は、0.00001〜10質量%、0.0001〜10質量%、0.001〜5質量%、0.01〜5質量%又は0.05〜5質量%添加することができる。
以下、実施例および試験例を挙げて、本発明の有用性を具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。後述の代表的な合成例に記載の方法に準じて、表1に記載の本発明の化合物1から81の化合物を製造した。すなわち、実施例化合物1〜21、23、24、29、30、32、34〜51、53〜81は合成例1、2に準じて合成した。化合物25〜28、33は合成例3に準じて合成した。化合物22、31は合成例4に準じて合成した。
なお、以下の製造例において、合成された化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(Bruker AVANCE 400)、並びにESI−MSスペクトルによって同定した。
なお、以下の製造例において、合成された化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(Bruker AVANCE 400)、並びにESI−MSスペクトルによって同定した。
Step1:
3,4−ジメチル安息香酸(0.150g、1mmol)、HOBt一水和物(0.168g、1.1mmol)、WSC塩酸塩(0.211g、1.1mmol)をDMF2mlに溶解させ室温で30分撹拌した。ここにD−Chgメチルエステル塩酸塩(D−シクロヘキシルグリシンメチルエステル塩酸塩、0.208g、1mmol)を溶解させ、トリエチルアミン(0.15ml、1.1mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。翌日、酢酸エチルと水で有機層に目的物を抽出させ、5%クエン酸、5%炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で有機層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、有機溶媒を濃縮した。途中で結晶が析出したのでヘキサンを加えて晶析させ、ろ過、減圧乾燥をし、(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルアセテート(0.291g、0.96mmol)を得た。
Step2:
(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルアセテート(1.485g、4.89mmol)をメタノール30mlに溶解させ、2N水酸化ナトリウム(4.9ml、9.6mmol)を入れ50℃で4時間半加熱することで、(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルカルボン酸(1.255g、4.33mmol)を得た。
3,4−ジメチル安息香酸(0.150g、1mmol)、HOBt一水和物(0.168g、1.1mmol)、WSC塩酸塩(0.211g、1.1mmol)をDMF2mlに溶解させ室温で30分撹拌した。ここにD−Chgメチルエステル塩酸塩(D−シクロヘキシルグリシンメチルエステル塩酸塩、0.208g、1mmol)を溶解させ、トリエチルアミン(0.15ml、1.1mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。翌日、酢酸エチルと水で有機層に目的物を抽出させ、5%クエン酸、5%炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で有機層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、有機溶媒を濃縮した。途中で結晶が析出したのでヘキサンを加えて晶析させ、ろ過、減圧乾燥をし、(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルアセテート(0.291g、0.96mmol)を得た。
Step2:
(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルアセテート(1.485g、4.89mmol)をメタノール30mlに溶解させ、2N水酸化ナトリウム(4.9ml、9.6mmol)を入れ50℃で4時間半加熱することで、(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルカルボン酸(1.255g、4.33mmol)を得た。
Step3:
(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルカルボン酸(0.144g、0.5mmol)、HOBt一水和物(0.084g、0.55mmol)、WSC塩酸塩(0.105g、0.55mmol)をDMF2mlに溶解させ室温で30分撹拌した。2−(2−アミノエチル)ピリジン(59μl、0.5mmol)を加え一晩撹拌した。翌日、酢酸エチルと水で有機層に目的物を抽出させ、5%炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で有機層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この時結晶が析出してきたので加温して溶解させ、硫酸マグネシウムを除去した。減圧濃縮すると結晶が析出してきたので、静置して晶析しN−((R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−シクロヘキシル)−3,4−ジメチルベンズアミド(0.140g、0.36mmol)を得た。
(R)−メチル−2−(3,4−ジメチルベンズアミド)2−シクロヘキシルカルボン酸(0.144g、0.5mmol)、HOBt一水和物(0.084g、0.55mmol)、WSC塩酸塩(0.105g、0.55mmol)をDMF2mlに溶解させ室温で30分撹拌した。2−(2−アミノエチル)ピリジン(59μl、0.5mmol)を加え一晩撹拌した。翌日、酢酸エチルと水で有機層に目的物を抽出させ、5%炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で有機層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この時結晶が析出してきたので加温して溶解させ、硫酸マグネシウムを除去した。減圧濃縮すると結晶が析出してきたので、静置して晶析しN−((R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−シクロヘキシル)−3,4−ジメチルベンズアミド(0.140g、0.36mmol)を得た。
Step1:
N−α−tert−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−D−セリン(10.34g、35.0mmol)をDMF(100mL)に溶解し、HOBt一水和物(5.89g、38.5mmol)、WSC塩酸塩(7.38g、38.5mmol)を加えた。2−(2−アミノエチル)ピリジン(4.29g、35.1mmol)を滴下し、室温で6時間撹拌した。HPLCで原料の消失を確認後、溶媒を留去した。残差に酢酸エチル(200mL)と10%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、溶媒を減圧留去し、目的物のtert−ブチル−(R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)カルバメート(15.26g)を油状物として得た。
Step2:
tert−ブチル−(R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)カルバメート(15.26g、35.0mmol相当)に1,4N塩酸/ジオキサン溶液(45mL)を加え室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、目的物の2−アミノ−3−(ベンジルオキシ)−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)プロパンアミド塩酸塩(16.78g、残溶媒あり)を定量的に得た。
N−α−tert−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−D−セリン(10.34g、35.0mmol)をDMF(100mL)に溶解し、HOBt一水和物(5.89g、38.5mmol)、WSC塩酸塩(7.38g、38.5mmol)を加えた。2−(2−アミノエチル)ピリジン(4.29g、35.1mmol)を滴下し、室温で6時間撹拌した。HPLCで原料の消失を確認後、溶媒を留去した。残差に酢酸エチル(200mL)と10%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、溶媒を減圧留去し、目的物のtert−ブチル−(R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)カルバメート(15.26g)を油状物として得た。
Step2:
tert−ブチル−(R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)カルバメート(15.26g、35.0mmol相当)に1,4N塩酸/ジオキサン溶液(45mL)を加え室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、目的物の2−アミノ−3−(ベンジルオキシ)−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)プロパンアミド塩酸塩(16.78g、残溶媒あり)を定量的に得た。
Step3:
4−メトキシ−3−メチル安息香酸(5.52g、33.2mmol)をDMF(50mL)に溶解し、HOBt一水和物(5.89g、38.5mmol)、WSC塩酸塩(7.38g、38.5mmol)を加えた。2−アミノ−3−(ベンジルオキシ)−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)プロパンアミド塩酸塩(16.77g、35.0mmol相当)をDMF(50mL)に溶かしながら加えた後、トリエチルアミン(9.8mL、70.1mmol)を加え室温で4時間撹拌した。HPLCで原料の残存が確認されたため、HOBt一水和物(0.54g、3.5mmol)、WSC塩酸塩(0.67g、3.5mmol)、トリエチルアミン(4.9mL、35.0mmol)を追加し1時間反応を続けた。反応終了後に溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル(200mL)と10%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、溶媒を減圧留去し、粗生成物(14.42g)を薄桃色の固体として得た。2バッチ分の粗生成物(27.15g)を酢酸エチル(150mL)に懸濁し、40〜45℃のオイルバスに入れて1時間撹拌した。室温に戻して3時間撹拌後ろ過をし、ろ過物を酢酸エチル(10mL×4回)で洗浄した。固体を40℃で一晩減圧乾燥し、目的物のN−((R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)−4−メトキシ−3−メチルベンズアミド(22.97g、>99HPLCarea%)を白色固体として得た。
4−メトキシ−3−メチル安息香酸(5.52g、33.2mmol)をDMF(50mL)に溶解し、HOBt一水和物(5.89g、38.5mmol)、WSC塩酸塩(7.38g、38.5mmol)を加えた。2−アミノ−3−(ベンジルオキシ)−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)プロパンアミド塩酸塩(16.77g、35.0mmol相当)をDMF(50mL)に溶かしながら加えた後、トリエチルアミン(9.8mL、70.1mmol)を加え室温で4時間撹拌した。HPLCで原料の残存が確認されたため、HOBt一水和物(0.54g、3.5mmol)、WSC塩酸塩(0.67g、3.5mmol)、トリエチルアミン(4.9mL、35.0mmol)を追加し1時間反応を続けた。反応終了後に溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル(200mL)と10%炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、溶媒を減圧留去し、粗生成物(14.42g)を薄桃色の固体として得た。2バッチ分の粗生成物(27.15g)を酢酸エチル(150mL)に懸濁し、40〜45℃のオイルバスに入れて1時間撹拌した。室温に戻して3時間撹拌後ろ過をし、ろ過物を酢酸エチル(10mL×4回)で洗浄した。固体を40℃で一晩減圧乾燥し、目的物のN−((R)−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)−4−メトキシ−3−メチルベンズアミド(22.97g、>99HPLCarea%)を白色固体として得た。
Step1:
プロパギルアミン(2g、36mmol)をTHF(280mL)に溶解し、二炭酸ジ―tert−ブチル(20.24g、93mmol)、DMAP(4.469g、37mmol)、トリエチルアミン(12.5mL、90mmol)を加え終夜で撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことでジ−tert−ブチル プロプ−2−イニルイミノジカルボキシレートを定量的に得た。
Step2:
1,4−ジオキサン(20mL)に対し、ヨウ化銅(I)(297.0g、5.2mol%)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(646.9g、3.1mol%)、トリエチルアミン(7.2mL、45mmol)、2−ピリジン臭素(2.92mL、30mmol)、ジ−tert−ブチル プロプ−2−イニルイミノジカルボキシレート全量を加え、80℃にて終夜撹拌した。その後、溶媒を留去し、酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーを行うことでN,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イニル アミン(8.8453g、26.6mmol)を得た。
プロパギルアミン(2g、36mmol)をTHF(280mL)に溶解し、二炭酸ジ―tert−ブチル(20.24g、93mmol)、DMAP(4.469g、37mmol)、トリエチルアミン(12.5mL、90mmol)を加え終夜で撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことでジ−tert−ブチル プロプ−2−イニルイミノジカルボキシレートを定量的に得た。
Step2:
1,4−ジオキサン(20mL)に対し、ヨウ化銅(I)(297.0g、5.2mol%)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(646.9g、3.1mol%)、トリエチルアミン(7.2mL、45mmol)、2−ピリジン臭素(2.92mL、30mmol)、ジ−tert−ブチル プロプ−2−イニルイミノジカルボキシレート全量を加え、80℃にて終夜撹拌した。その後、溶媒を留去し、酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーを行うことでN,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イニル アミン(8.8453g、26.6mmol)を得た。
Step3:
N,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イニル アミン全量をメタノール(200mL)に溶解し、2%パラジウムカーボン(3.33g)を加え水素雰囲気化にて終夜攪拌した。その後、さらに2%パラジウムカーボン(4.55g)を加え水素雰囲気化にて4時間攪拌し、濾過し、溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーを行うことでN,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロピルアミン(5.1120g、15.20mmol)を得た。
Step4:
N,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロピルアミン全量を4N−塩酸ジオキサン溶液(140mL)に溶解し、30分間攪拌し、留去することで3−(ピリジン―2−イル)プロパン−1−アミン塩酸塩(2.9061g、13.897mmol)を得た。
N,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イニル アミン全量をメタノール(200mL)に溶解し、2%パラジウムカーボン(3.33g)を加え水素雰囲気化にて終夜攪拌した。その後、さらに2%パラジウムカーボン(4.55g)を加え水素雰囲気化にて4時間攪拌し、濾過し、溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーを行うことでN,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロピルアミン(5.1120g、15.20mmol)を得た。
Step4:
N,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−ピリジン−2−イルプロピルアミン全量を4N−塩酸ジオキサン溶液(140mL)に溶解し、30分間攪拌し、留去することで3−(ピリジン―2−イル)プロパン−1−アミン塩酸塩(2.9061g、13.897mmol)を得た。
Step5:
3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−アミン塩酸塩(460.1mg、1.96mmol)、Boc−D−シクロヘキシルグリシン(551.3mg、2.00mmol)、HOBT一水和物(403.8mg、2.64mmol)、WSC塩酸塩(722.0g、3.77mmol)をDMF(15mL)に溶解し、トリエチルアミン(3.0mL、21.6mmol)を加え終夜攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で有機層を洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去することでtert−ブチル(R)−(3−(ピリジン−2−イル)プロピルカルバモイル)(シクロヘキシル)メチルカルバメイト(724.1mg、1.928mmol)を得た。
Step6:
Step4と同様の条件下、(tert−ブチル(R)−(3−(ピリジン−2−イル)プロピルカルバモイル)(シクロヘキシル)メチルカルバメイト全量を4N−塩酸ジオキサンと反応させることで(R)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−N−(3−(ピリジン−2−イル)プロピル)アセトアミド塩酸塩を定量的に得た。
Step7:
Step5と同様の条件下、4―エチル安息香酸と(R)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−N−(3−(ピリジン−2−イル)プロピル)アセトアミド塩酸塩を縮合反応することでN−((R)−3−(ピリジン−2−イル)プロピルカルバモイル)(シクロヘキシル)メチル)−4−エチルベンズアミド(112.8mg、0.277mmol)を得た。
3−(ピリジン−2−イル)プロパン−1−アミン塩酸塩(460.1mg、1.96mmol)、Boc−D−シクロヘキシルグリシン(551.3mg、2.00mmol)、HOBT一水和物(403.8mg、2.64mmol)、WSC塩酸塩(722.0g、3.77mmol)をDMF(15mL)に溶解し、トリエチルアミン(3.0mL、21.6mmol)を加え終夜攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で有機層を洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去することでtert−ブチル(R)−(3−(ピリジン−2−イル)プロピルカルバモイル)(シクロヘキシル)メチルカルバメイト(724.1mg、1.928mmol)を得た。
Step6:
Step4と同様の条件下、(tert−ブチル(R)−(3−(ピリジン−2−イル)プロピルカルバモイル)(シクロヘキシル)メチルカルバメイト全量を4N−塩酸ジオキサンと反応させることで(R)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−N−(3−(ピリジン−2−イル)プロピル)アセトアミド塩酸塩を定量的に得た。
Step7:
Step5と同様の条件下、4―エチル安息香酸と(R)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−N−(3−(ピリジン−2−イル)プロピル)アセトアミド塩酸塩を縮合反応することでN−((R)−3−(ピリジン−2−イル)プロピルカルバモイル)(シクロヘキシル)メチル)−4−エチルベンズアミド(112.8mg、0.277mmol)を得た。
Step1:
Boc−D−セリン−O−ベンジル(0.296g、1.0mmol)をDMF(4mL)に溶解し、HOBt一水和物(0.168g、1.1mmol)、WSC塩酸塩(0.209g、1.1mmol)を加えた。1−(2−ピリジル)ピペラジン(0.170g、1.0mmol)をDMF3mLに溶かしながら加え、室温で6時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルと10%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧留去し、目的物のtert−ブチル−(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルカルバメート(0.451g、純度93%として0.95mmol)を油状物として得た。
Step2:
tert−ブチル−(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルカルバメート(0.451g、純度93%として0.95mmol)を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解し、4N塩酸/ジオキサン溶液(1.5mL)を加え室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、目的物の(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルアミン塩酸塩(0.601g、残溶媒あり)を定量的に得た。
Step3:
4−メトキシ−3−メチル安息香酸(0.154g、0.93mmol)をDMF(3mL)に溶解し、HOBt一水和物(0.157g、1.03mmol)、WSC塩酸塩(0.196g、1.02mmol)を加えた。(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルアミン塩酸塩(0.585g、0.93mmol相当)をDMF(3mL)に溶かしながら加えた後、トリエチルアミン(0.39mL、2.8mmol)を加え室温で撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルと10%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧留去し油状の粗生成物(0.487g)を得た。シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物のN−((R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)−4−メトキシ−3−メチルベンズアミド(0.337g、0.69mmol)を得た。
このようにして合成した化合物1〜81の化学構造式、同定データ及び化合物名をまとめて表1に示す。
Boc−D−セリン−O−ベンジル(0.296g、1.0mmol)をDMF(4mL)に溶解し、HOBt一水和物(0.168g、1.1mmol)、WSC塩酸塩(0.209g、1.1mmol)を加えた。1−(2−ピリジル)ピペラジン(0.170g、1.0mmol)をDMF3mLに溶かしながら加え、室温で6時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルと10%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧留去し、目的物のtert−ブチル−(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルカルバメート(0.451g、純度93%として0.95mmol)を油状物として得た。
Step2:
tert−ブチル−(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルカルバメート(0.451g、純度93%として0.95mmol)を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解し、4N塩酸/ジオキサン溶液(1.5mL)を加え室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、目的物の(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルアミン塩酸塩(0.601g、残溶媒あり)を定量的に得た。
Step3:
4−メトキシ−3−メチル安息香酸(0.154g、0.93mmol)をDMF(3mL)に溶解し、HOBt一水和物(0.157g、1.03mmol)、WSC塩酸塩(0.196g、1.02mmol)を加えた。(R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチルアミン塩酸塩(0.585g、0.93mmol相当)をDMF(3mL)に溶かしながら加えた後、トリエチルアミン(0.39mL、2.8mmol)を加え室温で撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルと10%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧留去し油状の粗生成物(0.487g)を得た。シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物のN−((R)−1−(4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニルカルボニル)−2−(ベンジルオキシ)エチル)−4−メトキシ−3−メチルベンズアミド(0.337g、0.69mmol)を得た。
このようにして合成した化合物1〜81の化学構造式、同定データ及び化合物名をまとめて表1に示す。
[試験例1]
<チリペッパーに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して、0.1重量%になるように、市販チリペッパー粉末(UTRAM社製)を添加した。この0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加チリペッパー含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテト(対照)の辛味を3.0点、0.175重量%のチリペッパーを含むマッシュポテトの辛味を4.0点として、1点(対照より非常に弱い)〜5点(対照より非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.88重量ppm含有する試料の辛味の平均評点は3.9点であり、無添加試料(0.1重量%チリペッパー含有品)と比較して辛味が増強されることが確認された。
<チリペッパーに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して、0.1重量%になるように、市販チリペッパー粉末(UTRAM社製)を添加した。この0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加チリペッパー含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテト(対照)の辛味を3.0点、0.175重量%のチリペッパーを含むマッシュポテトの辛味を4.0点として、1点(対照より非常に弱い)〜5点(対照より非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.88重量ppm含有する試料の辛味の平均評点は3.9点であり、無添加試料(0.1重量%チリペッパー含有品)と比較して辛味が増強されることが確認された。
[試験例2]
<黒胡椒に対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.1重量%になるように、市販黒胡椒粉末((株)ギャバン社製)を添加した。この黒胡椒含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加黒胡椒含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネルによる官能評価を実施した。専門パネル6名による評価を2回繰り返すことにより、評価を実施した。(n=12)なお、黒胡椒を添加していないマッシュポテト(ブランク)の辛味を0点、無添加の0.1重量%黒胡椒含有マッシュポテト(対照)の辛味を3.0点、0.175重量%の黒胡椒を含むマッシュポテトの辛味を4.0点として、0点(辛味を全く感じない)〜5点(対照より非常に強い)の6点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.88重量ppm含有する試料の辛味の評点は3.64±0.27点(平均値±標準偏差)であり、対照品である無添加試料(0.1重量%黒胡椒含有品)と比較して辛味が、危険率p<0.00001で有意に増強されることが確認された。
<黒胡椒に対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.1重量%になるように、市販黒胡椒粉末((株)ギャバン社製)を添加した。この黒胡椒含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加黒胡椒含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネルによる官能評価を実施した。専門パネル6名による評価を2回繰り返すことにより、評価を実施した。(n=12)なお、黒胡椒を添加していないマッシュポテト(ブランク)の辛味を0点、無添加の0.1重量%黒胡椒含有マッシュポテト(対照)の辛味を3.0点、0.175重量%の黒胡椒を含むマッシュポテトの辛味を4.0点として、0点(辛味を全く感じない)〜5点(対照より非常に強い)の6点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.88重量ppm含有する試料の辛味の評点は3.64±0.27点(平均値±標準偏差)であり、対照品である無添加試料(0.1重量%黒胡椒含有品)と比較して辛味が、危険率p<0.00001で有意に増強されることが確認された。
[試験例3]
<タイムに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.2重量%になるように、市販タイム粉末((株)ギャバン社製)を添加した。このタイム含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加タイム含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名により、タイム特有の清々しい風味に着目して、官能評価を実施した。なお、無添加のタイム含有マッシュポテト(対照区)の風味の強さを3.0点として、1点(対照より非常に弱い)〜5点(対照より非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.88重量ppm含有する試料の辛味の平均評点は3.4点であり、無添加試料(0.1重量% 含有品)と比較してタイム特有の清々しい風味が増強されることが確認された。
<タイムに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.2重量%になるように、市販タイム粉末((株)ギャバン社製)を添加した。このタイム含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加タイム含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名により、タイム特有の清々しい風味に着目して、官能評価を実施した。なお、無添加のタイム含有マッシュポテト(対照区)の風味の強さを3.0点として、1点(対照より非常に弱い)〜5点(対照より非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.88重量ppm含有する試料の辛味の平均評点は3.4点であり、無添加試料(0.1重量% 含有品)と比較してタイム特有の清々しい風味が増強されることが確認された。
[試験例4]
<ミントに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して1.0重量%になるように、市販ミントペースト(イトーヨーカドーにて購入した生葉の重量1に対して水4を加えてキッチンミキサーで分際したもの)を添加した。このミント含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加ミント含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名により、ミント特有のさわやかな風味に着目して官能評価を実施した。なお、無添加のミント含有マッシュポテトの風味を3.0点として、1点(対照より非常に弱い)〜5点(対照より非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.38重量ppm含有する試料のミントのさわやかな風味の平均評点は3.3点であり、対照品(1.0重量%ミント含有品)と比較してミント特有のさわやかな風味が増強されることが確認された。
<ミントに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して1.0重量%になるように、市販ミントペースト(イトーヨーカドーにて購入した生葉の重量1に対して水4を加えてキッチンミキサーで分際したもの)を添加した。このミント含有マッシュポテトに対して、0.88重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加ミント含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名により、ミント特有のさわやかな風味に着目して官能評価を実施した。なお、無添加のミント含有マッシュポテトの風味を3.0点として、1点(対照より非常に弱い)〜5点(対照より非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.38重量ppm含有する試料のミントのさわやかな風味の平均評点は3.3点であり、対照品(1.0重量%ミント含有品)と比較してミント特有のさわやかな風味が増強されることが確認された。
[試験例5]
<クミンに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.3重量%になるように、市販クミン粉末((株)ギャバン社製)を添加した。このクミン含有マッシュポテトに対して、0.38重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加クミン含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル4名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.3重量%クミン含有マッシュポテト(対照)のクミン風味を0点、0.4重量%のクミンを含むマッシュポテトのクミン風味を3.0点として0点(0.3重量%クミンと同等)〜5点(0.4重量%のクミンと比較して非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.38重量ppm含有する試料のクミン風味の平均評点は3.2点であり、対照品(0.3重量%クミン含有品)と比較してクミン風味が増強されることが確認された。
<クミンに対する添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.3重量%になるように、市販クミン粉末((株)ギャバン社製)を添加した。このクミン含有マッシュポテトに対して、0.38重量ppmになるように化合物10を添加し、攪拌した。このようにして得られた、化合物10添加クミン含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル4名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.3重量%クミン含有マッシュポテト(対照)のクミン風味を0点、0.4重量%のクミンを含むマッシュポテトのクミン風味を3.0点として0点(0.3重量%クミンと同等)〜5点(0.4重量%のクミンと比較して非常に強い)の5点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、化合物10を0.38重量ppm含有する試料のクミン風味の平均評点は3.2点であり、対照品(0.3重量%クミン含有品)と比較してクミン風味が増強されることが確認された。
[試験例6]
<台湾牛肉麺スープ中の香辛料に対する添加効果>
下記配合表に従って調製した台湾牛肉麺スープ粉末を1.76重量%になるように熱水に溶解して、台湾牛肉麺スープを調製した。このようにして得られた台湾牛肉麺スープに、表に示した濃度になるように各種化合物を添加し、攪拌した。各種化合物を添加した台湾牛肉麺スープについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル5名による官能評価を実施した。なお、無添加の台湾牛肉麺スープ(対照区)と比較した際の官能特徴についてフリーワードにてコメントを収集した。下表に示すようにいずれの化合物を添加した際にも、バランスの変化を与えることなく、全体の香辛料の辛味と風味を増強されることが示された。
<台湾牛肉麺スープ中の香辛料に対する添加効果>
下記配合表に従って調製した台湾牛肉麺スープ粉末を1.76重量%になるように熱水に溶解して、台湾牛肉麺スープを調製した。このようにして得られた台湾牛肉麺スープに、表に示した濃度になるように各種化合物を添加し、攪拌した。各種化合物を添加した台湾牛肉麺スープについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル5名による官能評価を実施した。なお、無添加の台湾牛肉麺スープ(対照区)と比較した際の官能特徴についてフリーワードにてコメントを収集した。下表に示すようにいずれの化合物を添加した際にも、バランスの変化を与えることなく、全体の香辛料の辛味と風味を増強されることが示された。
[試験例7]
<マサラスープ中の香辛料に対する添加効果>
下記配合表に従って調製したマサラスープ粉末を2.35重量%になるように熱水に溶解して、マサラスープを調製した。このようにして得られたマサラスープに、各種化合物を表中に示した濃度になるように添加し、攪拌した。このようにして得られた各種化合物が添加されたマサラスープについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル5名による官能評価を実施した。なお、無添加のマサラスープ(対照区)と比較した際の官能特徴についてフリーワードにてコメントを収集した。下表に示すように各種化合物を添加することによって、バランスの変化を与えることなく、全体の香辛料の辛味と風味を増強されることが示された。
<マサラスープ中の香辛料に対する添加効果>
下記配合表に従って調製したマサラスープ粉末を2.35重量%になるように熱水に溶解して、マサラスープを調製した。このようにして得られたマサラスープに、各種化合物を表中に示した濃度になるように添加し、攪拌した。このようにして得られた各種化合物が添加されたマサラスープについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル5名による官能評価を実施した。なお、無添加のマサラスープ(対照区)と比較した際の官能特徴についてフリーワードにてコメントを収集した。下表に示すように各種化合物を添加することによって、バランスの変化を与えることなく、全体の香辛料の辛味と風味を増強されることが示された。
[試験例8]
<チリペッパーの辛味に対する各種化合物の添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して、0.1重量%になるように、市販チリペッパー粉末(UTRAM社製)を添加した。この0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテトに対して、各種化合物を別表に示す濃度にて添加して、攪拌した。このようにして得られた、各種化合物添加チリペッパー含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテト(対照)の辛味を0点、化合物17(添加濃度:1.24ppm)添加試料の辛味を3.0点として、0点〜5点(非常に強い)の6点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、表に記載した化合物を添加した試料の辛味評点は3.0〜3.2点であり、いずれの化合物もチリペッパーの辛味を増強することが確認された。
<チリペッパーの辛味に対する各種化合物の添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して、0.1重量%になるように、市販チリペッパー粉末(UTRAM社製)を添加した。この0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテトに対して、各種化合物を別表に示す濃度にて添加して、攪拌した。このようにして得られた、各種化合物添加チリペッパー含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.1重量%チリペッパー含有マッシュポテト(対照)の辛味を0点、化合物17(添加濃度:1.24ppm)添加試料の辛味を3.0点として、0点〜5点(非常に強い)の6点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、表に記載した化合物を添加した試料の辛味評点は3.0〜3.2点であり、いずれの化合物もチリペッパーの辛味を増強することが確認された。
[試験例9]
<クミンの風味(レトロネーザル香)に対する各種化合物の添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.3重量%になるように、市販クミン粉末((株)ギャバン社製)を添加した。このクミン含有マッシュポテト対して、各種化合物を別表に示す濃度にて添加して、攪拌した。このようにして得られた、各種化合物添加クミン含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.3重量%クミン含有マッシュポテト(対照)の風味(レトロネーザル香:口に含んで鼻から抜けるときに感じる香気)を0点、化合物17(添加濃度:1.24ppm)添加試料の風味(レトロネーザル香)を3.0点として、0点〜5点(非常に強い)の6点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、表に記載した化合物を添加した試料の風味(レトロネーザル香)の評点は3.0〜3.2点であり、いずれの化合物もクミンの風味(レトロネーザル香)を増強することが確認された。
<クミンの風味(レトロネーザル香)に対する各種化合物の添加効果>
市販乾燥マッシュポテト(カルビー(株)社製)1重量部に対して熱湯6重量部を添加して攪拌することによりマッシュポテトを得た。このマッシュポテトに対して0.3重量%になるように、市販クミン粉末((株)ギャバン社製)を添加した。このクミン含有マッシュポテト対して、各種化合物を別表に示す濃度にて添加して、攪拌した。このようにして得られた、各種化合物添加クミン含有マッシュポテトについて、官能評価パネルの選定試験(古川秀子著「おいしさを測る」pp.6〜14、幸書房)に合格した専門パネル2名による官能評価を実施した。なお、無添加の0.3重量%クミン含有マッシュポテト(対照)の風味(レトロネーザル香:口に含んで鼻から抜けるときに感じる香気)を0点、化合物17(添加濃度:1.24ppm)添加試料の風味(レトロネーザル香)を3.0点として、0点〜5点(非常に強い)の6点評価法にて0.1点きざみで比較評価を行った。評価の結果、表に記載した化合物を添加した試料の風味(レトロネーザル香)の評点は3.0〜3.2点であり、いずれの化合物もクミンの風味(レトロネーザル香)を増強することが確認された。
以上の試験の結果、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、香辛料の辛味及び/又は風味を大きく増強させることが判った。なお、一般式(I)で表される化合物又はその塩を香辛料を含む飲食品に添加しても、甘味の増強作用は観察されなかった。
本発明によれば、一般式(I)の化合物又はその塩を用いることによって、香辛料の辛味及び/又は風味を増強させることができる。したがって、本発明は、産業上極めて有用である。
Claims (14)
- 下記一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を含む調味料用組成物。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。) - 一般式(I)中、環Aが、炭素数6〜14のアレーン、炭素数4〜14のヘテロアレーン、又は炭素数5〜8のシクロアルカンを表す、請求項1に記載の調味料用組成物。
- 一般式(I)中、環Aが、炭素数6〜14のアレーン又は炭素数5〜8のシクロアルカンを表す、請求項1又は2に記載の調味料用組成物。
- 一般式(I)中、環Aが、ベンゼン又はシクロヘキサンを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- 一般式(I)中、Xが、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(CH2)m−S−CH2−、−CH(CH3)−O−CH2−又は−(CH2)n−O−CH2−を表し、m及びnがそれぞれ1又は2の整数を表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- Yが結合を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- 一般式(I)中、R1〜R3が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- 一般式(I)中、R6〜R8が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- 前記香辛料100重量部に対し、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を0.0001〜10重量部含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- 前記香辛料が、チリペッパー、ブラックペッパー、タイム、ミント、クミン、ホワイトペッパー、カイエンペッパー、八角、コリアンダー、ターメリック、アニスシード、フェヌグリューク、ジンジャー、クローブ、ナッツメッグ、グリーンカルダモン、オニオンパウダー、ガーリックパウダーからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の調味料用組成物。
- 下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む香辛料の辛味及び/又は風味増強剤。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。) - 請求項12に記載の増強剤を香辛料と混合する工程を有する、前記香辛料を含む調味料用組成物の製造方法。
- 下記一般式(I)で表される化合物又はその塩及び香辛料を、一緒に又は別々に、飲食品又は飲食品の製造に用いられる少なくとも1種の原料に添加する工程を含む、前記香辛料を含む飲食品の製造方法。
(式中、環Aは、アレーン、ヘテロアレーン又はシクロアルカンを表し、
Xは、炭素数1〜3のアルキレン基、結合、−(C(Rc)(Rd))m−S−CZ2−又は−(C(Re)(Rf))n−O−CZ2−を表し、ここで、RcとRd、ReとRfとは、それぞれ(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、m及びnは、それぞれ1〜3の整数を表し、2つのZが共にH、1つのZがHでもう1つのZが結合、又は2つのZが共に結合を表す。尚、1つのZがHでもう1つのZが結合を表す場合には、CZ2−に環Aが2つ結合し、2つのZが共に結合を表す場合には、CZ2−に環Aが3つ結合する、
Yは、結合又はNR9を表し、ここでR9は水素原子又はアルキル基を表し、R9がアルキル基の場合、R9はR4と一緒になって環を形成してもよく、
C(Ra)(Rb)におけるRaとRbは、それぞれ、(H、H)、(H、CH3)、(H、CH2CH3)、又は(CH3、CH3)を表し、
Lは、0〜3の整数を表すが、YがNR9のときは2を表し、
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R1〜R3のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよく、
R4は、水素原子又はアルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すが、ジアルキルアミノ基のアルキル基は一緒になって炭素数2〜5のアルキレン基を形成しても良く、
R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、カルバモイル基又はアルキルカルバモイル基を表すが、R6〜R8のいずれか2つは、当該2つの基が結合しているベンゼン環上の炭素原子とともに一緒になって、置換基を有しても良い、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個含んでも良い環を形成してもよい。
但し、Lが0のとき、部分構造:
は、
を表す。)
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JP2016213850A (ja) * | 2010-08-17 | 2016-12-15 | エム アンド ケー ホールディングス インコーポレイテッド | イントラ予測モード復号化方法 |
CN107981311A (zh) * | 2017-11-27 | 2018-05-04 | 四川成都建华食品有限公司 | 一种芝麻油火锅底料及制备方法 |
CN108936538A (zh) * | 2018-07-03 | 2018-12-07 | 河南百缘康药业有限公司 | 一种保健调料及其制备方法 |
-
2014
- 2014-12-26 JP JP2014266497A patent/JP2016123333A/ja active Pending
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